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特許7450375医療情報装置、医療情報システム、及び医療情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】医療情報装置、医療情報システム、及び医療情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20240308BHJP
【FI】
G16H15/00
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019214915
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2020109623
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】16/206,367
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032971
【氏名又は名称】コニカ ミノルタ ヘルスケア アメリカズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪田 寛之
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-296453(JP,A)
【文献】特開2002-063274(JP,A)
【文献】特開2017-086274(JP,A)
【文献】特開2014-153809(JP,A)
【文献】特開2010-061489(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172451(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療レポートの少なくとも一つの項目の情報内容が医療画像である情報内容と、
医療コードシステム数値と、前記情報内容に対応し、医療コードシステム数値によって識別される医療コードシステムにおいて定義される医療コード数値と、を含む参照情報と、
によって構成される項目を複数含む医療レポートを記憶する記憶部と、
前記医療コード数値に基づいて前記情報内容が表示クライアント装置に表示されるかを判断し、
前記情報内容が表示されると判断した場合に、前記情報内容と前記参照情報とを前記表示クライアント装置へ送信する、プロセッサーと、
を備える医療情報装置。
【請求項2】
前記複数の項目は前記医療レポートにおいて表示される順番に記憶され、前記情報内容は前記参照情報の後に前記各項目に記憶される、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項3】
前記医療レポートはさらに前記医療レポートの前記各項目の前記情報内容を表示するレイアウトを有するテンプレートを識別するテンプレート識別子を含み、
前記プロセッサーは、
前記表示クライアント装置より前記医療レポートを要求された場合、前記テンプレート識別子によって識別される前記テンプレートが存在するか判断し、
前記テンプレートが存在すると判断した場合に、前記参照情報の代わりに前記テンプレートを送信する、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項4】
前記情報内容が前記医療画像である場合、前記情報内容は医療画像サーバーに保存される前記医療画像のリンクとして記憶される、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項5】
前記プロセッサーは、
特定の種類の医療撮影装置と、
前記医療撮影装置によって前記医療画像において撮影される人体の特定の領域と、
を記憶する、請求項4に記載の医療情報装置。
【請求項6】
前記参照情報は、
前記情報内容とともに表示されるキャプションと、
前記情報内容の情報種類と、
をさらに含む、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項7】
前記プロセッサーは前記表示クライアント装置に前記医療レポートを送信し、
前記医療レポートを受信した場合、前記表示クライアント装置は前記参照情報に基づいて、前記医療レポートの前記各項目の前記情報内容を表示する表示領域の大きさを調整する、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項8】
前記参照情報はテキスト形式の少なくとも一単語によって構成される情報をさらに備える、請求項1に記載の医療情報装置。
【請求項9】
医療レポートの情報内容を送信する編集クライアント装置と、
前記編集クライアント装置から前記情報内容を受信し、前記情報内容及び前記情報内容に対応する参照情報を送信する、請求項1に記載の医療情報装置と、
前記情報内容及び前記参照情報を受信し、前記参照情報に応じて前記医療レポートを表示する表示クライアント装置と、
を備える医療情報システム。
【請求項10】
前記表示クライアント装置が前記情報内容及び前記参照情報を受信した場合、前記表示クライアント装置が前記参照情報に基づいて前記情報内容を表示する表示領域の大きさを調整する、請求項9に記載の医療情報システム。
【請求項11】
前記表示クライアント装置が前記情報内容及び前記参照情報を受信した場合、前記表示クライアント装置が前記参照情報に基づいて、前記情報内容を表示するかを判断する、請求項9に記載の医療情報システム。
【請求項12】
プロセッサーが、
医療レポートの少なくとも一つの項目の情報内容が医療画像である情報内容と、
医療コードシステム数値と、前記情報内容に対応し、医療コードシステム数値によって識別される医療コードシステムにおいて定義される医療コード数値と、を含む参照情報と、
によって構成される項目を複数含む医療レポートを記憶するステップと
プロセッサーが、前記医療コード数値に基づいて前記情報内容が表示されるかを判断するステップと
プロセッサーが、前記情報内容が表示されるとプロセッサーが判断した場合に、前記情報内容と前記参照情報とを表示させるために表示装置へ送信するステップと、
を含む医療情報処理の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
該当なし。
【背景技術】
【0002】
医療画像及びその他の医療データを含む電子医療記録は患者の診断において重要な役割を担う。医療施設(例えば病院等)では、医療記録を電子的に記憶することの利点が理解されるようになった。医療画像及びその他のデータを電子化することによって、ユーザーが容易に医療画像や医療データにアクセスできるようになるだけでなく、これらの画像及びデータが複数の医療施設において容易に共用できるようになる。
【0003】
医療業界において、医療画像及びレポートの利便性の高い記憶及びアクセスを実現するため、PACS(PictureArchivingandCommunicationsSystem、医療用画像システム)として知られるシステムを用いることが人気となりつつある。一般に、PACSは協働して動作する複数の装置によって構成され、CT、MRI、PET、超音波、X線などの様々な撮影モダリティーによって生成される医療画像を電子的に、撮影、記憶、管理、配布及び表示する。PACSを用いることによって、内外で撮影又は作成されたあらゆる種類の画像及びリポートを様々な医療施設にわたって共用することができる。
【0004】
通常、医療画像の診断を含むこれらの医療レポートは複数のテンプレートから選択されたテンプレートを用いて作成される。レポート作成者はテンプレートの空欄を埋めることによって医療レポートを作成する。多くの場合、各医療施設はそれぞれの医療レポートを作成するための独自のテンプレートを有する。しかし、これらのテンプレートは医療レポートが作成された後に改定されたり、記録から削除されたりすることがある。また、これらのレポートがテンプレートを備える装置からテンプレートを備えない医療情報装置へ移動又はコピーされることがある。このような場合、医療情報装置がテンプレートを備えないため、医療レポートが記憶されている医療情報装置において医療レポートを表示したり活用したりできなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一以上の実施形態によれば、医療レポートが作成された当時のテンプレートがすでに存在しなかったり記憶されていなかったりする場合でも表示することができる医療レポートを作成する、医療情報装置、医療情報システム及び医療情報処理方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一以上の実施形態によれば、医療情報装置は、医療レポートの少なくとも一つの項目の情報内容が医療画像である情報内容と、医療コードシステム数値と、前記情報内容に対応し、医療コードシステム数値によって識別される医療コードシステムにおいて定義される医療コード数値と、を含む参照情報と、によって構成される項目を複数含む医療レポートを記憶する記憶部と、前記医療コード数値に基づいて前記情報内容が表示クライアント装置に表示されるかを判断し、前記情報内容が表示されると判断した場合に、前記情報内容と前記参照情報とを前記表示クライアント装置へ送信する、プロセッサーと、を備える。
【0007】
前記複数の項目は前記医療レポートにおいて表示される順番に記憶され、前記情報内容は前記参照情報の後に前記各項目に記憶されうる。
【0008】
前記医療レポートはさらに前記医療レポートの前記各項目の前記情報内容を表示するレイアウトを有するテンプレートを識別するテンプレート識別子を含みうる、前記プロセッサーは、前記表示クライアント装置より前記医療レポートを要求された場合、前記テンプレート識別子によって識別される前記テンプレートが存在するか判断しうる、前記テンプレートが存在すると判断した場合に、前記参照情報の代わりに前記テンプレートを送信する。
【0009】
前記情報内容が前記医療画像である場合、前記情報内容は医療画像サーバーに保存される前記医療画像のリンクとして記憶されうる。
【0010】
前記プロセッサーは、特定の種類の前記医療撮影装置と、前記医療撮影装置によって前記医療画像において撮影される人体の特定の領域と、を記憶しうる。
【0011】
前記参照情報は、前記情報内容とともに表示されるキャプションと、前記情報内容の情報種類と、をさらに含みうる。
【0012】
前記プロセッサーは前記表示クライアント装置に前記医療レポートを送信し、前記医療レポートを受信した場合、前記表示クライアント装置は前記参照情報に基づいて、前記医療レポートの前記各項目の前記情報内容を表示する表示領域の大きさを調整しうる。
【0013】
前記参照情報はテキスト形式の少なくとも一単語によって構成される情報をさらに備えうる。
【0014】
一以上の実施形態によれば、医療情報システムは、医療レポートの情報内容を送信する編集クライアント装置と、前記編集クライアント装置から前記情報内容を受信し、前記情報内容及び前記情報内容に対応する参照情報を送信する、請求項1に記載の医療情報装置と、前記情報内容及び前記参照情報を受信し、前記参照情報に応じて前記医療レポートを表示する表示クライアント装置と、を備える。
【0015】
前記表示クライアント装置が前記情報内容及び前記参照情報を受信した場合、前記表示クライアント装置が前記参照情報に基づいて前記情報内容を表示する前記表示領域の大きさを調整しうる。
【0016】
前記表示クライアント装置が前記情報内容及び前記参照情報を受信した場合、前記表示クライアント装置が前記参照情報に基づいて、前記情報内容を表示するかを判断しうる。
【0017】
一以上の実施形態によれば、医療情報処理の方法は、プロセッサーが、医療レポートの少なくとも一つの項目の情報内容が医療画像である情報内容と、医療コードシステム数値と、前記情報内容に対応し、医療コードシステム数値によって識別される医療コードシステムにおいて定義される医療コード数値と、を含む参照情報と、によって構成される項目を複数含む医療レポートを記憶するステップとプロセッサーが、前記医療コード数値に基づいて前記情報内容が表示されるかを判断するステップとプロセッサーが、前記情報内容が表示されるとプロセッサーが判断した場合に、前記情報内容と前記参照情報とを表示させるために表示装置へ送信するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は一以上の実施形態における医療情報システムを示す。
図2図2は一以上の実施形態における医療情報装置のハードウェアを示す。
図3図3は一以上の実施形態における医療情報装置の記憶部の記憶領域を示す。
図4図4は記憶部のレポート領域の例示的な構成を示す。
図5図5はレポートの内容の例示的な構成を示す。
図6図6は医療レポートの項目の例示的な構成を示す。
図7図7は医療レポートのサンプルコードを示す。
図8図8は一以上の実施形態における医療情報システムのシーケンスを示す。
図9図9は医療情報装置で実行される送信処理のフローチャートを示す。
図10図10は表示装置に表示される医療レポートの画面例を示す。
図11図11は一以上の実施形態において、ネットワークを用いずに医療情報装置を使用する別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面を参照しながら本発明における実施形態について詳細に説明する。一貫性を保つため、図面における同じ要素には同じ符号が付される。
【0020】
以下に説明する本発明の実施形態においては、本発明の理解を深めるためにいくつかの詳細な説明がなされる。しかし、これらの具体的で詳細な説明がなくとも本発明を実施することが可能であることは同業者にとって明らかである。また、説明が不必要に複雑になることを避けるため、公知の特徴については説明がなされていない。
【0021】
[医療情報システム]
図1は一以上の実施形態における医療情報システム1を示す。図1に示すように、医療情報システム1は医療情報装置100及び表示クライアント装置210を備える。医療情報システム1はさらに、編集クライアント装置202、画像サーバー206、及び医療撮影装置204を備えうる。
編集クライアント装置202はユーザーが医療レポート310を編集する際に操作する。医療レポート310を編集する際に、編集クライアント装置は医療レポート310の情報内容350を医療情報装置100へ送信する。医療情報装置100は医療内容350を編集クライアント装置202から受信し、情報内容350及び当該情報内容350に対応する参照情報340を表示クライアント装置210へ送信する。表示クライアント装置210は情報内容350及び参照情報340を受信し、参照情報340に基づいて医療情報310を表示装置211上で表示する。表示装置211としてLCD(液晶表示)ディスプレイ、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、CRT(ブラウン管)ディスプレイ、又は投影型のディスプレイを用いうる。
【0022】
医療撮影装置204はCT、MRI、PET、超音波、X線等による画像を撮影することができる機器を含みうる。医療撮影装置204は撮影された画像を画像サーバー206へ送信し、撮影された画像を記憶する。画像サーバー206に記憶される医療画像は固有識別コード350Bによって識別される。固有識別コード350Bを用いることによって表示クライアント装置210上の医療レポートの一部として画像サーバー206に記憶される医療画像を参照又は検索することができる。
【0023】
[医療情報装置]
図2は一以上の実施形態における医療情報装置100のハードウェアを示す。図2に示すように、医療情報装置100は、記憶部300、CPU(中央処理装置)121、揮発性メモリー122、不揮発性メモリー124、通信インターフェース123を備える情報処理装置である。記憶部300は、例えばハードディスクやフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーであり、医療レポート310を記憶する。揮発性メモリー122として例えばRAM(ランダムアクセスメモリー)やキャッシュメモリー等があげられる。不揮発性メモリー124として例えばROM(リードオンリーメモリー)、フラッシュメモリー又はハードディスク等があげられる。通信インターフェース123は例えば編集クライアント装置202や表示クライアント装置210等の他の装置との通信を行うためにネットワークに接続する。後述の説明において、CPU121、揮発性メモリー122、不揮発性メモリー及び通信インターフェース123はまとめてプロセッサー120と称する。しかし、プロセッサー120はCPU121のみを含む場合やCPU121並びに揮発性メモリー122、不揮発性メモリー及び通信インターフェース123のうちの一つ以上を含む場合がある。プロセッサー120は医療レポート310を記憶部300に記憶したり、医療レポート310を送信して表示クライアント装置210の表示装置211に表示したりする。
【0024】
図3は一以上の実施形態による医療情報装置100の記憶部300における記憶領域を示す。記憶部300はレポート領域302及びテンプレート領域301を有する。レポート領域302は複数の医療レポート310を記憶しうる。テンプレート領域301は複数のテンプレート305を記憶しうる。各テンプレート305は医療レポート310の各項目330(後述)の情報内容350を表示するレイアウトを有する。医療情報310を表示する要求がなされる際にテンプレート領域301又はテンプレート305が記憶部300に存在しない場合があるので、図3ではこれらを点線で示す。このような状況は医療レポート310が編集された後に記憶部300においてテンプレート305が改定又は削除された場合やレポート310が他の装置からテンプレート領域301を有しない医療情報装置100へ移動又はコピーされた場合に起こりうる。
【0025】
図4は記憶部300におけるレポート領域302の例示的な構成を示す。各医療情報310はレポートID(識別子)311によって識別される。各医療レポート310はさらにテンプレート305を識別するテンプレートID312及びレポート内容320を含みうる。
【0026】
図5はレポート内容320の例示的な構成を示す。レポート内容320によって特定の医療撮影装置種類321を識別し、医療撮影装置204によって医療画像350Aとして撮影される、人体における特定の人体部分領域322を識別しうる。医療撮影装置種類321と特定の人体部分領域322とはプロセッサー120によって記憶される。レポート内容320はさらに複数の項目330を含む項目領域323を有し、それぞれが表示装置211に表示される情報内容350を有する。レポート内容320に記憶される複数の項目330は医療レポート310で表示される順番に配置される。
【0027】
図6は医療レポート310における項目330の例示的な構成を示す。項目330は参照情報340及び情報内容350を含む。参照情報340は情報内容350の情報種類344を含む。情報種類344は表示される情報内容350がどのように表示されるかと関連しうる。つまり、情報種類344はテキスト形式の一以上の単語として記憶され、例えば「数字」、「画像」、「テキスト」、「ラジオボタン」、又は「コンボボックス」等があげられる。参照情報340はさらにキャプション345、医療コードシステム数値341、医療コード数値342、及び医療コード説明343を有しうる。キャプション345はテキスト形式の一以上の単語として記憶され、医療レポート310が表示される際に情報内容350とともに表示される。医療コード数値342は情報内容350と対応し、医療コードシステム数値341によって識別される医療コードシステムによって定義される。医療コードシステムは公的に一般的に定義されるシステムか、ユーザーや医療施設において私的に定義されるシステムである。医療コード説明343は医療コード数値342が何を示すかを説明するテキストデータとすることができ、情報内容350とともに表示することができる。情報項目350はそれぞれの項目330に参照情報340を記憶する領域の後の領域に記憶しうる。
【0028】
医療レポート310の少なくとも一つの項目330における情報内容350は医療画像350Aである(図10に示す)。このような場合、情報内容350は固有識別コード350Bを用いることによって画像サーバー206に記憶される医療画像350Aのリンクとして記憶される。
【0029】
図7は医療レポート310のサンプルコードを示す。サンプルコードはJSON(JavaScript(登録商標)ObjectNotation)を用いて記述されるが、記憶部300に記憶する際の形式は問わない。サンプルコードによれば、テンプレートID312によって、医療レポート310が編集された当時に採用されたテンプレートを識別する。特定の医療撮影装置種類321は医療レポート310が「CR」(コンピューテッドラジオグラフィー)によって撮影された医療画像に基づくことを示す。特定の人体部分領域322は医療画像が「胸部」の画像であることを示す。特定の領域は人体のいずれかの領域であり、例えば頭部、腕、手、腹部、脚、足、等が挙げられる。項目330の参照情報340において、情報内容350の情報種類344は「数字」であることを示す。医療コードシステムの医療コード数値342は、医療コード説明343に示すように「長さ」であることを示す。情報内容350において「数字」の値が「12」であることを示す。キャプション345によれば、医療レポート310が表示される際に、「12」の前に「長さ」が表示され、「12」の後に「cm」が表示される。項目330のうちの一つの情報内容として医療画像350Aが含まれる。医療画像350Aは固有識別コード350Bによって識別される。
【0030】
テンプレートID312は情報内容350とともに記憶されるので、医療情報装置100はテンプレートID312を参照すればどのテンプレートが医療レポート310を表示するのに適切かを認識することができる。特定の医療撮影装置種類321と特定の人体部分領域322とが情報内容380とともに記憶されるので、医療情報装置100は表示クライアント装置210に記憶されているすべての関連するデータをまとめて表示させることができるので、ユーザーは当該レポートがどのような画像で、人体のどの部分に基づくものであるかを認識することができる。情報内容350の情報種類344が情報内容350とともに記憶されるので、医療情報装置100は表示クライアント装置210に情報種類344に応じた、テキストボックス、画像ボックス等の適切な表示形式を用いて情報内容350を表示させる。情報内容350とともに医療コードシステムの医療コード数値342が記憶されるので、医療情報装置100は表示クライアント装置210に医療コード数値342に応じた、画像のサイズや解像度、画像を切り替えるための追加のボタン等、適切な表示形式を用いて情報内容350を表示し、医療情報装置100は医療コード数値342に基づいて情報内容250を表示するか否かを判断することができる。キャプション345は情報内容350とともに記憶されるので、キャプション345は情報内容350とともに表示することができる。医療画像350Aは医療レポート310の公的にアクセス可能なサーバーのリンクによって記憶することができるので、表示クライアント装置210は表示クライアント装置がどこに位置しても医療画像350Aを表示することができる。キャプション345又は情報種類344等のように参照情報に記憶される情報の一部はテキスト形式の少なくとも一単語として記憶することができる。よって、表示を見た者はディスプレイの画面だけでなく、情報レポート310のソースコードからも情報レポート310の内容を理解することができる。
【0031】
[医療情報システムの動作]
図8は一以上の実施形態における医療情報システム1のシーケンスを示す。図8に示すように、まず、ユーザーは医療レポート310を編集クライアント装置202で編集します(ステップS11)。ユーザーが医療レポート310を編集すると、編集クライアント装置は医療情報装置100からテンプレート305を検出し(ステップS12)、画像サーバー206から医療画像350Aを検出して(ステップS13)、医療レポート310を編集する。医療レポート310を編集した後、各項目330の情報内容350は医療情報装置100へ送信される(ステップS14)。医療情報装置100は各項目330の情報内容350を受信すると、医療情報装置100のプロセッサー120は情報内容350及び参照情報340を記憶し、これらにより医療情報310が構成される(ステップS15)。
【0032】
ユーザーの操作に基づいて表示クライアント装置210が医療情報装置100に医療レポート310を表示させるように要求すると(ステップS21)、医療情報装置は後述の送信処理S30を実行する。送信処理S30が実行される間、情報内容350はテンプレート305又は参照情報340とともに表示クライアント装置210に送信される。表示クライアント装置210はテンプレート305又は各項目の参照情報340に応じて各項目の情報内容350を表示装置211上に表示する(ステップS23)。つまり、表示クライアント装置210は医療レポート310を表示装置211上に表示する。表示クライアント装置210が医療レポート310を表示すると、表示クライアント装置は画像サーバー206から医療画像350Aを検出する。このシーケンスにおいて、表示クライアント装置210は編集クライアント装置202とは別の装置として示される。しかし、表示クライアント装置210は編集クライアント装置202と同じ装置とすることもできる。
【0033】
[医療情報装置の動作]
図9は、医療情報装置100が表示クライアント装置210から医療レポート310を表示することを要求された場合に、一以上の実施形態における、医療情報装置100で実行される送信処理S30のフローチャートを示す。医療レポート310の表示が要求された場合、プロセッサー120はテンプレートID312によって識別されるテンプレート305が存在するか判断する(ステップS31)。プロセッサー120はテンプレート305が存在すると判断した場合(ステップS31:Yes)、プロセッサー120は各項目330の情報内容350とともにテンプレート305を送信して、テンプレート305を用いて表示装置211上に表示し(ステップS38)、送信処理30を終了する。プロセッサー120はテンプレート305が存在しないと判断した場合(ステップS31:No)、プロセッサー120はさらに参照情報340が存在するか判断する(ステップS32)。プロセッサー120は参照情報340が存在しないと判断した場合(ステップS32:No)、プロセッサー120は送信処理S30を終了する。プロセッサー120は参照情報340が存在すると判断した場合(ステップS32:Yes)、プロセッサー120は医療レポート310の最初の項目330の参照情報340を読み出し(ステップS33)、情報内容350が表示されるか判断する(ステップS34)。プロセッサー120は情報内容350が表示されないと判断した場合(ステップS34:No)、処理をステップS36へ進める。プロセッサー120は情報内容350が表示されると判断した場合(ステップS34:Yes)、プロセッサー120は各項目330の情報内容350とともに参照情報340を送信し、参照情報340を用いて表示装置211上に表示する(ステップS35)。ステップS36において、プロセッサー120は表示が要求される医療レポート310に次の項目330が存在するか判断する。プロセッサー120は次の項目330が存在すると判断した場合、プロセッサー120は処理を次の項目330と関連するステップS32へ戻す。プロセッサー120は次の項目330が存在しないと判断した場合、送信処理S30は終了する。
【0034】
よって、医療情報装置100は、テンプレート305が存在する場合、テンプレート305を用いて医療レポート310を表示クライアント装置210に表示させることができ、テンプレート305が存在しない場合、参照情報340を用いて医療レポート310を表示クライアント装置210に表示させることができる。よって、テンプレート305が存在しない場合も、医療情報装置100は、表示クライアント装置210に医療レポート310を表示させることができる。さらに、プロセッサー120は医療コード数値342に基づいて、送信される情報内容350を選択できる。よって、医療情報装置100は表示クライアント装置210の種類又は表示クライアント装置210のユーザーの立場(例えば患者、医師、研究者)に応じて情報内容を表示クライアント装置210に表示させることができる。
【0035】
図9に示す送信処理S30において、プロセッサー120は情報内容350を送信するかを判断する。ところが、プロセッサー120の代わりに表示クライアント装置210が情報内容350を表示するかを判断しうる。つまり、表示クライアント装置210は情報内容350及び参照情報340を受信すると、表示クライアント装置210は参照情報340に基づいて情報内容350を表示するかを判断しうる。
【0036】
図10はテンプレート305が存在しない場合に表示装置211上に表示される医療レポート310の画面画像400の一例を示す。図10に示すように、各項目330の情報内容350は各項目330の参照情報340に基づいて示される。情報内容350の一つに医療画像350Aがあげられる。その他の情報内容350は医療画像350Aに基づいてユーザーによって作成される。表示クライアント装置210は情報内容350及び参照情報340を受信する場合、表示クライアント装置210は表示装置211の表示サイズ及び参照情報340(例えば情報種類344、又は医療コードシステムの医療コード数値342)に基づいて各項目330の情報内容350を表示する表示領域の大きさを調整することができる。複数の項目330はレポート内容320に記憶される順番で表示される。
【0037】
図11はいずれのネットワークも用いない医療情報装置100のその他の構成を示す。図1に示す医療情報システム1において、医療情報装置100のプロセッサー120は参照情報340及び情報内容350を含む医療レポート310を表示クライアント装置210へ送信する。しかし、医療情報装置100のプロセッサー120は医療情報装置100と表示クライアント装置210との間でいずれの通信ネットワークを用いずに、直接表示装置209へ医療レポート310を送信しうる。また、通信ネットワークを介して編集クライアント装置202と接続せずに医療情報装置100自体において医療情報310を直接編集しうる。キーボード、マウス、又はタッチパネル等の入力装置208は医療情報装置に接続し、医療レポート310を編集しうる。図11に示す構成によっても同様の効果が得られる。
【0038】
本発明の一以上の実施形態により、コンピューターの機能に以下の技術的改良が実現する。本発明の一以上の実施形態により、医療情報装置は医療レポートが作成された当時に用いられたテンプレートが存在しない場合又は記憶されていない場合でも表示される医療レポートを作成することができ、これによりいずれのコンピューターにおいても医療レポートを閲覧することが可能となる。よって、医療レポートは容易に回覧したり、容易に共有したりすることができ、例えば医療レポートの情報を必要とする医師にとって助けとなる。さらに、それぞれが情報内容と参照情報とを含む組み合わせによって構成される、項目のレポートとしての構成によってコンピューターは項目が表示されるか否か、どのような形式で項目が表示されるか等を判断することができる。よって、このような機能は、例えば、人体の一部としての胸部にはCR画像を用い、人体の一部としての頭部にはMRI画像を用いる等、情報内容に応じて、又は患者、研究者、医師等、レポートの閲覧要求をしている人物に応じて、情報内容の表示形式が変えられる。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態が、上記において説明されたが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のその他の実施形態を考案しうる。よって、本発明の範囲は添付されたクレームのみによって限定される。
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