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特許7450267肉厚測定システム、肉厚測定方法、肉厚測定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】肉厚測定システム、肉厚測定方法、肉厚測定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/06 20060101AFI20240308BHJP
   G01N 27/90 20210101ALI20240308BHJP
【FI】
G01B7/06 M
G01N27/90
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020169559
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061566
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-08-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】時岡 良宜
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特許第6725778(JP,B1)
【文献】特開2017-194404(JP,A)
【文献】特開2003-172617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/06
G01N 27/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被測定箇所に誘導電流を発生させて各被測定箇所の肉厚を算出する肉厚測定システムであって、
送信コイル及び受信コイルを有し、互いに異なる前記被測定箇所に当接するように設置された複数のパルス電流プローブと、
前記複数のパルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの前記送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する測定制御部と、
前記送信コイルへのパルス電流の出力停止後、前記受信コイルに生じた誘導起電力を検出する誘導起電力検出部と、
検出された誘導起電力の継続時間を算出する減衰解析部と、
前記継続時間に基づいて、選択された前記1のパルス電流プローブが当接する前記被測定箇所の肉厚を算出する肉厚演算部と、
前記算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び前記被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶する記憶部と、
前記肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、前記複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する測定回数分配部と、
を備え、
前記肉厚演算部は、さらに、前記被測定箇所のそれぞれについて、前記記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、該コロージョンレートに基づいて前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出し、
前記測定回数分配部は、前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける前記残期間に基づいて、前記総回数を分配し、
前記測定制御部は、前記複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する、
肉厚測定システム。
【請求項2】
前記測定回数分配部は、前記残期間が短いほど、前記測定実行回数が多くなるように前記総回数を分配する、
請求項1に記載の肉厚測定システム。
【請求項3】
前記肉厚演算部は、さらに、前記被測定箇所のそれぞれについて、算出した肉厚に基づいて肉厚の変化率を算出し、
前記測定回数分配部は、前記残期間に加え、前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける前記コロージョンレート及び前記肉厚の変化率にも基づいて、前記総回数を分配する、
請求項1又は請求項2に記載の肉厚測定システム。
【請求項4】
前記測定回数分配部は、所定の見直し時期が到来する毎に前記総回数を分配しなおす請求項1~3のいずれかに記載の肉厚測定システム。
【請求項5】
前記測定制御部及び前記減衰解析部は、第一装置に設けられ、
前記肉厚演算部及び前記測定回数分配部は、前記第一装置と別個体の第二装置に設けられ、
前記第一装置は、前記継続時間を第二装置に送出可能に構成されている請求項1~4のいずれかに記載の肉厚測定システム。
【請求項6】
送信コイル及び受信コイルを有するパルス電流プローブを用いて、複数の被測定箇所に誘導電流を発生させて各被測定箇所の肉厚を算出する肉厚測定方法であって、
互いに異なる前記被測定箇所に当接するように設置された複数の前記パルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの前記送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する測定制御工程と、
前記送信コイルへのパルス電流の出力停止後、前記受信コイルに生じた誘導起電力を検出する誘導起電力検出工程と、
検出された誘導起電力の継続時間を算出する減衰解析工程と、
前記継続時間に基づいて、選択された前記1のパルス電流プローブが当接する前記被測定箇所の肉厚を算出する肉厚演算工程と、
前記算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び前記被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御工程と、
前記肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、前記複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する測定回数分配工程と、
を含み、
前記肉厚演算工程では、さらに、前記被測定箇所のそれぞれについて、前記記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、該コロージョンレートに基づいて前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出し、
前記測定回数分配工程では、前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける前記残期間に基づいて、前記総回数を分配し、
前記測定制御工程では、前記複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する、
肉厚測定方法。
【請求項7】
送信コイル及び受信コイルを有するパルス電流プローブを用いて被測定箇所に誘導電流を発生させて被測定箇所の肉厚を算出するコンピュータに、
互いに異なる前記被測定箇所に当接するように設置された複数の前記パルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの前記送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する測定制御機能と、
前記送信コイルへのパルス電流の出力停止後、前記受信コイルに生じた誘導起電力を検出する誘導起電力検出機能と、
検出された誘導起電力の継続時間を算出する減衰解析機能と、
前記継続時間に基づいて、選択された前記1のパルス電流プローブが当接する前記被測定箇所の肉厚を算出する肉厚演算機能と、
前記算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び前記被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御機能と、
前記肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、前記複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する測定回数分配機能と、
を実現させ、
前記肉厚演算機能では、さらに、前記被測定箇所のそれぞれについて、前記記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、該コロージョンレートに基づいて前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出し、
前記測定回数分配機能では、前記複数の被測定箇所のそれぞれにおける前記残期間に基づいて、前記総回数を分配し、
前記測定制御機能では、前記複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する、
肉厚測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パルス電流プローブを備え、被測定箇所に誘導電流を発生させて被測定箇所の肉厚を算出する肉厚測定システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
配管等の金属物品の被測定物の傷の有無や肉厚等を検査する方法として、電流を使用したパルス流探傷法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このパルス流探傷法を適用したパルス流探傷装置では、被測定物に電流(誘導電流)を発生させる。この電流によって、プローブ(受信コイル)に誘導起電力が発生する。そして、受信コイルに生じた誘導起電力(検出信号)を検出する。この検出信号に基づいて、傷の有無や肉厚の測定等が行われる。また、特許文献1に記載されているように、複数のプローブを用いて複数の被測定箇所の肉厚が測定されるシステムを構成するものもある。
【0003】
上述のような複数のプローブを用いて複数の被測定箇所の肉厚が測定される構成では、単位期間(例えば一日)あたりに測定を実行できる回数に上限がある。そのため、単位期間あたりの各被測定箇所での測定回数(測定実行回数)は一律に固定される。例えば、1回の測定に20分かかり、32台のプローブを用いて32の被測定箇所の測定を行う場合、1の被測定箇所の一日の測定回数は二回となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-164593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような複数のプローブを用いて複数の被測定箇所の肉厚が測定される構成において、単位期間あたりの各被測定箇所での測定回数が一律に固定される場合、被測定箇所のそれぞれの状態に応じて測定頻度が調整されない。例えば、複数の被測定箇所の中には、減肉が速い被測定箇所、遅い被測定箇所などが含まれる。そのため、測定回数が一律に固定される場合、減肉が速い被測定箇所に関し、他の被測定箇所よりも測定頻度を上げる等して精度よく肉厚の管理をすることが困難である。
【0006】
この発明は、複数の被測定箇所のそれぞれの肉厚の残期間に応じて、肉厚の測定頻度を調整する肉厚測定システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される肉厚測定システムは、複数の被測定箇所に誘導電流を発生させて各被測定箇所の肉厚を算出する。また、肉厚測定システムは、複数のパルス電流プローブ、測定制御部、誘導起電力検出部、減衰解析部、肉厚演算部、記憶部及び測定回数分配部を備える。複数のパルス電流プローブは、送信コイル及び受信コイルを有し、互いに異なる被測定箇所に当接するように設置される。測定制御部は、複数のパルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する。誘導起電力検出部は、送信コイルへのパルス電流の出力停止後、受信コイルに生じた誘導起電力を検出する。減衰解析部は、検出された誘導起電力の継続時間を算出する。肉厚演算部は、継続時間に基づいて、選択された1のパルス電流プローブが当接する被測定箇所の肉厚を算出する。記憶部は、算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶する。測定回数分配部は、肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する。また、肉厚演算部は、さらに、被測定箇所のそれぞれについて、記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、コロージョンレートに基づいて複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出する。測定回数分配部は、複数の被測定箇所のそれぞれにおける残期間に基づいて、総回数を分配する。測定制御部は、複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する。
【0008】
上記測定回数分配部は、残期間が短いほど、測定実行回数が多くなるように総回数を分配するようにしてもよい。
【0009】
上記肉厚演算部は、さらに、被測定箇所のそれぞれについて、算出した肉厚に基づいて肉厚の変化率を算出し、上記測定回数分配部は、残期間に加え、複数の被測定箇所のそれぞれにおけるコロージョンレート及び肉厚の変化率にも基づいて、総回数を分配するようにしてもよい。
【0010】
上記測定回数分配部は、所定の見直し時期が到来する毎に総回数を分配しなおすようにしてもよい。
【0011】
上記測定制御部及び減衰解析部は、第一装置に設けられ、上記肉厚演算部及び測定回数分配部は、第一装置と別個体の第二装置に設けられ、第一装置は、継続時間を第二装置に送出可能に構成されるようにしてもよい。
【0012】
本発明の第2の側面によって提供される肉厚測定方法は、送信コイル及び受信コイルを有するパルス電流プローブを用いて、複数の被測定箇所に誘導電流を発生させて各被測定箇所の肉厚を算出する肉厚測定方法であって、互いに異なる被測定箇所に当接するように設置された複数のパルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する測定制御工程と、送信コイルへのパルス電流の出力停止後、受信コイルに生じた誘導起電力を検出する誘導起電力検出工程と、検出された誘導起電力の継続時間を算出する減衰解析工程と、継続時間に基づいて、選択された1のパルス電流プローブが当接する被測定箇所の肉厚を算出する肉厚演算工程と、算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御工程と、肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する測定回数分配工程と、を含む。肉厚演算工程では、さらに、被測定箇所のそれぞれについて、記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、コロージョンレートに基づいて複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出し、測定回数分配工程では、複数の被測定箇所のそれぞれにおける残期間に基づいて、総回数を分配し、測定制御工程では、複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する。
【0013】
本発明の第3の側面によって提供される肉厚測定プログラムは、送信コイル及び受信コイルを有するパルス電流プローブを用いて被測定箇所に誘導電流を発生させて被測定箇所の肉厚を算出するコンピュータに、互いに異なる被測定箇所に当接するように設置された複数のパルス電流プローブのうちから選択した1のパルス電流プローブの送信コイルに対して、パルス電流が出力されるように制御する測定制御機能と、送信コイルへのパルス電流の出力停止後、受信コイルに生じた誘導起電力を検出する誘導起電力検出機能と、検出された誘導起電力の継続時間を算出する減衰解析機能と、継続時間に基づいて、選択された1のパルス電流プローブが当接する被測定箇所の肉厚を算出する肉厚演算機能と、算出された肉厚を、少なくとも測定時期及び被測定箇所を特定する識別情報と関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御機能と、肉厚を算出する測定を実行する単位期間あたりの総回数を、複数のパルス電流プローブのそれぞれに分配する測定回数分配機能と、を実現させる。また、肉厚演算機能では、さらに、被測定箇所のそれぞれについて、記憶部に記憶されている肉厚のデータに基づいて肉厚の減少速度であるコロージョンレートを算出し、コロージョンレートに基づいて複数の被測定箇所のそれぞれにおける使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間を算出し、測定回数分配機能では、複数の被測定箇所のそれぞれにおける残期間に基づいて、総回数を分配し、測定制御機能では、複数のパルス電流プローブに分配された測定実行回数に基づいて、パルス電流の出力を制御する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、少なくとも被測定箇所の使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間に応じて、所定期間あたりの複数の被測定箇所のそれぞれの肉厚の測定頻度(回数)が調整されるので、減肉が速い被測定箇所に関して測定頻度を上げる等して精度よく肉厚の管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムの概要を示す斜視図である。
図2】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムの構成図である。
図3】誘導起電力の減衰曲線の一例を示す図である。
図4】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムで用いられる換算テーブルの一例を示す図である。
図5】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムで用いられる回数決定テーブルの一例を示す図である。
図6】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムで用いられる測定回数テーブルの一例を示す図である。
図7】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムで用いられる測定回数テーブルの一例を示す図である。
図8】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムで用いられる測定回数テーブルの一例を示す図である。
図9】この発明の実施形態に係る肉厚測定システムの測定回数分配部の分配処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照してこの発明の実施形態に係る肉厚測定システム(肉厚測定方法、肉厚測定プログラム)について説明する。なお、この発明の構成は、実施形態に限定されるものではない。また、以下で説明するフローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0017】
図1は、この発明の実施形態に係る肉厚測定システム1の概要を示す図である。図2は、この発明の実施形態に係る肉厚測定システムの構成図である。本実施形態の肉厚測定システム(測定システム)1は、化学プラント等に設置された配管(被測定物)Pの肉厚を測定する。
【0018】
測定システム1は、順々に、各被測定箇所の肉厚測定を行う。本実施形態では、測定システム1は、毎日、測定実行回数が充足されるように、各被測定箇所の肉厚測定を行う。測定実行回数は、被測定箇所の一日あたりの肉厚測定を実行する回数であり、複数の被測定箇所のそれぞれに対して設定されている(図8の測定回数テーブル参照)。
【0019】
また、測定システム1は、各被測定箇所の測定実行回数(測定頻度)を、各被測定箇所の残期間等に基づいて決定する(調整する)。具体的には、測定システム1は、測定システム1が一日(単位期間)あたりに肉厚測定することができる総回数を、各被測定箇所の残期間等に基づいて分配することで、各被測定箇所の測定実行回数を決定する。詳細は後述する。本実施形態では、上述の総回数を48回とし、12の被測定箇所に対して肉厚測定を行う場合を例として説明する。残期間は、使用不可となる肉厚に到達するまでの被測定箇所の残期間である。
【0020】
測定システム1は、複数のパルス電流プローブ2、ハブ端末3(第一装置の例)及びサーバ装置4(第二装置の例)等を備える。
【0021】
複数のパルス電流プローブ2は、配管Pに設定されたそれぞれ異なる被測定箇所(配管Pの外周面)に当接するように設置されている。例えば、図1に示すように、12台のパルス電流プローブ2が設置されている。複数のパルス電流プローブ2とハブ端末3とは有線接続されており、接続線Lを介して電力供給及び情報通信が行われる。ハブ端末3とサーバ装置4とは、互いに無線通信可能に構成されている。
【0022】
パルス電流プローブ2は、図2に示すように、送信コイル21、受信コイル22及びマイクロコントローラ23等を有する。マイクロコントローラ23の給電制御部231は、ハブ端末3の測定制御部311からの制御信号に従って、送信コイル21にパルス電流を流すように制御する。具体的には、給電制御部231は、上記制御信号に従って一定期間だけパルス電流を流すように制御する。送信コイル21へのパルス電流が遮断されると、急激な磁界変化によって、パルス電流プローブ2が当接する被測定箇所に誘導電流(電流)が発生する。
【0023】
受信コイル22は、被測定箇所で発生した誘導電流による磁界によって、誘導起電力を発生させる。誘導起電力検出部232は、パルス電流の出力停止後、受信コイル22に生じた誘導起電力を電圧信号(検出信号)として検出する。誘導起電力検出部232は、受信コイル22における電圧信号の検出を所定期間継続し、記憶部(不図示)に記憶させる。検出される誘導起電力の減衰曲線の例を図3に示す。図3は、誘導起電力の減衰曲線の一例を示す。
【0024】
なお、パルス電流プローブ2の各個体は、識別情報Idにより識別される。識別情報Idは、例えば、ハブ端末3から近い順に01、02、03、…としてディップスイッチを用いて設定可能である。また、各パルス電流プローブ2の識別情報Idは、被測定箇所を特定する識別情報でもある。以下の説明では、識別情報Idにより特定されるパルス電流プローブ2が設置された被測定箇所を、単に識別情報Idにより特定される被測定箇所という場合がある。
【0025】
なお、以下の説明では、給電制御部231が送信コイル21にパルス電流を流すように制御し、誘導起電力検出部232が受信コイル22に生じた誘導起電力を検出する一連の動作を、「測定を実行する」という場合がある。
【0026】
次に、ハブ端末3について説明する。ハブ端末3は、ハブ側演算装置31及びハブ側通信部32等を有する。ハブ側演算装置31は、測定制御部311及び減衰解析部312を含む。ハブ側演算装置31は、例えばマイクロコントローラとして実装される。ハブ端末3は、電源(不図示)から電力供給を受けて動作するとともに、各パルス電流プローブ2に電力を供給する。
【0027】
測定制御部311は、複数のパルス電流プローブ2のうち、いずれのパルス電流プローブ2を用いた肉厚測定を実行するかを制御する。測定制御部311は、サーバ装置4の測定回数分配部412により算出された測定実行回数に基づいて、パルス電流プローブ2を制御する。測定制御部311は、各パルス電流プローブ2に分配された測定実行回数が充足されるように、複数のパルス電流プローブ2の送信コイル21に順次パルス電流が流れるようにパルス電流プローブ2を制御する。
【0028】
測定制御部311は、測定実行回数が充足されるように、複数のパルス電流プローブ2のうちから1のパルス電流プローブ2を選択する。その後、測定制御部311は、選択した1のパルス電流プローブ2にパルス電流が流れるように指示する制御信号を発信する。すなわち、上記選択した1の電流プローブ2を用いた肉厚測定が開始される。制御信号には、選択された1のパルス電流プローブ2を識別する識別情報Idの情報が含まれる。選択された1のパルス電流プローブ2のマイクロコントローラ23は、識別情報Idに基づいて当該制御信号が自身宛であることを認識し、送信コイル21にパルス電流を流す制御を実行する。
【0029】
減衰解析部312は、検出された誘導起電力(検出信号)を誘導起電力検出部232から取得し、検出信号の継続時間τを算出する。図3に示すように、誘導起電力は、t-n(tは時間)に比例する曲線部分(急激な減衰を示す曲線部分)S2と、t-nから外れる曲線部分(緩やかな減少を示す曲線部分)S1とに区分される。減衰解析部312は、減衰曲線の形状を解析して曲線部分S1と曲線部分S2との境界の時刻を特定し、これに基づいて継続時間τを決定する。
【0030】
なお、継続時間τを決定するための演算処理は、比較的演算負荷が大きい。そのため、減衰解析部312の演算速度によって測定システム1全体の能力(単位期間あたりの肉厚測定を実行できる回数)が決定づけられる。例えば、一日あたりに実行できる肉厚測定の回数(総回数)の最大(上限)は、減衰解析部312が一回あたりの演算処理に要する時間で24時間(1440分)を除した値になる。
【0031】
ハブ側通信部32は、サーバ装置4のサーバ側通信部43と無線通信可能に構成される。ハブ側通信部32は、減衰解析部312が算出した継続時間τに、測定制御部311が選択した1のパルス電流プローブ2を特定する識別情報Id及び測定日時(肉厚の算出に用いられた継続時間τを測定した日時。)を付して、サーバ装置4に送出する。また、測定回数分配部412が決定した各パルス電流プローブ2の測定実行回数を表す測定回数テーブルを受信する。
【0032】
次に、サーバ装置4について説明する。サーバ装置4は、サーバ側演算装置41、記憶部42及びサーバ側通信部43等を有する。サーバ側演算装置41は、肉厚演算部411及び測定回数分配部412を含む演算装置である。サーバ側演算装置41は、例えばCPUとして実装される。
【0033】
記憶部42には、肉厚測定の測定結果等が記憶されている。例えば、記憶部42には、肉厚演算部411により算出された肉厚Tc及び継続時間τが、被測定箇所(パルス電流プローブ2)を特定する識別情報Id及び測定日時に関連付けられて記憶されている。すなわち、各被測定箇所の過去の測定データが累積記憶されている。また、例えば、記憶部42には、それぞれの被測定箇所について当初肉厚及T0び下限肉厚Tsが記憶されている。当初肉厚T0は、配管Pが設置された当初の被測定箇所の肉厚である。下限肉厚Tsは、使用不可となる下限の肉厚である。当初肉厚及T0び下限肉厚Tsは、識別情報Idに関連付けられている。
【0034】
サーバ側通信部43は、ハブ端末3のハブ側通信部32と無線通信可能に構成にされる。サーバ側通信部43は、各パルス電流プローブ2の測定実行回数のデータが含まれる測定回数テーブルをハブ端末3に送出する。また、ハブ端末3から継続時間τを受け取る。
【0035】
肉厚演算部411は、ハブ端末3から送出された継続時間τに基づいて、識別情報Idにより特定される被測定箇所の肉厚Tcを算出する。具体的には、継続時間τと肉厚とがおおむね比例関係にあることに基づいて肉厚Tcを算出する。算出された肉厚Tcは、識別情報Id及び測定日時と関連付けられて記憶部42に記憶される。なお、肉厚Tcの算出タイミングは、例えば継続時間τの受信時とすればよい。また、測定時期である測定日時は、肉厚の算出に用いられた継続時間τを測定した日時が用いられているが、パルス電流プローブ2(送信コイル21)に電流を供給開始した日時等の肉厚測定の測定時期を特定可能な時期であれば任意の構成を採用可能である。また、測定時期は、日にち及び時刻に限定されるものではなく、例えば日にちだけであってもよい。
【0036】
また、肉厚演算部411は、複数の被測定箇所のそれぞれのコロージョンレートCRcを算出する。コロージョンレートCRcは、肉厚の減少速度である。コロージョンレートCRcは、例えば、一年あたりの肉厚減少量である(mm/y)で表される。肉厚演算部411は、例えば、直近の1か月間又は3カ月間の過去複数回の肉厚測定によって算出された肉厚Tcに基づいてコロージョンレートCRcを算出する。算出されたコロージョンレートCRcは、識別情報Id及び算出された日時に関連付けられて記憶部42に記憶される。
【0037】
さらに、肉厚測定演算部411は、複数箇所の被測定箇所のそれぞれについて、当初肉厚T0、下限肉厚Ts及び現状の肉厚Tcに基づく肉厚の変化率Tdを算出する。変化率Tdは、以下の式(1)により与えられる。現状の肉厚Tcは、算出された肉厚Tcのうち最新(直近)の肉厚が用いられる。算出された変化率Tdは、識別情報Id及び算出された日時に関連付けられて記憶部42に記憶される。
【0038】
Td(%)=100×Tc/T0・・(1)
【0039】
さらに、肉厚測定演算部411は、複数の被測定箇所のそれぞれについて、下限肉厚Ts、コロージョンレートCRc及び現状の肉厚Tcに基づく残年数(残期間)Yrを算出する。残年数Yrは、被測定箇所が使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間である。なお、残年数Yrに限らず、残日数、残時間等を残期間として用いてもよい。残年数Yrは、以下の式(2)により与えられる。現状の肉厚Tcは、算出された肉厚Tcのうち最新(直近)の肉厚が用いられる。算出された残年数Yrは、識別情報Id及び算出された日時に関連付けられて記憶部42に記憶される。
【0040】
Yr(year)=(Tc-Ts)/CRc・・(2)
【0041】
上述のコロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrは、例えば、肉厚Tcが算出される毎に更新(算出)される。
【0042】
次に、測定回数分配部412は、複数のパルス電流プローブ2(被測定箇所)のそれぞれについて、一日あたりの肉厚測定を実行する回数(測定実行回数)を決定する。測定回数分配部412は、測定システム1が一日あたりに肉厚測定することができる総回数を、複数のパルス電流プローブ2のそれぞれに分配することで、各被測定箇所の測定実行回数を決定する。したがって、測定システム1の上記総回数に変動はない。本実施形態では、総回数48回を、12のパルス電流プローブ2に分配する。
【0043】
測定回数分配部412は、複数の被測定箇所のそれぞれのコロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrに基づいて、総回数の分配を行う。例えば、下記の式(3)により与えられる優先度パラメータA(i)を用いて総回数の分配が行われる。
【0044】
A(i)=Wcr×Kcr(i)+Wtd×Ktd(i)+Wyr×Kyr(i)・・(3)
【0045】
iは、パルス電流プローブ2の識別情報Idを意味する。また、Wcr、Wtd、Wyrは、重み係数である。0<Wcr、Wtd、Wyr≦1.0であり、重要視したい項目の重み係数を大きく設定すればよい。Kcr(i)、Ktd(i)、Kyr(i)は、コロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrの値に対するスコアである。スコアは、換算テーブルを用いて算出される。
【0046】
図4は、スコア換算テーブルの一例を示す図である。スコア換算テーブルは、記憶部42に記憶されている。スコア換算テーブルには、コロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrの各値に対して、1~10までのいずれかのスコアが設定されている。測定回数分配部412は、1の被測定箇所に対して、最新(直近)のコロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrを記憶部42から取得する。そして、スコア換算テーブルを参照しつつ、上述の式(3)を用いて上記1の被測定箇所の優先度パラメータA(i)を算出する。そして、測定回数分配部412は、全てのパルス電流プローブ2(被測定箇所)について、優先度パラメータA(i)を算出する。
【0047】
次に、測定回数分配部412は、図5に示すような回数決定テーブルを用いて、優先度パラメータA(i)に基づいて測定実行回数を決定する。図5は、回数決定テーブルの一例を示す図である。回数決定テーブルは、記憶部42に記憶されている。回数決定テーブルには、優先度パラメータA(i)のスコアに対して、4~8までの測定実行回数が設定されている。
【0048】
測定回数分配部412は、最初に、パルス電流プローブ2の識別情報Id、優先度パラメータA(i)及び測定実行回数が関連付けられたデータを、優先度パラメータA(i)の大きい順に並べた図6に示すような測定回数テーブルを生成する。図6に例示した測定回数テーブルでは、全ての測定実行回数に初期値である4が設定されている。次に、測定回数分配部412は、優先度パラメータA(i)>4.0の識別情報Idの測定実行回数を、回数決定テーブルに基づいて変更する(増加させる)。これにより、測定回数決定テーブルは、図6に示す状態から図7に示す状態に更新される。すなわち、識別情報Id:11,10,00の測定実行回数が4から5,6,7に変更される。
【0049】
次に、測定回数分配部412は、上記変更によって増加した回数だけ、優先度パラメータA(i)≦4.0の識別情報Idの測定実行回数を減少させる。例えば、優先度パラメータA(i)の値の小さい順に1ずつ測定実行回数を減少させていく。図7の例では、識別情報Id:11,10,00の測定実行回数の増加回数が6であるので、図8に示すように、識別情報Id:01~06までの各測定実行回数が4から3に変更される。上記の処理によって測定回数テーブルの生成が完了し、記憶部42に記憶される。
【0050】
なお、測定実行回数の増加回数が多く、優先度パラメータA(i)≦4.0の測定実行回数を1ずつ減少させるだけでは足りない場合、再び優先度パラメータA(i)の値の小さい順に1ずつ測定実行回数を減少させていけばよい。例えば、増加回数が10の場合、図7に示す識別情報Id:01~09までの測定実行回数を4から3に変更し、さらに。識別情報Id:01の測定実行回数を3から2に変更すればよい。
【0051】
上述したように、測定回数分配部412は、被測定箇所の一日あたりの測定実行回数:4回(初期値)を、総回数が維持された状態で、優先度パラメータA(i)に基づいて増減させることで測定実行回数を調整する。また、図4に示すように、残期間が短いほど、測定実行回数が多くなるように調整される。ただし、いずれの被測定箇所も一日あたりの測定実行回数≧1となるように制御される。
【0052】
なお、測定制御部311は、例えば、選択した1の電流プローブ2において測定を1回実行した場合、次の電流プローブ2を選択して測定を実行すればよい。例えば、識別情報Idの順に1の電流プローブ2を選択していけばよい。そして、複数の電流プローブ2の測定が一巡した後、2回目の測定を順次行っていけばよい。また、測定制御部311は、測定を実行した電流プローブ2に対応する測定回数テーブルの測定実行回数を1だけ減少させていく。
【0053】
図9は、測定分配部412が実行する分配処理のフローチャートである。分配処理では、上述したように、複数のパルス電流プローブ2(被測定箇所)のそれぞれについて、一日あたりの肉厚測定を実行する回数(測定実行回数)が決定される。すなわち、分配処理では、図8に示すような測定回数テーブルが生成される。
【0054】
サーバ装置4(測定分配部412)は、所定の見直し時期が到来する毎に分配処理を実行し、翌日の測定回数テーブルを生成する。例えば、一日1回の所定時刻(例えば23時)の到来毎に分配処理が実行される。測定制御部311は、当日の測定回数テーブルを参照して肉厚測定を実行すればよい。
【0055】
分配処理において、測定分配部412は、最初に、算出処理を実行する(ステップS10)。算出処理では、上述したように、コロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yr等を用いて、全てのパルス電流プローブ2(被測定箇所)の優先度パラメータA(i)が算出される。コロージョンレートCRc、肉厚の変化率Td及び残年数Yrは、記憶部42に記憶されている最新(直近)の値が用いられる。
【0056】
次に、測定分配部412は、テーブル生成処理を実行する(ステップS11)。テーブル生成処理では、上述したように、測定回数テーブルが生成される。具体的には、識別情報Id、優先度パラメータA(i)及び測定実行回数(初期値)が関連付けられたデータが、優先度パラメータA(i)の大きい順に並べられた図6に示すような測定回数テーブルが生成される。
【0057】
その後、測定分配部412は、決定処理を実行する(ステップS12)。決定処理では、上述したように、回数決定テーブル及び優先度パラメータA(i)等に基づいて、測定回数テーブルの各測定実行回数が変更(増減)され、図8に示すような回数決定テーブルが生成される。そして、回数決定テーブルは、記憶部42に記憶される。これにより、全てのパルス電流プローブ2(被測定箇所)の測定実行回数が決定される。その後、測定分配部412は、分配処理を終了する。
【0058】
以上のように、少なくとも被測定箇所の使用不可となる肉厚に到達するまでの残期間に応じて、所定期間あたりの複数の被測定箇所のそれぞれの肉厚の測定頻度(回数)が調整されるので、減肉が速い被測定箇所に関して測定頻度を上げる等して精度よく肉厚の管理をすることができる。
【0059】
なお、上述の実施形態の測定回数分配部は、コロージョンレート、肉厚の変化率及び残年数に基づいて総回数の分配を行っているが、少なくとも残年数(残期間)に基づいて総回数の分配を行えばよい。この場合、例えば、残年数のみに基づく優先度パラメータを参照し、上述と実施形態と同様に測定実行回数を決定すればよい。例えば、残期間が短いほど、測定実行回数が多くなるように測定実行回数を決定すればよい。
【0060】
上述の実施形態の測定回数分配部は、所定の見直し時期として一日に1回、分配処理を実行して測定回数テーブルを生成(測定実行回数を決定)しているが、特にこれに限定されるものではない。上記所定の見直し時期は、任意の時期を設定可能である。
【0061】
上述の実施形態では、単位期間あたりの肉厚測定の総回数として一日あたりの総回数が用いられているが、特にこれに限定されるものではない。総回数の単位期間は、任意の期間(例えば、12時間、二日)を設定可能である。また、単位期間あたりの肉厚測定の総回数は、測定システムが所定期間あたりに実行できる肉厚測定の回数の上限の範囲内で任意に設定可能である。
【0062】
上述の実施形態の肉厚測定システムは、複数のパルス電流プローブ、ハブ端末及びサーバ装置等を備える構成を説明したが、特にこれに限定されるものではない。肉厚測定システムにおける給電制御部及び測定制御部等の各部を設ける機器の振り分けは任意である。例えば、給電制御部、誘導電流検出部及び測定制御部をハブ端末(第一装置)に設け、減衰解析部、肉厚演算部及び測定回数分配部をサーバ装置(第二装置)に設けてもよい。また、給電制御部、誘導起電力検出部、測定制御部、減衰解析部、肉厚演算部及び測定回数分配部を全て一台の装置に設けてもよい。
【0063】
上述の実施形態では、パルス電流プローブとハブ端末とが有線接続され、ハブ端末3とサーバ装置とが無線通信可能に構成されていたが、特にこれに限定されるものではない。装置間の通信接続は、有線接続であっても無線接続であってもよい。例えば、パルス電流プローブとハブ端末との間で無線通信を可能にする無線通信モジュールを設けてもよい。この場合、パルス電流プローブに電力供給用のバッテリを搭載すればよい。
【0064】
上述の実施形態では、パルス電流プローブ等を有する肉厚測定システムを例として説明したが、上述の実施形態と同様の機能をコンピュータに実行させるプログラムでもありうる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明は、複数の被測定箇所に誘導起電力を発生させて被測定箇所の肉厚を算出する肉厚測定システム等において、被測定箇所のそれぞれの肉厚の残期間に応じて、肉厚の測定頻度を調整するのに有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 肉厚測定システム
2 パルス電流プローブ
3 ハブ端末
4 サーバ装置
21 送信コイル
22 受信コイル
232 誘導起電力検出部
311 測定制御部
411 肉厚演算部
412 測定回数分配部
P 配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9