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特許7449929グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体
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  • 特許-グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体 図1
  • 特許-グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体 図2
  • 特許-グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体 図3a
  • 特許-グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体 図3b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】グリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/14 20060101AFI20240307BHJP
   B65H 5/08 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B65H5/14 Z
B65H5/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021521886
(86)(22)【出願日】2019-07-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2019025212
(87)【国際公開番号】W WO2020011395
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-01-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】18020327.5
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】シェゾー ステファーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ルボー ジャン-クロード
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】殿川 雅也
【審判官】門 良成
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-226234(JP,A)
【文献】特開昭52-101106(JP,A)
【文献】特開2009-179001(JP,A)
【文献】特開2009-23843(JP,A)
【文献】特開2004-14301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/08 - 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料を処理するための機械におけるグリッパー搬送装置内のグリッパーバーのためのグリッパーバー本体であって、前記グリッパーバー本体は、シート把持位置とシート解放位置との間の移動のためにグリッパーブラケットを支持するように構成され、
前記グリッパーバー本体は、少なくとも2つの異なる材料で構成され、前記少なくとも2つの異なる材料は、少なくとも、中空構造を構成する金属材料と、前記中空構造の外側に位置し前記金属材料上に取り付けられる複合材料とを含み、前記金属材料及び前記複合材料は、少なくとも部分的に重なり合った様式で配置され、
前記複合材料は、少なくとも、アラミド繊維強化プラスチックを含む繊維複合材料で構成され、
前記金属材料は、アルミニウム、マグネシウム、及び/又はチタニウムのうちの少なくとも1つで構成され、
前記グリッパーバー本体を他部品に係合するための領域は、重なり合っておらず
前記グリッパーバー本体は、前記金属材料及び前記複合材料が重なり合った少なくとも2つの領域を備え、該少なくとも2つの領域は、前記中空構造の中空部分を挟んで互いに対向する、
グリッパーバー本体。
【請求項2】
前記少なくとも2つの領域は、前記グリッパーバー本体の全長に沿って延びる、請求項に記載のグリッパーバー本体。
【請求項3】
前記複合材料厚さが0.5mm未満である、請求項1又は2に記載のグリッパーバー本体。
【請求項4】
前記複合材料は、接着によって前記金属材料に取り付けられる、請求項1からのいずれかに記載のグリッパーバー本体。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載のグリッパーバー本体を備えるグリッパー搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材料を処理するための機械内のグリッパー搬送装置のためのグリッパーバー本体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、グリッパーバーは、板状物又はシートをパッケージに処理するための、同様に例えば印刷及び変換を行うための機械内で使用される。このような機械において、グリッパーバーは、様々な一連の印刷、切断、エンボス加工、折り目つけ、及び/又は廃棄物除去ステーションを通じて実行される場合にシートを引き寄せて位置決めすることができる。
【0003】
通常、グリッパーバーは、グリッパー手段が取り付けられる、例えばブラケットのような本体構造を備える。これらのブラケットは、シートをつかむために閉じ、これを解放するために開くことができる。
【0004】
通常、グリッパーバーは、2つの側部チェーン上に一定の距離を置いて取り付けられ、板状シートの進行方法に交差するように延在する。機械の内部で、バーを有するチェーンは循環路をたどり、最初は開始位置から実質的に水平な経路に沿って種々の処理ステーションを通る連続する水平方向並進移動をなし、次に、経路の端部で上向きに円弧を描くように動き帰還路になり、次に、下向きに曲がった弧を描くようにしてステーション中に延びる経路の開始位置で終端する。バーが開始位置にある場合、これは供給テーブルの停止手段と整列する。この段階で、グリッパーは制御装置によって開放され、制御装置は、機械の構造に応じて、グリッパーバーの一体部分とするか又は機械の別個の要素とすることができる。
【0005】
後続のシート材料の1枚が前方停止手段に向かって供給テーブルに押し込まれると、前縁は、開いたグリッパーの下側グリッパー部と上側押圧フィンンガー部との間に移動し、次に、グリッパーの開放機構は、新しい板状ピースを把持できるように逆方向に作動されることになり、この板状ピースは、各ステーションの間の経路に沿ったグリッパーバーの第1の並進運動の途上で第1の処理処理ステーションに搬送される。全ての処理処理ステーションにおいて、板状ピースは対応する切断、廃棄物除去、及び同様の作業を達成できるようにするために停止することになることを考えると、板状ピースは、加速、減速、及び休止又は停止の一方の組み合わせから成る連続的な並進によって命令通りに1つのステーションから別のステーションに移動することになる。
【0006】
バーは端部でのみ結合されるので、加減速によってバーに加わる曲げ応力及びねじり応力が容易に顕在化する。従って、これらのグリッパーバーは、大きく変形するのを防ぐために十分な頑丈性をもつ必要がある。
【0007】
さらに、機械の使用時に、グリッパーバー本体構造が、処理される製品及び/又は処理に必要なツールにより損傷を受け得ることが起こる可能性もある。
【0008】
この部分の交換中に、材料が変形する場合があり、これはグリッパーバーのある種の「破壊」を引き起こす可能性がある。
【0009】
米国特許第4,155,305号には、硬質発泡コアを用いて炭素繊維で作られたグリッパー搬送部が開示されている。炭素繊維は、グリッパーバーに頑丈性を与えるために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第4,155,305号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、従来技術で使用されるグリッパーバーの欠点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの態様によれば、本発明は、シート材料を処理するための機械におけるのリッパー搬送装置内のグリッパーバーのためのグリッパーバー本体に関し、グリッパーバー本体は、シート把持位置とシート解放位置との間の移動のためにグリッパーブラケットを支持するように構成される。グリッパーバー本体は、中空構造で形成されかつ少なくとも2つの異なる材料で構成され、2つの異なる材料は、少なくとも金属材料及び複合材料を含み、2つの異なる材料は、少なくとも部分的に重なり合った様式で配置される。さらに、グリッパーバーは、材料が重なり合った少なくとも2つの領域を備える。
【0013】
他の態様によれば、本発明は、本発明によるグリッパーバー本体を備えるグリッパー搬送装置に関する、
【0014】
本発明は、シート材料を処理するための機械におけるのリッパー搬送装置内のグリッパーバーのためのグリッパーバー本体に関する。グリッパーバー本体は、シート把持位置とシート解放位置との間の移動のためにグリッパーブラケットを支持するように構成される。グリッパーバー本体は、中空構造で形成されかつ少なくとも2つの異なる材料で構成され、2つの異なる材料は、少なくとも金属材料及び複合材料を含む。本発明によれば、2つの異なる材料は、少なくとも部分的に重なり合った様式で配置され、グリッパーバーは、材料が重なり合った少なくとも2つの領域を備える。
【0015】
本発明によるグリッパーバーとして使用されるグリッパーバー本体は、複合材料を提示する領域がこの材料で保護されるという利点を示す。これに加えて、記載された材料を重ね合わせることで、グリッパーバー本体の剛性を高めることができる。
【0016】
好都合には、金属材料及び複合材料が重ね合わされた場所では、複合材料は、中空構造の外側に位置し、一方で金属材料は中空構造の内側に位置する。
【0017】
好都合には、複合材料は金属材料よりも高い耐摩耗性をもつように選択することができ、これによって材料を引っかき又は衝撃から保護する。引っかき又は衝撃はグリッパーバーの剛性に影響を及ぼす可能性があり、グリッパーバーの破壊につながる場合がある。詳細には、複合材料は、バーが機械内の環状路を通る間にグリッパー上の同じ位置に繰り返して発生する傾向がある繰り返し衝撃から下層の金属を保護する。良好な耐摩耗性は、全体としてグリッパーバーの良好な耐摩耗性につながる。
【0018】
好ましい実施形態によれば、良好な結果は、2つの領域が少なくとも実質的に中空構造の反対側の領域である場合に得られる。通常、これらの領域は、損傷を受ける可能性がある。また、剛性に関して、2つの領域のこのような配置は有益な結果をもたらす。
【0019】
他の好ましい実施形態によれば、2つの領域は、実質的にグリッパーバーの全長に沿って延びる。
【0020】
良好な結果は、グリッパーバー本体を係合するための領域が重ね合わせされていない場合に得られる。重ね合わされた材料は、部品などを結合するためのねじ留めに関して異なる特性をもたらす可能性がある。従って、有益な効果は、これらの領域が重ね合わせされていない場合に得ることができる。また、この領域で重ね合わせを省くと、グリッパーバーの製造が容易になり、製造コストに良い影響を与える。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態によれば、金属材料は、アルミニウム、マグネシウム、及び/又はチタニウムのうちの少なく1つで構成される。これらの材料は、機械加工性及び/又は重量の点で良好な特性を有する。
【0022】
複合材料が、少なくとも繊維複合材料で、好ましくは炭素繊維強化、ガラス繊維強化、アラミド繊維強化、天然繊維強化、及び/又は木材繊維強化プラスチックのうちの少なくとも1つで構成される場合に良好な結果が得られる。
【0023】
繊維複合材料の繊維が、実質的に外形の角(angle of the profile)に平行な方向に配置される場合に、グリッパーバーの良好な機械的特性を得ることができる。外形の角に平行な方向は、グリッパーバーが動き変換機(running conversion machine)に使用される場合、グリッパーバーの動きに直交する。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、繊維複合材料の繊維は、少なくとも2つの方向に、好ましくは実質的に直交する方向に配置される。
【0025】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、グリッパーバー本体の中空構造は、丸みを帯びた角を有する実質的に四角形であり、少なくとも2つの領域は長手方向の領域の一部である。このような構造体の幾何形状は、低い高さの高表面慣性を示すコスト効果の高い解決策であることが分かっている。
【0026】
複合材料は、従来から知られている何らかの機械的、化学的、及び物理的手段によって金属材料に取り付けることができる。複合材料を金属材料に接着することで良好な結果が得られる。従って、エポキシ、アクリル、メタクリル、ポリウレタン、ポリマーなどに基づく接着剤を使用することができる。
【0027】
好ましくは、本発明によるグリッパーバー本体はグリッパー搬送装置に含まれる。
本発明は、添付図面に示される複数の実施形態を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の好ましい実施形態によるグリッパーバー本体の3次元ビューを示す。
図2】本発明の好ましい実施形態によるグリッパーバー本体の断面を示す。
図3a】本発明の好ましい実施形態によるグリッパーバー本体の3次元ビューを示す。
図3b】本発明の好ましい実施形態によるグリッパーバー本体の別の3次元ビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本セクションは、実施形態の特定の実施例に従って本発明を実施するためのいくつかの可能性のある変形形態を詳細に説明する。
【0030】
図1には、本発明の好ましい実施形態によるグリッパーバー本体(1)の3次元ビューが示されている。図2はその断面を示す。バー本体は、グリッパーブラケットを搬送するように構成されており、グリッパーブラケットはシート把持位置とシート解放位置との間での移動のために、予め定められた位置(2)でグリッパーバー本体と係合することができる。この好ましい実施形態によれば、グリッパーバー本体は、全体に中空構造で形成されている。図1及び2に示される本発明の実施形態によれば、グリッパーバー本体(1)の中空構造は、実質的に四角形であり角が丸くなっている。
【0031】
図3a及び3bにおいて、グリッパーバー本体が2つの異なる材料を含むこと明らかでである。図3に示す好ましい実施形態によれば、材料は、金属材料(4)及び複合材料(3)を含み、少なくとも2つの異なる材料は、少なくとも部分的に重ね合わせ様式で配置されている。図示の実施形態において、中空構造は金属材料(4)で作られており、特定の領域では、複合材料(3)が、金属材料上に取り付けられている。
【0032】
特に図3bで分かるように、グリッパーバー本体(1)は、材料が重ね合わされた2つの領域を備える。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によれば、グリッパーバー本体(1)はアルミニウム及び/又はマグネシウムで作られており、次に、所定の領域は、厚さ約0.4mmのアラミド繊維材料で被覆される。好ましくは、これは厚さ0.2mmの2層のアラミド繊維材料でもたらされる。アラミド繊維材料は、2つの材料を接着することで、好ましくは空気無しの状態で結合される。アラミドは「Kevlar」の名前で商業的に良く知られている。
【0034】
金属上に固定された、厚さ0.5mm未満の複合材料を使用する場合、観察される主たる効果は、僅かな重量増でバーの耐摩耗性を改善する点である(材料が1又は2以上の領域又は金属を被覆するという現実に無関係に)。バーの剛性の増加は、僅かな(及び有益な)副次的作用である(厚さ0.2mmで辛うじて測定可能である)。より厚い層の複合材料は、バーの剛性の著しい増大を得るために勧められる。
【0035】
耐摩耗性は、反復引っかき作用を受けた場合のバーの質量損失を計測することで測定することができる。例として、アラミド繊維材料は、アルミニウム又はマグネシウムよりも良好な耐摩耗性を有する。
【0036】
グリッパーバー上にアラミドベースの複合材料を用いることで得られる他の可能性のある副次的作用は、破局故障の場合にバーを一体部品に維持する能力である。これは、高剛性、並びに高い極限引張強度及び変形強度の両方を有する繊維を組み合わせる結果としての、アラミド繊維のエネルギーを吸収して消散する能力によって可能になる。これは、バーの破片(piece)が放出されるのを防ぎ、この破片は、機械から放出されて誰かを傷つけるか又は放出された破片の倍増によって機械に深刻な損傷を与える可能性がある。図3bのアラミド繊維材料に示す2つの領域は、グリッパーバー本体(1)の中空構造の特定の反対側の2つの領域で実質的に全長に沿って位置する。
【0037】
複合材料をバーの剛性を高めるためではなく、衝撃又は引っかきから保護するために使用するので、複合材料をバーの周囲全体に設ける必要がなく、これにより、製造コスト、複雑性、及び歩留まりが改善される(複合材料を複数の領域に置くことで剛性に関して有益な結果が得られたとしても)。
【0038】
図示の実施形態では、グリッパーバー本体は、グリッパーバー本体を係合するための領域(5)を備える。グリッパーバー本体は、例えば、ブラケットなどの他の横たわる部品又は機械とグリッパーバー本体が結合できる場所で関与することができる。好ましくは、これらの領域(5)では、複合材料は重な合わせされていない。係合領域での金属材料の係合はねじなどの機械的手段によって助長される。
【符号の説明】
【0039】
1 グリッパーバー本体
3 複合材料
4 金属材料
5 係合領域
図1
図2
図3a
図3b