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特許7450117自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体
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  • 特許-自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体 図1
  • 特許-自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体 図2a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240307BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60T7/12 B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023515658
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 CN2021140435
(87)【国際公開番号】W WO2022151936
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】202110062047.0
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320015083
【氏名又は名称】北京京東乾石科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG QIANSHI TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM A1905, 19TH FLOOR, NO. 2 BUILDING, NO. 18 KECHUANG 11 STREET, BEIJING ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, BEIJING 100176, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 春 暁
(72)【発明者】
【氏名】王 建 偉
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-139330(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008056204(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G05D 1/00- 1/12
B60T 7/12- 8/1769
B60T 8/32- 8/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在ブレーキトリガイベントが取得されたことに応答し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入ることと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあることに応答し、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、
前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいことと、を含む、
自動運転制御方法。
【請求項2】
前記目標制御車両が現在いずれのブレーキ監視周期にもないことに応答し、
前記現在ブレーキトリガイベントを前記最初のブレーキトリガイベントとし、前記目標制御車両に前記最初のブレーキ制御命令を送信し、前記1番目のブレーキ監視周期に入り、
前記最初のブレーキ制御命令が、ポンピングブレーキ制御命令であり、第1の車両制御時間長に対応することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標制御車両が現在1番目のブレーキ監視周期内にあると、前記した、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入ることは、
前記目標制御車両に2回目のブレーキ制御命令を送信し、2番目のブレーキ監視周期に入り、前記2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視し、
前記2回目のブレーキ制御命令が、ブレーキ停止制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させる第2の車両制御時間長に対応することを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記目標制御車両が現在2番目のブレーキ監視周期内にあると、前記した、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入ることは、
前記目標制御車両に3回目のブレーキ制御命令を送信し、3番目のブレーキ監視周期に入り、前記3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視し、
前記3回目のブレーキ制御命令が、ブレーキ停止且つ待機制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させて待機させる第3の車両制御時間長に対応することを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番が3よりも大きいか又は等しいことに応答し、前記した、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入ることは、
前記現在ブレーキトリガイベントが取得された時間に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応する余剰車両制御時間長を決定することと、
前記余剰車両制御時間長に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長を決定することと、
前記目標制御車両にブレーキ停止且つ待機制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、ブレーキトリガイベントを監視し、前記ブレーキ停止且つ待機制御命令が、前記余剰車両制御時間長に応じて決定された車両制御時間長に対応することと、を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記余剰車両制御時間長に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長を決定することは、
前記余剰車両制御時間長をプリセット遅延時間長に付加し、付加結果を前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長とすることを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記目標制御車両と障害物との間の距離がプリセット閾値よりも小さいか、又は前記目標制御車両の制御データの計算結果が異常であることが検出されたことに応答し、前記現在ブレーキトリガイベントが取得される、ことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
現在ブレーキトリガイベントが取得されたことに応答し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入るように構成されるブレーキイベント監視モジュールと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあることに応答し、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいように構成されるブレーキ制御モジュールと、を備える、
自動運転制御装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されるメモリとを備え、
前記少なくとも1つのプログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1、2及び7のいずれかに記載の自動運転制御方法を実現させる、
電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されており、
前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されると、請求項1、2及び7のいずれかに記載の自動運転制御方法を実現する、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年1月18日に中国専利局に出願された、出願番号が202110062047.0である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願の実施例は、自動運転の技術分野に関し、例えば、自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
物流配送の効率の向上及び人的コストの節約のために、知能倉庫保管過程における貨物仕分け及び移送の自動運転車両と、小包の輸送、配送過程における自動運転の物流車両とが含まれる自動運転の物流車は既に実用化されている。自動運転の車両には、現場の保安員が随時随っているわけではなく、それ自体に配置された測位装置及び各種の障害物の感応装置などにより採取されたデータに応じて計算を行い、計算結果に応じて制御命令を生成し、自動運転の制御を実現する。走行する過程において障害物やシステム計算エラーに遭遇すると、運転の安全性を確保するために、ブレーキ減速又は作動停止が起動される。
【0004】
関連技術には少なくとも、ブレーキは一定の安全を保証できるものの、ブレーキという動作自体も、特に頻繁なブレーキが必要とされる場合、問題をもたらす可能性があるという技術的問題がある。ブレーキ時間が短すぎると、車両速度は、ゼロに下げられるのが間に合わない可能性があり、これによる頻繁なポンピングブレーキは、車輪を大きく摩耗するだけでなく、頻繁な車両制御が、計画制御モジュールに影響を与え、車両の走行路線が安定しないという問題を引き起こす可能性がある。ブレーキ時間が長すぎると、車両は走ったり止まったりし、且つ停車時間が長く、交通渋滞を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、ポンピングブレーキ及びブレーキ停止という2つのブレーキモードを結び付け、ブレーキ待機時間を制御し、一定の周期内で頻繁にブレーキがかかる状況を回避することを実現するための自動運転制御方法、装置、電子機器及び媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面において、本願の実施例は、
現在ブレーキトリガイベントが取得されたことに応答し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、そのうち、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入ることと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあることに応答し、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、
そのうち、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいことと、を含む自動運転制御方法を提供する。
【0007】
第2の側面において、本願の実施例は、
現在ブレーキトリガイベントが取得されたことに応答し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、そのうち、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入るように構成されるブレーキイベント監視モジュールと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあることに応答し、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、そのうち、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいように構成されるブレーキ制御モジュールと、備える自動運転制御装置をさらに提供する。
【0008】
第3の側面において、本願の実施例は、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムを記憶するように構成されるメモリとを備え、
前記少なくとも1つのプログラムは、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、本願の第1の側面に係る自動運転制御方法を実現させる電子機器をさらに提供する。
【0009】
第4の側面において、本願の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本願の第1の側面に係る自動運転制御方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の実施例1に係る自動運転制御方法のフローチャートである。
図2a】本願の実施例2に係る自動運転制御方法のフローチャートである。
図2b】本願の実施例2に係る他の自動運転制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例3に係る自動運転制御装置の構造模式図である。
図4】本願の実施例4に係る電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願を詳しく説明する。
実施例1
図1は、本願の実施例1に係る自動運転制御方法のフローチャートであり、本実施例は、自動運転車両を制御する場合に適用可能である。該方法は、自動運転制御装置により実行可能であり、該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式により実現され、アプリケーション開発機能を有する電子機器に集積されてもよい。
【0012】
図1に示すように、自動運転制御方法は以下のステップを含む。
S110において、現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断する。
【0013】
例示的に、ブレーキトリガイベントは、目標制御車両である自動運転車両の車載の距離センサにより障害物が検出され、且つ自動運転の車両が障害物から離れた距離が、一定の閾値よりも小さくなるものであってもよいし、又は他のセンシング装置により検出されたデータが、ブレーキをトリガする条件に合致して、ブレーキをトリガするものであってもよい。ブレーキトリガイベントはさらに、ネットワークが不安定で、信号が断続しており、自動運転制御システムは、より大きな車両走行事故を回避するために、一時的に車両に対してブレーキ又は停車などの操作を行うことしかできないなど、自動運転車両の制御システムのシステムレベルのエラーにより、自動運転車両が正常に作動できなくなるものであってもよい。
【0014】
好ましくは、前記した、現在ブレーキトリガイベントの取得は、
前記目標制御車両と障害物との間の距離がプリセット閾値よりも小さいか、又は前記目標制御車両の制御データの計算結果が異常であることが検出されると、前記現在ブレーキトリガイベントが取得される、ことを含む。
【0015】
しかし、距離センサ又は他のセンサにより検出されたデータに多くのノイズが存在し、又はシステムエラーが復元された後にもエラーが繰り返し出現している場合、自動運転車両は誤った制御命令で走ったり止まったりしてしまい、交通渋滞を引き起こしやすく、大きな安全上の懸念がある。したがって、頻繁なブレーキを回避するために、ブレーキトリガイベントが取得された後に、このブレーキトリガイベントに如何に応答するかを判断する必要がある。
【0016】
ブレーキ監視周期は、連続するブレーキトリガイベントに応じて設定されるブレーキ監視周期であり、一定時間内で連続するブレーキトリガイベントは、それぞれ1つのブレーキ監視周期に対応しており、各ブレーキ監視周期の時間長は異なり、車のブレーキトリガイベント回数の増加につれて、ブレーキ監視周期の時間長は増加し、さらに、各ブレーキ監視周期内の車両制御時間長は異なり、つまり、ブレーキ制御命令が異なる。例示的に、目標制御車両は、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入る。1番目のブレーキ監視周期内で、ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両に2回目のブレーキ制御命令を送信し、2番目のブレーキ監視周期に入る。これをもって類推し、1つのブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得されなくなると、最終のブレーキ監視周期を終了させ、自動運転車両の正常作動の状態に戻る。
【0017】
そのため、現在ブレーキトリガイベントが取得された後に、自動運転車両が現在任意の1つのブレーキ監視周期にあるか否か、何番目のブレーキ監視周期であるかを判断する必要がある。自動運転車両の起動後の1回目のブレーキトリガイベントの時間は、最初のブレーキトリガ時間であり、本実施例において、任意の1つのブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが監視されていなければ、ブレーキ監視周期の後の1回目のブレーキトリガイベントが自動運転車両の作動過程における1回目のブレーキトリガイベントではなくても、該ブレーキ監視周期が終了すると、ブレーキ監視周期を終了させた後の1回目のブレーキトリガイベントを同様に、自動運転車両が起動したばかりの状態に類似して、最初のブレーキトリガイベントとすることを理解できる。
【0018】
S120において、前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入る。
【0019】
目標制御車両が現在1つのブレーキ監視周期にあること、及び該ブレーキ監視周期の順番が何番目のブレーキ監視周期であるかが決定されると、該ブレーキトリガイベントに対応するブレーキ制御命令及びブレーキ監視周期、即ち、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期を決定し、目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入ることができる。そのうち、次のブレーキ監視周期の時間長は、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きい。
【0020】
例示的に、現在ブレーキトリガイベントが最初のブレーキトリガイベントであると、対応する最初のブレーキ制御命令を目標制御車両に送信し、1番目のブレーキ監視周期に入り、最初のブレーキ制御命令がポンピングブレーキ制御命令であり、第1の車両制御時間長に対応する。ポンピングブレーキ制御命令は、自動車を人為的に運転している時に足で一度ブレーキをかけて離すことに相当し、第1の車両制御時間長は短く、車は直ちに止まることなく、速度が相対的に若干低下しただけであることを理解できる。そして、1番目のブレーキ監視周期に順次続く2番目、3番目ひいてはより多くのブレーキ監視周期に対応する、ブレーキ制御命令の車両制御時間長は、徐々に増加する。例えば、2番目のブレーキ監視周期のブレーキ制御命令は、車両制御時間長が5秒であり、ブレーキを5秒踏めば車両を直接ブレーキ停止させる可能性がある。順番的により後ろのブレーキ監視周期におけるブレーキ制御命令は、対応する車両制御時間長が5秒よりも長くなり、車両をブレーキ停止させてから、しばらく待機するように停止させてもよい。
【0021】
なお、各最初のブレーキトリガイベントに対応するブレーキ制御命令がポンピングブレーキ制御命令であることに関して、自動運転制御システムのデフォルトでは、最初のブレーキトリガイベントがいずれも正常なブレーキトリガイベントであり、後続でブレーキトリガイベントが連続して監視されれば、異なるブレーキ監視周期を起動し、自動運転車両に異なるブレーキ制御命令を発する。ネットワークの不安定さや、センサのノイズデータの干渉などの原因による頻繁なブレーキが回避される。ブレーキがトリガされれば、掛かる時間が短いポンピングブレーキから、ペナルティ時間を途切れなく増加させ、掛かる時間が長いブレーキ停止且つ待機に移行する。即ち、一定の周期内で複数回の停車条件がトリガされれば、車両制御システムが、データの計算エラーを訂正するか、又はネットワークの安定さが戻るまで待機するための若干の緩衝時間を有するように、ペナルティ時間を途切れなく増加させる。これにより、短時間内の頻繁なポンピングブレーキを防止でき、毎回の停車に掛かる時間が長いことによる渋滞の場面も回避できる。
【0022】
本実施例の技術案は、現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、そのうち、次のブレーキ監視周期の時間長は、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きく、これにより、ネットワークの不安定さや、センサのノイズデータの干渉などの原因による頻繁なブレーキの問題を解決し、一定の周期内に対する複数回の停車条件のトリガの状況を実現し、毎回の停車のペナルティ時間を途切れなく増加させ、短時間内の頻繁なポンピングブレーキを防止し、毎回の停車に掛かる時間が長いことによる渋滞の場面も回避できる。
【0023】
実施例2
図2aは、本願の実施例2に係る自動運転制御方法のフローチャートであり、本実施例は、自動運転車両を制御する場合に適用可能であり、ブレーキ制御の過程について説明しており、上記実施例における自動運転制御方法と同一の発明構想に属する。該方法は、自動運転制御装置により実行可能であり、該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの方式により実現され、アプリケーション開発機能を有するサーバ機器に集積されてもよい。
【0024】
図2aに示すように、自動運転制御方法は、以下のステップを含む。
S210において、最初のブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両に最初のブレーキ制御命令を送信し、1番目のブレーキ監視周期に入り、ブレーキトリガイベントを監視する。
【0025】
例示的に、自動運転車両には1つのロジックモジュールがあり、ロジックモジュールは、車両運転への安全制御として構成され、車両走行制御モジュールから独立した1つの自律安全モジュールであってもよく、保護傘に相当し、車両の停車ベースライン及び基本的な安全を保証する。該モジュールは、シャーシ(車両の伝動装置及び制御装置)に車両制御命令を下すことができ、車両制御命令は、ブレーキ力度、車両制御時間長など、シャーシの走行状態を制御するパラメータを含む。該自律安全モジュールは、トリガユニット、監視ユニット及び制御ユニットを備える。
【0026】
例示的に、トリガユニットは、車両が自律安全停車条件をトリガしたか否か、例えば、障害物からの距離が近いか、障害物と車体との間の距離が1つの閾値よりも小さいか、又は車端(ソフトウェアシステム、アルゴリズム及びハードウェアなど)に異常が発生したかを判断するように構成される。以上の条件のいずれかが満たされると、トリガユニットは、自律安全停車がトリガされたと認め、ブレーキをかける必要があるというメッセージを監視ユニットに送信する。監視ユニットは、現在自律安全ブレーキ方法(即ち、本願における自動運転制御方法)のどのブレーキ監視周期にあるかを監視し、ブレーキ監視周期の時間、車両制御時間長、ペナルティの停車時間長などを計算する役割を担う。最後に、さらに、制御ユニットは、シャーシにブレーキ制御命令を下す役割を担い、車両のシャーシは命令を実行する。
【0027】
本ステップにおいて、トリガユニットによりブレーキトリガイベントが取得され、監視ユニットによっては、現在任意の1つのブレーキ監視周期にあるか否かが判断されており、結論が否定であると、該回のブレーキトリガイベントが最初のブレーキトリガイベントであると決定可能である。最初のブレーキトリガイベントは、自動運転車両の起動後の1回目のブレーキトリガイベントであってもよいし、いずれかのブレーキ監視周期を終了させた後の1番目のブレーキトリガイベントであってもよい。最初のブレーキトリガイベントに対応する最初のブレーキ制御命令は、ポンピングブレーキ制御命令であり、第1の車両制御時間長tp0に対応する。その後、制御ユニットは、第1の車両制御時間長を他の車両制御パラメータ(例えば、速度、停車角度又は他の車両走行の制御パラメータ)とともに車両制御命令(即ち、最初のブレーキ制御命令)を構成して車両のシャーシに送信し、ポンピングブレーキ動作を完成させるようシャーシに通知する。ポンピングブレーキであるため、車両は減速するが、必ずしもブレーキ停止するとは限らず、ここで、tp0が小さい。同時に、監視ユニットは、1番目のブレーキ監視周期に入り、T0周期の時間長のカウントダウンの監視を開始し、該周期内でトリガユニットにより取得された新たなブレーキトリガイベントのメッセージが受信されていなければ、自動的にタイムアウトになり、ブレーキ動作を解除し、該ブレーキ監視周期を終了させ、自律安全ブレーキ方法を退出する。
【0028】
S220において、前記1番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得されると、前記目標制御車両に2回目のブレーキ制御命令を送信し、2番目のブレーキ監視周期に入り、前記2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視する。
【0029】
1番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得され、即ち、ブレーキが2回目にトリガされ、2回目のブレーキ制御命令は、ブレーキ停止制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させる第2の車両制御時間長に対応する。監視ユニットは、第2の車両制御時間長をtp1に設定し、該車両制御時間長を制御ユニットに送信し、制御ユニットは、車両制御時間長を他の車両制御パラメータとともに車両制御命令(即ち、2回目のブレーキ制御命令)を構成して車両のシャーシに送信し、前回のブレーキ動作が実行済みであるか否かに関わらず、tp0が既に無効になり、車両制御時間長がtp1に変えられ、tp1>tp0であることをシャーシに通知し、ブレーキ停止動作を完成させるようシャーシに通知する。同時に、監視ユニットは、2番目のブレーキ監視周期に入り、T1周期の時間長のカウントダウンの監視を開始し、2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視する。
【0030】
S230において、前記2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得されると、前記目標制御車両に3回目のブレーキ制御命令を送信し、3番目のブレーキ監視周期に入り、前記3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視する。
【0031】
2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得され、即ち、ブレーキが3回目にトリガされ、対応する3回目のブレーキ制御命令は、ブレーキ停止且つ待機制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させて待機させる第3の車両制御時間長tp2に対応する。監視ユニットは、車両制御時間長tp2を設定し、該車両制御時間長を制御ユニットに送信し、制御ユニットは、車両制御時間長を他の車両制御パラメータとともに車両制御命令(即ち、3回目のブレーキ制御命令)を構成して車両のシャーシに送信し、前回のブレーキ動作が実行済みであるか否かに関わらず、tp1が既に無効になり、tp2に変えられ、tp2>=tp1であることをシャーシに通知し、ブレーキ停止且つ待機という動作を完成させるようシャーシに通知する。同時に、監視ユニットは、3番目のブレーキ監視周期に入り、T2周期の時間長のカウントダウンの監視を開始し、3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視する。
【0032】
S240において、前記3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得されると、前記目標制御車両に4回目のブレーキ制御命令を送信し、4番目のブレーキ監視周期に入り、前記4番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視する。
【0033】
3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが取得され、即ち、ブレーキが4回目にトリガされ、対応して、4回目のブレーキ制御命令は、ブレーキ停止且つ待機制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させて待機させる第4の車両制御時間長tp3に対応する。監視ユニットは、車両制御時間長tp3を設定し、該車両制御時間長を制御ユニットに送信し、制御ユニットは、車両制御時間長を他の車両制御パラメータとともに車両制御命令を構成して車両のシャーシに送信し、前回のブレーキ動作が実行済みであるか否かに関わらず、tp2が既に無効になり、tp3に変えられ、tp3>=tp2であることをシャーシに通知し、ブレーキ停止且つ待機という動作を完成させるようシャーシに通知する。tp3=tp2の余剰車両制御時間長+tであり、tが1つのプリセットの遅延時間長であり、即ち、監視ユニットは、現在のブレーキ監視周期内の余剰車両制御時間長に応じて、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長を決定し、これは、余剰車両制御時間長をプリセット遅延時間長に付加し、付加結果を目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長とするものであり、さらに目標制御車両のシャーシにブレーキ停止且つ待機制御命令を送信し、次のブレーキ監視周期に入り、ブレーキトリガイベントを監視する。
【0034】
好ましくは、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番が3よりも大きいか又は等しいと、前記した、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入ることは、
前記現在ブレーキトリガイベントが取得された時間に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応する余剰車両制御時間長を決定することと、
前記余剰車両制御時間長に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長を決定することと、
前記目標制御車両にブレーキ停止且つ待機制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、ブレーキトリガイベントを監視し、そのうち、前記ブレーキ停止且つ待機制御命令が、前記余剰車両制御時間長に応じて決定された車両制御時間長に対応することと、を含む。
【0035】
同じく、後続でブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが立て続けに監視されると、監視ユニットにより、停車待機時間を計算して増加させて車両制御時間長とし、該車両制御時間長を制御ユニットに送信し、制御ユニットは、車両制御時間長を他の車両制御パラメータとともに車両制御命令を構成して車両のシャーシに送信し、前回のブレーキ動作が実行済みであるか否かに関わらず、前の車両制御時間長が既に無効になり、計算して得られた車両制御時間長に変えられることをシャーシに通知し、ブレーキ停止且つ待機を継続するよう車両のシャーシに通知する。同時に、監視ユニットは、新たなブレーキ監視周期の時間長のカウントダウンの監視を開始する。最終の1つのブレーキ監視周期の車両制御時間長tpfは、最終のブレーキ監視周期Tfの時間長に等しいものである。
【0036】
S250において、第4のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントが監視されていないと、現在のブレーキ監視周期を終了させ、最初のブレーキトリガイベントの取得を待機する。
【0037】
第4のブレーキ監視周期でトリガユニットにより取得されたブレーキトリガイベントのブレーキメッセージが受信されていなければ、第4のブレーキ監視周期は自動的にタイムアウトし、ブレーキを解除し、ブレーキ監視周期を終了させ、自律安全ブレーキ方法を退出する。方法を退出した後にブレーキがトリガされれば、最初のトリガと認め、ステップS210の最初から自律安全ブレーキ方法の実行を開始する。
【0038】
S210~S230のうちのいずれかの監視周期で新たなブレーキトリガイベントが監視されていなかった場合、本ステップの操作を実行し、ブレーキを解除してブレーキ監視周期を終了させ、自律安全ブレーキ方法を退出してもよいことを理解できる。
【0039】
或いは、図2bに示す自動運転制御のフローチャートを参照してもよく、最初のブレーキトリガイベントから、自律安全のブレーキ方法の実行を開始する。通常、多くの場合、3番目のブレーキ監視周期T2も最後の1つのブレーキ監視周期Tfであり、ブレーキ監視周期が終了し、ブレーキトリガイベントが監視されていないと、ブレーキ監視周期がタイムアウトしたと認め、ブレーキを解除し、即ち、自律安全のブレーキ方法を退出する。
【0040】
本実施例の技術案は、現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断することで、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入る。1番目のブレーキ監視周期のブレーキ制御命令は、ポンピングブレーキであり、2番目のブレーキ監視周期のブレーキ制御命令は、ブレーキ停止であり、3番目及び後続のブレーキ監視周期のブレーキ制御命令は、ブレーキ停止且つ待機であり、ポンピングブレーキ及びブレーキ停止を結び付け、ポンピングブレーキは時間を節約し、速やかに通過することができ、ブレーキ停止が衝突を回避することができるという利点を利用し、停車の時間を用いて頻繁なブレーキ現象を緩和し、両者の欠点を避け、ネットワークの不安定さや、センサのノイズデータの干渉などの原因による頻繁なブレーキの問題を解決し、一定の周期内に対する複数回の停車条件のトリガの状況を実現し、毎回の停車のペナルティ時間を途切れなく増加させ、短時間内の頻繁なポンピングブレーキを防止し、毎回の停車に掛かる時間が長いことによる渋滞の場面も回避できる。
【0041】
以下は、本願の実施例に係る自動運転制御装置の実施例であり、該装置は、上記各実施例の自動運転制御方法と同一の出願構想に属し、上記各実施例の自動運転制御方法を実現可能である。自動運転制御装置の実施例に詳しく説明されていない詳細内容は、上記自動運転制御方法の実施例を参照することができる。
【0042】
実施例3
図3は、本願の実施例3に係る自動運転制御処理装置の構造模式図であり、本実施例は、自動運転車両に対して制御を行う場合に適用可能である。
【0043】
図3に示すように、自動運転制御装置は、ブレーキイベント監視モジュール310及びブレーキ制御モジュール320を備える。
【0044】
そのうち、ブレーキイベント監視モジュール310は、現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、そのうち、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入るように構成され、ブレーキ制御モジュール320は、前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、そのうち、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいように構成される。
【0045】
現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、そのうち、次のブレーキ監視周期の時間長は、目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きく、ネットワークの不安定さや、センサのノイズデータの干渉などの原因による頻繁なブレーキの問題が解決され、一定の周期内に対する複数回の停車条件のトリガの状況が実現され、毎回の停車のペナルティ時間を途切れなく増加させ、短時間内の頻繁なポンピングブレーキが防止され、毎回の停車に掛かる時間が長いことによる渋滞の場面も回避できる。
【0046】
好ましくは、前記目標制御車両が現在いずれのブレーキ監視周期にもない場合、前記ブレーキ制御モジュール320は、
前記現在ブレーキトリガイベントを前記最初のブレーキトリガイベントとし、前記目標制御車両に前記最初のブレーキ制御命令を送信し、前記1番目のブレーキ監視周期に入り、
そのうち、前記最初のブレーキ制御命令が、ポンピングブレーキ制御命令であり、第1の車両制御時間長に対応するようにさらに構成される。
【0047】
好ましくは、前記目標制御車両が現在1番目のブレーキ監視周期内にあると、前記ブレーキ制御モジュール320は、
前記目標制御車両に2回目のブレーキ制御命令を送信し、2番目のブレーキ監視周期に入り、前記2番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視し、
そのうち、前記2回目のブレーキ制御命令が、ブレーキ停止制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させる第2の車両制御時間長に対応するように構成される。
【0048】
好ましくは、前記目標制御車両が現在2番目のブレーキ監視周期内にあり、前記ブレーキ制御モジュール320は、
前記目標制御車両に3回目のブレーキ制御命令を送信し、3番目のブレーキ監視周期に入り、前記3番目のブレーキ監視周期内でブレーキトリガイベントを監視し、
そのうち、前記3回目のブレーキ制御命令が、ブレーキ停止且つ待機制御命令であり、前記目標制御車両をブレーキ停止させて待機させる第3の車両制御時間長に対応するように構成される。
【0049】
好ましくは、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番が3よりも大きいか又は等しいと、前記ブレーキ制御モジュール320は、
前記現在ブレーキトリガイベントが取得された時間に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応する余剰車両制御時間長を決定し、
前記余剰車両制御時間長に応じて、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長を決定し、
前記目標制御車両にブレーキ停止且つ待機制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、ブレーキトリガイベントを監視し、そのうち、前記ブレーキ停止且つ待機制御命令が、前記余剰車両制御時間長に応じて決定された車両制御時間長に対応するようにさらに構成される。
【0050】
好ましくは、前記ブレーキ制御モジュール320は、
前記余剰車両制御時間長をプリセット遅延時間長に付加し、付加結果を前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の次のブレーキ監視周期に対応する車両制御時間長とするように構成される。
【0051】
好ましくは、前記自動運転制御装置は、ブレーキイベント監視モジュールを備え、
前記ブレーキイベント監視モジュールは、前記目標制御車両と障害物との間の距離がプリセット閾値よりも小さいか、又は前記目標制御車両の制御データの計算結果が異常であることが監視されると、前記現在ブレーキトリガイベントが取得されるように構成される。
【0052】
本願の実施例に係る自動運転制御装置は、本願の任意の実施例に係る自動運転制御方法を実行可能であり、方法の実行に相応する機能モジュールを備える。
【0053】
実施例4
図4は、本願の実施例4に係る電子機器の構造模式図である。図4では、本願の実施形態の実現ために適した例示的な電子機器12のブロック図が示されている。図4に表示された電子機器12は、1つの例に過ぎず、本願の実施例の機能及び使用範囲に如何なる制限も与えるべきではない。電子機器12は、計算能力を有する任意の端末機器、例えば、知能コントローラ及びサーバ、携帯電話などの端末機器であってもよい。
【0054】
図4に示すように、電子機器12は、汎用コンピューティングデバイスの形式で表現される。電子機器12の構成要素には、少なくとも1つのプロセッサ又は処理ユニット16と、システムメモリ28と、異なるシステム構成要素(システムメモリ28及び処理ユニット16を含む)を接続するバス18が含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0055】
バス18は、何種かのバス構造のうちの少なくとも1種を示し、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、アクセラレーテッドグラフィックスポート(Accelerated Graphics Port)、プロセッサ又は複数種のバス構造のうちの任意のバス構造を用いるローカルバスを含む。例を挙げると、これらのアーキテクチャには、業界標準アーキテクチャ(Industry Standard Architecture、ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro Channel Architecture、MCA)バス、エイサ(Extended Industrial Standard Architecture、EISA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーション(Video Electronics Standards Association、VESA)ローカルバス及び周辺コンポーネント相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
電子機器12は、典型的に複数種のコンピュータシステム可読媒体を含む。これらの媒体は、電子機器12によりアクセス可能な任意の利用可能媒体であってもよく、揮発性及び不揮発性の媒体、移動可能及び移動不可な媒体を含む。
【0057】
システムメモリ28は、揮発性メモリ形態のコンピュータシステム可読媒体、例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)30及び/又はキャッシュメモリ32を含んでもよい。電子機器12は、他の移動可能/移動不可な、揮発性/不揮発性のコンピュータシステム記憶媒体を含んでもよい。単に例を挙げると、記憶システム34は、移動不可な不揮発性磁気媒体(図4に示していないが、一般的に「ハードディスクドライブ」と呼ばれる)を読み書きするために使用可能である。図4に示していないが、移動可能な不揮発性磁気ディスク(例えば「フロッピー(登録商標)ディスク」)に対して読み書きするように構成された磁気ディスクドライブ、及び、移動可能な不揮発性光ディスク(例えば、リードオンリー光ディスク(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、デジタルビデオディスク(Digital Video Disc-Read Only Memory、DVD-ROM)又は他の光媒体)に対して読み書きするように構成された光ディスクドライブを提供することができる。これらの場合に、各ドライブは、少なくとも1つのデータ媒体インタフェースによりバス18に繋がることができる。システムメモリ28は、少なくとも1つのプログラムプロダクトを含んでもよく、該プログラムプロダクトは1グループ(例えば、少なくとも1つ)のプログラムモジュールを有し、これらのプログラムモジュールは、本願の各実施例の機能を実行するように設定される。
【0058】
1グループ(少なくとも1つ)のプログラムモジュール42を有するプログラム/実用ツール40は、例えばシステムメモリ28に記憶されてもよく、このようなプログラムモジュール42には、オペレーティングシステム、少なくとも1つのアプリケーション、他のプログラムモジュール及びプログラムデータが含まれるが、これらに限定されず、これらの例の中のそれぞれ又はある種類の組合せに、ネットワーク環境の実現が含まれる可能性がある。プログラムモジュール42は、一般的に本願に記載される実施例における機能及び/又は方法を実行する。
【0059】
電子機器12は、少なくとも1つの外部機器14(例えばキーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイ24など)と通信することができるし、少なくとも1つの、ユーザが該電子機器12と対話可能なデバイスと通信することができ、及び/又は、該電子機器12が少なくとも1つの他のコンピューティングデバイスと通信可能な任意のデバイス(例えばネットワークカード、モデムなど)と通信することができる。このような通信は、入力/出力(Input/Output、I/O)インタフェース22により行うことができる。そして、電子機器12は、少なくとも1つのネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network、WAN)及び/又は公共ネットワーク、例えばインターネット)とさらにネットワークアダプタ20により通信することができる。図面に示すように、ネットワークアダプタ20は、バス18により電子機器12の他のモジュールと通信する。図面には示していないが、電子機器12と組み合わせて他のハードウエア及び/又はソフトウェアモジュールを使用してよく、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長処理ユニット、外部磁気ディスクドライブアレイ、磁気ディスクアレイ(Redundant Arrays of Independent Disks、RAID)システム、テープドライブ及びデータバックアップ記憶システムなどを含むが、これらには限定されないことを理解すべきである。
【0060】
処理ユニット16は、システムメモリ28に記憶されたプログラムを作動させることにより、各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、例えば、本発明の実施例に係る自動運転制御方法のステップを実現し、該方法は、
現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、そのうち、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入ることと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、
そのうち、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいことと、を含む。
【0061】
好ましくは、処理ユニット16は、システムメモリ28に記憶されたプログラムを作動させることにより、本願の任意の実施例に記載の自動運転制御方法を実現可能である。
【0062】
実施例5
本実施例5は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、本願の任意の実施例に係る自動運転制御方法を実現し、該方法は、
現在ブレーキトリガイベントが取得されると、目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあるか否かを判断し、そのうち、前記目標制御車両が、起動後に最初のブレーキトリガイベントが監視されて前記目標制御車両に最初のブレーキ制御命令が送信されると、1番目のブレーキ監視周期に入ることと、
前記目標制御車両が現在いずれかのブレーキ監視周期内にあると、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の順番に応じて、前記目標制御車両に次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令を送信し、前記次のブレーキ監視周期に入り、
そのうち、前記次のブレーキ監視周期の時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期の時間長よりも大きく、且つ前記次のブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長は、前記目標制御車両が現在所在するブレーキ監視周期に対応するブレーキ制御命令の車両制御時間長よりも大きいこととを含む。
【0063】
本願の実施例に係るコンピュータ記憶媒体は、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体の任意の組合せを採用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又は素子、或いは任意の以上の組合せであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、少なくとも1本の導線を有する電気的接続、携帯型コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ((Erasable Programmable Read-Only Memory、EPROM)又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクト磁気ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光記憶素子、磁気記憶素子、又は上記の任意の適宜な組合せを含む。本明細書において、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含む又は記憶する任意の有形の媒体であってよく、該プログラムは、命令実行システム、装置又は素子によって使用され又はそれと組み合わせて使用されることができる。
【0064】
コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドに含まれ、又は搬送波の一部として伝搬されるデータ信号であってもよく、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを搭載している。このような伝搬されるデータ信号には、様々な形態を用いてよく、電磁信号、光信号又は上記の任意の適宜な組合せが含まれるが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、該コンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置又は素子によって使用され又はそれと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝搬又は伝送することができる。
【0065】
コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、任意の適宜な媒体によって伝送されてもよく、無線、電線、光ケーブル、ラジオ波(Radio Frequency、RF)など、又は上記の任意の適宜な組合せを含むが、これらに限定されない。
【0066】
本願の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、少なくとも1種のプログラム設計言語又はその組合せによって書かれてもよく、前記プログラム設計言語は、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向のプログラム設計言語を含み、「C」言語又は類似するプログラム設計言語などの一般的な手続き型プログラム設計言語をさらに含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで実行されたり、部分的にユーザのコンピュータで実行されたりしてもよく、独立ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータで実行され且つ部分的にリモートコンピュータで実行され、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバで実行されてもよい。リモートコンピュータに関する場合に、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のネットワークによってユーザのコンピュータに接続され、又は、外部コンピュータに接続されてもよい(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用し、インターネットを介して接続される)。
【0067】
当業者であれば、上記の本願の各モジュール又は各ステップが、汎用の計算装置を用いて実現されることができ、それらが単一の計算装置に集中されてもよいし、又は複数の計算装置からなるネットワークに分布されてもよく、好ましくは、それらがコンピュータ装置により実行可能なプログラムコードを用いて実現されることができ、これにより、それらを記憶装置に記憶して計算装置により実行されてもよいし、若しくはそれらをそれぞれ各集積回路モジュールに製作するか、又はそれらのうちの複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールに製作することにより実現されてもよいことを理解すべきである。このように、本願は、いずれの特定のハードウェア及びソフトウェアの組合せに制限されるものではない。
図1
図2a
図2b
図3
図4