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特許7449835情報処理装置、情報表示方法およびサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報表示方法およびサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240307BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240307BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240307BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/53
A63F13/35
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020165628
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057395
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2022-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康男
(72)【発明者】
【氏名】中村 宣之
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-097089(JP,A)
【文献】特開2013-013509(JP,A)
【文献】特開2020-146165(JP,A)
【文献】特開2014-008416(JP,A)
【文献】特開2013-223640(JP,A)
【文献】特開2019-150645(JP,A)
【文献】特開2021-069883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが操作する複数の情報処理装置に接続するサーバ装置であって、
複数のユーザが獲得した仮想的な褒賞に関する獲得情報を記録する獲得情報記録部と、
複数のユーザが複数の仮想的な褒賞を獲得した順番にもとづいて、仮想的な褒賞の獲得順に関する関係を抽出する関係抽出部と、
抽出した関係を記録する関係記録部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記関係抽出部は、1つの仮想的な褒賞に対して、当該仮想的な褒賞を獲得する前に獲得しておく必要がある仮想的な褒賞を定めた第1関係を抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第1関係は、全ての仮想的な褒賞について、当該仮想的な褒賞を獲得する前に獲得しておく必要がある仮想的な褒賞を定める、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記関係抽出部は、1つの仮想的な褒賞に対して、当該仮想的な褒賞の獲得に続いて獲得された仮想的な褒賞を定めた第2関係を抽出する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第2関係は、1つの仮想的な褒賞について、当該仮想的な褒賞の獲得に続いて獲得された仮想的な褒賞の獲得率を定める、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記第2関係は、全ての仮想的な褒賞について、当該仮想的な褒賞の獲得に続いて獲得された仮想的な褒賞を定める、
ことを特徴とする請求項4または5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
ユーザによる仮想的な褒賞の獲得状況を取得する獲得状況取得部と、
関係記録部に記録された仮想的な褒賞の獲得順に関する関係を参照して、当該ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞を特定する特定部と、
特定された仮想的な褒賞に関する情報を、ユーザが操作する情報処理装置に通知する通知部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
前記特定部は、ユーザが一番新しく獲得した仮想的な褒賞に対して定められている関係を参照して、当該ユーザが次に獲得する可能性が相対的に高い仮想的な褒賞を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記通知部は、当該ユーザが次に獲得する可能性が最も高い仮想的な褒賞に関する情報を通知する、
ことを特徴とする請求項7または8に記載のサーバ装置。
【請求項10】
ユーザが操作する情報処理装置から、ユーザが獲得した仮想的な褒賞に関する獲得情報を取得する獲得情報取得部を、さらに備え、
前記獲得情報取得部が獲得情報を取得すると、前記獲得状況取得部は、獲得状況として、当該ユーザが過去に獲得した仮想的な褒賞を特定する情報を取得する、
ことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のサーバ装置。
【請求項11】
ゲームに設定された所定のミッションのクリア条件であるアンロック条件が満たされると、ゲームをプレイしているユーザに付与される、前記ミッションに対応する仮想的な褒賞に関する情報を表示する情報処理装置であって、
サーバ装置から、ユーザの現在までの仮想的な褒賞の獲得実績から特定された、ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した情報を表示する表示処理部と、
ユーザが仮想的な褒賞を獲得すると、ユーザが獲得した仮想的な褒賞に関する獲得情報をサーバ装置に送信する送信処理部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記表示処理部は、仮想的な褒賞を表示する際に、獲得可能性があることを示す情報とともに表示する、
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示処理部は、最も獲得可能性が高い仮想的な褒賞に関する情報を表示する、
ことを特徴とする請求項11または12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置において、ゲームに設定された所定のミッションのクリア条件であるアンロック条件が満たされると、ゲームをプレイしているユーザに付与される、前記ミッションに対応する仮想的な褒賞に関する情報を表示する方法であって、
サーバ装置から、ユーザの現在までの仮想的な褒賞の獲得実績から特定された、ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞に関する情報を取得するステップと、
取得した情報を表示するステップと、
ユーザが仮想的な褒賞を獲得すると、ユーザが獲得した仮想的な褒賞に関する獲得情報をサーバ装置に送信するステップと、
を備えることを特徴とする情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに仮想的な褒賞を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプレイに対するモチベーションをユーザに与えることを目的として、ユーザがゲーム中に設定されているミッションを達成すると、仮想的な褒賞(表彰品)をユーザに付与することが行われている。特許文献1は、ゲームソフトウェアがミッションをクリアしたことを判定すると、当該ミッションに対応するトロフィIDをトロフィ管理ユーティリティに通知するゲームシステムを開示する。特許文献1において仮想的な褒賞は「トロフィ」と呼ばれている。ミッションの難易度に応じて、ブロンズ、シルバー、ゴールドのトロフィが用意され、ユーザが全てのミッションをクリアして、用意された全てのトロフィを獲得すると、プラチナトロフィがユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-97089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
獲得したトロフィはゲームのやり込み具合を示す指標となり、ユーザは効率よくトロフィを獲得することを望んでいる。そこでユーザに、これから獲得できるトロフィに関する情報を提示して、トロフィ獲得をサポートする仕組みを実現することが好ましい。
【0005】
そこで本発明は、ユーザが仮想的な褒賞を獲得することをサポートする仕組みを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、アンロック条件が満たされると、ゲームをプレイしているユーザに付与される仮想的な褒賞に関する情報を表示する情報処理装置であって、ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞に関する情報を取得する取得部と、取得部が取得した情報を表示する表示処理部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、情報処理装置において、アンロック条件が満たされると、ゲームをプレイしているユーザに付与される仮想的な褒賞に関する情報を表示する方法であって、ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞に関する情報を取得するステップと、取得した情報を表示するステップと、を備える。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置に接続するサーバ装置であって、複数のユーザが獲得した仮想的な褒賞に関する獲得情報を記録する獲得情報記録部と、複数のユーザが複数の仮想的な褒賞を獲得した順番にもとづいて、仮想的な褒賞の獲得順に関する関係を抽出する関係抽出部と、抽出した関係を記録する関係記録部と、を備える。
【0009】
本発明のさらに別の態様もサーバ装置であって、ユーザによる仮想的な褒賞の獲得状況を取得する獲得状況取得部と、関係記録部に記録された仮想的な褒賞の獲得順に関する関係を参照して、当該ユーザが次に獲得する可能性のある仮想的な褒賞を特定する特定部と、特定された仮想的な褒賞に関する情報を、ユーザが操作する情報処理装置に通知する通知部と、を備える。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例にかかる情報処理システムを示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
図4】サーバ装置の機能ブロックを示す図である。
図5】収集したトロフィ獲得情報を統計処理する手順を示す図である。
図6】算出されたトロフィ獲得率の例を示す図である。
図7】トロフィ獲得履歴の例を示す図である。
図8】第1関係を抽出する処理過程を説明するための図である。
図9】抽出された第1関係の例を示す図である。
図10】第2関係を抽出する処理過程を説明するための図である。
図11】抽出された第2関係の例を示す図である。
図12】システム画面の例を示す図である。
図13】トロフィ画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の概要を説明する。実施例の情報処理システムでは、ユーザが、情報処理装置にインストールされたゲームソフトウェアをプレイする。ゲームソフトウェアは、ゲーム内でイベントが発生すると、発生したイベントを識別するイベントコードをシステムソフトウェアに出力する。イベントは、ゲームプレイの進行に変化があったり、ゲームキャラクタの行動に変化があったとき等に発生する。
【0013】
ゲーム内には様々なミッションが設定されており、ミッションがクリアされると、ミッションに対応する仮想的な褒賞(トロフィ)がユーザに付与される。ミッションのクリア条件は、トロフィをユーザに開放するプレイ条件であるため、以下ではトロフィの「アンロック条件」とも呼ぶ。実施例では、ゲームソフトウェアがイベントコードを出力し、システムソフトウェアが、トロフィのアンロック条件の成立を判定する。システムソフトウェアは、アンロックしたトロフィに関する獲得情報を、外部のサーバ装置に送信する。
【0014】
サーバ装置は、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置から送信されるトロフィ獲得情報を収集して、ユーザのトロフィ獲得に関するプレイ動向を分析する。特に実施例のサーバ装置は、複数の情報処理装置から送信されるトロフィ獲得情報にもとづいて、トロフィの獲得順に関する関係を抽出する。サーバ装置は、抽出した当該関係に基づいて、ユーザが次に獲得する可能性のあるトロフィに関する情報をユーザに提供する。
【0015】
図1は、本発明の実施例にかかる情報処理システム1を示す。情報処理システム1は、ユーザが操作する情報処理装置10とサーバ装置5とを備えたゲームシステムであってよい。アクセスポイント(以下、「AP」とよぶ)8は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、情報処理装置10は、無線または有線経由でAP8に接続して、ネットワーク3上のサーバ装置5と通信可能に接続する。図1においては、1人のユーザおよび1台の情報処理装置10が示されているが、情報処理システム1では、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置10とサーバ装置5とがネットワーク3を介して接続していることを前提とする。
【0016】
情報処理装置10は、ユーザが操作する入力装置6と無線または有線で接続し、入力装置6はユーザが操作した情報を情報処理装置10に出力する。情報処理装置10は入力装置6から操作情報を受け付けるとシステムソフトウェアやゲームソフトウェアの処理に反映し、出力装置4から処理結果を出力させる。情報処理システム1において情報処理装置10はゲームを実行するゲーム装置(ゲームコンソール)であり、入力装置6はゲームコントローラなど情報処理装置10に対してユーザの操作情報を供給する機器であってよい。なお入力装置6は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースであってもよい。
【0017】
補助記憶装置2は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)などの大容量記録装置であり、内蔵型記録装置であってよく、またUSB(Universal Serial Bus)などによって情報処理装置10と接続する外部記録装置であってもよい。出力装置4は画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよい。出力装置4は、情報処理装置10に有線ケーブルで接続されてよく、また無線接続されてもよい。
【0018】
撮像装置であるカメラ7は出力装置4の近傍に設けられ、出力装置4周辺の空間を撮像する。図1ではカメラ7が出力装置4の上部に取り付けられている例を示しているが、出力装置4の側部または下部に配置されてもよく、いずれにしても出力装置4の前方に位置するユーザを撮像できる位置に配置される。カメラ7はステレオカメラであってもよい。
【0019】
サーバ装置5は、情報処理システム1のユーザに対してネットワークサービスを提供する。サーバ装置5は、各ユーザを識別するネットワークアカウントを管理しており、各ユーザは、ネットワークアカウントを用いて、サーバ装置5が提供するネットワークサービスにサインインする。ユーザは情報処理装置10からネットワークサービスにサインインすることで、サーバ装置5に、ゲームのセーブデータや、またゲームプレイ中に獲得した仮想的な褒賞であるトロフィを登録できる。サーバ装置5にセーブデータやトロフィが登録されることで、ユーザが情報処理装置10とは別の情報処理装置を使用しても、セーブデータやトロフィを同期できるようになる。
【0020】
実施例のサーバ装置5は、複数の情報処理装置10から、複数のユーザが獲得したトロフィの獲得情報を収集する。サーバ装置5は、収集したトロフィの獲得情報から、トロフィ獲得に関するプレイ動向を分析する。サーバ装置5は、トロフィ獲得に関する分析結果を利用して、ユーザの現在までのトロフィ獲得実績から、当該ユーザが次に獲得する可能性の高いトロフィを特定できる。ユーザは、次に獲得する可能性の高いトロフィをサーバ装置5から通知されることで、当該トロフィの獲得を意識してプレイできるようになる。
【0021】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示す。情報処理装置10は、メイン電源ボタン20、電源ON用LED21、スタンバイ用LED22、システムコントローラ24、クロック26、デバイスコントローラ30、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60を有して構成される。
【0022】
メインシステム60は、メインCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラ、GPU(Graphics Processing Unit)などを備える。GPUはゲームプログラムの演算処理に主として利用される。メインCPUはシステムソフトウェアを起動し、システムソフトウェアが提供する環境下において、補助記憶装置2にインストールされたゲームプログラムを実行する機能をもつ。サブシステム50は、サブCPU、主記憶装置であるメモリおよびメモリコントローラなどを備え、GPUを備えない。
【0023】
メインCPUは補助記憶装置2にインストールされているゲームプログラムを実行する機能をもつ一方で、サブCPUはそのような機能をもたない。しかしながらサブCPUは補助記憶装置2にアクセスする機能や、管理サーバ5との間でデータを送受信する機能を有している。サブCPUは、このような制限された処理機能のみを有して構成されており、したがってメインCPUと比較して小さい消費電力で動作できる。これらのサブCPUの機能は、メインCPUがスタンバイ状態にある際に実行される。
【0024】
メイン電源ボタン20は、ユーザからの操作入力が行われる入力部であって、情報処理装置10の筐体の前面に設けられ、情報処理装置10のメインシステム60への電源供給をオンまたはオフするために操作される。電源ON用LED21は、メイン電源ボタン20がオンされたときに点灯し、スタンバイ用LED22は、メイン電源ボタン20がオフされたときに点灯する。システムコントローラ24は、ユーザによるメイン電源ボタン20の押下を検出する。
【0025】
クロック26はリアルタイムクロックであって、現在の日時情報を生成し、システムコントローラ24やサブシステム50およびメインシステム60に供給する。
【0026】
デバイスコントローラ30は、サウスブリッジのようにデバイス間の情報の受け渡しを実行するLSI(Large-Scale Integrated Circuit)として構成される。図示のように、デバイスコントローラ30には、システムコントローラ24、メディアドライブ32、USBモジュール34、フラッシュメモリ36、無線通信モジュール38、有線通信モジュール40、サブシステム50およびメインシステム60などのデバイスが接続される。デバイスコントローラ30は、それぞれのデバイスの電気特性の違いやデータ転送速度の差を吸収し、データ転送のタイミングを制御する。
【0027】
メディアドライブ32は、ゲームなどのアプリケーションソフトウェア、およびライセンス情報を記録したROM媒体44を装着して駆動し、ROM媒体44からプログラムやデータなどを読み出すドライブ装置である。ROM媒体44は、光ディスクや光磁気ディスク、ブルーレイディスクなどの読出専用の記録メディアである。
【0028】
USBモジュール34は、外部機器とUSBケーブルで接続するモジュールである。USBモジュール34は補助記憶装置2およびカメラ7とUSBケーブルで接続してもよい。フラッシュメモリ36は、内部ストレージを構成する補助記憶装置である。無線通信モジュール38は、Bluetooth(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどの通信プロトコルで、たとえば入力装置6と無線通信する。有線通信モジュール40は、外部機器と有線通信し、たとえばAP8を介してネットワーク3に接続する。
【0029】
図3は、情報処理装置10の機能ブロックを示す。情報処理装置10は、処理部100および通信部102を備える。処理部100は、ゲームソフトウェア110、イベントコード取得部120、イベント情報生成部122、トロフィ処理部124、送信処理部126、ゲーム画像生成部130、表示処理部140およびトロフィ情報取得部150を備える。
【0030】
図3において情報処理装置10のさまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0031】
ゲームソフトウェア110は、少なくともゲームプログラム、画像データ、音声データおよびコンフィギュレーションファイルを含む。ゲームプログラムは、ユーザによる入力装置6の操作情報を受け、仮想空間においてゲームキャラクタを動かす演算処理を行う。ゲーム画像生成部130は、レンダリング処理などを実行するGPU(Graphics Processing Unit)を含んで、ゲームの画像データを生成する。なお処理部100は、ゲーム音声データを生成する音声データ生成部を備えるが、図3では省略している。表示処理部140は、ゲーム画像を出力装置4から出力する。
【0032】
ゲームプログラムは、ゲーム進行中にイベントが発生すると、発生したイベントを示すイベントコードを出力する。イベントコード取得部120は、ゲームソフトウェア110からイベントコードを取得し、イベント情報生成部122およびトロフィ処理部124に提供する。イベント情報生成部122は、イベントコードに、イベントが発生した時間を示す時間情報(タイムスタンプ)を付加したイベント情報を生成し、送信処理部126に提供する。送信処理部126は、生成されたイベント情報をサーバ装置5に送信する。
【0033】
ゲーム開発者は、様々なイベントをゲームに仕込んでよい。各イベントにはイベントコードが割り当てられ、ゲームプログラムは、発生したイベントを示すイベントコードに、イベント発生時のゲームの状態を示すゲームデータを付加して出力してよい。ここでゲームデータは、イベントの発生場所、相手や対象物等の周辺情報を含む。たとえば敵ボスとの戦闘が開始されると、ゲームプログラムは、戦闘開始を示すイベントコードに、戦闘場所および敵ボスのキャラクタIDを示すゲームデータを付加して出力してよい。
【0034】
ユーザのゲームプレイに対するモチベーションを高める目的で、ゲームには様々なミッションが設定され、ユーザがミッションをクリアすると、ミッションに対応する仮想的な褒賞(トロフィ)がユーザに付与される。ゲーム内ではミッションの難易度に応じた複数種類のトロフィが用意され、難易度の簡単なものから順にブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナのトロフィが用意される。
【0035】
ゲームソフトウェア110に含まれるコンフィギュレーションファイルは、ゲームから出力されるイベントコードと、トロフィをアンロックするための条件との対応関係を記述する。たとえばコンフィギュレーションファイルは、「小ボスを倒す」イベントがブロンズトロフィのアンロック条件であることを記述する。同様に、コンフィギュレーションファイルは、「中ボスを倒す」イベントがシルバートロフィのアンロック条件であること、「最終ボスを倒す」イベントがゴールドトロフィのアンロック条件であることを記述する。
【0036】
トロフィ処理部124は、イベントコード取得部120からイベントコードを提供されると、コンフィギュレーションファイルを参照して、トロフィアンロック条件の成立判定処理を実施する。トロフィ処理部124は、アンロック条件の成立を判定すると、アンロックしたトロフィの獲得情報を生成して、送信処理部126に提供する。トロフィの獲得情報は、ゲームを識別する識別情報(ゲームID)、アンロックしたトロフィを識別する識別情報(トロフィID)、およびアンロックした時間情報(タイムスタンプ)を含む。
【0037】
送信処理部126は、生成されたトロフィの獲得情報を、サーバ装置5に送信する。情報処理システム1において、トロフィ獲得情報の送信処理は、サーバ装置5に接続している全ての情報処理装置10により実施され、サーバ装置5は、複数の情報処理装置10から、様々なゲームのトロフィ獲得情報を収集する。情報処理装置10は、トロフィを獲得すると、すぐにトロフィ獲得情報をサーバ装置5に送信することが好ましい。
【0038】
図4は、サーバ装置5の機能ブロックを示す。サーバ装置5は、処理部200、通信部202、イベント情報記録部240、獲得情報記録部242、獲得率記録部244および関係記録部250を備える。関係記録部250は、第1関係記録部246および第2関係記録部248を有する。処理部200は、イベント情報取得部210、獲得情報取得部212、獲得率算出部214、関係抽出部220および情報提供部230を備える。関係抽出部220は、獲得履歴生成部222、第1関係抽出部224および第2関係抽出部226を有する。情報提供部230は、獲得状況取得部232、特定部234および通知部236を有する。
【0039】
図4においてサーバ装置5のさまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0040】
イベント情報取得部210は、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置10から、イベント情報を取得し、イベント情報記録部240に記録する。イベント情報記録部240は、ユーザのネットワークアカウントに紐付けて、ゲームタイトルごとにイベント情報を記録する。サーバ装置5はイベント情報を分析して、ユーザによるゲームのプレイ動向を解析してよい。
【0041】
獲得情報取得部212は、複数のユーザが操作する複数の情報処理装置10から、トロフィの獲得情報を取得し、獲得情報記録部242に記録する。獲得情報記録部242は、ユーザのネットワークアカウントに紐付けて、ゲームタイトルごとにトロフィの獲得情報を記録する。既述したように、トロフィの獲得情報には、ゲームID、トロフィIDおよびタイムスタンプが含まれる。以下、サーバ装置5が、収集したトロフィ獲得情報を統計処理して、トロフィの獲得順に関する関係情報を抽出する手順について説明する。
【0042】
図5は、収集したトロフィ獲得情報を統計処理する手順を示す。トロフィ獲得情報の統計処理は、獲得率算出部214による獲得率算出処理(S10)、獲得履歴生成部222による獲得履歴生成処理(S12)、第1関係抽出部224による第1関係抽出処理(S14)、第2関係抽出部226による第2関係抽出処理(S16)を含む。この統計処理は、ゲームタイトルごとに定期的に実施され、たとえば1日1回、実施されてよい。
【0043】
<S10:獲得率算出処理>
獲得率算出部214は、トロフィごとの獲得率を算出する。トロフィ獲得率は、0~100%の間の値として算出され、以下の式により求められる。
トロフィ獲得率=(トロフィ獲得者数/当該ゲームの全プレイヤ数)×100
【0044】
図6は、算出されたトロフィ獲得率の例を示す。トロフィ獲得率は、トロフィIDごとに算出される。なおトロフィID“0”で示されるトロフィは、全てのトロフィを獲得したユーザに付与されるプラチナトロフィであり、トロフィIDが1以上のトロフィは、ゲーム中に設定されたミッションに対応したトロフィである。
【0045】
図6に示す例で、ゲームタイトルAは、60個のトロフィを設定しており、またゲームタイトルBは、51個のトロフィを設定している。算出された獲得率は、トロフィ獲得の難易度を示す指標として、ユーザに提示されてもよい。獲得率算出部214は、算出したトロフィ獲得率を、獲得率記録部244に記録する。
【0046】
以下、1つのゲームタイトルに関して、関係抽出部220が、複数のプレイヤが複数のトロフィを獲得した順番にもとづいて、トロフィの獲得順に関する関係を抽出する処理について説明する。
【0047】
<S12:獲得履歴生成処理>
獲得履歴生成部222は、プレイヤが獲得したトロフィIDを、トロフィ獲得時刻(タイムスタンプ)でソートして、獲得した順番にトロフィIDを並べたトロフィ獲得履歴を生成する。獲得履歴生成部222は、獲得情報記録部242に記録されたトロフィ獲得情報に含まれるタイムスタンプにもとづいて、プレイヤごとに、トロフィの獲得履歴を生成する。
【0048】
図7(a)~(c)は、3人のプレイヤのトロフィ獲得履歴の例を示す。各トロフィ獲得履歴において、最初のトロフィIDは、プレイヤが一番最初に獲得したトロフィを示し、最後のトロフィIDは、プレイヤが一番最後に獲得したトロフィを示す。このゲームタイトルには55個のトロフィが用意されており、全てのプレイヤが、55個全てのトロフィを獲得して、プラチナトロフィを付与されている。
【0049】
図7(a)~(c)に示すトロフィ獲得履歴では、いずれも最初にトロフィID41のトロフィが獲得されている。このゲームにおいて、トロフィID41のトロフィはゲームのチュートリアルに設定されており、全てのプレイヤが最初にゲームを開始するとき、チュートリアルを受けることで、トロフィID41のトロフィを獲得している。
【0050】
図7(a)に示すトロフィ獲得履歴には、トロフィID41の後、ID9、ID1、ID42・・・と順番に、トロフィが獲得された状況が示されている。また図7(b)に示すトロフィ獲得履歴には、トロフィID41の後、ID3、ID9、ID42・・・と順番に、トロフィが獲得された状況が示されている。また図7(c)に示すトロフィ獲得履歴には、トロフィID41の後、ID3、ID42、ID1・・・と順番に、トロフィが獲得された状況が示されている。
【0051】
獲得履歴生成部222は、当該ゲームの全てのプレイヤのトロフィ獲得履歴を生成する。なお図7(a)~(c)には、全てのトロフィを獲得した獲得履歴が示されているが、当然のことながらトロフィ獲得履歴には、一部のトロフィを獲得した履歴も含まれる。なお獲得履歴生成部222は、総プレイヤ数が多い場合には、処理負荷を低減するために、所定数(たとえば100万人)のプレイヤのトロフィ獲得履歴を生成してもよい。獲得履歴生成部222は、生成した複数のプレイヤのトロフィ獲得履歴を第1関係抽出部224および第2関係抽出部226に供給する。
【0052】
<S14:第1関係抽出処理>
第1関係抽出部224は、少なくとも1つのトロフィに対して、当該トロフィを獲得する前に獲得しておく必要があるトロフィを定めた第1関係を抽出する。つまり、この第1関係は、ある1つのトロフィを獲得しようとした場合に、事前に必ず獲得しておかなければならないトロフィを定める。たとえば図7(a)~(c)に示したトロフィ獲得履歴では、トロフィID41のトロフィが最初に獲得されているが、このことは、トロフィID41以外のトロフィを獲得する前に、必ずトロフィID41のトロフィを獲得しておく必要があることを意味している。第1関係抽出部224は、獲得履歴生成部222から供給される複数のトロフィ獲得履歴から、このような依存関係を抽出する。
【0053】
第1関係抽出部224は、全てのトロフィについて、当該トロフィを獲得する前に獲得しておく必要があるトロフィを定めた第1関係を抽出する。以下、一例として、トロフィID42に関する第1関係を抽出する処理について説明する。
【0054】
まず第1関係抽出部224は、トロフィID42を獲得しているプレイヤのトロフィ獲得履歴を特定し、当該トロフィ獲得履歴から、トロフィID42以降に獲得したトロフィIDを削除する。
【0055】
図8(a)~(b)は、第1関係を抽出する処理過程を説明するための図である。図8(a)は、トロフィID42を含む複数のトロフィ獲得履歴の例を示す。第1関係抽出部224は、トロフィ獲得履歴において、対象となるトロフィID42以降のリストを削除する。図8(b)は、トロフィID42を獲得する前に獲得していたトロフィIDの例を示す。つまり図8(b)に示されるトロフィID群は、トロフィID42の獲得時に、既に獲得済みであったトロフィID群である。
【0056】
第1関係抽出部224は、全てのトロフィID群に共通して含まれるトロフィIDを抽出する。図8(b)を参照すると、全てのトロフィID群には、トロフィID41が含まれている。そこで第1関係抽出部224は、トロフィID42のトロフィを取得するためには、その前に、トロフィID41のトロフィを獲得しておくことが必要であることを把握する。
【0057】
第1関係抽出部224は、全てのトロフィについて、当該トロフィを獲得する前に獲得しておく必要がある1以上のトロフィを定めた第1関係を抽出する。なお第1関係抽出部224は、獲得しているプレイヤ数が非常に少ないトロフィについては、第1関係抽出処理の対象外としてもよい。また第1関係抽出部224は、トロフィの獲得順から不正が疑われる獲得履歴については、第1関係抽出処理の対象外としてもよい。第1関係抽出部224は、抽出した第1関係を、ゲームタイトルごとに第1関係記録部246に記録する。
【0058】
図9は、抽出された第1関係の例を示す。図9に示す第1関係は、全てのトロフィについて、当該トロフィを獲得する前に獲得しておく必要があるトロフィを定めている。たとえばトロフィID4に対して、トロフィID41,ID42,ID43が設定されているが、このことは、トロフィID4のトロフィを獲得するためには、トロフィID41,ID42,ID43のトロフィを獲得済みである必要があることを意味する。なおトロフィID41には、別のトロフィIDが設定されておらず、このことは、トロフィID41のトロフィを獲得する際に、別のトロフィを獲得している必要がないことを意味している。
【0059】
トロフィID41のみが設定されているトロフィID1,ID2,ID3,ID9,ID33,ID42のトロフィは、トロフィID41のトロフィさえ獲得済みであれば、獲得可能である。そのためトロフィID41を獲得したプレイヤは、次にトロフィID1,ID2,ID3,ID9,ID33,ID42のトロフィを獲得できる。一方、トロフィID50に対しては、トロフィID1,ID3,ID9,ID11,ID12,ID13,ID14,ID15,ID16,ID19,ID20,ID21,ID24,ID25,ID33,ID35,ID41,ID42,ID43,ID44,ID45,ID46,ID47,ID48,ID49,ID52,ID53,ID54,ID55のトロフィID群が設定されている。このことは、トロフィID50のトロフィを獲得するためには、その前に、設定された全てのトロフィを獲得している必要があることを意味する。
【0060】
<S16:第2関係抽出処理>
第2関係抽出部226は、少なくとも1つのトロフィに対して、当該トロフィの獲得に続いて獲得されたトロフィを定めた第2関係を抽出する。つまり、この第2関係は、あるトロフィについて、そのトロフィの次に獲得されたことがあるトロフィを定める。第2関係抽出部226は、獲得履歴生成部222から供給される複数のトロフィ獲得履歴から、このような対応関係を抽出する。
【0061】
第2関係抽出部226は、全てのトロフィについて、当該トロフィの獲得に続いて獲得されたトロフィを定めた第2関係を抽出する。以下、一例として、トロフィID42に関する第2関係を抽出する処理について説明する。
【0062】
まず第2関係抽出部226は、トロフィID42を獲得しているプレイヤのトロフィ獲得履歴を特定し、当該トロフィ獲得履歴から、トロフィID42の直後に獲得したトロフィIDを特定する。
【0063】
図10(a)~(d)は、第2関係を抽出する処理過程を説明するための図である。図10(a)は、トロフィID42を含む複数のトロフィ獲得履歴の例を示す。第2関係抽出部226は、トロフィ獲得履歴において、対象となるトロフィID42の直後のトロフィIDを特定する。図10(b)は、トロフィ獲得履歴においてトロフィID42の次に並べられたトロフィIDの例を示す。
【0064】
第2関係抽出部226は、トロフィID42の次のトロフィIDの数を集計する。図10(c)は、特定されたトロフィIDの集計結果を示す。なお図10(c)には、集計数の多い上位5つの集計結果を示しているが、上位6つ以上の集計結果を導出してもよい。図10(d)は、集計結果から導出される獲得率を示す。この例では、トロフィID42のトロフィを獲得したプレイヤのうち、57.13%のプレイヤが、次にトロフィID43のトロフィを獲得したことが示される。このことは、プレイヤがトロフィ42のトロフィを獲得した後、トロフィID43のトロフィを獲得しやすいことを意味する。
【0065】
第2関係抽出部226は、全てのトロフィについて、当該トロフィの獲得に続いて獲得されたトロフィと、その獲得率を定めた第2関係を抽出する。なお第2関係抽出部226は、獲得しているプレイヤ数が非常に少ないトロフィについては、第2関係抽出処理の対象外としてもよい。また第2関係抽出部226は、トロフィの獲得順から不正が疑われる獲得履歴については、第2関係抽出処理の対象外としてもよい。第2関係抽出部226は、抽出した第2関係を、ゲームタイトルごとに第2関係記録部248に記録する。
【0066】
図11は、抽出された第2関係の例を示す。図11に示す第2関係は、全てのトロフィについて、当該トロフィの次に獲得されるトロフィおよびその獲得率を定めている。この第2関係によると、たとえばトロフィID42のトロフィの獲得後、57.13%のプレイヤがトロフィID43のトロフィを獲得し、22.24%のプレイヤがトロフィID3のトロフィを獲得し、10.89%のプレイヤがトロフィID9のトロフィを獲得し、7.56%のプレイヤがトロフィID1のトロフィを獲得し、1.62%のプレイヤがトロフィID33のトロフィを獲得したことが示される。このことから、トロフィID42のトロフィを獲得したプレイヤは、次にトロフィID43のトロフィを獲得しやすいことが分析される。
【0067】
上記したように、獲得率算出部214および関係抽出部220は、図5に示す統計処理を定期的に実施し、処理結果を獲得率記録部244および関係記録部250に記録する。情報提供部230は、獲得率記録部244および関係記録部250に記録された統計データを参照して、ユーザに、次に獲得する可能性のあるトロフィに関する情報を提供する。
【0068】
情報処理装置10において、ゲームプレイ中に、ユーザがトロフィを獲得すると、送信処理部126が、トロフィ獲得情報をサーバ装置5に送信する。サーバ装置5において、獲得情報取得部212が、トロフィ獲得情報を取得すると、獲得状況取得部232は、当該ユーザによる同じゲームのトロフィの獲得状況を取得する。ここで獲得状況取得部232は、獲得状況として、当該ユーザが過去に獲得したトロフィを特定する情報(トロフィID)を獲得情報記録部242から取得する。獲得状況取得部232は、当該ユーザが今回獲得したトロフィのトロフィIDと、過去に獲得したトロフィのトロフィIDを特定部234に提供する。
【0069】
特定部234は、関係記録部250に記録されたトロフィの獲得順に関する関係を参照して、当該ユーザが次に獲得する可能性のあるトロフィを特定する。具体的に特定部234は、今回までに獲得したトロフィにもとづいて次に獲得可能な1以上のトロフィを特定し、特定した1以上のトロフィの獲得可能性を導出する。
【0070】
<次に獲得可能なトロフィの特定処理>
特定部234は、第1関係を参照して、ユーザが今回までに獲得したトロフィから、次に獲得可能な1以上のトロフィを特定する。たとえばユーザが、トロフィID41,ID42,ID43のトロフィを獲得している場合、特定部234は、図9に示す第1関係を参照して、トロフィID1,ID2,ID3,ID4,ID7,ID9,ID11,ID14,ID19,ID20,ID21,ID24,ID32,ID33,ID34,ID35,ID52のトロフィが次に獲得可能であることを特定する。なお特定部234は、第1関係にもとづいて次に獲得可能なトロフィ群を特定する際、既に獲得済みのトロフィについては除外し、したがってトロフィID41,ID42,ID43はトロフィ群には含まれない。
【0071】
<トロフィ獲得可能性の導出処理>
特定部234は、次に獲得可能なトロフィ群の中から、第2関係を参照して、トロフィの獲得可能性を導出する。獲得済みのトロフィID41,ID42,ID43のうち、トロフィID43のトロフィが一番新しく獲得されている場合、特定部234は、トロフィID43に対して定められている第2関係を参照して、当該ユーザが次に獲得する可能性が相対的に高いトロフィを特定する。具体的に特定部234は、図11に示す第2関係を参照して、トロフィID43に対応付けられているトロフィID19,ID3,ID14,ID9,ID1を特定し、これらのトロフィIDが、次に獲得可能なトロフィ群に含まれているか否かを判定する。この例では、トロフィID19,ID3,ID14,ID9,ID1がトロフィ群に含まれているため、特定部234は、次に獲得する可能性が想定炊きに高いトロフィが、トロフィID19,ID3,ID14,ID9,ID1のトロフィであることを特定する。
【0072】
通知部236は、特定されたトロフィに関する情報を、ユーザの情報処理装置10に通知する。通知部236は、ユーザが次に獲得する可能性が最も高いトロフィに関する情報のみを通知してもよい。この場合、トロフィID19の獲得率が最も高いため、通知部236は、トロフィID19のトロフィに関する情報を情報処理装置10に通知する。
【0073】
なお特定部234は、次に獲得可能なトロフィにスコアをつけるスコアリング処理を行って、通知部236が、最も高いスコアを付与されたトロフィに関する情報を情報処理装置10に通知してもよい。スコアには、少なくとも第2関係から取得される獲得率が反映され、さらに獲得率記録部244に記録された獲得率が反映されてもよい。獲得率記録部244に記録された獲得率は、トロフィの獲得しやすさの指標となるため、獲得率の高低に連動するようにスコアが算出されることが好ましい。つまり獲得率記録部244に記録された獲得率が高いトロフィは、スコアが相対的に高く算出され、獲得率が低いトロフィは、スコアが相対的に低く算出されることが好ましい。なお特定部234は、ブロンズ、シルバー、ゴールドのトロフィ種別に応じて、スコアを算出することも可能である。
【0074】
情報処理装置10において、トロフィ情報取得部150が、サーバ装置5から、ユーザが次に獲得する可能性のあるトロフィに関する情報を取得する。表示処理部140は、トロフィ情報取得部150が取得した情報を表示する。
【0075】
図12は、システム画面の例を示す。ユーザがゲームタイトル"Combat Field"のプレイ中に、入力装置6の所定のボタンを操作すると、表示処理部140は、システム画像180、182、184、186を生成し、ゲーム画面に重畳表示する。システム画像は、情報処理装置10においてアクティブなアプリケーションに関する情報や、ユーザにとって優先度が高いと推測される情報を通知するGUI(グラフィカルユーザインタフェース)である。
【0076】
ここでシステム画像180は、ゲームタイトル"Combat Field"のトロフィ獲得に関する情報を含む。トロフィ情報取得部150はサーバ装置5から、トロフィに関する情報を取得し、表示処理部140は、次に獲得するトロフィに関する情報を含むシステム画像180を表示する。なお表示処理部140は、ユーザが"Combat Field"のプレイ中であることを条件として、"Combat Field"のトロフィ獲得に関する情報を含むシステム画像180を表示してよい。この例では「次は、このトロフィを獲得しましょう」のメッセージが、当該トロフィの獲得可能性があることを示す情報として、当該トロフィの画像とともに表示されている。システム画像180において獲得を推奨されるトロフィは、最も獲得可能性が高いトロフィであることが好ましい。これによりユーザは、獲得可能性の高いトロフィを認識でき、当該トロフィを獲得するようにゲームをプレイできる。
【0077】
図13は、未獲得のトロフィリストを表示したトロフィ画面の例を示す。サーバ装置5は、情報処理装置10からのリクエストに応じて、未獲得のトロフィに関して、獲得可能な状態にあるか否かの情報を情報処理装置10に送信してよい。具体的には特定部234が、図9に示す第1関係を参照して、トロフィ獲得状況から、次に獲得可能であるトロフィ群を特定し、通知部236がトロフィ群を情報処理装置10に通知する。これにより表示処理部140は、未獲得のトロフィリストを表示する際に、現在トロフィが獲得可能な状態にあるか否かを示す情報を付加して表示することが可能となる。
【0078】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0079】
1・・・情報処理システム、5・・・サーバ装置、10・・・情報処理装置、100・・・処理部、102・・・通信部、110・・・ゲームソフトウェア、120・・・イベントコード取得部、122・・・イベント情報生成部、124・・・トロフィ処理部、126・・・送信処理部、130・・・ゲーム画像生成部、140・・・表示処理部、150・・・トロフィ情報取得部、200・・・処理部、202・・・通信部、210・・・イベント情報取得部、212・・・獲得情報取得部、214・・・獲得率算出部、220・・・関係抽出部、222・・・獲得履歴生成部、224・・・第1関係抽出部、226・・・第2関係抽出部、230・・・情報提供部、232・・・獲得状況取得部、234・・・特定部、236・・・通知部、240・・・イベント情報記録部、242・・・獲得情報記録部、244・・・獲得率記録部、246・・・第1関係記録部、248・・・第2関係記録部、250・・・関係記録部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13