(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】光源ユニット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240308BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240308BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240308BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240308BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240308BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240308BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20240308BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V19/00 510
F21V23/00 170
F21V23/00 120
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
F21Y103:10
(21)【出願番号】P 2020141168
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 敦史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 芳朗
(72)【発明者】
【氏名】北川 拓也
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186120(JP,A)
【文献】中国実用新案第203036296(CN,U)
【文献】特開2015-141901(JP,A)
【文献】実開昭48-090478(JP,U)
【文献】特開2015-153593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-99/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体に対して着脱可能に取り付けられる光源ユニットであって、
光源モジュールと、
前記光源モジュールを支持する支持部材と、
外部の信号送信源に接続された信号線が電気的に接続される1つ以上の信号端子台と、
前記信号端子台を前記支持部材に取り付けるための取付具と、
前記支持部材を前記器具本体からつり下げる1つ以上のつり下げ部材と、
を備え、
前記支持部材は、表面に前記光源モジュールが取り付けられ、裏面に前記取付具が取り付けられる板状の主部を有し、
前記取付具は、一端が前記器具本体に取り付けられた前記つり下げ部材の他端を取り付ける取付部を有する、
光源ユニット。
【請求項2】
前記取付具は、前記信号端子台が固定される固定部と、前記固定部を前記主部の裏面から離間した状態に保持する脚部とを更に有する、
請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記つり下げ部材は、少なくとも一方の端に結び目が形成された紐体を有し、
前記取付部は、前記結び目よりも大きい第1孔と、前記結び目よりも小さい第2孔と、前記第1孔と前記第2孔をつないで前記結び目を前記第1孔から前記第2孔に移動可能とする溝とを有する、
請求項1又は2記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記取付具は、前記信号端子台が固定される固定部と、前記固定部を前記主部の裏面から離間した状態に保持する脚部とを更に有し、
前記取付部の前記第1孔は、前記固定部に設けられ、前記固定部に固定される前記信号端子台によって塞がれる、
請求項3記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記主部は長尺に形成されており、
前記取付部の前記第1孔と前記第2孔は、前記主部の長手方向に沿って並び、かつ、前記溝が前記主部の長手方向に対して傾くように配置されている、
請求項4記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記信号端子台、前記取付具及び前記つり下げ部材をそれぞれ2つずつ備え、
2つの前記取付具はそれぞれ、前記主部の長手方向に沿って並ぶように配置されている、
請求項5記載の光源ユニット。
【請求項7】
2つの前記取付具は、前記主部の長手方向において、2つの前記つり下げ部材のそれぞれの一端が前記器具本体に取り付けられる位置よりも外側に配置されている、
請求項6記載の光源ユニット。
【請求項8】
2つの前記取付具は、2つの前記つり下げ部材で前記器具本体につり下げられた状態で前記主部の短手方向の一方の端部が前記主部の短手方向の他方の端部よりも低くなるように配置されている、
請求項6又は7記載の光源ユニット。
【請求項9】
前記支持部材は、前記主部の側端から前記主部の裏面側に起立する一対の側壁部を更に有し、
前記取付具は、前記一対の側壁部のうちの一方の側壁部よりも他方の側壁部に近い位置に配置されている、
請求項1-8のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項10】
請求項1-9のいずれかの光源ユニットと、
前記光源ユニットが着脱可能に取り付けられる前記器具本体と、
を備える、
照明器具。
【請求項11】
前記主部の裏面に取り付けられ、前記光源モジュールに電力を供給する電源ユニットを更に備え、
前記電源ユニットは、前記信号端子台を介して前記信号線と電気的に接続され、
前記器具本体は、前記信号線が挿通可能な挿通孔を、前記主部の裏面と対向する方向から見て前記電源ユニット及び前記取付具と重ならない位置に有している、
請求項10記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源ユニット及び照明器具に関し、より詳細には、器具本体に対して仮固定可能な光源ユニット、及び前記光源ユニットと前記器具本体を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の照明装置(光源ユニットと照明器具)を例示する。特許文献1記載の照明装置は、光源となる発光素子を有する長尺状の光源ユニットと、光源ユニットが取り付けられる器具本体を有する長尺状の照明器具とを備える。照明器具は、器具本体と、一対の端板部と、電源装置と、電源端子台とを有している。器具本体は、底部と互いに対向する2つの側面部とによって凹形状に形成されている。一対の端板部は、器具本体の長手方向の両端の開口部分を塞ぐように器具本体に取り付けられる。電源装置と電源端子台は、器具本体の内側に配設されている。
【0003】
光源ユニットは、発光モジュールと、発光モジュールを支持するフレームと、フレームに取り付けられて発光モジュールを覆うカバーと、カバーの長手方向両端の開口を塞ぐ一対のエンドキャップとを有している。光源ユニットは、光源側電線を介して照明器具の電源装置と接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1記載の照明装置(光源ユニット及び照明器具)においては、光源ユニットを照明器具の器具本体に取り付ける前に、光源側電線を電源装置と接続する作業(結線作業)が必要である。しかして、特許文献1記載の照明装置の構成では光源ユニットを器具本体に対して仮固定することができないため、結線作業の作業性を向上させることが困難であった。
【0006】
本開示の目的は、結線作業の作業性の向上を図ることができる光源ユニット及び照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る光源ユニットは、器具本体に対して着脱可能に取り付けられる。前記光源ユニットは、光源モジュールと、前記光源モジュールを支持する支持部材と、外部の信号送信源に接続された信号線が電気的に接続される1つ以上の信号端子台とを備える。前記光源ユニットは、前記信号端子台を前記支持部材に取り付けるための取付具と、前記支持部材を前記器具本体からつり下げる1つ以上のつり下げ部材とを備える。前記支持部材は、表面に前記光源モジュールが取り付けられ、裏面に前記取付具が取り付けられる板状の主部を有する。前記取付具は、一端が前記器具本体に取り付けられた前記つり下げ部材の他端を取り付ける取付部を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具は、光源ユニットと、前記光源ユニットが着脱可能に取り付けられる前記器具本体とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の光源ユニット及び照明器具は、結線作業の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る照明器具の斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の照明器具の一部破断した分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の照明器具の分解斜視図である。
【
図7】
図7は、同上の照明器具における器具本体の正面図である。
【
図8】
図8は、同上の照明器具における光源ユニットの平面図である。
【
図10】
図10は、同上の照明器具のエンド部材を省略した側面図である。
【
図11】
図11は、同上の光源ユニットにおける取付具と信号端子台の分解斜視図である。
【
図12】
図12は、同上の光源ユニットにおける取付具と信号端子台を含む一部省略した斜視図ある。
【
図13】
図13は、同上の照明器具において光源ユニットを器具本体につり下げた状態の一部省略した斜視図である。
【
図14】
図14は、同上の照明器具において光源ユニットを器具本体につり下げた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)本開示の実施形態の概要
本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、器具本体1に対して着脱可能に取り付けられる。本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、光源モジュール20と、光源モジュール20を支持する支持部材21と、外部の信号送信源に接続された信号線が電気的に接続される1つ以上の信号端子台52とを備える。本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、信号端子台52を支持部材21に取り付けるための取付具23と、支持部材21を器具本体1からつり下げる1つ以上のつり下げ部材24とを備える。
【0013】
支持部材21は、表面に光源モジュール20が取り付けられ、裏面に取付具23が取り付けられる板状の主部210を有する。取付具23は、一端が器具本体1に取り付けられたつり下げ部材24の他端を取り付ける取付部236を有する。
【0014】
しかして、本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、つり下げ部材24によって器具本体1につり下げられることにより、器具本体1に対して仮固定される。そのため、本開示の実施形態に係る光源ユニット2では、器具本体1に対して仮固定された状態で信号端子台52に対する信号線の結線作業を行うことができる。その結果、本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、器具本体1に対して仮固定できない場合に比べて、信号端子台52に信号線を接続する結線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0015】
しかも、本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、信号端子台52を支持部材21に取り付けるための取付具23に、つり下げ部材24の他端を取り付ける取付部236を有している。そのため、本開示の実施形態に係る光源ユニット2は、取付具23とは別に、つり下げ部材24を取り付けるための部品を支持部材21に設ける場合に比べて、部品点数の削減による製造コストの削減及び組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0016】
(2)実施形態の詳細な説明
(2-1)照明器具
本開示の実施形態に係る照明器具A1は、
図1-
図6に示すように、長尺の器具本体1と、本開示の実施形態に係る光源ユニット2(以下、光源ユニット2と略す。)と、器具本体1に対して光源ユニット2を着脱可能に取り付けるための取付部材3とを備えている。本開示の実施形態に係る照明器具A1(以下、照明器具A1と略す。)は、例えば、オフィスビルの執務室の天井などに直付けされる。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1において矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を照明器具A1及び光源ユニット2のそれぞれの上下、前後及び左右の各方向と規定する。
【0017】
(2-2)器具本体
器具本体1は、長尺の長方形状に形成された底板10と、底板10の長手方向(左右方向)に沿った両端(前端及び後端)から上向きに立ち上がる一対の側板11とを有している(
図4参照)。底板10と一対の側板11は、1枚の金属板が曲げ加工されることによって一体に形成される。つまり、一対の側板11は、底板10の強度を向上させる機能を有している。
【0018】
底板10は、2つの第1電線孔12、2つの第2電線孔13、2つのボルト挿通孔14、複数の突部100及び2つの引掛穴18を有している(
図4及び
図6参照)。
【0019】
複数の突部100は、底板10の上面から上向きかつ半球状に突出するように底板10と一体に形成されている。これら複数の突部100は、底板10における2つの第1電線孔12の隣、及び底板10の長手方向の中央に各々2つずつ設けられ、2つの引掛穴18の隣に1つずつ設けられている(
図6参照)。
【0020】
2つの第1電線孔12は、底板10の長手方向の両端(左端及び右端)に設けられた円形の孔である。2つの第1電線孔12のうちの一方の第1電線孔12には、外部電源(例えば、商用の電力系統)に接続された電源ケーブル80が挿通される(
図7参照)。各第1電線孔12には、円環状の合成樹脂成形体からなるブッシング120がはめ込まれており、ブッシング120によって電源ケーブル80を底板10の第1電線孔12のエッジから保護している。
【0021】
電源ケーブル80は、底板10の下面に取り付けられた電源端子台15に接続される(
図7参照)。電源端子台15は、底板10の第1電線孔12の近くに取り付けられている。電源ケーブル80は、電源端子台15を介して2本の電線17と電気的に接続される。
【0022】
一方の電源端子台15に接続された2本の電線17、他方の電源端子台15に接続された2本の電線17、及びプラグコネクタ16に接続された2本の電線17が、閉端接続子82によって、各々1本ずつ接続されている(
図7参照)。なお、電源ケーブル80に含まれる3本の電線のうちの1本の電線17(接地極の電線)は、圧着端子によって器具本体1の底板10と電気的に接続されている。
【0023】
2つの第2電線孔13は、底板10の長手方向の中央と各第1電線孔12の間に設けられた長円形の孔である(
図7参照)。2つの第2電線孔13のうちの一方の第2電線孔13には、外部の信号送信源に接続された信号ケーブルが挿通される。第2電線孔13に挿通された信号ケーブルは、光源ユニット2に設けられる信号端子台52(後述する)に接続される。ただし、各第2電線孔13には、後述する機能ブロック4のブッシング部43がはめ込まれており、ブッシング部43によって信号ケーブルを底板10の第2電線孔13のエッジから保護している(
図7参照)。
【0024】
2つのボルト挿通孔14はそれぞれ、底板10の電源端子台15と第2電線孔13の間に1つずつ設けられた長円形の孔である(
図7参照)。これら2つのボルト挿通孔14には、天井から突出するつりボルトが1本ずつ挿通される。そして、ボルト挿通孔14に挿通されたつりボルトにナットが締め付けられることにより、器具本体1が天井に固定される。
【0025】
2つの引掛穴18はそれぞれ、底板10の第2電線孔13よりも中央寄りに設けられただるま穴である(
図7参照)。ただし、2つの引掛穴18は、底板10の一部が下向きに押し出されてだ円すい台状に形成された2つの突台部180の底面に1つずつ設けられている。これら2つの引掛穴18には、光源ユニット2をつり下げる(仮固定する)ための2本のつり下げ部材24の先端(結び目240)が差し込まれて引っ掛けられる。各引掛穴18は、正方形の第1穴181と、円形の第2穴182と、第1穴181と第2穴182をつなぐ直線状の溝183とを有する(
図6参照)。第1穴181の幅は、つり下げ部材24の結び目240よりも大きい。溝183は、第1穴181の1つの角とつながっている。溝183の幅は、つり下げ部材24の結び目240よりも小さく、かつ、つり下げ部材24の結び目240以外の部分よりも大きい。また、第2穴182の直径は、溝183の幅よりも大きく、かつ、つり下げ部材24の結び目240よりも小さい。
【0026】
(2-3)取付部材
器具本体1には2つの取付部材3が設けられている。各取付部材3は、取付ばね30を1つずつ有している(
図4及び
図5参照)。取付ばね30は、一対のばね片300と、一対のばね片300同士を連結する連結片とを有している(
図5及び
図7参照)。なお、一対のばね片300と連結片は、帯板状の金属板が曲げ加工されることによってU字状に形成されている。各ばね片300の先端部分(下端部分)は、V字状に折り曲げられることにより、先端(下端)に向かって内側に傾斜している。
【0027】
これら2つの取付ばね30は、器具本体1の底板10にねじ止めによって固定される。すなわち、各取付ばね30の連結片が、底板10における電源端子台15とボルト挿通孔14の間にねじ止めされる。そして、一対のばね片300はそれぞれ、器具本体1の短手方向(前後方向)に沿って変形(たわみ)可能である。
【0028】
(2-4)機能ブロック
器具本体1は、2つの機能ブロック4を有している(
図4及び
図5参照)。各機能ブロック4は、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43を有している(
図5参照)。機能ブロック4は、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43を一体に形成した合成樹脂成形体で構成されている。ただし、案内部材40、制限部材41、保持部材42及びブッシング部43は、それぞれが別体に形成されてもよいし、少なくとも2つの部材が一体に形成されてもよい。
【0029】
制限部材41は、取付ばね30の一対のばね片300が内側に変形したとき(たわんだとき)、各ばね片300に当たることによって、各ばね片300の変形量(たわみ量)を制限することができる。つまり、制限部材41は、取付ばね30のばね片300が塑性変形することを防ぐことができる。
【0030】
案内部材40は、後述するように、機能ブロック4が器具本体1に取り付けられた状態において、支持部材21の側壁部211の先端を取付ばね30の各ばね片300の外側に案内するように構成されている。
【0031】
保持部材42は、器具本体1の底板10及び側板11との間に配線用の空間を形成し、当該空間に配置される電線17を保持するように構成されている。しかして、保持部材42が電線17を保持することにより、ボルト挿通孔14に挿通されるつりボルトで電線17の被覆が傷付くというような不具合の発生を抑制することができる(
図7参照)。
【0032】
ブッシング部43は、第2電線孔13に挿通されることにより、底板10の第2電線孔13のエッジから信号ケーブルの被覆を保護することができる。
【0033】
(2-5)光源ユニット
光源ユニット2は、光源モジュール20、支持部材21、カバー22、電源ユニット5、信号端子台52、取付具23及び一対のエンド部材6を備える(
図4及び
図5参照)。
【0034】
(2-5-1)光源モジュール
光源モジュール20は、2つの基板200と、各基板200の表面(下面)に実装された複数の発光素子(LED201)とを有している(
図5参照)。各基板200は、長尺の長方形状に形成されている。各基板200の表面には、複数のLED201を接続するための導体が形成されている。なお、2つの基板200の導体は、各基板200の長手方向の端部に実装されたコネクタを介して接続されている。
【0035】
複数のLED201はそれぞれ、パッケージタイプの照明用白色LEDである。ただし、光源モジュール20の発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザ素子などのLED以外の発光素子であっても構わない。
【0036】
(2-5-2)電源ユニット
電源ユニット5は、プリント回路で構成された電源回路50と、電源回路50を収容する電源ケース51とを備える(
図4及び
図9参照)。電源ケース51は、1つの面(下面)が開放された長尺の箱形に形成されている。電源回路50は、電線54を介して外部電源から供給される交流電圧を整流する整流回路、整流回路で整流された脈流電圧を昇圧して平滑する昇圧回路、昇圧回路から出力される直流電圧を降圧する降圧回路、降圧回路を制御する制御回路などを有する。制御回路は、光源モジュール20に供給する電流(負荷電流)を目標値に一致させて定電流化するように降圧回路を制御する。また、制御回路は、信号送信源から信号ケーブル及び信号端子台52を介して入力される信号(調光信号)に応じて、負荷電流の目標値を調整して光源モジュール20を調光する。信号送信源は、例えば、執務室の壁に設置される照明用のコントローラである。なお、電源ケース51から引き出された電線54の先端には、器具本体1のプラグコネクタ16と接続可能なレセプタクルコネクタ55が取り付けられている(
図8参照)。
【0037】
(2-5-3)支持部材
支持部材21は、長尺の板状に形成された主部210と、主部210の長手方向(左右方向)に沿った一対の側端(前端及び後端)から上向きに起立する一対の側壁部211とを有している(
図5参照)。一対の側壁部211は、長尺の長方形状に形成されている。
【0038】
また、支持部材21は、位置決め片212、係止片213、一対のカバー取付片214、一対の引掛部31、及び一対の突起部215を有している(
図9及び
図10参照)。
【0039】
位置決め片212は、主部210の下面における後端部から下向きに突出する角柱状に形成されている(
図9参照)。係止片213は、主部210の下面における前端部から下向きに突出するL字状に形成されている。位置決め片212及び係止片213はそれぞれ、主部210の長手方向に沿って互いに平行するように主部210の長手方向の全長に渡って形成されている。係止片213と主部210の間の空間に、光源モジュール20の基板200が差し込まれ、係止片213に基板200の端部が係止される(
図9参照)。そして、位置決め片212により、主部210の前後方向において基板200が位置決めされる。基板200は、複数本のねじによって主部210にねじ止めされる。
【0040】
一対のカバー取付片214はそれぞれ、L字状に形成され、かつ、主部210の長手方向に沿った各側端から下向きに突出している(
図9参照)。各カバー取付片214には、後述するようにカバー22の一対の取付部222が引っ掛けられる。
【0041】
一対の引掛部31はそれぞれ、一対の側壁部211の内側面において、上下方向のほぼ中央から、各側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している(
図9参照)。ただし、各引掛部31の先端部分は、下向きに折れ曲がっている。これら一対の引掛部31は、器具本体1に取り付けられた2つの取付ばね30のそれぞれのばね片300の先端部分に引っ掛かる。つまり、一対の引掛部31は、取付ばね30とともに取付部材3を構成している。
【0042】
一対の突起部215はそれぞれ、一対の側壁部211の内側面における下端部分から、各側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している(
図9参照)。なお、主部210、一対の側壁部211、位置決め片212、係止片213、一対のカバー取付片214、一対の引掛部31、及び一対の突起部215は、アルミ合金などの金属材料が押出成形されることで一体に形成されることが好ましい。
【0043】
(2-5-4)カバー
カバー22は、前壁220と、一対の側壁221と、一対の取付部222とを有する(
図5参照)。前壁220は、長尺の長方形状に形成されている。一対の側壁221はそれぞれ、長尺の長方形状に形成され、前壁220の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から上向きに突出している。一対の取付部222はそれぞれ、長尺のU字状に形成され、各側壁部211の上端から、側壁部211の長手方向の全長に渡って内向きに突出している(
図10参照)。ここで、前壁220、一対の側壁部211及び一対の取付部222は、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂などの透光性を有する合成樹脂の押出成形によって一体に形成されることが好ましい。なお、カバー22は、光源モジュール20から放射される光を拡散させるため、合成樹脂材料にフィラーが混合されて乳白色に形成されることが好ましい。
【0044】
カバー22は、支持部材21の一対のカバー取付片214のそれぞれに、一対の取付部222を1つずつ引っ掛けることにより、支持部材21に取り付けられる(
図10参照)。支持部材21に取り付けられたカバー22は、主部210の下面に取り付けられた光源モジュール20を覆っている。
【0045】
(2-5-5)エンド部材
エンド部材6は、カバーエンド部60、エンドキャップ部61及び固定具62を有している(
図5参照)。カバーエンド部60は、カバー22の長手方向(左右方向)のそれぞれの端(左端及び右端)を塞ぐように構成されている(
図1参照)。また、エンドキャップ部61は、支持部材21の長手方向(左右方向)のそれぞれの端(左端及び右端)を塞ぐように構成されている(
図1参照)。固定具62は、カバーエンド部60及びエンドキャップ部61を支持して支持部材21の主部210に固定されるように構成されている(
図8参照)。
【0046】
(2-5-6)シール部材
光源ユニット2は、例えば、シリコーン樹脂製のシール部材7を備えている(
図5、
図9及び
図10参照)。シール部材7は、エンド部材6のカバーエンド部60とカバー22の間に生じる隙間をシールして異物(ちり、ほこり及び虫など)が侵入することを阻止する機能を有している。
【0047】
(2-5-7)信号端子台及び取付具
光源ユニット2は、信号ケーブル81を送り配線するために2つの信号端子台52を備えている。2つの信号端子台52はそれぞれ、取付具23によって支持部材21の主部210の上面(裏面)に取り付けられる(
図8及び
図10参照)。なお、2つの取付具23は共通の構成を有しているので、以下では、
図10-
図12を参照して、1つの取付具23について説明する。
【0048】
取付具23は、多角形の平板状に形成されて信号端子台52が固定される固定部230を有する。また、取付具23は、固定部230の複数の辺からそれぞれ固定部230の厚み方向(下方向)に突出する複数の脚部231、1つの脚部231の先端から固定部230と平行に突出するねじ止め片232を有する。複数の脚部231のうち、最も長い辺から突出する脚部231の先端にはV字状の突部233が設けられている。
【0049】
取付具23は、支持部材21の側壁部211に設けられた突起部215に突部233が引っ掛けられ、かつ、脚部231の先端に設けられたねじ止め片232が主部210にねじ止めされることで支持部材21に取り付けられる。このとき、複数の脚部231の各々の先端(下端)が主部210の上面に当たるため、固定部230と主部210の間にスペースが形成される。つまり、複数の脚部231はそれぞれ、固定部230を主部210の上面(裏面)から離間した状態に保持する機能を有している。
【0050】
固定部230の長手方向(左右方向)の中央にめねじ部234が設けられている。また、固定部230の短手方向(前後方向)に沿って、めねじ部234の前後両側に円形の位置決め孔235が1つずつ設けられている(
図11参照)。
【0051】
また、固定部230は、つり下げ部材24の端部が取り付け可能な2つの取付部236を有している(
図11参照)。つり下げ部材24は、例えば、天然繊維又は化学繊維を材料とし、両端に結び目240が形成された紐体を有する。なお、つり下げ部材24の全長は、数センチメートルから十数センチメートル程度である。
【0052】
取付部236は、固定部230の長手方向において、めねじ部234の左右両横に1つずつ設けられている。各取付部236は、円形の第1孔236Aと、半円形の第2孔236Bと、第1孔236Aと第2孔236Bをつなぐ溝236Cを有する(
図11参照)。第1孔236Aの直径は、つり下げ部材24の結び目240よりも大きい。溝236Cの幅は、つり下げ部材24の結び目240以外の部分の直径(紐体の太さ)よりも大きく、かつ、結び目240よりも小さい。第2孔236Bの直径は、結び目240よりも小さく、かつ、溝236Cの幅よりも大きい。
【0053】
また、取付具23は、脚部231によって固定部230を支持部材21の主部210から離間させている。そのため、固定部230と主部210の間につり下げ部材24の結び目240が収まる程度の空間が形成されている。
【0054】
しかして、つり下げ部材24は、一端の結び目240が第1孔236Aに挿入された後、溝236Cに沿って第2孔236Bまで移動させられることにより、取付部236に取り付けられる(
図11参照)。このとき、つり下げ部材24の結び目240は、固定部230と主部210の間に形成される空間を通ることでスムーズに移動することができる。しかも、取付部236は、固定部230に設けられた第1孔236A、第2孔236B及び溝236Cを有しており、工具などを使用せずにつり下げ部材24の端部(結び目240)を取り付けることができる。その結果、光源ユニット2は、取付部236に対して、つり下げ部材24の取付作業の作業性の向上を図ることができる。
【0055】
信号端子台52は、信号端子台52の中央に貫通しているねじ挿通孔520に固定ねじ521が挿通され、固定ねじ521のおねじ部がめねじ部234にねじ込まれることで固定部230に固定される(
図12参照)。このとき、信号端子台52は、信号端子台52の底面(下面)に設けられた2つの位置決め突起が2つの位置決め孔235に1つずつはまることで固定部230に対して位置決めされる。
【0056】
ここで、信号端子台52が固定部230に固定されると、取付部236の第1孔236Aが信号端子台52によって塞がれる(
図12参照)。つまり、つり下げ部材24は、信号端子台52が固定部230に固定された状態では、取付部236から外れる可能性が極めて低くなる。
【0057】
しかして、固定部230に固定される信号端子台52によって、つり下げ部材24の取付部236からの脱落を抑制することができるので、つり下げ部材24の脱落を抑制するための別部品が不要である。ゆえに、光源ユニット2は、部品点数の削減による製造コストの削減及び組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0058】
(2-6)光源ユニットの組立工程
次に、光源ユニット2の組立工程を説明する。
【0059】
(2-6-1)支持部材に対する電源ユニットと信号端子台の取付工程
まず、支持部材21の主部210の上面のほぼ中央において、電源ケース51が主部210にねじ止めされることにより、電源ユニット5が支持部材21に取り付けられる(
図8参照)。このとき、電源ケース51の開放された面が主部210で閉塞される(
図9参照)。また、電源ケース51には外側に突出する引掛片510が切り起こして形成されている(
図9参照)。そして、引掛片510が側壁部211の引掛部31に引っ掛かることによって、電源ケース51が支持部材21の主部210から浮き上がることが防止される。
【0060】
また、2つの信号端子台52はそれぞれ、取付具23によって支持部材21の主部210の上面における電源ユニット5の左右両隣に取り付けられる(
図8参照)。なお、各取付具23では、固定部230に設けられた2つの取付部236のうち、電源ユニット5に近い方の取付部236にそれぞれつり下げ部材24が1つずつ取り付けられている。2つの信号端子台52と電源ユニット5は、それぞれ2本の信号線53で接続される(
図8参照)。
【0061】
(2-6-2)支持部材に対する光源モジュールの取付工程
続いて、主部210の下面に光源モジュール20が取り付けられる。光源モジュール20は、係止片213と主部210の間の隙間に基板200が差し込まれ、かつ、位置決め片212によって位置決めされた状態で基板200が主部210にねじ止めされて主部210に取り付けられる(
図5及び
図9参照)。このとき、主部210に設けられた貫通孔を通して、光源モジュール20と電源ユニット5が電気的に接続される。
【0062】
(2-6-3)支持部材に対するカバーの取付工程
続いて、カバー22の長手方向の一端から、主部210の下面とカバー取付片214の間の隙間にカバー22の取付部222が挿入されることにより、カバー22が主部210に取り付けられる(
図9及び
図10参照)。なお、カバー22は、主部210のカバー取付片214に取付部222が引っ掛かっているだけであるから、主部210に対して、主部210の長手方向に沿って移動可能である。
【0063】
(2-6-4)エンド部材の取付工程
まず、シール部材7がカバーエンド部60に取り付けられる。そして、カバーエンド部60とエンドキャップ部61が結合される。続いて、エンドキャップ部61に固定具62が取り付けられる。
【0064】
上述のように組み立てられたエンド部材6が、支持部材21及びカバー22の長手方向の両端部に1つずつ取り付けられる。具体的には、固定具62の一部が、主部210の上面と一対の突起部215の間に差し込まれる。そして、固定板が支持部材21の主部210にねじ止めされる。
【0065】
また、カバーエンド部60及びシール部材7がカバー22内に挿入され、エンドキャップ部61によって支持部材21の長手方向の両端部が塞がれる。カバー22内に挿入されたシール部材7は、カバー22の前壁220及び側壁部211の内側面に密着することによってカバーエンド部60とカバー22の隙間を塞いでいる。
【0066】
上述のように支持部材21及びカバー22の長手方向の両端部にエンド部材6が1つずつ取り付けられることにより、光源ユニット2の組立が完了する。
【0067】
(2-7)照明器具の施工手順
次に、照明器具A1を天井に取り付ける施工作業の手順を説明する。施工作業を行う作業者は、天井に設けた穴から室内に引き出された電源ケーブル80を器具本体1の第1電線孔12に挿通する。また、作業者は、天井に設けた穴から室内に引き出された信号ケーブルを第2電線孔13に挿通する。そして、作業者は、天井から下に突出する2本のつりボルトを器具本体1の2つのボルト挿通孔14に1本ずつ挿通し、各つりボルトにナットを締め付けて器具本体1を天井に取り付ける。また、作業者は、電源ケーブル80を電源端子台15に接続する。
【0068】
続いて、作業者は、2つの取付具23の各取付部236に取り付けた2本のつり下げ部材24の結び目240を、器具本体1の2つの引掛穴18に1本ずつ引っ掛ける。これにより、作業者は、光源ユニット2を2本のつり下げ部材24でつり下げて器具本体1に仮固定する(
図13参照)。この状態で、作業者は、電源ユニット5のレセプタクルコネクタ55を器具本体1のプラグコネクタ16と接続する。さらに、作業者は、器具本体1の第2電線孔13に挿通した信号ケーブル81の信号線810を信号端子台52に接続する。すなわち、光源ユニット2を2本のつり下げ部材24で器具本体1に仮固定することにより、作業者による結線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0069】
そして、作業者は、結線作業の完了後、仮固定状態の光源ユニット2を両手で支えながら器具本体1に近付け、器具本体1の取付ばね30を支持部材21の一対の側壁部211の間に挿入する。このとき、案内部材40に側壁部211の先端が当たることにより、取付ばね30が一対の側壁部211の間に確実に挿入される。したがって、取付ばね30のばね片300が側壁部211の外側に出てしまい、ばね片300に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0070】
また、制限部材41によってばね片300の変形量(たわみ量)が制限されるので、ばね片300に過大な力が加わって塑性変形するような不具合の発生を防ぐことができる。
【0071】
一対の側壁部211の間に挿入された取付ばね30は、一対のばね片300のそれぞれの先端部分が各側壁部211の内側面の引掛部31に引っ掛かる(
図9参照)。つまり、光源ユニット2は、2つの取付ばね30と引掛部31からなる取付部材3によって器具本体1に取り付けられる(
図1及び
図2参照)。なお、作業者が光源ユニット2を下向きに引っ張れば、取付ばね30の先端部分が引掛部31から外れるので、光源ユニット2を器具本体1から取り外すことができる。
【0072】
(3)実施形態のその他の特徴
光源ユニット2は、取付部236の第1孔236Aと第2孔236Bが、主部210の長手方向(左右方向)に沿って並び、かつ、溝236Cが主部210の長手方向に対して傾くように配置されるという特徴を有している(
図11参照)。
【0073】
上記特徴によれば、取付部236が設けられる固定部230の長手寸法の増大を抑えつつ、取付部236の溝236Cを長くすることができる。溝236Cを長くすることにより、固定部230に信号端子台52を固定するまでの間に、つり下げ部材24が第1孔236Aまで移動して取付部236から脱落する可能性を低下させることができる。
【0074】
また、光源ユニット2は、信号端子台52、取付具23及びつり下げ部材24をそれ それ2つずつ備え、2つの取付具23がそれぞれ、主部210の長手方向(左右方向)に沿って並ぶように配置されるという特徴を有している(
図13参照)。
【0075】
光源ユニット2は、信号端子台52を2つ備えることにより、信号ケーブル81を別の光源ユニット2に送り配線することを可能としている。また、2つの取付具23を主部210の長手方向に沿って並ぶように配置することにより、2本のつり下げ部材24によって光源ユニット2を器具本体1にバランスよくつり下げることができる。その結果、光源ユニット2は、結線作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0076】
さらに、光源ユニット2は、2つの取付具23が、主部210の長手方向において、2つのつり下げ部材24のそれぞれの一端が器具本体1に取り付けられる位置よりも外側に配置されるという特徴を有している(
図13参照)。言い換えると、2つの取付具23の間隔は、器具本体1に設けられる2つの引掛穴18の間隔よりも広くなっている。
【0077】
上記特徴によれば、光源ユニット2が器具本体1につり下げられた状態において、前後方向から見て2本のつり下げ部材24が八の字状に配置されるので、信号端子台52に信号線を接続する際につり下げ部材24が作業の邪魔になりにくい(
図13参照)。
【0078】
また、光源ユニット2は、つり下げ部材24で器具本体1につり下げられた状態で主部210の短手方向(前後方向)の一方の端部が主部210の短手方向の他方の端部よりも低くなるように2つの取付具23が配置されるという特徴を有している(
図14参照)。つまり、固定部230において取付部236の第2孔236Bは、光源ユニット2の前後方向において光源ユニット2の重量バランスが不均衡となる(重心からずれる)位置に配置されている。
【0079】
しかして、光源ユニット2は、上記特徴を有し、光源ユニット2が水平方向に対して傾いた状態で器具本体1に仮固定されるので、結線作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0080】
ここで、取付具23は、一対の側壁部211のうちの一方(後方)の側壁部211よりも他方(前方)の側壁部211に近い位置に配置されている(
図8参照)。これにより、光源ユニット2は、各信号端子台52と後方の側壁部211の間に、電線54を通すための配線スペースを形成し(
図8参照)、電線54の配線作業の作業性の向上を図っている。
【0081】
また、照明器具A1は、器具本体1の底板10において、上下方向から見て光源ユニット2の電源ユニット5及び取付具23と重ならない位置に第2電線孔13を設けている(
図13参照)。これにより、照明器具A1は、第2電線孔13から引き込まれる信号ケーブル81が電源ユニット5及び信号端子台52などと接触しにくくして、器具本体1に光源ユニット2が取り付けられる際の作業性の向上を図ることができる。
【0082】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る光源ユニット(2)は、器具本体(1)に対して着脱可能に取り付けられる。第1の態様に係る光源ユニット(2)は、光源モジュール(20)と、光源モジュール(20)を支持する支持部材(21)と、外部の信号送信源に接続された信号線(810)が電気的に接続される1つ以上の信号端子台(52)とを備える。第1の態様に係る光源ユニット(2)は、信号端子台(52)を支持部材(21)に取り付けるための取付具(23)と、支持部材(21)を器具本体(1)からつり下げる1つ以上のつり下げ部材(24)とを備える。支持部材(21)は、表面(下面)に光源モジュール(20)が取り付けられ、裏面(上面)に取付具(23)が取り付けられる板状の主部(210)を有する。取付具(23)は、一端が器具本体(1)に取り付けられたつり下げ部材(24)の他端を取り付ける取付部(236)を有する。
【0083】
第1の態様に係る光源ユニット(2)は、つり下げ部材(24)によって器具本体(1)につり下げられることにより、器具本体(1)に対して仮固定される。そのため、第1の態様に係る光源ユニット(2)は、器具本体(1)に対して仮固定できない場合に比べて、信号端子台(52)に信号線(810)を接続する結線作業を含む結線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0084】
本開示の第2の態様に係る光源ユニット(2)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る光源ユニット(2)において、取付具(23)は、信号端子台(52)が固定される固定部(230)と、固定部(230)を主部(210)の裏面から離間した状態に保持する脚部(231)とを更に有することが好ましい。
【0085】
第2の態様に係る光源ユニット(2)は、固定部(230)と主部(210)の間につり下げ部材(24)の端(結び目240)が収まる程度の空間を形成することができる。
【0086】
本開示の第3の態様に係る光源ユニット(2)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る光源ユニット(2)において、つり下げ部材(24)は、少なくとも一方の端に結び目(240)が形成された紐体を有することが好ましい。取付部(236)は、第1孔(236A)、第2孔(236B)及び溝(236C)を有することが好ましい。第1孔(236A)は、結び目(240)よりも大きいことが好ましい。第2孔(236B)は、結び目(240)よりも小さいことが好ましい。溝(236C)は、第1孔(236A)と第2孔(236B)をつないで結び目(240)を第1孔(236A)から第2孔(236B)に移動可能とすることが好ましい。
【0087】
第3の態様に係る光源ユニット(2)は、結び目(240)が第1孔(236A)に挿入された後、溝(236C)に沿って第2孔(236B)まで移動させられることにより、つり下げ部材(24)が取付部(236)に取り付けられる。その結果、第3の態様に係る光源ユニット(2)は、工具を使わずにつり下げ部材(24)を取付具(23)に容易に取り付けることができる。
【0088】
本開示の第4の態様に係る光源ユニット(2)は、第3の態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係る光源ユニット(2)において、取付具(23)は、信号端子台(52)が固定される固定部(230)と、固定部(230)を主部(210)の裏面から離間した状態に保持する脚部(231)とを更に有することが好ましい。取付部(236)の第1孔(236A)は、固定部(230)に設けられ、固定部(230)に固定される信号端子台(52)によって塞がれることが好ましい。
【0089】
第4の態様に係る光源ユニット(2)は、固定部(230)に固定される信号端子台(52)によって、つり下げ部材(24)の取付部(236)からの脱落を抑制することができる。その結果、第4の態様に係る光源ユニット(2)は、つり下げ部材(24)の脱落を抑制するための別部品が不要であるので、部品点数の削減による製造コストの削減及び組立作業の作業性の向上を図ることができる。
【0090】
本開示の第5の態様に係る光源ユニット(2)は、第4の態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係る光源ユニット(2)において、主部(210)は長尺に形成されていることが好ましい。取付部(236)の第1孔(236A)と第2孔(236B)は、主部(210)の長手方向に沿って並び、かつ、溝(236C)が主部(210)の長手方向に対して傾くように配置されていることが好ましい。
【0091】
第5の態様に係る光源ユニット(2)は、取付部(236)が設けられる固定部(230)の長手寸法の増大を抑えつつ、取付部(236)の溝(236C)を長くすることができる。その結果、第5の態様に係る光源ユニット(2)は、固定部(230)に信号端子台(52)を固定するまでの間に、つり下げ部材(24)が第1孔(236A)まで移動して取付部(236)から脱落する可能性を低下させることができる。
【0092】
本開示の第6の態様に係る光源ユニット(2)は、第5の態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係る光源ユニット(2)は、信号端子台(52)、取付具(23)及びつり下げ部材(24)をそれぞれ2つずつ備えることが好ましい。2つの取付具(23)はそれぞれ、主部(210)の長手方向に沿って並ぶように配置されていることが好ましい。
【0093】
第6の態様に係る光源ユニット(2)は、2つの取付具(23)を主部(210)の長手方向に沿って並ぶように配置することにより、2つのつり下げ部材(24)によって器具本体(1)にバランスよくつり下げられることができる。その結果、第6の態様に係る光源ユニット(2)は、結線作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0094】
本開示の第7の態様に係る光源ユニット(2)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係る光源ユニット(2)において、2つの取付具(23)は、主部(210)の長手方向において、2つのつり下げ部材(24)のそれぞれの一端が器具本体(1)に取り付けられる位置よりも外側に配置されていることが好ましい。
【0095】
第7の態様に係る光源ユニット(2)は、2つの取付具(23)の間隔を、器具本体(1)に取り付けられた2つのつり下げ部材(24)の間隔よりも広くし、器具本体(1)につり下げられた状態において2つのつり下げ部材(24)を八の字状に配置できる。その結果、第7の態様に係る光源ユニット(2)は、信号端子台(52)に信号線(810)を接続する際につり下げ部材(24)が作業の邪魔になりにくい。
【0096】
本開示の第8の態様に係る光源ユニット(2)は、第6又は第7の態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係る光源ユニット(2)において、2つの取付具(23)は、2つのつり下げ部材(24)で器具本体(1)につり下げられた状態で主部(210)の短手方向の一方の端部が主部(210)の短手方向の他方の端部よりも低くなるように配置されていることが好ましい。
【0097】
第8の態様に係る光源ユニット(2)は、器具本体(1)に対して傾いた状態で仮固定されるので、結線作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
【0098】
本開示の第9の態様に係る光源ユニット(2)は、第1-第8のいずれの態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係る光源ユニット(2)において、支持部材(21)は、主部(210)の側端から主部(210)の裏面側に起立する一対の側壁部(211)を更に有することが好ましい。取付具(23)は、一対の側壁部(211)のうちの一方の側壁部(211)よりも他方の側壁部(211)に近い位置に配置されていることが好ましい。
【0099】
第9の態様に係る光源ユニット(2)は、信号端子台(52)と一方の側壁部(211)の間に配線スペースを形成して配線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0100】
本開示の第10の態様に係る照明器具(A1)は、第1-第9のいずれかの態様に係る光源ユニット(2)と、光源ユニット(2)が着脱可能に取り付けられる器具本体(1)とを備える。
【0101】
第10の態様に係る照明器具(A1)は、つり下げ部材(24)によって光源ユニット(2)を器具本体(1)につり下げることにより、器具本体(1)に対して光源ユニット(2)を仮固定する。そのため、第10の態様に係る照明器具(A1)は、器具本体(1)に対して光源ユニット(2)を仮固定できない場合に比べて、信号端子台(52)に信号線(810)を接続する結線作業を含む結線作業の作業性の向上を図ることができる。
【0102】
本開示の第11の態様に係る照明器具(A1)は、第10の態様との組合せにより実現され得る。第11の態様に係る照明器具(A1)は、主部(210)の裏面に取り付けられ、光源モジュール(2)に電力を供給する電源ユニット(5)を更に備えることが好ましい。電源ユニット(5)は、信号端子台(52)を介して信号線(810)と電気的に接続されることが好ましい。器具本体(1)は、信号線(810)が挿通可能な挿通孔(第2電線孔13)を、主部(210)の裏面と対向する方向から見て電源ユニット(5)及び取付具(23)と重ならない位置に有していることが好ましい。
【0103】
第11の態様に係る照明器具(A1)は、挿通孔から引き込まれる信号線(810)が電源ユニット(5)及び信号端子台(52)などと接触しにくくなるので、器具本体(1)に光源ユニット(2)が取り付けられる際の作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0104】
A1 照明器具
1 器具本体
2 光源ユニット
5 電源ユニット
13 第2電線孔(挿通孔)
20 光源モジュール
21 支持部材
23 取付具
24 つり下げ部材
52 信号端子台
210 主部
211 側壁部
230 固定部
231 脚部
236 取付部
236A 第1孔
236B 第2孔
236C 溝
240 結び目
810 信号線