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特許7450593X線スキャナの位置決めシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】X線スキャナの位置決めシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240308BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/08 500
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021211158
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2017116324の分割
【原出願日】2017-06-13
(65)【公開番号】P2022043227
(43)【公開日】2022-03-15
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】201610410580.0
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610640735.X
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610656640.7
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201610816158.5
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517209042
【氏名又は名称】シャンハイ ユナイティッド イメージング ヘルスケア カンパニー リミティッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI UNITED IMAGING HEALTHCARE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.2258 Chengbei Road,Jiading Industrial District,Shanghai,201807,China
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(72)【発明者】
【氏名】チエンチエン ユ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンチャン リュウ
(72)【発明者】
【氏名】ビン タン
(72)【発明者】
【氏名】ショウユエン ジン
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-136507(JP,A)
【文献】特表2004-524897(JP,A)
【文献】特開2009-101208(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0232554(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサと通信し、1組の指令を格納する1つ以上の記憶装置を備えるシステムであって、
前記1組の指令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されるとき、
X線スキャナを使用してターゲットを走査することにより生成される、対象のターゲットの1つ以上の画像を取得するステップと、
前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置を確定するステップと、
前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定するステップと、
前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたは前記X線スキャナのX線源の位置決め情報を確定するステップ、を前記システムに実行させることを特徴とし、
前記位置決め情報は、前記X線源を、前記ターゲットが前記X線スキャナの撮像視野内にあることを許可し、前記位置決め情報に対応する位置に位置決めするように誘導することにより構成され、
前記1つ以上の画像は、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第1のスキャンを実行することによって生成される第1画像と、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第2のスキャンを実行することによって生成される第2画像と、を含み、
前記X線スキャナは、前記第1のスキャンを実行する第1のスキャン位置と、前記第1のスキャン位置と異なり、前記第2のスキャンを実行する第2のスキャン位置と、に配置され、
前記1つ以上の画像ターゲット位置は、前記第1画像に基づいて確定された前記ターゲットの第1画像ターゲット位置と、前記第2画像に基づいて確定された前記ターゲットの第2画像ターゲット位置と、を含み、
の直線数式は、前記X線源の前記第1スキャン位置の3D座標と前記第1画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
の直線数式は、前記X線源の前記第2スキャン位置の3D座標と前記第2画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
前記ターゲットの前記ターゲット位置の3D座標は、A とA との交点の3D座標を確定することによって確定される、システム。
【請求項2】
前記位置決め情報は、前記インジケータを、前記ターゲット位置を示す位置決め情報に対応する位置に位置決めするように誘導することにより構成される、請求項1に記載したシステム。
【請求項3】
次の少なくとも1つが適用され、
前記インジケータは、前記X線スキャナを支持する支持体または前記X線源と前記X線スキャナの検出器との間の空間の周辺に配置されているか、前記X線源または前記検出器に取り付けられており、
前記X線スキャナは、前記インジケータに接続されており、前記インジケータが平行移動やスイングまたはそれらの組み合わせを行うように作動させるアクチュエータをさらに含み、
前記位置決め情報は、点または領域で構成される、請求項2に記載したシステム。
【請求項4】
前記X線源が前記位置決め情報に対応する位置に配置されているとき、前記ターゲット位置と前記X線源との間の距離は、前記ターゲット位置と前記X線スキャナの検出器との間の距離よりも大きい、請求項1に記載したシステム。
【請求項5】
前記ターゲットは、前記第1のスキャンおよび前記第2のスキャンに関連した前記X線スキャナの撮像視野内から任意に位置決めされる、請求項1に記載したシステム。
【請求項6】
前記第1画像ターゲット位置は、第1のROI(関心領域)を表す点または前記第1のROIの中心点を含み、前記第1のROIは、前記第1画像内の前記ターゲットを表し、
前記第2画像ターゲット位置は、第2のROI(関心領域)を表す点または前記第2のROIの中心点を含み、前記第2のROIは、前記第2画像内の前記ターゲットを表す、請求項1または請求項5に記載したシステム。
【請求項7】
前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定するステップは、
前記X線スキャナの第1走査位置と前記第1画像ターゲット位置とを接続して第1線分を確定するステップと、
前記X線スキャナの第2走査位置と前記第2画像ターゲット位置とを接続して第2線分を確定するステップと、
前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するステップを含む、請求項1、請求項5および請求項6のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項8】
前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するステップは、
前記第1線分と前記第2線分との交点が存在しているか否かを判断するステップと、
前記第1線分と前記第2線分との交点が存在するとの判断に対応して、前記第1線分と前記第2線分との前記交点を前記ターゲット位置として指定するステップを含む、請求項7に記載したシステム。
【請求項9】
前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するステップは、
前記第1線分と前記第2線分との交点が存在しないという判断に対応して、前記第1線分内の点と前記第2線分内の点との間の第3線分であって、前記第1線分内のいずれかの点と前記第2線分内のいずれかの点との間の線分の中で最小の長さを持つ第3線分を確定するステップと、
前記第3線分内の点を前記ターゲット位置として指定するステップをさらに含む、請求項8に記載したシステム。
【請求項10】
前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するステップは、
第3線分の長さが閾値以下である又は前記閾値に等しいことを判断するステップをさらに含む、請求項9に記載したシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置を確定するステップは、
前記第1画像に基づいて前記第1画像ターゲット位置を確定するステップと、
前記第2画像および前記第1画像ターゲット位置に基づいて前記第2画像ターゲット位置を確定するステップと、を含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載したシステム。
【請求項12】
X線スキャナを使用してターゲットを走査することにより生成される、対象のターゲットの1つ以上の画像を取得するステップと、
前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置を確定するステップと、
前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定するステップと、
前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたは前記X線スキャナのX線源の位置決め情報を確定するステップを含むことを特徴とし、
前記位置決め情報は、前記X線源を、前記ターゲットが前記X線スキャナの撮像視野内にあることを許可し、前記位置決め情報に対応する位置に位置決めするように誘導することにより構成され、
前記1つ以上の画像は、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第1のスキャンを実行することによって生成される第1画像と、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第2のスキャンを実行することによって生成される第2画像と、を含み、
前記X線スキャナは、前記第1のスキャンを実行する第1のスキャン位置と、前記第1のスキャン位置と異なり、前記第2のスキャンを実行する第2のスキャン位置と、に配置され、
前記1つ以上の画像ターゲット位置は、前記第1画像に基づいて確定された前記ターゲットの第1画像ターゲット位置と、前記第2画像に基づいて確定された前記ターゲットの第2画像ターゲット位置と、を含み、
の直線数式は、前記X線源の前記第1スキャン位置の3D座標と前記第1画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
の直線数式は、前記X線源の前記第2スキャン位置の3D座標と前記第2画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
前記ターゲットの前記ターゲット位置の3D座標は、A とA との交点の3D座標を確定することによって確定される、1つ以上のプロセッサおよび1つ以上の記憶媒体を有する機械に実現される方法。
【請求項13】
少なくとも1組の指示を含む非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1組の指示は、前記1つ以上のプロセッサに、
X線スキャナを使用してターゲットを走査することにより生成される、対象のターゲットの1つ以上の画像を取得し、
前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置を確定し、
前記ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定し、
前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたは前記X線スキャナのX線源の位置決め情報を確定する方法を実行させる、ことを特徴とし、
前記位置決め情報は、前記X線源を、前記ターゲットが前記X線スキャナの撮像視野内にあることを許可し、前記位置決め情報に対応する位置に位置決めするように誘導することにより構成され、
前記1つ以上の画像は、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第1のスキャンを実行することによって生成される第1画像と、前記X線スキャナを使用して前記ターゲットに対して第2のスキャンを実行することによって生成される第2画像と、を含み、
前記X線スキャナは、前記第1のスキャンを実行する第1のスキャン位置と、前記第1のスキャン位置と異なり、前記第2のスキャンを実行する第2のスキャン位置と、に配置され、
前記1つ以上の画像ターゲット位置は、前記第1画像に基づいて確定された前記ターゲットの第1画像ターゲット位置と、前記第2画像に基づいて確定された前記ターゲットの第2画像ターゲット位置と、を含み、
の直線数式は、前記X線源の前記第1スキャン位置の3D座標と前記第1画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
の直線数式は、前記X線源の前記第2スキャン位置の3D座標と前記第2画像ターゲット位置の3D座標に基づいて確定され、
前記ターゲットの前記ターゲット位置の3D座標は、A とA との交点の3D座標を確定することによって確定される、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、ここで参考として援用した2016年6月13日に出願した中国特許出願番号201610410580.0と、2016年8月8日に出願した中国特許出願番号201610640735.Xと、2016年8月11日に出願した中国特許出願番号201610656640.7と、2016年9月9日に出願した中国特許出願番号201610816158.5のそれぞれの内容全体の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、X線スキャナに関し、特にX線スキャナの位置決めシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
X線撮像はX線スキャナを用いて対象を走査して該対象のX線画像を生成する技術である。このX線撮像技術は医療診断や放射線治療計画や手術計画及び他の医療処置に広く使用されている。従来のX線撮像技術では、X線スキャナの位置決めにいくつか問題があった。例えば、手術の前に、医者は患者の表面におけるエントリーポイントを確定する場合がある。従来のX線スキャナには、このエントリーポイントを提示する装置を備えない場合がある。一般的に、医者はこのエントリーポイントを手動で確定する。このため、X線スキャナを位置決めする場合の問題を解決するためのX線撮影システム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
追加の特徴は、以下の説明に一部的に記載され、一部は、以下の図面および添付の図面を検討することにより当業者に明らかになるか、または実施例の製品または動作によって学ぶことができる。本発明の特徴は、以下に説明する詳細な実施例に示される方法、手段および組み合わせの様々な態様の実施または使用によって実現および達成され得る。
【0005】
本発明の第1形態によれば、X線を放射するX線源と、前記X線源と空間を介して隔離し、前記X線源から放射されたX線を検出する検出器と、前記空間の周辺に位置し、ターゲット位置を指示するインジケータと、前記インジケータに接続され、前記インジケータが平行移動やスイング又はそれらの組合せを行うように作動させるアクチュエータを備えたX線スキャナである。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記X線スキャナは、前記X線源に接続された第1端部と、前記検出器に接続された第2端部とを有する支持体をさらに備えてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記インジケータは前記検出器に接続されてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記インジケータは第1線状レーザライトと第2線状レーザライトを備えてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記検出器は前記第1線状レーザライトが接続される第1側面と、前記第2線状レーザライトに接続され前記第1側面に接続される第2側面とを有するフレームを備えてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記第1線状レーザライトは第1レーザ光線を放射し、前記第2線状レーザライトは第2レーザ光線を放射し、前記第1線状レーザライトと前記第2線状レーザライトは、前記第1レーザ光線と前記第2レーザ光線が前記ターゲット位置を指示する交点を形成するように位置決められてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記インジケータは第3線状レーザライトと第4線状レーザライトをさらに備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、第3線状レーザライトは前記フレームの第1側面に接続され、第4線状レーザライトは前記フレームの第2側面に接続されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記フレームは、前記第1側面に平行な第3側面及び前記第2側面に平行な第4側面をさらに備え、前記第3線状レーザライトは前記フレームの前記第3側面に接続され、前記第4線状レーザライトは前記フレームの前記第4側面に接続されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記第1線状レーザライトは第1レーザ光線を放射し、前記第2線状レーザライトは第2レーザ光線を放射し、前記第3線状レーザライトは第3レーザ光線を放射し、前記第4線状レーザライトは第4レーザ光線を放射し、前記第1レーザライト、前記第2レーザライト、前記第3レーザライト及び前記第4レーザライトは、前記第1レーザ光線、前記第2レーザ光線、前記第3レーザ光線及び前記第4レーザ光線がターゲット位置を指示する領域を定義するように位置きめられてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記アクチュエータは、前記第1線状レーザライトを作動させる第1作動ユニットと、前記第2線状レーザライトを作動させる第2作動ユニットを備えてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記第1作動ユニットは、第1伝動装置を備え、前記第1伝動装置はギア伝動装置、鎖伝動装置、ベルト伝動装置のうちの少なくとも1つを備え、前記第1線状レーザライトは前記第1伝動装置に接続されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記第1線状レーザライトは第1平行移動板を介して前記第1伝動装置に接続されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記インジケータは第5レーザライトを備え、前記第5レーザライトは、点状レーザライト又はクロスレーザライトであり、前記第5レーザライトは、前記ターゲット位置を指示するように平行移動又はスイングにより調整可能であってもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記アクチュエータは、前記第5レーザライトを平行移動を行うように作動させる第3作動ユニットと、前記第5レーザライトをスイングを行うように作動させる第4作動ユニットを備えてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記第3作動ユニットは、第2伝動装置と第2平行移動板を備え、前記第2平行移動板は前記第2伝動装置に接続されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記第4作動ユニットは第3伝動装置と回転板を備え、前記第3伝動装置はギア伝動装置と電気モータを備え、前記第5レーザライトは前記ギア伝動装置に接続され、前記ギア伝動装置は前記回転板の第1側面に接続され、前記電気モータは前記回転板の前記第1側面に対向する前記回転板の第2側面に接続され、前記回転板は前記第2平行移動板に接続されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記ギア伝動装置は、駆動ギアと従動ギアを備え、前記第5レーザライトは前記従動ギアに接続されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記駆動ギアは、軸を介して回転板に接続され、前記軸を中心に回転可能であり、前記従動ギアは、前記従動ギアの開口部に挿入された位置決めピンを介して前記回転板に接続されることにより、前記第5レーザライトは前記開口部に沿って回転可能であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記ターゲット位置と前記検出器との間の距離を確定する距離計をさらに備えてもよい。
【0025】
本開示の第2形態によるシステムは、ターゲットを含む対象を走査するX線スキャナと、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサと通信する1つ以上の記憶装置を備えた。前記1つ以上の記憶装置は1組の指令を格納する。前記1組の指令が前記1つ以上のプロセッサにより実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサが下記の動作を実行させるように指示される。前記1つ以上のプロセッサは前記対象内の前記ターゲットに関する1つ以上の画像を取得する。前記1以上のプロセッサは、前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットに対応する1つ以上の画像ターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲットに対応する前記1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたはX線源の位置決め情報を確定する。
【0026】
本開示の第3形態による方法は1つ以上の下記動作を含む。前記1つ以上のプロセッサは前記対象内の前記ターゲットに関する1つ以上の画像を取得する。前記1以上のプロセッサは、前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットに対応する1つ以上の画像ターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲットに対応する前記1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたはX線源の位置決め情報を確定する。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットに対応する前記1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲット位置を確定するために、前記X線スキャナの第1走査位置と、前記X線スキャナの前記第1走査位置に関し第1画像に関する第1画像ターゲット位置との間の第1線分を確定するステップと、前記X線スキャナの第2走査位置と、前記X線スキャナの前記第2走査位置に関し第2画像に関する第2画像ターゲット位置との間の第2線分を確定するステップと、前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するステップを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するために、前記第1線分と前記第2線分との交点が存在しているかどうかを判断するステップと、前記第1線分と前記第2線分との交点が存在するとの判断に対応して、前記第1線分と前記第2線分との前記交点を前記ターゲット位置として指定するステップを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するために、前記第1線分と前記第2線分との交点が存在しないという判断に対応して、前記第1線分上の点と前記第2線分上の点との間の第3線分であって、前記第1線分上の点と前記第2線分上の点とを含む複数の線分の中で最小の長さを持つ第3線分を確定するステップと、前記第3線分上の点を前記ターゲット位置として指定するステップをさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記第1線分と前記第2線分に基づいて前記ターゲット位置を確定するために、前記第3線分の長さが閾値以下又は前記閾値に等しいであることを判断するステップを更に含む。
【0031】
本開示の第4形態によるシステムは、対象を走査するX線スキャナと、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサと通信する1つ以上の記憶装置を備えた。前記1つ以上の記憶装置は1組の指令を格納する。前記1組の指令が前記1つ以上のプロセッサにより実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサが下記の動作を実行させるように指示される。前記1つ以上プロセッサは座標系の原点を確定する。前記1つ以上のプロセッサは前記原点に基づいて前記座標系を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記座標系に基づいて、前記X線スキャナの現在位置の座標を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記現在位置の座標に基づいて、前記X線スキャナの前記現在位置から前記原点に位置する前記X線スキャナの位置決め情報を確定する。
【0032】
本開示の第5形態による方法は1つ以上の下記動作を含む。前記1つ以上プロセッサは座標系の原点を確定する。前記1つ以上のプロセッサは前記原点に基づいて前記座標系を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記座標系に基づいて、前記X線スキャナの現在位置の座標を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記現在位置の座標に基づいて、前記X線スキャナの前記現在位置から前記原点に位置する前記X線スキャナの位置決め情報を確定する。
【0033】
本開示の第6形態による非一時的なコンピュータ可読媒体は少なくとも1組の指示を含む。前記少なくとも1組の指示は1つ以上のプロセッサにより実行される。前記1つ以上のプロセッサは前記対象内の前記ターゲットに関する1つ以上の画像を取得する。前記1以上のプロセッサは、前記1つ以上の画像に基づいて前記ターゲットに対応する1つ以上の画像ターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲットに対応する1つ以上の画像ターゲット位置に基づいて前記ターゲットのターゲット位置を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記ターゲット位置に基づいて、前記X線スキャナのインジケータまたはX線源の位置決め情報を確定する。
【0034】
本開示の第7形態による非一時的なコンピュータ可読媒体は少なくとも1組の指示を含む。前記少なくとも1組の指示は1つ以上のプロセッサにより実行される。前記1つ以上プロセッサは座標系の原点を確定する。前記1つ以上のプロセッサは前記原点に基づいて前記座標系を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記座標系に基づいて、前記X線スキャナの現在位置の座標を確定する。前記1つ以上のプロセッサは、前記原点及び前記現在位置の座標に基づいて、前記X線スキャナの前記現在位置から前記原点に位置する前記X線スキャナの位置決め情報を確定する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明は、例示的な実施形態に関してさらに説明する。これらの例示的な実施形態は、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施形態は、限定するものではない例示的な実施形態であり、同様の参照番号は、図面のいくつかの図にわたって同様の構造を示し、ここで、
【0036】
図1は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なX線スキャナ位置決めシステムを示す概略図である。
【0037】
図2Aは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なX線スキャナを示す概略図である。
【0038】
図2Bは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なレーザライトを示す概略図である。
【0039】
図3Aは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置を示す概略図である。
【0040】
図3Bは本発明のいくつかの実施形態に係るインジケータを作動させるための例示的な過程を示す概略図である。
【0041】
図4は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置を示す概略図である。
【0042】
図5A及び図5Bは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置の3つの斜視図を示す概略図である。
【0043】
図5Bは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な検出器を示す概略図である。
【0044】
図6は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置を示す概略図である。
【0045】
図7は本発明のいくつかの実施形態に係る処理エンジンが実装され得る計算機器のハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素を示す概略図である。
【0046】
図8は本発明のいくつかの実施形態に係る1つ以上の端末が実装され得る携帯機器のハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素を示す概略図である。
【0047】
図9は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な処理エンジンを示す概略ブロック図である。
【0048】
図10は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナのインジケータ又はX線源の位置決め情報を確定するための例示的な過程を示すフローチャートである。
【0049】
図11は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナのインジケータの位置情報を確定するための例示的な過程を示すフローチャートである。
【0050】
図12乃至図15は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程を示す概略図である。
【0051】
図16は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナの同心回転を示す概略図である。
【0052】
図17は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナの非同心回転を示す概略図である。
【0053】
図18は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナのX線源の位置決め情報を確定するための例示的な過程を示すフローチャートである。
【0054】
図19は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程を示すフローチャートである。
【0055】
図20Aは本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための実施例を示す概略図である。
【0056】
図20Bは本発明のいくつかの実施形態に係るX線源の位置決め情報を確定するための実施例を示す概略図である。
【0057】
図21、22A及び22Bは本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための実施例を示す概略図である。
【0058】
図23は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナの位置決め情報を確定するための例示的な過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下の詳細な説明では、関連的開示を完全に理解させるために、複数の特定の詳細を例として記載する。しかし、本開示がそのような詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかである。他の例では、本開示の態様を不要に不明瞭にさせることを避けるために、周知の方法、手順、システム、構成要素、および/または回路は、詳細なしで比較的高レベルで記載されている。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対する様々な変更が当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的原理が他の実施形態および適用に適用されてもよい。したがって、本開示は、示された実施形態に限定されず、請求項と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0060】
本明細書で使用する用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「この」、「該」および「当該」は、文脈上では他に明白に示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、用語「含む」および/または「備える」および/または「有する」は、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を排除するものではないことを理解されてもよい。
【0061】
本明細書で使用される用語「システム」、「エンジン」、「ユニット」、「モジュール」および/または「ブロック」は、昇順で異なるレベルで異なる構成要素、要素、部品、セクションまたはアセンブリを区別する1つの方法であることが理解されてもよい。ただし、これらの用語は、同じ目的を達成する場合、他の表現によって置き換えられる可能性がある。
【0062】
本明細書で使用される場合、一般に、「モジュール」、「ユニット」、または「ブロック」という用語は、ハードウェアまたはファームウェア、またはソフトウェア指示の集合体で具体化されるロジックを指す。本明細書で説明されるモジュール、ユニット、またはブロックは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアとして実施されてもよく、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体または他の記憶装置に格納されてもよい。いくつかの実施形態では、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックをコンパイルし、実行可能プログラムにリンクしてもよい。ソフトウェアモジュールは、他のモジュール/ユニット/ブロックまたはそれ自体から呼び出し可能であり、しかも/あるいは検出されたイベントまたは割り込みに応答して呼び出されることが理解されてもよい。計算機器(例えば図7に示すプロセッサ710)上で実行するように構成されたソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックは、コンパクトディスク、デジタルビデオディスク、フラッシュドライブ、磁気ディスク、または任意の他の有形媒体、またはデジタルダウンロード(最初、実行前にインストール、解凍または解読を必要とする圧縮またはインストール可能なフォーマットで保存することができる)などのコンピュータ可読媒体上に提供されてもよい。そのようなソフトウェアコードは、計算機器により実行するために、実行中の計算機器の記憶装置上に一部または完全に記憶されてもよい。ソフトウェア指示は、ファームウェア、例えばEPROMに組み込まれる。ハードウェアモジュール/ユニット/ブロックは、ゲートおよびフリップフロップなどの接続されたロジック要素に含まれる、しかも/あるいはプログラマブルゲートアレイまたはプロセッサなどのプログラマブルユニットに含まれることが理解されてもよい。本明細書で説明されるモジュール/ユニット/ブロックまたは計算機器の機能性は、ソフトウェアモジュール/ユニット/ブロックとして実装されてもよいが、ハードウェアまたはファームウェアで表現されてもよい。一般的に、本明細書で説明されるモジュール/ユニット/ブロックは、物理的組成または記憶部にもかかわらず、他のモジュール/ユニット/ブロックと組み合わされるか、またはサブモジュール/サブユニット/サブブロックに分割され得る論理モジュール/ユニット/ブロックを指す。上記説明は、システム、エンジン、またはその一部に適用可能である。
【0063】
ユニット、エンジン、モジュールまたはブロックが他のユニット、エンジン、モジュール、またはブロック「の上にある」、「に接続される」、または「に結合される」と言及されるとき、文脈上では他に明示しない限り、他のユニット、エンジン、モジュール、またはブロック「の真上にある」、「に直接接続又は結合される」、「と通信している」か、又は介在するユニット、エンジン、モジュールまたはブロックが存在する可能性があることが理解されてもよい。本明細書で使用される場合、「および/または」、「や」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0064】
本開示のこれらおよび他の特徴、ならびに構造の関連要素の動作および機能の方法ならびに部品の組み合わせおよび製造の経済は、以下の説明を考慮し、全てが本開示の一部を構成する添付の図面を参照して説明することにより、より明らかになる。ただし、図面は例示及び説明の目的のみのためであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが明確に理解されるべきである。図面は縮尺通りではないことが理解されるべきである。
【0065】
本明細書では、医療画像のためのシステムおよび構成要素が記載される。いくつかの実施形態では、撮像システムは、単一モダリティ撮像システムやマルチモダリティ撮像システムを含んでもよい。単一モダリティ画像システムは、例えば、X線スキャナ位置決めシステム、放射計算断層撮影(ECT)システム、磁気共鳴画像(MRI)システム、超音波システム、陽電子放射断層撮影法(PET)システムなどまたはそれらの任意の組み合わせを含む。マルチモダリティ画像システムは、例えば、X線画像-磁気共鳴画像(X線-MRI)システム、陽電子放射断層撮影(PET)-X線画像(PET-X線)システム、単一光子放射コンピュータ断層撮影-磁気共鳴画像(SPECT-MRI)システム、デジタル減算血管造影-磁気共鳴画像(DSA-MRI)システムなどを含む。
【0066】
説明のために、本開示は、X線スキャナに関するシステムおよび方法を記載する。以下に説明されるX線スキャナ位置決めシステム100は、単なる説明のために提供されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを注意すべきである。
【0067】
図1は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なX線スキャナ位置決めシステム100を示す概略図である。図1に示すように、X線スキャナ位置決めシステム100はX線スキャナ110と、ネットワーク120と、1つ以上の端末130と、処理エンジン140と、記憶装置150を備える。X線スキャナ位置決めシステム100内の要素間の接続は可変である。例えば、X線スキャナ110や端末130はネットワーク120を介して処理エンジン140に接続される。別の例として、X線スキャナ110や端末130は処理エンジン140に直接接続される。
【0068】
X線スキャナ110はX線を用いて対象を走査し、当該対象に関する1つ以上の画像を生成するために使用される画像データを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110は更なる処理のために(例えば、1つ以上の画像を生成するために)画像データを処理エンジン140に伝送する。いくつかの実施形態では、画像データや当該対象に関連する1つ以上の画像は記憶装置150や処理エンジン140に格納される。
【0069】
いくつかの実施形態では、X線スキャナ110は、CアームX線スキャナ、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、デジタルラジオグラフィ(DR)スキャナ、デジタル減算血管造影(DSA)スキャナー、動的空間再構築(DSR)スキャナ、X線顕微鏡スキャナ、マルチモダリティスキャナなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的なマルチモダリティスキャナはコンピュータ断層撮影-陽電子放射断層撮影(CT-PET)スキャナ、コンピュータ断層撮影-磁気共鳴画像(CT-MRI)スキャナなどを含む。当該対象は生物学的または非生物学的であってもよい。単に例として、当該対象は患者や人工対象などを含んでもよい。他の例として、当該対象は患者の特定箇所や器官や組織を含んでもよい。例えば、この対象は、頭、脳、首、胴体、肩、腕、胸部、心臓、胃、血管、軟組織、膝、足などまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0070】
ネットワーク120はX線スキャナ位置決めシステム100用の情報やデータのやり取りを促進できれば、任意の適当なネットワークを含んでもよい。いくつかの実施形態では、X線スキャナ位置決めシステム100の1つ以上の構成要素(例えば、X線スキャナ110、端末130、処理エンジン140、記憶装置150など)はネットワーク120を介してこのX線スキャナ位置決めシステム100のもう1つ以上の構成要素に情報やデータを伝達する。例えば、処理エンジン140はネットワーク120を介してX線スキャナ110から画像データを取得する。別の例として、処理エンジン140はネットワーク120を介して端末130からユーザ指令を取得する。ネットワーク120はパブリックネットワーク(例えばインターネット)、プライベートネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)など)、有線ネットワーク(例えばイーサネットネットワーク)(イーサネットは登録商標)、無線ネットワーク(例えば802.11ネットワーク、Wi-Fiネットワークなど)、セルラネットワーク(例えばロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、フレームリレーネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、衛星ネットワークや電話ネットワーク、ルータ、ハブやフィッチ(witches)、サーバコンピュータ又は任意のそれらの組合せを含んでもよい。単に例として、ネットワーク120は、ケーブルネットワーク、有線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、電気通信ネットワーク、イントラネット、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、公衆電話交換網(PSTN)、Blutooth(登録商標)ネットワーク、ZigBee(登録商標)ネットワーク、近接通信(NFC)ネットワークなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク120は1つ以上のネットワークアクセスポイントを含んでもよい。例えば、ネットワーク120は、基地局やインターネットエクスチェンジポイントのような有線及び/又は無線ネットワークアクセスポイントを含み、この有線及び/又は無線ネットワークアクセスポイントを介してX線スキャナ位置決めシステム100の1つ以上の構成要素とデータや情報を交換してもよい。
【0071】
端末130は携帯機器131、タブレットコンピューター132、ラップトップコンピューター133などまたはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、携帯機器131はスマートホームデバイス、ウェアラブルデバイス、モバイルデバイス、仮想現実機器、拡張現実機器などまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、スマートホームデバイスは、スマート点灯機器、スマート電気装置のコントロール機器、スマートモニタ機器、スマートテレビ、スマートビデオカメラ、インターホンなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイスは、ブレスレット、履き物、眼鏡、ヘルメット、時計、衣類、バックパック、スマートアクセサリーなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタンス(PDA)、ゲーミングデバイス、ナビデバイス、POS(point of sale)デバイス、ラップトップ、タブレットコンピュータ-、デスクトップ、仮想現実機器などまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、仮想現実機器や拡張現実機器は、仮想現実ヘルメット、仮想現実グラス、仮想現実パッチ(patch)、拡張現実ヘルメット、拡張現実グラス、拡張現実パッチ(patch)などまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実機器や拡張現実機器は、Google Glass(登録商標)、Oculus Rift(登録商標)、Hololens(登録商標)、Gear VR(登録商標)などを含んでもよい。いくつかの実施形態では、端末130は処理エンジン140の一部であってもよい。
【0072】
処理エンジン140はX線スキャナ110や端末130や記憶装置150から取得されたデータや情報を処理する。例えば、処理エンジン140はX線スキャナ110により生成され画像を生成するための画像データを処理する。他の例として、処理エンジン140はX線スキャナ110の位置決め情報を確定する。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は単一サーバ又はサーバ群であってもよい。サーバ群は集中型又は分散型のものである。いくつかの実施形態では、処理エンジン140はローカル又はリモートのものであってもよい。例えば、処理エンジン140はネットワーク120を介して、X線スキャナ110や端末130や記憶装置150に格納される情報やデータをアクセスする。他の例として、処理エンジン140はX線スキャナ110や端末130や記憶装置150に直接接続されてこれらに格納される情報やデータをアクセスしてもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140はクラウドプラットホームに実装されてもよい。単に例として、クラウドプラットホームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は図7に示す1つ以上の構成要素を有する計算機器700により実現されてもよい。
【0073】
記憶装置150はデータや指令や他の情報を格納する。いくつかの実施形態では、記憶装置150は端末130や処理エンジン140から取得されるデータを格納してもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は処理エンジン140が本開示に記載される例示的な方法を行うために実施又は使用するデータや指令を格納する。いくつかの実施形態では、記憶装置150は大容量記憶部やリムーバブル記憶部、揮発性読み書きメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)などまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例示的な大容量記憶部は、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)などを含む。例示的なリムーバブル記憶部は、ラッシュドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、メモリカード、ZIPディスク、磁気ディスクなどを含む。例示的な揮発性読み書きメモリはランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。例示的なRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)、ゼロコンデンサRAM(Z-RAM)などを含む。例示的なROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスクROMなどを含む。いくつかの実施形態では、記憶装置150はクラウドプラットホームに実装されてもよい。単に例として、クラウドプラットホームは、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散型クラウド、インタークラウド、マルチクラウドなどまたはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、記憶装置150はネットワーク120に接続してX線スキャナ位置決めシステム100内の1つ以上の構成要素(例えば処理エンジン140や端末130など)と通信してもよい。X線スキャナ位置決めシステム100内の1つ以上の構成要素はネットワーク120を介して記憶装置150に格納されるデータ又は指令をアクセスする。いくつかの実施形態では、記憶装置150はX線スキャナ位置決めシステム100内の1つ以上の構成要素(例えば処理エンジン140や端末130など)と直接接続又は通信してもよい。いくつかの実施形態では、記憶装置150は処理エンジン140の一部であってもよい。
【0075】
この説明は例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。当業者には、多くの代替、変更、および変形が明らかであろう。本明細書に記載された例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特徴は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために様々な方法で組み合わせることができる。例えば、記憶装置150は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、コミュニティおよびハイブリッドクラウドのようなクラウド・コンピューティング・プラットフォームを含むデータ記憶部であってもよい。他の例として、処理エンジン140及びX線スキャナ110は単一の装置に統合されてもよい。ただし、それらの変形および修正は、本開示の範囲を逸脱するものではない。
【0076】
図2Aは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なX線スキャナを示す概略図である。図2Aに示すように、X線スキャナ110は、支持体10と、検出器20と、X線源30を含む。支持体10は、X線源30及び検出器20を支持するように構成される。いくつかの実施形態では、支持体10はO字形、U字形、G字形、C字形など又はそれらの組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、X線源30と検出器20は支持体10により接続される。例えば、C字形、U字形、G字形などの支持体10は第1端部及び第2端部を有してもよい。第1端部はX線源30に接続され、第2端部は検出器20に接続される。他の例として、O字形の支持体10とX線源30とX線源30は、互いに離れるように支持体10に付けられてもよい。例えば、検出器20はX線源30に対向し、この検出器20とX線源30を結ぶ線はO字形の中心を通過してもよい。いくつかの実施形態では、検出器20とX線源30は空間を介して離れてもよい。この空間は対象内に収容するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器20とX線源30は支持体10とともに移動可能である。例えば、検出器20とX線源30はX線スキャナ110に実装される移動装置(例えばトロリーやホイール)により支持体10とともに平行移動してもよい。他の例として、検出器20とX線源30は、支持体10とともに支持体10の中心を通過し図2Aに示すX軸に平行する軸に沿って回転してもよい。他の例として、検出器20とX線源30は支持体10とともに支持体10の中心を通過し図2Aに示すZ軸に平行する軸に沿って回転してもよい。他の例として、検出器20とX線源30は支持体10とともに支持体10の中心を通過し図2Aに示すY軸に平行する軸に沿って回転してもよい。いくつかの実施形態では、検出器20とX線源30は支持体10とともに移動しながら、検出器20の位置はX線源30の位置に対して一定に維持してもよい。いくつかの実施形態では、X線源30は検出器20に対して移動してもよい。例えば、X線源30の位置は検出器20の位置に対して一定に維持しながら、X線源30は検出器20に対して回転してもよい。
【0077】
X線源30は対象に向かって進行する1つ以上のX線を放射する。いくつかの実施形態では、X線源30は、冷陰極イオン管、高真空熱陰極管、回転陽極管などのチューブを含んでもよい。チューブは、高電圧発生器により給電され、検出器20に検出されるX線を放射する。X線源30から放射されるX線は、線状、細い鉛筆、狭い扇形、扇形、円錐形、くさび形、不規則形状など又はそれらの組合せの形状を有するビームを形成するように誘導される。
【0078】
検出器20はX線源30から放射されるX線を検出する。いくつかの実施形態では、検出器20は検出されたX線を電気信号に変換してもよい。検出器20は複数のピクセルやチャンネルを含む構成を形成するように配置された1つ以上の検出器ユニットを含む。例えば、検出器ユニットは、弓形構造を形成するように配置される。ピクセルやチャンネルは単一の行、2つの行、または別の数の行に配置されてもよい。ピクセルやチャンネルはX線を検出して電気信号を生成する。例えば、一つのピクセルやチャンネルは、X線を吸収し且つフォトダイオードより検出可能な可視光を放射するシンチレータ層を含んでもよい。フォトダイオードは可視光を電気信号に変換する。いくつかの実施形態では、検出されたX線は、アモルファスセレンなどの適切な直接変換材料によって電気信号に直接変換されてもよい。X線スキャナ110内のアナログ/デジタル変換器は、この電気信号を画像データと呼ばれるデジタル信号に変換する。検出器20は適切な形状を有する。例えば、検出器20は円弧、円形、矩形等またはそれらの組合せの形状を有する。いくつかの実施形態では、検出器20はフィルムベースの検出器を有してもよい。
【0079】
X線スキャナ110は可搬型X線スキャナ、サスペンションX線スキャナ、フロアX線スキャナなどを有する。可搬型X線スキャナは、地上に移動可能なX線スキャナを指す。いくつかの実施形態では、可搬型X線スキャナは、移動装置(例えばトロリーやホイール)に実装されてもよい。可搬型X線スキャナは、移動装置を手動で移動させる、または駆動装置(例えば、車両)によって移動させることにより移動される。サスペンションX線スキャナは、例えば天井に実装されたガイドレールに連結されたX線スキャナを指し、サスペンションX線スキャナは手動で駆動される、又は駆動装置によって駆動されるガイドレールに沿って移動される。フロアX線スキャナは、床上のブラケット上に固定される、又は床に直接固定されるX線スキャナを指す。
【0080】
いくつかの実施形態では、X線スキャナ110は、2つの点の間の距離を確定するように構成された1つ以上の距離計をさらに備えてもよい。例えば、距離計は、対象と検出器20との間の距離を確定する。いくつかの実施形態では、距離計は、検出器20やX線源30に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、距離計は、1つ以上のセンサ、例えば配置センサ、速度センサ、加速度計等又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0081】
この説明は例示的なものであり、本開示の範囲を限定するものではない。当業者には、多くの代替、変更、および変形が明らかであろう。本明細書に記載された例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特徴は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために様々な方法で組み合わせることができる。ただし、それらの変形および修正は、本開示の範囲を逸脱するものではない。例えば、X線スキャナ110は、検出器20やX線源30を支持体10に接続するように構成された、1つ以上のコネクタや固定部材を備えてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、X線スキャナ110は指示装置をさらに備えてもよい。指示装置はインジケータとアクチュエータを備える。インジケータは、位置(対象の表面上の位置、又は図11~15に記載されるターゲットのターゲット位置)を示すように構成される。いくつかの実施形態では、インジケータは、直接に支持体10の上部に位置し、又はX線源30と検出器20との間の空間の周辺にに位置してもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、直接に支持体10の上端に実装され、又は検出器20(又はX線源30)の上に実装されてもよい。例えば、検出器20が支持体10の上部に位置する場合、インジケータは検出器20に実装される。X線源30が支持体10の上部に位置する場合、インジケータはX線源30に実装される。いくつかの実施形態では、インジケータは1つ以上のレーザライトを含んでもよい。
【0083】
アクチュエータは、インジケータを作動させて平行移動および/またはスイングを受けるように構成される。アクチュエータは、インジケータに連結される。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、1つ以上のギア、1つ以上のベルト、1つ以上のチェーンなどまたはそれらの組合せを介してインジケータを作動させてもよい。
【0084】
図2Bは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的なレーザライトを示す概略図である。図示のように、レーザライトはレーザ光源2111と光変調器2112を備える。レーザ光源2111は1以上のレーザ光線を放射する。レーザ光源2111は、固体レーザ光源、ガスレーザ光源、半導体レーザ光源、液体レーザ光源などまたはそれらの組合せを含む。光変調器2112は、レーザ光線の1つ以上のパラメータ、例えば形状、色、明るさなどを調整するように構成される。例えば、光変調器2112は、円形、十字形、矩形などの様々な形状を持つ1つ以上の穴を備えて構成される。光変調器2112は、レーザ光源2111から放射されたレーザ光線が、特定の形状を持つ穴から放射されるように、回転可能に構成される(例えば、図2Bに示すように、光変調器2112が「a」から「b」方向に回転する)。いくつかの実施形態では、レーザライトは、線状レーザライト、点状レーザライト、クロスレーザライト等を含んでもよい。
【0085】
図3Aは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置300を示す概略図である。図3Aに示すように、インジケータは検出器20に実装される。検出器20はコネクタ28により支持体10に接続される。コネクタ28はL字形を有する。検出器20は、第1側面202と第1側面202に隣接する第2側面204とを有するフレーム201を備える。いくつかの実施形態では、図3Aに示すフレームは、直角フレーム、矩形フレームなどを備えてもよい。
【0086】
指示装置300のインジケータは、第1レーザライト211及び第2レーザライト221という2つのレーザライトを備える。第1レーザライト211及び第2レーザライト221は線状レーザライトである。いくつかの実施形態では、第1レーザライト211はフレーム201の第1側面202に実装され、第2レーザライト221はフレーム201の第2側面204に実装されてもよい。第1レーザライト211はフレーム201の第2側面204に平行する第1レーザ光線を放射し(図3Aに示すようにX軸方向でも示される)、第2レーザライト221はフレーム201の第1側面202に平行する第2レーザ光線を放射する(図3Aに示すようにY軸方向でも示される)。いくつかの実施形態では、第1レーザライト211及び第2レーザライト221は、第1レーザ光線と第2レーザ光線が位置を示す交点(例えば、図11~13で詳細に述べるターゲットのターゲット位置)を形成するように位置決められてもよい。
【0087】
指示装置300のアクチュエータは第1作動ユニットと第2作動ユニットを備える。第1レーザライト211は第1作動ユニットに駆動され、第2レーザライト211は第2作動ユニットに駆動される。例えば、図3Bに示すように、第1作動ユニットは、第1レーザライト211を作動させてフレームの第1側面(Y軸方向でも示される)に沿う平行移動を行う。第2作動ユニットは、第2レーザライト221を作動させてフレームの第2側面(X軸方向でも示される)に沿う平行移動を行う。
【0088】
説明するため、第1作動ユニットを例として記載する。第1レーザライト211は第1作動ユニットに接続される。第1作動ユニットは第1伝動装置を備える。第1伝動装置は、ギア伝動装置、鎖伝動装置、ベルト伝動装置など又はそれらの組合せを含む。説明するため、ベルト伝動装置を例として記載する。ベルト伝動装置は、駆動輪215と、ベルト216及び駆動輪217を備える。ベルト216は、駆動輪215と駆動輪217を接続する。駆動輪217は、ベルト216を介して駆動輪215により回転駆動される。第2伝動装置は、第1伝動装置と同様である。図3Aに示すように、第2伝動装置の構成要素225,226,227は第1伝動装置の構成要素215,216,217と同様である。
【0089】
第1レーザライト211は、ベルト216に接続されることで、ベルト216と共に平行移動する。いくつかの実施形態では、第1レーザライト211は、ねじ、リベット、ピンなどのコネクタにより第1平行移動板213に実装されてもよい。さらに、第1レーザライト211は、固定部材212を介して第1平行移動板213に実装される。固定部材212は、ねじ、リベット、ピンなどのコネクタにより第1平行移動板213に接続される。第1平行移動板213はベルト216に接続される。さらに、第1平行移動板213は、第1支持板214を介してベルト216に接続される。第1支持板214は、第1平行移動板213とベルト216との間の距離を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、第2作動ユニットは、第1作動ユニットと同様又は異なってもよい。いくつかの実施形態では、第2作動ユニットと第2レーザライトとの接続方法は、第1作動ユニットと第1レーザライトとの接続方法と同様又は異なってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、距離計29は検出器20に実装されてもよい。
【0091】
図3B図3Aと同様である。図3Bに示すように、第1レーザライト211は、矢印eで示すように、Y軸の方向に沿って前後に平行移動し、第2レーザライト221は、矢印fで示すように、X軸の方向に沿って前後に平行移動する。
【0092】
図4は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置400を示す概略図である。図4に示すように、指示装置400のインジケータと指示装置300のインジケータとの違いは、指示装置400のインジケータが第3レーザライト231及び第4レーザライト241をさらに備えることである。いくつかの実施形態では、第3レーザライト231及び第4レーザライト241は線状レーザライトであってもよい。いくつかの実施形態では、第3レーザライト231は検出器20のフレーム201の第1側面202に実装され、第4レーザライト241は検出器20のフレーム201の第2側面204に実装されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、フレーム201(例えば、矩形フレーム)は、第1側面202に平行な第3側面206と、第2側面204に平行な第4側面208とをさらに有してもよい。第3レーザライト231は検出器20のフレームの第3側面206に実装され、第4レーザライト241は検出器20のフレームの第4側面208に実装されてもよい。
【0094】
第3レーザライト231は、フレーム201の第2側面204に平行な第3レーザ光線(図4に示すようにX軸方向でも示される)を放射し、第4レーザライト241は、フレーム201の第1側面202に平行な第4レーザ光線(図4に示すようにY軸方向でも示される)を放射する。いくつかの実施形態では、第1レーザライト211、第2レーザライト221、第3レーザライト231、第4レーザライト241は、第1レーザ光線と、第2レーザ光線と、第3レーザ光線と、第4レーザ光線が位置(例えば、図11図14で詳細に記載したターゲットのターゲット位置)を示す区域を定義するように、位置決められてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、指示装置400のアクチュエータと指示装置300のアクチュエータとの違いは、指示装置400のアクチュエータが第3作動ユニット及び第4作動ユニットをさらに備えることである。第3作動ユニットは第3レーザライト231を作動させて図4に示すY軸方向に沿って平行移動を行う。第4作動ユニットは第4レーザライト241を作動させて図4に示すX軸方向に沿って平行移動を行う。
【0096】
いくつかの実施形態では、第3作動ユニット(又は第4作動ユニット)は第1作動ユニットと同様又は異なってもよい。第3作動ユニットは第3伝動装置を備える。第3伝動装置は第1伝動装置と同様である。図4に示すように、第3伝動装置の構成要素235,236,237は第1伝動装置の構成要素215,216,217と同様である。第4作動ユニットは第4伝動装置を備える。第4伝動装置は第1伝動装置と同様である。図4に示すように、第3伝動装置の構成要素245,246,247は第1伝動装置の構成要素215,216,217と同様である。
【0097】
いくつかの実施形態では、第3作動ユニット(又は第4作動ユニット)と第3レーザライト(又は第4レーザライト)との接続方法は、第1作動ユニットと第1レーザライトとの接続方法と同様又は異なってもよい。
【0098】
図5A図5Bは本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置500の3つの断面を示す概略図である。図5Aに示すように、指示装置500のインジケータは第5レーザライト251を備える。第5レーザライト251はクロスレーザライト、点状レーザライトなどを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、指示装置500のアクチュエータは、第5レーザライト251を第1方向に沿って移動させる第5作動ユニットと、第5レーザライト251を第2方向に沿って移動させる第6作動ユニットを備えてもよい。例えば、第5作動ユニットは、第5レーザライト251を作動させて平行移動を行う。第6作動ユニットは、第5レーザライト251を作動させてスイングを行う。第5作動ユニットは第6作動ユニットに接続される。
【0100】
第5作動ユニットは、第5伝動装置と第2平行移動板253を備える。第5伝動装置は、ギア伝動装置、鎖伝動装置、ベルト伝動装置など又はそれらの組合せを有してもよい。説明するために、第5伝動装置は第1伝動装置と同様である。図5Bに示すように、第5伝動装置の構成要素255,256,257は第1伝動装置の構成要素215,216,217と同様である。第2平行移動板253は第5伝動装置に接続される。さらに、第2平行移動板253は、第2支持板254を介して第5伝動装置に接続される。第2支持板254は、第2平行移動板253と第5伝動装置との間の距離を調整するように構成される。
【0101】
第6作動ユニットは、第6伝動装置と回転板258を備える。第6伝動装置は、電気モータ259とギア伝動装置を備える。第5レーザライト251は該ギア伝動装置に接続される。ギア伝動装置は、回転板258の第1側面に接続され、電気モータ259は、回転板258の第1側面と反対側の第2側面に接続される。回転板258は第2平行移動板253に接続される。
【0102】
ギア伝動装置は、駆動ロッド2910と駆動ギア2911と従動ギア2912を備える。電気モータ259は、駆動ロッド2910を回転するように作動させるように構成される。駆動ロッド2910は、回転板258及び駆動ギア2911を貫通し、電気モータ259に接続される。駆動ギア2911は、駆動ロッド2910により回転駆動される。従動ギア2912は、駆動ギア2911で回転駆動されるように、駆動ギア2911に結合される。いくつかの実施形態では、従動ギア2912は、様々な形状、例えば円形、フレネル形状などに構成されてもよい。
【0103】
第5レーザライト251は従動ギア2912に実装される。いくつかの実施形態では、第5レーザライト251は固定部材252を介して従動ギア2912に結合されてもよい。固定部材252はワンピース構造又はマルチピース構造(例えば、図5Aに示す2ピース構造)である。固定部材252はねじ、リベット、ピンなどまたはそれらの組合せのようなコネクタにより従動ギア2912に接続される。いくつかの実施形態では、第5レーザライト251は従動ギア2912とともにスイングしてもよい。
【0104】
説明するために、指示装置500は検出器20の一側(例えば、図5Bに示すY軸に平行な側)に実装される。第5作動ユニットは、第5レーザライト251を作動させて図5Bに示すY軸方向に沿って平行移動させる。第6作動ユニットは、第5レーザライト251を作動させて図5Bに示すZ軸方向について揺れる。
【0105】
図6は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な指示装置600を示す概略図である。図6に示す指示装置600は、一つの新規特徴の以外、図5A及び図5Bに示す指示装置500と同様である。図6に示すように、第6作動ユニットのギア伝動装置は、位置決めピン2913をさらに備える。位置決めピン2913は回転板258に実装される。位置決めピン2913は従動ギア2912上の開口部2914に挿入される。いくつかの実施形態では、開口部2914は例えば弧状に構成されてもよい。開口部2914は、第5レーザライトが該開口部に沿って揺れるように従動ギア2912のスイングパスを定義するように構成される。
【0106】
図7は本発明のいくつかの実施形態に係る処理エンジン140が実装され得る計算機器700のハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素を示す概略図である。図7に示すように、計算機器700は、プロセッサ710、記憶部720、入出力部(I/O)730及び通信ポート740を備える。
【0107】
プロセッサ710は、コンピュータ指示(例えばプログラムコード)を実行し、ここで説明した技術に基づいて処理エンジン140の機能を果たす。コンピュータ指示は、例えば、ここで説明する特別の機能を果たすためのルーチン、プログラム、オブジェット、構成要素、データ構成、順序、モジュール、ファンクションを含む。例えば、プロセッサ710は、X線スキャナ110、端末130、記憶装置150及び/又はX線スキャナ位置決めシステム100の他の構成要素から取得した画像データを処理する。いくつかの実施形態では、プロセッサ710は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、縮小指示セットコンピュータ(RISC)、特定用途集積回路(ASICs)、特定応用分野向きプロセッサ(ASIP)、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、物理演算ユニット(PPU)、マイクロコントローラーユニット、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ARMアーキテクチャ(ARM)、プログラマブル論理素子(PLD)、1つ以上の機能を実行できる任意の回路又はプロセッサなど又はそれらの組合せのような、1つ以上のハードフェアプロセッサを有してもよい。
【0108】
単に説明するために、計算機器700に対して、プロセッサを1つだけ記載した。しかし、本開示における計算機器700は、複数のプロセッサも備えるので、本開示で説明される1つのプロセッサによって実行される動作および/または方法ステップは、複数のプロセッサによって共同でまたは別々に実行されてもよいことを注意すべきである。例えば、本開示において、計算機器700のプロセッサが動作Aおよび動作Bの両方を実行する場合、動作Aおよび動作Bは、計算機器700において2つ以上の異なるプロセッサによって共同でまたは別々に実行されてもよいことを理解したほうがよい(例えば、第1プロセッサが動作Aを実行し、第2プロセッサが動作Bを実行し、または第1および第2プロセッサが動作AおよびBを共同で実行する)。
【0109】
記憶部720は、X線スキャナ110、端末130、記憶装置150、および/またはX線スキャナ位置決めシステム100の任意の他の構成構成要素から得られたデータ/情報を格納する。いくつかの実施形態では、記憶部720は、大容量記憶部、リムーバブル記憶部、揮発性読み書きメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、大容量記憶部は、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)などを含む。リムーバブル記憶部は、ラッシュドライブ、フロッピーディスク、光ディスク、メモリカード、ZIPディスク、磁気ディスクなどを含む。揮発性読み書きメモリはランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。RAMは、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックRAM(DDR SDRAM)、スタティックRAM(SRAM)、サイリスタRAM(T-RAM)、ゼロコンデンサRAM(Z-RAM)などを含む。ROMは、マスクROM(MROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラマブルROM(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスクROMなどを含む。いくつかの実施形態では、記憶部720は、本開示で説明される例示的な方法を実行するための1つ以上のプログラムおよび/または指示を格納してもよい。例えば、記憶部720は、X線スキャナ110の位置決め情報を確定するための処理エンジン140用のプログラムを記憶する。
【0110】
I/O730は、信号、データ、情報などを入出力する。いくつかの実施形態では、I/O730は、ユーザと処理エンジン140との交流を可能にする。いくつかの実施形態では、I/O730は、入力装置および出力装置を有してもよい。入力装置の例としては、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイクロフォン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。出力装置の例としては、ディスプレイ装置、スピーカ、プリンタ、プロジェクタなど、またはそれらの組み合わせが挙げられる。表示装置の例としては、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ベースのディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、カーブスクリーン、テレビ装置、陰極線管(CRT)、タッチスクリーンなど、またはそれらの組み合わせを含む。
【0111】
通信ポート740は、データ通信を促進するためにネットワーク(例えば、ネットワーク120)に接続される。通信ポート740は、処理エンジン140とX線スキャナ110、端末130および/または記憶装置150との間の接続を確立する。このような接続は、有線接続、無線接続、データ送信および/または受信、および/またはこれらの接続の任意の組み合わせを可能にすることができる任意の他の通信接続を含む。有線接続は、例えば、電気ケーブル、光ケーブル、電話線など、またはそれらの任意の組み合わせを含む。無線接続は、例えば、Bluetooth(登録商標)リンク、Wi-Fi(登録商標)リンク、WiMax(登録商標)リンク、WLANリンク、ZigBeeリンク、モバイルネットワークリンク(例えば3G、4G、5G等)など、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、通信ポート740は、RS232、RS485などの標準化された通信ポートであってもよく、および/またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通信ポート740は、特別に設計された通信ポートであってもよい。例えば、通信ポート740は、医用デジタル(DICOM)プロトコルによるデジタル撮像及び通信に基づいて設計されてもよい。
【0112】
図8は本発明のいくつかの実施形態に係る端末130が実装され得る携帯機器800のハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素を示す概略図である。図8に示すように、携帯機器800は、通信プラットフォーム810、ディスプレイ820、グラフィック処理ユニット(GPU)830、中央処理装置(CPU)840、I/O850、メモリ860、及び記憶部890を備える。いくつかの実施形態では、システムバスまたはコントローラ(図示せず)を含むが、これに限定されない任意の他の適切な構成要素もまた、携帯機器800に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、CPU840によって実行されるために、モバイルオペレーティングシステム870(例えば、iOS(登録商標)、Android(登録商標)、Windows Phone(登録商標)など)および1つ以上のアプリケーション380が、記憶部890からメモリ860にロードされてもよい。アプリケーション880は、処理エンジン140からの画像処理または他の情報に関連する情報を受信および表現するためのブラウザまたは任意の他の適切なモバイルアプリケーションを含む。情報ストリームとのユーザ交流は、I/O850を介して実現され、ネットワーク120を介して処理エンジン140および/またはX線スキャナ位置決めシステム100の他の構成要素に提供される。
【0113】
本開示に記載された様々なモジュール、ユニット、およびそれらの機能を実現するために、コンピュータハードウェアプラットフォームは、本明細書に記載される1つ以上の要素のためのハードウェアプラットフォームとして使用されてもよい。ユーザインタフェース要素を有するコンピュータは、パーソナルコンピュータ(PC)または任意の他のタイプのワークステーションまたは端末装置を実現するために使用される。コンピュータは、適切にプログラム化すれば、サーバーとしても機能する。
【0114】
図9は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な処理エンジン140を示す概略ブロック図である。処理エンジン140は、第1位置決めモジュール901および/または第2位置決めモジュール902を備える。あるいは、第1位置決めモジュール901および第2位置決めモジュール902は、それぞれ2つの処理エンジン内に実装されてもよい。
【0115】
第1位置決めモジュール901は、X線スキャナ110のインジケータ又はX線源30の位置決め情報を確定するように構成される。インジケータの位置決め情報は、インジケータを(例えば、図11図15に関連して説明したように)ターゲット位置を示す位置に位置決めするように誘導する。X線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象内のターゲットが(例えば、図16図22に関連して説明したように)X線スキャナ110の撮像視野またはその所望の部分に留まる位置に位置決めするようにを誘導する。例えば、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野の中心部に留まる位置に位置決めするように誘導する。第1位置決めモジュール901は、画像ユニット910と、第1位置確定ユニット920と、第2位置確定ユニット930と、位置決めユニット940とを含む。
【0116】
画像ユニット910は、X線スキャナ110により走査された対象の1つ以上の画像を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、対象の画像は、2D画像又は3D画像であってもよい。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、X線スキャナ110から生成した画像データを取得し、この画像データに基づいて、対象の1つ以上の画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、対象の1つ以上の画像を予め生成し、これらの1つ以上の画像を記憶装置150や記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)に格納してもよい。画像ユニット910は、記憶装置150および/または記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)から1つ以上の画像を検索する。
【0117】
第1位置確定ユニット920は、対象に対応するターゲットの画像ターゲット位置を確定するように構成される。ここで使用されるターゲットは、使用状況に応じて、対象の一部(例えば、図13および図15に示されるC)を指す。
【0118】
X線スキャナ110は対象の関心領域(ROI)を走査する。対象のROIは対象の一部である。例えば、対象は患者である。対象のROIは患者の肺を含む。ターゲットはROIを表す。ターゲットは、対象のROI内の点または領域であってもよい。例えば、ターゲットはROIの中心点である。他の例として、ターゲットはROI内の領域である。ターゲットに対応する画像ターゲット位置は、ターゲットに対応する画像の一部の位置を指す。いくつかの実施形態では、ターゲットが対象内の点である場合、画像ターゲット位置は、X線スキャナ110による走査によって取得されたターゲットに対応する画像内の1つ以上の隣接ピクセルまたはボクセルの位置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットが対象内の領域である場合、画像ターゲット位置は、X線スキャナ110による走査によって取得されたターゲットに対応する画像内の複数の隣接ピクセルまたはボクセルを含む領域の位置。ここで使用されるように、2つのピクセルまたはボクセルは、それらの間に位置するピクセルまたはボクセルなしで互いに隣り合っている場合、隣接するピクセルまたはボクセルと見なされる。ここで使用されるように、領域内の2つ以上のピクセルまたはボクセルは、領域内の各ピクセルまたはボクセルが領域内の少なくとも1つの隣接ピクセルまたはボクセルを有する場合、隣接ピクセルまたはボクセルと見なされる。
【0119】
1つの点(例えば、X線源30)から放射された1つ以上の投影線(例えば、X線源30から放射されたX線)がターゲットを通過するとき、ターゲットを投影面(例えば、検出器20)に投影し、ターゲットのパターンを投影面(例えば、検出器20)に生成する。投影面(例えば、検出器20)に生成されるターゲットのパターンは、ターゲットの中心投影と呼ばれる。
【0120】
いくつかの実施形態では、X線源30はX線を放射してもよい。1つ以上のX線はターゲットを通過する。検出器20は、ターゲットを通過するX線に関する光信号を検出する。光信号に基づいてターゲットを含む画像を生成する。ここで使用されるように、画像ターゲット位置は、その用語が使用される状況に応じて、ターゲットの検出器20への中心投影と同じであってもよい。いくつかの実施形態では、画像ターゲット位置は、2次元(2D)座標または3次元(3D)座標によって識別されてもよい。
【0121】
第2位置確定ユニット930は、ターゲットのターゲット位置を確定するように構成される。ターゲットのターゲット位置は、空間内のターゲットの実際の位置を指す。ターゲットのターゲット位置は、2D座標または3D座標によって識別する。
【0122】
位置決めユニット940は、ターゲットのターゲット位置に基づいて、X線スキャナ110のインジケータまたはX線源30の位置決め情報を確定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報を確定するように構成されてもよい。X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報は、インジケータを(例えば、図11図15に関連して説明したように)ターゲット位置を示す位置に位置決めするように誘導する。いくつかの実施形態では、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報を確定してもよい。X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報は、X線源30を、(例えば、図16図22に関連して説明したように)対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内に留まる位置に位置決めするように誘導する。
【0123】
第2位置決めモジュール902は、X線スキャナ110の位置決め情報を確定するように構成される。X線スキャナ110の位置決め情報は、(例えば、図23に関連して説明したように)1つの位置から別の位置へ移動するようにX線スキャナ110を誘導する。第2位置決めモジュール902は、原点確定ユニット950、座標系確定ユニット960、現在位置確定ユニット970、及び位置決め情報確定ユニット980を備える。
【0124】
原点確定ユニット950は、原点を確定して座標系を確定するように構成される。座標系確定ユニット960は、原点に基づいて座標系を確定する。現在位置確定ユニット970は、原点及び座標系に基づいて現在位置の座標を確定する。位置決め情報確定ユニット980は、現在位置の原点及び座標に基づいて、X線スキャナ110の位置決め情報を確定する。X線スキャナ110の位置決め情報は、(例えば、図23に関連して説明したように)現在位置から原点へ移動するようにX線スキャナ110を誘導する。
【0125】
いくつかの実施形態では、X線スキャナ110および/またはX線スキャナ110の1つ以上の構成要素(例えば、アクチュエータ、インジケータ、またはX線源30)をX線スキャナ110の位置決め情報に基づいて手動または自動で駆動してもよい。例えば、処理エンジン140は、X線スキャナ110および/またはX線スキャナ110の1つ以上の構成要素(例えば、アクチュエータ、インジケータ、またはX線源30)を自動で駆動するための指令を、位置決め情報に基づいてX線スキャナ110(例えば、X線スキャナ110内の駆動モジュール)に送信する。
【0126】
処理エンジン140内のモジュールおよび/またはユニットは、有線接続または無線接続を介して互いに接続または通信する。有線接続は、電気ケーブル、光ケーブル、ハイブリッドケーブルなど、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。無線接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、Bluetooth、ZigBee、近距離通信(NFC)など、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。2つ以上のユニットを組み合わせて1つのユニットにしてもよく、いずれか1つのユニットを2つ以上のユニットに分割してもよい。例えば、第1位置確定ユニット920は、画像ターゲット位置とターゲット位置の両方を確定するための単一のユニットとして第2位置確定ユニット930に統合される。他の例として、画像ユニット910は2つのユニットに分割してもよい。第1ユニットは、画像データおよび/または1つ以上の画像を取得するように構成され、第2ユニットは、画像データに基づいて1つ以上の画像を生成するように構成される。
【0127】
図10は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110のインジケータ又はX線源の位置決め情報を確定するための例示的な過程/方法1000を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、過程/方法1000は、図1に示すシステム100において実施されてもよい。例えば、過程/方法1000は、指示の形で記憶装置150および/または記憶部(例えば、記憶部720、記憶部890、またはメモリ860)に格納され、処理エンジン140(例えば、処理エンジン140のプロセッサ710、図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のモジュール、または図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のユニット)に呼び出しおよび/または実行される。本明細書に示されている図示された過程/方法の動作は、例示的なものであることが意図されている。いくつかの実施形態では、過程/方法1000は、記載されていない1つ以上の追加の動作で達成され、しかも/あるいは1つ以上の説明された動作なしで達成されてもよい。さらに、図10に示す過程/方法1000の動作を実行する順序は、以下で説明するが、これに限定されるものではない。
【0128】
1010において、画像ユニット910はターゲットに関する1つ以上の画像を取得する。ターゲットは対象の一部を指す。
【0129】
1020において、第1位置確定ユニット920は、上記1つ以上の画像に基づいて、ターゲットの1つ以上の画像ターゲット位置を確定する。ターゲットの画像ターゲット位置は、ターゲットに対応する画像の一部の位置(例えば、画像内の1つ以上のピクセルまたはボクセル)を指す。例えば、図13に示すC’は、ターゲットCの画像ターゲット位置である。他の例として、図20Aに示すCは、ターゲットRの画像ターゲット位置である。
【0130】
1030において、第2位置確定ユニット930は、1つ以上の画像ターゲット位置に基づいてターゲットのターゲット位置を確定する。ターゲット位置は、空間内のターゲットの実際の位置を指す。ターゲット位置は、2Dまたは3D座標系の2Dまたは3D座標を使用して識別する。
【0131】
1040において、位置決めユニット940は、X線スキャナ110がターゲット位置に関連する位置に位置決めされる基準となる位置決め情報を確定する。いくつかの実施形態では、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報を確定するように構成されてもよい。X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報は、インジケータを(例えば、図11図15に関連して説明したように)ターゲット位置を示す位置に位置決めするように誘導する。いくつかの実施形態では、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報を確定してもよい。X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報は、X線源30を、(例えば、図16図22に関連して説明したように)対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内またはその所望の部分に留まる位置に位置決めするように誘導する。例えば、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野の中心部に留まる位置に位置決めするように誘導する。
【0132】
図11は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110のインジケータの位置決め情報を確定するための例示的な過程/方法1100を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、過程/方法1100は、図1に示すシステム100において実施されてもよい。例えば、過程/方法1100は、指示の形で記憶装置150および/または記憶部(例えば、記憶部720、記憶部890、またはメモリ860)に格納され、処理エンジン140(例えば、処理エンジン140のプロセッサ710、図9に示す処理エンジン140の1つ以上のモジュール、または図9に示す処理エンジン140の1つ以上のモジュール)に呼び出しおよび/または実行される。本明細書に図示された過程/方法の動作は、例示的なものであることが意図されている。いくつかの実施形態では、過程/方法1100は、記載されていない1つ以上の追加の動作で達成されてもよく、しかも/あるいは1つ以上の説明された動作なしで達成されてもよい。さらに、図11に示す過程/方法1100の動作を実行する順序は、以下で説明するが、これに限定されるものではない。
【0133】
いくつかの実施形態では、X線スキャナ110がインジケータを含む場合、処理エンジン140は、インジケータの位置決め情報を確定するために過程/方法1100を実行してもよい。インジケータの位置決め情報は、インジケータをターゲットのターゲット位置を示す位置に誘導するために使用される。
【0134】
1110において、画像ユニット910は、対象に関連する画像を取得する。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、X線スキャナ110から生成した画像データを取得し、この画像データに基づいて、対象に関連する画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、対象に関連する画像を予め生成し、この画像を記憶装置150や記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)に格納してもよい。画像ユニット910は、記憶装置150および/または記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)から対象に関連する画像を取得する。
【0135】
1120において、第1位置確定ユニット920は、撮影対象に対応する画像ターゲット位置を確定する。ターゲットは、対象のROIを表す点または領域である。例えば、対象が患者である場合、対象のROIは患者の肺を含む。ターゲットは肺の中心点である。画像ターゲット位置は、ターゲットに対応する画像の部分の位置を指す。画像ターゲット位置は、2D座標系内の2D座標によって識別する。いくつかの実施形態では、2D座標系は、画像(または検出器20)に基づいて確定される。例えば、2D座標系の原点は、画像(又は検出器20)の左下隅の頂点であり、2D座標系のX軸は、原点を通る画像(又は検出器20)のエッジであり、2D座標系のY軸は、原点を通る画像(または検出器20)の別のエッジである。
【0136】
いくつかの実施形態では、画像を取得した後、処理エンジン140は、画像を画面上に表示してもよい。システム100のユーザ(例えば、医者または撮像専門家)は、画像ターゲット位置を確定する。画像ターゲット位置の確定は、例えば、マウスをクリックする、または画面をタッチすることによって、ユーザインターフェースを介してシステム100に提供される。ユーザインターフェースは、図7に示す計算機器又は図8に示す携帯機器に実装される。第1位置確定ユニット920は、画像ターゲット位置に関する指示に基づいて、画像ターゲット位置の2D座標を確定する。いくつかの実施形態では、第1位置確定ユニット920は、例えば、画像認識アルゴリズムに基づいて画像ターゲット位置を自動的に確定してもよい。
【0137】
単なる一例として、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された画像内の1つ以上のピクセルまたはボクセルに対応する対象内のスポットであり、第1位置確定ユニット920は、1つ以上のピクセルまたはボクセルの2D座標によって画像ターゲット位置を識別する。別の例として、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された画像内の複数の隣接画素またはボクセルに対応する領域であり、第1位置確定ユニット920は、ターゲットに対応する画像内の少なくとも2つのピクセルまたはボクセルを選択し、これらの少なくとも2つのピクセルまたはボクセルの2D座標によって画像ターゲット位置を識別する。
【0138】
1130において、第2位置確定ユニット930は、画像ターゲット位置に基づいてターゲットのターゲット位置を確定する。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、ターゲットの検出器20への正投影によってターゲットのターゲット位置を識別してもよい。ターゲットのターゲット位置は、画像ターゲット位置に関する2D座標系に対応する2D座標系内の2D座標によって表される。
【0139】
単なる一例として、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された画像内の1つ以上の隣接ピクセルまたはボクセルに対応する対象内のスポットであり、第2位置確定ユニット930は、1つ以上のピクセルまたはボクセルの2D座標に基づいて画像ターゲット位置を確定する。別の例として、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された画像内の複数の隣接画素またはボクセルに対応する領域であり、第2位置確定ユニット930は、ターゲット内の2つのスポットに対応する少なくとも2つのピクセルまたはボクセルの2D座標に基づいてターゲットのターゲット位置を確定する。
【0140】
いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、ターゲットの検出器20への正投影の座標(例えば、図12に示すC’’)を確定することによってターゲット位置の座標を確定してもよい。互いに平行であり、投影面(例えば、検出器20)に垂直な1つ以上の投影線がターゲットを通過する場合、ターゲットは投影面(例えば、検出器20)に投影され、ターゲットのパターンが投影面(例えば、検出器20)に生成される。投影面(例えば、検出器20)に生成されるターゲットのパターンは、ターゲットの正投影と呼ばれる。
【0141】
1140において、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報を確定する。インジケータは、ターゲット位置を示すために、位置決め情報に応じた位置に位置決めされる。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110のインジケータの位置決め情報は、インジケータを、インジケータの現在位置から、インジケータがターゲット位置を示すような位置へ移動するように誘導してもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、インジケータの位置決め情報に基づいて、処理エンジン140またはX線スキャナ110の駆動モジュールによって手動でまたは自動的にその位置に移動してもよい。処理エンジン140は、位置決め情報に基づいてインジケータをX線スキャナ110(例えば、X線スキャナ110の駆動モジュール)に自動的に駆動することに関する指示を送信する。
【0142】
簡潔にさせるために、過程/方法1100のいくつかの例を提供する。これらの実施例は、例示のために提供されただけであり、本開示の範囲を限定するものではないことを注意すべきである。
【0143】
図12及び図13は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程を示す概略図である。いくつかの実施形態では、例示的な過程は、図3Aおよび図3Bに示すインジケータ、およびX線スキャナ110による走査によって取得された画像内の1つまたは複数の隣接ピクセルまたはボクセルに対応するスポットである対象内のターゲットに適用する。
【0144】
図12及び図13に示すように、40は対象を指す。テーブル50は、走査される対象を支持する。点線の星1204は、ROIの画像内の位置(例えば、検出器20へのROIの中心投影)を指す。中実の星1202は、ROIの空間内の位置(例えば、ROIの検出器20への正投影)を指す。Cは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された対象40の画像内の1つ以上のピクセルまたはボクセルに対応するスポットである、対象40内のターゲットを指す。X線源30はX線を放射する。X線は、ターゲットCを通過し、検出器20によって検出される。C’は、ターゲットCの画像ターゲット位置(例えば、ターゲットCの検出器20への中心投影)を指す。C’’は、ターゲットCのターゲット位置(例えば、ターゲットCの検出器20への正投影)を指す。AはC’のY座標を指す。LはC’のX座標を指す。BはC’’のY座標を指す。KはC’’のX座標を指す。Dは、図12に示したY軸に平行な画像エッジの中間点のY座標を指す。参照番号211は第1線状レーザライトを指す。参照番号221は第2線状レーザライトを指す。参照番号29は2つの点の間の距離を確定するように構成される距離計を指す。例えば、距離計29は対象40と検出器20との間の距離を確定する。図13に示すFはX線源30の焦点を示す。
【0145】
第1線状レーザライト211は、C’’のY座標に対応する検出器20の位置(例えば、位置M)に作動され、第2線状レーザライト221、第1線状レーザライト211および第2線状レーザライト221がターゲットC(例えば、C’’)のターゲット位置を示すように、C’’のX座標に対応する検出器20の位置(例えば、位置N)に作動される。
【0146】
説明するために、本開示の範囲を限定することを意図するものではないが、C’’のY座標を確定する過程は、図13を参照して提供される。図13に示すように、ABの長さを確定するために、C’’のY座標が確定される。図13に示すように、△ABCと△ADFとは相似形である(つまり、△ABC∽△ADF)。第2位置確定ユニット930は、下記の数(1)に基づいてC’’のY座標を確定する。
【数1】
ここで、LABはABの長さ、LADはADの長さ、LBCはBCの長さ、LDFはDFの長さである。
【0147】
C’のY座標は既知であるので、LADは既知である。第2位置確定ユニット930は、距離計29を用いて対象40と検出器20との間の距離を確定することでLBCを確定する。例えば、距離計29は、対象40と検出器20との間の距離がaに等しいと判断し、第2位置確定ユニット930は、LBC図13に示すaとして確定する。LDFは、X線源30と検出器20との間の距離を指し、X線スキャナ110に対して既知である。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、LABに基づいてC’’のY座標を確定してもよい。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、C’’のY座標を確定する過程と同じ過程に基づいて、C’’のX座標を確定してもよい。
【0148】
図14は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程を示す概略図である。いくつかの実施形態では、例示的な過程は、図4に示すインジケータ、およびX線スキャナ110による走査によって取得された画像内の複数の隣接ピクセルまたはボクセルに対応する領域である対象内のターゲットに適用されてもよい。
【0149】
図14に示すように、X’maxは、領域であるターゲットのターゲット位置の最大X座標を指す。X’minは、ターゲットのターゲット位置の最小X座標を指す。Y’maxは、ターゲットのターゲット位置の最大Y座標を指す。Y’minは、ターゲットのターゲット位置の最小Y座標を指す。
【0150】
ターゲット位置の最大X座標、最小X座標、最大Y座標及び最小Y座標が確定される。第1線状レーザライト211は、Y’minに対応する検出器20の位置に作動され、第3線状レーザライト231は、Y’maxに対応する検出器20の位置に作動され、第2線状レーザライト221は、X’maxに対応する検出器20の位置に作動され、第4線状レーザライト241は、X’minに対応する検出器20の位置に作動されることにより、第1線状レーザライト211、第2線状レーザライト221、第3線状レーザライト231および第4線状レーザライト241は、領域であるターゲットのターゲット位置を示す領域を定義する。
【0151】
いくつかの実施形態において、第2位置確定ユニット930は、図13~14及び本明細書に示すC’’のY軸座標を確定する工程と同じ工程に基づいて、X’min、X’max、Y’min、及びY’maxを確定してもよい。
【0152】
図15は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程を示す概略図である。いくつかの実施形態では、例示的な過程は、図5Aおよび図6に示すインジケータ、およびX線スキャナ110による走査によって取得された画像内の1つ以上の隣接ピクセルまたはボクセルに対応するスポットである対象内のターゲットに適用されてもよい。
【0153】
図15に示すように、251は、図5A及び/又は図6に示す第5レーザライトを指す。第5作動ユニットは、第5レーザライト251を作動させて揺れる。いくつかの実施形態では、回転は、円状に沿った動きを指す。スイングは、円状の一部(例えば、円弧)に沿った動きを指す。αは、第5レーザライト251のスイング角度を指す。
【0154】
ターゲットCのターゲット位置のY座標と第5レーザライト251のスイング角度を確定する。第5レーザライト251は、ターゲットCのターゲット位置のY座標及びαに等しいスイング角度に対応する検出器20の位置に作動されることにより、第5レーザライト251がターゲットCのターゲット位置を示す。
【0155】
いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、図12および図13およびその説明を参照した画像内のC’’のY座標を確定する過程と同一の過程を経て、ターゲットCのターゲット位置のY座標を確定してもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、以下の数(2)に基づいてαを確定する。
【数2】
ここで、LBCはBCの長さを指し、LBGはBGの長さを指し、Gは第5レーザライト251内のスポットを指し、第5レーザライト251を表す。
【0157】
第2位置確定ユニット930は、ターゲットCのターゲット位置のY座標に基づいてLBZを確定する。第2位置確定ユニット930は、距離計29を用いて対象40と検出器20との間の距離を確定することでLBCを確定する。
【0158】
あるいは、第2位置確定ユニット930は、ターゲットCのターゲット位置のX座標とスイング角度βを確定して、第5レーザライト251にターゲットCのターゲット位置を示させる。
【0159】
図16は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110の同心回転を示す概略図である。図16に示すように、支持体10が同心回転すると、X線源30から放射されたX線の中心線1620がX線スキャナ110のアイソセンタ1630を通過する。X線スキャナ110のアイソセンタは、支持体10の中心を指す。図16に示すように、同心回転する間に、ターゲット1640がX線スキャナ110のアイソセンタ1630に配置されていない限り、支持体10が1つの位置(例えば、30-1)から別の位置(例えば、30-2)へ同心回転するとき、ターゲット1640は、X線スキャナ110の撮像視野(例えば、X線の経路内の領域)から離れる。検出器20の位置20-1は、X線源30の位置30-1に対応する。検出器20の位置20-2は、X線源30の位置30-2に対応する。点線1610は、検出器20および/またはX線源30の回転軌道を指す。
【0160】
図17は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110の非同心回転を示す概略図である。図17に示すように、支持体10が非同心回転すると、X線源30から放射されたX線の中心線1620は、X線スキャナ110のアイソセンタ1630を通過しない。図17に示すように、非同心回転の場合、支持体10が1つの位置から別の位置へ非同心回転すると、ターゲット1640が、X線スキャナ110の撮像視野(例えば、X線の経路にある領域)から離れる。
【0161】
支持体10が1つの位置から別の位置へ同心回転および/または非同心回転すると、処理エンジン140は、X線源30の位置決め情報を確定して、X線源30を、対象のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野またはその所望の部分に留まるように移動させる。例えば、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野の中央部に留まる位置に位置決めするように誘導する。
【0162】
図18は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110のX線源30の位置決め情報を確定するための例示的な過程/方法1800を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、過程/方法1800は、図1に示すシステム100において実施されてもよい。例えば、過程/方法1800は、指示の形で記憶装置150および/または記憶部(例えば、記憶部720、記憶部890、またはメモリ860)に格納され、処理エンジン140(例えば、処理エンジン140のプロセッサ710、図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のモジュール、または図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のユニット)に呼び出しおよび/または実行される。本明細書に示されている図示された過程/方法の動作は、例示的なものであることが意図されている。いくつかの実施形態では、過程/方法1800は、記載されていない1つ以上の追加の動作で達成され、しかも/あるいは1つ以上の説明された動作なしで達成されてもよい。さらに、図18に示す過程/方法1800の動作を実行する順序は、以下で説明するが、これに限定されるものではない。
【0163】
いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、過程/方法1800を実行して、X線スキャナ110のX線源30の位置決め情報を確定してもよい。X線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象内のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内またはその所望の部分内に位置するように誘導する。ターゲットは、X線スキャナ110によって走査される対象の一部である。ターゲットは、対象のROIを表すスポットまたは領域である。
【0164】
1810において、画像ユニット910は対象の第1画像及び第2画像を取得する。X線源30は対象に向かってX線を放射する。検出器20は、X線源30から放射されたX線を検出し、対象に関連する1つ以上の画像を生成するために使用される画像データを生成する。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、X線スキャナ110から生成した画像データを取得し、この画像データに基づいて、対象の第1画像及び第2画像を生成してもよい。いくつかの実施形態では、画像ユニット910は、対象の第1画像及び第2画像を予め生成し、これらの第1画像及び第2画像を記憶装置150や記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)に格納してもよい。画像ユニット910は、記憶装置150および/または記憶設備(例えば記憶部720、記憶部890又はメモリ860)から第1画像及び第2画像を取得する。
【0165】
いくつかの実施形態では、第1画像は、X線源30が第1走査位置で対象を走査するときに生成される画像データに基づいて生成されてもよい。第2画像は、X線源30が第2走査位置で対象を走査するときに生成される画像データに基づいて生成されてもよい。いくつかの実施形態では、X線源30の走査位置は、回転角および空間位置を使用して識別される。回転角は、X線源30から放出されたX線の中心線と水平面に垂直な直線とがなす角度を指す。いくつかの実施形態では、X線源30を使用して走査される対象は、テーブル(例えば、図13または図15に示すテーブル50)の水平面上に置かれてもよい。X線源30の空間位置は、3D座標を使用して識別する。いくつかの実施形態では、第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角は、同じであっても異なっていてもよい。2つの走査位置の回転角および空間位置の両方が同じである場合、2つの走査位置は同じであると見なされる。2つの走査位置の回転角および空間位置の両方が異なるである場合、2つの走査位置は異なると見なされる。
【0166】
いくつかの実施形態では、第1位置および/または第2位置は、ユーザによって手動で、または例えばX線スキャナ110のデフォルト設定に従ってシステム100によって自動的に設定されてもよい。
【0167】
1820において、第1位置確定ユニット920は、第1画像と第2画像に基づくターゲットの第2画像ターゲット位置とに基づいて、ターゲットに対応する第1画像ターゲット位置を確定する。第1位置確定ユニット920は、第1画像において、ターゲットに対応する1つ以上のピクセルまたはボクセルを識別することによって、ターゲットの第1画像ターゲット位置を確定する。第1位置確定ユニット920は、第2画像において、ターゲットに対応する1つ以上のピクセルまたはボクセルを識別することによって、ターゲットの第2画像ターゲット位置を確定する。いくつかの実施形態では、第1画像ターゲット位置および第2画像ターゲット位置は、3D座標系におけるそれぞれの3D座標によって識別されてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、第1画像および第2画像を取得した後、処理エンジン140は、2つの画像を画面上に表示してもよい。システム100のユーザ(例えば、医者または撮像専門家)は、例えば、マウスをクリックするか、または画面をタッチすることによって、第1画像ターゲット位置および第2画像ターゲット位置を確定する。第1位置確定ユニット920は、第1画像ターゲット位置及び第2画像ターゲット位置を確定する指示を受信した後、第1画像ターゲット位置の3D座標及び第2画像ターゲット位置の3D座標を確定する。いくつかの実施形態では、第1画像ターゲット位置がユーザによって手動で識別された後、第1位置確定ユニット920は、第1画像ターゲット位置(例えば、第1画像ターゲット位置のグレー値)に基づいて第2画像ターゲット位置を自動的に確定する。いくつかの実施形態では、第1位置確定ユニット920は、例えばターゲットに対応する画像(例えば、1つ以上のピクセルまたはボクセル)の一部を認識するための画像認識アルゴリズムに基づいて第1画像ターゲット位置および第2画像ターゲット位置を自動的に確定してもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された第1(または第2)画像内の1つ以上のピクセルまたはボクセルに対応する対象内のスポットであり、第1(または第2)ターゲット位置は、ターゲットに対応する第1(または第2)画像内の1つ以上のピクセルまたはボクセルの3D座標によって識別されてもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットは、X線スキャナ110によるスキャンによって取得された第1(または第2)画像内の複数のピクセルまたはボクセルに対応する領域であり、第1位置確定ユニット920は、第1(または第2)画像内の少なくとも2つのピクセルまたはボクセルを選択し、第1(または第2)の画像ターゲット位置は、第1(または第2)画像内の少なくとも2つのピクセルまたはボクセルの3D座標によって識別されてもよい。
【0170】
1830において、第2位置確定ユニット930は、第1画像ターゲット位置及び第2画像ターゲット位置に基づいてターゲットのターゲット位置を確定する。ターゲットのターゲット位置は、第1画像ターゲット位置および/または第2ターゲット目標位置に関連する3D座標系に対応する3D座標系の3D座標によって識別する。いくつかの実施形態では、ターゲットがスポットである場合、ターゲットのターゲット位置は、ターゲットの3D座標によって識別されてもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットが領域である場合、ターゲットのターゲット位置は、ターゲット内の少なくとも2つのスポットの3D座標によって識別されてもよい。このターゲット内の少なくとも2つのスポットは、ターゲットの第1画像および/または第2画像内の少なくとも2つのピクセルまたはボクセルに対応する。
【0171】
1840において、位置決めユニット940は、X線スキャナ110のX線源30の所望の回転角を確定する。このX線源30の所望の回転角は、対象の走査を促進するためのX線源30の回転角を指す。いくつかの実施形態では、所望の回転角は、ユーザによって手動で設定されてもよい。いくつかの実施形態では、所望の回転角は、例えば、X線スキャナ110のデフォルト設定に従ってシステム100によって自動的に確定されてもよい。
【0172】
1850において、位置決めユニット940は、X線源30の位置決め情報を確定する。X線源30の位置決め情報は、X線源30を、対象のターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内に留まるように誘導する。X線源30の位置情報は、X線源30の現在位置から、ターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内にあるような位置へ移動するようにX線源30を誘導する。いくつかの実施形態では、X線源30は、X線源30の位置決め情報に基づいて、例えば処理エンジン140またはX線スキャナ110の駆動モジュールによって手動で、または自動的にこの位置に移動されてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、ターゲットのターゲット位置に加えて、位置決めユニット940は、ユーザが、ターゲットがX線スキャナ110の撮像視野内に位置することを望む所望の位置に基づいて、X線源30の位置決め情報を確定してもよい。例えば、ターゲットの所望の位置は、X線源30から放射されたX線の中心線上にあるか、またはそれを横切り、ターゲットと検出器20の中心との間の距離は、X線の中心線の長さの3分の1である。X線の中心線の長さは、X線源30の焦点から検出器20の中心までの線分の長さを指す。ターゲットの所望の位置は、例えば、X線スキャナ110のデフォルト設定に従って、ユーザによって手動で、またはシステム100によって自動的に設定されてもよい。
【0174】
図19は本発明のいくつかの実施形態に係る対象のターゲット位置を確定するための例示的な過程/方法1900を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、過程/方法1900は、図1に示すシステム100において実施されてもよい。例えば、過程/方法1900は、指示の形で記憶装置150および/または記憶部(例えば、記憶部720、記憶部890、またはメモリ860)に格納され、処理エンジン140(例えば、処理エンジン140のプロセッサ710、図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のモジュール)に呼び出しおよび/または実行される。本明細書に図示された過程/方法の動作は、例示的なものであることが意図されている。いくつかの実施形態では、過程/方法1900は、記載されていない1つ以上の追加の動作で達成され、しかも/あるいは1つ以上の説明された動作なしで達成されてもよい。さらに、図19に示す過程/方法1900の動作を実行する順序は、 以下で説明するが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、図18に示す1830は、過程/方法1900に基づいて実行される。
【0175】
第2位置確定ユニット930は、第1画像ターゲット位置とX線源30の第1走査位置との間の第1線分を確定する。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、第1走査位置の3D座標および第1ターゲット位置の3D座標に基づいて、第1線分の3D直線数式を確定してもよい。
【0176】
第2位置確定ユニット930は、第2画像ターゲット位置とX線源30の第2走査位置との間の第2線分を確定する。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、第2走査位置の3D座標および第2ターゲット位置の3D座標に基づいて、第2線分の3D直線数式を確定してもよい。
【0177】
第2位置確定ユニット930は、第1線分及び第2線分に基づいてターゲット位置を確定する。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、第1線分と第2線分の交点を確定することによってターゲット位置を確定してもよい。いくつかの実施形態では、第1線分と第2線分の交点がないという条件において、第2位置確定ユニット930は、第1線分の点と第2線分の点との間の第3線分を確定してもよい。第1線分の任意の1つの点と第2線分の任意の1つの点との間には、複数の線分が存在している。第2位置確定ユニット930は、第1線分と第2線分との間の複数の線分のうち最小の長さを有する線分を第3線分として指定する。複数の線分の線分は、第1線分内の点と第2線分内の点とを含む。第2位置確定ユニット930は、第3線分の長さがある閾値より大きいか否かを判断する。第2位置確定ユニット930は、第3線分の長さがこの閾値より小さい又は等しいか否かの判断に対応して、第3線分の点(例えば、第3線分の中間点)をターゲットのターゲット位置として指定する。第1位置確定ユニット920は、第3線分の長さが閾値よりも大きいという判断に対応して、ターゲットの新しい第1画像ターゲット位置およびターゲットの新しい第2画像ターゲット位置を確定する。例えば、ユーザは、例えば、マウスをクリックするか、またはX線スキャナ位置決めシステム100のユーザインタフェース内のスクリーンをタッチすることによって、ターゲットの新しい第1画像ターゲット位置およびターゲットの新しい第2画像ターゲット位置を確定する。
【0178】
説明するために、本開示の範囲を限定することを意図するものではないが、図18および/または図19に記載のターゲットのターゲット位置を確定するいくつかの例は、図20A図20B図21図22A図22Bを参照して説明する。
【0179】
図20Aは、本開示のいくつかの実施形態に係る、ターゲットのターゲット位置を確定するための過程/方法1800および/または過程/方法1900の第1例を示す概略図である。いくつかの実施形態では、ターゲット位置を確定する第1例は、X線スキャナ110による走査によって取得された対象の画像内の1つ以上の隣接ピクセルに対応するスポットである対象に適用されてもよい。例えば、ターゲットは対象のROIの中心である。第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角は、ターゲットがスポットであるという条件によって異なる。
【0180】
図20Aに示すように、AはX線源30の第1走査位置を指す。AはX線源30の第2走査位置を指す。Rはターゲットを指す。Cは第1画像ターゲット位置を指す。Cは第2画像ターゲット位置を指す。Bは第1画像(又は検出器20)の中心を指す。Bは第2画像(又は検出器20)の中心を指す。
【0181】
第2位置確定ユニット930は、Aの3D座標とCの3D座標とに基づいてAの直線数式を確定する。第2位置確定ユニット930は、Aの3D座標とCの3D座標とに基づいてAの直線数式を確定する。第2位置確定ユニット930は、AとAとの交点の3D座標を確定することによって、ターゲットのターゲット位置の3D座標(例えば、R)を確定する。
【0182】
図20Bは本発明のいくつかの実施形態に係るX線源30の位置決め情報を確定するための実施例を示す概略図である。
【0183】
図20Bに示すように、φは、X線源30の所望の回転角を指す。第2位置確定ユニット930がターゲット(例えばR)のターゲット位置を確定した後、位置決めユニット940は、ターゲットが撮像視野内に留まる(例えば、X線源30から放射されるX線の中心線Aに位置し、又はこの中心線Aを横切る)ようにX線源30を動かすための位置情報を確定する。例えば、X線源30の位置決め情報は、X線源30を現在位置(例えば、A)から図20Bに示すX軸方向に沿って一定の距離を平行移動させるように誘導する。これに加えて又はこれに代えて、X線源30の位置決め情報は、X線源30を現在位置から図20Bに示すY軸方向に沿って一定の距離を平行移動させるように誘導してもよい。これに加えてまたはこれに代えて、X線源30の位置決め情報は、X線源30を現在位置から図20Bに示すZ軸方向に沿って一定の距離を平行移動させるように誘導してもよい。
【0184】
図21、22Aおよび22Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ターゲットに対応するターゲット位置を確定するための過程/方法1800および/または過程/方法1900の第2例を示す概略図である。いくつかの実施形態では、ターゲット位置を確定するための第2例は、領域であるターゲットに適用されてもよい。例えば、図21に示すように、対象は、対象のROIに含まれる領域である。領域であるターゲットの場合、ターゲットのターゲット位置を確定する目的は、ターゲットの少なくとも2つのスポットの3D座標を確定することである。
【0185】
第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角は、ターゲットが領域であるという条件によって異なる。第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角が同じである場合、第1走査位置の空間位置と第2走査位置の空間位置とは異なる場合がある。
【0186】
いくつかの実施形態では、第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角が同じである場合、第1走査位置の空間位置と第2走査位置の空間位置は、X線源30から放射されたX線の中心線上での2つの異なる位置であってもよい(図22Aに示す)。図22Aで、ターゲットのターゲット位置を確定する目的は、RとRの3D座標を確定することである。線分Rは、X線源30から放射されるX線の中心線(例えば、AまたはA)に対して垂直である。図22Aに示すように、A及びAはX線源30の走査位置を示す。Cは第1画像におけるRの位置を示す。Dは第1画像におけるRの位置を示す。Cは第2画像におけるRの位置を示す。Dは第2画像におけるRの位置を示す。Bは第1画像の中心を指す。Bは第2画像の中心を指す。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、図19および/または図20に示す過程に基づいて、RおよびRの3D座標を確定してもよい。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、数(3)、数(4)および数(5)に基づいて、RおよびRの3D座標を確定してもよい。
【数3】
【数4】
【数5】
【0187】
第2位置確定ユニット930は、数(3)、数(4)及び数(5)に基づいてHRを確定する。第2位置確定ユニット930は、HRを確定する方法と同じ方法でHRを確定する。第2位置確定ユニット930は、HR及びHRに基づいてR及びRの3D座標を確定する。
【0188】
いくつかの実施形態では、第1走査位置の回転角と第2走査位置の回転角が同じである場合、第1走査位置の空間位置と第2走査位置の空間位置は、X線源30から放射されたX線の中心線に垂直な方向において2つの異なる位置であってもよい(図22Bに示す)。図22Bで、ターゲットのターゲット位置を確定する目的は、RとRの3D座標を確定することである。線分Rは、X線源30から放射されるX線の中心線(例えば、AまたはA)に対して垂直である。Hは、AへのRおよびRの正投影を指す。Hは、AへのRおよびRの正投影を指す。Rの線分はAおよびAに対して垂直であるため、AへのRの正投影およびAへのRの正投影は同じであり、AへのRの正投影およびAへのRの正投影は同じである。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、図19および/または図20Aに示す過程に基づいて、RおよびRの3D座標を確定してもよい。いくつかの実施形態では、第2位置確定ユニット930は、数(6)、数(7)、数(8)および数(9)に基づいて、RおよびRの3D座標を確定してもよい。
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
第2位置確定ユニット930は、数(6)、数(7)、数(8)及び数(9)に基づいてA(又はA)を確定する。第2位置確定ユニット930は、A(またはA)および数(6)に基づいてHを確定する。第2位置確定ユニット930は、A(またはA)および数(7)に基づいてHを確定する。第2位置確定ユニット930は、HRを確定する技術と同じ技術を利用してHRを確定する。第2位置確定ユニット930は、H及びHに基づいてRの3D座標を確定する。第2位置確定ユニット930は、Rの3D座標を確定する方法と同様の方法に基づいて、Rの3D座標を確定する。
【0189】
図23は本発明のいくつかの実施形態に係るX線スキャナ110の位置決め情報を確定するための例示的な過程/方法2300を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、過程/方法2300は、図1に示すシステム100において実施されてもよい。例えば、過程/方法2300は、指示の形で記憶装置150および/または記憶部(例えば、記憶部720、記憶部890、またはメモリ860)に格納され、処理エンジン140(例えば、処理エンジン140のプロセッサ710、図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のモジュール、または図9に示す処理エンジン140内の1つ以上のユニット)に呼び出しおよび/または実行される。本明細書に図示された過程/方法の動作は、例示的なものであることが意図されている。いくつかの実施形態では、過程/方法2300は、記載されていない1つ以上の追加の動作で達成され、しかも/あるいは1つ以上の説明された動作なしで達成されてもよい。さらに、図23に示す過程/方法2300の動作を実行する順序は、以下で説明するが、これに限定されるものではない。
【0190】
いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、過程/方法2300を実行して、X線スキャナ110の位置決め情報を確定してもよい。X線スキャナ110の位置決め情報は、X線スキャナ110を1つの位置から別の位置へ移動させるように誘導する。
【0191】
2310において、原点確定ユニット950は座標系の原点を確定する。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110が第1位置で対象を走査した後、X線スキャナ110を第2位置に移動させてもよい。その後、X線スキャナ110を第1位置に戻して、対象を再び走査する。原点確定ユニット950は、第1位置を原点として指定する。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110が第1位置で対象を走査するとき、ユーザは、原点確定ユニット950に第1位置を原点として確定するように指示を送ってもよい。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110が第1位置で対象を走査するとき、原点確定ユニット950は第1位置を原点として自動的に確定してもよい。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110が2つ以上の位置で対象を走査する場合、原点確定ユニット950は、いくつかの位置の中で対応する画像の品質が最も良好な位置を原点として確定してもよい。
【0192】
2320において、座標系確定ユニット960は、原点に基づいて座標系を確定する。座標系は2D座標系又は3D座標系である。いくつかの実施形態では、可搬型X線スキャナの場合、座標系確定ユニット960は、地面に基づいて座標系を確定してもよい。例えば、座標系確定ユニット960は、X軸及びY軸が地上にある2D座標系を確定する。いくつかの実施形態では、サスペンションX線スキャナの場合、座標系確定ユニット960は、天井に基づいて座標系を確定してもよい。例えば、座標系確定ユニット960は、X軸及びY軸が天井にある2D座標系を確定する。
【0193】
2330において、現在位置確定ユニット970は、原点及び座標系に基づいてX線スキャナ110の現在位置の座標を確定する。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110を原点から現在の位置へ移動させてもよい。X線スキャナ110に取り付けられたセンサは、原点から現在位置への変位を確定する現在位置確定ユニット970は、この変位に基づいてX線スキャナ110の現在位置の座標を確定する。これに代えて又はこれに加えて、現在位置の座標は、X線スキャナ110内の位置決め技術を利用して確定されてもよい。X線スキャナ110は、現在位置の座標を現在位置確定ユニット970に伝達する。
【0194】
2340において、位置決めユニット940は、X線スキャナ110の現在位置から原点に位置するX線スキャナ110の位置決め情報を確定する。X線スキャナ110の位置決め情報には、ターゲットの現在位置から原点までの座標系のX軸方向の平移距離、ターゲットの現在位置から原点までの座標系のY軸方向の平移距離、ターゲットの現在位置から原点までの距離、ターゲットの現在位置から原点までの線と座標系のX軸(またはY軸)方向との間の角度、移動速度、移動加速度、移動時間等を含む。いくつかの実施形態では、処理エンジン140は、X線スキャナ110の位置情報を画面上に表示してもよい。処理エンジン140は、X線スキャナ110の位置情報をテキスト、写真、ビデオ、音声などの形態で表示する。例えば、処理エンジン140は、X線スキャナ110を原点の現在位置から移動させるための経路を提供する。別の例として、処理エンジン140は、例えば、X線スキャナ110が原点に到着したときに緑のアイコンを点滅させることによって、通知を提供する。さらに別の例として、処理エンジン140は、音を使用して、X線スキャナ110が原点に到着したことをユーザに知らせる。いくつかの実施形態では、X線スキャナ110を手動でまたは自動的に移動させる。
【0195】
いくつかの実施形態では、第2位置決めモジュール902は、任意の点を原点として確定し、この原点に基づいて座標系を確定してもよい。第2位置決めモジュール902は、座標系に基づいて、ユーザが戻すことを望む位置の座標および現在位置の座標を確定する。第2位置決めモジュール902は、ユーザが戻すことを望む位置の座標と、X線スキャナ110の現在位置の座標とに基づいて、X線スキャナ110の位置決め情報を確定する。
【0196】
以上の基本的な概念を説明したので、以上の詳細な開示は一例として提示されることを意図しており、限定するものではないことは、この詳細な開示を読めば当業者にとって明らかである。様々な変更、改良、および修正が起こる可能性があり、当業者には意図されているが、本明細書中には明示的に述べられていない。これらの変更、改良、および修正は、本開示によって示唆されることが意図され、本開示の例示的実施形態の精神および範囲内である。
【0197】
さらに、本開示の実施形態を説明するために特定の用語が使用されている。例えば、「一実施形態」、「実施形態」、および/または「いくつかの実施形態」という用語は、この実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施形態」または「実施形態」または「代替実施形態」の2つ以上の言及は必ずしもすべて同じ実施形態を指しているわけではないことを強調し、理解されてほしい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、本開示の1つまたは複数の実施形態において適切に組み合わせることができる。
【0198】
さらに、当業者であれば、本開示の態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製造または組成物またはその新規で有用な改善を含むいくつかの特許可能なクラスまたは文脈のいずれかにおいて図示および記載されてもよいことが理解されてほしい。したがって、本開示の態様は、ここで「ユニット」、「モジュール」または「システム」と呼ばれる、完全にハードウェア、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアおよびハードウェアの実装の組合せにより実現される。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0199】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドまたは搬送波の一部として組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含む。このような伝搬信号は、電磁気、光学など、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のうちいずれかを取られる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、指示実行システム、装置、またはデバイスによって使用されるプログラムを通信、伝搬、または伝送することができる任意のコンピュータ可読媒体である。コンピュータ可読信号媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信する。
【0200】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C ++、C#、VB. NET、Pythonのようなオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2103、Perl、COBOL 2102、PHP、ABAPのような従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby、Groovyのようなダイナミックプログラミング言語または他のプログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述する。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、一部にはユーザのコンピュータ上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にはユーザのコンピュータ上で、部分的にはリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行する。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)、またはクラウドコンピューティング環境において、またはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供されてもよい。
【0201】
さらに、処理要素またはシーケンスの列挙された順序、または数字、文字、または他の指定の使用は、特許請求の範囲に指定されている場合を除いて、請求された過程および方法を任意の順序に限定することを意図するものではない。上述の開示は、様々な実施例を介して、本開示の様々な有用な実施形態であると現在考えられるものを論じているが、そのような詳細はその目的のためのみであり、添付の特許請求の範囲は、開示された実施形態に限定されず、反面、開示された実施形態の精神および範囲内にある修正および均等な構成を包含することが意図されていることを理解されてほしい。例えば、上述した様々な構成要素の実現は、ハードウェア装置に具体化することができるが、ソフトウェアのみの解決策、例えば、既存のサーバーまたは携帯装置で実現されてもよい。
【0202】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明では、様々な特徴が、様々な本発明の実施形態のうちの1つ以上の理解を助ける開示を合理化する目的で、単一の実施形態、図面、またはその説明において一緒にグループ化されることがあることが理解されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、クレームされた対象事項が各クレームに明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の実施形態は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものである。
【0203】
いくつかの実施形態では、本出願の特定の実施形態を記載および請求するために使用される量または特性を表す数字は、ある場合には、「約」、「おおよそ」または「実質的に」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。例えば、「約」、「おおよその」または「実質的に」は、他に記載がない限り、記載する値の±20%の変動を示す。したがって、いくつかの実施形態では、記載された説明および添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、特定の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効数字の数と、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本出願のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告される。
【0204】
本明細書で参照される特許、特許出願、特許出願の刊行物、および記事、書籍、仕様書、刊行物、文書、物などのそれぞれの各文献は、これに関連する訴追ファイルの履歴、本書と不一致する、または矛盾するもの、または本文書に関連する現在または後の請求項の最も広い範囲について限定的な影響を及ぼす可能性があるものを除き、すべての目的で、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例として、組み込まれた資料のいずれかに関連する用語の説明、定義、および/または使用と、本文書に関連する用語の説明、定義、および/または使用の間に不一致または矛盾がある場合、本明細書における用語の説明、定義、および/または使用を優先させる。
【0205】
最後に、本明細書に開示されたアプリケーションの実施形態は、そのアプリケーションの実施形態の原理の例示であることを理解されてほしい。使用され得る他の変更も、本出願の範囲内である。したがって、限定ではなく、例として、本明細書の教示に従って、本出願の実施形態の代替構成を利用することができる。したがって、本出願の実施形態は、図示および説明したものに厳密に限定されない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23