(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】推進装置及びそのような推進装置の着陸を制御するための関連した方法
(51)【国際特許分類】
B64D 45/04 20060101AFI20240308BHJP
B64C 17/02 20060101ALI20240308BHJP
B64C 25/32 20060101ALI20240308BHJP
B64C 29/00 20060101ALI20240308BHJP
B64U 60/50 20230101ALI20240308BHJP
【FI】
B64D45/04 B
B64C17/02
B64C25/32
B64C29/00 B
B64U60/50
(21)【出願番号】P 2022552445
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(86)【国際出願番号】 FR2021050348
(87)【国際公開番号】W WO2021176172
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518356305
【氏名又は名称】ジップエール
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フランキー ザパタ
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030431(JP,A)
【文献】特開2018-024431(JP,A)
【文献】特表2019-510690(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0204182(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0257318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 15/02
B64C 17/02
B64C 25/00
B64C 29/00
B64D 45/04
B64U 60/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進装置(10)
の着陸を制御するための方法であって、
前記推進装置(10)は、
台(11)と、
推力ユニット(12)と、
前記推力ユニット(12)を保持及び支持するように設けられ、1つ以上
の機械的リンクを介して前記台(11)と一体的に協働する支持手段(14)と、
機械的リンクを介して前記台(11)と一体的に協働する
格納式の突出手段(17)と、
前記突出手段と関連付けられたアクチュエータ(17a)と、
前記推進装置(10)の慣性中心を通る中央脚部(18)と、
近接センサ(18s)と、
アクチュエータの電気的命令(C17a)を生成するように設計された処理ユニット(30)と、を含み、
それぞれのアクチュエータ(17a)は、それぞれ、前記突出手段(17)の並進運動を共同して又は個別に引き起こすように設けられ、
前記中央脚部(18)は
、機械的リンクを介して、その近位端部で、前記台(11)と一体的に協働し、前記突出手段(17)と前記中央脚部(18)は、前記中央脚部(18)が前記推進装置(10)と前記
推進装置(10)を受けるための
受け面(G)との間の最初の接触を提供することができるように互いに設けられ
、
前記近接センサ(18s)は、前記近接センサ(18s)と前記受け面(G)との間の距離(d)を表す測定値(M18s1、M18s2)を送るように設けられ、
前記方法は前記推進装置(10)の前記処理ユニット(30)によって実行され、前記方法は、
a.前記近接センサ(18s)によって送られた前記近接センサ(18s)と前記受け面(G)との間の距離の第1測定値(M18s2)を受け取って第1所定閾値(MS2)と比較するステップ(S30)と、
b.前記近接センサ(18s)と前記受け面(G)との間の距離の前記第1測定値(M18s2)が前記第1所定閾値(MS2)に達した場合に、前記突出手段(17)と関連付けられた前記アクチュエータ(17a)の電気的命令(C17a)を準備して送り、前記突出手段(17)の共同又は個別の展開を引き起こすステップ(S50)と、を備えることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記処理ユニットが前記方法を実行する前記推進装置(10)が、前記中央脚部(18)と協働するアクチュエータ(18a)を備える場合、この中央脚部(18)は格納式であり、前記アクチュエータ(18a)は前記中央脚部(18)の並進運動を引き起こすように設けられ、前記方法は、前記近接センサ(18s)によって送られた前記近接センサ(18s)と前記受け面(G)との間の距離の第1測定値(M18s2)を受け取って第1所定閾値(MS2)と比較するステップ(S30)の前に、2つのステップ、
a.前記近接センサ(18s)によって送られた前記近接センサ(18s)と前記受け面(G)との間の距離(d)の第2測定値(M18s1)を、受け取り、前記第1所定閾値(MS2)より厳密に大きい第2所定閾値(MS1)と比較するステップ(S10)と、
b.前記第
2測定値(M18s1)が前記第2所定閾値(MS1)に達した場合、前記中央脚部(18)と関連付けられた前記アクチュエータ(18a)
の電気的命令(C18a)を準備して送り、前記中央脚部(18)の展開を引き起こすステップ(S20)と、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記突出手段(17)は、第1突出手段(17)、第2突出手段(17)、第3突出手段(17)、及び第4突出手段(17)を含み、
前記突出手段(17)と関連付けられた前記アクチュエータ(17a)は、前記第1突出手段(17)と関連付けられたアクチュエータ、前記第2突出手段(17)と関連付けられたアクチュエータ、並びに前記第3突出手段及び前記第4突出手段(17)と関連付けられたアクチュエータを含み、
前記突出手段(17)と関連付けられた前記アクチュエータ(17a)
の電気的命令(C17a)を準備して送り、前記突出手段(17)の共同又は個別の展開を引き起こすステップ(S50)は、前記突出手段(17)の個別の展開の場合、
a.
前記第1突出手段(17)と関連付けられ
たアクチュエータ
の電気的命令を準備して送り、前記第1突出手段(17)の展開を引き起こす第1サブステップ(S51)と、
b.
前記第2突出手段(17)と関連付けられ
たアクチュエータ
の電気的命令を準備して送り、前記第2突出手段(17)の展開を引き起こす第2サブステップ(S52)と、
c.
前記第3
突出手段(17)及び
前記第4突出手段(17)と関連付けられ
たアクチュエータ
の電気的命令を準備して送り、前記第3
突出手段(17)及び
前記第4突出手段(17)のそれぞれの展開を引き起こす第3サブステップ(S53)と、からなる3つのサブステップを含み得る、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記処理ユニットが前記方法を実行する前記
推進装置(10)
が前記推力ユニット(12)
の命令手段(12m)をさらに
備える場合、前記方法は、前記第
1測定値(M18s2)が前記第1所定閾値(MS2)に達した場合に、前記突出手段(17)と関連付けられた前記アクチュエータ(17a)
の電気的命令(C17a)を準備して送るステップ(S50)の後に又はそれと一緒に
さえ行われ、前記推力ユニット(12)
の前記命令手段(12m)
の命令(C12m´)を準備して送り、安定化推力反転を生成するステップ(S41)を含む、
請求項1から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記突出手段(17)が展開されて前記受け面(G)に接触して安定した場合に
、前記中央脚部(18)と関連付けられた前記アクチュエータ(18a)
の電気的命令(C18a´)を準備して送り、前記中央脚部(18)の引っ込みを可能にするステップ(S42)を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記突出手段(17)が展開されて前記受け面(G)に接触して安定した場合に、前記推力ユニット(12)
の前記命令手段(12m)
の命令(C12m´)を準備して送り、前記推力ユニット(12)の停止を引き起こすステップ(S60)を含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項7】
処理ユニット(30)を備え、前記処理ユニット(30)
が請求項
1から
6の何れかに記載
の方法
に従ってアクチュエータの電気的命令(C17a)を準備するように設けられる
、推進装置(10)。
【請求項8】
前記台(11)は1人以上の搭乗者を受け入れるように設けられる、請求項
7に記載の推進装置
(10)。
【請求項9】
前記推力ユニット(12)は、実質的に垂直な離着陸能力を供給するような方向に向けられた、結果として生じる推力を供給するように設けられる、請求項
7又は8に記載の推進装置
(10)。
【請求項10】
ユーザの身振りによる合図を前記中央脚部(18)及び/又は前記突出手段(17)又は前記推力ユニット(12)の命令手段の作動設定点に変換するように設計されたヒューマンマシン入力インターフェース(40)を含む、請求項
7から9の何れかに記載の推進装置(10)。
【請求項11】
前記突出手段(17)は4つの周辺脚部又は2つの着陸用スキッドを備える、請求項
7から10の何れかに記載の推進装置
(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好適だが非限定的に、推進装置及び/又はシステムの分野に関し、それは、前記推進装置に乗り込んだ搭乗者の移動、又は推進装置が運送を提供する存在する任意の物品の移動を提供するように適合した又は設けられ、概して垂直推進力を有する。本発明は、特に、そのような推進装置及び/又はシステムの改善に関し、それは、特に、受け面への前記装置及び/又はシステムの着陸を容易にすることを目的とする。その受け面は、小さな寸法を有し、加えて又は別個に、例えばそのような面が海にある場合のように、運動中であり得る。本発明は、実施が非常に簡単であり、最大数の推進装置に利用可能であることを目指す。
【0002】
本書の残りの部分において、本発明は、好適だが非限定的に、空中の移動に専用であり、航空機又は重航空機としても知られる推進装置に利用されるやり方で記述され、そのような推進装置は実質的に垂直な離着陸能力を提供するように設けられる。非限定的な例として、そのような推進装置は、実施形態の例が文書US2011/204182A1に記述されている、ドローン、ヘリコプター、又は、実施例が文書WO2017/174942A1に記載されている「フライボードエア」からなり得る。しかし、本発明は、これらの利用例のみに限定されず、代わりに任意の型の推進装置と関連して使用され得る。
【背景技術】
【0003】
空を飛行又は飛翔するという考えは人類社会と同じくらい古い。初期の人間はおそらく鳥の飛行を模倣することを望み、多くの研究者が飛行装置の設計に専念してきた。最も良く知られている人達の中にレオナルド・ダ・ヴィンチがいる。彼は、1500年頃、鳥の飛行の最初の有名な研究を行い、そのような鳥の飛行の機械的な模倣を設計することを試みた。従って、彼は、飛行機、ヘリコプター、及びパラシュートとよく似た飛行機械に対する幾つかの着想を描いて提案した。しかし、これらの全ての着想は筋肉のエネルギーを利用して前記飛行機械を作動させることに基礎を置き、飛行機械を構想することは当時まだ不可能と思われた。動翼によって制御された飛行機械上の最初の飛行がUSAのライト兄弟によって20世紀初頭に行われた。この同時期に、後に飛行機及びヘリコプターを生み出す最初のモータを備えた飛行機械が開発され始めた。そのようなモータを備えた飛行機械は、現在、揚力が、概して、空気力の発生を可能にする装置と、飛行機の場合に固定され、又はヘリコプターの場合に回転し、揚力の発生を可能にする翼システムとによって得られる航空機からなる重航空機として知られている。
【0004】
特に、ヘリコプターは、その設計及びその作動のおかげで、比較的、制限され、準備されていない土地に離着陸し得ることで、その限定された航続距離及び速度にもかかわらず、特定の任務及び活動を行うために、特に有利であり、場合によって不可欠でさえある。実施例が文献US2011/204182A1に記述されているヘリコプターは、概して、次のような限定された数のサブアセンブリを含み得る。
-概して、胴体と、離着陸の作動を補助するように設けられた着陸装置とによって構成された機体。胴体は、1人以上の搭乗者及び/又は(副)操縦士が乗り得るヘリコプターのコックピット又はキャビンからなる。着陸装置に関して、それは、特に、受け面とヘリコプターとの間の接触を提供するように適合し又は設けられ、ほとんどの場合、固定され、概して、それぞれ胴体と適切な機械的リンクを介して一体的に協働する2つの脚又はスキッドを備える。
-1つ以上の揚力及び/又は反トルクロータを備える翼システム。
-概して、翼システムと有利に協働し、翼システム内に含まれたロータの駆動を可能にするピストンエンジン又は1つ以上のタービンによって構成されたパワートレイン。
-コックピット内に設けられたレバー及びペダルを備える操縦装置。そのような操縦装置は、ほとんどの場合、複製され、ヘリコプターの操縦士及び/又は副操縦士によって使用され得る。
-例えば、燃料、電気、及び空気調節のような、ヘリコプターの運転及びヘリコプター内の快適性に必要な動力の供給を可能にする一組の装置又はシステムを備える搭載設備。
-例えば、センサ、コントローラ、アクチュエータ、及び/又は通信システムのようなヘリコプター内にある一組の電子機器からなる航空電子機器。
-概してヘリコプターの側面に置かれ、ミサイル、観測ポッド、又は予備燃料タンクのような様々な付属品を取り付けて運送することを可能にする固定装置からなる積荷設備。
【0005】
人間はまだ絶えず可能性の限界を押し広げようとしている。空間内で、できるだけ自由に動くことは、人間の不変の関心事であり、又はある人達にとってほとんど達成不可能な夢である。この目的を様々な成功の度合いで達成しようと努力して、最も大雑把な機械から最も高度な機械まで、多くの機械が設計されてきた。より具体的に、最近、「フライボードエア」として知られる、特に効果的な装置が開発された。それは、特に文書WO2017/174944A1に記述されており、大きな成功を収めている。従って、
図1及び
図2は、それぞれ、そのような推進装置10の第1の非限定的な実施形態の斜視図及び分解図であり、その幾つかの構成要素は、簡単のために、本書の残りの部分の記述から省略される。
【0006】
そのような装置10は主に台11の形をした主要本体10aを含み、搭乗者1はその上に任意に乗り得る。台11の寸法及び装置10の推力ユニット12の出力に応じて、幾人かの搭乗者が任意に前記台11に同時に乗り得る。この目的で、台11は、
図2が特により明確に示すように、搭乗者1の足又は履物を受けるように設けられた1つ以上の領域11aを有する。変形例として又は加えて、そのような装置10は物品の運送を提供するように設けられ得る。
【0007】
図1及び
図2と関連して記述される推進装置10の本体10aは、台11と協働する推力ユニット12を含む。
【0008】
前記
図2に示されるように、非限定的な例として、推力ユニット12は、有利に、それぞれ2つのスラスタを備える一対の推力サブユニット12a及び12bからなる。従って、第1推力サブユニット12aは2つのスラスタ12a1及び12a2を含む。同じことは推力サブユニット12bにも当てはまり、それは2つのスラスタ12b1及び12b2を含む。変形例として、そのようなサブユニットは2つより多いスラスタを含み得る。搭乗者の身体の向きによる操縦性の最適な条件を提供するために、
図1及び
図2と関連して記述された実施形態によれば、推力ユニット12のスラスタは、有利に、装置10の本体10aの中心にできるだけ近く置かれる。従って、好適に、
図1及び
図2に示されるように、搭乗者1の足又は履物を受けるように台11上に設けられた領域11aは、有利に、前記推力ユニット12の両側に設けられる。
【0009】
特に、容易に旋回し、曲線を描く運動を行い、従って前記推進装置10によって行われ得る運動を高めるために、推力ユニット12は、有利に、台の横軸に対してずらされて設けられた2つの経路修正のための補助スラスタ19a及び19bを含み得る。変形例として又は加えて、そのような補助スラスタを使用せずに済ますために、本発明は、例えば旋回リンク又は固定リンクのような1つ以上の適切なそれぞれの機械的リンクに従って、問題としている1つ又は複数のスラスタの気体流の噴射ノズルと協働するだろう、例えば水上オートバイの方向付け可能な円錐型の流体排出口のような方向付け可能な流体排出口が、推力サブユニット12a、12bのスラスタの全て又は一部に追加されることを提供する。
【0010】
推力ユニットの異なるスラスタは支持手段14によって保持及び支持される。この手段14は台11を支持するフレームの機能上の同等物を構成する。上述のように、そのような推力ユニット12は、それぞれ2つのスラスタを備える2つの推力サブユニット12a及び12bを含み、2つのスラスタは、1番目のものに対して12a1及び12a2と付され、2番目のものに対して12b1及び12b2と付されている。そのようなスラスタは好適にジェットタービンエンジンからなる。ジェットタービンエンジンは、航空分野で一般に使用されている熱機関であり、酸化剤、この場合、本体10aの流体吸入口を通して吸入された周囲の空気と共同して、燃料、例えばケロシン又は同等物に含まれるポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換する。この運動エネルギーは弾性媒体において気体排出物の噴射とは反対方向に反力を発生させる。この結果、スラスタの流体吸入口とその噴射ノズルの間で一定量の空気が加速され、前記噴射ノズルでの膨張によって推力が発生する。そのようなスラスタはベーン又はロータを有する空気圧縮機を使用する。上述のケロシンの代わりに、他の任意の種類の燃料が随意に利用され得る。
【0011】
経路修正のための補助スラスタ19a及び19bを推力サブユニット12a及び12bと関連付け、従って曲線軌道を可能にするために、本発明による装置10の支持手段14は、経路修正のための補助スラスタ19a及び19bと協働し、台11の縦軸に実質的に平行な推力方向にこれらの経路修正のための補助スラスタ19a及び19bを保持するように設けられた補助支持手段15と協働し得る。そのような経路修正のための補助スラスタ19a、19bによって、特に、前記推進装置の操縦の容易さを高めることができる。変形例として、経路修正のための熱スラスタ19a及び19bの設計は、それぞれの電気タービンの代わりに、推力サブユニット12a及び12bのスラスタと平行に実質的に向けられたターボプロップエンジンの利用からなり得る。高い水準の応答性を維持するために、水上オートバイの方向付け可能な円錐型の流体排出口のような方向付け可能な流体排出口が補助熱スラスタの気体噴射ノズルと協働し得る。前記円錐を台11の中央平面内に方向付けることで、要するに、電気タービンの利用によって提供されるものに近い結果が得られる。
【0012】
さらに、推進装置の離着陸を容易にするために、そのような装置10の本体10aは突出手段17を含み、突出手段17は、着陸装置に類似することも可能であり、適切な機械的リンクを介して台11と一体的に協働し、装置10の着陸及び/又は離陸中に、地面、又はより広く受け面と、装置10の推力ユニット12との間のどんな衝突又は直接の接触も妨げるように設けられる。最後に、前記突出手段17は、受け面Gと推進装置10との間の接触を提供するように設けられる。そのような手段17は、推力ユニット12の1つ又は複数の噴射ノズルが地面と衝突することのないように、さらに、装置が
図1及び
図2に示されていない地面又は離陸場所にあるときに、搭乗者が台11に効果的に乗り得るように多少の安定性を提供するように、特に十分な長さの4つの脚部を備え又はそれらからなり得る。変形例として、そのような手段17は、一対のスキー、又は、地面、若しくはそのような装置が着陸できる装置支持体の性質に応じて多少の安定性を提供するための他の任意の適切な構成要素からなり得る。変形例として又は加えて、推進装置が飛行段階中に障害物に衝突するのを避けるために、そのような手段17は、部分的又は全体的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式であり得る。
【0013】
前述のように、第1実施形態による推進装置の1つ又は複数の推力ユニットは、搭乗者が、自身の身体を用いて装置10の姿勢を変え、従って移動するために克服しなければならない慣性モーメントを低減するように設けられる。その結果、搭乗者の自身の身体を用いた動きが前記推進装置の軌道を生じさせるだろう。前記推進装置の操縦の容易さを最適にするための上述の様々な構成要素、例えば補助スラスタ又は1つ若しくは複数の方向付け可能な流体排出口でさえ、推進装置10の第2実施形態を概略的に示す
図3に関して理解されるように、1つ又は複数の推力ユニットが重心から比較的遠い、又は目的が必ずしも1人以上の搭乗者を運送することではない推進装置に対して、操縦を容易にすることができない。
図3に関して記述される非限定的な実施例によれば、推進装置10は、有利に中央にある台11と、2つのデフレクタ要素を設けられたデフレクタアセンブリをそれぞれ含む4つの推力ユニット12とを含み、そのようなデフレクタ要素は、垂直方向に向けられたジェットタービンエンジンを想定して、ジェットタービンエンジンのノズルの排出口の真下に可動に取り付けられ、これらのデフレクタ要素は、推力の排出路及び/又は流路において作動及び位置することができる。前記デフレクタ要素が開配置にあるとき、ジェットタービンエンジンによって誘起された推力は、これらのデフレクタ要素の間に遮られずに残された空間を通り、従ってモータが全出力で作動することができ、従って垂直方向の持ち上げる力が提供される。推進装置10は、前記推力ユニット12を保持及び支持するように設けられた支持手段14をさらに含む。上述の解決策のように、そのような手段14は台11を支持するフレームの機能上の同等物を構成する。また、支持手段14は1つ以上の適切な機械的リンクを介して前記台11と一体的に協働する。好適だが非限定的に、
図4によれば、そのような機械的リンクは、有利に、固定リンクからなり得る。
【0014】
さらに、
図1及び
図2に関して記述される第1実施形態のように、推進装置の離着陸を容易にするために、そのような装置10は突出手段17を含み、突出手段17は、着陸装置と類似することも可能であり、適切な機械的リンクを介して台11と、任意に
図3に関して記述されるように支持手段14を介して、一体的に協働し、地面又はより広く前記推進装置を受ける面と、装置10の推力ユニット12との間のどんな衝突又は直接の接触も妨げるように設けられる。最後に、前記突出手段17は受け面と推進装置10との間の接触を提供するように設けられる。そのような突出手段17は、推力ユニット12の1つ又は複数の噴射ノズルが地面と衝突することのないように、さらに、装置が
図1及び
図2に示されていない地面又は受け面としても知られる離陸場所にあるときに、搭乗者が台11に効果的に乗り得るように多少の安定性を提供するように、特に十分な長さの4つの脚部を備え又はそれらからなり得る。変形例として、そのような手段17は、一対のスキー、又は、地面、受け面、若しくはそのような装置が着陸できる装置支持体の性質に応じて、多少の安定性を提供するための他の任意の適切な構成要素からなり得る。変形例として又は加えて、推進装置が飛行段階中に障害物に衝突するのを避けるために、そのような手段17は、部分的又は全体的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式であり得る。
【0015】
上述のように、例えば、
図1及び
図2に関して、又は
図3に関してさえ記述されるような推進装置は、有利に、物品の運送を提供するように、又は空間で1人以上の搭乗者の移動を可能にするようにさえ設けられ又は構成され得る。変形例として、そのような推進装置は航空ドローンからなり得る。無人航空機(UAV)又は無人航空機システム(UAS)としても知られる航空ドローンは、自律的に飛行するのに適した、又は第三者によって遠隔制御される、搭乗者又は操縦士が乗っていない任意の航空機と定義される。航空ドローンの寸法は、特に特定の利用の分野において、監視、諜報、戦闘、運送、又は余暇の点から、小型モデルの数センチから特殊なドローンの数メートルまで様々であり得る。航続距離は、数分から長航続時間ドローンの数十時間より長い時間までに含まれ得る。
【0016】
ヘリコプターに関して、航空ドローンは、概して、次のような非限定的な数のサブアセンブリを含み得る。
-特に着陸装置を含むドローンの基部又は機械的構造からなるフレーム。前記着陸装置は、特に、受け面と航空ドローンとの間の接触を提供するように適合し又は設けられる。概して、ドローンは構成されるアームの数によって区別される。
-非限定的に、1つ以上のジェットタービンエンジンの形をした1つ以上のモータ、又は、変形例として若しくは加えて、1つ以上のロータ、推力の生成を保証する1つ以上のプロペラ、モータのそれぞれの速度、方向、及び/又は回転を制御するように設けられた1つ以上の電子速度制御装置(ESC)、他の電気構成要素が作動するのに必要なエネルギーを供給するように設けられた1つ以上のバッテリを備える推進システム。
-遠隔地からドローンを制御するために、特に、ことによると1つ以上のマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラの形をした処理ユニットと通信手段とを備える、例えば遠隔制御装置又は無線制御装置のような、遠隔電子オブジェクトによって送信された命令信号を受信及び処理するように設けられた飛行制御装置。
-潜水を可能にし、任意にリアルタイムで、航空写真を撮ることを可能にするように設けられ、特にオンボードカメラを含む、画像を取得する手段。
【0017】
上述のように、上述の既知の推進装置、特に、ヘリコプター、フライボードエア、又は航空ドローンさえ、固定翼システムを有する飛行機と比べて、概して離陸及び/又は着陸を計画されていない土地への離着陸に順応できるので、特に有利であるとわかる。しかし、既知の推進装置は、特に幾つかの特定の条件及び/又は状況、例えば、非限定的に、寸法が前記推進装置に対して小さな又は比較的限定さえされた受け面への着陸及び/又は離陸中において、幾つかの限界を有する。そのような受け面は加えて又は別個に運動中であり得る。非限定的な例として、そのような受け面は、航海船舶、ボート、又は他の任意の船からなり得、この場合、推進装置の水上着陸場と呼ばれる。それが上昇及び下降する面上にある結果として、そのようなボートは主に次のように定義された3つの軸上で様々な運動を被り得る。
-縦軸はボートの船首から船尾へ向けられた軸として定義され、
-垂直軸はボートの底部から頂部へ向けられた軸として定義され、
-横軸はボートの右舷から左舷へ向けられた軸として定義される。
【0018】
従って、ボートのそのような運動は次のように区別され得る。
-縦軸の周りの左舷から右舷へのボートの振動運動からなりロール。ボートは右舷と左舷に交互に傾く。
-縦方向の船首から船尾への軸に沿った並進運動からなるサージ。ボートは前方と後方に交互に動く。
-垂直軸の周りのボート自体の回転運動からなるヨー。ボートはそれ自体で回転運動を行う。
-垂直軸上の上下運動からなるヒーブ。ボートは上下運動を行う。
-ボートの横軸内で周期的に上方と下方に傾く運動からなるピッチ。ボートは船首と船尾で互い違いに揺れる。
-横軸上の左舷又は右舷の方への並進運動からなるスウェイ。ボートは右舷と左舷に交互に動く。
【0019】
ボートが被る前記運動は、概して、頻繁に起こり、気象条件によって引き起こされる。実際、海上に吹く風の作用中、放出されたエネルギーの一部は、特に海に伝達され、そして波を駆り立て、そのような波は、風が強く長く吹くほど大きくなる。従って、そのような波は、ことによるとボートの船体に衝突する間、しばしば不均一に分布する、静水圧応力及び流体力学的応力を引き起し得る。そして、ボートの安定性が厳しく試される。ボートのそのような不安定性は、ボート又はより一般に運動中の受け面と相互作用することを望むだろう推進装置の離陸及び/又は着陸に直接に影響を与える。なぜなら、前記推進装置は、その時、それ自体比較的不安定な状況にありながら、ボートの前記不安定性を補わなければならないからである。その上、前記推進装置は、風、雨、又はどんな嵐も推進装置の安定性及び運動に直接に影響を与え得るので、気象条件にも左右される。
【0020】
さらに、ボート又は受け面の運動だけでなく、前記ボート又は前記受け面の限定された寸法も、推進装置に対して使用できるとしても、そのような推進装置の着陸及び/又は離陸の成功に直接に影響し得る。実際、非限定的な例として、ヘリコプターの形をした推進装置の着陸中、ヘリコプターの操縦士は、概して、最初に第1スキッド又は着陸装置を受け面に接触させて配置し、そして前記ヘリコプターを比較的不安定な状況に置く。なぜなら、ヘリコプターは受け面とのたった1つの接触点のみを有するからである。次に、操縦士は、第2スキッド又は着陸装置を受け面に接触させて配置しなければならない。前記受け面が運動中であり及び/又は推進装置に対して限定された寸法を有する場合、操縦士は安全に着陸するために専門技術及び技能を示さなければならない。操縦士の能力は着陸又は水上着陸の成功に直接の影響を有し、そのような着陸又は水上着陸は、概して、操縦士が前記装置内に乗り込んでいようと前記装置から遠く離れていようと、再現性を有せず、着陸又は水上着陸が望まれるヘリコプター又はより一般に推進装置の操縦士に依存する。
【0021】
航空ドローンの形をした推進装置のボート又は船の甲板への水上着陸中における操縦士又は操作者の影響を低減するために、研究者は新しい解決策を開発することを試みている。例として、航空ドローンの水上着陸を提供するために、考えられた解決策は、ドローンが作動停止の前に入る、船の甲板上で比較的大きな寸法の張られたネットを使用することからなる。この技術はまだ比較的複雑であるとわかっている。なぜなら、船は、休みなく動いており、相変わらず気象条件に左右されるからである。従って、航空ドローンはネットに接触するときに最低速度に達するように制御されなければならない。航空ドローンの操縦士又は操作者は、遠隔操作の場合でも、まだ専門技術及び技能を示さなければならない。その上、張られたネットを船の甲板上で使用するには、前記ネットを展開するために、かなりの寸法の船が必要である。従って、ネットの形を取るそのような解決策は、ボート又は受け面上に推進装置を投影して得られる面の面積に対して寸法が小さなボート又は受け面に適さない。最後に、推進装置を受けるための張られたネットの利用は前記推進装置の寸法及び重量に関して制限を課す。なぜなら、前記利用されるネットの材料及び構造は、そのような重量及び寸法のものを支え、それに耐えることができなければならないからである。この目的で、現在使用されているネットは、重量が最大で30又は40キログラムに制限された推進装置に耐えるように設計されている。さらに、例えば文書US2017/0267334A1に記述されているように、特に3D認識システムを使用した他の解決策が急峻な土地への航空ドローンの着陸を容易にするために開発されている。この解決策を展開するそのような航空ドローンは、少なくとも3つのアームからなる着陸装置を有する。そのような設計によって、地面上でドローンの平衡を維持するのに必要な少なくとも3つのアームの展開を可能にする適切な着陸位置を見つけることが必要となる。このため、アクセスが困難な場所又は運動中の場所にドローンを着陸させることができない。
【発明の概要】
【0022】
本発明は、既知又は上述の解決策に起因する欠点の全て又は一部に応えることを可能にする。
【0023】
本発明によって得られる多くの利点の中で、本発明によって次のことが可能になることが言及されるべきである。
-推進装置内に含まれる推力ユニットの配置、型、又は構造に関係なく、特に任意の型の推進装置に利用されるモジュール式の順応性のある推進装置を提案する。
-推進装置のユーザ又は操作者の専門技術の水準に関係なく、小さな寸法を有する受け面への着陸が非常に容易にされ及び自動化された推進装置を提供する。そのような受け面は、加えて又は別個に、例えば前記面が海上にある場合のように、運動中であり得る。
【0024】
第1主題によれば、特に、台と、推力ユニットと、前記推力ユニットを保持及び支持するように設けられ、1つ以上の適切な機械的リンクを介して前記台と一体的に協働する支持手段と、適切な機械的リンクを介して台と一体的に協働する突出手段と、推進装置の慣性中心を通る中央脚部と、を含む推進装置が提供される。中央脚部は、適切な機械的リンクを介して、その近位端部で、台と一体的に協働する。推進装置に対して比較的限定された寸法を有し及び/又は運動中である受け面への前記推進装置の着陸を可能にするために、突出手段と中央脚部は、中央脚部が前記装置と前記装置を受けるための面との間の最初の接触を提供することができるように互いに設けられる。
【0025】
有利だが非限定的に、本発明による推進装置の着陸を最適化及び制御するように、推進装置は近接センサをさらに含み得、近接センサは、前記近接センサと受け面との間の距離を表す測定値を送るように設けられる。
【0026】
好適だが非限定的に、着陸の精度を高める目的で、本発明による推進装置の近接センサは適切な機械的リンクを介して中央脚部と一体的に協働し得る。
【0027】
多くの利用に応えるように、本発明による推進装置の台は1人以上の搭乗者を受け入れるように設けられ得る。
【0028】
有利だが非限定的に、本発明による推進装置の推力ユニットは、実質的に垂直な離着陸能力を供給するような方向に向けられた結果として生じる推力を供給するように設けられ得る。
【0029】
変形例として又は加えて、本発明による推進装置は中央脚部と協働するアクチュエータを含み得る。そして、中央脚部は格納式であり得、前記アクチュエータは前記中央脚部の並進運動を引き起こすように設けられる。
【0030】
まだ変形例として又は加えて、本発明による推進装置の着陸を自動化するように、それは突出手段と関連付けられたアクチュエータを含み得る。そして、突出手段は格納式であり得、それぞれのアクチュエータは、それぞれ、前記突出手段の並進運動を共同して又は個別に引き起こすように設けられ得る。
【0031】
まだ本発明による推進装置の着陸過程を自動化する目的で、アクチュエータは、それぞれ中央脚部又は突出手段と関連付けられ、電気的命令によって制御され得、前記推進装置は、1つ以上の設定パラメータによって決定される基準系及び/又は制御設定点に基づいて前記電気的命令を生成するように設計された処理ユニットをさらに含む。
【0032】
変形例として、アクチュエータは、それぞれ中央脚部又は突出手段と関連付けられ、電気的命令によって制御され得、前記推進装置は、前記近接センサと受け面との間の距離を表す測定値に基づいて前記電気的命令を生成するように設計された処理ユニットをさらに含む。前記測定値は前記近接センサによって前記処理ユニットに送られる。
【0033】
本発明による推進装置を制御し又は特に着陸させるためにユーザ又は操作者の相互作用が必要な場合、推進装置は、ユーザの身振りによる合図を中央脚部及び/又は突出手段又は推力ユニットの命令手段の作動設定点に変換するように設計されたヒューマンマシン入力インターフェースを含み得る。
【0034】
好適だが非限定的に、推進装置の設計又は推進装置が応えなければならない利用の性質に従って、突出手段は4つの周辺脚部又は2つの着陸用スキッドを備え得る。
【0035】
第2主題によれば、本発明は、本発明の第1主題による推進装置の着陸を制御するための方法に関する。そのような方法によって、特に、受け面が推進装置に対して比較的限定された寸法を有し及び/又は運動中である場合、初心者であろうと経験者であろうと、どんなユーザにも自動制御支援を提供することができる。前記方法は本発明による推進装置の処理ユニットによって実行される。着陸を制御するためのそのような方法は、
a.近接センサによって送られた近接センサと受け面との間の距離の第1測定値を受け取って第1所定閾値と比較するステップと、
b.突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、突出手段の共同又は個別の展開を引き起こすステップと、を含む。
【0036】
好適だが非限定的に、推進装置の設計に従って、推進装置の着陸を制御するための方法は、近接センサによって送られた近接センサと受け面との間の距離の第1測定値を受け取って第1所定閾値と比較するステップの前に、2つのステップを含み得る。これらのステップは、
a.近接センサによって送られた近接センサと受け面との間の距離の第2測定値を、受け取り、第1所定閾値より厳密に高い第2所定閾値と比較するステップと、
b.前記第2距離測定値が第2所定閾値に達した場合、前記中央脚部と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記中央脚部の展開を引き起こすステップと、からなる。
【0037】
突出手段が個別に展開される方式において、突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、突出手段の展開を引き起こすステップは3つのサブステップを含み得る。これらのサブステップは、
a.第1突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記突出手段の展開を引き起こす第1サブステップと、
b.第2突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記第2突出手段の展開を引き起こす第2サブステップと、
c.第3及び第4突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記第3及び第4突出手段のそれぞれの展開を引き起こす第3サブステップと、からなる。
【0038】
「バキュームカップ」又は吸引効果を提供することで、本発明による推進装置の着陸の制御を改善するために、前記装置は前記推力ユニットと協働する命令手段をさらに含み得、本発明による着陸を制御するための方法は、前記第1距離測定値が第1所定閾値に達した場合に、突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送るステップの後に又はそれと一緒に行われ、推力ユニットと関連付けられた命令手段によって解釈され得る命令を準備して送り、安定化推力反転を生成するステップを含み得る。
【0039】
好適だが非限定的に、本発明による推進装置の着陸を制御するための方法は、突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送るステップの後に行われ、前記第1距離測定値が第1所定閾値に達した場合、中央脚部と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記中央脚部の引っ込みを可能にするステップを含み得る。
【0040】
着陸が終了した場合、好適だが非限定的に、前記装置は前記推力ユニットと協働する命令手段をさらに含み得、本発明による推進装置の着陸を制御するための方法は、突出手段と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送るステップの後に行われ、推力ユニットと関連付けられた命令手段によって解釈され得る命令を準備して送り、前記推力ユニットの停止を引き起こすステップを含み得る。
【0041】
また、本発明は、前記発明による制御方法を実行するように設けられた処理ユニットを含む推進装置に関する。
【0042】
他の特徴及び利点は、以下の説明を読み、添付図を考察すると、より明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】上述の
図1は既知の推進装置の第1実施形態を概略的に示す。
【
図2】上述の
図2は既知の推進装置の第1実施形態の分解図である。
【
図3】上述の
図3は既知の推進装置の第2実施形態の斜視図である。
【
図4】
図4は本発明による推進装置の非限定的な実施形態を概略的に示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、前記推進装置の着陸を制御するための方法のステップの実行中における第1正面図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、前記推進装置の着陸を制御するための方法の後続ステップの実行中における第2正面図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、前記推進装置の着陸を制御するための方法の後続ステップの実行中における概略的な第3正面図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、前記推進装置の着陸を制御するための方法の後続ステップの実行中における概略的な第4正面図である。
【
図5E】
図5Eは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、前記推進装置の着陸を制御するための方法の後続ステップの実行中における概略的な第5正面図である。
【
図6】
図6は、本発明による推進装置の着陸を制御するための方法の非限定的な実施形態のフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明による推進装置は、本書の残りの部分において、空中での移動に専用であり、航空機又は重航空機としても知られる推進装置と共に利用される状況で記述され、そのような推進装置は実質的に垂直な離着陸能力を提供するように設けられる。そのような推進装置は、任意に、1人以上の搭乗者及び/又は1つ以上の物品を運送するように設けられ得る。非限定的な例として、そのような推進装置は、ドローン、ヘリコプター、又は「フライボードエア」からなり得る。しかし、本発明は、これらの利用例のみに限定されず、代わりに任意の型の推進装置に関して使用され得る。
【0045】
図4並びに
図5A及び
図5Eは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の異なる図である。特に、
図5Aから
図5Eは、本発明による推進装置の非限定的な実施形態の、それぞれ前記推進装置の着陸の異なる段階又はステップ中における、異なる概略的な図であり、そのような着陸は、そのような推進装置の着陸を制御するための方法によって直接に行われ得、その非限定的な例は
図6に関して以下に記述される。
【0046】
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、推進装置10は主に台11の形をした本体を含み、搭乗者はその上に任意に乗り得る。台11の寸法及び装置10の推力ユニット12の出力に応じて、幾人かの搭乗者が任意に前記台11に同時に乗り得る。この目的で、台11は、一人又は複数人の搭乗者を台上で、例えばその人の足によって又は履物によってさえ、受け及び/又は保持するように設けられた1つ以上の領域11aを有し得る。
【0047】
変形例として、例えばヘリコプターのような推進装置の型に応じて、本発明は、台がヘリコプターのフレーム又はキャビンからなる胴体を備えることができることを提供し、1人以上の搭乗者及び/又は(副)操縦士がその中に乗り得る。また、変形例として又は加えて、前記台は、前記台上にいることもある任意の一人又は複数人の搭乗者と一緒に又は別々に、物品又は貨物の運送を提供するように設けられ又は適合し得る。より広く、そのような台によって、推進装置を構成する全ての構成要素の組立て及び安定性を提供することができる。しかし、本発明はこれらの台の例のみに限定されない。従って、同様の機能を提供するのに適した任意の手段又は物体が、その形状、寸法、構成、及び/又は配置にかかわらず、本発明による推進装置10の台11を構成するために使用され得る。
【0048】
推進装置は推力ユニット12を含む。本発明の意味の範囲内及び本文書全体を通して、「スラスタ」としても知られる「推力ユニット」は、「推力」として知られる力を生じさせるように設けられた任意の器具又は物体を意味し、そのような推力はその移動の反対方向における空気の塊の加速から生じる。推進装置の構成に応じて、推力ユニットは様々な配置及び形状を有し得る。本発明による推進装置が例えばヘリコプターからなる場合、その推力ユニットは1つ以上の揚力及び/又は反トルクプロペラ又はロータを備える翼システムを備え得、そのような翼システムは、有利に翼システムと協働し、翼システム内に含まれるロータを駆動できるピストンエンジン又は1つ以上のタービンによって概して構成されるパワートレインによって制御又は作動される。変形例として、推進装置が「フライボードエア」からなる場合、その推力ユニットは、航空分野で一般に使用されている任意の推進装置からなり得、酸化剤、この場合、本体の流体吸入口を通して吸引された周囲の空気と共同して、燃料、例えばケロシン又は同等物に含まれるポテンシャルエネルギーを運動エネルギーに変換する。この運動エネルギーは弾性媒体において気体排出物の噴出とは反対方向に反力を発生させる。この結果、スラスタ又は推力ユニットの流体吸入口とその噴射ノズルとの間で一定量の空気が加速され、前記噴射ノズルでの膨張によって推力が発生する。そのようなスラスタは概してベーン又はロータを有する空気圧縮機を使用する。上記のケロシンの代わりに、他の任意の種類の燃料が随意に利用され得る。変形例として又は加えて、そのような推進装置の推力ユニットは、有利に、それぞれ2つのスラスタを備える一対の推力サブユニット12a及び12bからなり得る。
【0049】
好適だが非限定的に、
図4及び
図5Aから
図5Eに関して記述される実施例によれば、本発明による推進装置10は4つの推力ユニット12を含み得る。推力ユニットのそれぞれは、任意に、2つのデフレクタ要素を設けられたデフレクタアセンブリを備え得、そのようなデフレクタ要素は、垂直方向に向けられたジェットタービンエンジンを想定して、ジェットタービンエンジンのノズルの排出口のすぐ下流に可動に取り付けられ、これらのデフレクタ要素は、推力ユニットのそれぞれによって供給される推力を制御するように、推力の排出路及び/又は流路において作動及び位置することができる。
図4及び
図5Aから
図5Eに関して記述される構成例は、本発明を限定しないが、他の推力ユニットの構成と比較して、特定の肯定的な特徴を有する。実際、装置10は、例えば熱ジェットタービンエンジン型のたった1つのスラスタに限定された推力ユニットで移動し得る。しかし、この構成は、前記推進装置を容易に移動させ制御することができることを可能にするには、大きすぎる空間必要条件を有するだろう。実際、そのようなたった1つのスラスタの長さは、スラスタが、装置10及び、もしいれば、その搭乗者を空中で推進するのに十分な推力を供給できるように、1メートルのオーダー又はそれ以上のオーダーにさえなるだろう。同様に、2つの推力ユニットを含む推進装置は本当に充分とはならない。それぞれの推力ユニットの空間必要条件は確かに限定されるだろうが、推進装置は、上述のたった1つのスラスタ構成と同様に、安全性の点で重大な欠点を持ち続けるだろう。実際、2つの推力ユニットの1つが故障した場合、ユニットの全推力は、推進装置を空中に維持し、十分な操縦性を保つには不十分だろう。これらの2つの可能な構成とは異なり、推進装置が4つの推力ユニットを含む、
図4及び
図5Aから
図5Eに関して示されるような構成は、特に有益な妥協を提供する。従って、4つのスラスタ、例えばリアクタによって生じる空間必要条件は、求められる使用方法と完全に適合したままである。その上、スラスタの1つが故障したとしても、推進装置10は完全に操縦可能なままである。推進装置の好適だが非限定的な実施例によれば、推進装置の推力ユニットは、実質的に垂直な離着陸能力を供給するような方向に向けられた結果として生じる推力を供給するように設けられ得る。しかし、本発明は、その推進装置内にある推力ユニットの数、型、又は配置に限定されない。
【0050】
簡単のために、
図4及び
図5Aから
図5Eは電子構成要素の大部分を示していない。例として、
図6に関する推力ユニット12の記述でわかるように、前記推進装置10内にある1つ又は複数の推力ユニット12の作動を可能にするために、推進装置10は1つ又は複数の推力ユニット12と協働する命令手段12mをさらに備える。そのような命令手段12mは、特に前記推力ユニットの出力を制御するように設けられ得る。さらに、前記命令手段は、非限定的に、傾斜計、加速度計、及び/又はジャイロスコープのような、推進装置10の姿勢又はより一般に経路に関する情報を供給するのに適したセンサと協働し又はそれを含み得る。従って、前記命令手段は、ボタン又はタッチスクリーンを含む遠隔制御装置、マイクロフォン、又は人間の身振りの合図又は音声命令をデジタル符号又はデータに変換することができる他の技術的手段のような、本明細書において別なふうにヒューマンマシン設定点インターフェース40と呼ばれるヒューマンマシン入力インターフェース40を介して送られる搭乗者又は遠隔操作者の指令、及び/又はそのようなセンサによって生成される情報又はデータに従って、推力ユニット12の出力又は制御命令を生成するように設けられ得る。そのような命令手段は、有利に推進装置10の慣性中心の近くに置かれた1つ以上の電子基板の形で、特にセンサが前記電子基板に含まれる場合、提供され得る。
【0051】
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、本発明による推進装置は1つ又は複数の前記推力ユニット12を保持及び支持するように設けられた支持手段14を含む。上述の解決策のように、そのような手段14は台11を支持するフレームの機能上の同等物を構成する。支持手段14は、1つ以上の適切な機械的リンクを介して前記台11と一体的に協働するが、前記推進装置10にある1つ又は複数の推力ユニットとも協働する。好適だが非限定的に、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、そのような機械的リンクは有利に固定リンクからなり得る。好適だが非限定的な例として、
図4及び5Aから5Eによれば、本発明によるそのような推進装置10の支持手段14は、有利に、有利に重量を減らすために中空である、複数の管及び/又はビームを含む管状構造体からなり得る。前記構造体14の目的は推進装置10の骨組み又は機械的構造を具体化することからなる。そのような構造体14を構成するために使用され得る材料は、アルミニウム、ステンレス合金、又はそれどころか炭素繊維若しくは他の任意の適切なポリマー、即ちより一般に軽量及び強度に有利に働く機能特性を有する任意の材料から選択され得る。
【0052】
さらに、推進装置の離着陸を容易にするために、本発明による装置10は突出手段17を含み、突出手段17は、着陸装置と類似することも可能であり、適切な機械的リンクを介して台11と一体的に協働し、特に
図4及び5Aから5Eに関して記述されるように、推力ユニット12が台11の下に置かれる場合、装置10の着陸及び/又は離陸中に、地面又はより広く受け面と装置10の推力ユニット12との間のどんな衝突又は直接の接触も妨げるよう設けられる。最後に、前記突出手段17は受け面Gと推進装置10との間の接触を提供するように設けられる。
【0053】
そのような手段17は特に4つの脚部を備え又はそれらからなり得る。それぞれの突出手段17は、台11に最も近い脚部の部分を表す「近位」と呼ばれる端部と、台11から最も遠く、受け面Gに最も近い脚部の部分を表す「遠位」と呼ばれる端部とを有する。その近位端部とその遠位端部との間の距離は、本明細書の残りの部分を通して、それぞれの突出手段17の長さ17Lとして知られる。脚の形をしたこれらの突出手段17は、1つ又は複数の推力ユニット12が、地面に衝突し、ことによると損傷することのないように、また、装置が地面又はより一般に離陸場所のような受け面上に置かれるとき、多少の安定性を提供するように、それぞれ十分な長さを有する。
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、台が実質的に正方形又は長方形の形状を有するので、前記4つの脚部は、有利に、台の周辺部、特にしかし非限定的に台の4つの角部に置かれ得る。変形例として、そのような突出手段17は、一対のスキー、又は、地面、若しくはそのような装置が着陸できる装置支持体の性質に応じて、多少の安定性を提供するための他の任意の適切な構成要素からなり得る。また、推進装置の型に応じて、突出手段17は、ヘリコプターに関して今日一般に使用されているような2つの着陸用スキッドを備え得る。
【0054】
変形例として又は加えて、推進装置が飛行段階中に障害物に衝突するのを避けるために、そのような突出手段17は、部分的又は全体的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式であり、従って、突出手段17の、寸法、特にしかし非限定的に長さ又は高さを変更することができる。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、4つの脚部の形をした、任意に周辺部にある突出手段17は、4つの伸縮式の柱からなり得る。突出手段17の設計にかかわらず、突出手段17が、全体的又は部分的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式である場合、突出手段17の寸法を変更するために、本発明による推進装置10は、それぞれ突出手段17と協働するアクチュエータ17aを含み得、それぞれのアクチュエータ17aは、それぞれ、前記突出手段17の並進運動を共同して又は個別に引き起こすように設けられる。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、突出手段17が伸縮式の柱の形をした4つの周辺脚部からなる場合、そのようなアクチュエータ17aは4つのシリンダ又はリニアアクチュエータからなり得る。
【0055】
以下に見られるように、前記アクチュエータ17aは、制御設定点、及びセンサからもたらされる測定値の共同利用によって、推進装置10の姿勢及び経路、特に受け面Gへの推進装置の着陸の全体の制御を提供することを課された、
図4及び
図5Aに破線で概略的に示される処理ユニット30によって制御され得る。受け面Gは運動中であり、及び/又は、受け面Gの寸法は、比較的限定され又は小さくあり得、即ち、「被覆面積」としても知られる、受け面G上に前記推進装置10を投影して得られる面の空間必要条件のオーダーである。この目的で、それぞれのアクチュエータ17a、又はより一般にそれぞれの突出手段17は、近接センサのような図示されないセンサと関連付けられ得る。近接センサは、アクチュエータ又はより広く突出手段と協働する前記近接センサと受け面Gとの間の距離の測定値のデジタル又はアナログ表現を前記処理ユニット30に送ることを課されている。そのようなセンサは、例えば、赤外線、超音波、又は誘導レーザーダイオードにさえよる光学検出に基づき得る。従って、センサは有利に非接触である。非限定的な例として、そのようなセンサは、フーコー電流又は超音波センサ、レーザー、容量、誘導又は光電子センサを備え又はそれからなり得る。変形例として、本発明は、そのようなセンサが有利に接触検出に基づくことを提供する。そして、そのようなセンサは、応力又は変形ゲージ、ピエゾメータのような圧力プローブ、又はエンドオブトラベルセンサさえ備え又はそれからなり得る。特定の型のセンサの別のものに対する選択は、主に、備え付けることが望まれる推進装置10の型、配置、又は寸法にさえ依存し得る。しかし、本発明はセンサのこれらの例のみに限定されない。前記センサと受け面との間の距離測定又は接触測定を行うことを可能にする任意の手段又は物体が使用され得る。また、本発明は推進装置10の構造に応じて複数の近接センサの利用を提供する。さらに、そのような処理ユニット30は、推進装置にある1つ又は複数の推力ユニット12によって供給される推力を調整するために、1つ又は複数の推力ユニットの命令手段12mも制御し得る。
【0056】
制御及び最適化された本発明による推進装置10の着陸を可能にするために、推進装置10は近接センサ18sをさらに含み、近接センサ18sは、前記近接センサ18sと、本発明による推進装置10が着陸又はことによると水上着陸を望む受け面Gとの間の距離dを表す測定値M18s1、M18s2を送るように設けられる。本発明による推進装置10に対する前記近接センサ18sの利用は特に有利となる。なぜなら、任意にリアルタイムで、推進装置10と受け面Gとの間の距離を、特にそのような受け面Gが運動中であり及び/又は小さな寸法を有する場合、より良く評価することが可能だからである。そして、上述のように、現在のところ、前記受け面が運動中であり及び/又は小さな寸法を有する場合、推進装置の操縦士又はより広く操作者は、完全に安全に着陸又は水上着陸を行うために、専門技術及び技能を示さなければならない。操縦士の能力は着陸又は水上着陸の成功に直接の影響を有し、そのような着陸又は水上着陸は、概して、操縦士が前記装置内に乗り込んでいようと前記装置から遠く離れていようと、再現性を有せず、着陸又は水上着陸が望まれる推進装置の操縦士に依存する。そのようなセンサの存在は、着陸又は水上着陸の成功に対する操縦士又は操作者の技能の影響を低減することを意図されている。
【0057】
そのような近接センサ18sは、例えば、赤外線、超音波、又は誘導レーザーダイオードにさえよる光学検出に基づき得る。従って、センサは有利に非接触である。非限定的な例として、そのような近接センサ18sは、フーコー電流又は超音波センサ、容量、誘導又は光電子レーザーセンサを備え又はそれからなり得る。変形例として、本発明は、そのような近接センサ18sが有利に接触検出に基づくことを提供する。そして、そのようなセンサは、応力又は変形ゲージ、ピエゾメータのような圧力プローブ、又はエンドオブトラベルセンサさえ備え又はそれからなり得る。特定の型のセンサの別のものに対する選択は、主に、備え付けることが望まれる推進装置10の型、配置、又は寸法にさえ依存し得る。しかし、本発明はセンサのこれらの例のみに限定されない。前記センサと受け面との間の距離測定又は接触測定を行うことを可能にする任意の手段又は物体が使用され得る。
【0058】
概して、前記近接センサ18sは、前記推進装置内に搭載され、結果として、例えば、台11、支持手段14、又は突出手段17のような推進装置10の構成要素と、適切な機械的リンクを介して一体的に協働する。好適だが非限定的に、できる限り正確な近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの測定値を提供するために、これらの2つの構成要素の間の機械的リンクは有利に固定リンクからなり得る。従って、近接センサ18sは、任意の適切な固定手段を用いて推進装置に固定され得る。変形例として又は加えて、本発明は、近接センサ18sが推進装置10の慣性中心又は重心にできる限り近くに置かれることを提供し、2つの中心は大気圏内で合わさる。
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、近接センサ18sは有利に台11の下面と協働し得る。
【0059】
上述のように、本発明の目的の1つは、運動中であり及び/又は小さな寸法を有する受け面Gへの着陸又は水上着陸が非常に容易にされ及び/又は最適化される推進装置を提案することからなる。そのような着陸又は水上着陸中の主な障害の1つは、推進装置の受け面Gとの接触と、前記推進装置の受け面Gに対する平衡を維持するのに必要な安定性との間の良好な妥協を見つけることの難しさにある。この欠点を克服するために、本発明による推進装置10は中央脚部18をさらに含み得、中央脚部18は、適切な機械的リンクを介して、その近位端部で、台11、特にその下面と一体的に協働する。本発明の意味の範囲内及び本文書全体を通して、「中央脚部」は実質的に縦方向に延びる又は長い剛体又は可撓体を意味し、中央脚部の縦軸は実質的に推進装置の慣性中心を通る。そのような中央脚部18は、台11に最も近い中央脚部18の部分を表す「近位」と呼ばれる端部と、台11から最も遠く、受け面Gに最も近い中央脚部18の部分を表す「遠位」と呼ばれる端部とを有する。その近位端部とその遠位端部との間の距離は、本明細書の残りの部分を通して、中央脚部18の長さ18Lとして知られる。前記中央脚部18の長さ18Lは、それぞれの突出手段17の長さ17Lより長く、又は、それらが台11の下に置かれる場合、1つ又は複数の推力ユニット12の長さより長い。長さ18Lが推進装置10の他の構成要素の長さより長いそのような中央脚部18の利用は特に有利となる。なぜなら、これにより、それが、推進装置10と、装置が着陸することを意図された受け面Gとの間の「最初の」接触を提供することが可能になり、従って着陸又は水上着陸の制御を改善することが可能になるからである。
【0060】
変形例として又は加えて、推進装置10の着陸又は水上着陸中の推進装置10と受け面との間の衝突又は接触の影響を弱めるように、中央脚部18は、その遠位端部において、簡単のために図示されていないダンパ物体又は材料を含み又はそれと一体的に協働し得る。非限定的な例として、そのようなダンパは、固定リンクを介して中央脚部18の遠位端部と一体的に協働するように設けられた、ゴム、ポリウレタンのような可撓性材料からなり得る。変形例として又は加えて、そのようなダンパは、ショックアブソーバ、ばね又はブレードを有する油圧ダンパ、又は空気圧ダンパさえ含み得る。本発明は中央脚部と協働するダンパの型によって限定されない。好適だが非限定的に、本発明は、中央脚部が任意の適切な機械的リンクを介して前記台11と協働できることも提供する。台11と中央脚部18との間の協働を提供する機械的リンクの型は、主に中央脚部18の配置及び寸法に依存する。
【0061】
上述のように、本発明による推進装置10の制御された最適化された着陸を可能にするために、推進装置10は近接センサ18sをさらに含み得、近接センサ18sは、前記近接センサ18sと、本発明による推進装置10が着陸又はことによると水上着陸を行うことを望む受け面Gとの間の距離dを表す測定値M18s1、M18s2を送ように設けられる。また、上述のように、着陸又は水上着陸のために提供された受け面Gが運動中であり又は小さな寸法を有する場合、困難さの1つは次のことからなる。受け面Gを正確に目標にし、制御された着陸又は水上着陸を提供する、即ち、特に推進装置10の横方向の変位を引き起こさない。そうなる場合、推進装置10は、たぶん、受け面を「外し」若しくは受け面から滑り落ち、又は第3の物体又は基礎構造に衝突するだろう。この目的で、近接センサ18sは、適切な機械的リンク、好適だが非限定的に固定リンク、任意に元に戻れるものを介して、中央脚部18と一体的に協働し得る。近接センサ18sと中央脚部18との間の協働は特に有利となる。なぜなら、センサによって、受け面Gと、受け面Gとの最初の接触を提供する中央脚部との間の距離を正確にリアルタイムで測定することが可能であるからである。
【0062】
さらに、中央脚部18に対する近接センサ18sの位置は、様々な要因、特に次の要因に依存する。
-使用されるセンサ18sの設計及び/又は型。接触検出は、例えば、エンドオブトラベルセンサ、歪みゲージ、又は圧力ゲージの利用中に、近接センサ18を中央脚部18の遠位端部に配置してそれと協働させる必要があり、そのような遠位端部は、受け面Gと中央脚部との間の「最初の」接触を提供することを意図されている。逆に、レーザーセンサのような非接触センサの利用によって、前記センサを中央脚部の端から端まで至る所に置くことができ、レーザーセンサは数メートルに及ぶ広い検出幅を有する。変形例として、容量又は誘導センサは概してより狭い幅を有するので、そのようなセンサは遠位端部の辺りに置かれ得る。
-中央脚部18の構造及び構成。中央脚部は比較的硬い構造又は比較的曲がりやすい構造を有することができる。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、中央脚部は、伸縮式の柱からなり、従って比較的硬い構造を有するので、有利だが非限定的なレーザーセンサの形をした近接センサ18sは、前記中央脚部18と、その近位端部及び台11の下面の辺りで協働し得る。
【0063】
変形例として又は加えて、推進装置が飛行段階中に障害物に衝突するのを避けるために、そのような中央脚部18は、部分的又は全体的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式であり得、従って、前記中央脚部の、寸法、特にしかし非限定的に長さ又は高さを変更することができる。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、そのような中央脚部18は有利に伸縮式の柱からなり得る。中央脚部18の設計にかかわらず、中央脚部18が、全体的又は部分的に、格納式、折り畳み式、及び/又は伸縮式である場合、中央脚部の寸法を変更するために、本発明による推進装置10は、中央脚部と協働するアクチュエータ18aを含み得、アクチュエータ18aは、前記中央脚部18の並進運動を引き起こすように、又は概して中央脚部18の展開を引き起こすように設けられる。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eによれば、中央脚部18が伸縮式の柱からなる場合、そのようなアクチュエータ18aはシリンダ又はリニアアクチュエータからなり得る。
【0064】
突出手段17のアクチュエータ17aのように、以下に見られるように、前記アクチュエータ18aは、ヒューマンマシン入力インターフェース40の利用を介した制御設定点の共同利用によって、及びセンサからもたらされる測定値の共同利用によって、推進装置10の姿勢及び経路、特に運動中であり及び/又は小さな寸法を有する受け面Gへの推進装置の着陸の全体の制御を提供することを課された、本発明による推進装置10の処理ユニット30によって制御され得る。
【0065】
特に、それぞれ中央脚部18又は突出手段17と関連付けられたアクチュエータ18a、17aが電気的命令C17a、C18、C18a´によって制御され得ることが、以下に見られるだろう。前記推進装置10の処理ユニット30は、1つ以上の設定パラメータによって決定される基準系MS1、MS2及び/又は制御設定点に基づいて前記電気的命令C17a、C18、C18a´を生成するように設計される。そのような設定パラメータは前記推進装置の利用の上流で予め決定され得る。
【0066】
変形例として又は加えて、本発明による推進装置10が1人以上の搭乗者の運送を提供することを意図されている場合、搭乗者1が、又はより広く前記装置の操作者が推力ユニット12又は前記装置10の他の構成要素と情報を交換できるように、前記装置10は、例えば遠隔制御装置型のヒューマンマシン設定点インターフェース40を含み又はそれと協働し得、その主要な機能は、前記搭乗者1又は操作者の身振りの合図を、決定された設定点に変換することである。特に、そのようなヒューマンマシン設定点インターフェース40は、特に、ユーザの身振りの合図を、中央脚部18及び/又は突出手段17又はそれどころか1つ若しくは複数の推力ユニット12の制御の作動設定点に変換するように設計され得る。遠隔制御装置の形のそのようなヒューマンマシン設定点インターフェース40は、搭乗者1又はより広く操作者又はユーザの手に保持されるように設けられ得る。前記遠隔制御装置は有利に少し離れた所にあり得る。非限定的な例として、前記インターフェース40は、特にトリガーを含むピストル型遠隔制御装置に類似し得、トリガーの移動は、トリガーが搭乗者1又は操作者によって作動されるとき、推力ユニット12の出力を増加させよとの指令として、前記トリガーがそのユーザによって徐々に解放されるとき、前記出力を減少させよとの指令として解釈され得る。そのようなインターフェース40は、任意に推力ユニット12を始動又は停止するための設定点を定めるため、中央脚部18及び/又は突出手段17を作動するための設定点を定めるため、又は支援着陸手順を作動するためにさえ、1つ以上のボタン、例えば押しボタンのような他の構成要素を含み得る。従って、推進装置10が受け面Gの上方に実質的に位置するときに、そのような押しボタンを介してそのような支援着陸手順を作動することは、自動着陸手順の実行を引き起こすことからなり、推進装置10は、その着陸を確実にするための様々なステップを自動的に実行する。そのユーザのそのような身振りを解釈するために、インターフェース40は、設定点を生成するためにトリガー及び他のボタンによって集められた様々な情報の電子処理手段を含み得る。その設定点は、推進装置10内に搭載された、そのような設定点を処理する手段、特に処理ユニット30によって解釈され得る。前記設定点をこの処理手段に送るために、ヒューマンマシン入力インターフェース40と装置10の処理ユニット30とは、有線又は有利に無線通信手段41を介して、例えば無線チャネルによって協働し得る。
【0067】
ユーザが搭乗者であろうと操作者であろうと、要求に応じて又は特定の権限で任意に解除できるにもかかわらず、推進装置10が特に革新的な支援をそのユーザに任意に及び有利に届け得るように、今、
図6によって示される非限定な例に関して、機能的アーキテクチャが検討される。それによれば、異なる設定点及び/又は前記推進装置の運転可能な制御構成要素によって、運動中である又は小さな寸法を有することがある受け面Gへの前記推進装置10の着陸又は水上着陸の、支援方法としても知られる、制御方法を実行することができ、従って、ユーザ又は設定パラメータからの設定点に応答して、経路、姿勢、及び高度が支援又は制御さえされる。前記設定点又は設定パラメータは、本発明によるそのような推進装置10の実施形態による運転のカスタマイズ可能な状況に関連してフィルタリングされ、前記推進装置10の処理ユニット30によって適切であると考えられるそれらの設定点及びパラメータのみが、保持され、指示又は命令に変換される。
【0068】
図5Aから
図5E及び
図6に関して、そのような推進装置10は、そのユーザのための自動支援を発展させ、1つ以上のマイクロコントローラ若しくはプロセッサ、又はそれどころかデジタル-アナログ信号変換器の形をした処理ユニット30を含む。前記処理ユニット30は、特に、アクチュエータ17a及び18aの制御命令C17a、C18、C18a´、及び1つ又は複数の推力ユニット12の命令手段12mの出力又は制御命令C12m、C12m´を送ることを課される。アクチュエータ17a及び18aは前記アクチュエータ17a及び18aにそれぞれ関連付けられた突出手段17及び中央脚部18の展開又は特に並進移動を提供し、命令手段12mは1つ又は複数の前記推力ユニット12の出力を制御する。そのような制御命令C17a、C18、C18a´、C12m、C12m´を送るために、これらの制御命令C17a、C18、C18a´、C12m、C12m´は、本発明による推進装置の着陸を制御するための方法の実行によって生成されなければならない。主要なステップS10、S20、S30、S41、S42、S50、及びS60が
図6に示されているそのような方法の処理ユニット30による実行は、有利に、コンピュータプログラムPの指令の解釈又は実行によって引き起こされ得る。コンピュータプログラムPの前記指令は、有線通信バスを介して又は連結によって前記処理ユニット30と協働するプログラムメモリ30MPに予めロードされ又は書き込まれている。また、そのような処理ユニット30は、プログラムメモリ30MPと同様に、データメモリ30DMを含み又はそれと協働し得る。データメモリ30DMは、処理ユニット30による処理の前又は後に、他の構成要素によって、例えば、例えば近接センサ18sのようなセンサ、及び/又はヒューマンマシン設定点インターフェース40から送られたデータを収集することを意図されている。また、そのようなデータメモリ30DMは、受け面Gに関してユーザ又は操作者に許すことが望まれる自由度を制限する1つ以上の設定パラメータを記録し得る。非限定的な例として、そのような設定パラメータは、例えば、所定の閾値に相当する近接センサ18sと受け面Gとの間の基準距離の形をした基準系を決定し得る。
【0069】
特に
図4及び
図5Aから
図5Eに関して上述したように、推進装置10のユーザは、特に推進装置10の着陸手順の自動閉ループ制御の失敗の場合に、処理ユニット30に、例えば定められた身振りの合図を介して、中央脚部18及び/又は突出手段17又はそれどころか推力ユニット12の制御の作動設定点を示し得る。この目的で、上述のように、本発明による推進装置10は、特に、トリガー、及びボタンのような他の構成要素を含むピストル型の遠隔制御装置に類似してもよいヒューマンマシン設定点インターフェース40を備え又はそれと協働し得る。専用の押しボタンの押下のようなそれぞれの構成要素の移動は、適切なセンサ、例えば誘導センサ、有利にホール効果センサによって測定され得、そのようなセンサは、その測定信号の増幅の機能のおかげで特に正確であり、従って環境に起因するどんなノイズも制限する。例えば、第1押しボタン及び第1の関連付けられたセンサは、有利に、中央脚部18と関連付けられた第1アクチュエータ18aと協働し得る。そのような第1センサによって送られる第1信号C18aは、中央脚部18を作動させて中央脚部18の展開を引き起こすように、設定点を変えるとみなされ得る。まだそのような第1センサによって送られる第2信号C18a´は、中央脚部18を作動させて中央脚部18の引っ込みを引き起こすように、設定点を変えるとみなされ得る。また、変形例として又は加えて、第2押しボタン及び第2の関連付けられたセンサは、有利に、突出手段17と関連付けられた第2アクチュエータ17aと協働し得る。そのような第2センサによって送られる第1信号C17aは、突出手段17を作動させて突出手段17の共同又は個別の展開を引き起こすように、設定点を変えるとみなされ得る。しかし、本発明はこれらの構成要素の例のみに限定されない。上述のように、本発明による推進装置10のヒューマンマシン設定点インターフェース40は、信号C12m、C12m´を送る専用のセンサにそれぞれ関連付けられた1つ又は複数の推力ユニット12と協働するトリガー及び/又は第3押しボタンをさらに含み得る。そのような信号C12m、C12m´は、それぞれ、安定化推力反転を生成する、及び1つ又は複数の推力ユニット12の停止を可能にする又は引き起こすように、1つ又は複数のユニットの制御指令を変えるとみなされ得る。変形例として及び/又は加えて、他のセンサは他のヒューマンマシン設定点インターフェースと関連付けられ得る。そのようなインターフェースは、それ自体、推進装置10のユーザからの指令を特徴付けるデータ又は信号を直接に送り得る。
【0070】
所定の受け面Gへの本発明による推進装置10の着陸又は水上着陸を自動化するために、処理ユニット30は、有利に、上述のように、近接センサ18s、任意に1組のセンサと有線又は無線で協働し、それによって、それぞれの瞬間に、前記近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dを表す測定値M18s1、M18s2を送ることが可能になる。前記近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dを知っている状態で、処理ユニット30は本発明による推進装置10の着陸を制御するための方法を実行し得、その非限定的な例は
図6に示されている。
【0071】
この例によれば、推進装置10は任意に中央脚部18を含み、中央脚部18は、処理ユニット30が前記脚部を折り畳み又は展開するために制御し得るアクチュエータ18aと関連付けられる。そのような装置10の処理ユニット30は、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第1測定値M18slを受け取って第1所定閾値MS1と比較するステップS10を実行し得る。近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第1測定値M18slが第1所定閾値MS1と実質的に等しい場合(
図6のリンクS10-yによって示される状況)、処理ユニット30は、中央脚部18と関連付けられた第1アクチュエータ18aによって解釈され得る命令C18aを準備して送り、前記中央脚部18の展開を可能にする又は引き起こすステップS20を実行し得る。そのようなステップS20は
図5Aで説明される。逆に、(
図6のリンクS10-nによって示される状況)、処理ユニット30は、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第1測定値M18s1が第1所定閾値MS1に実質的に等しくなるまで、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の第1測定値M18s1を受け取って第1所定閾値MS1と比較するステップS10を反復する。推進装置10及び受け面Gのそれぞれの構造及び寸法、さらに着陸の周囲の環境条件に依存して、第1閾値MS1は数センチメートルから1メートルまで変動し得る。
図5Aから
図5E及び
図6によれば、中央脚部18の展開は、中央脚部18が伸縮式の柱からなる場合、伸縮式の柱が移動して完全に展開されると停止され得る。変形例として又は加えて、中央脚部18の展開は、任意に、上述のように、ヒューマンマシン入力インターフェース40の設定点構成要素によって停止され得る。本発明による推進装置10の着陸を制御するための方法の異なる実施形態によれば、推進装置10が好適に曲がりやすく常に展開されている中央脚部18を含む場合、前記方法の前記の前述のステップS10及びS20は実行されることも又は提供されることもない。
【0072】
中央脚部18の構成にかかわらず、中央脚部18を命令によって展開することができようとできなかろうと、処理ユニット30は、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離の第2測定値M18s2を受け取って第2所定閾値MS2と比較するステップS30を実行し得る。
【0073】
近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第2測定値M18s2が第2所定閾値MS2に実質的に等しい場合、処理ユニット30は、突出手段17と関連付けられた第2アクチュエータ17aによって解釈され得る命令C17aを準備して送り、突出手段17の共同又は個別の展開を可能にする又は引き起こすステップS50を実行し得る。そのようなステップS50は、任意に、中央脚部18の全体の引っ込みが可能である場合、その後に実行され得る。任意に、ステップS50のトリガーは、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離の第3測定値が第3所定閾値MS2に実質的に等しい場合に、実行され得る。変形例として又は加えて、本発明は、それぞれの突出手段17がそれぞれの近接センサを含み得、それぞれの近接センサが突出手段17と関連付けられた前記近接センサと受け面との間の距離を表す測定値を送るように設けられることを提供する。次に、処理ユニット30は、前記測定値を受け取って所定の閾値と比較するサブステップS50aを実行し得る。
【0074】
変形例として又は加えて、本発明は、処理ユニット30が突出手段17の個別の展開を実行し得ることを提供する。上述のように、例えば運動中の受け面に推進装置を着陸させることは比較的手際を要することになり得る。なぜなら、操縦士又は操作者は、推進装置10の平衡及び安定性を維持しながら、突出手段17のそれぞれを受け面上に置くことができるように多少の器用さを示さなければならないからである。本発明は、突出手段17の個別の展開を提案することで、この困難への自動化された支援を提供する。非限定的な例として、
図4及び
図5Aから
図5Eに関して記述される好適な実施形態によれば、4つの周辺脚部17は個別に連続して展開され得、それぞれの周辺脚部は第2アクチュエータ17aと関連付けられる。中央脚部18が受け面Gに接触すると、処理ユニット30は、第1周辺脚部17と関連付けられた第2アクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記第1周辺脚部17の展開を可能にする第1サブステップS51を実行し得る。第1周辺脚部が受け面Gに接触すると、処理ユニット30は、第2周辺脚部17と関連付けられた第2アクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記第2周辺脚部の展開を可能にする第2サブステップS52を実行し得る。中央脚部18の展開が命令されたものであろうと不変なものであろうと、中央脚部18の展開及び第1及び第2周辺脚部17の展開によって、3点の接触を生じさせることができ、受け面G上における推進装置10の固定化及び安定化がもたらされる。次に、処理ユニット30は、第3及び第4周辺脚部と関連付けられたアクチュエータによって解釈され得る命令を準備して送り、前記第3及び第4周辺脚部17のそれぞれの展開を可能にする第3サブステップS53を実行し得る。
【0075】
前記第2距離測定値M18s2が第2所定閾値MS2に達した場合に、突出手段17と関連付けられた第2アクチュエータ17aによって解釈され得る命令C17aを準備して送るステップS50の後に又はそれと一緒にさえ、処理ユニット30は、推力ユニット12と関連付けられた命令手段12mによって解釈され得る命令C12m´を準備して送り、「逆推力」としても知られる安定化推力反転を生成するステップS41を実行し得る。そのような推力反転の生成は特に賢明であるとわかる。なぜなら、それは、「バキュームカップ」効果が生じ、従って推進装置が受け面にくっつくことを可能にするからである。従って、推力反転によって、着陸段階中、推進装置10に直接に影響し得る気象条件を克服することができる。
【0076】
近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第2測定値M18s2が第2所定閾値MS2に実質的に等しく、それ故に突出手段17が展開された場合、ステップS50の後に又はそれと一緒に、処理ユニット30は、中央脚部18と関連付けられた第1アクチュエータ18aによって解釈され得る命令C18a´を準備して送り、前記中央脚部18の引っ込みを可能にするステップS42を実行し得る。そのような引っ込みは能動的な引っ込みとして知られ得る。引っ込みは、概して、有利にステップS50によって表される突出手段17の展開の後に、それ故、特に、第2閾値が実質的にゼロであり、中央脚部18が受け面Gと接触し始めるときに、開始される。そのようなステップS42は
図5Cで説明される。逆に、処理ユニット30は、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第2測定値M18s2が第2所定閾値MS2に実質的に等しく、従ってステップS50が実行され得るまで、近接センサ18sによって送られた近接センサ18sと受け面Gとの間の距離dの第2測定値M18s2を受け取って第2所定閾値MS2と比較するステップS30を反復し得る。
【0077】
変形例として、本発明は、前記中央脚部18の引っ込みが受動的に行われることを提供する。実際、その構造のおかげで、中央脚部18が例えば1つ以上のばね又は戻し構成要素を備え付けられた伸縮式の柱からなる場合、又は中央脚部18が主に可撓性材料によって構成される場合でさえ、中央脚部18は
図5Aから
図5E及び
図6のように機械的に格納され得、中央脚部18の展開は、中央脚部18が伸縮式の柱からなる場合、伸縮式の柱が移動して完全に展開されると停止され得る。変形例として又は加えて、中央脚部18の展開は、任意に、上述のように、ヒューマンマシン入力インターフェース40の設定点構成要素によって停止され得る。
【0078】
最後に、突出手段17が受け面G上で展開されて安定すると、処理ユニットは、突出手段17と関連付けられた第2アクチュエータ17aによって解釈され得る命令C17aを準備して送るステップS50の後に、推力ユニット12と関連付けられた命令手段12mによって解釈され得る命令C12m´を準備して送り、前記推力ユニット12の停止を可能にする又は引き起こすステップS60を実行し得る。推進装置10が着陸して完全に安全に安定すると、1つ又は複数の推力ユニット12は完全にオフされ得る。
【0079】
推進装置10の着陸段階を容易にするための有利な実施形態によれば、本発明は、さらに、そのような方法が、受け面Gと前記中央脚部18の遠位部分との間の接触に近づくときに、推力ユニット12と関連付けられた命令手段12mによって解釈され得る命令C12m´´を準備して送り、推力ユニット12の出力を制御して安定化推力を生成するステップS21を備えることができることを提供する。そのような安定化推力は、中央脚部18、より広く推進装置10の受け面Gとの「穏やかな」接触を容易にする。
【0080】
このように記述された推進装置10の着陸を制御するための方法の例は、例えば前記推進装置10の1つ又は複数の推力ユニット12の出力のような他の測定値、又は他の設定点、又は例えば受け面Gが被る運動若しくは前記受け面Gの寸法にさえ関係する測定値のような追加データを考慮する他の中間ステップを含み得る。
【0081】
ユーザによる制御又はアクチュエータ指令がない場合、推進装置の着陸を制御するための方法の実行によって、所定の受け面への自動着陸を行うことが自動的に可能になり、従って、そのような推進装置の搭乗者又は操作者に対する今日無比の制御支援が提供されることが注目される。さらに、本発明による推進装置の着陸を制御するためのそのような方法によって、特に、そのような着陸を行い、異物との衝突を低減するのに必要な受け面の面積を最適化することができる。
【0082】
さらに、処理ユニット30は、本発明による推進装置10の能動的な構成要素、処理ユニット自体、及び/又はセンサ若しくはアクチュエータに電気を供給することを課された1つ以上の電気供給源30PSを含み又はそれと協働し得る。
【0083】
最後に、本発明は、処理ユニット30が、本発明による推進装置10の利用の監視又は管理の目的で、生成された制御及び/若しくは作動の指令及び/若しくは命令の履歴、又は近接センサ18s若しくは推進装置内の他の任意の搭載センサによって送られ得る距離データさえ記録できることを提供する。そのような履歴は、データメモリ30DMに保存され、通信電子オブジェクト、例えば、パーソナルコンピュータ、スマート携帯電話、又はインタラクティブタブレットから、参照のために、読み取りアクセス可能であり得る。また、そのような通信によって、推進装置10の振舞い及び推進装置10によってその着陸中に供給される自動支援を要求に応じて変更するために、プログラムメモリ30PMに書き込まれたプログラムP及び/又は前記データメモリ30DMに保存された特定の設定パラメータを変更することができる。従って、処理ユニット30による制御のための方法の実行を引き起こすプログラムPによって利用される指令及び/又はパラメータのデータの全て又は一部を変更することができる。