IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 先臨三維科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

特許7450114カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム
<>
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図1
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図2
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図3
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図4
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図5
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図6
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図7
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図8
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図9
  • 特許-カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/76 20230101AFI20240307BHJP
   A61B 1/24 20060101ALI20240307BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20240307BHJP
   H04N 23/12 20230101ALI20240307BHJP
【FI】
H04N23/76
A61B1/24
A61C19/04 Z
H04N23/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023513983
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2021113851
(87)【国際公開番号】W WO2022048460
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】202010904621.8
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518283252
【氏名又は名称】先臨三維科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHINING 3D TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1398 Xiangbin Road,Wenyan Street,Xiaoshan District,Hangzhou,Zhejiang 311258 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】申 松
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109883354(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/76
A61B 1/24
A61C 19/04
H04N 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラゲインを調整する方法であって、
測定対象物の現フレーム画像を取得するステップと、
現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップと、
前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間でカメラゲインを調整するステップと、を含み、
前記所定領域は、前記現フレーム画像における再構成に成功した領域であり、前記現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行する前に、前記方法は、さらに、
前記測定対象物の現フレームを3次元的に再構成するステップと、
再構成が成功した場合、前記現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、前記第一計算結果を取得するステップと、を含むことを特徴とする
カメラゲインを調整する方法。
【請求項2】
前記現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、前記第一計算結果を取得するステップは、
前記現フレーム画像における再構成が成功した領域内の各画素点のグレー値に基づいて、前記現フレーム画像のグレー画像を生成するステップであって、ここで、前記グレー値は、前記画素点の3つのチャンネルのグレー値の加重平均であるステップと、
前記グレー画像の所定領域内のすべての画素点の平均グレー値を計算し、前記再構成が成功した領域内で第一所定値より大きいグレー値を有する画素点の目標数を計数するステップと、
前記すべての画素点のグレー平均値と前記目標数の値に基づいて、前記第一計算結果が取得されるステップであって、ここで、前記第一計算結果は、画像の現グレー長期平均値、グレー短期平均値、および露出オーバーポイント比率の長期平均値を含むステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記3つのチャンネルのうち目標チャンネルに対応する重み値は、他の2つのチャンネルに対応する重み値よりも大きく、前記目標チャンネルは、前記測定対象物に投射された再構成光に対応するチャンネルであることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記輝度調整期間は、初期調整期間、安定期間、および異常期間のうちの1つを含み、異なる輝度調整期間では、対応する調整モードを使用して前記カメラゲインを調整し、ここで、前記現フレーム画像内のシーンが変化した場合、前記輝度調整期間は異常期間としてマークされることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記輝度調整期間が前記初期調整期間である場合、前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインを調整するステップは、
前記初期調整期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、
タイムアウトしない場合、前記グレー短期平均値と前記第一所定値との差が第一設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、
前記第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、前記輝度調整期間を前記初期調整期間として維持するステップと、
前記第一設定範囲内にある場合、前記カメラゲインは変化せず、前記輝度調整期間を前記安定期間とし、そして前記初期調整期間を終了させるステップと、
タイムアウトした場合、一般調整モードで前記カメラゲインを調整し、そして前記輝度調整期間を前記異常期間とし、前記初期調整期間を終了させるステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記輝度調整期間が前記異常期間である場合、前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間においてカメラゲインを調整するステップは、
前記異常期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、
タイムアウトしない場合、前記グレー短期平均値と第一設定値との差が第一設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、
前記第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを検証するステップと、
前記調整量が第二プリセット値を超えない場合、前記輝度調整期間を前記安定期間とし、そして前記異常期間を終了させるステップと、
調整量が第二プリセット値を超える場合、輝度調整期間を前記異常期間として維持するステップと、
前記第一設定範囲にある場合、前記カメラゲインを変更せず、そして前記輝度調整期間を前記安定期間として前記異常期間を終了させるステップと、
タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして前記輝度調整期間を前記安定期間として前記異常期間を終了させるステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記輝度調整期間が前記安定期間である場合、前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間においてカメラゲインを調整するステップは、
前記グレー長期平均値と第三設定値との差が第三設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、
第三設定範囲にある場合、前記露出オーバーポイント比率の長期平均値が第四設定値を超えるかどうかを検証するステップと、
前記第四設定値を超える場合、前記カメラゲインを下げ、前記輝度調整期間を前記安定期間として維持するステップと、
前記第四設定値を超えない場合、前記カメラゲインを変化させず、前記輝度調整期間を前記安定期間として維持するステップと、
第三設定範囲内にない場合、一般調整モードで前記カメラゲインを調整し、調整量が第五設定値を超えるかどうかを検証するステップと、
前記調整量が前記第五設定値を超える場合、前記輝度調整期間を前記異常期間とし、前記安定期間を終了させるステップと、
前記調整量が前記第五設定値を超えない場合、前記輝度調整期間を前記安定期間として維持するステップと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記一般調整モードで前記カメラゲインを調整するステップは、
前記グレー短期平均値と第一設定値に基づいて、ゲインの調整量が取得されるステップと、
前記調整量が第二プリセット値であるかどうかを検証するステップと、
前記調整量が第二プリセット値である場合、カメラゲインを維持するステップと、
前記調整量が第二プリセット値でない場合、前記調整量に基づいて前記カメラゲインを逆に調整するステップと、を含むことを特徴とする
請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記現フレーム画像内の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を実行する前に、以前に連続して再構成に失敗したフレームの数が所定値に達したかどうかを決定し、達した場合、前回の計算で得られた第一計算結果をクリアした後、前記現フレーム画像からグレー計算を行い、達していない場合、現フレーム画像と前回の計算で得られた第一計算結果に基づいてグレー計算を行うことを特徴とする
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
再構成が失敗した場合、前記現フレーム画像内の非オーバーダーク領域を選択してグレー計算を行い、第二計算結果が得られ、ここで、前記第二計算結果は、現フレーム画像のグレー値および露出オーバーポイント比率を含む、
前記非オーバーダーク領域の画素点数が第六設定値より小さいかどうかを検証する、
前記第六設定値より小さい場合、前記カメラゲインを維持する、
前記第六設定値より大きい場合、前記露出オーバーポイント比率が第七設定値を超えるかどうかを検証する、
前記第七設定値を超える場合、一般調整モードで前記カメラゲインを調整する、
前記第七設定値を超えない場合、前記カメラゲインを維持することを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項11】
カメラゲイン調整装置であって、
測定対象物の現フレーム画像を取得するように設定された取得モジュールと、
前記現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得するように設定された計算モジュールと、
前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間でカメラゲインを調整するように設定された処理モジュールと、を備え
前記所定領域は、前記現フレーム画像における再構成に成功した領域であり、前記現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行する前に、前記計算モジュールは、さらに、
前記測定対象物の現フレームを3次元的に再構成し、
再構成が成功した場合、前記現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、前記第一計算結果を取得するように設定されることを特徴とする
カメラゲイン調整装置。
【請求項12】
走査システムであって、
スキャナーであって、プロジェクタおよびカメラを備え、前記プロジェクタが測定対象物に向けて単色光を投射するように設定され、前記カメラが第一ゲインに従って測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定されるスキャナーと、
前記カメラに接続され、前記再構成画像および前記テクスチャ画像に基づいて3次元再構成を行うコンピュータであって、前記再構成画像および前記テクスチャ画像に基づいて測定対象物の現フレーム画像を取得し、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果が取得され、かつ前記第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間では調整された第二ゲインを決定するコンピュータと、を備え、
前記所定領域は、前記現フレーム画像における再構成に成功した領域であり、前記現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行する前に、前記コンピュータは、さらに、
前記測定対象物の現フレームを3次元的に再構成し、
再構成が成功した場合、前記現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、前記第一計算結果を取得するように設定され、
前記カメラはさらに前記第二ゲインに従って前記測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定されることを特徴とする
走査システム。
【請求項13】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、ここで、前記プログラムが実行されているとき、その記憶媒体を制御してその装置で請求項1~10のいずれか1項に記載のカメラゲインの調整方法を実行することを特徴とする
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
プロセッサであって、前記プロセッサは、プログラムを実行するように設定され、ここで、前記プログラムが実行されているとき、請求項1~10のいずれか1項に記載のカメラゲインの調整方法を実行することを特徴とする
プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年9月01日に中国特許庁に出願された中国特許出願第202010904621.8号「カメラゲインを調整する方法および装置、走査システム」の優先権を主張し、その内容全体は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、画像処理の分野に関し、具体的には、カメラゲインを調整する方法および装置、走査システムに関する。
【背景技術】
【0003】
測定対象物を走査する場合、例えば、口腔内スキャナーで測定対象物を走査する場合、走査した3Dモデル全体の輝度が適正な範囲にあり、著しい明暗ムラおよび露出オーバーがないことが求められる。上記要件を満たすために、走査中にカメラゲインを調整することができる。口腔内スキャナーからコンピュータに送信されるシングルフレームのデータは、再構成画像とテクスチャ画像の両方で構成されるため、ゲイン調整は両方の画質を考慮する必要がある。
【0004】
現在、カメラのゲイン調整には2つの方法があり、1つは画像の輝度および露出オーバーの抑制が許容範囲にあるかどうかを手動で判断して調整する方法である。もう1つは、カメラの目標輝度を設定し、複数の画像を連続的に撮影して平均輝度を算出し、その平均輝度と目標輝度との間の差からゲインの調整量を決定し、その差が十分に小さくなるまで再度調整する方法である。しかし、既存のカメラゲイン調整方法はいずれも柔軟性が低く、スキャン結果が不正確になるという問題がある。
【0005】
上記問題に対して、有効な解決手段はまだ提案されていない。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、関連技術ではカメラゲイン調整方法の柔軟性が低く、スキャン結果が不正確になるという問題を解決するために、カメラゲインを調整する方法および装置、走査システムを提供する。
【0007】
本出願の一態様によれば、カメラゲインを調整する方法が提供され、測定対象物の現フレーム画像を取得するステップと、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップと、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間でカメラゲインを調整するステップとを含む。
【0008】
好ましくは、所定領域は、現フレーム画像における再構成に成功した領域であり、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行する前に、該方法は、さらに、測定対象物の現フレームを3次元的に再構成するステップと、再構成が成功した場合、現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップとを含む。
【0009】
好ましくは、現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップは、現フレーム画像における再構成が成功した領域内の各画素点のグレー値に基づいて、現フレーム画像のグレー画像を生成するステップであって、ここで、グレー値は、画素点の3つのチャンネルのグレー値の加重平均であるステップと、グレー画像の所定領域内の全画素点の平均グレー値を計算し、再構成が成功した領域内で第一所定値より大きいグレー値を有する画素点の目標数を計数するステップと、すべての画素点のグレー平均値と目標数の値に基づいて、第一計算結果が取得されるステップであって、ここで、第一計算結果は、画像の現段階のグレー長期平均値、グレー短期平均値、および露出オーバーポイント比率の長期平均値を含むステップとを含む。
【0010】
好ましくは、3つのチャンネルのうち目標チャンネルに対応する重み値は、他の2つのチャンネルに対応する重み値よりも大きく、目標チャンネルは、測定対象物に投射された再構成光に対応するチャンネルである。
【0011】
好ましくは、輝度調整期間は、初期調整期間、安定期間、および異常期間のうちの1つを含み、異なる輝度調整期間では、対応する調整モードを使用してカメラゲインを調整し、ここで、現フレーム画像内のシーンが変化した場合、輝度調整期間は異常期間としてマークされる。
【0012】
好ましくは、輝度調整期間が初期調整期間である場合、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインを調整するステップは、初期調整期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、タイムアウトしない場合、グレー短期平均値と第一所定値との差が第一設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、輝度調整期間を初期調整期間として維持するステップと、第一設定範囲内にある場合、カメラゲインは変化せず、輝度調整期間を安定期間とし、そして初期調整期間を終了させるステップと、タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして輝度調整期間を異常期間とし、初期調整期間を終了させるステップとを含む。
【0013】
好ましくは、輝度調整期間が異常期間である場合、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間においてカメラゲインを調整するステップは、異常期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、タイムアウトしない場合、グレー短期平均値と第一設定値との差が第一設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを検証するステップと、調整量が第二プリセット値である場合、輝度調整期間を安定期間とし、そして異常期間を終了させるステップと、調整量が第二プリセット値でない場合、輝度調整期間を安定期間として維持するステップと、第一設定範囲にある場合、カメラゲインを変更せず、そして輝度調整期間を安定期間として異常期間を終了させるステップと、タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして輝度調整期間を安定期間として異常期間を終了させるステップとを含む。
【0014】
好ましくは、輝度調整期間が安定期間である場合、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間においてカメラゲインを調整するステップは、グレー長期平均値と第三設定値との差が第三設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、第三設定範囲にある場合、露出オーバーポイント比率の長期平均値が第四設定値を超えるかどうかを検証するステップと、第四設定値を超える場合、カメラゲインを下げ、輝度調整期間を安定期間として維持するステップと、第四設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、輝度調整期間を安定期間として維持するステップと、第三設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、調整量が第五設定値を超えるかどうかを検証するステップと、調整量が第五設定値を超える場合、輝度調整期間を異常期間とし、安定期間を終了させるステップと、調整量が第五設定値を超えない場合、輝度調整期間を安定期間として維持するステップとを含む。
【0015】
好ましくは、一般調整モードでカメラゲインを調整するステップは、グレー短期平均値と第一設定値に基づいて、ゲインの調整量が取得されるステップと、その調整量が第二設定値であるかどうかを検証するステップと、調整量が第二設定値である場合、カメラゲインを維持するステップと、調整量が第二設定値でない場合、調整量に基づいてカメラゲインを逆に調整するステップとを含む。
【0016】
好ましくは、現フレーム画像内の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を実行する前に、以前に連続して再構成に失敗したフレームの数が所定値に達したかどうかを決定し、達した場合、前回の計算で得られた第一計算結果をクリアした後、現フレーム画像からグレー計算を行い、達していない場合、現フレーム画像と前回の計算で得られた第一計算結果に基づいてグレー計算を行う。
【0017】
好ましくは、再構成が失敗した場合、現フレーム画像内の非オーバーダーク領域を選択してグレー計算を行い、第二計算結果が得られ、ここで、第二計算結果は、現フレーム画像のグレー値および露出オーバーポイント比率を含む。非オーバーダーク領域の画素数が第六設定値より小さいかどうかを検証する。第六設定値より小さい場合、カメラゲインを維持する。第六設定値より大きい場合、露出オーバーポイント比率が第七設定値を超えるかどうかを検証する。第七設定値を超える場合、一般調整モードでカメラゲインを調整する。第七設定値を超えない場合、カメラゲインを維持する。
【0018】
本出願の別の態様によれば、カメラゲイン調整装置も提供され、測定対象物の現フレーム画像を取得するように設定された取得モジュールと、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得するように設定された計算モジュールと、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間でカメラゲインを調整するように設定された処理モジュールとを備える。
【0019】
本出願の別の態様によれば、走査システムも提供され、スキャナーであって、プロジェクタおよびカメラを備え、プロジェクタが測定対象物に向けて単色光を投射するように設定され、カメラが第一ゲインに従って測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定されるスキャナーと、カメラに接続され、再構成画像およびテクスチャ画像に基づいて3次元再構成を行うコンピュータと、再構成画像およびテクスチャ画像に基づいてグレー計算を行い、第一計算結果が取得され、かつ第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間では調整された第二ゲインを決定し、カメラはさらに第二ゲインに従って測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定される。
【0020】
本出願の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、ここで、プログラムが実行されているとき、その記憶媒体を制御してその装置で上記いずれかのカメラゲインの調整方法を実行する。
【0021】
本出願の別の態様によれば、プロセッサも提供され、プロセッサは、プログラムを実行するように設定され、ここで、プログラムが実行されているとき、上記いずれかのカメラゲインの調整方法を実行する。
【0022】
本出願において、測定対象物の現フレーム画像を取得する。現フレーム画像内のシーンが変化すると、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得する。第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインの方式を調整し、異なる輝度調整期間に応じて特定の対応するカメラゲイン調整方法を実現することによって、ゲイン調整とシーンとのマッチングを高度に維持し、そしてシーンの変化に迅速に対応し、このようにして、走査結果が物理オブジェクトのテクスチャと一致し、カメラゲイン調整の柔軟性を向上させ、ゲインの調整率および調整効果を向上させるという目的を達成し、これにより、画像走査品質を向上させ、走査結果の精度を向上させるという技術的効果を達成し、そして関連技術ではカメラゲイン調整方法の柔軟性が低く、走査結果が正確でないという技術的問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に図示された添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成し、本発明の例示的な実施例およびその説明は、本発明を説明するために提供され、本発明の不当な制限を構成するものではない。
図1】本発明の実施例によるカメラゲイン調整方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例によるカメラゲイン調整方法のフローチャートである。
図3図2における再構成が成功した場合の好ましいカメラゲイン調整プロセスのフローチャートである。
図4図3における初期調整期間での調整プロセスのフローチャートである。
図5図3における異常期間での調整プロセスのフローチャートである。
図6図3における安定期間での調整プロセスのフローチャートである。
図7図2における再構成が失敗した場合の好ましいカメラゲイン調整プロセスのフローチャートである。
図8図4図7における好ましい一般調整モードでカメラゲインを調整するフローチャートである。
図9】本発明の実施例によるカメラゲインの調整装置の概略図である。
図10】本発明の実施例による走査システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、当業者が本発明の解決手段をよりよく理解できるようにするために、本発明の実施例における添付図面と併せて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られた他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0025】
本発明の明細書および特許請求の範囲ならびに上記添付図面における「第一」、「第二」等の用語は、類似の対象を区別するために用いられ、特定の順序または順番を説明するために用いる必要はないことに留意されたい。このように使用されるデータは、本明細書に記載された本発明の実施例が本明細書に図示または記載されたもの以外の順序で実施できるように、適切な場合には交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」および「備える」という用語、ならびにその任意の変形は、非排他的な包含を意図し、例えば、一連のステップまたはユニットからなるプロセス、方法、システム、製品または装置は、明確に記載されたそれらのステップまたはユニットに限定する必要はなく、明確に記載されていないまたはそれらのプロセス、方法、製品または装置に固有の他のステップまたはユニットを含む場合がある。
【0026】
<実施例1>
本発明の実施例によれば、カメラゲインを調整する方法の実施例が提供され、添付図面のフローチャートに示されるステップは、コンピュータ実行可能命令のセットなどのコンピュータシステムで実行されてもよく、フローチャートには論理シーケンスが示されているが、場合によっては、示されるまたは説明されるステップは、ここに示されるものとは異なる順序で実行されてもよいことが留意される。
【0027】
図1は、本発明の実施例によるカメラゲイン調整方法のフローチャートであり、図1に示すとおり、該方法は、以下のステップを含む。
【0028】
ステップS102で、測定対象物の現フレーム画像を取得する。
【0029】
具体的には、上記測定対象物は、カメラ(例えば口腔内スキャナー)によって走査された物体であってもよく、例えば、モデル、実物などであってもよいが、これに限定されるものではない。上記現フレーム画像は、再構成画像およびテクスチャ画像を含む、カメラからコンピュータに送信される画像であってもよい。再構成画像は、まずプロジェクタで再構成光(例えば青色光)を測定対象物の表面に投影し、続いてカメラにより該測定対象物を第一ゲイン(調整前のゲイン)で撮影し(例えば青チャンネルで青色光を撮影する)、得られた画像がストライプ画像である。同じ色の光を用い、ストライプの位置を変えて上記操作を繰り返すと、1つのグループのストライプ画像が得られ、ここで、第一ゲインは、カメラが測定対象物の画像を取得する前に設定されたカメラゲイン、またはカメラのデフォルトゲインを指す。このグループのストライプ画像により、測定対象物表面上の各点の3次元座標を空間的に再構成でき、すなわち点群画像の3次元再構成が可能となるため、再構成画像と呼ばれる。テクスチャ画像については、カメラの3つのチャンネル(赤、緑、青)のグレー画像から簡単に合成できるため、まず各チャンネルのグレー画像を取得する必要があり、3色の光を順次投射して、対応する色のグレー画像を順次取得する。グレー画像の取得は、シングルストライプ画像と同様であるが、唯一の違いは、グレー画像を取得する際、プロジェクタの投影光は単一で均一である。プロジェクタがどの色の光を投射しても、対応するグレー画像がテクスチャ画像のチャンネルとして使用される(例えば、青い光を投影した場合、得られたグレー画像は青いチャンネルである)。このテクスチャ画像により、再構成された各点の3次元座標がどの色を担っているかを知ることができ、再構成結果にテクスチャ情報を提供する。
【0030】
好ましい解決手段では、図2に示すとおり、現フレーム画像を取得し、現フレーム画像に基づいて3次元再構成を行い、現フレーム画像の3次元再構成が成功したかどうかを判断し、再構成が成功した場合、再構成が成功した場合のカメラゲイン調整プロセスを実行し、再構成が失敗した場合、再構成が失敗した場合のカメラゲイン調整プロセスを実行する。
【0031】
なお、再構成画像とテクスチャ画像の取得方法から、再構成画像は特定の単色光チャンネルに対する応答、テクスチャ画像は3色の光に対する共同の応答であり、これら2つの部分の全体の輝度はゲインに対して同じようには応答せず、例えば、再構成に用いるストライプ光として青色光を用いて青モデルを走査する場合、青色モデルは青色光に対する反射率が高いため、青色光は明るすぎる必要はなく、再構成画像では青色光のゲインを小さくし、テクスチャマップでは青色光のゲインを大きくする必要がある。青色光があまり明るくなくてもよく、再構成マップには青色光の小さなゲインが必要であり、テクスチャ画像には青色光の大きな光が必要である。
【0032】
再構成画像とテクスチャ画像との間には画像特性に大きな違いがあり、本発明ではモデルテクスチャに着目していることを考えると、再構成画像については、画像再構成の成功率を大きく低減させない限り、再構成画像自体の輝度を画像特性解析に参加させるのではなく、テクスチャ画像の再構成光に対応するチャンネルの輝度を画像特性解析に参加させ、例えば再構成光が青光である場合、テクスチャ画像の青チャンネルの輝度を用いて再構成画像の輝度特性を反映させる。
【0033】
ステップS104で、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得する。
【0034】
具体的には、上記所定領域は、現フレーム画像における再構成が成功した領域であり、現フレーム画像の再構成が成功した領域とは、現フレーム画像において再構成画像に基づいて点群が再構成された領域であり、現フレーム再構成画像において点群が再構成された領域と現フレームテクスチャ画像の対応領域は、いずれも現フレーム画像の再構成が成功した領域であり、すなわち、現フレームテクスチャ画像の対応する領域は、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域である。上記第一計算結果は、現フレーム画像の再構成が成功した領域のグレー値および露出オーバーポイント比率、テクスチャ画像の現グレー短期平均値、テクスチャ画像の現グレー長期平均値、およびテクスチャ画像の現露出オーバーポイント比率の長期平均値を含み、ここで、第一計算結果は、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域に基づいて算出されることが好ましい。
【0035】
好ましい実施例において、走査された測定対象物の現フレーム再構成画像および現フレームテクスチャ画像を取得し、現フレーム再構成画像に基づいて現フレーム点群を再構成し、現フレームテクスチャ画像に基づいて現フレームテクスチャを再構成し、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得し、第一計算結果は、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域のグレー値(現フレームテクスチャ画像の輝度、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域の輝度平均値を測定するために設定される)および露出オーバーポイント比率(現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域の画素点数に対する現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域の露出オーバーポイント比率であり、露出オーバーポイントは、輝度がプリセット値を超える画素点を指す)、テクスチャ画像の現グレー長期平均値、テクスチャ画像の現グレー短期平均値、テクスチャ画像の現露出オーバーポイント比率の長期平均値などを含む。
【0036】
ステップS106で、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間においてカメラゲインを調整する。
【0037】
具体的には、上記カメラゲインはカメラのパラメータであり、カメラゲインはカメラによる画像信号の増幅度を反映する指標であり、ゲインが大きいほど画像が明るくなる。ゲイン調整とは、カメラのゲインパラメータを設定することで、適切な輝度の画像が得られるようにカメラを操作することである。
【0038】
好ましい実施例において、異なる輝度調整期間における異なるカメラゲイン調整方法に従って、カメラゲイン(すなわち、上記第一ゲイン)を調整して第二ゲイン(調整されたゲイン)が取得され、それにより、第二ゲイン(調整されたゲイン)で該測定対象物を撮影し、新たな再構成画像およびテクスチャ画像を取得し、そして該再構成画像およびテクスチャ画像により3次元再構成を行うことができる。
【0039】
上記実施例により、測定対象物の現フレーム画像を取得する。現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得する。第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインの調整方法を調整し、異なる輝度調整期間に特定の対応するカメラゲイン調整方法を実行することにより、ゲイン調整率および調整効果の向上という目的を達成し、それにより、画像走査品質の向上という技術効果が達成され、さらに、関連技術におけるカメラゲイン調整方法の柔軟性が低く、走査結果が不正確になるという技術的問題が解決される。
【0040】
なお、本発明では、ゲイン調整に対する口腔内スキャナーの特別なニーズに対応して、再構成が成功した場合と失敗した場合のそれぞれについて、カメラゲインの自動調整方法が設計される。本実施例における具体的な実装は、以下のとおりである。
【0041】
好ましくは、本発明の上記実施例において、所定領域は、現フレーム画像における再構成が成功した領域であり、現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を実行する前に、該方法は、さらに、測定対象物の現フレームを3次元的に再構成するステップと、再構成が成功した場合、現フレームのうち再構成に成功した領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップとを含む。
【0042】
好ましくは、本発明の上記実施例において、現フレームのうち再構成が成功した領域を選択してグレー計算を実行し、第一計算結果を取得するステップは、現フレーム画像における再構成が成功した領域内の各画素点のグレー値に基づいて、現フレーム画像のグレー画像を生成するステップであって、ここで、グレー値は、画素点の3つのチャンネルのグレー値の加重平均であるステップと、グレー画像の所定領域内の全画素点の平均グレー値を計算し、再構成が成功した領域内で第一プリセット値より大きいグレー値を有する画素点の目標数を計数するステップと、すべての画素点のグレー平均値と目標数の値に基づいて、第一計算結果が取得されるステップであって、ここで、第一計算結果は、画像の現グレー長期平均値、グレー短期平均値、および露出オーバーポイント比率の長期平均値を含むステップとを含む。具体的には、カメラの青チャンネルで青単色画像を取得し、カメラの赤チャンネルで赤単色画像を取得し、カメラの緑チャンネルで緑単色画像を取得し、3つの単色画像を融合してテクスチャ画像が取得される。すなわち、青単色画像のグレー値、赤単色画像のグレー値、青単色画像のグレー値を加重平均して得られたテクスチャ画像のグレー画像であり、ここで、3色単色画像のグレー値の加重平均は、所定領域の各画素点の加重平均であり、例えば、青単色画像A画素点、赤チャンネルA画素点、および緑チャンネルA画素点を加重平均してテクスチャ画像A画素点のグレー値が得られ、青単色画像B画素点、赤チャンネルB画素点、および緑チャンネルB画素点を加重平均してテクスチャ画像B画素点のグレー値が得られる。
【0043】
具体的には、上記第一プリセット値は、グレー閾値である。上記露出オーバーポイントとは、現フレーム画像内の画素点のグレー値が第一プリセット値よりも大きい画素点を指し、ここで、露出オーバーポイントの数(すなわち、露出オーバーポイント数)は、目標数である。
【0044】
好ましい解決手段において、現フレームテクスチャ画像の再構成が成功した領域内の各画素点の3つのチャンネルのグレーを加重平均して現フレーム画像のグレー画像を取得し、得られた新たなグレー画像の所定領域内の全画素点の平均値を現フレーム画像のグレー値として計算し、再構成が成功した領域内の画素数に対する露出オーバーポイントの割合(すなわち露出オーバーポイント比率)をカウントする。現フレーム画像のグレー値および露出オーバーポイント比率に基づいて、対応する長期平均値および短期平均値がそれぞれ計算される。現フレーム画像のグレー長期平均値は、現フレームと過去に連続したM-1個のフレーム(Mは1以上の整数)を含む再構成が成功した画像のグレー平均値であり、例えば、現フレームを含む過去に連続した160個のフレーム(Mは160)の再構成が成功した画像のグレー平均値は現フレーム画像のグレー長期平均値であり、すなわち、160フレーム画像のグレー値を平均してそのグレー平均値が取得される。現フレーム画像のグレー短期平均は、現フレームと過去に連続したN-1フレームを含むN(Nは1より大きくMより小さい整数)フレームの再構成が成功した画像のグレー平均値であり、例えば、現フレームを含む過去に連続した3(Nは3)フレームの再構成が成功した画像のグレー平均値は現フレームのグレー短期平均値であり、すなわち、3フレーム画像のグレー値を平均してそのグレー平均値が得られ、ここで、長期と短期で選択する連続フレームの数は実際のニーズに従って決定され、ここに限定されることはない。同様に、露出オーバーポイント比率の長期平均値の取得は、例えば、160フレーム画像の露出オーバーポイント比率を平均して、現フレーム画像の露出オーバーポイント比率の長期平均値を得る。なお、現フレーム画像を含む過去に連続した160(Mは160)フレームの再構成が成功した画像は、再構成の失敗がない場合に連続した160フレームの再構成が成功した画像であっても、再構成の失敗がある場合に連続した160フレームの再構成が成功した画像であってもよいことに留意される。例えば、現フレームを第一フレームとし、現フレームから過去までのフレーム1~157が再構成に成功したフレーム、フレーム158が再構成の失敗したフレーム、フレーム159が再構成に成功したフレームで、このようにして、現フレームを含む過去の連続した160フレーム(Mは160)の再構成が成功した画像は、現フレームから過去までのフレーム158を除き、現フレームと現フレームから過去までのフレーム1~157、現フレームから過去までのフレーム159からなり、短期平均値も同様である。
【0045】
好ましくは、本発明の上記実施例において、3つのチャンネルのうち、目標チャンネルに対応する重み値は、他の2つのチャンネルに対応する重み値よりも大きく、目標チャンネルは、測定対象物に投射された光を再構成した光に対応するチャンネルである。
【0046】
好ましい解決手段において、口腔内スキャナーを使用する場合、再構成画像とテクスチャ画像の両方を考慮する必要があるが、再構成画像が再構成光の単一チャンネルの応答であり、すなわち再構成画像に対応する再構成光の単一チャンネルが目標チャンネルであるため、該チャンネルの輝度調整がより重要になり、したがって、再構成光に対応するテクスチャチャンネルは他の2つよりもはるかに大きな重みを取り、例えば目標チャンネルが青色光チャンネルの場合、赤色光、緑色光、青色光チャンネルの重みは、順に0.25、0.25、0.5とすることができる。
【0047】
好ましくは、本発明の上記実施例において、輝度調整期間は、初期調整期間、安定期間、および異常期間のうちの1つを含み、異なる輝度調整期間では、対応する調整モードを使用してカメラゲインを調整し、ここで、現フレーム画像内のシーンが変化した場合、輝度調整期間は異常期間としてマークされる。
【0048】
具体的には、初期調整期間とは、初期走査が調整状態に入る期間であり、一般的には、カメラは第一フレームが再構成に成功したときに初期調整期間に入る。安定期間とは、理想的には、走査対象物の特性が安定したとき、全体のゲインが安定している(変化しない、またはわずかに調整される)期間である。異常期間とは、安定期間に過剰な調整を行う可能性に対処し、走査のテクスチャ効果に影響しないように設定されるものである。
【0049】
なお、口腔内スキャナーは、走査中、テクスチャ画像の輝度と露出オーバー制御の両方の要件を満たす必要があり、ここで、輝度調整期間は、シングルフレームが正常に再構成されると、初期調整期間、安定期間、異常期間という3つの異なる輝度調整期間に入る。正常に再構成されるたびに、これら3つの期間のいずれかのみであり、すべての期間が一度に経験されるわけではなく、期間ごとに異なる輝度調整要件がある。
【0050】
好ましい解決手段において、口腔内スキャナーは、走査対象物を走査して2次元画像を得てから、複数の2次元画像を3次元に再構成して3次元再構成された点群画像を得る。異なる期間の異なる輝度調整要件に従ってカメラのゲインを調整し、初期調整では、画像ゲインを適切な位置に素早く調整する必要があり、初期調整プロセス中の3次元再構成された点群画像に対する調整は不適格とされるため、画像スティッチングを行わず、ここで、画像スティッチングは、複数の点群画像を全体にスティッチングするプロセスを指し、調整時間はあまり長くならないようにし、調整が完了した後に安定期間に入る。全体の走査結果の均一性を維持するために、安定期間中はカメラのゲインを一定に保つ必要があるが、実際にはこの要件を満たすことは難しいため、小規模で断続的な調整を行い、一般的には安定期間に得られた3次元再構成された点群画像は適格であると考えられ、画像スティッチングすることが可能である。異常期間中に取得された3次元再構成された点群画像も画像スティッチングを行わないため、持続期間は初期調整期間より短く、ゲインをできるだけ早く正常値またはそれに近い状態に戻す必要がある。シーンが変化したと判断された場合、前フレームが再構成失敗となり、再構成が失敗した場合、調整期間は変更されず、すなわち、前フレームは初期調整期間、次のフレームは初期調整期間のまま、前フレームは安定期間、次のフレームは安定期間のままである。判断基準は、再構成が失敗したフレームの数が連続して8フレーム以上であるかどうかを判断することであり、これは実際の状況に応じて調整することができ、例えば10フレームでもよく、ここに制限はない。再構成が失敗したフレームの数が連続して8以上である場合、現フレーム画像内のシーンが変化したと判断され、再構成が失敗したフレームの数が連続して8未満である場合、現フレーム画像内のシーンに変化がないと判断される。
【0051】
なお、1つの対象を走査している間、スキャナーと走査対象物の相対位置は常に変化しているため、そのテクスチャ画像の全体のグレーも常に変化しているが、シーンが比較的安定しているため、この変化は一定の範囲内にある。
【0052】
好ましくは、本発明の上記実施例において、輝度調整期間が初期調整期間である場合、初期調整期間の調整モードでカメラゲインを調整する。輝度調整期間が初期調整期間である場合、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインを調整するステップは、初期調整期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、タイムアウトしない場合、グレー短期平均値と第一設定値との差が第一設定範囲内にあるかどうかを検証するステップと、第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、輝度調整期間を初期調整期間として維持するステップと、第一設定範囲内にある場合、カメラゲインは変化せず、カメラの輝度調整期間を安定期間とし、このようにして、カメラの輝度調整期間が変化する前、カメラが画像を取得した後のカメラの輝度調整期間の検証結果がすべて安定期間であり、そして初期調整期間を終了させるステップと、タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そしてカメラの輝度調整期間を異常期間とし、初期調整期間を終了させるステップとを含む。
【0053】
具体的には、上記第一設定値は、現在のグレー短期平均値との差分をとるように設定された、予め設定されたグレー短期平均値の基準値であり、一般に経験値であり、上記第一設定範囲は、グレー短期平均値と第一設定値との差分の値の範囲を指し、例えば、[0,5)であり、図4に示すとおり、初期調整期間の調整プロセスに入る際、初期調整期間の持続期間がタイムアウトしているかどうかを検証し、そうでない場合、グレー短期平均値と第一設定値との差分が第一設定範囲内にあるかどうか(すなわち、グレー短期平均値がずれているかどうか)、例えば[0,5)を検証し、第一設定範囲内にない(すなわち、ずれ)場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、輝度調整期間を初期調整期間として維持し、現フレーム点群をスティッチングせず、現フレームに対するカメラ調整を終了させる。第一設定範囲内にある(すなわち、ずれていない)場合、カメラゲインは変更されず、輝度調整期間を安定期間とし、初期調整期間を終了させ、現フレームの点群をスティッチングしないが、前フレームに対するカメラゲイン調整を終了させる。
【0054】
タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、輝度調整期間を異常期間とし、初期調整期間を終了させ、現在の点群をスティッチングせず、現フレームに対するカメラゲイン調整を終了させる。
【0055】
好ましくは、本発明の上記実施例において、輝度調整期間が異常期間である場合、異常期間の調整モードでカメラゲインを調整する。輝度調整期間が異常期間である場合、ここで、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインを調整するステップは、異常期間がタイムアウトしたかどうかを検証するステップと、タイムアウトしない場合、グレー短期平均値と第一設定値との差が第一設定範囲内にあるかどうか(すなわち、グレー短期平均値がずれているかどうか)を検証するステップと、第一設定範囲内にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、一般調整モードは、ゲイン調整量を算出し、その調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを検証し、その調整量が第二プリセット値を超えない場合、カメラゲインを調整せず、そして輝度調整期間を安定期間とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させるステップと、その調整量が第二プリセット値を超える場合、ゲイン調整量の算出結果によりカメラゲインを調整し、調整期間を異常期間として維持し、シングルフレーム調整を終了させるステップと、第二設定範囲内にある場合、カメラゲインは変化せず、カメラの輝度調整期間を安定期間とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させるステップと、タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、そして輝度調整期間を安定期間とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させるステップとを含む。
【0056】
具体的には、第二プリセット値は、カメラゲインに対する調整が必要かどうかを判断するために設定される調整量閾値であり、実際の調整要件に応じて設定され、例えば0であるが、ここでは限定されない。
【0057】
好ましい解決手段において、図5に示すとおり、輝度調整期間が異常期間である場合、異常期間の調整プロセスを実行し、異常期間の持続期間がタイムアウトしているかどうかを検証し、そうでない場合、現在のグレー短期平均値とプリセットされたグレー短期平均標準地(第一設定値)との差分が第一設定範囲を超えるかどうか(すなわち、グレー短期平均値がずれているかどうか)、例えば[0,5)を検証し、第一設定範囲を超える(すなわち、ずれ)場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し(すなわち、一般調整戦略を実行する)、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングせず、調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを検証し、例えば、第二プリセット値を0とし、ここで実際の状況に応じて、調整量が第二プリセット値を超えない場合、輝度調整期間を安定期間(すなわち、次のフレームが安定期間に入る)とし、異常期間を終了させ、現フレーム点群をスティッチングせず、現フレームに対するカメラ調整を終了させる。調整量が第二プリセット値を超える場合、輝度調整期間を異常期間として維持し、現フレーム点群をスティッチングせず、現フレームに対するカメラ調整を終了させる。第一設定範囲内にある(すなわち、ずれていない)場合、カメラゲインは変更されず、輝度調整期間を安定期間とし、次のフレームが安定期間に入り、異常期間を終了させ、現フレームの点群をスティッチングしないが、現フレームに対するカメラゲイン調整を終了させる。
【0058】
タイムアウトした場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間とし、次のフレームが安定期間に入り、異常期間を終了させ、現フレームの点群をスティッチングせず、現フレームに対するカメラゲイン調整を終了させる。
【0059】
好ましくは、本発明の上記実施例において、輝度調整期間が安定期間である場合、安定期間の調整モードでカメラゲインを調整する。輝度調整期間が安定期間である場合、ここで、第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間ではカメラゲインを調整するステップは、グレー長期平均値と第三設定値との差が第三設定範囲内にあるかどうか(すなわち、グレー長期平均値がずれているかどうか)を検証するステップと、第三設定範囲にある場合、露出オーバーポイント比率の長期平均値が第四設定値を超えるかどうかを検証するステップと、第四設定値を超える場合、カメラゲインを下げ、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間として維持し、シングルフレーム調整を終了させるステップと、第四設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングし、輝度調整期間を安定期間として維持し、シングルフレーム調整を終了させるステップと、第三設定範囲にない場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し(ゲイン調整量を計算し、かつその調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを検証する。調整量が第二プリセット値を超える場合、調整量の計算結果に従ってカメラゲインを逆に調整し、調整量が第二プリセット値を超えない場合、カメラゲインを調整しない)、調整量が第五設定値を超えるかどうかを検証するステップと、調整量が第五設定値を超える場合、輝度調整期間を異常期間とし、安定期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させるステップと、調整量が第五設定値を超えない場合、輝度調整期間を安定期間として維持し、シングルフレーム調整を終了させるステップとを含む。
【0060】
具体的には、上記第三設定値は、プリセットされたグレー長期平均値の基準値(すなわち閾値)である。上記第三設定範囲は、グレー長期平均値とその標準値との差分の値の範囲(すなわち、グレー長期平均値がずれているかどうかを判断する)を指し、例えば、[0,5)である。上記第四設定値は、プリセットされた露出オーバーポイント比率の長期平均値の標準値(すなわち閾値)、例えば、20%である。上記第五設定値は、輝度調整期間の状態を調整するかどうかを決定するために設定された、調整量の閾値であり、例えば、閾値が1である。
【0061】
好ましい解決手段において、図6に示すとおり、輝度調整期間が安定期間である場合、安定期間の調整プロセスを実行し、グレー長期平均値とプリセットされたグレー長期平均値(第三設定値)の標準値との差分の値が第三設定範囲を超えるかどうかを検証する(すなわち、グレー長期平均値がずれているかどうかを判断する)。ずれていない場合、露出オーバーポイント比率の長期平均値が第四設定値(例えば、20%)を超えるかどうかを検証する。第四設定値を超える場合、カメラゲインを下げ、例えば、ゲインを1つ下げ、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間として維持し、すなわち、次のフレームが安定期間を維持し、現フレームのカメラゲインに対する調整を終了させる。第三設定範囲(すなわち、ずれ)を超える場合、例えば、[0,5)であり、一般調整モードでカメラゲインを調整し、現フレームの3次元再構成された点群画像をスティッチングせず、かつ調整量が第五設定値を超えるかどうかを検証し、例えば、第五設定値を1とした場合、調整量が1を超えると、輝度調整期間が異常期間とされ、次のフレームが異常期間に入って安定期間を終了させ、シングルフレームに対する調整を終了させる。調整量が1を超えない場合、輝度調整期間は変更されず、現フレームのカメラゲイン調整を終了させる。
【0062】
好ましくは、本発明の上記実施例において、調整モードでカメラゲインを調整するステップは、グレー計算値および第一設定値に基づいて、ゲインの調整量を取得するステップと、調整量が第二プリセット値であるかどうかを検証するステップと、調整量が第二プリセット値である場合、カメラゲインをそのまま維持するステップと、調整量が第二プリセット値ではない場合、調整量に基づいてカメラゲインを逆に調整し、グレー短期平均値が高すぎるとゲインを下げ、それ以外の場合はゲインを上げる。本実施例において、再構成が成功した場合、グレー計算値は、テクスチャ画像の現在のグレー短期平均値であることが好ましく、再構成が失敗した場合、グレー計算値は、現フレームテクスチャ画像のグレー値であることが好ましい。
【0063】
好ましい解決手段において、図8に示すとおり、一般調整モードでカメラゲインを調整するプロセスは以下のとおりであり、ゲイン調整量を計算し、そしてその調整量が第二プリセット値を超えるかどうかを判断し、例えば、例えば第二プリセット値が0であり、ここで、実際の状況に応じて、調整量が第二プリセット値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、調整量が第二プリセット値を超える場合、カメラゲインを逆に調整する。
【0064】
好ましくは、本発明の上記実施例において、現フレーム画像内の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を行う前に、それ以前に再構成が連続して失敗したフレームの数がプリセット値に達したかどうかを判断し、達した場合、前回の計算で得られた第一計算結果をクリアし、現フレームから再度第一計算結果を計算し、それ以外の場合、現フレーム画像内の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を行うステップを直接実行する。
【0065】
好ましい解決手段において、現フレーム画像内の再構成が成功した領域を選択してグレー計算を行う前に、それ以前に再構成が連続して失敗したフレームの数がプリセット値に達したかどうかを判断し、達した場合、例えば、再構成が失敗したフレームの数が8であると、現在のシーンが変化したと判断され、前回の計算で得られた第一計算結果をクリアし、現フレームからグレー値を再度計算する。それ以外の場合、現フレーム画像および前回の計算で得られた第一計算結果に基づいてグレー計算を行い、前回のフレームの第一計算結果に基づいて現フレームの第一計算結果を直接計算する。例えば、現フレームがフレーム1000であり、再構成が失敗した数が8に達した場合(すなわち、フレーム992~フレーム999の再構成が失敗した場合)、現フレームおよび現フレームの後のフレーム(次の再構成が合計8回失敗する前)の第一計算結果は、フレーム1000から計算される。例えば、フレーム1116に対する第一計算結果は、フレーム1000~フレーム1116の画像のグレー値に基づいて計算され、そうでない場合、現フレームと前フレームの両方が第一計算結果の計算に参加し、例えば、フレーム1116に対する第一計算結果は、フレーム1000~フレーム1116の画像のグレー値およびフレーム1000の前のフレーム(前の再構成が合計8回失敗する後)の画像のグレー値に基づいて計算される。
【0066】
さらに、カメラゲイン調整方法は、カメラが現在初期調整期間にあるかどうかを検証し、カメラが初期調整期間にある場合、初期調整期間の調整モードでカメラゲインを調整し、カメラが初期調整期間にない場合、カメラが現在異常期間にあるかどうかを検証し、カメラが異常期間にある場合、異常期間の調整モードでカメラゲインを調整し、カメラが異常期間にない場合、安定期間の調整モードでカメラゲインを調整するステップも含むことに注目されたい。
【0067】
好ましくは、本発明の上記実施例において、再構成が失敗した場合、現フレームの非オーバーダーク領域を選択してグレー計算を行い、第二計算結果が得られ、ここで、第二計算結果は、現フレーム画像のグレー短期平均値および露出オーバーポイント比率を含む。非オーバーダーク領域内の画素点の数が第六設定値より小さいかどうかを検証する。第六設定値より小さい場合、カメラゲインを変化させず、シングルフレーム調整を終了させる。第六設定値より大きい場合、露出オーバーポイント比率が第七設定値を超えるかどうかを検証し、第七設定値を超える場合、一般調整モードでカメラゲインを調整する。第七設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、シングルフレーム調整を終了させる。
【0068】
具体的には、上記第二計算結果は、再構成が失敗したときの現フレーム画像内の非オーバーダーク領域に対するグレー計算結果である。第六設定値は、現フレーム画像の再構成が失敗した後の現フレームテクスチャ画像の非オーバーダーク領域内の画素点の数に対するプリセット値である。第七設定値は、現フレーム画像の再構成が失敗した後の現フレームテクスチャ画像の露出オーバーポイント比率に対するプリセット値であり、例えば、20%である。
【0069】
好ましい解決手段において、図7を参照すると、本実施例における具体的な実施方法は、現フレーム画像の3D再構成が失敗し、輝度調整期間を変化せず、所定領域(すなわちプリセット領域)を現フレームテクスチャ画像の非オーバーダーク領域とし、現フレームテクスチャ画像のグレー値および露出オーバーポイント比率を計算して第二計算結果を得る(すなわち現フレーム画像の第二計算結果を計算する)。所定領域の画素数が第六設定値を超えるかどうかを検証し、第六設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、現フレームのカメラゲイン調整を終了させる。第六設定値を超える場合、露出オーバーポイント比率が第七設定値、例えば、20%を超えるかどうかを検証し、第七設定値を超える場合、一般調整モードでカメラゲインを調整し、現フレームのカメラゲイン調整を終了させる。第七設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、現フレームのカメラゲイン調整を終了させる。
【0070】
なお、再構成が失敗した場合、露出オーバーポイント比率が多すぎる場合、露出オーバーを失敗の原因とし、できるだけ早くゲインを下げる必要がある。
【0071】
上記実施例の実行可能なプロセスは、以下のとおりである。
【0072】
再構成された光が青色光であると仮定すると、再構成が成功した場合のシングルフレーム自動ゲイン調整方法は以下のとおりである。
【0073】
図3を参照すると、現フレーム画像の3次元再構成が成功した後、現フレーム画像が前フレーム画像のシーンに対して切り替わるかどうかを判断し、切り替わる場合、前フレーム画像のグレー計算結果をクリアして輝度調整期間を異常期間とする。切り替わらない場合、現フレーム画像の第一計算結果を計算し、かつ第一計算結果に基づいて現フレームの輝度調整期間が初期調整期間であるかどうかを判断して、そうである場合、初期調整期間の調整プロセスに入る。初期調整期間ではない場合、現フレームの輝度調整期間が異常期間であるかどうかを判断し、そうである場合、異常期間の調整プロセスに入る。そうでない場合、安定期間の調整プロセスに入る。
【0074】
1)現フレーム画像が前フレーム画像のシーンに対して切り替わるかどうかを判断し、切り替わる場合、輝度調整期間を直接異常期間とし(すなわち、再構成が失敗したフレーム数が連続して8フレームに達し、異常期間とする)、そしてこの前のすべて平均統計をクリアし、すなわち、前回の計算で得られた第一計算結果をクリアし、現フレームから第一計算結果を再度計算する。ここで、切り替えの判断基準は、再構成が失敗したフレーム数が連続して8フレーム(ここでは8フレームに特別な意味はなく、シーン切り替えの間隔を示すものであり、再構成が失敗したフレーム数が連続して8フレームに達しない場合、シーン切り替えが発生されないものとし、他のフレーム数であってもよい)に達しているかどうかである。
【0075】
2)切り替わる場合、現フレームのグレーおよび露出オーバーポイント比率の長期と短期平均値を計算し、再構成が成功した領域を基準領域とする。現フレームのテクスチャ画像の参照領域の各画素点の3つのチャンネルのグレーを加重平均して、新たなグレー画像(これは、以下の計算を容易にするための中間結果に過ぎない)が得られ、ここで、赤、緑、青チャンネルの輝度の重みをそれぞれ0.25、0.25、0.5とする(この方法の中心的なアイデアは、再構成画像の重要性を反映するために、再構成光に対応するテクスチャチャンネルに他の2つよりもはるかに大きな重みを与えることである)。
【0076】
得られた新たなグレー画像の基準領域についてすべての画素点の平均値を計算して現フレーム画像のグレー値とし(輝度を測定するために設定され、基準領域の輝度平均値とする)、基準領域の画素点に対する露出オーバーポイント(輝度がプリセット値を超える)の割合(すなわち、露出オーバーポイント比率)をカウントする。
【0077】
対応する長期平均値(現フレームのうち過去に連続して再構成が成功した160フレームも含まれ、160は「長期平均」の特徴を示す限り他の数値に置き換えてもよい、短期平均も同様である)と短期平均値(過去の連続した3フレーム)(フレーム数が足りない場合、現フレーム数を基準平均値とし、例えば、100フレームしかない場合、過去の100フレームから長期平均値を計算し、短期平均値も同様である)をそれぞれ計算し、グレー長期平均値、グレー短期平均値、および露出オーバーポイント比率の長期平均値を得る。
【0078】
3)調整期間が初期調整期間(走査開始直後の期間)なのか、異常期間なのか、安定期間なのかを検証する。
【0079】
4)初期調整期間の調整戦略について、
初期調整期間である場合、初期調整期間がタイムアウトしているかどうかを検証する。タイムアウトしていない場合、グレー短期平均値がずれているかどうかを判断する。ずれている場合、一般調整戦略に従ってカメラゲインを調整し、輝度調整期間を初期調整期間に変化させず、現フレーム点群をスティッチングせず、シングルフレームの調整を終了させる。ずれていない場合、カメラゲインを変化させず、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間とし、シングルフレームの調整を終了させる。
【0080】
タイムアウトしている場合、一般調整戦略に従ってカメラゲインを調整し、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を異常期間(次のフレームが異常期間に入る)とし、シングルフレームの調整を終了させ、初期調整期間を終了させる。
【0081】
5)異常期間の調整戦略について、
異常期間である場合、異常期間が持続してタイムアウトしていないかを検証する。
【0082】
タイムアウトしていない場合、グレー短期平均値が設定値からずれているかどうかを検証する。ずれが設定値を超える場合、一般調整戦略に従ってカメラゲインを調整し、現フレーム点群をスティッチングせず、調整量が0であるかどうかを検証する。調整量が0である場合、輝度調整期間を安定期間(すなわち、次のフレームが安定期間に入る)とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させる。調整量が0ではない場合、輝度調整期間を変化せず、シングルフレーム調整を終了させる。調整量が0でない場合、輝度調整期間を変化せず、シングルフレーム調整を終了させる。ずれが設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間(すなわち、次のフレームが安定期間に入る)とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させる。
【0083】
タイムアウトしている場合、一般調整戦略に従ってカメラゲインを調整し、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を安定期間(すなわち、次のフレームが安定期間に入る)とし、異常期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させる。
【0084】
6)安定期間の調整戦略について、
安定期間である場合、グレー長期平均値が設定値からずれているかどうかを検証する。設定値からずれていない場合、露出オーバーポイント比率の長期平均値が設定値からずれているかどうかを検証する。設定値からずれている場合、ゲインを1つ下げ、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を変化させ(次のフレームも安定期間にある)、シングルフレーム調整を終了させる。
【0085】
ずれが設定値を超えない場合、カメラゲインを変化させず、現フレーム点群をスティッチングせず、輝度調整期間を変化せず(次のフレームも安定期間にある)、シングルフレーム調整を終了させる。ずれが設定値を超える場合、一般調整戦略に従ってカメラゲインを調整し、現フレーム点群をスティッチングせず、調整量が1を超えるかどうかを検証する。調整量が1を超える場合、輝度調整期間を異常期間(すなわち、次のフレームが異常期間に入る)とし、安定期間を終了させ、シングルフレーム調整を終了させる。調整量が1を超えない場合、輝度調整期間を変化せず、シングルフレーム調整を終了させる。
【0086】
再構成が失敗した場合のシングルフレームの自動ゲイン調整方法は、以下のとおりである。
【0087】
再構成が失敗した場合、輝度調整期間を変化させ、基準領域を画像全体の非オーバーダーク領域とし、現フレームテクスチャ画像のグレー値および露出オーバーポイント比率を計算する。基準領域の画素数が設定値よりも少ないかどうかを検証し、それより小さい場合、シングルフレームの調整を終了させる。それより大きい場合、露出オーバーポイント比率が20%を超えるかどうかを検証する。そうである場合、一般調整戦略を実行してカメラゲインを調整し(ゲイン調整量を計算し、ゲイン調整量=(現フレームテクスチャ画像のグレー値-第一設定値)/15、調整量が第二プリセット値であるかどうかを検証する。調整量が第二プリセット値である場合、カメラゲインを変化させない。調整量が第二プリセット値でない場合、調整量に基づいてカメラゲインを逆に調整し、グレー値が高すぎる場合はゲインを下げ、そうでない場合はそれを上げる)、シングルフレームの調整を終了させる。そうでない場合、シングルフレームの調整を終了させる。
【0088】
<実施例2>
本発明の実施例によれば、カメラゲインの調整装置が提供され、本実施例における具体的な実施形態および好ましい実施例は、上記実施例におけるものと同じまたは類似しているため、本明細書では説明を省略する。
【0089】
図9は、本発明の実施例によるカメラゲインの調整装置の概略図である。図9に示すとおり、該装置は、
測定対象物の現フレーム画像を取得するように設定された取得モジュール52と、
現フレーム画像内の所定領域を選択してグレー計算を行い、第一計算結果を取得するように設定された計算モジュール54と、
第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間でカメラゲインを調整するように設定された処理モジュール56と、を備える。
<実施例3>
【0090】
本発明の実施例によれば、走査システムが提供され、本実施例における具体的な実施形態および好ましい実施例は、上記実施例におけるものと同じまたは類似しているため、本明細書では説明を省略する。
【0091】
図10は、本発明の実施例による走査システムの概略図であり、図10を参照すると、該走査システムは、
スキャナー62であって、プロジェクタおよびカメラを備え、プロジェクタが測定対象物に向けて単色光を投射するように設定され、カメラが第一ゲインに従って測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定されるスキャナー62と、
具体的には、上記第一ゲインは、カメラが測定対象物の画像を取得する前に設定されるカメラゲイン、またはカメラのデフォルトゲインを指す。
【0092】
カメラに接続され、再構成画像およびテクスチャ画像に基づいて3次元再構成を行うコンピュータ64であって、再構成画像およびテクスチャ画像に基づいてグレー計算を行い、第一計算結果が取得され、かつ第一計算結果に基づいて、対応する輝度調整期間では調整された第二ゲインを決定し、カメラがさらに第二ゲインに従って測定対象物の再構成画像およびテクスチャ画像を取得するように設定されるコンピュータ64と、を備える。
【0093】
任意の実施例において、第一計算結果に基づいて測定対象物の輝度調整期間を決定し、異なる期間の異なるカメラゲイン調整方法に従ってカメラゲイン(すなわち上記第一ゲイン)を調整し、第二ゲイン(調整されたゲイン)が取得され、それにより、カメラが第二ゲイン(調整されたゲイン)で該測定対象物を撮影して新しい再構成画像およびテクスチャ画像を取得し、かつ該再構成画像およびテクスチャ画像を3次元的に再構成する。
【0094】
<実施例4>
本発明実施例の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体も提供され、コンピュータ可読記憶媒体は、記憶されたプログラムを含み、ここで、プログラムが実行されているとき、その記憶媒体を制御してその装置で上記いずれかのカメラゲインの調整方法を実行する。
【0095】
<実施例5>
本発明実施例の別の態様によれば、プロセッサも提供され、プロセッサは、プログラムを実行するように設定され、ここで、プログラムが実行されているとき、上記いずれかのカメラゲインの調整方法を実行する。
【0096】
上記本発明の実施例における番号は、説明のためのものであり、実施例の長所または短所を表すものではない。
【0097】
本発明の上記実施例において、各実施例はそれぞれ着目して説明され、ある実施例について詳細に説明しない部分は、他の実施例の関連する説明を参照することができる。
【0098】
本出願で提供されるいくつかの実施例において、開示される技術内容は、他の方法で実施できることを理解されたい。ここで、上述した装置の実施例は例示に過ぎず、例えば、ユニットの分割は、論理的な機能分割とすることができ、実際には別の方法で実施することができ、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントを組み合わせることができ、または別のシステムに組み込むことができ、または一部の機能を無視するか、または実行しないことができる。別の点では、図示または議論された相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインタフェース、ユニットまたはモジュールの間接結合または通信接続を介することができ、電気的またはその他の方法で行うこともできる。
【0099】
別個の構成要素として説明された前記ユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、ユニットとして表示された構成要素は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、一箇所に配置されてもよく、複数のユニットに配置されてもよい。これらのユニットの一部または全部は、本実施例の解決手段の目的を達成するために実用上の必要性に応じて選択することができる。
【0100】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、単一の処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットが物理的に別々に存在してもよいし、2つ以上のユニットが単一のユニットに統合されてもよい。上記統合ユニットは、ハードウェアの形態で、またはソフトウェア機能ユニットの形態で実装することができる。
【0101】
前記統合ユニットは、ソフトウェア機能ユニットとして実装され、独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術的解決手段の本質または従来技術に寄与する部分、または該技術的解決手段の全体または一部は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワークデバイスなどであってもよい)が、本発明の各実施例で説明した方法のステップのすべてまたは一部を実行できるようにするための複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、読み取り専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種媒体を含む。
【0102】
上記は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、当業者にとっては、本発明の原理から逸脱することなく、多くの改良および装飾が可能であり、これらの改良および装飾も本発明の保護範囲内とみなされることに留意されたい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本出願の実施例によって提供される解決手段は、測定対象物を走査してその物理的な画像を得るために使用でき、ゲイン調整とシーンとのマッチングを高度に維持し、そしてシーンの変化に迅速に対応し、このようにして、走査結果が物理オブジェクトのテクスチャと一致し、カメラゲイン調整の柔軟性を向上させ、ゲインの調整率および調整効果を向上させるという目的を達成し、これにより、画像走査品質を向上させ、走査結果の精度を向上させ、そして関連技術ではカメラゲイン調整方法の柔軟性が低く、走査結果が正確でないという技術的問題が解決される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10