(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240307BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240307BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240307BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240307BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/55
A63F13/45
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2022120469
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】大森 滋
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特許第7241123(JP,B2)
【文献】特許第7161970(JP,B2)
【文献】特許第7034879(JP,B2)
【文献】特許第6768099(JP,B2)
【文献】特許第6527191(JP,B2)
【文献】特許第5457585(JP,B1)
【文献】特許第4213052(JP,B2)
【文献】特許第4319211(JP,B2)
【文献】特許第3946231(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータに、
仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、当該使用キャラクタの対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる対戦ゲーム処理を実行させ、
前記複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、
前記キャラクタの種類と、
前記キャラクタの種類毎に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型と、
前記キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型と、
前記キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別とが設定され、
前記対戦ゲーム処理において、前記コンピュータに、
所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させる制御を行わせ、
前記使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、前記プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタが行う制御を行わせ、当該攻撃による前記相手キャラクタのダメージを計算させ、
前記相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による前記使用キャラクタのダメージを計算させ、
前記攻撃を行った前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加させ、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、いずれとも一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加させ、
前記攻撃を受けた前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少させ、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第2の類型との組み合わせが、前記所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータに、前記対戦ゲーム処理において、
前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとが1ターン毎に1回ずつ行動する制御を行わせ、
あるターンにおいて前記所定の条件が満たされた場合において、前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる制御を行わせる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、前記対戦ゲーム処理において、
前記プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、前記使用キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる制御を行わせる、
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記対戦ゲーム処理は、複数の前記使用キャラクタと複数の前記相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲーム処理であって、
前記使用キャラクタを前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させるための指示は、前記対戦ゲーム処理による対戦中において1回のみ受け付けられる、
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、前記対戦ゲーム処理において、
前記攻撃を行った前記キャラクタが前記第2の状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加させる、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータにさらに、前記対戦ゲーム処理において、
前記キャラクタが前記第1の状態から前記第2の状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された前記攻撃の種別のうち所定の種別の攻撃の前記第3の類型を、前記第2の類型に一致する類型へ変化させる制御を行わせる、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
プロセッサを備えた少なくとも1つの情報処理装置を備え、
前記少なくとも1つの情報処理装置の少なくともいずれかのプロセッサは、
仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる対戦ゲーム処理を実行し、
前記複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、
前記キャラクタの種類と、
前記キャラクタの種類に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型と、
前記キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型と、
前記キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別とが設定され、
前記対戦ゲーム処理において、前記少なくともいずれかのプロセッサは、
所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させ、
前記使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、前記プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタに行わせ、当該攻撃による前記相手キャラクタのダメージを計算し、
前記相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による前記使用キャラクタのダメージを計算し、
前記攻撃を行った前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記攻撃を受けた前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第2の類型との組み合わせが、前記所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する、
情報処理システム。
【請求項8】
前記対戦ゲーム処理において、前記少なくともいずれかのプロセッサは、
前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとに1ターン毎に1回ずつ行動させ、
あるターンにおいて前記所定の条件が満たされた場合において、前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記対戦ゲーム処理において、前記少なくともいずれかのプロセッサは、
前記プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、前記使用キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記対戦ゲーム処理は、複数の前記使用キャラクタと複数の前記相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲーム処理であって、
前記使用キャラクタを前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させるための指示は、前記対戦ゲーム処理による対戦中において1回のみ受け付けられる、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記対戦ゲーム処理において、前記少なくともいずれかのプロセッサは、
前記攻撃を行った前記キャラクタが前記第2の状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加する、
請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記対戦ゲーム処理において、前記少なくともいずれかのプロセッサは、
前記キャラクタが前記第1の状態から前記第2の状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された前記攻撃の種別のうち所定の種別の攻撃の前記第3の類型を、前記第2の類型に一致する類型へ変化させる、
請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる対戦ゲーム処理を実行し、
前記複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、
前記キャラクタの種類と、
前記キャラクタの種類に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型と、
前記キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型と、
前記キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別とが設定され、
前記対戦ゲーム処理において、前記プロセッサは、
所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させ、
前記使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、前記プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタに行わせ、当該攻撃による前記相手キャラクタのダメージを計算し、
前記相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による前記使用キャラクタのダメージを計算し、
前記攻撃を行った前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記攻撃を受けた前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第2の類型との組み合わせが、前記所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する、
情報処理装置。
【請求項14】
前記対戦ゲーム処理において、前記プロセッサは、
前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとに1ターン毎に1回ずつ行動させ、
あるターンにおいて前記所定の条件が満たされた場合において、前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記対戦ゲーム処理において、前記プロセッサは、
前記プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、前記使用キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記対戦ゲーム処理は、複数の前記使用キャラクタと複数の前記相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲーム処理であって、
前記使用キャラクタを前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させるための指示は、前記対戦ゲーム処理による対戦中において1回のみ受け付けられる、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記対戦ゲーム処理において、前記プロセッサは、
前記攻撃を行った前記キャラクタが前記第2の状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加する、
請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記対戦ゲーム処理において、前記プロセッサは、
前記キャラクタが前記第1の状態から前記第2の状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された前記攻撃の種別のうち所定の種別の攻撃の前記第3の類型を、前記第2の類型に一致する類型へ変化させる、
請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項19】
情報処理システムによって実行されるゲーム処理方法であって、
前記情報処理システムは、
仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる対戦ゲーム処理を実行し、
前記複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、
前記キャラクタの種類と、
前記キャラクタの種類に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型と、
前記キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型と、
前記キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別とが設定され、
前記対戦ゲーム処理において、前記情報処理システムは、
所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させ、
前記使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、前記プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタに行わせ、当該攻撃による前記相手キャラクタのダメージを計算し、
前記相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による前記使用キャラクタのダメージを計算し、
前記攻撃を行った前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型が、前記攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加し、
前記攻撃を受けた前記キャラクタが、
前記第1の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少し、
前記第2の状態である場合、行われた前記攻撃に設定された前記第3の類型と、前記攻撃を受けた前記キャラクタに設定された前記第2の類型との組み合わせが、前記所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する、
ゲーム処理方法。
【請求項20】
前記対戦ゲーム処理において、前記情報処理システムは、
前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとに1ターン毎に1回ずつ行動させ、
あるターンにおいて前記所定の条件が満たされた場合において、前記使用キャラクタと前記相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たした前記キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項19に記載のゲーム処理方法。
【請求項21】
前記対戦ゲーム処理において、前記情報処理システムは、
前記プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、前記使用キャラクタの状態を前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させる、
請求項20に記載のゲーム処理方法。
【請求項22】
前記対戦ゲーム処理は、複数の前記使用キャラクタと複数の前記相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲーム処理であって、
前記使用キャラクタを前記第1の状態から前記第2の状態へ変化させるための指示は、前記対戦ゲーム処理による対戦中において1回のみ受け付けられる、
請求項21に記載のゲーム処理方法。
【請求項23】
前記対戦ゲーム処理において、前記情報処理システムは、
前記攻撃を行った前記キャラクタが前記第2の状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された前記第3の類型が、当該攻撃を行った前記キャラクタに設定された前記第1の類型および前記第2の類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加する、
請求項19から請求項22のいずれか1項に記載のゲーム処理方法。
【請求項24】
前記対戦ゲーム処理において、前記情報処理システムは、
前記キャラクタが前記第1の状態から前記第2の状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された前記攻撃の種別のうち所定の種別の攻撃の前記第3の類型を、前記第2の類型に一致する類型へ変化させる、
請求項19から請求項22のいずれか1項に記載のゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャラクタが対戦を行うゲームを実行するためのゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および、ゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のキャラクタが対戦を行うゲームにおいて、キャラクタの種類毎に類型(タイプとも言う)を設定し、対戦を行う各キャラクタの類型に基づいて、例えば攻撃によるダメージの計算を行う技術がある(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“Pokemon RPGs 101”、[online]、株式会社ポケモン、[令和4年7月18日検索]、インターネット<https://www.pokemon.com/us/strategy/pokemon-rpgs-101/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャラクタの種類毎に設定される類型に基づいて行われる対戦ゲームにおいて、駆け引きを生じさせることでゲームの戦略性を向上したり、あるいは、キャラクタのバリエーションを増やしたりすることが望まれる。
【0005】
それ故、本発明の目的は、対戦ゲームにおける戦略性を向上し、キャラクタのバリエーションを増やすことが可能なゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、および、ゲーム処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)~(6)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本発明の一例は、情報処理装置のコンピュータに対戦ゲーム処理を実行させるゲームプログラムである。対戦ゲーム処理において、コンピュータは、仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、当該使用キャラクタの対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる。複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、キャラクタの種類と、キャラクタの種類毎に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型と、キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型と、キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別とが設定される。ゲームプログラムは、対戦ゲーム処理において、コンピュータに、次の処理を行わせる。
・所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たしたキャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させる処理
・使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタが行う制御を行わせ、当該攻撃による相手キャラクタのダメージを計算する処理
・相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による使用キャラクタのダメージを計算する処理
・攻撃を行ったキャラクタが第1の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型が、当該攻撃を行ったキャラクタに設定された第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加する処理
・攻撃を行ったキャラクタが第2の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型が、当該攻撃を行ったキャラクタに設定された第1の類型および第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、いずれとも一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加する処理
・攻撃を受けたキャラクタが第1の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型と、攻撃を受けたキャラクタに設定された第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する処理
・攻撃を受けたキャラクタが第2の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型と、攻撃を受けたキャラクタに設定された第2の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められた所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する処理
【0008】
上記(1)の構成によれば、キャラクタの状態を変化させるタイミングや、キャラクタに行わせる攻撃の種別の選択に駆け引きを生むことができるので、対戦ゲームにおける戦略性を向上することができる。また、各キャラクタに2つの類型が設定されることで、キャラクタのバリエーションを増やすことができる。
【0009】
(2)
上記(1)の構成において、ゲームプログラムは、コンピュータに、対戦ゲーム処理において、次の処理を実行させてもよい。
・使用キャラクタと相手キャラクタとが1ターン毎に1回ずつ行動する制御を行う処理
・あるターンにおいて所定の条件が満たされた場合において、使用キャラクタと相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たしたキャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させる処理
【0010】
上記(2)の構成によれば、各キャラクタによる行動前に第1状態から第2状態への変化が生じるので、当該変化による効果が効果的に発揮され、対戦ゲームの戦略性をより向上することができる。
【0011】
(3)
上記(2)の構成において、ゲームプログラムは、コンピュータに、対戦ゲーム処理において、プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、使用キャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させる制御を行わせてもよい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、プレイヤは、所望のタイミングで使用キャラクタを第1状態から第2状態へと変化させることができる。
【0013】
(4)
上記(3)の構成において、対戦ゲーム処理は、複数の使用キャラクタと複数の相手キャラクタとを対戦させる対戦ゲーム処理であってもよい。使用キャラクタを第1の状態から第2の状態へ変化させるための指示は、対戦ゲーム処理による対戦中において1回のみ受け付けられてもよい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、使用キャラクタを変化させる回数に制限が設けられることで、プレイヤは、状態を変化させる使用キャラクタと、変化させるタイミングとを考慮してゲームを進めることとなるので、対戦ゲームの戦略性をより向上することができる。
【0015】
(5)
上記(1)から上記(4)のいずれかの構成において、ゲームプログラムは、コンピュータに、対戦ゲーム処理において、攻撃を行ったキャラクタが第2の状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された第3の類型が、当該攻撃を行ったキャラクタに設定された第1の類型および第2の類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加させてもよい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、第1の類型と同じ類型が第2の類型として設定されるキャラクタについては、第1の類型と異なる類型が第2の類型として設定されるキャラクタとは異なるメリットを生じさせることができるので、前者のキャラクタと後者のキャラクタとの間で有利不利を生じにくくすることができる。
【0017】
(6)
上記(1)から上記(5)のいずれかの構成において、ゲームプログラムは、コンピュータにさらに、対戦ゲーム処理において、キャラクタが第1の状態から第2の状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された攻撃の種別のうち所定の種別の攻撃の第3の類型を、第2の類型に一致する類型へ変化させる制御を行わせてもよい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、第1の状態から第2の状態へ変化したキャラクタは、上記所定の種別の攻撃によって、変化を活かした効果的な攻撃を行うことができる。
【0019】
なお、本発明の別の一例は、上記(1)~(6)における処理を実行する情報処理装置または情報処理システムであってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)~(6)における処理を実行するゲーム処理方法であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
上記ゲームプログラム、情報処理システム、情報処理装置、または、ゲーム処理方法によれば、対戦ゲームにおける戦略性を向上し、キャラクタのバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本体装置に左コントローラおよび右コントローラを装着した状態の一例を示す図
【
図2】本体装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態の一例を示す図
【
図7】本体装置と左コントローラおよび右コントローラとの内部構成の一例を示すブロック図
【
図8】対戦シーンにおいて表示されるゲーム画像の一例を示す図
【
図9】変身指示画像が指定されている場合におけるゲーム画像の一例を示す図
【
図10】第1キャラクタが通常状態である場合と変身状態である場合とにおける各攻撃種別の攻撃力の一例を示す図
【
図11】第2キャラクタが通常状態である場合と変身状態である場合とにおける各攻撃種別の攻撃力の一例を示す図
【
図12】キャラクタの通常状態と変身状態とにおける、攻撃によって受けるダメージの一例を示す図
【
図13】ゲームシステムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図
【
図14】ゲームシステムによって実行される対戦ゲーム処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1.ゲームシステムの構成]
以下、本実施形態の一例に係るゲームシステムについて説明する。本実施形態におけるゲームシステム1の一例は、本体装置(情報処理装置;本実施形態ではゲーム装置本体として機能する)2と左コントローラ3および右コントローラ4とを含む。本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ本体装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4とを別体として利用することもできる(
図2参照)。以下では、本実施形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0023】
図1は、本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。
図1に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、それぞれ本体装置2に装着されて一体化されている。本体装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する装置である。本体装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3および右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0024】
図2は、本体装置2から左コントローラ3および右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図1および
図2に示すように、左コントローラ3および右コントローラ4は、本体装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3および右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0025】
図3は、本体装置2の一例を示す六面図である。
図3に示すように、本体装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、すなわち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0026】
なお、ハウジング11の形状および大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、本体装置2単体または本体装置2に左コントローラ3および右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、本体装置2または一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0027】
図3に示すように、本体装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、本体装置2が生成した画像を表示する。本実施形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0028】
また、本体装置2は、ディスプレイ12の画面上にタッチパネル13を備える。本実施形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0029】
本体装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(すなわち、
図6に示すスピーカ88)を備えている。
図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11aおよび11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11aおよび11bからそれぞれ出力される。
【0030】
また、本体装置2は、本体装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、本体装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0031】
図3に示すように、本体装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1およびそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、本体装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、および/または、本体装置2で実行されるプログラム(例えば、アプリケーションのプログラム等)を記憶するために用いられる。また、本体装置2は、電源ボタン28を備える。
【0032】
本体装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、本体装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記一体型装置または本体装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、本体装置2が生成して出力する画像を据置型モニタに表示することができる。また、本実施形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置または本体装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0033】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。
図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、すなわち、上下方向(すなわち、
図1および
図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状および大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0034】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。
図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0035】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、および左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37および-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38およびZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、本体装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43および第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、本体装置2で実行される各種プログラム(例えば、OSプログラムやアプリケーションプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。
【0036】
また、左コントローラ3は、左コントローラ3が本体装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0037】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。
図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、すなわち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、本体装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状および大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0038】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティックに代えて、十字キーまたはスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、およびYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57およびホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60およびZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65および第2Rボタン66を備える。
【0039】
また、右コントローラ4は、右コントローラ4が本体装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0040】
図6は、本体装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。本体装置2は、
図3に示す構成の他、
図6に示す各構成要素81~85、87、88、91、97、および98を備える。これらの構成要素81~85、87、88、91、97、および98のいくつかは、電子部品として電子回路基板上に実装されてハウジング11内に収納されてもよい。
【0041】
本体装置2は、プロセッサ81を備える。プロセッサ81は、本体装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ81は、記憶部(具体的には、フラッシュメモリ84等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等)に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。
【0042】
本体装置2は、自身に内蔵される内部記憶媒体の一例として、フラッシュメモリ84およびDRAM(Dynamic Random Access Memory)85を備える。フラッシュメモリ84およびDRAM85は、プロセッサ81に接続される。フラッシュメモリ84は、主に、本体装置2に保存される各種のデータ(プログラムであってもよい)を記憶するために用いられるメモリである。DRAM85は、情報処理において用いられる各種のデータを一時的に記憶するために用いられるメモリである。
【0043】
本体装置2は、スロットインターフェース(以下、「I/F」と略記する。)91を備える。スロットI/F91は、プロセッサ81に接続される。スロットI/F91は、スロット23に接続され、スロット23に装着された所定の種類の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)に対するデータの読み出しおよび書き込みを、プロセッサ81の指示に応じて行う。
【0044】
プロセッサ81は、フラッシュメモリ84およびDRAM85、ならびに上記各記憶媒体との間でデータを適宜読み出したり書き込んだりして、上記の情報処理を実行する。
【0045】
本体装置2は、ネットワーク通信部82を備える。ネットワーク通信部82は、プロセッサ81に接続される。ネットワーク通信部82は、ネットワークを介して外部の装置と通信(具体的には、無線通信)を行う。本実施形態においては、ネットワーク通信部82は、第1の通信態様としてWi-Fiの規格に準拠した方式により、無線LANに接続して外部装置と通信を行う。また、ネットワーク通信部82は、第2の通信態様として所定の通信方式(例えば、独自プロトコルによる通信や、赤外線通信)により、同種の他の本体装置2との間で無線通信を行う。なお、上記第2の通信態様による無線通信は、閉ざされたローカルネットワークエリア内に配置された他の本体装置2との間で無線通信可能であり、複数の本体装置2の間で直接通信することによってデータが送受信される、いわゆる「ローカル通信」を可能とする機能を実現する。
【0046】
本体装置2は、コントローラ通信部83を備える。コントローラ通信部83は、プロセッサ81に接続される。コントローラ通信部83は、左コントローラ3および/または右コントローラ4と無線通信を行う。本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との通信方式は任意であるが、本実施形態においては、コントローラ通信部83は、左コントローラ3との間および右コントローラ4との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信を行う。
【0047】
プロセッサ81は、上述の左側端子17、右側端子21、および下側端子27に接続される。プロセッサ81は、左コントローラ3と有線通信を行う場合、左側端子17を介して左コントローラ3へデータを送信するとともに、左側端子17を介して左コントローラ3から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、右コントローラ4と有線通信を行う場合、右側端子21を介して右コントローラ4へデータを送信するとともに、右側端子21を介して右コントローラ4から操作データを受信する。また、プロセッサ81は、クレードルと通信を行う場合、下側端子27を介してクレードルへデータを送信する。このように、本実施形態においては、本体装置2は、左コントローラ3および右コントローラ4との間で、それぞれ有線通信と無線通信との両方を行うことができる。また、左コントローラ3および右コントローラ4が本体装置2に装着された一体型装置または本体装置2単体がクレードルに装着された場合、本体装置2は、クレードルを介してデータ(例えば、画像データや音声データ)を据置型モニタ等に出力することができる。
【0048】
ここで、本体装置2は、複数の左コントローラ3と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。また、本体装置2は、複数の右コントローラ4と同時に(換言すれば、並行して)通信を行うことができる。したがって、複数のユーザは、左コントローラ3および右コントローラ4のセットをそれぞれ用いて、本体装置2に対する入力を同時に行うことができる。一例として、第1ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第1セットを用いて本体装置2に対して入力を行うと同時に、第2ユーザが左コントローラ3および右コントローラ4の第2セットを用いて本体装置2に対して入力を行うことが可能となる。
【0049】
また、ディスプレイ12は、プロセッサ81に接続される。プロセッサ81は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像および/または外部から取得した画像をディスプレイ12に表示する。
【0050】
本体装置2は、コーデック回路87およびスピーカ(具体的には、左スピーカおよび右スピーカ)88を備える。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に接続されるとともに、プロセッサ81に接続される。コーデック回路87は、スピーカ88および音声入出力端子25に対する音声データの入出力を制御する回路である。
【0051】
本体装置2は、電力制御部97およびバッテリ98を備える。電力制御部97は、バッテリ98およびプロセッサ81に接続される。また、図示しないが、電力制御部97は、本体装置2の各部(具体的には、バッテリ98の電力の給電を受ける各部、左側端子17、および右側端子21)に接続される。電力制御部97は、プロセッサ81からの指令に基づいて、バッテリ98から上記各部への電力供給を制御する。
【0052】
また、バッテリ98は、下側端子27に接続される。外部の充電装置(例えば、クレードル)が下側端子27に接続され、下側端子27を介して本体装置2に電力が供給される場合、供給された電力がバッテリ98に充電される。
【0053】
図7は、本体装置2と左コントローラ3および右コントローラ4との内部構成の一例を示すブロック図である。なお、本体装置2に関する内部構成の詳細については、
図6で示しているため
図7では省略している。
【0054】
左コントローラ3は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部101を備える。
図7に示すように、通信制御部101は、端子42を含む各構成要素に接続される。本実施形態においては、通信制御部101は、端子42を介した有線通信と、端子42を介さない無線通信との両方で本体装置2と通信を行うことが可能である。通信制御部101は、左コントローラ3が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。すなわち、左コントローラ3が本体装置2に装着されている場合、通信制御部101は、端子42を介して本体装置2と通信を行う。また、左コントローラ3が本体装置2から外されている場合、通信制御部101は、本体装置2(具体的には、コントローラ通信部83)との間で無線通信を行う。コントローラ通信部83と通信制御部101との間の無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)の規格に従って行われる。
【0055】
また、左コントローラ3は、例えばフラッシュメモリ等のメモリ102を備える。通信制御部101は、例えばマイコン(マイクロプロセッサとも言う)で構成され、メモリ102に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。
【0056】
左コントローラ3は、各ボタン103(具体的には、ボタン33~39、43、44、および47)を備える。また、左コントローラ3は、アナログスティック(
図7では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン103およびアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部101へ出力する。
【0057】
通信制御部101は、各入力部(具体的には、各ボタン103、および、アナログスティック32)から、入力に関する情報(具体的には、操作に関する情報、またはセンサによる検出結果)を取得する。通信制御部101は、取得した情報(または取得した情報に所定の加工を行った情報)を含む操作データを本体装置2へ送信する。なお、操作データは、所定時間に1回の割合で繰り返し送信される。なお、入力に関する情報が本体装置2へ送信される間隔は、各入力部について同じであってもよいし、同じでなくてもよい。
【0058】
上記操作データが本体装置2へ送信されることによって、本体装置2は、左コントローラ3に対して行われた入力を得ることができる。すなわち、本体装置2は、各ボタン103およびアナログスティック32に対する操作を、操作データに基づいて判別することができる。
【0059】
左コントローラ3は、電力供給部108を備える。本実施形態において、電力供給部108は、バッテリおよび電力制御回路を有する。図示しないが、電力制御回路は、バッテリに接続されるとともに、左コントローラ3の各部(具体的には、バッテリの電力の給電を受ける各部)に接続される。
【0060】
図7に示すように、右コントローラ4は、本体装置2との間で通信を行う通信制御部111を備える。また、右コントローラ4は、通信制御部111に接続されるメモリ112を備える。通信制御部111は、端子64を含む各構成要素に接続される。通信制御部111およびメモリ112は、左コントローラ3の通信制御部101およびメモリ102と同様の機能を有する。したがって、通信制御部111は、端子64を介した有線通信と、端子64を介さない無線通信(具体的には、Bluetooth(登録商標)の規格に従った通信)との両方で本体装置2と通信を行うことが可能であり、右コントローラ4が本体装置2に対して行う通信方法を制御する。
【0061】
右コントローラ4は、左コントローラ3の各入力部と同様の各入力部を備える。具体的には、各ボタン113、および、アナログスティック52を備える。これらの各入力部については、左コントローラ3の各入力部と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0062】
右コントローラ4は、電力供給部118を備える。電力供給部118は、左コントローラ3の電力供給部108と同様の機能を有し、同様に動作する。
【0063】
[2.ゲームシステムにおける処理の概要]
次に、
図8~
図12を参照して、ゲームシステム1において実行される処理の概要について説明する。本実施形態においては、ゲームシステム1は、プレイヤ(すなわち、ゲームシステム1のユーザ)が操作可能なキャラクタが敵キャラクタと対戦を行う対戦シーンを含むゲームを実行する。
【0064】
図8は、対戦シーンにおいて表示されるゲーム画像の一例を示す図である。
図8に示すように、対戦シーンにおいては、ゲーム空間に使用キャラクタ201と相手キャラクタ202とが配置される様子を示すゲーム画像がディスプレイ12に表示される。使用キャラクタ201は、プレイヤが使用する(すなわち、プレイヤが操作する)キャラクタである。相手キャラクタ202は、使用キャラクタ201の対戦相手となるキャラクタである。相手キャラクタ202は、他のプレイヤによって操作されるキャラクタであってもよいし、ゲームシステム1によって行動が制御されるキャラクタであってもよい。なお、
図8に示す例においては、使用キャラクタおよび相手キャラクタはそれぞれ1体であるが、対戦シーンにおいて複数の使用キャラクタが登場してもよいし、複数の相手キャラクタが登場してもよい。また、1回の対戦中において、使用キャラクタとなるキャラクタは例えばプレイヤの指示によって変更(交代とも言う)されてもよいし、相手キャラクタとなるキャラクタも変更可能であってもよい。
【0065】
本実施形態においては、対戦シーンにおいて、いわゆるターン制の対戦が行われる。すなわち、1回のターンにおいては、プレイヤが使用キャラクタ201の行動内容を決定し、相手キャラクタ202の行動内容が決定された後、各キャラクタ201および202がそれぞれ行動する。そして、対戦が終了するまで上記のターンが繰り返し行われることで対戦ゲームが進行する。なお、他の実施形態においては、対戦シーンにおいて、ターン制の対戦ゲームに限らず、各キャラクタが時間経過に応じて順次行動するリアルタイム制の対戦ゲームが行われてもよい。
【0066】
ここで、本実施形態においては、対戦シーンに登場し得る各キャラクタには、類型が設定される。類型とは、例えば、水、火、雷といったものであり、タイプあるいは属性と言うこともある。1つのキャラクタには、複数種類の類型のうちいくつかが設定される。また、例えば、水の類型は火の類型に対して相性が良く、雷の類型に対して相性が悪い、といったように、類型同士の関係には相性が設定される。つまり、2つの類型の組み合わせとしては、一方の類型に対する他方の類型の相性が良い組み合わせと、一方の類型に対する他方の類型の相性が悪い組み合わせと、一方の類型に対する他方の類型の相性が普通である組み合わせがある。
【0067】
図8に示すように、対戦シーンにおけるゲーム画像は、攻撃指示画像211~214を含む。攻撃指示画像211~214は、使用キャラクタ201が使用可能な攻撃の種別を示す。攻撃指示画像211~214は、使用キャラクタ201に行わせる攻撃の種別をプレイヤが指示するための画像である。つまり、プレイヤは、攻撃指示画像211~214のうち1つを指定する(例えば、所望の1つの攻撃指示画像が選択されている状態で当該攻撃指示画像を指定する操作を行う)ことによって、使用キャラクタ201に行わせる攻撃の種別を指示する。
【0068】
上記のように、本実施形態においては、キャラクタには、当該キャラクタが使用可能な攻撃の種別が設定される。本実施形態においては、1つのキャラクタには、使用可能な攻撃の種別として、所定数(例えば4つ)を上限として1つ以上の攻撃の種別を設定することができるものとする。なお、使用キャラクタに対して、当該使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別をプレイヤが設定する方法は任意である。例えば、使用キャラクタに設定可能な攻撃の種別は使用キャラクタの種類毎に定められており、ゲーム中において対戦シーン以外の場面において、当該設定可能な種別のうちから、使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別をプレイヤが選択するようにしてもよい。
【0069】
本実施形態においては、キャラクタが行う上記攻撃にも、キャラクタに設定されるものと同じ種類の類型(すなわち、水、火、雷といった類型)のいずれかが設定される。本実施形態においては、1つの種別の攻撃には1つの類型が対応付けられる。
図8に示すように、各攻撃指示画像211~214は、攻撃の種別を示す名前(
図8に示す例においては、パンチ攻撃や、炎攻撃等)と、当該攻撃の類型を示すマーク(
図8に示す例においては、拳のマークや、火のマーク等)とを含む。
【0070】
なお、キャラクタの類型と、当該キャラクタが使用可能な攻撃の類型とは同じものである(例えば、キャラクタの類型が水であり、攻撃の類型も水である)必要はない。上記のように、キャラクタの種類に応じて当該キャラクタに設定可能な攻撃の種別が定められているので、任意のキャラクタに対して任意の種別の攻撃を設定することができるわけではないものの、キャラクタに対しては、当該キャラクタの類型と同じ種類の類型の攻撃を設定することも可能であるし、当該キャラクタの類型とは異なる種類の類型の攻撃を設定することも可能である。
【0071】
対戦シーンにおいて、ゲームシステム1は、プレイヤによって指定された種別の攻撃を使用キャラクタ201に行わせる。ここで、上記攻撃によって攻撃対象のキャラクタに与えられるダメージは、攻撃毎に設定された攻撃力と、攻撃を受けたキャラクタの防御関連パラメータ(例えば、防御力)とに基づいたダメージを、各キャラクタの類型と、当該攻撃の類型とに基づいて増加したり減少したりすることで決定される。詳細は後述するが、攻撃を行うキャラクタの類型と、当該攻撃の類型とが一致する場合(例えば、当該キャラクタの類型が水であり、攻撃の類型も水である場合)、当該攻撃の攻撃力は、一致しない場合よりも増加し、その結果、当該攻撃を受けるキャラクタに与えられるダメージも増加する。また例えば、行われた攻撃の類型が、当該攻撃を受けるキャラクタの類型に対して相性が良い場合、相性が普通である場合に比べて、当該攻撃を受けるキャラクタに与えられるダメージは増加する。一方、行われた攻撃の類型が、当該攻撃を受けるキャラクタの類型に対して相性が悪い場合、相性が普通である場合に比べて、当該攻撃を受けるキャラクタに与えられるダメージは減少する。さらに、特に相性が悪い特定の組み合わせの場合は、攻撃を受けるキャラクタに与えられるダメージは無効化される。また、攻撃を受けるキャラクタに2つの類型が設定され、両方の類型に対して攻撃の類型の相性が良い場合は、より一層ダメージが増加し、両方の類型に対して攻撃の類型の相性が悪い場合は、より一層ダメージが減少し、一方の類型に対して攻撃の類型の相性が良く、もう一方に対して攻撃の類型の相性が悪い場合はダメージが増減しない。
【0072】
上記のように、本実施形態においては、各キャラクタおよび攻撃には類型が設定され、これらの類型に基づいてダメージが計算される。プレイヤは、例えば、攻撃を行うキャラクタの類型と当該攻撃の類型とを考慮しつつ、当該攻撃の類型と攻撃対象のキャラクタの類型との相性を考慮して、攻撃の種別を選択するので、戦略性のある対戦ゲームを行わせることができる。
【0073】
なお、対戦シーンにおいて、各キャラクタがとり得る行動は攻撃動作に限らず、攻撃動作以外の動作であってもよい。例えば、使用キャラクタ201が使用可能な動作として、自身を強化する動作や、相手キャラクタを弱化する動作や、自身の体力を回復する動作等が設定されてもよい。例えば、
図8に示す攻撃指示画像211~214のいくつかに代えて、攻撃動作以外の動作を示す指示画像が表示されてもよい。なお、本実施形態においては、使用キャラクタおよび相手キャラクタには、使用可能な動作として、攻撃動作の種別のみが設定される場合を例として説明する。
【0074】
ここで、本実施形態においては、各キャラクタは、変身を行うことが可能であり、各キャラクタには、通常類型と、変身類型という2つの類型が設定される。通常類型は、少なくとも変身前の状態(「通常状態」と呼ぶ)のキャラクタに適用される類型であり、変身類型は、変身後の状態(「変身状態」と呼ぶ)のキャラクタに適用される類型である。詳細は後述するが、本実施形態においては、キャラクタが通常状態である場合、ゲームシステム1は、当該キャラクタの通常類型を適用し、変身類型については適用せずにダメージの計算処理を行い、キャラクタが変身状態である場合、ゲームシステム1は、当該キャラクタの通常類型と変身類型とを適用してダメージの計算処理を行う。
【0075】
本実施形態においては、通常類型は、キャラクタの種類毎に設定される。また、変身類型は、キャラクタ毎に設定される。したがって、同じ種類である複数体のキャラクタについては、通常類型は全て同じであるが、変身類型はキャラクタ間で異なることがある。また、キャラクタの変身類型は、当該キャラクタの通常類型と同じであることもあるし、当該キャラクタの通常類型とは異なることもある。なお、本実施形態においては、1つのキャラクタについて複数種類の通常類型(例えば、水と火の類型)が設定されることがある。一方、1つのキャラクタについては1つの変身類型のみが設定されるものとする。ただし、他の実施形態においては、1つのキャラクタについて複数種類の変身類型が設定されてもよい。
【0076】
図8に示すように、対戦シーンにおけるゲーム画像は、変身指示画像215を含む。変身指示画像215は、使用キャラクタ201を変身させる変身指示をプレイヤが行うための画像である。つまり、プレイヤは、変身指示画像215を指定することによって、使用キャラクタ201に変身を行わせることができる。例えば、プレイヤは、変身指示画像が選択されている状態で当該変身指示画像を指定する操作を行うことで、変身指示を行うことができる。
【0077】
図9は、変身指示画像が指定されている場合におけるゲーム画像の一例を示す図である。
図9に示すように、変身指示画像215が指定されている状態においては、変身指示画像215は、使用キャラクタ201の変身類型を示すように変化する(
図9に示す例においては、変身指示画像215は、火を示す画像に変化している)。これによって、使用キャラクタ201の変身後における類型(つまり、変身類型)をプレイヤに認識させることができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、ゲームシステム1は、相手キャラクタが通常状態である場合(つまり、相手キャラクタが変身する前)には、当該相手キャラクタの変身類型を示す表示を行わないものとする。つまり、プレイヤは、相手キャラクタの変身前においては、当該相手キャラクタの変身類型を知ることはできないものとする。これは、対戦について駆け引きをより生じさせ、対戦ゲームの戦略性を向上するためである。
【0079】
また、本実施形態においては、各キャラクタは、キャラクタの変身前後で攻撃の類型が変化し得る特殊攻撃を行うことができる。
図8および
図9に示す例においては、攻撃指示画像214は上記特殊攻撃を示している。特殊攻撃は、キャラクタが通常状態である場合には、所定の類型(
図8に示す例においては、丸のマークで示される類型)に設定され、キャラクタが変身状態である場合には、当該キャラクタの変身類型と同じ類型に設定される(つまり、類型が変化する)攻撃である。なお、本実施形態においては、上記特殊攻撃は、全ての種類のキャラクタについて、使用可能な攻撃として設定可能であるものとする。また、キャラクタの変身に応じて特殊攻撃の類型が変化することによる影響については後述する。
【0080】
図9に示すように、変身指示画像215が指定されている状態においては、当該特殊攻撃を示す攻撃指示画像214に含まれる、当該類型を示すマークも変化する。例えば、
図8および
図9に示す例においては、攻撃指示画像214に含まれるマークは、変身指示画像215が指定されたことに応じて、火の類型を示すように変化する。これによって、変身した場合には特殊攻撃の類型が変化することと、変化後の類型とをプレイヤに認識させることができる。
【0081】
上記のように変身指示が行われた(つまり、変身指示画像215が指定された)状態でプレイヤがターン内の行動を決定する操作入力を行うと、ゲームシステム1は、各キャラクタによる行動の前に、使用キャラクタ201を変身させる。本実施形態においては、使用キャラクタ201が変身した場合、使用キャラクタ201の外観が変化する。具体的には、変身状態の使用キャラクタ201は、変身類型を示唆する表示形態となる。例えば、使用キャラクタ201の変身類型が火の類型である場合、変身状態の使用キャラクタ201は、火を表すマーク216が付されてもよいし(
図9参照)、使用キャラクタ201自身の形状の一部が火を表す形状となってもよいし、火を表すエフェクト画像が付された表示形態となってもよい。なお、
図9においては、プレイヤがターン内の行動を決定する前の時点において使用キャラクタ201の表示形態が変化しているが、プレイヤがターン内の行動を決定した後において(つまり、変身することが決定された後において)使用キャラクタ201の表示形態が変化してもよい。なお、相手キャラクタ202についても使用キャラクタ201と同様に、変身状態となった場合には、変身類型を示唆する表示形態となる。上記によって、キャラクタが変身したことと、変身後の類型(すなわち、変身類型)とをプレイヤに認識させることができる。
【0082】
また、ゲームシステム1は、キャラクタが攻撃を行う場合、攻撃の種別に応じた動作をキャラクタに行わせるとともに、攻撃の種別に応じたエフェクト画像を動作に合わせて表示する。ここで、本実施形態においては、変身状態であるキャラクタの変身類型と同じ類型の攻撃を当該キャラクタが行う場合、ゲームシステム1は、当該攻撃のエフェクト画像を、キャラクタが変身状態でない場合におけるエフェクト画像とは異ならせる。例えば、変身状態であるキャラクタによる上記攻撃のエフェクト画像は、当該キャラクタが変身状態でない場合におけるエフェクト画像よりも派手なエフェクト画像であってもよい。詳細は後述するが、変身状態であるキャラクタの変身類型と同じ類型の攻撃を当該キャラクタが行う場合、異なる類型の攻撃を当該キャラクタが行う場合に比べて攻撃力が増加する。したがって、上記のようなエフェクト画像を表示することによって、攻撃力が増加した強力な攻撃を行っていることをプレイヤにわかりやすく認識させることができる。
【0083】
上記のように、本実施形態においては、各キャラクタは対戦中において変身を行うことができる。詳細は後述するが、キャラクタが変身を行うことで、当該キャラクタによる攻撃、および、当該キャラクタが受ける攻撃について、類型に基づいて計算される(当該攻撃による)ダメージが変化することとなる。例えば、プレイヤは、使用キャラクタ201について適切なタイミングで変身を行うことで、使用キャラクタ201の攻撃によるダメージを増加させたり、相手キャラクタ202の攻撃によるダメージを減少させたりすることができる。すなわち、キャラクタの変身によって対戦の戦略性を向上させることができる。
【0084】
次に、
図10~
図12を参照して、キャラクタの通常状態と変身状態とにおける攻撃の効果の具体例について説明する。
図10は、第1キャラクタが通常状態である場合と変身状態である場合とにおける各攻撃種別の攻撃力の一例を示す図である。
図10に示す例においては、第1キャラクタの通常類型はAであり、変身類型はBであるものとする。また、第1キャラクタは、類型がAである第1攻撃、類型がBである第2攻撃、類型がCである第3攻撃、および、上記特殊攻撃という4つの種別の攻撃を使用可能であるものとする。また、通常状態における特殊攻撃の類型はDであるものとする。
【0085】
本実施形態においては、ゲームシステム1は、攻撃を行うキャラクタの類型である攻撃用キャラクタ類型と、当該キャラクタが行う攻撃の類型とが一致する場合、基準値と比べて、当該攻撃の攻撃力倍率を増加させる。具体的には、上記の場合、攻撃力倍率は1.5倍に設定される。一方、攻撃用キャラクタ類型と、キャラクタが行う攻撃の類型とが一致しない場合、攻撃力倍率は基準値(すなわち、1倍)に設定される。なお、上記攻撃の攻撃力は、攻撃の種別毎に設定される、当該攻撃の威力を示す値に、上記攻撃力倍率を乗算した結果に基づいて算出される。なお、上記攻撃力の算出方法は任意であり、例えば、攻撃力は、上記の乗算結果に加えて、攻撃を行うキャラクタに設定されるパラメータ(例えば、力を示すパラメータ)にさらに基づいて算出されてもよい。
【0086】
第1キャラクタが通常状態である場合、第1キャラクタの攻撃用キャラクタ類型は通常類型であるとして攻撃力倍率が計算される。したがって、
図10に示す例において、第1キャラクタが通常状態である場合、第1キャラクタの攻撃用キャラクタ類型はAであるので、類型がAである第1攻撃については、攻撃力倍率が1.5倍に設定される。一方、類型がA以外である第2攻撃、第3攻撃、および、特殊攻撃については、攻撃力倍率が基準値(すなわち、1倍)に設定される。
【0087】
なお、上記攻撃によって攻撃対象のキャラクタが受けるダメージは、上記攻撃力に基づいて計算される。詳細は後述するが、攻撃対象のキャラクタが受けるダメージは、上記攻撃力と、攻撃の類型と当該キャラクタの類型との相性とに基づいて計算される。
【0088】
また、第1キャラクタが変身状態である場合、第1キャラクタの攻撃用キャラクタ類型として、通常類型および変身類型の両方に基づいて攻撃力が計算される。つまり、ゲームシステム1は、キャラクタの通常類型または変身類型と、当該キャラクタが行う攻撃の類型とが一致する場合、基準値と比べて、当該攻撃の攻撃力倍率を増加させる。したがって、
図10に示す例において、第1キャラクタが変身状態である場合、第1キャラクタの通常類型(すなわち、Aの類型)と類型が一致する第1攻撃と、第1キャラクタの変身類型(すなわち、Bの類型)と類型が一致する第2攻撃および特殊攻撃とについては、攻撃力倍率が1.5倍に設定される。なお、上述のように、特殊攻撃については、第1キャラクタが変身状態となったことに応じて類型が変化し、変身類型と一致する類型となるので、攻撃力倍率が1.5倍に設定されることとなる。一方、第1キャラクタの通常類型および変身類型のいずれとも類型が一致しない第3攻撃については、攻撃力倍率が基準値に設定される。
【0089】
上記のように、第1キャラクタについては、変身前の通常状態においては第1攻撃のみが攻撃力が通常よりも増加するのに対して、変身状態においては第1攻撃に加えて、第2攻撃および特殊攻撃についても攻撃力が通常よりも増加する。したがって、第1キャラクタは、変身を行うことでより強力な攻撃を行いやすくなると言うことができる。
【0090】
なお、上述のように、キャラクタに設定される通常類型と変身類型とが同じである場合もあり得る。
図11は、第2キャラクタが通常状態である場合と変身状態である場合とにおける各攻撃種別の攻撃力の一例を示す図である。
図11に示す例においては、第2キャラクタの通常類型および変身類型はともにAであるものとする。また、第2キャラクタは、第1キャラクタと同じ、第1~第3攻撃および特殊攻撃を使用可能であるものとする。
【0091】
図11に示す例において、第2キャラクタが通常状態である場合の攻撃力は、第1キャラクタが通常状態である場合の攻撃力と同様にして計算される。一方、第2キャラクタが変身状態である場合、ゲームシステム1は、第2キャラクタの攻撃用キャラクタ類型として、通常類型および変身類型の両方に基づいて攻撃力を計算する。すなわち、ゲームシステム1は、キャラクタが行う攻撃の類型が、キャラクタの通常類型および変身類型の両方と一致する場合、いずれか一方のみと一致する場合(
図10参照)と比べて、当該攻撃の攻撃力倍率を増加させる。
図11の例においては、上記の場合、攻撃力倍率は、2倍に設定される。したがって、第2キャラクタが変身状態である場合、第2キャラクタの通常類型および変身類型の両方と類型が一致する第1攻撃および特殊攻撃については、攻撃力倍率が2倍に設定される。なお、第2キャラクタが変身状態である場合、第2キャラクタの通常類型および変身類型のいずれとも類型が一致しない第2攻撃および第3攻撃については、攻撃力倍率が基準値(すなわち、1倍)に設定される。
【0092】
上記のように、本実施形態においては、ゲームシステム1は、攻撃を行ったキャラクタが変身状態である場合において、行われた当該攻撃に設定された類型が、当該攻撃を行ったキャラクタに設定された通常類型および変身類型の両方に一致する場合、一方のみと一致する場合よりもさらに、当該攻撃によるダメージを増加させる。これによれば、通常類型と同じ類型が変身類型として設定されるキャラクタ(例えば、上記第2キャラクタ)は、通常類型と異なる類型が変身類型として設定されるキャラクタ(例えば、上記第1キャラクタ)に比べて、より攻撃力が高い攻撃を行うことができる。一方、通常類型と異なる類型が変身類型として設定されるキャラクタは、通常類型と同じ類型が変身類型として設定されるキャラクタに比べて、より多くの種別の攻撃について、基準値よりも攻撃力が高い攻撃を行うことができる。このように、上記によれば、変身類型がいずれに設定されるキャラクタであっても変身類型によるメリットが生じるようにすることができ、変身類型が異なるキャラクタ間で有利不利が生じにくくすることができる。また、通常類型と同じ類型が変身類型として設定されるキャラクタと、通常類型と異なる類型が変身類型として設定されるキャラクタとで異なるメリットを生じさせることで、ゲームの戦略性を向上することができる。
【0093】
図12は、キャラクタの通常状態と変身状態とにおける、攻撃によって受けるダメージの一例を示す図である。
図12に示す例においては、攻撃対象キャラクタ(つまり、攻撃を受けるキャラクタ)の通常類型はAであり、変身類型はBであるものとする。
図12に示す例においては、攻撃対象キャラクタが、類型がAである第1攻撃と、類型がBである第2攻撃と、類型がCである第3攻撃とのいずれかの攻撃を受ける場合のダメージを示している。なお、
図12に示す例において、類型がAである攻撃対象キャラクタに対する類型Aの攻撃の相性は通常であり、類型がAである攻撃対象キャラクタに対する類型Bの攻撃の相性は悪く、類型がAである攻撃対象キャラクタに対する類型Cの攻撃の相性は良いものとする。また、類型がBである攻撃対象キャラクタに対する類型Aの攻撃の相性は良く、類型がBである攻撃対象キャラクタに対する類型Bの攻撃の相性は通常であり、類型がBである攻撃対象キャラクタに対する類型Cの攻撃の相性は悪いものとする。
【0094】
本実施形態においては、攻撃対象キャラクタの類型に対する攻撃の類型の相性が良い場合、基準のダメージ値に比べて、攻撃対象キャラクタが受けるダメージは2倍となる。なお、基準のダメージ値とは、上記相性が通常である場合に攻撃対象キャラクタが受けるダメージの値である。基準のダメージ値は、上述の攻撃力に基づいて算出され、より具体的には、当該攻撃力と、攻撃対象キャラクタに設定されるパラメータ(例えば、防御力を示すパラメータ)とに基づいて算出される。
【0095】
攻撃対象キャラクタが通常状態である場合、攻撃対象キャラクタの類型は通常類型であるとしてダメージが計算される。
図12に示す例において、攻撃対象キャラクタが通常状態である場合、攻撃対象キャラクタの通常類型はAである。したがって、第1攻撃については、攻撃対象キャラクタの類型に対する攻撃の類型の相性が通常であるので、ダメージは基準のダメージ値となる。第2攻撃については、上記相性が悪いので、ダメージは基準のダメージ値の0.5倍となる。第3攻撃については、上記相性が良いので、ダメージは基準のダメージ値の2倍となる。
【0096】
一方、攻撃対象キャラクタが変身状態である場合、攻撃対象キャラクタの類型は変身類型であるとしてダメージが計算される。
図12に示す例において、攻撃対象キャラクタが変身状態である場合、攻撃対象キャラクタの変身類型はBである。したがって、第1攻撃については、攻撃対象キャラクタの類型に対する攻撃の類型の相性が良いので、ダメージは基準のダメージ値の2倍となる。第2攻撃については、上記相性が通常であるので、ダメージは基準のダメージ値となる。第3攻撃については、上記相性が悪いので、ダメージは基準のダメージ値の0.5倍となる。このように、攻撃対象キャラクタが通常状態であるか変身状態であるかによって、有効な攻撃の種別は異なり、同じ攻撃であっても攻撃対象キャラクタが受けるダメージは異なることとなる。
【0097】
上記の他にも、例えば、ダメージを無効化する相性となる類型の組み合わせが設定されている場合には、攻撃対象キャラクタは、変身前後で異なる類型の攻撃を無効化できることになる。また、攻撃対象キャラクタに通常類型が2種類設定されている場合において、これら2種類の通常類型の両方に対して相性の良い類型の攻撃を受けると、攻撃対象キャラクタは、相性が通常である場合に比べて4倍のダメージを受けることになる。これに関して、本実施形態ではキャラクタに設定される変身類型は1種類のため、攻撃対象キャラクタは、変身をすることで、攻撃の類型が何であったとしても、上記4倍のダメージを受けることを避けることができる。
【0098】
以上のように、本実施形態においては、キャラクタを変身状態とすることで、特定の類型の攻撃の攻撃力を増加させたり、攻撃を受ける場合のダメージを変化させたりすることができる。例えば、
図12に示す例のように、通常類型がAで変身類型がBである使用キャラクタをプレイヤが操作する場合において、当該使用キャラクタに対して相性が良い、類型がCである攻撃を相手キャラクタが行うと予想される場合、プレイヤは、使用キャラクタを変身させて類型を変化させることで、類型がCである攻撃によるダメージを減少させることができる。さらに、このとき、使用キャラクタに類型がBである攻撃を行わせることで、攻撃力の高い攻撃を行わせることができる。このように、対戦シーンにおいて適切なタイミングでキャラクタを変身状態とすることで、対戦を有利に進めやすくなる。また、相手キャラクタも変身を行うことが可能であるので、プレイヤは、相手キャラクタが変身するかどうかを予想して、有効な攻撃を考えながらゲームを行うこととなる。例えば、通常状態の相手キャラクタに対しては相性が悪い類型の攻撃であっても、変身状態の相手キャラクタに対しては相性が良い類型の攻撃であれば、相手キャラクタが変身することを予想して当該攻撃を敢えて行わせることも考えられる。以上のように、キャラクタに変身類型を設定し、対戦シーンにおいて変身可能とすることで、対戦ゲームの戦略性を向上することができる。
【0099】
また、本実施形態においては、変身類型の種類はキャラクタ毎に設定されるので、同じ種類のキャラクタについても異なる変身類型が設定されることもある。これによって、キャラクタ毎に個性を持たせやすくなり、キャラクタのバリエーションを豊富にすることができる。
【0100】
本実施形態のキャラクタについては、ゲーム中において捕獲することなどによってプレイヤがキャラクタを収集できるようにしてもよい。ここで、本実施形態においては、同じ種類のキャラクタであっても変身類型の異なるキャラクタが多数存在するので、プレイヤが多数のキャラクタを収集する動機づけとすることができる。また、ゲームにおいて不利な傾向にある類型が通常類型として設定されるキャラクタであっても、変身類型によって新たな使用方法や戦略を生むことができる。また、捕獲されたキャラクタの変身類型は、当該キャラクタの登場時または捕獲時にランダムで決定されるようにしてもよい。また、特定の場面において予め設定された変身類型のキャラクタが登場するようにしてもよい。上記によって、キャラクタ収集要素のバリエーションを増やすことができる。
【0101】
なお、本実施形態においては、ターン制の対戦が行われ、使用キャラクタおよび相手キャラクタの変身は、ターンの開始時において、各キャラクタによる行動(すなわち、攻撃等の行動)前に行われる。すなわち、ゲームシステム1は、使用キャラクタと相手キャラクタとが1ターン毎に1回ずつ行動する制御を行い、あるターンにおいて所定の条件が満たされた場合(すなわち、プレイヤによる変身指示が行われた場合)において、使用キャラクタと相手キャラクタとが当該ターン内における行動をとる前に、当該条件を満たしたキャラクタの状態を通常状態から変身状態へ変化させる制御を行う。これによれば、プレイヤは、対戦相手のキャラクタが変身するか否かをわからない状態で自身が操作するキャラクタの行動を指示し、(変身が行われる場合には)行動が行われる前に変身が行われることとなる。これによって、変身による効果が効果的に発揮されることとなり、対戦ゲームの戦略性をより向上することができる。
【0102】
なお、本実施形態においては、使用キャラクタの変身の条件は、プレイヤによる変身指示があったことである。つまり、ゲームシステム1は、プレイヤの操作入力に基づいた指示に応じて、使用キャラクタの状態を通常状態から変身状態へ変化させる制御を行う。これによれば、プレイヤは、所望のタイミングで使用キャラクタを変身させることができる。なお、本実施形態において、相手キャラクタが他のプレイヤによって操作される場合、当該相手キャラクタの変身の条件は、当該他のプレイヤによる変身指示があったことである。
【0103】
なお、他の実施形態においては、使用キャラクタの変身の条件は任意であり、他の条件であってもよい。例えば、変身の条件は、使用キャラクタの体力が所定値以下となったことであってもよいし、使用キャラクタが所定のアイテムを使用したことであってもよいし、所定のタイミング(例えば、対戦開始のタイミング)から所定の時間が経過したことであってもよい。また、対戦中において例えば攻撃を行ったり攻撃を受けたりすることで溜まるゲージが設定される場合には、変身の条件は、当該ゲージの量が最大になったことであってもよい。また、相手キャラクタのうちには、対戦シーンが開始されたことを条件として変身状態となる(つまり、対戦開始時から変身状態となる)相手キャラクタが含まれてもよい。
【0104】
本実施形態においては、1回の対戦シーンにおいて、使用キャラクタが変身を行うことができる回数は1回であるとする。そのため、対戦シーンに登場する使用キャラクタが複数である場合には、複数の使用キャラクタのうち1つの使用キャラクタについて変身を行うことができ、ある使用キャラクタについて変身が行われた後は、他の使用キャラクタについては変身を行うことができないこととなる。なお、「対戦シーンに登場する使用キャラクタが複数である場合」とは、1回の対戦シーンにおいて、複数の使用キャラクタが同時に出現する場合と、使用キャラクタとなるキャラクタが交代されることで複数のキャラクタが出現する場合との両方を含む意味である。すなわち、本実施形態においては、使用キャラクタを通常状態から変身状態へ変化させるための指示(すなわち、上記変身指示)は、対戦中において1回のみ受け付けられる。上記によれば、プレイヤは、複数の使用キャラクタについて何度も変身を行うことができないので、変身を行わせる使用キャラクタと変身を行わせる適切なタイミングとを見極めて変身指示を行うこととなる。これによって、対戦ゲームの戦略性をより向上することができる。なお、本実施形態においては、相手キャラクタについても使用キャラクタと同様、相手キャラクタが変身を行うことができる回数は1回であるとする。
【0105】
なお、他の実施形態においては、使用キャラクタが変身を行うことができる回数は任意に設定されてよい。例えば、ゲームシステム1は、上記回数を複数回(例えば、3回)に設定してもよいし、使用キャラクタが複数である場合、1つのキャラクタにつき所定回数(例えば、1回)の変身を行うことができるようにしてもよい。また、上記回数に制限が設けられなくてもよい。
【0106】
なお、ゲームシステム1は、使用キャラクタが変身を行った場合、戦闘シーン外において所定の回復条件が満たされることに応じて、当該使用キャラクタを再度の変身が可能な状態にしてもよい。なお、回復条件とは、例えば、ゲームフィールドに配置される所定の施設で当該使用キャラクタを回復させることや、当該使用キャラクタに所定の回復アイテムを与えることであってもよい。
【0107】
また、本実施形態においては、変身状態のキャラクタが受ける攻撃のダメージについては、変身類型を適用して(つまり、通常類型は適用せずに)ダメージが計算されるのに対して、変身状態のキャラクタが行う攻撃については、通常類型と変身類型との両方を適用して攻撃力(および、攻撃力に基づくダメージ)が計算される。ここで、仮に、変身状態のキャラクタが行う攻撃について変身類型のみを適用して攻撃力を計算する(具体的には、変身類型と一致する類型の攻撃のみ攻撃力を増加させる)とすれば、変身後は、通常類型と一致する類型の攻撃を使用するメリットが小さくなってしまい、攻撃の選択肢が実質的に狭まってしまうおそれがある。また、本実施形態においては、キャラクタが使用可能な攻撃の種別には上述のように上限があるので、攻撃の選択肢が狭まってしまうと、対戦ゲームの戦略性が低下する可能性がある。以上より、本実施形態においては、変身状態のキャラクタが行う攻撃については、通常類型と変身類型との両方を考慮して攻撃力を計算することで、変身後に攻撃の選択肢が狭まることを防止し(本実施形態によれば、変身後において攻撃の選択肢はむしろ広がることとなる)、上記の可能性を低減することができる。
【0108】
また、本実施形態においては、各キャラクタは、変化状態になった場合に、変化類型と一致する類型に変化する上述の特殊攻撃を使用可能である。すなわち、ゲームシステム1は、キャラクタが通常状態から変身状態に変化した場合、当該キャラクタに設定された攻撃の種別のうち特殊攻撃の類型を、変身類型に一致する類型へ変化させる制御を行う。これによれば、特殊攻撃を使用可能なキャラクタは、変身後において、変身類型に一致する類型の攻撃を行うことができるので、変身を活かした攻撃を行うことができる。したがって、例えば、キャラクタが使用可能な攻撃として設定可能な攻撃の種別のうちに、当該キャラクタの変身類型に一致する類型の攻撃の種別が含まれない場合であっても、上記特殊攻撃によって、当該キャラクタは変身後において変身類型に一致する類型の攻撃を行うことができる。
【0109】
なお、本実施形態においては、上記特殊攻撃は、キャラクタが通常状態である場合においても使用可能であったが、他の実施形態においては、特殊攻撃は、キャラクタが変身状態である場合に使用可能であり、通常状態である場合においては使用不可能であってもよい。例えば、キャラクタが通常状態である場合には、所定数の種別の攻撃を使用可能であり、当該キャラクタが変身状態となった場合には、当該所定数の種別の攻撃に加えて、特殊攻撃を使用可能となってもよい。
【0110】
[3.ゲームシステムにおける処理の具体例]
次に、
図13~
図14を参照して、ゲームシステム1における情報処理の具体例について説明する。
【0111】
図13は、ゲームシステム1における情報処理に用いられる各種データの一例を示す図である。
図13に示す各種データは、本体装置2がアクセス可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ84、DRAM85、および/または、スロット23に装着されたメモリカード等)に記憶される。
【0112】
図13に示すように、ゲームシステム1は、ゲームプログラムを記憶する。ゲームプログラムは、本実施形態におけるゲーム処理(具体的には、
図14に示す対戦ゲーム処理)を実行するためのゲームプログラムである。
【0113】
また、ゲームシステム1は、キャラクタ(すなわち、使用キャラクタまたは相手キャラクタ)に関する各種情報を示すキャラクタデータを記憶する。本実施形態においては、キャラクタデータは、通常類型データ、変身類型データ、攻撃種別データ、および、変身状態データを含む。通常類型データは、キャラクタに設定される通常類型を示す。なお、本実施形態においては、通常類型はキャラクタの種類毎に設定されるので、ゲームシステム1は、個別のキャラクタ毎に通常類型データを記憶しなくてもよい。変身類型データは、キャラクタに設定される変身類型を示す。攻撃種別データは、キャラクタが使用可能な攻撃として設定されている各攻撃の種別および類型を示す。変身状態データは、キャラクタが現在、通常状態であるか、それとも、変身状態であるかを示す。なお、対戦ゲーム処理の開始時においては、上記変身状態データは通常状態を示す。キャラクタデータは、上記のデータの他に、当該キャラクタに設定される各種のパラメータ(例えば、レベル、体力、すばやさ等)を示すデータを含む。キャラクタデータは、対戦シーンに登場する各キャラクタ毎に記憶される。
【0114】
図14は、ゲームシステム1によって実行される対戦ゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。対戦ゲーム処理は、ゲーム中における対戦シーンにおいて実行されるゲーム処理である。対戦シーン処理は、例えば、上記ゲームプログラムの実行中において、(例えば、ゲームフィールドにおいてプレイヤキャラクタが敵キャラクタに遭遇したことで)対戦シーンが開始されたことに応じて開始される。
【0115】
なお、本実施形態では、本体装置2のプロセッサ81が、ゲームシステム1に記憶されている上記ゲームプログラムを実行することによって、
図14に示す各ステップの処理を実行するものとして説明する。ただし、他の実施形態においては、上記各ステップの処理のうちの一部の処理を、プロセッサ81とは別のプロセッサ(例えば、専用回路等)が実行するようにしてもよい。また、ゲームシステム1が他の情報処理装置(例えば、サーバ)と通信可能である場合、
図14に示す各ステップの処理の一部は、他の情報処理装置において実行されてもよい。また、
図14に示す各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて(または代えて)別の処理が実行されてもよい。
【0116】
また、プロセッサ81は、
図14に示す各ステップの処理を、メモリ(例えば、DRAM85)を用いて実行する。すなわち、プロセッサ81は、各処理ステップによって得られる情報(換言すれば、データ)をメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該情報を用いる場合には、メモリから当該情報を読み出して利用する。
【0117】
なお、
図14に示す対戦ゲーム処理においては、対戦シーンにおける1ターンにおいて、ステップS1~S16の処理ループにおける処理が1回実行され、対戦シーンにおいてターンが繰り返される場合には、ステップS1~S16の処理ループが繰り返し実行される。また、
図14においては図示しないが、ステップS1~S16の一連の処理において、プロセッサ81は、適宜のタイミングでゲーム画像の生成および表示を行う。これによって、
図8および
図9に示すようなゲーム画像が表示されたり、ゲーム画像が更新されることによって、各キャラクタが攻撃動作を行うアニメーションが表示されたりする。なお、ゲーム画像は、ディスプレイ12に表示されてもよいし、上述した据置型モニタに表示されてもよい。
【0118】
図14に示すステップS1において、プロセッサ81は、使用キャラクタについてメモリに記憶されているキャラクタデータに含まれる攻撃種別データが示す各攻撃種別のうちから、使用キャラクタが行う攻撃の種別を決定する。上述のように、使用キャラクタが行う攻撃の種別は、プレイヤによる指示によって決定される。具体的には、プロセッサ81は、上記攻撃種別データが示す各攻撃種別を示す各攻撃指示画像を含むゲーム画像を表示し、各攻撃指示画像のうち1つを選択する指示を受け付ける。プロセッサ81は、コントローラ通信部83および/または各端子17および21を介して各コントローラから受信される操作データを取得し、取得された操作データに基づいて、プレイヤによって選択された攻撃指示画像を特定する。プロセッサ81は、特定された攻撃指示画像が示す攻撃種別を、使用キャラクタが行う攻撃の種別として決定する。
【0119】
また、上記ステップS1において、プロセッサ81は、使用キャラクタを変身させる変身指示を受け付ける。具体的には、プロセッサ81は、上述の変身指示画像215を含むゲーム画像が表示される状態において、変身指示画像215を指定する指示(すなわち変身指示)を受け付け、上記操作データに基づいて、当該指示が行われたか否かを判断する。なお、変身状態となっている使用キャラクタが存在する場合、プロセッサ81は、変身指示画像215を表示せず、変身指示を受け付けないようにする。また、上記の指示の他、プロセッサ81は、例えば相手キャラクタが複数である場合には、使用キャラクタが行う攻撃の対象となる相手キャラクタを指定する指示をさらに受け付けてもよい。ステップS1の次にステップS2の処理が実行される。
【0120】
ステップS2において、プロセッサ81は、相手キャラクタについてメモリに記憶されているキャラクタデータに含まれる攻撃種別データが示す各攻撃種別のうちから、相手キャラクタが行う攻撃の種別を決定する。上述したように、相手キャラクタは、使用キャラクタを使用するプレイヤとは異なる他のプレイヤによって操作されてもよいし、ゲームシステム1によって行動が制御されるキャラクタであってもよい。相手キャラクタが上記他のプレイヤによって操作される場合、プロセッサ81は、当該他のプレイヤによる指示を取得し、当該指示に基づいて、相手キャラクタが行う攻撃の種別を決定する。なお、上記他のプレイヤがゲームシステム1のコントローラを用いる場合、当該コントローラから送信される操作データに基づいて上記の指示を判別する。また、上記他のプレイヤがゲームシステム1とは異なる装置を用いる場合、プロセッサ81は、上記の指示を示すデータを、例えばネットワーク通信部82を介して当該装置から取得する。また、相手キャラクタがゲームシステム1によって行動が制御されるキャラクタである場合、プロセッサ81は、ゲームプログラムにおいて定められるアルゴリズムに従って相手キャラクタが行う攻撃の種別を決定する。
【0121】
また、上記ステップS2において、プロセッサ81は、相手キャラクタを変身させるか否かを決定する。具体的には、相手キャラクタが上記他のプレイヤによって操作される場合、プロセッサ81は、相手キャラクタを変身させる指示を取得し、当該指示に基づいて、相手キャラクタを変身させるか否かを決定する。また、相手キャラクタがゲームシステム1によって行動が制御されるキャラクタである場合、プロセッサ81は、ゲームプログラムにおいて定められるアルゴリズムに従って、相手キャラクタを変身させるか否かを決定する。ステップS2の次にステップS3の処理が実行される。
【0122】
ステップS3において、プロセッサ81は、使用キャラクタを変身させるか否かを判定する。すなわち、プロセッサ81は、上記ステップS1において、使用キャラクタを変身させる変身指示がプレイヤによって行われたか否かを判定する。ステップS3の判定結果が肯定である場合、ステップS4の処理が実行される。一方、ステップS3の判定結果が否定である場合、ステップS4の処理がスキップされてステップS5の処理が実行される。
【0123】
ステップS4において、プロセッサ81は、使用キャラクタを変身状態とする。すなわち、プロセッサ81は、表示されるゲーム画像において、使用キャラクタの外観を、変身状態を表すものに変化させる。また、プロセッサ81は、使用キャラクタについてのキャラクタデータに含まれる変身状態データを、変身状態を示す内容となるように更新する。また、当該キャラクタデータに、特殊攻撃を示す攻撃種別データが含まれている場合、プロセッサ81は、特殊攻撃の類型が使用キャラクタの変身類型と同じ類型となるように当該攻撃種別データを更新する。ステップS4の次にステップS5の処理が実行される。
【0124】
ステップS5において、プロセッサ81は、相手キャラクタを変身させるか否かを判定する。すなわち、プロセッサ81は、上記ステップS2において、相手キャラクタを変身させると決定されたか否かを判定する。ステップS5の判定結果が肯定である場合、ステップS6の処理が実行される。一方、ステップS5の判定結果が否定である場合、ステップS6の処理がスキップされてステップS7の処理が実行される。
【0125】
ステップS6において、プロセッサ81は、相手キャラクタを変身状態とする。すなわち、プロセッサ81は、表示されるゲーム画像において、相手キャラクタの外観を、変身状態を表すものに変化させる。また、プロセッサ81は、相手キャラクタについてのキャラクタデータに含まれる変身状態データを、変身状態を示す内容となるように更新する。また、当該キャラクタデータに、特殊攻撃を示す攻撃種別データが含まれている場合、プロセッサ81は、特殊攻撃の類型が相手キャラクタの変身類型と同じ類型となるように当該攻撃種別データを更新する。ステップS6の次にステップS7の処理が実行される。
【0126】
ステップS7において、プロセッサ81は、使用キャラクタと相手キャラクタとの行動順を決定する。行動順を決定する具体的な方法は任意である。例えば、プロセッサ81は、使用キャラクタと相手キャラクタとに関する所定のパラメータ(例えば、すばやさ)を参照し、当該パラメータに基づいて行動順を決定する。ステップS7の次にステップS8の処理が実行される。
【0127】
ステップS8において、プロセッサ81は、使用キャラクタと相手キャラクタとのうちから、ステップS7で決定された行動順に従って1つのキャラクタを指定する。すなわち、プロセッサ81は、今回のターン(すなわち、ステップS1~S16の処理ループ)におけるステップS8において、まだ指定されていないキャラクタのうちで行動順が最も早いキャラクタを指定する。ステップS8の次にステップS9の処理が実行される。
【0128】
ステップS9において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタは変身状態であるか否かを、当該キャラクタについてメモリに記憶されている変身状態データに基づいて判定する。ステップS9の判定結果が否定である場合、ステップS10の処理が実行される。一方、ステップS9の判定結果が肯定である場合、ステップS11の処理が実行される。
【0129】
ステップS10において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタに関する通常類型データを参照し、当該キャラクタの通常類型に基づいて当該キャラクタによる攻撃の攻撃力を算出する。具体的には、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタに関する攻撃種別データを参照し、当該キャラクタが行う攻撃の種別と、当該攻撃の類型が当該キャラクタの通常類型に一致するか否かとに基づいて、当該攻撃の攻撃力を算出する。すなわち、プロセッサ81は、上記“[2.ゲームシステムにおける処理の概要]”で述べたように、当該攻撃の類型が当該キャラクタの通常類型に一致する場合には、当該攻撃の攻撃力を基準値の1.5倍とし、一致しない場合には、当該攻撃の攻撃力を基準値とする(
図10および
図11参照)。ステップS10の次にステップS12の処理が実行される。
【0130】
一方、ステップS11において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタに関する通常類型データおよび変身類型データを参照し、当該キャラクタの通常類型および変身類型に基づいて、当該キャラクタによる攻撃の攻撃力を算出する。具体的には、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタに関する攻撃種別データを参照し、当該キャラクタが行う攻撃の種別と、当該攻撃の類型が当該キャラクタの通常類型および/または変身類型に一致するか否かとに基づいて、当該攻撃の攻撃力を算出する。すなわち、プロセッサ81は、上記“[2.ゲームシステムにおける処理の概要]”で述べたように、当該攻撃の類型が当該キャラクタの通常類型または変身類型に一致する場合には、当該攻撃の攻撃力を基準値の1.5倍とし、通常類型および変身類型の両方に一致する場合には、当該攻撃の攻撃力を基準値の2倍とし、通常類型および変身類型のいずれにも一致しない場合には、当該攻撃の攻撃力を基準値とする(
図10および
図11参照)。ステップS11の次にステップS12の処理が実行される。
【0131】
ステップS12において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタによる攻撃の対象となる攻撃対象キャラクタは変身状態であるか否かを、当該キャラクタについてメモリに記憶されている変身状態データに基づいて判定する。ステップS12の判定結果が否定である場合、ステップS13の処理が実行される。一方、ステップS12の判定結果が肯定である場合、ステップS14の処理が実行される。
【0132】
ステップS13において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタによる攻撃によって当該攻撃対象キャラクタに与えられるダメージを、当該攻撃対象キャラクタの通常類型を考慮して算出する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている、上記攻撃対象キャラクタに関する通常類型データが示す類型に基づいて、当該攻撃対象キャラクタに与えられるダメージを算出する。具体的には、プロセッサ81は、上記“[2.ゲームシステムにおける処理の概要]”で述べたように、行われた攻撃の類型が、攻撃対象キャラクタの通常類型に対して相性が良いか、通常であるか、それとも、悪いかに応じて、与えられるダメージを、基準のダメージ値の2倍とするか、1倍とするか、それとも、0.5倍とするかを決定する(
図12参照)。ステップS13の次にステップS15の処理が実行される。
【0133】
ステップS14において、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタによる攻撃によって当該攻撃対象キャラクタに与えられるダメージを、当該攻撃対象キャラクタの変身類型を考慮して算出する。すなわち、プロセッサ81は、メモリに記憶されている、上記攻撃対象キャラクタに関する変身類型データが示す類型に基づいて、当該攻撃対象キャラクタに与えられるダメージを算出する。具体的には、プロセッサ81は、上記“[2.ゲームシステムにおける処理の概要]”で述べたように、行われた攻撃の類型が、攻撃対象キャラクタの変身類型に対して相性が良いか、通常であるか、それとも、悪いかに応じて、与えられるダメージを、基準のダメージ値の2倍とするか、1倍とするか、それとも、0.5倍とするかを決定する(
図12参照)。ステップS14の次にステップS15の処理が実行される。
【0134】
また、上記ステップS13またはS14の処理において、プロセッサ81は、決定されたダメージを当該キャラクタに与える処理(例えば、体力値からダメージに応じた値を減算する処理)を実行する。また、プロセッサ81は、ステップS8で指定されたキャラクタに、攻撃に応じた動作を行わせるとともに、当該動作を行う様子を示すゲーム画像を生成して表示する。
【0135】
ステップS15において、プロセッサ81は、今回の対戦シーン(すなわち、対戦ゲーム処理)における対戦を終了するか否かを判定する。ステップS15における具体的な判定方法は任意であるが、例えば、上記ステップS13またはS14の処理によって、いずれかのキャラクタの体力値が0になった場合、対戦を終了すると判定され、いずれのキャラクタの体力値も0になっていない場合、対戦を終了しないと判定される。ステップS15の判定結果が否定である場合、ステップS16の処理が実行される。一方、ステップS15の判定結果が肯定である場合、プロセッサ81は、
図14に示す対戦ゲーム処理を終了する。
【0136】
ステップS16において、プロセッサ81は、ステップS8において全てのキャラクタが指定されたか否かを判定する。ステップS16の判定結果が否定である場合、上記ステップS8の処理が再度実行される。このとき、再度のステップS8の処理によって、現在のターンにおいて攻撃をまだ行っていないキャラクタが指定される。一方、ステップS16の判定結果が肯定である場合、上記ステップS1の処理が再度実行される。このとき、今回のターンが終了し、次のターンが行われることとなる。
【0137】
[4.本実施形態の作用効果および変形例]
以上のように、上記実施形態においては、ゲームプログラムは、情報処理装置(一例としては、本体装置2)のコンピュータに、仮想空間内において、プレイヤの使用する使用キャラクタと、当該使用キャラクタの対戦相手となる相手キャラクタとを含む複数のキャラクタ同士を対戦させる対戦ゲーム処理(
図14)を実行させる。複数のキャラクタにはそれぞれ、少なくとも、(a)キャラクタの種類と、(b)キャラクタの種類に対応付けられた少なくとも1つの第1の類型(一例としては、通常類型)と、(c)キャラクタ毎に個別に設定された第2の類型(一例としては、変身類型)と、(d)キャラクタが対戦において使用可能であって、第3の類型が対応付けられた攻撃の種別、とが設定される。ゲームプログラムは、対戦ゲーム処理において、コンピュータ(一例としては、プロセッサ81)に、次の処理を行わせる構成である。
・所定の条件が満たされた場合に、当該条件を満たしたキャラクタの状態を第1の状態から第2の状態へ変化させる制御を行う処理(ステップS4,S6)
・使用キャラクタが使用可能な攻撃の種別のうち、プレイヤの操作入力に基づいて指示された種別の攻撃を当該使用キャラクタが行う制御を行わせ、当該攻撃による相手キャラクタのダメージを計算する処理(ステップS10,S11,S13,S14)
・相手キャラクタの攻撃に基づいて、当該攻撃による使用キャラクタのダメージを計算する処理(ステップS10,S11,S13,S14)
・攻撃を行ったキャラクタが、第1の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型が、攻撃を行ったキャラクタに設定された第1の類型と一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加する処理(ステップS10)
・攻撃を行ったキャラクタが、第2の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型が、攻撃を行ったキャラクタに設定された第1の類型および第2の類型の少なくともいずれかと一致する場合、一致しない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加する処理(ステップS11)
・攻撃を受けたキャラクタが、第1の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型と、攻撃を受けたキャラクタに設定された第1の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められる所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する処理(ステップS13)
・攻撃を受けたキャラクタが、第2の状態である場合、行われた攻撃に設定された第3の類型と、攻撃を受けたキャラクタに設定された第2の類型との組み合わせが、所定のルールにおいて決められる所定の組み合わせである場合、当該所定の組み合わせでない場合よりも、当該攻撃によるダメージを増加または減少する処理(ステップS14)
【0138】
上記の構成によれば、キャラクタが第1の状態から第2の状態へと変化することによって、当該キャラクタの攻撃によるダメージが変化したり、当該キャラクタが受けるダメージが変化したりすることとなる。これによって、対戦において、キャラクタを変化させるタイミングや、キャラクタに行わせる攻撃の種別の選択に駆け引きを生むことができるので、対戦ゲームにおける戦略性を向上することができる。また、各キャラクタには第1の類型と第2の類型という2つの類型が設定されるので、1つの類型が設定される場合に比べて、キャラクタのバリエーションを増やすことができる。
【0139】
なお、上記「所定のルール」とは、例えば、上記実施形態における類型同士の相性を定めるルールである。また、上記「所定のルールにおいて決められる所定の組み合わせ」とは、例えば、上記実施形態における、ある類型と、当該ある類型に対して相性が良いまたは悪い他の類型との組み合わせである。上記所定のルールは、攻撃によるダメージを増加または減少させる類型の組み合わせを定める任意のものであってよい。所定のルールは、例えば、ダメージに乗算する倍率を類型の組み合わせ毎に定めるものであってもよい。
【0140】
なお、上記の実施形態において、ある情報処理装置においてデータ(プログラムを含む意味である)を用いて処理が実行される場合、当該処理に必要なデータの一部が、当該ある情報処理装置とは異なる他の情報処理装置から送信されてもよい。このとき、当該ある情報処理装置は、他の情報処理装置から受信されたデータと、自身に記憶されているデータとを用いて上記処理を実行してもよい。
【0141】
なお、他の実施形態において、情報処理システムは、上記実施形態における構成の一部を備えていなくてもよいし、上記実施形態において実行される処理の一部を実行しなくてもよい。例えば、情報処理システムは、上記実施形態における一部の特定の効果を奏するためには、当該効果を奏するための構成を備え、当該効果を奏するための処理を実行すればよく、その他の構成を備えていなくてもよいし、その他の処理を実行しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
上記実施形態は、対戦ゲームにおける戦略性を向上し、キャラクタのバリエーションを増やすこと等を目的として、例えばゲームシステムやゲームプログラムとして利用することが可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 ゲームシステム
2 本体装置
81 プロセッサ
201 使用キャラクタ
202 相手キャラクタ