(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】鋼管柱の柱脚部構造
(51)【国際特許分類】
E02D 27/00 20060101AFI20240307BHJP
E02D 27/12 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
E02D27/00 D
E02D27/12 Z
(21)【出願番号】P 2021005542
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】青野 英志
(72)【発明者】
【氏名】一色 裕二
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-287172(JP,A)
【文献】特開2007-126877(JP,A)
【文献】特開2006-083641(JP,A)
【文献】特開2002-250006(JP,A)
【文献】特開2011-012415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0356058(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00
E02D 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼管柱と杭とが接合される鋼管柱の柱脚部構造であって、
一の前記杭と、
前記一の杭の上方で互いに隣接して設けられる第1の鋼管柱本体及び第2の鋼管柱本体と、
前記第1及び第2の鋼管柱本体の各々の下端に接合されて、前記一の杭に向かって傾斜して設けられる第1及び第2の柱脚傾斜部と、
前記第1の鋼管柱本体と前記第2の鋼管柱本体とを
接合するとともに、前記第1の柱脚傾斜部と前記第2の柱脚傾斜部とを接合する連結鋼材部と、を備え、
前記第1及び第2の鋼管柱本体の各々の下端部、前記一の杭の杭頭部、前記連結鋼材部、及び前記第1及び第2の柱脚傾斜部が基礎コンクリート部に埋設されていることを特徴とする鋼管柱の柱脚部構造。
【請求項2】
前記連結鋼材部は、前記第1の鋼管柱本体と前記第2の鋼管柱本体を接合する上部フランジと、前記第1の柱脚傾斜部と前記第2の柱脚傾斜部を接合する下部フランジと、前記上部フランジと前記下部フランジとの間に設けられるウェブと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管柱の柱脚部構造。
【請求項3】
前記一の杭は、杭コンクリート部と、複数の杭主筋を備え、
前記複数の杭主筋の少なくとも一部は、前記杭コンクリート部の上端から、前記連結鋼材部の最下端よりも上方の位置まで突出していることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼管柱の柱脚部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管柱の柱脚部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、杭(現場築造杭)の未だ固まらないコンクリート中に、地下階部分の柱(鉄骨柱)を建て込むようにした逆打ち工法における後挿入構真柱が開示されている。
また、特許文献2には、杭径よりも大径の接合鋼管を有した杭頭接合部材が、接合鋼管の下端部を杭頭部にオーバーラップさせた状態で杭頭部に装着され、杭頭接合部材の上部内側に柱脚部が差し込まれ、杭頭接合部材の内側にコンクリートが打設充填された構成が開示されている。このような構成では、杭と柱とを杭頭接合部材およびその内部に充填したコンクリートを介して接合することで、柱の軸力を、地盤中に設けられた杭に伝達する効率が高められている。
特許文献1、2に開示されたような構成では、柱スパンが短い場合に、柱の各々に対応する杭や杭頭接合部材同士が干渉してしまい、施工が困難となることがある。
【0003】
これに対し、特許文献3には、複数の鉄骨柱(鉄骨)の下端が、杭(場所打ち丸杭)の上部に埋設された構成が開示されている。このような構成によれば、複数の鉄骨柱を一本の杭の上部に埋設することで、柱スパンが短い場合であっても、複数の鉄骨柱の施工が容易に行える。
しかし、特許文献3に開示されたような構成では、鉄骨柱の下端を、杭の上部に単に埋設した構成であるため、例えば柱スパンが杭の径よりも大きい場合においては、適用できない。すなわち、このような場合においては結局のところ、鉄骨柱の各々に対応して、各鉄骨柱の直下に杭を設けなければならない。したがって、特許文献2と同様に、鉄骨柱の各々に対応して設けた杭の杭頭接合部材同士が干渉してしまい、施工が困難となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-129502号公報
【文献】特開2007-126877号公報
【文献】特開2011-12415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、隣接する各柱の軸力を杭に効率的に伝達可能で、かつ柱スパンが短い場合であっても施工が容易な、鋼管柱の柱脚部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋼管柱の柱脚部構造として、隣接する鋼管柱の本体に柱脚傾斜部を設けるとともに、基礎コンクリート部において、連結鋼材部を介して鋼管柱本体同士及び柱脚傾斜部同士を接合させた後、鋼管柱本体の一部と、柱脚傾斜部、及び連結鋼材部を、杭頭部を含む基礎コンクリート部に埋設させることで、各鋼管柱に作用する圧縮軸力、及び引張力を1本の杭に効率的に伝達できる点に着眼して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の鋼管柱の柱脚部構造は、鋼管柱と杭とが接合される鋼管柱の柱脚部構造であって、一の前記杭と、前記一の杭の上方で互いに隣接して設けられる第1の鋼管柱本体及び第2の鋼管柱本体と、前記第1及び第2の鋼管柱本体の各々の下端に接合されて、前記一の杭に向かって傾斜して設けられる第1及び第2の柱脚傾斜部と、前記第1の鋼管柱本体と前記第2の鋼管柱本体とを、及び前記第1の柱脚傾斜部と前記第2の柱脚傾斜部とを接合する連結鋼材部と、を備え、前記第1及び第2の鋼管柱本体の各々の下端部、前記一の杭の杭頭部、前記連結鋼材部、及び前記第1及び第2の柱脚傾斜部が基礎コンクリート部に埋設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、一の杭の上方で互いに隣接する第1及び第2の鋼管柱本体は、第1及び第2の柱脚傾斜部と、連結鋼材部と、を介して一の杭に接合されている。特に、第1及び第2の鋼管柱本体と、第1及び第2の柱脚傾斜部とが、連結鋼材部によって、強固に接合されている。また、第1及び第2の柱脚傾斜部により、隣接する第1及び第2の鋼管柱本体と一の杭との間でスムーズに荷重が伝達される。さらに、第1及び第2の鋼管柱本体の各々の下端部、一の杭の杭頭部、連結鋼材部、及び第1及び第2の柱脚傾斜部が、基礎コンクリート部に埋設されている。これらが相乗し、第1及び第2の鋼管柱本体の軸力は、連結鋼材部から一の杭に効率良く伝達される。
また、上記のような構造においては、第1の鋼管柱本体と第2の鋼管柱本体との間の距離が短い場合であっても、これら第1及び第2の鋼管柱本体の各々に対応するように複数の杭を設ける必要がないため、杭どうしの干渉を考慮しなくてよい。このため、設計、施工が容易である。
したがって、隣接する各柱の軸力を杭に効率的に伝達可能で、かつ柱スパンが短い場合であっても施工が容易な、鋼管柱の柱脚部構造を提供することが可能となる。
【0007】
本発明の一態様においては、本発明の鋼管柱の柱脚部構造は、前記連結鋼材部が、前記第1の鋼管柱本体と前記第2の鋼管柱本体を接合する上部フランジと、前記第1の柱脚傾斜部と前記第2の柱脚傾斜部を接合する下部フランジと、前記上部フランジと前記下部フランジとの間に設けられるウェブと、を備えている。
このような構成によれば、互いに隣接する第1及び第2の鋼管柱本体が連結鋼材部の上部フランジによって、及び第1及び第2の柱脚傾斜部が連結鋼材部の下部フランジによって、それぞれ接合されている。連結鋼材部は、上記のようにコンクリート部に埋設されているため、第1及び第2の鋼管柱本体に引抜力が作用した際には、上部フランジに接する基礎コンクリート部の支圧作用により、第1及び第2の鋼管柱本体の浮き上がりが抑えられる。また、第1及び第2の柱脚傾斜部には下部フランジが接合されているので、下部フランジを介して第1及び第2の鋼管柱本体から一の杭に圧縮力を作用させることができる。したがって、高い耐震性を有する鋼管柱の柱脚部構造を実現できる。
【0008】
本発明の一態様においては、本発明の鋼管柱の柱脚部構造は、前記一の杭は、杭コンクリート部と、複数の杭主筋を備え、前記複数の杭主筋の少なくとも一部は、前記杭コンクリート部の上端から、前記連結鋼材部の最下端よりも上方の位置まで突出している。
このような構成によれば、複数の杭主筋の少なくとも一部が、連結鋼材部と上下方向においてオーバーラップしている。これにより、第1及び第2の鋼管柱本体に作用する引抜き力を一の杭に確実に伝達することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、隣接する各柱の軸力を杭に効率的に伝達可能で、かつ柱スパンが短い場合であっても施工が容易な、鋼管柱の柱脚部構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る鋼管柱の柱脚部構造が適用された建築構造物の一例を示す平断面図である。
【
図2】
図1の建築構造物における鋼管柱の柱脚部構造の構成を示す縦断面図である。
【
図6】本実施形態における鋼管柱の柱脚部構造で鋼管柱を建方する方法を示す縦断面図である。
【
図7】本実施形態における鋼管柱の柱脚部構造で鋼管柱を建方する方法において、
図6に続く状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、2本の鋼管柱が1本の杭で支持される鋼管柱の柱脚部構造である。鋼管柱の特徴は、鋼管柱本体の下部に柱脚傾斜部を有し、隣接する鋼管柱本体同士及び柱脚傾斜部同士が連結鋼材部で接合されている点である。
以下、添付図面を参照して、本発明による鋼管柱の柱脚部構造を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る鋼管柱の柱脚部構造が適用された建築構造物の一例を示す平断面図を
図1に示す。
図2は、
図1の建築構造物における鋼管柱の柱脚部構造の構成を示す縦断面図である
建築構造物1は、平面視矩形状をなし、下部構造体2と、上部構造体3と、を備えている。
下部構造体2は、地盤中に構築された複数本の杭21と、基礎梁22と、を備えている。各杭21は、本実施形態においては断面形状が円形となるように形成され、地盤中で上下方向に延びている。
図2に示すように、各杭21は、例えば鉄筋コンクリート造で、杭コンクリート部24と、杭コンクリート部24中に埋設された杭主筋25と、を備えている。本実施形態においては、杭主筋25は、杭21の外周側に設けられている(
図5参照)。基礎梁22は、複数の杭21の上端部同士を接続する。
図1に示すように、本実施形態において、基礎梁22は、水平面に沿った互いに直交する水平第一方向Dh1、及び水平第二方向Dh2に延びるように設けられている。
図2に示すように、基礎梁22は、基礎コンクリート部27と、基礎コンクリート部27中に埋設された梁主筋を含む各種鉄筋(図示無し)と、を備えている。
【0012】
上部構造体3は、下部構造体2上に設けられている。上部構造体3は、下部構造体2により支持されている。上部構造体3は、複数本の鋼管柱5と、隣り合う鋼管柱5同士の間に架設された梁(図示無し)と、を備えている。
鋼管柱5は、上下方向に延びている。鋼管柱5は、コンクリート充填鋼管造で、鋼管柱本体51を備えている。鋼管柱本体51は、鋼管部52と、コンクリート部53と、を備えている。鋼管部52は、上下方向に延びる筒状をなしている。コンクリート部53は、鋼管部52の内側に打設充填されている。本実施形態においては、鋼管柱本体51は断面形状が正方形となるように形成されている。
【0013】
図1に示すように、建築構造物1の角部1cの、水平第一方向Dh1の近傍において、一(一本)の杭21Cの上方には、第1の鋼管柱本体51Aと、第2の鋼管柱本体51Bとが水平第一方向Dh1に間隔をあけて互いに隣接して設けられている。一の杭21Cは、平面視したときに、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの間に位置するように設けられている。
角部1cの、水平第一方向Dh1の近傍に設けられた一の杭21Cの上方の鋼管柱5は、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの各々に加え、それぞれ、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bを備えている。
図2に示すように、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bのそれぞれの下端51dには、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bが接合されている。第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bは、上方から下方に向かって互いに接近し、水平第一方向Dh1の間隔が漸次縮小するよう、傾斜して設けられている。第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bは、一の杭21Cに向かって傾斜して設けられている。第1の柱脚傾斜部54A、第2の柱脚傾斜部54Bは、それぞれ傾斜鋼管部55と、コンクリート部56と、を備えている。傾斜鋼管部55は、第1の鋼管柱本体51A、第2の鋼管柱本体51Bの各々の鋼管部52の下端に連続して設けられている。傾斜鋼管部55は、筒状に形成され、第1の柱脚傾斜部54A、第2の柱脚傾斜部54Bの延伸方向に沿って傾斜して延びている。コンクリート部56は、傾斜鋼管部55内に打設充填されている。
図3は、
図2のI-I矢視断面図である。
図3に示すように、第1の柱脚傾斜部54A、第2の柱脚傾斜部54Bの傾斜鋼管部55の外周面には、水平方向に突出する複数本のスタッド57が溶接されている。複数本のスタッド57は、基礎コンクリート部27中に埋設されている。
【0014】
図2に示すように、第1の鋼管柱本体51Aの下端部と第2の鋼管柱本体51Bの下端部とは、連結鋼材部60により接合されている。同様に、第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bとは、連結鋼材部60により接合されている。連結鋼材部60は、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとが隣接する水平第一方向Dh1に延びている。連結鋼材部60は、上部フランジ61と、下部フランジ62と、ウェブ63と、を有している。
図4は、
図2のII-II矢視断面図である。
上部フランジ61は、連結鋼材部60の上部に配置され、上下方向に直交する水平面に沿って形成されている。上部フランジ61は、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bのそれぞれの下端51dよりも上方に配置されている。上部フランジ61は、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの下端部同士を接合する。
図2、
図4に示すように、上部フランジ61は、上部フランジ中間部61mと、上部フランジ側端部61sと、を有している。上部フランジ中間部61mは、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとの間に形成され、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを連結している。第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの内部には、上下方向において上部フランジ61と同じ高さにダイヤフラム51pが設けられている。上部フランジ側端部61sは、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bに対して水平第一方向Dh1の両外側に突出して形成されている。
図3、
図4に示すように、上部フランジ61の上部フランジ中間部61m、及び上部フランジ側端部61sは、それぞれ水平第二方向Dh2における幅寸法W1が、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの水平第二方向Dh2における幅寸法W2よりも小さく形成されている。
【0015】
図5は、
図2のIII-III矢視断面図である。
図2、
図3に示すように、下部フランジ62は、上部フランジ61に対して上下方向に間隔をあけて配置されている。下部フランジ62は、杭21Cの上端よりも上方に間隔をあけて配置されている。下部フランジ62は、連結鋼材部60の下部に配置され、上下方向に直交する水平面に沿って形成されている。下部フランジ62は、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bの下端の直下に配置され、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bの下端は、下部フランジ62の上面に接合されている。下部フランジ62は、第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bとを接合する。
図2、
図5に示すように、下部フランジ62は、下部フランジ中間部62mと、柱脚ベースプレート部62pと、下部フランジ側端部62sと、を有している。下部フランジ中間部62mは、第1の柱脚傾斜部54Aの下端と第2の柱脚傾斜部54Bの下端との間に形成され、第1の柱脚傾斜部54Aの下端と第2の柱脚傾斜部54Bの下端とを連結している。柱脚ベースプレート部62pは、平面視矩形状で、第1の柱脚傾斜部54Aの下端、及び第2の柱脚傾斜部54Bの下端のそれぞれに対し、水平第一方向Dh1の両外側、及び水平第二方向Dh2の両外側に拡径して形成されている。下部フランジ側端部62sは、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bに対して水平第一方向Dh1の両外側に突出して形成されている。下部フランジ62の下部フランジ中間部62m、及び下部フランジ側端部62sは、それぞれ水平第二方向Dh2における幅寸法W3が、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bの水平第二方向Dh2における幅寸法W2よりも小さく形成されている。
【0016】
ウェブ63は、上部フランジ61と下部フランジ62とを結ぶ鉛直面に沿って形成されている。
図2、
図5に示すように、ウェブ63は、ウェブ中間部63mと、ウェブ側端部63sと、を有している。ウェブ中間部63mは、上部フランジ中間部61mと、下部フランジ中間部62mとの間で、第1の鋼管柱本体51Aの下端部と第2の鋼管柱本体51Bの下端部とを、及び第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bとを、それぞれ接続している。ウェブ側端部63sは、第1の鋼管柱本体51A及び第1の柱脚傾斜部54A、及び、第2の鋼管柱本体51B及び第2の柱脚傾斜部54Bに対して水平第一方向Dh1の両外側で、上部フランジ側端部61sと下部フランジ側端部62sとを接続している。
【0017】
また、
図2、
図3に示すように、ウェブ中間部63mには、補強プレート65、66が設けられている。補強プレート65、66は、上下方向に直交する水平面に沿って形成され、互いに上下方向に間隔をあけて配置されている。補強プレート65、66は、それぞれ、ウェブ中間部63mに対して水平第二方向Dh2の両側に突出するように形成されている。補強プレート65は、第1の鋼管柱本体51Aの下端51dと第2の鋼管柱本体51Bの下端51dとを接続するように形成されている。補強プレート66は、補強プレート65と上部フランジ中間部61mとの間で、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを接続するように形成されている。第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの内部には、上下方向において補強プレート65、66と同じ高さにダイヤフラム51q、51rが設けられている。
図3、
図5に示すように、下部フランジ62の柱脚ベースプレート部62p上には、複数枚の中間部リブプレート67が設けられている。複数枚の中間部リブプレート67は、下部フランジ62とウェブ63の各々に直行し、鉛直面に沿って形成されている。複数枚の中間部リブプレート67は、ウェブ中間部63mから水平第二方向Dh2の両側に突出するように形成されている。複数枚の中間部リブプレート67は、水平第一方向Dh1に間隔をあけて形成されている。
また、柱脚ベースプレート部62p上において、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bに対して水平第二方向Dh2の両外側に、複数枚の柱脚部リブプレート68が設けられている。複数枚の柱脚部リブプレート68は、中間部リブプレート67と平行に、水平第一方向Dh1に間隔をあけて形成されている。
【0018】
図2、
図3に示すように、上部フランジ61の上面側、及び下面側のそれぞれに、基礎梁22の主筋71、72が接合されている。主筋71、72は、水平第一方向Dh1に間隔をあけて複数本が設けられている。主筋71、72のそれぞれは、水平第二方向Dh2に延びる基礎梁22に沿って延びている。
下部フランジ62の柱脚ベースプレート部62pの上面にも同様に、基礎梁22の主筋73が接合されている。主筋73は、水平第一方向Dh1に間隔をあけて複数本が設けられている。主筋73のそれぞれは、水平第二方向Dh2に延びる基礎梁22に沿って延びている。
図2に示すように、本実施形態において、上記したような連結鋼材部60は、水平第一方向Dh1の中間部で第1の連結鋼材部60Aと第2の連結鋼材部60Bとに二分割されている。第1の連結鋼材部60Aと第2の連結鋼材部60Bとは、ジョイントプレート69、及び不図示のボルトによって接合されている。
【0019】
第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの各々の下端部と、一の杭21Cの杭頭部21tと、連結鋼材部60と、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bは、基礎コンクリート部27に埋設されている。
図2に示されるように、基礎コンクリート部27は、第1基礎コンクリート部27Aと、第2基礎コンクリート部27Bを備えている。
図2において、第1基礎コンクリート部27Aと第2基礎コンクリート部27Bの境界は、破線で示されている。
第1基礎コンクリート部27Aは、一の杭21Cの杭頭部21tと、連結鋼材部60の下部フランジ62、及び、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bの各々の下側の部分を埋設するように打設されている。
第2基礎コンクリート部27Bは、第1基礎コンクリート部27Aの上方に、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bの各々の上側の部分、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bの下端部、及び、連結鋼材部60の上部フランジ61と補強プレート65、66を埋設するように打設されている。第2基礎コンクリート部27Bには、第1基礎コンクリート部27Aよりも、高流動で、かつ高強度なコンクリートが用いられている。
【0020】
図3に示すように、一の杭21Cの複数の杭主筋25のうち、
図5のように平面視したときに下部フランジ62に干渉しない位置に配置された一部の杭主筋25sは、杭コンクリート部24の上端24tから、連結鋼材部60の最下端60zよりも上方の位置まで突出している。
複数の杭主筋25のうち、下部フランジ62の下方に配置された残部の杭主筋25tは、杭コンクリート部24の上端24tから、連結鋼材部60の最下端60zよりも下方の位置まで突出している。
図5に示されるように、平面視したときに杭主筋25の内側の、下部フランジ62に干渉しない位置には、補強筋26が設けられている。補強筋26は、
図3に示されるように、下端が杭コンクリート部24内に埋設されている。補強筋26は、杭コンクリート部24の上端24tから、連結鋼材部60の最下端60zよりも上方の位置まで突出している。
本実施形態においては、杭主筋25sと補強筋26は、連結鋼材部60の最下端60zから上方への突出長さLが、例えば2000mmとなるように設けられている。杭主筋25sと補強筋26は、この突出長さLの分だけ、上下方向に鋼管柱5すなわち第1の鋼管柱本体51A、第2の鋼管柱本体51B、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bとオーバーラップするように設けられている。
【0021】
(鋼管柱の柱脚部構造の構築方法)
図6は、本実施形態における鋼管柱の柱脚部構造で鋼管柱を建方する方法を示す縦断面図である。
図7は、本実施形態における鋼管柱の柱脚部構造で鋼管柱を建方する方法において、
図6に続く状態を示す縦断面図である。
図6に示すように、上記したような構成の鋼管柱5の柱脚部構造で鋼管柱5を建方するには、まず、地盤中に杭21Cを構築する。
次いで、杭21Cの杭頭部21tを覆うように、基礎コンクリート部27の下部を形成するコンクリートやモルタル27mを打設する。ここで、基礎コンクリート部27の下部を形成するコンクリートやモルタル27mは、連結鋼材部60の下部フランジ62の下端側と同レベルまで打設する。
また、第1の鋼管柱本体51A、第1の柱脚傾斜部54A、及び第1の連結鋼材部60Aと、第2の鋼管柱本体51B、第2の柱脚傾斜部54B、及び第2の連結鋼材部60Bとを、それぞれ、予め一体に溶接した柱脚部ユニット100A、100Bを製作しておく。
【0022】
次いで、第1の鋼管柱本体51A、第1の柱脚傾斜部54A、及び第1の連結鋼材部60Aを形成する柱脚部ユニット100Aを、コンクリートやモルタル27mの上にクレーンやチェーンブロック等の揚重装置200を用いて建て込む。続いて、
図7に示すように、第2の鋼管柱本体51B、第2の柱脚傾斜部54B、及び第2の連結鋼材部60Bを形成する柱脚部ユニット100Bを、先に建て込んだ柱脚部ユニット100Aに隣接させてコンクリートやモルタル27mの上に、揚重装置200を用いて建て込む。その後、柱脚部ユニット100Aの第1の連結鋼材部60Aと、柱脚部ユニット100Bの第2の連結鋼材部60Bとを、ジョイントプレート69で接合する。
しかる後、コンクリートやモルタル27mの上に、コンクリート27cを、連結鋼材部60の上部フランジ61よりも所定寸法上方の所定レベルまで打設することで、基礎梁22の基礎コンクリート部27の上部、すなわち
図2に示される第1基礎コンクリート部27Aの上部と第2基礎コンクリート部27Bを形成する。コンクリート27cが所定の養生期間を経て硬化し、所定の強度を発現することで、上記したような鋼管柱5の柱脚部構造が実現される。
【0023】
図1に示されるように、本実施形態においては、建築構造物1の角部1cの、水平第二方向Dh2の近傍においては、各鋼管柱5Dには、これに対応して、各鋼管柱5Dの直下に、杭21Dが設けられている。すなわち、鋼管柱5D及び杭21Dに関しては、水平第一方向Dh1の近傍部分とは異なり、上記のような柱脚部構造とはなっておらず、各鋼管柱5Dは鋼管柱本体のみを備えており、柱脚傾斜部は備えていない。隣接する鋼管柱5Dどうしは、上記のような柱脚部構造における連結鋼材部60と同様な、
図3に示されるような縦断面の形状を有する連結鋼材部60Dにより接合されている。
【0024】
(鋼管柱の柱脚部構造の作用効果)
上述したような鋼管柱5の柱脚部構造によれば、鋼管柱5と杭21とが接合される鋼管柱5の柱脚部構造であって、一の杭21Cと、一の杭21Cの上方で互いに隣接して設けられる第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bと、第1及び第2の鋼管柱本体51A、51Bの各々の下端51dに接合されて、一の杭21Cに向かって傾斜して設けられる第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54Bと、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを、及び第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bとを接合する連結鋼材部60と、を備え、第1及び第2の鋼管柱本体51A、51Bの各々の下端部、一の杭21Cの杭頭部21t、連結鋼材部60、及び第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54Bが基礎コンクリート部27に埋設されている。
このような構成によれば、一の杭21Cの上方で互いに隣接する第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bは、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bと、連結鋼材部60と、を介して一の杭21Cに接合されている。特に、隣接する其々の鋼管柱5にあっては、第1の鋼管柱本体51Aと第1の柱脚傾斜部54Aが接合され、さらに、第2の鋼管柱本体51Bと第2の柱脚傾斜部54Bが接合され、其々が連結鋼材部60と接合されていることで、第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54B、及び連結鋼材部60によって鋼管柱5と基礎コンクリート部27のコンクリートとの定着強度が高められ、鋼管柱5を強固に基礎コンクリート部27に接合できる。また、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bにより、隣接する第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bと一の杭21Cとの間でスムーズに荷重が伝達される。さらに、第1及び第2の鋼管柱本体51A、51Bの各々の下端部、一の杭21Cの杭頭部21t、連結鋼材部60、及び第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54Bが、基礎コンクリート部27に埋設されている。これらが相乗し、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの軸力は、連結鋼材部60から一の杭21Cに効率良く伝達される。
また、上記のような構造においては、第1及び第2の鋼管柱本体51A、51B間の距離が短い場合であっても、これら第1及び第2の鋼管柱本体51A、51Bの各々に対応するように複数の杭を設ける必要がないため、杭どうしの干渉を考慮しなくてよい。このため、設計、施工が容易である。
したがって、隣接する各柱の軸力を杭21に効率的に伝達可能で、かつ柱スパンが短い場合であっても施工が容易な、鋼管柱5の柱脚部構造を提供することが可能となる。
【0025】
また、連結鋼材部60は、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bを接合する上部フランジ61と、第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bを接合する下部フランジ62と、上部フランジ61と下部フランジ62との間に設けられるウェブ63と、を備えている。
このような構成によれば、互いに隣接する第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bが連結鋼材部60の上部フランジ61によって、及び第1の柱脚傾斜部54Aと第2の柱脚傾斜部54Bが連結鋼材部60の下部フランジ62によって、それぞれ接合されている。連結鋼材部60は、上記のようにコンクリート部27に埋設されているため、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bに引抜力が作用した際には、上部フランジ61に接する基礎コンクリート部27の支圧作用により、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの浮き上がりが抑えられる。また、第1の柱脚傾斜部54A及び第2の柱脚傾斜部54Bには下部フランジ62が接合されているので、下部フランジ62を介して第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bから一の杭21Cに圧縮力を作用させることができる。したがって、高い耐震性を有する鋼管柱5の柱脚部構造を実現できる。
【0026】
また、連結鋼材部60は、ウェブ63の上下方向中央部よりも上方、かつ上部フランジ61よりも下方に、上部フランジ61と平行に設けられた補強プレート65、66を備えている。
このような構成によれば、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bに引抜力が作用した際の、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの浮き上がりを、より効果的に抑えることができる。
【0027】
また、基礎コンクリート部27は、第1基礎コンクリート部27Aと第2基礎コンクリート部27Bを備え、第1基礎コンクリート部27Aは、一の杭21Cの杭頭部21tと、連結鋼材部60の下部フランジ62、及び、第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54Bの各々の下側の部分を埋設するように打設され、第2基礎コンクリート部27Bは、第1及び第2の柱脚傾斜部54A、54Bの各々の上側の部分、第1及び第2の鋼管柱本体51A、51Bの下端部、及び、連結鋼材部60の上部フランジ61と補強プレート65、66を埋設するように打設され、第2基礎コンクリート部27Bには、第1基礎コンクリート部27Aよりも、高流動で、かつ高強度なコンクリートが用いられている。
このような構成によれば、上記実施形態のような鋼管柱5の柱脚部構造においては、連結鋼材部60の特に上側の部分が上部フランジ61及び補強プレート65、66を備える複雑な構造となり得ると同時に、上記のように大きな引抜き力が作用する。ここで、この部分を埋設する第2基礎コンクリート部27Bには、第1基礎コンクリート部27Aよりも、高流動で、かつ高強度なコンクリートが用いられている。このため、上記のような複雑な構造に対してコンクリートを充填する際の充填性を高めると同時に、引抜き力に効果的に抗することが可能となる。
【0028】
また、一の杭21Cは、杭コンクリート部24と、複数の杭主筋25を備え、複数の杭主筋25の少なくとも一部25sは、杭コンクリート部24の上端24tから、連結鋼材部60の最下端60zよりも上方の位置まで突出している。
このような構成によれば、複数の杭主筋25の少なくとも一部25sが、連結鋼材部60と上下方向においてオーバーラップしている。これにより、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bに作用する引抜き力を一の杭21Cに確実に伝達することができる。
【0029】
また、平面視したときに下部フランジ62に干渉しない位置に、鉛直方向に延伸するように設けられた補強筋26を備え、補強筋26の下端は杭コンクリート部24内に埋設され、補強筋26は、杭コンクリート部24の上端24tから、連結鋼材部60の最下端60zよりも上方の位置まで突出している。
このような構成によれば、補強筋26が、連結鋼材部60と上下方向においてオーバーラップしている。これにより、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bに作用する引抜き力を一の杭21Cに確実に伝達することができる。
【0030】
通常の、鋼管柱1本に対して杭を1本設けるようにした構成においては、1本の杭には1本の鋼管柱の軸力のみが作用する。これに対し、上記のような構成の鋼管柱5の柱脚部構造においては、第1の鋼管柱本体51A及び第2の鋼管柱本体51Bの、少なくとも2本の鋼管柱5の各々に作用する軸力が、一の杭21Cに伝達される。すなわち、通常の構成と比較すると、一の杭21Cに作用する軸力が増大し、これにより、地震発生時等により大きな引抜き力が作用する鋼管柱5の浮き上がりが有効に抑えられる。
また、建築構造物1を平面視したときに、角部1c間の外辺部1a(
図1参照)に位置する杭21に対して作用する引き抜き力よりも、角部1c近傍に設けられた杭21Cに対して作用する引き抜き力は大きい。これに対し、特に本実施形態においては、建築構造物1の角部1cの近傍に配置された一の杭21Cに、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとが接合された構造とされている。これにより、上記のように一の杭21Cに作用する軸力が通常よりも増大し、地震発生時等により大きな引抜き力が作用する鋼管柱5の浮き上がりが、さらに有効に抑えられる。
【0031】
なお、本発明の鋼管柱の柱脚部構造は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、建築構造物1の角部1cの近傍に配置された、一の杭21Cに、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを接合するようにしたが、これに限らない。建築構造物1において、角部1c以外の箇所に配置された杭21に、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを接合するようにしてもよい。
また、一の杭21Cに、第1の鋼管柱本体51Aと第2の鋼管柱本体51Bとを接合するようにしたが、一の杭21Cに、3本以上の鋼管柱5を上記と同様の構成を適用して接合するようにしても良い。
また、上記実施形態では、建築構造物1の角部1cの、水平第二方向Dh2の近傍においては、各鋼管柱5Dには、これに対応して、各鋼管柱5Dの直下に、杭21Dが設けられていたが、これに限られない。建築構造物1の角部1cの、水平第一方向Dh1の近傍において、上記実施形態のような鋼管柱の柱脚部構造を適用するのに加え、水平第二方向Dh2の近傍においても、同様な鋼管柱の柱脚部構造を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、杭21の断面形状は円形であったが、これに限られず、正方形、矩形など、他の形状となるように形成されてよい。同様に、上記実施形態においては、鋼管柱本体51の断面形状は正方形であったが、これに限られず、円形、矩形など、他の形状となるように形成されてよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
5 鋼管柱 51B 第2の鋼管柱本体
21 杭 51d 下端
21C 一の杭 54A 第1の柱脚傾斜部
21t 杭頭部 54B 第2の柱脚傾斜部
24 杭コンクリート部 60 連結鋼材部
24t 上端 60z 最下端
25 杭主筋 61 上部フランジ
25s 杭主筋の少なくとも一部 62 下部フランジ
27 基礎コンクリート部 63 ウェブ
51A 第1の鋼管柱本体