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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】トイレ用手洗吐水具
(51)【国際特許分類】
   E03D 1/24 20060101AFI20240308BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
E03D1/24
E03D9/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019199492
(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公開番号】P2021071020
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】393016745
【氏名又は名称】佐藤技工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 純平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 祐規
(72)【発明者】
【氏名】深川 雅史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 彰高
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-190251(JP,A)
【文献】特開2018-109272(JP,A)
【文献】特開平08-093027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 1/24
E03D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が流出する流出口に下流端が連通し、流路方向が湾曲した湾曲流路が内部に形成された湾曲通水部と、
水が流入する流入口に上流端が連通し、流路方向が直線状に伸びた直線状流路が内部に形成された直線状通水部と、を備え、
前記湾曲流路の上流端と前記直線状流路の下流端とが連通し、
前記湾曲通水部と前記直線状通水部とが一体成型されており、
前記湾曲流路の流路方向に対して直交する方向の断面積は、前記湾曲流路の上流端部よりも前記湾曲流路の下流端部の方が小さく、
前記湾曲流路は、下流端から上流端に向けて、前記断面積が徐々に大きくなるように形成されているトイレ用手洗吐水具。
【請求項2】
前記湾曲流路に連続して連通する仮想路が前記直線状流路内に伸び、
前記仮想路は、少なくとも前記湾曲流路の一部と同じ曲率半径を有している請求項1に記載のトイレ用手洗吐水具。
【請求項3】
前記湾曲流路は、湾曲した内側及び湾曲した外側の各々が流路方向に単一の曲率半径の弧状に湾曲し、
前記仮想路の湾曲した内側の流路方向における曲率半径は、前記湾曲流路の湾曲した内側の曲率半径と同じであり、前記仮想路の湾曲した外側の流路方向における曲率半径は、前記湾曲流路の湾曲した外側の曲率半径と同じである請求項2に記載のトイレ用手洗吐水具。
【請求項4】
前記湾曲通水部及び前記直線状通水部の少なくともいずれかが、取付部が有する取付孔に挿通されており、
前記湾曲通水部には、前記湾曲流路の下流端から上流端にかけて湾曲した外側に沿うように肉抜き部が形成されている請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のトイレ用手洗吐水具。
【請求項5】
前記直線状通水部の先端部は、前記取付部が有する取付空間に配置されている請求項4に記載のトイレ用手洗吐水具。
【請求項6】
前記湾曲流路の流路方向に対して直交する方向の断面形状は、前記湾曲流路の上流端部と前記湾曲流路の下流端部とで異なる請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のトイレ用手洗吐水具。
【請求項7】
前記湾曲流路に連続して連通する仮想路が前記直線状流路内に伸び、
前記仮想路は、前記湾曲流路と同一の曲率によって、前記湾曲流路を上流側に仮想的に伸ばした流路であり、前記直線状流路の内周面と交差せず、
前記仮想路の湾曲した内側及び外側は、前記直線状流路の内周面と離間している請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のトイレ用手洗吐水具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はトイレ用手洗吐水具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはトイレや洗面書等に設置される手洗装置が開示されている。この手洗い装置は手洗器と手洗器から起立した状態で設けられる吐水部材とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-204990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この吐水部材は本体部及び挿通軸部の2つの別個の部品を連結することにより構成されている。例えば、本体部の表面にメッキを施す場合、本体部と挿通軸部とが接触する部分にメッキを施すと、本体部と挿通軸部とが良好に連結できなくなるおそれがある。このため、連結により挿通軸部が接触する本体部の内面にメッキを施さないようにするため、メッキを施す前にこの部分にマスキング等の処理を行うことになる。ひいては、この吐水部材は、マスキングや組付け等の作業の手間がかかるためコストがかかるおそれがある。
【0005】
本開示は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、コストを抑えたトイレ用手洗吐水口を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のトイレ用手洗吐水具は、水が流出する流出口に下流端が連通し、流路方向が湾曲した湾曲流路が内部に形成された湾曲通水部と、水が流入する流入口に上流端が連通し、流路方向が直線状に伸びた直線状流路が内部に形成された直線状通水部と、を備え、前記湾曲流路の上流端と前記直線状流路の下流端とが連通し、前記湾曲通水部と前記直線状通水部とが一体成型されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態1のトイレ用手洗吐水具が用いられた手洗装置の断面図である。
図2図2は、実施形態1のトイレ用手洗吐水具の断面図である。
図3図3は、実施形態1のトイレ用手洗吐水具を横方向から見た側面図である。
図4図4は、図3におけるA-A断面図である。
図5図5は、図3におけるB-B断面図である。
図6図6は、図3におけるC-C断面図である。
図7図7は、図3におけるD-D断面図である。
図8図8は、実施形態1のトイレ用手洗吐水具の断面を斜め下方から見た断面斜視図である。
図9図9は、図3におけるE-E断面図である。
図10図10は、図3におけるF-F断面図である。
図11図11は、図3におけるG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
実施形態1のトイレ用手洗吐水具が取り付けられた手洗装置は、トイレユニットにおける洗浄水タンクを収容するタンク収容部の上端部に設けられる。ただし、洗浄水タンク及びタンク収容部は図示しない。
【0009】
〔手洗装置の構成〕
手洗装置1は、図1に示すように、手洗器20及びトイレ用手洗吐水具50を備える。手洗器20は鉢部21と、周壁部29とを有する。手洗器20は陶器製である。鉢部21は、トイレ用手洗吐水具50から吐水される水を受ける鉢面23を有する。鉢部21の底部には、排水口25が形成されている。鉢面23は、排水口25に向けて下向きに傾斜している。鉢部21の底部には、排水口25に連通して下方(上下は、図1における左側右側である)に筒状をなして突出する排水筒部27が設けられ、排水筒部27には排水管の一端部が接続される。ただし、排水管は図示しない。
【0010】
周壁部29は、鉢部21の上端縁部から下方に延びて形成され、鉢部21を側方から取り囲むように設けられる。鉢部21の奥側(奥側は、図1における右側である)を取り囲む周壁部29の下端部には、鉢部21に向けて横方向に平板状をなして伸びる平板部24が設けられている。
【0011】
手洗器20には、トイレ用手洗吐水具50を取り付ける取付部30が形成されている。取付部30は座面31、取付孔32、取付孔33、及び取付空間34を有している。座面31は鉢面23の一部である。座面31にはトイレ用手洗吐水具50の後述する湾曲通水部51の上流端部に設けられた鍔部51Bが当接する。座面31は排水口25に向けて下向きに傾斜している。
【0012】
取付孔32は、座面31の中央部に対応する鉢部21に上下方向に貫通して形成されている。取付孔33は平板部24に上下方向に貫通して形成される。取付空間34は、取付孔33の下方に形成された空間である。取付空間34は、トイレ用手洗吐水具50を手洗器20に取り付ける際にナット等の取付部材を配置し得る空間である。
【0013】
〔トイレ用手洗吐水具の構成〕
トイレ用手洗吐水具50は、例えば、合成樹脂製であり、射出成型によって形成される。トイレ用手洗吐水具50は、図2、3に示すように、一端に水が流入する流入口50A、及び他端に水が流出する流出口50Bが形成されて形成される。トイレ用手洗吐水具50の流入口50Aは上流端であり、流出口50Bは下流端である。トイレ用手洗吐水具50は湾曲通水部51及び直線状通水部53を備える。湾曲通水部51は、トイレ用手洗吐水具50の流出口50Bに下流端が連通し、流路方向Aが弧状に湾曲した湾曲流路51Aが内部に形成されている。弧状とは、単一の曲率を有する円弧に限らず、曲率が異なる円弧を繋げた形状や、楕円弧や、2次曲線等滑らかに湾曲している形状が弧状に含まれる。湾曲流路51Aの流路方向Aに対して直交する方向の断面積は、湾曲流路51Aの上流端部よりも湾曲流路51Aの下流端部の方が小さい。湾曲通水部51の上流端部には外方向に広がるように鍔部51Bが設けられている。
【0014】
湾曲流路51Aは、下流端から上流端に向けて、流路方向Aに直交する方向の断面積が徐々に大きくなるように形成されている。湾曲通水部51は、図2、4、9、10、11に示すように、湾曲流路51Aを囲むように肉抜き部51Cが形成されている。湾曲通水部51の流路方向Aの中央部から下流端部において、肉抜き部51Cは、湾曲流路51Aの上方と側方とを覆うように形成されている(図4、11参照。)。湾曲通水部51の流路方向Aの上流端部において、肉抜き部51Cは、湾曲流路51Aの周囲を覆うように形成されている(図9、10参照。)。
【0015】
湾曲流路51Aは、図2に示すように、湾曲した内側及び湾曲した外側の各々が流路方向に単一の曲率半径Ri,Roの弧状に湾曲している。湾曲流路51Aは、円弧状をなした内側の曲率半径Riの大きさが円弧状をなした外側の曲率半径Roよりも小さい。曲率半径Ri,Roの各々の中心の位置は互いに異なっている。ただし、曲率半径Ri,Roの各々の中心の位置は図示しない。
【0016】
湾曲流路51Aの流路方向Aに対して直交する方向の断面形状は、図4、5に示すように、湾曲流路51Aの上流端部と湾曲流路51Aの下流端部とで異なる。具体的には、湾曲流路51Aにおける流路方向Aに直交する方向の下流端部における断面形状は、円弧状の辺B1と直線状の辺B2とで囲まれた半円形状である(図4参照。)。湾曲流路51Aにおける流路方向Aに直交する方向の上流端における断面形状は半円形状の辺B3と、辺B3の両端と直線状の辺B4の両端とを外側に湾曲する一対の辺B5,B6で繋いだ多角形状である(図5参照。)。
【0017】
直線状通水部53は、図2に示すように、トイレ用手洗吐水具50の流入口50Aに上流端が連通し、流路方向Bが直線状に伸びた直線状流路53Aが内部に形成されている。直線状通水部53の流路方向Bに直交する方向の外形の断面積は、下流端から上流端にかけて同じである。直線状通水部53における流路方向Bに直交する外形形状は円形状の一部が直線状に切りかかれた形状である(図6参照。)。直線状通水部53の上流端から下流端部の外周面には、直線状に切りかかれた部分を除き、ねじ山53Bが形成されている。
【0018】
直線状流路53Aは上流端部から下流端部にわたって流路方向Bに直交する断面形状は円形状である。直線状流路53Aは、上流端部から下流端部にわたって流路方向Bに直交する方向の断面積は同じである。直線状流路53Aの下流端部において、流路方向Bに直交する断面形状は、円形状の一部が円形状の中心軸を挟んで2つの平行な直線で切りかかれた形状である。詳しくは、直線状流路53Aの下流端部において、流路方向Bに直交する断面形状は、図7に示すように、2つの円弧状の線E1,E2と2つの互いに平行な直線T1,T2とで形成された形状である。
【0019】
直線状流路53Aの下流端部の流路方向Bに直交する断面積は、下流端に向けて徐々に小さくなっている。具体的には、図8に示すように、直線状流路53Aの下流端部において直線状流路53Aの中心軸を挟んで一対の斜面S1,S2が形成されている。これら斜面S1,S2は、平面状に形成され、直線状流路53Aの下流端に向かう方向に互いの間の寸法が小さくなるように形成されている。
【0020】
直線状流路53Aは、図2に示すように、断面直線C,Dが互いに平行である。平行とは、厳密な平行に限らず、断面直線C,Dが厳密な平行から僅かにずれた状態も含む。直線状流路53Aの上流端部には、上流端に向けて広がるように面53Cが形成されている。面53Cは、直線状流路53Aに水を供給する給水管P(図1参照)の一端部を直線状流路53Aに挿入する際に、給水管Pの一端部を挿入し易くするために形成されている。直線状流路53Aは、内周面に直接的に水が接して通水するのではく、給水管Pを介して間接的に通水する。
【0021】
トイレ用手洗吐水具50は、湾曲流路51Aの上流端と直線状流路53Aの下流端とが連通し、湾曲通水部51と直線状通水部53とが一体成型されている。具体的には、直線状流路53Aの下流端と湾曲流路51Aの上流端とが連通する部分には、図7、8に示すように、直線状流路53Aの下流端と湾曲流路51Aとを連結する連結面50Cが形成されている。
【0022】
連結面50Cは第1連結面50Dと第2連結面50Eとを有している。第1連結面50Dは直線状流路53Aの下流端における円形状の線E1,E2と、湾曲流路51Aの上流端の円形状の辺B3と、直線T1とで囲まれている。第2連結面50Eは直線状流路53Aの下流端における円形状の線E1,E2と、湾曲流路51Aの上流端の直線状の辺B4と、直線T2とで囲まれている。
【0023】
図2に示すように、仮想路Vを仮想的に考える。仮想路Vは、湾曲流路51Aを同一の曲率によって、上流側に仮想的に伸ばした流路である。仮想路Vの湾曲した内側の流路方向Aにおける曲率半径Rviは、湾曲流路51Aの湾曲した内側の曲率半径Riと同じである。仮想路Vの湾曲した外側の流路方向Aにおける曲率半径Rvoは、湾曲流路51Aの湾曲した外側の曲率半径Roと同じである。仮想路Vは、直線状流路53A内に収まる。仮想路Vは、湾曲流路51Aの上流端から上流側に向けて、流路方向Aに直交する方向の断面積が徐々に大きくなる。仮想路Vにおける流路方向Aに直交する方向の断面積は、湾曲流路51Aにおける流路方向Aに直交する方向の断面積より大きい。直線状流路53A内に位置する仮想路Vは、直線状流路53Aの内周面と交差しない。
【0024】
こうして形成されたトイレ用手洗吐水具50は、手洗器20の座面31に湾曲通水部51の鍔部51Bが当接するように配置され、湾曲通水部51及び直線状通水部53の少なくともいずれかが手洗器20の取付部30が有する取付孔32、及び取付孔33に挿通されている。取付孔32,33に挿通された直線状通水部53の先端部は、取付孔32,33から下方に突出する。直線状通水部53の先端部は、取付孔33の下方に形成された取付空間34に配置されている。平板部24の下方に突出した直線状通水部53の先端部には、ナットが締めこまれる。ナットは取付空間34に配置される。ただし、ナットは図示しない。これによって、トイレ用手洗吐水具50が手洗器20に固定される。直線状流路53Aには水を供給する給水管の一端部が挿入される。ただし、給水管は図示しない。
【0025】
直線状通水部53の鍔部51Bと手洗器20の座面31との間には、環状をなしたシール部材が配置される。ただし、シール部材は図示しない。シール部材は、例えば、可撓性を有したゴム等によって形成される。シール部材は手洗器20の取付孔32からの水の漏出を抑える。
【0026】
このように、トイレ用手洗吐水具50は、湾曲通水部51と直線状通水部53とが一体成型されているため、これらを組付ける手間がかからない。
【0027】
したがって、本開示のトイレ用手洗吐水具50はコストを抑えることができる。
【0028】
トイレ用手洗吐水具50は、湾曲流路51Aに連続して連通する仮想路Vが直線状流路53A内に伸び、仮想路Vは、湾曲流路51Aと同じ曲率半径を有している。このため、トイレ用手洗吐水具50を成型する際、直線状流路53Aを形成する金型の駒が離型した後、湾曲流路51Aを形成する駒を離型する際に、湾曲流路51Aを形成する駒が直線状流路53Aに接触することを避けることができる。
【0029】
トイレ用手洗吐水具50の湾曲流路51Aは、湾曲した内側及び湾曲した外側の各々が流路方向Aに単一の曲率半径Ri,Roの弧状に湾曲し、仮想路Vの湾曲した内側の流路方向Aにおける曲率半径Rviは、湾曲流路51Aの湾曲した内側の曲率半径Riと同じであり、仮想路Vの湾曲した外側の流路方向Aにおける曲率半径Rvoは、湾曲流路51Aの湾曲した外側の曲率半径Roと同じである。このため、湾曲流路51Aを形成する駒を仮想路Vまで単一の曲率半径の弧状に形成することができ、金型の駒を製作し易い。
【0030】
トイレ用手洗吐水具50の湾曲通水部51及び直線状通水部53の少なくともいずれかが、取付部30が有する取付孔32,33に挿通されている。このため、直線状通水部53が取付部30の取付孔32,33に挿通されているため、トイレ用手洗吐水具50は取付部30に対して良好に位置を決めて配置することができる。
【0031】
トイレ用手洗吐水具50の直線状通水部53の先端部は、取付部30が有する取付空間34に配置されている。このため、取付空間34に配置された直線状通水部53の先端部にナット等の取付部材を容易に組付けることができる。
【0032】
トイレ用手洗吐水具50の湾曲流路51Aの流路方向Aに対して直交する方向の断面積は、湾曲流路51Aの上流端部よりも湾曲流路51Aの下流端部の方が小さい。このため、湾曲流路51Aを形成する金型の駒の抜き勾配を形成することができると共に、湾曲流路51Aに通水する際、水が流出口50Bに向かうにつれて水の流れる速さが増すため、弁が開いてから流出口50Bに水が到達するまでの時間を短くすることができる。
【0033】
トイレ用手洗吐水具50の湾曲流路51Aの流路方向Aに対して直交する方向の断面形状が、湾曲流路51Aの上流端部と湾曲流路51Aの下流端部とで異なる。このため、湾曲流路51Aの断面形状における水の流れ方を所望の流れ方に調整することができる。
【0034】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の破砕装置の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、トイレ用手洗吐水具は合成樹脂製であることが例示されている。これに限らず、トイレ用手洗吐水具が金属製であってもよい。
(2)実施形態1では、手洗器が陶器製であることが開示されている。これに限らず、手洗器が合成樹脂製であってもよい。
(3)実施形態1では、肉抜き部形成している。これに限らず、湾曲通水部の外形形状に応じて肉抜き部を形成しない構成としてもよい。
(4)実施形態1では、湾曲流路における流路方向に直交する方向の下流端部における断面形状は半円形状であることが開示されている。これに限らず、他の断面形状であってもよい。
(5)実施形態1では、湾曲流路における流路方向に直交する方向の上流端部における断面形状は多角形状であることが開示されている。これに限らず、他の断面形状であってもよい。
(6)実施形態1では、湾曲流路の円弧状をなした内側及び円弧状をなした外側の各々が一律の曲率半径で形成されている。これに限らず、金型の駒の抜き方向に広がる形状であればよい。例えば、湾曲流路の円弧状をなした内側及び円弧状をなした外側の各々を複数の曲率半径で形成することも可能である。
【0035】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0036】
50A…流入口、50B…流出口、51…湾曲通水部、51A…湾曲流路、53…直線状通水部、53A…直線状流路、V…仮想路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11