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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ストラップ
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/30 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
A45C13/30 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020140333
(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公開番号】P2022035782
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】398018526
【氏名又は名称】株式会社吉田
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 賢一郎
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-069847(JP,A)
【文献】特開2009-165773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
A45C 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ調節可能に設けられたストラップであって、
一端側から他端側の長手方向に伸びる帯状の本体ストラップと、
前記本体ストラップの先端部分を通過させて、前記本体ストラップ折り返す折り返し部材と、
折り返された前記本体ストラップの第1折り返し部の前記先端部分は、一端側に向かって伸び、一旦他端側に向かって折り返されて第2折り返し部が設けられ、これにより、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との折り曲げ箇所には、第1折り曲げ部が設けられ、
さらに、前記第2折り返し部の他端側に向く前記先端部分は、一端側に向かって折り返されて、前記第2折り返し部と前記先端部分との折り曲げ箇所には、第2折り曲げ部が設けられ、
前記第2折り返し部において、前記第1折り曲げ部から他端側に向かう一定幅においては、前記先端部分および前記第2折り返し部は、前記第1折り返し部に固着され、
前記第2折り返し部において、前記第2折り曲げ部から一端側に向かう一定幅においては環状部を構成し、前記環状部の領域は、前記第1折り返し部には固着されずに把持部を構成し、
前記把持部の前記環状部には、前記本体ストラップの裏面側と前記環状部の内部とを通過する環状部材が設けられている、ストラップ。
【請求項2】
前記先端部分は、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間に位置する、請求項1に記載のストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向の長さ調節可能な構造を備えるストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、鞄10等に取付られるストラップ40は、着脱可能に設けられたバックルBK1,BK2に設けられた折り返し部でストラップ40の長さ調整が行なわれる。この際に、たとえば、バックルBK1からはみ出るストラップ40は余剰部分60となる。この余剰部分60は、鞄10の使用中には揺れたりすることから使用者1にとっては煩わしい箇所となる。
【0003】
長さ調節可能な構造を備えるストラップに関する発明が、特開2009-165773号公報(特許文献1)、特開2014-008172号公報(特許文献2)、および特開2015-077252号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-165773号公報
【文献】特開2014-008172号公報
【文献】特開2015-077252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ストラップの途中領域で生じる余剰部分を面ファスナで固定する技術が開示されている。特許文献2,3には、ストラップの先端に本体ストラップが通過する枠体を設け、この枠体に操作片を設ける構成が開示されているが、その構成は比較的複雑である。
【0006】
この発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、余剰部分が煩わしい箇所にならず、ストラップ全体の長さを容易に調節することのできる構造を備えるストラップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づくストラップは、長さ調節可能に設けられたストラップであって、以下の構成を備える。
【0008】
一端側から他端側の長手方向に伸びる帯状の本体ストラップと、上記本体ストラップの先端部分を通過させて、上記本体ストラップを折り返す折り返し部材と、折り返された上記本体ストラップの第1折り返し部の上記先端部分は、一端側に向かって伸び、一旦他端側に向かって折り返されて第2折り返し部が設けられ、これにより、上記第1折り返し部と上記第2折り返し部との折り曲げ箇所には、第1折り曲げ部が設けられている。
【0009】
さらに、上記第2折り返し部の他端側に向く上記先端部分は、一端側に向かって折り返されて、上記第2折り返し部と上記先端部分との折り曲げ箇所には、第2折り曲げ部が設けられ、上記第2折り返し部において、上記第1折り曲げ部から他端側に向かう一定幅においては、上記先端部分および上記第2折り返し部は、上記第1折り返し部に固着され、上記第2折り返し部において、上記第2折り曲げ部から一端側に向かう一定幅においては環状部を構成し、上記環状部の領域は、上記第1折り返し部には固着されずに把持部を構成し、上記把持部の上記環状部には、上記本体ストラップの裏面側と上記環状部の内部とを通過する環状部材が設けられている。
【0010】
他の形態においては、上記先端部分は、上記第1折り返し部と上記第2折り返し部との間に位置する。
【発明の効果】
【0011】
この開示によれば、余剰部分が煩わしい箇所にならず、ストラップ全体の長さを容易に調節することのできる構造を備えるストラップの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態のストラップを鞄に装着した状態を示す斜視図である。
図2】実施の形態のストラップの斜視図である。
図3】実施の形態のストラップの側面拡大図である。
図4】実施の形態のストラップの使用状態を示す第1図(短い状態)である。
図5】実施の形態のストラップの使用状態を示す第2図(長い状態)である。
図6】他の実施の形態のストラップの側面拡大図である。
図7】従来のストラップの長さ調整の課題を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に基づいた実施の形態のストラップについて、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0014】
図面を用いた説明において、説明の便宜上見える側を表側、隠れる側を裏側と表現しているが、表側はあくまでも一方側であり、裏側は他方側を意味するものであり、表裏の表現に限定して解釈されるものではない。
【0015】
(ストラップ20)
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるストラップ20について説明する。図1は、ストラップ20を鞄10に装着した状態を示す斜視図、図2は、ストラップ20の斜視図である。
【0016】
図1を参照して、本実施の形態におけるストラップ20は、典型的には、鞄10に設けられ、使用者1がストラップ20に設けられた後述の把持部26を用いて、ストラップ20の長さ調整を行なうことができる。よって、鞄10の形態は、図示するものに限定されず、様々な形態を有する公知の鞄に対して本実施の形態のストラップ20を適用することが可能である。
【0017】
図2を参照して、本実施の形態におけるストラップ20は、長手方向(図2中の矢印Lで示す方向)の長さ調節可能に設けられている。一端側から他端側の長手方向に伸びる帯状の本体ストラップ21の他端側においては、本体ストラップ21の先端部分24を通過させて、本体ストラップ21を折り返すようにしてバックルBK1が装着されている。
【0018】
本実施の形態では、このバックルBK1は、鞄10に設けられた他方のストラップ40に設けられたバックルBK2に着脱可能に装着される。バックルBK1については、これに限定されることなく、鞄に設けられた折り返し部材に本体ストラップ21を折り返すように挿通されていればよい。
【0019】
本体ストラップ21の第1折り返し部22の先端部分24は、一端側に向かって伸び、一旦他端側に向かって折り返されて第2折り返し部23が設けられる。第1折り返し部22と第2折り返し部23との折り曲げ箇所には、第1折り曲げ部P1が設けられる。
【0020】
さらに、第2折り返し部23の他端側に向く先端部分24は、第1折り返し部22と第2折り返し部23との間に一端側に向かって畳み込まれる。これにより、先端部分24は、第1折り返し部22と第2折り返し部23との間に位置する。第2折り返し部23と先端部分24との折り曲げ箇所には、第2折り曲げ部P2が設けられる。
【0021】
図3に示すように、第2折り返し部23は側面視において環状の形態を有し、第1折り曲げ部P1から他端側に向かう一定幅(A1)においては、先端部分24は、第1折り返し部22および第2折り返し部23によって挟み込まれ、縫製等により固着されている。他方、第2折り返し部23は、第2折り曲げ部P2から一端側に向かう一定幅(A2)においては、環状部を構成し、この環状部の領域は、第1折り返し部22には固着されていない。そのため、この環状部の領域は、第1折り返し部22に対して起き上がり可能であり、使用者1による把持部26を構成する。
【0022】
把持部26の環状部C1には、本体ストラップ21の裏面側と、この環状部C1の内部を通過する環状部材25(通称、コキカン)が設けられている。この環状部材25により、本体ストラップ21の表面側を把持部26がその長手方向に沿ってスライドすることが可能となる。
【0023】
図4および図5を参照して、使用者1は把持部26を持って本体ストラップ21の長手方向に沿って把持部26を移動させることにより、ストラップ20の全体長さを、使用者1の好適となる長さに容易に調節することが可能となる。
【0024】
第2折り曲げ部P2から一端側に向かう一定幅(A2)の長さ、および、環状部材25の形態は、本実施の形態に限定されることなく、鞄10のデザイン、ストラップ20のデザインに適合するように変更することが可能である。
【0025】
上記実施の形態では、第1折り曲げ部P1から他端側に向かう一定幅(A1)においては、先端部分24は、第1折り返し部22および第2折り返し部23によって挟み込まれ、縫製等により固着されているがこの構成には限定されない。
【0026】
たとえば、図6に示すように、先端部分24を第2折り返し部23の一端側に向かって、表面側に折り返すように環状部C1を構成して、この環状部C1の内部を通過するように環状部材25を設けても同様の作用効果を得ることができる。つまり、環状部C1を形成するように、先端部分24、第1折り返し部22および第2折り返し部23が縫製等により固着されていればよい。
【0027】
以上、本実施の形態のストラップ20によれば、本来余剰部分となるストラップの第1折り返し部22の先端部分に環状部C1を構成する把持部26が設けられ、この環状部C1には、本体ストラップ21の裏面側と環状部C1の内部とを通過する環状部材25が設けられている。その結果、第1折り返し部22は、常に本体ストラップ21側に固定された状態が維持される。これにより、第1折り返し部22が使用者1の邪魔になることなく、使用者1に対して第1折り返し部22(余剰部分)が煩わしい箇所になることがない。
【0028】
以上、各実施の形態において本開示のストラップについて説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0029】
10 鞄、 20 ストラップ、21 本体ストラップ、22 第1折り返し部、23 第2折り返し部、24 先端部分、25 環状部材、26 把持部、40 ストラップ、BK1(折り返し部材) バックル、C1 環状部、BK2 バックル、BK1 バックル、P1 第2折り曲げ部P2 折り曲げ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7