(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】太陽光パネル出力を増幅するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02S 40/22 20140101AFI20240308BHJP
【FI】
H02S40/22
(21)【出願番号】P 2020554333
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 CA2018000242
(87)【国際公開番号】W WO2019119108
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520226355
【氏名又は名称】ハイパーステルス・バイオテクノロジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガイ・クレイマー
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0276865(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0107304(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0031463(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/22
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光表面、ならびに、上方縁および下方縁を有するフレームを有する太陽光パネルと、
複数の屈折要素を備える第1の側、および第2の側を有する第1の屈折-反射シート
と、
を備えた太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムであって、
前記第1の屈折-反射シートは、太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力を増幅するために、前記下方縁の前で前記下方縁の近くに配置され
ており、
反射された太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させることによって前記出力をさらに増幅する一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記第1の屈折-反射シートの上に配置される第1の回折格子シー
トを備え
ている、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項2】
前記第2の側は複数の屈折要素を有する、請求項1に記載の太陽光パネルの出
力を増幅するためのシステム。
【請求項3】
前記第1の屈折-反射シートは、レンチキュラーシート、線状プリズムシート、配列プリズムシート、および、複数の球面レンズを備える配列プリズムシートのうちの1つである、請求項1に記載の太陽光パネルの出
力を増幅するためのシステム。
【請求項4】
前記第1の屈折-反射シートはレンチキュラーシートを備え、前記複数の屈折要素は複数の線状レンチキュラーレンズを備える、請求項3に記載の太陽光パネルの出
力を増幅するためのシステム。
【請求項5】
前記太陽光パネルは、薄膜太陽光パネル、多結晶太陽光パネル、および単結晶シリコン太陽電池のうちの1つを備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項6】
前記第1の屈折-反射シートは、前記複数の線状レンチキュラーレンズが前記太陽光パネルの前記受光表面に対して垂直な方向に延びるように配置される、請求項4に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項7】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記第1の屈折-反射シートに隣接して配置される前記第1の屈折-反射シートと同様の第2の屈折-反射シートをさらに備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項8】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記第1の屈折-反射シートに隣接して配置される第2の屈折-反射シートをさらに備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項9】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記太陽光パネルの上縁の略上方に配置されて配向される前記第1の屈折-反射シートと同様の第2の屈折-反射シートをさらに備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項10】
前記太陽光パネルの前で位置決めされて配向される立設屈折-反射シートをさらに備え、太陽光が立設屈折-反射シートを通過するとともに立設屈折-反射シートの屈折要素の作用によって拡散して前記太陽光パネルの表面へと注ぐことによって、前記太陽光パネルの前記受光表面における影を照らし、前記影の結果として低減した前記出力をさらに増幅させ
る、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項11】
前記立設屈折-反射シートは、より多くの太陽光を通過させることができるように、反射防止被覆で被覆される、または、反射防止膜を備える、請求項10に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項12】
前記第2の側は、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、色または反射媒体で被覆される滑らかな表面を有する、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項13】
前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記第1の屈折-反射シートの下に配置される反射パネルをさらに備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項14】
前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記第1の屈折-反射シートの下に配置される反射パネルをさらに備える、請求項12に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項15】
前記反射パネルは、明るい色の付けられた表面を有するパネル、および鏡の一方を備える、請求項13に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項16】
前記第1の屈折-反射シートの下に配置される第1の湾曲支持表面をさらに備える、請求項1に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項17】
前記第1の屈折-反射シートおよび前記第2の屈折-反射シートの下にそれぞれ配置される第1の湾曲支持表面および第2の湾曲支持表面をさらに備える、請求項9に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項18】
前記反射パネルの上方に配置され、前記第1の屈折-反射シートを支持する透明湾曲支持表面をさらに備える、請求項13に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項19】
前記出力をさらに増幅するように追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートをさらに備える、請求項18に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項20】
前記出力をさらに増幅するように追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設反射パネルおよび左立設反射パネルをさらに備える、請求項18に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項21】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記太陽光パネルの周りに配置されて配向される上反射パネル、左反射パネル、および右反射パネルをさらに備える、請求項20に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項22】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設反射パネルおよび左立設反射パネルと、
前記出力をさらに増幅するために前記追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記右立設反射パネルおよび前記左立設反射パネルにそれぞれ位置決めされる右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートと
をさらに備える、請求項13に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項23】
前記出力をさらに増幅するために前記追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記右立設反射パネルおよび前記左立設反射パネルにそれぞれ位置決めされる右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートと、
上反射パネル、前記上反射パネルの下方に位置決めされる上湾曲支持表面、および、前記上湾曲支持表面の下方に位置決めされる上屈折-反射シートと
をさらに備え、
前記上反射パネル、前記上屈折-反射シート、および前記上湾曲支持表面は、前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、すべて一体に積み重ねられて配向される、請求項20に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項24】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅する一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、屈折-反射材料の側方ストリップで覆われて配向される反射材料の少なくとも1つの側方ストリップをさらに備える、請求項13に記載の太陽光パネルの出力を増幅するためのシステム。
【請求項25】
太陽光を受
けるための表面を有する太陽光パネルによって生成される出力電力を増幅する方法であって、
複数の屈折要素を備える第1の側、および第2の側を有する第1の屈折-反射シートを、太陽光が前記第1の側に当たって前記太陽光パネルの前記表面へと反射することによって前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するように、前記太陽光パネルの下方縁の前で前記下方縁の近くに配置するステップと、
反射された太陽光を前記太陽光パネルの
光を受ける前記表面へと拡散させることによって前記出力
電力をさらに増幅する一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するように、前記第1の屈折-反射シートの上に配置される第1の回折格子シートを配置するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記表面へと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するために、第2の屈折-反射シートを前記第1の屈折-反射シートに隣接して配置するステップをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項27】
追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記表面へと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するために、第2の屈折-反射シートを前記
第1の回折格子シートの上に積み重ねるステップをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項28】
第2の屈折-反射シートを前記太陽光パネルの上方で前記太陽光パネルの近くに配置するステップであって、前記第2の屈折-反射シートは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記表面へと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するために配向される、ステップをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項29】
第2の立設屈折-反射シートを、太陽光が前記第2の立設屈折-反射シートの第1の側および前記第2の立設屈折-反射シートの第2の側の一方に入り、反対側を介して前記太陽光パネルへと出て行くように、前記太陽光パネルの前に配置するステップをさらに含み、
前記第2の
立設屈折-反射シートは、前記太陽光を前記太陽光パネルの前記表面上に拡散することによって前記太陽光パネルの前記表面における影を照らし、結果として、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力をさらに増幅する、請求項
25に記載の方法。
【請求項30】
前記屈折-反射シートを配置するステップは、太陽光が前記第1の側に当たって前記太陽光パネルの表面に反射するように、前記複数の屈折要素を有する前記第1の側を上に向けるように配置することを含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の側は滑らかな表面を有し、前記方法は、前記滑らかな表面を色または反射媒体で被覆することで、前記第1の屈折-反射シートで反射された光量を制御するステップをさらに含む、請求項
25に記載の方法。
【請求項32】
前記色または前記反射媒体で被覆された第2の屈折-反射シートを前記太陽光パネルの上方に配置するステップと、追加の太陽光を前記太陽光パネルへと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力をさらに増幅するように前記第2の屈折-反射シートを配向するステップとをさらに含む、請求項
31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、2017年12月22日に出願された米国仮特許出願第62609425号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、概して、太陽光発電に関し、より詳細には、太陽光パネル出力を増幅するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
太陽電池または光起電池は、物理化学的現象である光起電力効果によって、光のエネルギーを電気へと直接的に変換する電気装置である。太陽電池は、光に曝されるときに電圧、電流、または抵抗などの電気特性が変化する装置である光起電池の形態である。薄膜太陽電池は、光起電力材料の1つまたは複数の薄い層または薄い膜を、ガラス、プラスチック、または金属などの基材に蒸着させることで作られる第二世代の太陽電池である。薄膜技術は、従来の結晶シリコンの太陽電池より安価であるが効率的ではない。
【0004】
太陽光パネルは、電気または熱を発生させるために、太陽光をエネルギーの供給源として吸収する。光起モジュールは、光起太陽電池の一纏めにされて連結された組立体である。ほとんどの光起モジュールが結晶シリコンの太陽電池または薄膜電池を使用する。光起モジュールは、典型的には、その直流(DC)出力電力によって評価される。
【0005】
パネルの表面の一部分でも暗くしてしまう影が電力出力を最大で90%低下させ得るという問題が、太陽光パネルでは生じる。太陽光パネルの別の問題は、太陽の出現がより少ない都市、および、赤道から離れているため太陽光エネルギーが小さい都市において、太陽光パネルはコストが掛かり、生成されるエネルギーが、合理的な時間枠内でパネルのコストを実際に回収するには不十分なことである。
【0006】
レンチキュラーシートは、一方の側におけるレンチキュールと呼ばれる一連の鉛直に並べられた平凸状の円筒レンズと、他方の側における平坦な表面とを伴い、傾斜および湾曲を伴う独特の正確な押し出しによって作られる半透明のプラスチックシートである。レンチキュールは二次元画像を様々な錯視へと変換するのを助け、レンチキュラーシートの配向が変えられるとき、見る人はレンチキュラーの特別な効果を見ることができる。レンチキュラーシートは、アクリル、APET、PETG、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PVC、またはポリスチレンから作られ得る。これらの異なる材料の各々は、温度および紫外線に対して異なる度合いの感受性を有する。
【0007】
レンチキュラーシートの重要な特性はレンズの密度である。レンズの密度は、1インチ当たりのレンズの数(LPI)として表現される。レンチキュラーシートの厚さはLPIと逆相関とされており、LPIがより小さくなると、レンチキュラーシートはより厚くなる。レンチキュラーシートの別の重要な特性は見る角度である。レンチキュラーシートの見る角度は、レンチキュラー画像が明確に見られ得るV字形の領域である。レンチキュラーシートの他の特性はlenticular-sheets.lpceurope.euのウェブサイトにおいて見られ、その内容は本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。レンチキュラーシートにおける印刷は、ViCGI.comのドメインにおいて発行されているCG Shengによる記事「Choosing the Right Lenticular Sheet for Inkjet Printer」に記載されているようなインターレースの手法で、インクジェットプリンタを介して行うことができ、その記事の内容は本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。レンチキュラーシートは、outeraspect.comのドメインにおいて発行されているDavid E. Robertsによる記事「History of Lenticular and Related Autostereoscopic Methods」に記載されているような立体画像を表示するためにも使用でき、その記事の内容は本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。
【0008】
インテグラルイメージングは忠実な自動立体方法である(特別な眼鏡を必要とすることなく見ることができる立体画像)。インテグラルイメージは、球状凸面レンズの配列を通じて観察者によって見られる大量の密に詰められた個別の微小画像から成り、微小画像ごとに1つのレンズとなっている。この特別の種類のレンズの配列は、lenticulartechnology.comのサイトにおける「The History of Integral Print Methods」において詳細に記載されているフライアイレンズまたはインテグラルレンズの配列として知られており、その記載の内容は本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。フライアイレンズシートは、lenticular.mobiにおいて入手可能なものなど、市販されており、その内容は本明細書において参照によりその全体において組み込まれている。
【0009】
Kolon Industriesによって作られており、kolonindustries.comに示されているEverRay(登録商標) LC、DCS、BK、LFなどのプリズム膜は、ポリエステル膜に細かいプリズム構造を形成することで、LCD BLUなどの光源からの光を凝集する。同様に、Ingemannによって作られており、ingemanncomponents.comに示されている線状プリズムシートは、両方の主軸においてランプのぎらつきを抑えるその最適化された能力によって印象付けられている。
【0010】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているHwi KimおよびByoungho Leeによる論文「Geometric optics analysis on light transmission and reflection characteristics of metallic prism sheets」(Opt. Eng. 45(8)、084004(2006年8月22日). doi: 10.1 117/1.2335871)では、金属のプリズムシートの光の透過および反射の特性が、幾何光学の手法に基づいて研究されている。任意の放射強度プロフィールを伴う入射光について、単一の金属のプリズムシートによって透過および反射させられる光の放射強度プロフィールを見つけ出すための分析方法が提示されている。隣接するプリズムシート同士の間の簡単な相互作用モデルによって、単一のプリズムシートについての分析方法が、いくつかのプリズムシートから成るプリズムシート層を分析するために一般化させられる。単一のプリズムシートおよびプリズムシート層の光の透過および反射の特性が比較される。金属のプリズムシートが、液晶表示装置のための半透過装置または輝度向上膜に適切に適用可能であり得ることが見られる。
【0011】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているHongen Liao、Makoto Iwahara、Nobuhiko Hata、およびTakeyoshi Dohiによる論文「High-quality integral videography using a multiprojector」(Optics Express Vol. 12、Issue 6、1067~1076頁(2004年))は、インテグラルビデオグラフィのための微小レンズ配列の使用を開示している。
【0012】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているiopscience.iop.orgにおいて入手可能なJohannes CourtialおよびJohn Nelsonによる記事「Ray-optical negative refraction and pseudoscopic imaging with Dove-prism arrays」は、小さな並べられたドーブプリズムの配列から成るシートが、光線方向の一成分を局所的に(プリズムの幅の規模において)反転させることができる。
【0013】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているlaserfocusworld.comにおいて入手可能な2007年1月9日の日付とされた記事「FLAT-PANEL DISPLAYS: Wavy prism sheet makes LCDs look better」では、LCDをより良好に見せるための波状プリズムシートの使用が論述されている。
【0014】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているConleyへの米国特許第4,414,316号は、三次元の光学的効果を生み出すための使用に適し、均一な全体厚さを有することと、均一な細かい定義および品質のレンチキュラー形成を有することとによって特徴付けられる柔軟で複合的な透明レンチキュラースクリーンシートを開示している。レンチキュラー形成は、レンチキュラースクリーンシートを通じて高品質な三次元の光学的効果を提供するために、複合シートの全体厚さと正確に相関させられた均一な焦点距離を有する。
【0015】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているConleyらへの米国特許第6,995,914号は、異方性光学特性を有するレンチキュラーシートを製作する方法を開示している。
【0016】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているRaymondらへの米国特許第7,731,813号は、インターレース画像を表示するための装置を作り出す方法を開示している。方法は、透明な材料の膜を提供するステップと、膜の第1の側において平行なレンズセットを形成し、次に、細長い画像要素のセットを含むインターレース画像を膜の第2の側に接合することによって、膜にレンズ配列を作り出すステップとを含む。
【0017】
その内容が本明細書において参照によりその全体において組み込まれているNiemuthへの米国特許第8,411,363号は、少なくとも2つの部分を有する第1の表面と、反対の第2の表面と、第1の表面に形成された複数のレンチキュラーレンズとを備えるレンチキュラーシートを開示している。第1の表面の各々部分は、第1の表面の隣接する部分の1センチメートル当たりのレンチキュラーレンズの数と異なる1センチメートル当たりのレンチキュラーレンズの数を含む。
【0018】
それらの内容が本明細書において参照によりそれらの全体において組み込まれているGogginsへの米国特許出願公開第2004/0136079号および米国特許出願公開第2005/0286134号は、レンチキュラーレンズとレンズを製造するための方法とを開示しており、具体的にはレンズがレンチキュラーレンズウェブである場合、それによってレンズの最終的な動作および様々な最終使用用途が、レンズウェブの製造に合わせて達成または適合させられ得る。
【0019】
回折格子は、光の回析および干渉によってスペクトルを生成する非常に密な平行な線で規定されたガラス、プラスチック、または金属の板である。回折格子は、異なる方向で進むいくつかの光線へと分割および解析する周期的構造を伴う光学的構成要素である。出現した着色は、構造的な着色の形態である。光線の方向は、回析光子が分散要素として作用するように、回析光子の間隔および光の波長に依存する。ホログラフィック回折格子は、非常に効率的なエンボス加工されたホログラフィック光学要素(HOE)である。回折格子は、異なるガス管および他の光源からのスペクトルを直接的に見ること、および、そのようなスペクトルの分析に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】米国特許第4,414,316号
【文献】米国特許第6,995,914号
【文献】米国特許第7,731,813号
【文献】米国特許第8,411,363号
【文献】米国特許出願公開第2004/0136079号
【文献】米国特許出願公開第2005/0286134号
【非特許文献】
【0021】
【文献】lenticular-sheets.lpceurope.eu
【文献】ViCGI.comのドメインにおいて発行されているCG Shengによる「Choosing the Right Lenticular Sheet for Inkjet Printer」
【文献】outeraspect.comのドメインにおいて発行されているDavid E. Robertsによる「History of Lenticular and Related Autostereoscopic Methods」
【文献】lenticulartechnology.comのサイトにおける「The History of Integral Print Methods」
【文献】Hwi KimおよびByoungho Leeによる論文「Geometric optics analysis on light transmission and reflection characteristics of metallic prism sheets」(Opt. Eng. 45(8)、084004(2006年8月22日). doi: 10.1 117/1.2335871)
【文献】Hongen Liao、Makoto Iwahara、Nobuhiko Hata、およびTakeyoshi Dohiによる「High-quality integral videography using a multiprojector」、Optics Express Vol. 12、Issue 6、1067~1076頁(2004年)
【文献】iopscience.iop.orgにおいて入手可能なJohannes CourtialおよびJohn Nelsonによる「Ray-optical negative refraction and pseudoscopic imaging with Dove-prism arrays」
【文献】laserfocusworld.comにおいて入手可能な2007年1月9日の日付とされた記事「FLAT-PANEL DISPLAYS: Wavy prism sheet makes LCDs look better」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、太陽光パネルで同定される前述の問題のうちの少なくとも一部を解決するために、レンチキュラーのシートまたは円筒などの屈折-反射構造、鏡などの反射パネル、および回折格子シートを利用することを試みている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の一態様によれば、受光表面、ならびに、上方縁および下方縁を有するフレームを有する太陽光パネルと、複数の屈折要素を備える第1の側、および第2の側を有する第1の屈折-反射シートとを備える、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムが提供される。第1の屈折-反射シートは、太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力を増幅するために、前記下方縁の前で前記下方縁の近くに配置される。
【0024】
一実施形態では、第1の屈折-反射シートの第2の側も複数の屈折要素を有する。
【0025】
第1の屈折-反射シートは、レンチキュラーシート、線状プリズムシート、配列プリズムシート、および、複数の球面レンズを備える配列プリズムシートのうちの1つであり得る。
【0026】
一実施形態では、第1の屈折-反射シートはレンチキュラーシートを備え、前記複数の屈折要素は複数の線状レンチキュラーレンズを備える。
【0027】
太陽光パネルは、薄膜太陽光パネル、多結晶太陽光パネル、および単結晶シリコン太陽電池であり得る。
【0028】
一実施形態では、第1の屈折-反射シートは、複数の線状レンチキュラーレンズが前記太陽光パネルの前記受光表面に対して垂直な方向に延びるように配置される。
【0029】
一実施形態では、システムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記第1の屈折-反射シートに隣接して配置される前記第1の屈折-反射シートと同様の第2の屈折-反射シートをさらに備える。
【0030】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記第1の屈折-反射シートの上に配置される第2の屈折-反射シートをさらに備える。
【0031】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記太陽光パネルの前記上縁の略上方に配置されて配向される前記第1の屈折-反射シートと同様の第2の屈折-反射シートをさらに備える。
【0032】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、太陽光が屈折-反射シートを通過するとともに前記屈折要素の作用によって拡散して前記太陽光パネルの前記表面へと注ぐことによって、前記太陽光パネルの前記受光表面における影を照らし、前記影の結果として低減した前記出力をさらに増幅させるように、前記太陽光パネルの前で位置決めされて配向される立設屈折-反射シートをさらに備える。
【0033】
一実施形態では、立設屈折-反射シートは、より多くの太陽光を通過させることができるように、反射防止被覆で被覆される、または、反射防止膜を備える。
【0034】
一実施形態では、第1の屈折-反射シートの第2の側は、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、色または反射媒体で被覆される滑らかな表面を有する。
【0035】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記第1の屈折-反射シートの下に配置される反射パネルをさらに備える。
【0036】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記第1の屈折-反射シートの下に配置される反射パネルをさらに備える。
【0037】
一実施形態では、前記反射パネルは、明るい色の付けられた表面を有するパネル、または鏡を備える。
【0038】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記第1の屈折-反射シートの下に配置される第1の湾曲支持表面をさらに備える。
【0039】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記第1の屈折-反射シートおよび前記第2の屈折-反射シートの下にそれぞれ配置される第1の湾曲支持表面および第2の湾曲支持表面をさらに備える。
【0040】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、反射パネルの上方に配置され、第1の屈折-反射シートを支持する透明湾曲支持表面をさらに備える。
【0041】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記出力をさらに増幅するように追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートをさらに備える。
【0042】
一実施形態では、前記出力をさらに増幅するように追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設反射パネルおよび左立設反射パネルをさらに備える。
【0043】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記太陽光パネルの周りに配置されて配向される上反射パネル、左反射パネル、および右反射パネルをさらに備える。
【0044】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させるために、前記太陽光パネルの右および左に位置決めされて配向される右立設反射パネルおよび左立設反射パネルと、前記出力をさらに増幅するために前記追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させる一方で太陽光パネルの焼けを防止するために、前記右立設反射パネルおよび前記左立設反射パネルにそれぞれ位置決めされる右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートとをさらに備える。
【0045】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、前記出力をさらに増幅するために前記追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させる一方で太陽光パネルの焼けを防止するために、前記右立設反射パネルおよび前記左立設反射パネルにそれぞれ位置決めされる右立設屈折-反射シートおよび左立設屈折-反射シートと、上反射パネル、前記上反射パネルの下方に位置決めされる上湾曲支持表面、および、前記上湾曲支持表面の下方に位置決めされる上屈折-反射シートとをさらに備える。前記上反射パネル、前記上屈折-反射シート、および前記上湾曲支持表面は、前記出力をさらに増幅するために追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させる一方で太陽光パネルの焼けを防止するために、すべて一体に積み重ねられて配向される。
【0046】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅する一方で太陽光パネルの焼けを防止するために、屈折-反射材料の側方ストリップで覆われて配向される反射材料の少なくとも1つの側方ストリップをさらに備える。
【0047】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、反射された太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと拡散させることによって前記出力をさらに増幅する一方で前記太陽光パネルの焼けを防止するために、前記屈折-反射シートの上に配置される回折格子シートをさらに備える。
【0048】
本発明の別の態様では、受光表面、ならびに、上方縁および下方縁を有するフレームを有する太陽光パネルと、複数の屈折要素を備える外側側方表面、および内側表面を有する少なくとも1つの屈折-反射円筒とを備える、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムが提供される。前記少なくとも1つの屈折-反射円筒は、太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力を増幅するために、前記下方縁の前で前記下方縁の近くに配置される。
【0049】
一実施形態では、前記少なくとも1つの屈折-反射円筒の前記外側表面および前記内側表面の少なくとも一方は、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、反射材料で被覆される。
【0050】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために、前記少なくとも1つの屈折-反射円筒の内側に配置される反射側方外側面を有する反射円筒をさらに備える。
【0051】
本発明のなおも別の態様では、受光表面、ならびに、上方縁および下方縁を有するフレームを有する太陽光パネルと、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために配向される下反射パネル、右反射パネル、および左反射パネルと、前記太陽光パネルの焼けを防止するように、前記下反射パネル、前記右反射パネル、および前記左反射パネルからの反射された太陽光を拡散するために、前記受光表面の前に位置決めされる屈折-反射シートとを備える太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムが提供される。
【0052】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって前記出力をさらに増幅するために配向される上反射パネルをさらに備える。
【0053】
本発明のなおも別の態様では、受光表面、ならびに、上方縁および下方縁を有するフレームを有する太陽光パネルと、太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射および拡散させることによって前記出力を増幅するための回折格子シートとを備える太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムが提供される。
【0054】
一実施形態では、太陽光パネルの出力を増幅するためのシステムは、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するために、前記回折格子シートの下に配置される反射パネルをさらに備える。別の実施形態では、前記回折格子の下側が、追加の太陽光を前記太陽光パネルの前記受光表面へと反射させることによって、前記太陽光パネルによって生成される前記出力電力を増幅するために、反射材料で被覆される。
【0055】
本発明のなおも別の態様によれば、第1の側および第2の側を有する屈折-反射シートを、太陽光がシートの第1の側および第2の側の一方に当たり、太陽光パネルの表面へと反射するように、太陽光パネルの前に近接してその略前に配置するステップを含む、影が表面の一部分に投じられている太陽光パネルによって生成される電力を増幅する方法が提供される。屈折-反射シートは、反射した太陽光を太陽光パネルの表面にわたって拡散し、それによって、太陽光パネルの表面における影を照らすことで、太陽光パネルを暗くさせないようにし、それにより太陽光パネルによって生成される出力電力を増幅する。
【0056】
一実施形態では、第1の側は複数の屈折要素を有し、第2の側は滑らかな表面を備える。別の実施形態では、第1の側および第2の側は複数の屈折要素を各々有する。
【0057】
一実施形態では、屈折-反射シートを配置するステップは、太陽光が第1の側に当たり、太陽光パネルの表面に反射するように、複数の屈折要素を有する第1の側を上に向けるように配置することを含む。方法は、屈折-反射シートの第2の側の滑らかな表面を色または反射媒体で被覆するステップを含んでもよい。
【0058】
別の実施形態では、屈折-反射シートを配置するステップは、太陽光が第2の側に当たり、太陽光パネルの表面に反射するように、滑らかな表面を有する第2の側を上に向けるように配置することを含む。
【0059】
一実施形態では、屈折-反射シートはレンチキュラーシートであり、前記複数の屈折要素は複数のレンチキュールを備える。複数のレンチキュールは線状または非線状であり得る。
【0060】
別の実施形態では、屈折-反射シートは線状プリズムシートである。
【0061】
なおも別の実施形態では、屈折-反射シートは配列プリズムシートである。配列プリズムシートは複数の球面レンズを備えてもよい。
【0062】
一実施形態では、屈折-反射シートは、追加の太陽光を屈折-反射シートに通して太陽光パネルの表面へと反射する反射パネルの上に配置される。反射パネルは、明るい色の付けられた表面、または、鏡などの反射表面を伴うパネルを備え得る。
【0063】
一実施形態では、屈折-反射シートは矩形で平坦である。別の実施形態では、屈折-反射シートは円筒へと形成される。なおも別の実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光パネルに向かう複数の角度から太陽光を方向付けるための凹状の皿体を形成する。なおも別の実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光パネルにわたって太陽光をさらに分散させるために、凸状のパネルを形成する。
【0064】
一実施形態では、太陽光パネルおよび屈折-反射シートは、太陽光を追跡するために移動可能である。別の実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光の収集を向上させるために、主要な時間に太陽に向けて方向付けられる。
【0065】
一実施形態では、太陽光パネルは、塔に備え付けられる複数の太陽光パネルを備える。
【0066】
一実施形態では、太陽光パネルは薄膜太陽光パネルを備える。別の実施形態では、太陽光パネルは単結晶シリコン太陽電池を備える。なおも別の実施形態では、太陽光パネルは、太陽光屋根板などの太陽光屋根材を備える。
【0067】
本発明の別の態様では、太陽光パネルの出力電力を増幅する前述の方法のうちのいずれか1つを実施するための、太陽光パネルおよび屈折-反射シートを備える、太陽光パネルの出力電力を増幅するためのシステムが提供される。
【0068】
本発明のなおも別の態様では、物体と太陽光パネルとの間に第1の側および第2の側を有する屈折-反射シートを、太陽光がシートの第1の側およびシートの第2の側の一方に入り、反対側を介して太陽光パネルへと出て行くように配置するステップを含む、物体の影が表面の一部分に投じられている太陽光パネルによって生成される出力電力を増幅する方法が提供される。屈折-反射シートは、太陽光を太陽光パネルの表面にわたって拡散し、それによって、太陽光パネルの表面における影を照らすことで、太陽光パネルを暗くさせないようにし、それにより太陽光パネルによって生成される出力電力を増幅する。
【0069】
一実施形態では、第1の側は複数の屈折要素を有し、第2の側は滑らかな表面を備える。別の実施形態では、第1の側および第2の側は複数の屈折要素を各々有する。
【0070】
一実施形態では、屈折-反射シートを配置するステップは、太陽光が第1の側に入り、滑らかな表面を有する第2の側を出て行くように、複数の屈折要素を有する第1の側を太陽光の源に向けるように配置することを含む。
【0071】
別の実施形態では、屈折-反射シートを配置するステップは、太陽光が第2の側に入り、複数の屈折要素を有する第1の側を出て行くように、滑らかな表面を有する第2の側を太陽光の源に向けるように配置することを含む。
【0072】
一実施形態では、屈折-反射シートはレンチキュラーシートであり、前記複数の屈折要素は複数のレンチキュールを備える。
【0073】
別の実施形態では、屈折-反射シートは複数の凸レンズを備える。
【0074】
なおも別の実施形態では、屈折-反射シートはドーブプリズムの配列を備える。
【0075】
さらなる実施形態では、屈折-反射シートは波状プリズムシートである。
【0076】
一実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光パネルへと略平行な方向で配置される。
【0077】
一実施形態では、屈折-反射シートは、より多くの太陽光を通過させることができるように、反射防止被覆で被覆される。別の実施形態では、屈折-反射シートは、より多くの太陽光を通過させることができるように、反射防止膜をさらに備える。
【0078】
本発明のなおも別の態様では、物体と太陽光パネルとの間に第1の側および第2の側を有する第1の屈折-反射シートを、太陽光がシートの第1の側およびシートの第2の側の一方に入り、反対側を介して出て行くように配置するステップと、第1の側および第2の側を有する第2の屈折-反射シートを、第1の屈折-反射シートを出て行く太陽光が第2の屈折-反射シートで跳ねかえって太陽光パネルの表面へと反射するように、太陽光パネルの前に近接してその略前に配置するステップとを含む、影が表面の一部分に投じられている太陽光パネルのために出力電力を増幅する方法が提供される。第1および第2の屈折-反射シートの各々は、太陽光を太陽光パネルの表面にわたって拡散し、それによって、太陽光パネルの表面における影を照らすことで、太陽光パネルを暗くさせないようにし、それにより太陽光パネルによって生成される出力電力を増幅する。
【0079】
一実施形態では、方法は、追加の太陽光を第1の屈折-反射シートに通して太陽光パネルの表面へと反射するために、反射パネルを第1の屈折-反射シートの下に配置するステップをさらに含む。
【0080】
本発明のなおも別の態様では、太陽光パネルの出力電力を増幅する前述の方法を実施するために、太陽光パネルと、第1の屈折-反射シートと、第2の屈折-反射シートとを備える、太陽光パネルの出力電力を増幅するためのシステムが提供される。
【0081】
ここで、実施形態が、添付図を参照して、例だけを用いて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1A】太陽光パネルによって生成される電流の測定を提供するマルチメータと共に示された、本発明の様々な実施形態を示すための2つの太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図1B】1つのパネルに物体の影が投じられている太陽光パネルの別のシステムの斜視図である。
【
図1C】先行技術において知られているような、片側が線状レンチキュラーシートの形態での屈折-反射シートの斜視図である。
【
図1D】先行技術において知られているような、線状プリズムシートの形態での屈折-反射シートの斜視図である。
【
図1E】フライアイレンズとして知られている球形の凸レンズ要素を備えるプリズム配列シートの形態での屈折-反射シートの斜視図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に位置決めされた屈折-反射シートを、太陽光が屈折-反射シートで反射することで太陽光パネルの表面へと反射するように備える、
図1Bのシステムの斜視図である。
【
図2B】物体の影が2つの太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図1Aのシステムの斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に位置決めされた2つの隣接する屈折-反射シートを、太陽光が屈折-反射シートで反射することで太陽光パネルの表面へと反射するように備える、
図1Aのシステムの斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による、2つの屈折-反射シートが互いの上に積み重ねられ、太陽光パネルの下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に位置決めされていることを除いて、
図3に示したようなシステムの斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態による、追加の太陽光を同じ太陽光パネルの表面へと反射するために、第3の屈折-反射シートが2つの積み重ねられた屈折-反射シートに隣接して地面に配置されている、
図4に示したようなシステムの斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態による、1つの屈折-反射シートが、太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に配置されており、別の屈折-反射シートが、太陽光を同じ太陽光パネルの表面へと反射するために、その太陽光パネルの上縁の近くに位置決めされて角度の付けられている、
図2Bに示したようなシステムの斜視図である。
【
図7A】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光が屈折-反射シートを貫いて太陽光パネルの表面へと通過するように、影が表面の一部を暗くしている太陽光パネルの前に位置決めされた立設屈折-反射シートを備える、
図1Bのシステムの斜視図である。
【
図7B】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光が屈折-反射シートを貫いて太陽光パネルの表面へと通過するように、太陽光パネルの前に位置決めされた立設屈折-反射シートを備える、
図1Aのシステムの斜視図である。
【
図8A】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルの前において地面に配置された第1の屈折-反射シートと、その太陽光パネルの前に位置決めされた第2の立設屈折-反射シートとを備える、
図1Bのシステムの斜視図である。
【
図8B】物体の影が太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図8Aの実施形態の斜視図である。
【
図9A】先行技術において知られているような、太陽光パネルの出力電力を増幅するための、陰によって一部が暗くされる太陽光パネルへと太陽光を反射するための鏡などの反射パネルを備える、
図1Bのシステムの斜視図である。
【
図9B】物体の影が2つの太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図9Aのシステムの斜視図である。
【
図10】反射材料で被覆された屈折-反射シートを使用する、
図9Bのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図11A】本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、反射パネルに配置された屈折-反射シートを備える、
図9Aのシステムの斜視図である。
【
図11B】物体の影が2つの太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図11Aの実施形態の斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態による、反射パネルの上に配置された反射材料で被覆された屈折-反射シートを追加的に有する、
図9Bのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態による、1つの屈折-反射シートが、太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に配置されている反射材料で被覆されており、別の屈折-反射シートが、太陽光を同じ太陽光パネルの表面へと反射するために、その太陽光パネルの上縁の近くに位置決めされて角度の付けられている反射材料で被覆されている、
図12に示したようなシステムの斜視図である。
【
図14】太陽光パネルによって生成される電力について、立設屈折-反射シートによって投じられた影の影響と、暗くする物体の影響とを比較するための、
図1Aの太陽光パネルのシステムと同様の太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図15A】比較のための基準値を確立するために、電圧測定で示された2つの薄膜で7ワットの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図15B】比較のための基準値を確立するために、電流測定で示された
図15Aの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図16A】電流測定で示された、物体の影が2つの太陽光パネルの一方に投じられている、
図15Aの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図17A】電流測定で示された、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルの前において地面に配置された鏡などの反射パネルを備える、
図16Aの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図18A】電流測定で示された、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルの前において地面に配置された屈折-反射シートを備える、
図16Aの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図19A】電流測定で示された、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルの前において地面に配置された鏡などの反射パネルと、反射パネルの上における屈折-反射シートとを備える、
図16Aの太陽光パネルのシステムの図である。
【
図20A】電流測定で示された、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルの前において地面に配置され、太陽光パネルの下方縁の近くで太陽光パネルに対して直角に配置された3つの屈折-反射シートを備える、
図15Aにおけるような太陽光パネルのシステムの図である。
【
図21】第1の太陽光パネルの下方縁の近くで第1の太陽光パネルの前において地面に配置され、第1の太陽光パネルに対して直角を有している3つの反射パネルと、第2の太陽光パネルの下方縁の近くで第2の太陽光パネルの前において地面に配置され、第2の太陽光パネルに最適な角度を有する、各々が屈折-反射シートを上に有する3つの反射パネルとを備える太陽光パネルのシステムの図である。
【
図22】両方の太陽光パネルが反射パネルに対して最適な角度を有している、
図21のシステムと同様の太陽光パネルのシステムの図である。
【
図23】両方の太陽光パネルが反射パネルに対して直角を有している、
図21のシステムと同様の太陽光パネルのシステムの図である。
【
図24A】本発明の実施形態による、複数の屈折-反射円筒を伴う太陽光パネルの正面斜視図である。
【
図24B】反射ボール紙材料から作られたボール紙円筒の図である。
【
図25A】太陽光パネルの下方縁の前でその下方縁の近くに位置決めされている屈折-反射円筒を伴う太陽光パネルの電流を対照用太陽光パネルと比較するためのシステムの斜視図である。
【
図25B】
図25Aに示されているような太陽光パネルの下方縁の前においてその下方縁の近くで位置決めされている屈折-反射円筒を伴う太陽光パネルの電圧を対照用太陽光パネルと比較するためのシステムの斜視図である。
【
図26A】電流測定で示された、
図24Bに示されているような反射ボール紙材料から作られた円筒が屈折-反射円筒に追加的に嵌め込まれている、
図25Aのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図26B】電圧測定で示された、
図26Aのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図27A】電流測定で示された、
図25Aに示されているような太陽光パネルの下方縁の前においてその下方縁の近くで位置決めされている屈折-反射円筒を伴う太陽光パネルの性能を、太陽光パネルの下方縁の前においてその下方縁の近くで配置されている屈折-反射シートを有する別の太陽光パネルの性能と比較するためのシステムの斜視図である。
【
図27B】電圧測定で示された、
図27Aのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図28】太陽光線を反射するために屈折-反射シートが取り付けられており、太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前でその下方縁の近くに配置されている透明ライオットシールドを有する1つのパネルを伴う太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図29】追加のライオットシールドが、そのライオットシールドに取り付けられて同じ太陽光パネルの上縁の上方で保持されている屈折-反射シートを有する、
図28のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図30】鏡などの反射パネルがライオットシールドの下に配置されている、
図28のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図31】ライオットシールドが前に配置されている同じ太陽光パネルの側方に配置された2つの立設屈折-反射シートを追加的に有する、
図30のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図32】ライオットシールドが前に配置されている同じ太陽光パネルの側方に配置された2つの立設反射パネルを追加的に有する、
図30のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図33】1つのパネルの前でそのパネルの下方縁の近くで配置されている反射材料で被覆された屈折-反射シートと、太陽光線を反射するために同じパネルの側方と上方とに配置された3つの反射パネルとを有する太陽光パネルの斜視図である。
【
図34】太陽光線を太陽光パネルへと反射させるために、線状レンチキュラーレンズの最適な極性となるようにされている、4つの線状レンチキュラーシートによって包囲された太陽光パネルを示す図である。
【
図35】4つの線状レンチキュラーシートが太陽光パネルに対して凸状の様態で湾曲されている、
図34の図と同様の図である。
【
図36】4つの線状レンチキュラーシートが太陽光パネルに対して凹状の様態で湾曲されている、
図34の図と同様の図である。
【
図37】太陽光パネルに対して、2つの線状レンチキュラーシートが凸状の様態で湾曲されており、2つの線状レンチキュラーシートが凹状の様態で湾曲されている、
図34の図と同様の図である。
【
図38】太陽光線を太陽光パネルへと反射させるために、線状レンチキュラーレンズの最適未満の極性となるようにされている、4つの線状レンチキュラーシートによって包囲された太陽光パネルを示す図である。
【
図39】4つの線状レンチキュラーシートが太陽光パネルに対して凸状の様態で湾曲されている、
図38の図と同様の図である。
【
図40A】電流測定で示された、反射パネルによって3つの側から包囲されている1つのパネルが、反射パネルと、反射パネルの上に配置された屈折-反射シートとから各々成る、太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図41A】影が太陽パネルのうちの1つに投じられている、
図40Aと同様のシステムの図である。
【
図41B】影が太陽パネルのうちの1つに投じられている、
図40Bと同様のシステムの図である。
【
図42】反射パネルで4つの側から包囲されている1つの太陽光パネルを伴い、そのうちの2つは、太陽光パネルの側方に配置されたレンチキュラーシートで覆われた鏡であり、そのうちの2つは、上および下で裏に鏡を有する透明なライオットシールドである、太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図43】反射パネルで4つの側から包囲されている1つの太陽光パネルを伴い、そのうちの3つはその太陽光パネルの側方および下に配置されたレンチキュラーシートで覆われた鏡であり、1つはレンチキュラーシートで覆われ、裏に鏡を有するライオットシールドなどの透明な表面である、太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図44】屈折-反射シートで覆われた3つの反射パネルが太陽光パネルのうちの1つの下方縁の前でその下方縁の近くに配置されている1つのパネルを伴う、太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図45】反射パネルおよび屈折-反射シートカバーを有するパネルの両側に配置された屈折-反射シートカバーを伴う2つ立設反射パネルを追加的に有する、
図44のシステムの斜視図である。
【
図46A】湾曲させられ、反射体パネルを有するパネルの前に配置されたレンチキュラーシートなどの屈折-反射シートを追加的に有する
図40Aのシステムの斜視図である。
【
図47】屈折-反射シートが3つの反射パネルに配置されていない、
図46Aのシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図48】他の反射パネルによって包囲されている太陽光パネルの上縁の上方でその上縁の近くに保持された鏡などの反射パネルを追加的に備える、
図47のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図49】屈折-反射シートカバーを伴う4つの反射パネルを1つパネルの下縁の前でその下縁の近くに有し、追加的に、そのパネルの側縁に取り付けられた屈折-反射シートカバーを有する反射材料の2つのストリップを有する1つのパネルを伴う太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【
図50】そのパネルの上縁に取り付けられた屈折-反射カバーを有する反射材料の追加のストリップを特徴とする、
図49のシステムと同様のシステムの斜視図である。
【
図51】1つのパネルが、屈折-反射シートの上に配置された回折格子シートを追加的に有する、屈折-反射カバーシートを伴う反射パネルを下縁の前でその下縁の近くに各々有する2つの太陽光パネルのシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
先に記載された発明の背景は、先行技術において知られている具体的な問題を特定しているが、本発明は、一部では、新規の有用な適用例を提供する。
【0084】
図1Aは、2つの30ワットの単結晶太陽光パネル40、45の先行技術のシステムの斜視図である。太陽光パネル40の出力電流と太陽光パネル45の出力電流とは実質的に同じであり、これを様々な構成を比較するための良好なシステムにしている。
図1Bは、2.5ワットの非晶質(薄膜)太陽光パネル40、45の別の先行技術のシステムの斜視図であり、一方の太陽光パネル40は、太陽光10が太陽光パネルに向けて方向付けられているため、物体20の影30が投じられている。2つのマルチメータ60、65が、太陽光パネル40および45の出力電流をそれぞれ測定するために使用される。太陽光パネル40の一部分を暗くする部分的な影であっても、出力電流に大きな影響を有し、そのため出力電力にも大きな影響を有することが観測されている。この例では、パネル40および45は薄膜太陽光パネルである。図示されているように、マルチメータ65は、パネル45については0.1Aの出力電流を示しており、パネル40については0.01A(10mA)の出力電流を示している。パネル40の表面の一部分だけが物体20の影30によって暗くされているが、出力電流における低下はおおよそ90%である。
【0085】
図1Cは、先行技術において知られているような、片側が線状レンチキュラーシート800の形態での屈折-反射シートの斜視図である。線状レンチキュラーシート800は、その第1の側における複数の屈折要素を、複数の線状レンチキュール810の形態で有する。
図1Dは、先行技術において知られているような、線状プリズムシート900の形態での屈折-反射シートの斜視図である。線状プリズムシート900は、その一方の側における複数の屈折要素を、複数の線状プリズム要素910の形態で有する。
図1Eは、フライアイレンズとして知られている球形の凸レンズ要素を備えるプリズム配列シートの形態での屈折-反射シートの斜視図である。配列プリズムシート1000は球形要素1010を備える。他の実施形態(図示せず)では、プリズム要素は円錐形、ピラミッド形、ドーブプリズムなどであってもよい。さらなる実施形態(図示せず)では、屈折-反射シートは波状プリズムシートであってもよい。上記の実施形態のいずれにおいても、屈折要素は、第1の側に加えて、第2の側(図示せず)に形成または位置されてもよい。
【0086】
本発明者は、後で説明しているように、影の存在において太陽光パネルの出力を増幅するために、太陽光パネルと併せて
図1C~
図1Eに示された屈折-反射シートと、他の反射パネルとを使用している。
【0087】
図2Aは
図1Bのシステムの斜視図であり、本発明の実施形態による、影30を低減するための屈折-反射シート100を特徴としている。屈折-反射シート100は、概して、太陽光パネル40の下方縁の近くで太陽光パネル40の前において地面に平坦に配置されている。屈折-反射シート100は、影30に覆われた領域の周りの領域から太陽光を受ける。受けた太陽光は、太陽光パネル40の表面へと反射および拡散させられる。これは、パネル40における影部分230がより照らされ、
図1Bの元の影30より暗くならない結果となる。結果として、マルチメータ60の出力電流が約0.02Aになると観測された。太陽光パネルの部分を暗くする影を何ら有していない太陽光パネル45によって生成される出力電流(0.10A)よりなおも80%低いが、太陽光パネル40の前において地面に配置された屈折-反射シート100を伴うパネル40の出力電流は、
図1Bに示されているような屈折-反射シート100を使用しない太陽光パネル40の出力電流の2倍(つまり、100%の上昇)である。出力電圧におけるわずかな変化が観測された。太陽光パネルの出力電力は出力電圧と出力電流との積に等しいため、出力電流における増加は出力電力における同様の増加を作り出す。したがって、
図2Aについて、屈折-反射シート100の使用は、影によって部分的に暗くされる太陽光パネルの出力電力を100%向上させる。
【0088】
図2Bは、2つの太陽光パネル40および45のいずれかに投じられる物体の影なしで、
図2Aの実施形態と同じ様態で屈折-反射シート100が太陽光パネル40の前において地面に配置されている、
図1Aのシステムの斜視図である。それによって、太陽光に曝されている太陽光パネル45は、マルチメータ65によって指示されているように1.16Aの電流を生成した。太陽光パネル40の前における太陽光パネル40の下方縁の近くで地面での屈折-反射シート100の配置は、追加の太陽光10を太陽光パネル40へと反射させた。結果として、太陽光パネル40によって生成され、マルチメータ65によって指示された出力電流は、太陽光パネル45の出力電流より大きい1.30Aで観察された。したがって、太陽光パネル40の前における地面に配置された屈折-反射シート100の使用は、同じ量の太陽光10に曝されるとき、出力電力をおおよそ12%だけ向上させる。
【0089】
図3は、本発明の実施形態による、太陽光パネルの出力電力を増幅するために、太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に位置決めされた2つの隣接する屈折-反射シート100および102を、太陽光10が屈折-反射シート100および102で反射することで太陽光パネル40の表面へと反射するように備える、
図2Bのシステムの斜視図である。屈折-反射シート100は太陽光パネル40に近接しており、シート102は太陽光パネル40から遠位にある。この場合、太陽光パネル45は1.18Aの電流を生成し、太陽光パネル40は1.35Aを生成する。したがって、出力電力における向上は約14.4%である。そのため、太陽光パネル40から遠位に位置決めされた追加の屈折-反射シート102は、1つの屈折-反射シートが一緒に使用されている太陽光パネルと比較して、太陽光パネル出力電力において控えめながらも追加的な向上を行っている。
【0090】
図4は、本発明の実施形態による、太陽光10を太陽光パネル40の表面へと反射するために、2つの屈折-反射シート100および102が互いの上に積み重ねられ、太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に位置決めされていることを除いて、
図3に示したようなシステムの斜視図である。この実施形態では、シート100および102は、同じ方向において配向された、つまり、同じ極性を有する線状レンチキュラーレンズを両方とも有する線状レンチキュラーシートである。太陽光パネル40の出力電流は、太陽光パネル45からの1.16Aの出力電流と比較して、1.36Aになると観測された。したがって、17%超の向上が観測された。したがって、屈折-反射シートの積み重ねは、
図2Bおよび
図3の実施形態においてそれぞれ行われたように、単一のシートを使用することに対して、および、2つの隣接するシートを使用することに対して、好ましいとされる。
【0091】
図5は、本発明の実施形態による、追加の太陽光を太陽光パネル40の表面へと反射するために、第3の屈折-反射シート104が2つの積み重ねられた屈折-反射シート100および102に隣接して地面に配置されている、
図4に示したようなシステムの斜視図である。太陽光パネル40によって発生させられる観測された電流は、太陽光パネル45についての1.16Aと比較して、1.42Aであった。したがって、出力電流/電力における20%超の向上が、同じ極性を有する線状レンチキュラーシート100、102など2つの積み重ねられたシートと、太陽光パネル40の下方縁に対して、積み重ねられたシートから遠位に配置された追加の隣接するシート104とを用いることによって、達成され得る。
【0092】
図6は、本発明の実施形態による、1つの屈折-反射シート100が、太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に配置されており、別の屈折-反射シート106が、太陽光を同じ太陽光パネルの表面へと反射するために、その太陽光パネル40の上縁の近くに位置決めされて角度を付けられている、
図2Bに示したようなシステムの斜視図である。パネル45の出力電流は1.17Aであり、パネル40の出力電流は1.52Aであった。したがって、2つのシート100および106は、より多くの太陽光を反射することで、パネル40の出力電流を増加させた。向上は、出力電流においておおよそ30%であった。
【0093】
一実施形態では、使用された屈折-反射シートは、複数の屈折要素を有する第1の側と、滑らかな表面を有する第2の側とを各々有する。一実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光を受けて太陽光パネルに向けて反射するために、屈折要素を含む側が上に向いている状態で地面に配置される。この実施形態では、屈折-反射シートの第2の側の滑らかな表面は、シートの太陽光の反射性を増加させるために色で被覆され得る。代替で、屈折-反射シートの第2の側の滑らかな表面は反射媒体で被覆されてもよい。別の実施形態では、屈折-反射シートは、太陽光を受けて太陽光パネルに向けて反射するために、滑らかな側が上に向いている状態で地面に配置される。
【0094】
別の実施形態では、屈折要素を含む側が上を向き、屈折要素は、太陽光パネルへの光の反射量を増加させるために反射性被覆で被覆される。被覆は、屈折-反射シートの製造工程の一部であり得る、または、屈折要素の上面に塗布され得る。反射性塗料または鏡被覆は、反射した出力を制御するために、および、構造上の色の選択を増加させるために、銀、クロム、金、プラチナ、ブロンズ、赤、緑、青、任意の他の適切な色、または色の組み合わせであり得る。これらの実施形態の一部は、後で記載されているように、
図10および
図12~
図13を参照して示されている。結果的にできた屈折-反射シートは、鏡ブースタと幾らか同様に機能するが、後でさらに説明されているように、反射光を太陽光パネルにわたって分散し、機能しない状態を回避するという追加の利点を有する。
【0095】
図1Bのシステムの斜視図である
図7Aを見ると、本発明の別の実施形態による、影を低減するための立設屈折-反射シート200を特徴としている。この実施形態では、屈折-反射シート200は、影30を太陽光パネル40に投じる物体20と太陽光パネル40との間に配置されている。シート200の配置は、太陽光がシートの一方の側に入り、反対側から太陽光パネルへと出て行くようになっている。一実施形態では、屈折-反射シート200を物体20と太陽光パネル40との間に配置することは、太陽光が滑らかな表面を有する第2の側に入るように屈折-反射シート200を配置することを含む。別の実施形態では、屈折-反射シート200を物体20と太陽光パネル40との間に配置することは、太陽光が複数の屈折要素を有する第1の側に入るように屈折-反射シート200を配置することを含む。別の実施形態では、屈折-反射シート200を物体20と太陽光パネル40とのいずれかの側に配置することは、太陽光が滑らかな表面を有する第2の側に入るように屈折-反射シート200を配置することを含む。なおも別の実施形態では、屈折-反射シート200は複数の屈折要素を両側に有する。屈折-反射シート200は、太陽光を太陽光パネルの表面にわたって拡散し、それによって、太陽光パネルの表面における影330を照らすことで、太陽光パネルを暗くさせないようにし、それにより太陽光パネル40の出力電力を増幅する。
図7Aにおいて見られるように、シート200を使用することから生じる出力電流は、
図1Bの場合において測定されているようなシート200のないときに測定された出力電流の600%の出力電流である。
図7Bは、
図7Aにおけるような立設屈折-反射シート200を伴う
図1Aの実施形態の斜視図である。この場合、太陽光パネル40の(0.96Aでの)出力電流は、太陽光パネル45の(1.2Aでの)出力電流の約80%である。したがって、屈折-反射シート200の使用は、影のない構成において、太陽光パネルの出力電流を約20%低減するが、影が太陽光パネルに投じられている場合には出力電流を約800%増加させる。全体として、一日の相当の部分にわたってパネルに影が投じられる領域では、一日を通じての太陽光パネルの平均出力電力が
図7Aおよび
図7Bにあるような配置を用いることで増加させられることになる。
【0096】
図1Bのシステムの斜視図である
図8Aをここで見ると、本発明のなおも別の実施形態による、太陽光パネル40へと投じられる影を低減するための2つの屈折-反射シート100および200を特徴としている。この実施形態では、太陽光10は、先のように、物体20の影30を太陽光パネル40に向けて投じている。屈折-反射シート200は、太陽光10が第1の屈折-反射シート200の一方の側に入り、他方からパネル40へと出て行くように、物体20とパネル40との間に配置されている。また、別の屈折-反射シート100が、シート200を出る太陽光の一部が屈折-反射シート100において太陽光パネル40へと反射されるように、概して太陽光パネル40の前において太陽光パネル40に近接して地面に配置されている。シート200とシート100との両方による太陽光の拡散の効果は、パネル40におけるはるかに低減した影430をもたらす。パネル40からの観測された出力電流は、屈折-反射シートが存在しない場合にパネル45から観測された出力電流より800%大きくなると観測された。別の言い方をすれば、影がないパネル45と比較しての電流における低減は20%だけである。
図8Bは、物体の影が2つの太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図8Aの実施形態の斜視図である。この場合、パネル40の出力電流(0.09A)は、パネル45の出力電流(0.1A)の90%である。パネル45とパネル40との間での出力電圧における小さな低下と組み合わされて、パネル40の出力電力は、パネル45の出力電力のおおよそ88.76%の出力電力になると観測されている。有利には、この配置は、影が存在しないときにおける性能における実質的な損失なしで、影によって部分的に暗くされた太陽光パネルの性能を大幅に高める。
【0097】
別の実施形態では、屈折-反射シート100は、第1の側と第2の側との両方において複数の屈折要素を揺する。概して太陽光パネル40の前において地面に配置されるとき、太陽光10はシート100において太陽光パネル40に向けて反射される。
【0098】
図9Aは
図1Bのシステムの斜視図であり、先行技術において知られているように、影30を低減しようとする試みにおいて太陽光パネル40の前に配置された反射パネル500を特徴としている。反射パネル500は、太陽光を太陽光パネル40の表面へと反射させる。しかしながら、太陽光がパネルの小さい領域へと集中させられるため、影30における大幅な低減はなかった。マルチメータ60および65からの電流読み取りは、
図1Bにおけるマルチメータ60および65の読み取りと同様であった。
【0099】
図9Bは、
図9Aの反射パネル500と同様の反射パネル500を有するシステムの斜視図であるが、物体の影が太陽光パネル40および45のいずれにも投じられていない状態での
図1Aと同様のパネルのシステムを特徴としている。太陽光パネル40は1.66Aを生成し、太陽光パネル45は1.19Aを生成している。この場合、太陽光パネル40の出力は、パネル40が直接の太陽光と反射した太陽光との両方を受けるため、太陽光パネル45の出力より約33%大きい。しかしながら、鏡を使用することは、太陽の反射が太陽光パネルにおける小さい領域へと集中させられ、これが電池の焼けを引き起こすため、太陽光パネル40についての保証を無効にする可能性がある。例えば、
図9Aについて、または、概して
図9Bについて、太陽光10が異なる方向にあり、太陽光パネル40に影がないとき、直接的および反射パネル500からの反射の両方で太陽光パネル40へと注ぐ太陽光は、小さい領域で集中させられ、そのため太陽光パネル40の定格より大きくなり、その領域における電池の焼けを引き起こす。電池の焼けは、概して太陽光パネルの保証に含まれていない。
【0100】
図10は、鏡の代わりに反射材料で被覆された屈折-反射シートを使用する、
図9Bのシステムと同様のシステムの斜視図である。屈折-反射シートは、反射材料で被覆され、レンチキュラーレンズ側が上を向いた状態で太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に配置された線状レンチキュラーシート550である。太陽光10は、シート550において反射し、それによって太陽光パネル40の表面へと反射する。太陽光パネルからの観察された出力電流は、太陽光パネル45の前に配置された屈折-反射シートまたはレンチキュラーシートを有さない太陽光パネル45についての1.15Aと比較して、1.43Aであった。したがって、出力電流、延いては出力電力が、24%増加させられている。太陽光パネル40についての観察された出力電流は、
図9Bに記載されているような鏡などの反射パネルの使用を伴って観察された出力電流より小さい。しかしながら、太陽光線を異なる方向に反射する複数のレンチキュラーレンズのため、太陽光パネル40における反射した光線は、太陽光パネル40の表面にわたって分散され、特定の領域へと集中させられない。鏡を使用するときに観察された電流より若干小さい電流を生成する間、太陽光線の分散は、太陽光パネル40の定格が超過させられず、そのため機能しない状態が起こらないことを確保する。有利には、出力電力を相当に増幅する一方で、太陽光パネル40の損傷が回避される。
【0101】
図11Aは
図9Aのシステムの斜視図であり、本発明の実施形態による、反射パネル500と、影30を低減するために反射パネル500に配置された屈折-反射シート600を特徴としている。屈折-反射シート600に注ぐ太陽光は2つの経路を取る。太陽光の一部分は、屈折-反射シート600においてパネル40の表面へと反射させられる。太陽光の別の部分は、屈折-反射シート600を通過し、反射パネル500において反射させられ、屈折-反射シート600を再び通過し、そしてパネル40へと到達する。有利には、より多くの太陽光がパネル40に注ぐことになり、したがって、出力電流は、
図1Bにおけるような影によって暗くさせられたパネル40によって生成される出力電流と比較して、増加させられる。追加で、太陽光パネル40によって生成される電力は、太陽光パネル40の一部分に投じられた影にも拘らず、太陽光パネル45によって生成される電力に近い。例えば、0.29Aの出力電流が太陽光パネル40から観測された。したがって、パネル40の出力電流(0.29A)はパネル45の出力電流の約24%である。パネル40へと投じられた同様の影の存在における同じ太陽光パネルで実施された試験(図示せず)は、0.09Aだけを生成するパネル40をもたらす。したがって、反射パネル500と屈折-反射シート600とは、出力電力を0.29A/0.09A=3.2倍または320%増加させた。
【0102】
図11Bは、物体の影が2つの太陽光パネルのいずれにも投じられていない状態での
図11Aの実施形態の斜視図である。この場合、太陽光パネル40の出力電流が1.42Aである一方で太陽光パネル45の出力電流が1.19Aだけであるという事実によって示されているように、太陽光パネル40は太陽光パネル45よりおおよそ20%大きな電力を生成する。
図11Aおよび
図11Bの両方において、屈折-反射シート600の使用は、反射パネル500から反射された太陽光を太陽光パネル40の電池にわたって拡散させ、それによって、電池の焼けを引き起こすことになる過剰な太陽光が太陽光パネル40の特定の小さい領域に注ぐのを防止し、同時に、直接的な太陽光を使用するだけの太陽光パネルの出力電力に対して出力電力を増加させる。電力増加が、鏡だけが使用されている
図9Bのシステムの電力増加(電力における40%の増加があった)より若干小さいが、電池の機能しない状態を回避することと保証を無効にすることとの利点は、電力増加における小さな差を補って余りあるものである。一実施形態では、反射パネル500は明るい色の付けられた表面を備える。別の実施形態では、反射パネル500は鏡の反射面を備える。
【0103】
図12は、本発明の実施形態による、反射パネル500の上に配置された反射材料で被覆された屈折-反射シート550を追加的に有する、
図9Bのシステムと同様のシステムの斜視図である。この場合における太陽光パネル40からの観測された電流出力は1.53Aであり、パネル45は1.18Aを生成した。これは、出力電流における(したがって、電圧が大まかには同じであるため、出力電力における)約30.5%の増加となる。反射材料で覆われた屈折-反射シート550が反射パネルなしで単独で使用されていた
図10の場合と比較しての、
図12のシステムにおいて観測された出力電流における小さな増加は、シート550における反射スプレーによって得られた反射性に加えて、反射パネル500からの少量の反射性に起因すると考えられ得る。同様に、
図11Bのシステムに対して
図12において観測された出力電流の小さな増加は、反射パネル500の上に配置された反射性被覆を有していない屈折-反射シートまたは線状レンチキュラーシート600の使用と比較して、シート550に適用された反射性被覆に起因すると考えられ得る。
【0104】
図13は、
図12のシステムと同様のシステムの斜視図であるが、シート550および552の各々の被覆された表面が太陽光を太陽光パネルへと反射するように配向されるように、反射材料で被覆され、太陽光パネル40の上方に位置決めされた追加の屈折-反射シート552を利用している。例えば、屈折-反射シート550は、反射材料で被覆されるレンズ側を有する線状レンチキュラーシートとでき、太陽光パネル50の下方縁の前においてその下方縁の近くで地面に配置される。同様に、屈折-反射シート552は、反射材料で被覆されるレンズ側を有する線状レンチキュラーシートとでき、被覆されたレンズ側が太陽光線10を太陽光パネル40の表面へと反射するように太陽光パネル40の上縁の近くに位置決めされて配向される。パネル40の出力電流は、太陽光パネル45からの1.20Aの出力電流と比較して、1.87Aになると観測された。これは、ここでも有利には電池の焼けを引き起こさない太陽光パネル40の表面における光線の分配によって、56%の増加となる。
【0105】
別の実施形態では、被覆の色および/または艶の両方が、屈折要素または屈折-反射シートの滑らかな側のいずれかに適用されてもよい。屈折側を色付けすることは、(屈折側が上を向く状態でシートが地面に配置されているため、)下にあり得る滑らかな側を色付けすることに比べて、パネルへのより多くの反射またはより少ない反射を生成する可能性がある。色は、屈折-反射シートから太陽光パネルへと反射される光の量を制御するために変化させられてもよい。有利には、これは、レンズを制御された反射出力で作り出すことができ、また、太陽光パネルシステムの視認可能な構成要素である屈折-反射シートに見た目の良さを作り出すことができる。着色は製造工程に加えることができ、それによって、材料は、その色で製作され、塗布される必要がない。色はまだらにされてもよく、それによって複数の色が使用され、艶が混合されてもよく、それによって屈折-反射シートのカモフラージュ効果を作り出す。これにより、屈折-反射シートは、背景へと溶け込み、高コントラストの像が屈折-反射シートの輪郭を破壊し得る迷彩カモフラージュとして作用し、または、構造もしくは環境への溶け込みもしくはコントラストを助けるための構造的な色の選択として作用し、あるいはそれらの組み合わせが生じることが可能になる。色付けは、屋根瓦またはブロックなど、宣伝、芸術、模倣の屋根の構造のために使用されてもよい。
【0106】
図14は、屈折-反射シートが、物体の影が投じられていないパネル40の前に配置された符号200であり、物体20の影770が別のパネル45に投じられている太陽光パネルのシステムの斜視図である。シート200はパネル40に弱い影730を投じている。システムは、屈折-反射シート200が前に配置されている太陽光パネル40によって発生させられた電流を、物体20の影770が投じられている太陽光パネル45によって発生させられた電流と比較している。見て取れるように、パネル40は0.92Aを生成し、一方でパネル45は0.08Aしか生成していない。したがって、屈折-反射シート200をパネル40の前に配置する結果としての電流の発生における低減は、パネル45における物体20の部分的な影770によってすら引き起こされる低減と比較して最小限である。
【0107】
図15Aおよび
図15Bは、本発明の実施形態を試験するときに使用するための2つの薄膜の7Wの太陽光パネルのシステムを示している。
図15Aでは、マルチメータ60および65は電圧測定のために構成された。パネル40が27.9Vを生成し、パネル45が27.5Vを生成することが確立された。
図15Bでは、マルチメータ60および65は電流検出のために構成された。パネル40が0.23Aを生成し、パネル45が0.26Aを生成することが分かった。パネル40とパネル45との間での発生させられた電圧および電流のこれらの小さな違いは、製造の違いに起因すると考えられ得る。
【0108】
図16Aおよび
図16Bは、物体20の影が太陽光パネル40に投じられている
図15Aおよび
図15Bのシステムを示している。
図16Aでは、太陽光パネル45が
図15Bからの変化なしで0.26Aを生成し、物体20の影によって一部暗くされている太陽光パネル40は、
図15Aにおける0.23Aと比較して0.03Aしか生成しないことが分かった。
図16Bを参照すると、パネル40からの電圧は27.9Vから26.6Vへと低下した一方で、パネル45は27.5Vに留まったことが観測された。電圧と電流との積である電力を計算することで、太陽光パネル40について、電力が26.6V*0.03A=0.798Wに等しいことが分かった。比較として、
図15Aおよび
図15Bのシステムにおける同じ太陽光パネル40についての電力は、27.9V*0.23A=6.417Wであった。したがって、影は、太陽光パネル40の電力を、影がない場合に生成された電力の約12.43%まで低下させた。
【0109】
図17Aおよび
図17Bは、鏡などの反射パネル500が、太陽光10をパネル40の表面へと反射させるために、パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで配置されているシステムを示している。鏡によって、パネル40によって生成された電圧が27.0Vになることが分かった。しかしながら、
図17Aに示されているように、電流における変化はなかった。しかしながら、太陽光パネル40によって生成される電力は、影のない
図15Aおよび
図15Bにおける同じ太陽光パネルによって生成された電力の約12.6%である27.0*0.03=0.81Wであった。したがって、鏡は、影の存在においてパネル40によって生成される電力を相当に向上させることはなかった。
【0110】
図18Aおよび
図18Bは、屈折-反射シート100が、太陽光10をパネル40の表面へと反射させるために、パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで配置されている、
図15Aおよび
図15Bのシステムを示している。この場合、太陽光パネル40からの測定された電流は0.05Aであり、電圧は26.9Vであった。したがって、電力は、
図15Aおよび
図15Bのシステムにおけるパネル40によって生成された影のないときの電力の約21%である1.345Wであった。そのため、線状レンチキュラーシートまたは同様のシートであり得る屈折-反射シート100は、影の存在においてパネル40によって生成される電力を向上させる。
【0111】
図19Aおよび
図19Bは、屈折-反射シート100が、反射パネル500の上に積み重ねられ、太陽光10をパネル40の表面へと反射させるために、パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで両方とも配置されている、
図15Aおよび
図15Bのシステムを示している。この場合、太陽光パネルからの測定された電流は0.09Aであり、電圧は27.4Vであった。したがって、太陽光パネル40によって生成される電力は、
図15Aおよび
図15Bの影のない構成における同じ太陽光パネルによって生成された電力の約38%である27.4V*0.09A=2.466Wである。そのため、反射パネル500と、その上に積み重ねられた屈折-反射シートとの組み合わせが、太陽光パネルに投じられる影を有することによって失われる電力をより効果的に低減することが分かる。パネル40の表面に形成される影630は、反射パネル500による反射と、線状レンチキュラーシートまたは同様の材料であり得る屈折-反射シート100による屈折/分散とがされた太陽光によって照らされる。
【0112】
図20Aおよび
図20Bは、2つの30ワットの単結晶太陽光パネル40および45のシステムを示している。3つの屈折-反射シート100が太陽光パネル45の前に配置された。図示されているように、第1のシートが太陽光パネル45の下方縁の近くに配置されており、2つの隣接するシートが第1のシートに隣接して配置された。また、パネル45は、シートに対しておおよそ90度の角度とされた。電流測定は、パネル40によって生成された1.13Aと比較して、パネル45によって生成された1.76Aを示した。パネル45は20.4の電圧を示したが、パネル40は20.2ボルトを生成した。そのため、パネル45によって生成された電力は35.90Wであったが、パネル40によって生成された電力は22.83Wだけであった。したがって、3つの屈折-反射シートの使用に加えて、シートに対して垂直に配置された太陽光パネルを有することは、同様の太陽光の条件の下で57%より大きな電力を生成した。
【0113】
図21は、2つの太陽光パネル40および45のシステムを示している。3つの反射パネル500(鏡など)は、
図20Aおよび
図20Bを参照して先に記載したのと同じ様態でパネル45の前に配置された。屈折-反射シート100が各々積み重ねられている3つの反射パネル500(鏡など)は、パネル45の前に配置された3つの反射パネルと同じ様態でパネル40の前に配置された。太陽光パネル45は、反射パネルに対して90度の角度で配置された。太陽光パネル40は、シートに対して(より多くの太陽光をパネルに反射する)最適な角度で配置された。太陽光パネル45は1.62Aの電流を生成し、太陽光パネル40は1.78Aの電流を生成することが分かった。太陽光パネル45が20.5Vの電圧を生成し、太陽光パネル40が20.4Vの電圧を生成することも分かった。
【0114】
図22は、パネル40とパネル45との両方が最適な角度(より多くの太陽光をパネルで反射する)で配置されていることを除いて、
図21のシステムと同様の2つの太陽光パネルのシステムを示している。この場合、パネル45は1.56Aおよび20.8Vを生成し、パネル40は1.60Aおよび20.6Vを生成した。したがって、パネル45は32.45Wを生成しており、パネル40はおおよそ33Wを生成した。
【0115】
図23は、パネル40とパネル45との両方が90度の角度で配置されていることを除いて、
図21のシステムと同様の2つの太陽光パネルのシステムを示している。パネル40は1.8Aを生成し、パネル45は1.54Aを生成した。したがって、それの上に屈折-反射材料を伴う反射パネルは、角度が最適でない場合により多くの電流を生成し、一方、鏡などの反射パネルは、最適な角度を必要とするだけである、または、生成される電流が低減される。また、太陽光パネルと材料との間の90度の角度は、太陽光パネルおよび鏡ブースタを使用する太陽光発電にとって最適な角度ではなかった。
【0116】
反射体を追加することで、太陽光パネル出力は最大で30%まで増加させられ得ることを研究は示しているが、レンチキュラーシートなどの屈折-反射シートの使用は、
図20Aおよび
図20Bのシステムにおいて示されたように、ほとんど57%の向上を伴う2倍の結果を達成できることが証明されている。それらの図におけるパネルが地面に平坦に置かれた屈折-反射シートに対して90度であったことは、留意されるべきである。したがって、屈折-反射シートは反射にとって最適な角度ではなかったが、これは典型的には研究で使用されている。90度が鏡ブースタに関して太陽光パネルを配向するための最適な角度ではないことは、
図20~
図23の実験からも決定された。
【0117】
太陽光パネルの後方から、鏡などの反射パネルが太陽光を中心点だけから反射することが立証された。しかしながら、レンチキュラーシートなどの屈折-反射シートをそれの上に有する反射パネルであれば、太陽光の反射は、鏡ほど強くはないが、パネルにわたって分散させられる。そのため、このような反射パネルは、より弱い強さであるが、より大きな表面領域にわたる分散を提供し、鏡だけで達成され得るよりも、太陽光パネルによってより多くの使用可能な太陽光を提供する。
【0118】
また、鏡の上に配置された屈折-反射材料からの反射した光の角度が、鏡だけで観測された角度より小さいことが分かった。パネルがより90度近くに配向されているため、電流は1.56Aから1.76Aへと増加した。しかしながら、パネルをそのように(90度近くに)配向することは、鏡だけと使用されるとき、電流を1.62Aから1.54Aへと低下させた。最適な角度は、時間および場所により変化できる一方で、90度に限定されず、増幅のない太陽光パネルについて標準的な計算を用いて観測された最適な角度と異なってもよい。
【0119】
屈折-反射材料とその下の反射パネルとがより均一な反射率を生成するためにより剛性のある場合、向上が成され得ることが結論付けられた。そうでない場合、反射における不規則性は、反射パネルの表面および/または反射パネルの上に配置された屈折-反射シートの表面における不規則性の結果として観測され得る。代替で、剛性のある屈折-反射シートは、太陽光パネル表面における太陽光の均一な反射を生成するために、その屈折-反射シートに適用された反射性被覆を有してもよい。
【0120】
図24Aは、本発明のなおも別の実施形態による、複数の屈折-反射円筒を伴う太陽光パネルの正面斜視図である。この実施形態では、3つの屈折-反射円筒1100が太陽光パネル40の前に配置されている。円筒1100は、各々が円筒を形成するために巻かれ、接着剤によってその形で維持された屈折-反射の矩形シートから成り得る。例として、レンチキュラーレンズシートが円筒管1100へと丸められてもよい。太陽光10は、円筒1100の円い外面から反射され、太陽光パネル40によって受けられる。太陽光パネル40は、直接の太陽光と反射した太陽光との両方を受けるため、より大きな電力を生成する。4つ以上の円筒1100の使用も検討されている。コストと太陽光電力の増大とをバランスさせることで、屈折-反射円筒の最適な数および大きさが決定され得る。円筒形は、有利には堅牢性および耐久性を提供する。また、ゴミが円筒1100に蓄積せず、その外側の湾曲した表面から逸らされやすい。円筒1100の内側の湾曲した表面は、より多くの太陽光10をパネル40へと反射させるために反射材料で被覆されてもよい。円筒は、例えば雨によって、それ自体できれいになるように穿孔されていてもよい。
【0121】
図24Bは、外側が反射性の表面で作られた円筒1102を描写している。反射円筒1102は、ボール紙から作られ、光沢のある金属物質で被覆され得る、または、その外側表面に接着させられたアルミニウム箔を有し得る。後で分かるように、円筒1102は円筒1100の内側に嵌まる大きさとされてもよい。
【0122】
図25Aは、屈折-反射円筒1100が前に配置されている太陽光パネル40の性能を、通常(対照)の太陽光パネル45の性能と比較するためのシステムである。下方縁の前においてその下方縁の近くで配置された8つの屈折-反射またはレンチキュラーの円筒1100を有するパネル40からの観測された出力電流は、1.33Aであった。太陽光パネル45の出力電流と比較すると、出力電流における増加は約13.5%であった。
図25Bは
図25Aのシステムについての電圧測定を示しており、測定は、大まかには同様の電圧がパネル40および45によって生成されたことを指示している。
【0123】
図26Aは、本発明の実施形態による、屈折-反射円筒1100が、外部の反射性被覆を有する円筒1102に追加的に嵌められている、
図25Aのシステムと同様のシステムである。8つの屈折-反射円筒1100の内側に外部の反射性被覆を有する円筒1102の追加によって、太陽光パネル40の出力電力は1.40Aになると観測された。したがって、出力電力は、追加的な太陽光線を太陽光パネル40の表面にさらに反射するために反射パネルを追加することによって、増加させられた。
図26Bは
図26Aのシステムについての電圧測定を示しており、測定は、大まかには同様の電圧がパネル40および45によって生成されたことを指示している。
【0124】
図27Aは、
図24に示されているような太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くで位置決めされている屈折-反射円筒1100を伴う太陽光パネル40の性能を、太陽光パネル45の下方縁の前においてその下方縁の近くで配置されている屈折-反射シート100を有する太陽光パネルの性能と比較するためのシステムの斜視図である。太陽光パネル40の出力電流は1.33Aになると観測され、太陽光パネル45の出力電流は1.30Aになると観測された。8つだけの円筒が使用されているが、より多くが追加されてもよいという仮定で、円筒の数を増加させることはパネル40の出力電流も増加させることができることが期待される。
図27Bは
図27Aのシステムについての電圧測定を示しており(8つの円筒を同じく有する)、測定は、大まかには同様の電圧がパネル40および45によって生成されたことを指示している。
【0125】
図28は、2つの太陽光パネルのシステムの斜視図である。屈折-反射シート100が上に配置されている透明なライオットシールド400が、太陽光線10をパネル40へと反射させるために、パネル40の前においてパネル40の下方縁の近くで配置されている。パネル40からの測定電流は1.49Aであり、パネル45の測定電流は1.21Aであった。したがって、屈折-反射シート100を伴う湾曲したライオットシールドは出力電流を23%増加させた。
【0126】
図29は、
図28のシステムと同様のシステムの斜視図であるが、両方ともパネル40の上縁の上方に配置され、太陽光線をパネル40へと反射させるように配向された追加のライオットシールド410と屈折-反射シート110とを特徴としている。パネル40からの観測された電流は、パネル45によって生成された1.21Aを約42%上回る1.72Aであった。
【0127】
図30は、追加の反射パネル500がライオットシールド400の下に配置されている、
図28のシステムと同様のシステムの斜視図である。パネル40によって観測された出力電流は、パネル45によって生成された1.21Aの電流より28%大きい1.55Aであった。
図28と比較して、ライオットシールドの下の鏡などの反射パネル500の配置は、より多くの太陽光線をパネルにおいて輝かせ、それゆえパネル40により大きな電流を発生させた。
【0128】
図31は
図30のシステムと同様のシステムの斜視図であるが、太陽光パネル40の両側に配置され、太陽光線をパネル40において反射させるために配向された2つの立設屈折-反射シート200を追加的に有する。この配置では、パネル40によって生成された電流は、パネル45によって生成された1.21Aと比較したときに57%大きい1.90Aであった。したがって、線状レンチキュラーシートとして描写されている立設シート200の追加は、出力電流において相当の増加をもたらした。
【0129】
図32は、各々に屈折-反射シート200が上に備え付けられている2つの立設反射パネル500が使用されていることを除いて、
図31のシステムと同様のシステムの斜視図である。太陽がそのピークの強さにないときに試験が行われ、そのためパネル45は0.99Aを生成しただけであった。しかしながら、同じ太陽の条件の下で、パネル40は1.92Aを生成した。これは、上における屈折-反射シールドと、下における鏡などの反射シートと、線状レンチキュラーシート200などの2つの立設屈折-反射シートとを伴うライオットシールドを使用することで、発生した電流における94%の増加を表している。太陽がより強く輝いている正午のより近くで試験が繰り返されたとき(図示せず)、パネル45に対して、パネル40について電力の103.25%の増加が観測された。
【0130】
図33は、太陽光パネル40の4つの側において反射体を有する太陽光パネルのシステムの斜視図である。パネル45は、物体が前にない対照用パネルである。太陽光パネル40は、太陽光線を反射するために太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くに配置されている反射性被覆で被覆された線状レンチキュラーシート550の形態で屈折-反射シート500を有している。また、屈折-反射シート200が配置されている2つの立設反射パネル500が、太陽光パネル40の両側に配置され、太陽光線を反射させるために配向されている。さらに、屈折-反射シート200を伴う第3の反射パネル500が太陽光パネル40の上方に位置決めされ、太陽光線を反射させるために配向されている。太陽光パネル45によって生成された1.21Aと比較して、太陽光パネルによって生成された電流が2.88Aであることが分かった。これは、138%の出力電流における増加となる。太陽光パネルと屈折-反射シート500との間の角度を変化させることで、例えば、出力電流における増加は142%もの大きさとなった(図示せず)。
【0131】
図34~
図39は、4つの線状レンチキュラーシート100によって包囲された太陽光パネル40を描写する概略図である。
図34では、レンチキュラーシートは、線状レンチキュラーレンズが太陽光パネルの表面に対して略垂直に延びるように配向されている。これは、より良好な出力電流の結果を与えるように示されており、レンズについての最適な極性となるように考慮されている。
図35は、レンチキュラーシート100が太陽光パネルに対して凸状の様態で湾曲されていることを除いて、
図34と同様である。
図36は、レンチキュラーシート100が太陽光パネルに対して凹状の様態で湾曲されていることを除いて、
図34と同様である。
図37は、2つのレンチキュラーシートが凸状であり、2つのレンチキュラーシートが凹状であることを除いて、
図34と同様である。
図38は、最適未満の極性で配向された4つの線状レンチキュラーシート100によって包囲された太陽光パネル40を描写している。この場合、レンチキュラーシートにおける線状レンチキュラーレンズは太陽光パネル40の表面と平行に延びている。
図39は、レンチキュラーシート100が太陽光パネル40に対して凸状であることを除いて、
図38と同様である。
【0132】
図40Aは、
図33のシステムと同様であるが、3つだけの反射パネルを使用する太陽光パネルのシステムの斜視図であるが。上にレンチキュラーシート100を伴う鏡などの反射パネル500が、太陽光パネル45の下縁の近くおよび側方に配置されている。また、上にレンチキュラーシート200を伴う鏡など2つの立設反射パネルが太陽光を反射させるために太陽光パネル45のいずれかの側に配置されている。パネル40が26.9Vを生成し、パネル45が25.0Vを生成することが分かった。電圧における低下は、パネルに注ぐ追加の太陽光線によるパネルの加熱に起因すると考えられ得る。パネル45によって生成される電流は0.63Aであり、パネル40の電流は0.24Aだけであった。対照用パネル40は0.24A*26.9V=6.456Wを生成した。3つの反射パネルを伴うパネル45は0.63A*25.0V=15.75Wを生成した。したがって、本明細書において記載されているように3つに反射パネルを使用するときに生成された電力は、反射パネルがまったくない対照用パネルにおいて生成された電力の2.44倍である。
【0133】
次に、影の効果が前述した3つの反射パネルの使用によって完全に無効にされ得るかどうかを知るために、
図40Aおよび
図40Bに記載されたシステムが、物体の影をパネル45に適用することと併せて使用された。システムと、電圧および電流の両方の測定とは、
図41Aおよび
図41Bにおいて示されている。対照用パネル40から測定された電圧は26.8Vであり、パネル45の電圧は24.8Vであった。パネル45における電圧の低下はパネルの加熱によって起こりやすい。パネル45によって生成された電流は、対照用パネル40によって生成された0.24Aと比較して0.44Aであった。電力を比較するとき、対照用パネル40は0.24A*26.8V=6.432Wであった。パネル45は0.44A*24.8V=10.91Wであった。したがって、影の影響が完全に無効にされただけでなく、パネル45の出力電力は、影が投じられていない対照用パネル40の電力のおおよそ1.7倍であった。
【0134】
図42は、1つのパネル40が4つの側から反射パネルによって包囲されている太陽光パネルのシステムを描写している。パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くに配置されているのは、鏡500などの反射パネルが後ろに配置されている透明なライオットシールド400である。レンチキュラーシート100が上に配置されている同様のライオットシールド400および鏡500が、太陽光パネル40の上縁の上方で保持された。太陽光パネル40の左右には、線状レンチキュラーシート100などの屈折-反射シートを伴う立設鏡500が、太陽光パネル40の前において配置されている。パネル40からの測定された電流は3.34Aであり、パネル45の測定された電流は1.23Aであった。したがって、太陽光パネルの出力電流は、前述したような反射パネルを使用することによって、ほとんど3倍にされ得る。
【0135】
図43は、1つのパネル45が反射パネルによって3つの側から包囲されている2つの薄膜太陽光パネルのシステムを描写している。パネル45の上縁にわたって保持されているのは、線状レンチキュラーシート100などの屈折-反射シートで覆われ、鏡500などの反射パネルを後に有する透明なライオットシールド400である。鏡およびレンチキュラーシートを伴うライオットシールドは、太陽光線をパネル45へと反射させるために最適な角度で保持された。左右には、レンチキュラーシートの各々1つの後に鏡500を伴う立設レンチキュラーシート100が配置されている。パネル45からの観測された電流は、0.23Aであったパネル40の電流の3倍である0.78Aであった。電圧が考慮されるとき、パネル40は6.1Wを生成しており、パネル45は、パネル40の電力の3倍であるおおよそ19Wを生成した。
【0136】
図43の実験は、単結晶太陽光パネルを用い、上にライオットシールドがない状態で実施された。反射体を有するパネル45は2.97Aおよび18.8Vを生成し、そのため電力はおおよそ56Wであった。対照用パネルである太陽光パネル40は1.17Aおよび20.4Vを生成し、そのため電力はおおよそ24Wであった。したがって、反射体を伴っての電力は、反射体なしでの電力のおおよそ2.35倍であったが、薄膜太陽光パネルの場合のような3倍ではなかった。これは、単結晶パネルによる電圧低下のためである。研究は、過熱による電圧低下が単結晶と薄膜PV(「非晶質太陽光パネル」としても知られている)との両方で起こるが、薄膜PVパネルは、より良好に熱に耐え、より高い電圧を保持することができることを示している。
【0137】
別の実施形態では、2つの単結晶太陽光パネルが使用されており、1つの単結晶太陽光パネルが反射体と対照用太陽光パネルとを伴う。4つの反射体が使用されており、各々のシールドの後に鏡を伴い、各々のシールドの上にレンチキュラーシートを伴うライオットシールドが上と下とに1つずつあり、2つは側方のレンチキュラーシートを伴う立設鏡である。対照用パネルについて観測された値は1.18A*20.4V=24.072Wであった。反射体を伴うパネルについては、3.59A*18.8V=67.492Wであった。出力電力は、反射体を伴う太陽光パネルについては2.8倍大きかったが、対照用パネルの出力電力の3倍には到達しなかった。これは、追加の熱が単結晶パネルの出力において電圧低下をもたらすという先の研究結果を裏付けている。
【0138】
太陽光パネルの性能は、1000W/m
2の太陽光の最適な定格の下で通常測定される。このような太陽光の条件は、赤道において正午に理想的な空の条件の下で、25℃の温度において達成可能である。赤道において正午に、太陽は地球表面に対して90度にある。世界中の他の場所は、太陽光線について異なる入射角を被る。例えば、2018年11月2日におけるカナダのバンクーバでは、太陽はおおよそ26度の角度にあり、最大の太陽光の強さは正午において400W/m
2だけであった。午前10時40分ごろのその日のより早い時間において、先に
図20Aおよび
図20Bに示された構成を用い、
図44に描写された多結晶太陽光パネルを用いて実験が実施された。
【0139】
図44は、太陽光試験を実行するための多結晶太陽光パネル40および45のシステムを描写している。パネル40は、各々が屈折-反射シート100で覆われた3つの反射パネル500を有している。パネル45は対照用パネルである。1日のある時間において、太陽光の定格は、前述した1000W/m
2の最適な太陽光の定格を十分に下回る約300W/m
2であった。結果は、パネル40が21.5V*2.71A=58.26Wを生成し、パネル45が21.9V*3.95A=86.50Wを生成したことを示している。そのため、増幅されたパネルは48.47%大きい電力を生成した。製造者によってパネルについて提供された情報によれば、これらのパネルを負荷のない状態で試験するとき、1000W/m
2(つまり、理想的な太陽光の条件)の下での最大の達成可能な電力は、21.85Vの開回路電圧で、3.2Aの短絡回路電流である。別の言い方をすれば、理想的な太陽光の条件の下での最大電力は、おおよそ21.85*3.2=70Wである。増幅されたパネルは、300W/m
2だけの理想的でない太陽光の条件の下で86.50Wを生成し、これは、理想的な太陽光および負荷の条件において予測されるものよりなおも約23%大きかった。発生させられる追加の電力と比較して、太陽光パネルおよび材料を追加するコストは取るに足らない。
【0140】
図45は、裏に鏡を伴い、太陽光パネル40の下方縁の前においてその下方縁の近くに配置された3つの屈折-反射シートを伴う
図20のシステムと同様のシステムを描写しているが、各々が裏に鏡を伴い、太陽光パネル40の左右に配置された追加の立設屈折-反射シートも特徴としている。パネル40によって生成された電力は20.7V*5.14A=106.40Wであり、対照用パネル45によって生成された電力は21.6V*2.63A=56.81Wであった。そのため、増幅された太陽光パネルは、増幅されていない太陽光パネルの電力の1.87倍を生成した。ここでも、増幅されたパネルで観測された106.4Wは、先に説明した理想的な太陽光の条件の下でのそれらのパネルについての製造者の定格より大きい(この場合、50%超より大きい)。
【0141】
上記の研究結果は、世界中の多くの都市において、生成される電力が比較的小さく、太陽光パネルのシステムのコストを回収するのに非常に長い時間が掛かるという理由で、太陽光パネルの採用が大きく主とされていないため、非常に重大なことである。これは変化し、場所、太陽光の時間、および太陽光の角度に依存する。都市が赤道により近くなると、それらの条件はより良好になる。しかしながら、太陽光パネルの出力電力を相当に増幅する上記の方法は、太陽光パネルのシステムのコストが、生成された電力からより早く回収され得ることを意味する。したがって、世界中の多くの都市は、太陽光パネルにとって実行可能なマーケットになることができる。
【0142】
図40Aおよび
図40Bのシステムを用いて実施されたある実験では、対照用パネル40は20.2V*1.20A=24.4Wであり、反射体を伴うパネル45は18.4V*2.21A=40.66W(約68%より大きな電力)であった。対照用パネル40とパネル45との間の1.8Vの差は、反射体の増幅システムが作り出す過剰な熱のためである。パネルの各々の温度を測定することで、パネル40は華氏124度であり、パネル45は華氏187.5度であることが分かった。これは、向上した太陽光熱水加熱を可能にするか、または、太陽光パネルを冷却することと水を過熱することとの両方を同時に支援するための、後に搭載された太陽光加熱システムとの組み合わせの太陽光パネルさえも可能にする。
【0143】
図46は、
図40Aおよび
図40Bのシステムと同様であるが、カバーとして作用するために増幅された太陽光パネル45にわたって配置された屈折-反射シート130を追加的に有するシステムの斜視図である。使用されたシステムについて、対照用パネル40は20.2V*1.20A=24.4Wの電力を生成した。増幅されたパネル45は19.2V*2.06A=39.55Wを生成した。対照用パネルの温度は華氏約118度であり、増幅されたパネル45の温度は華氏約170度であった。しかしながら、屈折-反射カバーシート130を増幅された太陽光パネル45から除去すると(図示せず)、温度は華氏200度まで上昇させられた。同時に、カバーを除去すると、増幅されたパネルの電力は18.9*2.47=46.7Wとさせられた。したがって、カバー130は、カバーがない場合と比較して、温度を華氏約30度低く保つ温度への実質的な影響を有している。カバーは電力を約18%(39.55W対46.7W)低減もしたが、対照用パネルに対して約63%の実質的な電力ブーストをなおも達成した。電力出力と温度制御との二律背反は、過熱が電池の悪化を時間と共に引き起こし得るため、レンズカバーによってはるかにより長い耐用期間を太陽光パネルに達成させることができる。これは、大きく増幅されたシステムの高温領域を制限することもできる。
【0144】
図47は、
図46Aおよび
図46Bと同様のシステムを示しているが、屈折-反射シート100が鏡500に配置されていない。代わりに、パネル45は、反射パネルまたは鏡500によって包囲されており、線状レンチキュラーカバーシート130などの単一の屈折-反射シートがパネル45の前に配置されている。パネル45の前にカバーシート130を配置する前(図示せず)の温度読み取りは、華氏213度の温度読み取りをもたらした。カバーシート130をパネル45の前に配置することで、温度を華氏約163度へと低下させ、華氏約50度の差があった。対照用パネル40については、温度は華氏115度であった。反射体のない対照用パネル40は、おおよそ20.2V*1.04A=21Wの電力であった。カバー130のない増幅されたパネル45は、おおよそ18.8V*2.02=38W(対照用パネルより80%超大きな電力)を生成した。カバー130が太陽光パネル45の前に配置されている場合、出力電力はおおよそ19.2V*1.78A=34W(対照用パネルより54%超大きい電力)であった。カバー130を伴う増幅されたパネル45は、カバーなしで行った場合より4W(約11%)だけ小さい電力を生成した。それにも拘らず、温度低下における向上は華氏約50度であった。そのため、
図47のシステムはいくつかの利点を有する。第一に、
図46のシステムと比較したとき、3つの代わりに1つだけのレンチキュラーシート130が使用されているため、コストが低減される。第二に、50度での温度の低下は相当であり、電池が短期間で駄目になり難いため、太陽光パネルの寿命に寄与する。第三に、温度における低下は、電力において、約11%での小さな低下となった。
【0145】
図48は、
図47のシステムと同様のシステムを示しているが、太陽光をパネル45へと追加的に反射させるためにパネル45の上縁にわたって配置された第4の鏡500を追加的に有している。この配置は電流を2.37Aに向上させた。
【0146】
太陽光パネルの周りに4つの反射体を使用するときの向上は相当であるが、このような反射体を追加することが実用的ではない例がある。例えば、側方の反射体について太陽光パネルの周りに場所がない可能性がある。さらに、大きな反射体は、太陽が一日を通じて方向を変えるとき、影を作り出すことになる。これは、例えば影が隣接するパネルと干渉しないように、より小さい側方の反射体部品(および、任意選択で上の反射体部品)を有するという考えにつながった。
図49では、側方の反射体が太陽光パネル45に追加されている。側方の反射体は木材または他の適切な材料の薄板から作られた。薄板は、マイラーまたは箔700などの反射材料で覆われ、次に、最適な極性の屈折-反射材料710で覆われている。薄板は太陽光パネル45の側方に取り付けられ、追加の太陽光を太陽光パネル45に反射させるために配向されている。パネル45の前において下方縁の近くで地面には、線状レンチキュラーシート100などの屈折-反射シートで覆われた鏡500などの4つの反射パネルがパネル45の下方縁の近くで配置された。観察された電力測定は、対照用パネル40については21.3V*2.68A=57.08Wであり、増幅されたパネル45については20.9*40.06=84.85Wであった。
図50は、
図49と同様であるが、屈折-反射材料を伴い、最適な極性において線状レンチキュラーシートなどの屈折-反射材料710で覆われた第3の同様の薄板700を追加している。3つの薄板によって、増幅されたパネルについての出力電力は91.12Wであり、対照用パネルの出力電力は、
図49における構成についての場合のように、おおよそ57Wであった。したがって、第3の薄板を追加することで、2つの薄板(84.85Wであった)に対して増幅において8%の向上を作り出した。これらの3つの薄板は、薄板のない試験での増幅されたパネル[78.28ワット]と比較して、追加の12.84ワット(16%のより多くの電力)[91.12ワット]を提供した。
【0147】
図51は、2つの異なる構造を使用する2つの太陽光パネルの電力増幅を比較するためのシステムを描写している。パネル40は、パネル40の前においてパネル40の下方縁の近くに、レンチキュラーシートなどの屈折-反射シート600で覆われた鏡などの反射パネル500を配置している。パネル45は、パネル45の前においてパネル45の下方縁の近くに、レンチキュラーシート(視認できない)を伴う反射パネル500と、レンチキュラーシートの上に配置された回折格子シート900とを配置している。使用された回折格子シート900は、エンボス加工されたHOE二重軸シートである。パネル45は2.9Aの電流を生成し、パネル40は2.66Aを生成した。両方についての電圧は約22Vでほとんど変化しなかった。したがって、パネル40についての電力は約58Wであり、パネル45についての電力は約63Wであった。したがって、回折格子を追加することで、電力出力において9%の増加を作り出した。
【0148】
回折格子で観測されたことは、回折格子が太陽光の反射をはるかにより大きい領域にわたって分散することであった。二重軸シートについて、太陽光は上下方向に加えて左右方向において分散される。様々な方向における太陽光の分散は、線状レンチキュラーシートの場合のように、太陽光を追跡し、シートとパネルとの間の反射の角度を最適化する必要性を回避する。
【0149】
1つだけの回折格子シートが試験されたが、より多くの回折格子シートを
図51の構成に加えることは、太陽光パネルの太陽光の電力の増幅を向上させることが期待される。
【0150】
反射パネルにわたって配置されたレンチキュラーレンズと組み合わされた二重軸の回折格子での試験は、最大の太陽光放射が約300W/m2であった2018年12月6日にブリティッシュコロンビア州バンクーバの近くで行われた。春および夏におけるより高い太陽光放射レベルは、潜在的な割合の電力出力を、一年のうちのこの太陽光放射の最小時点において測定されるレベルより高くまで増加させることになることが期待される。
【0151】
線状レンチキュラーシートと、回折格子と、反射パネルとを1つの材料へと組み合わせることも検討されている。一実施形態では、線状レンチキュラーレンズは、そのレンズ側における回折格子の被覆と、レンズ側の反対の滑らかな側における反射被覆とを有する。
【0152】
別の実施形態では、3つの別々の材料、すなわち、回折格子シートと、線状レンチキュラーレンズと、鏡などの反射パネルとがある。回折格子は線状レンチキュラーレンズの上に配置され得る。代替で、別の実施形態では、回折格子は線状レンチキュラーレンズの下方であるが鏡の上方に配置され得る。
【0153】
なおも別の実施形態では、1つが線状レンチキュラーレンズの上で、1つが線状レンチキュラーレンズと反射パネルとの間で、2つの回折格子層が使用されてもよい。
【0154】
本明細書で提示された様々な屈折-反射シートは、形が矩形で略平坦となるように示されているが、他の構成が検討されている。例えば、屈折-反射シートは、凹状の皿体、半球形、または異なる角度からの太陽光を太陽光パネルに向けて方向付けるための湾曲した矩形を形成してもよい。
【0155】
ほとんどの実施形態が線状レンチキュラーシートなどの屈折-反射シートを利用しているが、同様の結果は、屈折-反射シートの代わりに回折格子シートを使用することで得られる。
【0156】
提示された実施形態は静止した太陽光パネルを示しているが、太陽光パネルと屈折-反射シートとの両方が、一日のうちの異なる時間または異なる季節における異なる方向からの太陽光を追跡するための回転プラットフォームまたは他の同等の手段において、各々または両方で移動可能であってもよい。代替で、屈折-反射シートは、太陽光の収集を向上させるために、主要な時間に太陽に向けて方向付けられてもよい。例えば、シートは、影を発生させる物体を含む経路に太陽光がある場合だけ太陽光の経路にあるように配置および配向されてもよい。
【0157】
実施形態は薄膜太陽光パネル、単結晶太陽電池、多結晶太陽電池を示しているが、提示されている方法は、太陽光屋根瓦などの他の種類の太陽光パネル、または他の形態の太陽光放射収集器にも適用可能である。
【0158】
単一のパネルが示されているが、提示されている方法は、塔に備え付けられた複数の太陽光パネルにも適用される。隣接する塔同士の間に配置された屈折-反射シートは、隣接する塔への1つの塔の影を拡散および最小限にするのを助け、それによってその隣接する塔の電力出力を増幅する。
【0159】
先に記載した実施形態は、本発明の例となるように意図されており、変更および改良が、添付の特許請求の範囲によってのみ定められた本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって行われてもよい。
【符号の説明】
【0160】
10 太陽光
20 物体
30 影
40、45 太陽光パネル
60、65 マルチメータ
100 屈折-反射シート、線状レンチキュラーシート
102、104、106、110、 屈折-反射シート
130 屈折-反射シート、カバーシート
200 立設屈折-反射シート、線状レンチキュラーシート
330 影
400、410 ライオットシールド
500 反射パネル、屈折-反射シート、鏡
550 線状レンチキュラーシート、屈折-反射シート
552 屈折-反射シート
600 屈折-反射シート、線状レンチキュラーシート
630 影
700 マイラー、箔、薄板
710 屈折-反射材料
730 弱い影
770 影
800 線状レンチキュラーシート
810 線状レンチキュール
900 線状プリズムシート、回折格子シート
910 線状プリズム要素
1000 配列プリズムシート
1010 球形要素
1100 屈折-反射円筒
1102 反射円筒