(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】骨前処理装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/56 20060101AFI20240307BHJP
A61B 17/3205 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/3205
(21)【出願番号】P 2021537912
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019068660
(87)【国際公開番号】W WO2020139995
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ランバース,クリフォード・エドウィン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-521784(JP,A)
【文献】特開2017-136388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材を前処理するためのアセンブリであって、
支持面と前記支持面の反対側の外面とを有する基部と、前記基部との間に空所を有する蓋と、を備えるシェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置され、前記シェルの前記基部を横切って移動することが可能なキャリッジであって、前記キャリッジは壁を備え、前記壁の少なくとも一部は弾性的に変形可能であり、前記壁は前記基部と協働して前処理チャンバを画定する、前記キャリッジと、
前記前処理チャンバ内に少なくとも部分的に配置される除去要素であって、骨材から軟部組織を除去することによって骨材を前処理するように構成される、前記除去要素と、
を備え、
前記キャリッジは、前記支持面を横切る前記キャリッジの運動を行うために駆動系からの動力を受けるように構成され、前記除去要素も、前記駆動系からの動力を受けるように構成され、
前記壁の弾性部分は、骨材が前記除去要素と前記壁との間に位置するときに変形するように構成される、
アセンブリ。
【請求項2】
前記壁の少なくとも一部は、複数の関節式壁セグメントを備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の関節式壁セグメントは互いにヒンジ結合され
、及び/又は
前記複数の関節式壁セグメントのうちの少なくとも1つは、湾曲した内面を呈する、
請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記壁の少なくとも一部はエラストマーを含んで構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記キャリッジは、前記壁の外方に間隔を隔てて連結されたキャリッジハウジングを更に備え、前記キャリッジハウジングは、前記壁の外周の周りに少なくとも部分的に延在し、前記基部の前記支持面を横切って移動可能である、請求項1~
請求項4のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記壁は、1つ又は複数のアンカーによって前記キャリッジハウジングに連結される、
請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記キャリッジは、前記基部の表面上の前記空所内に移動可能に取り付けられる、請求項1~
請求項6のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記基部は、1つ又は複数の長孔を備え、駆動要素が前記長孔内に移動可能に配置され、前記駆動要素は前記駆動系に動作可能に取り付けられる、請求項1~
請求項7のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記基部は、第1の長孔及び前記第1の長孔と平行の第2の長孔と、前記第1の長孔内及び前記第2の長孔内にそれぞれ配置される駆動要素と、を備え、前記駆動要素は、前記キャリッジ及び前記駆動系の両方に動作可能に取り付けられ、前記第1の長孔内及び前記第2の長孔内のそれぞれにおいて第1の位置から第2の位置に移動することで前記キャリッジを前記基部の前記支持面を横切って直線的に移動させるように構成される、請求項1~
請求項8のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記駆動系は、前記キャリッジに動作可能に連結され、前記駆動系からの回転動力を伝達することで前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を生じさせるように構成され、前記駆動系は、前記除去要素に動作可能に連結され、前記除去要素の回転運動を生じさせるように構成され、前記駆動系の作動時に、前記キャリッジは、前記基部の前記支持面を横切って直線的に移動し、前記除去要素は、前記前処理チャンバ内において回転運動する、請求項1~
請求項9のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記駆動系は、
上面、楕円形輪郭の
楕円形トラックを有する下面、及び駆動長孔を有するカム従動子であって、前記カム従動子の上面は、前記カム従動子が前記キャリッジと相対して前記シェルの前記基部の外面を横切って移動可能となるように、前記基部の外面に隣接して配置される、前記カム従動子と、
前記駆動系に回転可能に連結され、前記楕円形トラック内に配置されるカムであって、前記カムは、前記楕円形トラック及び前記駆動長孔と協働して前記駆動系からの回転動力を伝達することで、前記基部の外面を横切る前記カム従動子の直線運動を生じさせると共に、前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの対応する直線運動を生じさせるように構成される、前記カムと、
を更に備える、請求項1~請求項10のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記支持面は、重力が前記前処理チャンバ内の骨材を前記除去要素との接触を容易にするチャンバ位置に向けて送るように傾斜されている、請求項1~
請求項11のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【請求項13】
前処理モジュールによって骨材を前処理する方法であって、
前処理モジュールは、
支持面を備える基部を有して空所を画定するシェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置されて弾性部分を備える弾性壁を備えるキャリッジであって、前記弾性壁が前記基部と協働して前処理チャンバを画定する、前記キャリッジと、
前記前処理チャンバ内に配置される除去要素と、
を備え、
前記方法は、
骨組織に連結された軟部組織を備える骨材を準備するステップと、
骨材を前記キャリッジの前記前処理チャンバ内に挿入するステップと、
前記除去要素を作動させるステップと、
前記除去要素と前記弾性部分との間に配置された骨材が前記弾性壁を前記除去要素から離れて外方に変形させるように、前記キャリッジを前記支持面を横切って移動させるステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
骨材を前処理するためのアセンブリであって、
支持面と前記支持面の反対側の外面とを有する基部と、蓋と、を備えるシェルであって、前記基部及び前記蓋は、前記基部と前記蓋との間に空所を有する、前記シェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置され、前記基部の前記支持面を横切って移動することが可能なキャリッジであって、前記キャリッジは壁を備え、前記壁は複数の関節式壁セグメントを備え、前記壁は前記基部の前記支持面と協働して前処理チャンバを画定する、前記キャリッジと、
前記前処理チャンバ内に少なくとも部分的に配置される除去要素であって、骨材から軟部組織を除去することによって骨材を前処理するように構成される、前記除去要素と、
を備え、
前記キャリッジは、前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を行うために駆動系からの動力を受けるように構成され、前記除去要素も、前記駆動系からの動力を受けるように構成され、
前記複数の関節式壁セグメントは、骨材が前記除去要素と前記壁との間に位置するときに互いに対して関節運動するように構成される、
アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年12月27日に出願された米国仮特許出願第62/785,484号の優先権及び全ての利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0002】
本開示は、概して、外科処置に用いられる骨材を前処理するためのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の医学的及び外科的処置は、骨セグメント間の間隙を埋めて骨成長のための自然な基盤をもたらすために、総称的に骨グラフトと呼ばれることが多い骨片を日常的に用いている。
【0004】
例えば、脊椎処置(例えば、椎間板切除術)は、骨グラフトを利用する。このような処置では、骨グラフトは、互いに隣接する椎骨を整列させた状態で保持する移植ロッドの周りに挿入される。骨グラフトは、椎骨を形成する組織が成長してロッドの周りに骨の基盤を形成する格子として機能する。この基盤は、ロッドに加えられる負荷を分散する。加えて、骨グラフトは、椎間板腔内又は椎間板腔に配置されたケージ内に配置されることもある。
【0005】
他の例として、関節再建、修復処置、及び顎顔面処置のような整形外科処置は、骨グラフトを利用する。このような処置では、骨グラフトは、これらの処置における充填剤及び/又は成長形成格子として用いられる。何故なら、骨を形成するタンパク質が、隣接する生存骨細胞の未分化細胞が新しい骨を形成するための構成材料として機能するからである。
【0006】
骨片のための骨材の理想的な供給源は、骨片が充填される患者である。何故なら、患者自身の骨は、ドナー骨よりも患者の免疫系によって拒絶されにくいからである。従って、骨片が必要とされる処置では、骨材は、患者の骨の1つから採取されることが多く、典型的には、0.25cm3から3cm3の小さな骨部分が採取される。患者の他の部分に移植するために患者から取り出される骨材は、自家移植骨材と呼ばれる。
【0007】
骨材の骨片への変換は、典型的には、2段階プロセスである。このプロセスの第1の段階では、採取された骨は、粉砕及び使用のために、骨片の形成に適さない靭帯及び他の軟部組織を除去することによって前処理される。次いで、前処理された骨は、骨片に粉砕され、骨グラフトとして用いられることになる。
【0008】
典型的な骨前処理プロセスでは、骨材を粉砕する前に、外科医は、靭帯及び他の軟部組織を骨材から手作業によって除去する。現在、外科医は、掻爬器及び/又は骨鉗子を用いてこの手動プロセスを行っている。外科医がこの仕事を行うのに15分以上掛かることがある。更に、このような典型的なプロセスでは、外科医は、骨をしっかりと把持する必要がある。骨にこのような力を加えると、外科医が着用する手袋が裂けることがある。更に、外科医が用いる鋭利な切削工具が手袋を切り裂くか又は引き裂くことがある。手袋がこのように切り裂かれるか又は引き裂かれると、外科医の皮膚が骨に直接接触する可能性がある。この接触によって骨の汚染が生じることがある。
【0009】
機械化された骨前処理プロセスでは、この前処理プロセスは、骨材の一貫性及び均質性の変動に起因して一貫性のない結果が得られる可能性がある。すなわち、骨材は、骨前処理装置内において膠着及び/又は集塊し、これによって、靭帯及び他の軟部組織が依然として付着した骨材を生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、当技術分野において、無菌環境における効率的な方法によって骨材から軟部組織を一貫して除去するアセンブリが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、特許請求の範囲において具体的に規定されている。本開示の上記の及び更なる特徴及び利点は、以下の添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】前処理モジュールが基部モジュールに取り付けられた状態にある骨材を前処理するためのモジュール式システムの斜視図である。
【
図2】前処理モジュールが取り外された状態にある
図1のシステムの基部モジュールの斜視図である。
【
図3】
図1のシステムの取り外された前処理モジュールの上面斜視図である。
【
図4】
図1のシステムの取り外された前処理モジュールの底面斜視図である。
【
図6】除去要素を収容する前処理チャンバを部分的に画定する支持面上に移動可能に配置されたキャリッジを備える
図1のシステムの前処理モジュールの単独上面斜視図である。
【
図7】
図6のシステムのキャリッジの単独上面図である。
【
図8】
図8A~
図8Cは、3つの例示的な壁輪郭P
E1,P
E2,P
E3に配置された例示的な弾性変形可能な壁の単独上面図である。
【
図9】
図1のシステムの代替的キャリッジの単独上面図である。
【
図10】
図10A~
図10Cは、3つの例示的な壁輪郭P
E4,P
E5,P
E6に配置された例示的な弾性変形可能な壁の単独上面図である。
【
図11】
図11A~
図11Cは、3つの例示的な壁輪郭P
E7,P
E8,P
E9に配置された更に他の例示的な弾性変形可能な壁の単独上面図である。
【
図12】
図1のシステムの基部モジュールの台座及び駆動モジュールの単独斜視図である。
【
図13】線A-Aに沿って切断された
図12の台座及び駆動モジュールの断面図である。
【
図14】
図1のシステムの駆動系のカムアセンブリの単独上面斜視図である。
【
図15】
図1のシステムの駆動系のカムアセンブリの単独側面斜視図である。
【
図16】
図1のシステムの駆動系のカムアセンブリの単独底面斜視図である。
【
図17】
図1のシステムの駆動系のカムアセンブリの単独分解図である。
【
図18】カムアセンブリを駆動系に離脱可能に連結する特徴部を備えるカムキャリア並びに駆動モジュールの分解斜視図である。
【
図19】除去要素、駆動シャフト、及び除去要素を駆動系に離脱可能に連結する特徴部の分解斜視図である。
【
図20】
図1のシステムにおける基部モジュールの駆動モジュールの単独斜視図である。
【
図21】A-Aに沿った
図20の駆動モジュールの断面図である。
【
図23】
図23A及び
図23Bは、前処理モジュール内に移動可能に配置されたキャリッジであって、前処理モジュールの基部の支持面を横切って第1の方向D
1及び第2の方向D
2に直線的に移動する状態にある、キャリッジの単独上面斜視図である。
【
図26】
図26A及び
図26Bは、取付面に対して種々の高さに取り付けられた前処理モジュールを示す
図1のシステムの上面斜視図である。
【
図27】
図27A及び
図27Bは、取付面に対して種々の角度で取り付けられた前処理モジュールを示す
図1のシステムの上面斜視図である。
【
図28】
図1のシステムの足、脚、及び駆動モジュールの分解図である。
【
図29】前処理チャンバが基部モジュールに取り付けられた状態にある骨材を前処理するための他のモジュール式システムの斜視図である。
【
図30】前処理モジュールが取り外された状態にある
図29のシステムの基部モジュールの斜視図である。
【
図31】
図29のシステムの基部モジュールの台座及び駆動モジュールの単独斜視図である。
【
図32】線A-Aに沿った
図31の台座及び駆動モジュールの断面図である。
【
図33】
図31のシステムの取り外された前処理モジュールの上面斜視図である。
【
図35】線A-Aに沿って切断された
図33の前処理モジュールの断面図である。
【
図36】
図31のシステムの前処理モジュールのカムアセンブリの単独底面斜視図である。
【
図37】蓋が取り外された状態にある
図33の前処理モジュールの上面斜視図である。
【
図38】取り外された状態にある例示的な代替的前処理モジュールであって、
図31のシステムと共に用いられる、代替的前処理モジュールの上面斜視図である。
【
図40】
図38のシステムの前処理モジュールのカムアセンブリの単独底面斜視図である。
【
図41】蓋が取り外された状態にある
図38の前処理モジュールの上面斜視図である。
【
図42】本明細書に記載されるシステムによって骨材を前処理する例示的な方法に用いられる最重要ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図42は、本来的に例示にすぎず、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、本明細書に記載されるシステムの種々の構成要素の相対的な大きさを表すことが意図されるものではない。
【0014】
図面を参照すると、骨材を前処理するためのアセンブリが開示されている。骨材を前処理するためのアセンブリは、骨材を前処理(例えば、清浄化)し、任意選択的に粉砕するためのモジュール式システム42(「システム42」)に含まれている。システム42の例が、
図1~
図28に示されている。システム42は、基部モジュール44を備えている。基部モジュール44内に配置されているのは、モーター46及び駆動系(ドライブトレイン)である。システム42は、前処理モジュール50を備えている。前処理モジュール50は、基部モジュール44に取外し可能に取り付けられることが可能である。前処理モジュール50は、骨前処理アセンブリ40を少なくとも部分的に備えている。
【0015】
図1は、システム42の基部モジュール44の斜視図である。
図1のシステム42では、前処理モジュール50が基部モジュール44に取り付けられている。
図2は、前処理モジュール50が取り外された状態にある
図1のシステム42の基部モジュール44の斜視図である。
図3及び
図4は、それぞれ、
図2に示されるシステム42の前処理モジュール50の上面斜視図及び底面斜視図である。
図1に示される例では、基部モジュール44は、再利用可能式であり、前処理モジュール50は、使い捨て式である。従って、前処理モジュール50は、使用後に廃棄され、更なる使用のために、未使用の前処理モジュール50が取り付けられることになる。勿論、他の例として、システム42がオートクレーブ処理によって再利用可能となる前処理モジュール50を備えることも可能である。
【0016】
ここで
図6を参照すると、基部モジュール44は、キャリッジ62及び除去要素68を駆動する基部モジュール44への前処理モジュール50の離脱可能な連結を容易にする特徴部を備えている。本開示の例では、前処理モジュール50(
図5参照)は、キャリッジ62及び除去要素68を駆動系に離脱可能に連結すると共に前処理モジュール50を基部モジュール44に離脱可能に連結する特徴部を有するように、形作られている。駆動系は、概して、キャリッジ62及び除去要素68の運動に動力を供給する全ての要素を指し、本明細書においてサブアセンブリと呼ばれるカムアセンブリ及び歯車列(ギヤトレイン)を含むことを理解されたい。
図1~
図28に示されるシステム42の例では、カムアセンブリ及び歯車列は、使い捨て式として設計される前処理モジュール50のコストを削減するために、基部モジュール44内に配置されている。
【0017】
ここで
図3~
図7を参照すると、前処理モジュール50は、シェル52を備えている。シェル52は、支持面56を有する基部54と、蓋58とを備えている。
図3には、取り外された前処理モジュール50の上面斜視図が示されている。
図4には、前処理モジュール50の底面斜視図が示されている。
図5には、
図3の前処理モジュール50の断面図が示されている。
【0018】
前処理モジュール50を更に参照すると、基部54及び蓋58は、(
図5に示されるように)協働してそれらの間に空所60を画定している。キャリッジ62は、空所60内に少なくとも部分的に配置され、支持面56を横切って移動可能である。キャリッジ62は、壁64を備え、壁64の少なくとも一部65は、弾性的に変形可能である。壁64は、基部54と協働して前処理チャンバ66を画定し、除去要素68は、前処理チャンバ66内に少なくとも部分的に配置されている。壁64の弾性変形可能な部分65は、適切な量の骨材が除去要素68と壁64との間に位置するときに変形するように構成されている。
【0019】
キャリッジ62は、支持面56を横切るキャリッジ62の運動を行うために駆動系からの動力を受けるように構成され、除去要素68も、駆動系からの動力を受けるように構成されている。この運動については、
図23~
図25に示される例に基づき、以下に詳細に説明する。
【0020】
図6は、蓋58が取り外された状態にある前処理モジュール50の上面斜視図である。
図6には、前処理チャンバ66内に少なくとも部分的に配置された除去要素68が示されている。除去要素68は、回転ブラシ、回転おろし器、回転溝付きスクリュー284、又はそれらの組合せから選択されている。更に、他の例示的な除去要素が、米国特許第8,672,942号及び第9,687,361号に例示され、かつ記載されている。これらの文献は、いずれも電動式骨前処理及び粉砕システムに向けられており、その内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0021】
図6において、除去要素68は、前処理チャンバ66内に回転可能に取り付けられた溝付きスクリュー284と、溝付きスクリュー284の周りに配置されたシェービングチューブ290とを備えている。シェービングチューブ290は、基部54に静的又は動的に取り付けられている。除去要素68は、前処理チャンバ66内に少なくとも部分的に位置する状態で示されている。除去要素68は、作動軸AOを中心として回転するように支持されている。図示される除去要素68は、螺旋溝286を有する溝付きスクリュー284を備え、螺旋溝286は、刃先288を有している。システム42の作動中、溝付きスクリュー284が作動軸AOを中心として回転し、刃先288が前処理チャンバ内の骨材から軟部組織を切除することによって、骨材を前処理するようになっている。従って、除去要素68は、清浄化要素(クリーニング要素)と呼ばれることもある。いくつかの例では、溝付きスクリュー284は、第1の回転方向R
1(上から見て時計方向)に回転する。
【0022】
シェービングチューブ290は、
図6に示されるように、溝付きスクリュー284の周りに同軸に延在している。シェービングチューブ290は、少なくとも1つのカッター窓292を画定し、カッター窓292を通して、骨材に付着した組織が受け取られ、溝付きスクリュー284によって引き込まれることになる。カッター窓292は、シェーバー縁294によってその境界が定められている。シェーバー縁294は、溝付きスクリュー284がシェービングチューブ290に対して回転するときに螺旋溝286の刃先288とカッター窓292のシェーバー縁294との間に捕捉された軟部組織を切除するために、鋭利になっている。また、シェーバー縁294は、軟部組織が当接する衝突構造としても作用し、これによって、当接した軟部組織が一時的に保持され、除去要素68の溝付きスクリュー284による切除を助長する。
【0023】
いくつかの例では、シェービングチューブ290は、作動軸AOを中心として回転するように構成されている。溝286の螺旋形状によって、溝付きスクリュー284が回転すると、軟部組織が切除され、溝付きスクリュー284とシェービングチューブ290との間を溝付きスクリュー284に沿って軸方向上方に押し出され、シェービングチューブ290の上端から排出されることになる。本質的に、溝付きスクリュー284は、スクリューコンベヤとして作用する。溝付きスクリュー284とシェービングチューブ290との間の空間は、切除された軟部組織が押し出されて最終的に排出されるときに通過する破片通路(デブリ通路)である。
【0024】
図3に示される蓋58は、シェービングチューブ290の上端近くの周りに配置されている。ここで
図5を参照すると、蓋58は、収集面59を画定している。シェービングチューブ290の上端から排出された組織が収集面59上に落下し、蓋58内に画定された収集チャンバ61内に収集されるようになっている。収集面559は、軟部組織キャッチ(捕捉部)として作用するために、シェービングチューブ290の上端よりもいくらか下方に距離を隔てて配置されている。
【0025】
図6では、蓋58が取り外されている。これによって、除去要素68を取り囲む壁64が示されている。
図6の壁64は、互いに接続された複数の壁セグメント70を備えている。
図5に示される例では、複数の壁セグメント70は、複数のヒンジ72を介して互いに移動可能に接続されている。壁セグメント70は、内面74を有している。内面74は、平面であってもよいし、湾曲していてもよいし、又は輪郭付けされていてもよい。多くの例では、例えば、
図6の例では、壁64は、互いに異なる輪郭を有する壁セグメント70を備えている(例えば、いくつかのセグメントは、平坦な内面74を有し、いくつかのセグメントは、湾曲した内面74を有し、いくつかのセグメントは、輪郭付けされた内面74を有している)。壁セグメント70のうちの2つは、それらの内面74上に配置された捕捉パッド75を有している。
図7に最もよく示されるように、壁セグメント70のいくつかは、キャリッジハウジング76に対して固定され、壁セグメント70のいくつかは、キャリッジハウジング76に対して移動可能である。この例の壁セグメント70は、関節運動するように構成されているので、関節式壁セグメント70と呼ばれることもある。この目的から、壁64は、関節式壁として記述されることがある。また、この例の壁セグメント70のいくつか(壁64の各端の3つの壁セグメント70)は、弾性変形可能な壁セグメントと呼ばれることもある。換言すれば、この例の壁64の2つの部分は、弾性的に変形可能である。壁64の種々の構成が、
図6~
図11に示されている。
【0026】
図6において、キャリッジ62は、壁64の外方に距離を隔てて配置されて壁64に連結されたキャリッジハウジング76を備えている。キャリッジハウジング76は、壁64の外周の周りを少なくとも部分的に取り囲んで延在し、基部54の支持面56を横切って移動可能である。キャリッジハウジング76は、典型的には、固定された輪郭を有し、変形可能ではない。キャリッジハウジング76は、弾性変形可能な壁64が連結された剛性フレームとして機能する。
図7に示されるように、壁64は、1つ又は複数の剛性アンカー78a,78b及び/又は1つ又は複数の弾性アンカー78c,78dによってキャリッジハウジング76に連結されている。
【0027】
本明細書において検討される種々の例では、1つ又は複数の弾性アンカーは、骨材が壁64と除去要素68との間に挟まれたときにキャリッジハウジング76の運動がその運動に付随する壁64の運動をもたらし、これによって、壁64の追加的な運動を可能にするために、エラストマー材料、例えばゴムを含んで構成されている。具体的には、壁64の局所的な運動又は変形が、前処理チャンバ内において骨材を効果的に移動させ、これによって、最適な前処理、すなわち、骨材からの靭帯及び他の軟部組織の除去を確実なものにする。いくつかの例では、弾性アンカーは、バネを含んで構成されている。他の例では、弾性アンカーは、エラストマー又はゴム部材を含んで構成されている。
【0028】
キャリッジ62は、壁64を備え、壁64の少なくとも一部65は、弾性的に変形可能である。壁64は、基部54と協働して前処理チャンバ66を画定し、除去要素68は、前処理チャンバ66内に少なくとも部分的に配置されている。壁64の弾性変形可能な部分65は、適切な量の骨材が除去要素68と壁64との間に位置するときに変形するように構成されている。
【0029】
壁64が弾力的であると見なされる例では、この壁64は、移動、屈曲、圧縮、又は伸長された後、その元の位置又は輪郭を変化させるように又はその元の位置又は輪郭に戻るように構成されるように画定されている。壁64は、付勢されたセグメント70(弾性アンカー、例えば、弾性アンカー78c,78dに連結されたセグメント70、又は弾性関節要素(弾性連結要素)に連結されたセグメント、例えば、セグメント70s,70t)の1つによって弾性的である。
図6、
図7、
図8A~
図8C、
図9、及び
図10A~
図10Cの例では、壁64は、弾力アンカー78c,78dに起因して弾力的であると見なすことができる。
図11A~
図11Cの例では、壁64は、そのエラストマー壁セグメント70s,70tに起因して弾性的であると見なすことができる。
【0030】
図7及び
図8A~
図8Cの例では、壁64は、関節運動すると見なされる。具体的には、壁64は、例えば、その元の位置又は輪郭を変化させるために関節72によって互いに連結されたセグメント70を備えるように構成されていると見なされる。
図7及び
図8A~
図8Cの例に示されるように、壁64は、弾性アンカー78c,78d、及びヒンジ72を介して連結された複数のセグメント70に起因して、弾性的であると見なされる。
【0031】
勿論、壁64は、関節運動すると共に弾性的であると見なすこともできる。更に、壁64は、剛性的な(すなわち、弾性的ではない)複数のセグメント70であってもヒンジ運動を行うことによって弾力的であると見なされる複数のセグメント70を備えることもできることを理解されたい。このような実施形態では、典型的にはキャリッジ62に係留された壁64は、壁64が係留されたキャリッジ62の運動によって壁72が使用中に変形して元の形状に戻ることができるので、弾性的であると見なすことができる。
【0032】
壁64は、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の数のセグメント70を備えることができる。これらセグメント70は、互いにヒンジ結合されていてもよいし、又はいくつかの例では、エラストマー架橋によって互いに接続されていてもよい。いくつかの例では、1つ又は複数のセグメント70は、エラストマーであり、これによって、可動連結構成、例えば、ヒンジの必要性をなくし、固定連結構成、例えば、1つのセグメントへの他のセグメントの機械的接続、接着、又は溶着が可能になる。いくつかの例では、壁64は、少なくとも6つのヒンジ結合された壁セグメント70を備え、少なくとも2つの静的なアンカー78によってキャリッジハウジング76に接続されている。他の例では、壁64は、単一のエラストマー壁セグメント70を備えている。壁64を形成する1つ又は複数の壁セグメント70は、各々、剛性材料(例えば、プラスチック又は金属)を含んで構成されていてもよいし、又はエラストマー材料(例えば、シリコーンゴム)を含んで構成されていてもよいことを理解されたい。更に、1つ又は複数の壁セグメント70は、複数の固定連結手段(例えば、機械的な固定又は接着による固定)を介して接続されていてもよいし、又は可動連結手段(例えば、ヒンジ72、関節、又はエラストマー架橋)を介して接続されていてもよい。
【0033】
ここで
図7を参照すると、骨材を前処理するためのシステム42のキャリッジ62の単独上面図が示されている。
図7に示されるキャリッジ62は、壁64の外周の半径方向外方に位置するキャリッジハウジング76を備えている。キャリッジハウジング76は、(図示されるように略矩形の)固定された内側輪郭を有し、変形可能ではない。しかし、キャリッジハウジング76に係留された壁64は、弾性的に変形可能である。この例では、壁64は、2つの固定壁セグメント70a,70bを備えている。固定壁セグメント70a,70bは、固定アンカー78によってキャリッジハウジング76に接続されている。固定壁セグメントである壁セグメント70aは、2つの支柱を備えるアンカー78aによってキャリッジハウジング76に剛性的に接続されている。また、固定壁セグメントである壁セグメント70bも、単一の支柱を備えるアンカー78bによってキャリッジハウジング76に剛性的に接続されている。
【0034】
勿論、
図7の壁64は、キャリッジハウジング76に直接剛性的に係留(固定)されていない6つの壁セグメント70c~70hも備えている。2つの壁セグメント70c,70dは、真っすぐに延びており、平坦な内面を呈している。2つの壁セグメント70g,70hは、湾曲され、湾曲した内面を呈している。2つの壁セグメント70e,70fは、骨材を「捕捉(catch)」し、前処理チャンバ66内において除去要素68との接触を容易にするように輪郭付けされている。これらの2つの輪郭付けされた壁セグメント70e,70fは、各々、内面74に配置された捕捉パッド75を備えている。捕捉パッド75は、骨材を捕捉し、その骨材を除去要素68内に押し込み、壁64の変形を生じさせ、骨材の完全な前処理を促進するものである。これらの2つの輪郭付けされた壁セグメント70e,70fは、エラストマー材料を含んで構成された弾性アンカー78c,78dによってキャリッジハウジング76に弾性的に接続されている。
【0035】
図8A~
図8Cは、
図6の壁64の単独上面図である。
図8A~
図8Cは、8つの壁セグメント70a~70hの運動を示している。これらの壁セグメント70a~70hの全てが、ヒンジ72を介して互いに移動可能に接続されている。
図8A~
図8Cの例示的な壁輪郭P
E1,P
E2,P
E3に示されるように、壁64は、変形するように設計されている。すなわち、(前処理チャンバ66を部分的に画定する)壁の内側輪郭は、キャリッジ62が支持面56を横切って移動するにつれて変化するようになっている。壁64の変化する輪郭が、P
E1,P
E2,P
E3の例示的な壁輪郭に示されている。勿論、壁64の輪郭が変化すると、前処理チャンバ66の容積(容積部)の輪郭も変化する。壁64の変化する内側輪郭は、前処理チャンバ66内の骨材の運動を容易にし、骨材からの靭帯及び他の軟部組織の除去を確実なものにする。壁64が1つ又は複数の関節運動部分65を備えているので、壁64の内側輪郭が変化することを理解されたい。この例では、壁64は、2つの弾力性のある関節運動壁部分65を備え、そのうちの1つのみに番号が付されている。
【0036】
ここで
図9を参照すると、骨材を前処理するためのシステム42のキャリッジ62の他の例の単独上面図が示されている。
図9に示されるキャリッジ62は、キャリッジハウジング76を備えている。キャリッジハウジング76は、(図示されるように略矩形の)固定された内側輪郭を有し、変形可能ではないが、キャリッジハウジング76に係留された壁64は、弾性的に変形可能である。
【0037】
図9の弾性変形可能な壁64は、(
図10A~
図10Cに示される)8つの壁セグメント70i~70nを備えている。壁セグメント70i~70nの全てが、ヒンジ72を介して互いに移動可能に接続されている。
図9の弾性変形可能な壁64は、アンカー78によってキャリッジハウジング76に接続された2つの固定壁セグメント70i,70jを備えている。これらの2つの壁セグメント70i,70jは、2つの支柱を備えるアンカー78によってキャリッジハウジング76に接続されている。この例は、キャリッジハウジング76に直接係留(固定)されていない6つの壁セグメント70k~70pも備えている。4つの壁セグメント70k,70l,70m,70nは、真っ直ぐに延び、平坦な内面を呈している。2つの壁セグメント70o,70pは、骨材を「捕捉(catch)」して前処理チャンバ66内において除去要素68との接触を容易にするように、輪郭付けされている。これらの2つの輪郭付けされた壁セグメント70e,70fは、各々、内面74に配置された捕捉パッド75を備えている。捕捉パッド75は、骨材を捕捉し、その骨材を除去要素68内に押し込み、壁64の変形を生じさせ、前処理チャンバ66内の骨材の運動を容易にし、骨材からの靭帯及び他の軟部組織の除去を確実なものにする。
【0038】
図10A~
図10Cは、
図9の弾性変形可能な壁64の単独上面図である。
図10A~
図10Cは、8つの壁セグメント70a~70hの運動を示している。壁セグメント70a~70hの全てが、ヒンジ72を介して互いに移動可能に接続されている。
図10A~
図10Cの例示的な壁輪郭P
E4,P
E5,P
E6に示されるように、弾性変形可能な壁64は、キャリッジ62が支持面56を横切って移動して骨を引き込むときに(前処理チャンバ66を部分的に画定する)壁64の内側輪郭が変化するように、変形、例えば、関節運動するように設計されている。壁64の変化する輪郭は、例示的な壁輪郭P
E4,P
E5,P
E6に示されている。壁64の変化する内側輪郭は、前処理チャンバ66内の骨材の運動を容易にし、骨材からの靭帯及び他の軟部組織の除去を確実なものにする。壁64が1つ又は複数の関節運動部分65を備えているので、壁64の内側輪郭が変化することを理解されたい。この例では、壁64は、2つの関節運動する壁部分65を備え、そのうちの1つのみに番号が付されている。
【0039】
図11A~
図11Cには、
図9のキャリッジ62に用いられる弾性変形可能な他の壁64が示されている。
図11A~
図11Cは、例示的な弾性変形可能な壁64の単独上面図である。弾性変形可能な壁64は、2つの固定壁セグメント70q,70r及び2つのエラストマー壁セグメント70s,70tを備えている。固定壁セグメント70q,70rは、アンカー78によってキャリッジハウジング76に接続されている。各アンカー78は、2つの固定支柱を備えている。2つのエラストマー壁セグメント70s,70tは、エラストマー材料、例えば、シリコーンゴムを含んで構成され、従って、変形可能である。2つのエラストマーセグメント70s,70tは、キャリッジハウジング76に直接係留されていてもよいし、又は直接係留されていなくてもよい。4つの壁セグメント70q~70tは、固定連結手段73、例えば、接着剤による接着、機械的な連結、等によって互いに接続されていてもよいし、又は可動連結手段72、例えば、ヒンジを介して互いに接続されていてもよい。
図11A~
図11Cの例示的な壁輪郭P
E7,P
E8,P
E9に示されるように、キャリッジ62が支持面56を横切って移動して骨を引き込むときに、壁64が変形し、伸張するにつれて、(前処理チャンバ66を部分的に画定する)壁の内側輪郭が変化するようになっている。壁64の変化する輪郭は、例示的な壁輪郭P
E7,P
E8,P
E9に示されている。壁64の変化する内側輪郭は、前処理チャンバ66内の骨材の運動を容易にし、骨材からの靭帯および他の軟部組織の除去を確実なものにする。
図11A~
図11Cの構成では、骨材料は、エラストマー壁セグメントに直接接触する。壁が1つ又は複数の弾性部分65を備えているので、壁64の内側輪郭が変化することを理解されたい。この例では、壁は、2つの弾性力のある関節運動壁部分65を備え、そのうちの1つのみに番号が付されている。
【0040】
前述したように及び
図5、及び
図23~25に示されるように、キャリッジ62は、基部54の支持面56上の空所60内に移動可能に取り付けられている。ここで
図2及び
図4を参照すると、基部54は、典型的には、1つ又は複数の長孔80a,80bを備え、1つ又は複数の駆動要素82が、1つ又は複数の長孔80a,80b内に移動可能に配置されている。1つ又は複数の駆動要素82a,82bは、駆動系及びキャリッジ62に動作可能に接続されている。いくつかの例では、駆動要素82a,82bは、カムアセンブリに動作可能に取り付けられている。カムアセンブリは、基部モジュール44内に配置され、前処理モジュール50内のキャリッジ62に離脱可能に取り付けられている。代替的に、他の例、例えば、
図30~
図42に示される例では、駆動要素82a,82bは、カムアセンブリ及びキャリッジ62に動作可能に取り付けられるが、カムアセンブリ及びキャリッジ62は、いずれも前処理モジュール50の一部である。
【0041】
典型的には、駆動要素82は、キャリッジ62の対応する係合要素84、例えば、スリーブ84a,84bと協働し、駆動系をキャリッジ62に連結するようになっている。
図1~
図28に示されるシステム42では、駆動要素82は、2つの要素、例えば、スリーブ84と協働する。これらのスリーブ84は、キャリッジ62のキャリッジハウジング76の外面86に配置されている。
図12及び
図13において、基部54は、第1の長孔80a及び第2の長孔80bを備え、第1の駆動要素82a及び第2の駆動要素82bは、それぞれ、第1の長孔80a及び第2の長孔80b内に配置されている。駆動要素82a,82bは、第1のスリーブ84a及び第2のスリーブ84b内への挿入によって、駆動系及びキャリッジ62に動作可能に取り付けられることになる。駆動要素82a,82bは、第1及び第2の長孔80の各々においてスリーブ84の第1の位置から第2の位置に移動し、キャリッジ62を基部54の支持面56を横切って移動させるように構成されている。支持面56を横切るキャリッジ62の移動については、以下、概略
図24~
図26に示される例に基いて更に詳細に説明する。支持面を横切ってキャリッジ62を移動させる他の手法、例えば、米国特許第8,672,942号に記載されるようにキャリッジを支持面のあちこちに枢動させる手段も考えられることを理解されたい。なお、この文献は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0042】
更に
図12を参照すると、前処理モジュール50は、空所60内に1つ又は複数のガイド(案内部)88を備えている。ガイド88は、キャリッジ62と協働し、基部54の支持面56を横切るキャリッジ62の直線運動を案内するものである。図示される例では、空所60内の1つ又は複数のガイド88は、キャリッジ62のキャリッジハウジング76の外面86と協働するようになっている。しかし、1つ又は複数のガイド88の種々の構成、例えば、キャリッジ62のキャリッジハウジング76の内面と協働するガイド88も、本明細書において考慮されている。この場合、1つ又は複数のガイド88は、支持面56に連結されていてもよいし、又は支持面56が1つ又は複数のガイド88を形成するように変更又は輪郭付けされていてもよい。例えば、
図12の例に示される支持面56において、2つのガイド88が、空所60内の基部54の支持面56内に形成されている(すなわち、支持面56が輪郭付けされている)。
【0043】
駆動系は、キャリッジ62に動作可能に連結され、モーター46からの回転動力を伝達し、基部54の支持面56を横切るキャリッジ62の直線運動を生じさせるように構成されている。また、駆動系は、除去要素68に動作可能に連結され、前処理チャンバ66内において1つ又は複数の除去要素68の回転運動を生じさせるように構成されている。1つの構成例では、駆動系の作動時に、キャリッジ62は、基部54の支持面56を横切って移動し、1つ又は複数の除去要素68は、前処理チャンバ66内において回転運動するようになっている。(以下に更に説明する)カムアセンブリ及び歯車列を含む駆動系は、前処理モジュール50内に配置されていてもよいし、前処理モジュール50及び基部モジュール44の両方に配置されていてもよいし、又は基部モジュール44内に完全に配置されていてもよいことを理解されたい。
図1~
図28のシステム42では、前処理モジュール50が使い捨て式として提供されるので、駆動系は、前処理モジュール50の製造に関連するコストを削減するために、基部モジュール44内に配置されている。
【0044】
基部モジュール44内に配置され得る駆動系は、除去要素68を順回転方向(例えば、時計方向)及びその回転方向と反対の逆回転方向(例えば、反時計方向)に回転させ、同時に基部54の支持面56を横切るキャリッジ62の直線運動を生じさせるように構成されている。駆動系は、キャリッジ62を支持面56を横切って移動させながら除去要素68の順回転及び逆回転を可能にするようになっていると有利であることを理解されたい。除去要素68を逆方向に回転させることによって、前処理チャンバ66内の骨材からの靭帯及び他の軟部組織の追加的な運動及び更なる除去をもたらすと共に、材料が前処理チャンバ66内の除去要素に対して「詰まって(jammed)」、除去要素68が動かなくなったときに、オペレータが除去要素68の回転方向を逆にし、これによって、多くの場合、除去要素68に対する詰まりが排除(unjam)されることになる。
【0045】
ここで、基部モジュール44、特に
図1及び
図2を参照すると、基部モジュール44は、足90を備えている。作動の観点から、押しボタン230は、足90上に配置され、足90内のスイッチ(図示せず)に動作可能に接続されている。押しボタン230は、伸張位置にあるバネ(図示せず)によって付勢され、このバネの伸長位置において、スイッチが電気的に開いている。押しボタン230をこのようなバネ付勢力に対して押下げることによって、スイッチが電気的に閉じ、電力がモーター46に供給される。押しボタン230が解放され、スイッチが電気的に開くと、モーター46への電力供給が中断される。モーター46は、駆動系に動力を供給する。駆動系は、キャリッジ62に動作可能に連結され、モーター46からの回転動力をキャリッジ62及び除去要素68に伝達するように構成されている。
【0046】
骨材を前処理するためのシステム42は、電子的に電力供給され、すぐ後に説明する種々の構成要素を有する電子制御システムによって制御されるようになっている。いくつかの例では、基部モジュール44の足90上のソケットは、制御コンソールからのケーブルを受け入れるものである。ソケットは、ケーブル内の導体に電気的に接続される端子を備えている。ケーブルは、基部モジュール44と制御コンソールとの間に接続されている。ケーブルは導体を含み、この導体を通って、通電信号、例えば、モーター46を作動させる信号が制御コンソールからモーター46に供給される。足90内に配置されているのは、ソケットとモーター46との間に電気的に直列に接続された回路基板(図示せず)である。回路基板に実装されているのは、電動モーター制御装置として機能する電装部品である。モーター制御装置の機能は、モーター46を駆動するためにソケットに入力される電力を調整することである。スイッチは、ソケットと回路基板との間に電気的に直列に配置されている。代替的に、スイッチは、回路基板とモーター46との間に電気的に直列に配置されていてもよい。ケーブル及びソケットを介して制御コンソールから入力された電力は、モーター制御装置によって調整され、スイッチが電気的に閉じたときにモーター46の巻線に供給されることになる。
【0047】
駆動系は、除去要素68を順方向(例えば、時計方向)及び順方向と反対の逆方向(例えば、反時計方向)に回転させ、同時に基部54の支持面56を横切るキャリッジ62の直線移動を生じさせるように構成されている。従って、電子制御システムは、オペレータがモーター46を作動させて順方向(例えば、時計方向)又は逆方向(例えば、反時計方向)に回転動力を供給することを可能にする。
【0048】
電力は、ワイヤ又はバッテリ(電池)を介して基部モジュール44に供給される。いくつかの構成では、電池駆動式の制御ユニットが利用される。このような構成では、電池駆動式制御ユニットは、通電信号をモーター46に供給して、モーター46を作動させるようになっている。勿論、電池駆動式制御ユニットは、基部モジュール44に組み込まれているとよい。
【0049】
前述したように、ケーブル及びソケットを介して制御コンソールから(又は電池駆動式制御ユニットから)入力された電力は、モーター46の制御装置によって調整され、スイッチが電気的に閉じたときにモーター46の巻線に供給される。モーター46への電力は、押しボタン230が作動されたときに連続的に供給され、次いで、押しボタン230が2回作動されたときに中断されるようになっていてもよいし、又は押しボタン230の作動後所定の時間、例えば、2分間供給されるようになっていてもよい。代替的に、押しボタン230は、オン位置及びオフ位置を有するロッカースイッチであってもよい。
【0050】
前述の電子制御システム及びその電装部品の特定の構造及び構成は、モーター制御関連技術分野の当業者に周知のどのような適切な形式のものであってもよく、ここに例示しないことにする。更に、前述の電子制御システム及びその電装部品の種々な構造及び構成は、電動式骨前処理及び粉砕システムに関連する米国特許第8,672,942号及び第9,687,361号に記載されている。これらの文献の内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0051】
脚92が、足90から上方に延びている。脚92は、駆動モジュール96を支持する1つ又は複数のセグメント94を備えている。駆動モジュール96は、その上に配置された台座98を有している。
図1~
図28のシステム42では、基部モジュール44は、互いに係合するように構成された下脚構成要素118及び上脚構成要素120を備えている。上脚及び下脚構成要素120,118は、脚92の長さがユーザーの望み通りに調整されるように、互いに摺動可能に係合するように構成されている。従って、ユーザーは、人間工学的理由及び他の理由から、前処理モジュール50が基部モジュール44に取り付けられるときに前処理モジュール50の高さを調整することができる。
【0052】
ここで、
図26A及び
図26Bに概略的に示される「高さ調整」を参照すると、上脚及び下脚構成要素120,118は、互いに係合するように形作られている。図示される例では、上脚及び下脚構成要素120,118の互いに対応する長孔が、連結システム(図示せず)に係合するように形作られ、この連結システムを緩めることによって取付面M
Sに対する前処理モジュール50の高さを調整し、次いで、この連結システムを締め付けることによって前処理モジュール50を所望の高さに固定するようになっている。
図26A及び
図26Bには、それぞれ、取付面M
Sからの第1の高さH
1にある前処理モジュール50及び取付面M
Sからの第1の高さH
1よりも大きい第2の高さH
2にある前処理モジュール50が示されている。
【0053】
ここで、
図27に概略的に示される「角度調整」を参照すると、外部カラー124が、駆動モジュール96に離脱可能に取り付けられ、駆動モジュール96の周りに半径方向に配置されている。外部カラー124は、その外面128のネジ付き係合孔126と、ネジ付き係合孔126の外周に放射状に配置された山及び谷を有する円形係合輪郭130とを有している。上脚構成要素120は、ネジ付き貫通孔132と、上脚構成要素120の内面131のネジ付き貫通孔132の周囲に放射状に配置された山及び谷を有する円形係合輪郭130とを有している。ノブ138を有するネジ付きピン136が、ネジ付き貫通孔132及びネジ付き係合孔126内に配置される。ノブ138を回転させてネジ付きピン136を上脚構成要素120の貫通孔132及び外部カラー124の係合孔126内に締め込むことによって、上脚構成要素120の内面131の対応する係合輪郭134を外部カラー124の外面128の円形係合輪郭130内に押し込み、これによって、駆動モジュール96及び台座98を所望の角度θで固定する。前処理モジュール50は、駆動モジュール96に取り付けられた台座98上に取り付けられるようになっている。従って、作動軸AOに沿って延びる前処理モジュール50、台座98、及び駆動モジュール96を取付面M
Sに対する所望の角度の使用位置に徐々に移動させ、次いで、締め付けることができる。典型的には、作動軸OAは、駆動モジュール96の中心に位置し、駆動モジュール96に沿って延在し、台座98の取付面106及び/又は基部54の支持面56と直交し、それらの中心に位置している。ノブ138は、前処理モジュール50が基部モジュール44の足90及び脚92に取り付けられる角度の移動又は調整の前に、緩められる。次いで、角度が調整され、ノブ138が締め付けられ、これによって、前処理モジュール50を基部モジュール44の足90が立ち上がる水平面に対して所望の角度に固定することが可能になる。従って、ユーザーは、前処理モジュール50が基部モジュール44に取り付けられる角度θを最適な性能及びユーザー人間工学が満たされるように調整することができる。
【0054】
いくつかの例では、作動軸OAは、水平方向から約80°から約15°又は約60°から約25°だけ傾斜又は角度ずれされる。換言すれば、前処理モジュール50は、この範囲内の角度で台座98に取り付けられることになる。このような傾斜した取付位置は、システム42によって骨材を前処理するときに、前処理チャンバ66内の骨材の移動を容易にするために重力を利用することができるので有利である。支持面56が傾斜しているので、重力が前処理チャンバ66内の骨材を除去要素68との接触を容易にする位置に漏斗作用によって送ることが可能になる。前処理モジュール50のこの傾斜した取付位置は、壁64と協働し、前処理チャンバ66内の骨材の移動を容易にし、骨材からの靭帯及び他の軟部組織の除去を確実なものにする。
【0055】
除去要素68に対する壁64の運動は、前処理チャンバ66が除去要素68に対して斜めに移動し、その結果、(重力によって送られる骨材との接触を容易にする前処理チャンバ66の最下コーナ(角部)である)除去要素68の第1の位置に至るように調整されることを理解されたい。第1の位置における骨材と除去要素68との間の重力による接触を容易にするために除去要素68を前処理チャンバ66の最下コーナに位置決めする概念は、多くの方法、例えば、基部54及び支持面56の傾斜、支持面56の前処理チャンバ66の経路の変更、及び/又は壁64の輪郭及び特性の変化によって達成されるとよいことを理解されたい。本明細書では、これらの方法の全てが検討されている。
【0056】
図12には、駆動モジュール96上の台座98の単独斜視図が示されている。
図13は、
図12の線A-Aに沿って切断された台座98及び駆動モジュール96の断面図である。
図14~
図17は、カムアセンブリ及び歯車列を含む駆動系の種々の構成要素の斜視図、単独図、分解図、及び/又は断面図である。駆動系は、キャリッジ62及び除去要素68を駆動するために協働する複数の構成要素を備えることを理解されたい。
【0057】
ここで
図12及び
図13を参照すると、台座98は、取付壁102及び側壁104を有する第1の部分100を備えている。取付壁102は、取付面106及び内面108を有している。取付面106は、前処理モジュール50の基部54の外面110を受け入れるように構成されている。従って、取付壁102は、基部54の1つ又は複数の長孔80に対応する1つ又は複数の長孔103も有し、(前処理モジュール50が基部モジュール44上に配置されるときに)、1つ又は複数の駆動要素82a,82bがこれらの長孔80,103内に配置されることになる。更に、取付壁102は、前処理モジュール50上の取付キー194を受け入れるように構成された中心開口105も備え、この取付キー194を通して駆動系の駆動シャフト152及び他の要素が配置されるようになっている。台座98は、下側床114及び側壁116を備える第2の部分112を備えている。台座98の第1及び第2の部分100,112は、互いに取り付けられ、協働して駆動系のいくつかの構成要素が収容されるハウジングを形成するように構成されている。
【0058】
ここで
図14~
図17を参照すると、台座98は、キャリッジ62を駆動するカムアセンブリを備える駆動系の構成要素を収容している。カムアセンブリは、カム従動子(カムフォロア)142、カム154、及びカムキャリア170を備えている。カム従動子142は、上面144と、楕円形輪郭(換言すれば矩形輪郭:oblong profile)のトラック148を有する下面146とを備えている。カム従動子142の上面144は、その上面144に連結された1つ又は複数の駆動要素82を備えている。駆動要素82は、作動軸AOに沿って(前処理モジュール50に向かって)上方に延び、取付壁102の1つ又は複数の長孔103内に移動可能に配置されている(
図12参照)。カム従動子142は、駆動長孔150も備えている。駆動シャフト152が、この駆動長孔150内に移動可能に配置されている。カム従動子142の上面144は、取付壁102の内面108に近接しているが、そこから位置ずれしている。従って、カム従動子142の上面144は、基部54の外面110に相対し(向かい合って位置し)、それらの間に取付壁102が配置されていることになる。
【0059】
図14~
図17に示される例示的なカムアセンブリは、キャリッジ62を駆動するものであり、カム従動子142、カム154、及びカムキャリア170を備えている。カム154は、駆動シャフト152に連結され、楕円形トラック148上のカム従動子142の下面146に隣接して配置されている。
図16を特に参照すると、楕円形トラック148は、互いに対向する2つの細長セグメント156,158と、互いに対向する2つの弧状セグメント160,162とを有している。すなわち、楕円形トラック148の細長セグメント156,158及び弧状セグメント160,162は、交互に配置されている。カム154は、楕円形トラック148と協働し、駆動系からの回転動力を伝達し、カム従動子142の直線運動を生じさせ、キャリッジ62のスリーブ84内に配置された駆動要素82の運動を介して、基部54の支持面56を横切るキャリッジ62の対応する直線運動を生じさせるように構成されている。
【0060】
ここで
図15及び
図16を参照すると、駆動シャフト152に連結されたカム154は、カム従動子142のトラック148に沿って時計の針のように回転する。いくつかの例では、楕円形トラック148に沿ったカム154の運動は、その先端縁164、具体的には、楕円形トラック148の(
図17に示される)内面149と係合又は当接する先端縁164によって助長される。いくつかの例では、先端縁164は、トラック148の内面149を押圧すると共に柔軟性(弾力性)をもたらすため、バネ169によってバネ付勢されている(図示せず)。他の例では、カム154の先端縁164は、トラック148の断面輪郭に対応する断面輪郭(図示せず)を有するトラックノッチ168を有している。
【0061】
図14~
図16は、カム従動子142、カム154、除去要素68、及び駆動系の一部の単独斜視図である。
図17は、
図14~
図16に示される構成要素の分解図である。ここで
図14~
図17を参照すると、カム154の先端縁164は、トラック148と係合している。すなわち、トラック148は、トラックノッチ168内に配置されている。
図14~
図16において、カム154は、カムキャリア170に連結され、カムキャリア170は、駆動シャフト152の周りに隔離されて配置されたカムカラー172に連結されている。カムキャリア170は、カム154の下側に動作可能に取り付けられている。カム154は、中心駆動開口174を有し、カムキャリア170も、中心駆動開口176を有し、これらの中心駆動開口内に駆動系の構成要素、例えば、駆動シャフト152が少なくとも部分的に配置されている。カムキャリア170は、作動軸OAを中心としてカムカラー172と共に回転し、カム154を移動させ、これによって、カム従動子142を移動させ、その結果、支持面56を横切るキャリッジ62の運動を生じさせることになる。
【0062】
図13に示されるように、取付壁102の内面108のすぐ下にカム従動子142が配置されている。カム従動子142は、カム154に移動可能に取り付けられ、駆動長孔150を備え、この駆動長孔150内に駆動系の要素が作動軸AOを中心として移動可能に配置されている。カム従動子142の上面は、位置ずれしている(取付壁102の内面108上に配置されていない)。カム154は、カムカラー172に取り付けられたカムキャリア170上に摺動可能に取り付けられている。カムカラー172は、作動軸AOを中心として回転運動し、駆動シャフト152に動作可能に取り付けられた歯車アセンブリからの動力をカム154に伝達し、カム154は、カム従動子142と協働し、駆動シャフト152の回転運動を駆動要素82の直線運動に変換する。
【0063】
図18を参照すると、カムカラー172は、上面182を備えている。上面182は、中心に位置する駆動シャフト開口184と、周方向に等角間隔で互いに離間された複数の駆動歯186とを有している。カムカラー172上の複数の駆動歯186は、カムキャリア170の底面178の複数の長孔180に係合することになる。複数の長孔180も、カムキャリア170の中心駆動開口176の周りに複数の駆動歯186の位置に対応するように等角間隔で互いに離間している。複数の長孔180は、複数の駆動歯186と嵌合する。各長孔180の壁は、各駆動歯186のそれぞれの境界面(接触面)と平行であり、それら内に摺動可能に受け入れられる。カムカラー172は、バネ付勢され、これによって、カムカラー172上の複数の駆動歯186がカムキャリア170の複数の長孔180に受け入れられたときに駆動シャフト152からのトルクをカムアセンブリに伝達するためのクラッチを画定することになる。
【0064】
図18を更に参照すると、カムカラー172は、駆動モジュール96内に配置され、上面182が見えている。この上面182は、駆動モジュール96の上外面を画定するように中心に位置している。カムカラー172の上面182は、4つの周方向に等角間隔で互いに離間した駆動歯186と、中心に位置する駆動シャフト開口184とを備え、駆動シャフト開口184内に駆動シャフト152が見えている。更に(カム154が取り付けられた状態で示される)カムキャリア170は、中心駆動開口176の周りに周方向に等角間隔で互いに離間した4つの対応する長孔180を有している。カムカラー172の上面182上の複数の駆動歯186は、対応する長孔180に係合し、駆動シャフト152からの動力を伝達し、カムアセンブリを作動し、これによって、キャリッジ62を作動させることになる。勿論、他の適切な歯配置及び長孔配置も可能であることを理解されたい。
【0065】
図15及び
図16を再び参照すると、カム154は、カムキャリア170に取り付けられ、カムキャリア170に摺動可能に係合されている。更に、カム154とカムキャリア170との間の係合は、バネ付勢されている。具体的には、カムキャリア170を介して歯車列に接続されたカム154は、カム従動子142のトラック148にバネ169によってバネ付勢されている。
図16を特に参照すると、カムキャリア170は、2つのカムキャリアバネポスト171を備え、カム154の壁は、2つのカムバネポスト165を備えている。2つのバネ169が、それぞれ、2つのカムキャリアバネポスト171を2つのカムバネポスト165に接続している。2つの側壁155を備えるカム154は、カムキャリア170に跨り、カムキャリア170が2つの側壁間を摺動する。カム側壁155は、カム154の経路を成し、カムスライドと呼ばれることもある。カム154上の2つの釘(突起)167a,167b(
図16には167aのみが示され、
図25A及び
図25Bには両方の釘167a,167bが示されている)は、カムキャリア170の2つの長孔173a,173bと協働し、カムキャリア170上のカム154の運動を案内する。従って、例えば、詰まった骨材に起因してキャリッジ62が移動を停止したときに、カム154は、そのカムスライド155によって案内されるカムキャリア170上を逆方向に摺動し、次いで、キャリッジ62の前処理チャンバ66内の詰まった骨材が関節式壁70に起因して解れると、元の位置に跳ね返ることになる。これによって、駆動系及びカムアセンブリが作動を継続している最中に前処理チャンバ66内の骨材が除去要素68と壁64との間に詰まったときに、キャリッジ62の動きを停止させることが可能になる。これによって、アセンブリ40の詰まりが防がれる。
【0066】
ここで
図23A及び
図23Bを参照すると、カムアセンブリが作動されると、カム従動子142及びその上面144に取り付けられた駆動要素82は、取付壁102の1つ又は複数の長孔103及び前処理モジュール50の基部54の対応する1つ又は複数の長孔80内において、第1の方向D
1に沿って第1の位置から第2の位置に直線的に移動し、キャリッジ62を(第1の方向D
1と反対の)第2の方向D
2に沿って基部54の支持面56を横切って第1の位置から第2の位置に直線的に移動させる。
【0067】
ここで
図24A、
図24B、
図25A、及び
図25Bを参照すると、カムアセンブリの作動中に、カム154の先端縁164は、トラック148の第1の細長セグメント156に沿って移動する。いったん、カム154の側縁166及び/又は先端縁164が、細長セグメント156に続く弧状セグメント160を通って移動し、第2の細長セグメント158に接触したなら、カム従動子142は、取付壁102の内面108に対して駆動され、取付壁102の内面108に対して第1の方向D
1において第1の位置から第2の位置に移動する。しかし、カム従動子142は、取付壁102の内面108から離れて設置されているので、取付壁102の内面108を横切って移動しない。
図24A、
図24B、
図25A、及び
図25Bに示されるように、カム154が取付壁102の内面108に対してカム従動子142を前後に駆動すると、駆動長孔150内の駆動シャフト152の位置が、駆動長孔150の第1の端から駆動長孔150の第2の端に移動する。特に、駆動シャフト152は、(回転しても)横方向に移動せず、むしろ、カム従動子142の全体が、駆動シャフト152、除去要素68、及び取付壁102の内面108に対して移動し、その結果、駆動長孔150内の駆動シャフト152の位置が変化する。同様に、カム従動子142が第1の方向D
1に駆動されると、カム従動子142の上面144に取り付けられた1つ又は複数の駆動要素82は、取付壁102の1つ又は複数の長孔103及び前処理モジュール50の基部54の対応する1つ又は複数の長孔80内において、第1の方向D
1に沿って第1の位置から第2の位置に移動し、キャリッジ62を第1の方向D
1に沿って基部54の支持面56を横切って第1の位置から第2の位置に直線的に移動させることになる。
【0068】
図23A、
図23B、
図24A、
図24B、
図25A、及び
図25Bを更に参照すると、カム154は、楕円形トラック148内において、時計の針のように第2の細長セグメント158に沿って回転し続ける。いったんカム154の側縁166及び/又は先端縁164が第2の細長セグメント158を横切ってそれに続く第2の弧状セグメント162を通って移動すると、カム従動子142は、取付壁102の内面108に対して第2の方向D
2において取付壁102の内面108の第2の位置から第1の位置に戻るように駆動されることになる。カム154がカム従動子142を第2の方向D
2に駆動すると、駆動長孔150内の駆動シャフト152の位置は、駆動長孔150の第2の端から駆動長孔150の第1の端に移動する。特に、駆動シャフト152は、(回転するが)横方向に移動せず、むしろカム従動子142が取付壁102の内面108に隣接して直線的に移動し、これによって、駆動長孔150内の駆動シャフト152の位置が変化する。同様に、カム従動子142が直線的に駆動されると、カム従動子142の上面144に取り付けられた1つ又は複数の駆動要素82は、取付壁102の1つ又は複数の長孔103及び前処理モジュール50の基部54の対応する1つ又は複数の長孔80内において、第2の方向D
2に沿って第2の位置から第1の位置に戻るように移動し、キャリッジ62を第2の方向D
2に沿って基部54の支持面56を横切って第2の位置から第1の位置に直線的に戻るように移動させる。従って、システム42が作動されると、前処理モジュール50内のキャリッジ62は、前処理モジュール50内の基部54の支持面56を横切って直線的に前後に移動することになる。
【0069】
図6、
図23A、及び
図23Bの概略図を再び参照すると、前述したように、キャリッジ62は、基部54の支持面56上の空所60内に移動可能に取り付けられている。基部54は、典型的には、1つ又は複数の駆動要素82が移動可能に配置された1つ又は複数の長孔80を備えている。1つ又は複数の駆動要素82は、基部54の駆動系に動作可能に取り付けられている。駆動要素82は、キャリッジ62上の対応する取付要素と協働するようになっている。
図1~
図28の例示的なキャリッジ62では、2つの駆動要素スリーブ84が、キャリッジ62のキャリッジハウジング76の外面86に配置されている。更に具体的には、基部54は、第1の長孔80a及び第1の長孔80aと平行の第2の長孔80bを備え、第1の駆動要素82a及び第2の駆動要素82bは、それぞれ、第1の長孔80a及び第2の長孔80b内に配置されている。駆動要素82a,82bは、それぞれ、第1の駆動要素スリーブ84a及び第2の駆動要素スリーブ84b内に挿入されることによって、駆動系及びキャリッジ62に動作可能に取り付けられることになる。駆動要素82a,82bは、それぞれ、第1及び第2の長孔80a,80b内において第1の位置から第2の位置に移動し、キャリッジ62を基部54の支持面56を横切って直線的に移動させるように構成されている。キャリッジ62の支持面56を横切る移動は、
図23の概略図に更に示されている。
【0070】
駆動系は、(前述のカムアセンブリを介して)キャリッジ62を作動させると共に除去要素68を作動させる。カムカラー172の駆動シャフト開口184に配置された駆動シャフト152は、外周面192を有するヘッド188を備えている。駆動シャフト152のヘッド188は、除去要素68の基礎198と係合するように構成され又は形作られている。
【0071】
前処理モジュール50が台座98の取付面106上に取り付けられると、基部54の外面110上の取付キー194が、台座98の取付壁102の中心開口105内に延びることになる。駆動シャフトヘッド188(又はそこに取り付けられたスピンドル185)は、除去要素68と係合するように構成されている。
【0072】
いくつかの例では、駆動シャフト152のヘッド188(又はそこに取り付けられたスピンドル185)又は除去要素68の基礎198の位置合せピン又は複数の歯は、駆動シャフト152のヘッド188又は除去要素68の基礎198の複数の長孔に係合するようになっている。
【0073】
前処理モジュール50の取付キーは、
図4に示されている。基部54の外面110上の取付キー194は、台座98の取付面106の中心開口105に係合するようになっている。前処理モジュールが基部モジュール44の台座98に係合すると、駆動シャフト152は、除去要素568に離脱可能に連結される。
【0074】
ここで
図19を参照すると、除去要素68(例えば、溝付きスクリュー284)は、基礎198を備えている。基礎198は、中心に配置された開口部200と、基礎198の周囲に分配された複数の周方向に等角間隔で互いに離間したノッチ202とを備えている。
【0075】
スピンドル185は、駆動シャフト152に連結され、駆動シャフト152によって駆動されるようになっている。
図19に示されるように、スピンドル185は、円筒状のステム300と、ステムと同心の円板状のヘッド302とを備えている。スピンドルヘッド302は、円形であり、ステム300に取り付けられている。代替的に、スピンドルヘッド302は、ステム300と一体的に形成されていてもよい。
【0076】
図19を更に参照すると、多くの特徴部が、スピンドルヘッド302の平坦な上面304から上方に延在している。これらの特徴部の1つは、位置合せピン306である。位置合せピン306は、スピンドル185の作動軸AOと同軸であり、スピンドルヘッド302の中心から上方に突出している。位置合せピン306は、円筒状であり、スピンドルヘッド302の平坦な上面304を越えて延在している。位置合せピン306の終端は、円錐台状であり、平坦な先端を備えている。位置合せピン306のこれらの特徴部は、個別に番号が付されていない。
【0077】
図19では、複数(3つ)の隆起308が、スピンドルヘッド302の平坦な上面304において位置合せピン306からスピンドルヘッド302の周囲に半径方向に延在し、等角間隔で互いに離間している。複数の隆起308は、スピンドルヘッド302の平坦な上面304から位置合せピン306ほど遠くまで延在していない。
【0078】
前処理モジュール50が
図1に略示されるように基部モジュール44の台座98の取付面106に取り付けられると、スピンドルヘッド302上の位置合せピン306が、除去要素68(例えば、溝付きスクリュー284)の基礎の中心に位置する開口200に摺動可能に係合し、スピンドルヘッド302上の複数(3つ)の隆起308が、基礎198の周りに等角間隔で分配された(複数の隆起308に対応する)複数(3つ)のノッチ202と係合する。
【0079】
ここで
図19を参照すると、スピンドル185は、駆動シャフト152に動作可能に取り付けられている。一例にすぎないが、スピンドル185は、ステム300が駆動シャフト152のヘッド188に摺動可能に受け取られるように、寸法決めされ、かつ位置決めされている。円筒状の駆動ピン190が、ステム300を半径方向に貫通する交差孔310及び駆動シャフト188のヘッドの交差孔189内に嵌合される。駆動ピン190の対向端が、ステム300の円筒状外面から延び、駆動シャフト152のヘッド188の交差孔189内に配置される。従って、駆動シャフト152と駆動シャフト152と同軸であるステム300との間の相対的な角運動は、殆ど又は全く存在しない。モーター46によって生じる駆動シャフト152の回転は、駆動ピン190とこれらの交差孔の側面との間の当接係合を介してステム300に与えられることになる。駆動シャフト152に対するスピンドル185の動作可能な取付け(この例では、交差孔189,310と駆動ピン190との係合)によって、スピンドル185が駆動シャフト152に保持され、それらの間でトルクが伝達される。従って、スピンドル185は、駆動シャフト152と一体回転し、除去要素68に動力を供給することになる。
【0080】
図1に略示されるように、前処理モジュール50が台座98の取付面106に取り付けられると、基部54の外面110上の取付キー194は、カム従動子142の駆動長孔150、カム154の中心駆動開口174、及びカムキャリア170の中心駆動開口176を通って、取付壁102の中心開口105内に延び、スピンドル185と係合する。
【0081】
前述したように、駆動系は、(前述のカムアセンブリを介して)キャリッジ62を作動させると共に(スピンドル185を介して)除去要素68を作動させる。これらの要素は、
図1~
図28の全体を通して示されている。しかし、(カムアセンブリを備える)駆動系とキャリッジとの間の接続の単独図は、
図19に具体的に示されていない。
【0082】
駆動モジュール96の単独斜視図が
図20に示され、A-Aに沿った
図20の駆動モジュール96の断面図が
図21に示され、
図20の駆動モジュール96の分解図が
図22に示されている。ここで
図20~
図22を参照すると、駆動シャフト152は、回転エネルギーを(例えば、RPM単位の)第1の速度で除去要素68に直接伝達し、カムカラー172は、回転エネルギーを(カムキャリア170を介して)第1の速度よりも遅い第2の速度でカムアセンブリに伝達する。勿論、カムアセンブリは、最終的に、前処理チャンバ66内に配置された駆動モジュール96を基部54の支持面56を横切って直線的に駆動し、これによって、複数の関節式壁セグメント70と除去要素68との間に相乗的相互作用をもたらし、前処理チャンバ66内の骨材の前処理を最適化することになる。
【0083】
ここで、
図20~
図22を参照するか又は
図12及び
図13を再び参照すると、駆動モジュール96の下側ハウジング206は、モーターを収容している。下側ハウジング206は、内面208及び外面210を有している。駆動モジュール96は、内面216及び外面220を有する上側ハウジング214も有している。特に、
図20及び
図21において、駆動シャフト152、スピンドル185、カムカラー172、スペーサー260、及び上側ハウジング214が、モジュール96のカムの上面として見えている。カムアセンブリを駆動するカムカラー172は、除去要素68を駆動する駆動シャフト152とは別個にスピンドル185と共に回転する(
図18は、カムカラー172とカムアセンブリ(カムキャリア170)との間の接続を示している)。
図21では、可動要素、例えば、カムカラー172と非可動要素、例えば、上側ハウジング214とを分離するために、スペーサー260が、カムカラー172と上側ハウジング214の内面216との間に配置されている。カムカラー172、スピンドル185、及びスペーサー260は、典型的には、低摩擦又は低表面エネルギーポリマー、例えば、ポリエーテル(例えば、ポリオキシエチレン)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(HDPE,LDPE,UHMWPE,等)、ポリアミド、ポリアリルエーテルケトン(例えば、PEEK)、シリコーン、又はポリエステル(例えば、PET)から形成されている。従って、これらの要素172,185,260は、低摩擦境界面(接触面)として機能する。
【0084】
ここで
図22を参照すると、下側ハウジング206は、上側ハウジング214に離脱可能に連結されるように構成されている。図示される例では、上側ハウジング214の内面216上の突起218は、下側ハウジング206の外面210の溝212にスナップ嵌合されている。
【0085】
ここで
図22を参照すると、下側ハウジング206の上面は、上側ハウジング214内に配置された駆動シャフト152の基部226の対応するキー孔224と係合する駆動キー222を備えている。図示される例では、駆動キー222は、矩形輪郭を有し、キー孔224は、矩形空間を画定している。従って、駆動キー222がキー孔224に係合すると、この係合によって、モーター46から駆動シャフト152への回転エネルギーの伝達が可能になる。これによって、上側及び下側ハウジング214,206が互いに連結されると、駆動キー222が上側ハウジング214内に配置された駆動シャフト152の基部226のキー孔224に係合し、モーター46が駆動シャフト152を回転させることになる。モーター46がトルク及び回転を生成し、係合された駆動シャフト152は、回転エネルギーを種々の速度で種々の方向に伝達する必要性、回転運動を直線運動に変換する必要性、回転をある距離にわたって伝搬する必要性、等のために、モーター46に直接接続されていない駆動系の他の構成要素に接続されるように構成されている。
【0086】
ここで
図21を参照すると、基部カラー232は、駆動シャフト152の基部234の外周面の周りに半径方向に配置されている。駆動シャフト152は、第1の太陽歯車238が着座する上側棚236とカラー282とを備えている。基部カラー232は、駆動シャフト152のカラー282が着座する内側棚240と、バネ246が着座する外側棚242とを有している。バネ246は、最終的にカムアセンブリに動力を供給してキャリッジ62を移動させる歯車列を付勢し、歯車列の膠着を防止するのを助長するためのテンショナーとして機能する。
【0087】
歯車列は、第1の減速装置248を備えている。第1の減速装置248は、駆動シャフト152の周りに半径方向に配置されて上側棚236上に着座する第1の太陽歯車238と、第1の太陽歯車238と協働する(3つの)第1の遊星歯車250と、第1の遊星歯車250を支持する第1のキャリア254と、第1の遊星歯車250と協働する第1のリング歯車258とを備えている。第1の太陽歯車238は、駆動シャフト152に動作可能に取り付けられている。スペーサ260が、駆動シャフト152を歯車列から隔てている。従って、第1のキャリア254は、スペーサー260の周りに半径方向に配置されている。図示されないが、第1のキャリア254は、三角形状を有し、その3つの頂点に配置された3つの第1のピン長孔を備えている。3つの第1のピンは、それぞれ、3つの第1のピン長孔内に挿入され、第1のキャリア254を通って作動軸AOに沿って遠位側に向かって3つの第1の遊星歯車250の3つの第1の中心ピン長孔内に延びている。回転エネルギーが歯車列に沿って第1の減速装置248に伝達されると、回転速度が駆動シャフト152の速度に対して減速されることになる。
【0088】
歯車列は、第2の減速装置264を備えている。第2の減速装置264は、スペーサー260の周りに半径方向に配置された第2の太陽歯車266と、第2の太陽歯車266と協働する3つの第2の遊星歯車268と、第2の遊星歯車268を支持する第2のキャリア272と、第2の遊星歯車268と協働する第2のリング歯車276とを備えている。図示されないが、第2のキャリア272は、三角形状を有し、その3つの頂点に配置された3つの第2のピン長孔を備えている。3つの第2のピンは、それぞれ、3つの第2のピン長孔内に挿入され、作動軸AOに沿って第2のキャリアを通って遠位側に向かって3つの第2の遊星歯車268の3つの第2の中心ピン長孔内に延びている。回転エネルギーが歯車列に沿って第2の減速装置264に伝達されると、回転速度が更に減速される。従って、カムアセンブリに回転エネルギーを供給するカラー172は、除去要素68に回転エネルギーを供給する駆動シャフト152よりも低い回転速度で回転することになる。
【0089】
第1及び第2のリング歯車258,276は、駆動アセンブリの外面の周りに3つのスペーサー280と交互に半径方向に配置されている。第1及び第2のリング歯車258,276及びスペーサー280は、駆動モジュール96の上側ハウジング214の内面216に配置されている。基部カラー232の外側棚242と3つのスペーサ280のうちの下側のものとの間に挟まれたバネ246が、より大きな許容差をもたらすテンショナーとして機能し、これによって、わずかな動きを許容し、歯車列の焼付きを防ぐことになる。種々の他の歯車列の構成が本開示の歯車列に用いられてもよいことを理解されたい。
【0090】
モーター46を収容する下側ハウジング206は、モーター46及び駆動シャフト152に係合するように構成された構成要素を備えている。典型的な例では、下側ハウジング206の上面は、駆動シャフト152の基部の対応するキー孔224に係合する駆動キー222を備えている。駆動キー222が駆動シャフト152の基部226のキー孔224に係合すると、モーター46が駆動シャフト152を回転させる。カラー282は、駆動シャフト152の基部226の周りに周方向に配置されている。駆動シャフト152の基部226が下側ハウジング206の駆動キー222に係合すると、駆動キー222は、駆動シャフト152の基部226のキー孔224に係合され、モーター46が駆動シャフト152を回転させる。
【0091】
いくつかの例では、モーター46及び駆動系は、協働し、これによって、駆動シャフト152は、100RPMから500RPMの間の速度で回転するようになっている。これらの速度は、システム42の作動中、骨材がキャリッジ62内に置かれて前処理されるときに駆動シャフト152が回転する負荷速度である。
【0092】
図23~
図25の3つの概略図は、前述したようにモーター46及び駆動系によって駆動されるキャリッジ62及び除去要素68の例示的な運動を示している。
図23は、基部54の支持面56上に移動可能に配置されたキャリッジ62の単独上面斜視図であり、除去要素68は、前処理チャンバ66内に配置されている。
図23には、基部54の支持面56を横切って第1の方向D
1及び第2の方向D
2に沿って直線的に移動するキャリッジ62が示されている。前述したように、駆動シャフト152からの回転エネルギーは、歯車アセンブリによって減速され、次いで、カムアセンブリによって直線運動に変換され、このカムアセンブリが、キャリッジ62に動力を供給することになる。
図23において、除去要素68は、前処理チャンバ66内に回転可能に配置されて第1の回転方向R
1(時計方向)に回転する溝付きスクリュー284と、溝付きスクリュー284の周りに配置された窓付きシェービングチューブ290とを備えている。窓付きシェービングチューブ290は、基部54に固定して取り付けられ、すなわち、この例では回転しない。キャリッジ62及び除去要素68の溝付きスクリュー284は、同時に移動する。
【0093】
ここで
図24を参照すると、キャリッジ62を駆動する2つの駆動要素84を有するカム従動子142の運動が示されている。前述したように、キャリッジ62は、カム従動子142の駆動要素84に動作可能に取り付けられているので、カム従動子142と共に移動する。
図24は、カム従動子142、カム154、及びカムキャリア170の単独上面斜視図である。カム154及びカムキャリア170が第1の回転方向R
1(時計方向)に移動すると、カム従動子142は、方向D
1及びD
2において前後に直線的に移動することになる。
図24に示される運動は、
図23の運動に対応する。すなわち、
図24は、キャリッジ62及び基部54が見えない状態にある
図23のカムアセンブリを示している。具体的には、
図24は、
図23に示される基部54の支持面56上のキャリッジ62の位置に関連するカムアセンブリの運動を示している。
図24では、カム154がカム従動子142を直線的に駆動すると、カム従動子142の駆動長孔150内の駆動シャフト152の位置は、駆動長孔150の第1の端から駆動長孔150の第2の端に移動する(すなわち、カム従動子142は、移動するが、駆動シャフト152は、移動しない)。カム従動子142及びキャリッジ62の直線運動と同時に、第1の回転方向R
1(時計方向)に回転する溝付きスクリュー284も示されている。
【0094】
ここで
図25を参照すると、キャリッジ62を駆動するためにカム従動子142及び駆動要素82の直線運動を生じさせるトラック148の周りのカム154の運動が示されている。前述したように、キャリッジ62は、カム従動子142の駆動要素82に動作可能に取り付けられているので、カム従動子142と共に移動する。
図25は、カム従動子142及びカム154の単独底面斜視図である。カム154がトラック148の周りを第1の回転方向R
1(時計方向)において移動すると、カム従動子142は、方向D
1及びD
2において前後に直線的に移動する。
図25に示される運動は、
図23及び
図24の運動に対応している。すなわち、
図25は、
図23及び
図24のカムアセンブリを底側から見た図である。従って、
図25は、
図23及び
図24に示される基部54の支持面56のキャリッジ62の位置に関連するカム従動子142のトラック148におけるカム154の運動を示している。
図25には、第1の回転方向R
1(底面図なので反時計方向)に同時に回転する溝付きスクリュー284も示されている。
【0095】
図26には、ユーザーが前処理モジュール50の取付面M
Sに対する高さを調整するための上脚及び下脚構成要素120,118の動きを説明する概略図が示されている。
図19は、取付面M
Sに対して作動軸AOを所望の角度θに傾けて用いるための前処理モジュール50の漸進的な動きを示している。
【0096】
本開示のさらなる特徴は、検出構成要素が前処理モジュール50に取り付けられてもよいことである。この場合、基部モジュール44の台座98内の相補的センサーが検出構成要素の存在/不在を検出するようになっている。もし検出構成要素の存在が検出されなかったなら、電子制御システムは、システム42が非作動状態にあると解釈し、前処理モジュール50の作動を許可しないことになる。
【0097】
システム42は、前処理された骨材を骨グラフトとして用いられる骨片に粉砕するために用いられる粉砕モジュール(図示せず)と共に作動するように構成されてもよい。前処理モジュール50と同様に、粉砕モジュールは、基部モジュール44に取外し可能に取り付けられるようになっているとよい。
【0098】
システム42の構成要素に関する更なる説明に先立って、本開示の全体を通して記載される種々の例示的な構成要素は、その全てが置換え可能に用いられてもよく、このような置換え可能な使用に関する完全な裏付け及び検討が本明細書に含まれていることを理解されたい。例えば、壁64のどのような特定の例(例えば、数、形状、及び材料の組合せが異なる種々のセグメント70を備える弾性壁及び/又は関節式壁64)は、除去要素68のどのような例(ブラシ、溝付きスクリュー284、シェービングチューブ290、等)と共に用いられてもよいことが考慮され、これらのいずれもが前処理モジュール50のどのような構成(例えば、カムアセンブリを前処理モジュール50内に含む構成、又はカムアセンブリを基部モジュール44内に配置し、従って、前処理モジュール50内に含まない構成)と共に用いられてもよいことも考慮されている。
【0099】
図1~
図28に示されるシステム42と
図29~
図41に示されるシステム542との間の主な違いは、駆動系548のカムアセンブリが基部モジュール544の台座598に配置されるのと違って前処理モジュール550内に配置されることにある。
【0100】
図29は、前処理モジュール550が基部モジュール544に取り付けられた状態にあるシステム542の基部モジュール544の斜視図である。
図30は、前処理モジュール550が取り外された状態にある
図29のシステム542の基部モジュール544の斜視図であり、
図31は、基部モジュール544の台座598及び駆動モジュール596の単独斜視図であり、
図32は、線A-Aに沿った台座598及び駆動モジュール596の断面図である。
【0101】
ここで
図30及び
図31を参照すると、システム542は、基部モジュール544を備えている。基部モジュール544内に配置されているのは、モーター546及び駆動系548である。前処理モジュール550は、基部モジュール544に取外し可能に取り付けられることが可能である。
図29に示される例では、基部モジュール544は、再利用可能であり、前処理モジュール550は、使い捨て可能であってもよいし、又は再利用可能であってもよい(この場合、洗浄され、かつオートクレーブ処理されるように構成されることになる)。
【0102】
ここで
図30を参照すると、基部モジュール544は、足590を備えている。脚592が、足590から上方に延びている。脚592は、台座598を有する駆動モジュール596を支持している。脚592は、ユーザーが作業面に対して前処理モジュール550の高さを調整することを可能にする接続特徴部を有する2つのセグメント594を備えている。
【0103】
図30及び
図31を更に参照すると、台座598は、円形の取付面800を有している。台座598は、リップ802を有するように更に形成されている。リップ802は、上方に向かって取付面800の周囲に沿って延在している。取付面800及びリップ802の半径方向内面は、台座598内に取付面800を画定している。取付空間804が、台座598の上端にて開いている。台座598の外周であるリップ802の外周は、足590の周囲よりも小さい。台座598は、取付面800の中心に中心開口806を有するように更に形成されている。
【0104】
図31を参照すると、ノッチ808が、台座598の外周から半径方向内方に延在している。従って、ノッチ808は、リップ802に切れ目を形成することになる。図示される例では、ノッチ808は、半径方向内方に延在し、中心開口806を形成している。台座598は、多数(
図31に示される例では2つのみ)の周方向に等角間隔で互いに離間した歯810を更に備えている。各歯810は、リップ802に隣接して取付面800から上方に延在している。
【0105】
図31及び
図32を更に参照すると、2つの保持アーム812が、台座598に枢動可能に取り付けられている。保持アーム812は、直径方向において互いに向き合って台座598のリップ802に形成された切欠き内に取り付けられている(切欠きには個別に番号が付されていない)。各保持アーム812は、フィンガー814を備えている。フィンガー814は、アーム812が静止しているときに、取付面800の周囲の一部にわたって延びている。保持アーム812がそのように位置決めされたときに、アーム812は、「ロック(locked)」状態にある。
【0106】
図32に示されるように、各保持アーム812は、台座598の下に位置するレバー816を有している。レバー816を台座598の下側に向かって半径方向内方に移動させることによって、関連する保持アーム812は、台座598に対して枢動し、対応するフィンガー814を取付面800上のその位置から離れる方に、従って、そのロック状態から外れる方に移動させることができる。保持アーム812がそのように位置決めされたときに、アーム812は「解除(released)」状態にある。
【0107】
バネ(図示せず)のような付勢装置が、台座598の内面と各アーム812との間に配置されている。バネは、その該当する保持アーム812をそのロック状態に向かって付勢している。各保持アーム812は、専用のバネによってそのロック状態に付勢されるとよい。代替的に、両方の保持アーム812が、1つの共有バネによってそれらのロック状態に付勢されてもよい。
【0108】
図32を更に参照すると、駆動系548は、駆動モジュール596、台座598、及び前処理モジュール550内に部分的に配置されている。駆動系548は、(この例では前処理モジュール550内に含まれるカムアセンブリを介して)キャリッジ562を作動させると共に、除去要素568を作動させるようになっている。前処理モジュール550については、以下、
図33~
図40に示される例に基づいて説明する。
図32を更に参照すると、カラー672の中心開口内に配置された駆動シャフト652は、外周面692を有する駆動シャフトヘッド688を備えている。駆動シャフト652の駆動シャフトヘッド688は、除去要素568に係合するように構成されたスピンドルヘッド820に係合するように構成されるか又は形作られている。係合に関して、駆動シャフトヘッド688は、カラー672の駆動シャフト開口を貫通するように配置され、駆動シャフトヘッド688上のスピンドルヘッド820は、台座598の中心開口806内に延びている。
【0109】
図31及び
図32を参照すると、駆動シャフト652は、回転エネルギーを(例えば、RPM単位の)第1の速度で除去要素568に直接伝達し、カラー672は、回転エネルギーを第1の速度よりも遅い第2の速度でカムアセンブリに伝達するようになっている。
【0110】
図31及び
図32を更に参照すると、駆動モジュール596の下側ハウジング706は、モータ546を収容している。下側ハウジング706は、内面708及び外面710を有している。また、駆動モジュールは、内面716及び外面720を有する上側ハウジング714を有している。特に、カラー672がノッチ808内に見えている。
【0111】
図32を参照すると、下側ハウジング706は、上側ハウジング714に離脱可能に連結されるように構成されている。図示される例では、上側ハウジング714の内面716上の突起718が、下側ハウジング706の外面710の溝712内にスナップ嵌合されている。
【0112】
図32を更に参照すると、下側ハウジング706の上面は、駆動キー722を備えている。駆動キー722は、上側ハウジング714内に配置された駆動シャフト652の基部726内の対応するキー孔724に係合している。図示される例では、駆動キー722は、矩形輪郭を有し、キー孔724は、矩形空間を画定している。従って、駆動キー722がキー孔724に係合すると、この係合によって、モーター546から駆動シャフト652への回転エネルギーの伝達が可能になる。すなわち、上側及び下側ハウジング714,706が互いに連結されると、駆動キー722が上側ハウジング714内に配置された駆動シャフト652の基部226のキー孔724に係合され、モーター546が駆動シャフト652を回転させることになる。モーター546は、トルクと回転を生成し、係合された駆動シャフト652は、回転エネルギーを種々の速度で種々の方向に伝達する必要性、回転運動を直線運動に変換する必要性、回転をある距離にわたって伝搬する必要性、等のためにモーター46に直接接続されていない駆動系548の他の構成要素に接続されるように構成されている。
【0113】
図32を更に参照すると、駆動モジュール596は、歯車列を備えている。この歯車列は、前述の歯車列及び歯車装置の技術分野の当業者に知られる歯車列と同様の第1及び第2の減速装置748,764を含んでいる。簡潔にするために、機能的な歯車列の説明は、前述の内容又は米国特許第9,687,361号の開示内容に委ねることとする。なお、この文献の開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0114】
前述したように、モーター546及び歯車列は、協働し、これによって、駆動シャフト652は、100RPMから500RPMの間の速度で回転するようになっている。これらの速度は、システム542の作動中に骨材がキャリッジ562内に置かれたときに駆動シャフト652が回転する負荷速度である。
【0115】
駆動スピンドル820は、駆動シャフト652に連結され、駆動シャフト652によって駆動される。
図32において、駆動スピンドル820は、円筒状のステム818と、同心の円板状のヘッド821とを備えている。スピンドルヘッド820は、円形であり、ステム818に固定されている。代替的に、スピンドルヘッド820は、ステム818と一体的に形成されていてもよい。
【0116】
図31及び
図32を更に参照すると、多くの特徴部がスピンドルヘッド820の平坦な上面から上向きに延在している。これらの特徴部の1つは、位置合せピン822である。位置合せピン822は、スピンドル820の作動軸AOと同軸であり、スピンドルヘッド820の中心から上方に突出している。位置合せピン822は、円筒状であり、スピンドルヘッド820の平坦な上面を越えて延びている。位置合せピン822は、ステム818の軸端に形成され、スピンドルヘッド820の中心を通って突出している。代替的に、位置合せピン822及びスピンドルヘッド820は、いずれもステム818と一体的に形成されていてもよい。代替的に、位置合せピン822及びスピンドルヘッド820は、互いに一体的に形成され、ステム818の軸端に固定されてもよい。位置合せピン822の終端は、円錐台状であり、平坦な先端を備えている。位置合せピン822のこれらの特徴部には、個別に番号が付されていない。
【0117】
図32において、4つの周方向に等角間隔で互いに離間した駆動歯824も、スピンドルヘッド820の平坦な上面から上方に延在している。駆動歯824は、スピンドルヘッド820の周囲に分配されている。駆動歯824は、スピンドルヘッド820の半径方向外側の円形縁と同一平面である弧状の半径方向外面を有している。駆動歯824は、弧状の半径方向内面も有している。各駆動歯824の半径方向外面と内面との間に延在しているのは、1対の周方向において互いに向き合う内向きテーパが付された側面である。駆動歯824のこれらの側面は、平坦であり、スピンドルヘッド820の平坦な上面と直交している。なお、これらの側面には個別に番号が付されていない。駆動歯824は、スピンドルヘッド820の平坦な上面から位置合せピン822ほど遠くに延びていない。
【0118】
スピンドルヘッド820は、駆動シャフト652に動作可能に取り付けられている。ほんの一例にすぎないが、スピンドルヘッド820は、ステム818が駆動シャフト652の同軸の長手方向の孔内に摺動可能に受け入れられるように、寸法決めされ、かつ位置決めされている。円筒状の駆動ピンが、ステム818を半径方向に貫通する交差孔(個別に番号が付されていない)内に嵌合されている。駆動ピンの対向端は、ステム818の円筒面から延び、駆動シャフト652に形成された直径方向において互いに向き合う長孔内に配置されている。その対向端の近くにおいて、駆動ピンは、長孔の周方向に干渉する細長の側面に当接し、摺動可能に係合している。従って、駆動シャフト652と同軸ステムとの間に相対的な角運動が殆ど又は全く存在しない。モーター546によって生じる駆動シャフト652の回転は、駆動ピンと長孔の側面との間の当接係合を介してステムに与えられることになる。駆動シャフト652に対するスピンドル820の動作可能な取付け(この例では、長孔と駆動ピンとの間の係合)によって、スピンドル820が駆動シャフト652によって保持され、トルクがそれらの間に伝達されることになる。従って、スピンドル820は、駆動シャフト652と一体になって回転し、除去要素568に動力を供給することになる。
【0119】
この例の前処理モジュール550が、
図33~
図37に示されている。
図33には、取り外された前処理モジュール550の上面斜視図が示されている。
図34には、前処理モジュール50の底面斜視図が示されている。
図35には、線A-Aに沿って切断された
図33の前処理モジュール50の断面図が示されている。
【0120】
ここで
図33~
図35を参照すると、この例の前処理モジュール550は、台座598に取り付けられるように構成された下側シェル830を備えている。下側シェル830は、カムアセンブリを収容している。下側シェル830は、作動されたモーター546がカムアセンブリを支持面556を横切って直線的に駆動するように、基部モジュール544に嵌合するように寸法決めされている。
図34及び
図35に示されるように、下側シェル830は、底面832及び外壁834を備える基礎プレート831を有している。基礎プレート831の底面832は、3つの脚835を有し、これによって、この例の前処理モジュール550が基部モジュール544から取り外されたときに平坦面上に設置されることが可能になる。外壁834は、シェル830がリップ802内において取付面800の上方の取付空間804内に滑り嵌合されることを可能にする外周を有している。
【0121】
ここで
図34を参照すると、4つの周方向に等角間隔で互いに離間したノッチ836が、外壁834の下向き面から半径方向内方及び軸方向上方に延びている。ノッチ836は、前処理モジュール550が基部モジュール544に嵌合されたときに台座歯810がノッチ836内に着座するように寸法決めされている。歯810とノッチ836との係合によって、作動中の基部モジュール544に対するシェル830の望ましくない回転が防がれることになる。
【0122】
外壁834は、直径方向において互いに向き合う2つの追加的な側ノッチ(図示せず)を更に備えている。(図示されない)側ノッチは、外壁834の底部の上の任意の位置において、外壁834の円筒状外面から半径方向内方に延びている。更に具体的には、下側シェル830は、下側シェル830が取付空間804内に着座し、台座歯810がノッチ内に着座したときに、側ノッチが保持アーム812の半径方向内方を向くフィンガー814を受け入れるように配置されるように、形成されている。
【0123】
ここで、
図32を参照すると、フィンガー814は、側ノッチの協働する表面に着座するように半径方向内方に付勢され、前処理モジュール550を下側シェル830を介して基部モジュール544に選択的に係止するようになっている。フィンガー814の上面は、下方に向かって半径方向内方に傾斜している。これによって、シェル830は、フィンガー814に摺動可能に係合し、フィンガー814を保持アーム812に作用する付勢力に抗して半径方向外向に移動させることが可能になる。従って、レバー816を手動によって作動させることなく、下側シェル830は、フィンガー814を超えて下方に押圧され、取付空間804内に受け入れられることになる。
【0124】
図33及び
図34を参照すると、下側シェル830の外壁834は、基礎プレート831を更に備えている。基礎プレート831は、留め具、超音波溶接、又は接着剤によって外壁834に固定されている。基礎プレート831は、外壁834と一体である。外壁834は、基礎プレート831から上方に延在し、基部554と共に、カムアセンブリ及び駆動系の他の部分を収容する空洞844を画定している。この基礎は、カラー672を収容する(
図35にも示される)取付キー694も備えており、それは、カムキャリア670に離脱可能に接続され、カムアセンブリに動力を供給し、最終的にキャリッジ562を基部554の支持面556を横切って移動させるように、構成されている。取付キー694は、スピンドルヘッド820も収容している。スピンドルヘッド820は、除去要素568の基部に離脱可能に接続され、最終的に除去要素568を回転運動させるように構成されている。
【0125】
ここで
図36を参照すると、基部554の外面557のすぐ下に配置されているのは、カム従動子642である。カム従動子642は、カム654に移動可能に取り付けられており、駆動長孔650を備えている。駆動長孔650内において、駆動系548の要素が作動軸AOを中心として移動可能に配置されている。カム従動子642の上面は、位置ずれしている(基部554の外面557上に配置されていない)。
図36において、カムキャリア670は、2つのカムキャリアバネポスト671を備え、カムスライド655の壁は、2つのカムバネポスト665を備えている。2つのバネ669が、それぞれ、2つのカムキャリアバネポスト671を2つのカムバネポスト665に接続している。2つの側壁を備えるカムスライド655は、カムキャリア670に跨ってカムキャリア670に沿って摺動するようになっている。カム654上の2つの釘(突起)667a,667bが、カムキャリア670の2つの長孔669a,669bと協働し、カムキャリア670上のカム654の運動を案内する。従って、例えば、詰まった骨材によってキャリッジ562が移動を停止すると、カム654は、そのカムスライド655によって案内されてカムキャリア670上を逆方向に摺動し、次いで、キャリッジ562の前処理チャンバ566内の詰まった骨材が関節式壁570に起因して解されると、元の位置に跳ね返ることになる。これによって、駆動系548及びカムアセンブリが作動を継続している間に前処理チャンバ566内において骨材が除去要素568と壁564との間に詰まったときに、キャリッジ562の移動を停止することが可能になる。これによって、アセンブリ540の詰まりが防がれることになる。
【0126】
図1~
図28において前述したのと同様のこの例のカムアセンブリが、
図36の単独底面斜視図に示されている。勿論、カムアセンブリは、最終的に駆動モジュール596を基部554の支持面556を横切って直線的に駆動し、これによって、複数の関節式壁セグメント570と除去要素568との間に相乗的相互作用をもたらし、前処理チャンバ566内の骨材の前処理を最適化するものである。
【0127】
図35及び
図36を参照すると、カムアセンブリは、キャリッジ562を駆動するようになっており、カム従動子642、カム654、及びカムキャリア670を備えている。カム654は、カラー672に連結されたカムキャリア670に連結されている。また、カム654は、楕円形トラック648上のカム従動子642の下面646に隣接して配置されている。楕円形トラック648は、互いに向き合って配置された2つの細長セグメント656,658と、互いに向き合って配置された2つの円状セグメント660,662とを備え、内面649を画定している。すなわち、楕円形トラック648の細長セグメント656,658及び円状セグメント660,662は、交互に配置されている。カム654は、楕円形トラック648の内面649と協働して駆動系548からの回転動力を伝達し、カム従動子642の直線運動を生じさせ、キャリッジ562のスリーブ584内に配置された駆動要素582の運動を介して、基部554の支持面556を横切るキャリッジ562の対応する直線運動を生じさせるように、構成されている。
【0128】
図31、
図35、及び
図36を更に参照すると、カラー672は、作動軸AOを中心として回転運動し、駆動シャフト652に動作可能に取り付けられた歯車アセンブリからの動力を伝達し、カム従動子642と協働し、駆動シャフト652の回転運動をカムアセンブリを介して駆動要素582の直線運動に変換する。カラー672は、中心に配置された駆動シャフト開口と複数の周方向に等角間隔で互いに離間した駆動歯686とを有する上面682を備えている。カラー672の複数の駆動歯686は、カムキャリア670の底面678の複数の長孔680に係合している。複数の長孔680は、カムキャリア670の中心駆動開口676の周りに周方向に等角間隔で互いに離間している。複数の長孔680は、複数の駆動歯686に嵌合されている。各駆動歯長孔680の壁は、各駆動歯686の該当する干渉面(接触面)と平行であり、そこに摺動可能に受け入れられるようになっている。カラー672は、バネ付勢され、これによって、カラー672上の複数の歯686がカムキャリア670上の複数の長孔680に受け入れられたときに、駆動シャフト652からカムアセンブリにトルクを伝達するためのクラッチを画定することになる。
【0129】
簡潔にするために、カムアセンブリの運動の説明は、繰り返さず、カムアセンブリの運動に関する更なる詳細は、
図1~
図28に基づく前述の説明に委ねることとする。
【0130】
図37は、蓋558が取り外された状態にある前処理モジュール550の上面斜視図である。
図37では、壁564が、除去要素568を取り囲んでいる。
図37の壁564は、互いに接続された複数の壁セグメント570を備えている。壁セグメント570の多くは、関節運動するように構成され、関節式壁セグメント570と呼ばれることもある。
図37に記載される例では、複数の壁セグメント570は、複数のヒンジ572を介して互いに移動可能に接続されている。壁セグメント570のいくつかは、湾曲した内面又は輪郭付けされた内面を有している。壁セグメント570のうちの2つは、それらの内面574に配置された捕捉パッド575を有している。
【0131】
図37を更に参照すると、除去要素568は、前処理チャンバ566内に回転可能に取り付けられた溝付きスクリュー784と、基部554に取り付けられた溝付きスクリュー784の周りに静的に配置されたシェービングチューブ790とを備えている。除去要素568は、前処理チャンバ566内に配置された状態で示されている。除去要素568は、作動軸AOを中心として回転するように支持されている。図示される除去要素568は、刃先788を有する螺旋溝786を備える溝付きスクリュー784を備えている。システム542の作動中、溝付きスクリュー784は、作動軸AOを中心として回転し、刃先788は、骨材から軟部組織を切除することによって、前処理チャンバ566内の骨材を清浄化するようになっている。更に具体的には、シェービングチューブ790は、少なくとも1つのカッター窓792を画定し、このカッター窓792を通して骨材に付着した組織が受け取られ、溝付きスクリュー784によって引き込まれることになる。カッター窓792は、シェーバー縁794によってその境界が定められている。シェーバー縁794は、溝付きスクリュー784がシェービングチューブ790に対して回転するときに螺旋溝786の刃先788とカッター窓792のシェーバー縁794との間に挟まれた軟部組織を切除するために、鋭利になっている。また、シェーバー縁794は、軟部組織が当接する衝突構造としても作用し、これによって、当接した軟部組織が一時的に保持され、除去要素568の溝付きスクリュー784による切除を助長する。
【0132】
図36に戻ると、溝付きスクリュー784は、中心に配置された開口700を画定する下面を有する基礎698と、基礎698の周囲に分配された複数の周方向に等角間隔で互いに離間したノッチ702とを有している。開口700は、作動軸AOに沿って同軸にスピンドルヘッド820の位置合せピン822と係合し、スピンドルヘッド820の平坦な上面から上方に延びる4つの周方向に等角間隔で互いに離間した駆動歯824は、溝付きスクリュー784の基礎698のノッチ702と係合している。これによって、スピンドルヘッド820は、回転エネルギーを駆動シャフト652から除去要素568に伝達することができる。
【0133】
溝の786の螺旋形状によって、溝付きスクリュー784が回転すると、軟部組織が切除され、溝付きスクリュー784とシェービングチューブ790との間で溝付きスクリュー784に沿って軸方向上方に押し上げられ、シェービングチューブ790の上端から排出されることになる。本質的に、溝付きスクリュー784は、スクリューコンベヤとして機能する。溝付きスクリュー784とシェービングチューブ790との間の空間は、切除された軟部組織が押し出されて最終的に排出されるときに通過する破片通路(デブリ通路)である。
【0134】
(
図37では取り外されているが、
図33、
図34、及び
図35に示される)蓋558は、シェービングチューブ790の上端の周りに配置されるようになっている。
図35に戻ると、蓋558は、収集面559を画定し、この収集面559上にシェービングチューブ790の上端から排出された組織が落下し、蓋558内に画定された収集チャンバ561内に収集されることになる。収集面559は、軟部組織キャッチ(捕捉部)として機能するために、シェービングチューブ790の上端のいくらか下方に間隔を隔てて配置されている。
【0135】
図37を参照すると、キャリッジ562は、典型的には、弾性変形可能又は関節運動する壁564の外側に間隔を隔てて連結されたキャリッジハウジング576を備えている。キャリッジハウジング576は、壁564の外周に沿って少なくとも部分的に延在し、基部554の支持面556を横切って移動可能である。キャリッジハウジング576は、典型的には、固定された輪郭を有し、変形可能ではない。壁564は、キャリッジハウジング576に連結されている。連結例として、壁564は、2つのアンカー578によってキャリッジハウジング576に連結されている。
【0136】
キャリッジハウジング576は、第1の実施例に関して前述した通りである。
図37を参照すると、キャリッジハウジング576は、壁564の外周に沿って完全に延在し、固定された(図示されるように略矩形の)内側輪郭を有し、変形可能ではないが、そこに係留された壁564は、弾性的に変形可能である。
【0137】
キャリッジ562は、(
図35に最もよく示されるように)基部554と蓋558が協働して画定する空間560内において、基部554の支持面556上に移動可能に取り付けられている。
図37を参照すると、基部554は、典型的には、1つ又は複数の長孔580を備え、これらの長孔内に1つ又は複数の駆動要素582が移動可能に配置され、1つ又は複数の駆動要素582は、カムアセンブリを介して駆動系に動作可能に取り付けられている。
【0138】
図37を更に参照すると、2つの駆動要素582は、キャリッジ562のキャリッジハウジング576の外面586に配置された2つのスリーブ584と協働するようになっている。この目的を達成するために、基部554は、互いに平行となる第1及び第2の長孔580を備え、第1及び第2の駆動要素580は、それぞれ、第1及び第2の長孔580内に配置されている。
図37では、駆動要素582のうちの1つ及びスリーブ584のうちの1つのみが見えている。駆動要素582は、キャリッジ562のスリーブ584への挿入によってキャリッジ562に動作可能に取り付けられている。駆動要素582は、第1及び第2の長孔580内の各々において第1の位置から第2の位置に移動し、キャリッジ562を基部554の支持面556を横切って移動させるように構成されている。支持面556を横切るキャリッジ562の移動に関する更なる詳細は、
図23A~
図25Bの概略図に示されている。
【0139】
図37を更に参照すると、前処理モジュール550は、空所560内に2つのガイド588を備えている。ガイド588は、キャリッジ562と協働し、基部554の支持面556を横切るキャリッジ562の直線運動を案内するものである。この例では、2つのガイド588a,588bが、空所内において基部554の支持面556に形成されている(すなわち、支持面556がそのように輪郭付けられている)。
【0140】
ここで
図38~
図41を参照すると、前処理モジュール900の代替例が示されている。前処理モジュール900は、以下に説明するように、バネ付勢された先端934を有するカム918を備えるカムアセンブリの代替例を備えている。
図38~
図41の前処理モジュール900は、
図30~
図32に記載される基部モジュール544と共に用いられるとよい。
図38には、取り外された前処理モジュール900の上面斜視図が示されている。
図39には、前処理モジュール50の底面斜視図が示されている。
【0141】
この例の前処理モジュール900は、蓋902と、台座598に取り付けられるように構成された下側シェル904とを備え、下側シェル904は、カムアセンブリを収容している。下側シェル904は、作動されたモータ546がカムアセンブリを支持面556を横切って直線的に駆動するように、基部モジュール544に嵌合するように寸法決めされている。
【0142】
ここで
図38及び
図39を参照すると、下側シェル904は、上面及び下面932を備える基礎プレート931と、外壁910とを有している。基礎プレート931は、取付キー994も備えている。外壁910は、シェル904がリップ802内において取付面800の上方の取付空間804内に滑り嵌合されることを可能にする外周を有している。
【0143】
図39を参照すると、4つの周方向に等角間隔で互いに離間したノッチ912が、外壁910の下向き面から軸方向上方に向かって半径方向内方に延在している。ノッチ912は、シェル904が基部モジュール544に嵌合したときに台座歯810がノッチ912内に着座するように寸法決めされている。歯810とノッチ912との係合によって、作動中の基部モジュール544に対するシェル904の望ましくない回転が防がれることになる。
【0144】
この例のカムアセンブリは、
図40の単独底面斜視図に示されている。カムアセンブリは、(
図40には示されないが、
図41に示される)キャリッジ914を駆動するものであり、カム従動子916及びカム918を備えている。カム918は、基部モジュール544のカラー672に連結されている。また、カム918は、楕円形トラック922内においてカム従動子916の下面に隣接して配置されている。楕円形トラック922は、互いに向き合う2つの細長セグメント924,926及び互いに向き合う2つの円形セグメント928,930を有している。すなわち、楕円形トラック922の細長セグメント924,926及び円形セグメント928,930は、交互に配置されている。カム918は、バネ付勢された先端934を有し、楕円形トラック922の表面923と協働し、駆動系548からの回転動力を伝達し、カム従動子916の直線運動を生じさせ、キャリッジ914に動作可能に取り付けられた駆動要素の運動を介して、基部938の支持面936を横切るキャリッジ914の対応する直線運動を生じさせるように、構成されている。
【0145】
図40を更に参照すると、カラー672(図示せず)は、作動軸AOを中心としてを回転運動し、駆動シャフト652(図示せず)に動作可能に取り付けられた歯車アセンブリからの動力を伝達し、カム918と協働し、駆動シャフト652の回転運動をカムアセンブリを介して駆動要素582の直線運動に変換する。カラー672は、中心に配置された駆動シャフト開口684と、複数の周方向に等角間隔で互いに離間した駆動歯686とを有する上面682を備えている。カラー672上の複数の駆動歯686は、カム918の複数の長孔942に係合している。複数の長孔942は、カム918の中心駆動開口の周りに周方向に等角間隔で互いに離間している。複数の長孔942は、複数の駆動歯686と嵌合することになる。
【0146】
図41は、蓋902が取り外された状態にある前処理モジュール900の上面斜視図である。
図41では、壁946が除去要素960を取り囲んでいる。
図41の壁946は、互いに接続された複数の壁セグメント948を備えている。壁セグメント948は、関節運動するように構成されている。
【0147】
図41に示されるキャリッジ914は、壁946の外周の半径方向外方に配置されたキャリッジハウジング954を備えている。キャリッジハウジング954は、固定された(図示されるように略矩形の)内側輪郭を有し、変形可能ではないが、キャリッジハウジング954に係留された壁946は、弾性的に変形可能である。
図41では、2つのガイド978が、キャリッジ914と協働し、基部938の支持面936を横切るキャリッジ914の直線運動を案内するようになっている。
【0148】
図41に示される例では、複数の壁セグメント948は、複数のヒンジ950を介して互いに移動可能に接続されている。壁セグメント948のうちの2つは、それらの内面に配置された捕捉パッド952を有している。更に、
図41の壁946は、アンカー956によってキャリッジハウジング954に接続された2つの固定壁セグメント948を備えている。この例は、キャリッジハウジング954に係留されていない6つの壁セグメント948も備え、そのうちの2つが輪郭付けされ、捕捉パッド952を備えている。捕捉パッド952は、骨材を捕捉し、除去要素944内に押し込み、壁946の変形を生じさせ、前処理チャンバ66内の骨材の移動を容易にし、これによって、骨材からの靭帯及び他の組織の除去を確実なものにする。
【0149】
図41において、除去要素960は、前処理チャンバ964内に回転可能に取り付けられた溝付きスクリュー962と、基部554に取り付けられた溝付きスクリュー962の周りに静的に配置されたシェービングチューブ966とを備えている。図示される除去要素960は、刃先976を有する螺旋溝974を備える溝付きスクリュー962を備えている。溝付きスクリュー962は、作動軸AOを中心として回転するように支持されている。シェービングチューブ966は、少なくとも1つのカッター窓968を画定し、このカッター窓968を通して骨材に付着した組織が受け取られ、溝付きスクリュー962によって引き込まれることになる。カッター窓968は、シェーバー縁970によってその境界が定められている。除去要素960の機能の更なる詳細は、前述の通りである。
【0150】
本開示は、システム42を用いて骨材を前処理する方法も含んでいる。一般的に言えば、採取された骨材は、前処理モジュール50内に置かれる。モーター46が作動され、その結果、キャリッジ62及び除去要素68が作動する。除去要素68の作動によって、骨材から骨の周りの前駆層を残して軟部組織及び他の破片が切除される。
図42は、本明細書に記載されるシステム42を用いて骨材を前処理する非制限的な例示的方法に用いられる最重要ステップを示す流れ図である。
【0151】
この方法は、骨組織に連結された軟部組織を含む骨材を準備するステップと、骨材をキャリッジ62の前処理チャンバ66内に挿入するステップと、除去要素68を作動させるステップと、除去要素68と弾性壁部分との間に置かれた骨材が壁64を除去要素68から離れて外向きに変形させるように、キャリッジ62を支持面56を横切って移動させるステップとを含んでいる。上記の移動ステップに代わって又は加えて、この方法は、壁64の一部が関節運動するように、すなわち、壁の少なくとも1つのセグメントが他の壁セグメントに対して関節運動するように、キャリッジ62を支持面56を横切って移動させるステップを含んでいる。
【0152】
いくつかの例では、基部モジュール44は、電源に接続されている。他の電池駆動式の例では、この方法は、使用前に電池を充電し、次いで、システム42に電力を供給するステップを必要とすることがある。
【0153】
本開示のシステム42は、前処理モジュール50を基部モジュール44に取り付けることによって使用の準備が整えられる。使用前に、人間工学的な理由及び他の理由から、システム42が配置される取付面106に対する前処理モジュール50の高さが、上脚及び下脚構成要素120,118をユーザーが望むように摺動可能に係合させることによって、調整されるとよい。更に、ユーザーは、最適な性能及び/又はユーザー人間工学の観点から、前処理モジュール50が基部モジュール44に取り付けられる角度を調整することもできる。取付面106に対して所望の角度に調整されたなら、骨材が傾斜した支持面56を横切って重力によって供給され、これによって、除去要素68との接触が促進されることになる。
【0154】
これらのステップが完了したなら、システム42を作動させるために、押しボタン230又は他の制御要素が押下げられる。除去要素68を作動させるステップは、除去要素68を第1の回転方向において作動させ、同時にキャリッジ62を基部54の支持面56を横切って作動させることとして更に規定されてもよい。カムアセンブリを備える駆動系によって、除去要素68を第1の回転方向と反対の第2の回転方向において作動させ、同時にキャリッジ62を基部54の支持面56を横切って移動させる追加的なステップが可能になる。
【0155】
骨材が前処理され、更なる使用、例えば、粉砕のために前処理モジュール50から取り出されたら、前処理モジュール50は、基部モジュール44から取り外される。取り外された前処理モジュール50は、廃棄されるか又は再生利用される。さもなければ、取り外された後、軟部組織が前処理モジュール50から除去され、使用済みの前処理モジュール50は、更なる使用のためにオートクレーブ処理されてもよい。勿論、必要に応じて、新しい前処理モジュール50又は粉砕モジュールが基部モジュール44と共に用いられてもよい。
【0156】
追加的なフォーマット化された開示:関節式(換言すれば関節接合の)壁セグメントを有するアセンブリ
【0157】
[I]
骨材を前処理するためのアセンブリであって、
支持面と前記支持面の反対側の外面とを有する基部と、蓋とを備えるシェルであって、前記基部及び蓋は、それらの間に空所を有する、シェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置され、前記基部の前記支持面を横切って移動することが可能なキャリッジであって、前記キャリッジは、壁を備え、前記壁は、複数の関節式壁セグメントを備え、前記壁は、前記基部の前記支持面と協働して前処理チャンバを画定する、キャリッジと、
前記前処理チャンバ内に少なくとも部分的に配置された除去要素であって、骨材から軟部組織を除去することによって前記骨材を前処理するように構成されている、除去要素と、
を備え、
前記キャリッジは、前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を行うために駆動系からの動力を受けるように構成され、前記除去要素も、前記駆動系からの動力を受けるように構成され、
前記複数の関節式壁セグメントは、骨材が前記除去要素と前記壁との間に位置するときに互いに対して関節運動するように構成されている、
アセンブリ。
【0158】
[II]
前記複数の関節式壁セグメントは、複数のヒンジによって互いに接続されている、Iに記載のアセンブリ。
【0159】
[III]
前記複数の関節式壁セグメントのうちの1つ又は複数は、湾曲した内面を呈する、I又はIIに記載のアセンブリ。
【0160】
[IV]
前記キャリッジは、前記壁の外側に間隔を隔てて前記壁に連結されたキャリッジハウジングを更に備え、前記キャリッジハウジングは、前記壁の外周の周りに少なくとも部分的に延在し、前記基部の前記支持面を横切って移動可能である、I~IIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0161】
[V]
前記壁は、1つ又は複数のアンカーによって前記キャリッジハウジングに連結されている、IVに記載のアセンブリ。
【0162】
[VI]
前記1つ又は複数のアンカーは、エラストマー又はバネを含んで構成されている、Vに記載のアセンブリ。
【0163】
[VII]
前記1つ又は複数のアンカーの少なくとも1つは、バネを含む、Vに記載のアセンブリ。
【0164】
[VIII]
前記壁は、少なくとも6つのヒンジ付き壁セグメントを備え、前記少なくとも6つの壁セグメントのうちの少なくとも2つは、前記1つ又は複数のアンカーの2つによって前記キャリッジハウジングに接続されている、I~VIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0165】
[IX]
前記キャリッジは、前記基部の前記支持面上の前記空所内に移動可能に取り付けられている、I~VIIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0166】
[X]
前記基部は、1つ又は複数の長孔(スロット)を備え、駆動要素が前記長孔内に移動可能に配置され、前記駆動要素は、前記駆動系に動作可能に取り付けられている、I~IXのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0167】
[X1]
前記基部は、第1の長孔及び前記第1の長孔と平行の第2の長孔を備え、駆動要素が、前記キャリッジ及び前記駆動系の両方に動作可能に取り付けられ、前記第1及び第2の長孔の各々内において第1の位置から第2の位置に移動して前記キャリッジを前記基部の前記支持面を横切って移動させるように構成されている、I~Xのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0168】
[XII]
前記基部は、前記空所内において前記支持面上に取り付けられた1つ又は複数のガイドを備え、前記ガイドは、前記キャリッジの外面と協働し、前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を案内するようになっている、I~XIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0169】
[XIII]
前記駆動系は、前記キャリッジに動作可能に連結され、前記駆動系からの回転動力を伝達して前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を生じさせるように構成され、前記駆動系は、前記除去要素に動作可能に連結され、前記除去要素の回転運動を生じさせるように構成され、前記駆動系の作動時に、前記キャリッジは、前記基部の前記支持面を横切って移動し、前記除去要素は、前記前処理チャンバ内において回転運動するようになっている、I~XIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0170】
[XIV]
前記駆動系は、順回転(例えば、時計回り)及び前記順回転と反対の逆回転(例えば、反時計回り)における前記除去要素の回転運動を生じさせ、同時に前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を生じさせるように構成されている、XIIIに記載のアセンブリ。
【0171】
[XV]
前記駆動系は、
上面、楕円形輪郭(換言すれば矩形輪郭:oblong profile)のトラックを有する下面、及び駆動長孔を有するカム従動子であって、前記カム従動子の前記上面は、前記カム従動子が前記キャリッジと相対して(向き合って)前記シェルの前記基部の前記外面を横切って移動可能となるように、前記基部の前記外面に隣接して配置されている、カム従動子と、
前記駆動系に回転可能に連結され、前記楕円形トラック上及び/又は前記楕円形トラック内に配置されたカムであって、前記カムは、前記楕円形トラック及び前記駆動長孔と協働し、前記駆動系からの回転動力を伝達し、前記基部の前記外面を横切る前記カム従動子の直線運動を生じさせ、前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの対応する直線運動を生じさせるように構成されている、カムと、
を更に備える、I~XIVのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0172】
[XVI]
前記カムは、前記楕円形トラックの内面に当接するバネ付勢された先端を有する、XVに記載のアセンブリ。
【0173】
[XVII]
前記除去要素は、前記シェルに回転可能に取り付けられている、I~XVIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0174】
[XVIII]
前記除去要素は、回転ブラシ、回転おろし器、及び回転溝付きスクリューから選択される、I~XVIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0175】
[XIX]
前記除去要素は、回転溝付きスクリュー及び窓付きシェービングチューブを備え、前記窓付きシェービングチューブは、前記溝付きスクリューに隣接し、前記シェルに静的に取り付けられている、I~XVIIIのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0176】
[XX]
前記支持面は、重力が前記前処理チャンバ内の骨材を前記除去要素との接触を容易にするチャンバ位置に向けて漏斗作用によって送るように傾斜されている、I~XIXのいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0177】
追加のフォーマット化された開示:アセンブリ(モジュール式システム)
【0178】
[I]
モジュール式骨前処理システムであって、
モーター及び駆動系を備える基部モジュールと、
基部モジュールに離脱可能に取り付けられるように適合された前処理モジュールであって、
支持面と前記支持面の反対側の外面とを有する基部と、基部との間に空所を有する蓋とを備えるシェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置され、シェルの基部を横切って移動することが可能なキャリッジであって、キャリッジは、壁を備え、壁の少なくとも一部は、弾性的に変形可能であり、壁は、前記基部と協働して前処理チャンバを画定する、キャリッジと、
前処理チャンバ内に少なくとも部分的に配置された除去要素であって、骨材から軟部組織を除去することによって骨材を前処理するように構成されている、除去要素と、
を備え、
駆動系は、駆動系の作動時に駆動系から伝達された回転動力がキャリッジを基部を横切って直線的に移動させるように、キャリッジに動作可能に連結され、
駆動系は、駆動系の作動時に除去要素の回転運動を生じさせるように、除去要素にも動作可能に連結されている、
前処理モジュールと、
を備える、システム。
【0179】
[II]
前記壁の少なくとも一部は、複数の関節式壁セグメントを備える、Iに記載のシステム。
【0180】
[III]
複数の関節式壁セグメントは、互いにヒンジ結合されている、IIに記載のシステム。
【0181】
[IV]
基部は、駆動要素が配置される1つ又は複数の長孔を備え、駆動要素は、1つ又は複数の長孔内に移動可能に配置され、駆動系に動作可能に取り付けられている、II又はIIIに記載のシステム。
【0182】
[V]
基部は、第1の長孔及び第1の長孔と平行の第2の長孔を備え、長孔内に配置された駆動要素を有し、駆動要素は、キャリッジ及び駆動系の両方に動作可能に取り付けられ、第1及び第2の長孔の各々内において第1の位置から第2の位置に移動してキャリッジを基部の支持面を横切って直線的に移動させるように構成されている、I~IVのいずれか1つに記載のシステム。
【0183】
[XII]
駆動系は、前記キャリッジに動作可能に連結され、駆動系からの回転動力を伝達して基部の支持面を横切るキャリッジの直線運動を生じさせるように構成され、駆動系は、除去要素に動作可能に連結され、除去要素の回転運動を生じさせるように構成され、駆動系の作動時に、キャリッジは、基部の支持面を横切って直線的に移動し、除去要素は、前処理チャンバ内において回転運動するようになっている、I~Vのいずれか1つに記載のシステム。
【0184】
[XIII]
駆動系は、第1の方向(例えば、時計方向)及び第1の方向と反対の第2の方向(例えば、反時計方向)における除去要素の回転運動を生じさせ、同時に基部の支持面を横切るキャリッジの直線運動を生じさせるように構成されている、VIIに記載のシステム。
【0185】
[IX]
前記駆動系は、
上面、楕円形輪郭(換言すれば矩形輪郭:oblong profile)のトラックが配置された下面、及び駆動長孔を有するカム従動子であって、カム従動子の上面は、カム従動子がキャリッジと相対して(向き合って)シェルの基部の外面を横切って移動可能となるように、基部の外面に隣接して配置されている、カム従動子と、
駆動系に回転可能に連結され、楕円形トラック内に配置されたカムであって、カムは、楕円形トラック及び駆動長孔と協働し、駆動系からの回転動力を伝達し、基部の外面を横切るカム従動子の直線運動を生じさせ、基部の支持面を横切るキャリッジの対応する直線運動を生じさせるように構成されている、カムと、
を更に備える、
I~VIIのいずれか1つに記載のシステム。
【0186】
[X]
カム従動子及びカムは、前処理モジュール内に配置されている、IXに記載のシステム。
【0187】
[XI]
カム従動子及びカムは、基部モジュール内に配置されている、IXに記載のシステム。
【0188】
追加的なフォーマット化された開示:アセンブリ(方法)
【0189】
[I]
前処理モジュールによって骨材を前処理する方法であって、前処理モジュールは、支持面を備える基部を有して空所を画定するシェルと、空所内に少なくとも部分的に配置されて弾性部分を備える弾性壁を備えるキャリッジであって、該弾性壁が基部と協働して前処理チャンバを画定するキャリッジと、前処理チャンバ内に配置された除去要素とを備える、方法において、
骨組織に連結された軟部組織を備える骨材を準備するステップと、
骨材をキャリッジの前処理チャンバ内に挿入するステップと、
除去要素を作動させるステップと、
除去要素と弾性部分との間に配置された骨材が弾性壁を除去要素から離れて外方に変形させるように、キャリッジを支持面を横切って移動させるステップと、
を含む、
骨材を前処理する方法。
【0190】
[II]
前処理モジュールを基部モジュールに取り付けるステップを更に含む、Iに記載の骨材を前処理する方法。
【0191】
[III]
前処理モジュールを基部モジュールから離脱させるステップを更に含む、IIに記載の骨材を前処理する方法。
【0192】
[IV]
前処理モジュールを廃棄するステップを更に含む、I~IIIのいずれか1つに記載の骨材を前処理する方法。
【0193】
[V]
除去要素を作動させるステップは、除去要素を第1の回転方向に作動させ、同時にキャリッジを基部の支持面を横切って移動させることとして更に規定される、I~IVのいずれか1つに記載の骨材を前処理する方法。
【0194】
[VI]
除去要素を第1の回転方向と反対の第2の回転方向に作動させ、同時にキャリッジを支持面を横切って移動させるステップを更に含む、Vに記載の骨材を前処理する方法。
【0195】
[VII]
重力によって骨材を支持面を横切って送給するステップであって、該支持面は、除去要素との接触を容易にするために斜面を有する、ステップを更に含む、I~VIのいずれか1つに記載の骨材を前処理する方法。
【0196】
「備える(include, includes, including)という用語は、「備える(comprise, comprises, comprising)という用語と同じ意味を有することを理解されたい。更に、「第1の(first)」、「第2の(second)」、「第3の(third)」、等の用語は、明確性及び一貫性のある非制限的な例示を目的として、いくつかの構造的特徴及び構成要素を区別するために、本明細書において用いられていることを理解されたい。
【0197】
以上、いくつかの例について検討してきた。しかし、本明細書において検討された例は、包括的であることが意図されるものではなく、又は本考案品をどのような特定の形態に制限することが意図されるものでもない。用いられてきた専門用語は、制限のための用語ではなくむしろ説明のための用語であることが意図されている。前述の示唆に照らして多くの修正及び変更が可能であり、本考案品は、具体的に記載される以外の手法によって実現されてもよい。
【0198】
従って、添付の請求項の目的は、本開示の真の精神及び範囲内にあるこのような変形及び修正の全てを包含することにある。
なお、出願当初の請求項は以下の通りであった。
[請求項1]
骨材を前処理するためのアセンブリであって、
支持面と前記支持面の反対側の外面とを有する基部と、前記基部との間に空所を有する蓋と、を備えるシェルと、
前記空所内に少なくとも部分的に配置され、前記シェルの前記基部を横切って移動することが可能なキャリッジであって、前記キャリッジは壁を備え、前記壁の少なくとも一部は弾性的に変形可能であり、前記壁は前記基部と協働して前処理チャンバを画定する、前記キャリッジと、
前記前処理チャンバ内に少なくとも部分的に配置される除去要素であって、骨材から軟部組織を除去することによって骨材を前処理するように構成される、前記除去要素と、
を備え、
前記キャリッジは、前記支持面を横切る前記キャリッジの運動を行うために駆動系からの動力を受けるように構成され、前記除去要素も、前記駆動系からの動力を受けるように構成され、
前記壁の弾性部分は、骨材が前記除去要素と前記壁との間に位置するときに変形するように構成される、
アセンブリ。
[請求項2]
前記壁の少なくとも一部は、複数の関節式壁セグメントを備える、請求項1に記載のアセンブリ。
[請求項3]
前記複数の関節式壁セグメントは互いにヒンジ結合される、請求項2に記載のアセンブリ。
[請求項4]
前記複数の関節式壁セグメントのうちの少なくとも1つは、湾曲した内面を呈する、請求項2又は請求項3に記載のアセンブリ。
[請求項5]
前記壁の少なくとも一部はエラストマーを含んで構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
[請求項6]
前記キャリッジは、前記壁の外方に間隔を隔てて連結されたキャリッジハウジングを更に備え、前記キャリッジハウジングは、前記壁の外周の周りに少なくとも部分的に延在し、前記基部の前記支持面を横切って移動可能である、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項7]
前記壁は、1つ又は複数のアンカーによって前記キャリッジハウジングに連結される、請求項6に記載のアセンブリ。
[請求項8]
前記1つ又は複数のアンカーはエラストマーを含んで構成される、請求項7に記載のアセンブリ。
[請求項9]
前記1つ又は複数のアンカーの少なくとも1つはバネを含む、請求項7に記載のアセンブリ。
[請求項10]
前記壁は、少なくとも6つのヒンジ付き壁セグメントを備え、前記少なくとも6つの壁セグメントのうちの少なくとも2つは、前記1つ又は複数のアンカーによって前記キャリッジハウジングに接続される、請求項1~請求項9のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項11]
前記キャリッジは、前記基部の表面上の前記空所内に移動可能に取り付けられる、請求項1~請求項10のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項12]
前記基部は、1つ又は複数の長孔を備え、駆動要素が前記長孔内に移動可能に配置され、前記駆動要素は前記駆動系に動作可能に取り付けられる、請求項1~請求項11のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項13]
前記基部は、第1の長孔及び前記第1の長孔と平行の第2の長孔と、前記第1の長孔内及び前記第2の長孔内にそれぞれ配置される駆動要素と、を備え、前記駆動要素は、前記キャリッジ及び前記駆動系の両方に動作可能に取り付けられ、前記第1の長孔内及び前記第2の長孔内のそれぞれにおいて第1の位置から第2の位置に移動することで前記キャリッジを前記基部の前記支持面を横切って直線的に移動させるように構成される、請求項1~請求項12のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項14]
前記基部は、前記空所内において前記支持面上に取り付けられる1つ又は複数のガイドを備え、前記ガイドは、前記キャリッジの外面と協働して前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの運動を案内するようになっている、請求項1~請求項13のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項15]
前記駆動系は、前記キャリッジに動作可能に連結され、前記駆動系からの回転動力を伝達することで前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの直線運動を生じさせるように構成され、前記駆動系は、前記除去要素に動作可能に連結され、前記除去要素の回転運動を生じさせるように構成され、前記駆動系の作動時に、前記キャリッジは、前記基部の前記支持面を横切って直線的に移動し、前記除去要素は、前記前処理チャンバ内において回転運動する、請求項1~請求項14のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項16]
前記駆動系は、順回転(例えば、時計回り)及び前記順回転の反対の逆回転(例えば、反時計回り)における前記除去要素の回転運動を生じさせ、同時に前記基部の前記支持面を直線的に横切る前記キャリッジの直線運動を生じさせるように構成される、請求項15に記載のアセンブリ。
[請求項17]
前記駆動系は、
上面、楕円形輪郭のトラックを有する下面、及び駆動長孔を有するカム従動子であって、前記カム従動子の上面は、前記カム従動子が前記キャリッジと相対して前記シェルの前記基部の外面を横切って移動可能となるように、前記基部の外面に隣接して配置される、前記カム従動子と、
前記駆動系に回転可能に連結され、前記楕円形トラック内に配置されるカムであって、前記カムは、前記楕円形トラック及び前記駆動長孔と協働して前記駆動系からの回転動力を伝達することで、前記基部の外面を横切る前記カム従動子の直線運動を生じさせると共に、前記基部の前記支持面を横切る前記キャリッジの対応する直線運動を生じさせるように構成される、前記カムと、
を更に備える、請求項1~請求項16のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項18]
前記カムは、前記楕円形トラックの内面に当接するバネ付勢された先端を有する、請求項17に記載のアセンブリ。
[請求項19]
前記除去要素は前記シェルに回転可能に取り付けられる、請求項1~請求項18のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項20]
前記除去要素は、回転ブラシ、回転おろし器、及び回転溝付きスクリューから選択される、請求項19に記載のアセンブリ。
[請求項21]
前記除去要素は、回転溝付きスクリューと、少なくとも1つの刃先を有するシェービングブロックと、を備え、前記シェービングブロックは、前記溝付きスクリューに隣接して前記シェルに静的に取り付けられる、請求項1~請求項20のいずれか1つに記載のアセンブリ。
[請求項22]
前記支持面は、重力が前記前処理チャンバ内の骨材を前記除去要素との接触を容易にするチャンバ位置に向けて送るように傾斜されている、請求項1~請求項21のいずれか1つに記載のアセンブリ。