(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-06
(45)【発行日】2024-03-14
(54)【発明の名称】発光ダイオード装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/04 20100101AFI20240307BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20240307BHJP
H01L 33/40 20100101ALI20240307BHJP
【FI】
H01L33/04
H01L33/08
H01L33/40
(21)【出願番号】P 2023535368
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021051176
(87)【国際公開番号】W WO2022132264
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-09
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アーミテージ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-036038(JP,A)
【文献】特開2004-153271(JP,A)
【文献】特表2015-525973(JP,A)
【文献】特許第6780083(JP,B1)
【文献】特開2001-015452(JP,A)
【文献】特開2011-086882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)装置であって、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、および前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上の多層コンタクトを含み、前記第2のメサは、前記p型層
の直上の
単層のp型コンタクトを含み、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する、LED装置。
【請求項2】
さらに、前記基板上の核発生層、および前記核発生層上の欠陥低減層を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項3】
前記多層コンタクトは、透明導電性酸化物層上に反射金属層を含むバイレイヤコンタクトである、請求項1に記載のLED装置。
【請求項4】
前記反射金属層は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、およびチタン(Ti)の1つ以上を含む、請求項3に記載のLED装置。
【請求項5】
前記透明導電性酸化物層は、インジウムスズ酸化物(ITO)、ガリウム酸化物(Ga
2O
3)、亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO
2)、およびインジウム亜鉛酸化物(InZnO)の1つ以上を含む、請求項3に記載のLED装置。
【請求項6】
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、第1の波長を有する第1の光を放射し、前記フォトルミネッセント量子井戸は、前記第1の光の少なくとも一部を吸収し、前記第1の光よりも波長が長い第2の光を放射する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項7】
さらに、前記n型電流拡散層の前記トレンチ内にn型コンタクトを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項8】
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、同じ波長の光を放射する複数の量子井戸を有する、請求項6に記載のLED装置。
【請求項9】
前記フォトルミネッセント量子井戸は、同じ波長の光を放射する複数の量子井戸を含む、請求項6に記載のLED装置。
【請求項10】
前記基板は、透明基板である、請求項1に記載のLED装置。
【請求項11】
さらに、前記基板の前記n型電流拡散層とは反対の側に、ダイクロイック反射器を有する、請求項10に記載のLED装置。
【請求項12】
発光ダイオード(LED)装置であって、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上に第1のコンタクトを有し、前記第1のコンタクトは、第1の透明導電性酸化物層上に第1の反射金属層を有し、前記第1の透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有し、
前記第2のメサは、前記p型層上の第2のコンタクトを有し、前記第2のコンタクトは、第2の透明導電性酸化物層上に第2の反射金属層を有し、前記第2の透明導電性酸化物層は、第2の厚さを有し、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する、LED装置。
【請求項13】
さらに、前記基板上の核発生層、および前記核発生層上の欠陥低減層を有する、請求項12に記載のLED装置。
【請求項14】
前記第1の反射金属層および第2の反射金属層は、独立に、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、およびチタン(Ti)の1つ以上を含む、請求項12に記載のLED装置。
【請求項15】
前記第1の透明導電性酸化物層および前記第2の透明導電性酸化物層は、独立に、インジウムスズ酸化物(ITO)、亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO)、およびインジウム亜鉛酸化物(InZnO)の1つ以上を含む、請求項12に記載のLED装置。
【請求項16】
前記第1の厚さと前記第2の厚さの差は、40nmから60nmの範囲である、請求項12に記載のLED装置。
【請求項17】
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、第1の波長を有する第1の光を放射し、前記フォトルミネッセント量子井戸は、前記第1の光の少なくとも一部を吸収し、前記第1の光よりも波長の長い第2の光を放射する、請求項12に記載のLED装置。
【請求項18】
さらに、前記n型電流拡散層の前記トレンチ内にn型コンタクトを有する、請求項12に記載のLED装置。
【請求項19】
さらに、前記基板の前記n型電流拡散層とは反対の側に、ダイクロイック反射器を有する、請求項18に記載のLED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全般に、発光ダイオード(LED)のアレイおよびその製造方法に関する。より具体的には、実施形態は、フォトルミネッセント量子井戸およびエレクトロルミネッセント量子井戸、ならびにバイレイヤコンタクトを有する発光ダイオード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れると可視光を放射する半導体光源である。LEDは、P型半導体とN型半導体を組み合わせたものである。LEDは、通常、III族化合物半導体を使用する。III族化合物半導体は、高温で他の半導体を用いた装置よりも安定した動作を提供する。III族化合物は、典型的には、サファイアまたは炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常、LEDウェハの発光スペクトルは、エピタキシャル成長の後に固定される(不変)。異なるスペクトル特性が望ましい場合、異なるウェハを成長させる必要がある。エピタキシャル成長後のダイ製造プロセスの一部として、LEDウェハの放射スペクトルを調整する機能を有することは、有意であり得る。例えば、異なる放射スペクトルを有するLEDは、同じウェハ上に相互に近接して製造され得る。この特性は、異なるウェハ(または所与のウェハ上の異なる場所)からモジュール内に、LEDをピックアップアンドプレースすることが難しく、コストがかかるような、ディスプレイおよびカメラのフラッシュモジュールの製造に適用することができる。別の利点は、所与のウェハ内(または同じエピタキシープロセスによって成長されたウェハの間)での意図しない色差が補償され、ウェハレベルの蛍光体の集積化のような技術の実施を容易化できることである。
【0004】
従って、エピタキシャル成長後に放射スペクトルを調整することができるLED装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、LED装置およびLED装置を製造する方法を対象とする。1つ以上の実施形態では、発光ダイオード(LED)装置は、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、および前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上の多層コンタクトを含み、前記第2のメサは、前記p型層上のp型コンタクトを含み、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する。
【0006】
本開示の他の実施形態は、発光ダイオード(LED)装置であって、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上に第1のコンタクトを有し、前記第1のコンタクトは、第1の透明導電性酸化物層上に第1の反射金属層を有し、前記第1の透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有し、
前記第2のメサは、前記p型層上の第2のコンタクトを有し、前記第2のコンタクトは、第2の透明導電性酸化物層上に第2の反射金属層を有し、前記第2の透明導電性酸化物層は、第2の厚さを有し、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する、LED装置に関する。
【0007】
1つ以上の実施形態は、LED装置を製造する方法を対象とする。1つ以上の実施形態では、当該方法は、
基板上に核発生層を形成するステップと、
前記核発生層上に欠陥低減層を形成するステップと、
前記欠陥低減層上にn型電流拡散層を形成するステップと、
前記n型電流拡散層上に少なくとも1つのフォトルミネセンス量子井戸を形成するステップと、
前記少なくとも1つのフォトルミネッセント量子井戸上にn型層を形成するステップと、
前記n型層上に少なくとも1つのエレクトロルミネッセント量子井戸を形成するステップと、
前記エレクトロルミネッセント量子井戸上にp型層を形成するステップと、
エッチングにより、トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを形成するステップあって、前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、前記n型電流拡散層まで延在する、ステップと、
前記第1のメサおよび前記第2のメサ上に誘電体層を共形的に成膜するステップと、
前記第1のメサおよび前記第2のメサにコンタクトホールを形成するステップと、
前記第1のメサに第1のコンタクトを形成し、前記第2のメサに第2のコンタクトを形成するステップと、
を有する。
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるよう、実施形態を参照することにより、前述の簡単に要約した本開示のより特定の説明を得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。ただし、添付図面は、本開示の通常の実施形態のみを示しており、従って、他の同様に有効な実施形態を認めることができるため、本開示は、その範囲に制限されるものではないことが留意される。本願に記載の実施形態は、一例としてのみ示されており、添付図面の図に限定されるものではない。同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図2】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図3】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図4】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図5】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図6A】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図6B】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図7】1つ以上の実施形態による、複数の量子井戸を有するLED装置の断面を示した図である。
【
図8】バイレイヤコンタクトを有するp型層により反射された放射線についてのGaNにおいて計算された角度放射線分布を示したグラフである。
【
図9】近紫外エレクトロルミネッセント量子井戸とアノードコンタクト金属との間に異なる光路長を有するLEDのスペクトルを示したグラフである。
【
図10】1つ以上の実施形態による本方法のプロセスフロー図を示した図である。 理解を容易にするため、可能な場合、図面に共通する同じ素子を表す際に同じの参照符号が使用される。図には、スケールは示されていない。例えば、メサの高さおよび幅は、スケール通りに描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載される構成またはプロセスステップの詳細に限定されないことが理解される。本開示は、他の実施形態にすることも可能であり、各種方法で実現または実施され得る。
【0011】
1つ以上の実施形態において使用される「基板」という用語は、プロセスが作用する表面もしくは表面の一部を有する、構造、中間体、または最終形態を表す。また、いくつかの実施形態における基板という言及は、文脈が明確に別の意味を示さない限り、基板の一部のみを表す。さらに、いくつかの実施形態による基板に成膜するという言及は、裸の基板に、またはその上に堆積もしくは形成された1つ以上の層、薄膜、特徴部、または材料を有する基板に成膜することを含む。
【0012】
1つ以上の実施形態において、「基板」とは、任意の基板、または製造プロセス中に薄膜加工が行われる基板上に形成される材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が行われる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪みシリコン、非晶質シリコン、ドープ化シリコン、炭素ドープ化シリコン酸化物、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、および他の任意の好適な材料、例えば金属、金属窒化物、III族-窒化物(例えば、GaN、AlN、InNおよび他の合金)、金属合金、および他の導電性材料を含む。基板には、これに限られるものではないが、発光ダイオード(LED)装置が含まれる。いくつかの実施態様において、基板は、前処理プロセスに晒され、基板表面が研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/または焼成される。いくつかの実施態様では、基板自体の表面上での直接的な薄膜処理に加えて、開示の薄膜処理工程のいずれかは、基板に形成された下地層上でも実施され、「基板表面」という用語は、文脈が示す場合、そのような下地層を含むことが意図される。従って、例えば、薄膜/層または部分薄膜/層が基板表面に成膜された場合、新たに成膜された薄膜/層の露出表面が基板表面となる。
【0013】
「ウェハ」および「基板」という用語は、本開示において相互互換的に使用される。従って、本願で使用されるウェハは、本願に記載のLED装置の形成用の基板として機能する。
【0014】
本願に記載の実施形態には、LED装置および該LED装置を形成する方法が記載される。特に、本開示では、同じウェハにおいてエレクトロルミネッセントとフォトルミネッセントの活性領域の組合せを有意に使用し、エピタキシャル成長後に調節可能な発光スペクトルを有するLEDを提供する、LED装置および該LED装置を製造する方法が記載される。1つ以上の実施形態では、調整は、フォトルミネッセント活性領域に吸収されるエレクトロルミネッセント放射の割合を制御可能に変更する、ウェハ製造プロセスを介して達成される。これらの調整には、反射アノードコンタクトとエレクトロルミネッセント発光量子井戸との間の光路長の変更、および/またはLEDチップの外表面に対する低損失波長選択性反射コーティングの適用による変更が含まれる。
【0015】
1つ以上の実施形態では、LEDの放射スペクトルは、チップレベルでローカライズされた、成長後ウェハ処理により変化させることができ、従って、同じLEDウェハから異なる放射スペクトルを放射するLEDが提供される。1つ以上の実施形態では、同じウェハ内で相互に近接して、異なる放射スペクトルを有するLEDのアレイを構築することができる。複数の(異なる)タイプのエピタキシャルウェハを成長させる必要性、および別個のウェハからチップを操作してアレイを形成する必要性は、有意に回避される。
【0016】
1つ以上の実施形態では、窒化ガリウム(GaN)系のLEDウェハは、同じウェハ内に異なる放射波長の量子井戸の2つ以上のグループを含む。エレクトロルミネッセント量子井戸の第1のグループ(最も短い放射波長を有する)は、p型層と、第1のn型層との間に配置されてもよく、第1のn型層は、p型層とp-n接合を形成する。より長い放射波長を有する第2の(および第3の、またはそれ以降の)グループのフォトルミネッセント量子井戸は、p-n接合のn型層とn型GaN電流拡散層との間に配置されてもよい。これらの量子井戸は、量子井戸の第1のグループにより放射されるエレクトロルミネセンスの波長において、無視できない吸収係数を有する。
【0017】
1つ以上の実施形態では、LED装置は、反射金属、および該金属とp-GaN表面の間にある少なくとも1つの透明導電性酸化物層と、を含む多層アノードコンタクトを有する。透明導電性酸化物層の厚さは、異なる放射スペクトルを有するように作製されるLEDで、変化してもよい。
【0018】
1つ以上の実施形態では、LED装置は、完成したLEDチップの一部である研磨されたサファイア基板の裏面に、任意の光学コーティングを有する。コーティングは、フォトルミネセンスの波長に対するエレクトロルミネセンスの波長において、低い光学損失および高い反射率を有する。
【0019】
本開示の実施形態は、図面により説明される。図には、本開示の1つ以上の実施形態による装置(例えば、トランジスタ)、該および装置を形成する方法を示す。示された方法は、開示された方法の単なる一例として使用され、当業者には、開示の方法が図示された用途に限定されないことが理解される。
【0020】
図面を参照して、本開示の1つ以上の実施形態が説明される。
図1乃至
図6Aおよび
図7には、1つ以上の実施形態による装置100の断面図を示す。
図6Bには、1つ以上の実施形態による装置100の上面図を示す。本開示の態様は、LEDアレイの製造方法に関する。
図1を参照すると、基板102上のフォトルミネッセント量子井戸112およびエレクトロルミネッセント量子井戸116により、LED装置100が製造される。
【0021】
1つ以上の実施形態では、エピタキシーの第1の部分は、核発生層104、欠陥低減層106、およびn型電流拡散層108の成長を含み、サファイアまたは他の適用可能な成長基板102を用いる従来のLED成長ランと同じであってもよい。
【0022】
基板102は、LED装置の形成に利用するように構成された当業者に既知の任意の基板であってもよい。1つ以上の実施形態では、基板102は、サファイア、炭化ケイ素、シリカ(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル等の1つ以上を含む。1つ以上の実施態様では、基板102は、透明基板である。特定の実施形態では、基板102はサファイアを含む。1つ以上の実施形態では、基板102は、LEDの形成前にパターン化されない。従って、いくつかの実施態様において、基板は、パターン化されておらず、平坦であり、または実質的に平坦であるとみなすことができる。他の実施態様では、基板102は、パターン化された基板である。
【0023】
1つ以上の実施形態では、n型電流拡散層108は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、および窒素(N)の二元系合金、三元系合金、および四元系合金を含む、III族-窒化物材料とも称される、任意のIII-V族半導体を含んでもよい。従って、いくつかの実施態様では、n型電流拡散層108は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウムアルミニウム(GaAlN)、窒化ガリウムインジウム(GaInN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウムインジウム(AlInN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)等の1つ以上を含む。特定の実施形態では、n型電流拡散層108は、窒化ガリウム(GaN)を含む。1つ以上の実施形態では、n型電流拡散層108は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)のような、n型ドーパントでドープされる。n型電流拡散層108は、層を介して電流を横方向に流すのに十分な量のドーパント濃度を有していてもよい。
【0024】
1つ以上の実施形態では、第1のLED、第2のLED、および第3のLEDを形成するIII族-窒化物材料の層は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、有機金属化学気相成膜(MOCVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)の1つ以上により成膜される。
【0025】
本願で使用される「スパッタ成膜」とは、スパッタリングによる薄膜成膜の物理気相成膜(PVD)法を表す。スパッタ成膜では、材料、例えばIII族-窒化物が、供給源であるターゲットから基板上に放出される。この技術は、ターゲットであるソース材料のイオン衝突に基づく。イオン衝突の結果、純粋に物理的なプロセス、すなわちターゲット材料のスパッタリングにより、蒸気が生じる。
【0026】
本願のいくつかの実施形態に使用される「原子層成膜」(ALD)または「周期的成膜」とは、基板表面上に薄膜を成膜するために使用される気相技術を表す。ALDのプロセスは、基板の表面、または基板の一部が、交互の前駆体、すなわち、2つ以上の反応性化合物に晒され、基板表面に材料の層が堆積されることを含む。基板が交互の前駆体に晒された際、前駆体が連続的にまたは同時に導入される。前駆体は、処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板または基板の一部は、別々に前駆体に晒される。
【0027】
いくつかの実施態様では、本願で使用される「化学気相成膜」とは、基板表面での化学物質の分解により、気相から材料の薄膜が成膜されるプロセスをいう。CVDでは、基板表面は、前駆体および/または補助試薬に、同時にまたは実質的に同時に曝露される。LED製造に広く使用されるCVDプロセスの特定のサブセットは、有機金属前駆体化学物質を使用するものであり、MOCVDまたは有機金属気相エピタキシー(MOVPE)と称される。本願で使用される「実質的に同時に」とは、コフロー、または前駆体の曝露の大部分が重複する場合のいずれかを表す。
【0028】
いくつかの実施態様では、本願に使用される「プラズマ強化原子層成膜(PEALD)」は、基板に薄膜を成膜するための技術を表す。熱ALDプロセスに関するPEALDプロセスのいくつかの例では、材料は、同じ化学前駆体であるものの、より高い成膜速度およびより低い温度で形成されてもよい。PEALDプロセスでは、一般に、反応ガスおよび反応プラズマが順次、基板が収容されたプロセスチャンバに導入される。第1の反応ガスは、処理チャンバ内でパルス化され、基板表面に吸着される。その後、反応プラズマが処理チャンバ内でパルス化され、第1の反応ガスと反応して、成膜材料、例えば薄膜が基板上に形成される。熱ALDプロセスと同様、パージステップは、各反応体の供給の間に実施されてもよい。
【0029】
本願の1つ以上の実施形態に使用される「プラズマ強化化学気相成膜(PECVD)」とは、基板に薄膜を成膜する技術を表す。PECVDプロセスでは、キャリアガスと共搬送される、気相のIII族-窒化物材料または液相のIII族-窒化物材料のような、気相または液相状態のソース材料がPECVDチャンバに導入される。また、プラズマ開始ガスもチャンバに導入される。チャンバ内のプラズマの生成により、励起ラジカルが生成される。励起されたラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面に化学的に結合され、その上に所望の薄膜が形成される。
【0030】
1つ以上の実施形態では、LED装置100は、LED装置層がエピタキシャルに成長されるように、有機金属気相エピタキシー(MOVPE)反応器内に基板102を配置することにより、製造される。
【0031】
1つ以上の実施態様では、核発生層104は、欠陥低減層106の前に基板102上に形成される。1つ以上の実施形態では、核発生層は、III族-窒化物材料を含む。特定の実施形態では、核発生層104は、窒化ガリウム(GaN)または窒化アルミニウム(AlN)を含む。
【0032】
1つ以上の実施形態では、フォトルミネッセント量子井戸112の前に、成長された希釈インジウム濃度層110を任意で有する電流拡散層108上に、複数のフォトルミネッセンス発光量子井戸112が成長される。フォトルミネッセント量子井戸112は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)でドープされたn型であり、フォトルミネッセント量子井戸112にわたる電圧降下が最小限に抑制されてもよい。
【0033】
フォトルミネッセント量子井戸112は、当業者に知られた任意の成膜技術を用いて形成されてもよい。フォトルミネッセント量子井戸112は、同じ波長の光を放射する複数の量子井戸のシーケンスを有してもよい。フォトルミネッセント量子井戸112は、窒化インジウムガリウム(InGaN)および窒化ガリウム(GaN)の異なる層を有してもよい。1つ以上の実施形態では、フォトルミネッセント量子井戸112は、約500nmから約650nmの範囲の波長を放射してもよい。発光色は、InGaN層中のインジウム(In)およびガリウム(Ga)の相対モル分率によって、および/または複数の量子井戸の厚さによって、制御されてもよい。いくつかの実施形態では、より高いモル分率のインジウム(In)では、より長い波長が得られてもよい。
【0034】
1つ以上の実施形態では、フォトルミネッセント量子井戸112内の個々の量子井戸は、約0.5nmから約10nmの範囲のInGaN厚さ、および約2nmから約100nmの範囲のGaN障壁厚さを有してもよい。フォトルミネッセント量子井戸112における量子井戸の総数は、1から50の範囲であってもよい。
【0035】
1つ以上の実施形態では、フォトルミネッセント量子井戸112の成長の後、フォトルミネッセント量子井戸112の上面に、n型層114が成長される。n型層114は、極めて薄くされてもよく、あるいは数十ナノメートルまたは数百ナノメートルの厚さで十分に厚くすることができる。1つ以上の実施形態では、n型層114は、成長表面を改質し、その後に成長されるエレクトロルミネッセント活性領域の効率または順方向電圧に好ましい影響を与える特性を有してもよい。
【0036】
1つ以上の実施形態では、n型層114、エレクトロルミネッセンス発光活性領域、またはエレクトロルミネッセンス量子井戸116に続き、当業者に知られた成膜技術を用いて、電子ブロッキング層、およびp型層118が成長される。一つ以上の実施態様において、p型層118は、窒化ガリウム(GaN)を含む。いくつかの実施態様では、p型層118の厚さは、後述するアノードコンタクト層と共に最適化されてもよい。
【0037】
1つ以上の実施形態では、前述のように成長したウェハ101を用いて、反射アノードコンタクトを有し、アノードコンタクトと反対の方向に光を放射するLEDチップが製造される。フォトルミネッセント量子井戸112に吸収されるエレクトロルミネッセンスの割合は、放射されたエレクトロルミネッセンスの角度放射パターンに依存する。表面法線に近い小さな角度で放射された放射線は、吸収されずにチップから逸散する可能性が高く、一方、大きな角度で放射された放射線は、フォトルミネッセント量子井戸112に吸収され、より長波長の光子として再放射される可能性が高い。次に、エレクトロルミネッセンスの角度放射パターンは、エレクトロルミネッセンス量子井戸116から反射アノードコンタクトまでの光路長に極めて敏感である。特定の経路長に依存して、より大きい角度またはより小さい角度で、構成的干渉が生じ得る。
【0038】
1つ以上の実施形態では、エレクトロルミネッセント量子井戸116は、第1の波長を有する第1の光を放射し、フォトルミネッセント量子井戸112は、第1の光の少なくとも一部を吸収し、第1の光よりも長い波長を有する第2の光を放射する。
【0039】
図2を参照すると、第1のメサ105aおよび第2のメサ105bをウェハ101内にエッチングすることにより、メサアレイ105が形成される。1つ以上の実施形態では、第1のメサ105aおよび第2のメサ105bは、トレンチ120によって分離される。いくつかの実施形態では、トレンチ120は、ドライエッチングのような、従来の方向性エッチングプロセスを使用して形成されてもよい。トレンチ120は、任意の好適な深さであってもよく、p型層118の上部表面からn型電流拡散層108まで延在してもよい。トレンチ120は、少なくとも1つの側壁122および底部表面124を有してもよい。1つ以上の実施形態では、底部表面124は、n型電流拡散層108を含む。1つ以上の実施形態では、トレンチ120は、発光領域121を画定してもよい。
【0040】
図3には、トレンチ120内およびp型層118上に誘電体層126を形成することを示す。誘電体層126は、従来の成膜技術、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸着、スパッタリング、化学溶液成膜、スピンオン成膜、または他の同様のプロセスを用いて形成されてもよい。
【0041】
本願で使用される「誘電体」という用語は、印加電場によって分極され得る電気絶縁体材料を表す。1つ以上の実施形態では、誘電体層126は、当業者に知られた任意の好適な誘電体材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiOx)、酸化ニオブ(NbOx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiOx)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiOx)の1つ以上を含む。「酸化ケイ素」という用語は、共形の誘電体層126を記載するために使用され得るが、当業者には、本開示が特定の化学量論に限定されないことが理解される。例えば、「酸化ケイ素」および「二酸化ケイ素」という用語の両方は、任意の好適な化学量論比で、シリコン原子および酸素原子を有する材料を記載するために使用されてもよい。一つ以上の実施例では、誘電体層126は、約300nmよりも大きく、または約500nmよりも大きく、または約1000nmよりも大きな厚さを有する。
【0042】
1つ以上の実施形態では、誘電体層126は、実質的に共形である。本願で使用される「実質的に共形」である層とは、厚さが全体を通じてほぼ同じである層を表す(例えば、p型層118上、少なくとも1つの側壁122上、およびトレンチ120の底部表面124上)。実質的に共形である層は、約5%以下、2%以下、1%以下、またはは0.5%以下の厚さで変化する。
【0043】
いくつかの実施形態では、誘電体層126は、トレンチ120の底部表面124上に形成される。他の実施形態では、誘電体層126は、トレンチ120の底部表面124上には存在せず、n型電流拡散層108は、トレンチ120の底部表面124に露出される。誘電体層126の一部は、トレンチ120の底部表面124から除去されてもよい。誘電体層126の一部は、ドライエッチングのような従来の方向性エッチングプロセスを用いて除去されてもよい。
【0044】
図4には、誘電体層126におけるコンタクトホール128の形成を示す。いくつかの実施形態では、第1のコンタクトホール128aは、第1のメサ105aの誘電体層126に形成される。第2のコンタクトホール128bは、第2のメサ105bの誘電体層126に形成されてもよい。コンタクトホール128a、128bは、ドライエッチングのような従来の方向性エッチングプロセスを用いて形成されてもよい。
【0045】
図5を参照すると、第1のメサ105aの第1のコンタクトホール128aに、透明導電性酸化物(TCO)層130が選択的に成膜されてもよく、第2のメサ105bの第2のコンタクトホール128bには成膜されなくてもよい。1つ以上の実施形態では、透明導電性酸化物層130は、インジウムドープスズ酸化物、アルミニウムドープ亜鉛酸化物、インジウムドープカドミウム酸化物、インジウム酸化物、スズ酸化物、フッ素ドープ酸化スズ、銅アルミニウム酸化物、ストロンチウム銅酸化物、および亜鉛ドープスズ酸化物の1つ以上を含む。1つ以上の特定の実施形態では、透明導電性酸化物層130は、インジウムスズ酸化物(ITO)、ガリウム酸化物(Ga
2O
3)、亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO
2)、およびインジウム亜鉛酸化物(InZnO)の1つ以上を含む。TCO層130は、2つ以上のサブ層から構成されてもよく、サブ層のうちの1つは、p型GaNに対する低い電気的コンタクト抵抗の特性を示し、他のサブ層は、抑制された光吸収係数の特性を示す。サブ層は、前述のリストから選択された異なる材料であってもよく、あるいはこれらは、成膜および/またはアニーリングのプロセス条件が異なる名目上同じ材料の2つの層であってもよい。特定の実施形態では、透明導電性酸化物層130は、インジウムスズ酸化物(ITO)を含む。
【0046】
図6Aを参照すると、アノードコンタクト金属132が第1のメサ105a上に成膜される。1つ以上の実施形態では、アノードコンタクト金属132は、当業者に知られた任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、アノードコンタクト金属132は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、およびパラジウム(Pd)の1つ以上から選択されるpコンタクト材料を含む。特定の実施形態では、アノードコンタクト金属132は、銀(Ag)を含む。一部の実施形態では、接着促進剤として、アノードコンタクト金属に少量の追加金属を添加してもよい。そのような接着促進剤には、これに限られるものではないが、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上が含まれてもよい。
【0047】
1つ以上の実施形態では、第1のメサ105a上のアノードコンタクト金属132の成膜において、バイレイヤコンタクト134が形成される。バイレイヤコンタクト134は、透明導電性酸化物層130と、アノードコンタクト金属132、例えば反射金属層と、を含む。他の実施形態では、第1のメサ105a上のアノードコンタクト金属132の成膜において、多層コンタクトが形成される。本願で使用される「多層コンタクト」という用語は、TCO層130とアノードコンタクト金属132との間に、非導電性誘電体材料が介在される場合を表す。複数のビアホールが誘電体を貫通してパターン化され、金属は、TCO層と接触できる。多層コンタクトでは、酸化ケイ素(SiO2)のような非導電性誘電体材料が、TCO材料よりも低い光吸収係数を有する傾向があるという利点が得られる。換言すれば、多層コンタクトは、バイレイヤコンタクトで得られる光路において同じ差を提供し得るが、吸収TCO材料の厚さの低減のため、パス当たりの吸収損失はより小さくなる。非導電性誘電体材料は、これに限られるものではないが、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、および酸化チタン(TiO2)を含む群から選択された、異なる屈折率を有する1つ以上の層から構成されてもよい。
【0048】
1つ以上の実施形態では、第2のメサ105b上に第2のアノードコンタクト金属136が成膜される。1つ以上の実施形態では、第2のアノードコンタクト金属136は、当業者に知られた任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、第2のアノードコンタクト金属136は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、およびパラジウム(Pd)の1つ以上から選択されたpコンタクト材料を含む。特定の実施形態では、第2のアノードコンタクト金属136は、銀(Ag)を含む。一部の実施形態では、接着促進剤として、第2のアノードコンタクト金属に少量の追加金属を添加してもよい。そのような接着促進剤には、これに限られるものではないが、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上が含まれる。
【0049】
図8には、1つ以上の実施形態における、p型層118とアノードコンタクト金属132との間に配置された透明導電性酸化物(TCO)層130の厚さに対する、内部放射パターンの依存性を示す。特に
図8には、p型層118/透明導電性酸化物(TCO)層130/アノードコンタクト金属132によって反射される放射線の、p型層118において計算された角度放射分布を示す。発光放射線は、約445nmの重心波長を有し、放射量子井戸は、p型層118/透明導電性酸化物(TCO)層130の界面から約100nmの距離にある。より厚い透明導電性酸化物(TCO)層130に関する放射線分布では、より薄い透明導電性酸化物(TCO)層130、または透明導電性酸化物(TCO)層130がない場合と比較して、445nmの放射線のより多くがLEDチップ内に吸収される結果となる。前述の結果は、放射QWとp-GaN/TCO界面との間に約100nmの距離を有するLEDに特有であることが強調される必要がある。一般に、445nmの放射線の吸収は、TCOの厚さと前記界面までの距離の両方に依存する。
【0050】
図9には、このようにして生成された異なるスペクトルの実験例を示す。具体的には、
図9には、近紫外エレクトロルミネッセントQWとアノードコンタクト金属132との間に異なる光路長を有するLEDの実験スペクトルが示されている。近紫外発光の内部吸収は、Dc/Ln=0.55の場合、増強される。本願で使用される「Dc/Ln」とは、波長の一部として表される、アノードコンタクト金属と発光量子井戸との間の光路長を表す。長い波長(フォトルミネセンス)での放射は、p型層118に対してより高い強度を有し、透明導電性酸化物(TCO)層130の厚さは、表面法線に対して大きな角度で干渉が最大になるように構成された。
図9には、本発明の基礎となる物理的原理の証明を示すが、実験の実施形態は、本発明の1つ以上の実施形態とは異なる。
図9に示す実験では、TCO層を使用しなかった。
図9では、異なるp-GaNの厚さで、2枚のウェハを成長させた。これは、本発明に開示されたTCO層の存在を模擬している。
【0051】
1つ以上の実施形態では、電子ブロッキング層(EBL)およびp型層118の厚さは、エピタキシャル成長によって固定され、光路長のこの部分は、成長後のウェハ製造工程において変更することができない。アノードコンタクト金属132またはp型コンタクトの位相シフトは、成長後の処理において、異なる反射性金属を選択し、コンタクトを形成することにより、制御することができる。しかしながら、各種高反射率金属の位相シフトの差は、かなり小さく、LEDチップの放射スペクトルに十分に大きな差が生じない場合がある。1つ以上の実施形態では、成長後の処理において光路長を制御するため、制御された厚さの透明導電性酸化物(TCO)層130を用いて、p型層118とのコンタクトがなされ、次に、反射性金属、例えばアノードコンタクト金属132が、透明導電性酸化物(TCO)層130の上に配置される。この構成では、光路長は、透明導電性酸化物(TCO)層130の厚さおよびp型層の厚さに直接依存する。層130は、光吸収損失が低い、導電層および/または非導電層の複数の層から構成され得る。
図6Aおよび
図6Bに示すように、いくつかのLED(例えば、第1のメサ105a)に対して、pコンタクトとして透明導電性酸化物(TCO)層130を使用し、他のLED(例えば、第2のメサ105b)に対して、p型層118の表面にアノードコンタクト136を直接形成することにより、ウェハ上の相互に隣接する異なるLEDが異なる放射スペクトルを放射するようにすることができる。1つ以上の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層130は、エレクトロルミネセンス量子井戸116からアノードコンタクト金属132までの経路長を、約0.2波長分、増加させてもよい(ここでは、EL発光の重心波長を参照)。透明導電性酸化物(TCO)層130は、アノードコンタクト金属132の成膜の前に、HCl系のウェットエッチングまたはドライエッチングでパターン化されてもよい。
【0052】
図6Aを参照すると、1つ以上の実施形態では、カソードコンタクト金属138、またはn型コンタクトがトレンチ120内に成膜される。従って、アレイ内のLEDは、
図6Aに示すように、共通のn-コンタクト電極を共有してもよい。1つ以上の実施形態では、カソードコンタクト金属138は、当業者に知られた任意の好適な材料を含んでもよい。1つ以上の実施形態では、カソードコンタクト金属138は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上から選択されたnコンタクト材料を含む。
【0053】
1つ以上の実施形態では、
図6Aに示すような、アノードコンタクト136/p型層118と、アノードコンタクト金属132/透明導電性酸化物(TCO)層130/p型層118とのLEDのアレイを使用する代わりに、透明導電性酸化物(TCO)層130の厚さが異なる、アノードコンタクト金属132/透明導電性酸化物(TCO)層130/p型層118のLEDを有するアレイを使用することもできる。このアプローチでは、p型層118の厚さが、2つの透明導電性酸化物(TCO)層の厚さレベルと共に最適化されている限り、
図6Aに示されたものと同じ効果を生じてもよい。
図6Aに示すアプローチは、比較的単純なエッチングプロセスと、1つの透明導電性酸化物(TCO)層の成膜ステップのみとを用いて実施することができるという利点を有する。
【0054】
一般に、エッチングされた表面(トレンチ120)は、最大45度までの傾斜角を有してもよく、
図6Aの簡略化された図に示されているように、完全に垂直である必要はない。
図6Aに示されたアレイは、アノードコンタクトのみのLED、および等しいサイズのアノードコンタクト/透明導電性酸化物(TCO)層のLEDの等しい数の規則的なパターンを含むが、本開示は、示されたタイプのアレイに限定されない。幾つかの実装形態は、異なるサイズのLED、2つのタイプのアノードコンタクトの異なる数、および/またはランダムな空間配置を特徴とすることができる。別の実施形態は、(アレイの一部ではなく)異なる放射スペクトルを有する別個のLEDを含むことができる。
【0055】
1つ以上の実施形態(図示せず)では、
図2乃至
図6Aに示した例とは別の処理の実施形態では、メサのエッチング(トレンチ120)が基板102まで完全に延伸し、
図6Aに示されるように、n型電流拡散層108の露出された水平表面ではなく、メサ105a、105bの側に、カソードコンタクト138が形成される。
【0056】
図7には、装置100のアノードコンタクト132/136とは反対側の側面に適用される、外部波長選択性反射器コーティング142の形成を示す。1つ以上の実施形態では、外部波長選択性反射器コーティング142は、基板102の底部表面のダイクロイック反射器、またはダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラーは、例えば、酸化ニオブ(Nb
2O
5)および酸化ケイ素(SiO
2)のような、屈折率の大きな差を示す、誘電体層の多層スタックを有してもよい。1つ以上の実施形態では、外部波長選択性反射器コーティング142は、長波長よりも短波長側で高い反射率を有するように設計された、薄膜干渉効果を用いた多層誘電体コーティングを含み、外部コーティングを有するLEDチップの放射スペクトルのさらなる修正が、それが適用されていないものに対して提供される。1つ以上の実施形態では、外部波長選択性反射器コーティング142は、狭いスペクトル幅、および入射角に対する低い感度を有する。いくつかの実施形態では、外部波長選択性反射器コーティング142は、ELおよびPLの放射ピークが波長の大きな分離を示す場合、適用可能である。
【0057】
図10には、1つ以上の実施形態によるLED装置の製造方法500のプロセスフロー図を示す。1つ以上の実施形態では、発光ダイオード(LED)装置の製造方法は、半導体層が基板上に成膜または成長される操作502で開始される。1つ以上の実施形態では、半導体層は、基板102、核発生層104、欠陥低減層106、n型電流拡散層108、希釈インジウム濃度層110、フォトルミネセンス量子井戸112、n型層114、エレクトロルミネセンス量子井戸116、およびp型層118の1つ以上を含む。操作504では、半導体層がエッチングされ、少なくとも第1のメサ105aおよび第2のメサ105bが形成される。これらのメサは、トレンチ120によって分離され、上部表面および少なくとも1つの側壁122を有する。いくつかの実施形態では、側壁は、深さおよび底部表面124を有するトレンチを画定することができる。操作506では、誘電体層126が半導体表面に成膜される。一つ以上の実施形態では、操作508において、コンタクトホール128が形成される。
【0058】
操作510では、第1のメサ105a上のコンタクトホール128に、バイレイヤの第1のアノードコンタクトが形成される。バイレイヤの第1のアノードコンタクトは、透明導電性酸化物層130およびアノードコンタクト層132を含む。操作512では、第2のアノードコンタクト136が第2のメサ105b上に形成される。
【0059】
操作514では、カソードコンタクト金属138がトレンチ120に成膜される。従って、アレイ内のLEDは、共通のn-コンタクト電極を共有してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法500は、操作516において、さらに、装置100のアノードコンタクト132/136とは反対の側の側面に適用される、外部波長選択性反射器コーティング142を形成することを有する。1つ以上の実施形態では、外部波長選択性反射器コーティング142は、基板102の底部表面上のダイクロイックミラーである。
【0061】
本開示の別の態様は、電子システムに関する。1つ以上の実施形態では、電子システムは、本願に記載のLED装置およびアレイと、1つ以上のpコンタクト層に、独立して電圧を提供するように構成されたドライバ回路とを有する。1つ以上の実施形態では、電子システムは、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される。
【0062】
(実施形態)
以下、各種実施形態が列挙される。以下に記載された実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様および他の実施形態と組み合わせ得ることが理解される。
【0063】
実施形態(a)
発光ダイオード(LED)装置であって、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、および前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上の多層コンタクトを含み、前記第2のメサは、前記p型層上のp型コンタクトを含み、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する、LED装置。
【0064】
実施形態(b)
さらに、前記基板上の核発生層、および前記核発生層上の欠陥低減層を有する、実施形態(a)に記載のLED装置。
【0065】
実施形態(c)
前記多層コンタクトは、透明導電性酸化物層上に反射金属層を含むバイレイヤコンタクトである、実施形態(a)乃至(b)に記載のLED装置。
【0066】
実施形態(d)
前記反射金属層は、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、およびチタン(Ti)の1つ以上を含む、実施形態(a)乃至(c)に記載のLED装置。
【0067】
実施形態(e)
前記透明導電性酸化物層は、インジウムスズ酸化物(ITO)、ガリウム酸化物(Ga2O3)、亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO2)、およびインジウム亜鉛酸化物(InZnO)の1つ以上を含む、実施形態(a)乃至(d)に記載のLED装置。
【0068】
実施形態(f)
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、第1の波長を有する第1の光を放射し、前記フォトルミネッセント量子井戸は、前記第1の光の少なくとも一部を吸収し、前記第1の光よりも波長が長い第2の光を放射する、実施形態(a)乃至(e)に記載のLED装置。
【0069】
実施形態(g)
さらに、前記n型電流拡散層の前記トレンチ内にn型コンタクトを有する、実施形態(a)乃至(f)に記載のLED装置。
【0070】
実施形態(h)
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、同じ波長の光を放射する複数の量子井戸を有する、実施形態(a)乃至(g)に記載のLED装置。
【0071】
実施形態(i)
前記フォトルミネッセント量子井戸は、同じ波長の光を放射する複数の量子井戸を含む、実施形態(a)乃至(h)に記載のLED装置。
【0072】
実施形態(j)
前記基板は、透明基板である、実施形態(a)乃至(i)に記載のLED装置。
【0073】
実施形態(k)
さらに、前記基板の前記n型電流拡散層とは反対の側に、ダイクロイック反射器を有する、実施形態(a)乃至(j)に記載のLED装置。
【0074】
実施形態(l)
発光ダイオード(LED)装置であって、
トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを含むメサアレイを有し、
前記第1のメサおよび前記第2のメサは、フォトルミネッセント量子井戸、前記フォトルミネッセント量子井戸上のn型層、前記n型層上のエレクトロルミネッセント量子井戸、前記エレクトロルミネッセント量子井戸上のp型層を有し、
前記第1のメサは、前記p型層上に第1のコンタクトを有し、前記第1のコンタクトは、第1の透明導電性酸化物層上に第1の反射金属層を有し、前記第1の透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有し、
前記第2のメサは、前記p型層上の第2のコンタクトを有し、前記第2のコンタクトは、第2の透明導電性酸化物層上に第2の反射金属層を有し、前記第2の透明導電性酸化物層は、第2の厚さを有し、
前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、基板上のn型電流拡散層まで延在する、LED装置。
【0075】
実施形態(m)
さらに、前記基板上の核発生層、および前記核発生層上の欠陥低減層を有する、実施形態(l)に記載のLED装置。
【0076】
実施形態(n)
前記第1の反射金属層および第2の反射金属層は、独立に、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、およびチタン(Ti)の1つ以上を含む、実施形態(l)乃至(m)に記載のLED装置。
【0077】
実施形態(o)
前記第1の透明導電性酸化物層および前記第2の透明導電性酸化物層は、独立に、インジウムスズ酸化物(ITO)、亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO)、およびインジウム亜鉛酸化物(InZnO)の1つ以上を含む、実施形態(l)乃至(n)に記載のLED装置。
【0078】
実施形態(p)
前記第1の厚さと前記第2の厚さの差は、40nmから60nmの範囲である、実施形態(l)乃至(o)に記載のLED装置。
【0079】
実施形態(q)
前記エレクトロルミネッセント量子井戸は、第1の波長を有する第1の光を放射し、前記フォトルミネッセント量子井戸は、前記第1の光の少なくとも一部を吸収し、前記第1の光よりも波長の長い第2の光を放射する、実施形態(l)乃至(p)に記載のLED装置。
【0080】
実施形態(r)
さらに、前記n型電流拡散層の前記トレンチ内にn型コンタクトを有する、実施形態(l)乃至(q)に記載のLED装置。
【0081】
実施形態(s)
さらに、前記基板の前記n型電流拡散層とは反対の側に、ダイクロイック反射器を有する、実施形態(l)乃至(r)に記載のLED装置。
【0082】
実施形態(t)
LED装置を製造する方法であって、
基板上に核発生層を形成するステップと、
前記核発生層上に欠陥低減層を形成するステップと、
前記欠陥低減層上にn型電流拡散層を形成するステップと、
前記n型電流拡散層上に少なくとも1つのフォトルミネセント量子井戸を形成するステップと、
前記少なくとも1つのフォトルミネッセント量子井戸上にn型層を形成するステップと、
前記n型層上に少なくとも1つのエレクトロルミネッセント量子井戸を形成するステップと、
前記エレクトロルミネッセント量子井戸上にp型層を形成するステップと、
エッチングにより、トレンチによって分離された第1のメサおよび第2のメサを形成するステップあって、前記トレンチは、少なくとも1つの側壁を有し、前記n型電流拡散層まで延在する、ステップと、
前記第1のメサおよび前記第2のメサ上に誘電体層を共形的に成膜するステップと、
前記第1のメサおよび前記第2のメサにコンタクトホールを形成するステップと、
前記第1のメサに第1のコンタクトを形成し、前記第2のメサに第2のコンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0083】
本願中で議論される材料および方法を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の内容)における「a」、「an」、「the」と言う用語、および同様の言及の使用は、本願中で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を網羅すると解する必要がある。本願における数値範囲の言及は、特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各別個の値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことを意図しており、各別個の値は、本願に個々に列挙されているものとして、明細書に組み込まれている。本願に記載の全ての方法は、本願に別段の指示がない限り、あるいは明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施されてもよい。本願で提供される任意のおよび全ての例、または例示的用語(例えば、「等」)の使用は、単に材料および方法をより良く説明することを意図しており、別段の主張がない限り、範囲を限定するものではない。明細書のいかなる文言も、開示された材料および方法の実施に不可欠なものとして、請求項に記載されていない要素を表すものと解してはならない。
【0084】
本願を通じて、第1、第2、第3のような用語の言及は、各種要素を説明するために使用され、これらの要素は、これらの用語に限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。
【0085】
本願を通じて、層、領域、または基板が別の要素の「上」にあり、または別の要素「まで」延在するという言及は、これが、直接、他の要素の上にあること、または他の要素の上まで直接延在すること、または介在する要素も存在し得ることを意味する。ある要素が「直上」にある、または別の要素「まで直接」延在していると言及される場合、介在する要素は存在しない。さらに、ある要素が別の要素に「接続される」、または「結合される」と称される場合、これは、他の要素に直接接続されまたは結合されてもよく、および/または1つ以上の介在要素を介して、他の要素に接続されまたは結合されてもよい。ある要素が他の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称される場合、ある要素と他の要素との間に、介在要素は存在しない。これらの用語は、図面に示された任意の方向に加えて、要素の異なる方向も包含することが意図されることが理解される。
【0086】
「下方」、「上方」、「上側」、「下側」、「水平」または「垂直」のような相対的な用語は、図面に示すようなある要素、層、または領域と、別の要素、層、または領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図面に示された方向に加えて、装置の異なる方向をも包含することが意図されることが理解される。
【0087】
本願を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「ある実施形態」という言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本願の各種箇所における「1つ以上の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「1つの実施形態では」または「ある実施形態では」のような文言の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を参照するものではない。1つ以上の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の好適な方法で組み合わされる。
【0088】
特定の実施形態を参照して本願の開示を説明したが、これらの実施形態は、単に本開示の原理および用途を例示するに過ぎないことが理解される。本開示の思想および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に各種修正および変形を加えることができることは、当業者には明らかである。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれる修正および変形を含むことが意図される。