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特許7450110ヘリウム検査装置およびヘリウム検査機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】ヘリウム検査装置およびヘリウム検査機器
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20240307BHJP
【FI】
G01M3/20 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023503091
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2021140324
(87)【国際公開番号】W WO2023000609
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】202110824783.5
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121670147.3
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523015976
【氏名又は名称】ウーシー リード インテリジェント エクイップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チアンピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ソン
(72)【発明者】
【氏名】スン、イーチョウ
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-209352(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110091269(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M3/00-3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘリウム検査装置であって、
ヘリウム注入機構(100a)であって、ヘリウム注入ステーションに設けられたヘリウム注入管(110a)を含み、シールノズル(20a)は前記ヘリウム注入管(110a)の一端に挿着することができるものと、
交換機構(200a)であって、供給ステーションに設けられた排出アセンブリ(210a)および回収ステーションに設けられた回収アセンブリ(220a)を含み、前記排出アセンブリ(210a)はシールノズル(20a)を排出するために用いられ、前記回収アセンブリ(220a)はシールノズル(20a)をピックアップするために用いられるものと、
シールノズルをクランプまたはアンクランプすることができるクランプアセンブリ(310a)を含むフィンガクランプ機構(300a)であって、前記クランプアセンブリ(310a)は、前記ヘリウム注入ステーション、出ステーション、および前記回収ステーションに移動可能であって、前記ヘリウム注入管(110a)に挿着されるシールノズル(20a)を交換するものと
を含み、
前記排出ステーションにおいて、前記クランプアセンブリ(310a)は、前記排出アセンブリ(210a)とのドッキングを完了するまで移動し、前記排出アセンブリ(210a)によって排出される新しいシールノズル(20a)をクランプすることができる、
ヘリウム検査装置。
【請求項2】
前記フィンガクランプ機構(300a)は、間隔を空けて配置された第1ステーション(301a)および第2ステーション(302a)を有し、かつ前記第1ステーション(301a)および前記第2ステーション(302a)にいずれも前記クランプアセンブリ(310a)が設置され、前記第2ステーション(302a)に位置する前記クランプアセンブリ(310a)は、前記排出アセンブリ(210a)から排出したシールノズル(20a)を捕捉して、シールノズル(20a)を前記ヘリウム注入管(110a)に移送するために用いられ、前記第1ステーション(301a)に位置するクランプアセンブリ(310a)は、前記ヘリウム注入管(110a)に挿着されるシールノズル(20a)を捕捉して、かつシールノズル(20a)を前記回収アセンブリ(220a)に移送するために用いられる、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項3】
前記クランプアセンブリ(310a)は、クランプされたシールノズル(20a)を前記ヘリウム注入管(110a)の軸方向に沿って移動するように駆動することができ、これにより、シールノズル(20a)を前記ヘリウム注入管(110a)に挿着し、またはシールノズル(20a)を前記ヘリウム注入管(110a)の一端から引き抜く、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項4】
前記クランプアセンブリ(310a)は、シールノズル(20a)を支持することができる支柱(311a)と、前記支柱(311a)の円周の周りに設置され、開閉可能なクランプジョー(312a)とを含む、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項5】
前記フィンガクランプ機構(300a)は、昇降アセンブリ(320a)をさらに含み、前記昇降アセンブリ(320a)は、前記クランプアセンブリ(310a)を駆動して前記支柱(311a)の軸方向に昇降させることができ、これにより、シールノズル(20a)は前記クランプジョー(312a)に突入するか、または前記クランプジョー(312a)から退出する、請求項4に記載のヘリウム検査装置。
【請求項6】
前記排出アセンブリ(210a)は、
シールノズル(20a)を格納するために用いられる排出管(211a)であって、前記排出管(211a)の一端に排出口が設けられ、複数のシールノズル(20a)は前記排出管(211a)に積み重ねられ、且つ重力の作用で前記排出口にスライドすることができるものと、
シールノズル(20a)が前記排出口からスライドするのを阻止する遮断状態と、シー
ルノズル(20a)が前記排出口からスライドするのを許容する開放状態とを有し、前記遮断状態と前記開放状態との間に切り替え可能な開閉部材(212a)とを含む、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項7】
前記開閉部材(212a)は突き上げブロック(2121a)と、排出シリンダ(2122a)とを含み、前記突き上げブロック(2121a)は前記排出シリンダ(2122a)の駆動端に設けられ、前記排出管(211a)の側壁にスライド可能に貫設され、前記排出シリンダ(2122a)は、前記排出管(211a)に突入するか、または前記排出管(211a)から退出するように前記突き上げブロック(2121a)を駆動でき、これにより、開閉部材(212a)を前記遮断状態と前記開放状態との間に切り替えることができる、請求項6に記載のヘリウム検査装置。
【請求項8】
前記排出管(211a)の、前記排出口から遠い端部の側壁に供給口(2111a)が設けられ、前記供給口(2111a)の内壁にプラグピン(2112a)が設置され、かつシールノズル(20a)が所定の向きで前記供給口(2111a)を通過する時、シールノズル(20a)における溝(21a)は、前記プラグピン(2112a)を逃がす、請求項6に記載のヘリウム検査装置。
【請求項9】
前記回収アセンブリ(220a)は、シールノズル(20a)を吸引し解放することができる吸引部材を含む、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項10】
駆動機構(400a)と、下部チャンバ機構(500a)とをさらに含み、前記フィンガクランプ機構(300a)は前記駆動機構(400a)によって駆動されて前記ヘリウム注入ステーション、前記排出ステーション、および前記回収ステーションまで移動可能であり、前記下部チャンバ機構(500a)は、前記フィンガクランプ機構(300a)と連動し、前記駆動機構(400a)によって駆動されて前記ヘリウム注入ステーションに移動可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載のヘリウム検査装置。
【請求項11】
前記ヘリウム注入機構(100a)は仕切り弁(120)をさらに含み、前記ヘリウム注入管(110a)の一端に注入口が設置され、前記仕切り弁(120)は、前記ヘリウム注入管(110a)の前記注入口から離れた端部に固定され、かつ、前記ヘリウム注入管(110a)と連通し、
前記ヘリウム検査装置は4位置2方弁(200)をさらに含み、給気口(210)および4つの排気口(220)を有し、前記給気口(210)は交互に前記4つの排気口(220)に導通することができ、
ここでは、前記給気口(210)は前記仕切り弁(120)によって前記ヘリウム注入管(110a)に接続され、前記4つの排気口(220)はそれぞれヘリウム充填装置、ヘリウム戻し装置、真空引き装置および真空破壊装置に接続するために用いられる、請求項1に記載のヘリウム検査装置。
【請求項12】
前記ヘリウム注入機構(100a)は固定ベース(130)を含み、前記ヘリウム注入管(110a)は前記固定ベース(130)に取り付けられ、かつ前記ヘリウム注入管(110a)は、前記固定ベース(130)に対して前記注入口の縦軸方向に沿って伸縮可能である、請求項11に記載のヘリウム検査装置。
【請求項13】
前記ヘリウム注入機構(100a)は、前記注入口の縦軸方向に沿って前記固定ベース(130)にスライド可能に取り付けられる取付板(140)と、弾性部材(150)とを含み、前記ヘリウム注入管(110a)は前記取付板(140)に固定設置され、前記弾性部材(150)は、前記注入口の縦軸方向に沿って前記取付板(140)に対して前記固定ベース(130)から離れる弾性力を提供する、請求項12に記載のヘリウム検査
装置。
【請求項14】
前記弾性部材(150)は圧縮バネであり、前記圧縮バネの予張力は調整可能である、請求項13に記載のヘリウム検査装置。
【請求項15】
前記ヘリウム注入管(110a)は、金属管状構造であることを特徴とする、請求項11に記載のヘリウム検査装置。
【請求項16】
前記ヘリウム注入機構(100a)は、圧力計(160)および3方ブロック(170)をさらに含み、前記ヘリウム注入管(110a)、前記仕切り弁(120)および前記圧力計(160)は、それぞれ、前記3方ブロック(170)の3つのポートと連通する、請求項11に記載のヘリウム検査装置。
【請求項17】
前記4位置2方弁は、電磁弁である、請求項11に記載のヘリウム検査装置。
【請求項18】
前記ヘリウム注入機構(100a)は複数であり、隣接する2つの前記ヘリウム注入機構(100a)は前記仕切り弁(120)を介して連通し、前記給気口(210)は前記ヘリウム注入機構(100a)のうちの1つの前記仕切り弁(120)に接続される、請求項11に記載のヘリウム検査装置。
【請求項19】
ガス接続ブロック(300)をさらに含み、前記ガス接続ブロック(300)は、第1ガスジョイント(310)、第2ガスジョイント(320)および第3ガスジョイントを有し、前記第3ガスジョイントは、前記ヘリウム注入機構(100a)のうちの1つの前記仕切り弁(120)に接続され、前記第1ガスジョイント(310)および前記第2ガスジョイント(320)は、それぞれ前記給気口(210)および隣接する前記ヘリウム注入機構(100a)の前記仕切り弁(120)に接続される、請求項18に記載のヘリウム検査装置。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のヘリウム検査装置を備える、ヘリウム検査機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年07月21日に出願された、「ヘリウム検査装置」と題された中国特許出願第202110824783.5号の優先権を主張し、および「ヘリウム注入装置およびヘリウム検査機器」と題された中国特許出願第202121670147.3号の優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は気密性検査技術分野に関し、特にヘリウム検査装置およびヘリウム検査機器に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な製品、例えば角型電池の生産加工過程において、気密性検査がよく必要で、ヘリウム検査はよく見られる気密性検査の手段である。ヘリウムの検査には、真空チャンバ内の被検査製品へのヘリウムガスの充填、ヘリウムガスの回収などの操作が必要である。ヘリウム注入管の端部には、一般的にシールノズルが挿着され、これによって、ヘリウム注入管が被検査製品のヘリウム注入口と良好な密封性を保証でき、ヘリウム注入過程の密封性を保証する。
【0004】
シールノズルは、一般的にシリコンゴム、ゴムなどのフレキシブルな材料で成形されており、複数回使用すると材料の疲労により故障して交換する必要がある。現在、シールノズルの交換は、通常、手作業で行われる。しかし、手動交換の方式は効率が悪く、正常な生産進度に悪影響を与える。
【0005】
また、従来のヘリウム検査機器は、上記の多段階操作に対応するため、複雑な管路を設置して接続および開閉制御を実現する必要がある。複雑な管路は構造が複雑であり、冗長な管路に大量のヘリウムガスを吸着しやすく、ヘリウムの検査精度に悪影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、上記問題に対して、シールノズルの交換効率を向上させることができるヘリウム検査装置およびヘリウム検査精度を向上させることができるヘリウム検査機器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的問題を解決するために、本出願が採用する一つの技術的解決手段は以下のとおりである:
ヘリウム注入機構であって、ヘリウム注入ステーションに設けられたヘリウム注入管を含み、シールノズルは前記ヘリウム注入管の一端に挿着することができるものと、
交換機構であって、供給ステーションに設けられた排出アセンブリおよび回収ステーションに設けられた回収アセンブリを含み、前記排出アセンブリはシールノズルを排出するために用いられ、前記回収アセンブリはシールノズルをピックアップするために用いられるものと、
シールノズルをクランプまたはアンクランプすることができるクランプアセンブリを含むフィンガクランプ機構であって、前記クランプアセンブリは、前記ヘリウム注入ステーション、前記排出ステーション、および前記回収ステーションに移動可能であって、前記ヘリウム注入管に挿着されるシールノズルを交換するものとを含むヘリウム検査装置を提供する。
【0008】
1つの実施例では、前記フィンガクランプ機構は、間隔を空けて配置された第1ステーションおよび第2ステーションを有し、かつ第1ステーションおよび第2ステーションにいずれも前記クランプアセンブリが設置され、前記第2ステーションに位置する前記クランプアセンブリは、前記排出アセンブリから排出したシールノズルを捕捉して、シールノズルを前記ヘリウム注入管に移送するために用いられ、前記第1ステーションに位置するクランプアセンブリは、前記ヘリウム注入管に挿着されるシールノズルを捕捉して、かつシールノズルを前記回収アセンブリに移送するために用いられる。
【0009】
1つの実施例では、前記クランプアセンブリは、クランプされたシールノズルを駆動して前記ヘリウム注入管の軸方向に沿って移動させることができ、これにより、シールノズルを前記ヘリウム注入管に挿着し、またはシールノズルを前記ヘリウム注入管の一端から引き抜く。
【0010】
1つの実施例では、前記クランプアセンブリは、シールノズルを支持することができる支柱と、前記支柱の円周の周りに設置され、開閉可能なクランプジョーとを含む。
【0011】
1つの実施例では、前記フィンガクランプ機構は昇降アセンブリをさらに含み、前記昇降アセンブリは、前記クランプアセンブリを駆動して前記支柱の軸方向に昇降させることができ、これにより、シールノズルは前記クランプジョーに突入するか、または前記クランプジョーから退出する。
【0012】
1つの実施例では、前記排出アセンブリは、
シールノズルを格納するために用いられる排出管であって、前記排出管の一端に排出口が設けられ、複数のシールノズルは前記排出管に積み重ねられ、且つ重力の作用で前記排出口にスライドすることができるものと、
シールノズルが前記排出口からスライドするのを阻止する遮断状態と、シールノズルが前記排出口からスライドするのを許容する開放状態とを有し、前記遮断状態と前記開放状態との間に切り替え可能な開閉部材とを含む。
【0013】
1つの実施例では、前記開閉部材は突き上げブロックと、排出シリンダとを含み、前記突き上げブロックは、前記排出シリンダの駆動端に設けられ、前記排出管の側壁にスライド可能に貫設され、前記排出シリンダは、前記排出管に突入するか、または前記排出管から退出するように前記突き上げブロックを駆動でき、これにより、開閉部材を前記遮断状態と前記開放状態との間に切り替えることができる。
【0014】
1つの実施例では、前記排出管の、前記排出口から遠い端部の側壁に供給口が設けられ、前記供給口の内壁にプラグピンが設置され、かつシールノズルが所定の向きで前記供給口を通過する時、シールノズルにおける溝は、前記プラグピンを逃がす。
【0015】
1つの実施例では、前記回収アセンブリは、シールノズルを吸引し解放することができる吸引部材を含む。
【0016】
1つの実施例では、駆動機構と、下部チャンバ機構とをさらに含み、前記フィンガクランプ機構は前記駆動機構によって駆動されて前記ヘリウム注入ステーション、前記排出ステーション、および前記回収ステーションまで移動可能であり、前記下部チャンバ機構は、前記フィンガクランプと連動し、前記駆動機構によって駆動されて前記ヘリウム注入ステーションに移動可能である。
【0017】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入機構は仕切り弁をさらに含み、前記ヘリウム注入管の一端に注入口が設置され、前記仕切り弁は、前記ヘリウム注入管の前記注入口から離れた端部に固定され、かつ、前記ヘリウム注入管と連通し、
前記ヘリウム検査装置は4位置2方弁をさらに含み、給気口および4つの排気口を有し、前記給気口は交互に前記4つの排気口に導通することができ、
ここでは、前記給気口は前記仕切り弁によって前記ヘリウム注入管に接続され、前記4つの排気口はそれぞれヘリウム充填装置、ヘリウム戻し装置、真空引き装置および真空破壊装置に接続するために用いられる。
【0018】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入機構は固定ベースを含み、前記ヘリウム注入管は前記固定ベースに取り付けられ、かつ前記ヘリウム注入管は、前記固定ベースに対して前記注入口の縦軸方向に沿って伸縮可能である。
【0019】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入機構は、前記注入口の縦軸方向に沿って前記固定ベースにスライド可能に取り付けられる取付板と、弾性部材とを含み、前記ヘリウム注入管は前記取付板に固定設置され、前記弾性部材は、前記注入口の縦軸方向に沿って前記取付板に対して前記固定ベースから離れる弾性力を提供する。
【0020】
1つの実施例では、前記弾性部材は圧縮バネであり、前記圧縮バネの予張力は調整可能である。
【0021】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入管は金属管状構造である。
【0022】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入機構は、圧力計および3方ブロックをさらに含み、前記ヘリウム注入管、仕切り弁および前記圧力計は、それぞれ、前記3方ブロックの3つのポートと連通する。
【0023】
1つの実施例では、前記4位置2方弁は電磁弁である。
【0024】
1つの実施例では、前記ヘリウム注入機構は複数であり、隣接する2つの前記ヘリウム注入機構は前記仕切り弁を介して連通し、前記給気口は前記ヘリウム注入機構のうちの1つの前記仕切り弁に接続される。
【0025】
1つの実施例では、ガス接続ブロックをさらに含み、前記ガス接続ブロックは、第1ガスジョイント、第2ガスジョイントおよび第3ガスジョイントを有し、前記第3ガスジョイントは、前記ヘリウム注入機構のうちの1つの前記仕切り弁に接続され、前記第1ガスジョイントおよび前記第2ガスジョイントは、それぞれ前記給気口および隣接する前記ヘリウム注入機構の前記仕切り弁に接続される。
【0026】
対応的に、本出願が採用する1つの技術的解決手段は、上述の好ましい実施例のいずれか1つに記載のヘリウム検査装置を含むヘリウム検査装置を提供することである。
【0027】
本出願の有益な効果は以下のとおりである。
【0028】
上記ヘリウム検査装置では、シールノズルを交換する必要がある場合、フィンガクランプ機構はまずクランプアセンブリをヘリウム注入ステーションに進入させてもよく、クランプアセンブリはヘリウム注入管とシールノズルを交換することによって、ヘリウム注入管に挿着された古いシールノズルを取り外すことができ、新しいシールノズルをヘリウム注入管に取り付け直すこともできる。回収ステーションにおいて、クランプアセンブリは古いシールノズルをアンクランプし、それを回収アセンブリに渡すことができる。一方、排出ステーションでは、クランプアセンブリは、排出アセンブリによって排出される新しいシールノズルを捕捉し、クランプすることができる。古いシールノズルの取り外しおよび新しいシールノズルの取り付けは、手作業に依存しないことが分かる。従って、上記ヘリウム検査装置は、シールノズルの自動交換を可能にし、シールノズルの交換効率を著しく向上させる。
【0029】
上記ヘリウム検査装置は、4位置2方弁を採用してヘリウム注入機構とヘリウム充填装置、ヘリウム戻し装置、真空引き装置および真空破壊装置を接続し、かつ4位2方弁の状態切り替えによって、ヘリウム充填、ヘリウム戻し、真空引きおよび真空破壊操作を実現するため、管路を著しく減少できる。また、仕切り弁はヘリウム注入管と直接連通し、管路をさらに減らすことができる。管路構造の減少は、ヘリウム注入機構の構造を簡単化し、メンテナンスを容易にする。より重要なことに、より少ない管路構造でもヘリウムガスの吸着を著しく低減することができ、それによってヘリウム検査の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本出願の好適な実施例におけるヘリウム検査装置の左側面図である。
図2図1に示すヘリウム検査装置における排出アセンブリの正面図である。
図3図1に示すヘリウム検査装置におけるフィンガクランプ機構および下部チャンバ機構の正面図である。
図4図3に示すフィンガクランプ機構および下部チャンバ機構の平面図である。
図5図3に示すフィンガクランプ機構および下部チャンバ機構の左側面図である。
図6】本出願の一実施例におけるシールノズルの構造を示す図である。
図7図1に示すヘリウム検査装置におけるヘリウム注入機構の左側面図である。
図8図7に示すヘリウム注入機構の背面図である。
図9】本出願の別の実施例におけるヘリウム注入機構の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本出願は、密封ボックスおよび静置装置を提供し、本出願の目的、技術的解決手段および効果をより明確にするために、以下、図面を参照しながら実施例を挙げて本出願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載の具体的な実施例は、単に本出願を説明するためのものであり、本出願を限定することを意図していないことを理解されたい。
【0032】
図1を参照すると、本出願の好適な実施例におけるヘリウム検査装置10aは、ヘリウム注入機構100a、交換機構200aおよびフィンガクランプ機構300aを含む。
【0033】
ヘリウム注入機構100aは、ヘリウム注入ステーションに設けられたヘリウム注入管110aを含む。注入ヘリウム管110aは、一般的に、例えば角型電池のような被検査ワークにヘリウムガスを注入するための金属管状構造である。本実施例では、具体的に、ヘリウム検査装置10aは、下部チャンバ機構500aをさらに含む。下部チャンバ機構500aは、真空ボックス510aおよび突き上げシリンダ520aを含み、角型電池は真空ボックス510a内に配置される。ヘリウム注入が行われるとき、下部チャンバ機構500aは、ヘリウム注入ステーションに配置され、ヘリウム注入管110aの下方に位置する。次に、突き上げシリンダ520aは、ヘリウム注入管110aが角型電池におけるヘリウム注入口と当接するまで、真空ボックス510aおよびその内部の角型電池を上昇させる。
【0034】
ヘリウム注入管110aとヘリウム注入口との間の良好な密封を維持するために、ヘリウム注入管110aの一端には、図6に示すように、シールノズル20aを挿着できる。シールノズル20aは、両端が開口した筒状構造を呈しており、一般的にシリコンゴム、ゴム等のフレキシブルな材料から成形されている。
【0035】
交換機構200aは、排出アセンブリ210aおよび回収アセンブリ220aを含む。ここでは、排出アセンブリ210aは供給ステーションに設けられ、かつシールノズル20aを排出するために用いられ、回収アセンブリ220aは、回収ステーションに設けられ、シールノズル20aをピックアップするためのものである。なお、排出アセンブリ210aが排出するシールノズル20aは新しいシールノズルであり、回収アセンブリ220aがピックアップするシールノズル20aは古いシールノズルである。
【0036】
図2と併せて参照すると、本実施例では、排出アセンブリ210aは、排出管211aおよび開閉部材212aを含む。ここで、排出管211aは、一般的に、金属、プラスチックなどの材料から成形可能な長尺の管状構造である。排出管211aはシールノズル20aを格納するために使用され、排出管211aの一端に排出口(図示せず)が設けられ、排出口は排出アセンブリ210aの出力端である。複数のシールノズル20aは、排出管211aに積み重ねられ、重力の作用で排出口にスライドすることができる。具体的には、排出管211aは、一般的に円筒状の管であり、その内壁が滑らかで、複数のシールノズル20aが排出管211aの延在方向に沿って積み重ねられる。排出アセンブリ210aは、実際の使用中、排出管211aが垂直方向に延び、その内部に格納されたシールノズル20aが重力の作用で排出口にスライドして排出を実現することができる。
【0037】
開閉部材212aは、シールノズル20aが排出管211aから排出されるか否かを制御するために用いられる。具体的には、開閉部材212aは、遮断状態および開状態を有し、遮断状態と開放状態との間に切り替え可能である。遮断状態では、開閉部材212aは、シールノズル20aが排出口から滑り出るのを阻止し、開放状態では、開閉部材212aは、シールノズル20aが排出口から滑り出るのを許容する。したがって、シールノズル20aを排出することが必要な場合には、開閉部材212aを開放状態に切り替えればよい。このとき、シールノズル20aは、他の駆動素子を補助することなく、重力の作用によって排出口に向かってスライドすることができ、それによって、排出アセンブリ210aの構造およびそれによるシールノズル20aの排出の過程を簡単化するのに役立つ。
【0038】
他の実施例では、排出アセンブリ210aは、ピストンプッシュ式、スクリュー送り式等、他の方法でシールノズル20aの排出を達成してもよいことを指摘されたい。
【0039】
また、本実施例では、開閉部材212aは、突き上げブロック2121aおよび排出シリンダ2122aを含む。突き上げブロック2121aは、排出シリンダ2122aの駆動端に設けられ、排出管211aの側壁にスライド可能に貫設し、排出シリンダ2122aは、突き上げブロック2121aを排出管211aに突入させるか、またはそこから退出させることができ、これにより、開閉部材212aを遮断状態と開放状態との間に切り替える。
【0040】
具体的には、排出管211aの側壁に貫通孔を開設し、突き上げブロック2121aを取り付けるために用いることができ、排出シリンダ2122aはシリンダ取付板(図示せず)によって排出管211aに対して固定設置することができる。排出シリンダ2122aは張り出し、突き上げブロック2121aを駆動して排出管211a内のシールノズル20aを突き止め、それが排出口から滑り落ちることを防止し、開閉部材212aはこのとき、遮断状態にあり、排出シリンダ2122aは後退し、突き上げブロック2121aを後退させることができ、この時、シールノズル20aは排出口から滑り落ち、開閉部材212aは開放状態にある。
【0041】
シールノズル20aは1個ずつ排出されるため、排出口の近傍にセンサ(図示せず)を設けることができ、センサは排出管211a内のシールノズル20aの動きを検出できる。開閉部材212aが開放状態に切り替わり、シールノズル20aの1つが排出口から落下すると、センサは、排出管211a内のシールノズル20aの動きを検出する。このとき、排出シリンダ2122aは再び張り出すことができ、開閉部材212aは遮断状態に切り替えられる。
【0042】
なお、他の実施例では、開閉部材212aは、フラップ、電磁弁等の他の構造であってもよいことを指摘されたい。
【0043】
再び図6を参照すると、シールノズル20aの両端の構造に違いがあるため、シールノズル20aは表裏を区別する必要がある。その後のシールノズル20aの自動交換を容易にするために、シールノズル20aを排出管211aに格納する際に、全てのシールノズル20aを所定の向きに積み重ねる必要がある。
【0044】
具体的には、本実施例では、排出管211aの排出口2111aから遠い端部の側壁に供給口2111aが設けられ、供給口2111aの内壁にプラグピン2112aが設置され、かつシールノズル20aが所定の向きで供給口2111aを通過する時、シールノズル20aにおける溝21aは、プラグピン2112aを逃がす。
【0045】
具体的には、シールノズル20aに、シールノズル20aの中央部からずれた溝21aがある。シールノズル20aが所定の向きで供給口2111aを通過すると、溝21aとプラグピン2112aとがちょうど待避するため、シールノズル20aが排出管211aに円滑に進入することができる。一方、シールノズル20aの向きが逆の場合、プラグピン2112aはシールノズル20aを止め、それを排出管211a内にうまく入れることができない。このように、排出管211aに入れられた全てのシールノズル20aは、所定の向きで供給口2111aを通過することしかできず、これにより、ミスの発生防止が実現される。
【0046】
具体的に、本実施例では、回収アセンブリ220aは、シールノズル20aを吸引し解放することができる吸引部材20aを含む。吸引部材は真空吸引ヘッドであってもよく、吸引部材に対して真空引き、真空破壊操作を行うことにより、回収アセンブリ220aがシールノズル20aを吸引し解放することができ、操作が容易である。明らかに、回収アセンブリ220aは、クランプなどによってシールノズル20aをピックアップすることもできる。
【0047】
フィンガクランプ機構300aは、シールノズル20aをクランプまたはアンクランプすることができるクランプアセンブリ310aを含む。クランプアセンブリ310aは、例えば、クランプジョー式、フック式、スナップ式など、様々なものであってもよい。図3と併せて参照すると、具体的に、本実施例では、クランプアセンブリ310aは、シールノズル20aを支持することができる支柱311aと、支柱311aの周囲に設置され、開閉可能であるクランプジョー312aとを含む。
【0048】
クランプジョー312aは、クランプジョーシリンダによって制御されることができ、給気または排気を制御することによって、クランプジョー312aの開閉を実現する。支柱311aは、一般的に、ヘリウム注入管110aの延在方向と一致する。シールノズル20aをより良好に位置決めするために、支柱311aの先端には、シールノズル20aを位置決めするためにシールノズル20aに挿入可能な突起(図示せず)が設けられる。クランプジョー312aが閉じると、シールノズル20aをクランプすることができる。クランプジョー312aが開くと、ノズル20aをアンクランプすることができる。支柱311aは、クランプジョー312aと協働し、シールノズル20aのクランプ効果を改善し、クランプアセンブリ310a上のシールノズル20aの位置を正しく調整できる。
【0049】
また、シールノズル20aの側壁における溝21aと嵌合するために、クランプジョー312aの内壁には、突起(図示せず)が設けられる。突出部は、溝21aと嵌合して、クランプアセンブリ310aによってクランプされる際の、シールノズル20aの確実性と信頼性を保証することができる。
【0050】
さらに、クランプアセンブリ310aは、ヘリウム注入ステーション、排出ステーション、および回収ステーションに移動可能であり、ヘリウム注入管110aに挿着されたシールノズル20aを交換する。
【0051】
具体的には、クランプアセンブリ310aは、それぞれヘリウム注入管110a、排出アセンブリ210a、および回収アセンブリ220aとシールノズル20aを交換することができる。ヘリウム注入ステーションにおいて、クランプアセンブリ310aはシールノズル20aをクランプした後、シールノズル20aをヘリウム注入管110aから遠ざけるように駆動することによって、ヘリウム注入管110aにおける古いシールノズル20aを引き抜くことができる。また、クランプアセンブリ310aは、それにクランプされた新しいシールノズル20aがヘリウム注入管110aに挿着されるまで、シールノズル20aをヘリウム注入管110aに向かって移動させるように駆動することもでき、クランプアセンブリ310aは、シールノズル20aをアンクランプしてヘリウム注入管110aから離れて、新しいシールノズル20aをヘリウム注入管110aに取り付けることができる。排出ステーションにおいて、クランプアセンブリ310aは、排出アセンブリ210aとのドッキングを完了するまで移動し、排出アセンブリ210aによって排出される新しいシールノズル20aをクランプすることができる。一方、回収ステーションにおいて、クランプアセンブリ310aは、クランプされた古いシールノズル20aを回収アセンブリ220aに向けて移動させ、その後、シールノズル20aをアンクランプして、それが回収アセンブリ220aによってピックアップされるようにする。
【0052】
本実施例では、クランプアセンブリ310aは、クランプされたシールノズル20aをヘリウム注入管110aの軸方向に移動させて、シールノズル20aをヘリウム注入管110aに挿着し、またはシールノズル20aをヘリウム注入管110aの一端から引き抜くことができる。
【0053】
このように、シールノズル20aは、取り付けおよび取り外しの過程で真上直下の移動経路を維持することができ、取り付けおよび取り外しの過程でシールノズル20aが過大に押圧されて破損するのを防止することができる。
【0054】
具体的に、本実施例では、フィンガクランプ機構300aは、クランプアセンブリ310aを支柱311aの軸方向に昇降させて、シールノズル20aをクランプジョー312aに突入させるか、または退出させることができる昇降アセンブリ320aをさらに含む。
【0055】
シールノズル20aを、それぞれヘリウム注入管110a、排出アセンブリ210a、および回収アセンブリ220aからクランプアセンブリ310aに移送するとき、昇降アセンブリ320aは、シールノズル20aがクランプジョー312aに突入して、支柱311a上に載るまで、クランプアセンブリ310aを上昇させる。次に、クランプジョー312aは閉じ、昇降アセンブリ320aはクランプアセンブリ310aを下降させればよい。一方、シールノズル20aをクランプアセンブリ310aからヘリウム注入管110aに移送するとき、昇降アセンブ320aは、まず、ヘリウム注入管110aがノズル20aに挿入されるまでクランプアセンブリ310aを上昇させる。次に、クランプジョー312aは開き、昇降アセンブリ320aはクランプアセンブリ310aを下降させ、シールノズル20aをクランプジョー312aの範囲から退出させればよい。
【0056】
なお、他の実施例では、昇降アセンブリ320aの代わりに多自由度のロボットなどの構成を採用してもよい。
【0057】
フィンガクランプ機構300aは、ヘリウム注入ステーションと、排出ステーションと、回収ステーションとの間でクランプアセンブリ310aを流動させるように、対応する駆動構造を設置してもよい。また、駆動構造を追加して設置し、且つ、全体的にフィンガクランプ機構300aを駆動してヘリウム注入ステーション、排出ステーションおよび回収ステーションの間を流動させてもよい。
【0058】
再び図1を参照すると、本実施例では、ヘリウム検査装置10aは、駆動機構400aをさらに含み、フィンガクランプ機構300aは、駆動機構400aによって駆動され、ヘリウム注入ステーション、排出ステーションおよび回収ステーションに移動可能である。駆動機構400aは、モータ、エアシリンダ、電動シリンダ等の動力素子と、これと組み合わされた伝動素子で構成することができる。
【0059】
具体的には、駆動機構400aは、サーボモータ(図示せず)、電動シリンダ(図示せず)、および移動板410aを含み、サーボモータと電動シリンダとが協働して移動板410aを所定の方向に移動させる。フィンガクランプ機構300aは、移動板410aに設けられ、移動板410aとともに移動することができる。これにより、フィンガクランプ機構300a自体の構成を簡単化することができる。
【0060】
具体的に、本実施例では、フィンガクランプ機構300aは、さらに、スクラップボックス330aが設置される。駆動機構400aがフィンガクランプ機構300aを供給ステーションに移動させると、スクラップボックス330aは回収アセンブリ220aと整列する。回収アセンブリ220aは、ピックアップされたシールノズル20aをアンクランプすることで、古いシールノズル20aをスクラップボックス330a内に落下させることができる。
【0061】
なお、他の実施例では、スクラップボックス330aは設けられなくてもよく、回収アセンブリ220aはスクラップボックスに接続される真空吸着管路であってもよく、吸引された古いシールノズル20aはスクラップボックス内に直接吸引される。
【0062】
さらに、本実施例では、下部チャンバ機構500aは、フィンガクランプ機構300aと連動し、駆動機構400aの駆動によりヘリウム注入ステーションに移動することができる。
【0063】
具体的には、下部チャンバ機構500aは、移動板410aに固定設置される。フィンガクランプ機構300aが駆動機構400aによって駆動されてヘリウム注入ステーションに入ると、下部チャンバ機構500aはヘリウム注入ステーションから自動的に出る。すなわち、駆動機構400aによって駆動され、下部チャンバ機構500aとフィンガクランプ機構300aは、交互に入ることしかできず、ヘリウム注入ステーションに同時に入ることができず、それによって両者の相互干渉を回避する。
【0064】
図5と併せて参照すると、具体的に本実施例では、下部チャンバ機構500aは、支持板530aおよびガイドロッド540aをさらに含む。ガイドロッド540aの一端は駆動機構400aの取付板に固定設置され、支持板530aはリニアベアリングを介してガイドロッド540aに設けられ、これにより、支持板530aがガイドロッド540aの延在方向に沿ってスライドする。真空ボックス510aは支持板530aに固定設置される。突き上げシリンダ520aは支持板530aと伝動接続され、支持板530aをガイドロッド540aに沿ってスライドさせ、真空ボックス510aを昇降させる。
【0065】
さらに、本実施例では、下部チャンバ機構500aは、ストップスクリュー550aをさらに含む。真空ボックス510aが所定の位置に上昇した後、ストップスクリュー550aは、真空ボックス510aを固定し、ヘリウム注入過程を安定に維持することができる。
【0066】
図4と併せて参照すると、本実施例では、フィンガクランプ機構300aは、間隔を空けて配置された第1ステーション301aおよび第2ステーション302aを有し、且つ、第1ステーション301aおよび第2ステーション302aにいずれもクランプアセンブリ310aが設けられ、第2ステーション302aに位置するクランプアセンブリ310aは、排出アセンブリ210aから排出されたシールノズル20aを捕捉し、シールノズル20aをヘリウム注入管110aに移送するために用いられ、第1ステーション301aに位置するクランプアセンブリ310aは、ヘリウム注入管110aに挿着されたシールノズル20aを捕捉し、シールノズル20aを回収アセンブリ220aに移送するために用いられる。
【0067】
すなわち、古いシールノズル20aの取り外しと新しいシールノズル20aの取り付けは、異なるクランプアセンブリ310aによって行われる。これにより、クロスコンタミネーションを回避することができる。
【0068】
次に、図1から図6を参照して、上記ヘリウム検査装置10aによるノズル20aの交換の流れを大まかに説明する。
【0069】
ヘリウム注入機構100aがヘリウム注入工程を実行する前に、フィンガクランプ機構300aは、駆動機構400aによって駆動されてヘリウム注入ステーションに入り、第1ステーション301aに位置するクランプアセンブリ310aをヘリウム注入管110aの端部と整列させる。次に、昇降アセンブリ320aはクランプアセンブリ310aを突き上げ、第1ステーション301aのクランプアセンブリ310aの支柱311aがシールノズル20aを支え、クランプジョー312aは閉じてシールノズル20aをクランプする。最後に、昇降アセンブリ320aが後退し、クランプアセンブリ310aを下方に移動させ、古いシールノズル20aを引き抜くことができる。
【0070】
古いシールノズル20aが引き抜かれた後、フィンガクランプ機構300aは駆動機構400aにより回収ステーションまで駆動され、第1ステーション301aに位置するクランプアセンブリ310aと回収アセンブリ220aとを整列させ、昇降アセンブリ320aは、古いシールノズル20aを回収アセンブリ220aに送るまで、クランプアセンブリ310aを再び突き上げる。次に、クランプジョー312aは開き、昇降アセンブリ320aが後退してクランプアセンブリ310aを下方に移動させ、古いシールノズル20aを回収アセンブリ220aに移送して回収することができる。
【0071】
古いシールノズル20aが回収された後、フィンガクランプ機構300aは駆動機構400aによって供給ステーションまで駆動され、第2ステーション302aに位置するクランプアセンブリ310aを排出アセンブリ210aの出力端とを整列させ、新しいシールノズル20aは排出管211a内から第2ステーション302aの支柱311aに落下し、クランプジョー312aは閉じてそれをクランプし、新しいシールノズル20aの供給を実現する。
【0072】
新しいシールノズル20aの供給が完了した後、クランプフィンガ機構300aは駆動機構400aの駆動によってヘリウム注入ステーションに入り、第2ステーション302aに位置するクランプアセンブリ310aをヘリウム注入管110aの末端と整列させ、昇降アセンブリ320aは、クランプされた新しいシールノズル20aがヘリウム注入管110a内に挿着されるまで、クランプアセンブリ310aを突き上げる。次に、クランプジョー312aは開き、昇降アセンブ320aが後退し、クランプアセンブリ310aを下方に移動させて、新しいシールノズル20aをヘリウム注入管110aの末端に取り付けることができる。
【0073】
明らかに、古いシールノズル20aを引き抜く前に、フィンガクランプ機構300aを供給ステーションに移動させ、新しいシールノズル20aを、第2ステーション302aに位置するクランプアセンブリ310aに移してもよい。第1ステーション301aに位置するクランプアセンブリ310aが、ヘリウム注入管110aにおける古いシールノズル20aを引き抜いた後、駆動機構400aは、第2ステーション302aに位置するクランプアセンブリ310aを直接駆動してヘリウム注入管110aの末端と整列させる。次に、昇降アセンブリ320aおよびクランプアセンブリ310aが動作して、新しいシールノズル20aをヘリウム注入管110aの末端に取り付ける。これにより、シールノズル20aの交換過程における駆動機構400aのストロークを低減でき、更なる効率向上に役立つ。
【0074】
他の実施例では、第1ステーション301aにおけるクランプアセンブリ310aを用いて新しいシールノズル20aの交換を行い、第2ステーション302aにおけるクランプアセンブリ310aを用いて古いシールノズル20aの回収を行ってもよいことを指摘されたい。このとき、第1ステーション301aにおけるクランプアセンブリ310aが新しいシールノズル20aを受け取ると同時に、第2ステーション302aにおけるクランプアセンブリ310aが古いシールノズル20aを回収アセンブリ220aに引き渡すことができ、これにより、シールノズル交換の効率をさらに向上させることができる。あるいは、フィンガクランプ機構300aにクランプアセンブリ310aを1つだけ設け、古いシールノズル20aの引き抜きと新しいシールノズル20aの取り付けとを同一のクランプアセンブリ310aによって行ってもよい。
【0075】
上記ヘリウム検査装置10aでは、シールノズル20aを交換する必要がある場合、フィンガクランプ機構300aはまずクランプアセンブリ310aをヘリウム注入ステーションに進入させてもよく、クランプアセンブリ310aはヘリウム注入管110aとシールノズル20aを交換することによって、ヘリウム注入管110aに挿着された古いシールノズル20aを取り外すことができ、新しいシールノズル20aをヘリウム注入管110aに取り付け直すこともできる。回収ステーションにおいて、クランプアセンブリ310aは古いシールノズル30aをアンクランプし、それを回収アセンブリ220aに移すことができる。一方、排出ステーションでは、クランプアセンブリ310aは、排出アセンブリ210aによって排出された新しいシールノズル20aを捕捉し、クランプすることができる。古いシールノズル20aの取り外しおよび新しいシールノズル20aの取り付けは、手作業に依存しないことが分かる。従って、上記ヘリウム検査装置10aは、シールノズル20aの自動交換を可能にし、シールノズル20aの交換効率を著しく向上させる。
【0076】
図7を参照すると、本出願は、ヘリウム注入機構100aを含むヘリウム検査装置(図示せず)を提供する。上記ヘリウム検査装置は、ヘリウム充填装置(図示せず)、ヘリウム戻し装置(図示せず)、真空引き装置(図示せず)および真空破壊装置(図示せず)をさらに含む。
【0077】
真空引き装置は被検査ワークを載せる真空ボックスを真空引きして、真空環境を形成するために用いられ、ヘリウム充填装置はヘリウムガスを供給し、且つヘリウム注入機構100aによってヘリウムガスを真空ボックス本体にある被検査ワーク、例えば角型電池内に注入する。所定の時間保圧した後、ヘリウム戻し装置はワーク内のヘリウムガスを回収し、且つ真空ボックス内のヘリウムガスの濃度を計算することによってワークの気密性を検査する。検査完了後、真空破壊装置は真空ボックス内の気圧を回復させる。具体的に、本実施例では、真空破壊装置はサイレンサである。
【0078】
図8と併せて参照すると、本出願の好適な実施例におけるヘリウム検査装置は、ヘリウム注入機構100aおよび4位置2方弁200を含む。ここで、ヘリウム注入機構100aは、ヘリウム注入管110aおよび仕切り弁120を含む。ヘリウム注入管110aは、一般的に、両端が開口した細長い直管状構造である。ヘリウム注入管110aの一端には、被検査ワークのヘリウム注入口と当接可能な注入口(図示せず)が設けられる。仕切り弁120は、ヘリウム注入管110aの注入口から遠い端部に固定され、ヘリウム注入管110aと連通する。被検査ワークに対してヘリウム検査を行う場合、ヘリウム注入機構から供給されるヘリウムガスは、仕切り弁120を介してヘリウム注入管110aに入り、ヘリウム注入管110aの注入口から被検査ワークに注入される。次に、仕切り弁120は閉じ、ヘリウムガスが注入された被検査ワークを保圧することができる。
【0079】
注入口とヘリウム注入口との間の密封性を向上させるために、注入口には、ゴム、シリコンなどのフレキシブルな材料で成形された部材であるヘリウム注入シールノズル20aがさらに取り付けられる。注入口とヘリウム注入口とが当接するとき、押圧によってヘリウム注入シールノズル20aを弾性的に変形でき、これにより、注入口とヘリウム注入口との間の隙間を埋め、より良好な密封作用を発揮する。
【0080】
具体的に、本実施例では、ヘリウム注入管110aは金属管状構造である。ヘリウム注入管110aは、ステンレス鋼などの金属材料で成形することができる。一方、金属管状構造は、ヘリウム注入過程にヘリウム注入管110aが変形するのを回避するために、強い機械的強度を有する。一方、金属管状構造は、ヘリウム注入管110a内のヘリウム吸収およびヘリウム蓄積現象を効果的に軽減することができ、ヘリウム検査精度の向上に有利である。
【0081】
具体的に本実施例では、ヘリウム注入機構100aは、圧力計160および3方ブロック170をさらに含み、ヘリウム注入管110a、仕切り弁120および圧力計160は、3方ブロック170の3つのポートにそれぞれ連通する。
【0082】
3方ブロック170は、3つのポートを有し、内部が中空のブロック構造であり、一般的に金属で成形される。圧力計160は、被検査ワーク内の気体圧力を検査することができ、それによって、被検査ワーク内に充填されるヘリウムガスの量の制御を容易にする。また、ヘリウム注入管110a、仕切り弁120および圧力計160は、3方ブロック170によって直結されており、互いに別途の配管を設けて連通させる必要がないため、ヘリウムガスの吸着をさらに低減することができる。
【0083】
4位置2方弁200は、給気口210および4つの排気口220を有し、給気口210は、4つの排気口220と交互に導通可能である。具体的には、4位置2方弁200は、4つの開閉状態を有し、特定の開閉状態では、給気口210に対応する1つの排気口220が導通し、他の排気口220と隔離される。さらに、4位置2方弁200は逆方向に接続され、給気口210は仕切り弁120によってヘリウム注入管110aに接続され、4つの排気口220はそれぞれヘリウム充填装置、ヘリウム戻し装置、真空引き装置および真空破壊装置に接続される。
【0084】
ヘリウム検査装置は、一般的に、支持の役割を果たす天板30を備えており、4位置2方弁200およびヘリウム注入機構100aは、いずれも天板30の表面に固定されることができる。ここでは、4位置2方弁200の給気口210は、配管(図示せず)を介して仕切り弁120と接続することができる。
【0085】
ヘリウム検査を行う際、4位置2方弁200の状態を切り替えることにより、ヘリウム充填、ヘリウム戻し、真空引きおよび真空破壊の操作が可能となるため、管路を著しく減らすことができる。また、仕切り弁120は、ヘリウム注入管110aと直接連通しており、管路をさらに減らすことができる。配管構造の減少により、ヘリウムガスの吸着を低減することができ、ヘリウム検査の精度を向上させることができる。
【0086】
具体的に、本実施例では、4位置2方弁200は電磁弁である。したがって、異なる電気信号を入力することにより、4位置2方弁200の開閉状態を切り替えることができるので、応答が速く、切替が容易である。明らかに、4位置2方弁200は、機械的制御によって、開閉状態を切り替えることもできる。
【0087】
再び図7を参照すると、本実施例では、ヘリウム注入機構100aは、固定ベース130を含み、ヘリウム注入管110aが固定ベース130に取り付けられ、固定ベース130に対してヘリウム注入管110aは注入口の縦軸方向に伸縮可能である。
【0088】
具体的に、固定ベース130は、ヘリウム検査機器の天板30に固定取り付け可能な支持機能を提供する。ヘリウム検査機器の動作時、ヘリウム注入管110aは、一般的に、垂直方向に延びているので、注入口の縦軸方向は、図7に示す上下方向である。
【0089】
ヘリウム検査の際、ヘリウム注入機構100aの下部にある真空ボックスは、内部の被検査ワークのヘリウム注入口がヘリウム注入管110aの注入口に当接するまで突き上げる。ヘリウム注入管110aは伸縮可能である。従って、ヘリウム注入口が注入口に当接すると、ヘリウム注入管110aを強制的に後退させ、それによって、ヘリウム注入管110aとヘリウム注入口とのリジッドな接触によるヘリウム注入管110aおよび被検査ワークの損傷を回避する。
【0090】
さらに、本実施例では、ヘリウム注入機構100aは、注入口の縦軸方向に沿って固定ベース130にスライド可能に取り付けられる取付板140と、弾性部材150とを含み、ヘリウム注入管110aは取り付け板140に固定設置され、弾性部材150は、注入口の縦軸方向に取付板140に対して固定ベース130から離れた弾性力を提供する。
【0091】
具体的には、取付板140は、図7に示す上下方向に延びるレールを介してスライダと嵌合するように固定ベース130にスライド可能に取り付けられる。また、弾性部材150の弾性力によって、ヘリウム注入口と注入口を効果的に密着し、両者間の密封効果をさらに向上させることができる。
【0092】
明らかに、他の実施例では、他の方法でヘリウム注入管110aを弾性的に伸縮可能にする。例えば、ヘリウム注入管110aに弾性変形可能なコルゲートセグメントを設ける。或いは、固定ベース130に固定されたシリンダを設け、ヘリウム注入管110aをシリンダの駆動端に固定して、固定ベース130に対するヘリウム注入管110aの伸縮を実現する。
【0093】
具体的に、本実施例では、弾性部材150は圧縮バネであり、圧縮バネの予張力は調整可能である。具体的には、圧縮バネは、固定ベース130と取付板140との間にクランプされる。ヘリウム注入口が注入口に当接すると、ヘリウム注入管110aは強制的に後退し、この圧縮バネをさらに圧縮する。圧縮バネの予張力を調整することによって、弾性部材150が提供できる弾性復元力の大きさを調整することができ、これにより、ヘリウム注入口と注入口との密着度を必要に応じて調整することができる。
【0094】
本実施例では、ヘリウム注入機構100aは複数であり、隣接する2つのヘリウム注入機構100aは、仕切り弁120を介して連通しており、給気口210は、一方のヘリウム注入機構100aの仕切り弁120に接続される。
【0095】
具体的には、ヘリウム充填装置によって供給されるヘリウムガスは、1つの4位置2方弁200によって複数のヘリウム注入機構100aに割り当てることができ、複数のヘリウム注入機構100aから回収されたヘリウムガスは、1つの4位置2方弁200を介してヘリウム戻し装置にまとめられる。このように、1つの4位置2方弁200を設けることにより、複数のヘリウム注入機構100aの動作過程を制御することができ、複数の被検査ワークに対して同時にヘリウム検査を行うことができる。
【0096】
さらに、本実施例では、ヘリウム注入機構100aはガス接続ブロック300をさらに含み、ガス接続ブロック300は、第1ガスジョイント310、第2ガスジョイント320および第3ガスジョイント(図示せず)を有し、第3ガスジョイントは、ヘリウム注入機構100aのうちの1つの仕切り弁120に接続され、第1ガスジョイント310および第2ガスジョイント320は、それぞれ給気口210および隣接するヘリウム注入機構100aの仕切り弁120に接続される。
【0097】
ガスブロック300は、金属で成形された中空構造であってもよい。具体的には、仕切り弁120自体はいくつかのジョイント(図示せず)を有し、ガス接続ブロック300は仕切り弁120における任意のジョイントと当接することができ、これによって仕切り弁120のポート数を拡張させ、隣接するヘリウム注入機構100aおよびヘリウム注入機構100aを4位置2方バルブ200に接続することを容易にする。
【0098】
図9に示すように、ヘリウム検査装置が1つのヘリウム注入機構100aを含むという実施例の場合、ガス接続ブロック300は省略することができる。このとき、4位置2方弁200の給気口210は、仕切り弁120がついたジョイントと直接接続することができる。
【0099】
上記ヘリウム検査装置は、4位置2方弁200を用いてヘリウム注入機構100aとヘリウム充填装置、ヘリウム戻し装置、真空引き装置および真空破壊装置を接続し、且つ4位置2方弁200の状態を切り替えることによって、ヘリウム充填、ヘリウム戻し、真空引きおよび真空破壊操作を実現し、したがって管路を著しく減少させることができる。また、仕切り弁120は、ヘリウム注入管110aと直接連通しており、管路をさらに減らすことができる。管路構造の減少は、ヘリウム注入機構の構造を簡単化し、メンテナンスを容易にする。より重要なことに、より少ない管路構造でもヘリウムガスの吸着を著しく低減することができ、それによってヘリウム検査の精度を向上させることができる。
【0100】
当業者であれば、本出願の技術的解決手段およびその思想に基づいて均等な置換または変更を加えることができ、そのような変更または置換は、本出願の特許請求の範囲の保護範囲に属するものと理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9