(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】発光装置及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20240308BHJP
【FI】
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2020106785
(22)【出願日】2020-06-22
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下田 陽一
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102559(JP,A)
【文献】特開2016-219522(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103178193(CN,A)
【文献】特開2019-47123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の複数の基材と、前記複数の基材の各々の上面と側面とを覆うように形成され、前記複数の基材のうちの1の基材の上面の1の領域を露出する開口部を有し、かつ前記複数の基材同士を結着している結着部を有する絶縁性の被覆膜と、
前記1の基材の上面の前記1の領域を覆うように設けられた金属からなる載置パッドと、
前記載置パッド上に接合部材を介して載置された少なくとも1つの発光素子と、を含み、
前記被覆膜は、前記開口部の外周端を囲むように前記被覆膜が薄膜状に形成されている薄膜部を有することを特徴とした発光装置。
【請求項2】
前記被覆膜は、変性ポリアミド・イミドであることを特徴とした請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記被覆膜は、前記接合部材と互いに非親和性であることを特徴とした請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の基材の上面から前記少なくとも1の発光素子の底面までの高さは、前記複数の基材の上面から前記薄膜部の上面までの高さよりも高いことを特徴とした請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光装置は、
前記被覆膜の上面の外周部に設けられ、前記複数の基材と同一材料からなる環状の枠基材に前記被覆膜が被覆された枠体をさらに含み、
前記開口部は、前記少なくとも1の発光素子と略同形の形状を有することを特徴とした請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
発光装置の製造方法であって、
互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の複数の基材と、前記複数の基材の各々の上面と側面とを覆うように形成し、前記複数の基材のうちの1の基材の上面の1の領域を露出する開口部を有し、かつ前記複数の基材同士を結着している結着部を有する絶縁性の被覆膜とを形成する基板形成工程と、
前記1の基材の上面の前記1の領域を覆うように金属からなる載置パッドを設けるめっき処理工程と、
前記載置パッド上に接合部材を介して少なくとも1つの発光素子を載置する素子接合工程と、を含み、
前記基板形成工程において、前記被覆膜は、前記開口部の外周端を囲むように前記被覆膜が薄膜状に形成されている薄膜部を形成することを特徴とした発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記被覆膜及び前記結着部は、前記複数の基材に電着塗装されて形成されることを特徴とした請求項6に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記被覆膜の前記薄膜部及び前記開口部は、前記被覆膜にレーザを照射して当該被覆膜を除去することで形成され、
前記被覆膜の前記1の領域を含み且つ前記1の領域の周囲から外方に延在するレーザ照射領域にレーザを照射して前記薄膜部を形成し、前記レーザ照射領域内の前記1の領域に再度レーザを照射して前記薄膜部の一部を除去することで前記開口部を形成することを特徴とした請求項6又は7に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)やレーザダイオード(Laser Diode:LD)等の発光素子を光源として用いた発光装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発光素子と、第1及び第2リードフレームと、第1及び第2樹脂成形体とを備えた発光装置が開示されている。特許文献1によれば、成形品として形成されたケーシング内において、第1リードフレーム上の所定の配設領域に発光素子が配設されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された発光装置のように、リードフレームに形成された発光素子の配設領域と当該配設領域に配設される発光素子の面積とが大きく異なる場合、セルフアライメントをすることができず、発光素子が所望の位置からずれる可能性がある。すなわち、発光素子の配設位置がずれることによって発光装置から出射する光の光軸ずれが生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、発光素子を配設領域に接合させる際の位置ずれを抑え、発光素子を所定位置に安定して接合させることが可能な発光装置及び発光装置の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光装置は、互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の複数の基材と、前記複数の基材の各々の上面と側面とを覆うように形成され、前記複数の基材のうちの1の基材の上面の1の領域を露出する開口部を有し、かつ前記複数の基材同士を結着している結着部を有する絶縁性の被覆膜と、前記1の基材の上面の前記1の領域を覆うように設けられた金属からなる載置パッドと、前記載置パッド上に接合部材を介して載置された少なくとも1つの発光素子と、を含み、前記被覆膜は、前記開口部の外周端を囲むように前記被覆膜が薄膜状に形成されている薄膜部を有することを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る発光装置の製造方法は、互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の複数の基材と、前記複数の基材の各々の上面と側面とを覆うように形成し、前記複数の基材のうちの1の基材の上面の1の領域を露出する開口部を有し、かつ前記複数の基材同士を結着している結着部を有する絶縁性の被覆膜とを形成する基板形成工程と、前記1の基材の上面の前記1の領域を覆うように金属からなる載置パッドを設けるめっき処理工程と前記載置パッド上に接合部材を介して少なくとも1つの発光素子を載置する素子接合工程と、を含み、前記基板形成工程において、前記被覆膜は、前記開口部の外周端を囲むように前記被覆膜が薄膜状に形成されている薄膜部を形成することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る発光装置の上面図である。
【
図2】
図1のA-A線に沿った発光装置の断面図である。
【
図3】
図2の素子載置部の周辺部PAの拡大図である。
【
図4】本発明の実施例に係る発光装置の製造フローを示す図である。
【
図5】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図7】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図8】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図9】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図10】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図11】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図12】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図13】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図14】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【
図15】本発明の実施例に係る発光装置の製造時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。尚、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【実施例】
【0011】
図1は、発光装置100の模式的な上面図を示している。また、
図2は、
図1の発光装置100のA-A線に沿った断面図を示している。尚、以下の説明において、「材料1/材料2」との記載は、材料1の上に材料2が積層された積層構造を示す。また、「材料1-材料2」は材料1及び2による合金を示し、「材料1-材料2-材料3」との記載は、材料1及至3による合金を示す。尚、合金を示す表記においては「-」を省略する場合もある。具体的には「材料1材料2材料3」と記載する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、発光装置100は、銅(Cu)からなり互いに離間して並置されている板状の第1の基材13並びに第2の基材14及びこれらを覆う変性ポリアミド・イミドからなる樹脂材料である絶縁性の第1の被覆膜15を含む基板10を有している。第1の基材13及び第2の基材14は、絶縁性の第1の被覆膜15によって一体的に覆われている。具体的には、第1の被覆膜15は、第1の基材13及び第2の基材14の上面と側面とを覆うように形成されている。また、第1の基材13及び第2の基材14の間の間隙領域が第1の被覆膜15によって充填されており、第1の基材13と第2の基材14とは、その向かい合う側面同士が当該間隙領域において結着されている。すなわち、第1の基材13と第2の基材14とは互いの間の間隙部分に充填された第1の被覆膜15の結着部CBによって接合されている。また、発光装置100は、基板10の上面上の外周部に設けられ、第1の基材13及び第2の基材14と同一の材料からなり、且つ第2の被覆膜24で被覆された枠体20を有する。
【0013】
また、発光装置100は、第1の基材上に形成された内部電極19に載置された発光素子30と、当該発光素子30の発光部EMを覆うように載置された波長変換体40と、第1の基材上に形成された内部電極(図示せず)に載置された保護素子50と、を有する。
【0014】
第1の基材13及び第2の基材14は、例えば、上面視において矩形上の平面形状を有する基板10の基材であり、銅(Cu)等の金属材料からなる。また、第1の基材13及び第2の基材14は、実装基板(図示せず)と電気的に接続する機能を有する導電体である。
【0015】
上述したように第1の基材13及び第2の基材14は、上面及び側面が覆われるように第1の被覆膜15によって被覆されている。また、第1の基材13及び第2の基材14は、互いに向かい合う側面において間隙を有し、当該間隙には第1の被覆膜15が充填されている。また、第1の被覆膜15は絶縁体である故、第1の基材13及び第2の基材14は、第1の被覆膜15の結着部CBによって互いに結着されているが、電気的には互いに絶縁されている。
【0016】
図2に示すように、尚、第1の基材13及び第2の基材14は、例えば、各々の側面の下面の側にハーフエッチングによる窪み構造HEが設けられている。これにより、結着部CBと第1の基材13及び第2の基材14との結着面積が増加する故、結着部CBによる第1の基材13と第2の基材14との結着強度を向上することが可能となる。
【0017】
また、発光装置100は、枠基材23と第2の被覆膜24からなり、基板10の上面の外周部に設けられている枠体20を有している。枠基材23は、例えば、第1の基材13及び第2の基材14と同一材料の金属材料である。第2の被覆膜24は、第1の被覆膜15と同様に変性ポリアミド・イミドからなる樹脂材料であり、枠基材23の全周囲において枠基材23を被覆している。すなわち、基板10と枠体20は電気的に絶縁されている。また、基板10と枠体20は加圧及び加熱により第1の被覆膜15と第2の被覆膜24とが結着されている。すなわち、発光装置100は、基板10及び枠体20によって形成される上方に向かって開口した凹形状のキャビティを上面に有する。
【0018】
本実施例においては、第1の基材13、第2の基材14及び枠基材23がCuからなる主材料である場合について説明するが、材料はこれに限定されない。例えば、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、鉄-ニッケル(Fe-Ni)系合金や鉄-コバルト(Fe-Co)系合金等の導電性を有し且つ熱伝導性の高い材料であればよい。また、本実施例においては、第1の基材13及び第2の基材14と枠基材23とが同一材料である場合について説明するが、第1の基材13及び第2の基材14と枠基材23とは同一材料でなくともよい。
【0019】
第1の基材13及び第2の基材14の下面には、外部電極EL1及びEL2が形成されている。外部電極EL1及びEL2は、例えば、ニッケル/金(Ni/Au)で形成された電極であり、実装基板と電気的に接続される外部電極として機能する。
【0020】
第1の被覆膜15は、第1の基材13の上面の発光素子30を載置する領域を露出する開口部16Aを有する。開口部16Aは、発光素子30と略同形に形成され、第1の被覆膜15の上面から第1の基材13の上面まで貫通するように形成されている。開口部16Aから露出する第1の基材13の上面の発光素子30の載置領域には、ニッケル/金(Ni/Au)で形成された素子載置パッドとしての内部電極19が形成されている。本実施例では、基板10の上面の中央に発光素子30が載置され、発光素子30の周囲に保護素子50が載置される場合について説明する。また、第1の被覆膜15には、保護素子50を載置する領域においても、第1の基材13の上面を露出する開口部16Bが形成されている。
【0021】
第2の基材14の上面上の第1の被覆膜15には、結着部CBを挟んで発光素子30と対向する領域に第2の基材14の上面を露出する開口部16Cが形成されている。当該第2の基材14の開口部16Cから露出した部分には、ボンディングパッドBPが設けられている。ボンディングパッドBPは、例えば、内部電極19と同一材料のNi/Auによって形成されている。
【0022】
発光素子30は、例えば、導電性の半導体を主材料とする支持基板33上に積層された半導体発光層としての発光部EMを有する半導体発光素子である。また、発光素子30は、第1の被覆膜15の開口部16Aに素子載置部としてのニッケル/金(Ni/Au)で形成された内部電極19と導電性の接合部材としての素子接合層60とを介して接合されている。発光部EMは、例えば、p型半導体層、発光層及びn型半導体層を積層させた構造からなる。また、n型半導体層の上面は、発光部EMの各々の上面であり、発光素子30の各々における光取り出し面として機能する。p型半導体層、発光層及びn型半導体層は、例えば、窒化ガリウム(GaN)等を主材料とする窒化物半導体であり、多重量子井戸構造を有する発光層から青色の光を放射する青色発光ダイオード(LED)である。また、発光素子30の下面は支持基板33を介してp型半導体と電気的に接続されており、発光素子30の下面はカソード電極(図示せず)として機能する。すなわち、発光素子30の下面であるカソード電極は、素子接合層60及び内部電極19を介して外部電極EL1と電気的に接続されている。
【0023】
また、発光素子30は、支持基板33上の発光部EMと離間するように形成された電極パッド35を有する。電極パッド35は、発光部EMのp型半導体層と電気的に接続されており、発光素子30のアノード電極として機能する。電極パッド35は、例えば、金(Au)からなる導電性のボンディングワイヤBWを介して第2の基材14上に形成されているボンディングパッドBPと電気的に接続されている。すなわち、発光素子30のカソード電極である電極パッド35は、ボンディングワイヤBW及びボンディングパッドBPを介して外部電極EL2と電気的に接続されている。
【0024】
接合部材としての素子接合層60は、上記の通り、発光素子30と内部電極19とを固着し、電気的に接続する導電性の接着剤である。素子接合層60は、例えば、金錫合金(AuSn合金)である。また、素子接合層60は、例えば、原料がAuSn合金粒子とフラックスとからなるペーストからなる接着剤である(以下、素子接合層60の原料を単にAuSnペーストと称する場合もある)。本実施例においては、素子接合層60がAuSn合金である場合について説明するが、素子接合層60はこれに限定されない。例えば、素子接合層60は、銀(Ag)ペーストやはんだペーストであってもよい。尚、素子接合層60は、第1の被覆膜15と非親和性である導電性接着剤である。
【0025】
保護素子50は、例えば、ツェナーダイオード等の逆電圧保護素子である。保護素子50は、発光素子30に外部から過電圧が印加された場合(例えば静電気)に、発光素子30保護するように動作する。また、保護素子50は、例えば、素子上面にカソード電極として機能する電極パッド51と、素子下面にアノード電極(図示せず)を有する。また、発光素子30と同様に、保護素子50のアノード電極は第1の被覆膜15の開口部16Bに形成された内部電極(図示せず)と発光素子30の接合で用いたものと同一の素子接合層60を介して接合され、外部電極EL1と電気的に接続される。また、保護素子50の上面に形成された電極パッド51は、ボンディングワイヤBW及びボンディングパッドBPを介して外部電極EL2と電気的に接続されている。すなわち、保護素子50は、発光素子30と並列に且つ逆極性で接続されている。
【0026】
尚、発光素子30及び保護素子50において、ボンディングワイヤBWは、ワイヤバンプと金ワイヤとからなる、いわゆる逆ボンディングの態様で構成されている。尚、本実施例においては、ボンディングワイヤBWが逆ボンディングである場合について説明するが、ボンディングワイヤBWの態様はこれに限定されず、各々の電極パッド上に圧着ボールを形成する順ボンディングの態様でもよい。
【0027】
また、発光装置100は、発光素子30上に発光部EMを覆うように載置された波長変換体40を有する。波長変換体40は、発光素子30の放出光に対して波長変換を行う。波長変換体40は、例えば、セリウム(Ce)をドープしたイットリムアルミニウムガーネット(YAG)を主材料とする蛍光体粒子と、発光素子30の放射光及び蛍光体粒子の放射光を透光するガラス又はアルミナ等のセラミックのバインダとを含む板状の部材を含む。また、バインダとしてセリウム(Ce)がドープされてないYAGを用いることもできる(この場合、波長変換体40は多結晶体でも単結晶体でもよい)。本実施例においては、波長変換体40は、発光素子30が放射する青色の光の一部の波長変換を行い、発光素子30が放射する光と波長変換体40が放射する光を合波して白色の光を放射する波長変換板である。尚、発光素子30が放射する略全ての光を波長変換体40で波長変換を行えば、発光装置100の外部に露出する波長変換体40から放射される光を、波長変換体40の放射光に対応した緑色光、黄色光、赤色光、赤外光等に変換することが可能となる。
【0028】
また、本実施例においては、波長変換体40における主面の一方が発光素子30の上面に発光素子30が放射する光を透過する接着樹脂層としての接着樹脂(図示せず)を介して接合される。また、他方の主面が発光装置100の外部に露出するように面する。すなわち、波長変換体40の当該一方の主面は、発光素子30によって放出された光を接着樹脂を介して受光する受光面として機能し、当該他方の主面は、発光装置100の光取り出し面として機能する。
【0029】
また、
図2に示すように、発光装置100は、基板10及び枠体20によって形成されたキャビティ内に波長変換体40の光取り出し面である上面が露出されるように充填されている被覆部材70を有する。被覆部材70は、例えば、反射性を有する樹脂材料からなる。本実施例においては、被覆部材70は、発光素子30が放射する光及び波長変換体40から放射される光を反射する白色樹脂である。尚、
図1においては、各要素の構造及び位置関係を明確にするために、被覆部材70は省略している。
【0030】
また、発光装置100は、第1の被覆膜15の開口部16Aの外周部において、第1の被覆膜15が薄膜状に形成された薄膜領域17Aを有する。薄膜領域17Aは、内部電極19上面に塗布されたペースト状の素子接合層60上に発光素子30を載置して素子接合層60を加熱溶融させた際に、セルフアライメントを容易に行いやすくする機能を有する。
【0031】
第1の被覆膜15の開口部16Aは、発光素子30等の載置する素子と略同形の形状で開口されている。仮に、第1の被覆膜15の開口部16A周辺に薄膜領域17Aが形成されていない場合、素子載置時の位置ずれ等により発光素子30と第1の被覆膜15との干渉又は発光素子30の被腹膜の端部に乗り上げが生じてしまい、接合不良を起こす可能性がある。
【0032】
従って、第1の被覆膜15の開口部16Aの外周に薄膜領域17Aを形成し且つ、第1の被覆膜15と非親和性を有する素子接合層60(AuSnペースト)を用いることによって、載置する素子が容易にセルフアライメントを行うことが可能となる。これにより、基板上に載置する発光素子30の位置ずれを生じさせず、安定して発光素子30を基板10上に載置することが可能となる。尚、保護素子50を載置する開口部16Bにおいても、同様に薄膜領域17Bが形成されている。
【0033】
上記したように、発光装置100は、互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の第1の基材13及び第2の基材14と、第1の基材13及び第2の基材14の各々の上面と側面とを覆うように形成され、第1の基材13及び第2の基材14のうちの第1の基材13の上面の1の領域を露出する開口部16Aを有し、かつ第1の基材13及び第2の基材14同士を結着している結着部CBを有する絶縁性の第1の被覆膜15と、第1の基材13の上面の1の領域を覆うように設けられた金属からなる内部電極19と、内部電極19上に素子接合層60を介して載置された発光素子30と、を含み、第1の被覆膜15は、開口部16Aの外周端を囲むように第1の被覆膜15が薄膜状に形成されている薄膜領域17Aを有する。
【0034】
また、第1の被覆膜15は、変性ポリアミド・イミドである。また、第1の被覆膜15は、素子接合層60と互いに非親和性である。
【0035】
また、第1の基材13の上面から発光素子30の底面までの高さは、第1の基材13の上面から薄膜領域17Aの上面までの高さよりも高い。また、発光装置100は、第1の被覆膜15の上面の外周部に設けられ、第1の基材13及び第2の基材14と同一材料からなる環状の枠基材23に第2の被覆膜24が被覆された枠体20をさらに含み、開口部16Aは、発光素子30と略同形の形状を有する。
【0036】
ここで、発光装置100における第1の被覆膜15、薄膜領域17A、内部電極19及び素子接合層60の各層の例示的な構成について説明する。
【0037】
図3は、
図2の素子載置部の周辺部PAの拡大図である。
【0038】
上述の通り、第1の基材13上に第1の被覆膜15が形成されており、第1の被覆膜15は発光素子30の支持基板33と略同形の形状で第1の基材13の上面まで貫通するように開口された開口部16Aを有する。また、第1の被覆膜15の開口部16Aには、Ni/Auからなる内部電極19が形成されている。また、内部電極19上には、素子接合層60を介して発光素子30の支持基板33が接合されている。また、第1の被覆膜15の開口部16Aの外周部には、薄膜領域17Aが形成されている。
【0039】
ここで、薄膜領域17Aの第1の基材13の上面からの膜厚は、内部電極19を含めた素子接合層60の第1の基材13の上面からの厚さよりも低く形成されている。
【0040】
素子接合層60は、第1の被覆膜15に対して非親和性を有する故、内部電極19の外部の薄膜領域17Aには濡れ広がらない。言い換えれば、素子接合層60は、加熱溶融時においても内部電極19上にのみ濡れ広がり、上面視において第1の被覆膜15の開口部16A(発光素子30の上面形状)と同等の形状を有する。
【0041】
また、第1の基材13上面から第1の被覆膜15の上面までの高さは、第1の基材13の上面から内部電極19と素子接合層60の合わせた高さ(第1の基材13の上面から発光素子30の支持基板33の下面までの高さ)より高く設定されている。これにより発光素子30が薄膜領域17Aを含む開口の内側から外(第1の被覆膜15の上面)へ逸脱することを防ぐことができる。例えば、素子接合層60の上に発光素子30を、載置装置で載置した後に、振動等による発光素子30のズレを防止することが可能となる。
【0042】
従って、加熱溶融した素子接合層60と当該素子接合層60に載置された発光素子30との間において、溶融した素子接合層60の界面エネルギーが最小となる表面張力によって発光素子30のセルフアライメントがなされる。
【0043】
尚、保護素子50を載置する領域においても、第1の被覆膜15、薄膜領域17B、内部電極及び素子接合層60の構成は同様である。
【0044】
本実施例においては、薄膜領域17Aの第1の基材13の上面からの膜厚が内部電極19の膜厚よりも小さい場合について図示したが、薄膜領域17Aの膜厚は内部電極19の膜厚よりも厚くてもよい。具体的には、AuSnペーストが溶融した際に、発光素子30の底面の高さが薄膜領域17Aの高さよりも高ければよい。言い換えれば、発光素子30がセルフアライメントされる際に、発光素子30と薄膜領域17Aの変性ポリアミド・イミドが接触しないように構成されればよい。
【0045】
尚、本実施例においては、開口部16Aは、発光素子30の支持基板33と略同形の形状である場合について説明する。しかし、開口部16Aの形状は、図示されない発光素子30の下面のカソード電極と略同形の形状であってもよい。この場合であっても、AuSnペーストが溶融した際に、カソード電極の底面の高さが薄膜領域17Aの高さよりも高くなる故、本実施例と同様に正確なセルフアライメントが可能となる。
【0046】
また、薄膜領域17Aが形成される幅は、例えば、上面視において素子接合層60の形成面に対して、発光素子30の外形で画定される面積の60%以上が重なり面積となる幅としている。
【0047】
例えば、発光素子30の外形が1mm×1mmの正方形で、素子接合層60の外形が1mm×1mmの正方形の場合に、当該重なり面積を64%以上とするためには、薄膜領域17Aの幅を0.2mm以下とすればよい。このように、上述の重なり面積を60%以上にすることで、素子接合層60上に発光素子30をセルフアライメントすることが可能となる。
【0048】
本実施例においては、発光素子30の外形が1mm×1mm、素子接合層60の外形を1mm×1mmとし、薄膜領域17Aの幅を0.04mmとしているので重なり面積は92%としている。このように、重なり面積を90%超とすることで極めて正確なセルフアライメントが可能になる。尚、薄膜領域17Aの幅を狭くする場合には、薄膜領域17Aを画定する4つの辺の交点を中心とする扇状の逃がし部を設けようにしてもよい。当該逃がし部は、発光素子30の角部が第1の被覆膜15の上面に乗り上げることを防止することが可能となる。
【0049】
次に、
図4及び
図5~15を用いて、本願の実施例に係る発光装置100の製造手順について説明する。
【0050】
図4は、本発明の実施例に係る発光装置100の製造フローを示す図である。また、
図5~15は、
図4に示す製造手順の各ステップにおける発光装置100の上面図を示す。
【0051】
まず、
図5に示すように互いに離間して並置された板状の金属からなる第1の基材13及び第2の基材14を用意する(ステップS101)。
【0052】
次に、
図6に示すように第1の基材13及び第2の基材14の側面及び上面に絶縁性の変性ポリアミド・イミドを塗布し、第1の被覆膜15及び結着部CBを形成する(ステップS102)。尚、変性ポリアミド・イミドは、電着塗装を用いて形成される。電着塗装された変性ポリアミド・イミドの膜厚は、例えば20~40um程度である。また、第1の被覆膜15を塗装しない第1及び第2の基材13及び14の下面の側は、例えば、予めマスクを施している。
【0053】
図7に示すように、第1の基材13及び第2の基材14と同様の手法にて枠基材23に第2の被覆膜24を被覆した枠体20を用意する。その後、基板10の上面の外周部に沿って位置合わせをした後両者に加熱及び加圧を行い基板10に枠体20を圧着する(ステップS103)。
【0054】
次に、
図8に示すように、第1の領域としての第1の基材13上面の発光素子30が載置される領域及びその外周の薄膜領域17Aに該当する領域と、第2の基材14上面のボンディングパッドBPの形成領域とに対して、上面からレーザLBを照射して第1の被覆膜15を除去する(ステップS104)。レーザLBは、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Yttrium Aluminum Garnet:YAG)等のレーザ光である。この際、レーザLBは第1の被覆膜15を一部残存させるように出力に設定する。また、残存した第1の被覆膜15の膜厚は、薄膜領域17Aの膜厚となるように出力を設定する。例えば、レーザLBによる除去の場合、第1の被覆膜15が薄くなるに従い、第1及び第2の基材13及び14による放熱によって除去レートが低下するので、容易に薄膜領域17Aを残存できるように設定できる。本実施例においては、レーザLBとしてYAGレーザを用いて第1の被覆膜15を除去する手法について説明したが、照射するレーザ種はこれに限定されない。具体的には、第1の被覆膜15である変性ポリアミド・イミドにレーザLBを照射して除去できればよい。
【0055】
次に、
図9に示すように、第2の領域としての第1の基材13上面の発光素子30が載置される領域と、第2の基材14上面のボンディングパッドBPの形成領域とに対して、再度レーザLBを照射して第1の被覆膜15を完全に除去する(ステップS105)。すなわち、第1の基材13及び第2の基材14の上面が露出するように第1の被覆膜15を除去する。これにより、第1の基材13上面上に形成された第1の被覆膜15に、第1の基材13まで貫通するように開口された開口部16Aと当該開口部16Aの外周部の薄膜状の薄膜領域17Aを形成することが可能となる。また、上述の通り、第1の被覆膜15に形成された開口部16Aの上面形状は、搭載される発光素子30の上面形状と略同形に形成される。尚、同様に第2の基材14のボンディングパッドBPの形成領域においても、第2の基材14の上面まで貫通するように開口された開口部16Cが形成される。
また、本実施例においては、上述の通り、2回のレーザ処理工程を行うことにより第1の被覆膜15に開口部16Aと薄膜領域17Aを形成する場合について説明したが、レーザ処理の回数はこれに限定されない。具体的には、開口部16Aと薄膜領域17AでレーザLBの出力を随時変更しながら1回のレーザ照射で処理を行ってもよいし、所定のレーザ出力で3回以上の複数回のレーザ照射で処理を行ってもよい。また、本実施例においては、第1の被覆膜15を第1の基材13及び第2の基材14の上面及び側面にのみ形成する場合について説明する。しかし、第1の被覆膜15の形成する範囲はこれに限定されない。例えば、第1の被覆膜15を第1の基材13及び第2の基材14の下面を含めた全周に形成した後、第1の基材13及び第2の基材14の下面の外部電極EL1及びEL2を形成する領域をレーザ照射で除去するようにしてもよい。
【0056】
尚、上記のステップS101~S105を施すことにより、基板10を形成する基板形成工程として処理される。
【0057】
次に、めっき処理工程として、
図10に示すように、レーザ処理を施した基板10にNi/Auめっき処理を行い、第1の基材13上面の開口部16Aに内部電極19と、第2の基材14の開口部16CにボンディングパッドBPと、第1の基材13及び第2の基材14の下面に外部電極EL1及びEL2と、を形成する(ステップS106)。
【0058】
次に、
図11に示すように、開口部16Aの第1の基材13の上面上に形成された内部電極19上に素子接合層60の原料であるAuSnペーストを塗布する(ステップS107)。尚、内部電極19上にAuSnペーストを塗布する際は、AuSnペーストを充填したディスペンサを用いて塗布することが好ましい。
【0059】
次に、
図12に示すように、内部電極19に塗布された素子接合層60上に発光素子30の下面に設けられたカソード電極(図示せず)が接するように載置する(ステップS108)。
【0060】
この状態の基板10を、例えば、窒素雰囲気中で300℃まで過熱しAuSnペースト内のAuSn合金粒子を溶融させた後冷却し素子接合層60を形成する。これにより、発光素子30と内部電極19は素子接合層60によって固着される。また、内部電極19と発光素子30はAuSn合金により共晶接合され且つ、電気的に接続される。また、発光素子30の固定される位置及び配向は、上述の通り、溶融した素子接合層60の表面張力によって発光素子30のセルフアライメントがなされる。具体的には、加熱溶融した素子接合層60と当該素子接合層60に載置された発光素子30との間において、溶融した素子接合層60の界面エネルギーが最小となる表面張力によって発光素子30がセルフアライメントされる。また、これにより、発光部EMのp型半導体層と外部電極EL1とが電気的に接続される。
【0061】
また、第1の被覆膜15及び結着部CBである変性ポリアミド・イミドは、AuSn合金の共晶接合時の温度よりも高い耐熱性を有する故、上記の素子接合層60の形成時においても変質等の異常は発生しない。
【0062】
尚、上記のステップS107~S108を施すことにより、基板10に発光素子30を接合する素子接合工程として処理される。
【0063】
次に、
図13に示すように、発光素子30が固着された基板10をワイヤボンディング装置セットし、発光素子30の上面に形成された電極パッド35と第2の基材14に形成されたボンディングパッドBPとをAuワイヤ等のボンディングワイヤBWで接続する(ステップS109)。尚、Auワイヤによる接続は、電極パッド35上に圧着ボールを形成する順ボンディングの態様でもよいし、電極パッド35上にワイヤバンプを形成した後圧着ボールをボンディングパッドBPに形成して当該ワイヤバンプに接続する逆ボンディングの態様でもよい。これにより、発光部EMのn型半導体層と外部電極EL2とが電気的に接続される。
【0064】
次に、
図14に示すように、図示しない接着樹脂を介して波長変換体40を発光素子30の発光部EMを覆うように載置した後に加熱して固着する(ステップS110)。尚、接着樹脂は、例えば、発光部EMの中心位置等にディスペンサによりポッティングされることが好ましい。接着樹脂のポッティング後、当該接着樹脂上に波長変換体40が載置される。また、波長変換体40の載置位置は、接着樹脂の表面張力により発光素子30の上面、特に発光部EM上面を覆うようにセルフアライメントされる。その後、発光素子30上面上に波長変換体40が載置された基板10を加熱して接着樹脂を硬化させ、波長変換体40を発光素子30上面上に固着させる。
【0065】
その後、
図15に示すように、基板10と枠体20とで形成されたキャビティ内部に反射性の被覆部材70を充填し、発光装置100を製造する(ステップS111)。
【0066】
また、図示していないが、保護素子50においても、ステップS104~S109の処理がなされ、保護素子50が載置される領域の開口部16Bの外周に形成された薄膜領域17Bにより保護素子50がセルフアライメントされるように第1の基材13上に接合される。
【0067】
上記したように、発光装置100の製造方法は、互いに離間して並置されている各々が金属からなる板状の第1の基材13及び第2の基材14と、第1の基材13及び第2の基材14の各々の上面と側面とを覆うように形成し、第1の基材13及び第2の基材14のうちの第1の基材13の上面の1の領域を露出する開口部16Aを有し、かつ第1の基材13及び第2の基材14同士を結着している結着部CBを有する絶縁性の第1の被覆膜15とを形成する基板形成工程と、第1の基材13の上面の1の領域を覆うように金属からなる内部電極19を設けるめっき処理工程と、内部電極19上に素子接合層60を介して発光素子30を載置する素子接合工程と、を含み、基板形成工程において、第1の被覆膜15は、開口部16Aの外周端を囲むように第1の被覆膜15が薄膜状に形成されている薄膜領域17Aを形成する。
【0068】
また、第1の被覆膜15及び結着部CBは、第1の基材13及び第2の基材14に電着塗装されて形成される。
【0069】
また、第1の被覆膜15の薄膜領域17A及び開口部16Aは、第1の被覆膜15にレーザLBを照射して当該第1の被覆膜15を除去することで形成され、第1の被覆膜15の1の領域を含み且つ1の領域の周囲から外方に延在するレーザ照射領域にレーザLBを照射して薄膜領域17Aを形成し、第1の照射領域内の1の領域に再度レーザLBを照射して薄膜領域17Aの一部を除去することで開口部16Aを形成する。
【0070】
本実施例によれば、発光装置100は、第1の基材13の上面に被覆された絶縁性の第1の被覆膜15の発光素子30が載置される領域において、第1の被覆膜15は載置される発光素子30と略同形の形状を有し且つ第1の基材13の上面まで貫通するように開口部16Aを有する。また、開口部16Aの外周部に第1の基材13の上面に第1の被覆膜15が薄膜状に形成された薄膜領域17Aを有する。また、当該薄膜領域17Aの膜厚は、第1の基材13の上面から発光素子30の底面までの厚さよりも小さい。この構成を有することにより、発光素子30の載置時に載置位置のずれが生じた場合においても、発光素子30と第1の被覆膜15との接触等による接合不良を防ぐことができ、加熱時に確実にセルフアライメントを実施することが可能となる。
【0071】
従って、本発明は、基板10上に載置する発光素子30の位置ずれを生じさせず、発光素子30を基板10上に安定して載置することが可能な発光装置100とその製造方法を提供することが可能となる。
【0072】
尚、本実施例においては、発光素子30の発光部EMが窒化物半導体を主材料とする青色LEDである場合について説明したが、発光部EMの材料はこれに限定されず、その他の色の光を放射する種々のLEDやレーザの半導体発光層に適用可能である。具体的には、支持基板33上に発光部EMと電極パッド35が並置されるような発光素子30であればよい。
【0073】
また、本実施例においては、発光素子30の放射する光に励起されて当該放射光の波長変換を行う波長変換体40を備える発光装置100について説明した。しかし、波長変換体40は発光素子30の放射する光の波長変換を行わない投光板であってもよい。
【0074】
また、本実施例においては、発光装置100が、1つの発光素子30を有する場合について説明した。しかしながら、搭載する発光素子30の数量はこれに限定されない。具体的には、第1の基材13上に2以上の複数の発光素子を搭載してもよい。この場合、複数の発光素子は外部電極に対して並列に接続される態様となる。
【0075】
また、上記に加え、基板10を構成する基材においても3以上の基材を有していてもよい。この場合、下面に外部電極を形成する基材と、下面に外部電極を形成しない基材とを用意し、各々の基材に複数の発光素子を直列に接続するように配置した発光装置100としてもよい。また、全てに基材の下面に外部電極を形成して複数に並列接続された発光素子を有する発光装置としてもよい。
【0076】
また、複数の発光素子を搭載する発光装置である場合、波長変換体40は、複数の発光素子のそれぞれに波長変換体を備えるようにしてもよい。また、複数の発光素子を特定の配列方向に並置させて当該複数の発光素子の発光部EMのそれぞれ覆うように一体的に形成された波長変換体を備えるようにしてもよい。
【0077】
また、複数の発光素子を特定の配列方向に並置させ且つ複数の発光素子のそれぞれに波長変換体を備えるようにしてもよい。その場合、複数の発光素子のそれぞれに発光素子の放射する光に励起されて白色に波長変換を行う波長変換板と発光素子30の放射する光に励起されて橙色に波長変換を行う波長変換板とを交互に配置するようにしてもよい。これにより、発光装置100の光取り出し面から放射される光を調色することが可能となる。
【符号の説明】
【0078】
100 発光装置
10 基板
13 第1の基材
14 第2の基材
15 第1の被覆膜
16 開口部
17 薄膜領域
19 内部電極
20 枠体
23 枠基材
24 第2の被覆膜
30 発光素子
33 支持基板
35 電極パッド
40 波長変換体
50 保護素子
60 素子接合層
70 被覆部材