IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヴォクア ウォーター テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

特許7449865優れた電解槽性能のためのプロセスストリーム組成の調整
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】優れた電解槽性能のためのプロセスストリーム組成の調整
(51)【国際特許分類】
   C25B 15/08 20060101AFI20240307BHJP
   B01D 61/02 20060101ALI20240307BHJP
   B01D 61/44 20060101ALI20240307BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20240307BHJP
   C02F 1/469 20230101ALI20240307BHJP
   C25B 1/26 20060101ALI20240307BHJP
   C25B 1/46 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
C25B15/08 302
B01D61/02 500
B01D61/44
C02F1/461 A
C02F1/469
C25B1/26 C
C25B1/46
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020544269
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 US2019019796
(87)【国際公開番号】W WO2019168955
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】62/635,731
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513180152
【氏名又は名称】エヴォクア ウォーター テクノロジーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Evoqua Water Technologies LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100141601
【弁理士】
【氏名又は名称】貴志 浩充
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア グリフィス
(72)【発明者】
【氏名】サイモン ピー デュークス
(72)【発明者】
【氏名】リ-シャン リャン
(72)【発明者】
【氏名】ダレン デール
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ ショー
(72)【発明者】
【氏名】ポール ベドーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ワイ グ
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-148420(JP,A)
【文献】特開平10-305217(JP,A)
【文献】特開平11-124698(JP,A)
【文献】特表2010-504200(JP,A)
【文献】特開2014-014738(JP,A)
【文献】特表2015-524787(JP,A)
【文献】特開2017-114705(JP,A)
【文献】国際公開第2007/132477(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/049052(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0282689(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0015135(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0227151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0290484(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0352498(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101516786(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/02
B01D 61/44
C02F 1/46 - 1/48
C25B 1/00 - 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給流体の供給源および生産物流体出口間に流体的に接続可能な電解槽と、
電気透析ユニット及びナノろ過ユニットを含むサブシステムであって、前記電気透析ユニットが、前記供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の双極性膜、および前記供給流体にして増加した酸性度を有する流体ストリームを前記電解槽の上流に配置されるナノろ過ユニットの入口に提供するために構成される出口を有する、サブシステムと、
を含む、電気塩素化システムであって、
前記電気透析ユニットが、一以上の一価イオン選択性膜をさらに有し;かつ
前記ナノろ過ユニットは、前記流体ストリームを残余分およびろ過生成物に分離するために構成され、前記残余分は、前記ろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有し、かつ
前記ナノろ過ユニットは、前記ろ過生成物を前記電解槽の入口に提供するために構成されるろ過生成物出口
電気塩素化システム。
【請求項2】
前記ナノろ過ユニットは、前記供給流体における一価イオン濃度よりも2%から10%まで低い一価イオン濃度を有する前記ろ過生成物を生産するために構成される、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記ナノろ過ユニットは、前記供給流体における二価イオン濃度よりも50%から90%まで低い二価イオン濃度を有する前記ろ過生成物を生産するために構成される、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記電気透析ユニットは、前記供給流体を希薄物ストリームおよび濃縮物ストリームに分離し、および希薄物ストリームから濃縮物ストリームに一価イオンを選択的に輸送するために構成される、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記電気透析ユニットは、前記供給流体して3%から400%まで濃縮物ストリームにおける一価イオンの濃度を増加させるために構成される、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記サブシステムには、前記供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の一価選択性膜、ナノろ過ユニットの入口と流体連結する希薄物ストリーム出口、前記ナノろ過ユニットのろ過生成物出口と流体連結する濃縮物ストリーム入口、および前記電解槽の入口と流体連結する濃縮物ストリーム出口を有する電気透析ユニットが含まれる、請求項1のシステム。
【請求項7】
電気塩素化システムを操作する方法であって、
供給流体の供給源と電解槽との間で流体連結するサブシステムを操作することであって、前記サブシステムが、電気透析ユニット及びナノろ過ユニットを含み、前記サブシステムが、以下:
一以上の双極性膜を有する電気透析ユニットにおいて前記供給流体を処理すること、および前記供給流体にして増加した酸性度を有する流体ストリームを前記電気透析ユニットの出口から前記電解槽の上流に配置されるナノろ過ユニットの入口に提供すること、
一以上の一価選択性膜を有する電気透析ユニットにおいて前記供給流体を処理すること、
前記流体ストリームを前記ナノろ過ユニットにより残余分およびろ過生成物に分離することであり、前記残余分は、前記ろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有すること、および前記ろ過生成物を前記電解槽の入口に提供して、修飾された供給流体を形成すること
を含む、サブシステムを操作すること;および
前記修飾された供給流体を前記電解槽中に導入すること
を含む、電気塩素化システムを操作する方法。
【請求項8】
前記供給流体における一価イオン濃度よりも2%から10%まで低い一価イオン濃度を有する前記ろ過生成物を生産することを含む、請求項の方法。
【請求項9】
前記供給流体における二価イオン濃度よりも50%から90%まで低い二価イオン濃度を有する前記ろ過生成物を生産することを含む、請求項の方法。
【請求項10】
前記供給流体を希薄物ストリームおよび濃縮物ストリームに分離し、および一価イオンを前記希薄物ストリームから電気透析ユニットにおける前記濃縮物ストリームに選択的に輸送することを含む、請求項の方法。
【請求項11】
前記濃縮物ストリームにおける一価イオンの濃度を供給流体して3%から400%まで増加させることを含む、請求項10の方法。
【請求項12】
前記サブシステムを操作することには、一以上の一価選択性膜を有する電気透析ユニットにおいて前記供給流体を処理すること、希薄物ストリームを前記電気透析ユニットからナノろ過ユニットの入口に送ること、ろ過生成物を前記ナノろ過ユニットから前記電気透析ユニットの濃縮物ストリーム入口に送ること、および前記濃縮物ストリームを前記電気透析ユニットから前記電解槽の入口に送ることが含まれる、請求項の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
この出願は、2018年2月27日付け出願の「優れた電解槽#性能のためのプロセスストリーム組成の調整(REGULATION OF PROCESS STREAM COMPOSITION FOR IMPROVED ELECTROLYZER#PERFORMANCE)」と題する米国仮出願連続番号第62/635,731号に対して、35 U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張し、それはすべての目的のために参照によってその全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
1.発明の分野
ここに開示する態様および実施形態は概して、電気化学デバイスに、およびより一層具体的には、電気塩素化セルおよびデバイスならびにそれを利用するシステムおよび方法に指向する。
2.関連技術の考察
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気化学デバイスは、電極での化学反応によって供給ストリームから生産物溶液を生産するために使用され、産業上および自治体の履行において広く使用される。反応の例としては、以下のものが含まれる:
【0004】
A1.塩化ナトリウムおよび水からの次亜塩素酸ナトリウムの生成を伴う電気塩素化。
アノードでの反応:2Cl→C1+2e
カソードでの反応:2Na+2HO+2e→2NaOH+H
溶液において:C1+2OH→ClO+Cl+H
全体的な反応:NaCl+HO→NaOCl+H
ox=-1.36 V(塩素生成)
red=-0.83 V(水素生成)
cell=-2.19 V
【0005】
A2.沈殿物反応条件。
水酸化マグネシウム:Mg2++2OH→Mg(OH)
炭酸カルシウム:Ca2++CO 2-→CaCO
【0006】
B.塩化ナトリウムおよび水からの水酸化ナトリウムおよび塩素の生成、アノードおよびカソードを分離するカチオン交換膜による:
アノードでの反応:2Cl→C1+2e
カソードでの反応:2HO+2e→2OH+H
全体的な反応:2NaC1+2HO→2NaOH+C1+H
【0007】
C.エネルギー貯蔵用バナジウムレドックス電池、電極を分離するプロトン透過性膜による。
充電中:
第1電極での反応:V3++e→V2+
第2電極での反応:V4+→V5++e
放電中:
第1電極での反応:V2+→V3++e
第2電極での反応:V5++e→V4+
【0008】
いくらかの履行において、電気塩素化デバイスは海水で存在する塩化ナトリウムから次亜塩素酸ナトリウムを生成するために利用され得る。
概略
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に従い、電気化学セルが提供される。電気化学セルには、入口、出口、および中心軸、ならびに中心軸についてハウジング内に実質同軸に配置され、およびアノード-カソード対のアノードおよびカソード間に活性領域を規定するアノード-カソード対を有するハウジングが含まれ、アノードおよびカソードの少なくとも一方の活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりもひろい表面積を有し、アノード-カソード対は電気化学セルを通過するすべての流体が活性領域を通して軸方向に導かれるために構成およびアレンジされる。
【0010】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは少なくとも約2mm-1の全体的な電極パッキング密度を有する。
【0011】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、電気化学セル内に配置され、および中心軸に沿って電気化学セルの一部を通る流体の流れをブロックするために構成される中心コア要素がさらに含まれ、中心コア要素はアノード-カソード対の少なくとも一の電極に非接続である。
【0012】
いくらかの実施形態では、アノード-カソード対は中心軸について螺旋状に巻かれる。
【0013】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、一以上の螺旋状に巻かれた双極性電極がさらに含まれる。いくらかの実施形態では、アノードは電気化学セルの長さに沿ってカソードから横方向に変位する。
【0014】
いくらかの実施形態では、アノードおよびカソードの少なくとも一方は硬質電極である。アノードおよびカソードは各々チタンプレートを含んでよく、およびアノードの表面は白金および混合金属酸化物からなる群より選ばれる耐酸化性コーティングにより被覆され得る。アノードおよびカソードには、各々チタン、ニッケル、およびアルミニウムの一以上が含まれ得る。アノードの表面は、白金、混合金属酸化物、マグネタイト、フェライト、コバルトスピネル、タンタル、パラジウム、イリジウム、金、および銀からなる群より選ばれる耐酸化性コーティングで被覆され得る。アノードおよびカソードの少なくとも一方は流体透過性であり得、および/または穿孔したチタンプレートを含んでもよい。
【0015】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、アノードおよびカソード間のギャップ距離を維持するために構成されるセパレータがさらに含まれ、セパレータは活性領域を通して電解質溶液の流れに対してオープンである。セパレータはアノードおよびカソードの少なくとも一方の縁部と係合するスロットを伴うスポークを有するハブを含み得る。ハブはアノードおよびカソードの一方を電流の供給源に電気的に接続するために構成される電気コネクタをさらに含み得る。
【0016】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、アノードおよびカソードの一方と電気的に接触するスポークを含むハブがさらに含まれる。スポークはアノードおよびカソードの一方の縁部と係合し、および螺旋状に巻かれたアノード-カソード対のターン間のギャップを維持するスロットを含み得る。
【0017】
いくらかの実施形態では、中心コア要素には、アノード-カソード対の最も内側の巻線内に配置される非導電性コアが含まれる。
【0018】
いくらかの実施形態では、アノード-カソード対は複数の同心電極管および隣接する電極管の間に規定されるギャップを含む。複数の同心電極管は複数のアノード電極管および複数のカソード電極管のうちの一を含み得る。複数のアノード電極管および複数のカソード電極管のうちの一は硬質電極であり得る。
【0019】
いくらかの実施形態では、複数の同心管電極は複数のアノード電極管および複数のカソード電極管を含む。
【0020】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは単一のパスにおいてアノード電極管からカソード電極管へ電解質溶液を通して電流(DCおよび/またはAC)が流れることを可能にするために構成される。
【0021】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、アノード電極管およびカソード電極管間に配置される双極性電極管がさらに含まれる。
【0022】
いくらかの実施形態では、アノード電極管はアノード電極管と同じ直径を有するカソード電極管から電気化学セルの長さに沿って横方向に変位する。電気化学セルには、アノードハーフおよびカソードハーフを含む電極管が含まれ得る。
【0023】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、アノード電極管およびカソード電極管のそれぞれの同心円状にアレンジされた隣接する対の間に配置される複数の双極性電極管がさらに含まれる。
【0024】
いくらかの実施形態では、複数のアノード電極管および複数のカソード電極管の少なくとも一は穿孔されるか、および/または流体透過性である。
【0025】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、隣接する電極管の間に位置付けられる少なくとも一のセパレータがさらに含まれ、少なくとも一のセパレータは隣接する電極管間のギャップを規定および維持するために構成される。セパレータは隣接する電極管間に規定されるギャップを通して電解質溶液の流れに対してオープンであり得る。
【0026】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは複数の同心電極管の縁部に電気的にカップリングされるスポークを含む金属性ハブがさらに含まれる。各スポークは複数の同心電極管の縁部と係合して複数の同心電極管において隣接する電極管の間のギャップを維持するスロットを含み得る。
【0027】
いくらかの実施形態では、中心コア要素は電気化学セルの最も内側の同心管電極の端部内に配置されるエンドキャップを含む。
【0028】
いくらかの実施形態では、電気化学セルはオブラウンド断面を有する。
【0029】
いくらかの実施形態では、電気化学セルには、アノードおよびカソードの一方と電気的連結する電気コネクタがさらに含まれ、電気コネクタは電解質溶液によって化学的攻撃に対して異なる程度の抵抗性を有する少なくとも二の物質を含む。少なくとも二の物質は第一の物質および第二の物質を含み得、および電気コネクタは第一の物質で形成される流体透過性本体を含み得る。流体透過性本体は複数の開口部を含んでもよい。
【0030】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは第一の物質で形成された流体透過性本体に一以上の機械的ファスナーによりカップリングされる第二の物質のプレートまたは本体を含む。
【0031】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは第一の物質で形成された流体透過性本体に圧縮フィット(compression fit)によりカップリングされる第二の物質のプレートまたは本体を含む。
【0032】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは第一の物質で形成される流体透過性本体の縁部において形成される細線(threads)を有する第一の物質で形成された流体透過性本体にカップリングされる第二の物質のプレートまたは本体を含む。
【0033】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは第二の物質で形成される本体の筒状部分において形成される細線を有する第一の物質で形成された流体透過性本体にカップリングされる第二の物質で形成される本体を含む。
【0034】
いくらかの実施形態では、電気化学セルは第一の物質で形成される本体に溶接される第二の物質で形成される本体を含む。
【0035】
別の態様に従い、電気化学セルを含むシステムが提供される。本電気化学セルには、入口、出口、および中心軸、ならびに中心軸についてハウジング内に実質同心的に配置され、およびアノード-カソード対のアノードおよびカソード間に活性領域を規定するアノード-カソード対を有するハウジングが含まれ、アノードおよびカソードの少なくとも一方の活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりもひろい表面積を有し、アノード-カソード対は電気化学セルを通過するすべての流体が活性領域を通して軸方向に導かれるために構成およびアレンジされる。本システムは電気化学セルと流体連結する電解質の供給源をさらに含む。電気化学セルは電解質の供給源からの電解質から一以上の反応生産物を生産し、および一以上の反応生産物を産出するために構成される。システムは電気化学セルによって産出される一以上の反応生産物についてユースポイントをさらに含む。一以上の反応生産物は消毒剤を含み得る。消毒剤は次亜塩素酸ナトリウムを含むか、またはそれから本質的になり得る。
【0036】
いくらかの実施形態では、電解質の供給源には、塩水および海水のうちの一が含まれる。
【0037】
いくらかの実施形態では、システムは船および石油プラットフォーム(石油掘削用プラットフォームとも称する)のうちの一において含まれる。
【0038】
いくらかの実施形態では、ユースポイントは冷却水システムおよびバラストタンクのうちの一を含む。
【0039】
いくらかの実施形態では、システムは地上にある石油掘削システム(land-based oil drilling system)において含まれ、そこでユースポイントは石油掘削システムのダウンホール(地面に掘った穴とも称する)である。
【0040】
別の態様に従い、電気化学セルが提供される。本電気化学セルは、ハウジングにおいて配置されるカソードおよびアノードで、およびそれらの間にギャップを規定するものを含み、各々のカソードおよびアノードは弓状部分(arcuate portions)を含み、アノードの活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりもひろく、およびカソードの活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりもひろく、カソードおよびアノードは電気化学セルを通過するすべての流体がギャップを通して軸方向に導かれるために構成およびアレンジされる。
【0041】
いくらかの実施形態において、アノードは弓状基部から延びる複数のプレートを含み、およびカソードは弓状基部から延びる複数のプレートを含み、アノードの複数のプレートはカソードの複数のプレートとインターリーブする。
【0042】
別の態様に従い、電気化学セルが提供される。電気化学セルは、ハウジングにおいて配置されるカソードおよびアノードで、およびそれらの間にギャップを規定するものを含み、各々のカソードおよびアノードはハウジングの内側面のそれぞれの部分に適合する部分を含み、アノードの活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりひろく、およびカソードの活性表面積はハウジングの内側面の表面積よりひろく、カソードおよびアノードは電気化学セルを通過するすべての流体がギャップを通して軸方向に導かれるために構成およびアレンジされる。アノードおよびカソードの少なくとも一はコルゲーテッド部分(波形部分とも称する)を含み得る。
【0043】
別の態様に従い、電気塩素化システムが提供される。本システムには、供給流体の供給源および生産物流体出口間に流体的に(fluidically)接続可能な電解槽、および電解槽の上流で、供給流体のpHの上昇、または供給流体における一価対二価イオンの比率の上昇のうちの一について構成されるサブシステムが含まれる。
【0044】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に(fluidly)接続可能な入口を有し、および供給流体を残余分およびろ過生成物に分離するために構成されるナノろ過ユニットが含まれ、残余分はろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有し、およびろ過生成物出口はろ過生成物を電解槽の入口に提供するために構成される。
【0045】
いくらかの実施形態では、ナノろ過ユニットは供給流体における一価イオン濃度よりも2%から10%まで低い一価イオン濃度を有するろ過生成物を生産するために構成される。
【0046】
いくらかの実施形態では、ナノろ過ユニットは供給流体における二価イオン濃度よりも50%から90%まで低い二価イオン濃度を有するろ過生成物を生産するために構成される。
【0047】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の一価選択性膜、および電解槽の入口と流体連結する濃縮物ストリーム出口を有する電気透析ユニットが含まれる。電気透析ユニットは供給流体を希薄物(diluate)ストリームおよび濃縮物ストリームに分離し、および希薄物ストリームから濃縮液ストリームに一価イオンを選択的に輸送するために構成され得る。電気透析ユニットは供給液(the feed liquid)に関して3%から400%までによって濃縮物ストリームにおける一価イオンの濃度を増加させるために構成され得る。
【0048】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の双極性膜、および供給流体に関して増加した酸性度を有する流体ストリームを電解槽の入口に提供するために構成される出口を有する電気透析ユニットが含まれる。
【0049】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の双極性膜、および供給流体に関して増加した酸性度を有する流体ストリームを電解槽の上流に配置されるナノろ過ユニットの入口に提供するために構成される出口を有する電気透析ユニットが含まれる。ナノろ過ユニットは、流体ストリームを残余分およびろ過生成物に分離するために構成してよく、残余分はろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有し、およびろ過生成物を電解槽の入口に提供するために構成されるろ過生成物出口を含む。
【0050】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、および電気透析ユニットと流体連結する出口とを有するナノろ過ユニットが含まれ、電気透析ユニットは一以上の一価選択性膜および濃縮物ストリーム出口で、電解槽の入口と流体連結するものを含む。本システムには、電気透析ユニットおよび電解槽間で流体連結する酸素飽和ユニットがさらに含まれ得、および濃縮物ストリームを電解槽の入口に入れるのに先立って酸素を濃縮物ストリームに加えるために構成される。
【0051】
いくらかの実施形態では、サブシステムには、供給流体の供給源に流動的に接続可能な入口、一以上の一価選択性膜、ナノろ過ユニットの入口と流体連結する希薄物ストリーム出口、ナノろ過ユニットのろ過生成物出口と流体連結する濃縮物ストリーム入口、および電解槽の入口と流体連結する濃縮物ストリーム出口を有する電気透析ユニットが含まれる。
【0052】
別の態様によれば、電気塩素化システムを操作する方法が提供される。本方法には、修飾された供給流体を形成するために供給流体のpHの上昇、または供給流体における一価対二価イオンの比率の上昇のうちの一について供給流体の供給源および電解槽間で流体連結するサブシステムを操作すること、および修飾された供給流体を電解槽中に導入することが含まれる。
【0053】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することには、ナノろ過ユニットにおける供給流体を残余分およびろ過生成物に分離することが含まれ、残余分はろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有する。本方法には、供給流体における一価イオン濃度よりも2%から10%まで低い一価イオン濃度を有するろ過生成物を生産することが含まれ得る。本方法には、供給流体における二価イオン濃度よりも50%から90%まで低い二価イオン濃度を有するろ過生成物を生産することが含まれ得る。
【0054】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することは、一以上の一価選択性膜を有する電気透析ユニットにおいて供給流体を処理することを含む。本方法には、供給流体を希薄物ストリームおよび濃縮物ストリームに分離し、および一価イオンを希薄物ストリームから電気透析ユニットにおける濃縮物ストリームに選択的に輸送することが含まれ得る。濃縮物ストリームにおける一価イオンの濃度は供給液に関して3%から400%までによって増加される。
【0055】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することは、一以上の双極性膜を有する電気透析ユニットにおいて供給流体を処理すること、および供給流体に関して増加した酸性度を有する流体ストリームを電気透析ユニットの出口から電解槽の入口に提供することを含む。
【0056】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することは、一以上の双極性膜を有する電気透析ユニットにおいて供給流体を処理すること、および供給流体に関して増加した酸性度を有する流体ストリームを電気透析ユニットの出口から電解槽の上流に配置されるナノろ過ユニットの入口に提供することを含む。本方法には、ナノろ過ユニットにより流体ストリームを残余分およびろ過生成物に分離ことであり、残余分はろ過生成物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有すること、およびろ過生成物を電解槽の入口に提供することがさらに含まれ得る。
【0057】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することは、電気透析ユニットと流体連結する出口を有するナノろ過ユニットにおいて供給流体を処理することであり、電気透析ユニットは一以上の一価選択性膜を含むこと、および濃縮物ストリームを電気透析ユニットから電解槽の入口に送ることが含まれる。本方法には、濃縮物ストリームを電解槽の入口に入れるのに先立って酸素を濃縮物ストリームに加えることがさらに含まれ得る。
【0058】
いくらかの実施形態では、サブシステムを操作することは、一以上の一価選択性膜を有する電気透析ユニットにおいて供給流体を処理すること、希薄物ストリームを電気透析ユニットからナノろ過ユニットの入口に送ること、ろ過生成物をナノろ過ユニットから電気透析ユニットの濃縮物ストリーム入口に送ること、および濃縮物ストリームを電気透析ユニットから電解槽の入口に送ることが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
添付図面は正確な縮尺で描くことを意図していない。図面では、様々な図において例示する同一またはほぼ同一の各コンポーネントは、同様の数字で表す。明確にするために、あらゆるコンポーネントがすべての図面でラベル付けされているとは限らない。図面において以下説明する:
【0060】
図1A】マルチ-チューブ同心管電解槽セルの実施形態の斜視図である。
図1B図1Aの同心管電解槽セルの側面図である。
図1C図1Aの同心管電解槽セルの断面図である。
図2】直列に流体的に接続された20個の電気化学セルを含む電解槽システムを例示する。
図3A】代表的な電解槽システムパラメータの表である。
図3B】代表的な電解槽システムの質量流量の表である。
図3C】電解槽システムにおける代表的な水素容量生成率の表である。
図3D】電解槽システムにおける代表的な質量生成率の表である。
図4】ナノろ過を介して電解槽システムの供給ストリーム組成を調節するためのシステムを例示する。
図5】実例のナノろ過システムにおける選定化合物の除去率を例示する。
図6】電気透析を介して電解槽システムの供給ストリーム組成を調節するためのシステムを例示する。
図7A】実例の電気透析モジュールからの海水濃縮物における合計TDSの関数としてのClおよびSO 2-の相対レベルを例示する。
図7B】実例の電気透析モジュールにおける脱塩パーセントの関数としてのClおよびSO 2-の相対レベルを例示する。
図8A】実例の電気透析モジュールからの海水濃縮物における合計TDSの関数としての選定カチオンの相対レベルを例示する。
図8B】実例の電気透析モジュールにおける脱塩パーセントの関数としての選定カチオンの相対レベルを例示する。
図9A】電気透析を介して電解槽供給ストリームのpHを調節するためのシステムを例示する。
図9B図9Aの双極性電気透析モジュールをより一層詳細に例示する。
図10】ナノろ過を介して電解槽供給ストリームのpHを調節するシステムを例示する。
図11図11Aは、電解槽供給ストリームを調節するためにナノろ過および電気透析を組み合わせるシステムを例示する。図11Bは、電解槽供給ストリームを調節するためにナノろ過および電気透析を組み合わせる別のシステムを例示する。
図12A】供給ストリーム組成を調節するためのシステムで、反応生産物減少(reaction product abatement)について構成される電解槽とカップリングされるものを例示する。
図12B】電解槽への異なる供給溶液についての水素減少の相対的性能を例示する。
図13】ここに開示する電気化学セルおよびシステムの実施形態についてのコントロールシステムを例示する。そして
図14図13のコントロールシステムのためのメモリシステムを例示する。
図15A】再循環電解槽システムの性能を評価するためのテストシステムのセットアップを例示する。
図15B図15Aのシステムについて利用される供給溶液の組成を例示する。そして
図15C図15Aのシステムの試験の結果を例示する。
【0061】
詳細な記載
【0062】
ここに開示する態様および実施形態は、以下の説明において記載し、または図面において例示するコンポーネント(成分、構成要素とも称する)の構成およびアレンジメント(配列とも称する)の詳細に制限されない。ここに開示する態様および実施形態は、さまざまな仕方において実践または遂行する能力がある。また、ここで使用する言い回しおよび用語法は説明を目的とするものであり、および制限と見なされるべきではない。ここでの「including(含むこと、全体の一部・成分として含むこと、などとも称する)」、「comprising(含むこと、備えること、構成要素として持つこと、などとも称する)」、「having(有すること、もつこと、などとも称する)」、「containing(含有すること、一定の枠内に含むこと、などとも称する)」、「involving(関与すること、などとも称する」、およびそれらの変形の使用は、その後に列挙するアイテムおよびその等価物ならびに追加的なアイテムを包含することを意味する。
【0063】
この開示は電気塩素化セルおよび電気塩素化デバイスを含め、システムの様々な実施形態を説明するが、この開示は、電気塩素化セルまたはデバイスが含まれるシステムに制限されず、およびここに開示する態様および実施形態は、複数目的のいずれかのものについて使用される電解および電気化学セルが含まれるシステムに適用可能である。
【0064】
目下の商業上の電気塩素化セルは典型的に、二つの電極アレンジメント、同心管(concentric tubes)(CTE)および平行プレート(PPE)のうちの一に基づく。
【0065】
ここに開示する態様および実施形態は概して、消毒剤、例えば、次亜塩素酸ナトリウムなどのようなものを生成するために電気化学デバイスが含まれるシステムに向けられる。「電気化学デバイス」および「電気化学セル」という用語およびそれらの文法上の変形は、「電気塩素化デバイス」および「電気塩素化セル」およびそれらの文法上の変形を包含すると理解されるべきである。ここに開示する電気化学セルの態様および実施形態は一またはそれよりも多く(単に、一以上と称する)の電極を含むとして説明される。
【0066】
ここに開示するシステムにおいて含まれる電気化学セルの実施形態は、金属電極、例えば、一以上のアノード、一以上のカソード、および/または一以上の双極性電極を含み得る。ここで使用するように「金属電極」という用語またはその文法上の変形は、一以上の金属、例えば、チタン、アルミニウム、またはニッケルから形成され、それらを含み、またはそれらからなる電極を包含すると理解されるが、他の金属または合金からなることを含む電極を除外しない。いくらかの実施形態では、「金属電極」は異なる金属のマルチ層(multiple layers)を含み得る。ここで開示する実施形態のいずれか一以上において利用される金属電極は、高導電性金属、例えば、銅またはアルミニウムのコアを含み得、電解質溶液によっての化学的攻撃に対する高い耐性を有する金属または金属酸化物、例えば、チタン、白金、混合金属酸化物(MMO)、マグネタイト(磁鉄鉱とも称する)、フェライト、コバルトスピネル、タンタル、パラジウム、イリジウム、銀、金、または他のコーティング物質の層により被覆される。「金属電極」は、耐酸化性コーティング、例えば、制限されないが、白金、混合金属酸化物(mixed metal oxide)(MMO)、マグネタイト、フェライト、コバルトスピネル、タンタル、パラジウム、イリジウム、銀、金、または他のコーティング物質により被覆され得る。ここに開示する実施形態において利用される混合金属酸化物には、ルテニウム、ロジウム、タンタル(随意にアンチモンおよび/またはマンガンと合金化される)、チタン、イリジウム、亜鉛、スズ、アンチモン、チタン-ニッケル合金、チタン銅合金、チタン鉄合金、チタン-コバルト合金、または他の適切な金属または合金の酸化物または酸化物群が含まれ得る。ここに開示する実施形態において利用されるアノードは、プラチナおよび/またはイリジウム、ルテニウム、スズ、ロジウム、またはタンタル(随意にアンチモンおよび/またはマンガンにより合金化される)の一以上の酸化物または酸化物群により被覆され得る。ここに開示する実施形態において利用されるカソードは、プラチナおよび/またはイリジウム、ルテニウム、およびチタンの一以上の酸化物または酸化物群によりコーティングされ得る。ここで開示する実施形態において利用される電極は、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、および/またはシリコンの一以上のベースを含み得る。ここに開示する任意のシステムにおける任意の電気化学セルのための電極は、プレート、シート、ホイル、押出し物、および/または焼結物として、またはそれらから形成することができる。
【0067】
ここに開示するシステムにおいて含まれる電気化学セルのいくらかの態様および実施形態は硬質電極(rigid electrodes)を含むものとして説明される。本用語をここで用いるとき、「硬質」物体は、通常の操作温度にておよび/または高められた温度にて加えられる力が不存在な場合にその形状を維持するものである。ここで使用する用語として「硬質電極」は、スペーサを必要とせずに、ここに開示する電気化学セルおよびデバイスの様々な実施形態において隣接電極または電極巻線(electrode windings)間のその形状および分離をそれが維持するように十分な機械的剛性(mechanical stiffness)を有すると考えられる。例えば、金属コーティングを含む可撓性フィルムは、本用語をここで使用するとき、「硬質電極」と考えるべきではない。
【0068】
ここで使用する「管」という用語は、筒状(cylindrical)導管を含むが、他の断面形状を有する導管、例えば、正方形、長方形、楕円形、またはオブラウンド(長円)形、または任意の規則的または不規則な多角形のような断面形状を有する導管を除外しない。
【0069】
ここで使用する「同心管」または「同心螺旋」という用語は、共通の中心軸を共有する管またはインターリーブした(交互配置したとも称する)螺旋を含むが、同心管またはインターリーブした螺旋のセットにおいて各々の同心管またはインターリーブした螺旋に関して必ずしも中心ではない共通軸を囲む管またはインターリーブした螺旋を除外しない。
【0070】
いくらかの実施形態では、中心軸に垂直に規定される平面において電気塩素化セルの中心軸から電気塩素化セルの周辺に向かって通過する線は、マルチ電極プレートを通過する。マルチ電極プレートはマルチアノードおよび/またはマルチカソードおよび/またはマルチ双極性(multiple bipolar)電極を含み得る。中心軸は電気化学セルを通して流体の平均的な流れ方向に平行であり得る。
【0071】
マルチアノードまたはカソード管電極を含め、ここに開示するシステムに含まれる電気化学セルの実施形態では、マルチアノード管電極は集合的にアノードまたはアノード管と称し得、およびマルチカソード管電極は集合的にカソードまたはカソード管と称し得る。マルチアノードおよび/またはマルチカソード管電極を含むシステムにおいて含まれる電気化学セルの実施形態では、マルチアノード管電極および/またはマルチカソード管電極はここで集合的にアノード-カソード対と称してよい。
【0072】
ここに開示するシステムにおいて含まれる電気化学セルのいくつかの態様および実施形態では、同心管電極、例えば、ここに開示するような一以上のアノードおよび/またはカソードが含まれ、電極は、電気化学セルの中心軸に平行な方向において電極間の一以上のギャップ(間隙とも言う)を通して流体を導くように構成およびアレンジ(配列とも称する)される。同心管電極、例えば、ここに開示する一以上のアノードおよび/またはカソードを含む電気化学セルのいくつかの態様および実施形態では、電極は、電気化学セルの中心軸に平行な方向において電極間の一以上のギャップを通して電気化学セル中に導入されるすべての流体を導くために構成およびアレンジされる。
【0073】
電気塩素化セルは、海洋、オフショア、自治体(municipal)、産業および商業用途で使用される。複数の同心電極管を含む電気塩素化セルの設計パラメータ、例えば、電極間の間隔、電極の厚さおよびコーティング密度、電極面積、電気接続の方法、などは、さまざまな履行(implementations)のために選定することができる。ここに開示する態様および実施形態は、電極の数、電極間の空間、電極物質またはスペーサ物質、電気塩素化セル内の通過回数または電極コーティング物質に制限されない。
【0074】
PCT出願PCT/US2016/018210号はあらゆる目的について参照によって全体がここに組み込まれる。
【0075】
ここに開示する態様および実施形態は、電解槽供給ストリームの組成の調整のためのシステムおよびプロセスを含む。これらの技術の使用を通して、沈殿物形成の割合を低下させ、および電解槽によって生産される次亜塩素酸塩の濃度を増加させることが可能である。
【0076】
システム性能を改善するための同心管状電解槽(CTE)セルの構成はUS 62/633,790号において論じられており、それをすべての目的のために参照によってその全体としてここに組み込む。電気化学セルの様々なアレンジメントを含む電解槽システム(例は、マルチCTEセルを含むCTEシステム)は、PCT出願PCT/US2019/019072号において開示され、それはあらゆる目的のために参照によってその全体がここに組み込まれる。ただし、セルのアレンジメントに加えて、CTEシステムの性能はその供給ストリーム組成に大きく依存する。
【0077】
CTEシステムは、例えば、以下の表1および2に例示するように、広範囲の組成にわたって海水供給ストリームにより操作することを意図する。海水において様々な溶解固形物の濃度は場所によって変動し得るが、海水の一つの例には、次の成分が含まれ得る:



【表1】
【0078】
異なる場所からの海水の様々なイオン成分を以下の表2に示す。
【表2】
【0079】
CTEシステムにおいて海水からNaOClを生成するための全体的な電気化学反応条件は、方程式セット(equation sets)A1およびA2においてこの開示の背景セクションにおいてリストする。
【0080】
海水からNaOClを生成するCTEシステムのアノードでの主要な反応生産物はClである。アノード電流および溶液でのNaClの濃度は、Clが生産される割合を調整し、それは次に溶液において形成されるNaOClの量を決める。システムの容量流量に関して形成されるNaOClの量は全体の生産物強度を決定付ける。
【0081】
海水からNaOClを生成するCTEシステムのカソードでの主な反応生産物はHおよびOHである。電流、および従ってカソード電流密度は、それらが生産される割合を調整し、およびそれらの生産割合はシステム内のpHに影響を与える。
【0082】
海水のバルクpHは概して7.5-8.4であるが、上記反応の速度論は他の要因とともにシステム内のpHを駆動する。
【0083】
その溶解度を超えると、HはCTEセルにおいてそれが生産されるときにガス放出し、流体容量が置き換えられ、およびカソードが覆い隠される(blinding)。同じOH生産率を維持しながら局所的な流体の体積を減らすと、カソードでの局所的なpHが高くなる。
【0084】
乱流、および従って混合は速度の関数であるため、CTEセルのカソードでの局所的なOH濃度もまた、速度の関数である。したがって、流量を減らすことは、局所的なカソードのpHを高くする。
【0085】
8のpHしきい値では、海水はCaCOにより過飽和される。10.7-11のpHしきい値で、Mg(OH)が形成され始める。これらの種はどちらも、CTEセルの性能を低下させる。
【0086】
溶液においてMg2+およびCa2+の濃度を変動させることもまた、沈殿物形成の割合および量の両方に影響を与える。
【0087】
プロセスストリームのTDSの変動は、その導電率、およびそれ故に電解槽の全体的な電力消費に影響し、その理由はセル電圧および導電率は反比例の関係だからである。
【0088】
目下のEvoqua(エボクア)の最新技術のCTEセルを図1A-1Cにおいて示す。水力学的に直列に接続された二十のCTEセルを含む実例のシステムは図2において示す。特に注目すべきパラメータには、海水の容量流量(図3A)、図3Bの質量流量、Hの容量生成率(図3C)、および図3Dの質量生成率が含まれる。
【0089】
2-3m/sの流速にて、図2において例示するようなシステムはセルフクリーニング操作する能力があり、約10,000および16,000 ppm間のNa濃度、約18,000および23,000ppm間のCl濃度、約750および1,800ppm間のMg2+濃度、および約200および500ppm間のCa2+濃度を有する供給ストリームが想定される。
【0090】
これらの供給条件について、約2,000ppmおよび約3,000ppm間のNaOCl産出(output)濃度を達成可能である。再度、この生産物の強度は理論的には沈殿物形成の割合によっておよび溶液におけるNaClの量によって制限される。電気塩素化システムの性能を向上させるために、あるものは、例えば:
・沈殿を軽減する(pH調整またはMg2+/Ca2+除去を介する);および/または
・供給ストリームにおいてNaClの濃度を上げる
であり得る。
【0091】
プロセスストリーム組成の調整
【0092】
二価の硬度(divalent hardness)について補償し、および/または一価の塩濃度を高めるために技術が存在する。ただし、上記のようなシステムについて、多くのプロセスは実用的ではない。適切および不適切なプロセスの双方の例を以下に挙げる。
【0093】
不適切:
・アンチスケーラント(Anti-scalant)の投与:処理する質量についての試薬コストが高すぎる
・キレート化:処理する質量についての試薬コストが高すぎる
・蒸留:必要な容量を処理するためのエネルギーコストが高すぎる
・電気脱イオン(Electrodeionization)(EDI):低硬度供給が必要、プロセス範囲外である
・イオン交換:有人操作が必要;再生させる化学物質のコストおよび危険な性質は禁止されている
・ライムの軟化/ Clark´s(クラークの)プロセス:有人操作が必要;処置のための質量およびスラッジ処理コストが高すぎる
・磁気水処理(AMT):証明されていないプロセス、裏付けのあるデータがほとんどない。
【0094】
適切:
・酸の投与:酸の注入はpHを低下させることができ、それはスケールの形成を軽減し得る
・容量性の脱イオン化(CAPDI):二価を低減し、および一価イオン濃度を高めることができ;比較的低エネルギー(循環吸着/脱着)
・ナノろ過/逆浸透:二価イオン濃度を低減することができ、一価イオン濃度での同時低減を伴う;比較的低エネルギー
・電気透析(ED):一価イオンを選択式に(selectively)輸送し、および/または酸を生成することができる。
【0095】
非制限的な実施形態
【0096】
図4はナノろ過(NF)を介して供給ストリーム組成を調節するためのシステムを描く。二価の硬度、具体的にはMg2+およびCa2+を低減し、および電解槽の沈殿を防ぐためのNFの使用は、新規であると考えられる。NFユニットは、海水を残余分(retentate)およびろ過物(filtrate、ろ過したもの、ろ液などとも称する)に分離し、残余分はろ過物よりも高い二価イオン対一価イオンの比率を有する。NFユニットのろ過物出口は、電解槽の入口にろ過物を提供する。そのようなNFシステムについての参照データを図5において含める(Telzhensky(テルゼンスキー), M.、Bimhack(ビムハック), L.、Lehmann(レーマン), O.、Windler(ウインドラー), E.、Lahav(ラハーブ), O. Selective separation of seawater Mg2+ ions for use in downstream water treatment processes(下流の水処理プロセスにおいて使用するための海水Mg2+イオンの選択的分離)。Chemical Engineering Journal(ケミカル・エンジニアリング・ジャーナル)175(2011)136-143から再生)。
【0097】
この構成では、一価のイオン濃度はおおよそ2-10%まで低下し得、その一方二価のイオン濃度はおおよそ50-90%まで低下させ得る。
【0098】
図6は電気透析(ED)を介して供給ストリームの組成を調節するためのシステムを描く。そのようなシステムは、希釈物(dilute、希薄物などとも称する)から濃縮物ストリームに一価イオンを選択的に(preferentially、優先的にとも称する)輸送するために一価の選択性膜を利用するであろう。そのようなプロセスのための参照データを図7A-8Bにおいて含める。図7A-7Bは一価選択性膜(monovalent selective membranes)を利用するEDシステムの実例の性能を例示する。処理の増加(TDSでの減少または脱塩の度合いの増加)に伴い、一価イオン(Cl、Na、K)は希釈物から濃縮物ストリームにまですばやく移動するが、一方で二価イオン(SO、Mg、Ca)は高度なTDS除去/脱塩が達成されるまで濃縮物ストリームにおいて残る。この構成では、濃縮物ストリームにおける一価イオン濃度はおおよそ3%-400%まで増加し得、二価イオン種の濃度において同時の変化はない。
【0099】
図9AはEDを介して電解槽供給ストリームのpHを調節するためのシステムを描く。このシステムは、HおよびOHを生成するために双極性膜を利用する(図9A)。電解槽(図9B)にて、またはNFモジュール(図10)にてのいずれかでpHを調節するためにHを使用することができる。
【0100】
図11Aおよび11Bは、電解槽供給ストリームを調節するためにNFおよびEDを組み合わせるシステムを描く。図11Aのシステムでは、NFは二価の硬度を下げるために使用する。NFからの残余分ストリームは一価の選択性EDモジュールの希釈物および濃縮物ストリームの両方に供給する。臭化物イオンは濃縮物ストリームに流れるであろうことから、一価の選択性EDモジュールの希釈物ストリームは、他のアプリケーション、例えば、飲用または冷却水などのようなものに使用することができた。次に、二価イオン濃度が低下し、および一価イオン濃度が上昇した濃縮物ストリームは電解槽用の供給ストリームとして使用することができた。
【0101】
図11Bのシステムでは、供給ストリームにおいて一価イオンの濃度を低減するために、一価の選択性EDモジュールの希釈性ストリーム(diluting stream)が最初に使用される。次いで、二価の硬度を下げるために、EDデバイスの希釈物ストリームをNFモジュール用の供給物として使用する。次いで、NFモジュールのろ過生成物(permeate)をEDデバイスの濃縮物ストリームに供給し、一価イオンの全体的な濃度が保たれる。
【0102】
図12Aは供給ストリーム組成を調節するためのシステムを描き、反応生成物削減のための特長を含む電解槽とカップリング(coupled、接合とも称する)される。様々な供給物組成、具体的には、海水およびブラインの反応生成物削減を比較する以前の実験では、Mg2+硬度の存在がカソードマスキングを引き起こし、および動作電流密度が約2,200から200A/mにまで低下し(図12B)、酸素消費から水素生成への同時シフトを伴うことが見出された。図12Bにおいて、酸素消費から水素生成へのシフトは各々のラインにおいてマークされた変曲点で発生する。「ブライン-3m/s、1バール空気」のラインは何らの改善も伴わない性能を表す。「ブライン-3m/s、6.9バールO2」のラインは十分に実現された性能の向上を表す。「海水-3m/s、5バールO2」のラインはMg干渉によって引き起こされる性能の低下を例示する。二価の硬度、特にMg2+利用、例えば、図12Aにおいて例示するようにナノろ過ユニットを排除することによって、水素を伴わずにNaOClを生成する能力がある電解槽システムは次いで可能であろう。また、酸素を電気化学反応器供給ストリームに導入して溶解したHと反応させて水を形成し、およびHが溶液から出ることを防ぐために、酸素飽和器を提供し得る。
【0103】
ここに開示するシステムの実施形態の様々な要素の動作を監視および制御するために使用されるコントローラは、コンピュータ化された制御システムを含んでよい。コントローラの種々の態様は、汎用コンピュータシステム1000、例えば、図13に示すようなものなどにおいて実行される専用ソフトウェアとしてインプリメントされてもよい。コンピュータシステム1000は、一以上のメモリデバイス1004、例えば、ディスクドライブ、ソリッドステートメモリ、またはデータを格納するための他のデバイスなどのようなものに接続されたプロセッサ1002を含み得る。メモリ1004は典型的に、プログラムおよびコンピュータシステム1000の動作中のデータを格納するために使用される。コンピュータシステム1000のコンポーネントは、相互接続機構1006によってカップリングされ得、それは一以上のバス(例は、同じ機械内に統合されるコンポーネント間)および/またはネットワーク(例は、分けられ別個の機械上に存在するコンポーネント間)を含み得る。相互接続機構1006は通信(例は、データ、命令)がシステム1000のシステムコンポーネント間で交換されることを可能にする。コンピュータシステム1000はまた、一以上の入力デバイス1008、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、タッチスクリーン、および一以上の出力デバイス1010、例えば、印刷デバイス、ディスプレイスクリーン、および/またはスピーカーを含む。
【0104】
出力デバイス1010はまた、バルブ、ポンプ、またはスイッチを含んでよく、それらはここに開示するように供給物供給源からの電気塩素化システム中、またはユースポイント(point of use、使用場所とも称する)に生産物の水(例は、汽水または海水)を導入するために、および/またはポンプの速度を制御するために利用し得る。一以上のセンサ1014はまた、コンピュータシステム1000への入力を提供してよい。これらのセンサは、例えば、圧力センサ、化学物質濃度センサ、温度センサ、流体流量センサ、または電気塩素化システムのオペレーターにとって関心がある任意の他のパラメータのためのセンサを含み得る。これらのセンサはそれらが有用であろうシステムの任意の部分、例えば、ユースポイントおよび/または電気塩素化システムの上流に、または供給物供給源と流体連結(in fluid communication with、流体連通とも称する)して位置し得る。さらに、コンピュータシステム1000は、相互接続機構1006に加えて、またはその代わりとして、コンピュータシステム1000を通信ネットワークに接続する一以上のインターフェース(示さない)を含み得る。
【0105】
ストレージシステム1012は、図14においてより一層詳細に示し、典型的にコンピュータ可読性および書き込み可能な不揮発性記録媒体1102を含み、そこで信号が格納され、それらはプロセッサ1002によって実行されるプログラムまたはプログラムによって処理される情報を規定する。媒体は、例えば、ディスクまたはフラッシュメモリを含み得る。典型的には、操作において、プロセッサは、データを不揮発性記録媒体1102から別のメモリ1104中に読み取らせ、それは媒体1102でなすよりもプロセッサによって情報へのより一層高速なアクセスが可能になる。このメモリ1104は典型的に、揮発性の、ランダムアクセスメモリ、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックメモリ(SRAM)などのようなものである。それは、示されるように、ストレージシステム1012において、またはメモリシステム1004において位置し得る。プロセッサ1002は概して、集積回路メモリ1104内のデータを操作し、および次いで処理が完了して後データを媒体1102にコピーする。媒体1102および集積回路メモリ要素1104間のデータ移動を管理するための様々なメカニズムが知られ、およびここで開示する態様および実施形態はそれらに制限されない。ここで開示する態様および実施形態は特定のメモリシステム1004またはストレージシステム1012に制限されない。
【0106】
コンピュータシステムは、特別にプログラムされた、特殊用途のハードウェア、例えば、アプリケーション特有の集積回路(ASIC)を含み得る。ここで開示する態様および実施形態は、ソフトウェア、ハードウェアまたはファームウェア、またはそれらの任意の組合せにおいてインプリメントされ得る。さらに、そのような方法、動作、システム、システム要素およびそれらのコンポーネントは、上述のコンピュータシステムの一部として、または独立したコンポーネントとしてインプリメントされてもよい。
【0107】
コンピュータシステム1000は、例として、一つのタイプのコンピュータシステムとして示され、それはここで開示する種々の態様および実施形態が実践され得るが、ここに開示する態様および実施形態は図13において示すようにコンピュータシステムにてインプリメントされるものに制限されないことを理解すべきである。ここで開示する種々の態様および実施形態は、図13において示すものとは異なるアーキテクチャまたはコンポーネントを有する一以上のコンピュータにて実践され得る。
【0108】
コンピュータシステム1000は、高水準コンピュータプログラミング言語を使用してプログラム可能な汎用コンピュータシステムであり得る。コンピュータシステム1700はまた、特別にプログラムされた特別な目的のハードウェアを使用してインプリメントされ得る。コンピュータシステム1000では、プロセッサ1002は典型的に、商業上入手可能なプロセッサ、例えば、Intel Corporation(インテルコーポレーション)から入手可能なよく知られたPentiumTM(トレードマーク)(ペンティアム)またはCoreTM(コア)クラスのプロセッサなどのようなものである。他の多くのプロセッサがプログラマブルロジックコントローラーを含め、利用可能である。そのようなプロセッサは通常、オペレーティングシステムを実行し、それは例えばMicrosoft Corporation(マイクロソフトコーポレーション)から入手可能なWindows(ウィンドウズ)7、Windows 8、またはWindows 10オペレーティングシステム、Apple Computer(アップルコンピュータ)から入手可能なMAC OS System(マックOSシステム)X、Sun Microsystems(サンマイクロシステムズ)から入手可能なSolaris Operating System(ソラリスオペレーティングシステム)、または種々のソースから入手可能なUNIX(ユニックス)であり得る。他の多くのオペレーティングシステムを使用し得る。
【0109】
プロセッサおよびオペレーティングシステムは共に、コンピュータプラットフォームを規定し、それについて高水準プログラミング言語においてアプリケーションプログラムが記述される。本発明が特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステム、またはネットワークに制限されないことを理解すべきである。また、ここで開示する態様および実施形態が特定のプログラミング言語またはコンピュータシステムに制限されないことは本技術において熟練する者には明らかであろう。さらに、他の適切なプログラミング言語および他の適切なコンピュータシステムも使用することができるであろうことは認められるべきである。
【0110】
コンピュータシステムの一以上の部分は通信ネットワークにカップリングした一以上のコンピュータシステム(示さない)にわたって分散され得る。これらのコンピュータシステムはまた、汎用コンピュータシステムであり得る。例えば、本発明の種々の態様は、一以上のクライアントコンピュータにサービス(例は、サーバ)を提供するために、または分散システムの一部として全体的なタスクを行うために構成する一以上のコンピュータシステムの間で分散され得る。例えば、ここで開示する種々の態様および実施形態は、ここで開示する種々の態様および実施形態に従って種々の機能を行う一以上のサーバシステムの間に分散されるコンポーネントを含むクライアント-サーバシステムにて行なわれてよい。これらのコンポーネントは実行可能で、仲介し(例は、IL)または解釈した(例は、Java(ジャバ))コードであってよく、それらは通信プロトコル(例は、TCP/IP)を用いる通信ネットワーク(例は、インターネット)上で通信する。いくらかの実施形態では、コンピュータシステム200の一以上のコンポーネントは、例えば、セルラー電話ネットワークを含め、無線ネットワーク上で一以上の他のコンポーネントと通信し得る。
【0111】
ここで開示する態様および実施形態は、任意の特定のシステムまたはシステムのグループでの実行に制限されないことが認められるべきである。また、ここで開示する態様および実施形態は、任意の特定の分散型アーキテクチャ、ネットワーク、または通信プロトコルに制限されないことが認められるべきである。ここで開示する種々の態様および実施形態は、オブジェクト指向プログラミング言語、例えば、SmallTalk(スモールトーク)、Java、C++、Ada(エイダ)、またはC#(C-Sharp(C-シャープ))などのようなものを使用してプログラムされてもよい。他のオブジェクト指向プログラミング言語もまた使用し得る。あるいはまた、関数型、スクリプト型、および/または論理プログラミング言語を使用することもでき、例えば、ラダーロジックである。ここで開示する種々の態様および実施形態は、プログラムされていない環境においてインプリメントされ得る(例は、HTML、XMLまたは他の形式において作り出される文書で、それはブラウザプログラムのウィンドウで見たときにグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の態様にされ、または他の機能を行う)。ここで開示する種々の態様および実施形態は、プログラムされ、またはプログラムされていない要素、またはそれらの任意の組合せとしてインプリメントされ得る。
【実施例
【0112】
例:
【0113】
図15Aは試験された再循環電解槽システムを描く。
このセットアップでは、3.5%のInstant Ocean(R)(商標)(インスタント・オーシャン)合成海水溶液(図15B)を生産物タンク内で調製した。次に、その溶液は様々な長さの時間(図15C、7-120分)の間、電解槽を通して再循環させ、その間セルにわたって入力電圧をかけた。Hガスはそれが生成する時に排出され、およびNaOCl生産物が蓄積された。
【0114】
背景の議論によれば、Hを排出することはカソードの覆い隠しを防ぐであろうし、それゆえ局所的なpHがバルク値の近くに維持され、Mg(OH)スケールが軽減されると考えられる。確認として、バルクpHは8.6および8.8間であると測定され、および観察可能な沈殿は形成されなかった。
【0115】
持続的な操作の後、NaOCl生産物の強度をヨウ素滴定により測定した。約750および6200ppm間の生産物強度(図15C)が達成された。そのような結果は目下の最先端技術を超えて大幅な改善を表した。
【0116】
ここに開示する態様および実施形態は、供給ストリームの組成の調整を通して、同様またはより一層優れた性能を達成可能であろうことが予期される。
【0117】
ここで用いる語法および用語は、説明を目的とするものであり、および制限するものと見なされるべきではない。ここで使用するように、「複数」という用語は、二以上のアイテムまたはコンポーネントに言及する。「comprising」、「including」、「carrying(運ぶこと)」、「having」、「containing」、および「involving」という用語は、書面による説明またはクレームおよびその他同種類のものなどにおいてにかかわらず、オープンエンドの用語、即ち、「含むがこれらに制限されないこと」を意味するためのものである。それゆえ、そのような用語の使用はその後に挙げるアイテム、およびその等価のもの、ならびに追加的なアイテムを包含することを意味する。請求の範囲に関して、「consisting of(からなる)」および「consisting essentially of(から本質的になる)」という移行句だけが、それぞれクローズドまたはセミクローズ型の移行句である。序数用語、例えば、「第一」、「第二」、「第三」、およびその他同種類のものなどのようなもののクレームにおけるクレーム要素を修飾するための使用は、それ自体だけで、あるクレーム要素の他のものに対する任意の優先事項、優先権、または順序、または方法の動作を行う時間的順序を内包するものではないが、クレーム要素を区別するために、一定の名称を有する一のクレーム要素を同じ名称を有する別の要素(ただし、通常の用語を使用する)から区別するためにラベルとして単に使用される。
【0118】
このように、少なくともある実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、種々の変形、修飾、および改良は本技術において熟練する者には容易に思い浮かぶであろうことが認められるべきである。任意の実施形態において説明する任意の特長は、任意の他の実施形態の任意の特長において含まれるか、またはそれらの代替であり得る。そのような変形、修飾、および改良はこの開示の一部であることが意図され、および本発明の範囲内であることが意図される。したがって、前述の説明および図面は例としてだけのものである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図15C