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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】駆動回路、駆動ICおよび駆動システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240307BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L29/80 E
H01L29/80 H
H01L21/20
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022554421
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2021078961
(87)【国際公開番号】W WO2021218372
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】202010358117.2
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522184383
【氏名又は名称】広東致能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黎子蘭
(72)【発明者】
【氏名】張樹▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳勘
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0141105(US,A1)
【文献】特開2014-131027(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110224019(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御モジュールと駆動信号出力モジュールとを備え、前記制御モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、前記駆動信号出力モジュールが駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動信号出力モジュールは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、
前記制御モジュールは、少なくとも2つの前記トランジスタのオフ状態を制御することにより、前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのP型トランジスタと少なくとも1つのN型トランジスタとを含み、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含み、前記ベース材は垂直界面を含み、前記HEMTおよび前記HHMTがそれぞれ前記垂直界面の両側に位置し、
前記駆動信号出力モジュールは、単相ハーフブリッジ回路と、二相ハーフブリッジ回路と、三相ハーフブリッジ回路とを含み、
前記駆動信号出力モジュールが単相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと第1HEMTとを含み、前記第1HHMTおよび前記第1HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、前記出力ポートが前記駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動信号出力モジュールが二相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTとを含み、前記第1HHMT、前記第2HHMT、前記第1HEMTおよび前記第2HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、
前記駆動信号出力モジュールが三相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第3HHMTと、第3HEMTとを含み、前記第1HHMT、前記第1HEMT、前記第2HHMT、前記第2HEMT、前記第3HHMTおよび前記第3HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される
ことを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
少なくとも1つの前記HEMTおよび少なくとも1つの前記HHMTのそれぞれにチャネル層および障壁層が設けられ、前記チャネル層が前記垂直界面の外側に設けられ、前記障壁層が前記チャネル層の外側に設けられ、前記チャネル層と前記障壁層との間の界面が第1極性面と第2極性面とを含み、前記第1極性面および前記第2極性面がそれぞれ前記垂直界面の両側に位置し、
前記第1極性面は二次元電子ガスを提供し、前記第2極性面は二次元正孔ガスを提供する
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記出力ポートは第1出力ポートと第2出力ポートとを含み、前記第1出力ポートおよび前記第2出力ポートがいずれも同一の駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動信号出力モジュールが単相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1付加回路と第2付加回路とをさらに含み、前記第1HHMTのドレインが前記第1付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第1HEMTのドレインが前記第2付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続されて、前記第1付加回路および前記第2付加回路を介して前記第1HHMTおよび前記第1HEMTの導通に要する時間をそれぞれコントロールするように構成され、
前記駆動信号出力モジュールが二相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第3付加回路と第4付加回路とをさらに含み、前記第1HHMTのドレインが前記第1付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第2HHMTのドレインが前記第3付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第1HEMTのドレインが前記第2付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続され、前記第2HEMTのドレインが前記第4付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続されて、前記第3付加回路および前記第4付加回路を介して前記第2HHMTおよび前記第2HEMTの導通に要する時間をそれぞれコントロールするように構成され、
前記駆動信号出力モジュールが三相ハーフブリッジ回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第5付加回路と第6付加回路とをさらに含み、前記第1HHMTのドレインが前記第1付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第2HHMTのドレインが前記第3付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第3HHMTのドレインが前記第5付加回路を介して前記第1出力ポートと電気的に接続され、前記第1HEMTのドレインが前記第2付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続され、前記第2HEMTのドレインが前記第4付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続され、前記第3HEMTのドレインが前記第6付加回路を介して前記第2出力ポートと電気的に接続されて、前記第5付加回路および前記第6付加回路を介して前記第3HHMTおよび前記第3HEMTの導通に要する時間をそれぞれコントロールするように構成される
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記第1付加回路と前記第2付加回路とは抵抗値が異なり、前記第3付加回路と前記第4付加回路とは抵抗値が異なり、前記第5付加回路と前記第6付加回路とは抵抗値が異なる
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項5】
制御モジュールと駆動信号出力モジュールとを備え、前記制御モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、前記駆動信号出力モジュールが駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動信号出力モジュールは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、
前記制御モジュールは、少なくとも2つの前記トランジスタのオフ状態を制御することにより、前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのP型トランジスタと少なくとも1つのN型トランジスタとを含み、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含み、前記ベース材は垂直界面を含み、前記HEMTおよび前記HHMTがそれぞれ前記垂直界面の両側に位置し、
前記駆動信号出力モジュールは、単相回路と、二相回路と、三相回路とを含み、
前記駆動信号出力モジュールが単相回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと、第1HEMTと、第4HHMTとを含み、前記第1HHMTと前記第4HHMTとが並列接続され、前記第1HHMT、前記第4HHMTおよび前記第1HHMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、
前記駆動信号出力モジュールが二相回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第4HHMTと、第5HHMTとを含み、前記第1HHMTと、前記第2HHMTと、前記第4HHMTと、前記第5HHMTとが並列接続され、前記第1HHMT、前記第1HEMT、前記第2HHMT、前記第2HEMT、前記第4HHMTおよび前記第5HHMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、
前記駆動信号出力モジュールが三相回路を含む場合、前記駆動信号出力モジュールが第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第3HHMTと、第3HEMTと、第4HHMTと、第5HHMTと、第6HHMTとを含み、前記第1HHMTと、前記第2HHMTと、前記第3HHMTと、前記第4HHMTと、前記第5HHMTと、前記第6HHMTとが並列接続され、前記第1HHMT、前記第1HEMT、前記第2HHMT、前記第2HEMT、前記第3HHMT、前記第3HEMT、前記第4HHMT、前記第5HHMTおよび前記第6HHMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される
ことを特徴とする動回路。
【請求項6】
制御モジュールと駆動信号出力モジュールとを備え、前記制御モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、前記駆動信号出力モジュールが駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動信号出力モジュールは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、
前記制御モジュールは、少なくとも2つの前記トランジスタのオフ状態を制御することにより、前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのP型トランジスタと少なくとも1つのN型トランジスタとを含み、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含み、前記ベース材は垂直界面を含み、前記HEMTおよび前記HHMTがそれぞれ前記垂直界面の両側に位置し、
前記駆動信号出力モジュールは、デュアル出力ハーフブリッジ駆動回路を含み、
前記駆動信号出力モジュールは第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTとを含み、前記第1HHMTおよび前記第1HEMTのそれぞれのドレインが第1出力ポートと接続され、前記第2HHMTおよび前記第2HEMTのそれぞれのドレインが第2出力ポートと接続され、前記第1出力ポートが1つの駆動対象デバイスと接続するように構成され、前記第2出力ポートが他の駆動対象デバイスと接続するように構成される
ことを特徴とする動回路。
【請求項7】
少なくとも1つの前記HEMTおよび少なくとも1つの前記HHMTを作製する材料は、III族窒化物を含む
ことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項8】
少なくとも2つの前記トランジスタは、いずれもノーマリオフ型トランジスタである
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の駆動回路。
【請求項9】
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのN型トライオードと少なくとも1つのP型トライオードとを含み、または、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのN型MOSトランジスタと少なくとも1つのP型MOSトランジスタとを含む
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の駆動回路。
【請求項10】
前記制御モジュールは、駆動信号入力モジュールと、制御信号入力モジュールと、電源モジュールと、保護モジュールと、主制御モジュールとを含み、
前記電源モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、前記駆動信号入力モジュール、前記制御信号入力モジュールおよび前記保護モジュールのそれぞれが前記主制御モジュールと電気的に接続され、前記主制御モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、
前記主制御モジュールが、前記駆動信号入力モジュール、前記制御信号入力モジュールおよび前記保護モジュールの信号に基づいて前記駆動信号出力モジュールのオフ状態を制御するように構成される
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の駆動回路。
【請求項11】
少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのP型トランジスタと少なくとも1つのN型トランジスタとを含み、
少なくとも2つの前記トランジスタは、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含み、前記ベース材は垂直界面を含み、前記HEMTおよび前記HHMTがそれぞれ前記垂直界面の両側に位置し、
単相ハーフブリッジ回路と、二相ハーフブリッジ回路と、三相ハーフブリッジ回路とを含み、
前記単相ハーフブリッジ回路を含む場合、第1HHMTと第1HEMTとを含み、前記第1HHMTおよび前記第1HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、前記出力ポートが駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記二相ハーフブリッジ回路を含む場合、第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTとを含み、前記第1HHMT、前記第2HHMT、前記第1HEMTおよび前記第2HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、
前記三相ハーフブリッジ回路を含む場合、第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第3HHMTと、第3HEMTとを含み、前記第1HHMT、前記第1HEMT、前記第2HHMT、前記第2HEMT、前記第3HHMTおよび前記第3HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される
ことを特徴とする駆動IC。
【請求項12】
駆動対象デバイスと請求項1~10のいずれか1項に記載の駆動回路とを備え、前記駆動回路が前記駆動対象デバイスと電気的に接続され、
前記駆動回路は前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され、前記駆動対象デバイスが窒化物デバイスを含む
ことを特徴とする駆動システム。
【請求項13】
前記駆動回路と前記駆動対象デバイスとが同一のチップに集積されている
ことを特徴とする請求項12に記載の駆動システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本出願は、2020年4月29日に中国専利局に提出された、出願番号が202010358117.2であり、名称が「駆動回路、駆動ICおよび駆動システム」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【0002】
本出願は、電子回路の技術分野に属し、具体的に、駆動回路、駆動ICおよび駆動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
フルコントロール半導体高電圧パワーデバイスの種類として、BJT(Bipolar Junction Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのパワー半導体デバイス、および現在のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)デバイスなどが挙げられ、III族窒化物材料により形成される第3世代半導体パワーデバイスGaN FET(Gallium Nitride)などへ迅速に進化している。
【0004】
電気電子製品において、駆動回路は、フルコントロール半導体高電圧パワーデバイスの使用のための不可欠な重要な部分である。しかしながら、現在の駆動回路は、一般的に体積が比較的に大きく、集積化を効果的に実現することができない。
【0005】
このため、現在の駆動回路には、体積が比較的に大きく、集積度が比較的に低い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、従来技術における、駆動回路が体積が比較的に大きく、集積度が比較的に低い問題を解決できる駆動回路、駆動ICおよび駆動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するため、本出願は、下記の技術案を採用する。
【0008】
第1局面において、本出願は駆動回路を提供する。前記駆動回路は、制御モジュールと駆動信号出力モジュールとを備え、前記制御モジュールと前記駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、前記駆動信号出力モジュールが駆動対象デバイスと電気的に接続され、
【0009】
前記駆動信号出力モジュールは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、
【0010】
前記制御モジュールは、少なくとも2つの前記トランジスタのオフ状態を制御することにより、前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成される。
【0011】
第2局面において、本出願は駆動ICを提供する。前記駆動ICは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つの前記トランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである。
【0012】
第3局面において、本出願は駆動システムを提供する。前記駆動システムは、駆動対象デバイスと上記の駆動回路とを備え、前記駆動回路と前記駆動対象デバイスとが電気的に接続され、前記駆動回路は前記駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され、前記駆動対象デバイスが窒化物デバイスを含む。
【0013】
本出願の上記の目的、特徴および利点をより明瞭に説明するため、以下、図面を参照しながら、本出願の選択可能な実施形態を詳細に説明する。
【0014】
本出願の技術案をより明瞭に説明するため、以下、説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、範囲を限定するものではないと理解すべきである。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに他の関連図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本出願に係る駆動回路の模式的ブロック図である。
図2】本出願に係る駆動信号出力モジュールの模式的構成図。
図3】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図4】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図5】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図6】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図7】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図8】本出願に係る、ベース材に対して処理を行うときの模式的構成図である。
図9】本出願に係る駆動信号出力モジュールの模式的断面図である。
図10】本出願に係るパワーデバイスのFOMを示す模式図である。
図11】本出願に係るパワーデバイスのHEMTおよびHHMTを回路符号で示す模式図である。
図12】本出願に係る単相ハーフブリッジ回路の1種の模式的回路図である。
図13】本出願に係る単相ハーフブリッジ回路のもう1種の模式的回路図である。
図14】本出願に係る単相回路の1種の模式的回路図である。
図15】本出願に係る二相回路の1種の模式的回路図である。
図16】本出願に係る三相回路の1種の模式的回路図である。
図17】本出願に係るデュアル出力のハーフブリッジ駆動回路の1種の模式的回路図である。
図18】本出願に係る制御モジュールの1種の模式的ブロック図である。
図19】本出願に係る駆動回路の1種の模式的回路図である。
図20】本出願に係る駆動回路の1種の模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願の目的、技術案および利点をより明瞭するため、以下、本出願に用いられる図面を参照しながら、本出願の技術案を明瞭かつ完全に説明し、説明される実現方式が、本出願の一部の実現方式にすぎず、すべての実現方式ではないことは無論である。ここで図面を用いて示した本出願における部品は、さまざまな配置方法で配置、設計することが可能である。
【0017】
このため、以下の図面に示された本出願の実施形態に対する詳細な説明は、本出願の選択された実施形態を示すものにすぎず、保護しようとする本出願の範囲を限定するものではない。本出願の実施形態をもとに、当業者は、発明能力を用いることなく得たすべての他の実施形態も、本出願の保護範囲に属する。
【0018】
なお、同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。そして、本出願の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対的な重要性を明示または暗示するものではない。
【0019】
なお、本明細書において、第1および第2などのような関係用語は、1つのエンティティ若しくはアクションを別のエンティティ若しくはアクションから区別するためのものにすぎない、必ずしもそのようなエンティティ若しくはアクション間に如何なる事実上のそのような関係または順序を要求または暗示することがない。なお、「有する」、「含む」といった用語およびそれらの任意の変化形は、非排他的な包含を網羅するように意図される。よって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、必ずしもこれらの要素に限定されず、明記されないまたはこれらのプロセス、方法、物品または装置に対して固有の他の要素を含んでもよい。特に断りがない限り、「~を含む」という表現で限定された要素について、前記要素を含むプロセス、方法、物品または装置が他の同様な要素を有している状況を除外しない。
【0020】
本出願の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」などの用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、または該出願製品の通常の配置方向または位置関係であり、本出願を簡単、簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示または暗示するものではないため、本出願を限定するものではない。
【0021】
本出願の説明において、明確な定義や限定がない限り、用語の「設置」、「接続」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
以下、図面を参照しながら、本出願の選択可能な実施形態を詳細に説明する。矛盾がない限り、下記の実施形態における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0023】
電気電子製品において、駆動回路は、フルコントロール半導体高電圧パワーデバイスの使用のための不可欠な重要な部分である。しかしながら、現在の駆動回路は、一般的に体積が比較的に大きく、集積化を効果的に実現することができない。
【0024】
上記事情に鑑みて、本出願は、同一のベース材において少なくとも2つのトランジスタを成長させる方式でデバイスの集積を実現し、これによって駆動回路の小型化を実現することができる駆動回路を提供する。
【0025】
以下、本出願に係る駆動回路を例示的に説明する。
【0026】
選択可能な実施形態として、図1および図20に示すように、該駆動回路は、制御モジュール100と駆動信号出力モジュール200とを備え、制御モジュール100と駆動信号出力モジュール200とが電気的に接続され、駆動信号出力モジュール200が駆動対象デバイスと電気的に接続される。駆動信号出力モジュール200は少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つのトランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものであり、制御モジュール100は、少なくとも2つのトランジスタのオフ状態を制御することにより、駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成される。
【0027】
同一のベース材において駆動信号出力モジュール200をエピタキシャル成長させる方式によれば、駆動信号出力モジュール200の小型化を実現し、これによって駆動回路全体の小型化を実現することができる。
【0028】
なお、駆動対象デバイスの作動開始または作動停止を制御するとき、制御モジュール100により相応の制御信号を送信して、駆動信号出力モジュール200を制御する方式により、駆動対象デバイスに対する制御を実現する。
【0029】
なお、本出願に係る駆動対象デバイスは、パワートランジスタであり得、本出願において駆動対象デバイスの数に対して限定しなく、駆動対象デバイスの数が1つであってもよく、2つまたは3つであってもよい。駆動信号出力モジュール200は、出力端がパワートランジスタのゲートと電気的に接続され、これによって、パワートランジスタの作動に駆動信号を提供する。
【0030】
以下、本出願に係る駆動信号出力モジュール200を例示的に説明する。
【0031】
本出願では、使用するトランジスタのタイプに対して限定しなく、例えば、この少なくとも2つのトランジスタは、全部がN型トランジスタであってもよく、全部がP型トランジスタであってもよく、または一部がN型トランジスタであり、他の一部がP型トランジスタであるようにしてもよい。また、本出願に係るトランジスタは、いずれもノーマリオフ型トランジスタである。
【0032】
そして、本出願では、トランジスタの種類に対しても限定しなく、例えば、トランジスタは、トライオード、MOSトランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)またはHEMT(High Electron Mobility Transistor、高電子移動度トランジスタ)、HHMT(高正孔移動度トランジスタ)であり得る。
【0033】
例えば、駆動信号出力モジュール200において一部がN型トランジスタであり、他の一部がP型トランジスタである場合、本出願の一実現可能な方式として、該少なくとも2つのトランジスタは、少なくとも1つのN型MOSトランジスタと少なくとも1つのP型MOSトランジスタとを含み、該少なくとも1つのN型MOSトランジスタおよび少なくとも1つのP型MOSトランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである。本出願の他の可能な実現方式として、該少なくとも2つのトランジスタは、少なくとも1つのN型トライオードと少なくとも1つのP型トライオードとを含み、該少なくとも1つのN型トライオードおよび少なくとも1つのP型トライオードが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである。本出願の他の可能な実現方式として、該少なくとも2つのトランジスタは、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含み、該少なくとも1つのHEMTおよび少なくとも1つのHHMTが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである。
【0034】
以下、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとを含む駆動信号出力モジュール200を例として説明する。HEMTおよびHHMTは、導電型が異なるため、該駆動信号出力モジュール200が相補型モジュールとみなされる。
【0035】
任意で、本出願において、同一のベース材において少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTとをエピタキシャル成長させる場合、ベース材が垂直界面を含み、HEMTおよびHHMTがそれぞれ垂直界面の両側に位置する。HEMTおよびHHMTをそれぞれ垂直界面の両側に設置する方式によれば、HEMTとHHMTとの集積を実現し、小型化を実現することができ、そして成長プロセスが簡単で、作製効率が高い。
【0036】
一選択可能な実施形態として、ベース材における垂直界面の結晶方位の異なりを利用してHEMTとHHMTの成長を実現することができる。例えば、図2に示すように、少なくとも1つのHEMTと少なくとも1つのHHMTは、同一のチャネル層および障壁層を共用しており、チャネル層が垂直界面の外側に設けられる。図2に示すAlN核生成層およびバッファ層を垂直界面として使用することができる。障壁層がチャネル層の外側に設けられ、チャネル層と障壁層との間の界面が第1極性面と第2極性面とを含み、第1極性面および第2極性面がそれぞれ垂直界面の両側に位置する。第1極性面は二次元電子ガスを提供するように用いられ、第2極性面は二次元正孔ガスを提供するように用いられ、これによって、垂直界面の左側でHHMTデバイスが形成され、垂直界面の右側でHEMTデバイスが形成される。任意で、HEMTとHHMTは、同一のチャネル層および障壁層を共用しなくてもよく、本出願ではこれに対して限定しない。
【0037】
以下、一選択可能な具体的な製造プロセスを用いて説明する。
【0038】
垂直界面の両側にそれぞれHEMTおよびHHMTを作製するため、所要のベース構造を得るように先にベース材に対して処理する必要がある。シリコンベース材を例として、(110)面において異方性エッチングなどの方式で垂直方向における(111)面を得ることができる。
【0039】
本出願では、ベース材の材料に対して限定しなく、例えば、ベース材は、サファイア、4H-SiCなどの、(0001)面が六方対称性を有するベース材を選択し得る。サファイア、4H-SiCなどのベース材はGaN材料の常用の成長面であり、比較的高いGaN結晶品質を得ることができる。そして、(0001)面に垂直な面は、通常、m面(1-100)、a面(11-20)などがある。したがって、これらの表面を有するベース材において垂直方向における(0001)面を得、GaN系エピタキシャル層の成長面として使用することができる。
【0040】
なお、上記のベース材が例示的なものにすぎず、実際の応用において、Al2O3、SiCなどの他のベース材を採用してもよく、ベース材に垂直な表面においてSi(111)面、Al2O3(0001)面、4H-SiC(0001)面などの六方対称性を有する面を得ることができれば、同様な構造を有するデバイスを実現することができる。
【0041】
なお、シリコンベース材である場合、Ga原子のメルトバック(melt-back)効果のため、AlNなどの核生成層を採用しなければならない。AlNは、選択的成長の能力が低いため、絶縁材料にも成長することがあり、これはデバイスに悪影響を与える。このため、AlNの成長が完了したあとウエハーを取り出し、異方性を有するエッチングを利用して、垂直面におけるAlN核生成層だけを残し、他の箇所のAlNを除去する。例えば、垂直配向のイオンボンバードによるドライエッチング過程において、垂直面におけるAlNが受けたイオン衝撃が比較的に弱く、他の面におけるAlNが受けた衝撃が比較的に強く、このようにして、垂直面におけるAlNだけが残され、ベース材における垂直界面を形成することができる。また、非晶質のSiO2またはSiNなどの絶縁材料に対して、Si(111)面の方はAlNの核生成をより容易に実現することができるため、適切な成長プロセスでAlNの垂直な(111)Si面だけでの核生成、成長を実現することもでき、ただし、プロセスウィンドウが比較的に小さい。
【0042】
他の材料、例えばAl2O3において、GaNがAl2O3(0001)面において核生成、成長することができ、上記の問題を避けることができる。
【0043】
シリコンベース材を用いる例において、図3に示すように、AlN核生成層を成長させる前に、ベース材に対する処理として、先にベース材をエッチングして(111)面を有する長尺状構造を形成する。例えば、ベース材の上面において絶縁層を形成し、任意で、絶縁層は、熱酸化処理または気相成長により形成されるSiO2層である。そして、一選択可能な実施形態として、該絶縁層の厚さは約0.5μmである。
【0044】
図4に示すように、マスクを利用して絶縁層に対してフォトエッチングを行って、間隔をあけて設けられる絶縁層を形成する。そして、ベース材に対してエッチングして、絶縁層により遮られるため、絶縁層の下方に位置するベース材がエッチングされなく、絶縁層の設けられていない領域においてエッチングにより凹溝が形成され、これによって、複数の垂直な凹溝が形成され、該凹溝が間隔をあけて設けられている。凹溝の側壁は六方対称の格子構造を有し、例えばSiの(111)面である。
【0045】
そして、図5に示すように、ベース材の表面に犠牲層を成長させ、このとき、絶縁層の表面、凹溝の底部の表面および凹溝側壁の表面のそれぞれが犠牲層で被覆されている。任意で、犠牲層の材料は、窒化ケイ素であり得る。そして、図6に示すように、ドライエッチングを行って、絶縁層の表面および凹溝の底部の表面のそれぞれにおける犠牲層を除去し、凹溝の側壁の表面の犠牲層を残す。
【0046】
そして、酸化工程により、凹溝の底面で再度絶縁層を形成することができ、該絶縁層の材料が依然としてSiO2である。ベース材の表面および凹溝の底部の表面に絶縁層を形成し、これによって、この後窒化物半導体が成長するときにガリウム原子とシリコンベース材との不適合を避け、メルトバック(melt-back)現象の発生を防止することができる。そして、凹溝の底部の表面の絶縁層によれば、窒化物半導体とシリコンベース材との間の漏れ電流を効果的に阻止し、シリコンベース材による寄生容量を効果的に低減することができる。
【0047】
そして、選択的なウェットエッチングにより、犠牲層と絶縁層とのエッチング選択比を利用して、凹溝の側面における犠牲層を除去する。
【0048】
なお、このとき、ベース材の上面および凹溝の底部の表面のそれぞれが絶縁層で被覆されている。一実施形態として、ベース材の上面および凹溝の底部の表面における絶縁層は、厚さが同じである。そして、凹溝の側壁が露出している。
【0049】
上記の操作を実現したあと、再び酸化工程により凹溝の側壁に薄い絶縁層を形成する。後で凹溝の側壁の絶縁層が除去されたとき、ベース材の底部および凹溝の底部の表面においてベース材を保護できる十分厚い絶縁層が残されることを満たすように、凹溝の側壁における絶縁層の厚さをベース材の上面および凹溝の底部の表面における絶縁層の厚さよりも小さいようにする必要がある。これらの絶縁層は、後で窒化物半導体が成長するときにガリウム原子とシリコンベース材との不適合を避け、メルトバック(melt-back)現象の発生を防止することができ、シリコンベース材に窒化物半導体デバイスを作製することにとって不可欠なものとである。
【0050】
そして、露光現像プロセスにより、凹溝の側壁における一部の絶縁層を除去する。なお、側壁における一部の絶縁層を除去するとき、ベース材の上面の絶縁層も同時に除去されるが、ベース材の上面の絶縁層の厚さが凹溝の側壁における絶縁層の厚さよりはるかに大きいため、ベース材の上面における絶縁層が、完全に除去されず、ある程度だけエッチングされる。
【0051】
なお、図7に示すように、このとき、凹溝の側壁における一部の領域に絶縁層の被覆がなく、その他の位置が絶縁層で被覆されている。したがって、図8に示すように、シリコンベース材にAlN核生成層を成長させるとき、側壁における一部の領域だけにAlN核生成層が形成し、単結晶ALN結晶の成長方向が<0001>であり、その表面が(0001)面である。
【0052】
他のベース材、例えば、Al2O3を採用する場合、核生成層がGaNであってもよい。この場合、プロセス調整により、露出されたベース材の表面だけでの核生成が容易に実現できる。
【0053】
核生成層を形成したあと、AlN核生成層を核として本出願に係る駆動信号出力モジュールを作製することができる。
【0054】
一実施形態として、核生成層を核として第1窒化物半導体層を側方にエピタキシャル成長させ、凹溝の存在により、成長したあと、凹溝内に第1窒化物半導体層が充填されている。なお、前記第1窒化物半導体層を成長させる前に、バッファ層を先に成長させてもよく、バッファ層を形成しなくてもよい。
【0055】
本出願に係るHEMTデバイスおよびHHMTデバイスをノーマリオフ型デバイスにするため、本出願では、第1窒化物半導体において少なくとも1つのP型ドーピング領域および/またはN型ドーピング領域を形成して、ゲート電極付近の二次元キャリアガスを空乏化する。例えば、第1窒化物半導体層において、少なくとも1つのP型ドーピング領域を形成し、該P型ドーピング領域が、<0001>結晶方位投影方向でゲート電極と少なくとも部分的に重なり合うとともに、二次元キャリアガスと電気的に結合し、これによって、該第1導電型二次元キャリアガスのほとんどを空乏化してトランジスタをノーマリオフ型にする。
【0056】
上記の構造をもとに、ベース材の表面の絶縁層および該絶縁層の下の一部のベース材を取り出し、このときにベース材に依然として凹溝構造が形成されている。そして、第2窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる。第1窒化物半導体層がチャネル層であり、第2窒化物半導体層が障壁層である。最後に、電極を作製し、本出願に係る駆動信号出力モジュールの作製が遂げられる。
【0057】
なお、垂直界面の両側の結晶方位がそれぞれ(000-1)および(0001)であり、(0001)の反対方向が(000-1)であり、(000-1)結晶方位において、チャネル層および障壁層において2DHG(二次元正孔ガス)が形成され、(0001)結晶方位において、チャネル層および障壁層において2DEG(二次元電子ガス)が形成される。2DEG側にソース、ドレインおよびゲートを形成することによりHEMTデバイスを構成することができ、2DHG側にソース、ドレインおよびゲートを形成することによりHHMTデバイスを構成することができる。ソースおよびドレインは2DEGまたは2DHGと良好なオーミック接触を形成する必要があり、つまり接触抵抗が小さければ小さいほどよい。ゲートは、チャネルまでの漏れ電流をできるだけ減らす必要がある。ゲートを障壁層とショットキー接触するようにしてもよく、ゲート電極の下で絶縁層を形成することにより漏れ電流を減少させるようにしてもよく、つまり、ゲート電極を形成する前に先にゲート絶縁層を形成する。
【0058】
HEMTおよびHHMTの2種のデバイスについて、両方のソースおよびドレインは、一般的に、同様な材料を採用することができ、しかし、HEMTのオーミック接触のための金属とHHMTのオーミック接触のための金属とは一般的に異なるため、HEMTのソース、ドレイン材料とHHMTのソース、ドレイン材料とは一般的に異なる。仕事関数に対する要求が一般的に異なるため、HEMTのゲート材料とHHMTのゲート材料とも一般的に異なる。
【0059】
本出願に係るHHMTとHEMTとのソース、ドレイン、ゲートの位置対応方式が例示的なものにすぎず、他の対応の位置関係であってもよい。
【0060】
このように形成されたフィン状構造は、垂直なチャネル構造を有し、チャネルの高さを上げることにより、有効な導通面積を著しく増加させ、オン抵抗を下げ、生産コストを削減することができる。
【0061】
なお、Al2O3またはSiCのベース材を採用する場合、上記のSiO2絶縁層をなしにしてもよい。これは、主に、Ga原子とAl2O3またはSiCとが両立できるため、メルトバック現象が発生しないからである。適切なプロセス条件下で、六方対称性を有するAl2O3(0001)またはSiC(0001)でより核生成、成長しやすく、したがって、このような垂直な成長面を有するベース材が自然に選択的成長の能力をもつ。もちろん、依然としてSiO2、SiNなどの非晶質の絶縁層を採用する場合、この選択的成長のプロセスウィンドウがより大きく、より制御可能である。
【0062】
図9は、本出願に係る、垂直界面の左側および右側にそれぞれ1つのHHMTおよびHEMTが作製されているものの模式的横断面図である。もちろん、HHMTまたはHEMTだけを作製してもよく、垂直界面の両側に複数のHHMTおよびHEMTを作製してもよい。
【0063】
上記の製造プロセスによれば、同一のベース材においてHHMTおよび/またはHEMTを成長させ、デバイスの集積を実現することができる。
【0064】
なお、該少なくとも1つのHEMTおよび少なくとも1つのHHMTを作製する材料は、III族窒化物であり得る。
【0065】
低電圧パワーデバイスの作動状態は、主にオフ状態、オンオフ切替瞬時状態およびオン状態の3つの状態に分けられる。低電圧パワーデバイス自体の損耗および作動周波数は、電気電子製品全体の消費電力および体積に大きく影響する。
【0066】
低電圧パワーデバイス自体の損耗は、オン状態の損耗およびオンオフ切替瞬時状態の損耗を含む。オン損耗は、主に電流およびオン抵抗値Ronに関連しており、大電流でオンになる場合、主にデバイス内部の導通領域の有効面積を増加させることによりオン抵抗値Ronを下げる。オンオフ切替損耗は、主に作動周波数およびデバイスの寄生容量Cpに関連しており、高周波作動時に、主にデバイス内部のダイの有効面積を減少させることにより寄生容量値Cpを下げる。
【0067】
上記の2種の状態下での自体の損耗を減らす主な手段は、互いに矛盾しているため、通常、RonとCpの積値を、低電圧パワーデバイスを評価するための重要な性能指標の1つとし、RonとCpの積値を低電圧パワーデバイスのFOM(figure of merit)と略称する。低電圧パワーデバイスが自体の損耗が非常に低いときに高周波、大電流状態で作動できれば、電気電子回路システム全体が高周波作動を実現することができ、高周波である場合、回路におけるインダクタ、トランスなどの体積の大きい受動素子の体積が倍以上に縮小でき、したがって、製品の低消費電力化および体積の小型化を実現する。
【0068】
図10は、本出願に係るパワーデバイスのFOMを示す模式図であり、この図面から分かるように、従来のSi材料のトランジスタに対して、本出願に係るIII族窒化物を採用するトランジスタデバイスは、ROMの値がより小さい。そして、同一のベース材においてHHMTおよび/またはHEMTを成長させることによれば、寄生容量、インダクタンスなどをさらに下げることができ、デバイスの作動周波数を上げるとともに損耗を減らすことができる。つまり、本出願は、材料の改良と同一のベース材においてHHMTおよび/またはHEMTを成長させる方式とにより、相乗にデバイス損失を減らす効果を実現する。
【0069】
そして、上記の製造プロセスをもとに、本出願に係る駆動信号出力モジュール200を作製することができる。駆動回路は、一般的に絶縁駆動ICデバイスと非絶縁駆動ICデバイスとを含み、絶縁駆動ICデバイスは、主に絶縁シングル出力デバイスと絶縁ハーフブリッジ出力デバイスとを含み、非絶縁駆動ICデバイスは、主にシングル出力デバイス、デュアル出力デバイス、マルチ出力デバイスおよびハーフブリッジ出力デバイスなどを含む。
【0070】
本出願において非絶縁駆動ICデバイスを例にして説明する。一実現可能な実現方式として、駆動信号出力モジュール200は、単相ハーフブリッジ回路と、二相ハーフブリッジ回路と、三相ハーフブリッジ回路とを含む。なお、図11は、高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor、HEMT)および高正孔移動度トランジスタ(High Hole Mobility Transistor、HHMT)の回路を符号で示すものである。HEMTは、第1ソース電極101と、第1ドレイン電極103と、第1ゲート電極102と、第1ボディ電極104とを含み、第1ソース電極101と第1ドレイン電極103との間に二次元電子ガス(Two-Dimensional Electron Gas、2DEG)チャネル105が設けられ、中実球で電子を表す。HHMTは、第2ソース電極201と、第2ドレイン電極203と、第2ゲート電極202と、第2ボディ電極204とを含み、第2ソース電極201と第2ドレイン電極203との間に二次元正孔ガス(Two-Dimensional Hole Gas、2DHG)チャネル205が設けられ、中空球で正孔を表す。第1ゲート電極102および第2ゲート電極202は、それぞれHEMTおよびHHMTの導電チャネルの導通および遮断を制御するように構成される。
【0071】
図12に示すように、駆動信号出力モジュール200が単相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと第1HEMTとを含み、第1HHMTおよび第1HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続され、出力ポートが駆動対象デバイスと電気的に接続される。
【0072】
駆動信号出力モジュール200が二相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTとを含み、第1HHMT、第2HHMT、第1HEMTおよび第2HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される。
【0073】
駆動信号出力モジュール200が三相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第3HHMTと、第3HEMTとを含み、第1HHMT、第1HEMT、第2HHMT、第2HEMT、第3HHMTおよび第3HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される。
【0074】
任意で、出力ポートは第1出力ポートと第2出力ポートとを含み、第1出力ポートおよび第2出力ポートがいずれも同一の駆動対象デバイスと電気的に接続される。
【0075】
図13に示すように、駆動信号出力モジュール200が単相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1付加回路と第2付加回路とをさらに含み、第1HHMTのドレインが第1付加回路を介して第1出力ポートと電気的に接続され、第1HEMTのドレインが第2付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続され、第1付加回路および第2付加回路がそれぞれ第1HHMTおよび第1HEMTの導通に要する時間をコントロールする。一実施形態として、第1付加回路および第2付加回路はダイオード、コンデンサなどのデバイスを含み、これによって、HHMTの導通に要する時間をコントロールする。他の実現方式として、第1付加回路と第2付加回路とは、抵抗値が異なる。抵抗値の異なる付加回路を設置すれば、デバイスの導通および遮断に要する時間をコントロールすることができる。例えば、第1付加回路の抵抗値が100Ωである場合、デバイスの導通に要する時間が100msであり、第1付加回路の抵抗値が200Ωである場合、デバイスの導通に要する時間が200msである。そして、これをもとに、より多くの付加回路を設置することができ、付加回路を第1付加回路と並列接続し、付加回路の抵抗値もそれぞれ異なり、これによって、異なるデバイスの導通を制御するとき、導通に要する時間が変わることを実現できる。
【0076】
本出願に係る第1付加回路および第2付加回路は、抵抗器であってもよく、複数の抵抗器を直列接続しまたは並列接続することにより構成される回路であってもよい。または、付加回路は、他のエネルギー消費型または非エネルギー消費型のデバイスであってもよく、本出願では限定しない。
【0077】
駆動信号出力モジュール200が二相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第3付加回路と第4付加回路とをさらに含み、第1HHMTのドレインが第1付加回路を介して第1出力ポートと電気的に接続され、第2HHMTのドレインが第3付加回路を介して第1出力ポートと電気的に接続され、第1HEMTのドレインが第2付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続され、第2HEMTのドレインが第4付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続される。第3付加回路と第4付加回路とは、抵抗値が異なる。同様に、第3付加回路および第4付加回路がそれぞれ第2HHMTおよび第2HEMTの導通に要する時間をコントロールする。
【0078】
駆動信号出力モジュール200が三相ハーフブリッジ回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第5付加回路と第6付加回路とをさらに含み、第1HHMTのドレインが第1付加回路を介して第1出力ポートと電気的に接続され、第2HHMTのドレインが第3付加回路を介して第1出力ポートと電気的に接続され、第3HHMTのドレインが第5付加回路を介して第1出力ポートと接続され、第1HEMTのドレインが第2付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続され、第2HEMTのドレインが第4付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続され、第3HEMTのドレインが第6付加回路を介して第2出力ポートと電気的に接続される。第5付加回路と第6付加回路とは、抵抗値が異なる。同様に、第5付加回路および第6付加回路がそれぞれ第3HHMTおよび第3HEMTの導通に要する時間をコントロールする。
【0079】
本出願の他の実現可能な方式として、駆動信号出力モジュール200は、単相回路と、二相回路と、三相回路とを含んでもよい。
【0080】
図14に示すように、駆動信号出力モジュール200が単相回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと、第1HEMTと、第4HHMTとを含み、第1HHMTと第4HHMTとが並列接続され、第1HHMT、第4HHMTおよび第1HEMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される。
【0081】
第1HHMTおよび第4HHMTを設置すれば、同様に駆動対象デバイスの導通および遮断に要する時間に対するコントロールを実現することできる。例えば、駆動対象デバイスの導通を制御するとき、先に第1HHMTを導通制御して予備起動を実現し、そして、第1HHMTと第4HHMTとを同時に導通制御し、これによって、駆動対象デバイス的導通に要する時間を短縮する。並列接続されるデバイスを設置すれば、駆動電流を増大することもでき、これは駆動電流の比較的に低いHHMTにとって特に有利である。
【0082】
図15に示すように、駆動信号出力モジュール200が二相回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第4HHMTと、第5HHMTとを含み、第1HHMTと、第2HHMTと、第4HHMTと、第5HHMTとが並列接続され、第1HHMT、第1HEMT、第2HHMT、第2HEMT、第4HHMTおよび第5HHMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される。
【0083】
図16に示すように、駆動信号出力モジュール200が三相回路を含む場合、駆動信号出力モジュール200が第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTと、第3HHMTと、第3HEMTと、第4HHMTと、第5HHMTと、第6HHMTとを含み、第1HHMTと、第2HHMTと、第3HHMTと、第4HHMTと、第5HHMTと、第6HHMTとが並列接続され、第1HHMT、第1HEMT、第2HHMT、第2HEMT、第3HHMT、第3HEMT、第4HHMT、第5HHMTおよび第6HHMTのそれぞれのドレインが出力ポートと接続される。
【0084】
本出願の他の実現可能な方式として、図17に示すように、駆動信号出力モジュール200は、デュアル出力ハーフブリッジ駆動回路を含み、
【0085】
駆動信号出力モジュール200は第1HHMTと、第1HEMTと、第2HHMTと、第2HEMTとを含み、第1HHMTおよび第1HEMTのそれぞれのドレインが第1出力ポートと接続され、第2HHMTおよび第2HHMTのそれぞれのドレインが第2出力ポートと接続され、第1出力ポートが1つの駆動対象デバイスと接続するように構成され、第2出力ポートが他の駆動対象デバイスと接続するように構成される。
【0086】
任意で、駆動信号出力モジュール200がデュアル出力ハーフブリッジ駆動回路を含む場合、2つの駆動対象デバイスにより上下ハーフブリッジを構成することができ、これによって、駆動信号出力モジュール200を介して上下ハーフブリッジの作動を制御する目的を達成することができる。なお、より多くの駆動対象デバイスを駆動できるように、入力ポートをより多く設置してもよく、本出願ではこれに対して限定しない。
【0087】
なお、駆動信号出力モジュール200が複数のデバイスを含み、例えば、上記の実現方式において、駆動信号出力モジュール200が三相ハーフブリッジ回路を含む場合、3つのHHMTデバイスおよび3つのHEMTデバイスが必要とされ、これは、ベース材の垂直界面の一側で3つのHHMTデバイスを作製し、かつ他側で3つのHEMTデバイスを作製する方式で実現することができる。
【0088】
任意で、駆動信号出力モジュール200を利用して駆動回路を構築する場合、ローサイドゲート駆動回路およびハーフブリッジゲート駆動回路などの非絶縁ゲート駆動回路を作製してもよく、絶縁ゲート駆動回路などの絶縁型駆動回路を作製してもよい。絶縁ゲート駆動回路には例えばコンデンサなどの絶縁デバイスが含まれる。
【0089】
選択可能な実施形態として、図18に示すように、制御モジュール100は、駆動信号入力モジュールと、制御信号入力モジュールと、電源モジュールと、保護モジュールと、主制御モジュールとを含み、電源モジュールと駆動信号出力モジュール200とが電気的に接続され、駆動信号入力モジュール、制御信号入力モジュールおよび保護モジュールのそれぞれが主制御モジュールと電気的に接続され、主制御モジュールと駆動信号出力モジュール200とが電気的に接続され、主制御モジュールが、駆動信号入力モジュール、制御信号入力モジュールおよび保護モジュールの信号に基づいて駆動信号出力モジュール200のオフ状態を制御するように構成される。
【0090】
図19を例にして説明し、主制御モジュールは、アンドゲート、非反転器および位相反転器からなる回路であり、該アンドゲートの出力端がHEMTおよびHHMTのそれぞれと電気的に接続され、アンドゲートの入力端が保護モジュール、制御信号入力モジュール(図示しない)および駆動信号入力モジュールのそれぞれと電気的に接続される。駆動信号入力モジュールは、制御装置などの装置と電気的に接続され、相応の制御信号を受信するように構成され、制御信号入力モジュールは、制御装置などの装置であり得、アンドゲートと電気的に接続され、アンドゲートの作動開始または作動停止を制御するように構成される。そして、本出願に係る保護モジュールは、過熱保護モジュールと低電圧保護モジュールとを含み、過熱保護モジュールおよび低電圧保護モジュールのそれぞれがアンドゲートと電気的に接続され、アンドゲートに信号を入力するように構成される。
【0091】
つまり、制御信号入力モジュール、駆動信号入力モジュール、過熱保護モジュールおよび低電圧保護モジュールのそれぞれがハイレベルを出力するとき(すなわち駆動回路に過熱または低電圧の発生がない)、アンドゲートが駆動信号出力モジュール200を作動するように制御する。
【0092】
そして、本出願に係る駆動回路は、さらに、制御モジュール100と駆動信号出力モジュール200との集積を実現することができ、駆動信号出力モジュール200に対して既に集積を行ったため、制御モジュール100と駆動信号出力モジュール200との集積が行われる場合、集積後の体積がさらに小さくなる。
【0093】
上記の内容をもとに、本出願は、駆動ICをさらに提供し、駆動ICは、少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つのトランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである。本出願に係る駆動ICは、同一のベース材に基づくデバイスの集積を実現することができ、したがって、小型化を実現することができる。
【0094】
そして、上記の内容をもとに、本出願は、駆動システムをさらに提供し、該駆動システムは、駆動対象デバイスと上記の駆動回路とを備え、駆動回路と駆動対象デバイスとが電気的に接続され、駆動回路は駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成され、駆動対象デバイスが窒化物デバイスを含む。
【0095】
そして、該駆動回路と駆動対象デバイスとが同一のチップに集積されている。駆動回路と駆動対象デバイスとを同一のチップに集積すれば、駆動システム全体の小型化を実現することができる。
【0096】
上記のように、本出願は、駆動回路、駆動ICおよび駆動システムを提供する。該駆動回路は、制御モジュールと駆動信号出力モジュールとを備え、制御モジュールと駆動信号出力モジュールとが電気的に接続され、駆動信号出力モジュールが駆動対象デバイスと電気的に接続するように構成される。駆動信号出力モジュールは少なくとも2つのトランジスタを含み、少なくとも2つのトランジスタが同一のベース材においてエピタキシャル成長して形成されるものである、制御モジュールは、少なくとも2つのトランジスタのオフ状態を制御することにより、駆動対象デバイスの作動状態を制御するように構成される。本出願に係る駆動信号出力モジュールにおけるトランジスタが同一のベース材において成長して形成されるため、集積が実現され、駆動回路をより小さくすることができ、小型化、および集積度の向上を実現することができる。
【0097】
また、本出願に係る各機能モジュールは、集積して1つの独立の部分として形成してもよく、それぞれ別体に存在してもよく、2つ以上のモジュールにより集積して1つの独立の部分として形成してもよい。
【0098】
上記記載は、本出願の好ましい実施形態にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願に各種の変更や変化を有してもよい。本出願の精神および原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換、改良なども、本出願の保護範囲内に属する。
【0099】
当業者にとって、本出願は上記の例示的な実施形態の細部に限定されず、本出願の精神または基本的な特徴から逸脱しない限り、他の具体的な形態で本出願を実施してもよい。このため、実施形態は、例示的なものであり、非限定的なものである。本出願の範囲は、上記の説明ではなく特許請求の範囲により決められるため、請求の範囲内でのすべての変更および請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。請求の範囲における符号を関連の請求項を限定するものとみなすべきではない。
【0100】
産業上の利用可能性
【0101】
本出願は、駆動回路、駆動ICおよび駆動システムを提供し、該駆動回路が、体積が小さく、集積度が高い。
【符号の説明】
【0102】
100 制御モジュール
200 駆動信号出力モジュール
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