(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】空調システム、空調制御プログラムおよび空調制御プログラムを保存している記憶媒体
(51)【国際特許分類】
F24F 11/74 20180101AFI20240308BHJP
F24F 7/007 20060101ALI20240308BHJP
F24F 3/044 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
F24F11/74
F24F7/007 B
F24F3/044
(21)【出願番号】P 2021501860
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004783
(87)【国際公開番号】W WO2020175103
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2019034134
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】小林 一幸
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198395(JP,A)
【文献】特開平05-106905(JP,A)
【文献】特開2006-250386(JP,A)
【文献】特開平05-196280(JP,A)
【文献】特開2002-357356(JP,A)
【文献】特開2008-051466(JP,A)
【文献】特開2016-090151(JP,A)
【文献】特開2011-174674(JP,A)
【文献】国際公開第2018/073954(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/151363(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/74
F24F 7/007
F24F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の居室に連通されている空調室に設けられた空調装置と、
前記空調室の空気を前記複数の前記居室毎に搬送するため、前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンと、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御する制御装置と、
前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサを備え、
前記制御装置は、前記居室毎に、前記居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
前記制御装置は、さらに、前記居室毎に、所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に、前記所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して算出された前記空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として前記風量の配分に用いることを特徴とする空調システム。
【請求項2】
複数の居室に連通されている空調室に設けられた空調装置と、
前記空調室の空気を前記複数の前記居室毎に搬送するため、前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンと、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御する制御装置と、
前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサを備え、
前記制御装置は、前記居室毎に、前記居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
前記所定の時間帯は、連続する複数の時間帯の一の時間帯であり、
前記制御装置は、さらに、前記居室毎に前記複数の時間帯の前記所定の時間帯以外の各時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に前記複数の時間帯に対して算出された空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いることを特徴とする空調システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記居室毎に、季節中の前記所定の時間帯の空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記季節の前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の空調システム。
【請求項4】
複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行される空調制御プログラムにおいて、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御
し、
前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
さらに、前記居室毎に、所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に、前記所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して算出された前記空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる空調制御プログラム。
【請求項5】
複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行される空調制御プログラムにおいて、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御
し、
前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
前記所定の時間帯は、連続する複数の時間帯の一の時間帯であり、
さらに、前記居室毎に前記複数の時間帯の前記所定の時間帯以外の各時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に前記複数の時間帯に対して算出された空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる空調制御プログラム。
【請求項6】
複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行される空調制御プログラムを記憶した記憶媒体であって、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬
送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御
し、
前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
さらに、前記居室毎に、所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に、前記所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して算出された前記空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる空調制御プログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項7】
複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行される空調制御プログラムを記憶した記憶媒体であって、
複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御
し、
前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、
前記所定の時間帯は、連続する複数の時間帯の一の時間帯であり、
さらに、前記居室毎に前記複数の時間帯の前記所定の時間帯以外の各時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に前記複数の時間帯に対して算出された空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる空調制御プログラムを記憶した記憶媒体。
【請求項8】
前記制御装置は、さらに、前記複数の居室のそれぞれの目標温度と現在温度との差に基づいて、前記複数の空気搬送ファンに関する風量の配分を算出すること特徴とする請求項1
または2に記載の空調システム。
【請求項9】
前記複数の空調負荷係数のそれぞれは、対応する居室の空調に必要なエネルギー量に基づいて決められることを特徴とする請求項1
または2に記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システム、空調制御プログラムおよび空調制御プログラムを保存している記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の居室を備えた家屋において、少なくともひとつの空調室を独立して設けて空調室内の空調を制御し、その空調室と各居室とを連結する給気ダクトを備え、空調室の空気を個別的に分配給する全館型の空調システムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
従来、この種の空調システムでは、居室毎に個別設定スイッチや居室の室内温度を測定する温度センサを配置し、設定された目標温度と温度センサで測定された室内温度との差に基づいて、空調室から分配給される空気の送風量を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
さて、それぞれ個別に仕切られた居室は、その空間の大きさが異なるため、居室毎に目標温度へ到達させるために必要な空調のエネルギー(空調負荷)が異なる。また、それぞれの居室において、日射の有無、熱負荷機器の存在、人が存在する時間帯やその人数によっても、空調負荷が変動する。
【0006】
しかしながら、上記した従来の空調システムでは、各居室における空調負荷を考慮せずに空調室から各居室への空気の送風量を居室毎に決定しているため、各居室の空調負荷によっては、なかなか冷えない、温まらない、または、冷え過ぎ、温め過ぎなどの状態が発生し得るという問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、各居室の空調負荷を考慮して適切に空調室の空気を各居室へ送風できる空調システム及び空調制御プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
この目的を達成するために、本開示のある態様の空調システムは、複数の居室に連通されている空調室に設けられた空調装置と、前記空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため、前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンと、複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御する制御装置と、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサを備え、前記制御装置は、前記居室毎
に、前記居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、前記制御装置は、さらに、前記居室毎に、所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に、前記所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して算出された前記空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として前記風量の配分に用いる。また、本開示の別の態様の空調システムは、複数の居室に連通されている空調室に設けられた空調装置と、前記空調室の空気を前記複数の前記居室毎に搬送するため、前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンと、複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御する制御装置と、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサを備え、前記制御装置は、前記居室毎に、前記居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、前記所定の時間帯は、連続する複数の時間帯の一の時間帯であり、前記制御装置は、さらに、前記居室毎に前記複数の時間帯の前記所定の時間帯以外の各時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に前記複数の時間帯に対して算出された空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いる。
【0009】
また、本開示のある態様の空調制御プログラムは、複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行されるものである。空調制御プログラムは、複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御し、前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、さらに、前記居室毎に、所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に、前記所定日数に亘る同一の前記所定の時間帯に対して算出された前記空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる。また、本開示の別の態様の空調制御プログラムは、複数の居室に連通されており空調装置を備えた空調室の空気を複数の前記居室毎に搬送するため前記居室毎に対応して設けられた空気搬送ファンの運転を制御する制御装置により実行されるものである。空調制御プログラムは、複数の前記居室毎に対応する空調負荷係数に基づいて、前記空調室から前記居室毎に搬送される空気の風量の配分を算出し、前記風量の配分に応じてそれぞれの前記空気搬送ファンを制御し、前記居室毎に、前記居室毎の室内温度を測定する居室内温度センサから取得された対応する居室の室内温度に基づいて所定の時間帯における前記対応する居室の温度の変化の量を示す
温度変化量を検出し、前記所定の時間帯における前記空調室から対応する居室へ搬送される空気の送風量と前記対応する居室の温度変化量とに基づいて前記空調負荷係数を算出し、前記所定の時間帯は、連続する複数の時間帯の一の時間帯であり、さらに、前記居室毎に前記複数の時間帯の前記所定の時間帯以外の各時間帯に対して空調負荷係数を算出し、前記居室毎に前記複数の時間帯に対して算出された空調負荷係数の平均値を算出し、前記居室毎に算出された前記空調負荷係数の平均値を前記所定の時間帯に対する前記空調負荷係数として、前記風量の配分に用いるように、前記制御装置を動作させる。
【0010】
また、本発明の記憶媒体は、上記の空調制御プログラムを記憶している。
【0011】
本発明の空調システム及び空調制御プログラムによれば、複数の居室毎に設定された空調負荷係数に基づいて、空調室から居室毎に搬送される空気の風量の配分が算出され、風量の配分に応じてそれぞれの空気搬送ファンが制御される。よって、各居室の空調負荷を考慮して適切に空調室の空気を各居室へ送風できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る空調システムの接続概略図である。
【
図2】
図2は、同空調システムの制御装置の概略機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、同制御装置の負荷係数記憶部に記憶される算出負荷係数、時間ラベル、居室ラベルの関係を模式的に示した模式図である。
【
図4】
図4は、同制御装置にて実行される空調負荷係数算出処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、同制御装置にて実行される空調制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。よって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。従って、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0014】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る空調システム20の概略構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る空調システム20の接続概略図である。
【0015】
空調システム20は、外気導入ファン4と、複数の排気ファン5a,5b,5c,5dと、複数の空気搬送ファン3a,3b,3c,3dと、複数の循環ファン6a,6b,6c,6dと、複数の居室内温度センサ11a,11b,11c,11dと、空調室内温度センサ14と、エアコンディショナー(空調装置)9と、入出力端末19と、制御装置10とを備えて構成される。
【0016】
空調システム20は、建物の一例である一般住宅1内に設置される。一般住宅1は、複数(本実施形態では4つ)の居室2a~2dに加え、居室2a~2dと独立した少なくとも1つの空調室18を有している。ここで一般住宅1(住宅)とは、居住者がプライベートな生活を営む場として提供された住居であり、一般的な構成として居室にはリビング、ダイニング、寝室、個室、子供部屋等が含まれる。また空調システム20が提供する居室にトイレ、浴室、洗面所、脱衣所等を含んでもよい。
【0017】
空調室18は、ダクト21a~21dを介して各居室2a~2dに連通されている。空調室18は、さらに、ダクト22a~22dを介して各居室2a~2dに連通されている。空調室18では、外気導入ファン4により外気が空調室18内に取り込まれ、循環ファン6a~6dによって各居室2a~2dより搬送された空気と混合される。空調室18の空気は、空調室18内に設けられた空調装置としてのエアコンディショナー9によって温度が制御されることにより空調される。空調室18にて空調された空気は、空気搬送ファン3a~3dにより、各居室2a~2dに搬送される。
【0018】
各居室2a~2dの空気は、循環ファン6a~6dにより空調室18へ搬送される他、排気ファン5a~5dによって居室2a~2d内から一般住宅1外へ外気として排出される。なお、空調システム20は、排気ファン5a~5dの排気風量を制御して室内から外気を排出しつつ、排気ファン5a~5dの排気風量と連動させながら外気導入ファン4の給気風量を制御して室内に外気を取り込むことで、第1種換気方式の換気を行う。第1種換気方式とは、給気と排気のどちらにもファンを利用する方式をいう。
【0019】
外気導入ファン4は、一般住宅1の室内に外気を取り込むファンであり、給気ファンや熱交換気扇の給気機能等が該当する。上記した通り、外気導入ファン4により取り込まれた外気は、空調室18内に導入される。外気導入ファン4の給気風量は、複数段階で設定可能に構成されており、その排気風量は、排気ファン5a~5dの排気風量に応じて設定される。
【0020】
排気ファン5a~5dは、対応する居室2a~2dの空気の一部を外気として排出するファンであり、天埋換気扇、壁掛換気扇、レンジフード、熱交換気扇の排気機能等が該当する。排気ファン5aは居室2aに、排気ファン5bは居室2bに、排気ファン5cは居室2cに、排気ファン5dは居室2dに設けられている。
【0021】
各排気ファン5a~5dは、それぞれ、その排気風量が複数段階で設定可能に構成されている。通常時は、予め設定された排気風量となるように各排気ファン5a~5dは制御される。そして、ユーザによる設定や、各種センサにより取得された値に応じて、排気ファン5a~5d毎に排気風量が制御される。
【0022】
空気搬送ファン3a~3dは、各居室2a~2dに対応して空調室18に設けられている。空調室18の空気は、空気搬送ファン3aによって居室2aに搬送され、空気搬送ファン3bによって居室2bに搬送され、空気搬送ファン3cによって居室2cに搬送され、空気搬送ファン3dによって居室2dに搬送される。空気搬送ファン3a~3dは、各居室2a~2dに設けられてもよい。空気搬送ファン3a~3dは、空調室18と各居室2a~2dの間をつなぐダクト21a~21dに設けられてもよい。
【0023】
各空気搬送ファン3a~3dは、いずれもDCモータにより駆動され、それぞれの空気搬送ファン3a~3dに対して設定された送風量で送風量が一定となるように風量一定制御が行われる。空気搬送ファン3a~3dはそれぞれ、対応する居室の大きさや目的(リビング、寝室、子供部屋など)に応じて最大風量が110CFM(Cubic Feet per Minute)のものまたは80CFMのものが取り付けられる。そして、最大風量110CFMの空気搬送ファンについては、50~110CFMの範囲を10CFM刻みで送風量が設定可能となっている。また、最大風量80CFMの空気搬送ファンについては、30~80CFMの範囲を10CFM刻みで送風量が設定可能となっている。
【0024】
循環ファン6aは居室2aに、循環ファン6bは居室2bに、循環ファン6cは居室2cに、循環ファン6dは居室2dに設けられている。各居室2a~2dの空気の一部は、対応する循環ファン6a~6dによって、空調室18に搬送される。なお、循環ファン6a~6dの代わりに、各居室2a~2dから空気を通すガラリなどによって一般住宅1内の共有空間へ居室内の空気を押し出すことにより、共有空間を介して空調室18へ空気を還流させてもよい。
【0025】
エアコンディショナー9は、本発明の空調装置に該当するものであり、空調室18の空調を制御する。エアコンディショナー9は、運転モードとして、空調室18の空気を冷却する冷房運転と、空調室18の空気を加熱する暖房運転とが設定可能であり、空調室18内の空気の温度が設定された目標温度となるように、空調室18の空気を冷却または加熱する。
【0026】
居室内温度センサ11aは、居室2aに設けられ、居室内温度センサ11bは、居室2bに設けられ、居室内温度センサ11cは、居室2cに設けられ、居室内温度センサ11dは、居室2dに設けられている。居室内温度センサ11a~11dは、対応する居室2a~2dそれぞれの居室内の温度(居室内温度)を測定して、制御装置10に送信するセンサである。
【0027】
空調室内温度センサ14は、空調室18に設けられ、空調室18の空気の温度(空調室内温度)を測定して空調室内温度を示す信号を生成し、その信号を制御装置10に送信するセンサである。
【0028】
制御装置10は、空調システム20全体を制御するコントローラである。例えば、制御装置10は、空調室18に設けられたエアコンディショナー9と、居室2a~2d毎に対応して設けられた空気搬送ファン3a~3dとの運転を制御する。制御装置10は、外気導入ファン4、排気ファン5a~5d、空気搬送ファン3a~3d、循環ファン6a~6d、居室内温度センサ11a~11d、空調室内温度センサ14、エアコンディショナー9と、無線通信により通信可能に接続されている。
【0029】
制御装置10は、具体的には、後述の入出力端末19により各居室2a~2dに対して設定された目標温度に基づいて、空調室18の目標温度を設定する。そして、制御装置10は、空調室内温度センサ14により測定される空調室18の温度に基づいて、空調室18の温度湿度が空調室18に設定された目標温度となるように、エアコンディショナー9を制御する。
【0030】
また、制御装置10は、居室2a~2d毎に、対応する居室の空調に必要なエネルギーからその居室の空調負荷係数を設定する。そして、制御装置10は、設定した各居室2a~2dの空調負荷係数に基づいて、空調室18から居室2a~2d毎に送風する風量の配分を算出し、風量の配分に応じてそれぞれの空気搬送ファン3a~3dを制御する。
【0031】
これにより、空調室18にて空調された空気が、各居室2a~2dの空調負荷係数に応じた送風量で適切に各居室2a~2dに搬送される。よって、各居室2a~2dにおいて、なかなか冷えない、温まらない、または、冷え過ぎ、温め過ぎなどの状態が発生することなく、各居室2a~2dに設定された目標温度となるように制御される。
【0032】
なお、空調負荷係数の設定及び空気搬送ファン3a~3dの制御については、
図2~
図5を参照して後述する。
【0033】
制御装置10は、その他、排気ファン5a~5dの排気風量に応じた風量となるように、外気導入ファン4の給気風量を設定する等、外気導入ファン4と排気ファン5a~5dとを連動させて制御する。これにより、一般住宅1に対して第1種換気方式による換気が行われる。
【0034】
ここで、制御装置10と、外気導入ファン4、排気ファン5a~5d、空気搬送ファン3a~3d、循環ファン6a~6d、居室内温度センサ11a~11d、空調室内温度センサ14、空調室湿度センサ15及びエアコンディショナー9とが、無線通信で接続されることにより、複雑な配線工事を不要とすることができる。ただし、これら全体を、または、制御装置10とこれらの一部を、有線通信により通信可能に構成してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、制御装置10が独立した一装置として設置される場合について説明するが、エアコンディショナー9や別の装置に内蔵されてもよい。また、制御装置10が一般住宅1内に必ずしも設置されている必要はなく、外部のサーバによって所謂クラウドにて実現されてもよい。
【0036】
入出力端末19は、制御装置10と無線通信により通信可能に接続され、空調システム20を構築するうえで必要な情報の入力を受け付けて制御装置10に記憶させたり、空調システム20の状態を制御装置10から取得して表示したりするものである。各居室2a~2dに対する目標温度の設定も、入出力端末19から使用者により行われる。入出力端末19は、携帯電話、スマートフォン、タブレットといった携帯情報端末が例として挙げられる。
【0037】
なお、入出力端末19は、必ずしも無線通信により制御装置10と接続される必要はなく、有線通信により通信可能に制御装置10と接続されてもよい。この場合、入出力端末19は、例えば、壁掛のリモートコントローラにより実現されるものであってもよい。また、
図1に示す例では、入出力端末19が1つ設けられているが、入出力端末19が複数設けられてもよく、例えば、各居室2a~2dにそれぞれ設けられてもよい。
【0038】
次いで、
図2を参照して、制御装置10の各機能について説明する。
図2は、制御装置10の概略機能ブロック図である。
【0039】
制御装置10は、空調制御部31、空調負荷係数算出部32、通信制御部33、カレンダー機能部34、データ記憶部35、負荷係数記憶部36を少なくとも有して構成されている。
【0040】
空調制御部31は、エアコンディショナー9と空気搬送ファン3a~3dの運転を制御する。例えば、空調制御部31は、各居室2a~2dに対して設定された目標温度等に基づいて、エアコンディショナー9の運転を冷房運転または暖房運転に設定し、また、空調室18の目標温度を設定する。また、空調制御部31は、居室2a~2d毎に設定された空調負荷係数に基づいて、空調室18から居室2a~2d毎に送風する風量の配分を算出し、風量の配分に応じてそれぞれの空気搬送ファン3a~3dを制御する。空調制御部31の詳細については、
図5を参照して後述する。
【0041】
空調負荷係数算出部32は、居室2a~2d毎に、対応する居室の空調に必要なエネルギーに基づいて、その居室の空調負荷係数を時間帯毎に算出する。本実施形態では、一つの時間帯の長さは1時間である。即ち、0時~1時、1時~2時、2時~3時、…、22時~23時、23時~24時がそれぞれの時間帯である。空調負荷係数算出部32は、各々の時間帯毎に、各居室2a~2dの空調負荷係数を算出している。ここで算出された空調負荷係数は、負荷係数記憶部36に記憶される。空調負荷係数算出部32の詳細については、
図4を参照して後述する。なお、時間帯の長さは、必ずしも1時間である必要はなく、2時間、3時間など、その割り当ては任意になされてよい。
【0042】
通信制御部33は、空調制御部31と、空気搬送ファン3a~3d、エアコンディショナー9、居室内温度センサ11a~11d、空調室内温度センサ14との間で行われる通信を制御する。空調制御部31は、空調制御部31にて設定された空気搬送ファン3a~3d毎の送風量を対応する空気搬送ファンへ通信制御部33を介して送信することで、各空気搬送ファン3a~3dの運転を制御する。
【0043】
また、空調制御部31は、空調制御部31にて設定されたエアコンディショナー9の運転モード(冷房運転または暖房運転)と空調室18の目標温度とを、通信制御部33を介してエアコンディショナー9へ送信することで、エアコンディショナー9の運転を制御する。
【0044】
また、空調制御部31は、各居室2a~2dに設けられた居室内温度センサ11a~11dから、それぞれの居室内温度センサ11a~11dにて測定された各居室2a~2dの温度を、通信制御部33を介して所定時間毎に定期的に取得する。空調制御部31は、取得した各居室2a~2dの温度に基づいて、エアコンディショナー9の運転モードを設定したり、各空気搬送ファン3a~3dの送風量を決定したりする。また、空調制御部31は、居室2a~2d毎に定期的に取得したその居室の温度をデータ記憶部35に記憶する。
【0045】
また、空調制御部31は、空調室18に設けられた空調室内温度センサ14から、測定された空調室18の温度を、通信制御部33を介して所定時間毎に定期的に取得する。空調制御部31は、定期的に取得した空調室18の温度をデータ記憶部35に記憶する。
【0046】
カレンダー機能部34は、その時々の日時を空調制御部31及び空調負荷係数算出部32に対して出力するもので、例えば、リアルタイムクロック(Real Time Clock)により構成される。空調制御部31は、カレンダー機能部34にて示される日時に基づいて、各居室2a~2dのその日時における空調負荷係数を判断し、各空気搬送ファン3a~3dの送風量を決定する。空調負荷係数算出部32は、カレンダー機能部34にて示される日時に基づいて、時間帯や季節(月)毎に各居室2a~2dの空調負荷係数を設定する。
【0047】
データ記憶部35は、各居室2a~2dの空調負荷係数を設定するために必要な情報を記憶するもので、空調制御部31により書き込まれる。空調制御部31は、所定の時間帯が開始されると、そのときの各居室2a~2dの居室内温度を元の居室内温度としてデータ記憶部35に記憶する。また、空調制御部31は、その時間帯における、各居室2a~2dの居室内温度の時間経過、各空気搬送ファン3a~3dの送風量の時間経過、及び、空調室18の空調室内温度の時間経過をデータ記憶部35に記憶する。空調負荷係数算出部32は、このデータ記憶部35に記憶された各居室2a~2dの元の居室内温度、各居室2a~2dの居室内温度の時間経過、各空気搬送ファン3a~3dの送風量の時間経過、及び、空調室18の空調室内温度の時間経過に基づいて、居室2a~2d毎の空調負荷係数を設定する。
【0048】
負荷係数記憶部36は、空調負荷係数算出部32により設定された空調負荷係数を記憶する。負荷係数記憶部36が記憶する空調負荷係数としては、算出負荷係数36a、時間ラベル36b、居室ラベル36c、季節ラベル36dがある。これら算出負荷係数36a、時間ラベル36b、居室ラベル36c、季節ラベル36dは、居室2a~2d毎に記憶される。ここで、
図3も参照しながら、負荷係数記憶部36の詳細について説明する。
図3は、負荷係数記憶部36に記憶される算出負荷係数36a、時間ラベル36b、居室ラベル36cの関係を模式的に示した模式図である。
【0049】
算出負荷係数36aは、対象の居室において、時間帯ごとに算出した空調負荷係数そのものである。ここで、一の時間帯における空調負荷係数Rは、次の(1)式によって空調負荷係数算出部32により算出される。
【0050】
R=ΔS×F/(TT-OT) …(1)
ここで、TTは、対象の居室に設定された目標温度、OTは、空調室18の空調室内温度、ΔSは、対象の居室において一の時間帯が開始されてからその居室に設定された目標温度TTへ到達するまでの時間、Fは、対象の居室に対して空調室18の空気を送風する空気搬送ファンに設定された送風量である。これらの変数は、データ記憶部35より取得する。
【0051】
上記(1)式から、空調負荷係数Rは、対応する居室の空調に必要なエネルギー量に基づいて設定されるものであるということができ、その居室において空調に必要なエネルギー量が大きいほど、空調負荷係数が大きくなる。
【0052】
このように、居室2a~2d毎に、所定時間内における空調室18から対応する居室へ送風される送風量Fと、居室内温度センサ11a~11dによって取得された対応する居室の温度変化量とに基づいて、空調負荷係数Rを算出している。よって、複雑な設定や計算をすることなく、空調負荷係数Rを簡単に求めることができる。
【0053】
本実施形態では、上記した通り、一の時間帯は、0時~1時、1時~2時、2時~3時、…、22時~23時、23時~24時と、1時間毎に設定されている。そして、本実施形態では、各々の居室2a~2dに対して、時間帯毎に少なくとも5日分の空調負荷係数Rを記憶し、後述の時間ラベル36bを算出する。よって、負荷係数記憶部36は、算出負荷係数36aとして、居室の数×24の時間帯×5日分の空調負荷係数を記憶する。
【0054】
時間ラベル36bは、居室2a~2d毎に、所定の時間帯毎、即ち、0時~1時、1時~2時、2時~3時、…、22時~23時、23時~24時のそれぞれについて、その時間帯における空調負荷係数を示すものである。即ち、時間ラベル36bは、居室毎に所定の時間帯の数だけ記憶される。ただし、本実施形態では、後述する季節ラベル36dを算出するための、1か月分(最大31日分)の時間ラベル36bが記憶可能に構成される。
【0055】
空調負荷係数算出部32は、一の居室について、0時~1時の時間ラベル36bを、その一の居室に対して算出された直近の所定日数(本実施形態では5日分)に亘り、0時~1時の算出負荷係数36aを平均化することで算出する。また、他の時間帯における時間ラベル36bも、その一の居室に対して算出された直近5日分のその時間帯の算出負荷係数36aを平均化することで算出する(
図3の(A))。
【0056】
なお、空調システム20の工場出荷時点では、すべての居室、時間帯に対し、時間ラベル36bの初期値として、所定の初期値(例えば、1.00)が記憶されている。そして、空調システム20を初めて稼働した初日は、時間ラベル36bの初期値を用いて、各空気搬送ファン3a~3dの送風量を設定する。
【0057】
また、空調システム20を初めて稼働してから5日未満である場合は、各居室2a~2dに対して5日分の算出負荷係数36aが存在していない。この場合、2日目は、時間帯毎に初日と2日目の算出負荷係数36aの平均値を、3日目は、時間帯毎に初日~3日目までの算出負荷係数36aの平均値を、4日目は、時間帯毎に初日~4日目までの算出負荷係数36aの平均値を、各々の時間帯の時間ラベル36bとして設定する。
【0058】
また、上記(1)式から明らかなように、一の時間帯において、対象の居室にて設定された目標温度TTに居室内温度が到達しなかった場合や、その居室の目標温度と空調室内温度とに差がなかった場合、算出負荷係数36aを得ることができない。
図3では、この算出負荷係数36aが得られなかった状態を「-」として示す。
【0059】
一の時間帯における時間ラベル36bを設定する場合に、その日のその一の時間帯の算出負荷係数36aが得られなかった場合は、前日の同一時間帯の時間ラベル36bをそのまま設定する(
図3の(B))。
【0060】
また、直近5日分(または数日分)の算出負荷係数36aを平均化して一の時間帯の時間ラベル36bを設定する場合に、その平均化に用いられる前日までの算出負荷係数36aの中に、算出負荷係数36aが得られなかったものが存在する場合も生じ得る。その場合は、算出負荷係数36aが得られなかった日に対して前日までに同一時間帯で得られた算出負荷係数36aをそのままその得られなった日の算出負荷係数36aとして設定して、直近5日分(または数日分)の平均化を算出する。なお、
図3の算出負荷係数36aに対して、括弧内の数字が、算出負荷係数36aが得られなかった日に対して前日までに同一時間帯で得られた算出負荷係数36aをそのままその得られなった日の算出負荷係数36aとして設定したものを示している。
【0061】
空調制御部31は、カレンダー機能部34より出力される時間から、その時間帯の各居室2a~2dの時間ラベル36bを負荷係数記憶部36より読み出して、空気搬送ファン3a~3dの送風量を配分する。時間帯により、各居室2a~2dへの日射や人の存在の有無等が変化するため、各居室2a~2dの空調負荷係数も変化する。居室2a~2d毎に、各時間帯の空調負荷係数を示す時間ラベル36bを利用することで、空調室18にて空調された空気を、時間帯によって適切に各居室2a~2dへ配分できる。このように、空調負荷係数のうち、時間ラベル36bが、各居室2a~2dの空調制御の基本となる係数として使用される。
【0062】
居室ラベル36cは、各居室2a~2dにおける平均的な空調負荷係数を示すものである。即ち、居室ラベル36cは、居室の数だけ記憶される。空調負荷係数算出部32は、居室2a~2d毎に、その居室に対し直近の連続する5つの時間帯について設定された時間ラベル36bを平均することで算出する(
図3の(C))。
【0063】
なお、空調システム20の工場出荷時点では、すべての居室に対し、居室ラベル36cの初期値として、所定の初期値(例えば、1.00)が記憶されている。そして、空調システム20を初めて稼働した直後は、居室ラベル36cの初期値を用いて、各空気搬送ファン3a~3dの送風量を設定する。
【0064】
また、空調システム20を初めて稼働してから5つの時間帯に亘って稼働していない状態にある場合は、各居室2a~2dに対して5つの時間帯の時間ラベル36bが存在していない。この場合、空調負荷係数算出部32は、1つ目の時間帯を完了した時点で、その1つ目の時間帯の時間ラベル36bをそのまま対応する居室の居室ラベル36cに設定する。また、空調負荷係数算出部32、2つ目の時間帯を完了した時点でその2つの時間帯の時間ラベル36bの平均値を、3つ目の時間帯を完了した時点でその3つの時間帯の時間ラベル36bの平均値を、4つ目の時間帯を完了した時点でその4つの時間帯の時間ラベル36bの平均値を、対応する居室の居室ラベル36cとして設定する。
【0065】
空調制御部31は、各居室2a~2dの居室ラベル36cの大きさにより、それぞれの居室2a~2dの居室空間の大きさを推定することで、居室2a~2d間に対する空調室18の空気の送風量のバランスを調整する。即ち、各居室2a~2dの時間ラベル36bを用いてそれぞれの居室2a~2dに対する空調室18の空気の送風量を決定した場合、時間ラベル36bには日射等の要因による空調負荷の変動が反映されているため、各居室2a~2dへの空調室18の空気の送風量が居室空間の大きさに対して必要以上に大きく設定される可能性がある。各居室2a~2dの居室ラベル36cの大きさにより、それぞれの居室2a~2dの居室空間の大きさを推定して、居室2a~2d間に対する空調室18の空気の送風量のバランスを調整することで、各居室2a~2dへの空調室18の空気の送風量が居室空間の大きさに対して必要以上に大きく設定されることを抑制できる。
【0066】
季節ラベル36dは、居室2a~2d毎に、所定の季節毎として月毎、即ち、1月、2月、3月、…、11月、12月のそれぞれについて、対応する月における空調負荷係数を示すものである。即ち、季節ラベル36dは、居室2a~2d毎に12か月分だけ記憶される。空調負荷係数算出部32は、各月が終了すると、居室2a~2d毎に、その終了する月に各時間帯において設定された全ての時間ラベル36bの平均値を算出し、その平均値をその居室のその月の季節ラベル36dとして設定する。
【0067】
季節ラベル36dは、季節ごとに冷房運転・暖房運転で向かう温度域が異なる場合など、その空調負荷計算の方向を判断する場合に用いられる。
【0068】
なお、空調システム20の工場出荷時点では、すべての居室、月に対し、季節ラベル36dの初期値として、所定の初期値(例えば、1.00)が記憶されている。そして、空調システム20を初めて稼働した後、空調システム20が稼働している月の季節ラベル36dが設定されていない場合は、その季節ラベル36dの初期値が用いられる。
【0069】
次に、
図4を参照して、制御装置10により実行される空調負荷係数算出処理について説明する。
図4は、その空調負荷係数算出処理を示すフローチャートである。この空調負荷係数算出処理を制御装置10に実行させるプログラムが本発明の空調制御プログラムの一部である。本プログラムを制御装置10に実行させることで、制御装置10が空調負荷係数算出部32として動作する。本プログラムは、制御装置10に設けられた図示しない不揮発性のメモリに格納される。
【0070】
空調負荷係数算出処理は、居室2a~2d毎に、対応する居室の空調に必要なエネルギーからその居室の空調負荷係数を算出する処理である。空調負荷係数算出処理は、カレンダー機能部34から出力される日時に基づいて、所定の時間帯が切り替わるタイミング(1時00分、2時00分、3時00分、…、23時00分、24時00分のタイミング)で実行される。
【0071】
制御装置10は、空調負荷係数算出処理を実行すると、まず、算出対象の居室を居室2a~2dうち、まだ算出処理を実行していない居室の中から1つ設定する(S1)。
【0072】
次いで、制御装置10は、直近1時間(直前の時間帯)における空調室18内の温度OTをデータ記憶部35より取得する(S2)。次に、制御装置10は、S1の処理により算出対象とされた居室に対して設定された目標温度TTを取得する(S3)。また、制御装置10は、その算出対象の居室に対応する空気搬送ファンに対して直近1時間に設定された送風量Fを、データ記憶部35より取得する(S4)。更に、制御装置10は、その算出対象の居室において、その直近1時間の中で、設定された目標温度TTに到達するまでの時間ΔSをデータ記憶部35に記憶された情報から取得する(S5)。
【0073】
そして、制御装置10は、上記した(1)式を用いて、その直近1時間の時間帯における空調負荷係数Rを算出し、それを算出対象の居室の、その時間帯におけるその算出した日の算出負荷係数36aとして負荷係数記憶部36に記憶する(S6)。
【0074】
次に、制御装置10は、その直近1時間の時間帯における時間ラベル36bを、当日を含む直近5日間のその時間帯の算出負荷係数36aを平均化して算出し、その時間帯の時間ラベル36bとして負荷係数記憶部36に記憶する(S7)。なお、工場出荷後など、その時間帯の算出負荷係数36aが当日を含む直近5日間分存在しない場合や、算出負荷係数36aが得られなかった場合の時間ラベル36bの設定方法については、上記した通りである。
【0075】
更に、制御装置10は、S7の処理の後、S7の処理で算出した時間帯の時間ラベル36bを含む直近の5つの時間帯の時間ラベル36bを平均化することで、算出対象の居室の居室ラベル36cを算出し、負荷係数記憶部36に記憶する(S8)。なお、工場出荷後など、直近の5つの時間帯の時間ラベル36bが存在していない場合の居室ラベル36cの設定方法については、上記した通りである。
【0076】
次に、制御装置10は、カレンダー機能部34より出力される日時から、月末の24時00分となったことに基づいて今回の空調負荷係数算出処理の実行が開始されたか否かを判断する(S9)。その結果、月末の24時00分となったことに基づいて今回の空調負荷係数算出処理の実行が開始されたと判断される場合には(S9:Yes)、その月末を含む月が終了することを意味する。そこで、この場合、制御装置10は、その終了する月に各時間帯において設定された全ての時間ラベル36bの平均値を算出し、その平均値をその居室のその月の季節ラベル36dとして負荷係数記憶部36に記憶する(S10)。
【0077】
S10の処理の後、または、S9の処理の結果、月末の24時00分となったことに基づいて今回の空調負荷係数算出処理の実行が開始されたわけではないと判断される場合には(S9:No)、制御装置10は、S11の処理を実行する。S11の処理では、今回の空調負荷係数算出処理において、全ての居室2a~2dに対して空調負荷係数の算出を行ったか否かを判断する(S11)。その結果、まだ空調負荷係数の算出を行っていない居室2a~2dが存在する場合には(S11:No)、制御装置10は、S1の処理に戻って、空調負荷係数の算出を行っていない居室2a~2dに対して空調負荷係数の算出を実行する。一方、全ての居室2a~2dに対して空調負荷係数の算出を行った場合には(S11:Yes)、制御装置10は、この空調負荷係数算出処理を終了する。
【0078】
次に、
図5を参照して、制御装置10により実行される空調制御処理について説明する。
図5は、その空調制御処理を示すフローチャートである。この空調制御処理を制御装置10に実行させるプログラムが本発明の空調制御プログラムの一部であり、本プログラムを制御装置10に実行させることで、制御装置10が空調制御部31として動作する。本プログラムは、制御装置10に設けられた図示しない不揮発性のメモリに格納される。
【0079】
空調制御処理は、エアコンディショナー9と空気搬送ファン3a~3dの運転を制御することで、一般住宅1内の空調全体を制御するための処理である。空調制御処理は、カレンダー機能部34から出力される日時に基づいて、所定の時間帯が切り替わるタイミング(1時00分、2時00分、3時00分、…、23時00分、24時00分のタイミング)で実行される。
【0080】
制御装置10は、空調制御処理を実行すると、まず、入出力端末19により設定された各居室2a~2dの目標温度TTを取得する(S21)。次に、制御装置10は、居室内温度センサ11a~11dより、各居室2a~2dにおける現在の居室内温度を取得する(S22)。
【0081】
そして、制御装置10は、S21及びS22の処理により取得した各居室2a~2dの目標温度TT及び現在の居室内温度との差に基づいて、エアコンディショナー9の運転モードを冷房運転または暖房運転のいずれかに設定する(S23)。
【0082】
次に、制御装置10は、カレンダー機能部34より出力される日時から現在の時間帯を判断し、現在の時間帯及びその前後の時間帯における各居室2a~2dの時間ラベル36bから、それぞれの居室2a~2dにおける空調負荷の時間的な変動を予測する(S24)。そして、制御装置10は、S21の処理により取得した各居室2a~2dの目標温度と、S24の処理により予測した各居室2a~2dにおける空調負荷の変動の大きさとに基づいて、空調室18の目標温度を設定する(S25)。
【0083】
このS25の処理において、S24の処理により予測した各居室2a~2dにおける空調負荷の変動の大きさに基づいて空調室18の目標温度を設定する。例えば、空調負荷の変動が大きいほど、冷房運転時には空調室18の目標温度を各居室2a~2dに設定された目標温度よりもより低く設定し、暖房運転時には、空調室18の目標温度を各居室2a~2dに設定された目標温度よりもより高く設定する。これにより、空調負荷の変動が大きい居室に対して、予め必要な空調のエネルギーを供給しておくことができるので、その後に空調負荷が大きくなったことに伴って必要な空調のエネルギーが突然大きくなることを抑制できる。よって、空気搬送ファン3a~3dの送風量が大きくなることを抑制でき、省エネルギー運転および静音運転を実現できる。
【0084】
なお、S23の処理より設定されたエアコンディショナー9の運転モードと、S25の処理により設定された空調室18の目標温度とは、通信制御部33を介してエアコンディショナー9へ指示される。
【0085】
そして、続くS26の処理では、居室2a~2dそれぞれの目標温度TTと現在の居室内温度との差、居室2a~2dそれぞれに設定された現在の時間帯の時間ラベル36b、居室2a~2dそれぞれに設定された居室ラベル36c、及び、居室2a~2dそれぞれに設定された現在の月の季節ラベル36dに応じて、空調室18から居室2a~2d毎に送風する風量の配分を算出する。
【0086】
具体的には、制御装置10は、居室2a~2dそれぞれの目標温度TTと現在の居室内温度との差、及び、居室2a~2dそれぞれに設定された現在の時間帯の時間ラベル36bから、空調室18から各居室2a~2dへ送風する風量を一先ず配分する。このとき、時間ラベル36bが大きい(空調負荷が大きい)居室ほど、空調室18からの送風量が大きくなるように設定される。より具体的には、ある時間帯の各居室の風量は、各居室の時間ラベル36bの全体の時間ラベルの合計に対する比率に基づいて決められてもよい。
【0087】
そして、制御装置10は、居室2a~2dそれぞれに設定された居室ラベル36cに基づいて、各居室2a~2dの居室空間の大きさを推定し、居室2a~2d間に対する空調室18の空気の送風量のバランスを調整する。これにより、上記した通り、各居室2a~2dへの空調室18の空気の送風量が居室空間の大きさに対して必要以上に大きく設定されることを抑制できる。
【0088】
また、制御装置10は、居室2a~2dそれぞれに設定された現在の月の季節ラベル36dに応じて、その月においてそれぞれの居室2a~2dの空調で必要となるエネルギーも考慮して、更に空調室18から各居室2a~2dへの送風量を調整する。これにより、季節に応じて変動する空調負荷係数に応じた空調のエネルギーを、各居室2a~2dへ供給できる。
【0089】
制御装置10は、S26の処理において、空調室18から居室2a~2d毎に送風する風量の配分を算出すると、通信制御部33を介して、その送風量の配分に応じてそれぞれの空気搬送ファン3a~3dを制御する。
【0090】
なお、本実施形態では、空調負荷係数算出処理にて時間ラベル36bを設定する場合にまだ直近5日間の算出負荷係数36aが存在せず、時間ラベル36bとして初期値や存在する算出負荷係数36aだけの平均値が設定される場合に、その設定された時間ラベル36bを用いてS26の処理を実行する。これに対し、空調システム20が初めて稼働してから、時間ラベル36bが直近5日間の算出負荷係数36aを平均化して設定されるまでの5日間、これを時間ラベル36bの学習期間として、S26の処理では、時間ラベル36b等を用いず、空調室18から各居室2a~2dへの送風量を予め定められた送風量に設定するようにしてもよい。
【0091】
本実施形態では、各居室2a~2dへの風量は、時間ラベル36b、居室ラベル36c及び季節ラベル36dに基づいて決定される。ただし、これに限らず、各居室2a~2dへの風量は、算出負荷係数36a、時間ラベル36b、居室ラベル36c及び季節ラベル36dのいずれか一つに基づいて決定されてもよい。
【0092】
次に、制御装置10は、各居室2a~2dの空調負荷係数を設定するために必要な情報を居室2a~2d毎にデータ記憶部35に記憶する(S27)。
【0093】
具体的には、S27の処理では、この空調制御処理が開始された時点の各居室2a~2dの居室内温度をデータ記憶部35に記憶する。また、S27の処理では、各居室内温度センサ11a~11dにて測定された居室2a~2dそれぞれの居室内温度の時間経過をデータ記憶部35に記憶する。
【0094】
また、S27の処理では、居室2a~2dそれぞれに供給される空調室18の空気の送風量(即ち、各居室2a~2dに対応して設けられた空気搬送ファン3a~3dそれぞれの送風量)の時間経過をデータ記憶部35に記憶する。さらに、S27の処理では、空調室内温度センサ14にて測定された空調室温度の時間経過をデータ記憶部35に記憶する。
【0095】
このデータ記憶部35に記憶された情報に基づいて、この時間帯が終了するタイミングで実行される空調負荷係数算出処理にて、居室2a~2dそれぞれの空調負荷係数が算出される。
【0096】
次いで、制御装置10は、居室内温度が設定された目標温度に到達した居室への空調室18の空気の送風を停止するよう、その居室に対応する空気搬送ファンを制御する(S28)。
【0097】
その後、制御装置10は、空調室18の空気の送風が停止された居室におけるその後の時間ラベル36bを負荷係数記憶部36から読み出して、時間ラベル36bの変化が大きいかを判定する(S29)。そして、制御装置10は、その後の時間ラベル36bの変化が大きい居室に対して、微弱な送風運転を行うように、その居室に対応する空気搬送ファンを制御する(S30)。
【0098】
このように、その後の時間ラベル36bの変化が大きい居室に対して予め微弱な送風運転を行い、先にその居室に対して空調に必要なエネルギーを供給しておくことで、空調負荷が大きくなったことに伴って空調に必要なエネルギーが突然大きくなることを抑制できる。よって、空気搬送ファン3a~3dの送風量が大きくなることを抑制できるので、省エネルギー運転および静音運転を実現できる。
【0099】
S30の処理の後、制御装置10は、空調制御処理を終了する。
【0100】
以上、本実施形態に係る空調システム20では、複数の居室2a~2d毎に空調負荷係数(時間ラベル36b等)が算出される。その空調負荷係数に基づいて、空調室18から居室2a~2d毎に送風する風量の配分が算出される。そして、風量の配分に応じてそれぞれの空気搬送ファン3a~3dが制御される。よって、各居室2a~2dの空調負荷を考慮して適切に空調室18の空気を各居室へ送風できる。
【0101】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。また、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【0102】
また、制御装置10は、家屋外であって例えば空調システム20の制御を管理する管理会社が運用するクラウドサーバに、空気搬送ファン等と通信可能に設けられてもよい。このような場合には、制御装置10は、主にクラウドサーバのCPUと、このCPU上で実行されるソフトウェアとの組み合わせで実現される。
【0103】
さらに、上述のソフトウェアは、記憶媒体に記憶させ、あるいはネットワークを介して配布することでソフトウェアを単独で流通させることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係る空調システムは、戸建て住宅やマンション等の複合住宅に適用可能である。なお、複合住宅に適用する場合には、1つのシステムが世帯単位に対応するものであり、各世帯を1つの居室とするものではない。
【符号の説明】
【0105】
1 一般住宅
2a 居室
2b 居室
2c 居室
2d 居室
3a 空気搬送ファン
3b 空気搬送ファン
3c 空気搬送ファン
3d 空気搬送ファン
4 外気導入ファン
5a 排気ファン
5b 排気ファン
5c 排気ファン
5d 排気ファン
6a 循環ファン
6b 循環ファン
6c 循環ファン
6d 循環ファン
9 エアコンディショナー
10 制御装置
11a 居室内温度センサ
11b 居室内温度センサ
11c 居室内温度センサ
11d 居室内温度センサ
14 空調室内温度センサ
18 空調室
19 入出力端末
31 空調制御部
32 空調負荷係数算出部
33 通信制御部
34 カレンダー機能部
35 データ記憶部
36 負荷係数記憶部
36a 算出負荷係数
36b 時間ラベル
36c 居室ラベル
36d 季節ラベル