(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】エッチング停止層を有するIII族-窒化物マルチ波長LEDアレイ
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20240307BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20240307BHJP
H01L 33/36 20100101ALI20240307BHJP
H01L 33/20 20100101ALI20240307BHJP
H01L 33/32 20100101ALI20240307BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240307BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240307BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240307BHJP
H01L 27/15 20060101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/44
H01L33/36
H01L33/20
H01L33/32
H01L33/00 J
G09F9/33
G09F9/00 338
H01L27/15
(21)【出願番号】P 2023524596
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021051175
(87)【国際公開番号】W WO2022103487
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-04-21
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アーミテージ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0198561(US,A1)
【文献】特開2017-201655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0061694(US,A1)
【文献】特表2017-513225(JP,A)
【文献】特開2004-128502(JP,A)
【文献】特表2007-520071(JP,A)
【文献】特開2010-080955(JP,A)
【文献】特開2002-359402(JP,A)
【文献】特開2017-028287(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0189876(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0099300(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113224214(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
G09F 9/00
G09F 9/30 - 9/33
H01L 27/12 - 27/15
H04B 45/00 - 45/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)アレイであって、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記第1のメサの前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III
-V族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III
-V族-窒化物層とを含む、
第1のメサと、
上部表面と、前記第1のLEDと、
前記第1のトンネル接合と、第2のLEDと
、第2のトンネル接合と、第3のLEDとを有する
第2のメサであって、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有
し、前記第2のカラーは、前記第1のカラーとは異なり、
前記第3のLEDは、第3のn-型層と、第3のp-型層と、第3のカラー活性領域とを有し、前記第3のカラーは、前記第1および第2のカラーとは異なり、
前記第1のトンネル接合は、前記第1のLEDと前記第2のLEDとの間に配置され、前記第2のトンネル接合は、前記第2のLEDと前記第3のLEDとの間に配置され、
前記第2のメサは、前記第3のp-型層を有する前記上部表面を有する、
第2のメサと、
前記第1のLED、前記第1のトンネル接合、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合、および前記第2のトンネル接合上の前記第3のn-型層を有する第3のメサと、
前記第1のメサと前記第2のメサとを分離する第1のトレンチと、
前記
第2のメサと前記第3のメサとを分離する第2のトレンチと、
前記第1のトレンチの側壁および前記第2のトレンチの側壁の一部に配置された誘電体層であって、
前記第1のメサにおいて、前記第2のn-型層、前記第1のトンネル接合、前記第1のp-型層、および前記第1のカラー活性領域の側壁を覆い、
前記第2のメサにおいて、前記第3のp-型層、および前記第3のカラー活性領域の側壁を覆い、
前記第3のメサにおいて、前記第3のn-型層、前記第2のトンネル接合、
前記第2のp-型層、および前記第2のカラー活性領域の側壁を覆う、
誘電体層と、
前記第1および第2のトレンチ内のn-型メタライゼーション層であって、
前記第1のメサにおいて、前記第1のn-型層の側壁を覆い、
前記第2のメサにおいて、前記第1のLED、前記第1のトンネル接合、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合、および前記第3のn-型層の側壁を覆い、
前記第3のメサにおいて、前記第1のLED、前記第1のトンネル接合、および前記第2のn-型層の側壁を覆う、
n-型メタライゼーション層と、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記第2のメサの前記上部表面上のアノードメタライゼーションコンタクトと、
前記第3のメサの前記第3のn-型層上のアノードメタライゼーションコンタクトと、
前記第1のトレンチ
内のカソードメタライゼーションであって、前記
第2のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域と電気的に接触する、前記第1のトレンチ
内のカソードメタライゼーションと、
前記第2のトレンチ
内のカソードメタライゼーションであって、前記第3のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域と電気的に接触
する、前記第2のトレンチ内のカソードメタライゼーションと、
を有し、
前記第1のトレンチ
内のカソードメタライゼーションは、前記
第2のメサの前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域と電気的に
接続される、LEDアレイ。
【請求項2】
前記
第2のメサの前記第3のp-型層は、未エッチングのp-型層である、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項3】
前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域である、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項4】
前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域であり、前記第3のカラー活性領域は、赤色のカラー活性領域である、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項5】
前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、および前記第1のn-型層は、III
-V族-窒化物材料を含む、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項6】
前記III
-V族-窒化物材料は、GaNを含む、請求項5に記載のLEDアレイ。
【請求項7】
前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、前記第3のp-型層、前記第1のn-型層、前記第
2のn-型層、および前記第3のn-型層は、III
-V族-窒化物材料を含む、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項8】
前記
n-型III-V族-窒化物層は、GaNを含む、請求項2に記載のLEDアレイ。
【請求項9】
前記第1のメサは、側壁を有し、前記
第2のメサは、側壁を有し、
前記第1のメサの側壁および前記
第2のメサの側壁は、前記メサが上部に形成される基板の上部表面と、60度から90度未満の範囲の角度を形成する、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項10】
10%を超えるAlモル分率を有する前記n-型III
-V族-窒化物層は、分子式Al
xGa
1-xNを有し、ここでxは、0.20から0.25の範囲である、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項11】
さらに、
駆動トランジスタを有する薄膜トランジスタ(TFT)ドライバを有し、
前記駆動トランジスタは、V
DD線に接続された第1の電極、および第2の電極と、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続されたキャパシタと、選択トランジスタに接続された第1の電極と、を有し、
前記選択トランジスタは、前記第1の電極および第2の電極を有し、
前記選択トランジスタの前記第2の電極は、データ線に接続され、
前記選択トランジスタは、選択線により制御されるように構成され、
前記駆動トランジスタの前記第2の電極は、前記アノードメタライゼーションコンタクトの1つに接続される、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項12】
電子システムであって、
請求項1に記載のLEDアレイと、
1つ以上のアノードコンタクトに独立した電圧を提供するように構成されたドライバ回路と、
を有する、電子システム。
【請求項13】
当該電子システムは、LED系の照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される、請求項12に記載の電子システム。
【請求項14】
LEDアレイを製造する方法であって、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサを形成するステップであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III
-V族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III
-V族-窒化物層とを有する、ステップと、
第2のメサを形成するステップであって、
前記
第2のメサは、前記第1のLEDと、
前記第1のトンネル接合と、第2のLEDと
、第2のトンネル接合と、第3のLEDとを有し、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有
し、前記第2のカラーは、前記第1のカラーとは異なり、
前記第3のLEDは、第3のn-型層と、第3のp-型層と、第3のカラー活性領域とを有し、前記第3のカラーは、前記第1および第2のカラーとは異なり、
前記第1のトンネル接合は、前記第1のLEDと前記第2のLEDとの間に配置され、前記第2のトンネル接合は、前記第2のLEDと前記第3のLEDとの間に配置され、
前記第2のメサは、前記第3のp-型層を有する前記上部表面を有する、ステップと、
前記第1のメサと前記
第2のメサを分離する第1のトレンチを形成するステップと、
第3のメサを形成するステップであって、
前記第3のメサは、上部表面、前記第1のLED、
前記第1のトンネル接合、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合を有し、前記第2のトンネル接合上に前記第3のn-型層を有し、
前記第3のメサの前記上部表面は、前記第3のn-型層を有する、ステップと、
前記
第2のメサと前記第3のメサとを分離する第2のトレンチを形成するステップと、
前記第1のトレンチの側壁および第2のトレンチの側壁の一部に誘電体層を形成するステップであって、前記誘電体層は、
前記第1のメサにおいて、前記第2のn-型層、前記第1のトンネル接合、前記第1のp-型層、および前記第1のカラー活性領域の側壁を覆い、
前記第2のメサにおいて、前記第3のp-型層、および前記第3のカラー活性領域の側壁を覆い、
前記第3のメサにおいて、前記第3のn-型層、前記第2のトンネル接合、前記第2のp-型層、および前記第2のカラー活性領域の側壁を覆う、
ステップと、
前記第1および第2のトレンチ内にn-型メタライゼーション層を形成するステップであって、前記n-型メタライゼーション層は、
前記第1のメサにおいて、前記第1のn-型層の側壁を覆い、
前記第2のメサにおいて、前記第1のLED、前記第1のトンネル接合、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合、および前記第3のn-型層の側壁を覆い、
前記第3のメサにおいて、前記第1のLED、前記第1のトンネル接合、および前記第2のn-型層の側壁を覆う、
ステップと、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記第2のメサの前記上部表面上に、アノードメタライゼーションコンタクトを形成するステップと、
前記第3のメサの前記第3のn-型層上に、アノードメタライゼーションコンタクトを形成するステップと、
前記第1のトレンチ
内にカソードメタライゼーションを形成するステップであって、前記カソードメタライゼーションは、前記
第2のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接触する、ステップと、
前記第2のトレンチ
内にカソードメタライゼーションを形成するステップであって、
前記第2のトレンチ
内のカソードメタライゼーションは、前記第3のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接続
する、ステップと、
を有し、
前記第1のトレンチ
内のカソードメタライゼーションは、前記第2
のメサの前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域
と電気的に接続
される、方法。
【請求項15】
前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDの各々は、エピタキシャル成膜されたIII
-V族-窒化物材料を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDは、基板上に形成される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全般に、発光ダイオード(LED)装置のアレイ、およびそれを製造する方法に関する。特に、より具体的には、実施形態は、ウェハ上にIII族-窒化物層を有し、トンネル接合を含むマイクロLEDを提供する発光ダイオード装置のアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れた際に可視光を放射する半導体光源である。LEDは、P-型半導体とN-型半導体を組み合わせたものである。LEDには、通常、III族化合物半導体が使用される。III族化合物半導体は、他の半導体を用いた装置に比べて、より高い温度で安定した動作を提供する。III族化合物は、通常サファイアまたは炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【0003】
ウェアラブル装置、ヘッドマウントディスプレイ、および大面積ディスプレイを含む、各種新たなディスプレイ用途では、100μm×100μm未満の横方向寸法を有する高密度のマイクロLED(μLEDまたはuLEDs)のアレイで構成された小型化されたチップが必要とされる。マイクロLED(uLED)は、通常、直径または幅が約50μmまたはそれ以下の寸法を有し、赤、青、および緑の波長を含む近接したマイクロLEDを整列されることにより、カラーディスプレイの製造に使用される。一般に、個々のマイクロLEDダイから構成されるディスプレイを組み立てるため、2つのアプローチが用いられてきた。第1のアプローチは、ピックアンドプレース方式であり、これは、各個々の青色、緑色、および赤色の波長のマイクロLEDをピックアップし、次に、バックプレーン上に整列させ、取り付け、次に、バックプレーンをドライバ集積回路に電気的に接続するステップを有する。各マイクロLEDの小さなサイズのため、このアセンブリシーケンスは遅く、製造エラーを起こしやすい。また、ディスプレイの解像度要求の高まりを満足させるようダイサイズが減少するにつれ、必要な寸法のディスプレイを形成するため、各ピックアンドプレース動作に、より多くの数のダイを転送する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これとは別に、複雑なピックアンドプレース式の物質移動プロセスを回避するため、各種モノリシック製造方法が提案され、マイクロLEDディスプレイが実現されている。モノリシック製造方法が提供されるLED装置およびLED装置を製造する方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、LEDアレイおよびLEDアレイを製造する方法を対象とする。第1の実施形態では、発光ダイオード(LED)アレイは、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記第1のメサの前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層とを含む、
第1のメサと、
上部表面と、前記第1のLEDと、第2のLEDとを有する隣接するメサであって、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有する、
隣接するメサと、
前記隣接するメサの前記第2のLED上の第2のトンネル接合、および前記隣接するメサの前記第2のトンネル接合上の第3のn-型層と、
前記メサと前記隣接するメサとを分離する第1のトレンチと、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記隣接するメサの前記上部表面上のアノードコンタクトと、
を有する。いくつかの実施形態では、LEDアレイは、さらに、
駆動トランジスタを有するTFTドライバを有し、
前記駆動トランジスタは、VDD線に接続された第1の電極、および第2の電極と、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続されたキャパシタと、選択トランジスタに接続された第1の電極と、を有し、
前記選択トランジスタは、前記第1の電極および前記第2の電極を有し、
前記選択トランジスタの前記第2の電極は、データ線に接続され、
前記選択トランジスタは、選択線により制御されるように構成され、
前記駆動トランジスタの前記第2の電極は、前記アノードコンタクトの1つに接続される。
【0006】
第2の実施形態では、第1の実施形態は、前記隣接するメサの前記上部表面が、前記第3のn-型層を含むように修正される。
【0007】
第3の実施形態では、第1の実施形態は、さらに、
前記隣接するメサの前記n-型層上の第3のカラー活性領域であって、前記隣接するメサは、第3のp-型層を含む上部表面を有する、第3のカラー活性領域と、
前記第1のLED、第2のLED、前記第2のトンネル接合、および前記第2のトンネル接合上の前記第3のn-型層を有する、第3のメサと、
前記隣接するメサと前記第3のメサを隔離する第2のトレンチと、
前記隣接するメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第1のトレンチにおけるカソードメタライゼーションと、
前記第3のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第2のトレンチにおけるカソードメタライゼーション、ならびに前記隣接するメサの、前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第1のトレンチにおける、カソードメタライゼーションと、
前記第3のメサの前記第3のn-型層上のアノードコンタクトと、
を有する。
【0008】
第4の実施形態では、第3の実施形態は、前記隣接するメサの前記第3のp-型層は、未エッチングのp-型層であるという特徴を有する。第5の実施形態では、第3または第4の実施形態は、前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域であるように修正される。第6の実施形態では、第3または第4の実施形態は、前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域であり、前記第3のカラー活性領域は、赤色のカラー活性領域であるように修正される。
【0009】
第7の実施形態では、第1乃至第6の任意の実施形態は、前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、前記第1のn-型層、および前記第2のn-型層は、III族-窒化物材料を含むように修正される。第8の実施形態では、第7の実施形態は、前記III族-窒化物材料がGaNを含むという特徴を有する。第9の実施形態では、第3乃至第6の任意の実施形態は、前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、前記第3のp-型層、前記第1のn-型層、前記第1のn-型層、前記第2のn-型層、および前記第3のn-型層は、III族-窒化物材料を含むという特徴を有する。第10の実施形態では、第9の実施形態は、III族-窒化物材料がGaNを含む。
【0010】
第11の実施形態では、第1乃至第10の任意の実施形態において、
前記第1のメサは、側壁を有し、前記隣接するメサは、側壁を有し、
前記第1のメサの側壁および前記隣接するメサの側壁は、前記メサが上部に形成される基板の上部表面と、60度から90度未満の範囲の角度を形成するという特徴を有する。
【0011】
第12の実施形態では、第1乃至第11の任意の実施形態は、10%を超えるAlモル分率を有する前記n-型III族-窒化物層は、分子式AlxGa1-xNを有し、ここでxは、0.20から0.25の範囲である、という特徴を有する。
【0012】
本開示の別の態様は、電子システムに関し、第13の実施形態では、第1乃至第12の任意の実施形態のLEDアレイと、1つ以上のアノードコンタクトに独立した電圧を提供するように構成されたドライバ回路と、を有する電子システムである。第14の実施形態では、第13の実施形態は、電子システムが、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択されるという特徴を有する。
【0013】
別の態様は、LEDアレイを製造する方法に関する。第15の実施形態では、方法は、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサを形成するステップであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有する、ステップと、
隣接するメサを形成するステップであって、
前記隣接するメサは、前記第1のLEDと、第2のLEDとを有し、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層とを有する、ステップと、
前記隣接するメサの前記第2のLED上に、第2のトンネル接合を形成するステップと、
前記隣接するメサのp-型層の前記第2のトンネル接合上に、第3のn-型層を形成するステップと、
前記第1のメサと前記隣接するメサを分離する第1のトレンチを形成するステップと、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記隣接するメサの前記第3のn-型層上に、アノードコンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0014】
第16の実施形態では、第15の実施形態は、さらに、第3のn-型を含む、隣接するメサの上部表面を形成するステップを有する。第17の実施形態では、第15または第16の実施形態は、さらに、
前記隣接するメサの前記n-型層上に第3のカラー活性領域を形成するステップであって、前記隣接するメサは、第3のp-型層を含む上部表面を有する、ステップと、
第3のメサを形成するステップであって、
前記第3のメサは、上部表面、前記第1のLEDと、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合を有し、前記第2のトンネル接合上に前記第3のn-型層を有し、
前記第3のカラー活性領域、前記第3のメサの前記上部表面は、前記第3のn-型層を有する、ステップと、
前記隣接するメサと前記第3のメサとを分離する第2のトレンチを形成するステップと、
前記第1のトレンチにおけるカソードメタライゼーションを形成するステップであって、前記カソードメタライゼーションは、前記隣接するメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接触する、ステップと、
前記第2のトレンチにおけるカソードメタライゼーションを形成するステップであって、
前記カソードメタライゼーションは、前記第3のメサの前記第2のカラー活性領域および前記第1のカラー活性領域を電気的に接続し、
前記第1のトレンチにおける前記n-型メタライゼーションは、前記第2の隣接するメサの前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域を電気的に接続し、
前記第1のトレンチにおける前記カソードメタライゼーションは、前記第3のカラー活性領域と電気的に接触する、ステップと、
前記第3メサの前記第3のn-型層上に、アノードコンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、さらに、駆動トランジスタを有するTFTドライバを形成するステップを有し、
前記駆動トランジスタは、VDD線に接続された第1の電極、および第2の電極と、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続されたキャパシタと、選択トランジスタに接続された第1の電極と、を有し、
前記選択トランジスタは、前記第1の電極および前記第2の電極を有し、
前記選択トランジスタの前記第2の電極は、データ線に接続され、
前記選択トランジスタは、選択線により制御されるように構成され、
前記駆動トランジスタの前記第2の電極は、前記アノードコンタクトの1つに接続される。
【0016】
第18の実施形態では、第17の実施形態において、前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDの各々は、エピタキシャル成膜されたIII族-窒化物材料を有する。第19の実施形態では、前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDは、基板上に形成される。第20の実施形態では、第19の実施形態において、第1のトレンチおよび第2のトレンチは、トレンチをエッチングするステップにより形成され、第1のメサ、隣接するメサ、および第3のメサが形成される。
【0017】
本開示の前述の特徴を詳細に理解することができるよう、前述の簡単に要約した本開示のより特徴的な説明が得られ、その一部は、添付の図面に示されている。しかしながら、添付図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、従って、本開示は、その範囲を制限するものではないことが留意される。本開示には、他の同等に有効な実施形態を認めることができる。本願に記載の実施形態は、一例として示されており、添付図面の図に限定されるものではない。図において、同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を含む、赤色、緑色、および青色のLED装置の断面を示した図である。
【
図2】
図1のLED装置の上部に形成された犠牲層およびエッチマスクを示した図である。
【
図3】LEDアレイを形成する3つのメサを提供する、エッチングプロセスの後の
図2の装置を示した図である。
【
図4A】
図3のLEDアレイの3つのメサ上の共形誘電体層を示した図である。
【
図4C】
図4AのLEDアレイの別の実施形態を示した図である。
【
図5】
図4Aの装置の誘電体層において開口をエッチングした後の
図4AのLEDアレイを示した図である。
【
図6】開口におけるカソードメタライゼーションの成膜後の
図5のLEDアレイを示した図である。
【
図7】導電性金属の電析後の
図6のLEDアレイを示した図である。
【
図8A】アノード形成後の第1のメサおよび第2のメサを有するLEDアレイを示した図である。
【
図8B】p-コンタクト形成後の
図7のLEDアレイを示した図である。
【
図9】バックプレーンに接続された
図7のLEDアレイを示した図である。
【
図10】一実施形態による、2つ以上の色を放射するように構成されたLEDアレイを有する電子装置の上面図を示した図である。
【
図12】一実施形態による、LEDアレイおよび1つ以上のTFTドライバを有する電子装置の側面図を示した図である。
【
図13】LEDアレイおよびTFTドライバを有する電子装置の一実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成または方法ステップの詳細に限定されないことが理解される。本開示は、他の実施形態を用いることができ、各種方法で実施されまたは実現することができる。
【0020】
本願で使用される1つ以上の実施形態による「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部を有する、構造、中間体、または最終物を表す。また、いくつかの実施形態において、基板という言及は、文脈が明確に別の意味を示さない限り、基板の一部のみを表す。さらに、いくつかの実施形態による基板上に成膜するという言及は、裸の基板上、または成膜されもしくは形成された1つ以上の層、薄膜、特徴部、もしくは材料を有する基板上に、成膜することを含む。
【0021】
1つ以上の実施形態において、「基板」とは、任意の基板、または製造プロセス中に薄膜処理が実施され基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が実施される基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪シリコン、非晶質シリコン、ドープドシリコン、炭素ドープシリコン酸化物、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、ならびに金属、金属窒化物、III族-窒化物(例えば、GaN、AlN、InNおよび他の合金)、金属合金、および他の導電性材料のような、任意の他の好適な材料が含まれる。基板には、これに限られるものではないが、発光ダイオード(LED)装置が含まれる。いくつかの実施態様では、基板は、予備処理プロセスに晒され、基板表面が研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシレート化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/または焼成される。基板自体の表面での直接的な薄膜処理に加えて、いくつかの実施態様では、基板上に形成された下地層に対して、開示の任意の薄膜処理ステップが実施され、「基板表面」という用語は、文脈が示唆する場合、そのような下地層を含むことが意図される。従って、例えば、薄膜/層または部分薄膜/層が基板表面上に成膜された場合、新たに成膜された薄膜/層の露出表面が基板表面となる。
【0022】
「ウェハ」および「基板」という用語は、本開示において相互互換的に使用される。従って、本願で使用されるウェハは、本願に記載のLED装置の形成のための基板として機能する。
【0023】
本願に記載の実施形態では、LED装置のアレイ、およびLED装置(またはLEDアレイ)のアレイを形成する方法が開示される。特に本開示では、単一のウェハから複数の色または波長が放射されるLED装置、および該LED装置を製造する方法が記載される。複数の色または波長を放射するLED装置の配置およびサイズは、LED装置を形成する材料のエピタキシャル成膜後のリソグラフィステップおよびエッチング深さを調整することにより、制御される。いくつかの実施形態では、複数の色または波長を放射する隣接するLEDは、共通のn-型電気コンタクトを使用する。一部の実施形態では、LEDは、基板の除去を必要としないプロセスを用いて形成することができる。本開示の1つ以上の実施形態は、マイクロLEDディスプレイの製造に使用することができる。
【0024】
1つ以上の実施形態では、より簡単なマイクロLED製造プロセスが提供され、単一のウェハ上で異なる波長を放射する2つ以上の活性領域が集積化された、LED装置およびその製造の方法を利用することにより、1つ以上の実施形態に従って記載される装置および方法は、III族-窒化物材料、例えば、AlInGaN材料系の材料を利用する。これらの材料は、青、緑、および赤のLEDを形成するように製造できる。本願に記載の実施形態では、チップのようなマルチカラー装置が提供され、これは、マイクロLEDディスプレイで使用され得る。1つ以上の実施形態では、単一のエピタキシャル成長プロセスで複数の層が積層され、複数の層は、異なる波長で放射するように構成される。異なる波長のエミッタ間で、それぞれの発光強度比を変化できるように構成された装置が提供される。
【0025】
1つ以上の実施形態では、装置および方法は、単一の活性領域内、すなわち1つのp-n接合のp-層とn-層との間で、赤色、緑色、および青色光を放射するように構成された、複数の量子井戸(MQW)を提供する。1つ以上の実施形態では、同じLED装置において異なる波長の2つ以上の画素が形成され、これらの画素は、同じエピタキシャルウェハ上に複数のp-n接合を含む。本願にさらに記載されるように、複数のステップを用いてメサをエッチングすることにより、本実施形態では、p-n接合の各々に、独立した電気コンタクトの形成が提供される。1つ以上の実施形態では、別々の電流経路を有する別個のp-n接合に、波長が異なる1つ以上のエミッタ層が埋設されることにより、波長および放射輝度が別々に制御される。
【0026】
図3には、同じウェハ上で互いに隣接して2つ以上の異なる色を放射するように構成されたLEDアレイの例示的な実施形態を示す。いくつかのp-n接合および活性領域は、互いの上に積層され、いくつかの実施形態では、これは、エピタキシャル成長シーケンスにより構成され、不要な層は、ポスト成長エッチングにより除去される。1つ以上の実施形態では、ドライエッチングが用いられ、埋設層と接触させるためのトレンチが開口される方法が提供される。しかしながら、ドライエッチングのプロセスでは、エピタキシャル層のIII族-窒化物結晶構造に原子レベルの損傷が導入され、これがp-型層の導電タイプをn-型層に変化させることが見出されている。
【0027】
ドライエッチング中のこの導電タイプの変化により、ドライエッチングにより露出された埋設p-型窒化物表面に対し、低い抵抗のオーミックコンタクトを得ることは難しい。従って、ドライエッチングによって処理された、
図3に示すタイプのLEDアレイ109では、p-GaN表面に損傷が生じ、ドライエッチングされたp-GaN表面に対する非オーミックコンタクトでの結果、青色および緑色の活性領域に対して、1ボルト以上の順方向電圧ペナルティが生じる。電圧ペナルティが装置製造業者に許容される場合であっても、エッチング速度を制御する際のエラーに対して十分なマージンを提供するためには、p-GaN層を、最適値よりもはるかに厚く成長させ、p-GaN層におけるエッチング停止を確実にする必要がある。
【0028】
1つ以上の実施形態では、エピタキシャル層にトンネル接合を組み込むことにより、
図3に示した機能性が達成され、エッチングされたp-GaN表面に電気的コンタクトを形成することを試みることに関する問題はない。特定の実施形態では、電気コンタクトは、n-型GaN層に形成され、これは、活性領域を損傷させずに、または光吸収損失を誘発することなく、かなり高い厚さまで成長させることができる。本願に記載のリソグラフィおよびエッチング方法の実施形態では、同じウェハ上の隣接する位置で、異なる色を放射するように構成されたLEDの製造が可能になる。基板の除去を必要とせずに、異なるLED色の群に、共通のn-型電気コンタクトが形成される。
【0029】
1つ以上の実施形態では、LEDアレイおよびその製造のプロセスが提供され、既存の方法と比較して、マイクロLEDディスプレイ用のソースダイを製造するために製造する必要がある別個のエピタキシーレシピの数が減少する結果となる。エピタキシーレシピの数を減らすことにより、LEDアレイ製造のエピタキシャル製造段階におけるコストおよび複雑さが低減される。既存の方法では、青色、緑色、および赤色のエピタキシーレシピを別々に製造する必要がある。1つ以上の実施形態では、1つの画素のみではなく、画素のアレイをまとめて一度に搬送できるため、ディスプレイに取り込むために必要なピックアンドプレース動作の数が減少する。ピックアンドプレース動作が少なくなると、ディスプレイ組立段階におけるコストおよびスループットの改善につながる。いくつかの実施形態では、ピックアンドプレース操作の必要性は、完全に排除され、代わりに、ディスプレイへの画素の全ウェハレベルの転写が可能となる。各ウェハが3つの必要な色(赤、青、および緑)の全てを含有できるためである。そのような実施形態では、処理されたウェハ全体またはその大部分を、直接ディスプレイに組み込むことができる。1つ以上の実施形態では、エッチングされたp-GaN表面にオーム電気コンタクトを形成する必要があるという問題が回避され、より低い作動電圧およびより高い壁プラグ効率が可能になる。いくつかの実施形態では、エッチング速度の制御に対する制限が緩和される。トンネル接合における全てのエッチングされたコンタクトが、n-GaN層に形成され、これにより、高いLED効率を維持したまま、p-GaN層よりもはるかに厚く成長させることができるからである。
【0030】
従って、1つ以上の実施形態では、異なる色を発光するように構成された2つ以上の別個の活性領域を含むGaN系LEDウェハのような、III族-窒化物系のLEDが提供され、活性領域は、連続的に成長され、トンネル接合により接続される。実施形態では、複数のレベルのメサエッチングプロセスが提供され、これにより、同一ウェハ上で相互に近接した2つまたは3つの異なる色のLEDを形成する別個の活性領域のそれぞれに、独立した電気コンタクトを形成することが可能となる。1つ以上の実施形態は、平坦なn-型III族-窒化物(例えばGaN)表面に形成されるコンタクトの代わりに、エッチングされたメサの側壁に形成されたn-型電気コンタクトを含む。基板の側と反対のウェハの側から構成された共通のnコンタクトが、赤、緑、および青のLEDのメサのアレイ全体に使用されてもよい。
【0031】
本開示の態様は、LEDアレイの製造方法に関する。最初に
図1を参照すると、LED装置100は、基板101上に複数のIII族窒化物層を形成し、カラー活性領域を含む基板上に複数のLEDを形成することにより製造される。カラー活性領域は、第1のカラー活性領域124、第2のカラー活性領域114、および第3のカラー活性領域104を含む。異なるカラー活性領域を積層する任意の順序が本開示の範囲内であるが、特定の実施形態では、層が形成される基板101に向かって放射する装置の場合、最も短い放射波長のカラー活性領域は、2つ以上のカラー活性領域を形成する順に成長される第1のカラー活性領域である。従って、1つ以上の実施形態では、第1のカラー活性領域124は、最初に基板上に形成され、青のカラー活性領域であり、次に、緑のカラー活性領域である第2のカラー活性領域114が形成され、次に、赤のカラー活性領域である、第3のカラー活性領域104が形成される。第1のカラー活性領域124が青であり、第2のカラー活性領域114が緑であり、第3のカラー活性領域104が赤であるこの順番では、より長い波長のカラー活性領域による、青色カラー活性領域124からの放射の内部吸収が回避される。
【0032】
従って、特定の実施形態では、LED装置100は、第1のLEDを有し、これは、基板上に形成された第1のn-型層126と、第1のn-型層126上に形成された第1のp型層122と、第1のn-型層126と第1のp型層122との間の第1のカラー活性領域124とを有する。1つ以上の実施形態では、第1のカラー活性領域124は、青色カラー活性領域である。示された実施形態では、第1のLED上、特に第1のp型層122上に、第1のトンネル接合120が存在する。トンネル接合は、p形層の価電子帯からn形層の伝導帯に逆バイアスされて、電子がトンネルする構造である。p層とn層が相互に接する位置は、p/n接合と称される。電子がトンネルする場合、p層に正孔が残され、両領域にキャリアが生じる。従って、小さなリーク電流のみが逆バイアスで流れる、ダイオードのような電子装置では、トンネル接合を横断して、大きな電流が逆バイアスで流れることができる。トンネル接合は、p/nトンネル接合において、伝導バンドと価電子バンドの特定の配置構造を有する。これは、非常に高いドーピング(例えば、p++/n++接合)を用いることにより、達成することができる。またIII族-窒化物材料は、固有の分極を有し、異なる合金組成物間のヘテロ界面に、電場が形成される。また、この分極場を利用して、トンネルのためのバンド配列を達成できる。
【0033】
再度
図1を参照すると、LED装置100は、さらに第2のLEDを有し、該第2のLEDは、第1のトンネル接合部120上の第2のn-型層116と、第2のn-型層116上に形成された第2のp型層112と、第2のn-型層116と第2のp型層112との間の第2のカラー活性領域114とを有する。一つ以上の実施形態では、第2のカラー活性領域114は、緑のカラー活性領域である。示された実施形態では、第2のLED上、特に第2のp型層112上に、第2のトンネル接合110が存在する。LED装置100は、さらに、第3のLEDを有し、該第3のLEDは、第2のトンネル接合部110上に形成された第3のn-型層106と、第3のn-型層106上に形成された第3のp型層102と、第3のn-型層106と第3のカラー活性領域との間に形成された第3のカラー活性領域104と、を有する。一つ以上の実施態様では、第3のカラー活性領域104は、緑のカラー活性領域である。
【0034】
基板101は、III族-窒化物LED装置の形成に使用されるように構成された、当業者に知られた任意の基板であってもよい。1つ以上の実施形態では、基板は、サファイア、炭化ケイ素、シリカ(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル等の1つ以上を含む。特定の実施形態では、基板101は、サファイアを含む。1つ以上の実施形態では、基板101は、該基板101の上部表面101t上にLEDが形成される前に、パターン化されてはいない。従って、いくつかの実施態様では、基板は、パターン化されておらず、平坦または実質的に平坦であるとみなすことができる。他の実施態様では、基板101は、パターン化された基板である。
【0035】
1つ以上の実施形態では、第1のLED、第2のLED、第3のLEDの各々のn-型層およびp型層は、それぞれ、III族-窒化物材料の層を有する。いくつかの実施態様では、III族-窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)の1つ以上を含む。従って、いくつかの実施形態では、それぞれのLEDのn-型層およびp型層は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、アルミニウムガリウム窒化物(GaAlN)、ガリウムインジウム窒化物(GaInN)、アルミニウムインジウム窒化物(AlGaN)、インジウムガリウム窒化物(InGaN)、インジウムアルミニウム窒化物(InAlN)等の1つ以上を含む。特定の実施形態では、それぞれのLEDのn-型層およびp型層は、n-型ドープおよびp型ドープされたGaNを有する。
【0036】
1つ以上の実施形態では、第1のLED、第2のLED、および第3のLEDを形成するIII族-窒化物材料の層は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)の1つ以上により、成膜される。
【0037】
本願で使用される「スパッタ成膜」は、スパッタリングによる薄膜成膜の物理気相成膜(PVD)法を表す。スパッタ成膜では、材料、例えばIII族-窒化物は、ソースとなるターゲットから基板上に放出される。この技術は、ターゲットであるソース材料のイオン衝撃に基づく。イオン衝撃では、純粋に物理的なプロセス、すなわち、ターゲット材料のスパッタリングにより、蒸気が生じる。
【0038】
本願のいくつかの実施形態で使用される「原子層成膜」(ALD)または「周期的成膜」は、基板表面上で薄膜を成膜する際に使用される気相成膜技術を表す。ALDのプロセスは、基板の表面、または基板の一部が、交互の前駆体、すなわち、2つ以上の反応性化合物に暴露され、基板表面上に材料の層が成膜されることを含む。基板が交互の前駆体に暴露されると、前駆体が連続的にまたは同時に導入される。前駆体は、処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板または基板の一部は、別個に前駆体に暴露される。
【0039】
いくつかの実施態様では、本願で使用される「化学気相成膜」は、基板表面での化学物質の分解により、気相から材料の薄膜が成膜されるプロセスを表す。CVDでは、前駆体および/または補助試薬に、基板表面が同時にまたは実質的に同時に曝露される。本願で使用される「実質的に同時に」は、コフロー(co-flow)、または前駆体の曝露の大部分が重複する場合のいずれかを表す。
【0040】
いくつかの実施形態では、本願において使用される「プラズマ強化原子層成膜(PEALD)」は、基板上に薄膜を成膜する技術を表す。熱ALDプロセスに対するPEALDプロセスのいくつかの例では、同じ化学的前駆体から材料が形成されてもよいが、高い成膜速度、低い温度が使用される。一般に、PEALDプロセスでは、反応ガスおよび反応性プラズマは、チャンバ内に基板を有するプロセスチャンバに順次導入される。第1の反応ガスは、プロセスチャンバ内でパルス化され、基板表面に吸着される。その後、プロセスチャンバ内で反応性プラズマがパルス化され、第一の反応ガスと反応し、基板上に成膜材料、例えば薄膜が形成される。熱的ALDプロセスと同様、各反応体の供給の間、パージ工程が実施されてもよい。
【0041】
本願の1つ以上の実施形態に使用される「プラズマ強化化学気相成膜(PECVD)」は、基板上に薄膜を成膜する技術を表す。PECVDプロセスでは、キャリアガスと同搬送された気相III族-窒化物材料または液相III族-窒化物材料の蒸気のような、気相または液相のソース材料が、PECVDチャンバに導入される。プラズマ開始ガスも、チャンバに導入される。チャンバ内でのプラズマの形成により、励起ラジカルが生成される。励起ラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面と化学的に結合され、その上に所望の膜が形成される。
【0042】
1つ以上の実施形態では、LEDアレイを形成するLED装置100は、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)反応器内に基板101を配置し、LED装置層がエピタキシャル成長されることにより、製造される。第1のn-型層126は、異なる組成およびドーパント濃度を含む半導体材料の1つ以上の層を有する。特定の実施形態では、第1のn-型層126は、III族-窒化物、例えばn-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。第1のp-型層122は、異なる組成およびドーパント濃度を含む半導体材料の1つ以上の層を有する。特定の実施形態では、第1のp-型層122は、III族-窒化物、例えば、p-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。使用の際には、第1のカラー活性領域124のp-n接合を通って電流が流れ、第1のカラー活性領域124は、材料のバンドギャップエネルギーによって部分的に決定される第1の波長の光を生成する。いくつかの実施形態では、第1のn-型層126、第1のp-型層122、および第1のカラー活性領域124を含む第1のLEDは、1つ以上の量子井戸を有する。1つ以上の実施形態では、第1のカラー活性領域124は、青色光を放射するように構成される。
【0043】
特定の実施形態では、青色LEDのp-GaN層を有する第1のp-型層122の形成が完了した後、次に、エピタキシャル成長条件が変更され、第1のトンネル接合120が成長される。次に、第2のn-型層116、第2のp-型層112、および第2のn-型層116と第2のp-型層112の間の第2のカラー活性領域114を有する、第2のLEDが形成される。第2のn-型層116は、III族-窒化物、例えばn-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。
【0044】
1つ以上の実施形態では、第2のn-型層116の厚さの大幅な増加は、第3のn-型層106の厚さの増加を相殺するために必要であり、これにより、両方の層に十分なエッチングマージンが確実に存在するようになる。エッチングマージンの目的で、第3のn-型層106および第2のn-型層116の厚さを任意に増加させることは、実際的ではない。第3のn-型層106および第2のn-型層116の長い成長時間により、第2のカラー活性領域114および第1のカラー活性領域124の内部量子効率(IQE)が低下する可能性があるためである。
【0045】
1つ以上の実施形態では、第3のn-型層106および第2のn-型層116の厚さを増加させる代わりに、
図1に示すように、第2のn-型層116の構成を修正してもよい。第2のn-型層116は、マルチレイヤシステムであってもよく、これは、10%を超えるAlモル分率116bを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率116aを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層とを有する。1つ以上の特定の実施形態では、10%を超えるAlモル分率116bを有するn-型III族-窒化物層は、分子式Al
xGa
1-xNを有し、ここで、xは、0.20から0.25の範囲である。
【0046】
1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率116cを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層の厚さは、第1のメサ103にわたって広がる十分な電流に加えて、(可能な場合)非選択的条件下でAl含有層を介してエッチングする際に除去され得る、厚さに関する小さなマージンを提供するように選択される。使用される実際の厚さは、画素の面積、および10%未満のAlモル分率116cを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層の導電率のような因子に依存し得るが、いくつかの用途では、50から500nmの範囲の厚さが適切であってもよい。
【0047】
1つ以上の実施形態では、10%超のAlモル分率116aを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層の厚さは、25から75nmの範囲であるが、実際に使用される厚さは、第3のp-型層102の上部から第2のn-型層116までの距離、およびプロセス条件に特異的なエッチング速度選択性に依存する。1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率116aを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層は、必要な場合、活性領域層が直接Al含有層上に成長することに関して想定される、内部量子効率(IQE)ペナルティを回避するために使用される。1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率116aを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層の厚さは、5nmから50nmの範囲である。1つ以上の実施形態では、10%を超えるAlを有する層116bは、ゆっくりエッチングされ(「エッチング停止」層)、基板半径にわたるエッチング速度またはエピタキシー層の厚さの変動に関わらず、基板上の全て位置で、エッチングは、ほぼ同じ深さで完了することが確実となる。1つ以上の実施形態では、10%未満のAlを有する任意の層116aは、より高いパーセンテージのAl層と活性領域の間に導入することができ、活性領域におけるIQEペナルティが回避される。
【0048】
第2のp-型層112は、異なる組成およびドーパント濃度を含む半導体材料の1つ以上の層を有する。特定の実施態様では、第2のp-型層112は、III族-窒化物、例えば、p-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。使用の際には、第2のカラー活性領域114におけるp-n接合を通って電流が流れ、第2のカラー活性領域114は、材料のバンドギャップエネルギーにより部分的に決定される、第2の波長の光を生成する。いくつかの実施形態では、第2のLEDは、第2のn-型層116と、第2のp-型層112と、1つ以上の量子井戸を含む第2のカラー活性領域114とを有する。1つ以上の実施形態では、第2のカラー活性領域114は、緑色の光を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、第2のLEDの形成は、第2のn-型層116の厚さおよび/または成長条件の変化を含む。1つ以上の実施形態では、LEDアレイを形成するためのLED装置100は、基板101を有機金属気相エピタキシー(MOVPE)反応器内に配置し、LED装置層がエピタキシャルに成長されることにより、製造される。1つ以上の実施形態では、第2のn-型層116a、116b、116cのアルミニウムモル分率は、他のIII族元素前駆体分子の流れに対する前駆体分子(例えば、トリメチルアルミニウム)の流れを調整することによって制御される。
【0049】
特定の実施形態では、緑色LEDのp-GaN層を有する第2のp-型層112の形成が完了した後、第2のトンネル接合110が成長するように、エピタキシャル成長条件が変更される。次に、第3のn-型層106、第3のp-型層102、および第3のn-型層106と、第3のp-型層102との間の第3のカラー活性領域104を有する第3のLEDが形成される。第3のn-型層106は、III族-窒化物、例えばn-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。第3のp-型層102は、異なる組成およびドーパント濃度を含む半導体材料の1つ以上の層を有する。特定の実施態様では、第3のp-型層102は、III族-窒化物、例えば、p-GaNのエピタキシャル層を成長させることにより形成される。使用の際には、第3のカラー活性領域104のp-n接合を通って電流が流れ、第3のカラー活性領域104は、材料のバンドギャップエネルギーにより部分的に決定される第3の波長の光を生成する。いくつかの実施形態では、第3のLEDは、第3のn-型層106、第3のp-型層102、および1つ以上の量子井戸を含む第3のカラー活性領域104を有する。1つ以上の実施形態では、第3のカラー活性領域104は、赤色の光を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、第3のLEDの形成は、第3のn-型層106の厚さおよび/または成長条件に対する変更を有する。
【0050】
本開示は、第1のトンネル接合120および第2のトンネル接合110、またはLEDカラー活性領域の任意の特定のエピタキシャル構成に限定されない。第1のLED、第2のLED、および第3のLEDのエピタキシャル成長の後、一連のフォトリソグラフィおよびドライエッチングプロセスが使用され、
図2乃至
図8に示すような、1つ以上の実施形態によるLEDアレイ109が形成される。フォトリソグラフィおよびドライエッチングプロセスの最終結果は、
図8Bに示すような、高さが異なるメサのアレイである。特定の発光色に必要とされない量子井戸およびp-n接合は、メサの一部においてエッチング除去され、その結果、メサの異なる高さのメサが得られる。
【0051】
一実施形態では、以下に説明するように、フォトリソグラフィおよびドライエッチングプロセスにおいて、各種オプションを使用することができる。フォトレジスト露光、現像、ストリップおよび清浄化ステップのような通常の処理ステップは、
図2乃至
図8からは省略されている。エッチングプロセスの一実施形態では、第3のp-型層102の上部に第1の犠牲層125aがパターニングされ、ここでは、
図2に示すように、最大の高さを有するメサが望ましい。第3のタイプのp-型層102の一部から、第2の犠牲層125bがパターン化され、ここでは、隣接するメサは、第1のメサの高さよりも大きい高さを有する。第1の犠牲層125aは、第2の犠牲層125bよりも高い高さを有する。
【0052】
第1の犠牲層125aおよび第2の犠牲層125bの形成後、
図2に示すように、第1の犠牲層125aおよび第2の犠牲層125で覆われていない第3のp-型層102の上部、ならびに第1の犠牲層125aおよび第2の犠牲層の上に、エッチングマスク層127が成膜される。示された実施形態では、エッチングマスク層127を形成する材料、第1の犠牲層125aおよび第2の犠牲層125bを形成する材料のいずれも、ドライエッチング化学物質に対して不浸透性ではない。従って、エッチングマスク層127および/または犠牲層を介したエッチングに十分な長さのエッチング時間では、エピタキシャルウェハ内にエッチングされる深さは、エッチングマスク層および犠牲層の厚さに依存する。次に、犠牲層の厚さと、犠牲層、エッチマスク層、ならびに第1のLED、第2のLEDおよび第3のLEDのエピタキシャルに形成された層の中でのエッチング速度の差とを用いて、単一のドライエッチングステップにより、異なる高さの隣接するメサを得ることができ、メサの各々の高さが制御される。
図3を参照すると、第1のメサ103は、Hで表される第1の高さを有し、隣接するメサ105は、第2の高さを有し、第3のメサ107は、第3の高さを有する。示された実施形態では、第1のメサ103の第1の高さHは、隣接するメサ105の第2の高さ、および第3のメサ107の第3の高さよりも低い。隣接するメサ105の第2の高さは、第3のメサ107の第3の高さよりも高い。従って、第1のメサ103は、3つのメサの中で最も低い。第1のトレンチ111は、第1のメサ103と隣接するメサ105とを分離し、第2のトレンチ113は、隣接するメサ105と第3のメサ107とを分離する。第1のメサ103は、側壁103sを有し、隣接するメサ105は、側壁105sを有し、第3のメサ107は、側壁107sを有する。1つ以上の実施形態では、側壁103s、105s、および107sは、基板の上部表面101tに対して傾斜される。第1のメサ103の側壁103s、隣接するメサ105の側壁105s、および第3のメサ107の側壁107sの各々は、基板101の上部表面101tと、75度から90度未満の範囲の角度「a」を形成する。
【0053】
図8Aに関して記載されたいくつかの実施態様では、第一のメサ103および隣接するメサ105が存在する。従って、そのような実施形態では、第1の犠牲層のみが利用され、製造プロセス中に第1のトレンチのみが形成される。
【0054】
第1のトレンチ111および第2のトレンチ113では、エッチングプロセスは、基板101で効果的に停止する。これは、基板は、III族-窒化物エピタキシャル層のエッチングに使用される条件下でのエッチングに対して、ほとんど不浸透性であるためである。1つ以上の実施形態では、エッチングマスク層127、第1の犠牲層125a、および第2の犠牲層125bは、同じ材料または異なる材料で構成される。二酸化ケイ素および窒化ケイ素のようなフォトレジストまたは誘電体材料が、マスキングおよびエッチングプロセスのための好適なエッチングマスク材料として使用することができる。
【0055】
エッチングプロセスの別の実施形態では、各々異なる高さを有する第1のメサ103、隣接するメサ105、および第3のメサ107は、別々のドライエッチングステップで処理される。第1のエッチング工程では、高さが等しいメサが形成される。第1のエッチング工程が停止されると、一部のメサは、再マスクされ、後続のエッチング工程でそれらの高さが減少することが防止される。マスク層は、プロセスの間に完全にエッチングされるわけではなく、いくつかの実施形態では、エッチング化学物質に対して不浸透性の材料を含む。この別の実施形態では、前述の段落で説明した実施形態に比べて遅い製造スループットを示すが、マスクおよび犠牲層の厚さ、ならびにエッチング速度の選択性のようなパラメータの制御の厳しさは緩和される。
【0056】
図3に示すメサエッチングプロセスの完了および好適な洗浄化ステップに続いて、埋設p-型層のエッチングされた側壁を通じて水素を横方向に拡散させることにより、埋設p-型層の活性化が達成される。1つ以上の実施形態では、メサは、プロセスの初期段階ではなく、メサエッチング後にアニールされる。これは、メサの間の空間が、p-型層からの水素の横方向の拡散および脱出のための効率的な経路が得られるからである。アニール処理は、従来のLEDと同様であってもよく、またはより高い温度および/またはより長い時間を使用してもよい。
【0057】
次に、
図4Aを参照すると、p-型層活性化アニールの後、プラズマ強化化学気相成膜法、原子層成膜法、またはスパッタリング法のような方法を用いて、誘電体層130の共形コーティング、例えば、二酸化ケイ素がメサおよびそれらの側壁上に成膜される。誘電体層130は、金属コンタクトを相互に分離するが、後の処理ステップで製造される。
【0058】
本願で使用される「誘電体」という用語は、印加電場によって分極され得る電気絶縁体材料を表す。一つ以上の実施形態では、誘電体層は、これに限られるものではないが、酸化物、例えば酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化物、例えば窒化ケイ素(Si3N4)を含む。一つ以上の実施形態では、誘電体層は、窒化ケイ素(Si3N4)を含む。一つ以上の実施形態では、誘電体層は酸化ケイ素(SiO2)を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層の組成は、理想的な分子式に対して化学量論的ではない。例えば、いくつかの実施形態では、誘電体層は、これに限られるものではないが、酸化物(例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム)、窒化物(例えば、窒化ケイ素(SiN))、オキシ炭化物(例えば、オキシ炭化ケイ素(SiOC))、およびオキシニトロカルビド(例えば、オキシ炭窒化ケイ素(SiNCO))を含む。
【0059】
1つ以上の実施形態では、誘電体層130は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)のうちの1つ以上により成膜される。
【0060】
高い製造歩留まりを有する
図4Aに示すLEDアレイを製造するには、エッチング深さの精密な制御が必要であり、これは、使用されるエッチング装置に依存し、時折実施が難しい場合がある。いくつかの実施形態では、ウェハの中心から端部まででエッチング速度が変化する。また、エッチングを必要とするエピタキシャル層のウェハ中心/端部での厚さの変化も存在し得る。
【0061】
理想的な状況では、第3のメサ107を製造する際に、第3のn-型層106の内側で終端されるべきエッチング(「エッチングA」)が必要となる。エッチングAが層104を完全にクリアしない場合、整流アノードコンタクトが生じ、Vfが高くなる結果となる。一方、エッチングAが極端に深くなり、ほとんどエッチングされ、または第3のn-型層106を貫通して完全にエッチングされる場合も、高い電流広がり抵抗および/またはコンタクト抵抗が高のため、Vfが大きくなる結果となる。いくつかの実施形態では、ウェハからウェハでエッチングAを繰り返し可能にし、ウェハ領域にわたって均一にすることは、許容可能なVfを有する装置を得る上で重要であり得る。1つ以上の実施形態では、第3のn-型層106の厚さにマージンを加えることにより、これらの問題に対処される。しかしながら、いくつかの実施形態では、第3のn-型層106の厚さを増加させることは、第1のメサ103を製作する際の困難性を高める。
【0062】
1つ以上の実施形態では、第1のメサ103は、第3のメサ107と同じエッチングAで製造される。エッチングの前に、第3メサ107の上部に犠牲層がコーティングされ、犠牲層を介したエッチングに必要な時間のため、第3のメサ107の深さは、第1のメサ103よりも浅くなる。第1のメサ103におけるオーバーエッチングまたはアンダーエッチングの負の結果は、前述の第3のメサ107の場合と同じである。1つ以上の実施形態では、第1のメサ103の場合、必要なエッチングがより深くなるため、困難度は、より大きくなる。所与のエッチ速度不均一性に対して、ウェハ中心と端部との間のエッチングされる絶対深さの差は、エッチング時間とともに増加する。また、メサ103、105、および107の間の高さの差が大きすぎると、ドライバ回路および収光光学機器にRGBエミッタユニットを効果的に統合することが難しくなる。
【0063】
前述のように、1つ以上の実施形態では、第3のn-型層106および第2のn-型層116の厚さを増加させる代わりに、
図4Aおよび
図4Bに示すように、第2のn-型層116の構成を修正してもよい。1つ以上の実施形態では、第2のn-型層116は、多層系であり、10%を超えるAlモル分率116bを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層、および10%未満のAlモル分率116cを有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層を有する。1つ以上の特定の実施形態では、10%を超えるAlモル分率116bを有するn-型III族-窒化物層は、分子式Al
xGa
1-xNを有し、ここでxは0.20から0.25の範囲である。
【0064】
1つ以上の実施形態では、高い化学成分(低いスパッタリング成分)を用いたドライエッチング条件では、AlGaNに比べて5倍以上速い速度で、GaNをエッチングすることができる。エッチングツール内の不均一性、または
図4Aにおいて第2のn-型層116の上方に見えるエピタキシャル層の厚さの不均一性に関わらず、エッチング速度の大きな差により、常時意図した通り、第2のn-型層116の内で完了するエッチングプロセスが可能となる。第1のメサ103のアノードコンタクトは、露出したAl含有層に直接形成することができる。あるいは、非選択的エッチング条件を用いて、短いエッチングを実施し、比較的薄いAl含有層を貫通させることができる。アノードと適切な半導体層との一貫した物理的コンタクトにより、ウェハ上の全ての位置に形成された画素に対して、順方向電圧の厳密な分布が得られる。
【0065】
1つ以上の実施形態では、基板101まで延在する深いトレンチ111、113は、低い選択性を有する高いエッチング速度条件でエッチングされる。トレンチのエッチングに使用される非選択的条件のため、Al含有層の含有による悪影響は、生じない。
【0066】
図4Aの拡大
図117である
図4Bを参照すると、1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層116cの厚さは、第1のメサ103にわたって十分に広がる電流に加え、非選択的条件(該当する場合)におけるAl含有層を介したエッチング中に除去され得る、厚さに関する小さなマージンを提供するように選択される。使用される実際の厚さは、画素の面積、および10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層116cの導電率のような因子に依存し得るが、いくつかの用途では、50から500nmの範囲の厚さが適切であり得る。
【0067】
1つ以上の実施形態では、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層116aの厚さは、25から75nmの範囲内であるが、実際に使用される厚さは、第3のp-型層102の上部から第2のn-型層116までの距離、およびプロセス条件に特有のエッチング速度選択性に依存する。1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率を有するn-型III族-窒化物層116aが任意に使用され、Al含有層の直上に直接成長する活性領域層に関して想定されるIQEペナルティが回避される。1つ以上の実施形態では、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層116aの厚さは、5nmから50nmの範囲である。
【0068】
また、
図4Cおよび
図4Dを参照すると、1つ以上の実施形態では、第3のn-型層106(第2のn-型層116に加えて)は、第2のn-型層116と同様に修正され得る。
図4Cおよび
図4Dには、n-型層106a、106b、および106cを示すが、少なくとも1つのn-型III族-窒化物層は、10%を超えるAlモル分率を有するn-型III族-窒化物層106a、106bであり、少なくとも1つのn-型III族-窒化物層は、10%未満のAlモル分率を有するn-型III族-窒化物層106cを有する。1つ以上の特定の実施形態では、10%を超えるAlモル分率を有するn-型III族-窒化物層106bは、分子式Al
xGa
1-xNを有し、ここでxは、0.20から0.25の範囲である。
【0069】
前述の理由と同じ理由により、選択的エッチング条件と組み合わされたこの変化は、第3のメサ107用のアノードコンタクトの配置深さを保証する。しかしながら、第3のn-型層106におけるエッチング停止層の必要性は、あまり重要ではない。これは、第1のメサ103において必要なエッチングの深さは、第3のメサ107に比べてずっと浅いためである。1つ以上の実施形態では、第3のn-型層106を変更する場合、
図4Cおよび
図4Dに示すように、選択的条件から非選択的条件に、往復的に数回切り替えられる、より複雑なドライエッチングプロセスが必要となる。あるいは他の実施形態では、第3のn-型層106の厚さが高められ、非選択的エッチングで必要なマージンが提供される。
【0070】
次に
図5を参照すると、その後、メサの一部は、レジストでマスクされ、誘電体層130に開口部がドライエッチングされる。
図5に示すように、誘電体層130は、隣接するメサ105の第3のp-型層102における側壁105、および隣接するメサ105の第3のカラー活性領域104(赤のカラー活性領域)のみを被覆する。第3のメサ107では、誘電体層130は、第3のn-型層106、第2のトンネル接合部110、第2のp-型層112、および第2のカラー活性領域114(緑色のカラー活性領域)においてのみ、側壁107sにわたって延在する。第1のメサ103では、誘電体層130は、第2のn-型層116、第1のトンネル接合120、第1のp-型層122、および第1のカラー活性領域124(青色のカラー活性領域)における側壁103sのみを被覆する。
【0071】
次に、
図6を参照すると、
図5に示すドライエッチング工程により残された開口領域に、カソードメタライゼーション層132が成膜される。1つ以上の実施形態では、カソードメタライゼーション層132は、アルミニウム含有金属層を有し、物理気相成膜により成膜され、
図6に示すようにパターニングされる。n-コンタクトメタライゼーション層132は、第1のメサ103のn-型層126および隣接するメサ105にわたる側壁を被覆する。n-コンタクトメタライゼーション層132は、隣接するメサ105の第3のn-型層106の側壁まで延在し、これを被覆する。n-コンタクトメタライゼーション層132は、第3のメサ107の側壁にまで延在し被覆し、第2のn-型層116まで延在する。
【0072】
次に、
図7を参照すると、隣接するメサの間の第1のトレンチ111および第2のトレンチ113は、銅のような金属の溶液系の電析を用いて、シード層として先に成膜されたアルミニウム含有金属を使用して、部分的に充填される。必要な場合、電析金属は、化学機械的平坦化技術を用いて、後続の処理工程で平坦化されてもよい。
【0073】
次に、
図8Bを参照すると、清浄化後、LEDアレイ109が再びマスクされ、アノードメタライゼーションコンタクト用の開口の組がパターン化され、誘電体層130内に別の組の開口がエッチングされる。次に、
図8Bに示すように、銀のような導電性金属を含むアノードメタライゼーションコンタクトが開口にパターン化される。第1のメサ103上の第3のp-型層102(赤色LED)上の電極コンタクト、ならびに第3のメサ107の青色LEDおよび隣接するメサ105の緑色LEDのn-GaNトンネル接合コンタクト上のp型メタライゼーションコンタクト136に、異なるコンタクト金属を使用することが望ましい場合、任意に、別個のフォトリソグラフィおよび成膜ステップにおいて、
図8Bに示すパターニングが実施される。
【0074】
また、
図8Bにおいて、緑色LEDの第3のメサ107のカソードメタライゼーション層132は、第3のメサ107内の青色LEDの層と接触し、赤色LEDの第1のメサ103のカソードメタライゼーション層132は、そのメサ内の緑色および青色のLEDの層と接触する。しかしながら、このコンタクトは、共通カソードを共有する隣接するLEDの独立した動作を妨げるものではない。通常の用途では、バイアス電圧は4Vを超えず、これは、カソード金属がエピタキシー構造内でより深い層と接触する場合であっても、アノードに最も近い活性領域を越えてホールを注入するには不十分である。
図8Bの破線の矢印150は、4V未満の典型的なバイアスの電流の経路を示す。
【0075】
本開示の別の態様は、
図8Aおよび
図8Bに示すLEDアレイに関する。
図8Aに示す第1の実施形態では、LEDアレイ109bは、第1のメサ103を有し、該第1のメサ103は、上部表面103t、第1のp-型層122と、第1のn-型層126と、第1のカラー活性領域124と、を有する少なくとも第1のLED、ならびに第1のLEDのp-型層122上の第1のトンネル接合120を有し、第1のメサ103の上部表面103tは、第1のトンネル接合部120上に第2のn-型層116を有する。再度
図8Aを参照すると、隣接するメサ105が存在し、これは、上部表面105tと、前記第1のLEDと、第2のLEDと、を有し、第2のLEDは、第2のn-型層116、第2のp-型層112、および第2のカラー活性領域114を有する。隣接するメサ105の第2のLED上に第2のトンネル接合110があり、隣接するメサ105の第2のトンネル接合110上、に第3のn-型層106がある。第1のメサ103と隣接するメサ105とを分離する第1のトレンチ111が存在する。第1のトレンチ111には、カソードメタライゼーション134があり、これは、隣接するメサ105の第1のカラー活性領域124および第2のカラー活性領域114と電気的に接触する。第1のメサ103の第2のn-型層116、および隣接するメサ105の第3のn-型層106の上には、アノードメタライゼーションコンタクト136が存在する。
図8Aに示す実施形態では、隣接するメサ105の上部表面105tは、第3のn-型層106を有する。
【0076】
従って、
図8に示すLEDアレイ109bは、第1のメサ103により形成された単色(青色)の LEDと、隣接するメサ105により形成された2色のLED (接着剤および緑色)とを有する。
【0077】
図8Bには、LEDアレイ109の別の実施形態を示す。LEDアレイ109は、第1のメサ103を有し、これは、上部表面103t、第1のp-型層122と、第1のn-型層126と、第1のカラー活性領域124と、を含む少なくとも第1のLED、ならびに第1のLEDのp-型層122上の第1のトンネル接合120を有し、第1のメサ103の上部表面103tは、第1のトンネル接合120上の第2のn-型層116を有する。隣接するメサ105は、上部表面105t、前記第1のLED、第2のn-型層116と、第2のp-型層112と、第2のカラー活性領域114とを含む第2のLEDを有する。隣接するメサ105の第2のLED上、すなわちp-型層112上には、第2のトンネル接合110があり、隣接するメサ105の第2のトンネル接合110上には、第3のn-型層106がある。第1のメサ103と隣接するメサ105とを分離する第1のトレンチ111が存在する。第1のトレンチ111には、n-型メタライゼーション134があり、隣接するメサ104の第1のカラー活性領域124および第2のカラー活性領域114と電気的に接触する。第1のメサの第2のn-型層上、および隣接するメサ105の上部表面105t上には、p型メタライゼーションコンタクト136が存在する。
【0078】
図8Bに示すLEDアレイ109は、さらに、隣接するメサ105のn-型層106上に第3のカラー活性領域104を有し、隣接するメサは、第3のp-型層102を含む上部表面105tを有する。LEDアレイ109は、さらに、第1のLED、第2のLED第2のトンネル接合110、および第2のトンネル接合110上の第3のn-型層106を含む第3のメサ107を有する。隣接するメサ105と第3のメサ107とを分離する第2のトレンチ113が存在する。第2のトレンチ113にはカソードメタライゼーション134があり、第3のメサ107の第1のカラー活性領域124および第2のカラー活性領域114と電気的に接触し、第1のトレンチ111にはカソードメタライゼーション134があり、隣接するメサ105の第1のカラー活性領域124、第2のカラー活性領域114、および第3のカラー活性領域104と電気的に接触する。また、第3のメサ107の第3のn-型層106上には、アノードメタライゼーションコンタクト136が存在する。
【0079】
いくつかの実施形態では、隣接するメサ105の第3のp-型層102は、非エッチングp-型層である。いくつかの実施形態では、第1のカラー活性領域124は、青色のカラー活性領域であり、第2のカラー活性領域114は、緑色のカラー活性領域である。いくつかの実施形態では、第1のカラー活性領域124は、青色のカラー活性領域であり、第2のカラー活性領域114は、緑色の活性領域であり、第3のカラー活性領域104は、赤色のカラー活性領域である。
【0080】
構造の基板側に向かって光が放射される実施形態では、メサの高さは、放射波長の増加する順に増大する(この実施例では、赤>緑>青)。
【0081】
次に
図9を参照すると、
図8BのLEDアレイ109およびドライバ回路を含む電子システムまたは装置200が示されている。ドライバ回路は、第1メサ103、隣接するメサ105、および第3のメサのアノードコンタクト136の1つ以上に、独立した電圧を供給するように構成される。これは、金属はんだバンプのような金属192によりアノードコンタクト136に接続された、CMOSバックプレーン190のようなバックプレーン190により、達成することができる。1つ以上の実施形態では、電子システムは、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される。
【0082】
次に、
図10から
図15を参照すると、薄膜トランジスタ(TFT)駆動回路を有する電子装置800が示されており、これは、1つ以上のTFTドライバ850と一体化されたLEDアレイ809を有する。1つ以上の実施形態では、1または2以上のTFTドライバ850を含むTFTドライバ回路は、本願に記載のLEDアレイの任意の実施形態と一体化される。
【0083】
図10には、2つ以上の色を放射するように構成されたLEDアレイ809の部分的な上面図が示されている。
図10の部分上面図には、複数の行および列を有するTFTマトリクスグリッド802の区画を有する、LEDアレイ809が示されている。示された実施形態では、グリッド802の区画は、合計9個のセルの3つの行および3つの列を有し、3つのセルの各行は、LEDの青色(854B)の列、赤色(854R)の列、および緑色(854G)の列に配置され、複数の行(上行855A、中央行855Bおよび下行855C)が提供される。各セルは、本願に記載の任意の実施形態のLEDのメサ上に配置されたアノードメタライゼーションコンタクト836(
図12乃至
図14において、断面で示されている)に電気的に接続された、電極コンタクト853を有する。セルの各々の電極コンタクト853は、n-型材料852(例えば、n-型GaN)によって取り囲まれる。
【0084】
グリッド802は、さらに、行855A、855B、855Cの各々に対して平行に延びる少なくとも複数の選択線856と、複数のVDD線858と、行の各々に対して垂直に延びる複数のデータ線860と、を有する。以下にさらに詳細に説明されるように、複数のVDD線858および複数のデータ線860は、選択線856の上部の少なくとも1つの層に成膜される。1つ以上の実施形態では、複数のVDDライン858の各々は、LEDの各々における閾値電圧「オン」電圧を超える、一定電圧を供給する。ディスプレイの各行に対して1つの選択線856があり、各ディスプレイの列に対して1つのVDD線858がある。ただし、全てが1つの共通外部電源に接続される。外部CMOS列ドライバ(表示列ごと)に接続された各列ドライバに対して、1つのデータ線860が存在する。LED共通カソードは、ディスプレイのような装置に対する外部グラウンドに接続される。
【0085】
図11には、
図10の点線で表された区画Aにより示される、1つ以上のTFTドライバ850の概略図を示す。明確化のため、絶縁体材料は示されていない。示されているように、TFTドライバ850の各々は、少なくとも2つのトランジスタと、キャパシタと、選択線856の1つと、V
DD線858の1つと、データ線860の1つとを有する。V
DD線858は、駆動トランジスタ865の第1の電極868に接続され、駆動トランジスタ865は、装置のゲートとして構成される。駆動トランジスタ865は、キャパシタ864に接続され、キャパシタ864は、選択トランジスタ863の第1の電極867に接続される。選択トランジスタ863の第2の電極869は、データ線860に接続される。駆動トランジスタ865の第2の電極866は、LEDに給電する各メサのアノードメタライゼーションコンタクト836(
図12乃至
図14に示されている)に接続される。
【0086】
1つ以上の実施形態では、VDD線858は、各LEDのターンオン閾値を超える一定の電源電圧を提供するソースとして構成され、選択線856は、ドレインとして構成される。データ線860は、キャパシタ864を所望の電圧まで充電するように構成され、選択線856は、駆動トランジスタ865を開くように構成される。作動の際、VDD線858は、一定の電源電圧を提供する。選択線856へのサイクル電圧により、選択トランジスタ863が開き、データ線860への電圧は、キャパシタ864を充電する。各LEDを通る電流は、キャパシタ864内に蓄積された電圧により制御される。1つ以上の実施形態では、例示的な電圧は、3.5Vである。
【0087】
図12には、
図8Bに示すLEDアレイと同様のLEDアレイ809を示す。これは、上部表面803t、少なくとも第1のLEDを含む第1のメサ803、および第1のLEDのp-型層822上の第1のトンネル接合820を有し、少なくとも第1のLEDは、第1のp-型層822と、第1のn-型層826と、第1のカラー活性化領域824と、を有する。第1のメサ803の上部表面803tは、第1のトンネル接合820上に第2のn-型層816を有する。隣接するメサ805は、上部表面805t、第1のLED、および第2のLEDを有し、第2のLEDは、第2のn-型層816、第2のp-型層812、および第2のカラー活性領域814を有する。隣接するメサ805の第2のLEDの上、すなわちp-型層812上には、第2のトンネル接合810があり、隣接するメサ805の第2のトンネル接合810の上には、第3のn-型層806がある。第1のメサ803と隣接するメサ805とを分離する第1のトレンチが存在する。第1のトレンチには、n-型メタライゼーション834があり、隣接するメサ804の第1のカラー活性領域824、および第2のカラー活性領域814と電気的に接触する。第1のメサの第2のn-型層および隣接するメサ805の上部表面805tには、アノードメタライゼーションコンタクト836が存在する。第1および第2のトレンチの上方には、共通グラウンド電極847が成膜され、カソードメタライゼーション834と接触される。
【0088】
プラズマ強化化学気相成膜法、原子層成膜法、またはスパッタリング法のような方法を用いて、誘電体層830の共形コーティング、例えば二酸化ケイ素が、メサおよびそれらの側壁の上部に成膜される。誘電体層830は、金属コンタクトを相互に分離するが、後続のプロセスステップで製造される。誘電体層830、メサ、および共通グラウンド電極847の上部に、平坦化材料845(いくつかの実施形態では、誘電体材料を含む)が成膜される。電気コンタクトは、平坦化材料845を貫通して延在し、1つ以上のTFTドライバ850の駆動トランジスタ865の第2の電極866に、第1メサ803のp型メタライゼーションコンタクト836、隣接するメサ805、および第3のメサ807が接続され、LEDが給電される。
【0089】
図13および
図14には、1つ以上のTFTドライバ850を有する積層層を示す。
図14には、
図13の点線Bで表されるように、積層層をより詳細に示す。参照を容易にするため、LEDの
図12の詳細の全ては、
図13および
図14では繰り返し示されていない。
図12に示されるキャパシタ864は、
図13および
図14に示される断面図では視認されないことが理解される。平坦化材料845の上部には、TFT下部誘電体層870が成膜され、これは、いくつかの実施形態では、選択トランジスタ863のキャパシタとゲートの絶縁体として機能する。また、下側レベルのTFTメタライゼーション層872が存在し、これは、第1の部分872a、第2の部分872b、および第3の部分872cを有する。いくつかの実施形態では、下部TFTメタライゼーション層872のこれらの第1、第2および第3の部分は、選択トランジスタ863のゲート、ならびに駆動トランジスタ865のソースおよびドレインとして機能する。選択トランジスタ863は、
図13および
図14に示すように、TFT下部誘電体層870上に、半導体材料863Sを有する。駆動トランジスタ865は、下部TFTメタライゼーション層872の第2の部分872bおよび第3の部分872cに、半導体材料865Sを有する。第1の部分877a、第2の部分877b、および第3の部分877cを含む上側レベルのTFTメタライゼーション層877が存在し、これらは、いくつかの実施形態では、それぞれ、選択トランジスタのゲート、ならびに駆動トランジスタ865のソースおよびドレインとして機能する。いくつかの実施形態では、駆動トランジスタ865の半導体材料865S上には、駆動トランジスタ865のゲートの絶縁体として機能するTFT上部誘電体層879が存在する。また、第1の部分881a、第2の部分881b、および第3の部分881cを含む上側レベルのTFTメタライゼーション層881が存在し、いくつかの実施形態では、これらは、それぞれ、選択トランジスタ863のソース(881a)およびドレイン(881b)、ならびに駆動トランジスタ865のゲート(881c)として機能する。
図13および
図14の断面図には示されていないが、下側メタライゼーション層の第3の部分872cは、キャパシタ864の底部に接続され、下側メタライゼーション層の第1の部分872aは、選択線856に接続される。電子装置800はLEDアレイ809および駆動回路を有し、これは、第1メサ803、隣接するメサ805、および第3のメサ807のアノードメタライゼーションコンタクト836の1つ以上に、独立した電圧を提供するように構成される。これは、1つ以上の実施形態に従って本願に示され記載されたTFT回路によって達成することができる。1つ以上の実施形態では、電子装置800は、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される。
【0090】
本願に記載の実施形態では、CMOSゲートおよび列ドライバは、ビデオ入力信号を取得し、該ビデオ入力信号をデータ線上の電圧に変換し、LEDは、画像を生成するために必要な光レベルを放射するようにプログラムされる。本願に記載の実施形態では、装置800の作動は、「プログラム」サイクルと「表示」サイクルとに分割される。「プログラム」サイクルでは、選択線への電圧は、指定された行に沿って選択トランジスタを開き、データ線への電圧は、列上の各キャパシタを所望の電圧に充電する。一つ以上の実施形態では、装置800のプログラミングは、一度に一つの行で進行する。「表示」サイクルでは、各LEDを通る電流は、「プログラム」サイクルにおいてキャパシタに保管された電圧により制御される。
【0091】
一実施形態では、トランジスタは、アモルファスシリコンNチャネルトランジスタである。ソースおよびドレインのコンタクトは、別々に成膜された高n-型(リン)ドーピングアモルファスシリコン膜であり得る。非ソースおよびドレイン半導体領域は、非意図的にドープされたアモルファスSiであり、弱いp型導電性を有する。いくつかの実施形態では、印加ゲート電圧は、ゲートの下側のp型材料をn-型に反転させ、オン電流を切り替え、横方向に流れるようにする。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、プラズマ強化化学気相成膜により形成されたSiNxであり、この方法も、アモルファスSiを成膜するために使用される。
【0092】
一つ以上の実施形態では、LEDウェハに適したプロセス温度を有するTFTの製造に使用され得る半導体材料は、アモルファスシリコン、レーザ結晶化多結晶シリコン、インジウムガリウム亜鉛酸化物のようなアモルファス導電性酸化物、またはCdSのようなII-VI族化合物を含む。TFTは、一般にNチャネルまたはPチャネルであるが、アモルファスSiトランジスタは、常時Nチャネルである(ホールの移動度が低いため)。いくつかの実施形態では、多結晶Siにより、TFTのより小さな物理的寸法が可能となり、より小さな画素ピッチが可能となる。また、多結晶Siは、より良好な長期信頼性を有し、ディスプレイの電気効率を改善し得る。
【0093】
本開示のより単純な実施形態は、(2つのトンネル接合の代わりに)単一のトンネル接合、および(3色の代わりに)2色のみの活性領域のエピタキシャル成長シーケンス特徴物を有する。図面には、最終装置に基板が取り付けられたままのアーキテクチャが示されているが、いくつかの実施形態では、レーザリフトオフまたは他のエピタキシャル薄膜分離プロセスを適用して、完成装置において基板が除去されてもよい。基板が除去された後に、光電気化学エッチングを適用して、露光されたGaN表面を粗くし、光抽出効率を改善することができる。
【0094】
(実施形態)
以下、各種実施形態が列挙される。以下に記載された実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様および他の実施形態と組み合わされてもよいことが理解される。
【0095】
実施形態(a).
発光ダイオード(LED)アレイであって、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記第1のメサの前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層とを含む、
第1のメサと、
上部表面と、前記第1のLEDと、第2のLEDとを有する隣接するメサであって、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有する、
隣接するメサと、
前記隣接するメサの前記第2のLED上の第2のトンネル接合、および前記隣接するメサの前記第2のトンネル接合上の第3のn-型層と、
前記メサと前記隣接するメサとを分離する第1のトレンチと、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記隣接するメサの前記上部表面上のアノードメタライゼーションコンタクトと、
を有する、LEDアレイ。
【0096】
実施形態(b).
前記隣接するメサの前記上部表面は、前記第3のn-型層を含む、実施形態(a)に記載のLEDアレイ。
【0097】
実施形態(c).
さらに、
前記隣接するメサの前記n-型層上の第3のカラー活性領域であって、前記隣接するメサは、第3のp-型層を含む上部表面を有する、第3のカラー活性領域と、
前記第1のLED、第2のLED、前記第2のトンネル接合、および前記第2のトンネル接合上の前記第3のn-型層を有する、第3のメサと、
前記隣接するメサと前記第3のメサを隔離する第2のトレンチと、
前記隣接するメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第1のトレンチにおけるカソードメタライゼーションと、
前記第3のメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第2のトレンチにおけるカソードメタライゼーション、ならびに前記隣接するメサの、前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域を電気的に接続する、前記第1のトレンチにおける、カソードメタライゼーションと、
前記第3のメサの前記第3のn-型層上のアノードメタライゼーションコンタクトと、
を有する、実施形態(a)乃至(b)に記載のLEDアレイ。
【0098】
実施形態(d).
前記隣接するメサの前記第3のp-型層は、未エッチングのp-型層である、実施形態(a)乃至(c)に記載のLEDアレイ。
【0099】
実施形態(e).
前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域である、実施形態(a)乃至(d)に記載のLEDアレイ。
【0100】
実施形態(f).
前記第1のカラー活性領域は、青色のカラー活性領域であり、前記第2のカラー活性領域は、緑色のカラー活性領域であり、前記第3のカラー活性領域は、赤色のカラー活性領域である、実施形態(a)乃至(e)に記載のLEDアレイ。
【0101】
実施形態(g).
前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、および前記第1のn-型層は、III族-窒化物材料を含む、実施形態(a)乃至(f)に記載のLEDアレイ。
【0102】
実施形態(h).
前記III族-窒化物材料は、GaNを含む、実施形態(a)乃至(g)に記載のLEDアレイ。
【0103】
実施形態(i).
前記第1のp-型層、前記第2のp-型層、前記第3のp-型層、前記第1のn-型層、前記第1のn-型層、および前記第3のn-型層は、III族-窒化物材料を含む、実施形態(a)乃至(h)に記載のLEDアレイ。
【0104】
実施形態(j).
前記III族-窒化物材料は、GaNを含む、実施形態(a)乃至(i)に記載のLEDアレイ。
【0105】
実施形態(k).
前記第1のメサは、側壁を有し、前記隣接するメサは、側壁を有し、
前記第1のメサの側壁および前記隣接するメサの側壁は、前記メサが上部に形成される基板の上部表面と、60度から90度未満の範囲の角度を形成する、実施形態(a)乃至(j)に記載のLEDアレイ。
【0106】
実施形態(l).
10%を超えるAlモル分率を有する前記n-型III族-窒化物層は、分子式AlxGa1-xNを有し、ここでxは、0.20から0.25の範囲である、実施形態(a)乃至(k)に記載のLEDアレイ。
【0107】
実施形態(m).
さらに、
駆動トランジスタを有する薄膜トランジスタ(TFT)ドライバを有し、
前記駆動トランジスタは、VDD線に接続された第1の電極、および第2の電極と、前記駆動トランジスタの前記第2の電極に接続されたキャパシタと、選択トランジスタに接続された第1の電極と、を有し、
前記選択トランジスタは、前記第1の電極および前記第2の電極を有し、
前記選択トランジスタの前記第2の電極は、データ線に接続され、
前記選択トランジスタは、選択線により制御されるように構成され、
前記駆動トランジスタの前記第2の電極は、前記アノードメタライゼーションコンタクトの1つに接続される、実施形態(a)乃至(l)に記載のLEDアレイ。
【0108】
実施形態(n).
電子システムであって、
実施形態(a)乃至(m)に記載のLEDアレイと、
1つ以上のアノードコンタクトに独立した電圧を提供するように構成されたドライバ回路と、
を有する、電子システム。
【0109】
実施形態(o).
当該電子システムは、LED系の照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される、実施形態(n)に記載の電子システム。
【0110】
実施形態(p).
LEDアレイを製造する方法であって、
上部表面と、少なくとも第1のLEDと、前記第1のLED上の第1のトンネル接合とを有する第1のメサを形成するステップであって、
前記第1のLEDは、第1のp-型層、第1のn-型層、および第1のカラー活性領域を有し、
前記上部表面は、前記第1のトンネル接合上の第2のn-型層を有し、
前記第2のn-型層は、10%を超えるAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層と、10%未満のAlモル分率を有する少なくとも1つのn-型III族-窒化物層とを有する、ステップと、
隣接するメサを形成するステップであって、
前記隣接するメサは、前記第1のLEDと、第2のLEDとを有し、
前記第2のLEDは、前記第2のn-型層と、第2のp-型層と、第2のカラー活性領域とを有する、ステップと、
前記隣接するメサの前記第2のLED上に、第2のトンネル接合を形成するステップと、
前記隣接するメサのp-型層の前記第2のトンネル接合上に、第3のn-型層を形成するステップと、
前記第1のメサと前記隣接するメサを分離する第1のトレンチを形成するステップと、
前記第1のメサの前記第2のn-型層上、および前記隣接するメサの前記第3のn-型層上に、アノードメタライゼーションコンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0111】
実施形態(q).
さらに、前記第3のn-型を含む前記隣接するメサの上部表面を形成するステップを有する、実施形態(p)に記載の方法。
【0112】
実施形態(r).
さらに、
前記隣接するメサの前記n-型層上に第3のカラー活性領域を形成するステップであって、前記隣接するメサは、第3のp-型層を含む上部表面を有する、ステップと、
第3のメサを形成するステップであって、
前記第3のメサは、上部表面、前記第1のLEDと、前記第2のLED、前記第2のトンネル接合を有し、前記第2のトンネル接合上に前記第3のn-型層を有し、
前記第3のカラー活性領域、前記第3のメサの前記上部表面は、前記第3のn-型層を有する、ステップと、
前記隣接するメサと前記第3のメサとを分離する第2のトレンチを形成するステップと、
前記第1のトレンチにおけるカソードメタライゼーションを形成するステップであって、前記カソードメタライゼーションは、前記隣接するメサの前記第1のカラー活性領域および前記第2のカラー活性領域を電気的に接触する、ステップと、
前記第2のトレンチにおけるカソードメタライゼーションを形成するステップであって、
前記カソードメタライゼーションは、前記第3のメサの前記第2のカラー活性領域および前記第1のカラー活性領域を電気的に接続し、
前記第1のトレンチにおける前記カソードメタライゼーションは、前記第2の隣接するメサの前記第1のカラー活性領域、前記第2のカラー活性領域、および前記第3のカラー活性領域を電気的に接続し、
前記第1のトレンチにおける前記n-型メタライゼーションは、前記第3のカラー活性領域と電気的に接触する、ステップと、
前記第3メサの前記第3のn-型層上に、アノードメタライゼーションコンタクトを形成するステップと、
を有する、実施形態(p)乃至(q)に記載の方法。
【0113】
実施形態(s).
前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDの各々は、エピタキシャル成膜されたIII族-窒化物材料を有する、実施形態(p)乃至(r)に記載の方法。
【0114】
実施形態(t).
前記第1のLED、前記第2のLED、および前記第3のLEDは、基板上に形成される、実施形態(p)乃至(s)に記載の方法。
【0115】
本願において議論される材料および方法を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の内容)における用語「a」、「an」、「the」、および同様の言及の使用は、本願において別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈される必要がある。本願における数値範囲の記載は、特に指摘がない限り、その範囲内に該当する各別個の値を個々に参照する略記法としての役割を果たすことのみを意図しており、各別個の値は、それらが本願に個々に列挙されているように、明細書に組み込まれる。本願で記載した全ての方法は、本願に別段の記載がない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行されてもよい。本願で提供される任意のおよび全ての例、または例示的用語(例えば、「等」)の使用は、単に材料および方法をより良く説明することを意図するものであり、別段の主張がない限り、範囲を限定するものではない。明細書のいかなる文言も、開示された材料および方法の実施に不可欠なものとしての、任意の非クレーム化要素を示すものと解してはならない。
【0116】
本願を通じ、第1、第2、第3などの用語の言及は、各種要素を説明するために使用され、これらの要素は、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。
【0117】
本願を通じ、層、領域、または基板が、別の素子の「上」にある、または「上に」延在するという言及は、これらが直接、他の要素の上にあること、または他の要素の上に直接延在すること、または介在要素が存在し得ることを意味する。ある要素が「直上」にある、または別の要素の「直上に」延在していると言及される場合、介在する要素は、存在しなくてもよい。また、ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と称される場合、これは、他の要素に直接結合されおよび/または接続されてもよく、または1つ以上の介在要素を介して、他の要素に接続または結合されてもよい。ある要素が他の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称される場合、該要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図面に記載された任意の配向に加えて、要素の異なる配向を包含することが意図されることが理解される。
【0118】
本願で使用される「下」、「上」、「上側」、「下側」、「水平」または「垂直」のような相対的な用語は、図示されるような、ある素子、層、または領域と、別の素子、層、または領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図面に記載された方向に加えて、装置の異なる方向を包含することが意図されることが理解される。
【0119】
本願を通じ、「一実施形態」、「ある実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「実施形態」という言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料、または特性が、開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて、様々な箇所における「1つ以上の実施形態では」、「ある実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「実施形態では」というようなフレーズの出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を参照するものではない。1つ以上の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の好適な方法で組み合わされる。
【0120】
特定の実施形態を参照して、本願における開示が説明されたが、これらの実施形態は、単に本開示の原理および用途を例示するに過ぎないことが理解される。本開示の思想および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に各種修正および変更を加えることができることは、当業者には明らかである。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正および変更を含むことが意図される。