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特許7450064フィン状半導体デバイス、その製造方法および応用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】フィン状半導体デバイス、その製造方法および応用
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20240307BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 21/20 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240307BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L21/20
H01L29/80 E
H01L29/78 301Z
H01L29/78 301B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022560180
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-12
(86)【国際出願番号】 CN2021078957
(87)【国際公開番号】W WO2021208623
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】202010288959.5
(32)【優先日】2020-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522184383
【氏名又は名称】広東致能科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黎子蘭
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110224019(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 21/20
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース材を用意し、その上面に対してエッチングを行って、行する第1平面および第2平面と、第1平面および第2平面のそれぞれと繋がる第3表面とを有する階段状構造を形成することと、
前記第3表面を核として前記第2平面の制限下で、前記第2平面に垂直に上に向かってフィン状窒化物半導体層を側方にエピタキシャル成長させることと、
前記窒化物半導体層に第1化合物半導体層(130)を形成して、同時に前記第1化合物半導体層(130)と前記窒化物半導体層との界面で二次元正孔ガスおよび移動不能なバックグラウンド負電荷、および/または次元電子ガスおよび移動不能なバックグラウンド正電荷を形成することとを含み、
前記第3表面の格子が、六方対称性を有し、
前記窒化物半導体層を核としてP型埋め込み層を側方にエピタキシャル成長させ、そして前記埋め込み層を核として窒化物半導体層を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む
ことを特徴とするフィン状電子チャネル半導体デバイスの製造方法。
【請求項2】
前記第3表面にシード層を形成し、前記シード層を前記第3表面の一部の表面に形成させ、または前記シード層を前記第3表面の全部の表面に形成させることをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シード層を核としてバッファ層を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記埋め込み層と接続するボディ電極を形成することをさらに含む
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
行する第1平面および第2平面と、第1平面および第2平面のぞれぞれと繋がる第3表面とを有する階段状構造が形成され、前記第3表面の格子が六方対称性を有する、ベース材と、
前記第3表面を核として前記第2平面の制限下で、前記第2平面に垂直に上に向かって側方にエピタキシャル成長したフィン状窒化物半導体層と、
前記窒化物半導体層に形成された第1化合物半導体層(130)と、を備え、前記第1化合物半導体層と前記窒化物半導体層との界面で二次元電子ガスおよび/または次元正孔ガスが形成されており、
前記窒化物半導体層において形成されたP型埋め込み層をさらに備える
ことを特徴とするフィン状電子チャネル半導体デバイス。
【請求項6】
前記埋め込み層と接続するボディ電極をさらに備える
ことを特徴とする請求項に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイス。
【請求項7】
前記ベース材は、Al、真性GaN、4H-SiC、(110)面のシリコンまたは(112)面のシリコンから選択される
ことを特徴とする請求項5または6に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイス。
【請求項8】
ベース材を備え、前記ベース材の上面に垂直にフィン状窒化物半導体層がエピタキシャル成長されており、
前記窒化物半導体層が、第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層とを含み、
前記窒化物半導体層に第1化合物半導体層(130)が形成され、前記第1化合物半導体層(130)と前記窒化物半導体層との界面で二次元正孔ガスおよび/または二次元電子ガスが形成されており、
前記第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層との間にP型埋め込み層が設けられている
ことを特徴とするフィン状電子チャネル半導体デバイス。
【請求項9】
前記P型埋め込み層と次元電子ガスチャネルとによりボディダイオード構造が形成される
ことを特徴とする請求項に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイス。
【請求項10】
請求項のいずれか1項に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイスと、
複数の正孔チャネル半導体デバイスと、を備え、
前記正孔チャネル半導体デバイスが前記電子チャネル半導体デバイスと対向に設置されている
ことを特徴とするフィン状相補型半導体デバイス。
【請求項11】
請求項8または9に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイスと、
複数の正孔チャネル半導体デバイスと、を備え、
前記正孔チャネル半導体デバイスが前記電子チャネル半導体デバイスと対向に設置されている
ことを特徴とするフィン状相補型半導体デバイス。
【請求項12】
請求項のいずれか1項に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイスを備える、無線周波数デバイス。
【請求項13】
請求項10に記載のフィン状相補型半導体デバイスを備える、無線周波数デバイス。
【請求項14】
請求項のいずれか1項に記載のフィン状電子チャネル半導体デバイスを備える、電気パワーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本開示は、2020年4月13日に中国専利局に提出された、出願番号が202010288959.5であり、名称が「フィン状半導体デバイス、その製造方法および応用」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、半導体分野に属し、より具体的に、フィン状半導体デバイス、その製造方法および応用に関する。
【背景技術】
【0003】
III族窒化物半導体は、重要な新型半導体材料であり、主にAlN、GaN、InNおよびこれらの材料の化合物であるAlGaN、InGaN、AlInGaNなどを含む。前記III族窒化物半導体の、直接バンドギャップ、ワイドバンドギャップ、高破壊電界強度などのメリットを利用し、デバイス構造およびプロセスを最適化することで、III族窒化物半導体がパワー半導体および無線通信の分野で応用の見込みがある。
【0004】
また、従来の半導体デバイスは、多くが横型のデバイス構造に設計され、単位面積での集積度が十分高くない。また、従来のIII族窒化物半導体デバイスは、ノーマリオン型デバイスであり、つまり第3電極にバイアスがないとき、デバイスがオン状態になる。しかし、多くの応用において、半導体デバイスがノーマリオフ型デバイスでないといけなく、また、このノーマリオン型デバイスが省エネに不利である。
【発明の概要】
【0005】
上記の事情に鑑みて、本開示は、新型のフィン状半導体デバイス構造およびその製造方法を提供する。
【0006】
本開示のいくつかの形態に対する基本的な理解を提供するため、以下、本開示の概要を提供する。なお、この内容は、本開示のすべての内容ではないことが理解すべきである。これは、本開示の重点または重要な部分を特定するためのものでもないし、本開示の範囲を限定するものではなく、いくつかの概念を簡略に提出してその後のより詳細な説明の前書きとされるものにすぎない。
【0007】
本開示の内容の一局面において、フィン状電子チャネル半導体デバイスの製造方法を提供し、該フィン状電子チャネル半導体デバイスの製造方法は、
【0008】
ベース材を用意し、その上面に対してエッチングを行って、略平行する第1平面および第2平面と、第1平面および第2平面のそれぞれと繋がる第3表面とを有する階段状構造を形成することと、
【0009】
前記第3表面を核として前記第2平面の制限下で、前記第2平面に垂直に上に向かってフィン状窒化物半導体層を側方にエピタキシャル成長させることと、
【0010】
前記窒化物半導体層に第1化合物半導体層(130)を形成して、同時に前記第1化合物半導体層(130)と前記窒化物半導体層との界面で二次元正孔ガスおよび移動不能なバックグラウンド負電荷、および/または前記二次元電子ガスおよび移動不能なバックグラウンド正電荷を形成することと、を含み、
【0011】
前記第3表面の格子が、六方対称性を有する。
【0012】
任意で、前記ベース材は、Al2O3、4H-SiC、(110)面のシリコンまたは(112)面のシリコンから選択される。
【0013】
任意で、前記第3表面は、Al2O3の(0001)面、4H-SiCの(0001)面、シリコンの(111)面から選択される。
【0014】
任意で、前記ベース材の、前記第3表面以外の他の表面に第1絶縁層を形成する。
【0015】
任意で、前記第1絶縁層を形成する方法は、前記ベース材にSiNを同一面蒸着し、垂直配向のエッチング技術を利用して、前記第3表面におけるSiNのみを残し、そして、第3表面以外の他の表面に二酸化ケイ素層を形成し、さらにウェットエッチングを利用して側壁におけるSiNを除去し、前記他の表面における二酸化ケイ素層を残す。
【0016】
任意で、前記第3表面にシード層を形成し、前記シード層を前記第3表面の一部の表面に形成させ、または前記シード層を前記第3表面の全部の表面に形成させることをさらに含む。
【0017】
任意で、前記シード層材料により形成される多結晶または非晶質の層を除去しまたは前記第1絶縁層に残す。
【0018】
任意で、前記ベース材がシリコンベース材である場合、前記シード層を有しなければならない。
【0019】
任意で、前記シード層を核としてバッファ層を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む。
【0020】
任意で、前記シード層または前記バッファ層を核として第1窒化物半導体層(110)を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む。
【0021】
任意で、前記第1窒化物半導体層(110)を核としてP型埋め込み層を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む。
【0022】
任意で、前記埋め込み層は、二次元電子ガスの95~100%を空乏化することができる。
【0023】
任意で、前記P型埋め込み層と前記二次元電子ガスとによりボディダイオードを構成することにより、前記デバイスを保護する。
【0024】
任意で、前記第1窒化物半導体層(110)または前記埋め込み層を核として第2窒化物半導体層(120)を側方にエピタキシャル成長させることをさらに含む。
【0025】
任意で、前記第1窒化物半導体層(110)および前記第2窒化物半導体層(120)の材料は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0026】
任意で、前記第1窒化物半導体層(110)は、N-型GaNまたはP-型GaNであり、前記第2窒化物半導体層(120)は、真性GaNまたはN-型GaNである。
【0027】
任意で、前記第1トレンチ層の(0001)面を露出し、または前記第1窒化物半導体層の(0001)面および

面をともに露出することをさらに含む。
【0028】
任意で、前記第1窒化物半導体層を覆う、

方向における前記第1化合物半導体層を除去することをさらに含む。
【0029】
任意で、前記第1窒化物半導体層の

方向に第4絶縁層を形成する。
【0030】
任意で、前記第2窒化物半導体層がN-型GaNである場合、前記P型埋め込み層と前記第2窒化物半導体層とがPN構造を形成する。
【0031】
任意で、前記第1化合物半導体層(130)を成長させる前に、第2化合物半導体層(160)を成長させることをさらに含む。
【0032】
任意で、前記第2化合物半導体層(160)は、非意図的にドープされたGaNまたは真性GaNであり、或いは、前記化合物半導体層160は、AlN、InGaN、AlInNまたはAlInGaNから選択される。
【0033】
任意で、デバイスの第1電極、第2電極および第3電極を形成することをさらに含む。
【0034】
任意で、前記第1電極および第2電極が、前記デバイスの前記窒化物半導体層と物理的に接触するとともに前記二次元電子ガスとオーミック接触し、または、前記第1電極および第2電極が、前記化合物半導体層と物理的接触してオーミック接触を形成する。
【0035】
任意で、前記第3電極が、前記第1化合物半導体層とショットキー接触を形成し、または絶縁性接触を形成する。
【0036】
任意で、前記絶縁性接触とは、前記第1化合物半導体層の、前記第3電極に対応する位置でゲート媒体層を形成することである。
【0037】
任意で、前記ゲート媒体層の形成方法として、MOCVD法により前記第1化合物半導体層(130)を形成したあと、その場で(in-situ)前記ゲート媒体層を成長させ、または前記ゲート媒体層を、前記第1化合物半導体層(130)と異なる成長設備で別途に成長させる。
【0038】
任意で、前記第1電極、第3電極および第2電極は、前記ベース材の第1平面に略垂直な方向に順に設置され、前記第1電極および第2電極の位置は、互いに交換してもよい。
【0039】
任意で、前記埋め込み層と接続するボディ電極を形成することをさらに含む。
【0040】
任意で、前記埋め込み層と物理的に接触することにより、前記ボディ電極を形成する。
【0041】
任意で、前記二次元正孔ガスとオーミック接触することにより前記ボディ電極を形成し、前記二次元正孔ガスにより前記ボディ電極を前記埋め込み層と電気的に接続させる。
【0042】
任意で、前記ボディ電極により、前記デバイスがオフにされるとき、第2電極と第3電極との間の二次元正孔ガスを完全または部分的に空乏化し、前記バックグラウンド負電荷のみが残され、デバイスがオフにされるときに、前記バックグラウンド負電荷により前記バックグラウンド正電荷による電界を相殺し、前記電界の分布をより均一にさせる。
【0043】
任意で、前記第2電極の形成方法は、前記ベース材の第1平面に第1金属層を形成し、等方性エッチングにより、前記デバイスの前記第1化合物半導体層(0001)面に少量に堆積された前記第1金属層を除去することをさらに含む。
【0044】
任意で、前記ゲートの形成方法は、前記第1金属層に同一面蒸着により第2絶縁層を形成し、前記第2絶縁層を前記化合物半導体層130または前記ゲート媒体層から露出するようにし、そして、前記第2絶縁層に第2金属層を形成し、等方性エッチングにより、前記デバイスの前記第1化合物半導体層(0001)面に少量に堆積された前記第2金属層を除去することをさらに含む。
【0045】
任意で、前記第1電極の形成方法として、前記第2金属層に同一面蒸着により第3絶縁層を形成し、そして、前記第3絶縁層に第3金属層を形成し、フォトエッチングによりエッチングして前記第1電極を形成することをさらに含む。
【0046】
本開示の内容の他の局面において、フィン状電子チャネル半導体デバイスを提供し、該フィン状電子チャネル半導体デバイスは、
【0047】
略平行する第1平面および第2平面と、第1平面および第2平面のそれぞれと繋がる第3表面とを有する階段状構造が形成され、前記第3表面の格子が六方対称性を有する、ベース材と、
【0048】
前記第3表面を核として前記第2平面の制限下で、前記第2平面に垂直に上に向かって側方にエピタキシャル成長したフィン状窒化物半導体層と、
【0049】
前記窒化物半導体層に形成された前記第1化合物半導体層(130)と、を備え、前記第1化合物半導体層と前記窒化物半導体層との界面で二次元電子ガスおよび/または前記二次元正孔ガスが形成されている。
【0050】
任意で、前記ベース材は、Al2O3、真性GaN、4H-SiCおよび(110)面のシリコンまたは(112)面のシリコンから選択される。
【0051】
任意で、前記窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層とを含む。
【0052】
任意で、前記第3表面は、Al2O3の(0001)面、4H-SiCの(0001)面およびシリコンの(111)面から選択される。
【0053】
任意で、前記ベース材の、前記第3表面以外の他の表面に第1絶縁層が形成されている。
【0054】
任意で、前記ベース材の前記第3表面にシード層が形成されている。
【0055】
任意で、前記第1絶縁層には、前記シード層材料により形成される多結晶または非晶質の層を有する。
【0056】
任意で、前記シード層の外部にバッファ層がさらに形成され、前記バッファ層が、単層または多層の構造を有する。
【0057】
任意で、前記シード層の外部に前記第1窒化物半導体層(110)が形成されている。
【0058】
任意で、前記バッファ層の外部に前記第1窒化物半導体層(110)が形成されている。
【0059】
任意で、前記窒化物半導体層110にP型埋め込み層が形成され、前記P型埋め込み層と前記二次元電子ガスとがボディダイオード構造として形成される。
【0060】
任意で、前記第2窒化物半導体層は、前記第1窒化物半導体層または前記埋め込み層に形成されている。
【0061】
任意で、前記第1窒化物半導体層および前記第2窒化物半導体層の材料は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0062】
任意で、前記第1窒化物半導体層は、N-型GaNまたはP-型GaNであり、前記第2窒化物半導体層は、真性GaNまたはN-型GaNである。
【0063】
任意で、第2化合物半導体層(160)がさらに有し、前記第2化合物半導体層(160)が、非意図的にドープされたGaN、InGaN、AlN、AlInGaNである。
【0064】
任意で、前記第1窒化物半導体層の

方向に前記第1化合物半導体層が形成されていない。
【0065】
任意で、前記第1窒化物半導体層の<0001>方向に第4絶縁層が形成されている。
【0066】
任意で、前記第2窒化物半導体層がN型GaNである場合、前記第2窒化物半導体層と前記埋め込み層とによりボディダイオード構造が形成される。
【0067】
任意で、第1電極、第2電極および第3電極をさらに有する。
【0068】
任意で、前記第1電極/第2電極が、前記デバイスの前記窒化物半導体層と物理的に接触するとともに前記二次元電子ガスとオーミック接触し、または、前記第1電極/第2電極が、前記第1化合物半導体層と物理的に接触してオーミック接触を形成する。
【0069】
任意で、前記第3電極が、前記第1化合物半導体層とショットキー接触を形成し、または絶縁性接触を形成する。
【0070】
任意で、絶縁性接触とは、前記第3電極と前記化合物半導体層130との間にゲート媒体層が形成されることがである。
【0071】
任意で、前記第1電極、第2電極および第3電極は、前記ベース材の第1平面に略垂直な方向に順に設置され、前記第1電極および第2電極の位置は、互いに交換してもよい。
【0072】
任意で、ボディ電極をさらに有し、前記ボディ電極が前記埋め込み層と電気的に接続され、前記ボディ電極を設置することにより、閾値電圧を安定にさせるとともに、前記埋め込み層と前記二次元電子ガスとからなるボディダイオードが、前記トランジスタチャネルの電流方向に対する逆方向の電流を導通させ、または、前記ボディ電極の接続により、前記埋め込み層と、N-型GaNにより形成される前記第2窒化物半導体層とからなるボディダイオードの回路応用を実現する。
【0073】
任意で、前記ボディ電極が前記埋め込み層と物理的に接続し、または前記ボディ電極が前記二次元正孔ガスとオーミック接触する。
【0074】
任意で、前記第1窒化物半導体層(110)における、第2電極に対応する領域にN-型ドーピングが行われ、前記第2窒化物半導体層(120)における、第1電極に対応する領域にN-型ドーピングが行われる。
【0075】
本開示の内容の他の局面において、フィン状電子チャネル半導体デバイスを提供し、該フィン状電子チャネル半導体デバイスは、ベース材を備え、前記ベース材の上面に垂直にフィン状窒化物半導体層がエピタキシャル成長されており、
【0076】
前記窒化物半導体層が、第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層とを含み、
【0077】
前記窒化物半導体層に第1化合物半導体層(130)が形成され、したがって前記第1化合物半導体層(130)と前記窒化物半導体層との界面で二次元正孔ガスおよび/または前記二次元電子ガスが同時に形成されている。
【0078】
任意で、前記ベース材は、Al2O3、真性GaN、4H-SiCおよび(110)面のシリコンまたは(112)面のシリコンから選択される。
【0079】
任意で、前記ベース材の上面に第1絶縁層が形成されている。
【0080】
任意で、前記ベース材にシード層が形成されている。
【0081】
任意で、前記シード層の外部にバッファ層がさらに形成され、前記バッファ層が、単層または多層の構造を有する。
【0082】
任意で、第1窒化物半導体層および第2窒化物半導体層は、前記ベース材の上面に平行して上下に積層される。
【0083】
任意で、前記第1窒化物半導体層と第2窒化物半導体層との間にP型埋め込み層が設けられている。
【0084】
任意で、前記P型埋め込み層と前記二次元電子ガスとによりボディダイオード構造が形成される。
【0085】
任意で、前記第1窒化物半導体層および前記第2窒化物半導体層の材料は、同じであってもよく、異なってもよい。
【0086】
任意で、前記第1窒化物半導体層は、N-型GaNまたはP-型GaNであり、前記第2窒化物半導体層は、真性GaNまたはN-型GaNである。
【0087】
任意で、第2化合物半導体層(160)がさらに有し、前記第2化合物半導体層(160)が、非意図的にドープされたGaN、InGaN、AlNまたはAlInGaNである。
【0088】
任意で、前記第1窒化物半導体層の<000-1>方向に前記第1化合物半導体層が形成されていない。
【0089】
任意で、前記第1窒化物半導体層の<000-1>方向に第4絶縁層が形成されている。
【0090】
任意で、前記第2窒化物半導体層がN型GaNである場合、前記第2窒化物半導体層と前記埋め込み層とによりボディダイオード構造が形成される。
【0091】
任意で、第1電極、第2電極および第3電極をさらに有する。
【0092】
任意で、前記第1電極/第2電極が、前記デバイスの前記窒化物半導体層と物理的に接触するとともに前記二次元電子ガスとオーミック接触し、または、前記第1電極/第2電極が、前記第1化合物半導体層と物理的に接触してオーミック接触を形成する。
【0093】
任意で、前記第3電極が、前記第1化合物半導体層とショットキー接触を形成し、または絶縁性接触を形成する。
【0094】
任意で、絶縁性接触とは、前記第3電極と前記第1化合物半導体層との間にゲート媒体層が形成されることである。
【0095】
任意で、前記第1電極、第2電極および第3電極は、前記ベース材の第1平面に略垂直な方向に順に設置され、前記第1電極および第2電極の位置は、互いに交換してもよい。
【0096】
任意で、ボディ電極をさらに有し、前記ボディ電極が前記埋め込み層と電気的に接続される。
【0097】
任意で、前記ボディ電極が前記埋め込み層と物理的に接続し、または前記ボディ電極が前記二次元正孔ガスとオーミック接触する。
【0098】
本開示の内容の他の局面において、フィン状相補型半導体デバイスを提供し、該フィン状相補型半導体デバイスは、
上記の電子チャネル半導体デバイスと、
複数の正孔チャネル半導体デバイスと、を備え、前記正孔チャネル半導体デバイスが前記電子チャネル半導体デバイスと対向に設置されている。
【0099】
任意で、前記正孔チャネルデバイスは、第4電極、第5電極および第6電極を備える。
【0100】
任意で、第4電極~第6電極が形成される前記正孔チャネルデバイスと前記電子チャネル半導体デバイスとが対称に設置される。
【0101】
任意で、前記正孔チャネルデバイスにおいて、前記第1窒化物半導体層における、前記第6電極に対応する箇所においてN型埋め込み層が形成されている。
【0102】
任意で、前記正孔チャネルデバイスにおいて、相応の前記窒化物半導体層における、前記第4電極および第5電極に対応する箇所においてP-型ドーピングがされた。
【0103】
任意で、前記正孔チャネルデバイスおよび前記電子チャネルデバイスにおいてN型埋め込み層およびP型埋め込み層をともに有する。
【0104】
本開示の内容の他の局面において、無線周波数デバイスを提供し、該無線周波数デバイスが、上記のいずれか1種のデバイスを備える。
【0105】
本開示の内容の他の局面において、電気パワーデバイスを提供し、該電気パワーデバイスが、上記のいずれか1種のデバイスを備える。
【0106】
本開示の目的、特徴および利点を説明するため、以下、図面を参照しながら本開示の具体的な内容を説明する。図面は、本開示の原理を示すものにすぎず、図面において、ユニットの寸法及び相対位置を比例で描くとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
図1】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図2】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図3】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図4】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図5】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図6】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図7】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図8】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図9】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図10】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図11】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図12】半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図13】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図14】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図15】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図16】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図17】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図18】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図19】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図20】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図21】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図22】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図23】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図24】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図25】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図26】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図27】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図28】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図29】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図30】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図31】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図32】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図33】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図34】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図35】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図36】選択可能な半導体デバイス構造およびその製造方法の模式図である。
図37】選択可能な半導体デバイスの製造方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0108】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な内容を説明する。明瞭および簡明のため、本開示の内容を実現するすべての特徴を説明していない。しかしながら、開発者の具体的な目標を実現するように、本開示を実現する過程において本開示の内容を実現できる多くの方式を採用し得、そして、本開示の内容によってはこれらの方式が変更されることもある。
【0109】
ここで、必須でない細部で本開示の内容が複雑になることを避けるため、図面において、本開示の案に深く関わっているデバイス構造のみを示し、いくつの細部を省略する。
【0110】
なお、以下、図面を用いて本開示の内容を説明したが、本開示の内容は、説明された実施形態に限定されない。本明細書において、実施可能である限り、異なる実施形態の間で特徴を置き換えまたは借用してもよく、または、1つの実施形態において1つまたは複数の特徴を省略してもよい。
【0111】
下記の具体的な実施形態について図面を参照することができ、図面は、本開示の一部を示すとともに例示的な実施形態を示す。なお、保護しようとする主題の範囲から逸脱しない限り、他の実施形態により構造の形成および/または論理の変更を行ってもよい。また、方向および位置(例えば、上、下、頂部、底部など)は、図面に示される特徴を理解するためのものにすぎず、限定的に以下の具体的な実施形態のみを採用することを意味しない。
【0112】
本開示の明細書および特許請求の範囲に使用される用語について、特に断りがない限り、「一」、「1つ」および「前記」は、複数のものを指すことも可能である。なお、本明細書に使用される用語の「および/または」は、該当列挙項目のうちの1つまたは複数の項目の任意の1つおよびそのすべての可能な組合せを含む。
【0113】
III族窒化物半導体は、主にウルツ鉱(Wurtzite)と閃亜鉛鉱(Zinc-blende)との2種の結晶構造を有する。ウルツ鉱は、安定で、比較的高品質の結晶を得ることができるため、実際に応用されるIII族窒化物半導体は、一般的にウルツ鉱構造を有する。
【0114】
このため、本開示に係る半導体デバイス構造は、ウルツ鉱(Wurtzite)結晶構造を用いるIII族窒化物デバイスを含む。任意で、前記III族窒化物デバイスは、ノーマリオフの窒化物半導体デバイスである。
【0115】
図1図3に示すように、該実施形態において、半導体デバイスは、ベース材100を含み、ベース材100が、独立のベース材または塊状の窒化ガリウム材料を採用することができ、窒化ガリウム材料の調製が非常の高価であるため、一実施可能な方式として、窒化ガリウム半導体層を異種ベース材においてエピタキシャル成長させてデバイスを作製することである。異種ベース材の材料は、サファイア(Al2O3)、SiおよびSiCなどを選択することができる。サファイアの(0001)面、SiCの(0001)面およびSiの(111)面などは、六方対称の格子構造を有するため、ヘテロエピタキシャル成長のためのベース材として適し、窒化ガリウム半導体層がその上に核生成、成長し、比較的高品質のGaNまたはALN結晶を得ることに寄与できる。
【0116】
また、サファイアベース材は、低コストで、窒化ガリウムエピタキシャル層と格子整合性がよいため、多く使用されている。放熱性を考慮すれば、シリコンベース材を用いて窒化ガリウム半導体層を調製することも多くなってくるが、シリコンベース材を用いる場合に漏れ電流および耐圧の問題を考慮する必要がある。本開示に係るプロセスにおいて、これに対して設計されており、シリコンベース材の材料によるデバイス性能に対する影響を防止することができ、耐圧の向上および暗電流の低減に寄与できる。
【0117】
上記のように、異種ベース材の材質は、実際のニーズに応じて選択することができ、本開示では、ベース材の具体的な材料が限定されなく、ベース材の表面に形成されたベース材の表面に垂直な垂直トレンチの側面が六方対称性の格子構造を有するものであればよい。本開示において、ベース材の材料は、サファイア(Al2O3)、SiC、シリコンおよび独立または塊状の真性窒化ガリウム材料などであり得る。
【0118】
本開示において、図1に示すように、ベース材100は、第1平面1001を含み、ベース材100においてエッチングして、ベース材における第1平面に垂直な第3表面を含む構造を形成する。例示的に、該構造は、階段状構造であり、ベース材100の第1平面1001と、第1平面に平行な第2平面1002と、第1平面1001および第2平面1002のぞれぞれと繋がる第3表面1003とからなり、第3表面が、六方対称性をする。例示的に、階段状構造の段差は、約5μmである。
【0119】
第3表面にシード層101を形成し、シード層101を該第3表面の一部の表面に形成させ、または第3表面の全部の表面に形成させる。シリコン材料である場合、Ga原子のメルトバック効果のため、例えば、窒化ガリウムの半導体層をベース材に直接成長させることができなく、一般的に、ベース材にAlN、窒化ガリウムシード層などの構造を先に成長させて、さらに窒化ガリウムエピタキシャル層を成長させるようにする必要がある。窒化ガリウム層がAl(サファイア)、SiC、または真性GaNに直接核生成、成長をすることができるが、結晶品質のコントロールの面から、プロセスにシード層101を導入してもよい。
【0120】
シード層101を核としてベース材100の第2平面1002の制限下で、第2平面に垂直で上に向かって窒化物半導体層110を側方エピタキシャル成長させ、さらに窒化物半導体層120を側方にエピタキシャル成長させる。窒化物半導体層110および窒化物半導体層120の材料は、同じであってもよく、異なってもよい。例示的に、窒化物半導体層110は、N-型ドーピングがされたGaN層またはP-型ドーピングがされたGaN層であり、窒化物半導体層120は、真性GaN層またはN-型ドーピングがされたGaN層である。例示的に、N-型ドーピングまたはP-型ドーピングの濃度が1E17~1E20/cmであってもよい。なお、階段状構造を形成せずに、直接ベース材100の上面にシード層および窒化物半導体層を形成してもよく、ただし、成長の方向性を満たす必要がある。
【0121】
任意で、図2に示すように、シード層101と窒化物半導体層110との間に半導体層140をさらに有してもよく、半導体層がバッファ層として使用され、半導体層が、単層または多層の構造を有してもよく、半導体層の材料は、例えば、AlN、GaN、AlGaN、InGaN、AlInNおよびAlGaInNのうちの1種または複数種であり得る。
【0122】
任意で、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120における、後のデバイスのソース/ドレインに対応する領域において、相応のN-型ドーピングを行う。ドーピングは、ソース/ドレイン領域の接触抵抗を効果的に下げることができる。N-型ドーピング濃度は、1E17~1E20/cmであり得る。
【0123】
窒化物半導体層110を覆う、第1表面の方向での両側の窒化物半導体層120を除去して、窒化物半導体層110を露出する。窒化物半導体層110および窒化物半導体層120に化合物半導体層130を形成し、例えば、AlGaNのものである。
【0124】
窒化物半導体層110、窒化物半導体層120および化合物半導体層130がIII族窒化物半導体を採用する場合、III族窒化物半導体が極性を有するため、極性半導体の表面または2種の異なる極性半導体の界面で固定分極電荷が存在する。これらの固定分極電荷の存在により、移動可能な正孔および電子を吸引して二次元正孔ガス2DHGおよび二次元電子ガス2DEGを形成することができる。これらの二次元正孔ガス2DHGおよび二次元電子ガス2DEGの発生には、付加の電界が不要で、半導体内のドーピング効果にも依存せず、自発的に発生し、ドーピングが不要であるため、二次元キャリアガス(二次元正孔ガスよび二次元電子ガス)が受けるイオン散乱作用が大幅に減少し、キャリア移動度が比較的に高い。
【0125】
窒化物半導体層110を覆う、

方向および<0001>方向における窒化物半導体層120を除去して、窒化物半導体層110を露出する。窒化物半導体層110および窒化物半導体層120に化合物半導体層130を形成し、例えば、AlGaNのものである。これによって、

方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120内の、化合物半導体層130との界面で二次元正孔ガス2DHGが形成されるとともに、<0001>方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120内の、化合物半導体層130との界面で二次元電子ガス2DEGが形成される。
【0126】
HEMTデバイスの第1電極200、第2電極210および第3電極220を形成する。第1電極200~第3電極220の位置が、具体的に限定されなく、第1電極がデバイスのソースであり、第2電極がデバイスのドレインであり、第3電極がデバイスのゲートであることがあり得、第1電極および第2電極を、デバイスのチャネル層(110/120)と物理的に接触するとともに二次元電子キャリアガス(2DEG)とオーミック接触するようにさせてもよく、第1電極および第2電極を、化合物半導体層130と直接物理的に接触するとともにオーミック接触を形成するようにさせてもよい。また、第3電極220は、化合物半導体層130において化合物半導体層130と絶縁性接触またはショットキー接触を形成することができる。絶縁性接触とは、第3電極と化合物半導体層130との間にゲート媒体層300を形成することである。ゲート媒体層は、SiO2、SiN、高誘電率媒体材料などであり得る。ゲート媒体層300により、化合物半導体層130に対する表面パッシベーション効果を得ることができ、デバイスのゲート漏れ電流の減少およびデバイスの電気電子分野での応用に有利である。
【0127】
ゲートが直接化合物半導体層130において形成された場合、ゲート漏れ電流が比較的に大きく、この場合、化合物半導体層130が十分高い禁制帯幅を保つことができれば、媒体層の役割を果たすことができ、このように作製できたデバイスが無線周波数(RF)分野に応用されることが多い。
【0128】
例示的に、図3に示すように、第1電極200、第2電極210および第3電極220は、ベース材100の第1平面に垂直な方向に配置される。第2電極210の方は、ベース材100の第1平面1001により近い。なお、第1電極を、ベース材100の第1平面1001により近いように配置してもよい。
【0129】
図4図12および図37を参照しながら、該構造の半導体デバイスを製造する製造方法を詳細に説明する。
【0130】
ステップ1は、図4に示すように、ベース材100を用意し、ベース材100にフォトエッチングパターンを形成し、そして、その上面に対してエッチングを行って階段状構造を形成し、例示的に、エッチングの深さは、約5μmである。階段状構造は、ベース材100の第1平面1001と、第1平面1001に平行な第2平面1002と、第1平面1001および第2平面1002のそれぞれと繋がる第3表面1003とからなり、第3表面が、六方対称の格子構造を有し、六方対称格子構造を有する第3表面において窒化物半導体の核生成および成長が容易であり、これに対して、他の表面において窒化物半導体の核生成および成長が容易ではない。
【0131】
ステップ2は、図5に示すように、第3表面にシード層101を形成し、シード層101を第3表面の一部の表面に形成させ、または第3表面の全部の表面に形成させる。シード層の材料は、例えばGaN、ALNなどである。
【0132】
シリコン材料である場合、Ga原子のメルトバック効果のため、GaNをベース材に直接成長させることができなく、一般的に、ベース材に例えばシード層などの構造を先に成長させて、さらにGaNエピタキシャル層を成長させるようにする必要がある。
【0133】
ステップ3は、図6に示すように、シード層101を核としてベース材100の第2平面1002の制限下で、ベース材の第3表面に沿って上に向かうとともにベース材の第2平面に沿って側面に向かってバッファ層140をエピタキシャル成長させたあと、窒化物半導体層110を側方にエピタキシャル成長させる。なお、バッファ層が必須でないため、図7に示すように、シード層を核として窒化物半導体層110を側方にエピタキシャル成長させてもよい。
【0134】
ステップ4は、図8に示すように、窒化物半導体層110を核としてさらに窒化物半導体層120を側方にエピタキシャル成長させる。窒化物半導体層110および窒化物半導体層120の材料は、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、窒化物半導体層110を側方にエピタキシャル成長させる過程においてN-型ドーピングまたはP-型ドーピングを行う。なお、ここで、後にドレインが窒化物半導体層110に形成される形態を例として説明しているが、後にソースが窒化物半導体層110に形成される場合、窒化物半導体層120を側方にエピタキシャル成長させる過程においてN-型ドーピングまたはP-型ドーピングを行う。
【0135】
任意で、窒化物半導体層120における、後にデバイスの第1電極および第2電極が形成された箇所に対応する領域(すなわちドレイン/ソース領域)において、相応のN-型ドーピングを行い、相応のドーピングが、相応の領域の接触抵抗を効果的に下げることができる。
【0136】
ステップ5は、図9に示すように、窒化物半導体層110を覆う、

方向における窒化物半導体層120を除去し、窒化物半導体層110の

面を露出するとともに、窒化物半導体層110を覆う、<0001>方向における窒化物半導体層120を除去し、窒化物半導体層110の(0001)面を露出する。そして、図10に示すように、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120に化合物半導体層130を形成し、例えば、AlGaNのものである。これによって、

方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120内の、化合物半導体層130との界面で2DHGおよび移動不能なバックグラウンド負電荷を形成し、<0001>方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120内の、化合物半導体層130との界面で2DEGおよび移動不能なバックグラウンド正電荷を形成する。
【0137】
ステップ6は、図11に示すように、<0001>方向における窒化物半導体層にデバイスの第1電極~第3電極を形成し、第1電極200(ソース)、第2電極210(ドレイン)および第3電極220(ゲート)の位置が、具体的に限定されない。第1電極、第2電極を、デバイスのチャネル層(110/120)と物理的に接触するとともに二次元電子ガス(2DEG)とオーミック接触するようにさせてもよく、第1電極および第2電極を、化合物半導体層130と直接物理的接触するとともにオーミック接触を形成するようにさせてもよい。また、第3電極は、化合物半導体層130において化合物半導体層130と絶縁性接触またはショットキー接触を形成することができる。
【0138】
図12に示すように、絶縁性接触とは、第3電極と化合物半導体層130との間にゲート媒体層300を形成することである。ゲート媒体層300の形成方法として、MOCVDチャンバー内に化合物半導体層130を形成したあと、その場で(in-situ)成長させるようにしてもよく、化合物半導体層130と異なる成長設備で単独に成長させるようにしてもよい。ただし、その場で成長させたゲート媒体層の品質がより優れるため、絶縁層をその場で(in-situ)成長させることが好ましい。
【0139】
ゲート媒体層は、二酸化ケイ素、SiN、高誘電率媒体材料などであり得、ゲート媒体層300により、化合物半導体層130に対する表面パッシベーション効果を得ることができ、デバイスのゲート漏れ電流の減少、デバイスの電気電子分野での応用に有利である。第3電極が直接化合物半導体層130において形成された場合、このように作製できたデバイスが無線周波数(RF)デバイスに応用されることが多く、ゲート媒体層を有するデバイスは、そのゲート漏れ電流が比較的に大きいためである。
【0140】
例示的に、第1電極~第3電極は、ベース材100の第1平面に垂直な方向に配置し得る。第2電極のほうは、ベース材100の第1平面1001により近い。第3電極は、第2電極と第1電極との間に位置する。
【0141】
任意で、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120におけるNチャネルのソース領域およびドレイン領域にN-型ドーピングが存在する場合、第1電極および第2電極がデバイスのチャネル層と物理的に接触し、このようにすれば、オーミック接触抵抗を下げることに有利である。
【0142】
このため、第3表面で成長した規則な横断面を有するフィン状のIII族窒化物HEMTデバイスによれば、デバイスの集積度を向上させることができ、ゲート漏れ電流を効果的に減少させることができ、製造プロセスが簡単である。
【0143】
任意で、図13に示すように、窒化物半導体層110と窒化物半導体層120との間にP型埋め込み層150をさらに有する。
【0144】
その具体的な製造方法は、図14に示すように、ステップ4において、AlNシード層を核としてベース材100の第2平面1002の制限下で、窒化物半導体層110を側方にエピタキシャル成長させたあと、窒化物半導体層120を側方にエピタキシャル成長させる前に、先にP型埋め込み層を側方にエピタキシャル成長させて形成し、P型埋め込み層は、例えばP型GaN層である。そして、埋め込み層を核として窒化物半導体層120を側方にエピタキシャル成長させる。P型埋め込み層のドーピング濃度は、例えば1E17~1E20/cmであり、1E+18/cm~5E+19/cmであることがより好ましい。P型GaN層は、チャネル層における二次元電子ガスを空乏化することができ、これによって、デバイスがノーマリオフ状態を有する。なお、ドーピングがグレーデッドドーピングであってもよく、ここで説明を省略する。任意で、P型埋め込み層の<0001>方向における投影は、第3電極の該方向における投影範囲内に位置し、または、第3電極の該方向における投影と部分的に重なり合う。P型埋め込み層のドーピング濃度、サイズのパラメータなどは、デバイスのパラメータに基づいて設置することができ、その上の二次元電子ガスの95%~100%を空乏化できればよく、二次元電子ガスの濃度が高いほど、相応にドーピング濃度をそれに応じて上げることができる。
【0145】
そして、図15に示すように、窒化物半導体層110を覆う、<0001>方向における窒化物半導体層120と埋め込み層を除去し、窒化物半導体層110の(0001)面を露出するとともに、窒化物半導体層110を覆う、

方向における窒化物半導体層120と埋め込み層を除去し、窒化物半導体層110の

面を露出する。
【0146】
なお、P型GaN層が形成される同時に、P型GaN層と二次元電子ガスチャネルとによりボディダイオードの構造が形成される。
【0147】
P型GaN層により、デバイスがノーマリオフ状態を有するとともに、二次元電子ガスチャネルと合わせてデバイス構造に作製されるPN構造を形成し、二次元電子ガスが該PN構造における「N」部分として構成される。電極の接続によりこのようなPN構造を各種の回路に応用することができる。例示的に、回路応用において、PN構造は、HEMT電流方向に対する逆方向の電流を導通させることができ、回路の設計および機能を豊富にすることができる。
【0148】
任意で、ボディ電極230をさらに有し、ボディ電極がP型埋め込み層に接続される。例示的に、図16に示すように、ボディ電極は、化合物半導体層130、窒化物半導体層120の非極性または半極性面に対してエッチングを行うことにより、P型埋め込み層までの貫通孔をエッチングしたあと、さらに金属を充填してボディ電極230を形成する。
【0149】
なお、図17に示すように、ボディ電極の形成方法として、窒化物半導体層110を覆う、

方向における化合物半導体層130を完全または部分的に除去し、P型埋め込み層を露出し、そして露出したP型埋め込み層にボディ電極230を形成するようにしてもよい。
【0150】
なお、ボディ電極230が存在しない場合、P型半導体埋め込み層の電位が変動するため、デバイスの閾値電圧を安定に制御することに不利である。
【0151】
また、P型埋め込み層とN-型GaN半導体層120とによりPN構造が形成され、PN構造が、第2電極(ソース電極)とボディ電極との電圧の設定により、回路の設計および機能を豊富にすることができる。
【0152】
任意で、図18に示すように、ボディ電極230をさらに有し、ボディ電極230が二次元正孔ガスと接触する。なお、ボディ電極230は、二次元正孔ガスと接触できればよく、その具体的な位置が限定されない。例示的に、

面の化合物半導体層130をエッチングし、

面の窒化物半導体層120を露出し、そして窒化物半導体層120にボディ電極230を形成する。自発効果およびピエゾ効果により、

方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120内の、化合物半導体層130との界面で二次元正孔ガス(2DHG)が形成され、このため、ボディ電極は、二次元正孔ガスを介してP型窒化物半導体埋め込み層と電気的に接続し、その電位を制御する。
【0153】
なお、ボディ電極230が存在しない場合、P型半導体埋め込み層の電位が変動するため、デバイスの閾値電圧を安定に制御することに不利であり、これに対して、窒化物半導体層内において自発に形成した二次元正孔ガスを利用し、ボディ電極230が二次元正孔ガスを介してP型半導体埋め込み層と間接電気的に接続することにより、P型埋め込み層の電位を制御し、そして、ボディ電極の設置もより自在になる。任意で、上記のPN構造は、このようなボディ電極と二次元正孔ガスとの接続方式で回路に応用してもよく、これによって、PN構造が、HEMT電流方向に対する逆方向の電流を導通させることができ、回路の設計および機能を豊富にすることができる。
【0154】
窒化物半導体層内に二次元正孔ガスが自発に形成するとき移動不能なバックグラウンド負電荷が存在するため、バックグラウンド負電荷が二次元正孔ガスを吸引し、これによって、ボディ電極は、デバイスのオフ過程において、ドレイン電極が高電圧にあるため、2DEGが空乏化され、バックグラウンド正電荷が残され、ボディ電極と2DHGとの接続により、電界作用でゲート電極とドレイン電極との間の2DHGの全部または一部が空乏化され、バックグラウンド負電荷が露出される。バックグラウンド負電荷は、バックグラウンド正電荷による電界を部分的に相殺するとともに、デバイスの耐圧能力を向上させることができる。
【0155】
任意で、窒化物半導体層110、埋め込み層および窒化物半導体層120に化合物半導体層130を形成する前に、化合物半導体層160をさらに形成する。図19図21に示すように、その作製方法として、上記のステップ5において化合物半導体層130を堆積して形成させる前に、化合物半導体層160を先に成長させる。化合物半導体層160は、低ドープされた、または非意図的にドープされたGaNである。埋め込み層130により、相応のチャネルでの2DEGの95~100%を空乏化するとき、イオン散乱などの作用のため、デバイスが導通するときの抵抗が大幅に上げられ、化合物半導体層160が低ドープされたまたは非意図的にドープされたGaNである場合、化合物半導体層160の設置によれば、P型半導体埋め込み層によるイオン散乱作用を顕著に低下させることができ、したがって、デバイスのオン抵抗を下げることができる。
【0156】
また、化合物半導体層160を設置することによれば、イオン散乱による電子移動度の低下を軽減させることができ、そして、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120が禁制帯幅のより低い材料を採用することによれば、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120と化合物半導体層130とのより大きい禁制帯幅差異を得ることができる。また、化合物半導体層160は、化合物半導体層130を成長させる前に形成されるため、プロセスに対する変動が小さい。例示的に、化合物半導体層160は、InGaN、AlInGaN、AlInNまたはAlNであり得る。
【0157】
任意で、ベース材の第3表面1003以外の他の表面に図22に示す絶縁層310が形成される。任意で、絶縁層は、他の表面を完全に覆う。
【0158】
なお、ベース材がSiベース材である場合、Siベース材の(111)面と

面とが性質上に差がないため、ベース材の第3表面1003は、Siベース材の(111)面または

面であり得る。Siベース材は、(110)面または(112)面を採用するものであり得る。絶縁層の設置によれば、成長するときにGa原子のSiベース材に対するメルトバック作用を防止することができる。また、シード層、例えばAlNの選択的成長が困難であるため、シリコンの第3表面に単結晶AlNが形成される以外、絶縁層310にも非晶質または多結晶のAlNが生成しやすい。これらの非晶質または多結晶のAlNがデバイスの構造および機能に悪影響を与える可能性があるため、非晶質または多結晶の部分をエッチングし、または成長するときにClまたはHCLガスなどのCl含有のエッチングガスを導入し、ガスの、単結晶AlNと多結晶/非晶質AlNとに対するエッチング選択比を利用して、絶縁層310における非晶質または多結晶のAlN層を除去し、第3表面1003における単結晶AlN層だけを残す。Ga含有材料の窒化物半導体は、絶縁層に直接核生成、成長しにくいため、第3表面において形成された単結晶AlN層だけで該窒化物半導体が選択的成長することが実現される。
【0159】
多結晶または非晶質のAlN層は、本質的に1種の絶縁層であり、Ga含有材料の窒化物半導体が多結晶または非晶質のAlN層に核生成、成長しにくいため、絶縁層310における多結晶または非晶質のAlN層を残してもよい。任意で、多結晶または非晶質のAlN層を除去してもよい。
【0160】
AlまたはSiCのベース材を採用する場合、上記の絶縁層をなしにしてもよい。これは、Ga原子とAlまたはSiCとが両立できるため、メルトバック現象が発生しないからである。窒化物半導体は、六方対称の格子構造を有する第3表面でより核生成、成長しやすく、したがって、第3表面が選択的に成長させる能力をもつ。
【0161】
AlまたはSiCのベース材を採用する場合、絶縁層を有することにより、第3表面での核生成と成長のプロセスウィンドウがより大きく、より制御可能になる。したがって、AlまたはSiCのベース材を採用する場合、第3表面1003以外の他の表面に絶縁層310を形成してもよい。
【0162】
第3表面1003以外の他の表面に絶縁層310を形成する方法は、例示的に、下記の通りである。
【0163】
図23図25に示すように、ベース材においてエッチングを行って凸状台形状を形成し、凸状台が2つの対向する第3表面を有する、例示的に、ベース材がシリコンである場合、第3表面は、シリコンの(111)面である。そして、第3表面でLPCVDなどの技術を利用してSiNを成長させ、垂直配向のエッチング技術を利用して、側壁に形成されたSiNのみを残す。そして、酸化技術によりSiOを成長させ、第3表面において、SiNの保護でSiOの成長がなく、シリコン片の他の表面にSiO層が形成される。さらに、SiNとSiOとのエッチング選択比を利用し、熱リン酸などによるウェットエッチングプロセスにより、第3表面のSiNをエッチングし、他の表面における大部分の二酸化ケイ素を残す。
【0164】
絶縁層の設計によれば、ベース材の材料のデバイス性能に対する影響を防止することができ、耐圧の向上および暗電流の低減に寄与できる。
【0165】
以下、図26図32を参照しながら、ソース、ドレインおよびゲートの作製方法を例示的に説明する。
【0166】
HEMTデバイスを形成したあと、堆積およびリフトオフまたは堆積およびレーザーポジショニングエッチングなどの方法でベース材の第1平面に形成された第1絶縁層310に比較的に厚い第1金属層210を形成し、第1金属層は、第1絶縁層に堆積される以外、デバイスの化合物半導体層130の(0001)面にも少量に堆積され、そして、等方性エッチングによりデバイスの化合物半導体層130の(0001)面における金属層を除去する。そして、第1金属層に同一面蒸着により第2絶縁層320を形成し、CMP、およびエッチングバックまたは第2絶縁層320の成長厚さの精確制御により、デバイスのゲート領域に位置するように第2絶縁層の高さを設定して、ゲート領域での化合物半導体層130またはゲート媒体層を露出する。第1金属層の形成方法と同様、第2絶縁層に第2金属層220を形成する。同様に、第2金属層は、第2絶縁層に堆積される外、デバイスの化合物半導体層130の(0001)面にも少量に堆積され、そして、等方性エッチングによりデバイスの化合物半導体層130の(0001)面における金属層を除去する。そして、第2金属層に同一面蒸着により第3絶縁層330を形成し、エッチングバックまたは第3絶縁層の成長厚さの精確制御により、デバイスのソース領域に位置するように第3絶縁層の高さを設定して、ソース領域での化合物半導体層130または窒化物半導体層120を露出する。そして、同様に、第3絶縁層に第3金属層200を形成し、フォトエッチングにより第1電極200を形成する。これによって、図示のように、2つのデバイスの間にゲート、ソースおよびドレインを同時に形成する。
【0167】
なお、第1電極および第2電極の位置は、互いに交換してもよく、第1電極および第2電極は、焼なましなどの工程により二次元電子ガスとオーミック接触を形成することができる。第3電極は、化合物半導体層130とショットキー接触を形成し、またはゲート媒体により化合物半導体層130から絶縁される。
【0168】
上記のように、上記のベース材の上記特定面でIII族窒化物半導体チャネル層および化合物半導体層130が成長しており、例えば、GaN材料またはAlGaN材料のものであり、その表面が(0001)面または

面である場合、ガリウム極性または窒素極性を有し、すなわち、<0001>配向または

配向を有する。したがって、<0001>方向におけるチャネル層内の、チャネル層と化合物半導体層130との界面に近い箇所に2DEGが存在し、<000-1>方向におけるチャネル層内の、チャネル層と化合物半導体層130との界面に近い箇所に2DHGが存在する。
【0169】
任意で、図33に示すように、<000-1>方向における化合物半導体層130が除去され、

方向において二次元電子ガス2DHGを形成することができなくなる。または、図34に示すように、III族窒化物半導体チャネル層の

面に第4絶縁層340を形成してチャネル層の

面を保護する。なお、第4絶縁層340は、保護用絶縁層として、III族窒化物半導体チャネル層の、ベース材の第1平面および第2平面に平行な非極性面まで延在することができる。
【0170】
二次元電子ガス2DHGの存在により、ソース、ドレインおよびゲートの電位変化に応答することができ、これによって、寄生容量およびリークパスを増加させる。
【0171】
任意で、図35に示すように、III族窒化物デバイスは、上記の複数の電子チャネルのIII族窒化物デバイスおよび複数の正孔チャネルのIII族窒化物デバイスを含む。正孔チャネルのIII族窒化物デバイスと電子チャネルのIII族窒化物デバイスとが対応に設置される。
【0172】
なお、電子チャネルのIII族窒化物デバイスと対応に、

方向における窒化物半導体層110および窒化物半導体層120において第4電極240、第5電極250および第6電極260を形成する。第4電極~第6電極の位置が、具体的に限定されない。第4電極が正孔チャネルデバイスのソースであり、第5電極が正孔チャネルデバイスのドレインであり、第6電極が正孔チャネルデバイスのゲートであることができる。第4電極および第5電極のそれぞれを、デバイスのチャネル層(110/120)と物理的に接触するとともに二次元正孔ガスとオーミック接触するようにさせてもよく、または第4電極および第5電極を、化合物半導体層130と直接物理的に接触するとともにオーミック接触を形成するようにさせてもよい。第6電極260は、化合物半導体層130において化合物半導体層130と絶縁性接触またはショットキー接触を形成する。絶縁性接触とは、第6電極260と化合物半導体層130との間にゲート媒体層300を形成することである。ゲート媒体層は、SiO、高誘電率媒体材料などのものであり得る。ゲート媒体層300により、化合物半導体層130に対する表面パッシベーション効果を得ることができ、デバイスのゲート漏れ電流の減少およびデバイスの電気電子分野での応用に有利である。ゲート媒体層が直接化合物半導体層130において形成された場合、ゲート漏れ電流が比較的に大きく、このように作製できたデバイスが無線周波数(RF)分野に応用されることが多い。
【0173】
例示的に、第4電極~第6電極は、ベース材100の第1平面に垂直な方向に配置してもよい。第5電極の方は、ベース材100の第1平面1001により近い。なお、第4電極を、ベース材100の第1平面1001により近いように配置してもよい。第6電極は、第5電極と第4電極との間に位置する。
【0174】
なお、電子チャネルのIII族窒化物デバイスと対応に、正孔チャネルのIII族窒化物デバイスの窒化物半導体層110および窒化物半導体層120における、デバイスのソース/ドレインに対応する領域において、相応のP-型ドーピングを行う。このようにすれば、オーミック接触抵抗を下げることに有利である。
【0175】
なお、電子チャネルのIII族窒化物デバイスと対応に、正孔チャネルにおいてN-型埋め込み層を有する。相応の設計により、P-型ドーピングのものの1つを、電子チャネルのIII族窒化物デバイスのN型埋め込み層と重なり合うようにしてもよく、電子チャネルのIII族窒化物デバイスにおいて、窒化物半導体層110および窒化物半導体層120における、デバイスのソース/ドレインに対応する領域において、相応のN-型ドーピングを行って正孔チャネルのIII族窒化物デバイスのN型埋め込み層と重なり合うようにしてもよい。
【0176】
なお、図36に示すように、窒化物半導体層においてP-型埋め込み層およびN-型埋め込み層をともに有してもよい。電子チャネルのIII族窒化物デバイスを形成する場合、P-型埋め込み層においてゲートを形成し、正孔チャネルのIII族窒化物デバイスを形成する場合、N-型埋め込み層においてゲートを形成する。
【0177】
他の電子チャネルのIII族窒化物デバイスと、正孔チャネルのIII族窒化物デバイスとは、構造が類似しているため、ここで説明を省略する。
【0178】
規則な横断面を有するフィン状のIII族窒化物デバイスにおける相応の極性面での電極の設定によれば、HHMTおよびHEMTデバイスを同時に形成することができ、デバイスの集積度を向上させることができ、ゲート漏れ電流を効果的に減少させることができ、製造プロセスが簡単で、さらに、HHMTとHEMTデバイスとにより相補型デバイスを形成することができる。
【0179】
無線周波数電子デバイスを提供する。無線周波数電子デバイスは、例えば、パソコン、携帯電話、デジタルカメラなどの他の電子設備であり、上記のデバイスのいずれか1種を備える。
【0180】
電気電子デバイスを提供する。電気電子デバイスは、携帯電話基地局、光通信システムなどの分野における電力増幅器に使用され、または電源デバイスであってもよく、電気電子デバイスが、上記のデバイスのいずれか1種を備える。
【0181】
本開示に係る案は、少なくとも下記の効果の1つを実現することができる。半導体デバイス構造は、ゲート漏れ電流を減少させることができ、閾値電圧が高く、パワーが高く、信頼性が高く、低オン抵抗およびデバイスのノーマリオフ状態を実現することができ、安定な閾値電圧を提供することができ、したがって、半導体デバイスが優れるスイッチング特性を有する。
【0182】
本開示に係る案は、下記の効果の少なくとも1つをさらに実現することができる。単位面積でより高いチャネル密度を実現することができ、デバイスの集積密度を向上させ、デバイスの構造および製造プロセスが比較的に簡単であり、生産コストを効果的に削減することができる。
【0183】
上記記載は、具体的な実施形態を用いて本開示を説明したが、当業者であればわかるように、これらの説明は、例示的なものにすぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。当業者は、本開示の精神および原理を逸脱しない限り、本開示に対して各種の変形および変更を行ってもよく、これらの変形および変更も本開示の範囲に属する。
【0184】
産業上の利用可能性
【0185】
プロセスが簡単で、コストが低く、単位面積でより高いチャネル密度を実現することができ、電子チャネルおよび正孔チャネルを同時に有することができ、耐電圧が高く、パワーが高く、オン抵抗が低いなどの高い性能を持つ省エネの半導体デバイスを提供することができる。
図1
図2
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図5
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