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特許7450050テスト回路、テスト装置及びそのテスト方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】テスト回路、テスト装置及びそのテスト方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/02 20060101AFI20240307BHJP
   G01R 31/319 20060101ALI20240307BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G01R29/02 D
G01R31/319
G01R31/28 R
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022550121
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 CN2021100759
(87)【国際公開番号】W WO2022041960
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】202010893028.8
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 良
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-280857(JP,A)
【文献】特開平11-220367(JP,A)
【文献】特開2011-153971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/02-29/033
G01R 31/28-31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス幅をテストするためのテスト回路であって、
テスト対象のパルス信号を受信し、且つ制御信号の制御によって、前記制御信号のレベル状態に基づいて、処理信号を出力するための信号処理モジュールと、
前記信号処理モジュールの出力端子に接続され、前記処理信号を受信し、且つ前記処理信号に基づいて、サンプリング対象信号に対してサンプリングを行ってサンプリング信号を生成するためのサンプリングモジュールであって、前記サンプリング対象信号は所定時間間隔で高レベルと低レベルの間で切り替える信号である、サンプリングモジュールと、を備え、
前記サンプリング信号は第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含み、前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しく、
前記テスト回路は制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールはそれぞれ前記サンプリングモジュール及び前記信号処理モジュールに接続され、前記サンプリング信号に応答して前記制御信号を生成するためのものであり、前記制御信号のエッジが前記サンプリング信号のエッジに対応することを特徴とするテスト回路。
【請求項2】
前記サンプリングモジュールは、
第1一時記憶ユニットを備え、前記第1一時記憶ユニットのクロック駆動端子が前記信号処理モジュールに接続され、前記第1一時記憶ユニットが第1一時記憶信号を生成するように前記処理信号に応答して前記サンプリング対象信号をサンプリングするためのものであり、前記サンプリング信号のエッジが前記第1一時記憶信号のエッジに対応することを特徴とする請求項1に記載のテスト回路。
【請求項3】
前記第1一時記憶ユニットは、フリップフロップ、ラッチ、レジスタのうちの1つ又は複数を備えることを特徴とする請求項2に記載のテスト回路。
【請求項4】
前記サンプリングモジュールは更に、
第1インバータを備え、前記第1インバータが前記第1一時記憶ユニットとともにフィードバックループを構成し、前記フィードバックループが前記処理信号に応答してフィードバック信号を生成するためのものであり、前記フィードバック信号のエッジが前記処理信号のエッジに対応し、
第2インバータを備え、前記第2インバータの入力端子が前記第1インバータの出力端子に接続され、前記第2インバータが前記フィードバック信号を受信し、且つ前記フィードバック信号に基づいて前記サンプリング信号を生成するためのものであり、
前記第1インバータの入力端子が前記第1一時記憶ユニットの出力端子に接続され、前記第1インバータの出力端子が前記第1一時記憶ユニットの入力端子に接続され、前記第1インバータがフィードバック信号を生成するように前記第1一時記憶信号を逆相にするためのものであることを特徴とする請求項2に記載のテスト回路。
【請求項5】
前記パルス信号はシーケンス上の隣接する4つのパルスを含み、前記信号処理モジュールは、前記制御信号に応答して前記パルス信号におけるシーケンス上の1番目の前記パルスを逆相にし、且つ残りの前記パルスを逆相にしないためのものであり、
前記サンプリングモジュールは、シーケンス上の上位2つの前記パルスに応答して前記第1サンプリングパルスを生成し、且つシーケンス上の下位2つの前記パルスに応答して前記第2サンプリングパルスを生成するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のテスト回路。
【請求項6】
前記サンプリングモジュールは、シーケンス上の上位2つの前記パルスの同じエッジに応答して前記第1サンプリングパルスを生成し、且つシーケンス上の下位2つの前記パルスの異なるエッジに応答して前記第2サンプリングパルスを生成するためのものであることを特徴とする請求項に記載のテスト回路。
【請求項7】
前記制御モジュールは、
第2一時記憶ユニットを備え、前記第2一時記憶ユニットのクロック駆動端子が前記サンプリングモジュールの出力端子に接続され、前記第2一時記憶ユニットの入力端子が所定レベル信号に接続され、前記第2一時記憶ユニットの出力端子が前記信号処理モジュールに接続され、前記第2一時記憶ユニットが第2一時記憶信号を生成するように前記サンプリング信号に応答して所定レベル信号をサンプリングするためのものであり、前記制御信号のエッジが前記第2一時記憶信号のエッジに対応し、
第3インバータを備え、前記第3インバータの入力端子が前記第2一時記憶ユニットの出力端子に接続され、前記第3インバータが前記第2一時記憶信号を受信し、且つ前記第2一時記憶信号に基づいて前記制御信号を生成するためのものであることを特徴とする請求項に記載のテスト回路。
【請求項8】
パルス幅をテストするためのテスト装置であって、
請求項1~のいずれか1項に記載のテスト回路と、
前記サンプリングモジュールに接続され、前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号パルス幅を取得するための取得モジュールと、を備えることを特徴とするテスト装置。
【請求項9】
請求項に記載のテスト装置による、パルス幅をテストするためのテスト方法であって、
テスト対象のパルス信号を受信することと、
制御信号の制御によって処理信号を出力することと、
前記処理信号に基づいて、第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含むサンプリング信号を生成することと、
前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号パルス幅を取得することと、を含み、
前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しいことを特徴とするテスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月31日に提出した、名称「テスト回路、テスト装置及びそのテスト方法」、出願番号第202010893028.8号の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本願に取り込まれる。
【0002】
本願はメモリ技術分野に関し、特にテスト回路、テスト装置及びそのテスト方法に関する。
【背景技術】
【0003】
メモリはデータを記憶するためのデバイスであり、一般的に複数のメモリアレイを備え、各メモリアレイに複数の記憶ユニットが含まれ、記憶ユニットはデータを記憶する基本ユニット構造とされ、各記憶ユニットはいずれもデータを記憶する機能を有する。
【0004】
メモリに対して読み出し/書き込み操作を行うとき、パルス信号により制御を行う必要がある。例示的には、パルス信号はワード線接続によるトランジスタのオン及びオフを制御するためのものであってもよく、具体的には、パルス信号が有効である場合、記憶ユニットは読み出し又は書き込み操作を行い、パルス信号が無効である場合、記憶ユニットは元のデータを保持する。メモリの読み出し/書き込み速度に対する要求が高まるにつれて、パルス信号の送信周波数を更に増加させてパルス幅を狭くする必要がある。パルス信号の信頼性を確保するために、テスト回路によりパルス幅をテストし、それにより生成されたパルス信号が設計された信号と同じにする必要がある。しかしながら、パルス幅が狭くなるにつれて、パルス幅のテスト回路及びテスト装置に対する要求がより高くなり、現在のテスト回路では、狭くなったパルス幅を正確にテストすることができなくなってしまう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様は、テスト回路を提供し、
テスト対象のパルス信号を受信し、且つ制御信号の制御によって処理信号を出力するための信号処理モジュールと、
前記信号処理モジュールの出力端子に接続され、前記処理信号を受信し、且つ前記処理信号に基づいてサンプリング信号を生成するためのサンプリングモジュールと、を備え、
前記サンプリング信号は第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含み、前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しい。
【0006】
本願の他の態様は、テスト装置を提供し、
上記テスト回路と、
前記サンプリングモジュールに接続され、前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号における前記パルスの幅を取得するための分析モジュールと、を備える。
【0007】
本願の他の態様は、上記テスト装置によるテスト方法を提供し、前記方法は、
テスト対象のパルス信号を受信することと、
制御信号の制御によって処理信号を出力することと、
前記処理信号に基づいて、第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含むサンプリング信号を生成することと、
前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号における前記パルスの幅を取得することと、を含み、
前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しい。
【0008】
本発明の各実施例の詳細は以下の図面及び説明に記載されている。本願の他の特徴、解決課題及び有益な効果は、明細書、図面及び特許請求の範囲の記載に基づいて、当業者が容易に理解するものである。
【0009】
本願の実施例をより良く記述及び説明するために、1枚又は複数枚の図面を参照することができるが、図面を記述するための追加の細部又は例示は、本願の発明、以下の説明における実施例又は好適な方式のうちのいずれかの範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施例のテスト回路の構造模式図である。
図2図1における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図である。
図3図1における実施例に対応する他の例示的な信号シーケンス図である。
図4図1における実施例に対応する別の例示的な信号シーケンス図である。
図5】第2実施例のテスト回路の構造模式図である。
図6図5における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図である。
図7】第3実施例のテスト回路の構造模式図である。
図8】第4実施例のテスト回路の構造模式図である。
図9図8における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図である。
図10】第5実施例のテスト回路の構造模式図である。
図11】第6実施例のテスト回路の構造模式図である。
図12】一実施例のテスト装置の構造模式図である。
図13】一実施例のテスト方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の実施例を理解しやすくするために、以下に関連図面を参照しながら本願の実施例をより完全に説明する。図面には本願の実施例の最優先実施例が示されている。しかしながら、本願の実施例は多くの異なる形態で実現されてもよく、本明細書に説明される実施例に限られない。むしろ、これらの実施例は、本願の実施例の開示内容をより徹底的且つ完全にすることである。
【0012】
特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書において本願の実施例の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施例を説明するためのものであり、本願の実施例を限定するものではない。本明細書において用いられる用語「及び/又は」は1つ又は複数の関連する列挙される項目の任意及びすべての組合せを含む。
【0013】
本願の実施例の説明において、用語「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等で示される方向又は位置関係は、図面に基づいて示す方向又は位置関係であり、本願の実施例を説明しやすくし及び説明を簡素化するためのものに過ぎず、指す装置又は素子が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作しなければならないことを指したり暗示したりするのではなく、従って、本願の実施例を限定するものではないと理解すべきである。
【0014】
図1は第1実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図1に示すように、本実施例では、テスト回路10は、信号処理モジュール100及びサンプリングモジュール200を備える。
【0015】
ここで、テスト対象のパルス信号はパルス発生器30により生成され、且つ少なくとも2パスに分割され、一方のパスのパルス信号はテストを行うようにテスト回路10に伝送され、他方のパスのパルス信号はメモリアレイのデータ読み出し/書き込みを制御するようにメモリアレイに伝送される。本願の実施例では、パルス信号に複数のパルスが含まれ、パルス幅とは、各パルスの高レベルの持続時間を指す。即ち、1つのパルスの立ち上がりエッジ時刻と立ち下がりエッジ時刻との時間間隔がパルス幅である。
【0016】
信号処理モジュール100は、テスト対象のパルス信号を受信し、且つ制御信号の制御によって処理信号を出力するためのものであり、前記処理信号が前記パルス信号又は逆相の前記パルス信号に時分割される。
【0017】
ここで、処理信号が前記パルス信号又は逆相の前記パルス信号に時分割されるとは、処理信号の一部の時間帯内で、処理信号の波形がパルス信号の波形に一致し、処理信号の残りの時間帯内で、処理信号の波形が逆相のパルス信号の波形に一致することを意味する。本実施例では、処理信号は、サンプリングモジュール200のクロック駆動端子に伝送されることによりクロックとしてサンプリングモジュール200から入力された信号をサンプリングするためのものである。具体的には、処理信号のエッジに基づいてサンプリングモジュール200から入力された信号をサンプリングする。
【0018】
理解できるように、1つのサンプリングモジュール200は、一般的に1種類のエッジのみをサンプリングし、即ち、立ち上がりエッジのみをサンプリングし、又は立ち下がりエッジのみをサンプリングする。従って、サンプリングモジュール200が異なるエッジをサンプリングする必要がある場合、サンプリングモジュール200には構造が複雑な複数のフリップフロップ等の構造を設置する必要があり、このため、サンプリングモジュール200の内部構造及び制御回路が比較的複雑になってしまう。本実施例では、処理信号を制御してパルス信号又は逆相のパルス信号に時分割させることにより、サンプリングモジュール200が1種類のエッジのみをサンプリングする必要があるようにすることができ、即ち、パルス信号を逆相にすることにより、異なるエッジをサンプリングすることを実現する。例示的に、サンプリングモジュール200が立ち上がりエッジサンプリングを行い、且つサンプリング信号の一部のエッジがパルス信号の立ち下がりエッジに基づいて生成される場合、パルス信号の目標立ち下がりエッジを逆相にすることができ、それによってパルス信号の立ち下がりエッジを処理信号の立ち上がりエッジに変換し、即ち、サンプリングモジュール200による簡単で正確なサンプリングを実現することができ、それによりサンプリングモジュール200の内部構造を簡素化する。且つ、複数のフリップフロップ等の構造のサンプリングモジュール200に比べて、逆相機能の時分割制御を実現するために必要な制御論理及び回路がいずれもより簡単であり、従って、本実施例の信号処理モジュール100は更にテスト回路10の回路構造全体を簡素化する。
【0019】
サンプリングモジュール200は、前記信号処理モジュール100の出力端子に接続され、前記処理信号を受信し、且つ前記処理信号に基づいてサンプリング信号を生成するためのものであり、前記サンプリング信号は第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含み、前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しい。ここで、パルス幅の差とは、第1サンプリングパルスのパルス幅と第2サンプリングパルスのパルス幅との差分を指す。サンプリングモジュール200は処理信号のエッジに応答してサンプリング信号を生成し、サンプリング信号における各立ち上がりエッジ及び各立ち下がりエッジはいずれも処理信号における1つのエッジに対応することとなり、即ち、サンプリング信号における各立ち上がりエッジ及び各立ち下がりエッジもいずれもパルス信号における1つのエッジに対応することとなる。
【0020】
本実施例では、テスト回路10は、テスト対象のパルス信号を受信し、且つ制御信号の制御によって処理信号を出力することに用いられ、前記処理信号が前記パルス信号又は逆相の前記パルス信号に時分割される信号処理モジュール100と、前記信号処理モジュール100の出力端子に接続され、前記処理信号を受信し、且つ前記処理信号に基づいてサンプリング信号を生成することに用いられるサンプリングモジュール200と、を備え、前記サンプリング信号は第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含み、前記第1サンプリングパルスと前記第2サンプリングパルスがパルス幅の差を有し、前記パルス幅の差が前記パルス信号のパルス幅に等しい。本実施例では、信号処理モジュール100が入力されたパルス信号を処理することにより、構造が比較的簡単なサンプリングモジュール200によりパルス信号の異なるエッジをサンプリングすることができ、それによりテスト回路10のハードウェア構造が簡素化され、且つ、更にサンプリングモジュール200が処理信号をサンプリングすることにより、第1サンプリングパルス及び第2サンプリングパルスを生成し、即ち、第1サンプリングパルス及び第2サンプリングパルスによりパルス幅を取得することができ、即ちテスト精度がより高いテスト回路10を実現する。
【0021】
いくつかの実施例では、前記サンプリングモジュール200は、シーケンス上の上位2つの前記パルスの同じエッジに応答して前記第1サンプリングパルスを生成し、且つシーケンス上の下位2つの前記パルスの異なるエッジに応答して前記第2サンプリングパルスを生成するためのものであってもよい。図2図1における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図である。図1に示すように、本実施例では、パルス信号は4つのパルスを含み、サンプリングモジュール200は、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのうちの1つに応答して対応のエッジを生成し、具体的には、サンプリング信号の1番目の立ち上がりエッジは1番目のパルスの立ち下がりエッジに応答して生成され、サンプリング信号の1番目の立ち下がりエッジは2番目のパルスの立ち上がりエッジに応答して生成され、サンプリング信号の2番目の立ち上がりエッジは3番目のパルスの立ち上がりエッジに応答して生成され、サンプリング信号の2番目の立ち下がりエッジは4番目のパルスの立ち上がりエッジに応答して生成される。1番目の立ち上がりエッジ時刻t1と1番目の立ち下がりエッジ時刻t2との時間間隔は即ち第1サンプリングパルスの幅Aであり、2番目の立ち上がりエッジ時刻t3と2番目の立ち下がりエッジ時刻t4との時間間隔は即ち第2サンプリングパルスの幅Bである。従って、本実施例のテスト回路10に基づいて、各パルスの1つのエッジをサンプリングすれば、入力されたパルス信号のパルス幅を取得することができ、それによりサンプリングモジュール200のサンプリングの難度を低減させ、これによりテスト回路10のテスト精度を向上させる。
【0022】
他の実施例では、図3に示すように、3番目のパルスの立ち下がりエッジ及び4番目のパルスの立ち下がりエッジに応答して第2サンプリングパルスを生成してもよい。図4に示すように、3つ以上のパルスに応答して第1サンプリングパルスを生成し、且つ残りの3つ以上のパルスに応答して第2サンプリングパルスを生成してもよい。更に、パルス信号に5つ以上のパルスが含まれ、1番目のパルス及び2番目のパルスに応答して第1サンプリングパルスを生成し、且つ4番目のパルス及び5番目のパルスに応答して第2サンプリングパルスを生成してもよい。なお、図2図4における実施例のサンプリング信号の生成方式はあくまでも例示的に説明するためのものであり、本願の保護範囲を限定するためのものではなく、生成された第1サンプリングパルスのパルス幅と第2サンプリングパルスのパルス幅との差がテスト対象のパルス信号のパルス幅に等しければ、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0023】
図5は第2実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図5に示すように、本実施例では、前記サンプリングモジュール200は第1一時記憶ユニット210を備え、前記第1一時記憶ユニット210のクロック駆動端子が前記信号処理モジュール100に接続され、前記第1一時記憶ユニット210が第1一時記憶信号を生成するように前記処理信号に応答してサンプリング対象信号をサンプリングするためのものであり、前記サンプリング信号のエッジが前記第1一時記憶信号のエッジに対応する。ここで、第1一時記憶ユニット210の入力端子がサンプリング対象信号源に接続され、サンプリング対象信号源がサンプリング対象信号を出力するためのものであり、例示的に、サンプリング対象信号が所定時間間隔で高レベルと低レベルを切り替える1つの信号であってもよい。
【0024】
図6図5における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図であり、図に示すように、本実施例では、前記パルス信号はシーケンス上の隣接する4つのパルスを含んでもよく、前記信号処理モジュール100は、制御信号に応答して、前記パルス信号におけるシーケンス上の1番目の前記パルスを逆相にし、且つ残りの前記パルスを逆相にしないためのものである。前記サンプリングモジュール200は、シーケンス上の上位2つの前記パルスに応答して前記第1サンプリングパルスを生成し、且つシーケンス上の下位2つの前記パルスに応答して前記第2サンプリングパルスを生成するためのものであり、具体的には、サンプリング対象信号の周期がパルス信号の周期の2倍であり、且つサンプリング対象信号のエッジがパルス信号のエッジをずらし、それにより処理信号のエッジに基づいてサンプリング対象信号をサンプリングする精度を確保する。理解できるように、処理信号のエッジ時刻に対応するサンプリング対象信号が安定状態にあれば、正確なサンプリングを行うことができる。従って、本実施例では、テスト回路10のサンプリング対象信号のシーケンス精度への要求も比較的低く、即ち、シーケンスウィンドウが比較的大きく、比較的高いシーケンス信頼性を有する。
【0025】
更に、前記第1一時記憶ユニット210は、フリップフロップ、ラッチ、レジスタのうちの1つ又は複数を備える。図5に示される実施例では、第1一時記憶ユニット210は1つのDフリップフロップを備え、Dフリップフロップのクロック駆動端子が信号処理モジュール100の出力端子に接続され、Dフリップフロップの入力端子がサンプリング対象信号に接続され、Dフリップフロップの出力端子から出力された信号がサンプリング信号とされることができる。更には、Dフリップフロップのセット端子又はリセット端子は外部の回路に接続されてもよく、それによりセット又はリセットの方式でDフリップフロップの初期状態を決定し、これによりテスト回路10の信頼性を向上させる。本実施例では、第1一時記憶ユニット210は処理信号のエッジをサンプリング及びラッチングすることができ、それによりサンプリング信号を正確で安定的に出力する。
【0026】
図7は第3実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図7に示すように、本実施例では、前記サンプリングモジュール200は更に第1インバータ220を備え、前記第1インバータ220が前記第1一時記憶ユニット210とともにフィードバックループを構成し、前記フィードバックループが前記処理信号に応答してフィードバック信号を生成するためのものであり、前記フィードバック信号のエッジが前記処理信号のエッジに対応する。理解できるように、上記実施例では、サンプリング信号は、外部のサンプリング対象信号源によらないと出力することができない。本実施例では、フィードバックループを形成することにより、第1一時記憶ユニット210の入力端子の信号を第1インバータ220から出力されたフィードバック信号に追従させることができ、それによりテスト回路10を簡素化し、且つテスト回路10の柔軟性及び信頼性を向上させる。
【0027】
具体的には、前記第1インバータ220の入力端子が前記第1一時記憶ユニット210の出力端子に接続され、前記第1インバータ220の出力端子が前記第1一時記憶ユニット210の入力端子に接続され、前記第1インバータ220がフィードバック信号を生成するように前記第1一時記憶信号を逆相にするためのものである。例示的に、前の処理信号周期の立ち上がりエッジが到達した後、第1一時記憶ユニット210から出力された第1一時記憶信号が0状態にあり、第1インバータ220による逆相により出力されたフィードバック信号が1状態にある場合、第1一時記憶ユニット210の入力端子の信号も1状態にあり、次の処理信号周期の立ち上がりエッジが到達した後、第1一時記憶信号が1状態に切り替えられることとなり、それにより第1一時記憶ユニット210の入力端子から入力されたフィードバック信号を自動的に更新し、即ち構造がより簡単で、自動的にサンプリングできるテスト回路10を実現する。
【0028】
図7に更に示すように、その中の1つの実施例では、前記サンプリングモジュール200は更に第2インバータ230を備え、前記第2インバータ230の入力端子は前記第1インバータ220の出力端子に接続され、前記第2インバータ230は前記フィードバック信号を受信し、且つ前記フィードバック信号に基づいて前記サンプリング信号を生成するためのものである。第2インバータ230を設置することにより、サンプリングモジュール200から出力された信号を第1一時記憶ユニット210から出力された信号に一致させることができる。
【0029】
図8は第4実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図8に示すように、本実施例では、テスト回路10は更に制御モジュール300を備え、前記制御モジュール300は、それぞれ前記サンプリングモジュール200及び前記信号処理モジュール100に接続され、前記サンプリング信号に応答して前記制御信号を生成するためのものであり、前記制御信号のエッジが前記サンプリング信号のエッジに対応する。
【0030】
具体的には、制御モジュール300は、サンプリングモジュール200から出力された信号に基づいて応答する制御信号を生成することができ、それにより信号処理モジュール100からの出力信号の制御を実現し、即ち制御信号のレベル状態に基づいて信号処理モジュール100から出力された処理信号を制御する。例えば、図9図8における実施例に対応する例示的な信号シーケンス図であり、図9を参照すると、本実施例では、制御信号のレベル状態が高レベルである場合、信号処理モジュール100はパルス信号を出力し、制御信号のレベル状態が低レベルである場合、信号処理モジュール100は逆相のパルス信号を出力する。
【0031】
図8に更に示すように、制御モジュール300は第2一時記憶ユニット310を備えてもよく、前記第2一時記憶ユニット310のクロック駆動端子が前記サンプリングモジュール200の出力端子に接続され、前記第2一時記憶ユニット310の入力端子が所定レベル信号を取得するように所定レベル信号発生器に接続され、前記第2一時記憶ユニット310の出力端子が前記信号処理モジュール100に接続され、前記第2一時記憶ユニット310が第2一時記憶信号を生成するように前記サンプリング信号に応答して所定レベル信号をサンプリングするためのものであり、前記制御信号のエッジが前記第2一時記憶信号のエッジに対応する。即ち、所定レベル信号発生器は一定レベル状態の信号を出力し、例えば高レベル信号であってもよく、サンプリングモジュール200が実行される前に、まず第2一時記憶ユニット310をリセットすることにより第2一時記憶ユニット310に0状態を出力させ、且つ、目標時刻でリセット端子のイネーブル信号をオフして、サンプリング信号に基づいて所定レベル信号発生器から出力された高レベル信号をサンプリングすることにより第2一時記憶ユニット310から出力された制御信号Qの状態を1状態に切り替えさせることができ、それにより一部のパルス信号を逆相にし、且つ残りのパルス信号の状態を保持して出力する目的を実現する。ここで、目標時刻は、第1一時記憶ユニット210の出力端子に接続されるインバータの数によって制御されてもよい。
【0032】
図10は第5実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図10に示すように、本実施例では、前記制御モジュール300は更に第3インバータ320を備え、前記第3インバータ320の入力端子が前記第2一時記憶ユニット310の出力端子に接続され、前記第3インバータ320が前記第2一時記憶信号を受信し、且つ前記第2一時記憶信号に基づいて前記制御信号を生成するためのものである。本実施例では、第3インバータ320により制御信号Q及び制御信号QNを生成することができ、即ち2つの制御信号に基づいて信号処理モジュール100を制御することができ、それにより信号処理モジュール100の制御信頼性を向上させる。
【0033】
図11は第6実施例のテスト回路10の構造模式図であり、図11に示すように、本実施例では、信号処理モジュール100は第4インバータ110及びマルチプレクサ120を備え、前記マルチプレクサ120の第1入力端子が前記第4インバータ110の出力端子に接続され、前記マルチプレクサ120の第2入力端子が前記パルス信号に接続され、前記マルチプレクサ120の出力端子が前記第1一時記憶ユニット210に接続され、前記マルチプレクサ120が前記制御信号を受信し、且つ前記制御信号の制御によって前記第1入力端子又は前記第2入力端子と前記出力端子との間の通路を導通するように選択するためのものである。なお、マルチプレクサ120の構造は、図の実施例の構造に限らず、マルチ選択機能を実現できる他のマルチプレクサ120も本願の保護範囲に属する。
【0034】
図12は一実施例のテスト装置の構造模式図であり、図12に示すように、本実施例では、テスト装置は、上記テスト回路10と、前記サンプリングモジュール200に接続され、前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号における前記パルスの幅を取得するための分析モジュール20と、を備える。テスト回路10についての具体的な限定は上記説明を参照してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。本実施例では、テスト回路10及び分析モジュール20によって、パルス幅を正確にテストするテスト装置を実現する。
【0035】
図13は一実施例のテスト方法のフローチャートであり、本実施例のテスト方法は上記テスト装置によるものであり、図13を参照すると、本実施例では、前記方法は、
テスト対象のパルス信号を受信するS100と、
制御信号の制御によって処理信号を出力するS200と、
前記処理信号に基づいて、第1サンプリングパルスと第2サンプリングパルスを含むサンプリング信号を生成するS300と、
前記第1サンプリングパルス及び前記第2サンプリングパルスに基づいて前記パルス信号における前記パルスの幅を取得するS400と、を含む。
【0036】
なお、テスト方法についての具体的な限定は以上のテスト装置に対する限定を参照してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。図13のフローチャートにおける各ステップは矢印の指示に従って順次表示されるが、これらのステップは必ずしも矢印で指示される順序に従って順次実行されるものではないことは理解されたい。本明細書において明確な説明がない限り、これらのステップの実行順序は特に制限せず、これらのステップは他の順序で実行されてもよい。且つ、図13における少なくとも一部のステップは複数のサブステップ又は複数の段階を含んでもよく、これらのサブステップ又は段階は必ずしも同じ時刻で実行されて完了するのではなく、異なる時刻で実行されてもよく、これらのサブステップ又は段階の実行順序についても必ずしも順次行われるのではなく、他のステップ又は他のステップのサブステップ又は段階の少なくとも一部と順番又は交互に実行されてもよい。
【0037】
以上の前記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせは矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載の範囲であると見なされるべきである。
【0038】
以上の前記実施例は単に本願の実施例のいくつかの実施形態を説明し、その説明が比較的具体的かつ詳細なものであるが、発明の特許範囲を限定するものではないと理解されるべきである。なお、当業者であれば、本願の実施例の構想を逸脱せずに、更に種々の変形及び改良を行うことができ、これらはいずれも本願の実施例の保護範囲に属する。従って、本願の実施例の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図10
図11
図12
図13