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特許7450103情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20240307BHJP
   G06F 16/335 20190101ALI20240307BHJP
   G06F 16/35 20190101ALI20240307BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06F16/335
G06F16/35
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023130424
(22)【出願日】2023-08-09
【審査請求日】2023-08-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 令和5年7月7日 ウェブサイトのアドレス https://about.paypay.ne.jp/career/hackathon/3rd/ 公開者 PayPay株式会社
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 勇輝
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115640938(CN,A)
【文献】国際公開第2014/068744(WO,A1)
【文献】特開2022-155034(JP,A)
【文献】特開2004-021605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成部と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成部によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記投稿情報を投稿した投稿者の感情を前記投稿情報から推定する推定部
を備え、
前記生成部は、
前記抽出部によって抽出された前記投稿情報のうち、前記推定部によって推定された前記投稿者の感情が所定のカテゴリに属する前記投稿情報を分類対象として前記指示文章を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記感情に応じて異なる前記文字列を含む指示文章を生成すること
を特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
評価対象を示す前記検索クエリに対応する前記投稿情報を抽出し、
前記生成部は、
前記投稿者の感情がネガティブであり、かつ、前記評価対象の不具合に関する前記投稿情報へ分類させる前記文字列を含む前記指示文章を生成すること
を特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成モデルは、
GPT(Generative Pretrained Transformer)モデルであること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成工程と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成工程によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出手順と、
前記抽出手順によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成手順と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成手順によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項8】
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成部と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成部によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供部と
を備え、
前記生成部は、
前記ユーザの属性毎に前記指示文章を生成し、
前記提供部は、
前記ユーザの属性毎に前記回答文章を提供すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成工程と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成工程によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供工程と
を含み、
前記生成工程は、
前記ユーザの属性毎に前記指示文章を生成し、
前記提供工程は、
前記ユーザの属性毎に前記回答文章を提供すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出手順と、
前記抽出手順によって抽出された前記投稿情報と、前記投稿情報を複数のカテゴリに分類させる旨を自然言語により指示する文字列とを含む指示文章を生成する生成手順と、
入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して前記生成手順によって生成された前記指示文章を入力して得られる回答文章であって、前記生成モデルによって前記投稿情報が複数のカテゴリに分類された前記回答文章を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ、
前記生成手順は、
前記ユーザの属性毎に前記指示文章を生成し、
前記提供手順は、
前記ユーザの属性毎に前記回答文章を提供すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、SNS(Social Network Service)に投稿された投稿情報を収集し、企業のブランドや製品等といった評価対象に対する評価結果を提供する技術がある。かかる技術では、投稿情報から評価対象に関する記述を抽出し、言語的・統計的な分析によって評価を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-135660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、評価対象に関する評価結果を提供するに過ぎず、投稿情報を適切に分類するうえで改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、投稿情報を適切に分類することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、抽出部と、生成部と、提供部とを備える。抽出部は、ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する。生成部は、抽出部によって抽出された投稿情報と、投稿情報を分類させる文字列とを含む指示文章を生成する。提供部は、入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して生成部によって生成された指示文章を入力して得られる回答文章を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに対して適切なコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る指示文章の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る提供画面の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る投稿情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る提供処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、実施形態に係る情報処理は、図1に示す情報処理装置1によって実現される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、SNS(Social Network System)サーバ200に投稿された投稿情報を分類する情報処理装置である。例えば、情報処理装置1は、SNSサーバ200に投稿された投稿情報群のうち、指定された評価対象の不具合に関する投稿情報を生成モデルを用いて分類する。
【0012】
生成モデルは、質問に対する回答文章を生成するように学習されたモデルであり、例えば、GPT(Generative Pretrained Transformer)モデルである。なお、生成モデルは、Transformer等の自然言語処理モデルであってもよい。
【0013】
サービス提供者端末100は、所定のサービスを提供する提供者の端末である。例えば、サービス提供者端末100は、情報処理装置1に対して、自社の製品やサービスに関する投稿情報の提供を依頼し、依頼結果をサービス提供者に対して提供(表示)する。なお、本実施形態において、所定のサービスは、電子マネー決済に関するサービスであるものとする。
【0014】
図1に示すSNSサーバ200は、各種SNS(Social Networking Service)を運営するサーバ装置である。SNSには、各ユーザによって各種投稿情報が投稿される。そのため、サービス提供者にとって投稿情報は、自社のサービスや製品に対するフィードバックを得ることができる。
【0015】
一方で、SNSサーバ200には、膨大な量の投稿情報が投稿されるため、サービス提供者が求める投稿情報を分類するのは容易ではない。そこで、実施形態に係る情報処理装置1は、生成モデルを用いて、投稿情報を分類することとした。なお、以下では、投稿情報からサービス提供者(企業)が提供するサービスの不満に関する投稿情報を分類する場合について説明する。なお、投稿情報は、一般ユーザによって投稿された各種情報を含み、例えば、口コミサイトへの投稿、ニュース記事への投稿等を含む。
【0016】
図1に示すように、情報処理装置1は、サービス提供者からサービス提供者端末100を通じて、投稿情報の分類依頼を受け付ける(ステップS1)。分類依頼は、サービス提供者がフィードバックを求めるサービスや製品に対応する検索クエリが含まれる。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、サービス提供者によって指定された検索クエリに対応する投稿情報をSNSサーバ200に投稿された投稿情報群から抽出する(ステップS2)。情報処理装置1は、投稿情報群のうち、例えば、サービス提供者によって指定された期間に投稿され、かつ、検索クエリでヒットする投稿情報を抽出する。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、抽出した投稿情報それぞれに対し、投稿者の感情を推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置1は、投稿情報のテキストから投稿者の感情を推定するように学習された推定モデルを用いて、各投稿情報から投稿者の感情を推定する。例えば、推定モデルは、投稿情報が入力された際に、投稿者の感情を30程度の感情に分類し、各感情の数値を出力するように学習されたモデルである。
【0019】
つづいて、情報処理装置1は、投稿情報を投稿者の感情に基づいてフィルタリングを行う(ステップS4)。本実施形態では、サービスに対する不満に関する投稿情報を分類するため、情報処理装置1は、抽出した投稿情報のうち、投稿者の感情がネガティブ(例えば、怒りや悲しみ)の投稿情報をフィルタリングによってさらに抽出する。より具体的には、情報処理装置1は、投稿者の怒りの数値が閾値を超える投稿情報をフィルタリングによって抽出する。
【0020】
このように、情報処理装置1は、検索クエリに対応する投稿情報から、投稿者の感情がネガティブ(例えば、怒りや悲しみ)の投稿情報を選別することにより、生成モデルに入力する情報を削減することができるので、生成モデルによる処理負荷を抑制することができる。なお、情報処理装置1は、投稿情報に対して感情によるフィルタリングを行うことなく、すべての投稿情報を生成モデルに入力するようにしてもよい。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、指示文章を生成する(ステップS5)。指示文章は、感情に応じて選別(フィルタリング)した投稿情報と、かかる投稿情報を生成モデルに分類させるための指示を示す文字列とを含む。なお、指示文章の具体例については、図2を用いて後述する。
【0022】
そして、情報処理装置1は、生成した指示文章を生成モデルに入力し、生成モデルから出力される回答文章に関する情報をサービス提供者端末100に対して提供する(ステップS6)。なお、サービス提供者に対して提供される提供画面については図3を用いて後述する。
【0023】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、投稿情報群から検索クエリに対応する投稿情報を抽出し、生成モデルを用いて、投稿情報を分類する。したがって、実施形態に係る情報処理装置1によれば、投稿情報を適切に分類することができる。
【0024】
次に、図2を用いて、実施形態に係る指示文章の一例について説明する。図2は、実施形態に係る指示文章の一例を示す図である。図2に示すように、指示文章Aは、文字列Taと、投稿情報Twとを含む。
【0025】
文字列Taは、投稿情報を分類させるための指示に関する文字列である。図2では、文字列Taが「以下のテキストを下位のカテゴリから一つ選び分類してください。カテゴリ;サービスのバグ、サービスに対する不満、質問、ユーザ間のトラブル」である場合を示している。なお、情報処理装置1は、かかる文字列Taについて、サービス提供者から指定を受け付けるようにしてもよい。
【0026】
指示文章Aに含まれる投稿情報Twは、分類対象となる投稿情報であり、検索クエリに対応する投稿情報のうち、投稿者の感情がネガティブな投稿情報である。なお、図2では、投稿情報Twを「投稿情報#1」、「投稿情報#2」、「投稿情報#3」のように抽象的に示しているが、各投稿者によって実際に投稿された投稿情報が含まれるものとする。
【0027】
次に、図3を用いて、サービス提供者へ提供される提供画面の一例について説明する。図3は、実施形態に係る提供画面の一例を示す図である。例えば、図3に示すように、提供画面Gは、「カテゴリ」、「投稿」、「感情」、「投稿日時」等の項目を有する。
【0028】
「カテゴリ」は、対応する投稿情報のカテゴリを示す。図3では、カテゴリとして「サービスに対する不満」や「サービスのバグ」を例示している。なお、カテゴリは、上述の例に限定されず、ユーザ間のトラブルなど、その他の項目を含んでいてもよい。「投稿」は、対応する投稿情報を示す。「感情」は、対応する投稿情報を投稿した投稿者の感情を示す。なお。図3では、「感情」として、怒りの感情の数値を示している。
【0029】
「投稿日時」は、対応する投稿情報が投稿された日時を示す。このように、提供画面Gは、各カテゴリ、投稿、感情および投稿日時に関する情報がサービス提供者へ提供される。
【0030】
これにより、サービス提供者は、提供画面Gを参照することにより、提供しているサービスへの不満に関する投稿情報を確認することができる。なお、図3に示す提供画面Gは、一例であり、提供する情報の内容やレイアウトを任意に変更するようにしてもよい。
【0031】
〔2.情報処理装置〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0032】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部2は、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、サービス提供者端末100、SNSサーバ200などの各々との間で情報の送受信を行う。
【0033】
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部3は、投稿情報記憶部31と、推定モデル記憶部32と、生成モデル記憶部33とを備える。
【0034】
投稿情報記憶部31は、SNSサーバ200へ投稿された投稿情報に関する情報である。図5は、実施形態に係る投稿情報記憶部31に格納される情報の一例を示す図である。図5に示すように、投稿情報記憶部31は、「投稿ID」、「投稿者情報」、「投稿内容」、「投稿日時」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0035】
「投稿ID」は、各投稿情報を識別するための識別子である。「投稿者情報」は、対応する投稿IDによって投稿された投稿者に関する情報であり、例えば、SNSサーバ200における投稿者のアカウント情報である。
【0036】
「投稿内容」は、対応する投稿IDによって識別される投稿情報に関する投稿内容であり、投稿者によって投稿されたテキスト、画像を含む。なお、「投稿内容」は、投稿情報に対して行われたリプライに関する内容を含むようにしてもよい。
【0037】
「投稿日時」は、対応する投稿IDによって識別される投稿情報が投稿された日時である。その他、投稿情報記憶部31は、投稿情報が投稿された位置が特定できる場合には、位置に関する情報をあわせて対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0038】
図4の説明に戻り、推定モデル記憶部32について説明する。推定モデル記憶部32は、推定モデルを記憶する。推定モデルは、投稿情報から投稿者の感情を推定するように学習されたモデルである。例えば、推定モデルは、学習段階において、投稿情報と、投稿者の感情とを紐づけた正解データによって学習を行う。
【0039】
生成モデル記憶部33は、生成モデルを記憶する。生成モデルは、例えば、GPTモデルであり、質問に対して回答文章を生成するモデルである。本実施形態において、生成モデルは、指示文章が入力された際に、指示文章に含まれる投稿情報を分類する。なお、情報処理装置1は、推定モデルおよび生成モデルについては、外部のサーバに格納されたモデルを用いるようにしてもよい。
【0040】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0041】
図4に示すように、制御部4は、受付部41と、抽出部42と、推定部43と、生成部44と、提供部45とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部4が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0042】
受付部41は、例えば、サービス提供者からサービス提供者端末100を通じて、投稿情報の分類依頼を受け付ける。例えば、分類依頼は、検索クエリ(評価対象)、分類内容(例えば、分類するカテゴリ)、分類対象とする投稿者の感情、投稿日時等に関する情報を含む。そして、受付部41は、サービス提供者から受け付けた分類依頼に関する情報を投稿者へ渡す。
【0043】
抽出部42は、ユーザ(投稿者)によって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する。例えば、抽出部42は、SNSサーバ200に投稿された投稿情報のうち、受付部41から受け取った分類依頼に含まれる検索クエリに対応する投稿情報を抽出する。
【0044】
なお、この際、抽出部42は、サービス提供者が投稿日時の指定を行っている場合には、指定された期間の投稿情報を抽出する。そして、抽出部42は、検索クエリに基づいて抽出した投稿情報を、投稿情報記憶部31に格納する。
【0045】
推定部43は、投稿情報を投稿した投稿者の感情を投稿情報から推定する。例えば、推定部43は、推定モデル記憶部32に記憶された推定モデルを用いて、抽出部42によって抽出された投稿情報の投稿者の感情を推定する。
【0046】
例えば、推定部43は、抽出部42によって抽出された投稿情報それぞれを推定モデルへ入力し、推定モデルの出力結果に基づいて、各投稿者の感情を推定する。そして、推定部43は、各投稿情報を感情に応じてフィルタリングを行う。
【0047】
例えば、推定部43は、抽出部42によって抽出された投稿情報から感情がネガティブな投稿情報をフィルタリングによって抽出する。そして、推定部43は、フィルタリングによって抽出した投稿情報に関する情報を生成部44へ渡す。なお、推定部43は、サービス提供者が指定した感情の投稿情報をフィルタリングによって抽出するなど、フィルタリングを行う際の感情については任意に変更可能である。
【0048】
生成部44は、抽出部42によって抽出された投稿情報と、投稿情報を分類させる文字列とを含む指示文章を生成する。生成部44は、抽出部42によって抽出された投稿情報のうち、推定部によって推定された投稿者の感情が所定のカテゴリに属する投稿情報を分類対象として指示文章を生成する。
【0049】
本実施形態において、生成部44は、投稿者の感情がネガティブであり、かつ、評価対象の不具合に関する投稿情報へ分類させる指示文章を生成する。具体的には、生成部44は、図2に示したような指示文章Aを生成する。
【0050】
なお、生成部44は、感情に応じて異なる文字列を含む指示文章Aを生成するようにしてもよい。例えば、サービス提供者が、自社のサービスに対して、ユーザが好意的に感じている投稿情報への分類を求めている場合、かかる分類を行うような文字列を含む指示文章Aを生成する。
【0051】
なお、この場合、生成部44は、あらかじめ登録された複数の文字列から、サービス提供者によって選択された文字列を含む指示文章Aを生成するようにしてもよく、例えば、サービス提供者が入力した文字列を含む指示文章Aを生成するようにしてもよい。
【0052】
そして、生成部44は、生成した指示文章Aを提供部45へ渡す。なお、生成部44は、例えば、投稿者に応じて、投稿情報を分類したうえで、分類した投稿情報それぞれの指示文章Aを生成するようにしてもよい。
【0053】
例えば、生成部44は、各投稿者の投稿情報の履歴から、投稿者の属性を推定し、投稿者の属性ごとに、投稿情報を分類したうえで、各指示文章Aを生成するようにしてもよい。投稿者の属性は、例えば、職業、年齢、年収、家族構成、住居地等を含む。例えば、生成部44は、各投稿者によって投稿された各投稿情報を、特徴ベクトルへ変換し、特徴ベクトルに応じて投稿者の属性を推定する。
【0054】
このように、生成部44は、投稿者の属性ごとに、指示文章Aを生成することにより、サービス提供者に対してより細かなフィードバックを行うことができる。
【0055】
提供部45は、質問に対する回答文章を生成する生成モデルに対して生成部44によって生成された指示文書を入力して得られる回答文章を提供する。例えば、提供部45は、生成モデル記憶部33に記憶された生成モデルに対して、生成モデルによって生成された指示文章Aを入力することで、生成モデルから指示文章Aに対する回答を受け取る。
【0056】
そして、提供部45は、生成モデルから受け取った回答に関するコンテンツを生成して、サービス提供者端末100に対して提供する。例えば、回答に関するコンテンツは、図3に示したように、「カテゴリ」、「投稿」、「感情」、「投稿日時」などといった項目の情報を含む。
【0057】
これにより、サービス提供者は、自社のサービスに対する各ユーザの不満などといった投稿情報を容易に入手することができる。より詳細には、従来手法では、投稿情報に対して形態素解析や構文解析などを施した解析結果から、予め評価表現として規定された文字列を検出することにより、所望の投稿情報を分類していた。そのため、投稿情報を分類するための精度が低いという課題があった。これに対して、本発明に係る手法では、生成型モデルの自然言語処理を応用することにより、人間が投稿情報の内容を理解したうえで行う分類の精度に、より近い精度での出力を得ることができるようになった。
【0058】
〔3.処理フロー〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る提供処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、サービス提供者による分類依頼を受けて、情報処理装置1によって繰り返し実行される。
【0059】
図6に示すように、情報処理装置1は、まず、投稿情報群のうち、検索クエリに対応する投稿情報を抽出する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置1は、抽出した投稿情報それぞれに対して、投稿者の感情を推定する(ステップS102)。
【0060】
次に、情報処理装置1は、推定した感情に基づいて投稿情報をフィルタリングする(ステップS103)。つづいて、情報処理装置1は、フィルタリング後の投稿情報に基づいて指示文章を生成し(ステップS104)、生成した指示文章を生成モデルに入力する(ステップS105)。
【0061】
そして、情報処理装置1は、生成モデルから出力された回答文章を、サービス提供者へ提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0062】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、情報処理装置1が、サービス提供者が指定した評価対象(検索クエリ)の不満に関する投稿情報を、生成モデルを用いて分類する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0063】
例えば、評価対象は、店舗や地域、人物など、任意の対象であってもよく、さらには、情報処理装置1は、評価対象に対する好意的な投稿情報や中立的な投稿情報を分類するような指示文章を生成するようにしてもよい。
【0064】
〔5.効果〕
実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する抽出部42と、抽出部42によって抽出された投稿情報と、投稿情報を分類させる文字列とを含む指示文章を生成する生成部44と、質問に対する回答文章を生成する生成モデルに対して生成部44によって生成された指示文書を入力して得られる回答文章を提供する提供部45とを備える。
【0065】
また、生成部44は、抽出部42によって抽出された投稿情報を複数のカテゴリに分類させる文字列を含む指示文章を生成する。また、情報処理装置1は、投稿情報を投稿した投稿者の感情を投稿情報から推定する推定部43を備え、生成部44は、抽出部42によって抽出された投稿情報のうち、推定部43によって推定された投稿者の感情が所定のカテゴリに属する投稿情報を分類対象として指示文章を生成する。
【0066】
また、生成部44は、感情に応じて異なる文字列を含む指示文章を生成する。また、抽出部42は、評価対象を示す検索クエリに対応する投稿情報を抽出し、生成部44は、投稿者の感情がネガティブであり、かつ、評価対象の不具合に関する投稿情報へ分類させる文字列を含む指示文章を生成する。また、生成モデルは、GPT(Generative Pretrained Transformer)モデルである。
【0067】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、投稿情報を適切に分類することができる。
【0068】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0069】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0070】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0071】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図7では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0072】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0073】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0074】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0075】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0077】
例えば、上述した情報処理装置は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0078】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0079】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 投稿情報記憶部
32 推定モデル記憶部
33 生成モデル記憶部
41 受付部
42 抽出部
43 推定部
44 生成部
45 提供部
100 サービス提供者端末
200 SNSサーバ
【要約】
【課題】投稿情報を適切に分類すること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、抽出部と、生成部と、提供部とを備える。抽出部は、ユーザによって投稿された投稿情報群から指定された検索クエリに対応する投稿情報を抽出する。生成部は、抽出部によって抽出された投稿情報と、投稿情報を分類させる文字列とを含む指示文章を生成する。提供部は、入力された文章に対する回答文章を生成する生成モデルに対して生成部によって生成された指示文章を入力して得られる回答文章を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7