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  • 特許-放射線シールド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】放射線シールド
(51)【国際特許分類】
   G21K 5/08 20060101AFI20240307BHJP
   G21F 1/08 20060101ALI20240307BHJP
   G21F 7/00 20060101ALI20240307BHJP
   G21K 5/00 20060101ALI20240307BHJP
   H05H 6/00 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G21K5/08 N
G21F1/08
G21F7/00 C
G21F7/00 K
G21K5/00 S
H05H6/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021090801
(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公開番号】P2022001865
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2020106858
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金岡 耕平
(72)【発明者】
【氏名】仙入 克也
(72)【発明者】
【氏名】井内 宏志
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-141319(JP,A)
【文献】実開平2-91997(JP,U)
【文献】国際公開第2019/114308(WO,A1)
【文献】特開2001-116883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21K 1/00-7/00
G21F 1/00-7/06
H05H 3/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重金属を用いて形成される複数の単位部材同士が中心軸の軸回り方向に筒状に連結され、前記軸回り方向に隣り合う前記単位部材同士の対向面が平面状であり、それぞれの前記対向面の対向する位置に前記中心軸に沿った凹部が設けられ、荷電粒子が照射されることにより中性子を発生するターゲットを内部に収容する本体部と、
重金属を用いて帯状に形成され、前記単位部材同士が連結された状態において隣り合う前記単位部材のそれぞれの前記凹部の間に跨るように前記中心軸に沿って配置される帯状部と
を備える放射線シールド。
【請求項2】
前記凹部は、前記対向面のうち前記本体部の径方向の中央に配置される
請求項1に記載の放射線シールド。
【請求項3】
前記凹部は、前記中心軸に沿って直線状に設けられる
請求項1又は請求項2に記載の放射線シールド。
【請求項4】
前記帯状部は、隣り合う前記単位部材のそれぞれの前記凹部の底部により挟まれた状態で保持される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放射線シールド。
【請求項5】
前記帯状部は、内部に冷媒を流通させる流路を有する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線シールド。
【請求項6】
前記帯状部は、重金属からなる基層と、前記基層を挟むように前記基層の表裏に配置される被覆層とを有する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放射線シールド。
【請求項7】
複数の前記単位部材は、前記軸回り方向に等しい寸法を有する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の放射線シールド。
【請求項8】
前記本体部は、円筒状である
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の放射線シールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放射線シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
中性子照射装置は、荷電粒子をターゲットに照射して核破砕反応を引き起こすことで中性子を発生させる(例えば、特許文献1参照)。このような中性子照射装置では、核破砕反応に伴って生じる放射線を遮蔽するため、例えばタングステン等の放射線吸収性能に優れた材料により形成された筒状の放射線シールド内にターゲットが配置された構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-145882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の放射線シールドとしては、例えば複数の単位部材同士を中心軸の軸回り方向に連結することで製造される。このような放射線シールドでは、内部に配置されるターゲットから発生する放射線を遮蔽するため、隣り合う単位部材同士の対向部分が段状に形成され、単位部材同士を連結した場合に隣り合う単位部材の段部同士がかみ合う形状となっている。この構成により、放射線シールドの内側から外側を直線方向に見た場合、隣り合う単位部材同士の間が段部によって塞がれた状態となる。
【0005】
しかしながら、当該構成では、単位部材の表面に段部による凸部が形成されるため、例えば搬送及び組み立て等、製造時において単位部材同士が接触すると損傷しやすいという問題がある。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであり、放射線を確実に遮蔽しつつ、製造時における損傷を抑制することが可能な放射線シールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る放射線シールドは、重金属を用いて形成される複数の単位部材同士が中心軸の軸回り方向に分割可能となるように筒状に連結され、前記軸回り方向に隣り合う前記単位部材同士の対向面が平面状であり、それぞれの前記対向面の対向する位置に前記中心軸に沿った凹部が設けられ、荷電粒子が照射されることにより中性子を発生するターゲットを内部に収容する本体部と、重金属を用いて帯状に形成され、前記単位部材同士が連結された状態において隣り合う前記単位部材のそれぞれの前記凹部の間に跨るように前記中心軸に沿って配置される帯状部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、放射線を確実に遮蔽しつつ、製造時における損傷を抑制することが可能な放射線シールドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る中性子照射装置の一例を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態に係る放射線シールドの配置例を示す図である。
図3図3は、本実施形態に係る放射線シールドの一例を示す斜視図である。
図4図4は、放射線シールドを中心軸の軸線方向から見た一例を示す図である。
図5図5は、図4におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図6図6は、図4における要部を示す図である。
図7図7は、帯状部の断面形状の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
図1は、本実施形態に係る中性子照射装置1の一例を示す模式図である。中性子照射装置1は、被照射体Sに中性子Nを照射する。中性子照射装置1は、例えば、検査用途、医療用途、放射性同位元素生成用途等に用いられる。
【0012】
図1に示すように、中性子照射装置1は、荷電粒子を加速して荷電粒子Pを射出する加速装置2と、加速装置2から射出された荷電粒子Pの照射状態を調整する調整装置3と、荷電粒子Pの照射により中性子Nを発生するターゲット5と、ターゲット5で発生した中性子Nを減速する減速装置6と、減速装置6から射出された中性子Nを平行化するコリメータ7と、を備えている。コリメータ7から射出された中性子Nが被照射体Sに照射される。本実施形態に係る中性子照射装置1は、ターゲット5を収容する放射線シールド100を備える。
【0013】
加速装置2は、円形加速器又は直線加速器を含む。加速装置2は、荷電粒子(陽子、電子、又は重粒子)を加速して、荷電粒子(陽子線、電子線、又は重粒子線)Pを生成して、所定の照射方向に射出する。
【0014】
調整装置3は、複数の電磁石を含み、加速装置2から射出された荷電粒子Pの照射状態を調整する。荷電粒子Pの照射状態は、荷電粒子Pの進行方向の調整及び荷電粒子Pの整形を含む。調整装置3は、荷電粒子Pの発散を抑制し、荷電粒子Pを集束させる。調整装置3は、加速装置2から射出された荷電粒子Pを走査装置4に導く。
【0015】
走査装置4は、荷電粒子Pを走査し、ターゲット5に対する荷電粒子Pの照射位置を調整する。また、走査装置4は、ターゲット5に照射される荷電粒子Pを整形する。なお、走査装置4は無くてもよい。
【0016】
加速装置2から射出され、調整装置3及び走査装置4を通過した荷電粒子Pは、ターゲット5に照射される。ターゲット5は、荷電粒子Pの照射により、中性子Nを発生する。ターゲット5では、中性子Nとして、例えば高エネルギーの高速中性子が発生する。ターゲット5は、中性子を発生する中性子発生部材である。ターゲット5は、例えばベリリウム(Be)、リチウム(Li)、又はそれらを含む化合物で形成された液体又は固体の板状の部材を含む。ターゲット5は、円形又は矩形の板状の固体部材でもよいし、加熱された液体リチウムでもよい。例えば、厚さが一定になるように流し続けられた液体リチウムをターゲット5として使用してもよい。ターゲット5は、後述する放射線シールド100に収容される。
【0017】
減速装置6は、ターゲット5で発生した中性子Nを減速させる。減速装置6は、中性子Nの進路において、ターゲット5と被照射体Sとの間に配置される。減速装置6は、ターゲット5で発生した高速中性子のエネルギーを低減して、低速で低エネルギーの中性子(熱中性子、熱外中性子、又は冷中性子)を生成する。
【0018】
コリメータ7は、減速装置6から射出された中性子線Nを平行化する。コリメータ7により平行化され、そのコリメータ7から射出された中性子線Nが被照射体Sに照射される。
【0019】
次に、放射線シールド100について説明する。図2は、本実施形態に係る放射線シールド100の配置例を示す図である。図2に示すように、放射線シールド100は、円筒状であり、外筒101の内部に収容され、SUSシールド102に支持された状態で固定される。
【0020】
図3は、本実施形態に係る放射線シールド100の一例を示す斜視図である。図4は、放射線シールド100を中心軸の軸線方向から見た一例を示す図である。図5は、図4におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。図6は、図4における要部を示す図である。
【0021】
図3から図6に示すように、放射線シールド100は、本体部10と、帯状部20とを備える。本体部10は、円筒状であり、上記のターゲット5を内部に収容する。本体部10は、複数の単位部材11を有する。単位部材11は、それぞれタングステン、鉄、鉛、銅等の重金属を用いて形成される。単位部材11は、中心軸AXの軸回り方向に分割可能となるように円筒状に連結される。各単位部材11は、例えば不図示のボルト等により連結される。
【0022】
各単位部材11は、中心軸AXを通る複数の平面により円筒状部材を放射状に切断した形状を有する。各単位部材11は、中心軸AXの軸回り方向に等しい寸法となるように形成される。各単位部材11は、内周面12と、外周面13と、対向面14、15と、端面16、17とを有する。内周面12及び外周面13は、円筒面の一部である。対向面14、15は、中心軸AXの軸回り方向に隣り合う単位部材11同士が対向する面である。以下の説明では、各単位部材11は、対向面14同士が対向し、対向面15同士が対向するものとする。対向面14、15は、それぞれ平面状であり、同一形状及び同一寸法となっている。端面16は、単位部材11のうち中心軸AXの軸線方向の一方の端部に形成される。端面17は、単位部材11のうち中心軸AXの軸線方向の他方の端部に形成される。端面16、17は、それぞれ平面状である。
【0023】
各単位部材11は、対向面14、15に凹部18を有する。凹部18は、対向面14、15のうち、隣り合う単位部材11同士が連結された状態において対向する位置に配置される。これにより、本体部10には、隣り合う単位部材11が連結された状態において、各単位部材11の凹部18によって空間部Kが形成される。
【0024】
凹部18は、例えば対向面14、15のうち径方向の中央に配置される。凹部18は、径方向の中央に対して内側(内周面12側)又は外側(外周面13側)に配置されてもよい。凹部18は、中心軸AXに沿って直線状に設けられる。なお、凹部18は、内周面12に沿って湾曲又は屈曲した状態で設けられてもよい。凹部18は、単位部材11の長手方向の一方の端面16と他方の端面17との間の全体に亘って設けられる。凹部18は、中心軸AXの軸線方向から見て(又は中心軸AXに直交する平面による断面視において)例えば矩形状となっているが、この形状に限定されず、例えば三角形状、円形状等、他の形状であってもよい。
【0025】
帯状部20は、本体部10の空間部Kに挿入される。帯状部20は、タングステン、鉄、鉛、銅等の重金属を用いて帯状に形成される。帯状部20は、隣り合う単位部材11の凹部18同士の間に跨るように配置される。帯状部20は、それぞれの凹部18の底部18aによって挟まれた状態で保持される。帯状部20と凹部18の底部18aとの間には、インジウム層が挟まれた構成であってもよい。インジウム層を挟むことで、帯状部20と単位部材11との間の熱伝導性が高められる。
【0026】
図7は、帯状部20の断面形状の一例を示す図である。図7に示すように、帯状部20は、基層21及び被覆層22、23を有する。基層21は、タングステン、鉄、鉛、銅等の重金属を用いて形成される。被覆層22、23は、例えば銅等の金属を用いて形成され、基層21を挟むように当該基層21の表裏に配置される。基層21及び被覆層22、23は、例えば溶接等により接合されてもよいし、ボルト等の固定部材により接合されてもよい。ボルト等の固定部材で接合する場合、基層21と被覆層22、23との間にインジウム層を挟み込んでもよい。インジウム層を挟むことで、基層21と被覆層22、23との間の熱伝導性が高められる。
【0027】
帯状部20は、空間部Kの内部に保持される際に、隣り合う単位部材11の対向面14、15同士が接触する位置と対応する位置に基層21が配置されるように当該基層21及び被覆層22、23の厚さが設定される。つまり、中心軸AXから径方向に見た場合、隣り合う単位部材11の対向面14、15の間が基層21によって遮蔽された状態となるように設定される。
【0028】
被覆層22、23には、それぞれ管状部22a、23aが設けられる。管状部22a、23aは、帯状部20の長手方向に沿って形成される。管状部22a、23aは、例えば被覆層22、23の長手方向の両方の端面を連通するように形成される。管状部22a、23aは、帯状部20の内部に冷媒を流通させる流路Tを構成する。管状部22a、23aは、例えば長手方向の一方の端部から冷媒が供給され、他方の端部から冷媒が排出される。
【0029】
上記のように構成される放射線シールド100は、ターゲット5を収容し、当該ターゲット5に荷電粒子Pが照射される際に発生する放射線を遮蔽する。ターゲット5から発生する放射線は、中心軸AXを中心として放射状に進行する。発生した放射線のうち、例えば単位部材11の内周面12に到達する成分は、当該内周面12又は単位部材11の内部により吸収される。また、発生した放射線のうち、隣り合う単位部材11の間の部分に到達する成分は、隣り合う単位部材11の対向面14、15同士の間を進行するが、帯状部20によって吸収される。このため、発生した放射線は、当該放射線シールド100によって遮蔽される。
【0030】
以上のように、本実施形態に係る放射線シールド100は、重金属を用いて形成される複数の単位部材11同士が中心軸AXの軸回り方向に筒状に連結され、軸回り方向に隣り合う単位部材11同士の対向面14、15が平面状であり、それぞれの対向面14、15の対向する位置に中心軸AXに沿った凹部18が設けられ、荷電粒子Pが照射されることにより中性子Nを発生するターゲット105を内部に収容する本体部10と、重金属を用いて帯状に形成され、単位部材11同士が連結された状態において隣り合う単位部材11のそれぞれの凹部18の間に跨るように中心軸AXに沿って配置される帯状部20とを備える。
【0031】
従って、本体部10を構成する単位部材11は、隣り合う単位部材11同士の対向面14、15が平面状であるため、当該対向面14、15に段部が設けられた構成に比べて出っ張りが抑制されるため、搬送及び組み立て等、製造時における損傷を抑制することができる。また、対向面14、15の対向する位置に凹部18が設けられ、凹部18の間に跨るように帯状部20が配置されるため、隣り合う単位部材11の対向面14、15の間を通過する放射線の成分についても、帯状部20で遮蔽することができる。これにより、放射線を確実に遮蔽しつつ、製造時における損傷を抑制することが可能となる。
【0032】
本実施形態に係る放射線シールド100において、凹部18は、対向面14、15のうち本体部10の径方向の中央に配置される。従って、凹部18により本体部10の径方向の中央において放熱性を確保できる。
【0033】
本実施形態に係る放射線シールド100において、凹部18は、中心軸AXに沿って直線状に設けられる。従って、単位部材11及び帯状部20を容易に製造することができる。
【0034】
本実施形態に係る放射線シールド100において、帯状部20は、隣り合う単位部材11のそれぞれの凹部18の底部18aにより挟まれた状態で保持される。従って、帯状部20を固定する固定部材等を別途設けることなく、帯状部20を安定して保持することができる。
【0035】
本実施形態に係る放射線シールド100において、帯状部20は、内部に冷媒を流通させる管状部22a、23aを有する。従って、帯状部20当該帯状部20を保持する本体部10の冷却効率を高めることができる。
【0036】
本実施形態に係る放射線シールド100において、帯状部20は、重金属からなる基層21と、基層21を挟むように基層21の表裏に配置される被覆層22、23とを有する。従って、放射線に対する遮蔽性を維持しつつ、熱伝導性を高めることができる。
【0037】
本実施形態に係る放射線シールド100において、複数の単位部材11は、軸回り方向に等しい寸法を有する。従って、軸回り方向において一定のピッチで凹部18及び帯状部20を配置することができる。
【0038】
本実施形態に係る放射線シールド100において、本体部10は、円筒状である。これにより、円筒状の本体部10及び帯状部20により、放射線を確実に遮蔽することができる。
【0039】
本実施形態に係る中性子照射装置1は、荷電粒子Pを加速して射出する加速装置2と、加速装置2から射出された荷電粒子Pが照射され、中性子を発生するターゲット5と、ターゲット5を内部に収容する放射線シールド100とを備える。従って、ターゲット5で発生する放射線の遮蔽性が高い放射線シールド100を備えた中性子照射装置1を得ることができる。
【0040】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、本体部10が円筒状である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本体部10は、多角筒状であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、帯状部20が基層21及び被覆層22、23を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。帯状部20は、被覆層22、23の少なくとも一方が設けられない構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、複数の単位部材11が軸回り方向に等しい寸法を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。複数の単位部材11は、少なくとも1つが軸回り方向の寸法が異なる構成であってもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、帯状部20が内部に冷媒を流通させる管状部22a、23aを有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。管状部22a、23aの少なくとも一方は設けられなくてもよい。また、被覆層22、23の内部に限定されず、例えば基層21の内部に流路(管状部)の少なくとも一部が設けられた構成であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、帯状部20が隣り合う単位部材11のそれぞれの凹部18の底部18aにより挟まれた状態で保持される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。帯状部20は、不図示の固定部材等、他の手段により凹部18に固定された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 中性子照射装置
2 加速装置
3 調整装置
4 走査装置
5 ターゲット
6 減速装置
7 コリメータ
10 本体部
11 単位部材
12 内周面
13 外周面
14,15 対向面
16,17 端面
18 凹部
18a 底部
20 帯状部
21 基層
22,23 被覆層
22a,23a 管状部
100 放射線シールド
101 外筒
102 SUSシールド
AX 中心軸
K 空間部
N 中性子,中性子線
P 荷電粒子
S 被照射体
T 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7