(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ライダー支援システムの制御装置、ライダー支援システム、及び、ライダー支援システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240307BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20240307BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20240307BHJP
B62J 50/21 20200101ALI20240307BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/08
B62J45/00
B62J50/21
(21)【出願番号】P 2022531092
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 IB2021055150
(87)【国際公開番号】W WO2021260477
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020110091
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(72)【発明者】
【氏名】プファウ ラーズ
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03640918(EP,A1)
【文献】特開2013-060128(JP,A)
【文献】特開2013-084242(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01S 1/00- 1/68
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B62J 50/21
B62J 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リーン車両(100)に搭載され、且つ、該リーン車両(100)の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置(11a、11b、11c)を備えたライダー支援システム(1)の制御装置(20)であって、
前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両(100)の走行ライン(DL)の側方に位置する第1対象(T1)の情報である第1対象情報を取得する第1取得部(21)と、
前記第1取得部(21)で取得された前記第1対象情報に応じて、前記ライダー支援システム(1)に、前記リーン車両(100)のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を開始させる第1実行部(23)と、
を備えており、
更に、
前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両(100)の前記走行ライン(DL)上に位置する第2対象(T2)の情報である第2対象情報を取得する第2取得部(22)と、
前記第2取得部(22)で取得された前記第2対象情報に応じて、前記ライダー支援システム(1)に、前記ライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を開始させる第2実行部(24)と、
前記リーン車両(100)の走行姿勢を示す情報である走行姿勢情報を取得する第3取得部(25)と、
を備えており、
前記第1対象(T1)は、前記リーン車両(100)の斜め後方を走行する他車両(200)であり、
前記第2対象(T2)は、前記リーン車両(100)の後方を走行する他車両(300)であり、
前記第3取得部(25)で取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両(100)に基準を超えるリーンが生じていないことを示す情報である場合に、前記第1実行部(23)による前記第1ライダー支援動作の開始と、前記第2実行部(24)による前記第2ライダー支援動作の開始と、が許可され、
前記第3取得部(25)で取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両(100)に
前記基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、前記第1実行部(23)による前記第1ライダー支援動作の開始が禁止され、前記第2実行部(24)による前記第2ライダー支援動作の開始が許可される、
制御装置(20)。
【請求項2】
前記第1ライダー支援動作は、前記ライダーへの警告動作を含む、
請求項1に記載の制御装置(20)。
【請求項3】
前記第1ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の挙動制御動作を含む、
請求項1又は2に記載の制御装置(20)。
【請求項4】
前記第2ライダー支援動作は、前記ライダーへの警告動作を含む、
請求項1~3の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項5】
前記第2ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の挙動制御動作を含む、
請求項1~4の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項6】
前記第1ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の斜め後方を走行する前記他車両(200)の運転者への警告動作を含む、
請求項
1~5の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項7】
前記第1ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の斜め後方を走行する前記他車両(200)の挙動制御動作を含む、
請求項
1~6の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項8】
前記第2ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の後方を走行する前記他車両(300)の運転者への警告動作を含む、
請求項
1~
7の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項9】
前記第2ライダー支援動作は、前記リーン車両(100)の後方を走行する前記他車両(300)の挙動制御動作を含む、
請求項
1~
8の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項10】
前記第1対象情報及び前記第2対象情報は、前記リーン車両(100)に搭載されている共通の前記周囲環境検出装置(11a)の出力に基づいて取得される、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項11】
前記第1対象情報は、第1検出範囲(Rb)を有する前記周囲環境検出装置である第1周囲環境検出装置(11b)の出力に基づいて取得され、
前記第2対象情報は、前記第1検出範囲(Rb)と異なる第2検出範囲(Rc)を有する前記周囲環境検出装置である第2周囲環境検出装置(11c)の出力に基づいて取得される、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項12】
ライダー支援システム(1)であって、
請求項1~
11の何れか一項に記載の制御装置(20)を備えている、
ライダー支援システム(1)。
【請求項13】
リーン車両(100)に搭載され、且つ、該リーン車両(100)の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置(11a、11b、11c)を備えたライダー支援システム(1)の制御方法であって、
制御装置(20)の第1取得部(21)が、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両(100)の走行ライン(DL)の側方に位置する第1対象(T1)の情報である第1対象情報を取得する第1取得ステップ(S103)と、
前記制御装置(20)の第1実行部(23)が、前記第1取得ステップ(S103)で取得された前記第1対象情報に応じて、前記ライダー支援システム(1)に、前記リーン車両(100)のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を開始させる第1実行ステップ(S104、S105)と、
を備えており、
更に、
前記制御装置(20)の第2取得部(22)が、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両(100)の前記走行ライン(DL)上に位置する第2対象(T2)の情報である第2対象情報を取得する第2取得ステップ(S106)と、
前記制御装置(20)の第2実行部(24)が、前記第2取得ステップ(S106)で取得された前記第2対象情報に応じて、前記ライダー支援システム(1)に、前記ライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を開始させる第2実行ステップ(S107、S108)と、
前記制御装置(20)の第3取得部(25)が、前記リーン車両(100)の走行姿勢を示す情報である走行姿勢情報を取得する第3取得ステップ(S101)と、
を備えており、
前記第1対象(T1)は、前記リーン車両(100)の斜め後方を走行する他車両(200)であり、
前記第2対象(T2)は、前記リーン車両(100)の後方を走行する他車両(300)であり、
前記第3取得ステップ(S101)で取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両(100)に基準を超えるリーンが生じていないことを示す情報である場合に、前記第1実行部(23)による前記第1ライダー支援動作の開始と、前記第2実行部(24)による前記第2ライダー支援動作の開始と、が許可され、
前記第3取得ステップ(S101)で取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両(100)に
前記基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、前記第1実行部(23)による前記第1ライダー支援動作の開始が禁止され、前記第2実行部(24)による前記第2ライダー支援動作の開始が許可される、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーン車両に搭載され、且つ、そのリーン車両の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置を備えたライダー支援システムの制御装置と、その制御装置を備えているライダー支援システムと、そのようなライダー支援システムの制御方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のライダー支援システムとして、リーン車両に搭載され、且つ、そのリーン車両の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置を備えており、周囲環境情報に基づいてリーン車両の走行ラインの側方に位置する第1対象の情報である第1対象情報が取得され、その第1対象情報を用いてリーン車両のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作が実行されるものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102013218458号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のライダー支援システムにおいて、ライダーの支援性を向上するために、第1対象情報を用いた第1ライダー支援動作に加えて、リーン車両の走行ライン上に位置する第2対象の情報である第2対象情報を用いてリーン車両のライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を実行することが検討され得る。しかしながら、大きなリーンが生じる状態でリーン車両が走行する際に、第1ライダー支援動作と第2ライダー支援動作をどのような関係性で実行するべきかについて、何らの検討がなされていない。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ライダーの支援性を向上することが可能な制御装置を得るものである。また、そのような制御装置を備えているライダー支援システムを得るものである。また、そのようなライダー支援システムの制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、リーン車両に搭載され、且つ、該リーン車両の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置を備えたライダー支援システムの制御装置であって、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両の走行ラインの側方に位置する第1対象の情報である第1対象情報を取得する第1取得部と、前記第1取得部で取得された前記第1対象情報に応じて、前記ライダー支援システムに、前記リーン車両のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を開始させる第1実行部と、を備えており、更に、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両の前記走行ライン上に位置する第2対象の情報である第2対象情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部で取得された前記第2対象情報に応じて、前記ライダー支援システムに、前記ライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を開始させる第2実行部と、前記リーン車両の走行姿勢を示す情報である走行姿勢情報を取得する第3取得部と、を備えており、前記第3取得部で取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、前記第1実行部による前記第1ライダー支援動作の開始が禁止され、前記第2実行部による前記第2ライダー支援動作の開始が許可される。
【0007】
本発明に係るライダー支援システムは、上記の制御装置を備えているものである。
【0008】
本発明に係る制御方法は、リーン車両に搭載され、且つ、該リーン車両の周囲環境情報を出力する少なくとも1つの周囲環境検出装置を備えたライダー支援システムの制御方法であって、制御装置の第1取得部が、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両の走行ラインの側方に位置する第1対象の情報である第1対象情報を取得する第1取得ステップと、前記制御装置の第1実行部が、前記第1取得ステップで取得された前記第1対象情報に応じて、前記ライダー支援システムに、前記リーン車両のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を開始させる第1実行ステップと、を備えており、更に、前記制御装置の第2取得部が、前記周囲環境情報に基づいて、前記リーン車両の前記走行ライン上に位置する第2対象の情報である第2対象情報を取得する第2取得ステップと、前記制御装置の第2実行部が、前記第2取得ステップで取得された前記第2対象情報に応じて、前記ライダー支援システムに、前記ライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を開始させる第2実行ステップと、前記制御装置の第3取得部が、前記リーン車両の走行姿勢を示す情報である走行姿勢情報を取得する第3取得ステップと、を備えており、前記第3取得ステップで取得された前記走行姿勢情報が前記リーン車両に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、前記第1実行部による前記第1ライダー支援動作の開始が禁止され、前記第2実行部による前記第2ライダー支援動作の開始が許可される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法では、リーン車両の走行姿勢情報が取得され、その走行姿勢情報がリーン車両に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、第1ライダー支援動作の開始が禁止され、第2ライダー支援動作の開始が許可される。第1ライダー支援動作では、第1対象情報、つまり、リーン車両の走行ラインの側方に位置する第1対象の情報を取得する必要があるため、大きなリーンが生じる状態でリーン車両が走行する際に、周囲環境検出装置の検出範囲が逸脱しやすくなる。一方で、第2ライダー支援動作では、第2対象情報、つまり、リーン車両の走行ライン上に位置する第2対象の情報を取得すれば良いため、そのような逸脱が生じにくい。そのため、リーン車両の走行姿勢情報がリーン車両に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、第1ライダー支援動作の開始が禁止され、第2ライダー支援動作の開始が許可されることで、大きなリーンが生じる状態でリーン車両が走行する際に、第1ライダー支援動作が不適切に実行されて却ってライダーの運転が妨害されてしまうことを抑制しつつ、第2ライダー支援動作によってライダーの運転を適切に支援することが可能となるため、ライダーの支援性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、リーン車両への搭載状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムにおける、リーン車両に生じるリーンの影響を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置の動作フローを示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、リーン車両への搭載状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法について、図面を用いて説明する。
【0012】
なお、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法は、そのような構成、動作等である場合に限定されない。
【0013】
例えば、以下では、本発明に係るライダー支援システムが、自動二輪車に用いられる場合を説明しているが、本発明に係るライダー支援システムが、自動二輪車以外の他のリーン車両に用いられてもよい。リーン車両は、旋回走行時に車体をその旋回の内側にリーンさせながら走行する車両を意味する。リーン車両は、例えば、モータサイクル(自動二輪車、自動三輪車)、自転車等である。モータサイクルには、エンジンを推進源とする車両、電気モータを推進源とする車両等が含まれ、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。また、自転車は、ペダルに付与されるライダーの踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味する。自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。
【0014】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部分については、同一の符号を付すか又は符号を付すことを省略している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0015】
実施の形態.
以下に、実施の形態に係るライダー支援システムを説明する。
【0016】
<ライダー支援システムの構成>
実施の形態に係るライダー支援システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、リーン車両への搭載状態を示す図である。
図2は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【0017】
図1~
図3に示されるように、ライダー支援システム1は、リーン車両100に搭載される。ライダー支援システム1は、少なくとも、リーン車両100の周囲環境情報を出力する周囲環境検出装置11aと、リーン車両100の走行状態情報を出力する走行状態検出装置12と、制御装置(ECU)20と、を含む。
【0018】
ライダー支援システム1は、周囲環境検出装置11aから出力された周囲環境情報を用いて、リーン車両100のライダーの運転を支援するためのライダー支援動作を実行する。制御装置20には、必要に応じて、他の情報(例えば、ライダーによるブレーキ操作状態の情報、ライダーによるアクセル操作状態の情報等)を出力するための各種検出装置(図示省略)の検出結果も入力される。ライダー支援システム1の各部は、ライダー支援システム1に専ら用いられるものであってもよく、また、他のシステムと共用されるものであってもよい。
【0019】
周囲環境検出装置11aは、例えば、レーダー、Lidarセンサ、超音波センサ、カメラ等である。周囲環境検出装置11aは、リーン車両100の後部に設けられる。周囲環境検出装置11aは、リーン車両100の走行ラインDL上の後方に向けられている。なお、走行ラインDLは、リーン車両100の過去又は未来の走行軌跡である。つまり、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raの中心軸は、リーン車両100の胴体部の前後方向と一致している。一般的に、リーン車両100では、走行中において、前輪が操舵される一方で、後輪の前後方向は、胴体部の前後方向と常に一致する。そのため、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raの中心軸は、リーン車両100が旋回走行する状態においても、リーン車両100の胴体部の前後方向と一致している。なお、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raの中心軸が、路面に対して、上向き又は下向きであってもよい。そのような場合であっても、リーン車両100が旋回走行する状態において、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raの中心軸と、リーン車両100の胴体部の前後方向と、の間の角度関係は変化しない。周囲環境検出装置11aは、リーン車両100が走行中において、検出範囲Ra内にある対象のリーン車両100に対する距離及び方向を常時検出する。なお、周囲環境検出装置11aは、検出範囲Raの大きさ及び向きの両方が固定されているものであってもよく、また、その大きさ及び向きの少なくとも一方が変更されるものであってもよい。
【0020】
走行状態検出装置12は、車速センサと、慣性センサ(IMU)と、を含む。車速センサは、リーン車両100に生じている車速を検出する。慣性センサは、リーン車両100に生じている3軸の加速度及び3軸(ロール、ピッチ、ヨー)の角速度を検出する。走行状態検出装置12が、リーン車両100に生じている車速と、リーン車両100に生じている3軸の加速度及び3軸の角速度と、に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。また、慣性センサが、3軸の加速度及び3軸の角速度の一部のみを検出するものであってもよい。
【0021】
制御装置20は、少なくとも、第1取得部21と、第2取得部22と、第1実行部23と、第2実行部24と、を含む。制御装置20の各部は、1つの筐体に纏めて設けられていてもよく、また、複数の筐体に分けられて設けられていてもよい。また、制御装置20の一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
【0022】
第1取得部21は、周囲環境検出装置11aの出力に基づいて、リーン車両100の走行ラインDLの側方に位置する第1対象T1としての、リーン車両100の斜め後方を走行する他車両200の情報を取得する。また、第2取得部22は、周囲環境検出装置11aの出力に基づいて、リーン車両100の走行ラインDL上に位置する第2対象T2としての、リーン車両100の後方を走行する他車両300の情報を取得する。
【0023】
第1実行部23は、第1取得部21で取得された他車両200の情報である第1対象情報に応じて、リーン車両100のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を開始する。また、第2実行部24は、第2取得部22で取得された他車両300の情報である第2対象情報に応じて、リーン車両100のライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を開始する。
【0024】
具体的には、第1実行部23は、リーン車両100と他車両200との衝突可能性の指標値Iを導出する。また、第2実行部24は、リーン車両100と他車両300との衝突可能性の指標値Iを導出する。指標値Iは、少なくとも、リーン車両100に対する他車両200、300の相対距離Drの逆数と、リーン車両100に対する他車両200、300の相対速度Vrと、の組合せである。指標値Iが、更に、リーン車両100に対する他車両200、300の相対加速度Arが組み合わされたものであってもよい。例えば、指標値Iは、以下の数式1又は数式2で定義される値である。なお、指標値Iが大きい程、衝突可能性が高いことを意味する。
【0025】
【0026】
【0027】
第1実行部23は、導出された指標値Iが基準値を上回る場合に、リーン車両100と他車両200との衝突が生じ得ると判定し、例えば、リーン車両100の各種機器、他車両200の各種機器等に、第1ライダー支援動作を開始するための制御指令を出力する。
【0028】
第1ライダー支援動作は、例えば、リーン車両100のライダーへの警告動作である。例えば、第1実行部23は、リーン車両100に設けられている警告装置30に、リーン車両100による他車両200への接近(例えば、レーンL1からレーンL2への車線変更、その後の車速の不足等)を回避するための警告動作(例えば、警告サインの表示、警告ランプの点灯、警告ブザー、音声による警告、ハプティクス振動による警告等)を実行させるために、警告装置30に対して制御指令を出力する。第1実行部23は、リーン車両100に付随する備品(例えば、ライダーの着用物、所持品等)の警告装置に制御指令を出力してもよい。
【0029】
第1ライダー支援動作は、例えば、リーン車両100の挙動制御動作である。例えば、第1実行部23は、リーン車両100に設けられている挙動制御装置40に、リーン車両100による他車両200への接近(例えば、レーンL1からレーンL2への車線変更の後の車速の不足等)を回避するための挙動制御動作(例えば、リーン車両100に生じている制動力の減少、リーン車両100に生じている駆動力の増加等)を実行させるために、挙動制御装置40に対して制御指令を出力する。
【0030】
第1ライダー支援動作は、例えば、他車両200の運転者への警告動作である。例えば、第1実行部23は、他車両200に設けられている警告装置に、他車両200によるリーン車両100への接近(例えば、リーン車両100の割り込みの後の車速の超過、レーンL2の走行の継続等)を回避するための警告動作(例えば、警告サインの表示、警告ランプの点灯、警告ブザー、音声による警告、ハプティクス振動による警告等)を実行させるために、その警告装置に対して制御指令を出力する。第1実行部23は、他車両200に付随する備品(例えば、運転者の着用物、所持品等)の警告装置に制御指令を出力してもよい。
【0031】
第1ライダー支援動作は、例えば、他車両200の挙動制御動作である。例えば、第1実行部23は、他車両200に設けられている挙動制御装置に、他車両200によるリーン車両100への接近(例えば、リーン車両100の割り込みの後の車速の超過、レーンL2の走行の継続等)を回避するための挙動制御動作(例えば、他車両200に生じている駆動力の減少、他車両200に生じている制動力の増加、他車両200の自動操舵等)を実行させるために、その挙動制御装置に対して制御指令を出力する。
【0032】
第2実行部24は、導出された指標値Iが基準値を上回る場合に、リーン車両100と他車両300との衝突が生じ得ると判定し、例えば、リーン車両100の各種機器、他車両300の各種機器等に、第2ライダー支援動作を開始するための制御指令を出力する。
【0033】
第2ライダー支援動作は、例えば、リーン車両100のライダーへの警告動作である。例えば、第2実行部24は、リーン車両100に設けられている警告装置30に、リーン車両100による他車両300への接近(例えば、車速の不足、レーンL1の走行の継続等)を回避するための警告動作(例えば、警告サインの表示、警告ランプの点灯、警告ブザー、音声による警告、ハプティクス振動による警告等)を実行させるために、警告装置30に対して制御指令を出力する。第2実行部24は、リーン車両100に付随する備品(例えば、ライダーの着用物、所持品等)の警告装置に制御指令を出力してもよい。
【0034】
第2ライダー支援動作は、例えば、リーン車両100の挙動制御動作である。例えば、第2実行部24は、リーン車両100に設けられている挙動制御装置40に、リーン車両100による他車両300への接近(例えば、車速の不足等)を回避するための挙動制御動作(例えば、リーン車両100に生じている制動力の減少、リーン車両100に生じている駆動力の増加等)を実行させるために、挙動制御装置40に対して制御指令を出力する。
【0035】
第2ライダー支援動作は、例えば、他車両300の運転者への警告動作である。例えば、第2実行部24は、リーン車両100に設けられている表示灯装置50に、他車両300によるリーン車両100への接近(例えば、車速の超過、レーンL1の走行の継続等)を回避するための警告動作(例えば、連続点灯、点滅等)を実行させるために、表示灯装置50に対して制御指令を出力する。また、例えば、第2実行部24は、他車両300に設けられている警告装置に、他車両300によるリーン車両100への接近(例えば、車速の超過、レーンL1の走行の継続等)を回避するための警告動作(例えば、警告サインの表示、警告ランプの点灯、警告ブザー、音声による警告、ハプティクス振動による警告等)を実行させるために、その警告装置に対して制御指令を出力する。第2実行部24は、他車両300に付随する備品(例えば、運転者の着用物、所持品等)の警告装置に制御指令を出力してもよい。
【0036】
第2ライダー支援動作は、例えば、他車両300の挙動制御動作である。例えば、第2実行部24は、他車両300に設けられている挙動制御装置に、他車両300によるリーン車両100への接近(例えば、車速の超過、レーンL1の走行の継続等)を回避するための挙動制御動作(例えば、他車両300に生じている駆動力の減少、他車両300に生じている制動力の増加、他車両300の自動操舵等)を実行させるために、その挙動制御装置に対して制御指令を出力する。
【0037】
ここで、制御装置20は、更に、第3取得部25を含む。第3取得部25は、走行状態検出装置12の出力に基づいて、リーン車両100の走行姿勢を示す情報である走行姿勢情報を取得する。走行姿勢情報は、例えば、リーン車両100に生じているロール角(
図4におけるθ)、ヨーレート、横加速度等である。つまり、第3取得部25で取得される走行姿勢情報は、リーン車両100に生じているリーンの程度を推定し得る物理量であれば、どのようなものであってもよい。第3取得部25が、走行状態検出装置12の出力ではなく、リーン車両100の走行位置情報及び地図情報に基づいて、走行姿勢情報を取得してもよい。
【0038】
第3取得部25で取得された走行姿勢情報がリーン車両100に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合には、第1実行部23による第1ライダー支援動作の開始が禁止され、第2実行部24による第2ライダー支援動作の開始が許可される。つまり、第1ライダー支援動作の実行が、リーン車両100に大きいリーンが生じる場合に禁止される一方で、第2ライダー支援動作は、そのような状況下であっても実行される。そのため、リーン車両100に大きいリーンが生じる場合においても、周囲環境検出装置11aが非作動化又は周囲環境検出装置11aの出力が無効化されない。なお、リーン車両100に更に大きいリーンが生じる場合に、第1ライダー支援動作に加えて第2ライダー支援動作が禁止されてもよい。また、第1ライダー支援動作が禁止されている状態で、周囲環境検出装置11aから出力される他車両200以外の第1対象T1の情報が、第2ライダー支援動作、又は、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作と異なる別のライダー支援動作に補助的に用いられてもよい。例えば、第1ライダー支援動作が禁止されている状態で、第1対象T1の情報として、リーン車両100が走行するレーンL1の境界位置、レーンL1に対して合流又は分岐する他のレーンの有無、レーンL1に隣接するレーンL2の有無、路面状態等の情報が取得され、それらの情報が補助的に用いられて、リーン車両100と第2対象T2との衝突の回避の支援がなされてもよい。また、第1ライダー支援動作が禁止されている状態で、周囲環境検出装置11aから出力される他車両200の情報が、第2ライダー支援動作、又は、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作と異なる別のライダー支援動作に補助的に用いられてもよい。リーン車両100に大きいリーンが生じる状況であっても、比較的低い精度で他車両200の情報が取得され得る。そのため、そのような情報が、第2ライダー支援動作、又は、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作と異なる別のライダー支援動作において補助的に用いられ得る。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムにおける、リーン車両に生じるリーンの影響を説明するための図である。
図4に示されるように、リーン車両100に大きいリーンが生じている状況下では、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raのうちのリーン車両100から遠い領域、つまり、第1ライダー支援動作に用いられる周囲環境情報の取得に寄与する領域が大きくずれることとなって、第1対象T1の捕捉が困難となる。一方で、周囲環境検出装置11aの検出範囲Raのうちのリーン車両100から近い領域、つまり、第2ライダー支援動作に用いられる周囲環境情報の取得に寄与する領域では、そのずれが相対的に小さいため、第2対象T2の捕捉は、第1対象T1の捕捉ほど困難とはならない。そのため、第3取得部25で取得された走行姿勢情報がリーン車両100に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報である場合に、第1実行部23による第1ライダー支援動作の開始が禁止され、第2実行部24による第2ライダー支援動作の開始が許可されることで、第1ライダー支援動作が不適切に実行されて却ってライダーの運転が妨害されてしまうことを抑制しつつ、リーン車両100と他車両300との衝突の回避を適切に支援することが可能である。
【0040】
<ライダー支援システムの動作>
実施の形態に係るライダー支援システムの動作について説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置の動作フローを示す図である。なお、各ステップの順序が適宜入れ替えられていてもよく、また、別のステップが適宜加えられていてもよい。
【0041】
制御装置20は、リーン車両100の走行中において、
図5に示される動作フローを繰り返し実行する。
【0042】
(取得ステップ-1)
ステップS101において、第3取得部25は、走行状態検出装置12の出力に基づいて、リーン車両100の走行姿勢情報を取得する。
【0043】
(実行ステップ-1a)
続いて、ステップS102において、第1実行部23は、ステップS101で取得された走行姿勢情報が、リーン車両100に基準を超えるリーンが生じていることを示す情報であるか否かを判定し、判定結果がYesである場合にはステップS106に進み、判定結果がNoである場合にはステップS103に進む。
【0044】
(取得ステップ-2)
ステップS103において、第1取得部21は、周囲環境検出装置11aの出力に基づいて、リーン車両100の走行ラインDLの側方に位置する第1対象T1としての、リーン車両100の斜め後方を走行する他車両200の情報を取得する。
【0045】
(実行ステップ-1b)
続いて、ステップS104において、第1実行部23は、ステップS103で取得された他車両200の情報を用いて、リーン車両100と他車両200との衝突可能性が基準を超えるか否かを判定し、判定結果がYesである場合にはステップS105に進み、判定結果がNoである場合にはステップS106に進む。
【0046】
(実行ステップ-1c)
ステップS105において、第1実行部23は、リーン車両100のライダーの運転を支援する第1ライダー支援動作を実行する。
【0047】
(取得ステップ-3)
ステップS106において、第2取得部22は、周囲環境検出装置11aの出力に基づいて、リーン車両100の走行ラインDL上に位置する第2対象T2としての、リーン車両100の後方を走行する他車両300の情報を取得する。
【0048】
(実行ステップ-2a)
続いて、ステップS107において、第2実行部24は、ステップS106で取得された他車両300の情報を用いて、リーン車両100と他車両300との衝突可能性が基準を超えるか否かを判定し、判定結果がYesである場合にはステップS108に進み、判定結果がNoである場合にはステップS101に戻る。
【0049】
(実行ステップ-2b)
ステップS108において、第2実行部24は、リーン車両100のライダーの運転を支援する第2ライダー支援動作を実行する。
【0050】
なお、前回のステップS102の判定結果がYesであった場合のステップS102での判定の基準と、前回のステップS102の判定結果がNoであった場合のステップS102での判定の基準と、が、互いに異なっているとよい。また、ステップS102の判定結果がYesとなった際、所定期間が経過するまで、ステップS102の判定結果に関わらずステップS103~ステップS105が強制的にスキップされてもよい。
【0051】
<変形例>
本発明の実施の形態は、以上の説明に限定されない。つまり、本発明には、以上で説明された実施の形態に対して変形を施した形態が含まれる。
【0052】
例えば、以上では、周囲環境検出装置11aが、リーン車両100の走行ラインDL上の後方に向けられている場合を説明したが、周囲環境検出装置11aが、リーン車両100の走行ラインDL上の前方に向けられていてもよい。つまり、第1ライダー支援動作が、リーン車両100と、リーン車両100の斜め前方に位置する第1対象T1(例えば、他車両、人、動物、道路設備等)と、の衝突の回避を支援するものであり、第2ライダー支援動作が、リーン車両100と、リーン車両100の前方に位置する第2対象T2(例えば、他車両、人、動物、道路設備等)と、の衝突の回避を支援するものであってもよい。そのような場合であっても、リーン車両100に大きいリーンが生じている状況下での第2対象T2の捕捉は、第1対象T1の捕捉ほど困難とはならないため、同様の制御が有効である。なお、周囲環境検出装置11aは、リーン車両100のハンドルバーと共に回動しない箇所に取り付けられていてもよく、また、リーン車両100のハンドルバーと共に回動する箇所に取り付けられていてもよい。周囲環境検出装置11aがリーン車両100のハンドルバーと共に回動する箇所に取り付けられている場合であっても、リーン車両100に大きいリーンが生じている状況下では、第2対象T2の捕捉は、第1対象T1の捕捉ほど困難にはならない。
【0053】
図6は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、リーン車両への搭載状態を示す図である。
図7は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
図8は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【0054】
また、例えば、以上では、第1対象T1の情報及び第2対象T2の情報が、共通の周囲環境検出装置11aの出力に基づいて取得される場合を説明したが、
図6~
図8に示されるように、第1対象T1の情報が、第1検出範囲Rbを有する第1周囲環境検出装置11bの出力に基づいて取得され、第2対象T2の情報が、第2検出範囲Rcを有する第2周囲環境検出装置11cの出力に基づいて取得されてもよい。第1周囲環境検出装置11bの第1検出範囲Rbは、リーン車両100の斜め後方、斜め前方、又は真横に向けられている。第2周囲環境検出装置11cの第2検出範囲Rcは、リーン車両100の後方又は前方に向けられている。第2周囲環境検出装置11cの第2検出範囲Rcの中心軸は、リーン車両100の胴体部の前後方向と一致している。第1周囲環境検出装置11bの第1検出範囲Rbの中心軸又は第2周囲環境検出装置11cの第2検出範囲Rcの中心軸が、路面に対して、上向き又は下向きであってもよい。なお、第1周囲環境検出装置11bは、第1検出範囲Rbの大きさ及び向きの両方が固定されているものであってもよく、また、その大きさ及び向きの少なくとも一方が変更されるものであってもよい。また、第2周囲環境検出装置11cは、第2検出範囲Rcの大きさ及び向きの両方が固定されているものであってもよく、また、その大きさ及び向きの少なくとも一方が変更されるものであってもよい。また、第1検出範囲Rbと第2検出範囲Rcは、完全に離間していてもよく、また、一部が重複していてもよい。また、第1ライダー支援動作の禁止の際に、第1周囲環境検出装置11bが非作動化又は第1周囲環境検出装置11bの出力が無効化されてもよく、また、第1周囲環境検出装置11bの作動が継続され、第1周囲環境検出装置11bから出力される他車両200以外の第1対象T1の情報、又は、他車両200の情報が、第2ライダー支援動作、又は、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作と異なる別のライダー支援動作に補助的に用いられてもよい。
【0055】
また、例えば、以上では、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作が、リーン車両100に生じる衝突の回避の支援を目的としている場合を説明したが、第1ライダー支援動作及び第2ライダー支援動作の少なくとも一方が、リーン車両100に生じる衝突の回避と異なる支援を目的としていてもよい。例えば、第1ライダー支援動作が、リーン車両100が走行するレーンL1に隣接するレーンL2の混雑状況のライダーへの報知、他車両200の車種のライダーへの報知等を目的とするものであってもよい。また、例えば、第2ライダー支援動作が、リーン車両100が走行するレーンL1の混雑状況のライダーへの報知、他車両300の車種のライダーへの報知等を目的とするものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 ライダー支援システム、11a、11b、11c 周囲環境検出装置、12 走行状態検出装置、20 制御装置、21 第1取得部、22 第2取得部、23 第1実行部、24 第2実行部、25 第3取得部、30 警告装置、40 挙動制御装置、50 表示灯装置、100 リーン車両、200、300 他車両、T1 第1対象、T2 第2対象、DL 走行ライン、L1、L2 レーン、Ra、Rb、Rc 検出範囲。