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特許7450047複数の電子機器の液浸冷却のためのハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】複数の電子機器の液浸冷却のためのハウジング
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240307BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20240307BHJP
   G11B 33/14 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H05K7/20 N
G11B33/02
G11B33/14 501A
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022548778
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 GB2021050332
(87)【国際公開番号】W WO2021161026
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2001872.7
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520018266
【氏名又は名称】アイスオトープ・グループ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ICEOTOPE GROUP LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショー,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】キッドジャー,ジャスパー
(72)【発明者】
【氏名】エドマンズ,ニール
(72)【発明者】
【氏名】アモス,デイビッド
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/199315(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/157396(WO,A1)
【文献】特表2015-534164(JP,A)
【文献】国際公開第2019/132696(WO,A1)
【文献】特開2017-163065(JP,A)
【文献】特開昭57-066654(JP,A)
【文献】特開平09-213854(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/088280(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
G11B 33/02
G11B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体冷却剤を収容するように配置された筐体の内部に取り付けられるハウジングであって、
複数の取り付けチャンバを画定するように配置され、各々の取り付けチャンバは、少なくとも1つのそれぞれの電子機器を保持するように構成され、液体冷却剤を受け取るためのそれぞれのチャンバ冷却剤入口を有しており、各々のチャンバ冷却剤入口を通って受け取られた液体冷却剤が、前記それぞれの電子機器の周りで前記それぞれの取り付けチャンバ内に蓄積する壁構造と、
前記ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るためのハウジング冷却剤入口と、
前記ハウジング冷却剤入口から液体冷却剤を受け取り、前記受け取った液体冷却剤を前記チャンバ冷却剤入口の各々へと供給するように配置された液体冷却剤マニホールドと
を備え
前記複数の取り付けチャンバの下方範囲を定めるように構成された基部をさらに備え、
前記基部は、回路基板によって形成され、前記回路基板は、複数の接続部を有しており、各々の接続部は、それぞれの取り付けチャンバに保持されたそれぞれの電子機器とインターフェースするように配置されている、ハウジング。
【請求項2】
前記ハウジング冷却剤入口は前記基部に隣接している、請求項に記載のハウジング。
【請求項3】
前記基部と前記壁構造との間に液密シールをもたらすように構成された基部シールをさらに備える、請求項またはに記載のハウジング。
【請求項4】
前記壁構造は、前記複数の取り付けチャンバの各々がそれぞれの側壁によって画定されて、前記それぞれの取り付けチャンバ内の液体冷却剤の流れが他の取り付けチャンバから隔てられるように配置されている、請求項1~3のいずれかに記載のハウジング。
【請求項5】
前記複数の取り付けチャンバの各々について、前記それぞれの取り付けチャンバを画定している少なくとも1つの側壁が、前記それぞれの取り付けチャンバ内に液体冷却剤用流路を画定し、かつ/または前記それぞれの取り付けチャンバ内の電子機器の挿入および取り外しのためのガイドとして機能する1つ以上のくぼみおよび/または突起を備える、請求項に記載のハウジング。
【請求項6】
前記1つ以上のくぼみおよび/または突起は、溝、ノッチ、ボス、およびピラーのうちの1つ以上を備える、請求項に記載のハウジング。
【請求項7】
前記複数の取り付けチャンバの各々は、前記それぞれの取り付けチャンバの内部から前記ハウジングの外部への液体冷却剤の流れのためのそれぞれのチャンバ冷却剤出口を有する、請求項1~6のいずれかに記載のハウジング。
【請求項8】
液体冷却剤サンプをさらに備え、それにより、液体冷却剤は、前記複数の取り付けチャンバの各々からそれぞれのチャンバ冷却剤出口を通り、前記液体冷却剤サンプを介して前記ハウジングの外部へと流れる、請求項に記載のハウジング。
【請求項9】
基部をさらに備え、前記複数の取り付けチャンバの各々の前記それぞれのチャンバ冷却剤出口は、前記それぞれの取り付けチャンバのうちの前記基部から遠い部分に位置する、請求項またはに記載のハウジング。
【請求項10】
前記壁構造は、前記複数の取り付けチャンバのうちの取り付けチャンバが4つの側壁によって画定されて、直方体形状の取り付けチャンバを画定するように配置される、請求項のいずれか1項に記載のハウジング。
【請求項11】
前記4つの側壁は、2つのより大きな側壁と2つのより小さな側壁とを備え、前記取り付けチャンバの前記チャンバ冷却剤出口は、前記より大きな側壁の一方に配置される、請求項1に記載のハウジング。
【請求項12】
少なくとも1つの電子機器をさらに備え、前記壁構造は、取り付けチャンバの容積が前記少なくとも1つの電子機器の容積を超過し、前記少なくとも1つの電子機器の容積に対する前記取り付けチャンバの容積の超過が20%以下であるように配置され、かつ/または前記壁構造は、前記電子機器を保持する前記取り付けチャンバ内の液体冷却剤の均一な流れを生じさせるように配置される、請求項1~11のいずれかに記載のハウジング。
【請求項13】
前記壁構造は、前記複数の取り付けチャンバの各々の形態が同一であるように配置される、請求項1~12のいずれかに記載のハウジング。
【請求項14】
前記ハウジング冷却剤入口は、複数のハウジング冷却剤入口部分を備え、各々のハウジング冷却剤入口部分は、前記ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るように構成され、前記液体冷却剤マニホールドは、複数の液体冷却剤マニホールド部分を備え、各々の液体冷却剤マニホールド部分は、それぞれのハウジング冷却剤入口部分から液体冷却剤を受け取り、前記受け取った液体冷却剤を前記チャンバ冷却剤入口のうちのいくつかの各々へと供給するように配置される、請求項1~13のいずれかに記載のハウジング。
【請求項15】
前記液体冷却剤マニホールドのうちの使用されていない部分を密封するように配置された取り外し可能なマニホールドシールをさらに備える、請求項1~14のいずれかに記載のハウジング。
【請求項16】
前記電子機器は、ハードディスクドライブである、請求項1~15のいずれかに記載のハウジング。
【請求項17】
液体冷却剤を収容するように配置された筐体の内部に取り付けられるハウジングであって、
並びの状態で配置された複数のサブハウジング
を備え、各々のサブハウジングは、請求項1~16のいずれかに記載のハウジングによって形成され、
前記並びにおける第1のサブハウジングの前記ハウジング冷却剤入口は、前記ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るように構成され、前記並びにおける他の各々のサブハウジングの前記それぞれのハウジング冷却剤入口は、前記並びにおける先行のサブハウジングの前記液体冷却剤マニホールドから液体冷却剤を受け取るように構成される、ハウジング。
【請求項18】
液体冷却剤を使用して電子機器を冷却するためのモジュールであって、
液体冷却剤を受け取るために前記モジュール内にある筐体と、
前記筐体内に取り付けられた請求項1~17のいずれかに記載のハウジングと
を備えるモジュール。
【請求項19】
複数の電子機器をさらに備え、各々の電子機器は、前記ハウジングのそれぞれの取り付けチャンバに取り付けられ、
前記液体冷却剤は、前記筐体内にもたらされる、請求項18に記載のモジュール。
【請求項20】
液体冷却剤を前記ハウジング冷却剤入口へと流すように配置されたポンプをさらに備える、請求項18または19に記載のモジュール。
【請求項21】
前記液体冷却剤を一次液体冷却剤として受け取り、二次液体冷却剤を受け取り、前記一次液体冷却剤から前記二次液体冷却剤へと熱を移すように配置された熱交換器をさらに備える請求項18~2のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項22】
前記ハウジングは、第1のハウジングであり、前記モジュールは、前記筐体内に取り付けられた請求項1~17のいずれか1項に記載の第2のハウジングをさらに備え、前記第2のハウジングは、前記第1のハウジングの前記ハウジング冷却剤入口における液体冷却剤の受け取りと並行して、前記第2のハウジングの前記ハウジング冷却剤入口において液体冷却剤を受け取るように配置されている、請求項18~2のいずれか1項に記載のモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術分野
本開示は、液体冷却剤を収容するように配置された筐体内に取り付けられるハウジングに関する。さらに、そのようなハウジングを備える液体冷却剤を使用して電子機器を冷却するためのモジュールも提供される。
【背景技術】
【0002】
開示の背景
歴史的に、ほとんどすべての大量生産による情報技術(IT)またはデータストレージラックは、空冷システムに合わせて設計されている。これは、通常は、各々のITトレイまたはシャーシ上のファンと、例えば空調による施設側の冷却との混合によって達成される。この冷却方法は、効率的ではなく、ランニングコストが高い。また、高温および低温の通路を有するために大量の空間を使用する。大量生産によるITまたはサーバ機器について、そのような空冷がほぼ独占的に使用されてきた。他の種類の冷却は、一般に、特注の非市販のシステムについてのみ考慮されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より最近では、標準的なITコンポーネントの発熱が大きくなりすぎて、空気のみでは効果的な冷却が不可能になり、そのような機器のピーク性能が制限される可能性がある。技術は、一般に、同じ性能でサイズが2年ごとに半分になると予測される(ムーアの法則)ため、これらの熱を発生させるコンポーネントを冷却するさらに効果的なやり方が、ますます研究されている。これが、液体を冷却剤として使用してITを冷却する多数の方法をもたらしている。これらの液体は、数例を挙げると、誘電流体、鉱油、および水を含む。
【0004】
そのような方法は、通常は、1つ以上の発熱コンポーネントと接触する一次液体冷却剤と、熱交換器を介して一次液体冷却剤から熱を受け取り、通常は施設側に位置する二次液体冷却剤とを含む。そのような手法の例が、いずれも本開示と所有者が共通であり、その内容が参照によって援用される国際(PCT)特許出願第2010/130993号パンフレット、第2014/132086号パンフレット、第2018/096362号パンフレット、および第2019/048864号パンフレットに開示されている。しかしながら、一次液体冷却剤が1つ以上の発熱コンポーネントに直接接触する必要がなく、かつ/または液体間の熱交換器を備えることなく、システムを通る液体冷却剤を1つだけ使用することができるコールドプレートなどの冷却技術を使用して、他の手法も可能である。
【0005】
ITコンポーネントを冷却するための既存の手法は、ブレードサーバおよび他の種類のコンピュータサーバ構成を含むマザーボードベースのシステムに注力している。大容量データストレージシステムおよびITコンポーネントについても、液冷が有利となる可能性がある。これらは、ハードディスクドライブ(HDD)のアレイを使用するJBOD(「Just a Bunch of Drives」)と、例えばソリッドステートドライブ(SSD)およびM.2規格に基づくドライブなどの1つ以上の他の記憶装置とを備えるシステムを含むことができる。そのようなデータストレージシステムを、ラック内の単一の筐体に収容することができる。均一な性能および機器寿命が望ましいが、これは、空気がシステムを通るにつれて加熱されるがゆえに、ファン側の機器が反対側の機器よりもはるかに効率的に冷却されるため、空冷では管理が困難である。同様の問題が、単一のシャーシ内に複数のITコンポーネントを使用する他のアーキテクチャにも当てはまる可能性がある。液冷が、そのような設計に利点を提供することができるが、それらについて液冷を実施することは、それらの異なる形態および要求ゆえに、難題を呈する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の概要
この背景に対して、液体冷却剤モジュールを収容するように配置された筐体(密閉可能であってよい)の内部に取り付けられる請求項1に記載のハウジング、および液体冷却剤を使用して電子機器を冷却するための請求項20に記載のモジュールが提供される。さらなる好ましい特徴および/または好都合な特徴が、従属請求項および本明細書の残りの開示において特定される。そのようなハウジングおよび/またはそのようなモジュールの製造および/または動作の方法であって、本明細書に記載の構造的特徴に対応するステップを有する方法も、考えることができる。
【0007】
本開示は、複数の発熱コンポーネント、とくにはHDDなどのITコンポーネントのハウジングであって、コンポーネントを、均一な(かつ、好ましくは最適な)冷却を与えるように各々のコンポーネントまたは複数のコンポーネントの周囲に所定の最低限の量の均一に分配された液体冷却剤を流すことができるような適合で、ハウジング内に取り付けることを可能にするハウジングを提供する。ハウジングは、一般に、筐体(密閉されてよく、あるいは密閉可能であってよい)の内部に設けられ、典型的には、冷却剤ループの一部を形成し、冷却剤ループは、ハウジング内の発熱コンポーネントおよび/または筐体内の他の発熱コンポーネントを液体冷却剤(例えば、絶縁性の液体を含む)を使用して冷却し、その後に熱を、筐体から運び去る前に、液体冷却剤から(おそらくは、別の液体および/または気体冷却剤へと)伝達する。冷却剤ループは、ポンプおよび/または熱交換器を含むことができ、その一方または両方は、好ましくは、やはり筐体内にある。
【0008】
各々のハウジングは、所定の数の発熱コンポーネントを保持することができる。各々の発熱コンポーネントは、典型的には、例えばハウジングの側壁によって少なくとも部分的に形成されたそれ自身のベイを有するが、いくつかのベイは複数のコンポーネントを保持してもよい。各々のハウジング内に、冷却剤を各々のベイに(並列に)それぞれ供給することを可能にする1つ以上の(小型の)一体化貫通マニホールドが存在する。各々のマニホールドは、個々のベイへの供給を可能にする複数の出口(すなわち、ベイごとに1つ以上のマニホールド出口(ベイ入口とも呼べる))を有する。液体冷却剤は、各々のベイにおいて発熱コンポーネントの周りに蓄積することにより、それを冷却する。ベイは、すべて同じであっても、異なっていてもよい。
【0009】
一体化マニホールドは、好都合には、ハウジングの底部に配置され、冷却剤を底部から供給し、ベイ内の発熱コンポーネントの周囲を上方へと均一に上昇させることを可能にする。各々のベイは、(側壁によって画定される)4つの側面を有することができる。これは、例えばおおむね直方体形状を有する独立したベイを協働して生み出す1つの前部側壁、1つの後部側壁、および2つのより大きな側壁から形成されてよい。これらの壁の位置が、有利には、冷却剤の量の最小化および/または液体冷却剤の流量の更正(または、最適化)に望ましい発熱コンポーネントの周りの層を形成する液体冷却剤の量を決定する。
【0010】
プリント回路基板(PCB)または他の種類の回路基板が、有利には、ハウジングのための基部、およびハウジング内に取り付けられたITのための接続部を提供する。基部PCBは、好都合には、側壁に封止され、ベイ内の冷却剤の蓄積を可能にする。
【0011】
側壁は、随意により、小さなボス、ピラー、ノッチ、または溝、あるいは他の種類のくぼみおよび/または突起をさらに含み、これらは、ベイ内の発熱コンポーネントの周りの特定の流路を決定でき、発熱コンポーネントのガイドとして機能して、ハウジングの基部を形成する接続PCBまたは他のITとの正確な位置合わせを可能にすることができる。これにより、液体冷却剤は、ベイ内の発熱コンポーネントに対して特定の高さまで上昇することができる。この高さにおいて、液体冷却剤は、例えばハウジングの後部に位置する出口ポートを介して流出でき、戻りサンプに放出される。
【0012】
複数のハウジングを設けることができ、有益には、例えば並列に互いに結合させることができる。例えば、マニホールドの一部が、他のハウジングのマニホールドおよび/または冷却剤入口との結合のための開口部を提供することができる。その場合、開口部(および/または、マニホールドの他の部分)を、いくつかのハウジングに関して密閉でき、冷却剤がマニホールドの密閉された部分を通過することを防止(例えば、結合したハウジングの端点をもたらすために)することができる。
【0013】
本開示は、いくつかのやり方で実施することが可能であり、ここでは、好ましい実施形態を、あくまでも例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態による組み立てられたハウジングの一構成の斜視図を示している。
図2図1の実施形態の第1の断面図を示している。
図3図1の実施形態の第2の断面図を示しており、ハウジングの一部分におけるHDDを示している。
図4】HDDが1つだけ存在している図1の実施形態による構成の第3の断面図を示している。
図5】1つのハウジングの等角図を示しており、前部を示している。
図6図5のハウジングの等角図を示しており、後部を示している。
図7】互いに結合かつPCB上に取り付けられた図5および図6のハウジングのうちの2つの後方からの等角図を示している。
図8】1つのハウジングの断面図を示しており、ハウジングのベイ内の冷却剤蓄積経路を示している。
図9】PCB上に取り付けられた本開示によるハウジングの背面図を示している。
図10】PCB上に取り付けられた本開示によるハウジングの断面図を示している。
図11】PCB上に取り付けられた本開示によるハウジングの底面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
すべての図は、実際は概略図である。同一のコンポーネントは、異なる図において、同じ参照番号を使用して示されている。
【0016】
好ましい実施形態の詳細な説明
最初に図1を参照すると、一実施形態による組み立てられたハウジングの一構成の斜視図が示されている。各々のハウジング1(この構成では、6つのそのようなハウジングが示されている)が、複数のベイ3(図示のとおり、ハウジング1ごとに6つのベイ3が示されている)を画定している。この例において、ハウジングは、HDD5に適合するように設計されており、1つのHDD5が分解図にて示され、他のHDD5は残りのベイ3に取り付けられている。ハウジング内への適合に関する以下の解説を条件として、HDD5は、他のITコンポーネントまたは発熱する機器で置き換えられてもよい。ハウジング1は、典型的には、シャーシ(図示せず)内に配置される。さらに、シャーシおよび/またはハウジング内の液体冷却剤の制御された流れのためのポンプ、ならびに液体冷却剤から二次冷却剤(好ましくは液体であり、より好ましくは水性であり、例えば建物の水を使用する)へと熱を移すための熱交換器が、シャーシ内に設けられてよい。次いで、二次冷却剤は、シャーシから熱を運び去るために使用される。シャーシを、同じ種類または異なる種類の他のシャーシをさらに収容することができるラックまたは他の適切な構造内に設けることができる。
【0017】
ハウジング1の設計は、ハウジング1を互いに並列に固定することで、ハウジング1間に密封接続が形成されるように、モジュール式である。設計のモジュール性により、任意の数のハウジング1を並列に接続することが可能になる。各々のハウジング1の側面に、液体冷却剤がベイ3から流出させることができる出口スロット2が存在する。ハウジング1の基部上のガスケットまたは他のシール4が、接続HDDソケット(図示せず)の周りにPCB15に対するシールを形成して、個々のベイ3からの冷却剤の漏出を防止する。
【0018】
ここで、ハウジング1の設計を、図1の実施形態の第1の断面図を示している図2を最初に参照して、さらに詳細に説明する。これは、ハウジング1を通る液体冷却剤の流れを示している。入口ポート8、一体化マニホールド6、マニホールド出口孔9、ベイ出口孔10、およびハウジング間シール7が設けられている。ハウジング間シール7は、以下でさらに説明されるように、漏れを防止し、液体冷却剤の所望の流量を維持する。
【0019】
液体冷却剤は、ホース接続部(図示せず)を介して、この構成の一端の入口ポート8を通って供給される。各々のハウジング1の底部に位置する一体化マニホールドキャビティ6が、事前の加熱を生じることなく液体冷却剤が各々のハウジング1を直列に通過することを可能にする。小さなマニホールド出口孔9(あるいは、ベイ入口孔でもある)が、一体化マニホールド6を破り、液体冷却剤を各々のベイ3へと並列に分配することを可能にする。一体化マニホールド6および出口孔9のサイズは、特有であり、(いくつかの状況においては異なるベイが異なる流量を有することができるように)各々のベイ3について等しい冷却を保証するために必要とされる流量に応じて設定することができる。これにより、一体化マニホールド6およびマニホールド出口孔9は、すべてのベイ3に対して、新鮮な低温の液体冷却剤を、何らかの他の熱源を冷却剤に曝すことができる前に分配することを可能にする。
【0020】
この並列な冷却剤の供給により、各々のHDDベイに均一な冷却剤を届けることが可能である。空気を使用してHDDを均一に冷却することは、システムの前面から押し込まれる空気が、より多くの放熱するHDDを通過するにつれて加熱するがゆえに、不可能である。これは、空冷システムにおいて、空気の流れを促進するためにすべてのコンポーネントの間にすき間を残すことによって対処される。これにより、HDDの密度が低くなる。このような欠点は、本開示による設計においては存在しない。図示の設計において、ベイ3の容積は、HDD5よりも約13.8%大きいが、冷却の要求に応じて、1%~20%の間の範囲が適切であると考えられる。
【0021】
各々のハウジング1が、相手方のハウジング1へと固定され、一体化マニホールド6は、シール溝およびシール7を使用して後続のハウジングへと密封され、並列に供給される新鮮な液体冷却剤の経路の通り道を形成する。
【0022】
一体化マニホールドの出口孔9は、ベイ3の出口ポート10とは反対側の端部に配置される。これにより、新鮮な液体冷却剤が、ベイ3の一方側からベイ3の他方側へと移動し、可能な限り長い経路が確保される。これにより、液体冷却剤が一体化マニホールドの出口孔9から出口ポート10まで流れるために要する時間が最大化され、冷却剤がHDD5から熱を吸収する時間が長くなる。出口ポート10は、HDD5の側面の大部分が冷却剤に沈むように、特定の高さに設定される。
【0023】
HDD5の代わりに(例えば、HDD装置と同じ形状およびサイズの)交換用ダミーHDDを使用することができ、SSDデバイスの代わりに(例えば、SSDデバイスと同じ形状およびサイズの)ダミーSSDを使用することができ、あるいはM.2デバイスの代わりに(例えば、M.2デバイスと同じ形状およびサイズの)ダミーM.2デバイスを使用することができる。これは、ベイ3に普通に取り付けられるはずの装置と同じサイズおよび形状のダミーカートリッジまたは装置に一般化可能である。交換用ダミー装置を、HDD5と同じベイ3の金具に留めることができる。好都合には、ダミー装置は、HDD5と同じ量の冷却剤を押しのけるように寸法付けられる。
【0024】
一般論として、液体冷却剤を収容するように配置された筐体内に取り付けるためのハウジングが考えられる。ハウジングは、複数の取り付けチャンバを画定するように配置され、各々の取り付けチャンバが、少なくとも1つのそれぞれの電子機器(例えば、1つ以上のハードディスクドライブ)を保持するように構成され、液体冷却剤を受け取るためのそれぞれのチャンバ冷却剤入口を有している壁構造と、ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るためのハウジング冷却剤入口と、ハウジング冷却剤入口から液体冷却剤を受け取り、受け取った液体冷却剤を各々のチャンバ冷却剤入口へと(好ましくは、並列に)供給するように配置された液体冷却剤マニホールド(好ましくは、ハウジングおよび/または壁構造の内部に一体化される)とを備える。各々のチャンバ冷却剤入口を通って受け取られた液体冷却剤が、それぞれの電子機器の周りでそれぞれの取り付けチャンバに蓄積するように、壁構造が構成され、かつ/または取り付けチャンバが画定される。このようにして、液体冷却剤の均一な流量および/または分配が各々の取り付けチャンバへともたらされることにより、取り付けチャンバに保持された電子機器が効率的かつ効果的に冷却される。
【0025】
さらに一般論として、液体冷却剤を使用して電子機器を冷却するためのモジュールも考えられる。モジュールは、液体冷却剤を受け入れるためにモジュール内にある筐体(密閉可能であってよい)(液体冷却剤が筐体内またはその少なくとも一部分に蓄積できるように配置される)と、筐体内に取り付けられた本明細書に開示のとおりのハウジングとを備える。筐体は、シャーシによって画定されてよい。複数の電子機器を設けることができ、各々の電子機器は、ハウジングのそれぞれの取り付けチャンバに取り付けられる。これに加え、あるいは代えて、液体冷却剤が筐体内にもたらされる。随意により、モジュールは、(筐体内から液体冷却剤を受け取って)液体冷却剤をハウジング冷却剤入口へと流すように配置されたポンプをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態においては、熱交換器が(好都合には、筐体内に)設けられ、一次液体冷却剤としての液体冷却剤を受け取り、(好都合には、一次液体冷却剤から隔てられた)二次液体冷却剤を受け取り、一次液体冷却剤から二次液体冷却剤へと熱を伝達するように配置される。例えば、ハウジングが第1のハウジングであり、モジュールが本明細書に開示のとおりの第2のハウジングをさらに備え、第2のハウジングは、筐体内に取り付けられ、第1のハウジングのハウジング冷却剤入口における液体冷却剤を受け取りと並行して第2のハウジングのハウジング冷却剤入口において液体冷却剤を受け取るように配置されるように、単一のモジュールに複数のハウジングが設けられてよい。
【0026】
ハウジングおよび/またはモジュールのさらなる随意による特徴および/または好ましい特徴が、以下で説明され、本明細書に開示のとおりの任意の構成に適用可能である。
【0027】
好ましい実施形態において、ハウジングは、複数の取り付けチャンバの下方範囲を定めるように構成された基部をさらに備える。好都合には、ハウジング冷却剤入口は、基部に隣接している(かつ/または、基部から遠い壁構造の端部よりも基部に近い)。
【0028】
好ましくは、壁構造は、複数の取り付けチャンバの各々がそれぞれの側壁によって画定されて、それぞれの取り付けチャンバ内の液体冷却剤の流れが他の取り付けチャンバ室から隔てられるように配置される(各々の側壁が、1つの取り付けチャンバを別の取り付けチャンバまたはハウジングの外部から分割する)。壁構造を、複数の取り付けチャンバの各々の形態が同一であるように構成することができ、あるいは複数の取り付けチャンバのうちの少なくともいくつかの取り付けチャンバの形態が非同一であるように配置してもよい。例えば、単一のハウジング内の異なる電子機器(異なる種類の記憶装置など)を冷却し、あるいは同じハウジング内の異なる冷却要件を有する電子機器を冷却するために有利であり得る。いくつかの実施形態において、複数の取り付けチャンバの各々は、それぞれの取り付けチャンバの内部からハウジングの外部への液体冷却剤の流れのためのそれぞれのチャンバ冷却剤出口を有する。とくには、壁構造は、複数の取り付けチャンバのうちの或る(各々の)取り付けチャンバが4つの側壁によって画定されて、直方体形状の取り付けチャンバを画定し、例えば、4つの側壁が2つのより大きい側壁および2つのより小さい側壁を含むように配置される。次いで、取り付けチャンバのチャンバ冷却剤出口を、より大きい側壁のうちの1つに配置することができる。これに加え、あるいは代えて、チャンバ冷却剤入口を、チャンバ冷却剤出口が配置された取り付けチャンバの側壁とは反対側の取り付けチャンバの側壁に設けることができる。いくつかの実施形態において、複数の取り付けチャンバの各々のそれぞれのチャンバ冷却剤出口は、それぞれの取り付けチャンバのうちの基部から遠い(かつ/または、基部よりも基部から遠い壁構造の端部により近い)部分に配置される。換言すると、チャンバ冷却剤出口は、好都合には、取り付けチャンバの上部の近くに配置される。
【0029】
好都合には、壁構造は、取り付けチャンバ内に保持される1つ以上の電子機器の容積を超過する取り付けチャンバの容積が25%、20%、17.5%、15%、12.5%、10%、5%、3%、2%、または1%以下(または、未満)になるように配置される。これに加え、あるいは代えて、壁構造は、電子機器を保持する取り付けチャンバ内に液体冷却剤の均一な流れを引き起こすように配置される。
【0030】
好ましい実施形態において、ハウジング冷却剤入口は、複数のハウジング冷却剤入口部分を含み、各々のハウジング冷却剤入口部分は、ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るように構成される。その場合、液体冷却剤マニホールドは、複数の液体冷却剤マニホールド部分を備え、各々の液体冷却剤マニホールド部分は、それぞれのハウジング冷却剤入口部分から液体冷却剤を受け取り、受け取った液体冷却剤を(並列に)いくつかのチャンバ冷却剤入口の各々へと供給するように配置される。いくつかの実施形態においては、3つのそのような液体冷却剤マニホールド部分および3つの対応するハウジング冷却剤入口部分を設けることができる。特定の実施形態においては、ハウジング冷却剤入口部分を単一のハウジング冷却剤入口ポートに(並列に)結合させることができる。
【0031】
いくつかの実施態様においては、液体冷却剤マニホールド(または、ハウジング冷却剤入口部分)のうちの使用されていない部分を密閉するための(取り外し可能な)マニホールドシールを配置してもよい。複数の取り付けチャンバのうちの電子機器を保持していない1つ、2つ以上、または全部の取り付けチャンバに、(着脱可能な)ダミー機器が設けられてよい。ダミー機器は、それぞれの取り付けチャンバの目的の電子機器と同じ形状および/または寸法を有することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、上記開示の複数のハウジングを備えるハウジング構成を考えることができる。一般論として、これを、液体冷却剤を収容するように配置された筐体(例えば、密封可能または密封された筐体)内に取り付けるためのハウジングと呼ぶこともできる。このハウジングは、並びの状態で配置された複数のサブハウジングを備え、各々のサブハウジングは、上記開示のハウジングによって形成される。この場合、並びのうちの第1のサブハウジングのハウジング冷却剤入口は、有益には、ハウジングの外部から液体冷却剤を受け取るように構成され、並びのうちの他の各々のサブハウジングのそれぞれのハウジング冷却剤入口は、有益には、並びのうちの先行するサブハウジングの液体冷却剤マニホールドから液体冷却剤を受け取るように構成される。並びのうちの最後のサブハウジングの液体冷却剤マニホールドは、密閉された端部を備えることができ、密閉されない端部を備える並びのうちの他の各々のサブハウジングのそれぞれの液体冷却剤マニホールドは、並びのうちの次のサブハウジングのハウジング冷却剤入口と結合するように構成される。並びのうちの或るサブハウジングの液体冷却剤マニホールドと、並びのうちの次のサブハウジングの液体冷却剤マニホールドとの間に、シール(ハウジング間シール)を設けることができる。
【0033】
次に、具体的な詳細および/または実施形態を論じる。上述した一般化された説明が、以下でさらに参照される。
【0034】
図3を参照すると、図1の実施形態の第2の断面図が示されており、ハウジング1の一部分におけるHDD5が示されている。この図には、ベイ側壁11と、冷却剤流路12とがさらに示されている。ベイ側壁11を通るマニホールド6およびマニホールド出口孔9の経路が示されている。
【0035】
各々のベイ側壁11は、HDD5を挿入するためのガイドとして利用されるだけでなく、均一な冷却剤の分布にてHDD5を冷却するために必要な液体冷却剤の量を最小限にできるようにするためにも利用される。これは、側壁11とHDD5との間の断面積がきわめて小さいためである。これにより、最小限の量の冷却剤がHDD5の側壁に行き渡り、したがって使用される液体冷却剤の量が最小限で済み、消費電力および流量が低減される。
【0036】
次に図4を参照すると、HDDが1つだけ存在している図1の実施形態による構成の第3の断面図が示されている。この図は、ベイ出口孔10の高さの詳細を示している。先行の図に示されているように、一体化マニホールド6は、ベイ3の底部に配置される。これにより、HDD5の両面が均等かつ一様に冷却されるように、冷却剤がHDD5の各側の空間へと上昇する。
【0037】
図5を参照すると、前方を示す単一のハウジング1の等角図が示されており、図6を参照すると、後方を示すハウジング1の等角図が示されている。ベイ3は、側壁11によって隔てられている。各々のベイ3は、出口ポート10を有し、冷却剤は、出口ポート10の高さまで蓄積すると、出口ポート10を通って流れる。冷却剤は、出口ポート10を出ると、図7を参照して以下でさらに説明されるように、ハウジング1内の後部キャビティ13によって少なくとも部分的に画定されたチャネルに進入する。
【0038】
また、図5および図6において、マニホールド6の端部のシール7も見て取ることができ、図示の実施形態においては、3つのそのようなマニホールドが存在する。したがって、各々のマニホールド6は、各々のハウジング1内の2つのベイ3に冷却剤を供給する。
【0039】
ここで図7を参照すると、互いに結合かつPCB上に取り付けられたハウジング1のうちの2つの後方からの等角図が示されている。これにより、ベイ3を出る液体冷却剤の流路をさらに詳述することができる。この例においては、1つのベイ3にHDD5が入れられている。
【0040】
後部キャビティ13は、開放されており、後続のハウジング1と対をなして液体冷却剤の流れのためのチャネル(または、チャンバ)を形成する。このチャネルからの液体冷却剤の出口は、出口スロット2によって提供される。上述したように、各々のベイ3は、それ自体の独立した出口ポート10を有する。これにより、各々のHDD5(または、他の機器)を並列な液冷供給回路において独立して冷却することができる。液体冷却剤は、各々のベイ3を個別に出て、後部キャビティ13に入り、次いでハウジング1から、ハウジング1の側面に位置する出口スロット2を通って、システム内のサンプ(図示せず)へと流れる。出口流路は、図面において、矢印付きの陰影領域によって示されている。出口ポート10は、HDD5の挿入時にあふれ出ることがない冷却剤の迅速な流出を可能にするように適切なサイズとされる。出口ポート10のサイズがベイ入口ポート(または、マニホールド出口孔)9のサイズよりもはるかに大きく、ベイ3を通る冷却剤の流量のマニホールドによる制御も可能にすることが注目に値する。後部キャビティ13および出口スロット2は、冷却剤がいっぱいになる前に逃げ出し、所定の専用の流量でハウジング1に再び進入するように、(面積に関して)適切なサイズとされる。
【0041】
上述の一般論に関して、ハウジングおよび/またはモジュールは、液体冷却剤サンプをさらに備えることができ、したがって液体冷却剤は、複数の取り付けチャンバの各々からそれぞれのチャンバ冷却剤出口を通り、液体冷却剤サンプを介してハウジングの外部に流れる。
【0042】
次に図8を参照すると、1つのハウジング1の断面図が示されており、ハウジング1のベイ3内の冷却剤蓄積経路が示されている。ベイ3の側壁11に、特定の間隔で配置された小さなボス14が形成されている。これらのボス14は、HDD5の周囲の冷却剤の流れ(図に矢印付きの陰影領域で示されている)を乱し、非直線の流路を形成する。ボス14は、流路を長くし、冷却剤による熱の吸収を高め、冷却剤の混合を促進する。これらの効果により、HDD5の側面の全域により均一な冷却剤の温度が形成される。
【0043】
上述した一般論を再びさらに参照する。複数の取り付けチャンバの各々について、それぞれの取り付けチャンバを画定している少なくとも1つの側壁は、例えば、それぞれの取り付けチャンバ内に液体冷却剤用路を画定し、かつ/またはそれぞれの取り付けチャンバ内の電子機器の挿入および取り外しのためのガイドとして機能する1つ以上のくぼみおよび/または突起を備えることができる。随意により、1つ以上のくぼみおよび/または突起は、溝、ノッチ、ボス、およびピラーのうちの1つ以上を備える。
【0044】
ここで図9を参照すると、PCB15上に取り付けられたハウジング1の背面図が示されている。ハウジング1は、PCB15上に取り付けられ、PCB15とハウジング1との間にシールを形成するための基部シール4を備える。結果として、出口ポート10経由を除き、ベイ3から逃げ出すことができる冷却剤は最小限(好ましくは、皆無)である。これにより、各々のベイ3を所定の速度または計算された速度で満たすことができる。
【0045】
図9に、切断線A-Aが示されている。図10を参照すると、線A-Aに沿ったハウジング1の断面図が示されている。図11を参照すると、ハウジング1の底面図が示されている。基部シール4は、ベイ3が互いに独立して密閉されるように、ベイ3も隔てる。このようにして、それぞれのベイ3内の各々のHDD5への液体冷却剤の流量が均一であり、したがってベイ3間の冷却も均一である。
【0046】
上述した一般論において、基部と壁構造との間に液密シールをもたらすように構成された基部シールをさらに設けることができる。例えば、基部は、(プリント)回路基板によって形成されてよい。次いで、回路基板は、複数の接続部を有することができ、各々の接続部は、それぞれの取り付けチャンバに保持されたそれぞれの電子機器とインターフェースするように配置される。
【0047】
今や特定の実施形態を説明したが、当業者であれば、さまざまな修正および変更が可能であることを理解できるであろう。とくには、ハウジング内、ハウジング間、および/またはハウジング外のさまざまな液体冷却剤の流路など、ハウジングのさまざまな形状および構成が可能である。ハウジング内で冷却される電子(または、他の発熱)機器の種類は、さまざまであってよい。ベイの正確な形状および/またはサイズも変更可能であり、ハウジング当たりのベイの数ならびにハウジング内のベイおよび/またはマニホールドの構成も変更可能である。代替の手法において、例えば各々のベイが2つのHDDを保持できるように、ベイが2つ以上の電子機器を保持してもよい。これは、特定のハウジング内の1つ、いくつか、またはすべてのベイに適用することができる。
【0048】
上述のように、ハウジングのモジュール式の設計が好ましい。本明細書に記載の例においては、6つのハウジングが使用されているが、これは、単純に別のハウジング1を取り除き、あるいは追加することによって、必要に応じて増減させることが可能である。ハウジング1は、この例においてはすべて同一であるが、必ずしもそのようである必要はなく、例えば、異なる数のベイを有するハウジングを互いに結合させてもよい。いずれにせよ、一体化冷却剤マニホールド6は、相互接続のためにハウジング間を延びるように依然として設計される。
【0049】
シャーシ(および/または、ハウジング)内の液体冷却剤の流れのために、ポンプを使用することができるが、これに加え、あるいは代えて、対流を使用して液体冷却剤の流れを生じさせてもよい。
【0050】
本明細書に開示される特徴のすべては、任意の組み合わせにて組み合わせることが、そのような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせにて組み合わせることが可能である。とくには、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての態様に適用可能であり、任意の組み合わせにて使用することが可能である。同様に、必須ではない組み合わせにて説明された特徴を、別々に(組み合わせずに)使用することが可能である。
図1
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図11