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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240307BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240307BHJP
   F21V 21/03 20060101ALI20240307BHJP
   F21V 15/04 20060101ALI20240307BHJP
   F21Y 103/33 20160101ALN20240307BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240307BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V23/00 120
F21V23/00 150
F21V21/03 461
F21V15/04
F21Y103:33
F21Y115:10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023029843
(22)【出願日】2023-02-28
(62)【分割の表示】P 2022095274の分割
【原出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2023060009
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 竜男
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-006149(JP,A)
【文献】特開2001-216809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 23/00
F21V 21/03
F21V 15/04
F21Y 103/33
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付けられる照明器具であって、
光源部と、
前記光源部が照射面側に取り付けられる器具本体と、
前記光源部と電気的に接続される電源部と、
前記器具本体の取付面側に取り付けられる器具カバーと、
前記器具カバーの照射面側に配置された、前記取付面に取り付ける取付部と、
前記器具本体の取付面側に取り付けられる複数の緩衝材と、を備え、
前記器具カバーは、
取付孔と、周縁部と、天板部と、周壁部と、該周壁部の周囲に形成される複数の器具取
付部と、を有し、
前記天板部及び前記周壁部により断面視において上方に向けて凹状で、取付面側に突出
して形成され、
前記複数の器具取付部は、
前記周壁部の下端から径方向外側に延出される鍔状に形成され、前記周壁部の周方向に
おいて切欠き部と交互に配置され、
前記緩衝材は、前記切欠き部に対応する位置に取り付けられ
前記切欠き部は、その周方向の長さ寸法が前記緩衝材の長手方向の長さ寸法に対応している、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源としてLED素子を備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、天井面に設置される照明器具(シーリングライト)が開示されている。特許文献1に開示される照明器具は、取付面側に凹部(収容部)が形成されるとともに該取付面側の反対側に凸部が形成された器具本体と、前記器具本体の凸部に配置される光源部と、前記光源部と電気的に接続され、前記器具本体の凹部内に取り付けられる電源部とを有する。電源部は、電源取付部材である4つのスペーサを用いて、収容部の底板部と所定の離間距離を有するように取り付けられる。また、電源部を覆うように電源カバーが器具本体に取付けられる。
【0004】
また、このような照明器具では、引掛シーリングアダプタを用いて、天井面に取り付けられる。その際、天井面に設置されている配線部品に引掛シーリングアダプタを取り付け、該引掛けシーリングと器具本体の中央部に設けられた取付部とを組み合わせる。このとき、引掛けシーリングアダプタから延びる配線と、器具本体内の電源回路とを接続させる必要がある。通常、取付部の貫通孔に向かって給電側コネクタ等の配線部品が露出しており、引掛シーリングアダプタ側の配線部品と接続ができる。給電側コネクタは、取付部に固定される場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-6148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された照明器具においては、電源部の電源基板を器具本体に電源取付部材である複数のスペーサを用いて取り付けているため、組立作業が煩雑となっていた。また、特許文献1に開示された照明器具においては、電源カバーに取付部が取り付けられている。器具本体に取り付けられた電源基板から延びる給電側コネクタを、電源カバーに取り付けられた取付部の所定の位置に固定させるため、組立作業が煩雑となっていた。
そのため、照明器具の構成としては、照明器具の組立作業の簡素化を可能とする、生産性の高い照明器具が望まれる。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電源部を1ユニット化することで、照明器具の組立作業の簡素化を可能とする、生産性の高い照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
取付面に取り付けられる照明器具であって、
光源部と、
前記光源部が照射面側に取り付けられる器具本体と、
前記光源部と電気的に接続される電源部と、
前記器具本体の取付面側に取り付けられる器具カバーと、
前記器具カバーの照射面側に配置された、前記取付面に取り付ける取付部と、
前記器具本体の取付面側に取り付けられる複数の緩衝材と、を備え、
前記器具カバーは、
取付孔と、周縁部と、天板部と、周壁部と、該周壁部の周囲に形成される複数の器具取
付部と、を有し、
前記天板部及び前記周壁部により断面視において上方に向けて凹状で、取付面側に突出
して形成され、
前記複数の器具取付部は、
前記周壁部の下端から径方向外側に延出される鍔状に形成され、前記周壁部の周方向に
おいて切欠き部と交互に配置され、
前記緩衝材は、前記切欠き部に対応する位置に取り付けられ
前記切欠き部は、その周方向の長さ寸法が前記緩衝材の長手方向の長さ寸法に対応しているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電源部を1ユニット化することで、電源部が器具本体に容易に取り付けられ、照明器具の組立作業の簡素化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を斜め下方から見た斜視図。
図2】同じく照明器具を示す側面図。
図3】同じく照明器具を斜め上方から見た分解斜視図。
図4】同じく照明器具を斜め下方から見た分解斜視図。
図5】照明器具(透光性カバーを取り外した状態)を示す斜視図。
図6】照明器具(透光性カバー及び保護カバーを取り外した状態)を示す斜視図。
図7】電源カバーを示す斜視図。
図8】電源部を示す斜視図。
図9】器具本体に電源部を配置した状態を示す斜視図。
図10】器具上部カバー及び取付部を示す斜視図。
図11】取付部に給電側コネクタ部を組み合わせた状態を示す平面図。
図12】保護カバーの照射面側を示す斜視図。
図13】保護カバーの取付面側を示す斜視図。
図14】基板素材(元基板)を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、図1から図14を用いて説明する。本実施形態に係る照明器具11は、複数のLED素子42を光源とする照明器具である。図1図2に示すように、照明器具11は、例えば天井等の取付面(図示せず)に直付けされるシーリングライトである。以下の説明では、照明器具11の光を照射する側を照明器具11の照射面側とし、照明器具11における天井等の取付面に対向する側を照明器具11の取付面側(取付状態では天井側)として説明する。また、照明器具11において、図2から図4図10における上下方向を、照明器具11の「上下方向」として説明する。上下方向に直交する方向を径方向として説明する。また、本実施形態の説明において、下方から照明器具11等を視た状態を平面視とする。上下方向に対して直交方向から照明器具11等を視た状態を側面視とする。照明器具11等の断面形状を視た状態を断面視とする。
【0013】
照明器具11は、主に器具本体21、電源部31、光源部41、透光性カバー51、器具上部カバー61、取付部71、受信部81、及び保護カバー91を有している。照明器具11は、平面視における形状が円形形状である。
なお、照明器具11の形状は、本実施形態に示すような円形形状に限らず、平面視における形状がスクエア形状等であってもよい。
【0014】
器具本体21は、照明器具11の本体を構成するものである。器具本体21は、いわゆるベースやシャーシと呼ばれる部材である。器具本体21は、扁平な略ハット状で平面視における外形輪郭形状が円形である。器具本体21は、照射面側に光源部41、保護カバー91及び透光性カバー51等を保持するものである。器具本体21は、取付面側に電源部31、及び器具上部カバー61等を保持するものである。
【0015】
器具本体21は、取付面側に凹部(後述する収容部26の取付面側の部分)が形成される。器具本体21は、取付面側の反対側となる照射面側に凸部(後述する収容部26の照射面側の部分)が形成されている。器具本体21は、図3に示すように、開口部22、内周縁部23、底板部24、周壁部25、収容部26、及び鍔部27を有し、単一の部材として一体的に形成されている。器具本体21では、底板部24の照射面側が光源部41を取り付けるための光源取付部24aとなり、該光源取付部24aを器具本体21の照射面側の凸部の頂部に有する。器具本体21は、電源部31、取付部71、器具上部カバー61、保護カバー91及び透光性カバー51等を保持可能な耐久性や強度と、電源部31及び光源部41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄やアルミニウム、またはそれらの合金等の金属板を用いて形成されている。なお、器具本体21は、耐久性、強度及び放熱性が高い材料であれば、先述した金属材料に限らず、その他の合金材料や樹脂等の他の材料で形成することができる。
なお、本実施形態においては、内周縁部23、底板部24、周壁部25、収容部26、及び鍔部27を器具本体21として一体的に形成しているが、特に限定するものではなく、上記各構成部材を各々組み付けて構成してもよい。
【0016】
開口部22は、取付部71が露出する円形の開口部分である。開口部22は、器具本体21の径方向中心となる位置に設けられている。
【0017】
内周縁部23は、開口部22の周縁部分であり、平面視において円環状である。内周縁部23は、取付部71の他端(下端)が当接または近接する部分である。
【0018】
底板部24は、内周縁部23の周囲に円環状に形成された板状部分である。底板部24は、照射面側に光源部41が取り付けられる平坦面である光源取付部24aを有する。
【0019】
光源取付部24aは、複数(本実施形態では2つ)のLED光源モジュール44が所定位置に取り付けられる平坦面であり、該平坦面にLED光源モジュール44が当接して取り付けられる。光源取付部24aは、光源部41で発生した熱を伝えて外部に放出する放熱部としても機能させるため、光源部41が取り付けられる光源取付部24aは、光源部41との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。
【0020】
底板部24の径方向の中途部には、一端に接続端子を有した、電源部31から延びる配線を挿通するための四角形状の挿通孔24bが設けられている。
【0021】
底板部24の径方向の中途部には、受信部81が有する受光素子82に対応する位置に平面視においてオーバル形状の開口である受光窓24cが設けられている。受光窓24cは、上記挿通孔24bに近接して配置されている。
【0022】
底板部24の内周縁及び外周縁の近傍には、保護カバー91が有する爪部92a及び爪部94aを嵌合するための複数(本実施形態では、内周側に2つ、外周側に2つ)の貫通孔24dが設けられている。複数の貫通孔24dは、底板部24の周方向に略均等配置されている。
【0023】
底板部24の径方向の中途部には、LED光源モジュール44を光源取付部24aにネジ部材により固定するための複数(本実施形態では、4つ)のネジ固定部24fが設けられている。
【0024】
周壁部25は、底板部24の外周縁から上方に行くに従って拡径されるテーパ状の部分である。周壁部25には、電源部31のチャンネル切替スイッチ部38を露出させるように組み合わせるための略四角形状の貫通孔25aが設けられている。貫通孔25aは、チャンネル切替スイッチ部38の外形寸法に合わせて形成され、当該チャンネル切替スイッチ部38の外形寸法よりもやや大きい。
【0025】
収容部26は、内周縁部23、底板部24及び周壁部25により形成される扁平で有底略円筒形状の部分である。収容部26は、平面視において外形形状が円形である。収容部26は、取付面側から見ると下方に凹状に形成されており、照射面側から見ると下方に凸状に形成されている。収容部26は、内部に電源部31、及び取付部71の一部が収容される部分である。取付部71は、引掛シーリングアダプタ等の配線部品110が取り付けられ、該配線部品110を介して照明器具11を天井等の取付面側に配置された配線器具と電気的に接続される。収容部26の底面となる底板部24には、後述する電源ケース35の爪部20が係止され、電源ケース35を位置決めするための複数(本実施形態では、2つ)の切欠き部24eが設けられている。
【0026】
鍔部27は、収容部26の周囲に形成される。鍔部27は、周壁部25の上端の外周縁から径方向外側に突出する円環状の部分である。鍔部27は、器具本体21の外周縁部分である。鍔部27の照射面側には、透光性カバー51を保持するための複数(本実施形態では、3つ)の保持部29が設けられている。複数の保持部29は、鍔部27の周方向に沿って略均等間隔に配置される。また、鍔部27の取付面側には、複数(本実施形態では、4つ)の緩衝材30が略均等間隔に配置される。緩衝材30は、照明器具11を天井等の取付面に取り付けた状態で、取付面と照明器具11との間に挟まれて、その弾性力によって照明器具11のガタツキを防止するためのものである。緩衝材30の取付位置の詳細については後述する。
【0027】
電源部31は、光源部41と電気的に接続され、器具本体21の凹部である収容部26に1つのユニット(1ユニット)として取り付けられるものである。具体的には、電源部31は、電源回路部32と、該電源回路部32を収容する電源ケース35と、給電側コネクタ部37と、チャンネル切替スイッチ部38とを有している。電源部31の一端側(照射面側)は、収容部26内に収容されて取り付けられ、他端側(取付面側)は器具上部カバー61に当接する。
【0028】
電源回路部32は、光源部41が有するLED素子42(図6参照)に給電を行って、LED素子42を点灯させるための電源回路である。電源回路部32は、一端が円弧状に形成された、平面視略D字形状に加工されたプリント配線基板である電源基板33上に複数の電源回路部品等の電子部品が実装された電源回路である。電源回路部32は、外部商用電源から供給される交流電流を所定の直流電流に変換し、変換後の電流を基板43に実装された複数のLED素子42に供給するためのものである。電源回路部32(電源基板33)は、電源回路部品等の電子部品の実装面側を下側に向けた状態で配置される。電源基板33の実装面側(下面側)には、電源回路部品等の電子部品と、リモコン信号の受信部81が配置されている。受信部81は、受光素子82とチャンネル切替スイッチ83とを有している。すなわち、電源部31は、電源回路部品等の電子部品とリモコン信号を受信する受光素子82が同一の基板に実装されて形成されている。また、電源部31は、電源回路部品等の電子部品とチャンネル切替スイッチ83が同一の基板に実装されて形成されている。また、電源部31では、前記電源回路部品等の電子部品、受光素子82、及びチャンネル切替スイッチ83が電源基板33の一方の表面(下面)に実装されている。電源基板33には、電源ケース35の受光窓35a2及び器具本体21の受光窓24cに対向する位置に受信部81の受光素子82が配置されている。また、電源基板33の一端部(円弧形状の端部の頂部)には、チャンネル切替スイッチ83が配置されている。電源回路部32は、配線を介して給電側コネクタ34が設けられている。給電側コネクタ34は、照明器具11を天井等の取付面に取り付ける際、配線器具側のコネクタ(図示せず)に接続することで、電源回路部32は照明器具用の天井配線器具を介して外部商用電源と電気的に接続される。電源回路部32と光源部41は配線(図示せず)によって後述する挿通孔35a1を介して電気的に接続されている。
【0029】
電源ケース35は、樹脂素材で形成された取付面側が開放された扁平で有底容器状の部材である。本実施形態の電源ケース35は、取付部71に対向する側が平坦で器具本体21の周壁部25に対向する側が湾曲形状となっており、平面視略D字形状に形成される。電源ケース35は、器具本体21に取り付けることができる。電源ケース35は、底面部35aと、第1周壁部35bと、第2周壁部35cと、第3周壁部35dと、給電側コネクタ保持部35eと、チャンネル切替スイッチ部38と、電源基板保持部39(係止部39a、規制部39b)とを有している。電源ケース35は、電気的絶縁性を有する部材である。
【0030】
底面部35aは、平面視略D字形状の板状部分である。第1周壁部35bは、底面部35aの長辺部から上方に延設される板状部分である。第2周壁部35cは、長手方向において対向する側壁であり、底面部35aの一対の短辺部から上方に延設される板状部分である。第3周壁部35dは、底面部35aの円弧状部から延設され、器具本体21の周壁部25に近接もしくは当接するように形成される湾曲状の湾曲部35d1と、該湾曲部35d1の上端から上方に延設される平面視円弧状の延設部35d2と有している。
【0031】
底面部35aは、電源回路部32と光源部1とを電気的に接続する配線を挿通するための円形状の挿通孔35a1と、後述する受光素子82に対応する位置にオーバル状の受光窓35a2とを有している。
【0032】
電源ケース35の内部は、平面視略D字形状の電源回路部32(電源基板33)を収容して配置する電源回路配置部36を有する。電源ケース35は、電源回路配置部36に配置した電源基板33を保持するための電源基板保持部39を有している。電源基板保持部39は、複数(本実施形態では、8つ)の係止部39aと、底面部35aの取付面側においてチャンネル切替スイッチ部38の近傍に上方に向けて凸状に立設される規制部39bとで構成される。係止部39a電源ケース35の上端側の周縁部に設けられる(図7参照)。電源基板保持部39は、電源回路部32を電源回路配置部36に収容した際に、電源基板33の周縁部を係止する。係止部39aは、矢尻状爪部39a1と、矢尻状爪部39a1の近傍において各周壁部から電源回路配置部36側に延出する凸部39a2と、を有する。矢尻状爪部39a1と凸部39a2は、側面視において間隙を有する。矢尻状爪部39a1と凸部39a2との間隙において、矢尻状爪部39a1と凸部39a2によって電源基板33は挟持される。電源基板33は、その外周縁側の複数箇所を係止部39aによって、電源ケース35の底面部35aと所定の離間距離を有するように電源回路配置部36の所定の位置に配置される。規制部39bは、電源基板33の照射面側に当接して、電源基板33が下方に移動することを規制する。また、規制部39bの先端部は、電源基板33に設けられた貫通孔33aと嵌合することができる。これにより、電源基板33のチャンネル切替スイッチ83付近は、電源回路配置部36のチャンネル切替スイッチ部38付近の所定の位置に位置決めされる。また、チャンネル切替スイッチ83付近における電源基板33の位置ズレを防止する。チャンネル切替スイッチ部38付近において、規制部39bによって電源基板33の位置を規制することで、チャンネル切替操作を行う際に、チャンネル切替スイッチ83の位置ズレが生じにくく操作しやすい。
すなわち、係止部39aと規制部39bにより、電源基板33は、電源ケース35の底面部35aと所定の離間距離を有するように、電源ケース35の所定の位置に取り付けられる。
【0033】
電源ケース35の照射面側(電源回路部32の配置側とは反対の面)には、図8に示すように、側方に突出する複数(本実施形態では、2つ)の爪部20が設けられている。図9に示すように、爪部20は、器具本体21の収容部26の底板部24に設けられた切欠き部24eに嵌合する部分である。電源ケース35は、該電源ケース35が有する爪部20が底板部24に設けられた切欠き部24eに嵌合することで該電源ケース35が底板部24の所定の位置に位置決めされる。電源ケース35は、器具本体21と器具上部カバー61に挟まれることで固定される。
【0034】
図11に示すように、給電側コネクタ保持部35eは、取付部71に対向する第1周壁部35bにおいて取付部71に向けて凸状に突出した部分である。図7に示すように、給電側コネクタ保持部35eは、電源回路配置部36に連通した部分であり、有底状で上端が開放されている。給電側コネクタ保持部35eには、給電側コネクタ34を挿通するための挿通孔35fを有している。電源回路部32から配線を介して延出される給電側コネクタ34は、給電側コネクタ保持部35eにより挿通孔35fからとび出した状態で保持される。
なお、本実施形態の給電側コネクタ保持部35eは、本発明における給電側コネクタ保持部の一例である。給電側コネクタ保持部は、その形状や、電源ケースに設けられる位置などを適宜変更してもよい。
【0035】
チャンネル切替スイッチ部38は、周壁部25に対向する第3周壁部35dの長手方向の中央部に設けられ、器具本体21の貫通孔25aから露出される側面視略四角状の部分である。チャンネル切替スイッチ部38は、電源ケース35内に電源基板33が配置されたとき、チャンネル切替スイッチ83が配置される部分である。チャンネル切替スイッチ部38は、上端に径方向外側に張り出した張出部38aと、張出部38aの下部にチャンネル切替スイッチ83の先端部を露出するための貫通孔38bとを有している。チャンネル切替スイッチ部38は、器具本体21の貫通孔25aに組み合わされて、チャンネル切替スイッチ部38が周壁部25の側面に露出される。チャンネル切替スイッチ部38の露出部分は、周壁部25の傾斜にほぼ沿って傾斜し、ユーザーが下方から視認し易いように形成されている。このように、チャンネル切替スイッチ部38が器具本体21の貫通孔25aを介して照射面側に露出するため、チャンネル設定作業がしやすい。
なお、電源基板33は実装面に複数の電気部品が実装されているが、図3等においては電源基板33の構成を明瞭に図示するために電気部品の一部の図示は省略した。また、本実施形態のチャンネル切替スイッチ部38は、本発明におけるチャンネル切替スイッチ部の一例である。チャンネル切替スイッチ部は、その形状や、電源ケースに設けられる位置などを適宜変更してもよい。
【0036】
このように電源部31を構成することで、電源回路部32(電源基板33)と、受信部81(受光素子82、チャンネル切替スイッチ83)と、給電側コネクタ34と、を一体化して1ユニット化している。電源部31は、先ず、爪部20が器具本体21の底板部24に設けられた切欠き部24eに係止される。チャンネル切替スイッチ部38は、器具本体21の照射面側において、張出部38aが器具本体21の鍔部27の内周端部に係止された状態で配置される。器具本体21に電源部31を配置した状態で、器具上部カバー61が器具本体21に取り付けられる。器具本体21に器具上部カバー61が取り付けられることで、電源部31は器具本体21と器具上部カバー61とで挟持されて固定される。その際に、給電側コネクタ部37(給電側コネクタ保持部35e)は、取付部71の後述する給電側コネクタガイド部76に組み合わされる。また、チャンネル切替スイッチ部38が器具本体21の貫通孔25aに組み合わされる。
これにより、給電側コネクタ34は、取付部71の内部に露出するように取り付けられる。また、チャンネル切替スイッチ部38は、周壁部25の側面に露出するように取り付けられる。照明器具11を天井等の取付面に取り付ける際、給電側コネクタ34は、取付部71の内部に配置された状態で、配線器具側のコネクタ(図示せず)に接続することで、電源回路部32は照明器具用の天井配線器具を介して外部商用電源と電気的に接続される。こうして、電源回路部32(電源基板33)、受信部81(受光素子82、チャンネル切替スイッチ83)、及び給電側コネクタ34は、電源ケース35を介して器具本体21の収容部26に1ユニットとして取り付けられる。
【0037】
また、電源回路部32は、上記のように、電源ケース35に収容されるため、電源回路部32と器具本体21との間で電気的絶縁性を確保できる。また、電源ケース35を用いて、電源回路部32(電源基板33)、受信部81(受光素子82、チャンネル切替スイッチ83)、及び給電側コネクタ34を電源部31として1ユニット化することによって、これらを同時に器具本体21及び取付部71に容易に取り付けることができ、照明器具11の組立性が向上する。すなわち、照明器具11の組立作業の簡素化を可能とする。また、電源ケース35を用いて電源回路部32(電源基板33)、受信部81(受光素子82、チャンネル切替スイッチ83)、及び給電側コネクタ34を一体化して1ユニットにする作業工程と、当該1ユニットを器具本体21に取り付ける作業工程とを分業化することが可能となり、生産性が向上する。
【0038】
また、電源ケース35は、取付面側が開放されており、電源基板33の一面側(取付面側)が露出している。これにより、電源回路部32から発生する熱は、電源ケース35の内部に籠ることがない。また、電源ケース35は、器具上部カバー61に対向する側が開放されているため、熱が器具上部カバー61を介して外部に放熱されることで、放熱性が向上する。
【0039】
光源部41は、照明器具11の照射面側に向けて光を出射する部分である。光源部41は、器具本体21の凸部(収容部26の照射面側の部分)に配置される。光源部41は、複数のLED素子42を有する。光源部41は、底板部24の照射面側の光源取付部24a上に配置される平板状のものである。光源取付部24aは、平坦な表面を有する。具体的には、光源部41は、複数(本実施形態では、2枚)のLED光源モジュール44を有している。各LED光源モジュール44は、平板状モジュール基板である基板43(43a、43b)上に複数の点光源であるLED素子42が実装されて構成されている。複数のLED素子42は、器具本体21の開口部22を中心として略同心円状に略等間隔で配置されている。LED光源モジュール44は、器具本体21が有する保持部29よりも照射面側の位置に配置される。これにより、透光性カバー51に保持部29の影が出にくい。
【0040】
LED光源モジュール44が有する基板43は、図5に示すように、平面視において所定幅を有する略半円環状に形成されている。本実施形態では、2枚のLED光源モジュール44が用いられるが、各LED光源モジュール44の基板43は、共に略半円環状で類似の形状であるが外形輪郭形状の一部が異なっている。
【0041】
一方のLED光源モジュール44の基板43aは、内周側の一方の角部を略L字状に切り欠いた形状である。すなわち、基板43aは、内周側の周方向一端を略L字状に切り欠いた切欠き部43a1を有する。基板43aは、円周方向の両端部において、径方向に沿って形成された、切欠き部43a1に連設される一方の端部43a2と、他方の端部43a3とを有する。当該一方の端部43a2の径方向中央部には、底板部24の挿通孔24bに対応するように略半円状に切り欠いた切欠き部43a4を有する。基板43aの外周側には、端部43a2に近い方から順に直線状に切り欠いた切欠き部43a5及び切欠き部43a6を有する。LED光源モジュール44の基板43aが器具本体21の光源取付部24aに取り付けられた場合、切欠き部43a5は底板部24の外周側の貫通孔24d近傍に位置するように配置される。
【0042】
他方のLED光源モジュール44の基板43bは、内周側の一方の角部を略L字状に切り欠いた形状である。すなわち、基板43bは、内周側の周方向一端を略L字状に切り欠いた切欠き部43b1を有する。基板43bは、円周方向の両端部において、径方向に沿って形成された、切欠き部43b1に連設される一方の端部43b2と、他方の端部43b3とを有する。当該他方の端部43b3の径方向中央部には、底板部24の挿通孔24bに対応するように略半円状に切り欠いた切欠き部43b4を有する。基板43bの外周側には、端部43b3に近い方から順に直線状に切り欠いた切欠き部43b5と切欠き部43b6を有する。基板43bは、受光窓24cに対応するオーバル状の開口である受光窓43b7を有する。一方の基板43aは、切欠き部43a1と切欠き部43a4とが同じ端部(端部43a2)に形成され、他方の基板43bは、切欠き部43b1と切欠き部43b4とが異なる端部(端部43b2と端部43b3)にそれぞれ形成される。
【0043】
基板43a及び基板43bでは、それぞれの内周側の周方向一端を切り欠いた切欠き部43a1及び切欠き部43b1、外周側を直線状に切り欠いた切欠き部43a5及び切欠き部43a6、切欠き部43b5と切欠き部43b6を設けている。これにより、図14に示すように、基板素材(元基板)をカットして複数の基板を作製する際に、切欠き部43a1及び切欠き部43b1に基板43a及び基板43bの外周側の周方向の一端を配置することで、効率的に切り取り可能となり、基板素材の廃棄する部分が少なく、製造コストが抑えられる。
【0044】
各LED光源モジュール44の基板43(43a、43b)には、径方向中央部において、周方向に沿って複数(本実施形態では、基板43a、43bにそれぞれ2つずつ)のネジ孔等のネジ固定部46を有している。ネジ固定部46は、LED光源モジュール44を器具本体21にネジ部材により直接固定するためのネジ固定部46aと、器具本体21に保護カバー91とLED光源モジュール44をネジ部材で共締めするためのネジ固定部46bとを有する。
【0045】
基板43(43a、43b)には、底板部24の光源取付部24aに設けられた複数(本実施形態では、4つ)の円形状の凸部24gに係止されて位置決めするための円形状の複数(本実施形態では、基板43a、43bにそれぞれ2つずつ)の貫通孔47が径方向中央部において周方向に沿って設けられている。
【0046】
各LED光源モジュール44は、円周方向における、端部43a2と端部43b3、端部43a3と端部43b2を対向させて光源取付部24aに配置される。また、各LED光源モジュール44には、端部43a3と端部43b2とを対向させた配置した際に、電源部31から延びる配線を電気的に接続するための接続部であるコネクタ45を有している。コネクタ45は、各LED光源モジュール44に配置された複数のLED素子42に給電するためのコネクタである。コネクタ45は、図4に示すように、平面視において電源部31と重なる位置に配置されている。また、各LED光源モジュール44間を電気的もしくは機械的に接続する接続部品により接続して複数のLED光源モジュール44を一つのユニットにすることもできる。略半円環状の2つのLED光源モジュール44を、端部同士を対向させて光源取付部24aに配置することにより、略円環状を成した光源部41を形成することができる。各LED光源モジュール44は、各々に対応する配線(図示せず)を各コネクタ45に接続することによって電源部31と電気的に接続されている。各LED光源モジュール44は、基板43の実装面の裏面が各光源取付部24aの平坦な表面に当接して固定されるため、各LED光源モジュール44が発熱した際には、LED光源モジュール44の熱が器具本体21や器具上部カバー61に伝わる。器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の温度よりも周辺温度が低い場合、器具本体21周辺の空気へ伝わる。これにより、器具本体21に伝わった熱は、器具本体21の周囲に放熱される。
なお、各LED光源モジュール44は、熱伝導性シート(図示せず)や放熱グリスを介して光源取付部24aに取り付けてもよく、これにより、より高い放熱性を得ることができる。
【0047】
また、本実施形態では、光源として発光素子の一例である表面実装型のLED素子を用いたが、光源の種類はLED素子に限定されず、例えばCOB型発光モジュールや有機EL素子(OLED)などであっても実現可能である。
また、基板43a及び基板43bのそれぞれには、径方向の中央部に複数(本実施形態では、2つ)の円形状の貫通孔47が設けられている。例えば、図6のように光源取付部24aに複数の円形状の凸部24g(本実施形態では、4つ)を有するように器具本体21を設けた場合には、凸部24gに貫通孔47を係止させて位置決めすることも可能である。基板43が有する貫通孔47を、光源取付部24aが有する凸部24gに係止させることで、容易にLED光源モジュール44を光源取付部24aにおける所定の位置に配置することができる。
【0048】
本実施形態のLED光源モジュール44では、略同心円状(基板43の径方向内側、径方法外側の2列)に複数のLED素子42が配列されている。
【0049】
透光性カバー51は、器具本体21の照射面側を覆うように器具本体21に取り付けられ、光源部41からの光を反射及び拡散させつつ、外部へ配光する部材である。透光性カバー51は、セード等を含む。透光性カバー51は、透光性を有する樹脂素材で形成されている。透光性カバー51の全体形状は、平面形状が円形であり、下面側に緩やかにドーム状に膨らんでいる。透光性カバー51は、透光性カバー51の内部の清掃や器具本体21の部品交換等のために器具本体21に対して着脱できる構造となっている。透光性カバー51の上面側の開口縁部には、透光性カバー51を器具本体21が有する鍔部27に取り付けるための被保持部52が形成されている。なお、本実施形態における透光性カバー51の形状は一例であって、ドーム状の他、円筒状や角筒状などにすることもできる。
【0050】
器具本体21には、透光性カバー51の被保持部を保持するための取付金具である保持部29が設けられている。詳細は省略するが、透光性カバー51を器具本体21の取り付け位置に配置して透光性カバー51の周方向の一方に回動させると、透光性カバー51の被保持部52が器具本体21の保持部29に保持されて透光性カバー51が器具本体21に取り付けられる。また、透光性カバー51が器具本体21に取り付けられた状態で透光性カバー51を周方向の他方に回動させると、透光性カバー51の被保持部52が器具本体21の保持部29から外れて、透光性カバー51を器具本体21から取り外すことができる。
【0051】
器具上部カバー61は、器具本体21の取付面側の少なくとも一部(例えば、収容部26)を覆う部材である。器具上部カバー61は、平面視において外形形状が円形で断面視において上方に向けて凹状であり、取付面側に突出して形成されている。本実施形態では、器具上部カバー61は、電源部31の取付面側の全体及び取付部71の取付面側の一部を覆っている。器具上部カバー61は、平面視における外形輪郭形状が略円形状である。器具上部カバー61は、照射面側に器具本体21及び取付部71等を保持するものである。器具上部カバー61は、器具本体21が有する収容部26の取付面側に取り付けられる。また、器具上部カバー61の照射面側の中央部には、アダプタ等の配線部品110を取り付けるための取付部71が取り付けられる。器具上部カバー61は、取付孔64、周縁部65、天板部66、周壁部67、及び該周壁部67の周囲に形成される器具取付部68を有し、単一の部材として一体的に形成されている。器具上部カバー61は、器具本体21及び取付部71等を保持可能な耐久性や強度と、電源部31及び光源部41が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、鉄やアルミニウム、またはそれらの合金等の金属板を用いて形成されている。なお、器具上部カバー61は、耐久性、強度及び放熱性が高い材料であれば、先述した金属材料に限らず、その他の合金材料や樹脂等の他の材料で形成することができる。
なお、本実施形態においては、周縁部65、天板部66、周壁部67、及び器具取付部68を器具上部カバー61として一体的に形成しているが、特に限定するものではなく、上記各構成部材を各々組み付けて構成してもよい。
【0052】
取付孔64は、照明器具11を天井に取り付ける際、アダプタ等の配線部品110を挿通する円形の開口部分である。取付孔64は、器具上部カバー61の径方向中心となる位置に設けられている。
【0053】
周縁部65は、取付孔64の周縁部分であり、取付部71の一端(上端)が取り付けられる部分である。周縁部65は、下方に向けて突出し、所定幅を有する円環状の部分である。周縁部65には、取付部71が有する爪部74が嵌合するための貫通孔65aが設けられている。本実施形態では、周縁部65の周方向に沿って等間隔に配置された複数(本実施形態では、2つ)の貫通孔65aを設けた。周縁部65には、取付部71をネジ部材などの固定部材により固定するための複数(本実施形態では、2つ)の第1ネジ固定部65bが設けられている。取付部71が有する爪部74が周縁部65に設けられた貫通孔65aに嵌合することで該取付部71が周縁部65の所定の位置に位置決めされるとともに、取付部71が第1ネジ固定部65bに固定部材により固定される。すなわち、取付部71は、爪部74を貫通孔65aに嵌合することで仮止めされ、固定部材により周縁部65が有する第1ネジ固定部65bに固定される。
【0054】
周縁部65には、QLスタット用の一対の切除可能なノックアウト部65cが設けられている。ノックアウト部65cは、大径部65c1、該大径部65c1に連設するスリット部65c2からなる。照明器具取付用の取付金具であるQLスタットを用いて照明器具11を取付面に取り付ける場合に、ノックアウト部65cをドライバー等の先端で打ち抜くことで、ノックアウト部65cを貫通させて取付孔を形成することができる。
【0055】
天板部66は、周縁部65の周囲に円環状に形成された平坦部分である。
【0056】
周壁部67は、天板部66の外周縁から下方に行くに従って拡径されるテーパ状の部分である。
【0057】
器具取付部68は、周壁部67の下端の四方から径方向外側に延出される鍔状の部分である。器具取付部68は、周壁部67の下端の周囲に略均等間隔に複数(本実施形態では、4つ)設けられる。また、複数の器具取付部68は、周壁部67の周方向において、複数(本実施形態では、4つ)の切欠き部69と交互に配置されている。器具取付部68は、ネジ固定部68aを有し、固定部材により器具本体21の鍔部27に取り付けられる。
【0058】
器具取付部68の切欠き部69は、その周方向の長さ寸法が緩衝材30の長手方向の長さ寸法に対応しており、器具上部カバー61を器具本体21に取り付けた際に、器具本体21の鍔部27における切欠き部69の位置を基準として、緩衝材30を器具本体21の鍔部27の所定位置に取り付けることができる。これにより、緩衝材30の取付位置(貼り付け位置)の視認性を向上させることができる。すなわち、器具本体21の鍔部27における緩衝材30の位置決めが容易にできる。
【0059】
具体的には、緩衝材30は、平面視略円弧状の切欠き部69の頂部と近接した状態で、器具本体21の鍔部27の内周近傍に取り付けられている。緩衝材30は、細長い直方体であり、緩衝材30の長手方向が器具本体21の径方向と直交するように器具本体21の鍔部27に取り付けられる。緩衝材30を光源部41が保持されている器具本体21に取り付けることは、器具本体21のガタツキを防止して光源部41の位置も安定させるため、好ましい。
【0060】
器具上部カバー61は、取付部71を取り付けた状態で、器具取付部68が器具本体21の鍔部27の内周近傍に当接されて取り付けられる。器具上部カバー61が平面視で収容部26と重なるように器具本体21に取り付けられることで、取付部71の一部が器具本体21の開口部22から露出するように配置される。また、器具上部カバー61と収容部26(底板部24)により所定の空間が形成され、該空間に電源部31及び取付部71を収容するための高さ及び幅が確保される。器具上部カバー61内においては、電源部31(電源ケース35)が取付部71と隣り合うように配置される(図11参照)。
【0061】
取付部71は、引掛シーリングアダプタ等の配線部品110を取り付ける部分である。図10に示すように、取付部71は、器具本体21が有する開口部22より大径の円筒部72と、該円筒部72の一端(上端)から径方向内側に延出される円環部73を有している。該円環部73には、取付部71の一端(上端)をネジなどの固定部材により器具上部カバー61の第1ネジ固定部65bに固定するためのネジ固定部75が設けられている。円環部73の取付面側には、器具上部カバー61(周縁部65)に設けられた貫通孔65aに嵌合する複数(本実施形態では、2つ)の爪部74が上方に突出して設けられている。複数の爪部74は、同一円周上に配置されている。爪部74は、器具本体21が有する貫通孔65aに嵌合させることができる。爪部74を貫通孔65aに挿通させた状態で取付部71を回動させることで、爪部74を貫通孔65aに嵌合させることができる。こうして、器具上部カバー61に取付部71を容易に取り付けることができる。当該嵌合後、取付部71は、ネジなどの固定部材により器具上部カバー61が有する周縁部65に固定される。取付部71は、器具本体21の収容部26と、器具上部カバー61との間に挟まれるように固定される。
【0062】
円環部73には、一対のノックアウト部65cに対応する位置に長孔77が設けられている。これにより、一対のノックアウト部65cを切除することで、QLスタット用の取付孔を形成することができる。
【0063】
円筒部72には、電源部31の給電側コネクタ部37を組み合わせることが可能な給電側コネクタガイド部76が設けられている(図10参照)。給電側コネクタ部37は、給電側コネクタガイド部76に組み合わせることで、給電側コネクタ34が取付部71の内部に配置される(図11参照)。
【0064】
照明器具11を天井に取り付ける一例としては、照明器具用の天井配線器具(引掛シーリングボディ)にアダプタ等の配線部品110を取付け、器具上部カバー61が有する取付孔64に配線部品110を差し込むとともに、該配線部品110を取付部71内に嵌合する。
【0065】
受信部81は、上述した電源部31の電源基板33上に配置されている。受信部81は、リモコン(図示せず)からの無線信号(本実施形態では赤外線による信号)を受信する部分である。受信部81は、受光部である受光素子82と、チャンネル切替スイッチ83を有している。受光素子82は、電源部31の電源基板33の長手方向中央部近傍に実装されている。受光素子82は、光源部41のLED素子42と同じ向き(受光素子82の受光面とLED素子42の発光面が同じ向きになる)になるように実装されている。チャンネル切替スイッチ83は、電源部31の電源基板33の照射面側で、その長手方向中央部であって、該電源基板33の円弧状の端部に実装されている。受光素子82は、平面視において器具本体21が有する受光窓24cと重なるように配置される。受信部81は、電源基板33に電気的に接続される。受光素子82は、使用者によって操作されるリモコンから送信される無線信号を伝送媒体としたリモコン信号を受信することができる。リモコンにより受光素子82に所定の信号を送信することで使用者はLED光源モジュール44(LED素子42)の点灯、消灯、調光等を遠隔操作できる。
また、本実施形態ではリモコン信号を受信する受信部81を設けたが、これに限らず、その他のセンサ制御方法を採用してもよい。また、無線信号による制御ではなく、有線での制御でもよく、その場合には受信部を設けなくてもよい。
【0066】
保護カバー91は、器具本体21と透光性カバー51との間において、光源部41を覆う部材である。保護カバー91は、光源部41と透光性カバー51との間に配置される。保護カバー91は、透光性を有しており、例えば透光性を有する樹脂素材で形成されている。保護カバー91は、平面視において略円環状の部材であって、図12図13に示すように、主に内周縁部92、光源カバー部93、及び外周縁部94を有している。保護カバー91は、器具本体21の底板部24の照射面側をほぼ覆うことができる。
【0067】
内周縁部92は、保護カバー91の中央に配置される略円環状の部分である。内周縁部92には、器具本体21の底板部24の内周側に設けられた貫通孔24dに嵌合するための複数(本実施形態では、2つ)の鉤状の爪部92aが設けられている。爪部92aは、底板部24の内周側の貫通孔24dの端部を挟持することができる。爪部92aが貫通孔24dに嵌合された場合、保護カバー91の内周縁部92は、器具本体21の底板部24の内周縁部の照射面側に当接もしくはほとんど隙間を有しない状態で近接する。
【0068】
光源カバー部93は、平面視円環状であり、内周縁部92の径方向外側に連続して形成され、光源部41に対して所定の隙間を有する部分である。光源カバー部93は、内周側から順に、平面視円環状で凸状の第1レンズ部95と、第1レンズ部95の径方向外側に連続して形成される所定幅を有する平面視略円環状の平坦部96と、平坦部96の径方向外側に連続して形成される平面視円環状で凸状の第2レンズ部97を有している。本実施形態の第1レンズ部95及び第2レンズ部97は、断面視逆U字状を有する形状に形成される。第1レンズ部95は、LED光源モジュール44の基板43において略同心円状に配列された複数のLED素子42うち、径方向内側に配置されたLED素子42と平面視で重なる位置に配置される。第2レンズ部97は、LED光源モジュール44の基板43において略同心円状に配列された複数のLED素子42のうち、径方向外側に配置されたLED素子42と平面視で重なる位置に配置される。
【0069】
第1レンズ部95及び第2レンズ部97は、複数のLED素子42から出射された光が通過した際に、光を反射及び拡散させつつ、外部へ配光する。こうして、第1レンズ部95及び第2レンズ部97は、透光性カバー51における光の均整度を高めることができる。
【0070】
保護カバー91は、第1レンズ部95及び第2レンズ部97により配列された複数のLED素子42に沿って連続的に覆っているため、LED素子42の配置数が変更になった場合であっても対応可能であり、汎用性に優れる。
【0071】
平坦部96は、LED光源モジュール44の基板43と対向する面側(取付面側)において、上方に凸状の第1突出部96aを有している。第1突出部96aは、LED光源モジュール44の基板43a、43bの隣り合う端部(例えば、端部43a3と端部43b2)に対応する位置に配置される。すなわち、第1突出部96aは、隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43bの端部の両方と平面視で重なるように設けられている。第1突出部96aは、平坦部96において、径方向の略中央に配置される。第1突出部96aは、略直線状の貫通孔である長孔96bの周囲を囲う枠状に形成される。保護カバー91が光源取付部24aに取り付けられた際には、第1突出部96aは、基板43a、43bの端部の両方に当接する。このように保護カバー91に第1突出部96aを設けたことで、LED光源モジュール44の基板43a、43bの端部付近と器具本体21(光源取付部24a)との密着性を確保するとともに、隣り合うLED光源モジュール同士が重なり合った状態で固定される等の組立不良を防止することができる。また、第1突出部96aを基板43a、43bを器具本体21側に押圧するように設けて、より基板43a、43bの端部付近と器具本体21との密着性を高めることもできる。また、LED光源モジュール44(基板43a、43b)の一部を押圧するように第1突出部96aを設けているため、光源取付部24a上において保護カバー91を多少回動させて取り付けた場合であっても、LED光源モジュール44の基板43a、43bの表面を摺動する部分を少なくすることができる。
なお、本実施形態では、1つの第1突出部96aを設けているが、LED光源モジュール44の枚数等に応じて、複数設けてもよい。また、本実施形態では、第1突出部96aを枠形状に、隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43bの端部の両方にわたって当接するように設けたが、これに限られない。例えば、第1突出部96aを複数設けて、基板43a、43bの端部にそれぞれ当接する柱状などの第1突出部96aを設けてもよい。
【0072】
また、上述したように、枠形状の第1突出部96aの枠内に貫通孔である長孔96bを設けている。長孔96bは、隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43bの端部(具体的には、端部43a3と端部43b2)と、平面視で重なる位置に設けられる。作業者は、長孔96bを通して、隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43bの端部の一部を視認することができる。これにより、隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43b同士の取付状態が、基板43a、43b同士の重なりや位置ズレ等がなく、適正であるかどうかを目視にて確認することができる。
【0073】
平坦部96は、取付面側において、上方に凸状の第2突出部96cを有している。第2突出部96cは、略四角形枠状に形成され、電源回路部32と光源部1とを電気的に接続する電線を挿通するための電線挿通部(挿通孔24b、切欠き部43a4、切欠き部43b4、挿通孔35a1)及び受光孔部(受光窓43b7、受光窓24c、受光窓35a2)を囲う。第1突出部96aと第2突出部96cとは、平面視略円形状の保護カバー91の中心に対して対向して配置される。保護カバー91が光源取付部24aに取り付けられた際には、第2突出部96cは、LED光源モジュール44の基板43の照射側面に当接する。これにより、電線挿通部や受光孔部などから侵入した虫や埃が保護カバー91内を広範囲に移動することを防止する。
【0074】
第2突出部96cの内部には、第2突出部96c内のほぼ半分の領域において照射面側に凸状に向かって膨らむ形状で平面視略長方形状の凸部98を有している。凸部98は、上述した電源挿通部及び基板43に設けられたコネクタ45(図6参照)に対応する位置に設けられ、取付面側に電源挿通部から延びる配線及び基板43に設けられたコネクタ45を収容する所定の空間を有している。これにより、平坦部96と電源挿通部から延びる配線やコネクタ45との干渉を防ぐことができる。
【0075】
平坦部96には、上述した基板43が有する、ネジ部材により直接固定するためのネジ固定部46aに対応した位置に周方向に延びる長凸部99を有している。長凸部99は、照射面側に凸状に向かって膨らむ形状である。長凸部99は、ネジ固定部46aに固定されたネジ部材等の頭部を収容する所定の空間を有している。これにより、平坦部96とネジ部材等の頭部との干渉を防ぐことができる。
【0076】
平坦部96には、固定部材により保護カバー91、LED光源モジュール44の基板43a・43b、及び器具本体21を共締めするための貫通孔であるネジ固定部96dが設けられている。ネジ部材により器具本体21のネジ固定部24f、LED光源モジュール44のネジ固定部46a、及び保護カバー91のネジ固定部96dを介して、器具本体21とLED光源モジュール44と保護カバー91は共締めされる。これにより、器具本体21とLED光源モジュール44との密着性を高めるとともに、LED光源モジュール44と保護カバー91との位置を適正に配置することができる。また、それぞれ個別に固定しないため、ネジやビス等の固定部材の使用量が減り、部品点数を少なくして製造コストの低減が図れる。
【0077】
外周縁部94は、光源カバー部93(第2レンズ部97)の周囲に連続して形成される略円環状の部分である。外周縁部94には、器具本体21の底板部24の外周側に設けられた複数の貫通孔24dに嵌合するための複数(本実施形態では、2つ)の鉤状の爪部94aが設けられている。爪部94aは、底板部24の外周側の貫通孔24dの端部を挟持することができる。爪部94aが貫通孔24dに嵌合された場合、保護カバー91の外周縁部94は、器具本体21の底板部24の外周縁部の照射面側に当接もしくはほとんど隙間を有しない状態で近接する。
【0078】
[LED光源モジュールの取付手順]
先ず、器具本体21の光源取付部24aに、LED光源モジュール44を載置する。その際に、複数のLED光源モジュール44の基板43の貫通孔47を光源取付部24aに設けた凸部24gに係止させて基板43を光源取付部24aの所定位置に配置するように位置決めする。
【0079】
次に、各LED光源モジュール44に対して、ネジ部材でネジ固定部46aを光源取付部24aのネジ固定部24fに直接取り付ける。これにより、各LED光源モジュール44は、各LED光源モジュール44のネジ固定部46aの周囲が器具本体21側に押圧されながら固定される。
【0080】
次に、保護カバー91の内周側の爪部92a及び外周側の爪部94aを器具本体21(底板部24)の貫通孔24dに合わせて、保護カバー91を回動させて、保護カバー91を器具本体21に仮固定する。
【0081】
次に、ネジ部材を用いて、保護カバー91のネジ固定部96d、各LED光源モジュール44のネジ固定部46b、光源取付部24aのネジ固定部24fを介して、保護カバー91、各LED光源モジュール44、器具本体21を共締めする。これにより、各LED光源モジュール44は、各LED光源モジュール44のネジ固定部46bの周囲が器具本体21側に押圧されながら固定される。
【0082】
また、保護カバー91を取り付けた際に、保護カバー91に設けられた第1突出部96a、第2突出部96cにより隣り合うLED光源モジュール44の基板43a、43bの端部の両方と当接する。加えて、保護カバー91の内周端部、外周端部の平面部は、各LED光源モジュール44に基板43を器具本体21側に当接、若しくは、ほとんど隙間を有しない状態で近接する。各LED光源モジュール44に基板43は、保護カバー91によって、基板43の端部付近が当接された状態で固定される。このようにして、各LED光源モジュール44の基板43は、そのネジ固定部周辺(径方向の中央部)、隣り合う基板43同士の端部の一部、内周端部及び外周端部が、器具本体21と当接して、基板43が全体的に器具本体21と密着した状態で取り付けられる。
【0083】
保護カバー91を器具本体21に取り付けた際に、光源カバー部93(第1レンズ部95)の内周近傍と、光源カバー部93(第2レンズ部97)の外周近傍とは、それぞれがLED光源モジュール44の基板43の内周端部及び外周端部に当接する。すなわち、LED光源モジュール44の基板43の内周端部及び外周端部は、器具本体21の光源取付部24aと光源カバー部93とにより挟持される。
【0084】
上述したように、器具本体21の貫通孔24dに保護カバー91の爪部92a、94aを嵌合させることによって、容易に器具本体21に保護カバー91を取り付けることができる。また、LED光源モジュール44の基板43の内周面側と外周面側の端部を器具本体21と挟持して、基板43と器具本体21との密着性を高めることができる。
【0085】
本実施形態の照明器具11において、電源部31は、取付部71に対向する電源ケース35の側面部に給電側コネクタ部37を有している。給電側コネクタ部37は、電源回路部32に配線を介して電気的に接続される給電側コネクタ34と、電源ケース35の側面部から取付部71側に突出して形成される給電側コネクタ保持部35eを有している。給電側コネクタ保持部35eは、給電側コネクタ部37の先端部分を挿通孔35fに挿通して、給電側コネクタ34を電源ケース35に保持している。給電側コネクタ部37は、取付部71の給電側コネクタガイド部76に組み合わせることで、給電側コネクタ34を取付部71の内部に配置することができる。
【0086】
給電側コネクタ部(給電側コネクタ)を取付部にあらかじめ設ける構成とした場合、電源部31と取付部71とは配線で接続された状態となり、組立時において取り回しが煩雑となる。また、配線作業のために、ある程度の長さの配線を用いなくてはならない。それに対して、本実施形態のように、給電側コネクタ部37を取付部71と組み合わせるだけで、給電側コネクタ部37を所望の位置に配置可能としたことで、組立作業を簡素化することができる。また、電源部から配線を延ばして取付部等の別部材に固定しないため、電源基板と給電側コネクタまでの配線距離を短く設定することができる。
【0087】
本実施形態の照明器具11において、電源部31は、給電側コネクタ部37とは反対側の電源ケース35の側面部にチャンネル切替スイッチ部38を有している。チャンネル切替スイッチ部38は、器具本体21の貫通孔25aに組み合わされて、チャンネル切替スイッチ部38が周壁部25の側面に露出される。チャンネル切替スイッチ部38は、貫通孔25aを介して器具本体21の照射面側に露出しており、ユーザーが照射面側から視認し易い。また、照明器具11の照射面側にチャンネル切替スイッチ部38が露出しているため、チャンネル設定作業がしやすい。
【0088】
本実施形態の照明器具11では、図6に示すように、LED光源モジュール44の基板43a、43bのそれぞれの内周側に切欠き部43a1、43b1、それぞれの外周側に切欠き部43a5、43b6を有する。器具本体21(底板部24)において上記の切欠き部に対応する位置において保護カバー91が有する内周側の爪部92a、外周側の爪部94aがそれぞれ嵌合する貫通孔24dが配置されている。これにより、LED光源モジュール44の基板43a、43bの内周側近傍と外周側近傍で、基板43a、43bの端部を固定することができ、基板43a、43bの端部付近の密着度を高めることができる。
【符号の説明】
【0089】
11 照明器具
21 器具本体
31 電源部
32 電源回路部
33 電源基板
34 給電側コネクタ
35 電源ケース
35e 給電側コネクタ保持部
41 光源部
61 器具上部カバー(器具カバー)
71 取付部
図1
図2
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