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特許7450556移動端末、基地局、受信方法、送信方法及び集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】移動端末、基地局、受信方法、送信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20240308BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20240308BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20240308BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H04L27/26 410
H04W16/28
H04W24/10
H04B7/08 800
H04L27/26 114
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020567873
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019078174
(87)【国際公開番号】W WO2020088940
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】18204189.7
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】タオ ミン-フン
【審査官】大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0205585(US,A1)
【文献】国際公開第2018/030756(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/129417(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 16/28
H04W 24/10
H04B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末であって、
動作中、基地局が、前記移動端末へのダウンリンク制御チャネル送信及び対応する復調用参照信号送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用するよう構成されていると想定する処理回路と、
動作中、前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用して、前記基地局からダウンリンク制御チャネル候補及び対応する復調用参照信号を受信する送受信機と、
を備え、
前記処理回路は、動作中、受信された前記復調用参照信号に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、前記無線チャネル推定を用いて前記ダウンリンク制御チャネル候補を復調し、
前記無線チャネル推定は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成された前記復調用参照信号系列を使用して実行され、
前記送受信機が、動作中、チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を受信した場合、前記処理回路は、動作中、前記モニタ位置において、前記無線チャネル推定を実行する、
移動端末。
【請求項2】
前記無線チャネル推定を実行することは、
前記処理回路が、動作中、受信された前記復調用参照信号を、生成された前記復調用参照信号系列と相関させることと、
前記処理回路が、動作中、前記相関の結果に基づいて、無線チャネル推定品質を決定することと、
を含む、
且つ/又は
前記無線チャネル推定品質が閾値以下である場合、前記処理回路は、受信された前記ダウンリンク制御チャネル候補を復調しない、
請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記処理回路は、生成される前記復調用参照信号系列が前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けられているように、動作中、前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームの識別情報を含むベース系列から、前記復調用参照信号系列を生成する、
請求項1又は2に記載の移動端末。
【請求項4】
前記処理回路は、動作中、
想定される前記1つの送信ビームを含むセルの識別情報の少なくとも一部と、
前記セルを含むネットワークの識別情報の少なくとも一部と、
のうちの少なくとも一方を更に含む前記ベース系列から、前記復調用参照信号系列を生成し、
前記セルの識別情報の少なくとも一部又は前記ネットワークの識別情報の少なくとも一部は、前記セルの識別情報又は前記ネットワークの識別情報それぞれの最下位ビットから所定数のビットに対応する、
請求項3に記載の移動端末。
【請求項5】
前記処理回路は、動作中、前記ベース系列を使用して、復調された前記ダウンリンク制御チャネル候補をデスクランブルする、
請求項3又は4に記載の移動端末。
【請求項6】
前記処理回路は、動作中、前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けられている直交カバーコードを使用することを含んで、スクランブリング識別情報に対応するベース系列から、前記復調用参照信号系列を生成する、
請求項1、2、及び5のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項7】
前記処理回路は、動作中、前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けられている巡回シフト値に対応する巡回シフトを前記復調用参照信号系列に適用することを含んで、スクランブリング識別情報に対応するベース系列から、前記復調用参照信号系列を生成する、
請求項1、2、及び5のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項8】
復調される前記ダウンリンク制御チャネル候補は、複数の移動端末のグループを対象としているダウンリンク制御情報を運ぶ共通サーチスペースに含まれ、
前記ダウンリンク制御情報は、少なくとも、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI)でスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット1_0に対応する、
請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項9】
復調される前記ダウンリンク制御チャネル候補は、複数の移動端末のグループを対象としているダウンリンク制御情報を運ぶ共通サーチスペースに含まれ、
該ダウンリンク制御情報は、スロットフォーマット無線ネットワーク一時識別子(SFI-RNTI)でスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット2_0及びチャネル占有時間構成の指示を運ぶ任意の他のDCIフォーマットのうちの少なくとも一方に対応する、
請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項10】
記無線チャネル推定品質が閾値以下である場合、前記複数の送信ビームのうちの別の1つの送信ビームに関連付けられている異なる復調用参照信号系列を使用して、前記無線チャネル推定を更に実行し、
前記異なる復調用参照信号系列を使用した無線チャネル推定品質が該閾値を超える場合、
前記処理回路は、動作中、受信された前記ダウンリンク制御チャネル候補を復調し、チャネル占有時間構成の指示を運ぶダウンリンク制御情報を運ぶ復調された前記ダウンリンク制御チャネル候補を復号し、
前記処理回路は、動作中、前記基地局からダウンリンク制御チャネル候補及び対応する復調用参照信号を受信することを、該チャネル占有時間構成に含まれるチャネル占有時間期間の残りの時間の間スキップするよう前記送受信機を構成する、
請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項11】
前記送受信機は、動作中、設定されたモニタ位置におけるビーム共通プリアンブル系列を含むチャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を受信する、
請求項10に記載の移動端末。
【請求項12】
前記基地局が、前記複数の送信ビームとは異なる特定の広送信ビームを使用した、前記移動端末へのダウンリンク制御チャネル送信及び対応する復調用参照信号送信の特定のフォーマットに、特定の時点を使用するよう構成されていることを特定する情報が、動作中の前記処理回路に提供され、
前記送受信機は、動作中、特定の時点において、前記複数の受信ビームのうち、前記特定の広送信ビームを受信するのに適している1つの受信ビームを使用して、前記基地局から、前記特定のフォーマットのダウンリンク制御チャネル候補及び対応する復調用参照信号を受信し、
前記処理回路は、動作中、受信された該復調用参照信号に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、該無線チャネル推定を用いて該ダウンリンク制御チャネル候補を復調し、前記特定のフォーマットに従って、復調された該ダウンリンク制御チャネル候補を復号し、
前記特定のフォーマットは、
ダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間と、
前記複数の送信ビームのうち、前記持続時間の少なくとも一部の間のダウンリンク制御チャネル候補送信及び対応する復調用参照信号送信のために前記基地局によって使用されている少なくとも1つの送信ビームの識別情報と、
を含む該ダウンリンク制御情報を運ぶ復号される該ダウンリンク制御チャネル候補を規定しており、
前記処理回路は、前記複数の送信ビームのうちの前記少なくとも1つの送信ビームの識別情報を使用して、前記持続時間の少なくとも一部の間チャネル推定を実行するために使用される復調用参照信号系列を、前記関連付け情報を参照して生成する、
請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の移動端末。
【請求項13】
基地局であって、
動作中、移動端末が、前記移動端末におけるダウンリンク制御チャネル受信及び対応する復調用参照信号受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用するよう構成されていると想定する処理回路と、
動作中、前記複数の受信ビームのうちの想定される前記1つの受信ビームに対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用して、前記移動端末にダウンリンク制御チャネル及び対応する復調用参照信号を送信する送受信機と、
を備え、
前記処理回路は、動作中、送信される前記ダウンリンク制御チャネルを変調し、前記対応する復調用参照信号として送信される復調用参照信号系列を生成し、
前記復調用参照信号系列は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される前記復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成され、
前記送受信機が、動作中、チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を送信した場合、無線チャネル推定は前記モニタ位置において実行される、
基地局。
【請求項14】
移動端末についての受信方法であって、
基地局が、前記移動端末へのダウンリンク制御チャネル送信及び対応する復調用参照信号送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用するよう構成されていると想定することと、
前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用して、前記基地局からダウンリンク制御チャネル候補及び対応する復調用参照信号を受信することと、
受信された前記復調用参照信号に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、前記無線チャネル推定を用いて前記ダウンリンク制御チャネル候補を復調することと、
を含み、
前記無線チャネル推定は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成された前記復調用参照信号系列を使用して実行され、
チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を受信した場合、前記モニタ位置において前記無線チャネル推定を実行する、
受信方法。
【請求項15】
基地局についての送信方法であって、
移動端末が、前記移動端末におけるダウンリンク制御チャネル受信及び対応する復調用参照信号受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用するよう構成されていると想定することと、
前記複数の受信ビームのうちの想定される前記1つの受信ビームに対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用して、前記移動端末にダウンリンク制御チャネル及び対応する復調用参照信号を送信することと、
送信される前記ダウンリンク制御チャネルを変調し、前記対応する復調用参照信号として送信される復調用参照信号系列を生成することと、
を含み、
前記復調用参照信号系列は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される前記復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成され、
チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を送信した場合、無線チャネル推定は前記モニタ位置において実行される、
送信方法。
【請求項16】
移動端末の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
基地局が、前記移動端末へのダウンリンク制御チャネル送信及び対応する復調用参照信号送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用するよう構成されていると想定する処理と、
前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用して、前記基地局からダウンリンク制御チャネル候補及び対応する復調用参照信号を受信する処理と、
受信された前記復調用参照信号に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、前記無線チャネル推定を用いて前記ダウンリンク制御チャネル候補を復調する処理と、
を含み、
前記無線チャネル推定は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの想定される前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成された前記復調用参照信号系列を使用して実行され、
チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を受信した場合、前記モニタ位置において前記無線チャネル推定を実行する、
集積回路。
【請求項17】
基地局の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
移動端末が、前記移動端末におけるダウンリンク制御チャネル受信及び対応する復調用参照信号受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビームを使用するよう構成されていると想定する処理と、
前記複数の受信ビームのうちの想定される前記1つの受信ビームに対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビームを使用して、前記移動端末にダウンリンク制御チャネル及び対応する復調用参照信号を送信する処理と、
送信される前記ダウンリンク制御チャネルを変調し、前記対応する復調用参照信号として送信される復調用参照信号系列を生成する処理と、
を含み、
前記復調用参照信号系列は、前記複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される前記復調用参照信号系列を前記複数の送信ビームのうちの前記1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して生成され、
チャネル占有時間指示のモニタ位置の設定を送信した場合、無線チャネル推定は前記モニタ位置において実行される、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP通信システム等の通信システムにおける方法、デバイス、及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G)とも称される次世代セルラー技術についての技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも、高度モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、全ての利用シナリオ、要件、及び配置シナリオに対処する単一の技術的枠組みを提供することである(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTR 38.913 バージョン15.0.0の第6節を参照されたい)。
【0004】
例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、及び高速が含まれ得る。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、診断、及び治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれ得る。mMTCの配置シナリオには、スマートウェアラブルやセンサネットワーク等、遅延の影響が小さいデータ伝送による多数の装置を使用するシナリオが含まれ得る。
【0005】
eMBBサービス及びURLLCサービスは、両方とも非常に広い帯域幅を要求するという点で類似しているが、URLLCサービスが好ましくは超低遅延を必要とするという点で異なる。
【0006】
第2の目的は、前方互換性を達成することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A)セルラーシステムに対する後方互換性は必要とされず、これは、完全に新しいシステム設計及び/又は新しい特徴の導入を容易にする。
【発明の概要】
【0007】
非限定的且つ例示的な一実施形態は、移動端末がダウンリンク制御チャネル受信を実行するための改善された手順、及び、基地局がダウンリンク制御チャネル送信を実行するための改善された手順を提供することを容易にする。
【0008】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、処理回路及び送受信機を備えるユーザ機器を特徴とする。処理回路は、基地局が、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。送受信機は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用して、基地局からダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する。処理回路(130)は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行する。処理回路は、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調する。無線チャネル推定は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成された復調用参照信号系列を使用して実行される。
【0009】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、処理回路及び送受信機を備える基地局を特徴とする。処理回路(180)は、移動端末が、移動端末におけるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。送受信機(170)は、複数の受信ビームのうちの想定される1つの受信ビーム(rxビーム#1)に対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用して、移動端末にダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を送信する。処理回路(180)は、送信されるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を変調し、対応する復調用参照信号(DM-RS)として送信される復調用参照信号系列を生成する。復調用参照信号系列は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成される。
【0010】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、ユーザ機器によって実行される次のステップを含む方法を特徴とする。移動端末は、基地局が、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。移動端末は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用して、基地局からダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する。移動端末は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調する。無線チャネル推定は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成された復調用参照信号系列を使用して実行される。
【0011】
1つの概括的な第1の例において、ここに開示されている技術は、基地局によって実行される次のステップを含む方法を特徴とする。基地局は、移動端末が、移動端末におけるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。基地局は、複数の受信ビームのうちの想定される1つの受信ビーム(rxビーム#1)に対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用して、移動端末にダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を送信する。基地局は、送信されるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を変調し、対応する復調用参照信号(DM-RS)として送信される復調用参照信号系列を生成する。復調用参照信号系列は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成される。
【0012】
なお、一般的な実施形態又は特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータープログラム、記憶媒体、又はこれらの任意の選択的な組み合わせとして、実現可能であることに留意されたい。
【0013】
開示されている実施形態及び様々な実施態様の更なる恩恵及び利点は、本明細書及び図面から明らかになるであろう。これらの恩恵及び/又は利点は、本明細書及び図面の様々な実施形態及び特徴によって個別に得ることができる。ただし、このような恩恵及び/又は利点のうちの1つ以上を得るために、これらの特徴全てを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下において、例示的な実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
図1】移動端末及び基地局の例示的な簡略化された構成を示す図。
図2】例示的な実施態様に従った移動端末及び基地局の構成を示す図。
図3】送信ビームと復調用参照信号生成ベース系列との間の関連付け情報の例示的な実施態様を示す図。
図4】送信ビームと復調用参照信号生成ベース系列との間の関連付け情報の別の例示的な実施態様を示す図。
図5a】復調用参照信号生成ベース系列を生成するための例示的なメカニズムを示す図。
図5b】復調用参照信号生成ベース系列を生成するための例示的なメカニズムを示す図。
図5c】復調用参照信号生成ベース系列を生成するための例示的なメカニズムを示す図。
図6】第1の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のフロー図。
図7】第1の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図。
図8】第2の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のフロー図。
図9】第2の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図。
図10】第3の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のフロー図。
図11】第3の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図。
図12】第3の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル送信のフロー図。
図13】別の例示的な実施態様に従った移動端末及び基地局のフロー図。
図14】別の例示的な実施態様に従った移動端末及び基地局のタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
3GPP NRにおいて、アンライセンス周波数帯(NR-Uと呼ばれる)における動作は、例えば、LTE規格の以前のバージョンから知られているメカニズムよりも大幅に改善されている。3GPPは、この動作を標準化するためのその努力において、検討項目、すなわち、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる3GPP RP-172021をこのトピックに充てている。例えば、この文書の第4.1節では、アンライセンス周波数帯におけるNRベースのスタンドアロンセル動作及びNRベースのライセンス補助アクセス(LAA:Licensed Assisted Access)を含む様々なアーキテクチャシナリオが論じられている。
【0016】
(概要)
リリース15において規定されているように、ライセンス帯域動作におけるリリース15の全てのNR UEは、サブ6GHz(例えば、450MHz~6GHzにおける帯域)については、100MHzの帯域幅をサポートすることができるようになり、ミリ波(例えば、24.25GHz~52.6GHzにおける帯域)については、400MHzの帯域幅をサポートすることができるようになる。加えて、利用可能ないくつかの広アンライセンス周波数帯域が存在し、これらは、より高速でより応答性の高いモバイルブロードバンドに対する永続的な要求を満たすために利用され得る。したがって、アンライセンス周波数帯における広帯域動作は、NR-Uにとってのキーとなる基礎的要素のうちの1つである。
【0017】
第4世代(4G)LTE及び5G新無線(NR)にとっての別のキーとなる特徴は、MIMO(multiple-input multiple-output)伝送である。アクティブアンテナ(AA)アレイの出現により、基地局(BS)において多数のアンテナエレメントを利用することが実現可能になっている。更に、利用可能な各空間次元(例えば、方位角及び仰角)に沿ってビームフォーミングを実行することができる矩形(2D)AAアレイを利用することができる。
【0018】
最も直近のLTEリリース(全次元MIMO又はFD-MIMOと呼ばれる)では、最大32個のデジタルプリコーディングアンテナポートを用いたランク適応型空間多重がサポートされている。LTE FD-MIMOは、サブ6GHzレジームとして知られているより低い周波数帯域で動作するよう設計されている。一方、サブ6GHz周波数帯の利用可能性がより限定的になるにつれて、より広い帯域幅を有するミリ波(mmWave)周波数帯域(オーバー6GHzレジームとも呼ばれる)が、5Gにおけるセルラー通信に利用可能になるであろう。有望ではあるが、その特性は、サブ6GHzとは異なる。例えば、伝播損失がより大きくなるほど、十分なカバレッジを確保するために、より多数のアンテナエレメントを用いたビームフォーミングが重要になる。しかしながら、多数のデジタルプリコーディングポートを利用することは、現在のデバイス技術では実現不可能である。これは、アナログビームが少数のデジタルプリコーディングポートとともに使用される、いわゆるハイブリッドビームフォーミングを必要とする。ここで、ユーザ機器(UE)は、MIMO関連デジタル演算と連係したアナログビームのセットを取得する必要がある。
【0019】
アナログアンテナ処理は、キャリアに基づいて実行されることになるので、これはまた、一度に一方向にしかビームフォーミング送信を行うことができないことを意味する。したがって、基地局に対して異なる方向に位置する異なるデバイスへのダウンリンク送信は、適時に分離されなければならない。同様に、アナログベースの受信機側ビームフォーミングの場合、受信ビームは、一度に一方向にしか集束することができない。
【0020】
したがって、5G NR設計では、ビーム管理が必要とされる。ビーム管理の最終的なタスクは、これらの条件下で、適切なビームペア、すなわち、良好な接続性を連帯的に提供する送信機側ビーム方向及び対応する受信機側ビーム方向を確立して維持することである。
【0021】
(アンライセンス周波数帯における動作)
3GPP RP-141646においてすでに考慮されているように、世界のいくつかの地域は、特定の規制に従うために、例えば、リッスンビフォアトーク(LBT:Listen-Before-Talk)といったアンライセンス技術を必要とする。セルラー動作とWi-Fi(登録商標)等の様々なバージョンの他の技術との間の公正な共存、及び、セルラーオペレータ自体の間の公正な共存が必要である。
【0022】
LBTのない国でも、アンライセンス周波数帯の他のユーザとの干渉を最小限にしようとする規制要件が存在する。しかしながら、単に規制面で干渉を最小限にするだけでは十分ではない。したがって、NRベースのアンライセンスアクセス広帯域システムが、全ての形態のレガシーシステムに対する「グッドネイバー(good neighbor)」として動作することを保証することが不可欠である。
【0023】
リッスンビフォアトーク(LBT)手順は、機器が、チャネルを使用する前に、空きチャネル判定(CCA:Clear Channel Assessment)チェックを適用するメカニズムと定義されている。CCAは、少なくともエネルギー検出を利用して、チャネルにおける他の信号の有無を判定し、チャネルが占有されているか又は空いているかをそれぞれ判定する。例えば、欧州及び日本の規制は、アンライセンス帯域におけるLBTの利用を命じている。規制要件とは別に、LBTを介したこのキャリア検知は、アンライセンス周波数帯の公正な共有のための1つの方法であり、したがって、単一のグローバルな解決枠組みにおいて、アンライセンス周波数帯における公正でフレンドリーな運用のための重要な機能であると考えられる。
【0024】
LBTに関するこの欧州の規制に従って、機器は、データ伝送により無線チャネルを占有する前に、空きチャネル判定(CCA)を実行する必要がある。機器は、例えばエネルギー検出に基づいて、アンライセンスチャネルを空いているものとして検出した後にのみ、アンライセンスチャネルにおいて送信を開始することが許可される。詳細には、機器は、CCA中、特定の最小時間(例えば、欧州の20μsについては、ESTI 301 893、4.8.3節を参照されたい)の間、アンライセンスチャネルを監視する必要がある。
【0025】
検出されたエネルギーレベルが、設定されているCCA閾値(例えば、欧州の-73dBm/MHzについては、ESTI 301 893、4.8.3節を参照されたい)を超える場合、アンライセンスチャネルは占有されているとみなされる。反対に、検出された電力レベルが、設定されているCCA閾値以下である場合、アンライセンスチャネルは空いているとみなされる。アンライセンスチャネルが占有されていると判定された場合、機器は、次の固定フレーム期間中、そのアンライセンスチャネルにおいて送信を行わない。アンライセンスチャネルが空いていると分類された場合、機器は、直ちに送信を行うことが許可される。同じ帯域で動作する他の機器との公正なリソース共有を促進するために、最大送信持続時間が制限される。
【0026】
具体的には、機器が、所与のキャリアの利用可能性を再評価すること(すなわち、LBT/CCA)なく、所与のキャリアにおいて送信を行っている最大送信持続時間は、チャネル占有時間と定義されている(例えば、ESTI 301 893、4.8.3.1節を参照されたい)。チャネル占有時間は、1ms~10msの範囲内であり、最大チャネル占有時間は、例えば、欧州について現在定義されている4msであり得る。
【0027】
(本開示)
上記を考慮して、本開示は、ダウンリンク制御チャネル受信が、複数の異なるダウンリンク制御チャネル候補に対して無視できない回数のブラインド復号試行を移動端末が実行することを必要とするという理解の下で、本発明者らによって考え出された。このブラインド復号メカニズムは、移動端末における無視できない処理負荷をもたらす。
【0028】
特に、移動端末は、アンライセンス周波数帯で動作しているとき、チャネルがセルラー動作のために実際に取得されたかどうかにかかわらず、ダウンリンク制御チャネル受信を実行し得る。換言すれば、移動端末は、基地局がリッスンビフォアトーク手順を成功裏に完了したか又は失敗したかにかかわらず、ダウンリンク制御チャネルをモニタする。
【0029】
リッスンビフォアトークによって課されるタイミング制約とは無関係に、ダウンリンク制御チャネルのブラインド復号試行から生じる処理負荷は、アンライセンス動作中とライセンス動作中とで同様に高い。
【0030】
ダウンリンク制御チャネル受信のための現在利用可能なメカニズムは、処理負荷が、ダウンリンク制御チャネルにおいて運ばれるダウンリンク制御情報の受信の成功に対する適正な関係にあることを保証することができないことを理解することが重要である。むしろ、リッスンビフォアトークによって課されるタイミング制約は、この関係を更に悪化させた。
【0031】
モニタ要件は、NRにおけるサーチスペースセットの仕様に由来する(ウェブサイト3gpp.org上にある、2018年6月に公開された、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる技術仕様3GPP TS 38.213 バージョンV15.2.0、「NR; Physical layer procedures for control (Release 15)」;特に、その第10節の「UE procedures for receiving control information」及びその第11.1節の「UE procedure for determining slot format」を参照されたい)。
【0032】
例えば、UEは、対応するサーチスペースセットに従って、PDCCHモニタを伴うよう構成されている各アクティブ化されたサービングセルにおけるアクティブなDL帯域幅部分(BWP:bandwidth-part)上の1つ以上の制御リソースセット(CORESET:control resource set)において、PDCCH候補のセットをモニタする。ここで、モニタすることは、モニタされるDCIフォーマットに従って、各PDCCH候補を復号することを意味する。
【0033】
制御リソースセットは、例えば、以下のように定義されている(上記で参照された3GPP TS 38.213の第10.1節、「UE procedure for determining physical downlink control channel assignment」を参照されたい):サービングセル内のUEに対して設定された各DL BWPについて、制御リソースセット(CORESET)が、上位レイヤシグナリングによってUEに提供され得る。各制御リソースセット(CORESET)について、以下が、上位レイヤパラメータControlResourceSetによってUEに提供される:
-上位レイヤパラメータcontrolResourceSetIdによる制御リソースセットインデックスp(0≦p<12);
-上位レイヤパラメータpdcch-DMRS-ScramblingIDによるDM-RSスクランブリング系列初期化値;
-上位レイヤパラメータprecoderGranularityによる、UEが同じDM-RSプリコーダの使用を想定できる周波数領域における複数のREGに対するプリコーダ粒度;
-上位レイヤパラメータdurationによって提供される連続するシンボルの数;
-上位レイヤパラメータfrequencyDomainResourcesによって提供されるリソースブロックのセット;
-上位レイヤパラメータcce-REG-MappingTypeによって提供されるCCE-REGマッピングパラメータ;
-PDCCH受信のためのDM-RSアンテナポートの疑似コロケーション情報を示す、上位レイヤパラメータTCI-StatesPDCCHによって提供されるアンテナポート疑似コロケーションのセットからのアンテナポート疑似コロケーション;
-上位レイヤパラメータTCI-PresentInDCIによる、制御リソースセットpにおいてPDCCHによって送信されるDCIフォーマット1_1の送信設定指示(TCI:transmission configuration indication)フィールドの有無についての指示(indication)
【0034】
完全を期すために、ウェブサイト3gpp.org上にある、2018年6月に公開された、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる技術仕様3GPP TS 38.331 バージョンV15.2.1、「NR; Radio Resource Control (RRC) protocol specification (Release 15)」を参照されたい。「ControlResourceSet IE」と呼ばれる制御リソースセット(CORESET)情報要素を定義している、その第6.3.2節の「Radio resource control information element」を特に参照されたい。
【0035】
更に、PDCCH候補のモニタは、対応するサーチスペースセットに従うと定義されている。サーチスペースセットは、共通サーチスペースセット又はUE固有サーチスペースセットであり得る。UEは、以下のサーチスペースセットのうちの1つ以上のサーチスペースセットにおいて、PDCCH候補をモニタする:
-プライマリセルにおけるSI-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、MasterInformationBlock内のsearchSpaceZero又はPDCCH-ConfigCommon内のsearchSpaceSIB1によって設定されたType0-PDCCH共通サーチスペースセット;
-プライマリセルにおけるSI-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、PDCCH-ConfigCommon内のsearchSpace-OSIによって設定されたType0A-PDCCH共通サーチスペースセット;
-プライマリセルにおけるRA-RNTI又はTC-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、PDCCH-ConfigCommon内のra-SearchSpaceによって設定されたType1-PDCCH共通サーチスペースセット;
-プライマリセルにおけるP-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、PDCCH-ConfigCommon内のpagingSearchSpaceによって設定されたType2-PDCCH共通サーチスペース;
-INT-RNTI、SFI-RNTI、TPC-PUSCH-RNTI、TPC-PUCCH-RNTI、又はTPC-SRS-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、ただし、プライマリセルに対してだけは、C-RNTI又は1つ以上のCS-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、searchSpaceType=commonであるPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されたType3-PDCCH共通サーチスペースセット;及び
-C-RNTI又は1つ以上のCS-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマットのための、searchSpaceType=ue-SpecificであるPDCCH-Config内のSearchSpaceによって設定されたUE固有サーチスペースセット。
【0036】
UEにおいてサーチスペースセットを設定するための以下のメカニズムを使用することができる(例えば、上記で参照された3GPP TS 38.213の第10.1節、「UE procedure for determining physical downlink control channel assignment」を参照されたい)。
【0037】
サービングセル内のUEに対して設定された各DL BWPについて、S(≦10)個のサーチスペースセットが、上位レイヤによってUEに提供される。ここで、S個のサーチスペースセットの各サーチスペースセットについて、以下が、上位レイヤパラメータSearchSpaceによってUEに提供される:
-上位レイヤパラメータsearchSpaceIdによるサーチスペースセットインデックスs(0≦s<40);
-上位レイヤパラメータcontrolResourceSetIdによる、サーチスペースセットsと制御リソースセットpとの間の関連付け;
-上位レイヤパラメータmonitoringSlotPeriodicityAndOffsetによる、PDCCHモニタ周期であるkp,s個のスロット及びPDCCHモニタオフセットであるop,s個のスロット;
-上位レイヤパラメータmonitoringSymbolsWithinSlotによる、PDCCHモニタのための、スロット内の制御リソースセットの最初のシンボル(群)を示す、スロット内のPDCCHモニタパターン;
-CCE集約レベル1、CCE集約レベル2、CCE集約レベル4、CCE集約レベル8、及びCCE集約レベル16それぞれについての上位レイヤパラメータaggregationLevel1、aggregationLevel2、aggregationLevel4、aggregationLevel8、及びaggregationLevel16による、CCE集約レベルLあたりのPDCCH候補の数M(L) p,s
-上位レイヤパラメータsearchSpaceTypeによる、サーチスペースセットSが共通サーチスペースセット又はUE固有サーチスペースセットのいずれであるかの指示;
-サーチスペースセットSが共通サーチスペースセットである場合、
-上位レイヤパラメータdci-Format0-0-AndFormat1-0による、C-RNTI、又はCS-RNTI(設定されている場合)、RA-RNTI、TC-RNTI、P-RNTI、SI-RNTIでスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット0_0及びDCIフォーマット1_0を対象に、PDCCH候補をモニタする指示;
-上位レイヤパラメータdci-Format2-0による、DCIフォーマット2_0及び対応するCCE集約レベルを対象に、1つ又は2つのPDCCH候補をモニタする指示;
-上位レイヤパラメータdci-Format2-1による、DCIフォーマット2_1を対象に、PDCCH候補をモニタする指示;
-上位レイヤパラメータdci-Format2-2による、DCIフォーマット2_2を対象に、PDCCH候補をモニタする指示;
-上位レイヤパラメータdci-Format2-3による、DCIフォーマット2_3を対象に、PDCCH候補をモニタする指示;
-サーチスペースセットがUE固有サーチスペースセットである場合、上位レイヤパラメータdci-Formatsによる、DCIフォーマット0_0及びDCIフォーマット1_0、又は、DCIフォーマット0_1及びDCIフォーマット1_1のいずれかを対象に、PDCCH候補をモニタする指示。
【0038】
完全を期すために、「SearchSpace IE」と呼ばれるサーチスペース情報要素を定義している、(上記で参照された)技術仕様3GPP TS 38.331の第6.3.2節、「Radio resource control information element」を参照されたい。
【0039】
(本開示の利点)
本開示のコンテキストにおいて、本発明者らは、移動端末が、1つ以上の制御リソースセット(CORESET)においてPDCCH候補のセットをモニタすることが、特定の時点において意図されているか否かを知ることが有利であることを認識した。この知識は、移動端末が、制御リソースセット(CORESET)をモニタすることをスキップできるか否かをこの時点において判定するのに役立つことができる。
【0040】
この知識を移動端末に伝達するために、本開示は、PDCCHがビームフォーミング方式でシグナリングされることを進んで利用する。この点に関して、PDCCHだけでなく復調用参照信号(DM-RS)も、ビームフォーミングメカニズムを使用して送信される。しかしながら、現在使用されているビームフォーミングは、移動端末に対してトランスペアレントであり、したがって、そのような利点を可能にしない。
【0041】
このことを回避するために、本開示の1つの概括的な着想は、各移動端末が、その処理を、復調用参照信号の送信ビームのみに固有である当該復調用参照信号に制限できるように、復調用参照信号系列と送信ビームとの間の関連付け情報を提供することである。
【0042】
移動端末が、復調用参照信号の送信ビームに固有である当該復調用参照信号のみを用いた処理が失敗であると認識した場合、移動端末は、1つ以上の制御リソースセット(CORESET)におけるPDCCH候補の更なるモニタをスキップすることができる。これは、移動端末が、特に(ただし、次のときに限定されるものではない)、アンライセンス周波数帯で動作しているとき、移動端末の処理負荷を大幅に低減することを容易にする。
【0043】
(概括的なシナリオ)
以下において、これらのニーズを満たす移動端末、基地局、及び手順が、5G移動通信システムについて想定される新しい無線アクセス技術に関連して説明されるが、これらは、LTE移動通信システムにおいて使用されてもよい。様々な実施態様及び変形例も説明される。以下の開示は、上述した説明及び知見によって促進され、例えば、その一部分に少なくとも基づき得る。
【0044】
概して、本開示の基礎をなす原理を明確且つ理解できるように説明することが可能であるように、本明細書において、多くの仮定がなされていることに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、本開示の範囲を限定すべきではない例示の目的のために本明細書でなされている単なる例として理解されるべきである。当業者は、特許請求の範囲に記載されているような以下の開示の原理が、本明細書において明示的には記載されていない異なるシナリオに、本明細書において明示的には記載されていないやり方で適用されてもよいことを認識するであろう。
【0045】
更に、以下において使用されている、手順、エンティティ、レイヤ等の用語のうちの一部は、LTE/LTE-Aシステム又は現在の3GPP 5G標準化で使用されている用語に密接に関連しているが、次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて使用される具体的な用語は、まだ完全には決定されていない。
【0046】
したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更される可能性がある。結果として、当業者は、実施形態及びその保護範囲が、より新しい用語又は最終的に合意される用語を欠くために、本明細書において例示的に使用されている特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能及び原理の基礎をなす機能及び着想に関してより広く理解されるべきであることを認識するであろう。
【0047】
図1は、移動端末110(ユーザ機器、UEとも呼ばれる)及び基地局160(gノードB、gNBとも呼ばれる)を含む無線通信システムのブロック図を示している。移動端末110は、処理回路130及び送受信機120を備え、これらは、この図において別個の構成ブロックとして示されている。同様に、基地局160は、処理回路180及び送受信機170を備え、これらは、この図において別個の構成ブロックとして示されている。
【0048】
図2は、図1の別個の構成ブロックの分解図であり、無線通信システムに含まれる移動端末110及び基地局160の実装固有の回路を示している。
【0049】
理解しやすくするために、この図は、ダウンリンク制御チャネル受信に関連する回路のみを示すように単純化されている。しかしながら、これは、無線通信システムの移動端末110及び基地局160の機能に制限を課すものとして理解されるべきではない。
【0050】
より詳細には、図2における移動端末110は、再度、送受信機120及び処理回路130を備える。重要なことに、処理回路130は、復調回路130-1、デスクランブル(スクランブル解除)回路130-2、及び復号回路130-3を含み、無線チャネル推定回路130-4、復調用参照信号(DM-RSとも呼ばれる)生成回路130-5、及び関連付け情報記憶回路130-6を更に含む。
【0051】
更に、図2における基地局160は、再度、送受信機170及び処理回路180を備える。重要なことに、処理回路180は、符号化回路180-1、スクランブル回路180-2、変調回路180-3、関連付け情報記憶回路180-5、及び復調用参照信号(DM-RS)系列生成部180-4を備える。
【0052】
概して、以下の説明において、移動端末110及び基地局160は、ビームを介した互いとのダウンリンク通信に関与すると仮定する。ダウンリンク伝送の場合、基地局160は、異なる指向性及び/又はカバレッジを有する複数の送信ビーム(txビーム#1、txビーム#2、txビーム#3、...)を有するよう構成されている。同様に、移動端末110は、異なる指向性及び/又はカバレッジを有する複数の受信ビーム(rxビーム#1、rxビーム#2、rxビーム#3、...)を有するよう構成されている。
【0053】
ビーム管理のための十分に確立された手順は、初期ビームペアを確立する目的に役立ち、通常動作中にビームペアを調整する目的に役立ち、ビーム障害後にビームペアを回復する目的に役立つ。重要なことに、ビームペアは、ダウンリンク通信のための、基地局160の1つの送信ビーム(例えば、txビーム#1)及び移動端末110の1つの受信ビーム(例えば、rxビーム#1)を含むペアを特定する。
【0054】
そのようなビームペアは、反対の指向性及び/又はカバレッジを有する送信ビーム及び受信ビームのペア(すなわち、物理的に互いに直接的に指向するビーム)を特定することができる。しかしながら、これは、必ずしも良好な接続性をもたらすとは限らない。周囲環境における障害物に起因して、送信機と受信機との間のこのような直接パスが遮断されることがあり、反射パスが、より良好な接続性を提供することがある。
【0055】
本開示のコンテキストにおいて、移動端末110は、ダウンリンク通信を運ぶのに適していることが分かっている、そのようなビームペア、又は、送信ビーム(例えば、txビーム#1)と受信ビーム(例えば、rxビーム#1)との間の対応、を認識することを理解することが重要である。換言すれば、この対応は、電波伝播の直接パス又は反射パスを伴い得る。
【0056】
ここで、ダウンリンク制御チャネル(物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCHとも呼ばれる)受信に言及する場合、本開示における一態様は、移動端末(具体的には、その処理回路130)が、複数の送信ビームのうちのどの1つの送信ビームがダウンリンク送信のために基地局によって使用されるかに関する想定を(正確に)有することである。
【0057】
処理回路130は、過去の(成功した)ダウンリンク伝送からこの想定を推測することができる。進行中のダウンリンク伝送のみに本開示を限定する必要はないことに留意されたい。むしろ、処理回路130は、初期ビーム確立の場合及び/又はビーム障害回復の場合にも、この想定を推測することができる。
【0058】
いずれにせよ、移動端末110は、送受信機120が最高の受信電力及び/又は受信品質を検出することを可能にする送信ビームを基地局160にシグナリングする。また、この場合、処理回路130は、基地局が、後続のダウンリンク通信のために、このシグナリングされた送信ビームに依拠すると合理的に想定することができる。
【0059】
要するに、基地局160が、ダウンリンク制御チャネル(物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCHとも呼ばれる)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信に使用するよう構成されている、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(例えば、txビーム#1)に関する想定を移動端末110の処理回路130が有する多数のシナリオが存在する。
【0060】
移動端末110の送受信機120は、この想定により、すなわち、基地局160の複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビームに対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(例えば、rxビーム#1)を使用することにより、受信を行う。
【0061】
上述したように、この対応は、互いに物理的に対応するビームのペア又は最良の対応に類似することが(すでに)分かっているビームのペアを伴う。
【0062】
移動端末110の処理回路130は、復調用参照信号を受信した後、これに基づいて、無線チャネル推定を実行する。無線チャネル推定は、例えば、無線チャネル推定回路130-4において実行されてよい。
【0063】
例えば、5G NRは、対応する制御チャネル候補のコヒーレント復調を可能にするために、ダウンリンク制御チャネルに特に関連付けられている復調用参照信号を運ぶ。このために、チャネル推定に使用される受信された復調用参照信号は、以下において説明されるように、復調される受信されたダウンリンク制御チャネル候補に対応する。
【0064】
復調用参照信号とダウンリンク制御チャネル候補との間のこの対応は、両方が伝送される時間及び周波数における隣接位置からもたらされ得る。
【0065】
例えば、5G NRは、復調用参照信号を、リソースエレメントグループ(REG:resource element group)における4番目のサブキャリアごとにマッピングするという点で、そのような隣接位置を規定している。複数のREGのセットは、プリコーディングが一定であるREGバンドルと定義される。したがって、チャネル推定は、REGバンドルごとに実行され、そのうちの少なくとも1つは、制御リソースセット(CORESET)を形成する。
【0066】
更に、符号化及び変調されたダウンリンク制御情報(DCI)を運ぶ物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)のマッピングは、制御チャネルエレメント(CCE:control channel element)及び同じリソースエレメントグループ(REG)に基づいて、特定の構成に従う。PDCCHは、集約レベルと定義される1個、2個、4個、8個、又は16個の連続する制御チャネルエレメントを使用して送信される。制御チャネルエレメントは、どのサーチスペースが定義されるかに関する単位である。
【0067】
具体的には、サーチスペースは、移動端末が復号を試みる所与の集約レベルでCCEによって形成されるダウンリンク制御チャネル候補のセットである。サーチスペースに対する設定されたモニタ機会において、移動端末は、ダウンリンク制御チャネル候補を復号しようと試み、その数は、サーチスペースごとに(したがって、集約レベルごとに)設定されている。
【0068】
無線チャネル推定は、移動端末において(別個に)生成された復調用参照信号系列を使用して、処理回路130によって実行される。具体的には、処理回路130は、DM-RS系列生成回路130-5において生成された系列を使用することができる。
【0069】
例えば、5G NRにおいて、ダウンリンク制御チャネルのための復調用参照信号は、提供される場合には上位レイヤパラメータpdcch-DMRS-SramblingIDを使用して、又は、物理レイヤセル識別情報によって、生成される(例えば、TS 38.211、第7.4.1.3.1節を参照されたい)。これらのパラメータは、疑似ランダム系列生成器を初期化するために使用され、生成された疑似ランダム系列c(i)は、OFDMシンボルIに対する参照信号系列r(m)を規定する。
【0070】
処理回路130は、復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビームに関連付けている関連付け情報を観測して(に従って、を考慮して)、復調用参照信号系列を生成する。換言すれば、この関連付け情報は、どの復調用参照信号系列が生成されるかに直接影響を及ぼす。
【0071】
例示的な構成では、この関連付け情報は、上位レイヤシグナリングを介して(例えば、無線リソース制御(RRC)設定又はシステム情報シグナリングを介して)、移動端末に提供されることもあるし、又は、各移動端末において別個に推測されることもある(例えば、基地局の複数の送信ビームのうちの別個の1つの送信ビームをそれぞれ識別する同期信号ブロック(SSB)インデックスから導出されることもある)。
【0072】
例えば、特定の想定される送信ビームを考慮して、関連付け情報は、この想定される送信ビームを、生成される復調用参照信号系列に直接的に関連付けることができる。また、関連付け情報は、どの復調用参照信号系列が生成されるかに基づいて、想定される送信ビームを系列(ベース系列とも呼ばれる)に関連付けることができる。そして、関連付け情報は、この想定される送信ビームを、生成される復調用参照信号系列に間接的に関連付けることもできる。
【0073】
関連付け情報は、例えば、図3に示されている関連付け情報記憶回路130-6に記憶されてよい。ここでは、複数の送信ビームの各送信ビームは、異なる復調用参照信号(DM-RS)生成ベース系列に関連付けられ、したがって、生成される復調用参照信号系列に間接的に関連付けられる。
【0074】
互換性の理由から、例示的に示されているDM-RS生成ベース系列は、16ビットを含むように定義され、それによって、疑似ランダム系列生成器を初期化する、5G NRにおいて指定されているパラメータのフォーマットを再使用する。しかしながら、これは、本開示を限定するものとして理解されるべきではない。
【0075】
いずれにせよ、関連付け情報は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられていることを確実にするように定義される。換言すれば、処理回路130が、関連付け情報を観測したとき、2つの異なる復調用参照信号系列を生成することになる2つの送信ビームが存在する。
【0076】
結果として、関連付け情報は、処理回路130が、複数の送信ビームのうちのどの1つの送信ビームを、想定される送信ビームとみなすかに応じて、異なる復調用参照信号系列を生成することを規定する。このような関連付け情報を観測すると、処理回路130は、改善されたチャネル推定を実行する。
【0077】
処理回路130は、想定される送信ビームを使用する送信に固有である復調用参照信号を考慮したチャネル推定を実行する。この想定される送信ビームは、移動端末110にとって良好な接続性であると分かっているビームである。
【0078】
他の移動端末は、他の想定される送信ビームを考慮する可能性が高い。したがって、これらの他の移動端末は、これらの他の移動端末にとって良好な接続性であると分かっている、これらの他の移動端末の想定される送信ビームを使用する送信に固有である復調用参照信号を受信することになる。
【0079】
処理回路130によって実行されるチャネル推定は、関連付け情報を観測したときには、ダウンリンク制御チャネル受信の非常に早い段階ですでに、受信された復調用参照信号が実際に移動端末110を対象としている否かを移動端末110が知ることを可能にし得る。これは、移動端末が、この復調用参照信号に関連付けられているダウンリンク制御チャネル候補の更なる処理をおそらくスキップすることを可能にする。
【0080】
より詳細には、例えば、復調用参照信号が移動端末110を対象としていなかったと仮定すると、処理回路によって実行されるチャネル推定は、移動端末110によって生成される復調用参照信号系列とは異なる送信ビームに関連付けられている、基地局160によって生成された復調用参照信号に基づくであろう。
【0081】
例示的な実施態様において、処理回路130は、受信された復調用参照信号(DM-RS)を、生成された復調用参照信号系列と(相互)相関させ、次いで、処理回路130は、この相関の結果に基づいて、無線チャネル推定品質を決定し、無線チャネル推定品質が閾値以下である場合、処理回路130は、受信されたダウンリンク制御チャネル候補を復調しない。
【0082】
関連付け情報は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられていることを規定するので、これは、復調用参照信号送信を実行するために基地局160によって使用されたものと比較して異なる復調用参照信号系列を使用するチャネル推定をもたらし得る。そして、これらの系列間のそのような相違は、処理回路が、無線チャネルの低い(劣った、悪い)品質を推定することをもたらすことになる。
【0083】
換言すれば、チャネル推定品質は、対応するダウンリンク制御チャネル候補の更なる処理が依存し得る十分な指標である。例えば、低い無線チャネル品質推定値を単に破棄することによって、移動端末は、この復調用参照信号に対応するダウンリンク制御チャネル候補の更なる処理をおそらくスキップすることができる。これにより、移動端末の処理負荷も低減される。
【0084】
移動端末110が、実際に移動端末を対象としていた受信された復調用参照信号に基づいて、チャネル推定を実行すると、処理回路130は、(チャネルが乱されていない限り)十分な(優れた、良い)無線チャネル推定品質を決定する。
【0085】
次いで、この移動端末110の処理回路130は、この無線チャネル品質を使用して、受信された復調用参照信号に対応する受信されたダウンリンク制御チャネル候補を復調する。この復調のために、処理回路130は、無線チャネル推定を用いる。復調は、復調回路130-1において実行されてよい。
【0086】
ここでも、処理回路130は、チャネル推定の結果に応じて、復調を実行する。むしろ、復調は、チャネル推定品質に応じて、処理回路130によって実行されている。したがって、移動端末を対象としていない復調用参照信号送信が、変調中に、処理回路130によって使用されないことを確実にすることができる。
【0087】
完全を期すためだけに、移動端末110は、デスクランブル回路130-2と、それぞれのサーチスペースのブラインド復号を実行する復号回路130-3と、を含んでもよいことに言及する。これらの回路は、無線チャネル推定を用いた復調が成功すれば、順次動作している。
【0088】
上記と同様に、基地局160も、関連付け情報に基づいて動作している。
【0089】
ここで、基地局160の処理回路180は、移動端末が、移動端末におけるダウンリンク制御チャネル(略してPDCCH)受信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。
【0090】
基地局160の送受信機170は、複数の受信ビームのうちの想定される1つの受信ビーム(rxビーム#1)に対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用して、移動端末にダウンリンク制御チャネル及び対応する復調用参照信号を送信する。
【0091】
処理回路180は、動作中、送信されるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を変調し、対応する復調用参照信号(DM-RS)として送信される復調用参照信号系列を生成する。
【0092】
復調用参照信号系列は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される当該復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成される。
【0093】
(第1の例示的な関連付け情報)
上記に関連して、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられていることを規定する関連付け情報が説明される。このような関連付け情報を定義するための多くのメカニズムが存在する。更に、関連付け情報は、送信ビームを、生成される復調用参照信号系列に直接的又は間接的に関連付けることができることが説明されてきた。
【0094】
以下において、送信ビームを異なる復調用参照信号系列に間接的に関連付けている第1の例示的な関連付け情報が説明される。このような例示的な関連付け情報の実施態様が、図4に示されている。具体的には、関連付け情報は、復調用参照信号系列を生成するために使用されるDM-RS生成ベース系列(又は変更されたスクランブリングID)に関連して定義される。
【0095】
換言すれば、この例において、処理回路130は、生成される復調用参照信号系列が複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられているように、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビームの識別情報(txビームID)を含むベース系列から、復調用参照信号系列を生成する。
【0096】
関連付け情報のこのような定義により、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられていることを確実にすることができる。
【0097】
例えば、ベース系列(又は変更されたスクランブリングID)は、想定される送信ビームを含むセルの識別情報(セルID)の少なくとも一部と、このセルを含むネットワークの識別情報(PLMN ID)の少なくとも一部と、のうちの少なくとも一方を含む。セルの識別情報の少なくとも一部又はネットワークの識別情報の少なくとも一部は、それぞれの識別情報の最下位ビットから所定数のビットに対応してよい。
【0098】
セルID、PLMN ID、又はビームIDはまた、ベース系列に間接的に影響を及ぼすことがあり、例えば、ベース系列(又は変更されたスクランブリングID)は、PLMN IDから生成された第1の番号、セルIDから生成された第2の番号、及びビームIDから生成された第3の番号に基づいて導出されてもよく、これらの番号のうちの少なくとも1つは、セルID、PLMN ID、又はビームIDの元々の長さよりも短いことに留意されたい。
【0099】
このように、セルID及びPLMN IDの少なくとも一部をDM-RS生成ベース系列に付加することにより、隣接するセル及び/又はネットワークの間における同じ関連付け情報から生じる競合を防止することができる。
【0100】
換言すれば、関連付け情報を決定論的に(例えば、ランダムにではなく)生成することは、隣接するセル及び隣接するネットワーク内の2つの基地局について、同じ復調用参照信号系列が同じ送信ビームに対して生成されるというリスクを常に負う。これらの付加により、競合を防止することができる。
【0101】
例えば、図4における最初の行を例にとると、関連付け情報は、送信ビーム#0が、ビーム識別情報として「011 001」を含むベース系列に関連付けられていることを指定する。更に、このベース系列は、セル識別情報の一部として値「10101」を含む。最後に、このベース系列は、ネットワーク識別情報の一部として値「00101」も含む。
【0102】
5G NRにおいて、PLMN IDは、最小で7ビットを、最大で20ビットを必要とするように定義され、セルIDは、10ビットを必要とするように定義されている。合計16ビットに達するために、識別値は、各々が5ビットを含むように切り詰められる。これが、図5aに示されている。ベース系列の別の構成が、図5bに示されている。図5bにおいて、セルIDのみが、3ビットに切り詰められ、PLMN IDの最小7ビットが再使用されており、図5cにおいて、PLMN IDが、(完全に)破棄され、セルIDが、その全長10ビットをもって再使用されている。図5cに示されている後者のケースは、例えば、所与のエリアにおける1つのオペレータのみ(したがって、1つのPLMN IDのみ)によるライセンス帯域動作に適している。一方、図5bにおけるケースは、所与のエリアに数個のセルしか配置されないシナリオに適している。図5aにおけるケースは、区別可能なセルの数と区別可能なネットワークの数との間のトレードオフを提供する。代替的に、PLMN IDが利用可能でない場合、例えば0といった固定値が、ベース系列の対応するビットフィールドにおいて使用されてもよい。
【0103】
この例示的な実施態様は、ダウンリンク制御チャネルのスクランブル/デスクランブルと組み合わされてもよい。
【0104】
更なる例示的な実施態様に従うと、処理回路130は、移動端末におけるベース系列を使用して、復調されたダウンリンク制御チャネル候補をデスクランブルする。同様に、処理回路180は、基地局におけるベース系列を使用して、変調されるダウンリンク制御チャネルをスクランブルする。これは、更に、分離を強化する。
【0105】
(第2の例示的な関連付け情報)
送信ビームを異なる復調用参照信号系列に間接的に関連付けている第2の例示的な関連付け情報が開示される。
【0106】
この実施態様は、最初に、復調用参照信号系列が従来のやり方で導出される(例えば、上位レイヤパラメータpdcch-DMRS-SramblingID(提供される場合)又は物理レイヤセル識別情報)という理解に基づいている。次いで、この系列が、異なる送信ビームに関連付けられている直交カバーコードの対象になる。
【0107】
換言すれば、処理回路130は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられている直交カバーコードを使用することを含んで、スクランブリング識別情報(スクランブリングID)に対応するベース系列から、復調用参照信号系列を生成する。
【0108】
関連付け情報のこのような定義により、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられていることを確実にすることができる。更に、これは、異なるビームの分離を強化する。
【0109】
この例示的な実施態様は、ダウンリンク制御チャネルのスクランブル/デスクランブルと組み合わされてもよい。
【0110】
更なる例示的な実施態様に従うと、処理回路130は、移動端末におけるベース系列を使用して、復調されたダウンリンク制御チャネル候補をデスクランブルする。同様に、処理回路180は、基地局におけるベース系列を使用して、変調されるダウンリンク制御チャネルをスクランブルする。これは、更に、分離を強化する。
【0111】
(第3の例示的な関連付け情報)
送信ビームを異なる復調用参照信号系列に間接的に関連付けている第3の例示的な関連付け情報が開示される。
【0112】
この実施態様は、最初に、復調用参照信号系列が従来のやり方で導出される(例えば、上位レイヤパラメータpdcch-DMRS-SramblingID(提供される場合)又は物理レイヤセル識別情報)という理解に基づいている。次いで、この系列が、異なる送信ビームに関連付けられている異なるシフト値に基づいて、巡回シフトされる。
【0113】
換言すれば、処理回路130は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられている巡回シフト値に対応する巡回シフトを復調用参照信号系列に適用することを含んで、スクランブリング識別情報(スクランブリングID)に対応するベース系列から、復調用参照信号系列を生成する。
【0114】
この場合も、この例示的な実施態様は、ダウンリンク制御チャネルのスクランブル/デスクランブルと組み合わされてもよい。
【0115】
更なる例示的な実施態様に従うと、処理回路130は、移動端末におけるベース系列を使用して、復調されたダウンリンク制御チャネル候補をデスクランブルする。同様に、処理回路180は、基地局におけるベース系列を使用して、変調されるダウンリンク制御チャネルをスクランブルする。これは、更に、分離を強化する。
【0116】
(第1の例示的な実施形態)
図6は、第1の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信のフロー図を示しているのに対し、図7は、そのようなダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図を示している。
【0117】
この第1の例示的な実施形態は、図7に示されているように、ダウンリンク共有チャネルにおけるランダムアクセス応答メッセージをスケジュールするダウンリンク制御チャネル送信を受信するための一般的な概念を利用する。
【0118】
この実施形態は、5G NRにおいて指定されているランダムアクセス手順に密接にリンクされているので、以下において、それに従った用語が使用される。しかしながら、これは、いかなる点においても本開示を限定するものとして理解されるべきではない。
【0119】
この実施形態は、例えば、UE(又は移動端末)が、ランダムアクセス手順を実行しており、このコンテキストにおいて、ダウンリンク制御情報(DCI)を運ぶ共通サーチスペースに含まれる復調されるPDCCH候補を受信することを予期しているという理解に基づいている。前述した関連付け情報に起因して、ダウンリンク制御情報(DCI)は、複数の移動端末のグループ(のみ)を対象としており、ダウンリンク制御情報(DCI)は、少なくとも、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI)でスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット1_0に対応する。
【0120】
より詳細には、UEは、gNBとの通信に適している想定される送信ビーム(例えば、ビーム#1)を決定する(図6のS61)。例えば、UEは、SSブロック(SSB)に含まれるプライマリ同期信号(PSS)又はセカンダリ同期信号(SSS)の受信電力又は受信品質を測定することができる。SSBは、ビームスイーピング方式でgNBによって送信されるので、SSB識別情報と、それにより、適していると分かっているビームIDと、を導出することができる。このビームIDは、以後、想定される送信ビームであるとみなされる。
【0121】
これに基づいて、UEは、この段階で、想定される送信ビーム(例えば、ビーム#1)に関連付けられているDM-RS系列を生成することに進むことができる(図6のS62)。この生成のために、UEは、生成されるDM-RS系列を想定される送信ビーム(例えばビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測する(に従う、を考慮する)。この関連付け情報により、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なるDM-RS系列に関連付けられている。代替的に、UEは、後の段階でもDM-RS系列を生成してもよい。
【0122】
次いで、UEは、想定される送信ビーム(例えば、ビーム#1)に対応するランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルを送信する(図6のS63)。より詳細には、最良の適切な(又は想定される)送信ビームの情報をgNBに伝達するために、異なるRACHプリアンブル及び/又はRACHリソースが、5G NRにおいて定義されている。これにより、UEは、gNBが、UEへの後続の送信のためにこの送信ビームを決定できることも確実にする。
【0123】
続いて、UEは、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージを受信する準備をする(図6のS64)。ランダムアクセス応答メッセージは、PDSCHにおいてgNBによって送信され、例えば、Type1-PDCCH共通サーチスペースセットといった、対応する共通サーチスペースにおいて、PDCCH送信によってスケジュールされる。この共通サーチスペースセットは、例えば、各スロットにおける最初の2シンボルといった、時間及び周波数における設定された位置に対応する。
【0124】
RARウィンドウの持続時間の間、UEは、RACHプリアンブルに対応するRARメッセージのために、PDCCH送信をモニタする(図6のS65)。しかしながら、通常の手順とは異なり、UEは、上述した改善されたPDCCH受信を実行し、それにより、UEの処理負荷を低減する。
【0125】
具体的には、UEは、PDCCHについて、受信されたDM-RSに基づいて、チャネル推定を実行する(図6のS66)。このチャネル推定は、前述したように生成されたDM-RS系列を使用する。この生成されたDM-RS系列は、想定される送信ビーム(例えば、ビーム#1)に関連付けられているので、想定される送信ビーム(例えば、送信ビーム#1)において送信されて受信されたDM-RS以外についても、チャネル推定品質は低い(図6のS67)。
【0126】
チャネル推定品質が低いと判明した場合、UEは、このスロットにおける共通サーチスペースセットについてPDCCH復号をスキップし(図6のS68)、次のスロットにおけるPDCCHスケジューリングを受信する準備をすることに直ちに進む。これにより、UEにおいて処理負荷を大幅に低減することができる。
【0127】
チャネル推定品質が十分であると判明した場合、UEは、共通サーチスペースセットのPDCCH候補のPDCCH復号を実行する(図6のS69)。図示されていないが、UEは、まず、チャネル推定を用いて各PDCCH候補を復調する。
【0128】
スケジューリングを含むPDCCHを復号した後、UEは、PDSCHを介してRA応答メッセージを受信することができる(図6のS70)。
【0129】
図7から明らかなように、gNBは、異なるUEからのRARメッセージを組み合わせて、それにより、より速い応答時間を確保する。図示されているケースでは、UE1及びUE2が、同様の時点でランダムアクセスチャネル手順を実行している。したがって、gNBは、同時にRARメッセージを送信する。
【0130】
UE1及びUE2は、それぞれ、異なる想定される送信ビーム(例えば、ビーム#2及びビーム#1)を有しているので、関連付け情報は、UE2ではなくUE1のみが、ビーム#2に対応するスロットにおけるPDCCHを復号していること、及び、UE1ではなくUE2のみが、ビーム#1に対応するスロットにおけるPDCCHを復号していることを確実にすることができる。
【0131】
(第2の例示的な実施形態)
図8は、第2の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信のフロー図を示しているのに対し、図9は、そのようなダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図を示している。
【0132】
この第2の例示的な実施形態は、特に、図9に示されているように、チャネル占有時間(COT:channel occupation time)概念が展開されるアンライセンス(NR-U)シナリオを考慮する。
【0133】
前述したように、チャネル占有時間は、エンティティが、所与のキャリアの利用可能性を再評価すること(すなわち、LBT/CCA)なく、所与のキャリアにおいて送信を行っている最大送信持続時間を定義している。この概念は、NR-Uのために容易に展開され、改善されたPDCCH受信と有利に組み合わされ得る。
【0134】
より詳細には、UEは、COT指示のモニタ位置の設定を受信する(図8のS80)。
【0135】
この設定は、例えば、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC)を介して受信され得る。モニタ位置は、COT期間の指示と、DLシンボル、ULシンボル、及びフレキシブルシンボル等の伝送フォーマットの指示と、を含むCOT構成の指示を運ぶ、例えばDCIフォーマット2_0のDCIを運ぶ共通サーチスペースセットとして理解することができる。一例として、DCI内の指示は、COTの複数の可能な構成を定義しているテーブルのエントリーを指し示すことができる。
【0136】
続いて、UEは、想定される送信ビームを決定し(図8のS81)、この想定される送信ビームに関連付けられているDM-RS系列を生成し(図8のS82)、生成したDM-RS系列を使用して、チャネル推定を実行し(図8のS83)、チャネル推定品質が低いかどうかを判定する(図8のS84)。
【0137】
UEの想定される送信ビームについて、チャネル推定品質が低いと判定され(図8のS84)、これが、そのようなCOT指示モニタ位置に対応しない現在の時点において生じた(図8のS86)場合、UEは、COT指示の次のモニタ位置に対応する次の設定された時点まで、現在の時点におけるPDCCHの復号をスキップする。
【0138】
UEの想定される送信ビームについて、チャネル推定品質が低いと判定され(図8のS84)、現在の時点が、COT指示モニタ位置に対応する時点である(図8のS86)場合、UEは、例えばUEのサービングビームではなく、別の送信ビーム(図8のS87)に関連付けられている異なるDM-RS系列を使用して、チャネル推定を実行する。最大ビーム試行回数に達していない限りは、チャネル推定が実行される(図8のS88)。
【0139】
他の送信ビームに関連付けられているDM-RSを使用したチャネル推定のうちの1つのチャネル推定が、適切なチャネル推定品質をもたらした場合、UEは、PDCCH復号を実行し、続いて、指示のCOT構成に従う(図8のS85)。このCOT構成から、UEは、COT期間を推測することができ、次いで、全COT期間中、PDCCH受信をスキップする。
【0140】
換言すれば、UEは、gNBからの全ての送信が、COTに従っており、したがって、設定されたモニタ位置においてCOT指示をUEが復号するときにのみ存在することができる、と想定する。
【0141】
そして、チャネル推定が、(UEのサービングビームではない)別の送信ビームについて、低くないチャネル推定品質をもたらした場合、UEは、全COT期間中のgNBによる全ての送信が、このUEを対象としているのではなく、異なるUEを対象としていることを知り、したがって、COT構成の終わりまでモニタをスキップすることができる。これにより、UEにおける処理負荷が大幅に低減される。
【0142】
(第3の例示的な実施形態)
図10は、第3の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信のフロー図を示しているのに対し、図11は、そのようなダウンリンク制御チャネル受信のタイミング図を示している。
【0143】
この第3の例示的な実施形態は、特に、チャネル占有時間(COT)概念が展開され、図11に示されているように、ビーム共通プリアンブル(すなわち、gNBの複数の送信ビームの各送信ビームにおいて送信されるプリアンブル)が、gNBによるビーム固有送信に先行するアンライセンス(NR-U)シナリオを考慮する。
【0144】
このようなビーム共通プリアンブルは、アンライセンス帯域における他の技術とのNR-Uの適合性を保証し、更に、不利な伝搬条件下でもUEによるCOT検出の信頼性を向上させることができる。
【0145】
より詳細には、UEは、設定されたモニタ位置におけるビーム共通プリアンブル系列を含むチャネル占有時間(COT)指示のモニタ位置の設定を受信する(図10のS100)。
【0146】
この設定は、例えば、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC)を介して受信され得る。モニタ位置は、COT期間の指示と、DLシンボル、ULシンボル、及びフレキシブルシンボル等の伝送フォーマットの指示と、を含むCOT構成の指示を運ぶ、例えばDCIフォーマット2_0のDCIを運ぶ共通サーチスペースセットとして理解することができる。一例として、DCI内の指示は、COTの複数の可能な構成を定義しているテーブルのエントリーを指し示すことができる。
【0147】
そのような設定されたプリアンブルモニタ位置において、UEは、ビーム共通プリアンブル系列を検出しようと試みる(図10のS101)。
【0148】
この検出は、PDCCHモニタを必ずしも含むものではなく、代わりに、設定された位置における電力測定からもたらされてもよい。また、例えば、そのようなプリアンブルを検出するためだけに構成されている専用回路に依拠するメカニズムといった異なるメカニズムを想定することもできる。
【0149】
プリアンブルが検出された(図10のS102)場合、UEは、第2の例示的な実施形態に関連してすでに説明されているプロセスを実行することに進む。簡略化のために、図8における個々のステップの説明を参照されたい。
【0150】
プリアンブルが検出されない(図10のS102)場合、UEは、次の設定された時点まで、現在の時点におけるPDCCHの復号をスキップする。これにより、UEにおける処理負荷が大幅に低減される。
【0151】
図12は、第3の例示的な実施形態に従ったダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信のフロー図を示している。この図は、gNBによる処理を反映している。
【0152】
より詳細には、gNBは、まず、アンライセンス動作における空きチャネル判定(CCA)を実行する(図12のS121)。CCAをパスした(図12のS122)場合、gNBは、UEにおいて設定された最初の利用可能な時点において、ビーム共通系列を使用して、COTプリアンブルを送信する(図12のS123)。この時点は、例えば、CCAの直後の最初のOFDMシンボルに対応してよい。COTプリアンブルの直後の1つ以上のシンボルにおいて、gNBは、対応するビーム固有DM-RS信号とともにビーム固有PDCCHを送信する(図12のS124)。
【0153】
このPDCCH送信により、gNBは、COT中における、対象としている1つ以上のUEのためのダウンリンク及びアップリンクデータ伝送をスケジュールすることができる(図12のS125)。COT期間が経過した(図12のS126)とgNBが判別すると、gNBは、チャネルを解放し(図12のS127)、例えば、gNBは、更なる送信を行わない。
【0154】
(別の例示的な実施態様)
図13及び図14は、別の例示的な実施態様に従った移動端末及び基地局のフロー図及びタイミング図を示している。この実施態様において、前述した着想が、更に改良され、チャネル占有時間(COT)期間内にアドレッシングされるように意図されている移動端末についても、処理負荷の低減を可能にする。
【0155】
このコンテキストにおいて、基地局によるチャネルについての使用パターンの設定を特定する情報が移動端末に提供されることが、概括的な理解である。このような使用パターンは、例えば、図14に示されているようなチャネル占有時間(COT)構成であってよい。しかしながら、チャネル使用を設定するより多くの可能性があるので、使用パターンは、この点において限定されるものとして理解されるべきではない。
【0156】
例えば、基地局に対する実質的な制約は、チャネル占有時間(COT)構成が、現在、COT期間内の異なる時間期間(例えば、スロット)を個々のビーム使用に帰属させることを可能にしないことから生じる。この欠点を改善するために、各ビーム使用についての個々の持続時間を含むものとして、使用パターンを定義することが可能である。これは、よりフレキシブルなスケジューリングを可能にする。
【0157】
ここでも、これはCOT構成とは異なる。COT構成は、単に、COT期間と、全COT期間の間に使用される伝送フォーマット(DLシンボル、ULシンボル、又はフレキシブルシンボル)と、を特定するだけである。換言すれば、COT構成に含まれるCOT期間内で、基地局は、異なる時間期間を個々の移動端末に帰属させるために、ダウンリンク制御チャネルを介した動的スケジューリングに依拠することになる。
【0158】
そして、動的スケジューリングにより、各移動端末は、COT期間中の受信から除外されない限り、想定される(サービング)送信ビームを使用して送信されるダウンリンク制御チャネル候補及び復調用参照信号を対象に、ダウンリンク制御チャネルをモニタする必要がある。
【0159】
このために、複数の移動端末のグループに共通であるサーチスペースにおいて基地局によって送信される新しいダウンリンク制御情報(DCI)が定義される。このDCIは、少なくとも、このDCIが有効であるとみなされる持続時間と、各ビーム使用についての個々の持続時間を含むことができる使用パターンの識別情報と、を含む。オプションで、このDCIはまた、セルの識別情報(セルID)及び/又はネットワークの識別情報(PLMN ID)の少なくとも一部を含んでもよい。
【0160】
本開示のコンテキストにおいて、この使用パターンは、複数の送信ビームのうち、持続時間の少なくとも一部の間のダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信のために基地局によって使用されている少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報として定義される。
【0161】
例えば、新しいダウンリンク制御情報(DCI)が、2つの送信ビーム(例えば、txビーム#1及びtxビーム#2)の識別情報を含む場合、このダウンリンク制御情報は、このダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間内の各ビームの個々の使用の指示も含む。
【0162】
概して、使用パターンは、ダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間内に制御チャネルに使用される送信ビームを規定し、これにより、制御チャネル送信を、規定された送信ビームが適切なチャネル推定品質を容易にする移動端末のみに制限する。ダウンリンク制御チャネルは、スケジューリングを担うので、規定された送信ビームは、それに応じて、通信を特定の移動端末のみに制限する。
【0163】
この実施態様は、使用パターンを含む新しいダウンリンク制御情報(新しいDCI)の送信のための特定のシグナリングメカニズムも規定することに留意されたい。異なる指向性及び/又はカバレッジを有する異なる(狭)ビームを用いる従来の方法でダウンリンク制御チャネル送信を実行するのではなく、本開示は、DCIが、広送信ビームにおいて基地局によって送信されるダウンリンク制御チャネルにおいて運ばれることを見越している。
【0164】
この広送信ビームは、無線通信システムにおける異なる(狭)送信ビームに取って代わるように意図されてはいない。そうではなく、異なる(狭)送信ビームを用いた共通サーチスペースにおけるダウンリンク制御チャネルの送信が複雑なシステム設計をもたらすことが、本発明者らによって認識されている。
【0165】
この点において、共通サーチスペースにおけるダウンリンク制御チャネル送信を、複数の移動端末に、より容易に伝達することができる単一の広送信ビーム(例えば、セクタビーム又は無指向性ビーム)を有するよう基地局を構成することが提案される。例えば、基地局は、1つの広送信ビーム(例えば、ビーム#0)及び複数の(狭)送信ビーム(例えば、txビーム#1~#31)を含むよう構成されてよい。
【0166】
以下において、ダウンリンク制御チャネル送信のためのこの広ビーム使用は、ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信に特定のフォーマットを使用すると称される。この特定のフォーマットは、上述した新しいダウンリンク制御チャネル情報(DCI)を運ぶためのフォーマットとして理解されるべきである。ダウンリンク制御情報(DCI)は、一般に、特定のフォーマットを使用して伝達され、それにより、移動端末による容易な識別及び復号を可能にする。このことは、このケースにも同様に当てはまる。
【0167】
例示的な実施形態において、基地局は、複数の送信ビームとは異なる特定の広送信ビーム(txビーム#0)を使用した、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信の特定のフォーマットに、特定の時点を使用するよう構成されている。そして、この構成を特定する情報が、移動端末の処理回路に提供される。
【0168】
続いて、移動端末の送受信機は、特定の時点において(図13のS131)、複数の受信ビームのうち、特定の広送信ビーム(txビーム#0)を受信するのに適している1つの受信ビーム(rxビーム#0)を使用して、基地局から、特定のフォーマットのダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する(図13のS130)。
【0169】
次いで、移動端末の処理回路は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行し(図13のS133)、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調し、特定のフォーマットに従って、復調したダウンリンク制御チャネル候補を復号する。
【0170】
特定のフォーマットは、ダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間と、複数の送信ビームのうち、持続時間の少なくとも一部の間のダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信のために基地局によって使用されている少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報と、を含むダウンリンク制御情報を運ぶ復号されるダウンリンク制御チャネル候補を規定している。
【0171】
最後に、移動端末の処理回路は、複数の送信ビームのうちの少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報(図13のS134)を使用して、ダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間の少なくとも一部の間チャネル推定を実行するために使用される(図13のS135)復調用参照信号系列を、関連付け情報を観測して生成する。
【0172】
重要なことに、移動端末の処理回路は、複数の送信ビームのうちの少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報(図13のS134)が、移動端末が受信する適切な送信ビームを含まない(例えば、想定される送信ビームではない)ことを検出することもできる。そして、移動端末の処理回路は、ダウンリンク制御情報要素が有効であるとみなされる持続時間内のダウンリンク制御チャネルの更なるモニタをスキップする(図13のS136)。
【0173】
すでに上述しているように、COT期間内の異なる時間期間(例えば、スロット)を個々のビーム使用に帰属させることは有効である。この場合、COT期間内にアドレッシングされるように意図されている移動端末についても、処理負荷を低減することができる。
【0174】
(更なる態様)
第1の態様に従うと、処理回路及び送受信機を備えるユーザ機器が提供される。処理回路は、基地局が、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。送受信機は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用して、基地局からダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する。処理回路(130)は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行する。処理回路は、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調する。無線チャネル推定は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成された復調用参照信号系列を使用して実行される。
【0175】
第1の態様に加えて提供される第2の態様に従うと、無線チャネル推定を実行することは、
処理回路(130)が、動作中、受信された復調用参照信号(DM-RS)を、生成された復調用参照信号系列と相関させることと、
処理回路(130)が、動作中、相関の結果に基づいて、無線チャネル推定品質を決定することと、
を含む。
上記に加えて又は上記の代わりに、無線チャネル推定品質が閾値以下である場合、処理回路(130)は、受信されたダウンリンク制御チャネル候補を復調しない。
【0176】
第1の態様又は第2の態様に加えて提供される第3の態様に従うと、処理回路(130)は、生成される復調用参照信号系列が複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられているように、動作中、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビームの識別情報(txビームID)を含むベース系列(変更されたスクランブリングID)から、復調用参照信号系列を生成する。
【0177】
第3の態様に加えて提供される第4の態様に従うと、処理回路(130)は、
想定される1つの送信ビームを含むセルの識別情報(セルID)の少なくとも一部と、
セルを含むネットワークの識別情報(PLMN ID)の少なくとも一部と、
のうちの少なくとも一方を更に含むベース系列(変更されたスクランブリングID)から、復調用参照信号系列を生成する。
セルの識別情報の少なくとも一部又はネットワークの識別情報の少なくとも一部は、セルの識別情報又はネットワークの識別情報それぞれの最下位ビットから所定数のビットに対応する。
【0178】
第3の態様又は第4の態様に加えて提供される第5の態様に従うと、処理回路(130)は、ベース系列を使用して、復調されたダウンリンク制御チャネル候補をデスクランブルする。
【0179】
第1の態様、第2の態様、及び第5の態様のうちのいずれかに加えて提供される第7の態様に従うと、処理回路(130)は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられている直交カバーコードを使用することを含んで、スクランブリング識別情報(スクランブリングID)に対応するベース系列から、復調用参照信号系列を生成する。
【0180】
第1の態様、第2の態様、及び第5の態様のうちのいずれかに加えて提供される第6の態様に従うと、処理回路(130)は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられている巡回シフト値に対応する巡回シフトを復調用参照信号系列に適用することを含んで、スクランブリング識別情報(スクランブリングID)に対応するベース系列から、復調用参照信号系列を生成する。
【0181】
第1の態様~第7の態様のうちのいずれかに加えて提供される第8の態様に従うと、復調されるダウンリンク制御チャネル候補は、複数の移動端末のグループを対象としているダウンリンク制御情報(DCI)を運ぶ共通サーチスペースに含まれる。ダウンリンク制御情報(DCI)は、少なくとも、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI)でスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット1_0に対応する。
【0182】
第1の態様~第8の態様のうちのいずれかに加えて提供される第9の態様に従うと、復調されるダウンリンク制御チャネル候補は、複数の移動端末のグループを対象としているダウンリンク制御情報(DCI)を運ぶ共通サーチスペースに含まれる。ダウンリンク制御情報(DCI)は、スロットフォーマット無線ネットワーク一時識別子(SFI-RNTI)でスクランブルされたCRCを含むDCIフォーマット2_0及びチャネル占有時間(COT)構成の指示を運ぶ任意の他のDCIフォーマットのうちの少なくとも一方に対応する。
【0183】
第1の態様~第9の態様のうちのいずれかに加えて提供される第10の態様に従うと、送受信機(120)が、チャネル占有時間(COT)指示のモニタ位置の設定を受信した場合、処理回路(130)は、動作中、モニタ位置において、
複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けられている復調用参照信号系列を使用して、無線チャネル推定を実行し、
無線チャネル推定品質が閾値以下である場合、複数の送信ビームのうちの別の1つの送信ビーム(txビーム#2)に関連付けられている異なる復調用参照信号系列を使用して、無線チャネル推定を更に実行し、
異なる復調用参照信号系列を使用した無線チャネル推定品質が閾値を超える場合、
処理回路(130)は、受信されたダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH)を復調し、チャネル占有時間(COT)構成の指示を運ぶダウンリンク制御情報(DCI)を運ぶ復調されたダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH)を復号し、
処理回路(130)は、基地局からダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信することを、チャネル占有時間(COT)構成に含まれるチャネル占有時間(COT)期間の残りの時間の間スキップするよう送受信機(120)を構成する。
【0184】
第1の態様~第10の態様のうちのいずれかに加えて提供される第11の態様に従うと、送受信機(120)は、設定されたモニタ位置におけるビーム共通プリアンブル系列を含むチャネル占有時間(COT)指示のモニタ位置の設定を受信する。
【0185】
第1の態様~第11の態様のうちのいずれかに加えて提供される第12の態様に従うと、基地局が、複数の送信ビームとは異なる特定の広送信ビーム(txビーム#0)を使用した、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信の特定のフォーマットに、特定の時点を使用するよう構成されていることを特定する情報が、処理回路(130)に提供される。送受信機(120)は、特定の時点において、複数の受信ビームのうち、特定の広送信ビーム(txビーム#0)を受信するのに適している1つの受信ビーム(rxビーム#0)を使用して、基地局から、特定のフォーマットのダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する。処理回路(130)は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調し、特定のフォーマットに従って、復調されたダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復号する。
特定のフォーマットは、
ダウンリンク制御情報が有効であるとみなされる持続時間と、
複数の送信ビームのうち、持続時間の少なくとも一部の間のダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信のために基地局によって使用されている少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報と、
を含むダウンリンク制御情報を運ぶ復号されるダウンリンク制御チャネル候補を規定している。
処理回路(130)は、複数の送信ビームのうちの少なくとも1つの送信ビーム(txビーム#1)の識別情報を使用して、持続時間の少なくとも一部の間チャネル推定を実行するために使用される復調用参照信号系列を、関連付け情報を参照して生成する。
【0186】
第13の態様に従うと、処理回路及び送受信機を備える基地局が提供される。処理回路(180)は、移動端末が、移動端末におけるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。送受信機(170)は、複数の受信ビームのうちの想定される1つの受信ビーム(rxビーム#1)に対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用して、移動端末にダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を送信する。処理回路(180)は、送信されるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を変調し、対応する復調用参照信号(DM-RS)として送信される復調用参照信号系列を生成する。復調用参照信号系列は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成される。
【0187】
第14の態様に従うと、移動端末についての受信方法が提供される。移動端末は、基地局が、移動端末へのダウンリンク制御チャネル(PDCCH)送信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)送信に、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。移動端末は、複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に対応する、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用して、基地局からダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を受信する。移動端末は、受信された復調用参照信号(DM-RS)に基づいて、無線チャネル推定を実行し、無線チャネル推定品質に応じて、無線チャネル推定を用いてダウンリンク制御チャネル候補(PDCCH候補)を復調する。無線チャネル推定は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの想定される1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成された復調用参照信号系列を使用して実行される。
【0188】
第15の態様に従うと、基地局についての送信方法が提供される。基地局は、移動端末が、移動端末におけるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信及び対応する復調用参照信号(DM-RS)受信に、複数の受信ビームのうちの1つの受信ビーム(rxビーム#1)を使用するよう構成されていると想定する。基地局は、複数の受信ビームのうちの想定される1つの受信ビーム(rxビーム#1)に対応する、複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)を使用して、移動端末にダウンリンク制御チャネル(PDCCH)及び対応する復調用参照信号(DM-RS)を送信する。基地局は、送信されるダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を変調し、対応する復調用参照信号(DM-RS)として送信される復調用参照信号系列を生成する。復調用参照信号系列は、複数の送信ビームのうちの少なくとも2つの送信ビームが異なる復調用参照信号系列に関連付けられているように、生成される復調用参照信号系列を複数の送信ビームのうちの1つの送信ビーム(txビーム#1)に関連付けている関連付け情報を観測して生成される。
【0189】
(本開示のハードウェア及びソフトウェアによる実現)
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。
【0190】
LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。
【0191】
しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。
【0192】
本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0193】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム(通信装置と総称)によって実現可能である。
【0194】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ネットブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0195】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されるものではなく、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター、コントロール・パネル等)、自動販売機、及びその他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(things)」をも含む。
【0196】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0197】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置には、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0198】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、及びその他あらゆる装置、デバイス、又はシステムが含まれる。
【0199】
更に、様々な実施形態は、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって又はハードウェアで直接的に、実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることもできる。ソフトウェアモジュールは、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVD等のあらゆる種類のコンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。更に、異なる実施形態の個々の特徴は、個別に又は任意の組み合わせで、別の実施形態の主題であり得ることに留意されたい。
【0200】
当業者であれば、具体的な実施形態に示されているような本開示に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14