(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】圧縮ガスを乾燥させるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20240307BHJP
F04B 39/16 20060101ALI20240307BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
B01D53/26 231
F04B39/16 G
B01D53/04 230
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022124100
(22)【出願日】2022-08-03
【審査請求日】2022-09-13
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】ハンス マリア カレル ヘルマンス
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-155920(JP,A)
【文献】実開平02-045128(JP,U)
【文献】実開昭61-204629(JP,U)
【文献】国際公開第2021/137127(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0260967(US,A1)
【文献】中国実用新案第204911174(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-053、26-28
F04B 39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスを乾燥させるための装置であって、前記装置(1)は、乾燥される圧縮ガスの入口(2)と、乾燥した圧縮ガスの出口(3)とを備え、前記装置(1)は、再生可能な乾燥剤を含む少なくとも2つの容器(6a、6b)と、前記入口(2)及び前記出口(3)をそれぞれ前記容器(6a、6b)に接続する第1のバルブブロック(8a)及び第2のバルブブロック(8b)で構成される制御可能なバルブシステム(7)とを備え、前記バルブシステムは、少なくとも1つの容器(6a、6b)が、他の容器(6a、6b)が再生及び冷却される間に、圧縮ガスを乾燥させることができるように、及び前記バルブシステム(7)の制御により、前記容器(6a、6b)の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されており、前記装置(1)は、再生される前記容器(6a、6b)に再生ガスを供給するための加熱手段(10)を備える第1の再生ライン(9a)と、飽和した再生ガスの排出のための第2の再生ライン(9b)とをさらに備え、前記第1及び第2の再生ライン(9a、9b)の各々は、異なるバルブブロック(8a、8b)に接続されており、
前記装置は、前記第1の再生ライン(9a)をブローオフ開口(13)に接続するとともに、前記第2の再生ライン(9a、9b)を周囲空気を供給するためのブロア(12)の出口(11)に接続した状態と、前記第1の再生ライン(9a)を周囲空気を供給するためのブロア(12)の前記出口(11)に接続するとともに、前記第2の再生ライン(9a、9b)を前記ブローオフ開口(13)に接続した状態とを切り換えることができ前記ブローオフ開口(13)又は前記ブロア(12)と前記加熱手段(10)との間の前記第1の再生ライン(9a)には、再生可能な乾燥剤を含む追加の容器(15)が組み込まれて
おり、前記追加の容器(15)は、断熱されている、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
耐水性乾燥剤が前記追加の容器(15)内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記追加の容器(15)は、前記少なくとも2つの容器(6a、6)の各々の内部容積よりも小さな内部容積を有する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記追加の容器(15)の内部容積は、前記少なくとも2つの容器(6a、6)のうちの1つの内部容積の最大で1/3又は最大で1/4である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記追加の容器(15)は、押出成形又は管によって作られている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の再生ライン(9a、9b)と連通し、前記第1及び第2の再生ライン(9a、9b)のそれぞれを、前記ブロア(12)の出口(11)又はブローオフ開口(13)に、又はその逆に接続できるように構成されたバルブ装置を有する、請求項1から
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記バルブ装置は、
-四方弁(14)、
-三方弁、
-バタフライ弁、
-オン/オフ弁、
のうちの1又は2以上から構成される、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の再生ライン(9a)は、前記第2のバルブブロック(8b)に接続され、前記第2の再生ライン(9b)は、前記第1のバルブブロック(8a)に接続される、請求項1から
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置(1)は、前記加熱手段(10)と再生される前記容器(6a、6b)との間の位置に温度センサ(17)を備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置(1)は、前記温度センサ(17)によって測定された温度に基づいて前記加熱手段(10)を制御するための制御ユニット(18)を備える、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の再生ライン(9a)に設けられている前記加熱手段(10)は、電気加熱器、蒸気加熱器、又は前記第1の再生ライン(9a)に組み込まれた熱交換器からなる、請求項1から
10のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスを乾燥させるための装置に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、圧縮ガスを乾燥させるための装置の効率を高め、そのような装置を環境パラメータにあまり依存せず、より信頼性の高いものにすることを意図している。
【背景技術】
【0003】
圧縮ガスを乾燥させるための装置は既に知られており、この装置は、乾燥される圧縮ガスの入口と、乾燥した圧縮ガスの出口とを備え、乾燥装置は、再生可能な乾燥剤を含む少なくとも2つの容器と、この入口及び出口をそれぞれ容器に接続する第1のバルブブロック及び第2のバルブブロックからなる制御可能なバルブシステムとを備え、制御可能なバルブシステムは、少なくとも1つの容器が、他の容器が再生及び冷却されている間に圧縮ガスを乾燥できると共に、バルブシステムの制御により容器がそれぞれ順番に、圧縮ガスを乾燥できるように構成されている。
【0004】
本明細書における再生可能な乾燥剤とは、吸着によってガスから水分を吸収することができ、水分で飽和した場合に、いわゆる再生ガスを通すことによって乾燥させることができる乾燥剤又は吸湿剤を意味する。このプロセスは、乾燥剤の再生とも呼ばれる。再生ガスは通常、高温ガスである。
【0005】
ここでは吸着の原理に言及するが、本発明は吸収の原理にも適用可能である。
【0006】
容器が乾燥している場合、乾燥剤は乾燥される圧縮ガスから水分を吸収することになり、乾燥剤は飽和する。つまり、乾燥剤は、ほとんど又は全く追加の水分を吸収することができない。
【0007】
その後、この容器は再生され、典型的には、再生ガスである高温ガス、例えば高温空気が容器を通過する。この高温のガスは、乾燥剤から水分を抽出して再生させることになる。
【0008】
その後、容器を圧縮ガスの乾燥に再び使用する前に、随意的にまず容器を冷却することができる。再生後、乾燥剤は加熱されているはずである。乾燥剤を冷却してから乾燥に使用することで、乾燥剤はより効率的に水分を抽出することができる。
【0009】
容器の再生を可能にするために、加熱手段を備え、再生される容器に再生ガスを供給するために設けられ、第2のバルブブロックに接続する第1の再生ラインと、飽和した再生ガスを排出するための、第1のバルブブロックに接続する第2の再生ラインとを備える、装置が既に知られており、第1の再生ライン及び第2の再生ラインは、それぞれ、周囲空気を供給するためのブロア出口又はブローオフ開口、又はその逆に接続することができる。
【0010】
容器が再生される場合、第1の再生ラインはブロアに接続され、第2の再生ラインはブローオフ開口に接続されることになる。
【0011】
ブロアは、周囲空気を供給することができ、周囲空気は、第2のバルブブロックを介して再生される容器に送られる前に、上記加熱手段によって加熱される。
【0012】
再生される容器を通過した後、飽和した再生空気は、第2の再生ラインとブローオフ開口を介して装置から出ることになる。
【0013】
その後、この再生された容器は、まず冷却される。
【0014】
この目的のために、第1の再生ラインはブローオフ開口に接続され、第2の再生ラインはブロアに接続される。
【0015】
ブロアは、今度は冷却ガスを第2の再生ラインを通過させ、次に再生された容器を通過させることになり、乾燥剤は、冷却ガスによって冷却される。
【0016】
この冷却ガスは、第1の再生ライン及びブローオフ開口を介して装置から出ることになる。
【0017】
このような装置の欠点は、再生ガス、従って加熱手段の温度が比較的高く、そのため比較的多くのエネルギーを消費することである。
【0018】
これは、再生のために周囲空気を使用するためであり、その結果として、周囲空気は常に水分を含むことになり、再生は、周囲空気が強く加熱されない限り最適にならないことになる。
【0019】
加えて、装置は、再生及び冷却のために周囲空気が使用されるので環境パラメータに依存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上述の欠点及び他の欠点の少なくとも1つに対する解決策を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、圧縮ガスを乾燥させるための装置に関し、装置は、乾燥される圧縮ガスの入口と、乾燥した圧縮ガスの出口とを備え、装置は、再生可能な乾燥剤を含む少なくとも2つの容器と、入口及び出口をそれぞれ容器に接続する第1のバルブブロック及び第2のバルブブロックで構成される制御可能なバルブシステムとを備え、バルブシステムは、少なくとも1つの容器が、他の容器が再生及び冷却される間に、圧縮ガスを乾燥させることができるように、及びバルブシステムの制御により、容器の各々が順番に圧縮ガスを乾燥させることができるように構成されており、装置は、再生される容器に再生ガスを供給するための加熱手段を備える第1の再生ラインと、飽和した再生ガスの排出のための第2の再生ラインとをさらに備え、第1及び第2の再生ラインの各々は、異なるバルブブロックに接続されており、第1及び第2の再生ラインのそれぞれは、ブローオフ開口又は周囲空気を供給するためのブロアの出口などに、又はその逆に接続することができ、ブローオフ開口又はブロアと加熱手段との間の第1の再生ラインには、再生可能な乾燥剤を含む追加の容器が組み込まれている。
【0022】
利点は、再生される関連容器の再生時に、周囲空気が加熱される前に追加の容器を通過することである。
【0023】
周囲の水分はすべて追加の容器内の乾燥剤によって抽出されることになり、完全に乾燥した周囲空気を使用して再生が行われることになる。これにより、より効率的な再生が可能になる。
【0024】
さらなる利点は、周囲空気をあまり強く加熱する必要がないことであり、加熱手段は、より低い温度に設定でき、少なくとも一時的により小さな電力を使用することになる。
【0025】
典型的には、これは、例えば、既知の装置と比較して30から40℃の温度低下となるであろう。
【0026】
従って、より少ない加熱容量が必要となるため、よりコンパクトな加熱手段を提供することも可能である。
【0027】
別の利点は、再生された容器がその後冷却される場合に、再生された容器からの熱が冷却ガスを介して追加の容器に運ばれることになり、追加の容器内の乾燥剤がこのプロセスで再生されることになる。
【0028】
さらに、いわば熱がこの追加の容器一時的に蓄えられることになる、つまり追加の容器が加熱されることになる。
【0029】
次のサイクルで容器が再生され場合、ブロアによって吸い込まれた周囲空気は、追加の容器によって乾燥されるだけでなく、一定時間加熱されることになる。さらに、この追加の容器において、熱が吸着によって放出される。これは「吸着熱」とも呼ばれ、凝縮熱に匹敵する。
【0030】
典型的には、これは、例えば、既知の装置と比較して10℃の温度上昇に相当することになる。
【0031】
明確にするために、追加の容器内の乾燥剤は、装置の少なくとも2つの容器内の乾燥剤と同じ乾燥剤とすることができるが、異なる乾燥剤とすることもできることをここで明示する。
【0032】
本発明の好ましい特徴によれば、追加の容器の内部容積は、少なくとも2つの容器の各々の内部容積より小さい。
【0033】
これは、冷却時に追加の容器内の乾燥剤の全容積が常に完全に再生されるので、再生プロセスの開始時に追加の容器内に水分が残留することを防止するのを保証することになる。
【0034】
実際の実施形態では、追加の容器は断熱されている。
【0035】
この断熱は、例えば、追加の容器の内側及び/又は外側への断熱被覆、及び/又は追加の容器が包まれる断熱材料の層の形態をとることができる。
【0036】
この利点は、冷却段階において一時的に追加の容器内に行き着く熱が、可能な限り最適に蓄えられることである。
【0037】
また、本発明は、圧縮ガスを乾燥させる方法に関し、本方法は、乾燥される圧縮ガスを第1の再生可能な乾燥剤に通し、乾燥される圧縮ガスから水分を抽出し、それによって抽出した水分で第1の乾燥剤を飽和させるステップと、再生ガスを通すことによって飽和した第1の乾燥剤を再生するステップと、を含み、再生ガスとして、乾燥及び加熱された周囲空気が使用される。
【0038】
このような方法の利点は、装置について上述したものと同様である。加熱に加えて、再生ガスの乾燥も行うことにより、第1の乾燥剤の再生をより効率的に行うことができ、再生処理の効率を損なうことなく、再生ガスの温度を既存の方法と比較して低くすることができる。
【0039】
好ましくは、周囲空気を乾燥させるために、周囲空気は、飽和した第1の乾燥剤を通過する前に、第2の乾燥剤を通過するが、第2の乾燥剤は、周囲空気から抽出した水分で飽和される。
【0040】
好ましくは、本方法は、再生された第1の乾燥剤を、周囲空気を通すことによって冷却するステップをさらに含み、ここでは周囲空気は加熱され、本方法は、第2の乾燥剤を再生するために、加熱された周囲空気を、飽和した第2の乾燥剤に通すステップをさらに含む。
【0041】
実際の実施形態において、本発明による装置は、本方法を実施するために使用される。
【0042】
本発明の特徴をよりよく示すために、本発明による圧縮ガスを乾燥させるための装置及び方法のいくつかの好ましい実施形態は、非制限的に、添付の図面を参照して例示的に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】圧縮ガスを乾燥させるための本発明による装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1に示す圧縮ガスを乾燥させるための装置1は、乾燥される圧縮ガスのための入口2と、乾燥した圧縮ガスのための出口3とを備える。
【0045】
図1の例では、入口2は、圧縮機5の出口4に接続されている。
【0046】
装置1は、再生可能な乾燥剤を含む2つの容器6a、6bをさらに備える。
【0047】
本発明では、装置1が3以上の当該容器6a、6bを含むことは排除されない。
【0048】
さらに、装置1は、第1のバルブブロック8a及び第2のバルブブロック8bで構成される制御可能なバルブシステム7を含む。
【0049】
第1のバルブブロック8aは、乾燥させる圧縮ガスのための入口2に容器6a、6bを接続するが、第2のバルブブロック8bは、乾燥した圧縮ガスのための出口3に容器6a、6bを接続することになる。
【0050】
バルブブロック8a、8bは、異なるパイプ及びバルブのシステムであり、これは、少なくとも1つの容器6a、6bが再生され、その後冷却され、一方で、他の容器6a、6b又は複数の他の容器6a、6bが圧縮ガスを乾燥するように制御でき、それによって、バルブシステム7を制御することによって、容器6a、6bの各々が順番に圧縮ガスを乾燥することになる。
【0051】
本発明によれば、装置1は、再生される容器6a、6bに再生ガスを供給するための第1の再生ライン9a及び飽和した再生ガスを排出するための第2の再生ライン9bをさらに備える。
【0052】
第1及び第2の再生ライン9a、9bの各々は、異なるバルブブロック8a、8bに接続される。
【0053】
図1に示す例では、第1の再生ライン9aが第2のバルブブロック8bに接続され、第2の再生ライン9bが第1のバルブブロック8aに接続されているが、この逆でもよい。
【0054】
加熱手段10は、再生される容器6a、6bに流入して通過する前に再生ガスを加熱できるように、第1の再生ライン9aに組み込まれている。
【0055】
この場合、これらの加熱手段10は、電気加熱システムで構成されるが、第1の再生ライン9aに組み込まれた蒸気加熱器又は熱交換器で構成されることも排除されない。
【0056】
また、加熱手段10は、圧縮機5の圧縮熱を利用して再生ガスを加熱する熱交換器で構成することもできる。
【0057】
第1及び第2の再生ライン9a、9bの両方は、ブロア12の出口11又はブローオフ開口13に接続することができる。
【0058】
ブロア12は、周囲の空気を吸い込むことができるように機能する。もちろん、フロア12の代わりに、周囲の空気を吸い込むための他の手段を設けることは排除されない。
【0059】
第1の再生ライン9aがブロア12の出口11に接続され、第2の再生ライン9bがブローオフ開口13に接続される、又はその逆、つまり、第2の再生ライン9bがブロア12の出口11に接続され、第1の再生ライン9aがブローオフ開口13に接続される。
【0060】
各再生ライン9a、9bにブロア12及びブローオフ開口13を設け、両者を切り替える切り替え手段を設けることも可能であるが、
図1の例では、よりコンパクトな設計を実現するために、四方弁14の形態のバルブ装置を介して動作するように選択されている。
【0061】
しかしながら、このようなコンパクトなバルブ装置は、必ずしも四方弁14を備える必要はない。
【0062】
バルブ装置は、好ましくは、
-四方弁(14)
-三方弁
-バタフライ弁
-オン/オフ弁
の構成要素のうちの1又は2以上で構成される。
【0063】
バルブ装置は、例えば、4つの別々のバタフライ弁、4つの別々のオン/オフ弁、又は2つの3方向弁で構成することができる。
【0064】
四方弁14を介して、第1及び第2の再生ライン9a、9bのそれぞれは、ブロア12の出口11又はブローオフ開口13に、又はその逆で接続することができる。
【0065】
このため、四方弁14の1つの接続点が第1の再生ライン9aに、1つの接続点が第2の再生ライン9bに、1つの接続点がブローオフ開口13に、1つの接続点がブロア12の出口11に接続される。
【0066】
四方弁14を切り替えることにより、2つの再生ライン9a、9bのうちの、どちらをブロア12の出口11に接続し、どちらをブローオフ口13に接続するかを選択することができる。
【0067】
図1は、四方弁14の第1の位置の状況を示しており、第1の再生ライン9aは、ブロワ12の出口11に接続されている。
【0068】
この装置1は、四方弁14のこの位置において、ブロア12によって吸い込まれた周囲空気が、四方弁14、第1の再生ライン9a及び第2のバルブブロック8bを介して再生される容器6bに行き着くことができるようになっている。
【0069】
もちろん、ここでは、バルブシステム7は、周囲空気の正しい流路を可能にするように適切に制御される。
【0070】
図2は、四方弁14の第2の位置の状況を示しており、第1の再生ライン9aは、ブローオフ開口13に接続されている。
【0071】
この装置1は、四方弁14のこの位置において、ブロア12によって吸い込まれた周囲空気が、四方弁14、第2の再生ライン9b、第1のバルブブロック8aを介して、冷却される容器6bに入ることができるようになっている。
【0072】
また、ここでは、バルブシステム7は、周囲空気の正しい流路を可能にするように適切に制御される。
【0073】
また、四方弁14の代わりに、例えば4つの弁を有するバルブブロック又は四方弁14と同じ構成を実現できる他の手段を用いることも排除されない。
【0074】
本発明によれば、ブローオフ開口13又はブロア12と加熱手段10との間の第1の再生ライン9aには、追加の容器15が組み込まれている。
【0075】
この追加の容器15は、再生可能な乾燥剤を収容する。
【0076】
この場合、好ましくは、これは、例えばシリカゲル又は活性化酸化アルミニウム(活性化アルミナ)のような耐水性乾燥剤である。
【0077】
これは、追加の容器15内に凝縮物が発生する場合に、これが乾燥剤に影響を与えないという利点を有する。
【0078】
この場合、追加の容器15は、例えば、アルミニウムから押出成形によって製造される。また、追加の容器は、例えば管、詳細には鋼管とすることができる。
【0079】
追加の容器15には圧縮ガスが入らないので、この追加の容器15は圧力容器である必要はないが、追加の容器15が圧力容器であることは排除されない。
【0080】
また、この場合、追加の容器15は断熱材16で包まれ、断熱される。
【0081】
あるいは、追加の容器15の内側及び/又は外側に断熱被覆を施すことにより、追加の容器15を断熱することも可能である。
【0082】
好ましくは、追加の容器15の内部容積は、容器6a、6bの各々の内部容積よりも小さく、それによっても追加の容器15内の乾燥剤の量は、容器6a、6bのうちの1つの容器内の乾燥剤の量よりも少ない。
【0083】
好ましくは、追加の容器15の内部容積は、2つの容器6a、6bのうちの1つの内部容積の最大で1/3、より好ましくは1/4である。
【0084】
追加の容器15の好ましい最大寸法は、予想される環境パラメータに依存することになる。
【0085】
相対湿度が100%である場合、追加の容器15の内部容積は、好ましくは、容器6a、6bの内部容積の1/3である。
【0086】
相対湿度が70%である場合、追加の容器15の内部容積は、好ましくは、容器6a、6bの内部容積の1/4である。
【0087】
この場合、装置1は、電気加熱器10と再生される容器6a、6bの入口との間の位置での温度を測定するように構成された温度センサ17をさらに備える。本明細書において、「再生される容器6a、6bの入口」とは、再生ガスが入る容器6a、6bの側を意味することに留意されたい。
【0088】
図1の例では、この温度センサ17は、電気加熱器10と第2のバルブブロック8aとの間の、第1の再生ライン9aに設けられる。
【0089】
この位置は、温度センサ17を1つだけ設ければよいという利点を有する。しかしながら、代替的に、容器6a、6bの各入口に温度センサ17を設けることも可能である。
【0090】
図1の例では、温度センサ17は、加熱手段10と第2のバルブブロック8bとの間に配置されているが、これは必須ではない。
【0091】
最後に、この例の装置1は、温度センサ17によって測定された温度に基づいて加熱手段10を制御するための制御ユニット18を備える。
【0092】
このため、制御ユニット1は、温度センサ17及び加熱手段10に接続されている。
【0093】
圧縮ガス乾燥装置1の動作は、非常に簡単であり、以下の通りである。
【0094】
装置1の動作中、入口2を通して、バルブシステム7の適切な制御により、乾燥される圧縮ガスは、乾燥プロセスにある容器6aに入ることになる。
【0095】
図1及び2の例では、左側の容器6aが圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0096】
この左側の容器6aを通過する際に、乾燥剤がガスから水分を抽出することになる。
【0097】
乾燥した圧縮ガスは、出口3を通って装置1から出ることになる。
【0098】
バルブ装置7の適切な制御により、乾燥される圧縮ガスの正しい流路が実現される。
【0099】
他方の、この場合は右側の容器6bは、前のサイクル又は段階の間に既にガスを乾燥させて水分を含有しており、その間に再生される。
【0100】
本明細書では、周囲空気を加熱して関連する容器6bに通過させ、その後、それを噴出させる再生サイクルが使用される。
【0101】
この目的のために、四方弁14は、
図1に示すように、第1の位置に切り換えられる。
【0102】
ブロア12は、四方弁14を介して追加の容器15に入る周囲空気を吸い込むことになる。
【0103】
ここで、周囲空気は乾燥され、その後、加熱手段10によって加熱される。
【0104】
追加の容器15から出る周囲空気の測定温度に基づいて、制御ユニット18は、周囲空気が関連する容器6bを再生することができるよう所望の温度を有するように、加熱手段10を適切に制御することになる。
【0105】
制御ユニット18は、ここで、周囲空気が乾燥されており、周囲空気をより効率的に乾燥でき、乾燥されていない周囲空気と比較して温度をそれほど高く設定する必要がないことを考慮することができる。
【0106】
乾燥され、加熱された周囲空気は、次に、この容器6b内の乾燥剤を再生するために、第2のバルブブロック8bを介して右側の容器6bに供給されることになる。
【0107】
容器6bを通過した後、その容器6b内の乾燥剤は乾燥されるだけでなく加熱もされることになる。
【0108】
その後、周囲空気は、第1のバルブブロック8a、四方弁14、及びブローオフ開口13を介して装置1から出ることになる。
【0109】
ここで、右側の容器6bは再生される、つまり、乾燥剤から水分が除去され、加熱されている。
【0110】
この容器6bが次のサイクル又は段階の間に圧縮ガスを最適に乾燥できるのを保証するために、容器6bは、まず冷却される。
【0111】
結局のところ、低温の乾燥剤は高温の乾燥剤よりもよく乾燥させる。
【0112】
このために、
図2に示すように、四方弁14は、第2の位置に切り替えられる。
【0113】
バルブシステム7の状態又は位置は変更されず、その間、左側の容器6aは依然として圧縮ガスを乾燥させることができるようになっている。
【0114】
四方弁14を切り換えることによって、ブロア12によって吸い込まれた周囲空気は、今度は第1のバルブブロック8aを介して容器6bに達し、この容器6bから熱を放散させることになる。
【0115】
第2のバルブブロック8b及び加熱手段10を介して、現時点で加熱された周囲空気は、追加の容器15に行き着く。
【0116】
制御ユニット18は、遅くとも冷却の開始時に加熱手段10をオフしていることに留意されたい。
【0117】
加熱された周囲空気は、今度は追加の容器15を再生する、つまり周囲空気から前のステップで取り込まれた水分が追加の容器15から抽出され、加熱された周囲空気は、さらに乾燥剤を加熱することにもなる。
【0118】
このプロセスの結果として、右側の容器6bは冷却されることになり、追加の容器15は再生され加熱されることになる。
【0119】
断熱材16が設けられているため、この熱はすべて追加の容器15に最適に蓄えられることになる。
【0120】
この冷却ステップの終了時に、左側の容器6a内の乾燥剤は飽和状態になり、この容器は再生できる状態になっており、この時点で右側の容器6bは圧縮ガスを乾燥できる状態にある。
【0121】
バルブシステム7を制御又は切り替えることにより、今度は、乾燥される圧縮ガスが右側の容器6bに行き着くことが保証されることになる。
【0122】
一方で、左側の容器6aは、前のステップと同じ方法で再生されることになる。
【0123】
ここで、四方弁14は、
図1に示すように、第1の位置に戻されることになる。
【0124】
ブロア12は周囲空気を吸い込み、その空気は追加の容器15に行き着くことになる。
【0125】
ここでは、周囲空気は乾燥されるだけでなく、少なくとも部分的に加熱される。
【0126】
その結果、乾燥され、既に予熱された周囲空気は、第1の再生ライン9aを介して加熱手段10に行き着くことになる。
【0127】
制御ユニット18は、温度センサ17に基づいて加熱手段10を制御することになる。
【0128】
周囲空気は既に予熱されているので、加熱手段10はあまり高く設定する必要がなく、その結果、加熱手段10が提供する必要がある最高温度はあまり高くないことになる。
【0129】
さらに、この容器6aの再生及びそれに続く冷却は、右側の容器6bについて上述したものと同様に進む。
【0130】
左側の容器6aの冷却後、右側の容器6bは飽和状態になり、容器は、再び交換することができる。
【0131】
その後、全体のサイクルは、最初から繰り返される。
【0132】
図示し説明した例では、容器6a、6bは2つしかないが、容器6a、6bが3以上あることも除外されず、その場合、少なくとも1つの容器6a、6bが常に圧縮ガスを乾燥させることになる。
【0133】
例えば、6つの容器6a、6bが存在することができ、そのうち3つの容器6a、6bが圧縮ガスを乾燥させることになり、2つの容器6a、6bが再生されることになり、1つの容器6a、6bが冷却されることになる。
【0134】
例示の温度センサ17は、加熱手段10の後に配置されているが、再生ラインの他の場所に配置されることも除外されない。
【0135】
本発明は、例示的に説明され、図面に示された実施形態に限定されるものではなく、本発明による圧縮ガスを乾燥させるための装置及び方法は、本発明の範囲を逸脱することなくあらゆる変形例で実現することが可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 装置
6a、6b 容器
7 制御可能なバルブシステム
8a 第1のバルブブロック
8b 第2のバルブブロック
9a 第1の再生ライン
9b 第2の再生ライン
10 加熱手段
12 ブロア
13 ブローオフ開口
15 追加の容器