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特許7449970流体の流方向を制御する装置及びその装置の作動方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】流体の流方向を制御する装置及びその装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/015 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
A61B1/015 511
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022046271
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2018561245の分割
【原出願日】2017-02-22
(65)【公開番号】P2022075891
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】62/340,121
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515308028
【氏名又は名称】エンドチョイス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENDOCHOICE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アイゼンフェルド、アムラム
(72)【発明者】
【氏名】サルマン、ゴラン
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ、ハダル
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特許第7046837(JP,B2)
【文献】特表2009-536552(JP,A)
【文献】特開2002-238906(JP,A)
【文献】特開平11-244221(JP,A)
【文献】特開平06-142029(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198696(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0005581(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置の外部の流体源から当該医療装置への流体の流方向を制御する装置であって、
流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとを備えるチューブと、
前記チューブに接続されたポンプであって、前記流体源からの流体を、前記チューブにおける前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとの少なくとも1つに導くように適合された、前記ポンプと、
前記ポンプを始動させるコントローラであって、当該コントローラの第1の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第1の組合せに導くように構成され、当該コントローラの第2の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第2の組合せに導くように構成される、前記コントローラと、
医療装置であって、当該医療装置の遠位先端に位置する第1の開口と当該医療装置の遠位先端に位置する第2の開口とを備える、前記医療装置と、
を備え、
前記流体路の第1の組合せは、流体を前記第1の開口に供給するように構成されており、
前記流体路の第2の組合せは、流体を前記第1の開口と前記第2の開口に供給するように構成されており、
前記ポンプは、当該コントローラの第1の始動時に前記流体路の第1の組合せを介して第1の方向に流体を導くように構成されており、前記ポンプは、当該コントローラの第2の始動時に前記流体路の第2の組合せを介して第2の方向に流体を導くように構成されており、前記第1の方向は前記第2の方向と逆方向である、装置。
【請求項2】
前記ポンプが蠕動ポンプである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラを制御するトリガをさらに備え、前記トリガは、ボタンを備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、前記ボタンを2度押すと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラを制御するトリガをさらに備え、前記トリガは、レバーを備え、前記レバーは、当該レバーを引くと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、当該レバーを押すと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラを制御するトリガをさらに備え、前記トリガは、ペダルを備え、前記ペダルは、当該ペダルを踏むと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、当該ペダルを2度踏むと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとは、前記チューブ内に共に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の開口は、前記医療装置の遠位先端における前方開口である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の開口は、前記医療装置の遠位先端における側方開口である、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
医療装置の外部の流体源から当該医療装置への流体の流方向を制御する装置であって、
流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとを備えるチューブと、
前記チューブに接続されたポンプであって、前記流体源からの流体を、前記チューブにおける前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとの少なくとも1つに導くように適合された、前記ポンプと、
前記ポンプを始動させるコントローラであって、当該コントローラの第1の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第1の組合せに導くように構成され、当該コントローラの第2の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第2の組合せに導くように構成される、前記コントローラと、
医療装置であって、当該医療装置の遠位先端に位置する第1の開口と当該医療装置の遠位先端に位置する第2の開口とを備える、前記医療装置と、
を備え、
前記流体路の第1の組合せは、流体を前記第1の開口に供給するように構成されており、
前記流体路の第2の組合せは、流体を前記第1の開口と前記第2の開口に供給するように構成されており、
前記ポンプは、当該コントローラの第1の始動時に前記流体路の第1の組合せを介して第1の方向に流体を導くように構成されており、前記ポンプは、当該コントローラの第2の始動時に前記流体路の第2の組合せを介して第2の方向に流体を導くように構成されており、前記第1の方向は前記第2の方向と異なり、
前記流体源と前記ポンプとの間に配置された第1の流体路内の第1の逆止弁と、
前記流体源と前記ポンプとの間に配置された第2の流体路内の第2の逆止弁と、
をさらに備え、前記第1の流体路は、前記第2の流体路から分離している、装置。
【請求項10】
前記第1の流体路は、前記流体路の第1の組合せと流体連通しており、
前記第2の流体路は、前記流体路の第2の組合せと流体連通しており、
前記第1の流体路は、前記流体路の第2の組合せとは流体連通しておらず、
前記第2の流体路は、前記流体路の第1の組合せとは流体連通していない、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
コントローラと、前記コントローラを制御するトリガとを備えた医療装置の作動方法であって、
前記トリガがユーザ入力を受けるステップと、
前記コントローラが、前記ユーザ入力に基づき、チューブに接続されたポンプを始動するステップであって、前記ポンプの第1の始動時に前記ポンプが流体を前記医療装置の外部の流体源から流体路の第1の組合せへの第1の方向に流すようにし、前記ポンプの第2の始動時に前記ポンプが流体を前記流体源から流体路の第2の組合せへの第2の方向に流すようにし、前記第1の方向は前記第2の方向と逆方向である、ステップと、
を備え、
前記流体路の第1の組合せは、前記医療装置の遠位先端に位置する第1の開口に流体を供給するように構成されており、
前記流体路の第2の組合せは、前記第1の開口と前記医療装置の遠位先端に位置する第2の開口とに流体を供給するように構成されている、作動方法。
【請求項12】
前記ポンプが蠕動ポンプである、請求項11に記載の作動方法。
【請求項13】
前記トリガは、ボタンを備え、前記ボタンを一度押すと前記ポンプの前記第1の始動を可能にし、前記ボタンを2度押すと前記ポンプの前記第2の始動を可能にする、請求項11に記載の作動方法。
【請求項14】
前記トリガは、レバーを備え、前記レバーを引くと前記ポンプの前記第1の始動を可能にし、前記レバーを押すと前記ポンプの前記第2の始動を可能にする、請求項11に記載の作動方法。
【請求項15】
前記トリガは、レバーを備え、前記レバーを1度引く又は押すと前記ポンプの前記第1の始動を可能にし、前記レバーを2度押す又は引くと前記ポンプの前記第2の始動を可能にする、請求項11に記載の作動方法。
【請求項16】
前記トリガは、ペダルを備え、前記ペダルを1度押すと前記ポンプの前記第1の始動が生じ、前記ペダルを2度押すと前記ポンプの前記第2の始動が生じる、請求項11に記載の作動方法。
【請求項17】
前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとは、前記チューブ内に共に配置される、請求項11に記載の作動方法。
【請求項18】
前記第1の開口は、前記医療装置の遠位先端における前方開口である、請求項11に記載の作動方法。
【請求項19】
前記第1の開口と前記第2の開口のそれぞれの中心長手軸は、前記医療装置の中心長手軸に対し相対的に傾斜している、請求項11に記載の作動方法。
【請求項20】
前記チューブは、前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとを備える、請求項11に記載の作動方法。
【請求項21】
医療装置の外部の流体源から当該医療装置への流体の流方向を制御する装置であって、
第1の流体路と第2の流体路とを備えるチューブと、
前記チューブに接続されたポンプであって、流体を前記流体源から前記チューブにおける前記第1の流体路と前記第2の流体路とに導くように適合された、前記ポンプと、
前記ポンプを始動させるコントローラであって、当該コントローラの第1の始動時に前記ポンプが流体を前記第1の流体路に導くように構成され、当該コントローラの第2の始動時に前記ポンプが流体を前記第2の流体路に導くように構成される、前記コントローラと、
第1の開口と第2の開口とを備える医療装置と、
を備え、
前記第1の流体路は、前記第1の開口に流体を供給するように構成されており、
前記第1の流体路は、前記ポンプを通して第1の方向に延びており、
前記第2の流体路は、前記第2の開口に流体を供給するように構成されており、
前記第2の流体路は、前記ポンプを通して、前記第1の方向とは逆方向の第2の方向に延びており、
前記第2の流体路は、前記医療装置の遠位前面に配置された開口と前記医療装置の遠位端に配置された複数の側方開口とに流体を供給するように構成されており、前記複数の側方開口のそれぞれの中心長手軸は、前記医療装置の中心長手軸に対し相対的に傾斜している、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、流体の流方向を制御する装置及びその装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、医師が患者の体内解剖学的構造を見られるようにしながら、患者の外傷を最小限にとどめて医療処置を行う手段を提供する。長年にわたり、膀胱鏡検査、結腸内視鏡検査、腹腔鏡検査、上部消化器内視鏡検査などの特定の用途に応じて多数の内視鏡が開発され、分類されてきた。内視鏡は、身体の天然の開口に、又は皮膚の切開を通じて挿入し得る。
【0003】
内視鏡は、通常、その遠位端にビデオカメラ又は光ファイバーレンズアセンブリを有する剛性又は可撓性の細長管状シャフトである。該シャフトは、患者の解剖学的構造を直接見ることができるように視覚素子を含み得るハンドルに接続される。異なる外科処置を行うために、様々な外科用器具が、内視鏡の作業路を通じて挿入され得る。
【0004】
現在使用されている結腸鏡や胃鏡などの内視鏡は、たとえば、結腸に見つかるポリープを除去するために、通常は、結腸などの臓器を見る前方カメラと、照明器と、カメラレンズを洗浄する流体注入器と、外科用器具を挿入するための作業路等とを有する。内視鏡は、それらが挿入される体腔(たとえば、結腸)を洗浄するための流体(「噴流」)注入器も有する場合が多い。
【0005】
体腔又は内視鏡の一部を迅速かつ効率的に洗浄するために、内視鏡先端の複数の流体注入器又は噴流開口へ、流体を同時及び多方向に供給することができる内視鏡が、当該技術分野において必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
以下の実施形態及びその側面は、システム、ツール、及び、方法と併せて説明及び図示されているが、それは例示的かつ説明的であって、範囲を限定するものではないと意図される。
【0007】
本明細書は、内視鏡の外部の流体源から、内視鏡の遠位端内に配置された複数の流体路への流体の流方向を制御する装置を開示しており、該装置は、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとを備えるチューブと、チューブに接続されたポンプであって、外部源からの流体を、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとの少なくとも1つに導くように適合されたポンプと、ポンプを作動させるコントローラであって、コントローラの第1の始動時にポンプが流体を流体路の第1の組合せに導くように構成され、コントローラの第2の始動時にポンプが流体を流体路の第2の組合せに導くように構成されるコントローラと、を備える。
【0008】
選択的に、ポンプは、蠕動ポンプである。
選択的に、装置は、コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、ユーザトリガは、ボタンを備え、ボタンは、当該ボタンを押すとコントローラの第1の始動が生じ、当該ボタンを2度押すとコントローラの第2の始動が生じるように構成される。
【0009】
選択的に、装置は、コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、ユーザトリガは、レバーを備え、レバーは、当該レバーを引くとコントローラの第1の始動が生じ、当該レバーを押すとコントローラの第2の始動が生じるように構成される。
【0010】
選択的に、装置は、コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、ユーザトリガは、ペダルを備え、ペダルは、当該ペダルを踏むとコントローラの第1の始動が生じ、当該ペダルを2度踏むとコントローラの第2の始動が生じるように構成される。
【0011】
選択的に、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとは、チューブ内に共に配置される。
流体路の第1の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口を通って開口する流体路を含み得る。
【0012】
流体路の第2の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口と、内視鏡の遠位端の少なくとも1つの側方噴流開口とを通って開口する流体路を含み得る。
選択的に、ポンプは、コントローラの第1の始動時に、流体路の第1の組合せを経由して第1の方向に流体を導き、コントローラの第2の始動時に、流体路の第2の組合せを経由して第2の方向に流体を導くように構成され、第1の方向は第2の方向と異なる。
【0013】
選択的に、装置は、外部源とポンプとの間に配置された第1の流体路内の第1の逆止弁と、外部源とポンプとの間に配置された第2の流体路内の第2の逆止弁とをさらに備え、第1の流体路は第2の流体路から分離している。選択的に、第1の流体路は、流体路の第1の組合せと流体連通し、第2の流体路は、流体路の第2の組合せと流体連通し、第1の流体路は、流体路の第2の組合せと流体連通しておらず、第2の流体路は、流体路の第1の組合せと流体連通していない。
【0014】
本明細書は、内視鏡の外部の流体源から内視鏡内に配置された複数の流体路への流体の流方向を制御する方法も開示しており、該方法は、ユーザ入力をトリガに受け取るステップと、トリガに基づき、コントローラを用いてチューブに接続されたポンプを始動するステップと、を含み、チューブは、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せを備え、ポンプは、ポンプの第1の始動時に、外部源から流体路の第1の組合せへの第1の方向に流体を流れさせ、ポンプの第2の始動時に、外部源から流体路の第2の組合せへの第2の方向に流体を流れさせる。
【0015】
選択的に、ポンプは、蠕動ポンプである。
選択的に、トリガは、ボタンを備え、ボタンを1度押すとポンプの第1の始動が可能になり、ボタンを2度押すとポンプの第2の始動が可能になる。
【0016】
選択的に、トリガは、レバーを備え、レバーを引くとポンプの第1の始動が可能になり、レバーを押すとポンプの第2の始動が可能になる。
選択的に、トリガは、レバーを備え、レバーを1度引く又は押すと、ポンプの第1の始動が可能になり、レバーを2度押す又は引くとポンプの第2の始動が可能になる。
【0017】
選択的に、トリガはペダルを備え、ペダルを1度押すとポンプの第1の始動が生じ、ペダルを2度押すとポンプの第2の始動が生じる。
選択的に、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せは、チューブ内に共に配置される。
【0018】
流体路の第1の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口を通って開口する流体路を含み得る。
流体路の第2の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口と、内視鏡の遠位端の少なくとも1つの側方噴流開口とを通って開口する流体路を含み得る。
【0019】
選択的に、ポンプは、ポンプの第1の始動時に、流体路の第1の組合せを経由して第1の方向に流体を導き、ポンプの第2の始動時に、第2の組合せの流体路を介して第2の方向に流体を導くように構成され、第1の方向は第2の方向と異なる。
【0020】
選択的に、第1の逆止弁は、外部源とポンプとの間に配置された第1の流体路に含まれ、第2の逆止弁は、外部源とポンプとの間に配置された第2の流体路に含まれ、第1の流体路は第2の流体路から分離されている。選択的に、第1の流体路は、流体路の第1の組合せと流体連通し、第2の流体路は、流体路の第2の組合せと流体連通し、第1の流体路は、流体路の第2の組合せと流体連通しておらず、第2の流体路は、流体路の第1の組合せと流体連通していない。
【0021】
本明細書は、内視鏡の外部の供給源から内視鏡内に配置された複数の流体路への流体の流方向を制御するためのシステムも開示しており、該システムは、外部源から少なくとも流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せへ流体を導くように構成されるポンプと、ポンプの始動システムであって、始動システムによる第1の始動時に、ポンプが流体を流体路の第1の組合せへ導き、始動システムによる第2の始動時に、ポンプが流体を流体路の第2の組合せへ導く始動システムと、マルチプル流体路に接続されて、第1の始動と第2の始動の間に流体流を制御する少なくとも1つの逆止弁と、を備える。
【0022】
選択的に、始動システムは、ボタンを備え、第1の始動は、ボタンを1度押すことを含み、第2の始動は、ボタンを2度押すことを含む。
選択的に、始動システムは、レバーを備え、第1の始動は、レバーを引くことを含み、第2の始動はレバーを押すことを含む。
【0023】
選択的に、始動システムは、ペダルを備え、第1の始動は、ペダルを1度押すことを含み、第2の始動は、ペダルを2度押すことを含む。
選択的に、ポンプは、蠕動ポンプである。
【0024】
選択的に、流体路の第1の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口を通って開口する流体路を備える。選択的に、流体路の第2の組合せは、内視鏡の遠位端の前方噴流開口と、内視鏡の遠位端の少なくとも1つの側方噴流開口とを通って開口する流体路を備える。
【0025】
選択的に、システムは、複数の内視鏡流体路を収容する少なくとも1つの内視鏡コネクタをさらに備える。選択的に、少なくとも1つの内視鏡コネクタは、内視鏡内に配置される。選択的に、少なくとも1つの内視鏡コネクタは、内視鏡の外部の主制御ユニット内に配置される。
【0026】
本明細書の前述の及び他の実施形態は、以下に提供される図面及び詳細な説明においてより深く記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、添付の図面に関連して検討される際、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されることになると認識されるであろう。
図1】本明細書の一実施形態による内視鏡アセンブリの先端部の分解図。
図2A】本明細書の一実施形態による内視鏡アセンブリの先端部の斜視図。
図2B】本明細書の一実施形態による内視鏡アセンブリの先端部の別の斜視図。
図3A】本明細書の一実施形態によるマルチ噴流内視鏡アセンブリの先端部の斜視図。
図3B図3Aのマルチ噴流内視鏡アセンブリの先端部の第1の側方斜視図。
図3C図3Aのマルチ噴流内視鏡アセンブリの先端部の第2の側方斜視図。
図3D図3Aのマルチ噴流内視鏡アセンブリの流体路コンポーネントの斜視図。
図4】従来技術において知られている例示的な主コネクタを示す図。
図5A】本明細書の一実施形態による、二方向噴流ポンプが単一配管チューブを通って主コネクタに流体を流すことができる実施形態を示す図。
図5B】本明細書の一実施形態による例示的な接続システムを示す図。
図5C】本明細書の一実施形態による、二方向噴流ポンプと内視鏡との間の接続を示すブロック図。
図5D】本明細書の一実施形態による二方向ポンプの例示的な動作を示す図。
図6】本明細書の一実施形態による、内視鏡の外部源から内視鏡内に配置された複数の流体路への流体の流方向を制御する例示的な方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一実施形態において、外部源から内視鏡内のマルチプル流体路の組合せへの流体の流れを制御するポンプが内視鏡に設けられており、該マルチプル流体路は、マルチ噴流内視鏡アセンブリの前方噴流開口に、又は前記前方噴流開口と少なくとも1つの側方噴流開口とに、流体を供給する。各種実施形態において、ポンプは、二方向ポンプであり、内視鏡の前方噴流開口への流体の制御も、前方噴流開口と側方噴流開口への流体の制御も可能である。各種実施形態において、本明細書の流体流制御システムは、2014年5月15日に出願された米国特許出願第14/278,293号の「2つの前方サービス路を有するマルチビュー素子内視鏡」に記載されるものと同様のマルチビュー素子内視鏡と共に動作することを意図され、該出願は引用により全文を本明細書に組み込む。
【0029】
本明細書は多数実施形態に関する。以下の開示は、当業者が本発明を実施できるように提供される。本明細書で使用される文言は、いずれかの特定の実施形態の一般的な否認として解釈されるべきではなく、また特許請求の範囲を、明細書内で使用される用語の意味を超えて限定するために使用されるべきでもない。本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用され得る。また、使用される用語及び表現は、例示的な実施形態を説明するためのものであり、限定的なものとみなされるべきではない。したがって、本発明には、開示された原理及び特徴に合致する多くの代替、変更、及び、均等物を含む最も広い範囲が与えられるべきである。明瞭化のため、本発明に関連する技術分野において既知である技術的材料に関する詳細は、本発明を不必要に不明瞭にしないように詳細には記載していない。本出願の説明及び特許請求の範囲において、「備える」、「含む」、「有する」という文言及びその形式は、それぞれ、必ずしもその文言が関連し得る列挙された構成要素に限定されない。
【0030】
本明細書では、特定の実施形態に関連して説明されるあらゆる特徴又は構成要素は、他に明白に示されない限り、いずれかの他の実施形態で使用及び実現され得ることに留意すべきである。
【0031】
ここで、各種実施形態による、少なくとも1つの前方作業/サービス路を備えるマルチビュー素子内視鏡アセンブリ100の先端部200の分解図である図1を参照する。いくつかの実施形態の一側面は、1つ以上の側方作業/サービス路を備えた先端部200を有する内視鏡アセンブリ100にも関する。
【0032】
本明細書で言及する「内視鏡」という用語は、いくつかの実施形態によれば、特に結腸鏡又は胃鏡を指す場合があるが、結腸鏡及び胃鏡に限定されないことに留意されたい。「内視鏡」という用語は、中空器官の内部又は体腔を検査するために使用されるあらゆる器具を指し得る。
【0033】
一実施形態によれば、内視鏡100の先端部200は、先端カバー300と、電子回路基板アセンブリ400と、流体路コンポーネント600とを含む。
いくつかの実施形態によれば、流体路コンポーネント600は、電子回路基板アセンブリ400とは別個の構成要素として構成され得る。この構成は、流体路コンポーネント600内に位置する流体路、すなわち、側方サービス路650といった少なくとも1つの側方サービス路と、作業/サービス路640といった少なくとも1つの前方作業/サービス路とを、電子回路基板アセンブリ400の領域に配置される可能性のある繊細な電子部品及び光学部品から分離するように適合させ得る。このように、先端部200のコンポーネント構造は、マルチプル流体路から複数の電子素子を効果的に絶縁することを可能にする。
【0034】
先端部200は、屈曲部、たとえば椎骨機構とも呼ばれる可撓性シャフトを介して方向転換可能であってもよい。
いくつかの実施形態において、電子回路基板アセンブリ400は、前方ビュー素子116と、前方ビュー素子116と類似の少なくとも1つの側方ビュー素子116bとを担持するように構成されており、限定されないが、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサなどのセンサを含み得る。加えて、電子回路基板アセンブリ400は、側方ビュー素子116bの反対側に配置される、前方ビュー素子116と同様の第2の側方ビュー素子を担持するように構成することができ、該第2の側方ビュー素子は、限定されるものではないが、電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサなどのセンサを含み得る。
【0035】
加えて、電子回路基板アセンブリ400は、一実施形態において、前方ビュー素子116に関連付けられ、前方ビュー素子116の視野をほぼ照らすように配置される前方照明器240a,240b,240cを担持するように構成され得る。
【0036】
加えて、電子回路基板アセンブリ400は、一実施形態において、側方ビュー素子116bに関連付けられ、側方ビュー素子116bの視野をほぼ照らすように配置される側方照明器250a,250bを担持するように構成され得る。また、電子回路基板アセンブリ400は、側方ビュー素子116bの反対側に配置される、側方照明器250a,250bと同様の側方照明器を担持するように構成することができ、該側方照明器は、第2の側方ビュー素子に関連付けられる。
【0037】
前方照明器240a,240b,240c及び側方照明器250a,250bは、なんらかの分離照明器であってもよく、発光ダイオード(LED)を含むことができ、この発光ダイオードは、白色LED、赤外線LED、近赤外線LED、紫外光LED、又はなんらかの他のLEDであってもよい。
【0038】
分離照明器についての「分離」という文言は、たとえば光ファイバのような遠隔で生成された光を単に伝送するだけの非分離照明器とは全く異なり、内部で光を生成する照明源を指す。
【0039】
次に、一実施形態による内視鏡アセンブリ100の先端部200の斜視図である図2A及び図2Bと共に図1を参照する。
先端カバー300は、電子回路基板アセンブリ400及び流体路コンポーネント600を含む先端部200の内側部分全体に嵌合し、内側部分の内部コンポーネントを保護するように構成され得る。
【0040】
先端カバー300は、前方視カメラ、すなわち前方ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256用の透明な表面、窓、又は開口を有する前方パネル320を含み得る。前方光学レンズアセンブリ256は固定又は可動の複数のレンズを含むことができ、90度以上、120度以上、又はほぼ最大180度の視野を提供し得る。前方光学レンズアセンブリ256は、約3ミリメートルから100ミリメートルの範囲の焦点距離を提供し得る。
【0041】
前方視カメラ、すなわち前方ビュー素子116の光軸は、内視鏡の長手寸法にほぼ沿って導かれる。しかしながら、前方ビュー素子116は、通常は、広角ビュー素子であるため、その視野は、光軸に対して広角度の視界を含み得る。加えて、前方パネル320は、照明器240a,240b,240cの各々の光学窓242a,242b,242cをそれぞれ含み得る。視界の照明に使用される照明源の数は、変更化可能であることに留意されたい。
【0042】
加えて、前方パネル320は、作業路640の作業路開口340を含み得る。別の実施形態において、前方パネルは2つ以上の作業路開口を含み得る。
噴流路644の噴流路開口344は、先端カバー300の前方パネル320に配置され得る。噴流路644は、体腔の壁を洗浄するために、水又は生理食塩水のような流体の高圧噴流を提供するように構成され得る。
【0043】
また、先端カバー300の前方パネル320に配置されているのは注入口346であり、該注入口346は、前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズル348を有する。注入路646は、流体(液体及び/又は気体)を注入して、血液、糞便、及び、その他の欠けらなどの汚染物を、前方ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗浄するように構成され得る。選択的に、注入路646は、前方光学レンズアセンブリ256、並びに、光学窓242a,242b,242cのうち1つ、2つ、又は全てを洗浄するように構成され得る。注入路646には、体腔を洗浄及び/又は膨張させるために使用され得る水及び/又は気体などの流体を供給し得る。
【0044】
側方ビュー素子116bのための側方光学レンズアセンブリ256bは、先端カバー300の側壁362において可視であり、該側方光学レンズアセンブリ256bは、前方光学レンズアセンブリ256、並びに、側方ビュー素子116b用の照明器250a,250bの光学窓252a,252bと同様であってもよい。また、第2側方ビュー素子用の第2の光学レンズアセンブリは、第1の側方光学レンズアセンブリ256bの反対側である先端カバー300の側壁362において可視であり、該第2の光学レンズアセンブリは、側方光学レンズアセンブリ256b、並びに、側方ビュー素子116b用の照明器250a,250bの光学窓252a,252bと同様であってもよい。第1の側方光学レンズアセンブリ256bは、約3ミリメートルから100ミリメートルの範囲の焦点距離を提供し得る。
【0045】
第1の側方ビュー素子116bの光軸は、内視鏡の長手寸法に対して略直角に導かれ得る。第2の側方ビュー素子の光学軸は、内視鏡の長手寸法に対して略直角に導かれ得る。しかしながら、各側方ビュー素子は、通常は広角カメラを含むので、その視野は、光軸に対して広い角度の視野方向を含み得る。いくつかの実施形態によれば、各側方ビュー素子は、90度以上、120度以上、又は最大略180度までの視野を有する。
【0046】
加えて、側方注入路666の側方注入口266は、側壁362の遠位端に配置され得る。ノズルカバー267は、側方注入口266に嵌合するように構成され得る。
また、ノズルカバー267は、ノズル268を含み、該ノズル268は、側方光学レンズアセンブリ256bに向けられ、血液、糞便、及び、かすなどの汚染物質を側方ビュー素子116bの側方光学レンズアセンブリ256bの表面から洗浄するように構成される。流体は、体腔を膨張させるために使用することのできる気体を含み得る。選択的に、ノズル268は、両側方光学レンズアセンブリ256b、並びに、光学窓252a及び/又は252bを洗浄するように構成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、側方注入路666は、いずれかの先端要素(光学レンズアセンブリ、光学レンズアセンブリ、窓、照明器、及び、他の要素などのいずれか)を洗浄するための流体を供給するように構成され得る。
【0048】
選択的に、注入路646及び側方注入路666は、同じ路から供給され得る。
いくつかの実施形態によれば、先端部200は、本明細書では一方側が提示されているが、反対側にも、本明細書に記載の側方要素と同様の要素(たとえば、側方ビュー素子、側方光学レンズアセンブリ、ノズル、照明器、窓、開口、及び、その他の要素)を含み得ることに留意されたい。
【0049】
側壁362は、注入路666から注入された洗浄液を側方光学レンズアセンブリ256b、並びに、光学窓252a及び/又は252bに導くことを助ける略平らな面形状をとることができる。このような平らな面がない場合、所望の洗浄動作を実行しなければ、内視鏡の先端部200の曲面に沿って洗浄液が滴下することがある。
【0050】
一実施形態によれば、側壁362は、先端カバー300内の切欠き/凹部内に配置される。このように、側方注入口266及び対応する側方ノズル268は、窪んだ側壁362から立ち上がってはいるが、先端カバー300の円筒面のレベルから著しく突出するものではない。一実施形態の一側面によると、図59Cに示すように、側壁362は、先端カバー300の十分にくっきりとした、すなわち深い切欠き/凹部5963に配置され、側方光学レンズアセンブリ256bのレンズアセンブリは、切欠き/凹部5963の中で先端カバー300の円筒面のレベル5900よりも十分下方に深く埋め込まれた状態を保つ。切欠き/凹部5963は、縦方向及び横方向の両方の機械的衝撃から、側壁362及びそのコンポーネント(側方光学レンズアセンブリ256b、側方照明器250a、250b、及び、側方ノズル268)を保護する。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、先端部200は、2つ以上の側方視カメラを含み得ることに留意されたい。この場合、これらの側方視カメラは、視野がほぼ反対になるように設置され得る。しかしながら、本明細書の一般的な範囲内では、様々な構成及び数の側方視カメラを設けることが可能である。
【0052】
流体路コンポーネント600は、側方サービス路開口350を有する側方サービス路650を含む。
図1、並びに、斜視図の図3A図3B図3C及び図3Dは、マルチ噴流内視鏡アセンブリ6501の先端部200を示しており、該先端部200は、前方噴流開口に加えて複数の側方噴流開口を備え、本明細書の実施形態により改善された洗浄を可能にする。
【0053】
先端カバー300は、電子回路基板アセンブリ400(図1に示す)及び流体路コンポーネント600(図3Dに示す)を含む先端部200の内側部分を覆い、内側部分の内部コンポーネントを保護する。図3Dに示すように、流体路コンポーネント600には、先端カバー300用の複数のピン穴670が設けられている。さらに、図3Dは、電気ケーブル用の溝6572を示す。先端カバー300は、照明器240a,240b,240cの光学窓242a,242b,242dとともに、前方視カメラ、すなわち前方ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256用の透明な表面、窓、又は開口を有する前方パネル320を含む。
【0054】
前方パネル320は、作業路640の作業路開口340と、噴流路644の噴流路開口344とを含む。噴流路644は、体腔の壁を洗浄するために、水又は生理食塩水のような流体の高圧噴流を供給するように構成される。また、先端カバー300の前方パネル320には、注入路646の注入口346も設けられ、該注入口346は、前方光学レンズアセンブリ256に向けたノズル348を有する。注入路646は、流体(液体及び/又は気体)を注入して、血液、糞便、及び、かすなどの汚染物を、前方視カメラ、すなわち前方ビュー素子116の前方光学レンズアセンブリ256の表面から洗浄するように構成され得る。選択的に、注入路646は、少なくとも前方光学レンズアセンブリ256の表面と、光学窓242a,242b,242cの1つ、2つ、又は全てを洗浄するように構成され得る。注入路646には、体腔を洗浄及び/又は膨張させるために使用することができる水及び/又は気体などの流体が供給される。一実施形態において、前方視カメラ、すなわち前方ビュー素子116の光軸は、内視鏡6501の先端の長手寸法にわたって延びる中心長手軸6503にほぼ沿って導かれる。
【0055】
図3Bは、先端カバー300の側壁362を示しており、前方光学レンズアセンブリ256、並びに、側方ビュー素子用の照明器の光学窓252a,252bと同じ仕様の側方ビュー素子用の側方光学レンズアセンブリ256aの透明な表面と、窓すなわち開口とを含む。また、図3Cに示すように、側方光学レンズアセンブリ256aの反対側の先端カバー300の側壁362には、側方ビュー素子116b用の光学レンズアセンブリ256bと、側方ビュー素子116b用の対応する照明器の光学窓252a,252bとがある。一実施形態において、側方ビュー素子、並びに、側方視カメラの一方又は両方の光軸は、前方ビュー素子116の光学軸(内視鏡の中心長手軸6503に沿っている)に対して略直角である。一実施形態において、側方ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方ビュー素子116の光軸と鈍角を成し、別の実施形態において、側方ビュー素子の一方又は両方の光軸は、前方ビュー素子116の光学軸と鋭角をなす。
【0056】
加えて、側方注入路666に対応する側方注入口266は、図3B及び図3Cに示すように、それぞれ、対向する側壁362の遠位端に配置される。各ノズルカバー267は、対応する側方注入口266に嵌合するように構成され得る。ノズルカバーは、ノズル268を含み、該ノズル268は、側方光学レンズアセンブリ256a、256bに向けられ、流体を注入して、血液、糞便、及び、かすなどの汚染物質を側方ビュー素子の側方光学レンズアセンブリ256a、256bの少なくとも表面から洗浄するように構成される。流体は、体腔を膨張させるために使用することのできる気体を含み得る。選択的に、ノズル268は、側方光学レンズアセンブリと、先端部200の各側の両光学窓とを洗浄するように構成され得る。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、側方注入路666は、いずれかの先端要素(光学レンズアセンブリ、光学レンズアセンブリ、窓、照明器、及び、他の要素などのいずれか)を洗浄するための流体を供給するように構成され得る。選択的に、注入路646と側方注入路666とは、同じ路から供給され得る。
【0058】
図3A図3Dに示すように、一実施形態によれば、共通の側方噴流路6506から供給を受ける2つの側方噴流開口605a、610aは、先端部200の近位端の側縁の周りに設けられる。したがって、共通側方噴流路6506から供給を受ける2つの側方噴流開口605a、610aは、以下により詳細に説明するようにY字型流体導管を形成する。図3Dに示すマニフォールドは、部分的に円筒形状のハウジングを含み、該ハウジングは、湾曲した上面と、部分的に湾曲した第1の側面と、部分的に湾曲した第2の側面とを有する。マニフォールド・ハウジングは、第1の幅、第1の長さ、及び、近位面を有するベース部と、ベース部に装着され、第2の幅、第2の長さ、及び、遠位面を有する長尺部とから形成されており、第1の幅は、第2の幅よりも大きく、第1の長さは、第2の長さよりも短い。第1の路640は、ベース部から延びて長尺部を通り、ベース部の近位面に位置する入口ポートと、長尺部の遠位面に位置する出口ポートとを有する。第2の路644は、ベース部から延びて長尺部を通り、ベース部の近位面に位置する入口ポートと、長尺部の遠位面に位置する出口ポートとを有する。
【0059】
Y字型流体導管は、中央ステム部すなわち共通側方噴流路6506と、第1の分岐部6525と、第2の分岐部6526とを備え、中央ステム部6506は、ベース部の近位面の入口ポート607から延びてベース部を通り、第1の分岐部6525は、中央ステム部の終端からベース部を通り、部分的に湾曲した第1の側面の出口ポートまで延び、第2の分岐部6526は、中央ステム部の端部からベース部を通り、部分的に湾曲した第2の側の出口ポートまで延びる。一実施形態において、第1の分岐部6525から延びる出口ポートは、側方噴流開口605aを形成し、第2の分岐部6526から延びる出口ポートは、側方噴流開口610aを形成する。
【0060】
第3の路646は、ベース部の近位面の入口ポートから、部分的に湾曲した第1の側面の出口ポートまで通って延びる。第4の路6516は、ベース部の近位面の入口ポートから、部分的に湾曲した第2の側の出口ポートまで通って延びる。第1、第2、第3、及び、第4の路は、それぞれ、流体隔離され、互いに分離されている。
【0061】
共通側方噴流路6506は、流体路コンポーネント600の近位端に入口ポート607を有する。同様に、別の共通側方噴流路から供給を受ける2つの側方噴流開口605b、610bは、側方噴流開口605a及び610aの反対側に設けられる。一実施形態において、先端の両側の2つの側方噴流開口605a、605b、610a、610bは、側方注入口266(先端の両側にある)がそれらの間に位置するように配置される。加えて、一実施形態において、先端の両側の2つの側方噴流開口605a、605b、610a、610bは、側方視カメラの(先端の両側にある)側方光学レンズアセンブリ256a、256bの近傍に配置されて、流体が側方噴流開口から噴出されるとき、流体は、約45度の角度で、かつ、カメラを通過して飛ばされるので、医師が排出される流体を見ることができる。流体は、水又は生理食塩水であり得る。
【0062】
別の実施形態において、側方噴出口は、2、4、6、又は8を含むあらゆる適切な個数で側方外周の周りに構成し得ることに留意されたい。また、それらの側方噴流開口は、複数の傾斜構造を有し得るため、側方ビュー素子の側方光学レンズアセンブリと対応する照明器の光学窓とを含むが、前方ビュー素子の前方光学レンズを含まない一縦断面に対して、相対的に様々な角度で流体を射出させ得る。一実施形態において、側方ビュー素子の光軸は、内視鏡の中心長軸6503に沿った前方ビュー素子の光軸に対するのと同様に、一縦断面に対して直角である。これらの流体射出角度は、一縦断面に対して45度から60度又は120度から135度の範囲をとり得る。45度から60度の出口の鋭角は、内視鏡の移動方向に流体を排出することを可能にし、120度から135度の出口の鈍角は、内視鏡の移動方向と逆方向に流体を排出することを可能にすることによって、体腔内の内視鏡の動きを支援する。これは、噴流が内視鏡の移動方向と逆方向に向けられる場合、結腸壁の抵抗がジェットエンジンのように内視鏡を前方に押すことができるからである。
【0063】
一実施形態によれば、側方噴流開口は、内視鏡の外周の側方光学レンズアセンブリから5ミリメートルから10ミリメートルまで、好ましくは8.5ミリメートルから9.5ミリメートルまでの範囲の距離に配置され、噴流開口から出る流体は、側方光学レンズアセンブリ及び対応する側方光学窓を含む(しかし、前方ビュー素子の前方光学レンズアセンブリを含まない)一縦断面に対して50度~60度の角度をなす。また、側方噴流開口は、一実施形態において、約1.4ミリメートルから1.7ミリメートルの直径を有する。
【0064】
図1及び図3A図3Dを参照して、一実施形態において、噴流分配器が設けられ、該噴流分配器は、図3A図3Dのマルチ噴流内視鏡先端6501の605a、605b、610a、610bなどの各側方噴流開口と、前方噴流開口344とに流体を供給する。噴流分配器は、通常は、内視鏡先端部6501において、前方噴流開口344、右方噴流開口605a、610a、及び、左方噴流開口605b、610bに流体を供給するための3つの流体路を備える。
【0065】
図4は、従来技術において既知である主コネクタ4000の例示的実施形態を示す。噴流コネクタポート4002は、複数の噴流開口を含む内視鏡での使用に適合されている。いくつかの実施形態において、噴流コネクタポート(補助給水ポートとも称される)4002は、マルチ噴流内視鏡の前方噴流開口及び少なくとも1つの側方噴流開口への噴流流を可能にする複数の路開口を有する。噴流路は、汎用ケーブル4004内に配置され、マルチ噴流内視鏡の遠位端のそれぞれの前方噴流開口及び側方噴流開口を介して流体を導くために使用される。いくつかの実施形態において、水ボトルポート(水コネクタ)4006は、水ボトル又は病院施設などの水供給源に接続されて、内視鏡先端内に配置された通気及び/又は灌注システムに流体を供給する。図4は、システムを電源に接続し、主コネクタ4000の電気的及び電子的コンポーネントを動作させる電力を供給するための電気コネクタ4008を含む、主コネクタ4000の他の標準的なコンポーネントを示す。気体路4010は、気体流を内視鏡の先端に供給し得る。主制御ユニットの表面の収納構造に嵌入するように構成された細長突出部材4012も図示されている。
【0066】
図5A及び図5Bを参照して、一実施形態において、二方向噴流ポンプ5002が内視鏡5040の外部に配置され、内視鏡5040の主制御ユニット5032に接続される。一実施形態において、ポンプ5002は、噴流コネクタポート5058によって主コネクタ5030に接続される。一実施形態において、噴流コネクタポート5058は、図4の文脈で説明した噴流コネクタポート4002と同様のものである。図5Aが示す実施形態において、二方向噴流ポンプ5002は、チューブ5050を通って主コネクタ5030へ流れる流体流の制御を可能にする。各種実施形態において、単一流体流路は、流体をマルチプル流体路に巡らせることが可能であり、該マルチプル流体路は、内視鏡5040の遠位端5020の前方パネルと側方パネルとにそれぞれ配置される前方噴流開口及び/又は側方噴流開口を通って分配するための前方噴流路及び/又は側方噴流路を含む。各種実施形態において、流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとは、チューブ5050内に共に配置される。一実施形態において、流体路の第1の組合せは、前方噴流開口に通じる内視鏡内の前方噴流路に接続される。同様に、流体路の第2の組合せは、前方噴流開口及び1つ以上の側方噴流開口に通じる内視鏡内の前方噴流路及び側方噴流路に接続される。
【0067】
図示されるように、一実施形態において、二方向噴流ポンプ5002は、少なくとも3つの出口管5022,5024,5026によって内視鏡5040の噴流コネクタポート5058の3つの噴流開口に流体を供給するものであり、そのうちの管5024,5026は、遠位端5020の側壁に位置する2つの側方噴流開口を通る流体を分配させる側方噴流路につながる。管5022は、遠位端5020の前面の前方噴流開口を介して流体を分配させる前方噴流路につながる。したがって、図5Aに示される実施形態では、単一のポンプ5002によって、前方噴流開口にも前方噴流開口及び側方噴流開口にも通る流体流を制御し得る。
【0068】
二方向噴流ポンプ5002は、接続システムの使用によって、ポート5058のところで主制御ユニット5032に接続し得る。図5Bは、本明細書の実施形態による例示的接続システム5500を示す。本明細書の実施形態によれば、接続システム5500は、ポート5058とチューブ5050との間の接続機構を提供する水噴流コネクタ5052を備える。チューブ5050は、水噴流コネクタ5052と二方向噴流ポンプ5002とに接続される。一実施形態において、コネクタ5052は、ルアーコネクタであり、或いは、医療機器上で雄型テーパ継手と雌型部品との間に漏れのない接続を形成するために使用される小型流体継手の接続システムを可能にする、あらゆる他のタイプのコネクタである。
【0069】
図5Cは、本明細書の実施形態による、二方向噴流ポンプと内視鏡5040との間の接続を示すブロック図である。各種実施形態において、二方向噴流ポンプは、噴流ポンプ5002などのポンプを含む。噴流ポンプ5002は、少なくとも2つの流体管5006,5008を介して、水タンク5004などの流体源から流体を汲み出す。一実施形態において、管5006,5008は、単一チューブ、導管、又はチューブ5050内に隣接して配置される。各種実施形態において、管5006は、流体を前方噴流開口5010に供給する流体路の第1の組合せの一部を形成し、管5008は、流体を前方噴流開口5010及び側方噴流開口5018に供給する流体路の第2の組合せの一部を形成する。
【0070】
実施形態において、第1の流体管5006は、内視鏡5040の遠位端5020の前方パネル5012の前方噴流路5014と前方噴流開口5010とを介して前方噴流開口へ向けて水を汲み出す経路を提供する。第1の流体管5006を通ってポンプ5002によって汲み出した水は、前方噴流路5014を経由して前方噴流開口5010から分配されるべく、導かれ得る。図5Cは、流体が前方噴流開口5010に向かって流れるための、流体路の第1の組合せに対応する流体経路5032を示す。経路5032は、管5006を通り、ポンプ5002を経由し、路5014を通って遠位端の前方噴流開口5010に向かう太線で示されている。
【0071】
実施形態において、第2の流体管5008は、内視鏡の前方噴流開口及び1つ以上の側方噴流開口へ向けて水を汲み出す経路を提供する。図5Cは、流体が内視鏡5040の前方噴流開口5010及び1つ以上の側方噴流開口5018に向かって流れるための流体路の第2の組合せに対応する流体経路5034を示す。経路5034は、管5008を通り、ポンプ5002を介して、遠位端の前方噴流開口5010と側方噴流開口5018とに向かう太い点線で示される。第2の流体管5008を通って汲み出された水は、前方噴流開口5010と1つ以上の遠位端側方噴流開口5018とを通って分配されるように、前方噴流路5014と側方噴流路5016とを通過し得る。噴流開口5010,5018は、内視鏡の遠位端5020内に配置される。
【0072】
ポンプ5002は、流体の噴流を前方噴流開口に、1つ以上の側方噴流開口に、又は前方噴流開口と側方噴流開口との両方に同時に導くように適合された二方向ポンプである。流体は、ポンプ5002によって、3つの流体管5022,5024,5026を介して、内視鏡5040の遠位端5020の3つの噴出口に供給される。一実施形態において、3つの出口流体管5022,5024,5026のそれぞれは、遠位端5020内に配置された流体路に流体を供給する。一実施形態において、管5024,5026は、流体を側方噴流路5016に供給し、管5022は、流体を前方噴流路5014に供給する。
【0073】
一実施形態において、3つの出口流体管5022,5024,5026は、管5006,5008を備えるチューブ5050内に配置される。一実施形態において、流体が前方噴流開口5010と側方噴流開口5018とに移動する経路を提供する管5008は、少なくとも2つ以上の管に接続されており、これらの管は、管5008から分岐している。図において、管5008は、管5022,5024,5026に分岐するように示されている。各種実施形態において、管5022,5024,5026は、並列なパイプラインである。管5022は、前方噴流路5014に接続され、管5024,5026は、側方噴流路5016に接続される。各種実施形態において、管5006は、下流側で前方噴流路5014と接続するために、管5022に合流する。各種実施形態において、管5022,5024,5026は、主コネクタ(図5Bに示す)を介して対応する路に接続される。3つの管5022,5024,5026は、コネクタ5052(図5A及び図5Bに示す)に沿ってチューブ5050(図5A及び5Bに示す)に埋め込まれている。管5022,5024,5026は、コネクタポート5058(図5A及び図5Bに示す)の関連する路に位置合わせされる。主コネクタはまた、内視鏡の主制御ユニットとして機能するコントローラユニットにも結合される。
【0074】
様々な実施形態において、噴流を生じさせ患者の体管腔を洗浄するため、内視鏡5040を操作するユーザ/医師は、限定はされないが、内視鏡のハンドル、主制御ユニット、又は内視鏡の制御パネルに配置されたボタンなどの始動システムを使用することができ、ボタンが押されるとコントローラがポンプを始動させることによって、水が2方向のうちの一方の方向に導かれ、又は遮断される。たとえば、内視鏡のボタンが押されると、ボタンとデータ通信しているコントローラは、二方向噴流ポンプ5002に所定の速度で内視鏡の3つの流体路5022,5024,5026の1つ、2つ、又は全てに流体の供給を開始させる。別の実施形態において、管5006を通る流体に圧力を加え、流体を前方噴流開口に供給するため、ボタンを1度押してポンプを始動し得る。この実施形態において、管5008を通る流体に圧力を加え、流体を前方噴流開口と側方噴流開口に供給するため、ボタンを2度押してコントローラにポンプを始動させることができる。別の実施形態において、ユーザ/医師は、コントローラに噴流ポンプ5002を始動させるためにフットペダルを踏む必要がある。したがって、各種実施形態において、二方向モータポンプ5002は、押しボタン、レバー、若しくはなんらかの他の既知のトリガ、又は始動機構によって操作されて、流体を1つ、2つ、及び/又は3つ全ての流体路に流す。始動機構を所定回数押すことは、流体が流体路の特定の1つ又は組合せを通って流れることに対応する。本明細書の実施形態の動作中、ユーザは、前方噴流開口5010を介して流体を供給するか、或いは、前方噴流開口5010と側方噴流開口5018とを介して流体を供給するか、というオプションを選択する。
【0075】
ユーザが流体を前方噴流開口5010のみに供給することを選択した場合、ポンプ5002が始動して、管5006を介して流体に圧力を加える。一実施形態において、動作を制御するため、一連の逆止弁5028が経路5032に沿って配置されて始動される。各逆止弁5028は、確実に流体が管を一方向にのみ流れるようにする。ポンプ5002は、流体を前方噴流開口5010に供給するために、経路5032によって示される方向に流体を汲み出す。第1の弁5028は、タンク5004とポンプ5002との間の管5006に配置されて、確実に流体が所望の経路5032の方向に流れるようにし得る。第2の逆止弁5028は、ポンプ5002と、前方噴流路5014に接続された管5022との間に配置し得る。第2の弁5028はまた、確実に流体が経路5032の方向に流れるようにし、ポンプ5002は、同じ方向に管5006から流体を汲み出す。
【0076】
ユーザが前方噴流開口5010及び側方噴流開口5018に同時に流体を供給することを選択した場合には、ポンプ5002が始動して、管5006の方向とは逆方向に管5008へ流体を送り込む。一連の逆止弁5029は、確実に前方噴流開口5010及び側方噴流開口5018に流体を供給するため、流体が経路5034の方向に流れるようにする。いくつかの実施形態において、第1の逆止弁5029は、管5008に沿ってタンク5004とポンプ5002との間に配置される。第2の逆止弁5029は、ポンプ5002と、管5008が管5022,5024,5026に分岐する点の上流側との間で、管5008に沿って配置し得る。
【0077】
図5Dは、本明細書の実施形態による二方向ポンプ5002の例示的な動作を示す。各種実施形態において、ポンプ5002は、蠕動ポンプであり、チューブの交互の圧縮と弛緩とに基づき動作する。管5006,5008は、回転シュー、すなわちローラ5030の周りに巻かれた単一連続チューブを形成し得る。回転シュー、すなわちローラ5030は、ポンプ5002を形成する。ローラ5030がチューブの長さに沿っている結果、チューブの2つの端部は、ローラ5030の両側にある。これらの2つの端部は、2つの経路5032(管5006に対応する)と経路5034(管5008に対応する)を形成し得る。動作中、ローラ5030は、流体が2つの経路5006,5008のうちの選択された1つを介して吸引されるように、チューブを圧縮するとともにチューブの2つの側の間を封止する。ローラ5030が一方向に回転すると、流体は一方の経路に引き込まれる一方、ローラ5030が反対方向に回転すると、流体は他方の経路に引き込まれる。したがって、一方向の動作は、流体を前方噴流開口と側方噴流開口に供給し、他方向の動作は、流体を前方噴流開口のみに供給し得る。各種実施形態において、単一のトリガ機構(単一のボタン、レバー、ペダル、又はその他のもの)を切り替えて、ポンプ5002の方向を変えることができる。
【0078】
図6は、内視鏡の外部源から内視鏡内に配置されたマルチプル流体路への流体流の方向を制御する例示的方法を示すフローチャートである。図5A図5B、及び、図5Cを共に参照して、ステップ602において、ユーザは、チューブ5050に接続されたポンプ5002を始動させる。各種実施形態において、チューブ5050は、チューブ5050内に共に配置される流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとを含む。経路5032に対応する流体路の第1の組合せは、流体を前方噴流開口5010に導く一方、経路5034に対応する流体路の第2の組合せは、流体を前方噴流開口5010と側方噴流開口5018とに導く。したがって、ステップ604において、システムは、ユーザが、流体を前方噴流開口5010のみに送るようにポンプを始動させたか、或いは、流体を前方噴流開口5010と側方噴流開口5018とに同時に送るようにポンプを始動させたかを判定する。ユーザが第1の選択肢の始動をさせた場合、606において、流体は、ポンプ5002によって流体路の第1の組合せを含む経路5032を経由し、前方噴流路5014に導かれる。ユーザが第2の選択肢の始動をさせた場合、608において、流体は、ポンプ5002によって流体路の第2の組合せを含む経路5034を介して前方噴流路5014及び側方噴流路5016に導かれる。
【0079】
上記の例は、本発明のシステムの多くの用途の例示にすぎない。本発明のわずかな実施形態のみが本明細書に記載されているが、本発明は、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の多くの特定の形態で具体化され得ることを理解されたい。したがって、本実施例及び実施例は例示的であって限定的ではないと考えられるべきで、本発明は添付の特許請求の範囲内で変更し得る。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]
内視鏡の外部の流体源から前記内視鏡の遠位端内に配置された複数の流体路への流体の流方向を制御する装置であって、
流体路の第1の組合せと流体路の第2の組合せとを備えるチューブと、
前記チューブに接続されたポンプであって、前記外部の流体源からの流体を、前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとの少なくとも1つに導くように適合された、前記ポンプと、
前記ポンプを始動させるコントローラであって、当該コントローラの第1の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第1の組合せに導くように構成され、当該コントローラの第2の始動時に前記ポンプが流体を前記流体路の第2の組合せに導くように構成される、前記コントローラと、
前記外部の流体源と前記ポンプとの間に配置された第1の流体路内の第1の逆止弁と、
前記外部の流体源と前記ポンプとの間に配置された第2の流体路内の第2の逆止弁と、
を備え、前記第1の流体路は、前記第2の流体路から分離している、装置。
[付記2]
前記ポンプが蠕動ポンプである、付記1に記載の装置。
[付記3]
前記コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、前記ユーザトリガは、ボタンを備え、前記ボタンは、前記ボタンを押すと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、前記ボタンを2度押すと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、付記1に記載の装置。
[付記4]
前記コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、前記ユーザトリガは、レバーを備え、前記レバーは、当該レバーを引くと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、当該レバーを押すと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、付記1に記載の装置。
[付記5]
前記コントローラを制御するユーザトリガをさらに備え、前記ユーザトリガは、ペダルを備え、前記ペダルは、当該ペダルを踏むと前記コントローラの前記第1の始動が生じ、当該ペダルを2度踏むと前記コントローラの前記第2の始動が生じるように構成される、付記1に記載の装置。
[付記6]
前記流体路の第1の組合せと前記流体路の第2の組合せとは、前記チューブ内に共に配置される、付記1に記載の装置。
[付記7]
前記流体路の第1の組合せは、前記内視鏡の遠位端の前方噴流開口を通って開口する流体路を備える、付記1に記載の装置。
[付記8]
前記流体路の第2の組合せは、前記内視鏡の遠位端の前方噴流開口と前記内視鏡の遠位端の少なくとも1つの側方噴流開口とを通って開口する流体路を備える、付記1に記載の装置。
[付記9]
前記ポンプは、前記コントローラの前記第1の始動時に前記流体路の第1の組合せを経由して第1の方向に流体を導き、前記コントローラの前記第2の始動時に前記流体路の第2の組合せを経由して第2の方向に流体を導くように構成されており、前記第1の方向は、前記第2の方向とは異なる、付記1に記載の装置。
[付記10]
前記第1の流体路は、前記流体路の第1の組合せと流体連通し、前記第2の流体路は、前記流体路の第2の組合せと流体連通し、前記第1の流体路は、前記流体路の第2の組合せと流体連通しておらず、前記第2の流体路は、前記流体路の第1の組合せと流体連通していない、付記1に記載の装置。
[付記11]
付記3から5のいずれか一項に記載の装置の作動方法であって、
前記ユーザトリガがユーザ入力を受けるステップと、
前記コントローラが前記ユーザ入力に基づき、チューブに接続されたポンプを始動するステップと、を備える、装置の作動方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6