(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】スポーツ用履物
(51)【国際特許分類】
A43B 5/02 20060101AFI20240308BHJP
A43B 13/26 20060101ALI20240308BHJP
A43C 13/04 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A43B5/02
A43B13/26 A
A43C13/04
(21)【出願番号】P 2018548248
(86)(22)【出願日】2016-12-05
(86)【国際出願番号】 AU2016051197
(87)【国際公開番号】W WO2017091871
(87)【国際公開日】2017-06-08
【審査請求日】2019-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-17
(32)【優先日】2015-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】518197904
【氏名又は名称】マソー・ピーティーワイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガヴィン・ウォードル
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】関口 哲生
【審判官】村上 聡
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4546559(US,A)
【文献】米国特許第5533282(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0216352(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0181977(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B5/02
A43B13/26
A43C13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一摩擦サポート機能を有するフロントソールと、第二摩擦サポート機能を有するヒールと、を有するスポーツ用履物であって、前記第二摩擦サポート機能は、前記第一摩擦サポート機能よりも少ない摩擦サポート性能を有し、前記フロントソールの第一摩擦サポートは、前記スポーツ用履物の前記フロントソー
ルから突出する、ストッパおよびクリートを有し、
前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記ヒールは、前記第一摩擦サポートと比較し低い摩擦サポート性能を備えた第二摩擦サポートを形成するクリートを有し、
前記スポーツ用履物は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された前部足サポート機能を有し、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールは、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するように、前記ヒールに対してある角度をなしており、
前記クリートは前記ストッパよりも小さな突起であり、
前記ストッパは円錐台状の突起であり、
前記クリートは、幅狭部と、幅広部と、を有する、成形された三角錐状突起であるスポーツ用履物。
【請求項2】
第一摩擦サポート機能を有するフロントソールと、第二摩擦サポート機能を有するヒールと、を有するスポーツ用履物であって、前記第二摩擦サポート機能は、前記第一摩擦サポート機能よりも少ない摩擦サポート性能を有し、前記フロントソールの第一摩擦サポートは、前記スポーツ用履物の前記フロントソー
ルから突出する、ストッパおよびクリートを有し、
前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記ヒールは、前記第一摩擦サポートと比較し低い摩擦サポート性能を備えた第二摩擦サポートを形成するクリートを有し、
前記スポーツ用履物は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された前部足サポート機能を有し、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールは、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するように、前記ヒールに対してある角度をなしており、
前記クリートは前記ストッパよりも小さな突起であり、
前記スポーツ用履物は、前記スポーツ用履物の前記フロントソー
ルから突出する、前記ストッパおよびクリートを有し、前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記クリートは、前記ヒールまたは前記フロントソールと一緒に成形可能であり、
前記スポーツ用履物は、前記スポーツ用履物の前記フロントソー
ルから突出する、前記ストッパおよびクリートを有し、前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記ストッパは、前記フロントソールと一緒に成形可能であり、
前記スポーツ用履物は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された前部足サポート機能を有する、フットボールブーツであり、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するスポーツ用履物。
【請求項3】
第一摩擦サポート機能を有するフロントソールと、第二摩擦サポート機能を有するヒールと、を有するスポーツ用履物であって、前記第二摩擦サポート機能は、前記第一摩擦サポート機能よりも少ない摩擦サポート性能を有し、前記フロントソールの第一摩擦サポートは、前記スポーツ用履物の前記フロントソー
ルから突出する、ストッパおよびクリートを有し、
前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記ヒールは、前記第一摩擦サポートと比較し低い摩擦サポート性能を備えた第二摩擦サポートを形成するクリートを有し、
前記スポーツ用履物は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された前部足サポート機能を有し、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールは、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するように、前記ヒールに対してある角度をなしており、
前記クリートは前記ストッパよりも小さな突起であり、
前記ストッパは円錐台状の突起であり、
前記クリートは、幅狭部と、幅広部と、を有する、成形された三角錐状突起であり、
前記クリートは、前記第一摩擦サポート機能による停止アクションを助けるために、前記スポーツ用履物で前方を向く前記三角錐状突起の前記幅広部を有するように、前記フロントソールに配置され、
前記クリートは、前記第二摩擦サポート機能による前方にスライドする動きを助けるために、前記三角錐状突起の前記幅狭部が前記スポーツ用履物における前方を向くように、前記ヒールに配置されており、
前記クリートは、前記三角錐状突起の前記幅狭部が前記スポーツ用履物におけるアーチサポートエリアの領域またはポイントに向かって後方を向くように、前記フロントソールに配置されているスポーツ用履物。
【請求項4】
前記クリートは、前記ストッパよりも小さな突起であり、その結果、前記クリートは、前記ストッパの突起の約60%未満突出して前記ストッパよりも小さな突起を形成する請求項1から3のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項5】
前記クリートは、前記ストッパの突起の約50%突出して前記ストッパよりも小さな突起を形成する請求項1から3のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項6】
前記クリートは、約7.5ミリメートル突出する請求項1から3のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項7】
前記ストッパは、約15.0ミリメートル突出する請求項1から3のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項8】
前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールに対して、ある角度をなしており、前記第二摩擦サポート機能は、前記第一摩擦サポート機能よりも少ない摩擦サポート性能を有し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供し、
前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールに対する、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールの通常の非湾曲角度は、約30°~45°であり、
前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールに対する、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールの角度は、約0°とほぼ非湾曲角度との間で曲がる請求項1から3のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項9】
前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールに対する、前記第二摩擦サポート機能を有する前記ヒールの角度は、非湾曲角度に戻るように弾性的に曲がる請求項
8に記載のスポーツ用履物。
【請求項10】
前記ヒールの外周上または前記ヒールの外周近くのクリートは、前記スポーツ用履物の前記アーチサポートエリアの領域またはポイントに向かって前方を向く成形突起の幅狭部を有するように、前記ヒールに配置されている請求項3に記載のスポーツ用履物。
【請求項11】
前記クリートは、前記スポーツ用履物の前記アーチサポートエリアの領域またはポイントに向かって後方を向く成形された前記三角錐状突起の幅狭部を有するように、前記フロントソールに配置されている請求項3に記載のスポーツ用履物。
【請求項12】
前記クリートは、内側に向けて傾く後面および側面を備える、幅狭部および幅広部を有する、ほぼ三角錐状の突起であり、
前記内側に向けて傾く後面および側面は、外側傾斜壁が内側傾斜壁よりも小さく内側に傾くように、前記フロントソールおよび前記ヒールに成形および配置され、かつ
前記クリートが前記フロントソールおよび前記ヒールの中央に配置された場合、前記外側傾斜壁が前記内側傾斜壁と等しく傾くように、前記内側に向けて傾く後面および側面は、前記フロントソールおよび前記ヒールに成形および配置されている請求項3に記載のスポーツ用履物。
【請求項13】
前記内側に向けて傾く後面および側面は平面である請求項12に記載のスポーツ用履物。
【請求項14】
前記内側に向けて傾く側面と側面とが交わる部分は、丸みを帯びている請求項12に記載のスポーツ用履物。
【請求項15】
前記内側に向けて傾く側面と側面との交わる部分は、面取りされている請求項12に記載のスポーツ用履物。
【請求項16】
前記スポーツ用履物の前記フロントソールから突出する前記ストッパ並びに前記フロントソールおよび前記ヒールから突出する前記クリートを有し、前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有するヒールにはなく、前記ストッパは、スロットの受入スクリューに受け入れ可能である請求項
1または3に記載のスポーツ用履物。
【請求項17】
前記スポーツ用履物はフットボールブーツであり、前記改良された前部足サポート機能は、前記フロントソールにストッパを含む請求項2に記載のスポーツ用履物。
【請求項18】
前記ヒールは、成形された連続的なヒールであることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項19】
前記フットボールブーツは、前記フロントソールに対して前記ヒールを曲げるための、柔軟性がある請求項2および17のいずれか一項に記載のスポーツ用履物。
【請求項20】
a.フロントソールおよびヒールであって、
i.前記フロントソールは、第一摩擦サポート機能を有し、前記ヒールは、第二摩擦サポート機能を有し、前記第二摩擦サポート機能は、前記第一摩擦サポート機能よりも少ない摩擦サポート性能を有する、フロントソールおよびヒールと、
b.
スポーツ用履物の前記フロントソールから突出するストッパ並びに前記フロントソールおよび前記ヒールから突出するクリートであって、
i.前記ストッパは、前記第一摩擦サポート機能を有する前記フロントソールのみにあり、前記ストッパは、前記第二摩擦サポート機能を有する前記ヒールにはなく、
ii.前記クリートは、前記ストッパよりも小さな突起である、ストッパおよびクリートと、
c.足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するような、前記ヒールに対するある角度で、前記第一摩擦サポート機能を有する、前記フロントソールと、
を有し、
d.前記クリートは、幅狭部および幅広部を有する、成形された三角錐状突起であり、前記クリートは、内側へ向けて傾く後面および側面を備える、幅狭部および幅広部を有する、ほぼ三角錐状突起であり、
e.前記クリートは、前記第一摩擦サポート機能による停止アクションを助けるために、前記スポーツ用履物で前方を向く前記三角錐状突起の幅広部を有するように、前記フロントソールに配置され、かつ前記クリートは、前記第二摩擦サポート機能による前方にスライドする動きを助けるために、前記スポーツ用履物で前方を向く前記三角錐状突起の幅狭部を有するように、前記ヒールに配置されているスポーツ用履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスポーツ用履物、より詳細にはフットボール用ブーツに関する。
【0002】
本発明は、サッカー、オーストラリアンルールズ(Australian Rules)、ラグビーまたはグリッドアイロン(Rugby or Grid Iron)であろうとなかろうと、1つまたは複数の様々なコードにおいてフットボールをするのに主に用いるために開発されたものであり、本出願を参照しつつ以下に説明する。しかしながら、本発明は、この特定の使用分野に限定されないことが理解される。
【背景技術】
【0003】
スポーツ用履物は概して、スポーツ用履物が使用される目的およびサーフェス(surface)に依存する。サーフェスは、以下の3つのグループに分類され得る。
・バスケットボール、屋内クリケット、バレーボール、卓球、スカッシュ、および他の屋内スポーツの範囲、テニスなどのボールスポーツのための、スムーズな平らな木製、コンクリート、カーペットまたはラバー、競技場フロアなどの屋内または屋外の平坦なスポーツ用サーフェス。このタイプのサーフェスは、グリップを可能にする平らなソールのシューズを必要とする。
・長さおよびかなりの曲がりやすさを有する天然または人工の芝生の競技場。このタイプのサーフェスは、地面が人をスライドさせるのを停止するために、突出するストッパを必要とする。これは、ストッパによりカバーされた履物の底面全体に見られて、このスリップを防ぐ。
・ランニングトラックまたは芝クリケットピッチなどの、突き刺すことが可能な天然または合成サーフェス。このタイプのサーフェスは、サーフェスを突き刺す長く鋭い金属スパイクを必要とするとともに、作用/反応アプローチにおいて実質的に前方のみへの動きを提供するように構成される。
【0004】
したがって、スポーツ用履物は、
i)平坦なソールと、
ii)スリップ防止または摩擦コントロールシステムを提供するために、ソールおよびヒール全体にストッパを有するフットボールまたはアウトドアブーツと、
iii)専門的なサーフェスを突き刺すとともに実質的に前方のみへの前進を提供するように配置された鋭いスパイクと、を備えることがわかる。
【0005】
スポーツにおいて、最近は、20年前と比べて、フットボールなどをすることにかなりの違いがある。特に、より多くのランニングがあるが、前方に走るだけではなく、より多くの偏移ランニング(deviation running)があり、迂回(circuitous)または混雑する集団(crowded pack)またはスクラムを組んだ場所(scrum locations)を貫く道を提供するための大きな横方向偏移(lateral deviation)は、迅速かつ効果的な方向転換を必要とする。底面一面にストッパを備える通常のフットボールブーツが使用される場合、その結果、方向転換の可能性はほとんどなく、足、足首、膝痛、または膝の損傷リスクを大幅に増加させてしまう。
【0006】
しかしながら、このような既知のスポーツシューズシステムは、以下の1つまたは複数を可能にするスポーツウェアの天然または合成の芝生競技場での使用のために提供されるような十分なサポートおよびコントロールを提供しない。
・コントロールされた横方向運動、
・素早い方向転換、
・枢動性に対する許容性、
・前正面(directly forward direction)以上のコントロール。
【0007】
ゴルフシューズにおいてハードスパイクを使用することから、長く鋭い金属スパイクではなく、より柔らかい圧縮プラスチック摩擦要素である「ソフトスパイク」と呼ばれるものに進歩があった。これはまだ、いわゆるグリップが存在するが、ゴルフコースのフェアウェイおよびグリーンの突き刺しおよび磨耗および裂け目が最小限に抑えられる。しかしながら、アイデアは依然として、ティーショットまたフェアウェイショットをするときの安定性を提供することであり、したがって、ソフトスパイクは、全体にわたってほぼ平らなパターンでソフトスパイクを含む実質的に平たい連続的なフラットソールおよびヒールの全体にわたって均等に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、真正面以外の方向への素早い動きを可能にする、スポーツ用履物における提案は未だ示されていない。
【0009】
本発明は、前記従来技術の欠点のうちの少なくとも1つまたは複数を克服するかまたは実質的に改善する、または少なくとも代替物を提供する、スポーツ用履物を提供することを目的とする。
【0010】
先行技術情報が本明細書に参照される場合、そのような参照は、前記先行技術情報が、オーストラリアまたは任意の別の国において、当該技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成することを認めるものではないことを理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、スポーツ用履物は、第一フロントソール摩擦サポートを必要とすることにより、提供される。
【0012】
スポーツ用履物の発明は、グリップをさらに保持しながら、改善された動きやすさを可能にするという利点を提供することがわかる。
【0013】
本発明はまた、第一摩擦サポートを有するソールと、第二摩擦サポートを有するヒールと、を有するスポーツ用履物であって、第二摩擦サポートは第一摩擦サポートよりも実質的に少ない摩擦サポートを有する、スポーツ用履物を提供する。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するような、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された第一前部足サポートを有するフットボールブーツにより、スポーツ用履物が提供される。
【0015】
スポーツ用履物の発明は、横方向運動の利点をもたらすことがわかる。
【0016】
好ましくは、スポーツ用履物は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された第一前部足サポートを有する、フットボールブーツを備え、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。
【0017】
フットボールブーツは、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された枢動前部足サポートを有することができ、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。
【0018】
スポーツ用履物は、改良された枢動前足サポートが、フロントソールにストッパを含み、改良された履物は、フロントソールと比較してリヤソールに、ストッパを含まないか、または実質的な突起を含まない。
【0019】
改良された枢動前部足サポートは、前部と一体化することができるか、またはフロントソールに取り付け可能である。
【0020】
一の形態において、フットボールブーツは、成形ストッパと一体化された成形ソールによりフロントソールと一体的に形成された、改良された枢動前部足サポートを有することができる。
【0021】
別の形態において、フットボールブーツは、複数のソケットのそれぞれが第一前部摩擦サポートソールを提供する突出可能ストッパを受け入れる、フロントソールプレートを有することができる。
【0022】
好ましくは、スポーツ用履物は、各ソケットが突出可能ストッパを受け入れ、ソールプレートの側縁近くにて実質的に対向するラインを形成する、複数のソケットのうちの少なくともいくつかを有する。
【0023】
各ソケットが突出可能ストッパを受け入れる複数のソケットの大部分は、フロントソールプレートの後方に配置することができ、ソールプレートの側縁近くにて実質的に対向するラインを形成する。
【0024】
各ソケットが突出可能ストッパを受け入れる複数のソケットのうちの少なくとも1つは、回転枢支点を形成するために別のストッパから離間されたフロントソールプレートの中央位置に配置することができる。
【0025】
好ましくは、フットボールブーツは、ロールまたは安定性特性を備えるリヤヒール構成であって、足の前部のみは主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するが靴の後部は横方向または縦方向への正確な動きを助けるような摩擦特性を備えないリヤヒール構成を有する。
【0026】
ヒールは、成形された連続的なヒールであってもよい。好ましくは、ヒールには、突起がほとんどないか、または突起が全くない。
【0027】
好ましくは、ブーツは、フロントソールに対してヒールを曲げるための、柔軟性がある。
【0028】
本発明は、ストッパ等の使用による第一フロントソール摩擦サポートのみを必要とするフットボールブーツである、スポーツ用履物を提供することができる。
【0029】
本発明の一形態によれば、第一摩擦サポートを有するソールと、第二摩擦サポートを有するヒールと、を有するスポーツ用履物であって、第二摩擦サポートは第一摩擦サポートよりも少ない摩擦サポートを有し、ストッパおよびクリートは履物のソールおよびヒールから突出し、かつストッパは第一摩擦サポートのソール形成部分のみにあり、ストッパは第二摩擦サポートを有するヒールにはなく、クリートはストッパよりも小さな突起であり、かつソールは足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するような、ヒールに対するある角度で、第一摩擦サポートを有する、スポーツ用履物を提供する。
【0030】
クリートは概して、リードする前部と、幅広後部と、を有する、成形された突起であり、クリートは、内側に向けて傾く後面と側面とを備える、リードする前部と幅広後部とを有する、ほぼ三角柱状の突起である。
【0031】
クリートは、内側に向けて傾く後面と側面とを備える、リードする前部と幅広後部とを有する、ほぼ三角柱状の突起であり、
クリートは概して、第一摩擦サポートによる停止アクションを助けるために、スポート用履物で前方を向く成形突起の幅広後部を有するように、フロントソールに配置され、クリートは概して、第二摩擦サポートによる前方にスライドする動きを助けるために、スポート用履物で前方を向く成形突起の幅狭前部を有するように、リヤヒールに配置される。
【0032】
内側に向けて傾く後面および側面は、外側傾斜壁が内側傾斜壁よりも少なく内側に向けて傾くように、ソールまたはヒールに成形および配置され、クリートがソールまたはヒールの中央に配置された場合、外側傾斜壁が内側傾斜壁と実質的に等しく傾くように、内側に向けて傾く後面および側面は、ソールまたはヒールに成形および配置される。
【0033】
上記に照らして、スポーツ用履物は、以下の1つまたは複数を含む改良構造と実質的に組み立てることができる。
I.フロントソールでランニングしているときのスリップを最小限に抑えるための構成を含む構造体および組立体の改良、
II.コントロールされた横方向運動の向上および素早い方向転換、
III.フロントソールでの枢動に対する許容性の向上、
iv.真正面方向(directly forward direction)だけではないコントロール。
V.ユーザーおよびスポーツに適合するように、前、後、および横方向スリップまたはスリップ防止の構成の調節能力、
vi.よりシンプルな構造、
vii.ストッパの一体または受け入れ可能な能力、
viii.履物を前方に重くする能力。
【0034】
スポーツ用履物の発明は、従来技術とは異なり、現代のマルチタスク履物になり得るという利点をもたらすことがわかる。
【0035】
本発明の別の態様はまた、開示される。
【0036】
本発明の範囲内に入り得る任意の別の形態にもかかわらず、本発明の一の好ましい実施形態(a preferred embodiment)/複数の好ましい実施形態(preferred embodiments)を、添付の図面を参照して、単なる例として、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるスポーツ用履物の側面図である。
【
図3】
図3は、第一摩擦サポートの一部としてのフロントソール上のストッパに対する第二摩擦サポートの一部としてのヒール上のクリートの相対的な大きさを示す、
図1および
図2のスポーツ用履物の側面図である。
【
図4】
図4は、ヒール面に対するフロントソールの角度変化を示す、
図1および
図2のスポーツ用履物の側面図である。
【
図5】
図5は、
図1および
図2のスポーツ用履物の底面図であり、甲部分のポイントまたは領域に対して前方にリードする第二摩擦サポートの一部としてヒールに構成され、甲部分のポイントまたは領域に対して後方にリードする第一摩擦サポートの一部としてフロントソールに構成されたときの、幅広後部に対する成形クリートのリードする幅狭前部の相対的な方向位置を示す。
【
図6】
図6は、中央に位置するクリートおよび側部に位置するクリートおよびそれらの相対位置によるクリートの構造の変化を示す
図5の詳細図である。
【
図7】
図7は、
図1のスポーツ用履物の使用に関する、相対的位置および要求によるものである、クリートの構造の変形の概略説明図である。
【
図8】
図8は、
図1のスポーツ用履物の使用に関する相対的位置および要件によるものである、クリートの構造の変形の概略説明図である。
【
図9】
図9は、
図1のスポーツ用履物の使用に関する相対的位置および要件によるものである、クリートの構造の変形の概略説明図である。
【
図10】
図10は、
図1のスポーツ用履物の使用に関する相対的位置および要件によるものである、クリートの構造の変形の概略説明図である。
【
図11】
図11は、本発明のさらに好ましい実施形態によるスポーツ用履物の側面図である。
【
図13】
図13は、フロントソールの特定部分を示す、
図11のスポーツ用履物の底部平面図である。
【
図14】
図14は、フロントソールの特定部分を示す、
図11のスポーツ用履物の底部平面図である。
【
図15】
図15は、フロントソールの特定部分を示す、
図11のスポーツ用履物の底部平面図である。
【
図16】
図16は、本発明の別の好ましい実施形態によるスポーツ用履物である。
【
図18】
図18は、フロントソールの特定セクションを示す
図16のスポーツ用履物の底部平面図である。
【
図19】
図19は、フロントソールの特定セクションを示す
図16のスポーツ用履物の底部平面図である。
【
図20】
図20は、フロントソールの特定セクションを示す
図16のスポーツ用履物の底部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明において、異なる実施形態における同様または同じ参照番号は、同じまたは類似の特徴を示すことに注意すべきである。
【0039】
一の形態において、本発明は、第一フロントソール摩擦サポートのみを必要とする、スポーツ用履物を提供する。これは、ストッパ等の使用による第一フロントソール摩擦サポートのみを必要とするフットボールブーツにおいて達成され得る。
【0040】
図1~
図6を参照すると、本発明にかかるフットボールブーツ11が示されており、つま先部分からヒール部分まで延びるアッパー19を有し、頂部セクションにおいてひもで閉じることができる。下面において、中央の足の甲またはアーチサポートエリア22からリヤヒールセクション23まで延びる、フロントソール21から延びるソール20がある。
【0041】
本発明の実施形態のこの形態において、スポーツ用履物11は、フロントソール21と、リヤヒール23と、を有し、フロントソール21は、第一摩擦サポートを有し、リヤヒール23は、第二摩擦サポートを有し、第二摩擦サポートは、第一摩擦サポートよりも実質的に少ない摩擦サポートを有する。
【0042】
複数の円錐台状のストッパ30および成形されたクリート25は、スポーツ用履物のソールおよびヒールから突出している。ストッパ30およびクリート25の数および密度、ソールおよびヒールの突起の相対的なサイズ、成形クリート25の成形、クリートの相対的な位置およびクリートの配向の変更が、ヒール23の第二摩擦面に対する、フロントソール21の第一摩擦面の変更をもたらす。
【0043】
この実施形態の
図3において、ストッパは、第一摩擦サポートのソール形成部分のみにあり、ストッパは、第二摩擦サポートを有するヒールにはなく、クリートは、ストッパよりも小さな突起である
。
【0044】
図4を参照すると、フロントソールは、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するような、ヒールに対する角度Zで、第一摩擦サポートを有する。
【0045】
図5および
図6を参照すると、クリートは概して、リードする前部と、幅広後部と、を有する、成形された突起である。この成形により、全体的なスライド方向を、リードする前部に合わせることが可能となり、一方、幅広後部はむしろ、その方向において、よりスライドを防止する態様である。この特定の実施形態において、内側に向けて傾く後面および側面を備える、リードする前部および幅広後部を有する、ほぼ三角柱状の成形突起として、クリートを有することが特に有利である。したがって、三角柱状の成形突起のこの形態において、クリートは、内側に向けて傾く後面および側面を備える、リードする前部および幅広後部を形成する、3つの実質的に平面的な側面を有する。
【0046】
クリートの成形は、フロントソールまたはヒールの位置に応じて変更する。クリートは概して、スポーツ用履物で前方を向く成形突起の幅広後部を有するように、フロントソールに配置された場合、第一摩擦サポートによる停止アクションを助ける。クリートは概して、履物で前方を向く成形突起の幅狭前部を有するように、リヤヒールに配置された場合、第二摩擦サポートによる前方にスライドする動きを助ける。
【0047】
クリート41がソールまたはヒールの中央に配置された場合、
図7に示されるように外側傾斜壁が内側傾斜壁と実質的に等しく傾くように、内側に向けて傾く後面および側面は、ソールまたはヒールに成形および配置されている。
【0048】
しかしながら、クリート42がソール21またはヒール23の周縁または中央から外れた位置に配置された場合、外側傾斜壁46が内側傾斜壁47よりも少なく内側に向けて傾くように、内側に向けて傾く後面45および側面46、47は、ソール21またはヒール23に成形および配置される。これは、
図8および
図9中、AS1およびAS2により示されるような、より多くのスライド防止を提供する。
【0049】
内側に向けて傾く後面45および側面46、47の相対的な傾斜バリエーションを
図10に示すとともに、さらに説明する。
【0050】
図11~
図20の図面を参照すると、本発明にかかるフットボールブーツ111のさらなる形態が示されており、つま先部分117からヒール部分118へ延びる上部116を有し、頂部セクションにおけるひも119で閉じることができる。下面において、中間の足の甲またはアーチサポートエリア122、およびリヤヒールセクション123に延びる、フロントソールプレート125がある。
【0051】
フロントソールプレート125において、複数のソケットがあり、各ソケットが突出可能ストッパ130を受け入れ、第一前部摩擦サポートソール(primary front frictional support sole)を提供する。
【0052】
本発明の形態において、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された第一前部足サポートを有するフットボールブーツを含み、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。これは、フットボールブーツが、ロールまたは安定性特性を備えるリヤヒール127の構成であって、摩擦特性を備えないリヤヒール127の構成を有し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供し、一方、フットボールブーツの後部は縦方向であろうと横方向であろうと正確な動きを助けることにおいて達成され得る。
【0053】
フットボールブーツ111は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された第一前部足サポートを有し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。フロントソールプレート125は、複数のソケットを有し、複数のソケットのそれぞれが突出可能ストッパ130を受け入れ、第一前部摩擦サポートソールを提供する。
【0054】
しかしながら、横方向の動きを、より特に向上するために、スポーツ用履物は、各ソケットが突出可能ストッパを受け入れる複数のソケットのうちの少なくともいくつかを有し、ソールプレートの側縁近くにて実質的に対向するラインを形成し、かつソールプレート125の側縁付くにて実質的に対向するライン131、132を形成する。
【0055】
優れたストップ可能性およびコントロールを提供するために、各ソケットが、突出可能ストッパを受け入れる、複数のソケットの大部分は、フロントソールプレート125の後部133に配置されている。
【0056】
ブーツ前部の枢動可能性を、より特に向上するため、リヤヒールは突起がなく、したがって地面との摩擦がない。さらに、各ソケットが突出可能ストッパを受け入れる複数のソケットのうちの少なくとも1つは、別のストッパから離間されたフロントソールプレート125の中央位置135に配置可能であり、回転枢支点を形成する。
【0057】
フットボールのブーツ111は、ロールまたは安定性特性を備えるリヤヒール構成127であって、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供するような摩擦特性を備えないリヤヒール構成127を有し、一方、ブーツの後部は、横方向または縦方向の正確な動きを助ける。ヒール127は、成形された連続的なヒールである。ヒールには、突起がほとんどないか、または突起が全くない。より詳細には、ブーツ111は、フロントソール125に対してヒール121を曲げるために、柔軟性がある。このようにして、フットボールブーツは、ストッパ等の使用による第一フロントソール摩擦サポートのみを必要とする。
【0058】
別々におよび様々な組み合わせで、以下を提供する、多くの要素があることが分かる。
a)第一摩擦サポートの前部強調
b)第二摩擦サポートの少ない強調
c)クリート構成
d)ストップする構成
【0059】
本発明にかかるスポーツ用履物は、ソールとヒールとを有し、ソールは第一摩擦サポートを有し、ヒールは第二摩擦サポートを有し、第二摩擦サポートは第一摩擦サポートよりも実質的に少ない摩擦サポートを有する。
【0060】
第一摩擦サポートの前部強調
【0061】
本発明は、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された第一前部足サポートを有する、フットボールブーツを提供し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して、摩擦コントロールを提供する。
【0062】
第一摩擦サポートの前部強調は、以下の1つまたは複数の使用を通して達成される。
・第一摩擦サポートのソール形成部分のみにストッパを有し、第二摩擦サポートを有するヒールにストッパを有しない、スポーツ用履物であって、
・履物のソールおよびヒールから突出するストッパおよびクリートを有し、ストッパは、第一摩擦サポートのソール形成部分のみにあり、ストッパは、第二摩擦サポートを有するヒールになく、
・ストッパは、実質的に円錐台状の突起であり、
・クリートは、ストッパよりも小さな突起であり、
・履物のウェイトは、前方近くにあり、および/または
・リヤヒールに対するフロントソールの角度は、第一摩擦サポートの前部強調(front emphasis)を提供する。
【0063】
図1~
図6に示した履物は、履物のソールおよびヒールから突出する、ストッパおよびクリートを有する。しかしながら、ストッパは、第一摩擦サポートのソール形成部分にのみあり、ストッパは、第二摩擦サポートを有するヒールにはなく、ストッパは、スロットの受け入れスクリューに受け入れ可能である。
【0064】
フットボールブーツは、向上した縦方向および横方向コントロールを備える、改良された枢動前部足サポートを有することができ、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。改良された枢動前部足サポートは、フロントソールにストッパを含む。
【0065】
第一摩擦サポートを有するソールは、第二摩擦サポートを有するヒールに対して、ある角度をなしており、第二摩擦サポートは、第一摩擦サポートよりも実質的に少ない摩擦サポートを有し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供する。第一摩擦サポートを有するソールに対する、第二摩擦サポートを有するヒールの通常の非屈曲角は、約30°~45°である。第一摩擦サポートを有するソールに対する、第二摩擦サポートを有するヒールの角度は、約0°からほぼ非屈曲角までの間で変化する。第一摩擦サポートを有するソールに対する、第二摩擦サポートを有するヒールの角度は、非屈曲角に戻るように弾性的に曲がる。
【0066】
第二摩擦サポートの、少ない強調
【0067】
履物のフロントソールではなくて、ヒールでの第二摩擦サポートの少ない強調は、以下の1つまたは複数の組み合わせにより、達成され得る。
a)ヒールに突起がなく、フロントソールに突起がある。
b)フロントソールの突起に対して、リヤヒールの小さな突起。
c)フロントソールの突起に対して、ヒールのパターン成形。
d)フロントソールのみの大きなストッパに対して、ヒールのみの小さなクリート。
e)フロントソールの大きなストッパおよびクリートに対して、ヒールのみの小さなクリート。
【0068】
構成の重要な部分は、相対的な摩擦サポートであることが分かる。相対的な摩擦サポートにより、これは、履物が地面に当たったときのスリップ防止またはスリップ低減の提供に関連することが理解される。一般的には、あなたは、いつ何をスリップさせるのか、およびいつ何をスリップさせないのか(スリップ防止)のコントロールを含む、スポーツゲームをするときのコントロールを有することを望む。
【0069】
この第二摩擦サポートの少ない強調という利点は、ヒールが、着用者の足の内側アーチに続くブリッジであるので、一般には地面に係合しない内側ステップまたはアーチ道(archway)により、フロントソールから全体的に離間されることである。この結果、間隔が生じ、従来の履物は一般的に、離間されたヒールとソールとの両方に類似の摩擦サポートの範囲を有していた。人が従来の履物を真向き方向(straight ahead direction)に角度をつけて着地させる場合、それらは同様の摩擦サポートのためにその角度でストップすることになり、これは、怪我の可能性を著しく高める変な角度で、着用者の脚と足と足首と膝に、負担およびストレスを引き起こしやすくする。
【0070】
しかしながら、本発明では、第一摩擦サポートの前部強調、かつ第二摩擦サポートの少ない強調は、足の通常の枢動または前方へのコントロールをフットボールおよび関連するスポーツの分野において使用することができることを意味する。
【0071】
着用者が改良された履物を着地させる場合、離間された摩擦サポートにより着用者の足が捻られることはないが、第二アシスタンスを提供するソールおよび第二サポートによって行われる第一摩擦サポートを有することが分かる。
【0072】
その第二アシスタンスは、その結果、フットボールと接触して蹴るために、他方の脚が地面の上で振り回されている間、地面に対する支持脚のしっかりとした基盤を提供することなどの、フロントソールおよびヒールが地面に係合している時間に注目することができる。これにより、フロントソールの第一摩擦サポートとヒールの第二摩擦サポートとの両方の安定性および横方向のスライド防止特性が重要になる。
【0073】
しかしながら、着用者およびスポーツがフロントサポートのみを必要とし、かつ前方枢動をゲームの全ての局面を通してのみ必要とする場合は、第二摩擦サポートは、突起を伴わずに、実質的に最小限の摩擦サポートを有することができることを理解することができる。
【0074】
クリート
【0075】
クリートはある範囲の重要な要素を有し、かつ提案された本発明のクリートは、以下のいずれか1つまたは複数であり得る。
a)ストッパに対する相対的なサイジング、
b)成形可能な突起(Mouldable protrusions)、
c)成形突起(Shaped protrusions)、
d)クリートの位置、
e)成形クリートの方向、および/または
f)クリートの相対的な幅、長さ、および/または高さ。
【0076】
クリート41は、リードする前部と、幅広後部と、を有する、全体的に成形された突起である。
図7において、内側に向かって傾く後部45および側面46、47を備える、リードする前部および幅広後部を有する、三角柱状の突起が示されている。クリートは、ストッパの突起の約60%未満突出して、ストッパよりも小さな突起を形成する。しかしながら、より好ましくは、クリートは、ストッパの突起の約50%突出して、ストッパよりも小さな突起を形成する。一実施例において、クリートは、約7.5ミリメートル突出し、一方、ストッパは、約15.0ミリメートル突出する。
【0077】
クリートは概して、第一摩擦サポートによる停止アクションを助けるために、スポーツ用履物で前方を向く成形突起の幅広後部を有するように、フロントソールに配置される。したがって、第一摩擦面は、クリートの後面45が前方を向いている状態の、クリートの方向性のある構成(directional arrangement)により、改良される。このクリートの後壁45は、成形されたクリートの特定の長さLに対して、長さS2短くするとともにS1長くすることにより、90°平面に向かって、より高く傾斜させることができる。好ましくは、クリートの後壁は、地面に瞬時に引っかかるのではなく、コントロールされたスライド、次にグリップの成分を提供するように、部分的に傾斜される。傾斜、および特に三角錐体形状は、地面のフローオーバー(flow over)と、内側に向けて傾く2つの側面46、47の頂点に合わせたスライドの方向コントロールと、を提供する。
【0078】
ヒールの周囲上またはヒールの周囲付近のクリートは概して、履物の甲上の領域またはポイントに向かって前方を向く成形突起のより幅狭前部を有するように、リヤヒールに配置される。クリートは概して、履物の甲上の領域またはポイントに向かって後方を向く成形突起の幅狭前部を有するように、フロントソールに配置される。
【0079】
これにより、クリートの後面47の方向の、この構成は、履物の定義可能なサポートを提供し、その結果、ヒールは後方へのスライド防止を提供し、その結果、着用者が他方の足で蹴っているときに足は後方へスライドしない。また、フロントソール上のクリートの後面47の方向のこの構成は、これにより、履物の定義可能なサポートを提供し、その結果、フロントソールは、ストップするために前方へのスライド防止またはコントロールされたスライドを提供し、その結果、着用者がストップしようとしているときに足が前方へスライドし続けないようにする。
【0080】
しかしながら、クリートの全長Lが幅Wに対して増加する
図10に示されるような角度を増加させるような、このクリート構成に対する別の変更は、適用可能である。
【0081】
内側に向けて傾く後面および側面は、実質的に平面である。他のプレーヤとの接触による損傷を最小限にするために、内側に向けて傾く側面の交差する部分は丸みを帯びているか、または内側に向けて傾く側面の交差する部分は数珠状をなしている。別の選択肢は、内側に向けて傾く側面の交差する部分を面取りすることである。
【0082】
図7を参照すると、別の調節は、内側クリート壁47に対する、外側クリート壁46の、相対的な傾斜である。内側に向けて傾く後面および側面は、外側傾斜壁が内側傾斜壁よりも少なく内側に向けて傾くように、ソールまたはヒールに成形および配置される。すなわち、外側傾斜壁46は、内側傾斜壁47よりも、90°に近い。バランスが取られるとき、そのとき、内側に向けて傾く後面および側面46、47は、ソールまたはヒールに成形および配置され、その結果、クリートがソールまたはヒールの中央に配置された場合、外側傾斜壁は、内側傾斜壁と実質的に等しく傾く。
【0083】
ストッパの構成
【0084】
ストッパの構成は、多くの利点をもたらすことができる。
【0085】
最初の利点は、ストッパを履物のフロントソールのみに有するとともにストッパをヒールに有しないことにより、その結果、履物前部に摩擦の重要性の直接的な強調があることである。さらに、密度および他の突起に対する相対的な突出。
【0086】
フットボールブーツの枢動のために、フットボールのブーツは、フロントソールにストッパを含み、フロントソールに対するリヤソールに、ストッパまたは実質的な突起を含まない。このようにして、フットボールのピッチにもつれる実質的なヒールの突起はなく、着用者は、前方に枢動することができる。
【0087】
この枢動は、フロントソールの中央部に、第一ストッパを有することにより、さらに強調することができる。これは、回転枢支点を形成するために、別のストッパから離間されたフロントソールプレートの中央位置に配置可能な突出可能ストッパを受け入れるための複数のソケットのうちの少なくとも1つにより、提供され得る。しかしながら、枢動ストッパは、ソールプレートに、成形することができる。
【0088】
また好ましくは、配置状態で複数のストッパのうちの少なくともいくつかは、ソールの側縁近くにて、実質的に対向するラインの位置にある。またさらに、各ソケットが突出可能ストッパを受け入れる複数のソケットのうちの大部分は、フロントソールの後部に配置されている。
【0089】
フットボールブーツは、ロールまたは安定性特性を有するが、摩擦特性を有しないリヤヒール構成を有し、その結果、足の前部のみが主に地面に係合して摩擦コントロールを提供し、一方、フットボールブーツの後部は、横方向または縦方向への正確な動きを助ける。好ましくは、ヒールは、突起がほとんどないか、または突起が全くない、成形された連続的なヒールである。
【0090】
[解釈]
実施形態:
この明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通してさまざまな箇所における「一実施形態において(in one embodiment)」または「実施形態において(in an embodiment)」という表現の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではないが、そうでもよい。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態においてこの開示から当業者に明らかであるような任意の適切な方法で、組み合わせることができる。
【0091】
同様に、本発明の例示的な実施形態の上記説明において、本発明の様々な特徴は時には、様々な発明の態様のうちの1つまたは複数の、開示の合理化とともに理解を助ける目的で、その単一の実施形態、図面、または説明に、一緒に分類されることは理解されよう。しかしながら、この開示の方法は、特許請求された発明が各請求項に明示的に記載されたものよりも多くの特徴を必要とする意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、単一の前述の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものにある。したがって、特定の実施形態の詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これによって、この特定の実施形態の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項はこの発明の別個の実施形態としてそれ自身に依存している。
【0092】
さらに、本明細書において説明された幾つかの実施形態は、別の実施形態に含まれる幾つかの別の特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の要旨の範囲内にあり、当業者により理解されるような異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求された実施形態のいずれかは、任意の組み合わせで使用することができる。
【0093】
<対象の異なる例>
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、「第一(first)」、「第二(second)」、「第三(third)」などの、共通の対象を説明するための、順序を示す形容詞の使用は、類似する対象の異なる例を示しているだけであり、そのように記述された対象が、与えられた順序でなければならないこと、時間的、空間的、順位付け、またはその他の方法でなければならないことを、暗に意味することを意図していない。
【0094】
<具体的な詳細>
本明細書で行われた説明において、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これら具体的な詳細なしに実施され得ることが理解される。別の例において、周知の方法、構造、および技術は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細に示されていない。
【0095】
<用語>
図面に示された本発明の好ましい実施形態の説明において、明瞭化のために特定の用語が用いられる。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではなく、それぞれの特定の用語は類似の技術的目的を達成するために類似の方法で動作するすべての技術的等価物を含むことが理解される。「前方」、「後方」、「半径方向」、「周辺」、「上向き」、「下向き」などの用語は、基準点を提供するための便宜的な用語として使用されるものであり、限定的な用語として解釈されるべきではない。
【0096】
<備える(Comprising)および含む(Including)>
以下の特許請求の範囲および前述した本発明の説明において、文脈が言語表現または必要な示唆のために必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」という用語、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising」などの変形は、包括的な意味で用いられ、すなわち、記載された特徴の存在を特定するものの、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0097】
本明細書で使用するとき、「含む(including)」または「含む(which includes)」または「含む(that includes)」という用語のいずれか1つはまた、少なくともその用語に続く要素/特徴を含むが、他のものを除外しないことを意味するオープンターム(open term)である。したがって、含む(including)は、備える(comprising)と同義語であり、備える(comprising)を意味する。
【0098】
<発明の要旨>
したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものを説明したが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく別のおよびさらなる修正をそれになし得ること、およびそのような変更および修正のすべては本発明の要旨の範囲内に含まれることを、理解するであろう。例えば、上記した任意の手法は、使用され得る手順の単なる代表的なものである。機能性(Functionality)は、ブロック図に追加、またはブロック図から削除することが可能であり、作用(operations)は、機能ブロック間で交換することが可能である。ステップは、本発明の要旨の範囲内で、説明された方法に対して、追加または削除することが可能である。
【0099】
本発明は特定の実施例を参照して説明されたが、本発明は多くの別の形態で実施し得ることが当業者により理解される。
【産業上の利用可能性】
【0100】
説明された構成は、スポーツシューズおよびスポーツ産業に、応用可能であることが、上記から明らかである。
【符号の説明】
【0101】
21 フロントソール
23 ヒール
25 第二摩擦サポート
30 第一摩擦サポート