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特許7449947高感度静電容量検知用途のための二重測定、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】高感度静電容量検知用途のための二重測定、並びに関連するシステム、方法、及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
G06F3/041 470
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021541067
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 US2019056790
(87)【国際公開番号】W WO2020149906
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】62/793,003
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/377,612
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリアリー、フェアーガル
(72)【発明者】
【氏名】ウェラン、ライアン
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049848(JP,A)
【文献】特開2010-249531(JP,A)
【文献】特開2018-005291(JP,A)
【文献】国際公開第2009/044920(WO,A1)
【文献】特開2008-083025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量検知回路であって、該静電容量検知回路は、
電極及び前記電極の遮蔽を含むセンサであって、前記センサにおける又は前記センサの付近の静電容量変化に応答して、測定可能な信号を生成するように構成された、センサと、
タッチコントローラであって、
前記測定可能な信号を使用して静電容量検知測定を実行するように構成され、前記静電容量検知測定は、
水分による意図しないタッチ検出を除去するために、前記センサの前記遮蔽の少なくとも一部に前記測定可能な信号に同期した駆動遮蔽信号を供給することと、自己静電容量検知測定を実行することを含む、駆動遮蔽自己静電容量検知測定、及び
近接による意図しないタッチ検出を除去するために、前記センサの前記遮蔽の少なくとも一部に接地信号を供給することと、自己静電容量検知測定を実行することを含む、接地遮蔽自己静電容量検知測定を含み、
タッチを検出するように構成され、前記タッチは、
前記駆動遮蔽自己静電容量検知測定の測定値が第1の閾値よりも大きいことの判定、及び
前記接地遮蔽自己静電容量検知測定の測定値が第2の閾値よりも大きいことの判定であって、前記第2の閾値は前記第1の閾値とは異なる、判定の両方に応答するタッチである、
タッチコントローラと、を含む、静電容量検知回路。
【請求項2】
前記電極の前記遮蔽の第1の遮蔽は、
後部導電性材料と、
前部導電性材料と、を含み、
前記後部導電性材料及び前記前部導電性材料は、平行平面内に延在する、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記第1の遮蔽は、前記後部導電性材料及び前記前部導電性材料の両側部に配設された導電性材料を更に含む、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記遮蔽は、前記電極から突出する電界の指向性を促進するように前記電極に対して配置される、請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記遮蔽は、前記電極から突出する電界が、第1の方向において、前記第1の方向と実質的に反対である第2の方向よりも遠くに延在するように、前記電極に対して配置される、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記タッチコントローラは、前記駆動遮蔽自己静電容量検知測定及び前記接地遮蔽自己静電容量検知測定に応答して、タッチを示す信号を供給するように構成される、請求項1に記載の回路。
【請求項7】
前記タッチコントローラは、
前記センサの前記遮蔽の前記少なくとも一部に動作可能に結合された遮蔽線に、前記駆動遮蔽信号を供給することと、
前記センサの非アクティブな検知線に、前記駆動遮蔽信号を供給することと、
前記センサのアクティブな検知線で第1の測定可能な信号を測定することと、を行うように構成される、請求項1に記載の回路。
【請求項8】
前記タッチコントローラは、前記アクティブな検知線で前記第1の測定可能な信号の測定に続いて、
前記遮蔽線に接地信号を供給することと、
前記センサの前記非アクティブな検知線に接地又は供給電圧信号を供給することと、
前記センサの前記アクティブな検知線で第2の測定可能な信号を測定することと、を行うように構成される、請求項7に記載の回路。
【請求項9】
タッチプロセッサであって、該タッチプロセッサは、
近接による意図しないタッチ検出を除去するために、タッチセンサの電極の遮蔽に接地信号を供給した後に、自己静電容量検知測定を実行するように構成された接地遮蔽自己静電容量検知モジュールと、
水分による意図しないタッチ検出を除去するために、前記タッチセンサの前記電極の前記遮蔽に測定信号に同期した駆動遮蔽を供給しながら、自己静電容量検知測定を実行するように構成された駆動遮蔽自己静電容量検知モジュールと、を備え、
前記タッチプロセッサはタッチを報告するように構成され、前記タッチは、
前記接地遮蔽自己静電容量検知モジュールにより、前記遮蔽に前記接地信号を供給した後の前記自己静電容量検知測定の測定値が第1の閾値よりも大きいことの判定、及び
前記駆動遮蔽自己静電容量検知モジュールにより、前記駆動遮蔽を供給しながらの前記自己静電容量検知測定の測定値が第2の閾値よりも大きいことの判定であって、前記第1の閾値は前記第2の閾値とは異なる、判定の両方に応答するタッチである、タッチプロセッサ。
【請求項10】
前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも大きい、請求項9に記載のタッチプロセッサ。
【請求項11】
前記第1の閾値は、近接タッチに対する感受性を低減するように選択され、前記第2の閾値は、水分タッチに対する感受性を低減するように選択されている、請求項9に記載のタッチプロセッサ。
【請求項12】
前記タッチプロセッサは、タッチを検出する前記接地遮蔽自己静電容量検知モジュール及び前記駆動遮蔽自己静電容量検知モジュールのうちの一方、並びにタッチを検出しない他方に応答して、タッチを報告しないように構成される、請求項9に記載のタッチプロセッサ。
【請求項13】
二重測定検知方法であって、
水分による意図しないタッチ検出を除去するために、駆動遮蔽自己静電容量検知動作を実行するステップであって、前記駆動遮蔽自己静電容量検知動作は、測定可能な信号に同期した駆動遮蔽を供給することを含む、実行するステップと、
前記実行された駆動遮蔽自己静電容量検知動作の第1の測定値が第1の閾値よりも大きいことの判定に応答して、第1の検知結果を判定するステップと、
近接による意図しないタッチ検出を除去するために、接地遮蔽自己静電容量検知動作を実行するステップと、
前記実行された接地遮蔽自己静電容量検知動作の第2の測定値が第2の閾値よりも大きいことの判定に応答して、第2の検知結果を判定するステップであって、前記第2の閾値は前記第1の閾値とは異なる、第2の検知結果を判定するステップと、
前記第1の閾値よりも大きい前記第1の測定値、及び、前記第2の閾値よりも大きい前記第2の測定値の両方に応答して、タッチ結果を判定するステップと、を含む、二重測定検知方法。
【請求項14】
前記第1の閾値は前記第2の閾値よりも大きい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
静電容量検知システムであって、
電極及び検知線を備えたセンサと、
前記検知線に動作可能に結合された取得回路と、
該取得回路及び前記センサに動作可能に結合されたタッチプロセッサであって、第1の閾値よりも大きい第1の静電容量検知測定の測定値、及び、第2の閾値よりも大きい第2の静電容量検知測定の測定値の両方に応答してタッチを検出するように構成された、タッチプロセッサと、を備え、前記第2の閾値は前記第1の閾値とは異なり、前記第1及び第2の静電容量検知測定のうちの一方は、水分耐性を特徴とし、前記第1及び第2の静電容量検知測定のうちの他方は、近接検出許容性を特徴とし、前記センサは、第1の静電容量検知測定及び第2の静電容量検知測定の両方のために利用される単一の共通のセンサである、静電容量検知システム。
【請求項16】
水分耐性を特徴とする前記第1及び前記第2の静電容量検知測定のうちの一方は、駆動遮蔽静電容量検知測定である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
近接寛容性を特徴とする前記第1及び前記第2の静電容量検知測定のうちの一方は、接地遮蔽静電容量検知測定である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記センサは、前記電極から突出する電界の指向性を促進するように配置された遮蔽を更に含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年1月16日に出願された米国特許仮出願第62/793,003号、発明の名称「DUAL MEASUREMENT OF SELF CAPACITANCE SENSORS TO SUPPORT GLOVED OPERATION AND WATER TOLERANCE WHILE REJECTING UNINTENDED PROXIMITY ACTIVATION」についての出願日遡及の特典を主張し、かつ2019年4月8日に出願された米国特許出願第16/377,612号、発明の名称「DUAL MEASUREMENT FOR HIGH SENSITIVITY CAPACITIVE SENSING APPLICATIONS AND RELATED SYSTEMS,METHODS AND DEVICES」についての出願日遡及の特典を主張し、これらの各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
開示される実施形態は、概して容量検知に関し、より具体的には、高感度容量検知用途のための測定技術、並びに関連するシステム、方法、及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的なタッチインターフェースシステムは、タッチインターフェースシステムの接触検知面に近接している、又は接触検知面と物理的に接触している物体に応答するタッチセンサ(例えば、制限するものではないが、静電容量センサ及び/又は抵抗センサ)を組み込むことができる。かかる応答は、タッチインターフェースシステムに対する物体の場所を含む、接触に関する情報を推測するために捕捉され、解釈され得る。
【0004】
ラップトップコンピュータ及びタブレットのキーボードを含むパーソナルコンピュータと共に使用されるタッチパッドは、多くの場合、タッチインターフェースシステムを組み込むか、又はタッチインターフェースシステムと連携して動作する。ディスプレイは、多くの場合、ユーザがグラフィカルユーザインターフェース(GUI)及び/又はコンピュータアプリケーションと対話することを可能にするために、タッチインターフェースシステムの素子(典型的には少なくともタッチセンサ)を組み込むタッチスクリーンを含む。タッチディスプレイを組み込むデバイスの例としては、ポータブルメディアプレイヤー、テレビ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、及びスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスが数例として挙げられる。さらに、自動車、電化製品(例えば、オーブン、冷蔵庫、又は洗濯機)セキュリティシステム、現金自動預払機(ATM)、住宅環境制御システム、及び産業機器の制御パネルは、ボタン、スライダ、ホイール、及び他のタッチ素子を有効にするなどのために、タッチインターフェースシステムをディスプレイ及びハウジングに結合することができる。
【0005】
最終用途に応じて、タッチインターフェースシステムは、暴露(例えば、限定することなく、水、砂、及び/又はクレヨン)、温度、及びノイズの点で変化する環境で使用される。例えば、いくつかの用途では、タッチインターフェースシステムを-40~40度の範囲の温度で使用することができ、そのため、そのようなタッチインターフェースシステムの感度は、素手の指及びグローブを付けた指の両方からのタッチが検出されるように設定する必要がある。別の例として、一部の用途では、タッチインターフェースシステムは、人々がディスプレイ届く領域で使用されてもよいが、ディスプレイを使用することを意図しないため、不注意な近接検出を拒否する必要がある。異なる感度及び環境要件を考慮した動作の成功は、バランスが困難である場合がある。
【0006】
本開示の様々な実施形態の目的及び利点は、添付図面と併せて、詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面(複数可)を備えた本特許又は特許出願公開のコピーは、特許庁の要請に応じて、かつ必要な料金を支払うことで提供されるであろう。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】絶縁センサ、接地遮蔽センサ、及び駆動遮蔽センサから突出する電界の例を示す。
図1B】絶縁センサ、接地遮蔽センサ、及び駆動遮蔽センサから突出する電界の例を示す。
図1C】絶縁センサ、接地遮蔽センサ、及び駆動遮蔽センサから突出する電界の例を示す。
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、二重タッチ測定検知のためのプロセスを示す。
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、二重測定検知技術用に構成された例示的なタッチインターフェースシステム300を示す。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態による、例えば、タッチ検知回路などの二重測定検知動作を示す。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態による、例えば、タッチ検知回路などの二重測定検知動作を示す。
図5A】本開示の1つ以上の実施形態による、例えば、タッチ検知回路などの二重測定検知動作を示す。
図5B】本開示の1つ以上の実施形態による、例えば、タッチ検知回路などの二重測定検知動作を示す。
図6】本開示の1つ以上の実施形態による、二重測定較正方法に対応するグラフを示す。
図7】本開示の1つ以上の実施形態による、例示的な二重タッチ測定検知のタイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る具体的な例示的実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が利用されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスの変更が行われ得る。
【0015】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0016】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0017】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、かかる用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0018】
さらに、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。さらに、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0019】
本明細書で説明される情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、本明細書を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、及び記号は、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは磁性粒子、光場若しくは光学粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してもよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実装され得ると理解されたい。
【0020】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対する任意の言及は、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しないと理解されたい。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用される。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。また、特に明記しない限り、一組の要素は、1つ以上の要素を含んでもよい。同様に、時には、単数形で言及される要素もまた、要素の1つ以上のインスタンスを含んでもよい。
【0021】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内などの、小さいばらつきを満たすことを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、さらには少なくとも99%満たされ得る。
【0022】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実装され得る、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械でもあってもよい。プロセッサはまた、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成の組み合わせとして実装されてよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0023】
また、実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得ることを留意されたい。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明してもよいが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行されてもよい。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、及び/又はサブプログラムに対応し得るが、それらに限定されない。さらに、本明細書に開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されてよい、又は送信されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及びコンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体など通信媒体の両方を含む。
【0024】
本開示で説明される実施形態の目的として理解されるように、静電容量センサは、静電容量センサの接触検知領域との物体(指又はスタイラスなど)の接触、又は静電容量センサの接触検知領域に対する物体の近似に応答し得る。本開示では、「接触」及び「タッチ」は、接触検知領域(例えば、限定されないが、電極又は電極若しくは電極の群を被覆する1つ以上のオーバーレイ)との物体の物理的接触及び物理的に接触せずに接触検知領域に近接する物体の存在の両方を包含することを意味している。静電容量センサとの実際の物理的接触は必ずしも必要とされない。
【0025】
例として、物体が静電容量センサに接触するときに、接触場所にある又は接触場所の付近にある静電容量センサ内で静電容量の変化が生じ得る。アナログ取得フロントエンドは、特定の閾値を満たす場合、接触を「検出」し得る。「荷電後転送(Charge-then-transfer)」は、静電容量変化を検出するために一部のタッチ取得フロントエンドにおいて実装される技術であり、それにより、検知コンデンサは、静電容量における変化に応答して荷電(例えば、より速く、又は遅く荷電)され、複数の転送サイクルにわたって電荷が積分コンデンサに転送される。このような荷電転送に関連付けられた電荷の量は、アナログデジタル変換器(ADC)によってデジタル信号に変換されてもよく、デジタルコントローラは、物体がセンサに接触した場合、それらのデジタル信号(典型的には、「デルタカウント」又は単に「デルタ」と呼ばれる)を処理して測定値を判定してもよい。
【0026】
自己静電容量センサ(本明細書では、「自己キャップ型センサ」とも呼ばれる)は、グラウンドへの静電容量の変化に応答する静電容量電界センサである。これらは、典型的には、タッチに対して独立して反応する列及び列のアレイでレイアウトされる。非限定的な例によって、自己キャップ型センサは、浮動端子を有する共通の集積CMOSプッシュプルドライバ回路を使用した繰り返し荷電後転送サイクルを採用する回路を含んでもよい。
【0027】
相互静電容量センサは、2つの電極(駆動電極及び検知電極)間の静電容量の変化を検出/変化に応答する静電容量電界センサである。駆動電極及び検知電極対は、駆動線と検知線との各交点にコンデンサを形成する。自己静電容量及び相互静電容量技法は、同じタッチインターフェースシステムで使用されてもよく、互いに相補的であってもよく、例えば、自己静電容量は、相互静電容量を使用して検出されたタッチを確認するために使用されてもよい。
【0028】
例示的なタッチセンサは、例えば、タッチパッド又はディスプレイスクリーンの接触検知面に組み込まれ得る2-D接触検知面のための二次元(2-D)配置に重ねられてもよく、関連アプライアンスとのユーザ相互作用を容易にし得る。絶縁保護層(例えば、限定するものではないが、樹脂、ガラス、及び/又はプラスチック)は、タッチセンサを被覆するために使用されてもよく、本明細書では「オーバーレイ」と称されてもよい。本明細書で使用するとき、「タッチディスプレイ」は、2-Dタッチセンサを組み込んでいるディスプレイ(液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜トランジスタ(TFT)LCD、又は発光ダイオード(LED)ディスプレイなど)である。
【0029】
電荷転送技法を採用する相互静電容量センサのマトリクスセンサアプローチを使用するタッチスクリーンセンサの例を使用すると、駆動電極は、基板の一方の側の行に延在してもよく、検知電極は、基板の他方の側の列に延在してもよく、N×Mノードの「マトリクス」アレイを画定するようにする。各ノードは、駆動電極の導電線と検知電極の導電線との交点に対応する。駆動電極は、所与の行内のノードの全てを同時に駆動し、検知電極は、所与の列内のノードの全てを検知する。ノ駆動電極と検知電極の静電容量結合(相互静電容量)、又は検知電極とグラウンドの結合(自己静電容量)は、ノード位置で、タッチイベントを示す静電容量変化に応答して、別個に測定されてもよく、又は両方とも測定され得る。例えば、駆動信号が行2の駆動電極に印加され、列3の検知電極がアクティブである場合、ノード位置は、行2、列3である。ノードは、駆動電極及び検知電極の異なる組み合わせを介して順序付けることによって走査され得る。あるモードでは、駆動電極は、検知電極が全て連続的に監視されている間に順次駆動されてよい。別のモードでは、各検知電極が順次サンプリングされてもよい。
【0030】
非限定的な例として、タッチプロセッサ及びタッチ取得回路は、マイクロコントローラ、デジタル論理回路、及び/又は構成可能な状態機械であってもよく、これは、駆動電極を制御し、タッチセンサで静電容量効果を分析するように構成されてもよい(例えば、チャネル静電容量及び/又は絶対チャネル静電容量の測定された変化から検出されるが、それらに限定されない)。マイクロコントローラを含む集積回路(IC)パッケージは、ホストと通信するための入力及び出力ピン、並びに、様々な実施形態に関連して、本明細書に記載されるものを含む、技術及び動作を実行するファームウェアを提供し得る。本開示の様々な実施形態とともに使用され得るマイクロコントローラの例としては、周辺インターフェースマイクロコントローラ、ARMベースのマイクロコントローラ、並びにAVR-8及び32ビットマイクロコントローラが挙げられる。
【0031】
自己キャップ型センサは、電気磁気干渉(EMI)の供給源からタッチセンサを隔離するために、「接地遮蔽」を用いて実装され、電界整形を介してタッチセンサに指向性を提供する(すなわち、後側のアクティブ化を防止する)場合がある。構造的に接地遮蔽は、電極から発する電界を収容するために、電極の背後又は周囲に接地遮蔽(典型的には接地された導電性材料)を位置決めすることを伴う。
【0032】
接地遮蔽は、低感度、すなわち、表面に近い物体に応答する必要性を必要とするタッチセンサ用途には、接地遮蔽が使用される場合がある。より具体的には、一般に、接地遮蔽は、例えば、誘電体オーバーレイに近接するように、発する電界を含むことによって感度を低減する。別の言い方をすれば、接地遮蔽は電界の突出を低減し、近接が検出され得る距離の範囲(例えば、オーバーレイからの)を低減する。本明細書では、電界の突出を低減することは、電界の「強度」を低減することと呼ばれることもある。電界を収容することにより、望ましくない近接検出、すなわち、許容可能な距離よりもタッチセンサから遠く離れた検出(典型的には、特定用途に対する要件に基づいて定義される、許容可能な)よりも遠く離れた検出を低減することができる。接地遮蔽は、電界の突出を低減(かつ電界の強度を低減させる)させることにより、近接検出が経験され得る距離の範囲を低減する。
【0033】
しかしながら、接地遮蔽センサは、タッチセンサ上の水分などの異物から無効なタッチを依然として検出することができる。更なる説明として、少なくとも2つの静電容量結合は、接地遮蔽を実装する自己キャップ型センサで発生することが知られている。第1の静電容量結合は、アース戻りであり、自己キャップ型測定における静電容量変化を検出するために典型的に使用される、アースへの電極(「自由空間」とも呼ばれる)経路である。第2の静電容量結合は接地戻りと呼ばれ、接地経路への接地遮蔽への電極である。しかしながら、水分は、アース戻り経路のための静電容量結合を作成しないが、接地戻り経路の静電容量結合を作成することができ、電荷は第2の経路を引き下げてもよく、そのため、タッチプロセッサには、水分を指から区別することができない。換言すれば、無効タッチは、タッチセンサ上の水分に基づいて検出されてもよい。そのため、接地遮蔽センサは、突出の低減及び近接効果の低減(例えば、望ましくない近接検出)の利点を有するが、センサ上に水分があるときに無効タッチを検出しやすい。
【0034】
自己キャップ型センサは、電気磁気干渉(EMI)の供給源からタッチセンサを隔離するために「駆動遮蔽」を用いて実装され、タッチセンサに指向性を提供し、及び/又は水分などの異物に対する許容性を改善する。駆動遮蔽の典型的な例は、全ての他の電極又はセンサの隣接電極のサブセットのための電極電圧電位を連続的に追跡し(すなわち、同じ電位に駆動し)、電極を検知し、駆動するように、アクティブな電極の背後又は周囲にアクティブな遮蔽(すなわち、導電性材料)を組み込むことである。駆動遮蔽技術の効果は、センサから水分への遮蔽への静電容量結合が全くないか、又は非常にわずかであり、そのため、水分はタッチとして検出されないことである。センサ上に水分が存在する間のタッチの場合、センサによって生成された全ての利用可能なフィールドが指に結合されていない場合には、センサへの影響を増加させ、それによって感度及び信号対雑音比(SNR)を増加させる。特に、タッチセンサの周囲の電界は、更に突出することができ、近接センサ(すなわち、センサに近接しているがセンサに物理的に接触していない物体に対するタッチを検出するセンサ)の設計を可能にする。しかしながら、電界の増加した突出は、特に高感度用途において、意図しない近接検出を引き起こす場合がある。
【0035】
図1A図1B、及び図1Cは、例示的なタッチセンサから発する電界を示す。図1Aは、絶縁センサ(すなわち、遮蔽が実装されていない)を示し、図1Bは、接地遮蔽センサを示し、図1Cは駆動遮蔽センサを示す。図1A図1B、及び図1Cの各々において、電界及びそれらの指向性は、タッチセンサから来る実線矢印によって示されている。電界の強度は、多数の矢印で示されているため、センサ102から発する電界103(図1B)は、センサ100から発する電界101(図1A)及びセンサ104から発する電界105(図1C)の両方よりも弱い。
【0036】
本開示の発明者らは、接地遮蔽技術及び駆動遮蔽技術のいずれも単独では、高感度、電界突出の低減、及び水分除去を必要とする用途に好適ではないことを理解する。本開示の発明者らは、近接検出除去及び水分除去を必要とする高感度用途を含む、多くの用途に使用され得るタッチプロセッサの必要性を理解する。
【0037】
したがって、本開示の1つ以上の実施形態は、概して、二重タッチ測定検知技術に関し、より具体的には、タッチを検出するための水分除去技術とともに近接除去技術を使用することに関する。一実施形態では、第1の測定は、(i)駆動遮蔽自己キャップ型測定(本明細書では、「駆動遮蔽自己キャップ型モード」とも呼ばれる)を使用すること、又は(ii)遮蔽を接地し、次いで自己キャップ型測定(本明細書では、「接地遮蔽自己キャップ型モード」とも呼ばれる)を使用することのいずれかで実行され、次いで、駆動遮蔽自己キャップ型モード又は接地遮蔽自己キャップ型モードのうちの他方を使用して第2の測定が実行される。両方の測定がタッチを検出した場合、タッチが検出される。
【0038】
図2は、本開示の1つ以上の実施形態による、二重タッチ測定検知のためのプロセス200を示す。動作201では、駆動遮蔽自己キャップ型検知モードが有効にされる。駆動遮蔽自己キャップ型検知モードは、本明細書に記載される技術を含む駆動遮蔽を実装する自己キャップ型検知技術に関連付けられてもよい。動作202では、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作が実行される。動作203では、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果が判定される。検知結果は、例えば、検出されたタッチ又は検出されたタッチが検出されないことを示す値であってもよい。タッチ検出された検知結果の場合、タッチの場所も記憶されてもよい。例えば、タッチディスプレイの場合、動作202の間にタッチが検出されると、タッチが検出されたタッチディスプレイ上の物理的位置の座標に対応する位置情報を記憶することもできる。動作204では、接地遮蔽自己キャップ型検知モードが有効にされる。1つ以上の実施形態では、接地遮蔽自己キャップ型検知モードを有効にすることは、センサの遮蔽を接地し、自己キャップ型検知モードを有効にすることを含み得る。このような自己キャップ型検知モードは、駆動遮蔽を使用することを含まない自己キャップ型検知技術に関連付けられてもよい。動作205では、接地自己キャップ型検知動作が実行される。1つ以上の実施形態では、接地遮蔽自己キャップ型検知動作を実行することは、自己キャップ型検知技術を実行することを含み得る。動作206では、接地自己キャップ型検知動作の検知結果が判定される。検知結果は、検出されたタッチを示すか、又はタッチが検出されなかったことを示すことができ、タッチが検出された場合には、検出されたタッチに関連付けられた位置情報を含んでもよい。動作207では、第1の結果及び第2の結果に応答して、タッチ結果が判定される。一実施形態では、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果と、接地遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果との両方が検出されたタッチである場合、タッチ結果は検出されたタッチである。さらに、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果又は接地遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果のいずれかがタッチ検出されない場合、タッチ結果は検出されない。一実施形態では、タッチ結果は、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果と、接地遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果との両方が、同じ位置情報について検出されたタッチである場合、タッチ結果は検出されたタッチであり、駆動遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果又は接地遮蔽自己キャップ型検知動作の検知結果のいずれかが、同じ位置情報に対して検出されたタッチが検出されない場合、タッチ結果は検出されない。
【0039】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、二重測定検知技術用に構成された例示的なタッチインターフェースシステム300を示す。1つ以上の実施形態では、タッチインターフェースシステム300は、静電容量センサ301、取得回路302、及びタッチプロセッサ303を含み得る。タッチプロセッサ303は、概して、容量センサ301などのタッチセンサでのタッチを検出するように構成されてもよい。1つ以上の実施形態では、タッチプロセッサ303は、接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304及び駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305を含んでもよい。タッチプロセッサ303は、接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304及び駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305による結果(すなわち、タッチを検出する)に応答して、静電容量センサ301におけるタッチを検出するように構成されてもよい。
【0040】
接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304は、概して、本明細書に記載されるものを含む、1つ以上の接地遮蔽自己キャップ型検知技術を実行するように構成されてもよい。駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305は、概して、本明細書に記載されるものを含む1つ以上の駆動遮蔽自己キャップ型検知技術を実行するように構成されてもよい。接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304及び駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305のみが図3に示されているが、タッチプロセッサ303が他の容量検知技術を実行するように構成され得ることが具体的に企図される。例として、タッチプロセッサ303は、相互容量検知動作を実行するための相互キャップ検知モジュールを含んでもよく、二重測定検知技術を使用して、相互容量検知モジュールの結果を確認することができ、例えば、相互容量検知を使用してタッチの検出を確認することができる。
【0041】
図4A図4B図5A、及び図5Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、例えば、タッチ検知回路などの二重測定検知動作を示す。図4A及び図4Bは、タッチセンサの電極の有効なタッチ及び水なしの、例示的な二重測定検知動作を示す。図5A及び図5Bは、指による有効なタッチを用いた例示的な二重測定検知動作を示す。
【0042】
図4A及び図4Bに示される実施形態では、タッチ検知回路システム400は、タッチセンサ401及びタッチセンサ401に動作可能に結合されたタッチコントローラ405を含む。1つ以上の実施形態では、タッチセンサ401は、導電性構造体404、基板材料402、並びに後部導電性材料403A及び前部導電性材料403Bを含む。基板材料402は、例えば、プリント回路基板(PCB)材料(例えば、限定するものではないが、FR4、CEM-1、Polyamite、及びKapton)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートなどのアクリル、及び/又はガラスなどの、低損失基板を含む、任意の絶縁材料であってもよい。
【0043】
1つ以上の実施形態では、導電性構造体404は、例えば、基板材料402に導電性充填によって形成された電極であってもよい。導電性構造体404は、例えば、銅、炭素、銀インク、Orgacon(商標)、酸化インジウムスズ(ITO)コーティングガラス、及び/又はRC時定数が制御され得るように、実質的に1kΩ/sqの抵抗率を特徴とする好適な導電性材料であってもよい。
【0044】
1つ以上の実施形態では、後部導電性材料403A及び前部導電性材料403Bは、基板材料402の対向する側面に配設されてもよい。後部及び/又は前部導電性材料403A及び/又は403Bは、平行平面内に延在してもよい。1つ以上の実施形態では、基板材料402の両側部に配設された追加の導電性材料が存在し得る。後部導電性材料403A及び前部導電性材料403Bは、そのような追加の側部材料と接合又は連続してもよい。
【0045】
1つ以上の実施形態では、導電性構造体404から突出する電界の指向性を促進するために、後部導電性材料403Aは、基板材料402及び導電性構造体404に対して配置されてもよい。一実施形態では、後部導電性材料403Aは、導電性構造体404から突出する電界が、後部導電性材料403Aと反対の方向においてより遠くに突出するように、又は換言すれば、後部導電性材料403Aが、導電性構造体404からの電界の突起を、タッチセンサ401の表面から後部導電性材料403Aに向かう方向にブロックする(又は低減する)ように、導電性構造体404と反対である基板材料402の底面と同一平面上に位置決めされてもよい。
【0046】
1つ以上の実施形態では、前面導電性材料403Bは、指向性を更に提供するように、及び/又はタッチセンサ401を他の近くのセンサ若しくは電子機器から隔離するために、基板材料402に対して配置されてもよい。前部導電性材料403Bは、導電性構造体/電極404からの電界の突出を促進するために、1つ以上の開口部(図4A及び図4Bに示されるが、標識されていない)を画定することができる。
【0047】
1つ以上の実施形態では、タッチコントローラ405は、概して、本開示の1つ以上の実施形態による二重測定技術を実行するように構成されてもよい。例として、タッチコントローラ405は、図3に示すように、タッチプロセッサ303、接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304、及び駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305を実装してもよい。図4A図4Bに示される実施例では、タッチコントローラ405は、1つ以上の導電線によってタッチセンサ401に動作可能に結合され、より具体的には、タッチコントローラ405は、検知線407によって導電性構造体/電極404に動作可能に結合され、遮蔽線406によって導電性材料403A、403Bに動作可能に結合される。
【0048】
図4Aは、水分420が導電性構造体/電極404に存在し、水分420と導電性材料403A、403Bとの間に静電容量結合421が存在する間の、二重測定検知動作の第1の測定中のタッチ検知回路システム400を示す。図4A及び図4Bを参照して説明した実施形態では、第1の測定は駆動遮蔽自己キャップ型測定であり、第2の測定は接地自己キャップ型測定であるが、本開示の実施形態は、駆動遮蔽自己キャップ型測定及び接地遮蔽自己キャップ型測定が特定の順序で実行される必要はない。そのため、第1の測定中、タッチコントローラ405は、導電性材料403A、403Bに駆動遮蔽信号409を供給し、導電性材料403A、403Bに駆動遮蔽電圧を有させる。
【0049】
一実施形態では、タッチコントローラ405は、駆動遮蔽信号409を導電性構造体/電極404の1つ以上の測定信号410に同期する(すなわち、電位を追跡する)。測定信号410は、タッチセンサ401の静電容量の変化を示し、検知線407を介して受信され、タッチコントローラ405によって記憶される。駆動遮蔽信号409のため、静電容量結合421はブロックされるか、又は少なくとも自己キャップ型測定に寄与しないため、導電性構造体/電極404における水分420によるタッチコントローラ405によるタッチは検出されない。
【0050】
特に、駆動遮蔽を供給するために、近くのセンサに関する電圧を追跡するための追加の信号線もまた、タッチ検知回路システム400内に含まれてもよい(図5A及び図5B)が、単に明瞭性を改善するためにこの説明では省略されている。
【0051】
図4Bは、水分420が導電性構造体/電極404に存在し、水分420と導電性材料403A、403Bとの間に静電容量結合421が存在する間の、二重測定検知動作の第2の測定中のタッチ検知回路システム400を示す。第2の測定は、接地自己キャップ型遮蔽測定であり、そのため、タッチコントローラ405は、遮蔽線406を介して導電性材料403A、403Bに、接地電圧411を供給し、導電性材料403A、403Bに、グラウンドに等しい電位を有させる。測定は、検知線407を介して受信され、タッチコントローラ405によって記憶された測定信号410に応答して行われる。ここで、静電容量結合421は、既に説明した理由のために、タッチコントローラ405によるタッチとして検出される。そのため、接地遮蔽自己キャップ型測定の結果は、無効タッチの検出である。
【0052】
タッチコントローラ405が両方の測定を完了すると、タッチコントローラ405はその後、タッチが発生したかどうかを判定する。この実施例では、駆動遮蔽自己キャップ型測定によってタッチが検出されず、接地自己キャップ型測定によってタッチが検出されるため、2つの測定の結果が同じではないので、タッチコントローラ405の二重測定論理は、タッチが発生していないと判定し、タッチコントローラ405はタッチを検出しない。
【0053】
図5A及び図5Bは、指422がタッチセンサ401に接触している二重測定検知動作中のタッチ検知回路システム400を示す。特に、自己キャップ型駆動遮蔽測定及び接地遮蔽自己キャップ型測定の両方に対してタッチが検出されるため、タッチコントローラ405はタッチを検出し、この場合、それは有効なタッチである。
【0054】
タッチコントローラ405がマイクロコントローラとして実装される実施形態では、検知線407及び遮蔽線406のうちの1つ以上は、マイクロコントローラの汎用入力/出力(GPIO)ピン又は周辺入力/出力(I/O)ピンに動作可能に結合されてもよく、接地遮蔽自己キャップ型検知モジュール304及び駆動遮蔽自己キャップ型モジュール305はマイクロコントローラのファームウェアに実装されてもよい。一実施形態では、タッチコントローラ405は、GPIOピンに接地信号を供給するための内部回路を含んでもよく、そのため、そのような内部回路を使用して、導電性材料403A、403Bに、接地電圧を供給することができる。
【0055】
本開示の1つ以上の実施形態は、概して、低感度及び高感度用途のための二重測定検知のためのタッチプロセッサを較正する方法に関する。駆動遮蔽自己キャップ型測定及び接地遮蔽自己キャップ型測定は、様々な条件下で実行され、いくつかの条件は高感度を必要とし、いくつかの条件はより低い感度を必要とし、いずれについても水分がある場合とない場合がある。静電容量結合の強度は電荷転送のためのデルタカウントに比例するため、デルタカウントを使用して、タッチを検出するための閾値又は閾値範囲を判定することができる。
【0056】
図6は、自己キャップ型アース測定(すなわち、接地自己キャップ型測定)及び駆動遮蔽自己キャップ型測定のためのデルタカウントのグラフ600を示す。各々について、タッチセンサ上方の前部パネル層と直接物理的に接触しているグローブ、軽いグローブ、及び重いグローブを使用して、試験測定を行った。試験測定はまた、素手の指(すなわち、グローブなし)を使用して、タッチセンサから3mm及び5mmで行われた。この実施例では、3mm及び5mmは、タッチセンサ上方の前部パネル層(複数可)の外面から測定される。
【0057】
図6に示す実施例では、グローブなし、軽いグローブ、及び重いグローブが十分に強い静電容量結合を有するが、3mm及び5mmの静電容量結合は、線603によって定義される閾値未満であるため、線603は接地自己キャップ型測定の検出閾値として選択される。グローブなし、軽いグローブ、及び重いグローブが十分な静電容量結合を有し、5mmの静電容量結合は、線604によって定義される閾値未満であるため、線604は接地遮蔽自己キャップ型測定の検出閾値として選択される。3mm近接している間に、タッチは駆動遮蔽自己キャップ型測定によって検出され、接地遮蔽自己キャップ型測定によって検出されないため、開示される実施形態による二重測定によって検出されない。
【0058】
二重測定のためのタッチプロセッサを較正するためのいくつかの実施形態では、いくつかの自己キャップ型測定は、情報の目的のために使用されてもよいか、又は全く行われなくてもよい。二重測定のためのタッチプロセッサを較正するための他の実施形態では(例えば、電界の突出が懸念の少ない場合)、試験測定を行った後に、二重測定のうちの1つの接地自己キャップ型測定又は自己キャップ型測定を使用するかどうかの判定を行うことができる。
【0059】
閾値603及び604が選択されると、それらは、タッチプロセッサ(例えば、図3のタッチプロセッサ303)に記憶され、それぞれ、接地自己キャップ型測定及び駆動遮蔽自己キャップ型測定のためのタッチを検出するために使用されてもよい。
【0060】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、例示的な二重タッチ測定検知のタイミング図を示す。図7には、遮蔽線701、アクティブな検知線702、他の検知線703、及びタッチ出力704での電圧レベルが示されている。電圧レベルは、二重タッチ測定検知動作の3つの位相:自己キャップ型遮蔽検出位相705、接地自己キャップ型検知位相706、及び処理後位相707に関して示されている。この実施例では、位相705及び706それぞれの間、アクティブな検知線702で測定された708及び709における電圧レベルの変化は、タッチセンサにおける接触を示す。自己キャップ型遮蔽検出位相705の間、遮蔽線701及び他の検知線703は、測定値が取得されている間に、アクティブな検知線702に一致する信号で駆動される。接地自己キャップ型検知位相706の間、遮蔽線701はグラウンドに駆動され、他の検知線703はグラウンド又はVddに駆動される(図7の例では、Vddに駆動される)。処理後位相707の間、タッチを検出するために位相705及び706の間に行われた測定を分析し(図示せず)、タッチ出力704を高電圧レベル710に駆動して、タッチが検出されたことを示す。
【0061】
本明細書における機能説明の多くは、それらの実装独立性をより具体的に強調するために、モジュール、スレッド、ステップ又はファームウェアを含むプログラミングコードの他のセグリゲーションとして図示、説明、又は標識化されてもよい。モジュールは、ある形態又は別の形態で、少なくとも部分的にハードウェアに実装されてよい。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイ、ロジックチップ、トランジスタ、又は他の別個の構成要素などの既製の半導体を含むハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイスなどプログラマブルハードウェアデバイスに実装されてもよい。
【0062】
モジュールはまた、様々な種類のプロセッサによる実行のために、物理記憶デバイス(例えば、コンピュータ可読記憶媒体)、メモリ、又はそれらの組み合わせに記憶されたソフトウェア又はファームウェアを使用して実装されてよい。
【0063】
実行可能コードの識別されたモジュールは、例えば、例えば、スレッド、オブジェクト、プロシージャ、又は関数として編成され得るコンピュータ命令の1つ以上の物理ブロック又は論理ブロックを含んでよい。それにもかかわらず、実行可能な識別されたモジュールは、物理的に一緒に位置付けられる必要はないが、論理的に一緒に結合されたときにモジュールを含み、モジュールの規定の目的を達成する、異なる位置に記憶された異なる命令を含んでよい。
【0064】
実際に、実行可能コードのモジュールは、単一の命令、又は多くの命令であってよく、異なるプログラムの間のいくつかの異なるコードセグメントにわたって、またいくつかの記憶装置又はメモリデバイスにわたって分散されてよい。同様に、動作データは、モジュール内で識別され、本明細書に例示されてよく、任意の好適な形態で具現化され、任意の好適な種類のデータ構造内で編成されてよい。動作データは、単一のデータセットとして収集されてよい、又は異なる記憶装置にわたってなど異なる場所に分散されてよく、少なくとも部分的には、単にシステム又はネットワーク上の電子信号として存在してよい。モジュール又はモジュールの一部がソフトウェアに実装される場合、このソフトウェア部分は、本明細書でコンピュータ可読媒体と称される1つ以上の物理デバイスに記憶される。
【0065】
いくつかの実施形態では、このソフトウェア部分は、このソフトウェア部分又はその表現がある期間にわたって同一の物理的位置に存続するように、非一時的状態で記憶される。さらに、いくつかの実施形態では、このソフトウェア部分は、非一時的状態及び/又はこのソフトウェア部分を表す信号を記憶できるハードウェア要素を含む1つ以上の非一時的記憶デバイスに記憶される。ただし、非一時的記憶装置の他の部分は、信号の変更及び/又は送信を実行し得る。非一時的記憶デバイスの例としては、フラッシュメモリ及びランダムアクセスメモリ(random-access-memory、RAM)が挙げられる。非一時的記憶デバイスの別の例としては、ある期間にわたって、このソフトウェア部分を表す信号及び/又は状態を記憶できるリードオンリーメモリ(read-only memory、ROM)が挙げられる。しかしながら、信号及び/又は状態を記憶する能力は、記憶された信号及び/又は状態と同一である、又はこれらを表す信号を送信する更なる機能によって低下しない。例えば、プロセッサは、対応するソフトウェア命令を実行するために、ROMにアクセスして記憶された信号及び/又は状態を表す信号を取得し得る。
【0066】
水分除去及び近接除去は、1つ以上の実施形態に関連して説明されているが、このような説明は、100%水分除去及び/又は100%近接除去を必要とすることを意味するものではない。換言すれば、本開示は、100%未満の水分除去及び100%未満の近接除去、並びにその法的等価物を含む、水分除去及び近接除去許容差の範囲を有する実施形態を包含する。
【0067】
本開示において、「典型的な」、「従来の」、又は「既知の」とされるものの特徴評価は、先行技術で開示されていること、又は前述の態様が先行技術で認識されていることを必ずしも意味しない。関連分野において、広く知られているか、十分理解されているか、又は日常的に使用されていることを必ずしも意味しない。
【0068】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物とともに特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。
【0069】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
【0070】
実施形態1:静電容量検知回路であって、該静電容量検知回路は、電極及び電極の遮蔽を含むセンサであって、該センサにおける又は該センサの付近の静電容量変化に応答して、測定可能な信号を生成するように構成された、センサと、前記測定可能な信号を使用して実行された静電容量検知測定に応答してタッチを検出するように構成されたタッチコントローラであって、前記静電容量検知測定は、前記センサの前記遮蔽の少なくとも一部に駆動遮蔽信号を供給することを含む、駆動遮蔽自己静電容量検知測定、及び、前記センサの前記遮蔽の少なくとも一部に接地信号を供給すること、並びに自己静電容量検知測定を実行することを含む、接地遮蔽自己静電容量検知測定、を含む、タッチコントローラと、を含む、静電容量検知回路。
【0071】
実施形態2:前記電極の前記遮蔽の第1の遮蔽は、後部導電性材料と、
前部導電性材料と、を含み、前記後部導電性材料及び前記前部導電性材料は、平行平面内に延在する、実施形態1に記載の回路。
【0072】
実施形態3:前記第1の遮蔽は、前記後部導電性材料及び前記前部導電性材料の両側部に配設された導電性材料を更に含む、実施形態1又は2に記載の回路。
【0073】
実施形態4:前記第1の遮蔽は、前記電極から突出する電界の指向性を促進するように前記電極に対して配置される、実施形態1~3のいずれか1つに記載の回路。
【0074】
実施形態5:前記遮蔽は、前記電極から突出する電界が、前記第1の方向において、第1の方向と実質的に反対である第2の方向よりも遠くに延在するように、前記電極に対して配置される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の回路。
【0075】
実施形態6:前記タッチコントローラは、前記駆動遮蔽自己静電容量検知測定及び前記接地遮蔽自己静電容量検知測定に応答して、タッチを示す信号を供給するように構成される、実施形態1~5のいずれか1つに記載の回路。
【0076】
実施形態7:前記タッチコントローラは、前記センサの前記遮蔽の前記少なくとも一部に動作可能に結合された遮蔽線に、前記駆動遮蔽信号を供給することと、センサの非アクティブな検知線に、駆動遮蔽信号を供給することと、前記センサのアクティブな検知線で第1の測定可能な信号を測定することと、を行うように構成される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の回路。
【0077】
実施形態8:前記タッチコントローラは、前記アクティブな検知線で前記第1の測定可能な信号を測定することに続いて、前記遮蔽線に接地信号を供給することと、前記センサの前記非アクティブな検知線に接地又は供給電圧信号を供給することと、前記センサの前記アクティブな検知線で第2の測定可能な信号を測定することと、を行うように構成される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の回路。
【0078】
実施形態9:タッチプロセッサであって、該タッチプロセッサは、タッチセンサの電極の遮蔽に接地信号を供給した後に、自己静電容量検知測定を実行するように構成された接地遮蔽自己静電容量検知モジュールと、前記タッチセンサの前記電極の前記遮蔽に駆動遮蔽を供給しながら、自己静電容量検知測定を実行するように構成された駆動遮蔽自己静電容量検知モジュールと、を備える、タッチプロセッサ。
【0079】
実施形態10:前記接地遮蔽自己静電容量検知モジュールは、第1の閾値よりも大きい第1の測定値に応答して、第1のタッチを検出するように構成され、前記駆動遮蔽自己静電容量検知モジュールは、第2の閾値よりも大きい第2の測定値に応答して、第2のタッチを検出するように構成され、前記タッチプロセッサは、前記検出された第1のタッチ及び前記検出された第2のタッチに応答してタッチを報告するように構成されている、実施形態9に記載のタッチプロセッサ。
【0080】
実施形態11:前記第1の閾値は、近接タッチに対する感受性を低減するように選択され、前記第2の閾値は、水分タッチに対する感受性を低減するように選択されている、実施形態9又は10に記載のタッチプロセッサ。
【0081】
実施形態12:前記プロセッサは、タッチを検出する前記接地遮蔽自己静電容量検知モジュール及び前記自己静電容量遮蔽検知モジュールのうちの一方、並びにタッチを検出しない他方に応答して、タッチを報告しないように構成される、実施形態9~11のいずれか1つに記載のタッチプロセッサ。
【0082】
実施形態13:二重測定検知方法であって、駆動遮蔽自己静電容量検知動作を実行するステップと、前記実行された駆動遮蔽自己静電容量検知動作に応答して第1の検知結果を判定するステップと、前記接地遮蔽自己静電容量検知動作を実行するステップと、前記実行された接地遮蔽自己静電容量検知動作に応答して第2の検知結果を判定するステップと、前記第1の検知結果及び前記第2の検知結果に応答してタッチ結果を判定するステップと、を含む、二重測定検知方法。
【0083】
実施形態14:前記第1の検知結果を前記判定するステップは、前記実行された駆動遮蔽自己静電容量検知動作に応答して取得された第1の測定値を受信するステップと、前記第1の測定値を第1の閾値と比較するステップと、前記第1の測定値に応答して前記第1の検知結果を判定するステップと、を含む、実施形態13に記載の方法。
【0084】
実施形態15:前記第2の検知結果を前記判定するステップは、前記実行された接地遮蔽自己静電容量検知動作に応答して取得された第2の測定値を受信するステップと、前記第2の測定値を第2の閾値と比較するステップと、前記第2の測定値に応答して前記第2の検知結果を判定するステップと、を含む、実施例13又は14に記載の方法。
【0085】
実施形態16:前記タッチ結果を前記判定するステップは、いずれもタッチに対応する前記第1の検知結果及び前記第2の検知結果に応答して、タッチを検出するステップを含む、実施形態13~15のいずれか1つに記載の方法。
【0086】
実施形態17:静電容量検知システムであって、電極及び検知線を備えたセンサと、前記検知線に動作可能に結合された取得回路と、該取得回路及び前記センサに動作可能に結合されたタッチプロセッサであって、第1の静電容量検知測定及び第2の静電容量検知測定に応答してタッチを検出するように構成された、タッチプロセッサと、を備え、前記第1及び第2の静電容量検知測定のうちの一方は、水分耐性を特徴とし、前記第1及び第2の静電容量検知測定のうちの他方は、近接検出許容性を特徴とする、静電容量検知システム。
【0087】
実施形態18:水分耐性を特徴とする前記第1及び前記第2の静電容量検知測定のうちの一方は、駆動遮蔽静電容量検知測定である、実施形態17に記載のシステム。
【0088】
実施形態19:近接寛容性を特徴とする前記第1及び前記第2の静電容量検知測定のうちの一方は、接地遮蔽静電容量検知測定である、実施形態17又は18に記載のシステム。
【0089】
実施形態20:前記センサは、前記電極から突出する電界の指向性を促進するように配置された遮蔽を更に含む、実施形態17~19のいずれか1つに記載のシステム。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7