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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】衛生陶器の光学検査のための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20240307BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G01N21/88 Z
G01N21/84 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022529019
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(86)【国際出願番号】 IB2020060847
(87)【国際公開番号】W WO2021099949
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】102019000021645
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】カローリ,サンツィオ
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-148093(JP,A)
【文献】特表2018-537671(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0300729(US,A1)
【文献】特開2007-115038(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0002227(KR,A)
【文献】特開2015-114722(JP,A)
【文献】特開2019-158553(JP,A)
【文献】特開2018-181235(JP,A)
【文献】特開2003-108985(JP,A)
【文献】特開2013-250247(JP,A)
【文献】特表2013-507026(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155590(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N、G06T、G01B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生陶器の光学検査のための装置であって、
検査位置において検査される衛生陶器を受け入れるように構成された支持デバイスと、
前記検査位置において検査中の前記衛生陶器の複数の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、
前記支持デバイスに対して複数の動作位置の間で移動可能な自動アームであって、前記少なくとも1つのカメラが取り付けられている自動アームと、
前記少なくとも1つのカメラによってキャプチャされた前記複数の画像を受信するように構成された制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、基準データを含むデータベースにアクセスでき、前記衛生陶器の欠陥に関する診断情報を提供するために、前記基準データに基づいて前記複数の画像を処理するように構成されており、
前記自動アームが、動作可能に固定されたベースおよび動作可能に移動可能なヘッドを含むロボットアームであり、前記少なくとも1つのカメラは、前記ヘッドに取り付けられており、
当該装置は、前記複数の画像をキャプチャするように構成された複数のカメラを備え、前記複数のカメラは、少なくとも、三次元画像をキャプチャするように構成された第1のグループのカメラと、二次元画像をキャプチャするように構成された第2のグループのカメラと、を含み、前記複数のカメラは、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられており、
当該装置は、検査中の前記衛生陶器を照明するように構成された複数の照明器を備え、前記複数の照明器は、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられており、
前記複数の照明器が、中央照明器と、前記ヘッドの両側に配置された第1のグループの側方照明器および第2のグループの側方照明器とを含み、前記第2のグループのカメラは、前記中央照明器の周りに配置され且つ前記第1のグループの側方照明器と前記第2のグループの側方照明器との間に配置され、前記第1のグループの側方照明器と前記第2のグループの側方照明器は、前記第1のグループのカメラの間に配置される、装置。
【請求項2】
前記検査位置において検査中の前記衛生陶器を照明するように構成された少なくとも1つの照明器を備え、前記少なくとも1つの照明器が前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の照明器は、検査中の前記衛生陶器に所定のパターンを提供する構造化された光を投影するように構成された構造化された照明器を含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、
前記第1のグループのカメラが前記衛生陶器の三次元画像をキャプチャすることを可能にし、
前記第1のグループのカメラによってキャプチャされた前記三次元画像を処理し、
第2のグループのカメラの1つまたは複数のカメラおよび前記複数の照明器の1つまたは複数の照明器を選択的に有効にする、請求項からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、
前記第1のグループのカメラが前記衛生陶器の三次元画像をキャプチャすることを可能にし、
前記第1のグループのカメラによってキャプチャされた前記三次元画像を処理し、
前記第1のグループのカメラによってキャプチャされた前記三次元画像に基づいて前記ロボットアームを駆動するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのカメラは、前記ロボットアームの前記ヘッドに収容される格納位置と前記ロボットアームの前記ヘッドから突出する引出位置との間で移動可能な格納式カメラを備える、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、キャプチャされた前記複数の画像に基づいて検査中の前記衛生陶器の三次元レンダリングを生成するように構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記支持デバイスは、垂直回転軸周りに回転可能であり且つ前記検査位置において前記衛生陶器を支持可能に受け入れるように構成されたプラットフォームを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記衛生陶器を識別するための識別コードを受信し、前記衛生陶器について、前記衛生陶器の前記識別コードおよび前記診断情報を含む報告文書を生成するように構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
衛生陶器の光学検査のための方法であって、
検査位置において支持デバイス上で検査される衛生陶器を受け取るステップと、
自動アームを複数の動作位置の間で動かすステップと、
前記自動アームに関連付けられている少なくとも1つのカメラによって検査中の前記衛生陶器の複数の画像をキャプチャするステップと、
基準データに基づいて前記複数の画像を処理して、前記衛生陶器の欠陥に関する診断情報を提供するステップと、を含み、
前記自動アームが、動作可能に固定されたベースおよび動作可能に移動可能なヘッドを含むロボットアームであり、前記少なくとも1つのカメラは、前記ヘッドに取り付けられており、
前記複数の画像をキャプチャする前記ステップは、複数のカメラを通して提供され、前記複数のカメラは、少なくとも、三次元画像をキャプチャするように構成された第1のグループのカメラと、二次元画像をキャプチャするように構成された第2のグループのカメラと、を含み、前記複数のカメラは、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられており、
当該方法は、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられた複数の照明器を通して検査中の前記衛生陶器を照明するステップをさらに含み、
前記複数の照明器が、中央照明器と、前記ヘッドの両側に配置された第1のグループの側方照明器および第2のグループの側方照明器とを含み、前記第2のグループのカメラは、前記中央照明器の周りに配置され且つ前記第1のグループの側方照明器と前記第2のグループの側方照明器との間に配置され、前記第1のグループの側方照明器と前記第2のグループの側方照明器は、前記第1のグループのカメラの間に配置される、方法。
【請求項11】
キャプチャする前記ステップは、前記衛生陶器の三次元画像をキャプチャする第1のサブステップと、前記衛生陶器の1つまたは複数のゾーンの二次元画像をキャプチャする第2のサブステップとを含み、
前記方法は、キャプチャする前記第1のサブステップと前記第2のサブステップとの間に、前記衛生陶器の前記1つまたは複数のゾーンを識別するために、前記第1のサブステップの間にキャプチャされた前記三次元画像を処理するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記支持デバイスの回転プラットフォームを垂直回転軸周りに回転させるステップを含み、前記回転は前記自動アームの動作と連携し合う、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
衛生陶器の光学検査のための装置であって、
検査位置において検査される衛生陶器を受け入れるように構成された支持デバイスと、
前記検査位置において検査中の前記衛生陶器の複数の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラと、
前記支持デバイスに対して複数の動作位置の間で移動可能な自動アームであって、前記少なくとも1つのカメラが取り付けられている自動アームと、
前記少なくとも1つのカメラによってキャプチャされた前記複数の画像を受信するように構成された制御ユニットと、を備え、
前記制御ユニットは、基準データを含むデータベースにアクセスでき、前記衛生陶器の欠陥に関する診断情報を提供するために、前記基準データに基づいて前記複数の画像を処理するように構成されており、
前記自動アームが、動作可能に固定されたベースおよび動作可能に移動可能なヘッドを含むロボットアームであり、前記少なくとも1つのカメラは、前記ヘッドに取り付けられており、
当該装置は、前記複数の画像をキャプチャするように構成された複数のカメラを備え、前記複数のカメラは、少なくとも、二次元画像をキャプチャするように構成されたグループのカメラを含み、前記複数のカメラは、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられており、
当該装置は、少なくとも、検査中の前記衛生陶器を照明するように構成された中央照明器を備え、前記中央照明器は、前記ロボットアームの前記ヘッドに取り付けられており、前記グループのカメラは、前記中央照明器の周りに配置される、装置。
【請求項14】
前記自動アームに関連付けられ且つ検査中の前記衛生陶器に向けられた波を放出するように構成されたエミッタを備え、前記制御ユニットは、前記診断情報を提供するために、検査中の前記衛生陶器の波の反射を表す信号を受信し、前記波の反射を表す前記信号を処理するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記基準データは検査中の前記衛生陶器の複数の基準寸法を含み、前記診断情報は寸法欠陥に関連する情報を含み、前記制御ユニットは、
キャプチャされた前記複数の画像から検査中の前記衛生陶器の複数の実際の寸法を導出し、
前記複数の実際の寸法を、前記複数の基準寸法のうちの対応する基準寸法と比較し、
前記実際の寸法と前記基準寸法との差に基づいて、寸法欠陥に関連する前記情報を導出するように構成されている、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記基準データは、キャプチャされた前記複数の画像に対して、欠陥のない基準の衛生陶器を表す対応する複数の基準画像を含み、前記診断情報は、表面欠陥に関する情報を含み、前記制御ユニットは、前記複数の画像の1つまたは複数の画像を前記複数の基準画像の対応する基準画像と比較して、前記キャプチャされた画像と前記対応する基準画像との間の比較に基づいて表面欠陥に関する前記情報を導出するように構成されている、請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記制御ユニットは、検査中の前記衛生陶器のタイプを表す入力データを受信し、前記入力データに基づいて前記データベースから前記基準データを選択するように構成されており、前記制御ユニットは、前記入力データに基づいて、前記複数の動作位置のうちの所定の一連の動作位置の間で前記自動アームを駆動するように構成される、請求項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記中央照明器の周りに配置された複数のさらなる照明器を備える、請求項13から17のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生陶器の光学検査のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この開示は、例えば、便器、洗面器、洗面台、ビデ、小便器、浴槽およびシャワートレイなどのセラミック衛生陶器の製造に係る。この種の衛生陶器は通常、欠陥部品の製造につながる可能性のあるスリップキャスティング法によって製造される。セラミック部品の製造プロセス中、特に鋳造、乾燥による形成のステップの後で、(通常はセラミック製造プロセスの最後のステップである)焼成プロセスの最後に、品質検査が実行される。これらの品質検査は、欠陥のある半製品の処理を回避するために、および/または非準拠部品を市場に出すのを回避するために、欠陥の存在を特定すべく実行される。より具体的には、品質検査は、再加工が可能な欠陥のレベルが低い部品と、廃棄する必要のある欠陥のレベルが高い部品とを特定する。品質検査はまた、製造プロセスに対して是正措置を講じるのに役立ち得る。
【0003】
起こりうる形成誤差、変形、表面の不規則性を特定するために、そして寸法の不規則性を特定すべく、外部ゲージ、テンプレートおよびプラグゲージなどの機器を使用して手動の測定を行うために、従来、品質検査は、鋳造、乾燥および焼成による形成のステップを経て、完成品を肉眼で確認する専門のオペレータによって実行される。この品質検査は、オペレータの経験と専門知識に依存するので、非常に時間を要し且つ信頼性において限りがある。
【0004】
セラミック皿の製造の分野において、特許文書US2003/0184740A1は、検査される部分を拡散光で照明するように構成された照明器と、当該照明器の開口部において固定位置に配置され且つ当該部分を上から見るように構成されたカメラと、を備える光学検査機を開示している。しかしながら、この機械は、衛生陶器などの、検査すべき複数の表面を持つより複雑な物体の検査には適していない。さらに、特許文書JPH06148093Aから、ロボットアームを備えた、衛生陶器の光学検査機が知られている。この機械の検査効率は限られている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、従来技術の上記の欠点を克服するための、衛生陶器の光学検査のための装置および方法を提供することである。
【0006】
この目的は、添付の特許請求の範囲に特徴づけられる本開示の装置および方法によって完全に達成される。
【0007】
より具体的には、本開示は、衛生陶器の光学検査のための装置に関する。衛生陶器は、典型的には、塑性状態にあるか、または鋳造および乾燥のプロセスの後に乾燥され得るセラミック体を含む。これらの場合、衛生陶器は半製品である。
【0008】
衛生陶器は、(焼成後に)釉薬コーティングを施したセラミック体を含み得る。この場合、衛生陶器は完成品である。
【0009】
好ましくは、装置は、検査位置において検査される衛生陶器を受け入れるように構成された支持デバイスを備える。
【0010】
この装置は、検査位置に配置された検査中の衛生陶器の複数の画像をキャプチャするように構成された少なくとも1つのカメラを備える。
【0011】
この装置は、支持デバイスに対して(すなわち、検査位置に配置された検査中の衛生陶器に対して、すなわち、固定基準に対して)複数の動作位置の間で移動可能な自動アームを備える。少なくとも1つのカメラが自動アームに取り付けられている(または関連付けられている)。好ましくは、少なくとも1つのカメラは、自動アームの自由端(自動アームは、平坦な支持面に接続可能な第1の固定端と、平坦な支持面に対して移動可能な第2の自由端との間に延びる)に取り付けられる。好ましくは、装置は、機械式アームの自由端に関連付けられたヘッド(または検査ヘッド)を含む。少なくとも1つのカメラは好ましくは検査ヘッドに取り付けられている。
【0012】
この装置は、少なくとも1つのカメラによってキャプチャされた複数の画像を受信するように構成された制御ユニットを備える。制御ユニットはデータベース(またはメモリ)にアクセスできる。一実施形態では、データベースは装置内に含まれている。一実施形態では、データベースは遠隔にある。データベースは基準データを含む。一実施形態では、基準データは、欠陥のない衛生陶器の基準画像を含む。一実施形態では、基準データは、衛生陶器の基準標準寸法を含む。
【0013】
一実施形態では、基準データは、基準寸法の基準許容範囲を含む。
【0014】
一実施形態では、基準データは、1つまたは複数の特徴的な欠陥に関連する(または表す)。
【0015】
一実施形態では、基準データは、自動アームの一連の動作位置を含む。
【0016】
制御ユニットは、基準データの関数として複数の画像を処理して、衛生陶器の欠陥に関する診断情報を提供するように構成される。例えば、制御ユニットは、キャプチャされた画像を衛生陶器の基準画像と比較して、それらの間の差を検出するように構成されてもよい。制御ユニットはまた、キャプチャされた画像から実際の測定値を導出し、実際の測定値を標準寸法と比較して、それらの間の差(具体的には、基準許容範囲間の差)を検出するように構成されてもよい。制御ユニットはまた、検査された衛生陶器の欠陥の存在を検出するために、キャプチャされた画像(またはその一部)を典型的な欠陥の画像と比較するように構成されてもよい。
【0017】
したがって、本開示の装置は、良好なレベルの信頼性で衛生陶器を自動的に検査することができる。
【0018】
好ましくは、自動アームはロボットを含む。好ましくは、自動アームはロボットアームを規定する(またはロボットアームである)。ロボットアームは、複数の動作位置の間を移動するために、複数の自由度(好ましくは、少なくとも5つの自由度または少なくとも6つの自由度)を有する。一実施形態では、ロボットアームは、ベースとヘッドを含む(すなわち、ロボットアームは、ベースとヘッドとの間に延びる)。ベースは、動作可能に固定されている。言い換えれば、ベースは、平坦な支持面に固定されるように構成される。ヘッドは、動作可能に移動可能である。より具体的には、ヘッドはベースに対して移動可能である。好ましくは、ヘッドは(少なくとも)5自由度で移動可能である。
【0019】
一実施形態では、装置は、検査位置(すなわち、支持デバイス上)に配置された検査中の衛生陶器を照明するように構成された少なくとも1つの照明器を備える。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの照明器は、自動アームに取り付けられている。一実施形態では、少なくとも1つの照明器は、ロボットアームのヘッドに取り付けられている。
【0021】
一実施形態では、制御ユニットは、入力データを受信するように構成される。入力データは、検査対象の衛生陶器のタイプを表す。タイプは、ある種の衛生陶器(例えば、洗面台またはシャワートレイまたは便器)および/または特定のモデルを含んでもよい。一実施形態では、入力データはまた、所望の衛生陶器の品質(例えば、第1の選択または第2の選択)を表してもよい。
【0022】
一実施形態では、制御ユニットは、入力データの関数としてデータベースから基準データを選択するように構成される。制御ユニットは、基準データを取得するために入力データの関数としてデータベースに問い合わせを行うように構成される。
【0023】
一実施形態では、制御ユニットは、入力データの関数として複数の動作位置のうちの所定の一連の動作位置の間で自動アームを駆動するように構成される。
【0024】
一実施形態では、支持デバイスは、垂直回転軸周りを回転する回転プラットフォームを含む。一実施形態では、制御ユニットは、支持デバイス(すなわち、回転プラットフォーム)と協調して(同時に)自動(またはロボット)アームを駆動するように構成される。一実施形態では、回転プラットフォームは、検査位置において衛生陶器を支持可能に受け入れるように構成される。一実施形態では、検査位置において衛生陶器は回転プラットフォーム上に置かれる。
【0025】
支持デバイスが回転プラットフォームを含む一実施形態では、制御ユニットは、入力データの関数として支持デバイスを回転駆動するように構成される。より具体的には、制御ユニットは、入力データの関数として協調して(同時に)自動アームおよび支持デバイスを駆動するように構成される。
【0026】
一実施形態では、装置は、複数の画像をキャプチャするように構成された複数のカメラを備える。したがって、一実施形態では、少なくとも1つのカメラは、複数のカメラを含む。一実施形態では、複数のカメラは、自動アームに関連付けられている。一実施形態では、複数のカメラは、ロボットアームのヘッドに取り付けられている。
【0027】
好ましくは、複数の(またはそれらのいくつかの)カメラの視軸は入射する。より具体的には、複数の(またはそれらのいくつかの)カメラの視軸は、単一の点(検査点)に収束している。
【0028】
一実施形態では、複数のカメラは、衛生陶器の第1の画像(またはスキャン)をキャプチャするように構成された第1のグループのカメラを含む。好ましくは、第1のグループのカメラは、立体構成で互いに接続されて、三次元画像をキャプチャする。より具体的には、第1のグループのカメラは3Dスキャナを規定する。したがって、第1の画像は、好ましくは三次元画像である。以下、言及は第1の画像が三次元である実施形態についてなされるが、それにより、本開示はこの実施形態に限定されず、実際、他の実施形態では、第1の画像(またはそれらのいくつか)は二次元であることに留意されたい。
【0029】
一実施形態では、複数のカメラは、衛生陶器の第2の画像をキャプチャするように構成された第2のグループのカメラを含む。一実施形態では、第2の画像は二次元である。以下、言及は第2の画像が二次元である実施形態についてなされるが、それにより、本開示はこの実施形態に限定されず、実際、他の実施形態では、第2の画像(またはそれらのいくつか)は三次元であることに留意されたい。
【0030】
一実施形態では、第1のグループのカメラは、第2のグループのカメラと一致してもよい。より具体的には、同一のカメラが二次元画像をキャプチャし、ステレオ構成で接続されている場合、三次元画像をキャプチャする。
【0031】
一実施形態では、装置は、検査中の衛生陶器を照明するように構成された複数の照明器を備える。一実施形態では、複数の照明器は自動アームに関連付けられている。
【0032】
一実施形態では、複数の照明器はロボットアームのヘッドに取り付けられている。
【0033】
好ましくは、複数の(またはそれらのいくつかの)照明器の照明方向は入射する。より具体的には、複数の(またはそれらのいくつかの)照明器の照明方向は、単一の点(好ましくは検査点)に収束している。
【0034】
一実施形態では、複数の照明器は、中央照明器と、中央照明器の側方に配置された複数の側方照明器とを含む。より具体的には、複数の照明器は、中央照明器に対してヘッドの両側に配置された第1および第2のグループの側方照明器を含む。一実施形態では、第1および第2の照明器のグループは、中央照明器を通過する軸に関して対称である。一実施形態では、第1および第2の照明器のグループの各々は、少なくとも1つの照明器を含む。一実施形態では、第1および第2の照明器のグループの各々は、少なくとも2つの照明器を含む。一実施形態では、第1および第2の照明器のグループの各々は、少なくとも3つの照明器を含む。
【0035】
一実施形態では、第2のグループのカメラは、中央照明器の周りに配置される。一実施形態では、第2のグループのカメラは、第1のグループの側方照明器と第2のグループの側方照明器との間に配置される。より具体的には、第2のグループのカメラは、中央照明器の周りに対称的に配置された4つのカメラを含む。
【0036】
一実施形態では、第1のグループのカメラは、ヘッドの両側に、側方照明器の外側に配置されている。より具体的には、第1のグループのカメラは、少なくとも1つの第1のカメラおよび少なくとも1つの第2のカメラ(一実施形態では、少なくとも一対の第1のカメラおよび少なくとも一対の第2のカメラ)を含む。したがって、第1および第2のグループの側方照明器は、第1のグループのカメラの間に配置される。より具体的には、第1のグループの側方照明器は、中央照明器と、第1のグループのカメラのうちの第1のカメラ(または一対の第1のカメラ)との間に配置される。第2のグループの側方照明器は、中央照明器と、第1のグループのカメラのうちの第2のカメラ(または一対の第2のカメラの)との間に配置される。
【0037】
一実施形態では、複数の照明器は、検査中の衛生陶器に構造化された光を投影するように構成された構造化された照明器を含む。より具体的には、構造化された照明器は、所定のパターン(例えば、ラインに沿ったパターン(a lined pattern))を表示するように構成されたスクリーンによって規定されてもよい。スクリーンはバックライトを備える。したがって、構造化された照明器は、検査中の衛生陶器の表面に所定のパターンを投影するように構成される。
【0038】
一実施形態では、デフレクトメトリ分析によって表面反射率欠陥を検出するために、複数のカメラは、衛生陶器の表面によって反射された光(この光は、構造化された照明器、つまりスクリーンによって、衛生陶器の表面に投影される)を検出するように構成された(第1および/または第2のグループまたはさらなるグループの)1つまたは複数のカメラを含む。
【0039】
一実施形態では、制御ユニットは、入力データおよび/または三次元画像の関数として、複数の照明器のうちの1つまたは複数の照明器を選択的に有効にするように構成される。別の実施形態では、照明器は、検査の全期間中有効のままである。
【0040】
一実施形態では、制御ユニットは、第1のグループのカメラが衛生陶器の三次元画像をキャプチャし、三次元画像を処理することを可能にするように構成される。一実施形態では、制御ユニットは、入力データおよび/または三次元画像の関数として、第2のグループのカメラの1つまたは複数のカメラおよび/または複数の照明器の1つまたは複数の照明器を所定の順序で選択的に有効にするように構成される。制御ユニットは、入力データおよび/または三次元画像の関数として、所定の一連の動作位置の間でロボットアームの動きを駆動するように構成される。より具体的には、ロボットアームが配置される各動作位置について、1つまたは複数のカメラおよび/または1つまたは複数の照明器が、衛生陶器の表面の少なくとも1つの画像をキャプチャすることが可能になるように、制御ユニットは、ロボットアームの動きと協調して、第2のグループのカメラの1つまたは複数のカメラ、および/または複数の照明器の1つまたは複数の照明器を所定の順序で選択的に有効にするように構成される。好ましくは、制御ユニットは、(検査対象の衛生陶器のタイプおよび/またはユーザが選択した検査設定を含む)入力データの関数として、ロボットアームが駆動される動作位置(したがって、1つまたは複数の照明器および1つまたは複数のカメラが有効にされる動作位置)を選択する。好ましくは、制御ユニットは、第1のグループのカメラによってキャプチャされた三次元画像の関数として、ロボットアームが駆動される動作位置(したがって、1つまたは複数の照明器および1つまたは複数のカメラが有効にされる動作位置)を選択する。実際には、これらの三次元画像は衛生陶器のタイプを示す。制御ユニットはまた、三次元画像において、さらなる(より詳細な)分析が推奨される、衛生陶器(またはその表面)の1つまたは複数の重要なゾーンを識別するように構成されてもよい。実際には、第2のグループのカメラは、好ましくは、第1のグループのカメラよりも高い解像度を有する。
【0041】
一実施形態では、装置は、エミッタ(少なくとも1つ)を備える。一実施形態では、エミッタはマイクロフォンである(したがって、音波を放出するように構成される)。一実施形態では、エミッタは加速度計である。一実施形態では、エミッタは自動アームに関連付けられている(特に、それはロボットアームのヘッドに取り付けられている)。別の実施形態では、エミッタは自動アームから分離されている。エミッタは、検査中の衛生陶器に向けられた波(例えば、音波)を放出するように構成されている。
【0042】
一実施形態では、装置は、衛生陶器(またはその表面)からの反射波を受信し、検査中の衛生陶器での波の反射を表す信号を生成するように構成されたセンサを備える。制御ユニットは、診断情報を提供するために、検査中の衛生陶器での波の反射を表す信号を受信し、波の反射を表す信号を処理するように構成される。より具体的には、音波の反射は、(肉眼やカメラでは検出が困難である)破損や小さな亀裂などの欠陥を検出するのに役立つ。
【0043】
一実施形態では、複数のカメラは、ロボットアームのヘッドに収容される格納位置と、ロボットアームのヘッドから突出する引出位置との間で移動可能な少なくとも1つの格納式カメラを含む。少なくとも1つの格納式カメラは、例えばリムの下などの衛生陶器の隠れたゾーンを検査するのに特に適している。一実施形態では、制御ユニットは、入力データおよび/または第1のグループのカメラによってキャプチャされた画像の関数として、ロボットアームの動きを、格納位置と引出位置との間での少なくとも1つの格納式カメラの動きと連係させるように構成される。一実施形態では、制御ユニットは、入力データおよび/または三次元画像の関数として、格納式カメラを引き出すための命令を発行するように構成される。
【0044】
一実施形態では、制御ユニットは、キャプチャされた複数の画像の関数として(すなわち、キャプチャされた複数の画像から)検査中の衛生陶器の三次元レンダリングを生成するように構成される。
【0045】
一実施形態では、基準データは、検査中の衛生陶器の複数の基準(または標準)寸法を含む。一実施形態では、診断情報は、寸法欠陥に関連する(診断)情報を含む。
【0046】
一実施形態では、制御ユニットは、検査中の衛生陶器の複数の実際の寸法を、三次元レンダリングから、および/またはキャプチャされた複数の画像から導出するように構成される。
【0047】
例えば、便器の実際の寸法(および対応する基準寸法)は、次の寸法の1つまたは複数を含んでもよい、すなわち、高さ、幅、リムの深さ、足の深さ、シート固定穴の位置、床からの水入口穴の軸の高さの1つまたは複数を含んでもよい。洗面台の支柱の場合、実際の寸法(および対応する基準寸法)は、次の寸法の1つまたは複数を含んでもよい、すなわち、高さ、ベースの幅、ベースの深さ、洗面器が結合されているゾーンの幅の1つまたは複数を含んでもよい。
【0048】
一実施形態では、制御ユニットは、複数の実際の寸法を複数の基準寸法の対応する基準寸法と比較するように構成される。
【0049】
一実施形態では、制御ユニットは、実際の寸法と基準寸法との間の差の関数として寸法欠陥に関連する情報を導出するように構成される。
【0050】
一実施形態では、基準データは、複数の基準寸法について、対応する複数の寸法許容範囲を含む。特に、使用中に見えない部分の寸法については、より高い許容範囲が容認される。一実施形態では、寸法許容範囲は、衛生陶器の所望の品質(例えば、第1の選択または第2の選択)に基づいて、ユーザによって選択可能である。これに照らして、制御ユニットは、実際の寸法(または測定値)と対応する基準寸法(または測定値)との差が対応する許容範囲よりも大きい場合に、衛生陶器に欠陥があるとしてフラグを立てるように構成される。
【0051】
寸法欠陥に関連する情報は、次の欠陥の1つまたは複数の有無を表す。すなわち、形態異常(ミスシェイプ)、衛生陶器の平面の不完全な平坦性、衛生陶器の直交する平面間の不完全な垂直性、反り(または対称性の欠如)、衛生陶器のエッジの不完全な真直度の1つまたは複数の有無を表す。
【0052】
一実施形態では、基準データは、基準モデルを含む。基準モデルは、欠陥のない基準の衛生陶器および/または欠陥のある衛生陶器を表してもよい。
【0053】
一実施形態では、基準データは、キャプチャされた複数の画像について、欠陥のない基準の衛生陶器を表す対応する複数の基準画像を含む。複数の基準画像は、基準モデルの可能な例を構成する。一実施形態では、基準データは、(欠陥のない)基準の衛生陶器の三次元レンダリングを含む。この三次元レンダリングは、基準モデルのさらなる例を構成する。
【0054】
一実施形態では、診断情報は、表面欠陥に関する(診断)情報を含む。
【0055】
一実施形態では、制御ユニットは、キャプチャされた画像を基準モデル、具体的には複数の基準画像のうちの対応する基準画像と比較するように、および/または(制御ユニットによって導出された)検査中の衛生陶器の三次元レンダリングを基準の衛生陶器の三次元レンダリングと比較するように構成される。
【0056】
一実施形態では、制御ユニットは、キャプチャされた画像と対応する基準画像との間の比較の関数として、表面欠陥に関連する情報を導出するように構成される。
【0057】
一実施形態では、表面欠陥に関する情報は、成形欠陥、変形、または(塑性状態および/または乾燥した半製品の場合における)および/または(完成品の場合における)部品の表面仕上げであって、衛生陶器の表面の次の表面欠陥(または表面欠陥のタイプ)の1つまたは複数、すなわち、ピンホール、斑点、小さい点(specks)、塊、ブリスター、発泡(bloating)、染み(blemishes)、色の欠陥、仕上がり不良、亀裂、クローリング(crawling)の1つまたは複数の有無を表す(または示す)。
【0058】
より具体的には、表面欠陥は、セラミック体および/または衛生陶器の釉薬に影響を与え得る。さらに具体的には、表面欠陥に関連する情報は、衛生陶器の表面の以下の表面欠陥(または表面欠陥のタイプ)の1つまたは複数の有無を表す(すなわち、示す)、すなわち、粗さ、気泡(またはブリスター)、小さなくぼみ(pitting)、ひび割れ(つまり、釉薬における50から100ミクロンのサイズの小さな亀裂)、クローリング(50から100ミクロンのサイズの、セラミック体および釉薬の亀裂)、亀裂、表面の反り(表面の崩壊した部分)、重い釉薬(つまり、基準面と比較して必要以上に釉薬がある部分)、吹き出し(popping)(つまり、サイズが0.5から1mmの小さなくぼみの形をした釉薬の不連続性)、気泡(つまり、過度の表面粗さ)、染み(つまり、表面の他の部分と色が異なるゾーン)、軽い釉薬(つまり、セラミック体が露出するのを防ぐのに十分でない釉薬)、釉薬収縮(つまり、焼成中に釉薬が収縮し、セラミック体が露出したゾーン)、ロゴの不在または欠陥があるロゴ、仕上がり不良(例えば、こぶまたは隆起またはバリ)、卵殻(eggshell)(つまり、卵殻の表面に似た釉薬の表面の異常な粗さ)、みかん肌(釉薬の表面の異常な粗さがみかん肌を生み出す)、釉薬のうねり、剥がれ(つまり、釉薬がフレーク状に裂ける)、光沢のない釉薬、の1つまたは複数の有無を表す(すなわち、示す)。
【0059】
一実施形態では、基準データは、各欠陥(または欠陥のタイプ)の許容範囲を含む。一実施形態では、基準データは、衛生陶器の各表面および各欠陥(または欠陥のタイプ)に対する許容範囲を含む。例えば、衛生陶器の各表面について基準データは、目に見える、半分見えるまたは隠れた表面への分類(衛生陶器が使用される場合に表面が目に見える、半分見える、または視界から隠れているかを示す)を含んでもよい。したがって、欠陥のタイプごとに、基準データは、表面が見える第1の許容範囲、表面が半分見える第2の許容範囲、および表面が隠れている第3の許容範囲を含み得る。通常、隠れた表面には広い許容範囲が受け入れられるが、目に見える表面には厳しい許容範囲が適用される。
【0060】
一実施形態では、制御ユニットは、衛生陶器を識別するための識別コードを受信するように構成される。より具体的には、制御ユニットは、少なくとも1つのカメラを用いて、衛生陶器に適用された識別コード(例えば、バーコードまたはQRコード(登録商標))を読み取るように構成されてもよい。一実施形態では、制御ユニットは、ユーザから衛生陶器の識別コードを受信するように構成される。一実施形態では、制御ユニットは、検査されるすべての衛生陶器に連続する識別コードを割り当てるように構成される。
【0061】
一実施形態では、制御ユニットは、衛生陶器の識別コードに関連付けられた診断情報を含む報告文書を生成するように構成される。
【0062】
一実施形態では、装置は、真空シール試験デバイスを備える。真空シール試験デバイスは、衛生陶器の1つまたは複数の内部空間に真空を作り出し、1つまたは複数の内部空間の(負の)圧力を測定するように構成される。真空シール試験中は、例えば、排水口、給水口、ボウルなどのあらゆる開口部がシールされる。真空シール試験は、内部空間の隠れた欠陥を検出するのに役立つ。
【0063】
一実施形態では、装置は、追加の自動アームを備える。一実施形態では、追加の自動アームは、追加のロボットアーム(好ましくは、少なくとも5自由度を有する)を規定する。一実施形態では、追加の自動アームは、検査中の衛生陶器を支持デバイスの検査位置に配置し、検査位置から衛生陶器を取り出すように構成される。より具体的には、追加の自動アームは、衛生陶器を平坦な支持供給面から持ち上げ、それを移動させて回転プラットフォーム上に置き、次にそれを回転プラットフォームから持ち上げて移動させ、平坦な支持供給面に戻すように構成される。
【0064】
一実施形態では、制御ユニットは、自動アームおよび追加の自動アームを互いに協調して駆動するようにプログラムされている。
【0065】
一実施形態では、少なくとも1つのカメラは、検査位置にあるときに隠されたままの衛生陶器の表面も検査するために、衛生陶器が追加の機械式アームによって持ち上げられている間に検査中の衛生陶器の少なくとも1つの画像をキャプチャするように構成される。
【0066】
この開示はまた、衛生陶器の光学検査のための方法を提供する。
【0067】
この方法は、検査位置において支持デバイス上で検査される衛生陶器を受け取るステップを含む。
【0068】
この方法は、複数の動作位置の間で自動アームを移動させるステップを含む。一実施形態では、移動させるステップは、自動アーム(ロボットアームを規定する自動アーム)の少なくとも5自由度で実行される。
【0069】
この方法は、少なくとも1つのカメラによって検査中の衛生陶器の複数の画像をキャプチャするステップを含み、少なくとも1つのカメラは、自動アームに関連付けられている(少なくとも1つのカメラは、ロボットアームのヘッドに取り付けられている)。
【0070】
この方法は、基準データの関数として複数の画像を処理して、衛生陶器の欠陥に関する診断情報を提供するステップを含む。
【0071】
一実施形態では、この方法は、ロボットアームのヘッドに取り付けられた少なくとも1つの照明器を使用して、検査位置に配置された衛生陶器を照明するステップを含む。
【0072】
一実施形態では、キャプチャするステップは、衛生陶器の第1の画像をキャプチャする第1のサブステップを含む(一実施形態では、第1の画像は、3Dカメラまたはスキャナを使用してキャプチャされる三次元画像である)。一実施形態では、キャプチャするステップは、衛生陶器の1つまたは複数の重要なゾーンの第2の画像をキャプチャする第2のサブステップを含む(一実施形態では、第2の画像は、従来のカメラを使用してキャプチャされる二次元画像である)。
【0073】
一実施形態では、この方法は、衛生陶器の1つまたは複数の重要なゾーンを識別するために、第1のサブステップ中にキャプチャされた三次元画像を処理するステップを含む。したがって、第1のサブステップは、欠陥がある可能性のある重要なゾーンを識別するのに役立ち、第2のサブステップはこれらの重要なゾーンに焦点を当てる。実際には、第2のサブステップ中にキャプチャされた画像は、第1のサブステップ中にキャプチャされた画像よりも詳細である(第2のサブステップ中にキャプチャされた画像がより小さなゾーンに集中しているから、および/またはそれらがより高い解像度のカメラを使用してキャプチャされているからである)。
【0074】
一実施形態では、この方法は、支持デバイスの回転プラットフォーム上の検査位置に衛生陶器を支持可能に受け入れるステップを含む。一実施形態では、この方法は、支持デバイスの回転プラットフォームを垂直軸周りに回転させるステップを含む。好ましくは、回転させるステップは、自動アームを移動させるステップと連携し合う。
【0075】
一実施形態では、自動アームが配置される複数の動作位置の各動作位置で少なくとも1つの画像がキャプチャされる。
【0076】
一実施形態では、この方法は、衛生陶器の第1の画像をキャプチャするために第1のグループのカメラを有効にするステップを含む。一実施形態では、第1の画像は3D画像である。
【0077】
一実施形態では、この方法は、第1の画像を処理するステップと、第1の画像の関数として第2のグループのカメラの1つまたは複数のカメラを選択的に有効にするステップとを含む。一実施形態では、この方法はまた、第1および/または第2のグループのカメラが有効になると同時に、複数の照明器のうちの1つまたは複数の照明器を有効にするステップを含む。一実施形態では、この方法は、(カメラおよび/または照明器の有効化と協調して)第1の画像の関数として自動(またはロボット)アームを駆動するステップを含む。
【0078】
一実施形態では、この方法は、ロボットアームのヘッドに収容される格納位置と、ロボットアームのヘッドから突出する引出位置との間で移動可能な格納式カメラを引き出すステップを含む。好ましくは、引き出すステップは、ロボットアームを移動させるステップと連携し合う。そのようにして、例えばリムの下のゾーンなど、衛生陶器の隠れたゾーンを検査することが可能である。
【0079】
一実施形態では、この方法は、(少なくとも1つの)構造化された照明器を使用して、検査中の衛生陶器に構造化された光を投影するステップを含む。
【0080】
一実施形態では、この方法は、検査中の衛生陶器に向けられた波(例えば、音波)を放出するステップと、衛生陶器の表面によって反射された波を捕捉するステップとを含む。次に、この方法は、診断情報を提供するために、反射された波(または波の反射)を表す信号を処理するステップを含む。
【0081】
一実施形態では、この方法は、キャプチャされた複数の画像の関数として、検査中の衛生陶器の三次元(デジタル)レンダリングを生成するステップを含む。
【0082】
一実施形態では、この方法は、検査中の衛生陶器の複数の実際の寸法を三次元レンダリングから導出するステップを含む。
【0083】
一実施形態では、この方法は、複数の実際の寸法を複数の基準寸法のうちの対応する基準寸法と比較するステップと、実際の寸法と基準寸法との間の差の関数として寸法欠陥に関連する診断情報を導出するステップとを含む。
【0084】
一実施形態では、この方法は、複数のキャプチャされた画像の1つまたは複数の画像を対応する基準画像と比較して、キャプチャされた画像と対応する基準画像との間の比較の関数として表面欠陥に関する情報を導出するステップを含む。
【0085】
一実施形態では、この方法は、衛生陶器のタイプを表す入力データを制御ユニットで受信するステップを含む。一実施形態では、この方法は、基準データを取得するために入力データの関数としてデータベースに問い合わせを行うステップを含む。
【0086】
一実施形態では、自動アームは、入力データの関数として、複数の動作位置の所定の一連の動作位置の間で駆動される。
【0087】
一実施形態では、この方法は、衛生陶器の識別コードを制御ユニットで受信するステップを含む。一実施形態では、この方法は、診断情報を含む報告文書を生成するステップを含む。好ましくは、報告文書は、診断情報を衛生陶器の識別コードと関連付ける。
【図面の簡単な説明】
【0088】
これらおよび他の特徴は、添付の図面に非限定的な例として示されている、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1】停止位置での本開示による衛生陶器の光学検査のための装置を示す側面図である。
図2】伸長位置での本開示による衛生陶器の光学検査のための装置を示す側面図である。
図3図1の装置の実施形態におけるロボットアームのヘッドを正面図で示す。
図4図1の装置の実施形態におけるロボットアームのヘッドを斜視図で示す。
図5図1の装置の別の実施形態におけるロボットアームのヘッドを正面図で示す。
図6図1の装置の別の実施形態におけるロボットアームのヘッドを斜視図で示す。
図7A】装置によって生成された三次元レンダリングにおける衛生陶器を示す。
図7B】装置によって生成された三次元レンダリングにおける衛生陶器を示す。
図8図1の装置の動作を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0089】
添付の図面を参照して、数字1は、衛生陶器の光学検査のための装置を示す。
【0090】
装置1は、検査位置において衛生陶器6を受け入れるように構成された支持デバイス2を備える。支持デバイス2は、ベース21を含む。ベース21は、平坦な支持面(または床T)に固定されるように構成される。したがって、ベース21は、床Tに対して動作可能に固定されている。支持デバイス2は、衛生陶器6を支持可能に受け入れるように構成されたプラットフォーム22を含む。プラットフォーム22は、ベース21に回転可能に(または旋回可能に)結合されており、回転軸A2周りにベース21に対して回転する。回転軸A2は垂直である(重力に平行である)。支持デバイス2は、ベース21に対してプラットフォーム22を回転させるように構成された回転アクチュエータ23を含む。
【0091】
装置1は、ロボットアーム3を備える。ロボットアーム3は、ベース31を含む。ベース31は、平坦な支持面(または床T)に固定されるように構成される。したがって、ベース31は、床Tに対して動作可能に固定されている。
【0092】
ロボットアーム3は、回転要素32を含む。回転要素32は、ベース31に回転可能に(または旋回可能に)結合されており、第1の回転軸A32周りにベース31に対して回転する。より具体的には、回転要素32は、第1の回転軸A32周りに完全に回転(360°回転)するように構成される。一実施形態では、回転要素32は、第1の回転軸A32周りに第1の回転方向および第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転するように構成される。
【0093】
第1の回転軸A32は垂直である(重力に平行である)。ロボットアーム3は、ベース31に対して回転要素32を回転させるように構成された第1の回転アクチュエータ371を含む。ベース31に対する回転要素32の回転は、ロボットアーム3の第1の自由度を規定する。
【0094】
ロボットアーム3は、第1の肢33を含む。第1の肢33は、回転要素32に枢動可能に(または回転可能に)結合される。第1の肢33は、回転要素32に対して第2の回転軸A33周りに回転するように構成される。第2の回転軸A33は水平である(重力に対して直角である)。第2の回転軸A33は、回転要素33と共に(水平回転面内で)回転可能である。ロボットアーム3は、回転要素32に対して第1の肢33を回転させるように構成された第2の回転アクチュエータ372を含む。回転要素32に対する第1の肢33の回転は、ロボットアーム3の第2の自由度を規定する。
【0095】
ロボットアーム3は、第2の肢34を含む。第2の肢34は、第1の肢33に枢動可能に(または回転可能に)結合される。第2の肢34は、第1の肢33に対して第3の回転軸A34周りに回転するように構成される。第3の回転軸A34は水平である(重力に対して直角である)。第3の回転軸A34は、回転要素32の回転と共に水平面内で回転可能であり、第1の肢33の動きを介して異なる水平面間で並進可能である。ロボットアーム3は、第1の肢33に対して第2の肢34を回転させるように構成された第3の回転アクチュエータ373を含む。第1の肢33に対する第2の肢34の回転は、ロボットアーム3の第3の自由度を規定する。
【0096】
ロボットアーム3は、プリヘッド35を含む。プリヘッド35は、第2の肢34に枢動可能に(または回転可能に)結合される。プリヘッド35は、第2の肢34に対して第4の回転軸A35周りに回転するように構成される。第4の回転軸A35は水平である(重力に対して直角である)。第4の回転軸A35は、回転要素32の回転と共に水平面内で回転可能であり、また、第1の肢33および第2の肢34の動きを介して異なる水平面間で並進可能である。ロボットアーム3は、第2の肢34に対してプリヘッド35を回転させるように構成された第4の回転アクチュエータ374を含む。第2の肢34に対するプリヘッド35の回転は、ロボットアーム3の第4の自由度を規定する。
【0097】
ロボットアーム3は、ヘッド36を含む。ヘッド36は、回転可能に(または旋回可能に)プリヘッド35に結合される。ヘッド36は、第5の回転軸A36周りに回転可能である。一実施形態では、ヘッド36は、第5の回転軸A36周りに完全に回転(360°回転)するように構成される。一実施形態では、ヘッド36は、第5の回転軸A36周りに第1の回転方向および第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転するように構成される。ロボットアーム3は、プリヘッド35に対してヘッド36を回転させるように構成された第5の回転アクチュエータ375を含む。プリヘッド35に対するヘッド36の回転は、ロボットアーム3の第5の自由度を規定する。
【0098】
一実施形態では、第1、第2、第3、第4および第5の回転アクチュエータ371、372、373、374および375、並びにプラットフォームのアクチュエータ23は、空気圧アクチュエータであり、別の実施形態では、それらは油圧アクチュエータである。
【0099】
ロボットアーム3は、第1、第2、第3、第4および第5の回転アクチュエータ371、372、373、374、および375を介して、複数の動作位置(または複数の構成)の間で移動可能である。より具体的には、複数の動作位置のそれぞれにおいて、ヘッド36は、衛生陶器6を見るために、検査位置に配置された衛生陶器に向けられている。衛生陶器6を(ヘッドと干渉することなく)検査位置に配置できるようにするために、またはロボットアーム3の試験または保守を実行するために、ロボットアーム3はまた、ヘッド36が検査位置に配置された衛生陶器6に向けられていない複数の非動作位置の間で移動可能である。非限定的な例として、図1は、第1の非動作位置(停止構成)にあるロボットアーム3を示し、図2は、第2の非動作位置(伸長構成)にあるロボットアーム3を示す。
【0100】
ヘッド36は、支持バー361を含む。支持バー361は、プリヘッド35に対して回転可能である。
【0101】
ヘッド36は、支持バー361に接続された支持デバイス362を含む。一実施形態では、支持デバイス362は、支持バー361に沿ってスライド可能(または並進可能)である。一実施形態では、ヘッド36は、支持デバイス362を支持バー361に沿ってスライドさせるためのエンドアクチュエータを含む。支持バー361に沿った支持デバイス362の並進は、可能であれば、ロボットアーム3の第6の自由度を規定する。
【0102】
ヘッド36は、支持バー361の第1の端部に接続された第1の側部支持デバイス363Aを含む。ヘッド36は、支持バー361の第2の端部に接続された第2の側部支持デバイス363Bを含み、第2の端部は第1の端部の反対側にある。第1および第2の側部支持デバイス363Aおよび363Bは、支持バー361に対して直角に細長い。
【0103】
装置1は、複数のカメラを含む。
【0104】
より具体的には、装置1は、第1のグループのカメラを含む。一実施形態では、第1のグループのカメラは、3Dカメラ(または3Dスキャナ)である。
【0105】
第1のグループのカメラは、第1の側部支持デバイス363Aに取り付けられた第1のカメラ41Aを含む。一実施形態では、第1のグループのカメラは、第1の側部支持デバイス363Aに取り付けられた(第1の側部支持デバイス363Aの両端にある)一対の第1のカメラ41A、41A’を含む。第1のグループのカメラは、第2の側部支持デバイス363Bに取り付けられた第2のカメラ41Bを含む。一実施形態では、第1のグループのカメラは、第2の側部支持デバイス363Bに取り付けられた(第2の側部支持デバイス363Bの両端にある)一対の第2のカメラ41B、41B’を含む。
【0106】
装置1は、第2のグループのカメラを含む。一実施形態では、第2のグループのカメラは2Dカメラである。第2のグループのカメラは、第1のカメラ42Aを含む。一実施形態では、第2のグループのカメラは、第2のカメラ42Bを含む。一実施形態では、第2のグループのカメラは、第3のカメラ42Cを含む。一実施形態では、第2のグループのカメラは、第4のカメラ42Dを含む。好ましくは、第2のグループのカメラ42A、42B、42Cおよび42Dは、中央支持デバイス362に接続されている。好ましくは、第2のグループのカメラ42A、42B、42Cおよび42Dは、中央支持デバイス362に接続されている。
【0107】
装置1は、複数の照明器を含む。複数の照明器は、中央照明器51を含む。中央照明器51は、十字(クロス)の中央に配置されている(十字の端部にカメラ42A、42B、42Cおよび42Dが配置されている)。複数の照明器は、第1のグループの側方照明器を含み、第1のグループの側方照明器は、3つの照明器52A、52B、52Cを含む。複数の照明器は、第2のグループの側方照明器を含み、第2のグループの側方照明器は、3つの照明器53A、53B、53Cを含む。第1のグループの側方照明器52A、52B、52Cは、第2のグループの第1のカメラ42Aと第1のグループの第1のカメラ41Aとの間に配置される。第2のグループの側方照明器53A、53B、53Cは、第2のグループの第3のカメラ42Cと第1のグループの第2のカメラ41Bとの間に配置される。
【0108】
一実施形態では、装置1(または複数の照明器)は、スクリーン55を含む。スクリーン55はヘッド36に取り付けられている。スクリーン55は、取り外し可能にヘッドに取り付けられてもよい。スクリーン55は、検査中の衛生陶器の表面に所定のパターン(例えば、一連の平行線)を投影するように構成される。したがって、スクリーン55は、構造化された照明器を規定する。
【0109】
スクリーン55を含む実施形態では、複数のカメラはまた、少なくとも第1のスクリーンカメラ43を含む。複数のカメラはまた、第2のスクリーンカメラ44を含んでもよい。第1のスクリーンカメラ43および(存在する場合には)第2のスクリーンカメラ44は、デフレクトメトリ分析によって表面反射率欠陥を検出するために、衛生陶器の表面によって反射された光(この光は、スクリーン55によって衛生陶器の表面に投影される)を捕捉するように構成される。第1のスクリーンカメラ43および第2のスクリーンカメラ44は、好ましくは、収束視軸(convergent viewing axes)を持ち、スクリーンの縁(例えば、上端および下端、または側縁)に配置される。
【0110】
好ましくは、第1のグループのカメラ41A、(41A’)、42A、(42A’)は、収束視軸を有する。
【0111】
好ましくは、第2のグループのカメラ42A、42B、42Cおよび42Dは、収束視軸を有する。
【0112】
好ましくは、中央照明器51および側方照明器52A、52B、52C、53A、53B、53Cは、収束する照明方向を有する。
【0113】
一実施形態では、第1のグループのカメラ41A、(41A’)、42A、(42A’)、第2のグループのカメラ42A、42B、42Cおよび42D、中央照明器51および側方照明器52A、52B、52C、53A、53B、53Cは、衛生陶器6の収束照明方向(表面または表面の一部に収束する)を有する。
【0114】
一実施形態では、複数の照明器はまた、着色光(例えば、赤)を放出するように構成された第1の照明器54Aおよび第2の照明器54Bを含む。より具体的には、第1の照明器54Aおよび第2の照明器54Bは、点滅する(または断続的な)光を放出するように構成される。
【0115】
装置1は、制御ユニット7を備える。
【0116】
一実施形態では、制御ユニット7は、検査中の衛生陶器6のタイプ(例えば、ブランドおよびモデル)を表す入力データを受信するように構成される。
【0117】
一実施形態では、制御ユニット7は、基準データ81を含むデータベース8にアクセスできる。一実施形態では、制御ユニット7は、基準データ81を取得するように構成される。一実施形態では、制御ユニット7は、入力データの関数としてデータベースに問い合わせを行うように構成される。
【0118】
一実施形態では、基準データ81は、衛生陶器6を検査するためにロボットアーム3がとる1つまたは複数の動作位置を含む。
【0119】
制御ユニット7は、基準データ81の関数として、(衛生陶器6が載っている)回転プラットフォーム22およびロボットアーム3を駆動するように構成される。より具体的には、制御ユニット7は、以下のアクチュエータのうちの1つまたは複数を協調的に駆動するように構成される。すなわち、回転プラットフォーム22の回転アクチュエータ23、ロボットアーム3の第1のアクチュエータ371、ロボットアーム3の第2のアクチュエータ372、ロボットアーム3の第3のアクチュエータ373、ロボットアーム3の第4のアクチュエータ374、ロボットアーム3の第5のアクチュエータ375のうちの1つまたは複数を協調的に駆動するように構成される。
【0120】
制御ユニット7は、第1のグループのカメラ41A、(41A’)、41B、(41B’)の1つまたは複数のカメラが衛生陶器6の画像4(一実施形態では、三次元画像)をキャプチャすることを可能にするように構成される。一実施形態では、制御ユニット7は、第1のグループのカメラ41A、(41A’)、41B、(41B’)が衛生陶器6の画像4をキャプチャする第1の一連の動作位置の間でロボットアーム3を駆動するように構成される。一実施形態では、第1の一連の動作位置は、事前に決定されている。一実施形態では、第1の一連の動作位置は、入力データの関数である。一実施形態では、制御ユニットは、複数の照明器51、52A、52B、52C、53A、53B、53Cのうちの1つまたは複数の照明器を有効にするように構成される。
【0121】
一実施形態では、制御ユニット7は、キャプチャされた三次元画像から衛生陶器6の三次元レンダリング70を再構築するように構成される。
【0122】
一実施形態では、制御ユニット7は、衛生陶器6の三次元レンダリング70において、目に見えるゾーン71、半分隠れたゾーン72、および隠れたゾーン73を識別するように構成される。
【0123】
一実施形態では、制御ユニット7は、三次元レンダリング70および/またはキャプチャされた画像4を(基準データ81の一部を形成する)対応する基準画像と比較して、それらの間の(寸法および/または表面における)差を検出するように構成される。一実施形態では、制御ユニット7は、三次元レンダリング70および/またはキャプチャされた画像4と(基準データ81の一部を形成する)基準許容範囲の関数としての基準画像との間の比較の関数として重要なゾーンを識別するように構成される。より具体的には、制御ユニット7は、三次元レンダリング70および/またはキャプチャされた画像4から画像パラメータを抽出し、それらを(基準画像の)基準画像パラメータと比較するように構成される。
【0124】
一実施形態では、制御ユニット7は、比較の関数として重要なゾーンを識別するように構成される。比較中に評価された画像パラメータの少なくとも1つが、基準許容範囲よりも大きい量だけ対応する基準画像パラメータとは異なる場合に、ゾーンは重要であるといえる。
【0125】
特に、キャプチャされた画像4および/または三次元レンダリング70と基準画像との間の差は、それらが隠れたゾーン73に位置する場合には第1の基準許容範囲を用いて評価され、それらが半分隠れたゾーン72に位置する場合には第2の基準許容範囲を用いて評価され、それらが目に見えるゾーン71に位置する場合には第3の基準許容範囲を用いて評価される。第1の基準許容範囲は第2の許容範囲よりも大きい。第2の基準許容範囲は第3の許容範囲よりも大きい。
【0126】
一実施形態では、制御ユニットは、第2の一連の動作位置の間でロボットアーム3を駆動し、第2の一連の動作位置の各動作位置で、第2のグループのカメラ42A、42B、42C、42Dの1つまたは複数のカメラおよび複数の照明器51、52A、52B、52C、53A、53B、53Cのうちの1つまたは複数の照明器を有効にするように構成される。第2の一連の動作位置は、第2のグループのカメラ42A、42B、42C、42Dが、識別された1つまたは複数の重要なゾーンの画像4をキャプチャするというようなものである。
【0127】
一実施形態では、制御ユニット7は、第2のグループのカメラ42A、42B、42C、42Dによってキャプチャされた画像4を基準データ81と比較するように構成される。
【0128】
一実施形態では、制御ユニット7は、第2のグループのカメラ42A、42B、42C、42Dによってキャプチャされた画像4の関数として三次元レンダリング70を更新するように構成される。
【0129】
一実施形態では、制御ユニット7は、更新された三次元レンダリング70を基準データ81と比較するように構成される。
【0130】
制御ユニット7は、衛生陶器6の欠陥に関する診断情報9を提供するように構成される。
【0131】
装置1は、診断情報9をユーザが利用できるようにするように構成されたインタフェースを含む。
【0132】
一実施形態では、診断情報9は、更新された三次元レンダリング70によって規定される。実際には、インタフェース上に三次元レンダリング70を表示することにより、ユーザは、衛生陶器6の欠陥を見ることができる。
【0133】
一実施形態では、診断情報は、三次元レンダリング70上の欠陥を示すためのグラフィックサイン(例えば、矢印またはドット)を含む。一実施形態では、ユーザインタフェースは、ユーザが欠陥を詳細に見ることを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0134】
【文献】US2003/0184740A1
【文献】JPH06148093A
図1
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