(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】破砕性ベール
(51)【国際特許分類】
B29B 9/08 20060101AFI20240307BHJP
C08L 23/16 20060101ALI20240307BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20240307BHJP
C08K 5/098 20060101ALI20240307BHJP
B29B 9/16 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B29B9/08
C08L23/16
C08L83/04
C08K5/098
B29B9/16
(21)【出願番号】P 2020573439
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 US2019035753
(87)【国際公開番号】W WO2020005493
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-31
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】リ、クァンミン
(72)【発明者】
【氏名】ドダカー、スリカント
(72)【発明者】
【氏名】トロティエ、レミ エー.
(72)【発明者】
【氏名】グルート-エンツェリン、ゲリット
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダン、ジョゼフ ジェイ. アイ.
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-242690(JP,A)
【文献】特開2018-058957(JP,A)
【文献】特表2003-507513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/16
B29B 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕性ベールを作製するプロセスであって、前記破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、前記コーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、前記プロセスが、
a)前記コーティングされたポリマー粒子を容器に加えることと、
b)前記コーティングされたポリマー粒子を一塊にして前記破砕性ベールを形成させることと、を含み、
前記破砕性ベールが、4"x4"x4"(10.16cm×10.16cm×10.16cm)の寸法に切断したベール試料において、≦1.00MPaの圧縮力をし、
前記水性金属酸は、ステアリン酸金属である、プロセス。
【請求項2】
破砕性ベールを作製するプロセスであって、前記破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、前記コーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、前記プロセスが、前記コーティングされたポリマー粒子を、ベーリング機に加えて、前記破砕性ベールを形成することを含み、前記破砕性ベールが、
4"x4"x4"(10.16cm×10.16cm×10.16cm)の寸法に切断したベール試料において、≦1.00MPaの圧縮力を有
し、前記水性金属酸は、ステアリン酸金属である、プロセス。
【請求項3】
前記コーティング中の前記ポリシロキサンと
前記水性金属酸との重量比が0.10~1.00である、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記コーティング中の前記ポリシロキサンと前記
水性金属酸との重量比が、0.15~0.50である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記
水性金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記
水性金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~5000ppm、または20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~700ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~700ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記
水性金属酸の金属が、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記
水性金属酸が、ステアリン酸カルシウムを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記ポリシロキサンが、ポリ-ジメチルシロキサン(PDMS)である、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを、ペレット化水に加え、前記ポリマー粒子を、前記ペレット化水に加える、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
EPDMゴムのゴルフボールサイズの未分散塊(すなわち「エッグ」)の出現は、配合プロセス中にEPDM配合者によって定期的に観察される。この問題は、アモルファスEPDMベール製品で特に顕著である。この現象は、さまざまな混合状況で発生し、EPDMベール温度が約10℃未満のとき、より寒い気候でより頻繁に発生する。「エッグ」の形成は、内部ミキサーでのベール材料の取入れ挙動と関連がある。ベール弾性率が低いと、ベールの破砕性と関連がある取入れ挙動が改善される(すなわち、破砕性ベール対高密度ベール)。破砕性ベールEPDM製品は、せん断条件下で高密度ベールEPDM製品よりもはるかに低い結合力を示した。したがって、高密度ベールは、混合中に、破砕性ベールよりもエッグを形成しやすい傾向がある。
【0002】
シングルサイト触媒および溶液プロセスに基づくアモルファスEPDM製品は、典型的には、最初にペレットで製造され、ペレットは、袋に詰められ、箱に入れて出荷および保管される。出荷および保管段階では、箱内の袋の下部スタックにあるペレットは、一塊になって高密度ベールとなる。ベールの破砕性を改善し、したがって混合品質を改善するために、ペレットがベールを形成する前に、相当量の分配剤をペレットの表面に適用する必要がある。
【0003】
ポリマーペレット、コーティング組成物、およびベールプロセスは、以下の参考文献、すなわち、EP365202A2/JP02814609B2、US4207218、US3775933、EP427339(B1)/CA2029486C、WO2004/058480、WO2017/049064、WO2001/012716、WO2009/035877、米国特許第4,960,644号、米国特許第5,007,961号、米国特許第5,096,493号、米国特許第5,334,644号、米国特許第5,443,910号、米国特許第6,403,677号、Walker,EP0749454 A1、および米国特許公開US2013/0101852に記載されている。
【0004】
したがって、改善されたポリマーベール、およびそのためのプロセスに関するニーズが存在し、それらのベールは破砕しやすい。このニーズは、以下の発明によって満たされる。
【発明の概要】
【0005】
破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、
a)そのコーティングされたポリマー粒子を容器に加えることと、
b)そのコーティングされたポリマー粒子を一塊にして破砕性ベールを形成させることと、を含み、
その破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
【0006】
破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、そのコーティングされたポリマー粒子を、ベーリング機に加えて、破砕性ベールを形成することを含み、その破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
【0007】
オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含む、コーティングされたポリマー粒子を含む破砕性ベールであって、
その金属酸は、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppmの量で存在し、
そのポリシロキサンは、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppmの量で存在する、破砕性ベール。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】水性金属酸分散液と水性ポリシロキサンエマルジョンとのプレミックスを使用するコーティングプロセスを示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
破砕性ベール、およびそのようなベール、を形成するためのプロセスが、発見され、それらは、優れた処理および配合を提供する。
【0010】
上述したように、第1の態様では、破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、
a)そのコーティングされたポリマー粒子を容器に加えることと、
b)そのコーティングされたポリマー粒子を一塊にして破砕性ベールを形成させることと、を含み、
その破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。本明細書で使用される場合、コーティングされたポリマー粒子は、(粒子の総重量に基づいて)≧50重量%の粒子が、互いに固着または融合されるとき一塊にされる。
【0011】
第2の態様では、破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、そのコーティングされたポリマー粒子を、ベーリング機に加えて、破砕性ベールを形成することを含み、その破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
【0012】
第3の態様では、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含む、コーティングされたポリマー粒子を含む破砕性ベールであって、
その金属酸は、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppmの量で存在し、
そのポリシロキサンは、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppmの量で存在する、破砕性ベール。
【0013】
本発明のプロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0014】
破砕性ベールは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0015】
以下の実施形態は、明記されている場合を除き、上記の3つの態様全てに適用する。
【0016】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティング中のポリシロキサンと金属酸の重量比は、0.10~10.0、または0.15~8.00、または0.20~5.00である。
【0017】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティング中のポリシロキサンと金属酸の重量比は、0.10~1.00、または0.10~0.80、または0.10~0.60、または0.10~0.50、または0.10~0.40、または0.10~0.30である。
【0018】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する。
【0019】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~5000ppm、または20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する。
【0020】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~700ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する。
【0021】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~700ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する。
【0022】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~300ppm、または0超~250ppm、または0超~200ppmの量で存在する。
【0023】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~300ppm、または20ppm~250ppm、または20ppm~200ppmの量で存在する。
【0024】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~300ppm、または0超~250ppm、または0超~200ppmの量で存在する。
【0025】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~300ppm、または30ppm~300ppm、または40ppm~300ppm、または50ppm~300ppmの量で存在する。
【0026】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸の金属は、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される。
【0027】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、ステアリン酸金属、さらにはステアリン酸カルシウムを含む。
【0028】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、ステアリン酸金属、さらにはステアリン酸カルシウム、およびC16脂肪酸金属、さらにはC16脂肪酸カルシウムを含む。
【0029】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸は、ステアリン酸カルシウムである。
【0030】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。
【0031】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、分散液/エマルジョン混合物をペレット化水に加え、ポリマー粒子をそのペレット化水に加える。
【0032】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、水性金属酸分散液または水性ポリシロキサンエマルジョンをペレット化水に加え、ポリマー粒子をそのペレット化水に加える。
【0033】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、分散液とエマルジョンの混合物をポリマー粒子の表面上に噴霧する。
【0034】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、水性分散液および/または水性エマルジョンをポリマー粒子の表面上に噴霧する。
【0035】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ウェットコーティングされたポリマー粒子を、周囲温度での空気乾燥、熱風乾燥、真空乾燥、または加熱によって乾燥させる。
【0036】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティング組成物は架橋されない。本明細書で使用される場合、「架橋」という用語は、組成物の少なくとも50重量%が、140℃の温度(キシレンの沸点、還流)で12時間、キシレン中で還流した後、不溶性のままであることを指す。ASTM D2765を参照されたい。
【0037】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子はペレットの形態である。
【0038】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、それぞれ、<0.10重量%、または<0.05重量%、または<0.01重量%のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、アミド含有ポリマーのアミド含有化合物を含まない。
【0039】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、それぞれ、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のアミド含有化合物またはアミド含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、アミド含有ポリマーのアミド含有化合物を含まない。
【0040】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、
コーティングの重量に基づいて、それぞれ、≦0.10重量%、もしくは≦0.05重量%、もしくは≦0.01重量%の酸含有化合物または酸含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、酸含有ポリマーの酸含有化合物を含まない。
【0041】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%の酸含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、酸含有ポリマーを含まない。
【0042】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のEVAを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、EVAを含まない。
【0043】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のEVAを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、EVAを含まない。
【0044】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のプロピレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、プロピレン系ポリマーを含まない。
【0045】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のプロピレン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマーは、プロピレン系ポリマーを含まない。
【0046】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%の、スチレンを重合形態で含有するポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、スチレンを重合形態で含有するポリマーを含まない。
【0047】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%の、スチレンを重合形態で含有するポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、スチレンを重合形態で含有するポリマーを含まない。
【0048】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のフルオロ含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、フルオロ含有ポリマーを含まない。
【0049】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のフルオロ含有ポリマーを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、フルオロ含有ポリマーを含まない。
【0050】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のポリウレタンを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、ポリウレタンを含まない。
【0051】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のポリウレタンを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ポリウレタンを含まない。
【0052】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングは、コーティングの重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のワックスを含む。さらなる実施形態では、コーティングは、ワックスを含まない。
【0053】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≦0.10重量%、または≦0.05重量%、または≦0.01重量%のワックスを含む。さらなる実施形態では、ポリマー組成物は、ワックスを含まない。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ワックス」という用語は、177℃で≦5,000cPの溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるエチレン系ポリマー、または、230℃で≦5,000cPの溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるプロピレン系ポリマー、または145℃で≦5,000cPの溶融粘度を有し、23℃および1気圧で固体であるポリシロキサンを指す。
【0055】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーのエチレン系ポリマーである。
【0056】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン系ポリマーである。さらなる実施形態では、エチレン系ポリマーは、0.5~2000g/10分、または1.0~1000g/10分、または5.0~500g/10分、または10~100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0057】
エチレン系ポリマーの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、不均一に分岐した線状ポリマー(LLDPEなどのZiegler-Natta重合ポリマーを含み、およびThe Dow Chemical Companyから入手可能なDOWLEX線状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの製品を含む)、均一に分岐した実質的に線状のポリマー(AFFINITYポリオレフィンプラストマーおよびENGAGEポリオレフィンエラストマーなど、両方ともThe Dow Chemical Companyから入手可能)、均一に分岐した線状ポリマー(ExxonMobilから入手可能なEXACTポリマーなど)、オレフィンマルチブロックコポリマー(The Dow Chemical Companyから入手可能なINFUSEオレフィンブロックコポリマー)、The Dow Chemical Companyから入手可能なNORDEL EPDM樹脂、およびオレフィンブロック複合材料(The Dow Chemical Companyから入手可能なINTUNEなど)が挙げられる。エチレン系ポリマーの他の例としては、高圧のフリーラジカル重合から形成されたエチレン系コポリマーが挙げられる。ポリマーの例としては、SURLYN、BYNEL、ELVAX、NUCREL(DuPont)、およびDUTRAL(Versalis)が挙げられる。
【0058】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、さらに、エチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである。アルファ-オレフィンの例は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0059】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーである。さらなる実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、さらにプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーである。アルファ-オレフィンの例としては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが挙げられる。プロピレン系ポリマーとしては、、Dow Chemical Companyから入手可能なVERSIFYポリオレフィンエラストマー、およびExxonMobilから入手可能なVISTAMAXXポリマーが挙げられる。
【0060】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、プロピレン系ポリマーは、0.5~2000g/10分、または1.0~1000g/10分、または5.0~500g/10分、または10~100g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
【0061】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーまたはエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーから選択される。
【0062】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマー、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0063】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.940g/cc、または0.855~0.935g/cc、または0.860~0.930g/cc、または0.865~0.925g/cc(1cc=1cm3)の密度を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0064】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、0.850~0.880g/cc、または0.855~0.875g/cc、または0.858~0.870g/ccの密度を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0065】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、10~100、または20~80、または30~60のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0066】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%~65重量%、または52重量%~62重量%、54重量%~60重量%のC2(ASTM D3900)を含む。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0067】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、≦50%、または≦40%、または≦30%、または≦20%、または≦10%、または≦5.0%の結晶化度パーセントを有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0068】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、≦10%、または≦9.0%、または≦8.0%、または≦7.0%、または≦6.0%、または≦5.0%の結晶化度パーセントを有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0069】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、2.0~5.0、または2.0~4.5、または2.0~4.0、または2.0~4.5、または2.0~3.5、または2.0~3.0の分子量分布(MWD)を有する。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0070】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%のオレフィン系ポリマーを含む。さらなる実施形態では、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである。さらなる実施形態では、ジエンは、ENBである。
【0071】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、
エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー(例えば、EPDM)であり、0.850~0.890g/cc、または0.855~0.885g/cc、または0.860~0.880g/cc(1cc=1cm3)の密度を有する。
【0072】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、0.850~0.890g/cc、または0.855~0.885g/cc、または0.860~0.880g/cc(1cc=1cm3)の密度を有する。さらなる実施形態では、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。アルファ-オレフィンの例は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0073】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、0.1~50g/10分、または0.5~40g/10分、または0.8~30g/10分のメルトインデックス(I2、190℃および2.16kg)を有する。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーであるアルファ-オレフィンの例は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0074】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、0.1~10g/10分、または0.5~8.0g/10分、または0.8~6.0g/10分のメルトインデックス(I2、190℃および2.16kg)を有する。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーであるアルファ-オレフィンの例は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0075】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、オレフィン系ポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、1.7~3.5、または1.8~3.0、または1.8~2.8、または1.8~2.5の分子量分布(MWD)を有する。さらなる実施形態では、インターポリマーは、エチレン/α-コポリマーである。アルファ-オレフィンの例は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンなどの3~8個の炭素原子を有するものである。
【0076】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の全表面の≧50%、または≧60%、または≧70%、または≧80%においてコーティングを含む。
【0077】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、ポリマー粒子の全表面の≧85%、または≧90%、または≧95%においてコーティングを含む。
【0078】
ポリマー粒子の全表面積は、粒子(例えば、ペレット)の平均ペレット寸法とグラムあたりの粒子の重量から計算することができ、またはBET分析によって(例えば、Micromeritics ASAP 2420から入手可能なBET機器を使用して)求めることができる。コーティングされたポリマー粒子の表面積の量は、目視検査によって決定することができる。
【0079】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、金属酸およびポリシロキサンは、コーティングの総重量の≧90重量%、または≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%を構成する。
【0080】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングされた粒子は、0℃において、≦20lb/ft2、さらに≦15lb/ft2、さらに≦10lb/ft2、さらに≦5.0lb/ft2、さらに≦4.0lb/ft2、さらに≦3.0lb/ft2、さらに≦2.0lb/ft2、さらに≦1.0lb/ft2、さらに≦0.5lb/ft2、さらに≦0.2lb/ft2、さらに≦0.1lb/ft2の一軸降伏強度(unconfined yield strength)を有する。
【0081】
オレフィン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。エチレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。プロピレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0082】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー組成物は、少なくとも1つの添加剤を含む。添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤(例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、および顔料)、難燃剤、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0083】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、破砕性ベールは、破砕性ベールの重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%のコーティングされたポリマー粒子を含む。
【0084】
また、本明細書に記載の破砕性ベールから形成された少なくとも1つの成分を含む物品も提供する。
【0085】
ポリシロキサンエマルジョン
水性ポリシロキサンエマルジョンは、水およびポリシロキサンを含む組成物である。
【0086】
「ポリシロキサン」は、次の繰り返し単位-(SiR1R2-O)n-を含むポリマーであり、式中、R1およびR2は、各々、独立して、炭化水素または置換炭化水素であり、nは、2以上である。本明細書で使用される場合、「置換炭化水素」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、N、またはP)を含む炭化水素を指す。
【0087】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、R1およびR2は、各々、独立して、炭化水素であり、さらにアルキル基である。
【0088】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、R1および/またはR2は、次の:アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、またはヘキセニル基、好ましくはビニル基など;アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、またはシクロヘキシル基、または同様のシクロアルキル基など;およびアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基、フェネチル基、3-フェニルプロピル基など;アルコキシ基、例えば、メトキシ基またはエトキシ基など;ハロゲン化炭化水素基、例えば、3-クロロプロピル基または3,3,3-トリフルオロプロピル基など;またはオキシム基、例えば、ジメチルケトキシム基もしくはメチルエチルケトキシム基などから選択される。
【0089】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリオキシメシラン、またはビニルトリオキシメシランから選択される。
【0090】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ基でキャップされた両方の分子末端を有するジメチルポリシロキサン、両方の分子末端にジメチルビニルシロキシ基を有するメチルビニルシロキサンとジメチルシロキサンとのコポリマー、両方の分子末端にトリメチルシロキシ基を有するメチルビニルポリシロキサン、または環状メチルビニルシロキサンから選択される。
【0091】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンポリマーは、構造式-Si(R1R2)-O-を有し、式中、R1およびR2は、各々、独立して、C1-C18ヒドロカルビル基である。さらなる実施形態では、R1およびR2は、各々、独立して、脂肪族基および芳香族基から選択される。さらなる実施形態では、各々は、脂肪族基、さらにアルキル、さらにメチルから選択される。本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリシロキサンは、25℃で、200~2000cSt、または250~1800cSt、または300~1600cSt、または350~1200cStの粘度を有する。
【0092】
ポリマー粒子
「ポリマー粒子」という用語は、本明細書に記載のようにコーティングされる粒子に関する。典型的なポリマー粒子は、一般に、実質的に小板状、球状、円柱状、または棒状である。断面積はポリマーによって変化し得るが、好ましくは、ポリマー粒子の断面積は、3x10-3平方インチ(1.93x10-2平方センチメートル)~0.2平方インチ(1.29平方センチメートル)であり、すなわち、例えば、断面が円形の場合、直径は1/16インチ(0.15875cm)~1/2インチ(1.27cm)である。一実施形態では、粒子は、0.01平方インチ(6.45×10-2平方センチメートル)~0.05平方インチ(0.322平方センチメートル)の断面積を有し、すなわち、例えば、断面が円形の場合、直径は0.125インチ(0.3175cm)~0.375インチ(0.9525cm)である。一実施形態では、粒子は直径0.25cm~0.40cmである。
【0093】
ポリマー粒子は、粉末からペレットまでのサイズの範囲の粒子状固体の形態である。ペレットは粒子状固体であり、一般的には押出しプロセスおよびペレット化プロセスによって形成されるが、それに限定されず、典型的な平均粒径(最長寸法の平均)は、≧2mm、典型的には2mm~10mm、さらに2mm~6mm、さらに2mm~4mmである。マイクロペレットは、典型的には、標準ペレットの平均粒径よりも小さい平均粒径を有するが、一般的な市販のダイ機能から製造されるそれらの平均粒径よりも大きい。マイクロペレットの平均粒径は、典型的には200ミクロン~2000ミクロンの範囲である。マイクロペレットは一般に半球形状を示す。
【0094】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、または少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーを含むポリマー組成物から形成され、それらは、以下の特性、すなわち、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマータイプ、および/またはコモノマー含有量のうちの1つ以上が異なる。本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマー、または少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーを含むポリマー組成物から形成され、それらは、以下の特性、すなわち、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマータイプ、および/またはコモノマー含有量のうちの1つ以上が異なる。
【0095】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのエチレン/アルファ-オレフィン/ジエンインターポリマー、または少なくとも2つのエチレン/アルファ-オレフィン/ジエンインターポリマーを含むポリマー組成物から形成され、それらは、以下の特性、すなわち、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマータイプ、および/またはコモノマー含有量のうちの1つ以上が異なる。本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、1つのEPDM、または少なくとも2つのEPDMを含むポリマー組成物から形成され、それらは、以下の特性、すなわち、密度、Mn、Mw、MWD、コモノマータイプ、および/またはコモノマー含有量のうちの1つ以上が異なる。
【0096】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、ポリマー粒子は、エチレン系ポリマー、さらにエチレン系インターポリマー、およびさらにエチレン系コポリマーを含むポリマー組成物から形成される。
【0097】
ポリマー粒子は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。ポリマー組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0098】
コーティングされたポリマー粒子を形成するプロセス
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、コーティングされたポリマー粒子を形成するプロセスは、ポリマー粒子を金属酸分散液およびポリシロキサンエマルジョンと接触させることを含む。ポリマー粒子は、ポリシロキサンエマルジョンの前、後、または、と同時に、金属酸分散液と接触され得る。いずれにせよ、一種以上の所望の薬剤でポリマー粒子が十分に物理的にコーティングされ得るような条件下で、ポリシロキサンエマルジョンと金属酸分散液の両方を、ポリマー粒子と接触させるべきである。
【0099】
本明細書に記載の一実施形態または実施形態の組み合わせでは、そのような接触は、ポリマー粒子上へのポリシロキサンエマルジョンの一部または全部の第1の液体供給によって、またはポリシロキサンエマルジョンの一部または全部の中にポリマー粒子を浸漬することによって、行われる。次いで、金属酸分散液を、ポリシロキサンエマルジョンで事前にコーティングされたポリマー粒子上に分配される。金属酸分散液がポリマー粒子の表面に付着するように、ポリマー粒子が金属酸分散液で十分にコーティングされる限り、接触および分配の手段は変えることができる。通常は、表面コーティングの平均量が、ポリマー粒子の全表面積に基づいて、≧50パーセント、好ましくは≧60パーセント、または≧80パーセントである限り、そのプロセスは十分である。
【0100】
一実施形態では、コーティングの厚さは、1.0ミクロン~150ミクロン、または5.0ミクロン~100ミクロン、または10ミクロン~50ミクロンである。この値は、ポリマー粒子(例えば、ペレット)の平均サイズの増加率の単位で表すこともできる。この増加率は、金属酸分散液の量、ならびにコーティングを適用および処理するために使用される方法のタイプに応じて、一般に0.01パーセント~15パーセントである。
【0101】
ブレンド装置/プロセスの例には、例えば、ジャーの単純なタンブリング、または円錐回転容器、リボンブレンダー、ドラムタンブラー、パドルブレンダー、凝集パン、および流動層法でのブレンドなど、ポリマー粒子を動かす任意の機械的手段が含まれる。一実施形態では、コーティングプロセスは、空気または不活性ガス下での空気コンベヤーの使用を含む。中程度の攪拌、振とう、またはスクリューコンベヤでの短い距離の搬送でさえ、このような一種以上の薬剤の適切な分配に十分であり得る。採用される接触のタイプは、ポリマー粒子が別々の時間にエマルジョンおよび分散液と接触される場合、ポリシロキサンエマルジョンと金属酸分散液で同じであっても異なっていてもよい。
【0102】
薬剤(ポリシロキサンエマルジョンおよび/または金属酸分散液)とポリマー粒子との接触は、薬剤が蒸発しない、固化しない、粘性が高くなりすぎない、またはポリマー粒子とあまり反応しない任意の温度で行うことができる。かかる温度は、しばしば、組成物の成分に応じて変化するが、典型的には-10℃~150℃、さらに0℃~60℃、または5℃~35℃である。
【0103】
コーティング組成物は、ポリマー粒子の表面の少なくとも一部にスプレーコーティングされて、ウェットコーティングされたポリマー粒子を形成することができる。粒子は、例えば、強制空気および/またはスピンドライヤーで乾燥させることができる。
【0104】
物品
本発明はまた、本明細書に記載の破砕性ベールから形成された少なくとも1つの成分を含む物品も提供する。物品としては、射出成形品、熱成形品、発泡体が挙げられるが、それらに限定されない。追加の物品としては、医療デバイス(例えば、圧力カフおよび安定化デバイス)、インフレータブル用品(例えば、玩具、船舶、クッション、および家具)、シート(例えば、天幕、バナー、標識、テント、防水シート、およびプール、池、または埋め立て地のためのライナー)、製本、およびキャリア(例えば、スポーツバッグおよびバックパック)が挙げられる。追加の物品としては、自動車部品が挙げられる。
【0105】
定義
相反する記載、文脈から暗示的、または当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づくものであり、全ての試験方法は本開示の出願日現在のものである。
【0106】
参照ポリマー粒子において本明細書で使用される「ベール」という用語は、粒子の≧50重量%が互いに固着している、または融合しているような、そのような粒子の圧縮された塊を指す。破砕性とは、力の下でベールがより小さな断片に破砕される能力を指す。
【0107】
本明細書で使用される「ベーリング機」という用語は、ポリマーベーラーを指し、ポリマーベーラーは、低嵩密度のポリマークラム/粒子を高嵩密度のポリマーベールに高密度化するための連続作業用に設計された重工作機械であり、通常は油圧力を使用する。
【0108】
本明細書で使用される「組成物」という用語は、その組成物を含む材料の混合物、ならびにその組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む。いかなる反応生成物または分解生成物も、典型的には、微量または残留量で存在する。
【0109】
本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は、同じ種類かまたは異なる種類かにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという一般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得ることを理解の上で、1種類のモノマーのみから調製されるポリマーを指すのに用いられる)および以下で定義されるインターポリマーという用語を包含する。触媒残留物など微量の不純物が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれる場合がある。
【0110】
本明細書で使用される「インターポリマー」という用語は、少なくとも2種の異なるモノマーの重合により調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという用語は、コポリマーという用語(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)および3種以上の異なるモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0111】
本明細書で使用される「オレフィン系ポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%以上のオレフィンモノマー、例えば、エチレンまたはプロピレン(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、任意で1種以上のコモノマーを含んでもよい。
【0112】
本明細書で使用される「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、50重量%以上のエチレンモノマー(ポリマーの重量に基づいて)を含むポリマーを指し、任意で1種以上のコモノマーを含んでもよい。
【0113】
本明細書で使用される用語「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)エチレンモノマーと、少なくとも1つのα-オレフィンとを含むインターポリマーを指す。一実施形態では、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」は、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%以上のエチレンモノマーを含む。
【0114】
本明細書で使用される「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」という用語は、重合形態で、エチレンモノマー、α-オレフィン、およびジエンを含むインターポリマーを指す。典型的には、「エチレン/α-オレフィン/ジエンインターポリマー」は、重合形態で、インターポリマーの重量に基づいて、50重量%以上のエチレンモノマーを含む。
【0115】
本明細書で使用される「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)50重量%以上のエチレンモノマーと、α-オレフィンとを2種のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0116】
本明細書で使用される「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で、(ポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーを含むポリマーを指し、任意に1種以上のコモノマーを含んでもよい。
【0117】
本明細書で使用する「プロピレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーと、
少なくとも1つのα-オレフィンと、を含むインターポリマーを指す。
【0118】
本明細書で使用される「プロピレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーと、α-オレフィンとを2種のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0119】
本明細書で使用される「プロピレン/エチレンインターポリマー」という用語は、
重合形態で、(インターポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーと、少なくともエチレンとを含むインターポリマーを指す。
【0120】
本明細書で使用される「プロピレン/エチレンコポリマー」という用語は、重合形態で、(コポリマーの重量に基づいて)過半量のプロピレンモノマーと、エチレンとを2種のみのモノマーとして含むコポリマーを指す。
【0121】
本明細書で使用される「水性金属酸分散液」という用語は、水および金属酸を含む組成物を指す。
【0122】
本明細書で使用される「金属酸」という用語は、1つ以上の脂肪酸金属を含む組成物を指す。
【0123】
本明細書で使用される「脂肪酸」という用語は、炭化水素鎖および末端カルボキシル基を指す。当技術分野で理解されるように、脂肪酸は、アニオン形態(-C(O)O-)である。好ましい脂肪酸としては、C12~C20脂肪酸、さらにはC14~C18脂肪酸、さらにはC16~C18脂肪酸が挙げられる。
【0124】
本明細書で使用される「ポリマー粒子の表面の一部」という句は、ポリマー粒子の全表面の≧50%を指す。ポリマー粒子の全表面は、上で考察したようにBETによって決定することができる。一実施形態では、本明細書に記載のように、ポリマー粒子の全表面の≧60%、または≧70%、または≧80%、または≧90%が、コーティングされる。
コーティングされた表面積の量は、目視検査によって判定することができる。
【0125】
本明細書で使用される「ウェットコーティングされたポリマー粒子を乾燥させてコーティングされたポリマー粒子を形成する」という句および他の同様の句は、粒子の表面から水性媒体を除去することを指す。乾燥ステップは、コーティングされたペレットのサンプルを採取し、Computrac Vapor Pro XL Analyzer(Arizona Instruments)を使用してペレットの表面上の水分を分析することによって、モニターすることができる。ペレットを200℃で10分間加熱し、水の存在を検出する。
【0126】
本明細書で使用される「コーティングされたポリマー粒子」および他の同様な用語は、粒子の表面から水性媒体を除去した後に、形成されたコーティングされたポリマー粒子を指す。
【0127】
用語の「~を含む(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図するものではない。疑念を避けるために、「含む」という語の使用を通じて請求項に記載される全ての組成物は、反対の記述がない限り、重合されているかどうかにかかわらず、追加の添加剤、助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意の続く列挙の範囲から任意の他の成分、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていない任意の成分、ステップ、または手順を排除する。
【0128】
本開示の実施形態としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない。
1.破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、
a)そのコーティングされたポリマー粒子を容器に加えることと、
b)そのコーティングされたポリマー粒子を一塊にして破砕性ベールを形成させることと、を含み、
当該破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
【0129】
2.破砕性ベールを作製するプロセスであって、その破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、そのコーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、当該プロセスが、そのコーティングされたポリマー粒子を、ベーリング機に加えて、破砕性ベールを形成することを含み、当該破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
【0130】
3.コーティング中のポリシロキサンと金属酸との重量比が、0.10~1.00である、実施形態1または実施形態2に記載のプロセス。
【0131】
4.コーティング中のポリシロキサンと金属酸との重量比が、0.15~0.50である、実施形態1~3のいずれか一つに記載のプロセス。
【0132】
5.金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、実施形態1~4のいずれか一つに記載のプロセス。
【0133】
6.金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~5000ppm、または20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、実施形態1~5のいずれか一つに記載のプロセス。
【0134】
7.ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~700ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、実施形態1~6のいずれか一つに記載のプロセス。
【0135】
8.ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~700ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、実施形態1~7のいずれか一つに記載のプロセス。
【0136】
9.金属酸の金属が、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される、実施形態1~8のいずれか一つに記載のプロセス。
【0137】
10.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにはステアリン酸カルシウムを含む、実施形態1~9のいずれか一つに記載のプロセス。
【0138】
11.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにはステアリン酸カルシウム、およびC16脂肪酸金属、さらにはC16脂肪酸カルシウムを含む、実施形態1~10のいずれか一つに記載のプロセス。
【0139】
12.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにはステアリン酸カルシウムである、実施形態1~11のいずれか一つに記載のプロセス。
【0140】
13.ポリシロキサンが、ポリ-ジメチルシロキサン(PDMS)である、実施形態1~12のいずれか一つに記載のプロセス。
【0141】
14.分散液および/またはエマルジョン混合物を、ペレット化水に加え、ポリマー粒子を、そのペレット化水に加える、実施形態1~13のいずれか一つに記載のプロセス。
【0142】
15.コーティング組成物が、架橋されていない、実施形態1~14のいずれか一つに記載のプロセス。
【0143】
16.ポリマー粒子が、ペレットの形態である、実施形態1~15のいずれか一つに記載のプロセス。
【0144】
17.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、実施形態1~16のいずれか一つに記載のプロセス。
【0145】
18.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーである、実施形態17に記載のプロセス。
【0146】
19.エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、さらにエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである、実施形態18に記載のプロセス。
【0147】
20.オレフィン系ポリマーが、プロピレン系ポリマーである、実施形態17に記載のプロセス。
【0148】
21.プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、さらにプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーである、実施形態20に記載のプロセス。
【0149】
22.オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである、実施形態1~17のいずれか一つに記載のプロセス。
【0150】
23.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.940g/ccの密度を有する、実施形態1~22のいずれか一つに記載のプロセス。
【0151】
24.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.880g/ccの密度を有する、実施形態1~23のいずれか一つに記載のプロセス。
【0152】
25.オレフィン系ポリマーが、10~100のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有する、実施形態1~24のいずれか一つに記載のプロセス。
【0153】
26.オレフィン系ポリマーが、≦50%、または≦40%、または≦30%、または≦20%、または≦10%、または≦5.0%の結晶化度パーセントを有する、実施形態1~25のいずれか一つに記載のプロセス。
【0154】
27.オレフィン系ポリマーが、2.0~5.0の分子量分布(MWD)を有する、実施形態1~26のいずれか一つに記載のプロセス。
【0155】
28.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%のオレフィン系ポリマーを含む、実施形態1~27のいずれか一つに記載のプロセス。
【0156】
29.実施形態1~28のいずれか一つに記載のプロセスから形成された破砕性ベール。
【0157】
30.オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含む、コーティングされたポリマー粒子を含む破砕性ベールであって、
その金属酸は、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppmの量で存在し、
そのポリシロキサンは、そのコーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppmの量で存在する、破砕性ベール。
【0158】
31.乾燥コーティングされたポリマー粒子上において、ポリシロキサンと金属酸との重量比が、0.30~1.00である、実施形態30に記載の破砕性ベール。
【0159】
32.金属酸が、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~5000ppm、または20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、実施形態30または実施形態31に記載の破砕性ベール。
【0160】
33.ポリシロキサンが、コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~700ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、実施形態30~32のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0161】
34.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウムを含む、実施形態30~33のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0162】
35.金属酸の金属が、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される、実施形態30~34のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0163】
36.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウム、およびC16脂肪酸金属、さらにC16脂肪酸カルシウムを含む、実施形態30~35のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0164】
37.金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウムである、実施形態30~36のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0165】
38.ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、実施形態30~37のいずれか1つに記載の破砕性ベール。
【0166】
39.コーティングが、架橋されていない、実施形態30~38のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0167】
40.ポリマー粒子が、ペレットの形態である、実施形態30~39のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0168】
41.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーまたはプロピレン系ポリマーである、実施形態30~40のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0169】
42.オレフィン系ポリマーが、エチレン系ポリマーである、実施形態41の破砕性ベール。
【0170】
43.エチレン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマー、さらにエチレン/アルファ-オレフィンコポリマーである、実施形態42に記載の破砕性ベール。
【0171】
44.オレフィン系ポリマーが、プロピレン系ポリマーである、実施形態41に記載の破砕性ベール。
【0172】
45.プロピレン系ポリマーが、プロピレン/アルファ-オレフィンインターポリマーであり、さらにプロピレン/アルファ-オレフィンコポリマー、またはプロピレン/エチレンインターポリマー、さらにプロピレン/エチレンコポリマーである、実施形態44に記載の破砕性ベール。
【0173】
46.オレフィン系ポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィン/ジエンターポリマーであり、さらにEPDMである、実施形態30~41のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0174】
47.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.940g/ccの密度を有する、実施形態30~46のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0175】
48.オレフィン系ポリマーが、0.850~0.880g/ccの密度を有する、実施形態30~47のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0176】
49.オレフィン系ポリマーが、10~100のムーニー粘度(ML 1+4、125℃)を有する、実施形態30~48のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0177】
50.オレフィン系ポリマーが、≦50%、または≦40%、または≦30%、または≦20%、または≦10%、または≦5.0%の結晶化度パーセントを有する、実施形態30~49のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0178】
51.オレフィン系ポリマーが、2.0~5.0の分子量分布(MWD)を有する、実施形態30~50のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0179】
52.ポリマー組成物が、ポリマー組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%のオレフィン系ポリマーを含む、実施形態30~51のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0180】
53.組成物が、組成物の重量に基づいて、≧95重量%、または≧98重量%、または≧99重量%のポリマー粒子を含む、実施形態30~52のいずれか一つに記載の破砕性ベール。
【0181】
54.実施形態30~53のいずれか一つに記載の破砕性ベールから形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
【0182】
試験方法
密度は、EPDMおよび同様のターポリマーを除いて、ASTM D792に従って測定され、次いで密度は、ASTM D297に従って測定される。
【0183】
エチレン系ポリマーのメルトインデックス(I2)は、ASTM D-1238に従って、2.16kgの荷重下、190℃で測定される。メルトインデックス(I5)は、ASTM D-1238に従って、5kgの荷重下、190℃で測定される。メルトインデックス(I10)は、ASTM D-1238に従って、10kgの荷重下、190℃で測定される。メルトインデックス(I21)は、ASTM D-1238に従って、21.6kgの荷重下、190℃で測定される。プロピレン系ポリマーのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D-1238に従って、230℃/2.16kgの条件で測定される。
【0184】
ムーニー粘度
ムーニー粘度(125℃でML1+4)を、1分間の予熱時間および4分間のロータ動作時間で、ASTM 1646に従って測定した。機器は、Alpha Technologies Mooney Viscometer 2000である。
【0185】
GPC分子量および分子量分布
分子量は、システム温度140℃で作動する、3つの混合多孔性カラム(Polymer Laboratories 103,104,105,および106)を備えたWaters 150℃高温クロマトグラフィーユニットでのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定される。溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであり、それから試料の約0.3重量%溶液が注入のために調製される。流量は、1.0mL/分であり、注入サイズは、100マイクロリットルある。分子量の決定は、狭い分子量分布のポリスチレン標準(Polymer Laboratoriesから)を、それらの溶出体積と組み合わせて使用することによって推測される。等価ポリエチレン分子量は、ポリエチレンおよびポリスチレンについて適切なMark-Houwink係数を使用して(T.Williams&I.M.Wardによる,The Construction of a Polyethylene Calibration Curve for Gel Permeation Chromatography Using Polystyrene Fractions,6 J.Polymer Sci.Pt.B:Polymer Letter 621,621-624(1968)に記載されているように)、次の方程式:Mポリエチレン=a×(Mポリスチレン)bを導くことによって、決定される。この方程式では、a=0.4316およびb=1.0である。
【0186】
ポリマーの数平均分子量であるM
nは、分子量に対する、各分子量範囲内における分子数のプロットの最初のモーメントとして表される。実際には、これは、全ての分子の総分子量を分子数で割ったものであり、以下の式に従って通常の方法で計算される。
【数1】
式中、
n
i=分子量M
iを有する分子数
w
i=分子量M
iを有する材料の重量分率
およびΣn
i=分子の総数。
【0187】
重量平均分子量であるMwは、以下の式:Mw=ΣwixMiに従って通常の方法で計算され、式中、wiおよびMiは、それぞれ、GPCカラムから溶出するi番目の画分の重量分率および分子量である。これら2つの平均の比である分子量分布(MWDまたはMw/Mn)は、分子量分布の幅を定義する。
【0188】
DSC法
示差走査熱量測定(DSC)は、エチレン系ポリマー(PE、またはOBC)試料およびプロピレン系ポリマー(PP)試料の結晶化度を測定するために使用される。約5~8ミリグラムの試料を量り取り、DSC皿に配置する。密閉された雰囲気を確保するために皿に蓋を圧着する。試料皿をDSCセルの中に入れ、次いで、約10℃/分の速度で、エチレン系ポリマー試料の場合180℃(プロピレン系ポリマー試料の場合230℃)の温度まで加熱する。試料をこの温度で3分間保持する。次いで、試料を10℃/分の速度で、エチレン系ポリマー試料の場合-60℃(プロピレン系ポリマー試料の場合-40℃)まで冷却し、その温度で3分間等温に保持する。次に、試料を、完全に溶融するまで10℃/分の速度で加熱する(第2の加熱)。第2の熱曲線から決定した融解熱(Hf)を、エチレン系ポリマー試料の場合292J/gの理論融解熱(プロピレン系ポリマー試料の場合165J/g)で除算し、この量に100を乗算することによって、結晶化度パーセントを計算する(例えば、エチレン系ポリマー試料の場合、結晶化度%=(Hf/292J/g)×100、プロピレン系ポリマー試料の場合、結晶化度%=(Hf/165J/g)×100)。
【0189】
特に明記しない限り、各ポリマーの融点(複数可)(Tm)は、上記のように、DSCから得られた第2の熱曲線(ピークTm)から決定される。結晶化温度(Tc)は、第1の冷却曲線(ピークTc)から決定される。
【0190】
以下の実施例は、本発明を例示するものであるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0191】
I.材料
ポリマー:NORDEL 4570 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=70、50重量%C2、4.9重量%ENB、密度=0.86g/cc、The Dow Chemical Companyから入手可能。
【0192】
ポリマー:NORDEL 4640 EPDM、MV(ML1+4、125℃)=40、55重量%C2、4.9重量%ENB、密度=0.86g/cc、The Dow Chemical Companyから入手可能。
【0193】
水性カルシウム酸(C16およびC18脂肪酸)分散液:CHRISCOAT 50EF-SD628、GOVIから入手可能。
【0194】
水性PDMSエマルジョン:Dow Corningから入手可能なXIAMETER MEM-0024エマルジョン。
【0195】
II.コーティング組成物(分散液とエマルジョンとの混合物)
水性PDMSエマルジョン(XIAMETER MEM-0024)および水性金属酸分散液(CHRISCOAT 50EF-SD628)を撹拌容器中で混合し、さらに水で希釈して粘度を下げて適用しやすくした。2つの成分(エマルジョンおよび分散液)の比率は、乾燥ベースにおけるペレット上のPDMSおよび金属酸の目標濃度によって決まる。過剰な水は、乾燥プロセス中にペレットの表面から除去される。混合物のpHは、カルシウム酸分散液の不安定性を防止するために混合プロセス中に制御する必要があり、それによりペーストまたは塊が形成され得る。
【0196】
分散液の希釈およびそれに続く混合により、懸濁液の不安定性が生じる場合があり、ペースト、凝集塊、および凝集物の形成が引き起こされる場合がある。これは、過剰な界面活性剤で配合を変更するか、または希釈した混合物の貯蔵寿命を短くするか、または混合物を一定の撹拌状態に保つことによって、減らすことができる。2つの成分(エマルジョンおよび分散液)は、独立して適用するか、または適用(例えば、噴霧)の直前に、混ぜるか、もしくは希釈されると、有益である。
【0197】
III.ポリマーペレットのコーティング
ペレットに適用されるコーティング組成物の量。ペレットの量の決定。コーティングされたペレットは、以下のステップを使用して調製する:
a.水性配合物または成分の適用
b.乾燥
c.冷却(任意選択)。
【0198】
目標のコーティングレベルを達成するために必要なPDMSエマルジョンおよびステアリン酸カルシウム分散液の量は、以下のように決定することができる:
コーティングされるペレットの量、kg=W
ステアリン酸カルシウム分散液中の固形分濃度、%=C
エマルジョン中のPDMS濃度、%=P
乾燥ベースでのペレット表面のPDMSの目標濃度、ppm=p
乾燥ベースでのペレット表面のCa酸の目標濃度、ppm=c
Ca酸分散液の必要量、kg=(c.W)/C x 10-4
PDMSエマルジョンの必要量、kg=(p.W)/P x 10-4
乾燥ステップ中に水分を除去する。
【0199】
逆に、ペレットのコーティングレベル(乾燥ベース)は、ペレットに適用された分散液およびエマルジョンの量から計算することができる。c=CWD/W x 104およびp=PWE/W x 104。
【0200】
コーティングメカニズムの説明-スプレーに続いて、混合、次いで乾燥ステップ。EPDMペレットは、目標量の分配剤でスプレーコーティングされた。次いで、EPDMペレットおよび分注剤を十分に混合して乾燥させ、水性水分をすっかり乾かせた。乾燥後、コーティングされたEPDMペレットを空の袋に移し、密封して、箱内に積み重ねてベールを形成させた。
【0201】
コーティング組成物:Ca酸分散液とPDMSエマルジョンとの混合物。表1に、NORDEL 4570またはNORDEL 4640(3/1(Ca酸/PDMS)から1/3(Ca酸/PDMS))用のコーティング組成物を全て列記する。以下の表の各ppm量は、乾燥ペレットの重量に基づいている。
【表1】
【0202】
IV.袋試験
袋試験-袋が並んだ箱-各袋中のコーティングされたペレットの量(25kg)、袋を密封し、密封された(周囲温度および周囲圧力)袋を保管する。密封された25kgの袋を箱内に積み重ねた(各層に5袋、各箱に合計8層)。通常は、袋が箱の中で落ち着くまでに2~7日かかる。その後で、箱を逆さにして、現在はボックスの下部にある上部層を圧縮し、現在は箱の上部にある元々圧縮されていた下部層を見えるようにする。2~7日後、箱からベール(袋)を取り出し、圧縮力試験を使用して、各袋内のベールの破砕性を試験した。
【0203】
圧縮力(ベール破砕性)
圧縮力試験は、電気機械試験フレーム(INSTRON Model #5565)で行った。ベール試料は、4”x 4”x 4”の寸法に事前に切断した。各試料の寸法を、測定し、圧縮応力計算のために試験法ソフトウェアに入力した。試料は、直径約6インチの2つの円形の剛性金属プラテンの間に配置した。8~10Nの圧縮予荷重を試料に適用した。この時点での変位をゼロとし、試験を開始した。試料は、1”/分の速度で、最大2.5”の圧縮変形で、または試料が破損するまで、圧縮された。荷重および変位のデータを記録し、ピーク圧縮荷重(圧縮力)を報告した。ソフトウェアは、全てのチャネルのデータポイントを有する生データファイルと、レポートファイルとを生成する。結果を表2に示す。表2に見られるように、本発明のベールは、破砕性であり、最小の圧縮力で崩壊する。
【表2】
【0204】
ロールミルによるベール破砕性:
ベール破砕性試験を、4”x4”x4”のEPDMゴムブロックを使用して行った。EPDMゴムブロックを、実験室用2本ロールミルのニップに通過させた。ミル温度は100°Fに設定し、ニップ距離は0.15インチに設定し、フロントロールの速度は15RPMであり、バックロールの速度は12RPMであった。材料がロールミルニップを通過した後、そのベールの破砕性を調べた。ベールがロールミルにより粉々になった場合、そのベールは破砕性であった。結果を表3に示す。表3に見られるように、本発明のベールは破砕性である。
【表3】
【0205】
ベールカッターによるベール破砕性
圧縮されたベールを、ベールカッターで切断し、ベールの破砕性を目視検査した。その観察結果を以下に列記する。結果を表4に示す-本発明のベールは破砕性である。
【表4】
本願は以下の態様にも関する。
(1) 破砕性ベールを作製するプロセスであって、前記破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、前記コーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、前記プロセスが、
a)前記コーティングされたポリマー粒子を容器に加えることと、
b)前記コーティングされたポリマー粒子を一塊にして前記破砕性ベールを形成させることと、を含み、
前記破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
(2) 破砕性ベールを作製するプロセスであって、前記破砕性ベールが、コーティングされたポリマー粒子を含む組成物から形成され、前記コーティングされたポリマー粒子が、オレフィン系ポリマーを含むポリマー組成物から形成されたポリマー粒子と、水性金属酸分散液および水性ポリシロキサンエマルジョンを含むコーティング組成物から形成されたコーティングと、を含み、前記プロセスが、前記コーティングされたポリマー粒子を、ベーリング機に加えて、前記破砕性ベールを形成することを含み、前記破砕性ベールが、≦1.00MPaの圧縮力を有する、プロセス。
(3) 前記コーティング中の前記ポリシロキサンと金属酸との重量比が0.10~1.00である、前記(1)または前記(2)に記載のプロセス。
(4) 前記コーティング中の前記ポリシロキサンと前記金属酸との重量比が、0.15~0.50である、前記(1)~(3)のいずれかに記載のプロセス。
(5) 前記金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~5000ppm、または0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、前記(1)~(4)のいずれかに記載のプロセス。
(6) 前記金属酸が、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~5000ppm、または20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、前記(1)~(5)のいずれかに記載のプロセス。
(7) 前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、0超~2000ppm、または0超~1000ppm、または0超~700ppm、または0超~500ppm、または0超~300ppmの量で存在する、前記(1)~(6)のいずれかに記載のプロセス。
(8) 前記ポリシロキサンが、前記コーティングされたポリマー粒子の重量に基づいて、20ppm~2000ppm、または20ppm~1000ppm、または20ppm~700ppm、または20ppm~500ppm、または20ppm~300ppmの量で存在する、前記(1)~(7)のいずれかに記載のプロセス。
(9) 前記金属酸の金属が、カルシウム、亜鉛、またはバリウムから選択される、前記(1)~(8)のいずれかに記載のプロセス。
(10) 前記金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウムを含む、前記(1)~(9)のいずれかに記載のプロセス。
(11) 前記金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウム、およびC16脂肪酸金属、さらにC16脂肪酸カルシウムを含む、前記(1)~(10)のいずれかに記載のプロセス。
(12) 前記金属酸が、ステアリン酸金属、さらにステアリン酸カルシウムである、前記(1)~(11)のいずれかに記載のプロセス。
(13) 前記ポリシロキサンが、ポリ-ジメチルシロキサン(PDMS)である、前記(1)~(12)のいずれかに記載のプロセス。
(14) 前記分散液および/または前記エマルジョン混合物を、ペレット化水に加え、前記ポリマー粒子を、前記ペレット化水に加える、前記(1)~(13)のいずれかに記載のプロセス。
(15) 前記コーティング組成物が、架橋されていない、前記(1)~(14)のいずれかに記載のプロセス。