(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】離間した突起を備えるポールシューを有する磁気持ち上げデバイス
(51)【国際特許分類】
H01F 7/04 20060101AFI20240308BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20240308BHJP
B23Q 3/15 20060101ALI20240308BHJP
B66C 1/06 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01F7/04 Z
H01F7/02 F
H01F7/02 S
B23Q3/15 A
B66C1/06 H
(21)【出願番号】P 2020541372
(86)(22)【出願日】2019-01-29
(86)【国際出願番号】 US2019015541
(87)【国際公開番号】W WO2019148159
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-28
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519384781
【氏名又は名称】マグスウィッチ テクノロジー ワールドワイド プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MAGSWITCH TECHNOLOGY WORLDWIDE PTY LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モートン,デイビッド・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】スクイレース,トーマス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】カープ,ポール・ジェイ
【審査官】木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219364(JP,A)
【文献】実開昭51-093568(JP,U)
【文献】特開平1-216737(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103277648(CN,A)
【文献】実開昭52-146681(JP,U)
【文献】実開昭63-80812(JP,U)
【文献】特開昭63-312037(JP,A)
【文献】特開平5-208791(JP,A)
【文献】特開昭59-108303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/02- 7/04
B66C 1/04- 1/08
B23Q 3/15- 3/154
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスであって、
中央ボアを有するハウジングと、
前記中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ前記磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成している、複数の極セクタであって、前記複数の極セクタの各々が、それぞれの半径方向距離で配置された複数の離隔した極部分を備え、複数の凹部のうちの凹部が、前記複数の極部分の各極部分を分離しており、前記複数のセクタの第1のセクタが、前記磁気デバイスの第1の極を形成しており、前記複数のセクタの第2のセクタが、前記磁気デバイスの第2の極を形成している、複数の極セクタと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、少なくとも1つの第2の永久磁石と、
前記少なくとも1つの第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記少なくとも1つの第1の永久磁石に対して前記少なくとも1つの第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、前記磁気デバイスが、前記少なくとも1つの第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記少なくとも1つの第1の永久磁石に対して第1の位置に位置付けられているときに、前記複数の極セクタを通して前記少なくとも1つの第1の永久磁石および前記少なくとも1つの第2の永久磁石で、第1の磁気回路を確立し、前記第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記少なくとも1つの第1の永久磁石に対して第2の位置に位置付けられているときに、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石で、第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える、磁気デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記ハウジングによって支持された第1のプラッタを備え、前記第1のプラッタは、各々がN極側とS極側とを有する第1の複数の離隔した永久磁石部分と、前記第1の複数の永久磁石部分の隣接した永久磁石部分の間に介在している第1の複数の極部分と、を備え、前記第1のプラッタが、等しい数の永久磁石部分および極部分を備え、前記第1の複数の永久磁石は、前記第1の複数の極部分の各極部分が前記第1の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分の前記N極側に隣接しているN極部分、および前記第1の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分の前記S極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように配置されており、
前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記ハウジングによって支持された第2のプラッタを備え、前記第2のプラッタは、各々がN極側とS極側とを有する第2の複数の離隔した永久磁石部分と、前記第2の複数の永久磁石部の隣接した永久磁石部分の間に介在している第2の複数の極部分と、を備え、前記第2のプラッタが、等しい数の永久磁石部分および極部分を備え、前記第2の複数の永久磁石が、前記第1の複数の極部分の各極部分が前記第2の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分の前記N極側に隣接しているN極部分、および前記第2の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分の前記S極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように配置されており、前記第2のプラッタが回転係合部分を含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの第1の永久磁石に対して前記少なくとも1つの第2の永久磁石を回転させる、請求項1または2に記載の磁気デバイス。
【請求項4】
前記アクチュエータが、ロータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータのうちの1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータが、前記少なくとも1つの第1の永久磁石に対して前記少なくとも1つの第2の永久磁石を直線的に並進させる、請求項1または2に記載の磁気デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記ハウジングに受容された第2のハウジングに格納されており、前記第2のハウジングが、前記アクチュエータによって、前記少なくとも1つの第2の永久磁石を回転させるように回転可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項7】
強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスであって、
中央ボアを有するハウジングと、
前記中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ前記磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成している、複数の極セクタであって、前記複数の極セクタの各々が、それぞれの半径方向距離で配置された複数の離隔した極部分を備え、複数の凹部のうちの凹部が、前記複数の極部分の各極部分を分離しており、前記複数のセクタの第1のセクタが、前記磁気デバイスの第1の極を形成しており、前記複数のセクタの第2のセクタが、前記磁気デバイスの第2の極を形成している、複数の極セクタと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第1の永久磁石と、
前記少なくとも1つの第1の永久磁石に動作可能に結合されて、前記ハウジングのベースに対して前記少なくとも1つの第1の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、前記磁気デバイスは、前記少なくとも1つの第1の永久磁石が前記アクチュエータによって前記ハウジングの前記ベースに対して第1の位置に位置付けられているときに、前記複数の極セクタを通して第1の磁気回路を確立し、前記少なくとも1つの第1の永久磁石が前記アクチュエータによって前記ハウジングの前記ベースに対して第2の位置に位置付けられているときに、実質的に前記ハウジング内に第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える、磁気デバイス。
【請求項8】
前記第1の磁気回路が、前記第1のセクタおよび前記第2のセクタを通過して、前記強磁性体を前記磁気デバイスに結合し、前記第2の磁気回路が、前記ハウジングの少なくとも一部分内に実質的にとどまる、請求項1~7のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項9】
前記複数の凹部の各凹部は、前記強磁性体が前記それぞれの凹部に入ることを防ぐようにサイズ決めされている、請求項1~8のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項10】
前記複数の凹部の各々が、隣接した極部分の間で延在するそれぞれの輪郭を有し、前記それぞれの輪郭が、連続的な傾斜を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項11】
前記複数の凹部のうちの少なくとも1つが、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項12】
前記凹部の各々が、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項13】
前記凹部のうちの少なくとも1つが、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項14】
前記凹部の各々が、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項15】
前記凹部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの凹部の深さに実質的に等しい幅を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項16】
前記複数の極セクタの各々が、1つの単一極セクタである、請求項1~15のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項17】
前記複数の極セクタの各々は、前記第1のセクタおよび前記第2のセクタの前記ワークピース接触インターフェースが前記強磁性体に接触するときに前記ハウジングが前記強磁性体から離隔するように、前記ハウジングの下方に延在する、請求項1~16のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項18】
前記複数の極部分の各々の間に配置された圧縮性部材をさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項19】
前記ワークピース接触インターフェースが、非線形ワークピース接触インターフェースを形成している、請求項1~18のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項20】
前記ワークピース接触インターフェースが、線形ワークピース接触インターフェースを形成している、請求項1~19のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項21】
前記アクチュエータが、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、および電気アクチュエータのうちの1つである、請求項1~20のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項22】
前記複数の極セクタの各々は、前記強磁性体が前記磁気デバイスに結合されているときに前記強磁性体に接触するように位置付けられた圧縮性構成要素を搬送する、請求項1~21のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項23】
磁気結合デバイスが、機械的ガントリー、クレーンホイスト、固定器具、およびロボット器具のグループから選択される少なくとも1つによって搬送される、請求項1~22のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項24】
強磁性体に磁気デバイスを取り付ける方法であって、前記磁気デバイスが、第1の磁気回路および第2の磁気回路を確立するように構成されており、前記磁気デバイスが、中央ボアを有するハウジングを備え、少なくとも1つの第1の永久磁石が、前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、前記少なくとも1つの第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して移動可能であり、複数の極セクタが、前記中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ前記磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成しており、
前記強磁性体を前記複数の極セクタの第1のセクタと接触させるステップであって、前記第1のセクタが、前記第1のセクタの前記接触インターフェースを集合的に形成している、それぞれの距離で配置された複数の離隔した半径方向極部分を含む、ステップと、
前記強磁性体を前記複数のセクタの第2のセクタと接触させるステップであって、前記第2のセクタが、前記第2のセクタの前記接触インターフェースを集合的に形成している複数の離隔した半径方向極部分を含む、ステップと、
前記磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させるステップと、を含む、方法。
【請求項25】
前記第1の磁気回路が、前記第1のセクタおよび前記第2のセクタを実質的に通過して、前記強磁性体を前記磁気デバイスに結合し、前記第2の磁気回路が、前記ハウジングの少なくとも一部分内に実質的にとどまる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
強磁性ワークピースに磁気結合するための磁気結合デバイスであって、
ハウジングであって、前記ハウジングの上方部分と前記ハウジングの下方部分との間で延在する鉛直軸を有する、ハウジングと、
前記ハウジングの上方部分または上方部分の近くに配置された1つ以上の強磁性ピースと、
前記ハウジングによる極板支持体であって、前記極板が、前記強磁性ワークピースのためのワークピース接触インターフェースを集合的に形成している複数の突起を備える、極板支持体と、
前記ハウジングによって支持された磁気プラッタであって、複数の永久磁石部分と、複数の極部分と、を備える、磁気プラッタと、を備え、前記複数の極部分のうちの極部分が、1つ以上の永久磁石部分のうちの少なくとも1つの永久磁石部分のN極側に隣接しているN極部分、および前記1つ以上の永久磁石部分のうちの少なくとも1つの永久磁石部分のS極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように、前記1つ以上の永久磁石部分の各永久磁石部分が、前記複数の極部分の2つの極部分に隣接して配置されており、
前記磁気プラッタが、第1の状態および第2の状態の少なくとも各々に対して前記鉛直軸に沿って前記ハウジング内で直線的に並進可能であり、前記磁気プラッタが前記第1の状態にあるときに、前記磁気結合デバイスが、前記1つ以上の強磁性ピースを通して第1の磁気回路を確立し、前記磁気結合デバイスの前記ワークピース接触インターフェースで第1の磁場を提供するように、前記磁気プラッタが、前記1つ以上の強磁性ピースに隣接して配置されており、前記磁気プラッタが前記第2の状態にあるときに、前記磁気結合デバイスが、前記ワークピース接触インターフェースで第2の磁場を提供するように、前記磁気プラッタが、前記1つ以上の強磁性ピースから離隔して配置されており、前記第2の磁場が、非ゼロの磁場強度である、磁気結合デバイス。
【請求項27】
第1の厚さを有する強磁性ワークピースに磁気結合するための磁気結合デバイスであって、前記磁気結合デバイスは、
複数の離隔した極部分を備え、前記複数の離隔した極部分の各々は、前記強磁性ワークピースと接触するためのワークピース接触インターフェースを有し、前記複数の離隔した極部分は、
第1の極部分と、
前記第1の極部分から第1の距離を置いて離隔した第2の極部分と、
前記第1の極部分から第2の距離を置いて離隔した第3の極部分とを含み、前記第1の極部分は前記第2の極部分と前記第3の極部分との間に位置し、さらに、
前記第2の極部分から第3の距離を置いて離隔した第4の極部分を含み、前記第2の極部分は前記第1の極部分と前記第4の極部分との間に位置し、前記磁気結合デバイスはさらに、
複数の永久磁石を備え、前記複数の永久磁石は、
前記複数の離隔した極部分のうちの前記第1の極部分および前記複数の離隔した極部分のうちの前記第2の極部分と相互作用するように配置された第1の永久磁石を含み、前記第1の永久磁石は、前記第1の極部分のワークピース接触インターフェースから離隔しかつ前記第2の極部分のワークピース接触インターフェースから離隔し、前記複数の永久磁石はさらに、
前記複数の離隔した極部分のうちの前記第1の極部分および前記複数の離隔した極部分のうちの前記第3の極部分と相互作用するように配置された第2の永久磁石を含み、前記第2の永久磁石は、前記第1の極部分の前記ワークピース接触インターフェースから離隔しかつ前記第3の極部分のワークピース接触インターフェースから離隔し、前記複数の永久磁石はさらに、
前記複数の離隔した極部分のうちの前記第2の極部分と前記複数の離隔した極部分のうちの第4の極部分との間に配置された第3の永久磁石を含み、前記第3の永久磁石は、前記第2の極部分の前記ワークピース接触インターフェースから離隔しかつ前記第4の極部分のワークピース接触インターフェースから離隔し、
前記第3の極部分、前記第2の永久磁石、前記第1の極部分、前記第1の永久磁石、前記第2の極部分、前記第3の永久磁石、および前記第4の極部分は、第1の水平方向に沿っており、
第1の凹部幅および第1の凹部深さを有する第1の凹部が、前記第1の極部分の前記第1のワークピース接触インターフェースおよび前記第2の極部分の前記第2のワークピース接触インターフェースに近接して、前記第1の極部分と前記第2の極部分とを離隔し、第2の凹部幅および第2の凹部深さを有する第2の凹部が、前記第1の極部分の前記第1のワークピース接触インターフェースおよび前記第3の極部分の前記第3のワークピース接触インターフェースに近接して、前記第1の極部分と前記第3の極部分とを離隔し、第3の凹部幅および第3の凹部深さを有する第3の凹部が、前記第2の極部分の前記第2のワークピース接触インターフェースおよび前記第4の極部分の前記第4のワークピース接触インターフェースに近接して、前記第2の極部分と前記第4の極部分とを離隔し、
前記第1の極部分は前記第1の水平方向に沿って第1の極部分幅を有し、前記第2の極部分は前記第1の水平方向に沿って第2の極部分幅を有し、前記第3の極部分は前記第1の水平方向に沿って第3の極部分幅を有し、前記第4の極部分は前記第1の水平方向に沿って第4の極部分幅を有する、磁気結合デバイス。
【請求項28】
前記複数のポールシューは、前記複数のワークピース接触インターフェースから最大2ミリメートルの浅い磁場を生成するように大きさが定められ配置される、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項29】
前記第1の凹部幅、前記第1の凹部深さ、前記第1の極部分幅、前記第2の凹部幅、前記第2の凹部深さ、前記第2の極部分幅、前記第3の凹部幅、前記第3の凹部深さ、前記第3の極部分幅、および前記第4の極部分幅のうちの少なくとも1つは、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項30】
前記第1の凹部幅、前記第2の凹部幅、および前記第3の凹部幅のうちの少なくとも1つは、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項31】
前記第1の凹部幅、前記第2の凹部幅、および前記第3の凹部幅の各々は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項32】
前記第1の凹部幅、前記第2の凹部幅、および前記第3の凹部幅の平均は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項33】
前記第1の凹部深さ、前記第2の凹部深さ、および前記第3の凹部深さのうちの少なくとも1つは、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項34】
前記第1の凹部深さ、前記第2の凹部深さ、および前記第3の凹部深さの各々は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項35】
前記第1の凹部深さ、前記第2の凹部深さ、および前記第3の凹部深さの平均は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項36】
前記第1の極部分幅、前記第2の極部分幅、前記第3の極部分幅、および前記第4の極部分幅のうちの少なくとも1つは、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項37】
前記第1の極部分幅、前記第2の極部分幅、前記第3の極部分幅、および前記第4の極部分幅の各々は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項38】
前記第1の極部分幅、前記第2の極部分幅、前記第3の極部分幅、および前記第4の極部分幅の平均は、前記強磁性ワークピースの前記第1の厚さにほぼ等しい、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項39】
前記第1のワークピース接触インターフェース、前記第2のワークピース接触インターフェース、前記第3のワークピース接触インターフェース、および前記第4のワークピース接触インターフェースのうちの少なくとも1つにおける磁束の少なくとも1つの特徴を監視するように配置された少なくとも1つの磁場センサーをさらに備える、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項40】
前記少なくとも1つの磁場センサーは、前記第1のワークピース接触インターフェース、前記第2のワークピース接触インターフェース、前記第3のワークピース接触インターフェース、および前記第4のワークピース接触インターフェースの各々から離隔されている、請求項39に記載の磁気結合デバイス。
【請求項41】
前記複数の極部分および前記複数の永久磁石は、協働して、
前記強磁性ワークピースが前記複数のワークピース接触インターフェースによって第1の磁気強度で保持されることが可能な第1の状態と、
前記強磁性ワークピースが前記複数のワークピース接触インターフェースによって保持されることが不可能な第2の状態とを確立する、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項42】
前記複数の極部分および前記複数の永久磁石は、協働して、さらに、
前記強磁性ワークピースが前記複数のワークピース接触インターフェースによって第2の磁気強度で保持されることが可能な第3の状態を確立し、前記第2の磁気強度は前記第1の状態の前記第1の磁気強度未満である、請求項41に記載の磁気結合デバイス。
【請求項43】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して移動可能である、請求項42に記載の磁気結合デバイス。
【請求項44】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して並進可能である、請求項43に記載の磁気結合デバイス。
【請求項45】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して鉛直方向に並進可能である、請求項44に記載の磁気結合デバイス。
【請求項46】
前記第1の凹部、前記第2の凹部、および前記第3の凹部のうちの少なくとも1つに配置された圧縮性部材をさらに備える、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項47】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して移動可能である、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項48】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して並進可能である、請求項47に記載の磁気結合デバイス。
【請求項49】
前記複数の永久磁石は、前記複数のワークピース接触インターフェースに対して鉛直方向に並進可能である、請求項48に記載の磁気結合デバイス。
【請求項50】
前記複数の永久磁石の各々は、直線状であり、前記水平方向に対して角度が付けられた第2の水平方向の長さを有する、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項51】
前記複数の極部分の各々は、直線状であり、前記水平方向に対して角度が付けられた第2の水平方向の長さを有する、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項52】
前記複数の永久磁石の各々は、レアアース永久磁石である、請求項27に記載の磁気結合デバイス。
【請求項53】
強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された複数のポールシューであって、前記複数のポールシューの第1の部分は前記ハウジングと協働して前記磁気デバイスの第1の極を形成し、前記複数のポールシューの第2の部分は前記ハウジングと協働して前記磁気デバイスの第2の極を形成し、前記磁気デバイスの前記第1の極および前記磁気デバイスの前記第2のポールシューの各々は強磁性体を含み、前記強磁性体は前記ハウジングの近くに位置する第1の部分と、前記ポールシューのワークピース接触インターフェースを集合的に形成している複数の離隔した突起を含む第2の部分とを有する、複数のポールシューと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、前記磁気デバイスが、前記第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記第1の永久磁石に対して第1の位置に位置付けられているときに、前記複数のポールシューを通して前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石で、第1の磁気回路を確立し、前記第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記第1の永久磁石に対して第2の位置に位置付けられているときに、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石で、第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える、磁気デバイス。
【請求項54】
前記第1の磁気回路が、前記第1のセクタおよび前記第2のセクタを通過して、前記強磁性体を前記磁気デバイスに結合し、前記第2の磁気回路が、前記ハウジングの少なくとも一部分内および前記複数のポールシューに実質的にとどまる、請求項53に記載の磁気デバイス。
【請求項55】
前記第1のポールシューの前記ワークピース接触インターフェースが前記第1のポールシューの下端に沿って延在し、前記第1のポールシューの前記下端が前記複数の離隔した突起のうちの第1の数の突起と、前記第1の数の突起の間に介在している第2の数の凹部とを有し、
前記凹部の前記第2の数は少なくとも2つである、請求項53または54に記載の磁気デバイス。
【請求項56】
前記凹部の前記第2の数は少なくとも3つである、請求項55に記載の磁気デバイス。
【請求項57】
前記凹部の前記第2の数は少なくとも5つである、請求項55に記載の磁気デバイス。
【請求項58】
前記凹部の各々が、前記強磁性体が前記それぞれの凹部に入ることを防ぐようにサイズ決めされている、請求項55~57のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項59】
前記凹部の各々が、前記隣接した突起の間で延在するそれぞれの輪郭を有し、前記それぞれの輪郭が、連続的な傾斜を有する、請求項55~58のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項60】
前記凹部のうちの少なくとも1つが、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する、請求項55~59のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項61】
前記凹部の各々が、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する、請求項55~60のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項62】
前記凹部のうちの少なくとも1つが、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する、請求項55~61のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項63】
前記凹部の各々が、前記磁気デバイスに結合される前記強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する、請求項55~62のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項64】
前記凹部のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの凹部の深さに実質的に等しい幅を有する、請求項55~59のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項65】
前記複数のポールシューが、前記ハウジングに取り外し可能に結合されている、請求項53~64のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項66】
前記ハウジングが、前記ハウジングの全体エンベロープ長と、前記ハウジングの全体エンベロープ幅と、前記ハウジングの全体エンベロープ高さとを有する外側エンベロープを有し、前記第1のポールシューが前記磁気デバイスのS極を形成し、前記第2のポールシューが前記磁気デバイスのN極を形成し、前記第1の極が前記ハウジングの第1の側に位置し、前記第2の極が前記ハウジングの第2の側に位置する、請求項53~65のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項67】
前記S極および前記N極の各々が、前記ハウジングの前記全体エンベロープ長と、前記ハウジングの前記全体エンベロープ幅と、前記ハウジングの前記全体エンベロープ高さとの各々の外側を延在する部分を少なくとも有する、請求項66に記載の磁気デバイス。
【請求項68】
前記S極および前記N極の各々が、前記ハウジングの前記外側エンベロープの外側を第1の方向に延在する第1の部分と、前記ハウジングの前記外側エンベロープを超えて第2の方向に延在する第2の部分とを少なくとも有し、前記第1の方向および前記第2の方向の各々が、前記ハウジングの前記全体エンベロープ長と、前記ハウジングの前記全体エンベロープ幅と、前記ハウジングの前記全体エンベロープ高さとのうちの1つに沿っている、請求項66に記載の磁気デバイス。
【請求項69】
前記S極および前記N極の各々が、1つの単一ポールシューを含む、請求項66~68のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項70】
前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューの各々が、前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューの前記ワークピース接触インターフェースが前記強磁性体に接触するときに前記ハウジングが前記強磁性体から離隔するように、前記ハウジングの下方に延在する、請求項53~69のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項71】
前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューの前記複数の突起の間に配置された圧縮性部材をさらに備える、請求項53~70のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項72】
前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューの各々の前記それぞれの複数の突起が、非線形ワークピース接触インターフェースを形成している、請求項53~71のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項73】
前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューの各々の前記それぞれの複数の突起が、線形ワークピース接触インターフェースを形成している、請求項53~71のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項74】
前記アクチュエータが、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を回転させる、請求項53~73のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項75】
前記アクチュエータが、ロータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータのうちの一方である、請求項53~74のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項76】
前記アクチュエータが、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、および電気アクチュエータのうちの1つである、請求項53~75のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項77】
前記第2の永久磁石が、前記ハウジングに受容された第2のハウジングに格納されており、前記第2のハウジングが、前記アクチュエータによって、前記第2の永久磁石を回転させるように回転可能である、請求項53~76のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項78】
前記磁気デバイスの前記第1の極および前記磁気デバイスの前記第2のポールシューの各々は、前記強磁性体が前記磁気デバイスに結合されているときに前記強磁性体に接触するように位置付けられた圧縮性構成要素を搬送する、請求項53~77のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項79】
強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された複数のポールシューであって、前記複数のポールシューの第1の部分は前記ハウジングと協働して前記磁気デバイスの第1の極を形成し、前記複数のポールシューの第2の部分は前記ハウジングと協働して前記磁気デバイスの第2の極を形成し、前記磁気デバイスの前記第1の極および前記磁気デバイスの前記第2のポールシューの各々は前記第1のポールシューおよび前記第2のポールシューが前記磁気デバイスに結合されているときに前記強磁性体に接触するように位置付けられた圧縮性構成要素を搬送する、複数のポールシューと、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する第1の永久磁石と、
前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する第2の永久磁石であって、前記第1の永久磁石に対して移動可能である、第2の永久磁石と、
前記第2の永久磁石に動作可能に結合されて、前記第1の永久磁石に対して前記第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、前記磁気デバイスが、前記第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記第1の永久磁石に対して第1の位置に位置付けられているときに、前記複数のポールシューを通して前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石で、第1の磁気回路を確立し、前記第2の永久磁石が前記アクチュエータによって前記第1の永久磁石に対して第2の位置に位置付けられているときに、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石で、第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える、磁気デバイス。
【請求項80】
前記磁気デバイスが、ロボットアームの一端により運ばれる、請求項53~79のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
【請求項81】
強磁性体に磁気デバイスを取り付ける方法であって、前記磁気デバイスが、第1の磁気回路および第2の磁気回路を確立するように構成されており、前記磁気デバイスがハウジングを備え、第1の永久磁石が、前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、第2の永久磁石が、前記ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、前記第2の永久磁石が、前記第1の永久磁石に対して移動可能であり、複数のポールシューが前記ハウジングに結合されており、
前記強磁性体を前記複数のポールシューの第1の部分と接触させるステップであって、前記第1の部分が、前記第1の部分の前記接触インターフェースを集合的に形成している、複数の離隔した突起を含む、ステップと、
前記強磁性体を前記複数のポールシューの第2の部分と接触させるステップであって、前記第2の部分が、前記第2の部分の前記接触インターフェースを集合的に形成している、複数の離隔した突起を含む、ステップと、
前記磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させるステップと、を含む、方法。
【請求項82】
前記第1の磁気回路が、前記第1の極および前記第2の極を実質的に通過して、前記強磁性体を前記磁気デバイスに結合し、前記第2の磁気回路が、前記ハウジングおよび前記複数のポールシューの少なくとも一部分内に実質的にとどまる、請求項81に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、磁気デバイスに関する。より具体的には、本開示は、切り換え可能な磁気デバイスのためのポールシューに関する。
【背景技術】
【0002】
切り換え可能な磁気デバイスは、磁気デバイスを1つ以上の強磁性体に磁気的に結合するように使用され得る。切り換え可能な磁気デバイスは、磁場を生成および分路するように、1つ以上の固定磁石(複数可)に対して回転可能である1つ以上の磁石(複数可)を含み得る。切り換え可能な磁石デバイスは、磁石デバイスを「オン」状態と「オフ」状態との間で切り換えることにより、他の用途の中でも特に、物体を持ち上げる動作、材料の取り扱い、材料の保持、物体を互いに磁気的にラッチまたは結合することなどのために、強磁性体(例えば、ワークピース)に取り外し可能な様式で取り付けられ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施形態は、切り換え可能な磁気デバイスのためのポールシューに関する。実施形態では、ポールシューは、磁気デバイスで移動される強磁性ワークピースに浅い磁場を生成することを容易にする複数の突起を備え、浅い磁場は、結合された強磁性ワークピースを持ち上げて輸送中の剪断力に対して強磁性ワークピースを保持するのに十分な保持力を有する。したがって、ポールシューを含む切り換え可能な磁気デバイスは、薄い材料をディスタックするように使用され得る。例示的な実施形態は、以下を含む。
【0004】
本開示の例示的な実施形態では、強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスは、中央ボアを有するハウジングと、中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成している、複数の極セクタであって、複数の極セクタの各々が、それぞれの距離で配置された複数の離間した極部分を備え、複数の凹部のうちの凹部が、複数の極部分の各極部分を分離しており、複数のセクタの第1のセクタが、磁気デバイスの第1の極を形成しており、複数のセクタの第2のセクタが、磁気デバイスの第2の極を形成している、複数の極セクタと、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第1の永久磁石と、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第2の永久磁石であって、第1の永久磁石に対して移動可能である、少なくとも1つの第2の永久磁石と、少なくとも1つの第2の永久磁石に動作可能に結合されて、少なくとも1つの第1の永久磁石に対して少なくとも1つの第2の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、磁気デバイスが、少なくとも1つの第2の永久磁石がアクチュエータによって少なくとも1つの第1の永久磁石に対して第1の位置に位置付けられているときに、複数の極セクタを通して少なくとも1つの第1の永久磁石および少なくとも1つの第2の永久磁石で、第1の磁気回路を確立し、第2の永久磁石がアクチュエータによって少なくとも1つの第1の永久磁石に対して第2の位置に位置付けられているときに、第1の永久磁石および第2の永久磁石で、第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える。
【0005】
その実施例では、少なくとも1つの第1の永久磁石が、ハウジングによって支持された第1のプラッタを備え、第1のプラッタは、各々がN極側とS極側とを有する第1の複数の離間した永久磁石部分と、第1の複数の永久磁石部分の隣接した永久磁石部分の間に介在している第1の複数の極部分と、を備え、第1のプラッタが、等しい数の永久磁石部分および極部分を備え、第1の複数の永久磁石は、第1の複数の極部分の各極部分が第1の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分のN極側に隣接しているN極部分、および第1の複数の永久磁石部の2つの永久磁石部のS極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように配置されており、少なくとも1つの第2の永久磁石が、ハウジングによって支持された第2のプラッタを備え、第2のプラッタは、各々がN極側とS極側とを有する第2の複数の離間した永久磁石部分と、第2の複数の永久磁石部分の隣接した永久磁石部分の間に介在している第2の複数の極部分と、を備え、第2のプラッタが、等しい数の永久磁石部分および極部分を備え、第2の複数の永久磁石は、第1の複数の極部分の各極部分が第2の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分のN極側に隣接しているN極部分、および第2の複数の永久磁石部分の2つの永久磁石部分のS極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように配置されており、第2のプラッタが回転係合部分を含む。
【0006】
その別の実施例では、アクチュエータは、少なくとも1つの第1の永久磁石に対して少なくとも1つの第2の永久磁石を回転させる。
【0007】
そのさらに別の実施例では、アクチュエータは、ロータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータのうちの1つである。
【0008】
そのさらに別の実施例では、アクチュエータは、少なくとも1つの第1の永久磁石に対して少なくとも1つの第2の永久磁石を直線的に並進させる。
【0009】
そのさらに別の実施例では、少なくとも1つの第2の永久磁石が、ハウジングに受容された第2のハウジングに格納されており、第2のハウジングが、アクチュエータによって、少なくとも1つの第2の永久磁石を回転させるように回転可能である。
【0010】
本開示の別の例示的な実施形態では、強磁性体に磁気的に結合するための磁気デバイスは、中央ボアを有するハウジングと、中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成している、複数の極セクタであって、複数の極セクタの各々が、それぞれの距離で配置された複数の離間した極部を備え、複数の凹部のうちの凹部が、複数の極部分の各極部分を分離しており、複数のセクタの第1のセクタが、磁気デバイスの第1の極を形成しており、複数のセクタの第2のセクタが、磁気デバイスの第2の極を形成している、複数の極セクタと、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有する、少なくとも1つの第1の永久磁石と、少なくとも1つの第1の永久磁石に動作可能に結合されて、ハウジングのベースに対して少なくとも1つの第1の永久磁石を移動させる、アクチュエータであって、磁気デバイスが、少なくとも1つの第1の永久磁石がアクチュエータによってハウジングのベースに対して第1の位置に位置付けられているときに、複数の極セクタを通して第1の磁気回路を確立し、少なくとも1つの第1の永久磁石がアクチュエータによってハウジングのベースに対して第2の位置に位置付けられているときに、実質的にハウジング内に第2の磁気回路を確立する、アクチュエータと、を備える。
【0011】
その実施例では、第1の磁気回路が、第1のセクタおよび第2のセクタを通過して、強磁性体を磁気デバイスに結合し、第2の磁気回路が、ハウジングの少なくとも一部分内に実質的にとどまる。
【0012】
その別の実施例では、複数の凹部の各凹部は、強磁性体がそれぞれの凹部に入ることを防ぐようにサイズ決めされる。
【0013】
そのさらに別の実施例では、複数の凹部の各々が、隣接した極部の間で延在するそれぞれの輪郭を有し、それぞれの輪郭が、連続的な傾斜を有する。
【0014】
そのさらに別の実施例では、複数の凹部のうちの少なくとも1つが、磁気デバイスに結合される強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する。
【0015】
そのさらに別の実施例では、凹部の各々が、磁気デバイスに結合される強磁性体の厚さに実質的に等しい深さを有する。
【0016】
そのさらに別の実施例では、凹部のうちの少なくとも1つが、磁気デバイスに結合される強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する。
【0017】
そのさらに別の実施例では、凹部の各々が、磁気デバイスに結合される強磁性体の厚さに実質的に等しい幅を有する。
【0018】
そのさらに別の実施例では、凹部のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの凹部の深さに実質的に等しい幅を有する。
【0019】
そのさらに別の実施例では、複数の極セクタの各々が、1つの単一極セクタである。
そのさらに別の実施例では、複数の極セクタの各々が、第1のセクタおよび第2のセクタのワークピース接触インターフェースが強磁性体に接触するときにハウジングが強磁性体から離間するように、ハウジングの下方に延在する。
【0020】
そのさらに別の実施例では、複数の極部の各々の間に配置された圧縮性部材をさらに備える。
【0021】
そのさらに別の実施例では、ワークピース接触インターフェースは、非線形ワークピース接触インターフェースを形成する。
【0022】
そのさらに別の実施例では、ワークピース接触インターフェースは、線形ワークピース接触インターフェースを形成する。
【0023】
そのさらに別の実施例では、アクチュエータは、液圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、および電気アクチュエータのうちの1つである。
【0024】
そのさらに別の実施例では、複数の極セクタの各々は、強磁性体が磁気デバイスに結合されているときに強磁性体に接触するように位置付けられた圧縮性構成要素を搬送する。
【0025】
そのさらに別の実施例では、磁気結合デバイスは、機械的ガントリー、クレーンホイスト、固定器具、およびロボット器具のグループから選択される少なくとも1つによって搬送される。
【0026】
本開示の別の例示的な実施形態では、強磁性体に磁気デバイスを取り付ける方法であって、磁気デバイスが、第1の磁気回路および第2の磁気回路を確立するように構成されており、磁気デバイスが、中央ボアを有するハウジングを備え、少なくとも1つの第1の永久磁石が、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、少なくとも1つの第2の永久磁石が、ハウジングによって支持されており、かつアクティブなN-S極ペアを有し、少なくとも1つの第2の永久磁石が、第1の永久磁石に対して移動可能であり、複数の極セクタが、中央ボアのエンベロープ内に配置されており、かつ磁気デバイスのワークピース接触インターフェースを形成しており、強磁性体を複数の極セクタの第1のセクタと接触させるステップであって、第1のセクタが、第1のセクタの接触インターフェースを集合的に形成している、それぞれの距離で配置された複数の離間した極部分を含む、ステップと、強磁性体を複数のセクタの第2のセクタと接触させるステップであって、第2のセクタが、第2のセクタの接触インターフェースを集合的に形成している複数の離間した極部分を含む、ステップと、
磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させるステップと、を含む、方法。
【0027】
その実施例では、第1の磁気回路が、第1のセクタおよび第2のセクタを実質的に通過して、強磁性体を磁気デバイスに結合し、第2の磁気回路が、ハウジングの少なくとも一部分内に実質的にとどまる。
【0028】
本開示の別の例示的な実施形態では、強磁性ワークピースに磁気結合するための磁気結合デバイスは、ハウジングであって、ハウジングの上方部分とハウジングの下方部分との間で延在する鉛直軸を有する、ハウジングと、ハウジングの上方部分または上方部分の近くに配置された1つ以上の強磁性ピースと、ハウジングによる極板支持体であって、極板が、強磁性ワークピースのためのワークピース接触インターフェースを集合的に形成している複数の突起を備える、極板支持体と、ハウジングによって支持された磁気プラッタであって、複数の永久磁石部分と、複数の極部分と、を備える、磁気プラッタと、を備え、複数の極部分のうちの極部分が、1つ以上の永久磁石部分のうちの少なくとも1つの永久磁石部分のN極側に隣接しているN極部分、および1つ以上の永久磁石部分のうちの少なくとも1つの永久磁石部分のS極側に隣接しているS極部分のうちの1つであるように、1つ以上の永久磁石部分の各永久磁石部分が、複数の極部分の2つの極部分に隣接して配置されており、磁気プラッタが、第1の状態および第2の状態の少なくとも各々に対して鉛直軸に沿ってハウジング内で直線的に並進可能であり、磁気プラッタが第1の状態にあるときに、磁気結合デバイスが、1つ以上の強磁性ピースを通して第1の磁気回路を確立し、磁気結合デバイスのワークピース接触インターフェースで第1の磁場を提供するように、磁気プラッタが、1つ以上の強磁性ピースに隣接して配置されており、磁気プラッタが第2の状態にあるときに、磁気結合デバイスが、ワークピース接触インターフェースで第2の磁場を提供するように、磁気プラッタが、1つ以上の強磁性ピースから離間して配置されており、第2の磁場が、非ゼロの磁場強度である。
【0029】
他の態様ならびに任意のおよび/または好ましい実施形態は、添付の図面を参照して以下で提供される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1A】オフ状態の例示的な切り換え可能な磁気デバイスの正面の代表的な図を示す。
【
図1B】オン状態の
図1Aで示されている例示的な切り換え可能な磁気デバイスの正面の代表的な図を示す。
【
図1C】
図1Aおよび
図1Bで示されている例示的な切り換え可能な磁気デバイスの側面の代表的な図を示す。
【
図2A】別の例示的な切り換え可能な磁気デバイスの側面の代表的な図を示す。
【
図2B】
図2Aで示されている例示的な切り換え可能な磁石の上部の代表的な図を示す。
【
図3】ポールシューを備える例示的な切り換え可能な磁気デバイスの概略分解図を示す。
【
図4】組み立てられた状態の
図3で示されている切り換え可能な磁気デバイスの等角図を示す。
【
図5A】
図3および
図4で示されている切り換え可能な磁気デバイス、およびデバイスが「オフ」状態にあるときに生成される磁気回路の正面断面図を示す。
【
図5B】
図3および
図4で示されている切り換え可能な磁気デバイス、ならびにデバイスが「オン」状態にあるときに生成される磁気回路の正面断面図を示す。
【
図6】例示的なポールシューの一部分の側面図を示す。
【
図7A】別の例示的なポールシューの一部分の側面図を示す。
【
図7B】
図7Aで示されている例示的なポールシューの一部分の詳細図を示す。
【
図8】別の例示的なポールシューの一部分の側面図を示す。
【
図11A】別の例示的な切り換え可能な磁気デバイスの正面図を示す。
【
図12】ポールシューを備える例示的な切り換え可能な磁気デバイスの使用の方法の処理シーケンスを示す。
【
図13】切り換え可能な磁気デバイスを含むロボットシステムを示す。
【
図14】リニアアレイで配置された複数の永久磁石および極部分を各々含む上方アセンブリおよび下方アセンブリを有し、磁気結合デバイスがオン状態にある、例示的な磁気結合デバイスの概略図を示す。
【
図16】複数の永久磁石および極部分を有する例示的なプラッタの2つのインスタンスの斜視図を示す。
【
図19】ポールシューを備える別の例示的な磁気結合デバイスの分解斜視図を示す。
【
図20】
図19の磁気結合デバイスの組み立てられた斜視図を示す。
【
図21】
図19の磁気結合デバイスの組み立てられた底面図を示す。
【
図23】強磁性ワークピースに結合された例示的なオン状態の極部分を備える別の磁気結合デバイスの断面図を示す。
【
図24】複数の強磁性ワークピースのスタックの上に位置付けられた例示的なオフ状態の、
図23で示されている磁気結合デバイスの断面図を示す。
【
図26】強磁性ワークピースに結合された例示的なオン状態のポールシューを備える、
図23の磁気結合デバイスの断面図を示す。
【
図27】複数の強磁性ワークピースのスタックの上に位置付けられた例示的なオフ状態の、
図26で示されている磁気結合デバイスの断面図を示す。
【
図28A】強磁性ワークピースのスタック上に位置付けられた例示的な第1のオフ状態の別の例示的な磁気結合デバイスの側断面図を示す。
【
図33】極部分を備える例示的な切り換え可能な磁気デバイスの使用の方法の処理シーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
開示された主題は、様々な修正および代替の形態を受け入れるが、特定の実施形態が、図面で例として示されており、以下で詳細に記載される。しかしながら、その意図は、記載された特定の実施形態に開示を限定することではない。それどころか、本開示は、本開示の範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物を包含することを意図している。
【0032】
図面の詳細な説明
本明細書で提供される実施形態は、切り換え可能な磁気デバイスに関する。例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、「SWITCHABLE PERMANENT MAGNETIC DEVICE」と題する米国特許第7,012,495号、「MODULAR PERMANENT MAGNET CHUCK」と題する米国特許第7,161,451号、「MAGNET ARRAYS」と題する米国特許第8,878,639号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-Eで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0033】
本明細書で図示された実施例は、参照により本明細書に明確に組み込まれる‘495特許の例示的な切り換え可能な磁気デバイスと同様に、第1の永久磁石と、第1の永久磁石に対して移動可能な第2の永久磁石とを有する例示的な切り換え可能な磁気デバイスを提供する。永久磁石は各々、NdFeBまたはSmCoなどの1つのタイプのレアアース磁石材料の円筒形の単一双極体であり得る。さらなるタイプの切り換え可能な磁気デバイスが実装され得る。各タイプの切り換え可能な磁気デバイスは、第2の永久磁石に対して移動可能である少なくとも第1の永久磁石を含む。さらに、例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、第2の複数の永久磁石に対して移動可能な第1の複数の永久磁石を含み得る。さらに、例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、少なくとも第1の永久磁石の極延長部として機能する第1のハウジング内に位置付けられた少なくとも第1の永久磁石を含み得、第1のハウジングは、第2のハウジング内に位置付けられた少なくとも第2の永久磁石を有する第2のハウジングに対して移動可能であり、第2のハウジングは、少なくとも第2の永久磁石の極延長部として機能する。
【0034】
さらに、例示的な切り換え可能な磁気デバイスは、第2の複数の永久磁石に対して移動可能な第1の複数の永久磁石を含み得る。2つの実施例が、
図15~
図18で提供される。例示的なシステムは、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-E、ならびに米国特許第7,161,451号で開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0035】
図1A~
図1Cを参照すると、例示的な切り換え可能な磁気デバイス10が示されている。切り換え可能な磁気デバイス10は、ハウジング28でスタック関係に位置付けられた上方永久磁石12および下方永久磁石14を含む。永久磁石12は、S-極部分(S-極部分)18と、N-極部分(N-極部分)20と、を備える。同様に、永久磁石14は、N-極部分22と、S-極部分24と、を備える。ハウジング28は、ハウジングを形成するように共に組み立てられる複数の構成要素を含み得る。さらに、ハウジング28は、永久磁石12を永久磁石14から離間するように維持するための特徴、または永久磁石12が永久磁石14に対して離間した関係であることを維持する図示された実施形態のスペーサ13などのスペーサを組み込むための特徴を含み得る。スペーサ13は、永久磁石14から永久磁石12を分離するように非磁性材料で作られる。
【0036】
ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28に結合される。ポールシュー16’、16’’は、強磁性材料で作られており、ハウジング28の部分を通して磁石12、14に磁気的に結合される。ポールシュー16’、16’’の各々の下方部分は、ワークピース27、例示的には、強磁性材料のシート27’、27’’および27’’のスタックの強磁性材料の上部シート27’と接触状態にされ得るワークピース接触インターフェース17’、17’’を含む。ポールシュー16’、16’’のワークピース接触インターフェース17’、17’’は、ポールシュー16’、16’’およびハウジング28を通して磁石12、14と協働して、磁石12、14の第1および第2の極を形成する。一実施例では、1つの単一ポールシューが、ポールシュー16’、16’’の各々を形成する。別の実施例では、複数のポールシューが、ポールシュー16’、16’’の各々を形成する。
【0037】
実施形態では、永久磁石14は、ハウジング28に対して固定されており、永久磁石12は、永久磁石14の磁石部22、24に対して永久磁石12の磁石部分18、20の配列を変更するために、永久磁石14に対してハウジング28内で移動可能である。図示された実施形態では、永久磁石12は、永久磁石14に対して回転可能である。
【0038】
永久磁石12、14の構成に基づく切り換え可能な磁気デバイス10は、2つの異なる磁気回路を確立する。具体的には、永久磁石12のS-極部分18が永久磁石14のS-極部分24に隣接し、永久磁石12のN-極部分20が永久磁石14のN-極部分22に隣接するように(
図1Bで示されている)、永久磁石12が回転されるときに、切り換え可能な磁気デバイス10は、切り換え可能な磁気デバイス10のオン状態と呼ばれる第1の磁気回路を確立する。オン状態では、鉄または鋼などの強磁性材料で作られている1つ以上のワークピース27は、上方および下方磁石12、14のそれぞれの配列されたN-極部分20、22から、ハウジング28およびポールシュー16’を通り、1つ以上のワークピースシート27を通り、ポールシュー16’’およびハウジング28を通り、上方および下方磁石12、14のそれぞれの配列されたS-極部分18、24に磁気回路が完成することにより、切り換え可能な磁気デバイス10によって保持される。ポールシュー16’のワークピース接触インターフェース17’は、切り換え可能な磁気デバイス10のN極として機能する。ポールシュー16’’のワークピース接触インターフェース17’’は、切り換え可能な磁気デバイス10のS極として機能する。
【0039】
本明細書でより詳細に説明されるように、ポールシュー16’、16’’のサイズおよび形状により、第1の磁気回路は、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまり、ワークピースシート27の残りに対して方向33にワークピースシート27’を鉛直に持ち上げるのに十分な保持力になる。したがって、切り換え可能な磁気デバイス10は、ワークピースシート27をディスタックするように機能し得る。もちろん、いくつかの実施形態では、切り換え可能な磁石デバイス10によってワークピースシート27に提供される磁束の一部分は、ワークピースシート27の下方シート27’’に入り得るが、下方シート27’’が切り換え可能な磁気デバイス10によってワークピースシート27’と共に持ち上げられることになるレベルまで入らなくてもよい。したがって、本明細書で使用されるように、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまる第1の磁気回路は、下方シート27’’に入る、切り換え可能な磁気持ち上げデバイス10からの磁束の量が、あるとしても、下方シート27’’が切り換え可能な磁気持ち上げデバイス10によってワークピースシート27’と共に方向33に鉛直に持ち上げられることになるレベルよりも下であることを意味する。
【0040】
永久磁石12のS-極部分18が永久磁石14のN-極部分22に隣接し、永久磁石12のN-極部分20が永久磁石14のS-極部分24に隣接するように(
図1Aで示されている)、永久磁石12が回転されるときに、切り換え可能な磁気デバイス10は、切り換え可能な磁気デバイス10のオフ状態と呼ばれる第2の磁気回路を確立する。オフ状態では、鉄または鋼などの強磁性材料で作られている1つ以上のワークピース27は、配列された、磁石12のS-極部分18および磁石14のN-極部分22、ならびに配列された、磁石12のN-極部分20および磁石14のS-極部分24のために、切り換え可能な磁気デバイス10とワークピースシート27との間で磁気回路が完成することにより、切り換え可能な磁気デバイス10によって保持されない。言い換えれば、磁石12、14の配列により、実質的に切り換え可能な磁気デバイス10内の分路した磁気回路が外部磁場を弱くすることになる。一実施例では、磁石12、14によって生成される磁束の少なくとも96%は、切り換え可能な磁気デバイス10がオフ状態にあるときに切り換え可能な磁気デバイス10で維持される。別の実施例では、磁石12、14によって生成される磁束の少なくとも99%が、ワークピース接触インターフェース17’、17’’で維持される。
【0041】
図1Aに戻って、切り換え可能な磁気デバイス10は、係合部分30と、アクチュエータ32と、を含む。係合部分30は、アクチュエータ32が永久磁石14に対して永久磁石12を再配向し得るようにアクチュエータ32を永久磁石12に結合する。例示的な係合部分30は、永久磁石12および/もしくはハウジング支持永久磁石12での1つもしくは凹部、永久磁石12および/もしくはハウジング支持永久磁石12から延在する1つ以上の突出部、ならびに/または永久磁石12および/もしくはハウジング支持永久磁石12に結合された1つ以上のリンク機構もしくはギアシステムを含む。例示的なアクチュエータは、ロータリーアクチュエータおよびリニアアクチュエータを含み、その各々は、係合部分30を通して永久磁石12に回転を与えることができる。
【0042】
例示的な係合部分およびアクチュエータは、「SWITCHABLE PERMANENT MAGNETIC DEVICE」と題する米国特許第7,012,495号、「MODULAR PERMANENT MAGNET CHUCK」と題する米国特許第7,161,451号、「MAGNET ARRAYS」と題する米国特許第8,878,639号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-Eで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0043】
実施形態では、アクチュエータ32は、アクチュエータ32の動作、したがって、係合部分30を通した、永久磁石14に対する永久磁石12の配列を制御する、電子、空気圧、または液圧コントローラ34に結合されている。
図1Aで図示されているように、コントローラ34は、関連するコンピュータ可読媒体、例示的にはメモリ38と共にプロセッサ36を含む。メモリ38は、プロセッサ36によって実行されるときに、切り換え可能な磁気デバイス10がオン状態およびオフ状態のうちの1つに置かれるように永久磁石12を移動させるために、電子コントローラ34に対してロータリーアクチュエータ32に命令させる磁気結合状態ロジック40を含む。本明細書で使用されるような「ロジック」という用語は、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、ハードワイヤードロジック、またはその組み合わせで実行する、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを含む。したがって、実施形態に従い、様々なロジックは、任意の適切な様式で実装され得、本明細書で開示される実施形態に従うものとなる。ロジックを含む非一時的な機械可読媒体は、本明細書で記載される技術をプロセッサに実行させる適切なセットのコンピュータ命令およびデータ構造を含むソリッドステートメモリ、磁気ディスク、および光ディスクなどのコンピュータ可読キャリアの任意の有形の形態内で具体化されると、さらに考えられ得る。本開示は、磁気結合状態ロジックがマイクロプロセッサベースではなくむしろ、メモリ38に格納された1つ以上のセットのハードワイヤード命令および/またはソフトウェア命令に基づいて、切り換え可能な磁気デバイス10の動作を制御するように構成されている。さらに、コントローラ34は、1つのデバイス内に含まれ得るか、または本明細書で記載される機能性を提供するように共にネットワーク化された複数のデバイスであり得る。
【0044】
実施形態では、電子コントローラ34は、入力デバイス42から受信される入力信号に応答して、切り換え可能な磁気デバイス10の状態を変更する。例示的な入力デバイスは、スイッチ、ボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン、検出器、コントローラ、および他のデバイスを含み、それによって、オペレータは、触覚、音声、または視覚入力コマンドのうちの1つを提供し得る。例えば、一実施形態では、切り換え可能な磁気デバイス10は、ロボットアームのアームの端に結合されており、入力デバイス42は、コントローラ34が、オン状態およびオフ状態のうちの1つに切り換え可能な磁気デバイスをいつ置くかについての命令をロボットコントローラから受信するネットワークインターフェースである。例示的なネットワークインターフェースは、有線ネットワーク接続と、無線ネットワーク接続のためのアンテナと、を含む。上で考察された実施形態は、電子、空気圧、または液圧の作動に関するが、代替の実施形態では、切り換え可能な磁気デバイス10は、手動で作動され得る。例示的な手動アクチュエータは、ハンドルと、ノブと、人間のオペレータによって作動可能な他のデバイスと、を含む。
【0045】
図1Cを参照すると、ポールシュー16’、16’’(図示されているポールシュー16’’)は、複数の突起44と、突起44を分離している凹部46と、を含む。実施形態では、ポールシュー16’、16’’は、任意の数の凹部46と、凹部46の各側上に配置された任意の数の突起44と、を含み得る。複数の凹部46は、ワークピース27がそれぞれの凹部46に入ることを防ぐようにサイズ決めされる。したがって、ワークピース27のためのインターフェース17は、突起44によって集合的に形成されている。一実施例では、ポールシュー16’、16’’の各々は、第1の数の突起44と、第1の数の突起の間に介在している第2の数の凹部46と、を有し、第2の数は、少なくとも2つである。その変形では、第2の数は、少なくとも3つである。そのさらなる変形では、第2の数は、少なくとも5つである。
【0046】
突起44および凹部46の結果として、切り換え可能な磁気デバイス10は、ポールシュー16’、16’’が突起44と凹部46とを含まない場合の同じ磁気デバイス10によって生成される外部磁場よりも、インターフェース17の近くにより集中する外部磁場50(
図1Bで示されている)を生成する。より具体的には、
図1Bで図示されているように、外部磁場50は、第1のワークピース27’を実質的に通過するが、磁場50は、第2のワークピース27’’および/または第3のワークピース27’’’のいずれも実質的に通過しない。磁場50は、磁場50が第2のワークピース27’’を実質的に通過しないことを示しているが、磁場50のいくつかは、第2のワークピース27’’内に漏れ得る。逆に、ポールシュー16’、16’’が突起44と凹部46とを含まない場合、外部磁場50は、第2のワークピースシート27’’および/または第3のワークピースシート27’’’内に、ワークピースシート27のスタック内により深く入り込みやすい。これにより、上方ワークピースシート27’が第2のワークピースシート27’’からディスタックされる可能性が低くなる。
【0047】
表1および表2は、異なる厚さを有するワークピースにおける切り換え可能な磁気デバイスの平均分離力を示している。具体的には、表1は、第1のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスを示しており、第1のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスの第1の切り換え可能な磁気デバイスは、突起44を有さないポールシューを有し、第1のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスの第2の切り換え可能な磁気デバイス10は、突起44を有するポールシュー16’、16’’を有する。表2は、第2のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスを示しており、第2のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスの第1の切り換え可能な磁気デバイスは、突起44を有さないポールシューを有し、第2のタイプの磁石を有する切り換え可能な磁気デバイスの第2の切り換え可能な磁気デバイス10は、突起44を有するポールシュー16’、16’’を有する。
【0048】
【0049】
データで示されているように、突起44を備えるポールシュー16’、16’’を有する切り換え可能な磁気デバイス10は、突起のないポールシューを有する切り換え可能な磁気デバイスよりも、より薄いワークピースにおけるより高い平均分離力を有する。さらに、ワークピースの厚さが増加するにつれて、突起44を備えるポールシュー16’、16’’を有する切り換え可能な磁気デバイス10は、より低い全体的な平均分離力を有する。
【0050】
磁場50がポールシュー16’、16’’のインターフェース17の近くに集中する結果として、突起44および凹部46を備えるポールシュー16’、16’’を含む切り換え可能な磁気デバイス10は、突起および凹部のないポールシューを含む同じ切り換え可能な磁気デバイス10と比較して、より十分なディスタック能力を提供する。例えば、突起44および凹部46を有するポールシュー16’、16’’を含む切り換え可能な磁気デバイス10は、突起44および凹部46を含まないポールシューを有する同じ切り換え可能な磁気デバイス10よりも、薄いシート金属(例えば、0.5mmシート金属、1mmシート金属、2mmシート金属、および/または同様のもの)をより十分にディスタックすることができ得る。
【0051】
さらに、突起44および凹部46の寸法は、インターフェース44の近くで変化する磁場の強度を生成するようにさらに構成され得る。すなわち、ポールシュー16’、16’’のインターフェース17の近くの磁場50のさらなる集中は、ハウジング28に対して、したがって磁石12、14に対してポールシュー16’、16’’を長くすることによって達成され得る。実施形態では、磁石12、14についての極延長部ピースとして機能する、上方および下方磁石12、14ならびにハウジング28は、ハウジング28の高さ52(
図1Bを参照)、切り換え可能な磁気デバイス10の中心線55の各側上に延在するハウジング28の幅54(
図1Bを参照)、ならびにハウジング28の長さ58(
図1Cを参照)によって規定される外側エンベロープを有し得る。
図1Bで示されているように、ポールシュー16’は、切り換え可能な磁気デバイス10の中心線55の片側上に配置されており、ポールシュー16’’は、切り換え可能な磁気デバイス10の中心線55の反対側上に配置される。一実施例では、ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28のエンベロープの高さ52、幅54、および/または長さ58の少なくとも1つを越えて延在する。図示された実施形態では、ポールシュー16’、16’’は、ハウジング28のエンベロープの高さ52(ハウジング28よりも低く、
図1Bを参照)、幅54(ハウジング28の外側に位置付けられ、
図1Bを参照)、および長さ58(ハウジング28の前方および後方の両方、
図1Cを参照)を越えて延在する。
【0052】
いくつかの実施形態では、ハウジング28の底とポールシュー16’、16’’のインターフェース17との間の距離60(
図1Aで示されている)および/またはポールシュー16’、16’’の長さ62(
図1Cで示されている)は、
図11A、
図11Bに関連して以下で考察されるように、インターフェース17の近くに異なる磁場強度を生成するように変化し得る。
【0053】
図1A~
図1Cに関連して開示された実施形態は、1つの上方磁石12と、1つの下方磁石14と、を含むが、代替の実施形態では、切り換え可能な磁気デバイス10は、1つを超える上方磁石12と、1つを超える下方磁石14と、を備え得る。そのような一実施例は、
図2Aおよび
図2Bで示されている。
【0054】
図2Aは、別の例示的な切り換え可能な磁気デバイス10’の側面の代表的な図であり、
図2Bは、切り換え可能な磁石10’の上部の代表的な図である。
図2Aおよび
図2Bで図示されているように、切り換え可能な磁気デバイス10’は、複数の上方永久磁石12と、複数の下方永久磁石14と、を含み、例示的には、3つの上方磁石12’、12’’、12’’’と、3つの下方磁石14’、14’’、14’’’と、を含む。上方および下方磁石12’、14’は、第1のセットの磁石56’を形成する。上方および下方磁石12’’、14’’は、第2のセットの磁石56’’を形成する。上方および下方磁石12’’’、14’’’は、第3のセットの磁石56’’’を形成する。磁石56’、56’’、56’’’のセットは、互いに分離される。
【0055】
各セットの磁石56’、56’’、56’’’は、磁石56’、56’’、56’’’のセットのそれぞれのN-極からポールシュー16’、16’’を通って磁石56’、56’’、56’’’のセットのそれぞれのS極に伝搬する磁場を生成する。磁気デバイス10’がオン状態にある実施形態では、ワークピース27’がポールシュー16’、16’’のインターフェース17に接触するときに、磁場は、ワークピース27’を通って延在する。磁気デバイス10’がオフ状態にあるときに、磁場は、磁気デバイス10’の内部に実質的にとどまる。ポールシュー16’、16’’は、磁石56’、56’’、56’’’のセットにまたがるように図示されているが、代替の実施形態では、切り換え可能な磁気デバイス10’は、磁石56’、56’’、56’’’のセットに集合的にまたがる複数のポールシュー16’、16’’を含み得る。さらにまたは代替的に、切り換え可能な磁気デバイス10’は、2個、4個、5個などのセットの磁石56’、56’’、56’’’を含み得る。
【0056】
切り換え可能な磁気デバイス10は、スタック関係にあるものとして記載されているが、スタック関係に磁石を有さない他の切り換え可能な磁気デバイスが、ポールシュー16’、16’’と関連して使用され得る。例示的な非スタック切り換え可能な磁気デバイスは、「MAGNET ARRAYS」と題する2017年11月4日出願の米国特許出願第15/803,753号で記載されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0057】
次に、例示的な切り換え可能な磁気デバイス100のさらなる詳細は、
図3および
図4に関連して考察される。具体的には、
図3は、強磁性ポールシュー102’、102’’を備える例示的な切り換え可能な磁気デバイス100の概略分解図であり、
図4は、組み立てられた状態の切り換え可能な磁気デバイス100の等角図である。磁気デバイス100に関するさらなる詳細は、「ELECTROMAGNET-SWITCHABLE PERMANENT MAGNET DEVICE」と題する2017年6月8日出願の米国仮特許出願第62/517,057号で提供されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0058】
図3および
図4の考察中に、切り換え可能な磁気デバイス100、およびデバイスが第1の構成、すなわちオフ状態にあるときに生成される磁気回路の正面断面図である
図5Aの参照も行われる。さらに、磁気デバイス100が第2の構成、すなわちオン状態にあるときの切り換え可能な磁気デバイス100の正面断面図である
図5Bの参照も行われる。
【0059】
磁気デバイス100は、異なる磁気回路を確立することになる複数の構成を有し得る。例えば、磁気デバイス100が第2の磁気回路を確立する第2の構成(
図3および
図5Aで示されている)から、磁気デバイス100が第1の磁気回路を確立する第1の構成(
図5Bで示されている)に磁気デバイス100を切り換えることにより、以下で説明されるように、ポールシュー102’、102’’を介して強磁性体を磁気デバイス100に結合し得る。
【0060】
磁気デバイス100は、中央ハウジング104を備える。中央ハウジング104は、締結具(示されていない)によって接合され得る2つの強磁性(例えば、鋼)ハウジング構成要素106、108を含む。ハウジング構成要素106、108は、さらにまたは代替的に、他の方法および材料(例えば、エポキシ、位置決め装備(突起、くぼみ、面取り、成形されたキー溝および/または同様のもの)など)を使用して接合され得る。ハウジング構成要素106は、本明細書で上方ハウジング構成要素106と呼ばれ得、ハウジング構成要素108は、本明細書で下方ハウジング構成要素108と呼ばれ得る。さらに、ポールシュー102’、102’’は、締結具(示されていない)でハウジング104に結合され得る。
【0061】
実施形態では、ハウジング構成要素106、108は、低リラクタンスの強磁性材料の直方体ブロックであり得る。円筒形空洞110は、上方ハウジング構成要素106を通って延在し得、円筒形空洞112は、下方ハウジング構成要素108を通って延在し得る。円筒形空洞110、112は、それぞれのハウジング構成要素106、108の上面114、116に垂直であり得る。円筒形空洞110は、本明細書で上方円筒形空洞110と呼ばれ得、円筒形空洞112は、本明細書で下方円筒形空洞112と呼ばれ得る。実施形態では、円筒形空洞110、112はそれぞれ、磁石118、120を受容し得る。磁石118は、本明細書で上方磁石118と呼ばれ得、磁石120は、本明細書で下方磁石120と呼ばれ得る。
【0062】
上方ハウジング構成要素106は、2つの側壁124’、124’’を有し、下方ハウジング構成要素108は、2つの側壁126’、126’’を有する。実施形態では、上方ハウジング構成要素106の側壁124’、124’’および下方ハウジング構成要素108の側壁126’、126’’は、磁気デバイス100が第1の構成(
図5Aで示されている)にあるときにハウジング構成要素106、108内に磁石118、120によって生成される磁場を含む厚さを有し得る。
【0063】
実施形態では、上方磁石118は、N-S軸128を有し、下方磁石120は、N-S軸130を有する。磁石118、120は、NdFeB磁石であり得、磁石118、120のアクティブな磁気量および磁気特性は、等しくならびに/または達成可能な製造公差および永久磁石磁化技術内で等しくあり得る。
【0064】
実施形態では、下方磁石120は、N-S軸130が側壁126’から側壁126’’に延在する様式で、下方円筒形空洞112で受容され回転に対して固定されている。その結果、側壁126’、126’’は、その隣のアクティブな磁気極に従い磁化される。すなわち、側壁126’は、N-極として磁化され、一方、側壁126’’はS-極になる。対照的に、上方磁石118は、ポールシュー102’、102’’がなく、軸122の周りで自由に回転するため、側壁124’、124’’の極性は、上方磁石118の相対回転位置および配向によって判定される。
【0065】
上述のように、上方磁石118は、
図3で示されている配向から回転されるように構成されている。実施形態では、上方磁石118は、そのN-極が下方磁石120のN-極と一致し、逆にS-極が互いに重なる回転位置(
図5Bを参照)まで180~185度回転可能であり得る。N-S軸128、130が平行に配向されるときに、隣接するポールシュー102’と同様に、両方の側壁124’、126’が同じN磁気極性で磁化される。さらに、側壁124’’、126’’は、隣接するポールシュー102’’と同様に、同じS磁気極性で磁化される。上方磁石118のこの再配向により、ポールシュー102’、102’’の下方の軸方向のワークピース接触インターフェース132’、132’’に「アクティブな」動作エアギャップが生成され、それによって、形成される低リラクタンスの閉じた磁気回路の生成を可能にする。具体的には、低リラクタンスの閉じた磁気回路は、側壁124’、124’’、126’、126’’、ポールシュー102’、102’’、およびポールシュー102’、102’’のワークピース接触インターフェース132’、132’’の両方に接触する可能性がある強磁性体を通って、磁石118、120で始まって終わる。この状態は、本明細書で磁気デバイス100がオン状態(
図5Bを参照)にあると呼ばれ得る。逆に、N-S軸128、130が反対に平行に配向されている状態では、閉じた磁気回路は、磁気デバイス100内に形成されており、磁気デバイス100がオフ状態(
図5Aを参照)にあると呼ばれ得る。
【0066】
上方円筒形空洞110は、滑らかな壁表面と、上方磁石118がその中に受容されることを可能にする直径と、を有し得るため、それは、N-S軸128の周りで最小の摩擦で回転することができ、好ましくは最小のエアギャップを維持することができる。実施形態では、摩擦低減コーティングが、上方円筒形空洞110に施され得る。下方円筒形空洞112は、下方磁石120が下方円筒形空洞112内に取り付けられているときに、それが、その回転配向を維持し、磁気デバイス100の動作条件下で軸方向および回転変位を防ぐように、下方磁石120とのインターフェース嵌合を提供する、粗い壁表面および直径を有し得る。さらにまたは代替的に、接着またはさらなる協働する形状嵌合構成要素(示されていない)などの他の機構が、下方円筒形空洞112内に下方磁石120を固定するように使用され得る。
【0067】
強磁性材料で構成されている円形ディスク134は、下方円筒形空洞112の底に配置され得る。円形ディスク134は、下方磁石120を支持し得る。実施形態では、円形ディスク134は、下方円筒形空洞112の下方端を閉じて、磁気デバイス100の動作面136での汚染に対して下方円筒形空洞112および下方磁石120をシールするように、圧入または他の方法で固定され得る。円形ディスク134の強磁性の性質は、側壁126’、126’’の間にさらなる磁化可能な材料を提供することによって磁気回路を完成させるのを助け、その結果、下方磁石120の場は、オンまたはオフ状態のいずれかで磁気回路を形成するために、下方ハウジング構成要素108およびポールシュー102’、102’’で提供された磁気材料と専ら結合する。これはまた、磁気デバイス100が、オンにされるときに、より大きな保持力で動作することを可能にし、オフにされるときに、いかなる保持力も無効にすることを可能にする。
【0068】
実施形態では、支持体構造138は、磁石118、120の間に位置し得る。支持体構造138は、上方円筒形空洞110内で上方磁石118を支持し得る。さらにまたは代替的に、支持体構造138は、上方磁石118の下方円形面と、下方磁石120の上方円形面との間の設定された軸方向距離を維持することを容易にし得る。実施形態では、支持体構造138は、磁化不可能な金属材料の円形底板140と、回転ベアリング142と、円形非磁気上方板144と、を含み得る。実施形態では、底板140は、下方磁石120の上方面上に載り、下方円筒形空洞112の上方開放端を閉じる。実施形態では、底板140は、下方円筒形空洞112の開放端内に中間ばめされ得る。回転ベアリング142は、底板140の上方表面での適切にサイズ決めされた円筒形のくぼみ(またはシート)に設置され得る。上方板144の直径は、それが上方円筒形空洞110の下方末端の軸方向端内で回転することができるようなものである。すなわち、上方板144は、上方板144上にその下方の軸方向端面で着座する上方磁石118の直径と同様の直径を有し得る。実施形態では、上方板144の上方面は、スリップ促進PTFEコーティングでコーティングされ得、上方板144の下方面は、ボスまたは軸柱(示されていない)を含み得る。実施形態では、軸柱は、回転ベアリング142の内輪ベアリング部内に着座し得る。さらにまたは代替的に、磁化不可能な(例えば、アルミニウム)円形キャップ(示されていない)が、上方円筒形空洞110を覆うように上方ハウジング構成要素106に取り付けられ得る。
【0069】
実施形態では、支持体構造138は、上方磁石118がシャフト146に対して固定されているが、シャフト146の下方端の近くで、環状溝(示されていない)で固定されている保持具クリップリング(示されていない)によって、その自由な回転を可能にする、異なるタイプの配置によって置き換えられ得る。
【0070】
実施形態では、シャフト146は、上方磁石118での穴148を通って入り込み、その結果、上方磁石118は、シャフト146の周りで同軸に回転し得る。実施形態では、シャフト146は、キャップ構成要素150の中央ハブ部分152から垂直に突出し、その結果、キャップ構成要素150の設置によるシャフト146の位置付けは、上方磁石118と協働して、上方ハウジング構成要素106の円筒形空洞内でのその同心回転を確実にする。図示された実施形態では、シャフト146は、キャップ構成要素150に溶接または他の方法で固定された円筒形ピンである。
【0071】
実施形態では、キャップ構成要素150は、磁化不可能であり得、アーチ形の窓156を備える長方形の板154を備え得る。実施形態では、長方形の板154は、機械加工されて、ハウジング構成要素106、108、すなわち長方形のフットプリントと同様のフットプリントを有し得る。先端の窓156の末端の反対の端は、磁気デバイス100が構成の間で切り換わるときに上方磁石118の回転の間にブロック部材158がアーチ形の窓156内を移動し得るように、上方磁石118に固定された回転阻止ブロック部材158に「ハードストップ」を提供する。実施形態では、アーチ形の窓156は、アーチ形の窓156の端によって提供されたハードストップの間で上方磁石118の中間回転状態を保持するように動作するラッチ機構160を含み得る。したがって、上方磁石118は、下方磁石120に対して中間回転位置で固定され得る。さらにまたは代替的に、ラッチ機構160は、上方ハウジング構成要素106または磁気デバイス100の別の部分に含まれ得る。
【0072】
一実施形態では、シャフト146は、下方磁石120に対して様々な位置に上方磁石118を移動させるアクチュエータ32に結合されている。図示された実施形態では、1つ以上のソレノイドコイル本体162は、上方ハウジング106を取り囲んでおり、ソレノイドコイル本体162を通過する1つ以上の電流を通して、下方磁石120に対して上方磁石118を配向する。ソレノイドコイル本体162は、巻き付けられた(または他の方法で置かれた)エナメルコーティングされたワイヤー巻線で構成され得る。実施形態では、エナメルコーティングされたワイヤーは、1つ以上の導電性材料(例えば、銅、銀、金および/または同様のもの)で構成され得る。
【0073】
キャップ構成要素150は、以下で記載されるように、上方磁石118を回転させるためにソレノイドコイル本体162に電流を供給するように要求される、関連する様々な電子制御および電力構成要素を支持/格納するようにさらに構成され得る。代替的に、キャップ構成要素150は、ソレノイドコイル本体162に電流を供給する電源(示されていない)に接続するための接触リードを含み得る。実施形態では、キャップ構成要素150は、ボルトまたは他のタイプの締結具を使用して上方ハウジング構成要素106に固定され得る。
【0074】
実施形態では、電源(示されていない)が、好適な制御回路を介してソレノイドコイル本体162に接続されて、ソレノイドコイル本体162に電流を供給し得る。ソレノイドコイル本体162に供給される電流に応答して、ソレノイドコイル本体162は、磁場を生成する。実施形態では、ソレノイドコイル本体162によって生成される磁場は、上方磁石118上でトルクを生成する様式で配向される。トルクは、第1の構成(
図5Aで示されている)から第2の構成(
図5Bで示されている)に上方磁石118のN-S軸128を回転させる。さらにまたは代替的に、上方磁石118は、ラッチ機構160によって様々な中間構成で停止し得る。
【0075】
実施形態では、磁石118、120は、異なる磁化および保磁力特性を有し得る。例えば、下方磁石120は、外部の磁化の影響によって容易に消磁することができない高保磁力永久磁石で構成され得、上方磁石118は、中または低保磁力磁気要素で構成され得る。したがって、ソレノイドコイル本体162によって生成される磁場は、下方磁石120よりも大きな度合いで上方磁石118に影響を及ぼし得る。
【0076】
実施形態では、ソレノイドコイル本体162は、複数のソレノイドコイル本体を備え得る。例えば、ソレノイドコイル本体162は、互いに電気的に分離され、上方ハウジング構成要素106の1つの角から、上方ハウジング構成要素106の上面を斜めに横切って、上方ハウジング構成要素106の対向する角まで、上方ハウジング構成要素106の下で延在して巻線を完成させる、2つのソレノイドコイル本体を備え得る。それぞれのコイルは、上方ハウジング構成要素106およびキャップ構成要素150を横切って対向する対角線上で巻き付けられ得、一方のコイルは、他方の上で巻き付けられ、その結果、それらは、上方ハウジング構成要素106の上部の平面図で見たときに巻線の「X」を形成している。磁気デバイス100は、ソレノイドコイル本体162によって電気的に作動されるものとして本明細書で記載されているが、実施形態では、磁気デバイス100は、モーター、空気圧アクチュエータ、液圧アクチュエータ、または手動アクチュエータなどの機械的接続を通して電気アクチュエータで作動され得る。
【0077】
図示されているように、ねじボア164が、側壁124’、124’’、126’、126’’内に切られ得る。ねじボア164は、締結ねじまたはボルト(示されていない)を介してポールシュー102’、102’’をハウジング構成要素106、108に固定することを容易にし得る。すなわち、締結ねじまたはボルトは、間隔がねじボア164の間隔と等しい、ポールシュー102’、102’’の皿穴貫通ボア166を通して挿入され得る。したがって、両方のハウジング構成要素106、108は、磁石118、120、側壁124’、124’’、126’、126’’、およびポールシュー102’、102’’の間に実質的にギャップのない、低リラクタンスの磁気回路経路を提供する方法で、ポールシュー102’、102’’に接続され得る。
【0078】
ポールシュー102’、102’’は、磁気デバイス100に強磁性ワークピース接触インターフェースを提供する。実施形態では、ポールシュー102’、102’’は、低磁気リラクタンスの強磁性材料で構成され得る。ポールシュー102’、102’’は、平行六面体、板状の形状を有するものとして示されているが、ポールシュー102’、102’’は、磁気デバイス100が取り付けられるワークピースの形状に基づき得る他の形状を有し得る。一実施例は、パイプなどのワークピースの円筒形形状と一致する
図9A~
図9Bで示されている円筒形形状である。別の実施例は、ワークピースの縁または角と一致する
図10A~
図10Bで示されているv形状である。
【0079】
図示されているように、ポールシュー102’、102’’は、ハウジング構成要素106、108に近接して位置付けられた部分168’、168’’を含む。上述のように、これらの部分168’、168’’は、1つ以上の締結デバイス(例えば、ねじなど)を介してハウジング構成要素106、108に固定されている。さらに、ポールシュー102’、102’’は、本明細書で突起とも呼ばれる複数の突出部170’、170’’を備える。複数の突出部170’、170’’はそれぞれ、ポールシュー102’、102’’のワークピース接触インターフェースを集合的に形成している。実施形態では、複数の突起170’、170’’を含むポールシュー102’、102’’は、本明細書で提供される実施例で説明されるように、平坦なワークピース接触インターフェースを有するポールシューよりも浅い磁場を生成する。
【0080】
図6は、磁気デバイス100のポールシュー132’またはポールシュー132’’のいずれかとして機能し得る例示的なポールシュー200の一部分の側面図である。ポールシュー200は、磁気デバイス(例えば、磁気デバイス100)のハウジング(例えば、ハウジング104)に近接して位置付けられ得る第1の部分202を備える。ポールシュー200はまた、ポールシュー200を通って延在するボア204を含んで、締結機構(例えば、締結ねじなど)を介してポールシュー200を磁気デバイスのハウジングに解放可能に固定し得る。さらに、ポールシュー200は、ポールシュー200の底部分208上に配置された複数の突起206を含む。突起206の各々は、凹部210によって分離されている。さらに、複数の突起206は、ポールシュー200のワークピース接触インターフェース212を集合的に形成している。
【0081】
上述のように、ポールシュー200に含まれた複数の突起206により、ポールシュー200を含む磁気デバイスは、同じ高さの連続的な下方輪郭を有するポールシューを含む磁気デバイスよりも、ワークピース接触インターフェース212の近くにより強い磁場を生成する。ワークピース接触インターフェース212の近くで生成される磁場は、本明細書で浅い磁場と呼ばれ得る。さらに、ポールシュー200上に複数の突起206を含むことによって、ポールシュー200を含む磁気デバイスは、同じ高さの連続的な下方輪郭を備えるポールシューを含む磁気デバイスよりも、深さがポールシュー200からより遠くでより弱い磁場を生成する。ポールシュー200からより遠くで生成される磁場は、本明細書で、ポールシュー200によって生成される遠方または深い磁場と呼ばれ得る。別の方法で言うと、突起206を有するポールシュー200を含む磁気デバイスは、突起206を含まない同じ高さの連続的なインターフェースを備えるポールシューを含む磁気デバイスよりも、ワークピース接触インターフェース212の近くにより強い保持力を有する。
【0082】
実施形態では、ポールシュー200の浅い磁場および遠方磁場は、ポールシュー200のタイプに依存し得る。具体的には、浅い磁場は、ワークピース接触インターフェース212から、突起206の幅214にほぼ等しいワークピース接触インターフェース212からの距離まで生成される磁場であり得る。例えば、突起206の幅214が2mmである場合、浅い磁場は、ワークピース接触インターフェース212からワークピース接触インターフェース212から2mmの深さまで生成される磁場である。さらに、この実施例で生成される遠方磁場は、ワークピース接触インターフェース212から2mmを超える深さで生成される磁場である。
【0083】
ポールシュー200の突起206のために、磁気デバイス100がより強い浅い磁場およびより弱い遠方磁場を生成する結果として、磁気デバイス100は、突起206のないポールシューを有する磁気デバイス100よりも、薄い強磁性体をより十分にディスタックするように使用され得る。すなわち、突起206を有さないポールシューを含む磁気デバイス100は、複数の薄い強磁性体が磁気デバイスに結合されることになる、より強い遠方磁場を生成し得る。薄い強磁性体のスタックアレイから1つの薄い強磁性体を得ようとするときに、これは望ましくない結果である。したがって、強磁性体をディスタックするように、突起206のないポールシューを含む磁気デバイスを使用する代わりに、突起206を含むポールシュー200が使用され得る。
【0084】
実施形態では、突起206の幅214を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気デバイスによって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成するために、突起206の幅214は、ディスタックされる強磁性体の厚さの約+/-25%以内の幅を有し得る。例えば、磁気デバイスが2mmの厚さの強磁性シートをディスタックするときに、突起206の幅214は、約2mm(例えば、2mm+/-25%)であり得る。実施形態では、これは、接触インターフェース212から0mm~2mmの深さの強い浅い磁場を生成する。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性体のために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である幅214を有する突起206によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性体のために好ましい磁場を生成するために、突起206の幅214は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性体の厚さがXmm以上である場合、幅214は、強磁性体の厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0085】
少なくとも1つの実施形態では、ポールシュー200を含む磁気デバイスが、異なる厚さを有する強磁性体に結合しているときに、強磁性体の厚さの平均である幅214を有するポールシュー200が、ポールシューを変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性体の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅214が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0086】
実施形態では、凹部210の深さ216および/または幅218を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気デバイス100によって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性体のために適切な浅い磁場を生成するために、凹部210の深さ216および/または幅218は、突起206の幅214とほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。例えば、突起206の幅214が2mmである場合、凹部210の深さ216および/または幅218は、約2mm(例えば、2mm+/-25%)であり得る。実施形態では、これは、接触インターフェース212から0mm~2mmの深さの強い浅い磁場を生成する。しかしながら、上記と同様に、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性体のために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である深さ216および幅218によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性体のために好ましい磁場を生成するために、深さ216および幅218は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性体の厚さがXmm以上である場合、深さ216および幅218は、強磁性体の厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。
【0087】
上記と同様に、ポールシュー200を含む磁気デバイス100が、異なる厚さを有する強磁性体を結合しているときに、強磁性体の厚さの平均である、凹部210の深さ216および/または幅218を有するポールシュー200が、ポールシューを変更する必要性を低減するように使用され得る。さらに、強磁性体の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、深さ216および幅218が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0088】
上記のように、ポールシュー200は、磁気デバイスのハウジングに解放可能に結合され得る。したがって、ポールシュー200の突起206が、磁気デバイス100が結合している強磁性体のために適切な幅214、深さ216、および/または幅218を有さないときに、ポールシュー200は、より適切なポールシュー200によって置き換えられ得る。
【0089】
図7Aは、磁気デバイス100のポールシュー132’またはポールシュー132’’のいずれかとして機能し得る別の例示的なポールシュー300の一部分の側面図であり、
図7Bは、
図7Aで示されている例示的なポールシューの一部分の詳細図を示す。
図6で示されているポールシュー200と同様に、ポールシュー300は、磁気デバイス(例えば、磁気デバイス100)のハウジング(例えば、ハウジング104)に近接して位置付けられ得る第1の部分302を備える。ポールシュー300はまた、ポールシュー300を通って延在するボア304を含んで、締結機構(例えば、締結ねじなど)を介してポールシュー300を磁気デバイス100のハウジング104に解放可能に固定し得る。さらに、ポールシュー300は、ポールシュー300の底部分308上に配置された複数の突起306を含む。突起306の各々は、凹部分310によって分離されている。複数の突起306は、ポールシュー300のワークピース接触インターフェース312を集合的に形成している。
【0090】
上記と同様に、突起306の幅314ならびに/または凹部310の深さ316および/もしくは幅318を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気デバイス100によって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性体のために適切な浅い磁場を生成するために、突起の幅314ならびに/または凹部310の深さ316および/もしくは幅318は、磁気デバイス100に結合される強磁性体の厚さとほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性体のために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である、幅314、深さ316、および/または幅318によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性体のために好ましい磁場を生成するために、幅314、深さ316、および/または幅318は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性体の厚さがXmm以上である場合、幅314、深さ316、および/または幅318は、強磁性体の厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0091】
代替的に、ポールシュー300を含む磁気デバイスが、異なる厚さを有する強磁性体に結合しているときに、強磁性体の厚さの約平均である、幅314、深さ316、および/または幅318を有するポールシュー300が、ポールシューを変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性体の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅314、深さ316、および/または幅318が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0092】
実施形態では、ポールシュー300の上方部分319は、連続的な傾斜輪郭を有する(傾斜がすべての点で規定されており、鋭い角がない)。例示的には、ポールシュー300の上方角319は、丸みのある肩部分320を有し得る。丸みのある肩320を有するポールシュー300を含む磁気デバイス100は、鋭い角を備えるポールシューを有する磁気デバイスよりも、強磁性体へのより高い磁束移動を有することが示されている。したがって、少なくとも1つの実施形態では、ポールシュー300の上方角319は、丸みのある肩部分320を含む。一実施例では、丸みのある肩部分320の曲率半径322は好ましくは、ポールシュー300の高さ323の1%~75%の範囲であり得る。別の実施例では、曲率半径322は好ましくは、ポールシュー300の高さ323の25%~75%の範囲であり得る。さらなる実施例では、曲率半径322は好ましくは、ポールシュー300の高さ323の40%~60%の範囲であり得る。
【0093】
図7Bを参照すると、さらにまたは代替的に、突起306の間の凹部310は、それらの上方端で連続的な傾斜輪郭(傾斜がすべての点で規定されており、鋭い角がない)を有し得る。丸みのある肩320を有するのと同様に、湾曲した凹部310を有するポールシュー300を含む磁気デバイスは、鋭い角を備える凹部を含むポールシューを含む磁気デバイスよりも、強磁性体へのより高い磁束移動を有し得る。実施形態では、高い磁束移動を提供するために、湾曲した凹部310の曲率半径324は、凹部310の幅318の約1/2であり得る。テストデータは、凹部324の幅318の1/2である、凹部310の傾斜輪郭を含むことによって、3%を超える改善が得られ得ることを示している。
【0094】
図8は、磁気デバイス100のポールシュー132’またはポールシュー132’’のいずれかとして機能し得る別の例示的なポールシュー400の一部分の側面図である。
図6および
図7A~
図7Bでそれぞれ示されているポールシュー200、300と同様に、ポールシュー400は、磁気デバイス(例えば、磁気デバイス100)のハウジング(例えば、ハウジング104)に近接して位置付けられ得る第1の部分402を備える。ポールシュー400はまた、ポールシュー400を通って延在するボア404を含んで、締結機構(例えば、締結ねじなど)を介してポールシュー400を磁気デバイスのハウジングに解放可能に固定し得る。さらに、ポールシュー400は、ポールシュー400の底部分408上に配置された複数の突起406を含む。突起406の各々は、凹部410によって分離されている。複数の突起406は、ポールシュー400のワークピース接触インターフェース412を集合的に形成している。
【0095】
上記と同様に、突起406の幅414ならびに/または凹部410の深さ416および/もしくは幅418を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気デバイス100によって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性体のために適切な浅い磁場を生成するために、突起406の幅414ならびに/または凹部410の深さ416および/もしくは幅418は、強磁性体の厚さとほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性体のために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である、幅414、深さ416、および/または幅418によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性体のために好ましい磁場を生成するために、幅414、深さ416、および/または幅418は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性体の厚さがXmm以上である場合、幅414、深さ416、および/または幅418は、強磁性体の厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0096】
代替的に、ポールシュー400を含む磁気デバイスが、異なる厚さを有する強磁性体に結合しているときに、強磁性体の厚さの平均である、幅414、深さ416、および/または幅418を有するポールシュー400が、ポールシューを変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性体の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅414、深さ416、および/または幅418が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0097】
実施形態では、ポールシュー400はまた、凹部410で突起406の間に配置された圧縮性部材420を含み得る。実施形態では、ポールシュー400を含む磁気デバイス100が強磁性体に結合しているときに、圧縮性部材420が縮む。圧縮性部材420の圧縮により、突起406と強磁性体との間の静止摩擦よりも潜在的に大きい、圧縮性部材420と強磁性体との間の静止摩擦が生成される。したがって、ポールシュー400を含む磁気デバイス100に結合された強磁性体は、強磁性体が圧縮性部材420を含まないポールシューに結合された場合よりも、回転および並進しにくくなり得る。実施形態では、圧縮性部材420は、イソプレン、ポリウレタン、ニトリルゴムおよび/または同様のもののポリマーなどの弾性材料で構成され得る。
【0098】
図9A~
図9Bは、磁気デバイス100のポールシュー132’またはポールシュー132’’のいずれかとして使用され得る別の例示的な極板500を示す。
図6、
図7A~
図7B、および
図8で示されている極板200、300、400と同様に、極板500は、極板500の底部分504上に配置された複数の突起502を含む。突起502の各々は、凹部506によって分離されている。複数の突起502は、極板500のワークピース接触インターフェース508を集合的に形成している。
【0099】
図示されているように、ワークピース接触インターフェース508は、非平面である。実施形態では、非平面のワークピース接触インターフェース508は、磁気結合デバイス100を非平面の表面を有する強磁性ワークピースに結合することを容易にし得る。例えば、極板500を含む磁気結合デバイス100は、磁気結合デバイス100を1つ以上のタイプのロッド、シャフト等(例えば、カムシャフト)に結合するために使用され得る。ワークピース接触インターフェース508は、湾曲した表面510を含むが、ワークピース接触インターフェース508は、任意の他のタイプの非平面の表面を有し得る。例えば、ワークピース接触インターフェース508は、ワークピース接触インターフェース508を含む磁気結合デバイスが結合することを意図される強磁性ピースと同様の外形を含み得る。
【0100】
非平面のワークピース接触インターフェース508を有するにもかかわらず、突起502の幅512ならびに/または凹部506の深さ514および/もしくは幅516を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気結合デバイスによって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性ワークピースのために適切な浅い磁場を生成するために、突起552の幅512ならびに/または凹部506の深さ514および/もしくは幅516は、強磁性ワークピースの厚さとほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性ワークピースのために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性ワークピースのために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である、幅512、深さ514、および/または幅516によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性ワークピース102のために好ましい磁場を生成するために、幅512、深さ514、および/または幅516は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性ワークピースの厚さがXmm以上である場合、幅512、深さ514、および/または幅516は、強磁性ワークピースの厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0101】
代替的に、極板500を含む磁気結合デバイスが、異なる厚さを有する強磁性ワークピースに結合しているときに、強磁性ワークピースの厚さの平均である、幅512、深さ514、および/または幅516を有する極板500が、極板を変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性ワークピース102の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅512、深さ514、および/または幅516が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0102】
図10A~
図10Bは、磁気デバイス100のポールシュー132’またはポールシュー132’’のいずれかとして使用され得る別の例示的な極板550を示す。
図6、
図7A~
図7B、
図8、および
図9A~
図9Bで示されている極板200、300、400、500と同様に、極板550は、極板550の底部分554上に配置された複数の突起552を含む。突起552の各々は、凹部分556によって分離されている。複数の突起552は、極板550のワークピース接触インターフェース558を集合的に形成している。
【0103】
図示されているように、ワークピース接触インターフェース558は、非平面である。実施形態では、非平面のワークピース接触インターフェース558は、磁気結合デバイス100を非平面の表面を有する強磁性ワークピースに結合することを容易にし得る。例えば、極板550を含む磁気結合デバイスは、磁気結合デバイス100を強磁性ワークピースの1つ以上の縁、角等に結合するために使用され得る。ワークピース接触インターフェース558は、中心点562から延在する2つの下向きに傾斜している表面560を含むが、ワークピース接触インターフェース558は、任意の他のタイプの非平面の表面を有し得る。例えば、ワークピース接触インターフェース558は、ワークピース接触インターフェース558を含む磁気結合デバイスが結合することを意図される強磁性ピースと同様の外形を含み得る。
【0104】
非平面のワークピース接触インターフェース558を有するにもかかわらず、突起552の幅564ならびに/または凹部556の深さ566および/もしくは幅568を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気結合デバイスによって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性ワークピースのために適切な浅い磁場を生成するために、突起552の幅564ならびに/または凹部556の深さ566および/もしくは幅568は、強磁性ワークピースの厚さとほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性ワークピースのために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性ワークピースのために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である、幅564、深さ566、および/または幅568によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性ワークピースのために好ましい磁場を生成するために、幅564、深さ566、および/または幅568は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性ワークピースの厚さがXmm以上である場合、幅564、深さ566、および/または幅568は、強磁性ワークピースの厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0105】
代替的に、極板550を含む磁気結合デバイスが、異なる厚さを有する強磁性ワークピース102に結合しているときに、強磁性ワークピースの厚さの平均である、幅564、深さ566、および/または幅568を有する極板550が、極板を変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性ワークピースの平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅564、深さ566、および/または幅568が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0106】
図11Aは、例示的な切り換え可能な磁気デバイス600の正面図であり、
図11Bは、切り換え可能な磁気デバイス600の側面図である。磁気デバイス600は、ポールシュー602’、602’’と、ハウジング604と、を含む。実施形態では、磁気デバイス600は、磁気デバイス100と同じ特徴および/または機能性のいくつかまたはすべてを有し得、ポールシュー602’、602’’は、ポールシュー102’、102’’と同じ特徴および/または機能性のいくつかまたはすべてを有し得る。さらにまたは代替的に、ポールシュー602’、602’’はそれぞれ、
図6、
図7、および
図8で示されているポールシュー200、300、400と同じ、いくつかまたはすべての特徴を有し得る。例えば、ポールシュー602’、602’’は、ハウジング604に近接して位置付けられ得る第1の部分606を備える。ポールシュー602’、602’’はまた、ポールシュー602’、602’’を通って延在するボア608を含んで、締結機構(例えば、締結ねじなど)を介してポールシュー602’、602’’をハウジング604に解放可能に固定し得る。さらに、ポールシュー602’、602’’は、ポールシュー602’、602’’の底部分612上に配置された複数の突起610を含む。突起610の各々は、凹部分614によって分離されている。ポールシュー602’に含まれた複数の突起610は、ポールシュー602’のワークピース接触インターフェース616’を集合的に形成しており、ポールシュー602’’に含まれた複数の突起は、ポールショー602’’のワークピース接触インターフェース616’’を集合的に形成している。
【0107】
さらに、突起622の幅618ならびに/または凹部614の深さ620および/もしくは幅622を変化させることにより、異なる浅い磁場が同じ磁気デバイス600によって生成されることになる。実施形態では、特定の強磁性体のために適切な浅い磁場を生成するために、突起622の幅618ならびに/または凹部614の深さ620および/もしくは幅622は、強磁性体の厚さとほぼ同じ(例えば、+/-25%)であり得る。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、限界未満の厚さを有するいくつかの強磁性体のために好ましい浅い磁場を生成することについての限度が存在し得る。すなわち、Xmm未満の厚さを有する強磁性体のために、好ましい浅い磁場は、Xmmの下限であるが下限以上である、幅618、深さ620、および/または幅622によって生成され得る。すなわち、1/2*Xmmの厚さを有する強磁性体のために好ましい磁場を生成するために、幅618、深さ620、および/または幅622は、1/2*Xmmの+/-25%の代わりに、Xmmの下限であり得る。しかしながら、強磁性体の厚さがXmm以上である場合、幅618、深さ620、および/または幅622は、強磁性体の厚さにほぼ等しく(例えば、+/-25%)あり得る。下限の実施例は、0mm~2mmの範囲であり得る。しかしながら、これは単なる実施例であり、限定することを意味するものではない。
【0108】
代替的に、磁気デバイス600が、異なる厚さを有する強磁性体に結合するように使用されるときに、強磁性体の厚さの平均である、突起622の幅618ならびに/または凹部614の深さ620および/もしくは幅622が、ポールシューを変更する必要性を低減するように使用され得る。しかしながら、上記と同様に、強磁性体の平均厚さが下限未満(すなわち、<2.0mm)である場合、幅618、深さ620、および/または幅622が下限(すなわち、2.0mm)であるように構成され得るように、下限(例えば、2.0mm)が適用され得る。
【0109】
示されているポールシュー602’、602’’は、丸みのある肩(例えば、丸みのある肩320)および/または湾曲した凹部分(例えば、湾曲した凹部分310)を含まないが、代替の実施形態では、ポールシュー602’、602’’は、それらの特徴のうちの1つまたは両方を含み得る。さらにまたは代替的に、示されているポールシュー602’、602’’は、圧縮性部材(例えば、圧縮性部材420)を含まないが、代替の実施形態では、ポールシュー602’、602’’は、それらの特徴のうちの1つまたは両方を含み得る。
【0110】
図示されているように、ポールシュー602’、602’’は、それぞれの厚さ624’、624’’を有する。実施形態では、異なる厚さ624’、624’’は、磁気デバイス600によって、異なる浅い磁場および遠方磁場を生成し得る。すなわち、突起610の幅618と同様に、磁気デバイス600が結合する強磁性体の厚さとほぼ同じである厚さ624’、624’’は、強磁性体をディスタックするために適切な浅い磁場を生成する。例えば、磁気デバイス600が、2mmの厚さの強磁性シートをディスタックするときに、厚さ624’、624’’は、約2mm(例えば、2mm+/-25%)であり得る。実施形態では、これは、0mm~2mmの強い浅い磁場を生成する。実施形態では、ポールシュー602’、602’’は、304ステンレス鋼で構成され得るか、および/またはポールシュー602’、602’’の少なくとも一部分を取り囲むアルミニウムを含んで、構造的一体性をポールシュー602’、602’’に追加し得る。実施形態では、これは具体的には、ポールシュー602’、602’’が薄い厚さ624’、624’’(例えば、5mm以下)を有するときに有利であり得る。
【0111】
さらにまたは代替的に、ハウジング604は、ワークピース接触インターフェース616’、616’’からのオフセット626を含み得る。実施形態では、オフセット626は、磁気デバイス600によって生成される磁場に依存し得る。すなわち、実施形態では、オフセット626は、磁気デバイス600によって生成される浅い磁場深さのパーセンテージであり得る。さらにまたは代替的に、オフセット626は、ワークピースの厚さのパーセンテージであり得る。例えば、磁気デバイス600が、Xmmの深さを有するワークピース内に浅い磁場を生成するように構成されており、および/またはXmmの厚さであるワークピースに結合する場合、オフセット626は、Xのパーセンテージ(100%より大きいかまたは小さい)であり得る。一実施例では、オフセット626は好ましくは、浅い磁場の深さの100%~700%の範囲であり得る。別の実施例では、オフセット626は好ましくは、浅い磁場の深さの200%~600%の範囲であり得る。さらなる実施例では、オフセット626は好ましくは、浅い磁場の深さの300%~500%の範囲であり得る。さらに別の実施例では、オフセット626は好ましくは、浅い磁場の深さの350%~400%の範囲であり得る。
【0112】
さらにまたは代替的に、ポールシュー602’、602’’はそれぞれ、ハウジング604の正面634および背面636を越えて距離630、632で方向628に沿って延在し得る。別の方法で言うと、ポールシュー602’、602’’の幅637は、ハウジング604の奥行638よりも長くあり得る。正面および背面634、636を越えて延在することによる、ワークピース接触インターフェース616’、616’’と強磁性体との間の接触面積。ワークピース接触インターフェース616’、616’’の増加した接触面積は、磁気デバイス600の保持力および/または剪断力を増加させ得る。一実施例では、距離630、距離632、および/または幅637は、磁気デバイス600が結合している強磁性体に応じて変化し得る。すなわち、強磁性体のための好ましい保持力に応じて、距離630、距離632、および/または幅637が、好ましい保持力を達成するように変化させられ得る。別の実施例として、距離630、距離632、および/または幅637は、ハウジング604の奥行638のパーセンテージ(100%より大きいかまたは小さい)であり得る。一実施例では、距離630および/または距離632は好ましくは、ハウジング604の奥行638の25%~75%の範囲であり得る。別の実施例では、距離630および/または距離632は好ましくは、ハウジング604の奥行638の35%~65%の範囲であり得る。さらに別の実施例では、距離630および/または距離632は好ましくは、ハウジング604の奥行638の632の45%~55%の範囲であり得る。
【0113】
ポールシュー602’、602’’の厚さ640はまた、変化させられ得る。ポールシュー602’、602’’の幅637を増加させるのと同様に、ポールシュー602’、602’’の厚さ640を増加させることは、ワークピース接触インターフェース616’、616’’と強磁性体との間の接触面積を増加させる。ワークピース接触インターフェース616’、616’’の増加した接触面積は、磁気デバイス600の保持力および/または剪断力を増加させ得る。したがって、厚さ640は、磁気デバイス600の所望の保持力に応じて変化させられ得る。一実施例では、厚さ640は、磁気デバイス600が結合している強磁性体の厚さとほぼ一致し得る。別の実施例では、厚さ640は、幅637に関連して変化し得る。すなわち、磁気デバイス600が結合している強磁性体に応じて、接触インターフェース616’、616’’の表面積、したがって、磁気デバイス600の保持力を維持することが好ましくあり得る。したがって、幅637が増加するにつれて、厚さ640が減少し得、逆も同様である。したがって、保持力およびより広いポールシュー616’、616’’が強磁性体のために好ましい場合、厚さ640を減少させ、幅637を増加させることによって、好ましい保持力が維持され得る。
【0114】
上記で提供された実施形態では、ポールシュー16、132、200、300、400、500、550、および602の任意の特徴が、互いに関連して使用され得る。さらにまたは代替的に、ポールシュー16、132、200、300、400、500、550、および602の任意の突起および凹部が、磁気デバイス10、100、600のハウジングに結合される代わりに、ハウジング内に一体化され得る。
【0115】
さらに、上述したように、突起幅および凹部深さ/幅が下限を超え、ポールシューの突起幅および凹部深さ/幅が強磁性体の厚さとほぼ一致するときに、上記特性を有するポールシューは、突起幅および凹部深さ/幅とほぼ同じ厚さを有する強磁性体のために、最も強い保持力を生成する。
【0116】
図12は、ポールシューを備える例示的な切り換え可能な磁気デバイスの使用の方法700のフロー図である。方法700は、ブロック702によって示されているように、強磁性体を第1のポールシューと接触させることを含む。実施形態では、第1のポールシューは、磁気デバイスのハウジングに解放可能に取り付けられ得る。さらに、磁気デバイスは、2つの異なる磁気回路を確立することができ得る。第1の磁気回路は、オン状態にある磁気デバイスと呼ばれ得、第2の磁気回路は、オフ状態にある磁気デバイスと呼ばれ得る。
【0117】
実施形態では、第1のポールシュー、ハウジング、および磁気デバイスはそれぞれ、上記のポールシュー16、102、200、300、400、500、または602、ハウジング28、104、604、ならびに磁気デバイス10、100、および600と同じまたは同様の特徴を有し得る。例えば、強磁性体は、第1のポールシューのワークピース接触インターフェースによって接触され得、第1のポールシューのワークピース接触インターフェースは、複数の突起を含む。さらにまたは代替的に、磁気デバイスは、アクティブなN-S極ペアを有するハウジング内に取り付けられた第1の永久磁石と、アクティブなN-S極ペアを有する第2の永久磁石と、を備え得る。実施形態では、第2の永久磁石は、第1の永久磁石とスタック関係でハウジング内に回転可能に取り付けられ得、第2の永久磁石は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。さらにまたは代替的に、磁気デバイスは、磁気デバイスと強磁性体との間に磁気回路の異なる強度を生成する複数の磁気回路を確立し得る。
【0118】
実施形態では、方法700は、ブロック704によって示されているように、強磁性体を第2のポールシューと接触させることを含む。実施形態では、第2のポールシューは、第1のポールシューが取り付けられているのと同じハウジングに取り付けられている。実施形態では、強磁性体が第2のポールシューによって接触されるときに、磁気デバイスは第1の構成にあり得る。
【0119】
実施形態では、方法700は、ブロック706によって示されているように、磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させることを含む。実施形態では、磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させることは、第2の永久磁石を第1の位置から第2の位置に作動させる(例えば、回転させる)ことを含み得る。さらに、磁気デバイスがオン状態にあるときに、磁気回路は、ワークピースを通って形成されている。
【0120】
図13を参照すると、例示的なロボットシステム700が図示されている。ロボットシステム700が
図13で示されているが、それに関連して記載される実施形態は、他のタイプの機械(例えば、クレーンホイスト、ピックアンドプレース機械など)に適用され得る。
【0121】
ロボットシステム700は、電子コントローラ770を含む。電子コントローラ770は、プロセッサ772による実行のための関連するメモリ774に格納されたさらなるロジックを含む。ロボットアーム704の移動を制御するロボット移動モジュール702が含まれている。図示された実施形態では、ロボットアーム704は、鉛直軸の周りでベースに対して回転可能である第1のアームセグメント706を含む。第1のアームセグメント706は、第1のジョイント710を通して第2のアームセグメント708に移動可能に結合されており、第2のアームセグメント708は、第1の方向に第1のアームセグメント706に対して回転され得る。第2のアームセグメント708は、第2のジョイント712を通して第3のアームセグメント711に移動可能に結合されており、第3のアームセグメント711は、第2の方向に第2のアームセグメント708に対して回転され得る。第3のアームセグメント711は、第3のジョイント716を通して第4のアームセグメント714に移動可能に結合されており、第4のアームセグメント714は、第3の方向に第3のアームセグメント711に対して回転され得、回転ジョイント718によって、第3のアームセグメント711に対する第4のアームセグメント714の配向が変更され得る。磁気結合デバイス10は例示的に、ロボットアーム704の端に固定されて示されている。磁気結合デバイス10は、ワークピース27(示されていない)をロボットアーム704に結合するように使用される。磁気結合デバイス10が図示されているが、本明細書で記載される任意の磁気結合デバイス、および本明細書に記載される任意の数の磁気結合デバイスが、ロボットシステム700で使用され得る。
【0122】
一実施形態では、ロボット移動モジュール702を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、第1の姿勢までロボットアーム704を移動させ、磁気結合デバイス100は、第1の場所でワークピースに接触する。磁気結合状態モジュール776を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオン状態に置いてワークピースをロボットシステム700に結合するように、磁気デバイス10に命令する。ロボット移動モジュール702を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、ワークピースを第1の場所から第2の所望の離間した場所に移動させる。ワークピースが所望の第2の位置にあると、磁気結合状態モジュール776を実行するプロセッサ772による電子コントローラ770は、下方磁石14に対して上方磁石12を移動させて、磁気結合デバイス10をオフ状態に置いてワークピースをロボットシステム700から切り離すように、磁気デバイス10に命令する。次いで、電子コントローラ770は、別のワークピースを結合、移動、および切り離すプロセスを繰り返す。
【0123】
一実施形態では、開示された磁気デバイスは、磁気デバイスと、磁気デバイスに結合されるワークピースとの間に存在する磁気回路の特性を判定するための1つ以上のセンサーを含む。例示的なセンサーシステムのさらなる詳細は、「SMART SENSE EOAMT」と題する2017年4月27日出願の米国仮特許出願第62/490,705号で提供されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0124】
上述のように、永久磁石12、14または永久磁石130、132の代わりに、磁石の他の構成が使用され得る。
図14および
図15を参照すると、本開示の例示的な磁気結合デバイス800の側断面図が示されている。磁気結合デバイス800は、上方アセンブリ802と、下方アセンブリ804と、を含む。アセンブリ802および804の各々は、複数の離間した永久磁石806と、複数の極部分808と、を含む。複数の離間した永久磁石806の各々は、1つの永久磁石として例示的に示されているが、ハウジング内に位置付けられた、複数の永久磁石および/または少なくとも1つの永久磁石を備え得る。
【0125】
各永久磁石806は、N-極側(N)と、S-極側(S)と、を有する。上方アセンブリ802および下方アセンブリ804の永久磁石806および極部分808は各々、リニアアレイで配置されており、極部分808のうちの1つが2つの永久磁石806の間に位置付けられている。さらに、永久磁石806は、間で極部分808と接触する2つの永久磁石806の各々が、極部分808と接触する、それらのN極側(N)またはそれらのS極側(S)のいずれかを有するように配置されている。隣接する永久磁石806のN-極側(N)が極部分808と接触するときに、極部分808はN-極部と呼ばれる。隣接する永久磁石806のS-極側(S)が極部分808と接触するときに、極部分808はS-極部分と呼ばれる。
【0126】
実施形態では、下方アセンブリ804は、磁気結合デバイス10の永久磁石14または磁気結合デバイス100の永久磁石130に取って代わり、ハウジング28に対して固定して保持されており、上方アセンブリ802は、磁気結合デバイス10の永久磁石12または磁気結合デバイス100の永久磁石132に取って代わる。上方アセンブリ802は、方向810および812に下方アセンブリ804に対して並進可能であって、下方アセンブリ804の永久磁石806および極部分808に対して上方アセンブリ802の永久磁石806および極部分808の配列を変更する。下方アセンブリ804の永久磁石806は、磁石結合デバイス800の極部分814により、ワークピース27’から離間している。さらに、スペーサ(示されていない)が、上方アセンブリ802および下方アセンブリ804の永久磁石の間に提供されている。
【0127】
下方アセンブリ804のS-極部分808が上方アセンブリ802のS-極部分808と配列され、下方アセンブリ804のN-極部分808が上方アセンブリ802のN-極部分808と配列されるときに(
図14を参照)、磁気結合デバイス800はオン状態にある。オン状態では、ワークピース27’は、磁束線816によって図示されているように、上方アセンブリ802および下方アセンブリ804の配列されたN-極部分808からワークピース27’を通って上方アセンブリおよび下方アセンブリ804の配列されたS-極部分808に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス800によって保持されている。極部分814のサイズおよび形状により、第1の磁気回路が、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまり、ワークピースシート27の残りに対して方向818にワークピースシート27’を鉛直に持ち上げるのに十分な保持力になる。したがって、磁気結合デバイス800は、ワークピースシート27をディスタックするように機能し得る。いくつかの実施形態では、磁気結合デバイス800によってワークピースシート27に提供される磁束の一部分は、ワークピースシート27の下方シート27’’に入り得るが、下方シート27’’が磁気結合デバイス800によってワークピースシート27’と共に持ち上げられることになるレベルまで入らなくてもよい。したがって、本明細書で使用されるように、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまる第1の磁気回路は、下方シート27’’に入る、切り換え可能な磁気持ち上げデバイス800からの磁束の量が、あるとしても、下方シート27’’が磁気結合デバイス800によってワークピースシート27’と共に方向818に鉛直に持ち上げられることになるレベルよりも下であることを意味する。
【0128】
下方アセンブリ804のS-極部808が上方アセンブリ802のN-極部808と配列され、下方アセンブリ804のN-極部808が上方アセンブリ802のS-極部808と配列されるときに(
図15を参照)、磁気結合デバイス800はオフ状態にある。オフ状態では、ワークピース27’は、上方アセンブリ802の配列されたN-極部808から下方アセンブリ804のS-極部808に、および上方アセンブリ802の配列されたN-極部から下方アセンブリ804のS-極部808に上方アセンブリ802および下方アセンブリ804内に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス800によって保持されていない。
【0129】
実施形態では、極部808はまた、ポールシュー102、200、300、400、500、602と同じまたは同様の特性(例えば、同じまたは同様の、幅、凹部の幅および/または深さ、丸みのある肩部分、湾曲したワークピースインターフェース、極部分808の各々の間の圧縮性部材など)を有し得る。
【0130】
図16~
図18を参照すると、本開示の別の例示的な磁気アセンブリ900が示されている。磁気アセンブリ900は、上方プラッタ912と、下方プラッタ914と、を含む。プラッタ912および914の各々は、複数の離間した永久磁石930と、複数の極部950と、を含む。複数の離間した永久磁石930の各々は、1つの永久磁石として例示的に示されているが、ハウジング内に位置付けられた、複数の永久磁石および/または少なくとも1つの永久磁石を備え得る。例示的なプラッタは、米国特許第7,161,451号、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-Eで提供されている。
【0131】
図16~18の実施例に戻って、各永久磁石930は、N-極側932と、S-極側934と、を有する。プラッタ912およびプラッタ914の永久磁石930および極部分950は各々、閉じた形状を形成するように配置されており、極部分950のうちの1つが2つの永久磁石930の間に位置付けられている。さらに、永久磁石930は、間で極部分950と接触する2つの永久磁石930の各々が、極部分950と接触する、それらのN-極側またはそれらのS-極側のいずれかを有するように配置されている。隣接する永久磁石930のN-極側が極部分950と接触するときに、極部分950はN-極部分と呼ばれる。隣接する永久磁石930のS-極側が極部分950と接触するときに、極部分950はS-極部分と呼ばれる。
【0132】
上方プラッタ912および下方プラッタ914の各々は、等しい偶数の永久磁石セクションと、等しい数の極部分950と、を含む。一実施形態では、上方プラッタ912および下方プラッタ914の各々で、永久磁石930および極部分950は、円形構成で配置されている。
【0133】
実施形態では、下方プラッタ914は、磁気結合デバイス10の永久磁石14または磁気結合デバイス100の永久磁石130に取って代わり、ハウジング28に対して固定して保持されており、上方プラッタ912は、磁気結合デバイス10の永久磁石12または磁気結合デバイス100の永久磁石132に取って代わり、下方プラッタ914に対して回転する。さらにまたは代替的に、下方プラッタは、
図19~
図22に関連して以下で記載される磁気結合デバイス1000内に組み込まれ得る。
【0134】
上方プラッタ912は、下方プラッタ914に対して中心軸994の周りで方向990、992に回転可能であって、下方プラッタ914の永久磁石930および極部分950に対して上方プラッタ912の永久磁石930および極部分950の配列を変更する。
【0135】
下方プラッタ914のS-極部分950が上方プラッタ912のS-極部分950と配列され、下方プラッタ914のN-極部分950が上方プラッタ912のN-極部分950と配列されるときに、磁気結合デバイス900はオン状態にある。オン状態では、ワークピース27は、上方プラッタ912および下方プラッタ914の配列されたN-極部分950からワークピース27を通って上方プラッタ912および914の配列されたS-極部分950に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持されている。
【0136】
下方プラッタ914のS-極部分950が上方プラッタ912のN-極部分950と配列され、下方プラッタ914のN-極部分950が上方プラッタ912のS-極部分950と配列されるときに、磁気結合デバイス10はオフ状態にある。オフ状態では、ワークピース27は、上方プラッタ912の配列されたN-極部分950から下方プラッタ914のS-極部分950に、および上方プラッタ912の配列されたN-極部分から下方プラッタ914のS-極部分950に上方プラッタ912および下方プラッタ914内に磁気回路が完成することにより、磁気結合デバイス10によって保持されていない。
【0137】
図16を参照すると、上方プラッタ912は、下方プラッタ下方プラッタ914に対して分解されて示されている。下方プラッタ914は一般的に、上方プラッタ912と同一である。上方プラッタ912は、下方プラッタ914に対して回転されて、磁気結合デバイス10をオン状態またはオフ状態に置き得る。
【0138】
図17を参照すると、上方プラッタ912が図示されている。上方プラッタ912は、中央開口部922と複数の半径方向に延在する開口部924とを有する円筒形ベース構成要素920を含む。半径方向に延在する開口部924の各々は、永久磁石930を受容するようなサイズおよび形状である。各永久磁石930は、N側932と、S側934と、半径方向内側に面する側936と、半径方向外側に面する側938と、上部940と、底と、を有する。
【0139】
図18を参照すると、上方プラッタ912の上面図が示されている。円筒形ベース構成要素920は、永久磁石930のN側932、S側934、半径方向内側に面する側936、および半径方向外側に面する側938の各々を取り囲んでいる。一実施形態では、開口部924は、貫通した開口部ではなくむしろ、円筒形ベース構成要素920の底側からの見えない深さの開口部であり、したがって円筒形ベース構成要素920はまた、極部分950の上部940を取り囲む。図示された実施形態では、円筒形ベース構成要素920は、1つの一体の構成要素である。一実施形態では、円筒形ベース構成要素920は、共に接合された2つ以上の構成要素で構成されている。
【0140】
図18で示されているように、永久磁石930は、隣接する磁石のN側932が互いに面し、隣接する磁石930のS側934が互いに面するように配置されている。この配列により、永久磁石930の間の円筒形ベース構成要素920の部分950が、永久磁石930についての極延長部として機能することになる。実施形態では、ベース構成要素920、したがって極部分950は、鋼で作られている。他の好適な強磁性材料が、ベース構成要素920のために使用され得る。
【0141】
図19~
図22を参照すると、本開示の別の例示的な磁気結合デバイス1000が示されている。
図19では、磁気結合デバイス1000の分解図が示されている。磁気結合デバイス1000は、上方プラッタ912および下方プラッタ914の永久磁石の間に配置されたスペーサ1002が追加された、
図16~
図18で示された磁気アセンブリ900を含む。磁気結合デバイス1000は、例示的に円形フットプリントを有する非強磁性ハウジング1004を備える。円形ボア1006は、ハウジング1004の底から上部まで軸方向に延在する。上方プラッタ912および下方プラッタ914は、ボア1006で受容される。
【0142】
例示的な磁気結合デバイス1000は、下方プラッタ914に対して上方プラッタ912の回転を容易にするためのアクチュエータアセンブリ1008を含む。図示された実施例では、アクチュエータアセンブリ1008は、上方プラッタ912の円筒形ベース構成要素920の中央ボア1012から、アクチュエータアセンブリ1008のロータリーアクチュエータ1016の中央ボア1014内に突出するシャフト1010を含む。ロータリーアクチュエータ1016は、ピン1018によって円筒形ベース構成要素920に結合されている。したがって、ロータリーアクチュエータ1016が回転されるときに、ロータリーアクチュエータ1016の回転は、ピン1018によって円筒形ベース構成要素920に変換され、下方プラッタ914に対して上方プラッタ912が回転することになる。シャフト1010は、中心軸1020の周りでロータリーアクチュエータ1016および第2のプラッタ912の同心回転を容易にする。
【0143】
アクチュエータアセンブリ1008は、中心軸1020の周りでロータリーアクチュエータ1016の同心回転を容易にする環1022を含み得る。環1022は、キャップ構成要素1024内に嵌合する。環1022は、キャップ構成要素1024の内面とのすきまばめを形成して、キャップ構成要素1024内の環1022の回転を容易にし得る。環1022はまた、ロータリーアクチュエータ1016の一部分1028の上に嵌合する中央ボア1026を含む。環1022は、ピン1030を介してロータリーアクチュエータ1016に結合され得る。代替的に、環1022は、ロータリーアクチュエータ1016に対して自由に回転し得る。
【0144】
ロータリーアクチュエータ1016の回転は、トルク出力シャフト(示されていない)がキャップ構成要素1024の中央ボア1031内に挿入され、中央ボア1031を通って、ロータリーアクチュエータ1016の中央ボア1014によって受容されることによって達成され得る。トルク出力シャフトの端は、トルク出力シャフトの同心回転がロータリーアクチュエータ1016の同心回転に変換するように、中央ボア1014の内部隆起(示されていない)と係合する。上述のように、ロータリーアクチュエータ1016は、ピン1018によってベース構成要素920に結合されている。したがって、ロータリーアクチュエータ1016がトルク出力シャフトによって回転されるときに、ロータリーアクチュエータ1016の回転は、上方プラッタ920の回転に変換する。
【0145】
図20~
図22で示されているように、ベース構成要素920は、非強磁性ピース1036によって複数のセクタ1034に分離されている。ワークピース接触インターフェース1040の各セクタ1034は、凹部1039(
図22を参照)によって分離された、離間した突起1038を含む。図示されているように、離間した突起1038は、中央ボア1006によって規定された鉛直エンベロープ1041内に位置している。離間した突起1038は、ベース構成要素920の極部分950の底面として一体的に形成され得る。代替的に、離間した突起1038は、極部分950の底面に結合され得る。示された実施例は、4つの離間した突起1038を示しているが、他の実施形態は2つ以上の離間した突起1038を有し得る。
【0146】
離間した突起1038は、ワークピース接触インターフェース1040を集合的に形成している。すなわち、実施形態では、離間した突起1038は、ベース構成要素920の極部分950のワークピース接触インターフェース1040を形成している。したがって、離間した突起1038はまた、本明細書で、極部分ワークピースインターフェース1038と呼ばれ得る。実施形態では、中央突起1042および/または非強磁性ピース1036は、ワークピース接触インターフェース1040に含まれ得る。
【0147】
極部分ワークピースインターフェース1038は、ベース構成要素920の中央突起1042から異なる半径方向距離1044に位置している。実施形態では、半径方向距離1044は、ワークピースシート27の厚さの倍数であり得る。一実施例として、ワークピースシート27の厚さがXmmである場合、半径方向距離1044は、n*X(+/-25%)であり得、nは、整数である。極部分ワークピースインターフェース1038はまた、ポールシュー102、200、300、400、500、602と同じまたは同様の特性(例えば、同じまたは同様の、幅、凹部の幅および/または深さ、丸みのある肩部分、湾曲したワークピースインターフェース、極部分ワークピースインターフェース1038の各々の間の圧縮性部材など)を有し得る。
【0148】
極部分ワークピースインターフェース1038が離間していることにより、それらは、上述のポールシュー16’、16’’と同じ利点の多くを有し得る。すなわち、それらは、ワークピースシート27をディスタックするのに有用な浅い磁場を生成し得る。例えば、磁気結合デバイス1000がオン状態にあるときに、磁気結合デバイス1000によって生成される磁気回路が、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまり、ワークピースシート27の残りに対して(
図22の)方向1046にワークピースシート27’を鉛直に持ち上げるのに十分な保持力である。したがって、磁気結合デバイス1000は、ワークピースシート27をディスタックするように機能し得る。もちろん、いくつかの実施形態では、切り換え可能な磁石デバイス10によってワークピースシート27に提供される磁束の一部分は、ワークピースシート27の下方シート27’’に入り得るが、下方シート27’’が切り換え可能な磁気デバイス1000によってワークピースシート27’と共に持ち上げられることになるレベルまで入らなくてもよい。したがって、本明細書で使用されるように、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまる第1の磁気回路は、下方シート27’’に入る、切り換え可能な磁気持ち上げデバイス1000からの磁束の量が、あるとしても、下方シート27’’が切り換え可能な磁気持ち上げデバイス1000によってワークピースシート27’と共に方向1046に鉛直に持ち上げられることになるレベルよりも下であることを意味する。
【0149】
図23~
図27を参照すると、本開示の別の例示的な磁気結合デバイス1100が示されている。磁気結合デバイス1100は、下方プラッタ14を含む。代替的に、下方永久磁石14は、上方永久磁石12、上方磁石118、下方磁石120、上方プラッタ912、下方プラッタ914、または棒磁石で置き換えられ得る。さらにまたは代替的に、磁気結合1100は、円筒形であり、および/または円形フットプリントを有する代わりに、平行六面体であり得、および/または長方形のフットプリントを有し得る。
【0150】
磁気結合デバイス1100のハウジング1102は、下方永久磁石14およびアクチュエータアセンブリ1104を格納している。アクチュエータアセンブリ1104は、軸1106に沿った下方永久磁石14の移動を容易にする。具体的には、図示された実施形態では、アクチュエータアセンブリ1104は、下方永久磁石14をクラウン1110に結合する接続ロッド1108を含む。すなわち、接続ロッド1108は、下方永久磁石14から中間要素1114の中央ボア1112を通ってクラウン1110まで延在する。一実施例では、接続ロッド1108および中央ボア1112は、すきまばめを形成している。クラウン1110およびハウジング1102の内壁はまた、すきまばめを形成し得る。少なくともいくつかの実施形態では、中間要素1114は、短絡板として機能するため、磁石14によって生成される磁気回路は主に、ハウジング1102内に含まれている。
【0151】
示された例示的な実施形態では、ハウジング1102は、2つのポート1118を含む。ガスおよび/または流体は、ポート1118を通して提供されて、アクチュエータアセンブリ1104を
図23で示されている第1の位置から
図24で示されている第2の位置に、および逆も同様に移動させ得る。具体的には、ガスおよび/または流体を、ポート1118Aを通してクラウン1110の上のハウジング部分1120に提供することによって、ガスおよび/または流体は、クラウン1110の上面1122上に圧力をかけ、それによって、アクチュエータアセンブリ1104上に下向きの力をかける。それに応じて、アクチュエータアセンブリ1104は、下方永久磁石14がハウジング1102のベース1127の近くに位置付けられるように、軸1106に沿って下向きに移動する。以下でより詳細に考察されるように、永久磁石14がハウジング1102のベース1127の近くに位置付けられるときに、磁気回路が実質的にワークピース27’を通って形成され(
図23を参照)、それによって、ワークピースシート27’がワークピースシート27’’、27’’’からディスタックされることを可能にする。
【0152】
代替的に、ガスおよび/または流体を、ポート1118Bを通してクラウン1110の下のハウジング部分1124に提供することによって、ガスおよび/または流体は、クラウン1110の底面1126上に圧力をかけ、それによって、アクチュエータアセンブリ1104上に上向きの力を提供する。それに応じて、アクチュエータアセンブリは、下方永久磁石14がハウジング1102のベース1127から離間および/または分離して位置付けられるように、軸1106に沿って上向きに移動する。下方永久磁石14がハウジング1102のベース1127から離間および/または分離して位置付けられるときに、磁気回路が実質的にハウジング1102の内部にあり(
図24を参照)、それによって、磁気結合デバイス1110がワークピースシート27から分離されることを可能にする。
【0153】
図示された実施例は中間要素1112を示しているが、代替の実施形態では、磁気結合デバイス1100は、中間要素1114を含まなくてもよい。しかしながら、これらの実施形態では、アクチュエータアセンブリ1104がハウジング1102のベース1127から上向きに離れて移動することになるように、より多くのガスおよび/または液体がハウジング部分1124内に提供される必要があり得る。
【0154】
代替の実施形態では、アクチュエータアセンブリ1104は、アクチュエータアセンブリ1104に結合された係合部分1130に結合されたリニアアクチュエータ1128を使用して、軸1106に沿って移動され得る。アクチュエータ1128ならびに/またはポート1118を通してガスおよび/もしくは液体を提供するデバイスは、動作、したがってアクチュエータアセンブリ1104の位置を制御するコントローラ(例えば、コントローラ34)に結合され得る。代替的に、リニアアクチュエータ1128は、電気的におよび/または手動で作動され得る。
【0155】
図25で図示されているように、ハウジング1102は、円形ベース1132を有し得る。
図25で示されている図示された実施形態を参照すると、ベース1132Aは、非強磁性ピース1136によって2つのセクタ1134に分離され得るため、磁気回路の短絡を防ぐようにN-極とS-極との間に十分なギャップが存在する。ベース1132Aの各セクタ1134は、凹部1139(
図24を参照)によって分離された、離間した突起1138を含む。図示されているように、離間した突起1138は、ハウジング1102の鉛直エンベロープ1141内に位置している。離間した突起1138は、ハウジング1102のベース1127に結合され得る。ベース1132Aは、2つ以上の離間した部の突起1138を含み得る。
【0156】
離間した突起1138は、ベース1132Aのワークピース接触インターフェース1140(
図24を参照)を集合的に形成している。したがって、離間した突起1138はまた、本明細書で、極部ワークピースインターフェース1138と呼ばれ得る。中央突起1142および/または非強磁性ピース1136は、ベース1132Aのワークピース接触インターフェース1140に含まれ得る。
【0157】
極部ワークピースインターフェース1138は、中央突起1140から異なる半径方向距離1144に位置している。実施形態では、半径方向距離1144は、ワークピースシート27の厚さの倍数であり得る。一実施例として、ワークピースシート27の厚さがXmmである場合、半径方向距離1144は、n*X(+/-25%)であり得、nは、整数である。極部ワークピースインターフェース1138はまた、ポールシュー102、200、300、400、500、602と同じまたは同様の特性(例えば、同じまたは同様の、幅、凹部の幅および/または深さ、丸みのある肩部分、湾曲したワークピースインターフェース、極部分ワークピースインターフェース1138の各々の間の圧縮性部材など)を有し得る。極部分ワークピースインターフェース1138は、円形であるように示されているが、代替的に、それらは線形であり得る。
【0158】
極部分ワークピースインターフェース1138が離間していることにより、それらは、上述のポールシュー16’、16’’および/または極部ワークピースインターフェース1038と同じ利点の多くを有し得る。すなわち、それらは、ワークピースシート27をディスタックするのに有用な浅い磁場を生成し得る。例えば、磁気結合デバイス1100がオン状態にあるときに(
図23を参照)、磁気結合デバイス1100によって生成される磁気回路が、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまり、ワークピースシート27の残りに対して(
図23の)方向1146にワークピースシート27’を鉛直に持ち上げるのに十分な保持力である。したがって、磁気結合デバイス1100は、ワークピースシート27をディスタックするように機能し得る。いくつかの実施形態では、切り換え可能な磁石デバイス10によってワークピースシート27に提供される磁束の一部分は、ワークピースシート27の下方シート27’’に入り得るが、下方シート27’’が切り換え可能な磁気デバイス10によってワークピースシート27’と共に持ち上げられることになるレベルまで入らなくてもよい。したがって、本明細書で使用されるように、ワークピースシート27のワークピースシート27’に実質的にとどまる第1の磁気回路は、下方シート27’’に入る、切り換え可能な磁気持ち上げデバイス1100からの磁束の量が、あるとしても、下方シート27’’が切り換え可能な磁気持ち上げデバイス1100によってワークピースシート27’と共に方向1146に鉛直に持ち上げられることになるレベルよりも下であることを意味する。
【0159】
上述のように、下方永久磁石14は、上方永久磁石12、上方磁石118、下方磁石120、上方プラッタ912、または下方プラッタ914で置き換えられ得る。下方永久磁石14が上方プラッタ912または下方プラッタ914によって置き換えられる実施形態では、ベース1132Aは、
図21で示されたベースによって置き換えられ得る。
【0160】
さらに他の実施形態では、
図26および
図27で示されているように、磁気結合デバイス1100の極部ワークピースインターフェース1138は、ポールシュー16’、16’’によって置き換えられ得る。実施形態では、ポールシュー16’、16’’はまた、ポールシュー102、200、300、400、500、602と同じまたは同様の特性(例えば、同じまたは同様の、幅、凹部の幅および/または深さ、丸みのある肩部分、湾曲したワークピースインターフェース、離間した部の突起の各々の間の圧縮性部材など)を有し得る。
【0161】
本開示の別の例示的な磁気結合デバイス1200は、
図28A~
図30で示されている。
図28Aは、第1のオフ状態の例示的な切り換え可能な磁気結合デバイス1200の側断面図を示し、
図28Bは、磁気結合デバイス1200の正面断面図を示す。
図29は、第2のオン状態の
図28A~
図28Bの磁気結合デバイスの正面断面図を示す。
図30は、第3のオン状態の
図28A~
図28Bの磁気結合デバイスの正面断面図を示す。
【0162】
磁気結合デバイス1200は、第1のオフ状態(
図28A~
図28Bで示されている)、第2のオン状態(
図29で示されている)、および/または第3のオン状態の間で切り換えられ得る。磁気結合デバイス1200がオン状態に切り換えられるときに、磁気結合デバイス1200によって生成される磁場は、1つ以上の強磁性ワークピース1202を通過し、磁気結合デバイス1200を強磁性ワークピース1202のうちの1つ以上に結合する。磁気結合デバイス1200がオフ状態に切り換えられるときに、磁気結合デバイス1200によって生成される磁場は主に、磁気結合デバイス1200内にとどまり、したがって、磁気結合デバイス1200は、もはや強磁性ワークピース1202のうちの1つ以上に結合しない。オフ状態およびオン状態は、以下でより詳細に考察される。
【0163】
磁気結合デバイス1200は、ロボットシステム700(
図13を参照)などのロボットシステムのためのアーム(「EOAMT」)ユニットの端として使用され得るが、また、強磁性ワークピース1202のための、他の持ち上げ、輸送、および/または分離システムで使用され得る。例示的な持ち上げおよび輸送システムは、ロボットシステムと、機械的ガントリーと、クレーンホイストと、強磁性ワークピース1202を持ち上げおよび/または輸送するさらなるシステムと、を含む。さらに、磁気結合デバイス1200は、溶接、検査、および他の動作などの動作のために少なくとも一部を保持するための固定器具の一部として使用され得る。
【0164】
図28Aを参照すると、磁気結合デバイス1200は、強磁性ワークピース1202の上部上に位置付けられており、強磁性ワークピース1202と接触および係合するように構成されたワークピース接触インターフェース1204を含む。ワークピース接触インターフェース1204は、極板1206であり得る。少なくとも1つの実施形態では、極板1206は、
図28Bで図示されているように、複数の離間した突起1208を含む。他の実施形態では、極板1206は、離間した突起1208を含まない。離間した突起1208は、磁気結合デバイス1200がオン状態にあるときに、磁気結合デバイス1200の磁束が主に第1の強磁性ワークピース1202’を通過するように、ワークピース接触インターフェース1204の近くにより多くの磁束を集中させることを容易にし得る。極板1206および突起1208の例示的な態様は、以下で考察される。
【0165】
磁気結合デバイス1200はまた、磁気プラッタ1212を支持するハウジング1210を含む。磁気プラッタ1212は、磁気結合デバイス1200がオン状態にあるときに、磁気結合デバイス1200が強磁性ワークピース1202に結合することを可能にする磁場を生成する。少なくとも1つの実施形態では、磁気プラッタ1212は、
図28Bで示されているように、複数の離間した永久磁石部分1214と複数の極部分1216とを含む積層磁気プラッタである。複数の離間した永久磁石部分1214の各々は、1つ以上の永久磁石を含む。一実施形態では、各永久磁石部分1214は、1つの永久磁石を含む。別の実施形態では、各永久磁石部分1214は、複数の永久磁石を含む。各永久磁石部分1214は、正反対に磁化され、N-極側と、S-極側と、を有する。
【0166】
各極部分1216Aは、2つの永久磁石部分1214の間に位置付けられており、極部分1216Bは、1つの永久磁石部分1214に隣接して配置されている。さらに、永久磁石部分1214は、間で極部分1216Aと接触する2つの永久磁石部分1214の各々が、極部分1216Aと接触する、それらのN極側またはそれらのS極側のいずれかを有するように配置されている。隣接する永久磁石部分1214のN-極側が極部分1216Aと接触するときに、極部分1216AはN-極部分と呼ばれる。隣接する永久磁石部分1214のS-極側が極部分1216Aと接触するときに、極部分1216AはS-極部分と呼ばれる。同様に、極部分1216Bについて、永久磁石部分1214のS-極側が極部分1216Bと接触するときに、極部分1216BはS-極部分と呼ばれる。逆に、永久磁石部分1214のN-極側が極部分1216Bと接触するときに、極部分1216BはN-極部分と呼ばれる。
【0167】
示されている実施形態では、永久磁石部分1214は、水平軸1218に沿って配置されている。しかしながら、他の実施形態では、永久磁石部分1214は、円形構成で配置され得る。さらに、実施形態は、6つの永久磁石部分1214と7つの極部分1216とを含む磁気プラッタ1212を示しているが、他の実施形態は、より多いまたはより少ない永久磁石部分1214および極部分1216を含み得る。例えば、一実施形態では、磁気プラッタ1212は、1つの永久磁石部分1214と、2つの極部分1216と、を含み得、1つの極部分1216は、永久磁石部分1214の各側上に配置されている。
【0168】
磁気プラッタ1212および磁気結合デバイス1200の構成により、磁気結合デバイス1200は、従来の実施形態よりも、強磁性ピース1202のうちの1つ以上へのより大きな磁束移動を有し得る。これにより、磁気結合デバイス1200が、磁気結合デバイス1200に含まれる磁気ボリューム当たりの、より多いおよび/またはより重い強磁性ワークピース1202を持ち上げることができることになる。例えば、磁気結合デバイス1200は、磁気結合デバイス1200の立方ミリメートルのボリューム当たり0.35グラム以上の強磁性ワークピース1202の保持力を有し得る。別の実施例として、磁気結合デバイス1200は、磁気結合デバイス1200のハウジング1210の立方ミリメートルのボリューム当たり0.8グラム以上の強磁性ワークピース1202の保持力を有し得る。
【0169】
磁気結合デバイス1200を第1のオフ状態と第2のオン状態との間で切り換えるために、磁気プラッタ1212は、ハウジング1204の内部空洞1222内で軸1220に沿って直線的に並進可能である。実施形態では、軸1220は、鉛直軸1220である。代替的に、軸1220は、鉛直軸以外の軸である。軸1220は、ハウジング1204の第1の端部1224とハウジング1210の第2の端部1226との間で延在する。少なくともいくつかの実施形態では、第1の端部1224は、ハウジング1210の上方部分であり、第2の端部1226はハウジング1210の下方部分であり、本明細書ではそのように呼ばれ得る。しかしながら、少なくともいくつかの他の実施形態では、第1の端部1224は、ハウジング1210の上方部分以外のハウジング1210の一部分であり、第2の端部1226は、ハウジング1210の下方部分以外のハウジング1210の一部分である。磁気プラッタ1212がハウジング1210の上方部分1224の近くに配置されるときに、磁気結合デバイス1200は、第1のオフ状態にある。磁気プラッタ1212がハウジング1210の下方部分1226の近くに配置されるときに、磁気結合デバイス1200は、第2のオン状態にある。第1のオフ状態および第2のオン状態に加えて、磁気プラッタ1212は、
図30で示されているように、上方部分1224と下方部分1226との間の1つ以上の中間位置に配置され得る。中間位置は、本明細書で、第3のオン状態と呼ばれ得る。以下で考察されるように、第3のオン状態は、第2のオン状態よりもワークピース接触インターフェース1204でより少ない磁束を生成し得る。
【0170】
磁気プラッタ1212を鉛直軸1220に沿って並進させて、磁気結合デバイス1200をオン状態とオフ状態との間、および逆も同様に移行させるために、磁気結合デバイス1200は、アクチュエータ1228を含む。少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ1228は、係合部分1230および非強磁性取り付け板1232を介して磁気プラッタ1212に結合されている。すなわち、アクチュエータ1228は、非強磁性取り付け板1232に結合された係合部分1230に結合されており、非強磁性取り付け板1232は、磁気プラッタ1212に結合および接触している。アクチュエータ1228は、係合部分1230上に力を与えるように構成されており、それに応じて、係合部分1230は、鉛直軸1220に沿って並進して、磁気結合デバイス1200をオフ状態からオン状態に、および逆も同様に移行させる。すなわち、磁気結合デバイス1200をオフ状態からオン状態に移行させるために、アクチュエータ1228は、非強磁性取り付け板1232および磁気プラッタ1212に並進する係合部分1230上に下向きの力を与える。それに応じて、磁気プラッタ1212は、上方部分1224から下方部分1226に並進する。逆に、磁気結合デバイス1200をオン状態からオフ状態に移行させるために、アクチュエータ1228は、非強磁性取り付け板1232および磁気プラッタ1212に並進する係合部分1230上に上向きの力を与える。それに応じて、磁気プラッタ1212および非強磁性取り付け板1232は、下方部分1226から上方部分1224に並進する。
【0171】
磁気プラッタ1212を第3のオン状態に配置するために、アクチュエータ1228は、係合部分1230上に力を生成して、磁気プラッタ1212を上方部分1224から下方部分1226に、または逆も同様に並進させ得る。次いで、磁気プラッタ1212が上方部分1224から下方部分1226に、または逆も同様に並進しているときに、ハウジング1210内および/またはアクチュエータ1228内に配置されたブレーキ1234は、
図30で示されているように、磁気プラッタ1212、非強磁性取り付け板1232および/または係合部分1230と係合し、第3のオン状態で磁気プラッタ1212を停止させる。
【0172】
例示的なアクチュエータ1228は、電気アクチュエータと、空気圧アクチュエータと、液圧アクチュエータと、係合部分1230上に力を与える他の好適なデバイスと、を含む。例示的な空気圧リニアアクチュエータが
図31で示されており、それに関連してより詳細に考察される。例示的な電気アクチュエータは、係合部分1230に結合された「アンロール」ステータおよびロータを備える電気モーターである。他の例示的な係合部分およびアクチュエータは、「SWITCHABLE PERMANENT MAGNETIC DEVICE」と題する米国特許第7,012,495号、「MODULAR PERMANENT MAGNET CHUCK」と題する米国特許第7,161,451号、「MAGNET ARRAYS」と題する米国特許第8,878,639号、「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A ROTARY ACTUATION SYSTEM」と題する2015年10月30日出願の米国仮特許出願第62/248,804号、整理番号MTI-0007-01-US-E、および「MAGNETIC COUPLING DEVICE WITH A LINEAR ACTUATION SYSTEM」と題する2015年11月7日出願の米国仮特許出願第62/252,435号、整理番号MTI-0006-01-US-Eで開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0173】
さらにまたは代替的に、アクチュエータ1228は、コントローラ1236および/またはセンサー1238Aを含み得る。コントローラ1236は、関連するコンピュータ可読媒体、例示的にはメモリ1242と共にプロセッサ1240を含む。メモリ1242は、プロセッサ1240によって実行されるときに、磁気デバイス1200がオフ状態、第2のオン状態、および/または第3のオン状態にあるように磁気プラッタ1212を移動させるように、電子コントローラ1236に対してアクチュエータ1228に命令させる制御ロジック1244を含む。例えば、センサー1238Aは、アクチュエータ1228の位置を感知し得、磁気プラッタ1212の位置に並進するセンサー1238Aによって感知される所定の位置に応答して、制御ロジック1244は、磁気プラッタ1212が所望の位置に達するときに、磁気プラッタ1212上に力をかけることを停止するようにアクチュエータ1228に命令する。
【0174】
少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ1228は、ステッピングモーターであり、アクチュエータ1228の回転運動は、アクチュエータ1228のシャフトと係合部分1230との間の結合(例えば、ギア)を介して、係合部分1230の線形運動に変換される。これらの実施形態では、センサー1238Aは、ステッピングモーターを駆動するために使用されるパルスをカウントし、パルスの数に基づいて、磁気プラッタ1212の位置に変換される、ステッピングモーターのシャフトの位置を判定する。次いで、シャフトの位置、すなわち角度が、ギャップ1250の高さに変換される。すなわち、磁気プラッタ1212は、パルスの数をカウントすることによってモーターが移動するステップによって、規定された位置まで、鉛直軸1220に沿って相対的に移動される。別の実施例では、エンコーダをステッピングと一体化して、適切な作動角度が維持されることを確認するステッピングモーターが提供される。
【0175】
別の実施例として、磁気結合デバイス1200は、センサー1238Bを含み得る。センサー1238Bは、ハウジング1210内の磁気プラッタ1212の位置を測定し得る。例示的なセンサー1238Bは、磁気プラッタ1212に取り付けられた反射ストリップを監視する光センサーを含む。他のセンサーシステムが、磁気プラッタ1212の位置を判定するように使用され得る。
【0176】
さらに別の実施例として、磁気結合デバイス1200は、1つ以上のセンサー1238C(
図28Bで図示されている)を含み得る。センサー1238Cは、磁束センサーであり得、一般的に、極板1206の上の1つ以上の位置に位置付けられ得る。例示的な磁束センサーは、ホール効果センサーを含む。センサー1238Cは、極板1206の1つ以上のN極およびS極に近接する漏れ束を測定する。各センサー1238Cでの漏れ束の量は、極板1206に対する磁気プラッタ1212の位置、およびワークピース接触インターフェース1204から強磁性ワークピース1202に極板1206のN極およびS極を通過する束の量に基づいて変化する。極板1206のN極およびS極のワークピースインターフェース1204の反対の場所で磁束を監視することによって、磁気プラッタ1212の相対位置が判定され得る。実施形態では、磁気結合デバイス1200は、強磁性ワークピース1202の上部上に位置付けられており、磁気プラッタ1212がオフ状態から第2のオン状態に移動するときにセンサー1238Cによって測定される磁束は、磁気プラッタ1212の位置の関数として記録される。磁束の各々は、磁気プラッタ1212の所望の位置に割り当てられる。センサー1238Cを有する例示的な感知システムは、「Magnetic Coupling Device with at Least One of a Sensor Arrangement and a Degauss Capability」と題する2018年4月27日出願の米国特許出願第15/964,884号で開示されており、その全体の開示は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0177】
実施形態では、コントローラ1236は、I/Oデバイス1246から受信される入力信号に応答して、磁気結合デバイス1200の状態を変更する。例示的な入力デバイスは、ボタンと、スイッチと、レバーと、ダイヤルと、タッチディスプレイと、空気圧バルブと、ソフトキーと、通信モジュールと、を含む。例示的な出力デバイスは、視覚インジケータと、音声インジケータと、通信モジュールと、を含む。例示的な視覚インジケータは、ディスプレイと、ライトと、他の視覚システムと、を含む。例示的な音声インジケータは、スピーカーと、他の好適な音声システムと、を含む。実施形態では、デバイス1200は、制御ロジック1244のプロセッサ1240によって駆動される、1つ以上のLEDの形態でのシンプルな視覚ステータスインジケータを含んで、予め定められた磁気結合デバイス1200ステータスが存在するかまたは存在しないときを示す(例えば、磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態にあるときに赤色LEDがオンで、磁気結合デバイス1200が第2のオン状態にあり、強磁性ワークピース1202が近接していることが検出されるときに緑色LEDが高速で明滅し、強磁性ワークピース1202上の意図された特定のエリアの外側で強磁性ワークピース1202と接触するときに黄色LEDと共に緑色LEDがよりゆっくりと明滅し(例えば、磁気動作回路を部分的に完成させ)、緑色LEDが安定してオンで黄色LEDがオフで、磁気結合デバイス1200が閾値限度内で係合していることを示し、安全な磁気結合状態を示す。
【0178】
例えば、一実施形態では、磁気結合デバイス1200は、ロボットアームのアームの端に結合されており、I/Oデバイス1246は、コントローラ1236が、第1のオフ状態、第2のオン状態、または第3のオン状態のうちの1つに磁気結合デバイス1200をいつ置くかについての命令をロボットコントローラから受信するネットワークインターフェースである。例示的なネットワークインターフェースは、有線ネットワーク接続と、無線ネットワーク接続のためのアンテナと、を含む。上で考察された実施形態は、電子、空気圧、または液圧の作動に関するが、代替の実施形態では、磁気結合デバイス1200は、人間のオペレータによって手動で作動され得る。
【0179】
磁気結合デバイス1200はまた、
図28Aで図示されているように、ハウジング1200の上方部分1224に、または上方部分1224の近くに配置された1つ以上の強磁性ピース1248を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、非強磁性取り付け板1232および強磁性ピース1248は、磁気結合デバイス1200が第1のオフ位置にあるときに、非磁性取り付け板1232が強磁性ピース1248との間で接触して位置するように、ハウジング1210内に配置されている。さらに、磁気プラッタ1212の上部分は、強磁性ピース1248の底部分に接触し得る。別の例示的な実施形態では、強磁性ピース1248は、磁気プラッタ1212の側面の下に延在し得る。これらの実施形態では、強磁性ピース1248は、磁気プラッタ1212によって生成される磁場のさらなる吸収を提供することによって、磁気プラッタ1212の漏れを低減し得る。
【0180】
非強磁性取り付け板1232は、非強磁性材料(例えば、アルミニウム、オーステナイト系ステンレス鋼など)で作られている。磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態にあり、磁気プラッタ1212および非強磁性取り付け板1232が、ハウジング1204の上方部分1218に、または上方部分1218の近くに配置されるときに、非強磁性取り付けプラッタ1212、強磁性ピース1248、および非強磁性取り付け板1232の間の1つ以上の回路は、
図28Bで図示されているように生成される。さらに、磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態にあるときに、内部空洞1216にエアおよび/または低磁化率を有する別の物質を含む(
図28Aの)ギャップ1250は、極板1206と磁気プラッタ1212との間にあり、それらを分離する。その結果、磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態にあるときに、磁気プラッタ1212からの磁束は、ワークピース接触インターフェース1204に、および強磁性ワークピース1202を通ってほとんどまたは全く延在しない。したがって、磁気結合デバイス1200は、強磁性ワークピース1202から分離され得る。さらに、非強磁性取り付けプラッタ1212、強磁性ピース1248、および非強磁性取り付け板1232の間の回路により、磁気プラッタ1212からのすべてではないにしてもほとんどの磁束がハウジング1210内に含まれる。
【0181】
強磁性ピース1248を含むことのさらなる利点は、磁気プラッタ1212の底と極板1206との間のギャップ1250の距離が、磁気結合デバイス1200が非強磁性取り付け板1232および強磁性ピース1248を含まない場合よりも短くなり得ることである。すなわち、磁気プラッタ1212、強磁性ピース1248、および非強磁性取り付け板1232の間に生成される1つ以上の回路は、磁気プラッタ1212からのすべてではないにしてもほとんどの磁束を、磁気プラッタ1212の近くに、および極板1206から離れて、ハウジング1210内に限定することを容易にする。したがって、磁気結合デバイス1200によって強磁性ワークピース1202に移動される磁束は、1つ以上の強磁性ワークピース1202を持ち上げるには不十分である。別の方法で言うと、磁束は、極板1206の底で実質上ゼロであり得、したがって、磁気結合デバイス1202がオフ状態と1つ以上のオン状態との間で移行するときに、磁気プラッタ1212が移動するのに必要な全体的な高さ(以下の高さ1282を参照)を低減する、磁気結合デバイス1202によって強磁性ワークピース1202に、磁束が実質上移動されない。
【0182】
逆に、非強磁性取り付け板1232および強磁性ピース1248が磁気結合デバイス1202に含まれない場合、磁気プラッタ1212からのより少ない磁束が、ハウジング1210内および/または磁気プラッタ1212の近くにとどまる。より少ない磁束が磁気プラッタ1212の近くにとどまるため、磁束が極板1206を通って下に延在して磁気結合デバイス1200を強磁性ワークピース1202のうちの1つ以上に結合しないようにするために、磁気プラッタ1212の底と極板1206との間のギャップ1250はより大きくなければならない。ギャップ1250が図示された実施形態でより小さいことにより、磁気結合デバイス1200は、これらの特徴を有さない他の磁気結合デバイスよりも小さくあり得る。
【0183】
一実施例として、磁気プラッタ1212が第1のオフ状態から第2のオン状態に移行するように移動し得るギャップ1250は、8mm以下であり得る。逆に、第2のオン状態から第1のオフ状態に移行するために、磁気プラッタ1212は、8mm以下で移動し得る。
【0184】
図示された実施形態の別の利点は、ギャップ1250がより小さいことにより、より少ないエネルギーが、ハウジング1210内の鉛直軸1220に沿って磁気プラッタ1212を並進させるようにアクチュエータ1228によって使用され得ることである。図示された実施形態のさらに別の利点は、アクチュエータ1228が磁気プラッタ1212を第1のオフ位置から第2のオン位置に並進させ、磁気プラッタ1212が極ピース1206と接触状態になるときに、磁気プラッタ1212が壊れにくくなることである。これは、低減されたギャップ1250により、磁気プラッタ1212が移行中のより少ない運動量を構築した結果である。図示された実施形態のさらに別の利点として、磁気結合デバイス1200がオフ状態にある間に磁気結合デバイス1200が故障した場合、非強磁性取り付け板1232および強磁性ピース1248により、磁気結合デバイス1200は、オン状態に移行しない。したがって、磁気結合デバイス1200は、磁気結合デバイスが故障したときにオフ状態からオン状態に移行する磁気結合デバイスよりも安全である。逆に、磁気結合デバイス1200が非強磁性取り付け板1232および/または強磁性ピース1248を含まない場合、オフ位置で生成される磁気回路がないことにより、磁気プラッタ1212は、オン状態により移行しやすくなり得る。
【0185】
上述のように、磁気プラッタ1206がハウジング1204の下方部分1226に、または下方部分1226の近くに位置付けられるときに、磁気結合デバイス1200は、第2のオン状態にある。
図29で図示されているように、磁気結合デバイス1200が第2のオン状態にあるときに、磁気プラッタ1206からの磁束は、強磁性ワークピース1202のうちの1つ以上を通って延在する。したがって、磁気結合デバイス1200が第1のオン状態にあるときに、磁気結合デバイス1200は、1つ以上の強磁性ワークピース1202に結合するように構成されている。磁束線が両方の強磁性ワークピース1202’、1202’’を通過するように図示されているが、いくつかの実施形態では、磁束線は主に、強磁性ワークピース1202’のみを通過する。磁束線が主に、第1の強磁性ワークピース1202’を通過するときに、磁気結合デバイス1200は、強磁性ワークピース1202を互いにディスタックおよび分離するように使用され得る。
【0186】
磁気結合デバイス1200が第2のオン状態にあるときに、磁束線が主に第1の強磁性ワークピース1202’のみを通過することを容易にするために、磁気プラッタ1212は、取り外し可能で置き換え可能であり得、これにより、異なる強度、高さ、および/または幅の磁気プラッタ1212が磁気結合デバイス1200で使用されることが可能になる。磁気プラッタ1212の強度、高さ、および/または幅は、磁気結合デバイス1200が第2のオン位置にあるときに、強磁性ワークピース1202が十分に互いにディスタックおよび分離され得るように、強磁性ワークピース1202の厚さに基づいて選択され得る。
【0187】
さらにまたは代替的に、極板1206は、取り外し可能で置き換え可能であり得、これにより、異なるタイプの極板1206が磁気結合デバイス1200で使用されることが可能になる。例えば、極板1206は、磁気結合デバイス1200が結合されている強磁性ワークピース1202のタイプに基づいて選択され得る。例えば、磁気結合デバイス1200は、引っかかれるかまたは傷つけられ得ないクラスAの表面を取り扱い得る。その結果、ワークピース接触インターフェース上に配置されたゴム(または強磁性ワークピース1202が引っかかれるかまたは傷つけられる可能性を低減する別の材料)を有する極板1206が選択され、磁気結合デバイス1200内に組み込まれ得る。別の実施例として、異なる突起および/またはギャップを有する極板1206は、磁気結合デバイス1200が結合されている強磁性ワークピース1202の厚さに基づいて選択され得る。突起および/またはギャップの関連性のさらなる実施例は、
図6~
図11Bに関連して上記でより詳細に説明されている。
【0188】
図31に関連して以下でより詳細に考察されるように、ハウジング1204は、磁気プラッタ1212および/または極板1206が容易に取り外し可能で置き換え可能であることを可能にする様式で構成されている。
【0189】
さらにまたは代替的に、磁気結合デバイス1200は、上述のように1つ以上の中間状態に移行し得る。例えば、磁気結合デバイス1200は、
図30で図示されているように、第3のオン状態に移行し得る。第3のオン状態は、磁気プラッタ1212が、磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態にあるときの磁気プラッタ1212の場所と、磁気結合デバイス1200が第2のオン状態にあるときの磁気プラッタ1212の場所との間で、鉛直軸1220に沿って位置するときである。同じ磁気プラッタ1212が使用されている実施形態では、
図30で図示されているように、磁気結合デバイス1200が第2のオン状態にあるときよりも少ない磁束が、磁気結合デバイス1200が第3のオン状態にあるときに、ワークピース接触インターフェース1204を通って強磁性ワークピース1202内を通る。すなわち、同じ強度の磁気プラッタ1212が、
図29および
図30で示された実施形態で使用されていると仮定すると、磁束線は、
図29での両方の強磁性ワークピース1202’、1202’’を通過するが、一方、磁束線は、
図30での強磁性ワークピース1202’のみを通過する。第3のオン状態になることができることによって、磁気結合デバイス1200は、磁気プラッタ1212を異なる強度の磁気プラッタ1212に置き換える必要なく、異なる厚さの強磁性ワークピース1202をディスタックすることができ得る。
【0190】
上述のように、極板1206は、複数の突起1208を含む。突起1208の各々は、極部分1216のそれぞれの極部分についての極延長部として機能する。すなわち、磁気結合デバイス1200が第2または第3のオン状態にあるときに、極部分1216のそれぞれのN極またはS極は、それぞれの突起1208を通って下に延在する。次いで、N極部分1216から、それぞれのN-極突起1208を通り、1つ以上の強磁性ワークピース1202を通り、S-極突起1208を通り、S極部分1216を通る磁気回路が生成される。磁気結合デバイス1200がオン状態にあるときに、各永久磁気部分はこれらの磁気回路のうちの1つを生成する。
図6~
図11Aに関連して上記でより詳細に説明されているように、突起1208のサイズおよびその間の距離は、強磁性ワークピース1202への束移動に影響を及ぼし、強磁性材料1202のより効果的なディスタックおよび増加した保持力を可能にする。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、強磁性ワークピース1202の強磁性ピース1202’を通って移動される磁束が最高に集中することを達成し、したがって、強磁性ワークピース1202’を強磁性ワークピース1202’’、1202’’’からディスタックすることができる最高の可能性を有するために、突起(例えば、幅および高さ)ならびにその間のギャップのサイズは、強磁性ワークピース1202の厚さとほぼ一致すべきである。
【0191】
NおよびS突起1208を分離するために、極板1206は、1つ以上の非強磁性ピース1252(
図28Bで示されている)を受容するように構成されたスロットを含み得る。非強磁性ピース1252は、突起1208の各々の間のそれぞれのエンベロープ1254(
図28Bで示されている)内に配置され得る。非強磁性ピース1252により、永久磁石部分1214によって生成される磁気回路は、実質的に非強磁性ピース1252を通って延在せず、したがって、NおよびS突起は互いに分離されている。さらに、上述のように、突起1208により、極板1206が複数の突起1208を含まない場合よりも、磁気プラッタ1212からの磁束がワークピース接触インターフェース1204により近くになることになる。磁気プラッタ1212からの磁束がワークピース接触インターフェース104のより近くに集中することを容易にする突起1208の異なる態様は、
図6~
図11Aに関連して上で考察されている。代替の実施形態では、突起1208およびその間の凹部は、ハウジング1210内に直接的に一体化され得る。
【0192】
図31を参照すると、磁気結合デバイス1200の分解図が図示されている。図示されているように、ハウジング1210は、上方部分1210Bに解放可能で固定可能な下方部分1210Aを含む。下方部分1210Aは、1つ以上のねじ1256を使用して、上方部分1210Bに固定され得る。以下で説明されるように、ねじ1256は、ハウジング1210内に配置された磁気結合デバイス1210の構成要素への簡単なアクセスを提供し得る。
【0193】
下方部分1210Aおよび上方部分1210Bを接合する前に、下方部分1210Aは、極板1206を受容する。少なくとも1つの実施形態では、下方部分1210Aは、極板1206のタブ1260を受容するように構成された凹部/切り欠き1258を含む。タブ1260は、下方部分1210A内の極板1206の適切な位置付けを容易にする。現在設置されている極板1206とは異なる突起1208を備える極板1206が望まれる場合、極板1206の適切な位置付けは、極板1206の簡単な交換を容易にし得る。例えば、ハウジング1210の下方部分1210Aは、ねじ1256を取り外すことによって、上方部分1210Bから分離され得る。次いで、極板1206が、下方部分1210Aから取り外され得る。その後、異なる突起1208を有する別の極板1206が、タブ1260が凹部/切り欠き1258によって受容されるように、下方部分1210Aに挿入され得る。最後に、ねじ1256が、下方部分1210Aを上方部分1210Aに固定するように使用され得る。タブ1260は、強磁性材料で構成され得る。
【0194】
極板1206を置き換えることに加えて、またはその代わりに、磁気結合デバイス1200の設計はまた、磁気プラッタ1212の簡単な取り外しおよび交換を容易にする。例えば、図示されているように、非強磁性取り付け板1232は、1つ以上のねじ1261を介して磁気プラッタ1212に結合されている。下方部分1210Aを上方部分1210Bから取り外した後、磁気プラッタ1212が、ねじ1261がアクセスされ得るように、鉛直軸1220に沿って下げられ得る。ねじ1261が外されると、磁気プラッタ1212が、非強磁性取り付け板1232から分離され得、別の磁気プラッタ1212と交換され得る。新しい磁気プラッタ1212は、ねじ1261を使用して、非強磁性取り付け板1232に固定され得る。その後、下方部分1210Aおよび上方部分1210Bは、ねじ1256を使用して、共に結合され得る。
【0195】
いくつかの場合では、磁気プラッタ1212が破損または損傷した場合、磁気プラッタ1212が置き換えられる必要があり得る。他の場合では、磁気プラッタ1212は、より強いまたはより弱い磁場を生成する磁気プラッタ1212に置き換えられる必要があり得る。上で考察されたように、磁気プラッタ1212をより強いまたはより弱い磁気を有する磁気プラッタ1212に置き換えることは、強磁性ワークピース1202のディスタックを容易にし得る。例えば、第1の磁気プラッタ1212は、両方の強磁性ワークピース1202’、1202’’を持ち上げるのに十分な、第1および第2の強磁性ワークピース1202’、1202’’を通る磁束を生成し得る。しかしながら、第1の強磁性ワークピース1202’を第2の強磁性ワークピース1202’’から分離することが望ましくあり得る。これらの場合では、第1の磁気プラッタ1212よりも弱く、第1の強磁性ワークピース1202’を持ち上げるのに十分な、強磁性ワークピース1202を通る磁束だけを生成する第2の磁気プラッタ1212が、第1の磁気プラッタ1212を置き換え得る。
【0196】
図示された実施形態では、アクチュエータ1228の下方部分1228Aは、1つ以上のねじ1262を使用してハウジング1210に結合される。したがって、下方部分1228Aは、ハウジング1210に対するカバーとして機能する。さらに、強磁性ピース1248は、1つ以上のねじ1262を使用して、アクチュエータ1228の底部分1228Aに結合される。したがって、磁気プラッタ1212および非強磁性取り付け板1232がハウジング1210の上方部分に移動され、磁気結合デバイス1200が第1のオフ位置にあるときに、磁気プラッタ1212は、強磁性ピース1248に接触して配置される。すなわち、図示されているように、磁気プラッタ1212の外側部分と強磁性ピース1248との間で接触している。
【0197】
次いで、磁気プラッタ1212のN極部分1216から、強磁性ワークピース1248のうちの1つを通り、非強磁性取り付け板1232を通り、他の強磁性ワークピース1248を通り、磁気プラッタ1212のS極部分1216に、磁気回路が形成される。回路は、上で考察された磁気結合デバイス1200に対して多くの利点をもたらす。
【0198】
図示されているように、非強磁性取り付け板1232は、ねじ1266で係合部分1230に結合される。係合部分1230は、第1の部分1230Aと、第2の部分1230Bと、を含み、少なくともいくつかの実施形態では、第1の部分1230Aは、第2の部分1230Bよりも小さい断面積を有する。少なくとも1つの実施形態では、第1の部分1230Aは、底部分1228Aで導管1268を通って延在し、ねじ1266を介して非強磁性取り付け板1232に結合される。係合部分1230を非強磁性取り付け板1232に結合することにより、鉛直軸1220に沿った係合部分1230の並進は、非強磁性取り付け板1232および磁気プラッタ1212を鉛直軸1220に沿って並進させる。
【0199】
鉛直軸1220に沿って係合部分1230を並進させるために、アクチュエータ1228が、空気圧で作動され得る。例えば、アクチュエータのハウジング1228Bは、第1のポート1274Aと第2のポート1274Bとを含むポート1274を含み得る。エアがエアコンプレッサまたは他の方法を介してポート1274A内に提供されるときに、アクチュエータのハウジング1228B内および第2の部分1230Bの上の圧力が増加し、これにより、係合部分1230が鉛直軸1220に沿って下向きに移動することになる。係合部分1230の並進により、磁気プラッタ1212は、磁気結合デバイス1200が第1のオフ状態から第2のオン状態もしくは第3のオン状態、または第3のオン状態から第2のオン状態に移行されるように、鉛直軸1220に沿って下向きに移動することになる。アクチュエータのハウジング1228B内および係合部分1230の上でポート1274A内に提供されるエアを限定するために、アクチュエータ1228は、1つ以上のねじ1276を介して、アクチュエータのハウジング1228Bに固定されるカバー(示されていない)を含み得る。さらにまたは代替的に、エアがポート1274Bから取り出されて、第2の部分1230Bの上の圧力に対して第2の部分1230Bの下の圧力を低減し得、これにより、係合部分1230が鉛直軸1220に沿って下向きに移動することになる。
【0200】
逆に、エアがポート1274B内に提供されるときに、アクチュエータのハウジング1228B内および第2の部分1230Bの下の圧力が増加し、これにより、板が鉛直軸1220に沿って上向きに移動することになる。係合部分1230の並進により、磁気プラッタ1212は、磁気結合デバイス1200が第2のオン状態から第3のオン状態もしくは第1のオフ状態、または第3のオン状態から第1のオフ状態に移行されるように、鉛直軸1220に沿って上向きに移動することになる。さらにまたは代替的に、エアがポート1274Aから取り出されて、第2の部分1230Bの下の圧力に対して第2の部分1230Bの上の圧力を低減し得、これにより、係合部分1230が鉛直軸1220に沿って上向きに移動することになる。
【0201】
少なくともいくつかの他の実施形態では、ポート1274A、1274Bは、ハウジング1210Bを通して形成され得、圧力または圧力の減少が、磁気プラッタ1212の上部または磁気1212の底に適用されて、鉛直軸1220に沿って磁気プラッタ1212を並進させ得る。
【0202】
図32A~
図32Bは、強磁性ワークピース1202上の異なる位置での
図28A~
図28Bの磁気結合デバイスの上部断面図を示す。
図32Aを参照すると、非強磁性磁気プラッタ1212が、強磁性ワークピース1202’上に示されている。図示されているように、磁気プラッタ1212のフットプリントの全体が、強磁性ワークピース1202’上に置かれている。本明細書で使用されるように、フットプリントという用語は、磁気プラッタ1212の表面積、すなわち、幅1280×高さ1282として規定され得る。最も多くの量の磁束が、磁気プラッタ1212から強磁性ワークピース1202’に移動するため、磁気プラッタ1212の全体のフットプリントが強磁性ワークピース1202’上に置かれることが好ましい。磁気プラッタ1212の全体のフットプリントが強磁性ワークピース1202’上に置かれるときに、磁気結合デバイス1200は、磁気プラッタ1212のフットプリントの1平方ミリメートルの面積当たり22.0グラム以上の強磁性ワークピース1202を持ち上げるように構成され得る。
【0203】
磁気プラッタ1212の全体のフットプリントを強磁性ワークピース1202’上に置くことが好ましいが、
図32Bで示されているように、多くの場合、磁気プラッタ1212は、強磁性ワークピース1202’上に置かれる。これは、磁気結合デバイス1200が、(
図13の)ロボットシステム700などのロボットシステムのためのアームユニットの端に取り付けられているときに発生し得、磁気プラッタ1212の強磁性ワークピース1202’上への配置は、コンピュータビジョンまたはいくつかの他の自動化されたプロセスを使用して実行されている。
【0204】
図32Bで示されているように、磁気プラッタ1212が強磁性ワークピース1202’上に置かれる場合、磁気プラッタ1212の構成は、いくつかの利点を提供し得る。具体的には、他の磁気結合デバイスと比較して、磁気プラッタ1212が強磁性ワークピース1202’を持ち上げるときに、磁気プラッタ1212が強磁性ワークピース1202’から剥離する可能性が低くなり得る。すなわち、複数の永久磁性部1214が磁気プラッタ1212に含まれることにより、
図32Bで示されているように、磁気プラッタ1212が強磁性ワークピース1202’上に置かれるときに、最も左の永久磁気部1214のみが強磁性ワークピース1202’から外れる。したがって、5つの他の磁気回路が依然として、磁気プラッタ1212と強磁性ワークピース1202’との間に形成されている。したがって、磁気プラッタ1212は依然として、約83%の能力(5/6=0.83)で動作し得る。比較すると、磁気プラッタ1212が1つの永久磁気部分1214のみを含む場合、極部分の12/3が強磁性ワークピース1202’から外れることにより、磁気回路の1/3は、強磁性ワークピース1202’で形成されない。したがって、磁気プラッタ1212は、約66%の能力で動作し得る。
【0205】
図33は、極セクタを備える例示的な切り換え可能な磁気デバイスの使用の方法1300のフロー図である。方法1300は、ブロック1302によって示されているように、強磁性体を第1の極セクタと接触させることを含む。実施形態では、第1の極セクタは、磁気デバイスのハウジングのベースに取り付けられ得る。さらに、磁気デバイスは、2つの異なる磁気回路を確立することができ得る。第1の磁気回路は、オン状態にある磁気デバイスと呼ばれ得、第2の磁気回路は、オフ状態にある磁気デバイスと呼ばれ得る。
【0206】
実施形態では、第1の極セクタ、ハウジング、および磁気デバイスはそれぞれ、上記の極セクタ1034、1134、ハウジング1002、1102、ならびに磁気デバイス1000、1100と同じまたは同様の特徴を有し得る。例えば、強磁性体は、第1の極セクタのワークピース接触インターフェースによって接触され得、第1の極セクタのワークピース接触インターフェースは、複数の突起を含む。
【0207】
磁気デバイスは、アクティブなN-S極ペアを有するハウジング内に取り付けられた少なくとも1つの第1の永久磁石と、アクティブなN-S極ペアを有する少なくとも1つの第2の永久磁石と、を備え得る。実施形態では、少なくとも1つの第2の永久磁石は、少なくとも1つの第1の永久磁石とスタック関係でハウジング内に回転可能に取り付けられ得、少なくとも1つの第2の永久磁石は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。さらにまたは代替的に、磁気デバイスは、磁気デバイスと強磁性体との間に磁気回路の異なる強度を生成する複数の磁気回路を確立し得る。
【0208】
代替的に、磁気デバイスは、ハウジングのベースに対して移動可能である少なくとも1つの第1の永久磁石を備え得る。さらにまたは代替的に、磁気デバイスは、磁気デバイスと強磁性体との間に磁気回路の異なる強度を生成する複数の磁気回路を確立し得る。実施形態では、磁気デバイスは、少なくとも1つの第1の永久磁石がハウジングのベースから離れて位置付けられ、および/または分離されるときに、そのハウジング内に実質的にとどまる1つの磁気回路を生成し得る。
【0209】
実施形態では、方法1300は、ブロック1304によって示されているように、強磁性体を第2のセクタと接触させることを含む。実施形態では、第2の極セクタは、第1の極セクタが取り付けられているのと同じハウジングに取り付けられている。実施形態では、強磁性体が第2の極セクタによって接触されるときに、磁気デバイスは第1の構成にあり得る。
【0210】
実施形態では、方法1300は、ブロック1306によって示されているように、磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させることを含む。実施形態では、磁気デバイスをオフ状態からオン状態に移行させることは、少なくとも1つの第2の永久磁石を第1の位置から第2の位置に作動させる(例えば、回転させるかまたは直線的に並進させる)ことを含み得る。さらに、磁気デバイスがオン状態にあるときに、磁気回路は、ワークピースを通って形成されている。
【0211】
上述の開示された磁気結合デバイスの各々は、強磁性ワークピースを第1の場所から第2の場所に持ち上げて輸送する機械的持ち上げ装置と組み合わせて使用され得る。例示的な機械的持ち上げ装置は、機械的ガントリー、クレーンホイスト、固定器具、ロボット器具などを含む。
【0212】
様々な修正および追加が、本開示の範囲から逸脱することなく、考察された例示的な実施形態に対して行われ得る。例えば、上記の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態と、記載された特徴のすべてを含まない実施形態と、を含む。したがって、本発明の範囲は、そのすべての等価物と共に、特許請求の範囲の範囲内にあるようなすべてのそのような代替、修正、および変形を包含するように意図される。