(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】端末及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240308BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20240308BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2021548309
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2019038414
(87)【国際公開番号】W WO2021059540
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔平
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】LG Electronics,Summary of RAN1 Agreements/Working assumptions in WI 5G V2X with NR sidelink[online],3GPP TSG RAN WG1 #98 R1-1909921,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1909921.zip>,2019年09月23日
【文献】Spreadtrum Communications,Discussion on NR V2X physical layer procedure[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1902724,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1902724.zip>,2019年02月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドリンクでグループキャストを含む態様により送信される複数の無線信号を受信する受信部と、
同一タイミングに行うことが可能なPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信の最大数に基づいて、前記複数の無線信号に対するHybrid Automatic Repeat Request(HARQ)フィードバックの動作パターンを選択する制御部と、
前記選択されたHARQフィードバックの動作パターンに従って、サイドリンクのHARQフィードバック情報を送信する送信部と、
を備え
、
前記動作パターンとは、複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するか、又は複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかの送信を行わないことである、
端末。
【請求項2】
前記制御部は、
さらに、前記サイドリンクで送信される複数の無線信号のうちの各無線信号のキャスト種別に基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択する、
請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、
さらに、サイドリンクのグループキャスト送信に適用するHARQフィードバックのオプションに基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択する、
請求項
2に記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、
さらに、送信側の端末、複数のPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信のうちの各PSFCH送信の優先順位、及び前記複数のPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択する、
請求項1に記載の端末。
【請求項5】
サイドリンクでグループキャストを含む態様により送信される複数の無線信号を受信するステップと、
同一タイミングに行うことが可能なPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信の最大数に基づいて、前記複数の無線信号に対するHybrid Automatic Repeat Request(HARQ)フィードバックの動作パターンを選択するステップと、
前記選択されたHARQフィードバックの動作パターンに従って、サイドリンクのHARQフィードバック情報を送信するステップと、
を備え
、
前記動作パターンとは、複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するか、又は複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかの送信を行わないことである、
端末による通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末及び通信方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びLTEの後継システム(例えば、LTE-A(LTE Advanced)、NR(New Radio)(5Gとも呼ぶ))では、User Equipment(UE)等の端末同士が基地局を介さないで直接通信を行うサイドリンク(D2D(Device to Device)とも呼ぶ)技術が検討されている。
【0003】
また、V2X(Vehicle to Everything)を実現することが検討され、仕様化が進められている。ここで、V2Xとは、ITS(Intelligent Transport Systems)の一部であり、
図1に示すように、自動車間で行われる通信形態を意味するV2V(Vehicle to Vehicle)、自動車と道路脇に設置される路側機(RSU:Road-Side Unit)との間で行われる通信形態を意味するV2I(Vehicle to Infrastructure)、自動車とドライバーのモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2N(Vehicle to Nomadic device)、及び、自動車と歩行者のモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2P(Vehicle to Pedestrian)の総称である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】3GPP TS 36.211 V15.6.0(2019-06)
【文献】3GPP TR 22.886 V15.1.0(2017-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、3GPPの会合では、Physical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)のoverlapに関する議論が行われている。PSFCHのoverlapとして、いくつかのoverlapのケースが想定されている。
【0006】
複数のPSFCH送信がoverlapした場合の端末動作を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、サイドリンクでグループキャストを含む態様により送信される複数の無線信号を受信する受信部と、同一タイミングに行うことが可能なPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信の最大数に基づいて、前記複数の無線信号に対するHybrid Automatic Repeat Request(HARQ)フィードバックの動作パターンを選択する制御部と、前記選択されたHARQフィードバックの動作パターンに従って、サイドリンクのHARQフィードバック情報を送信する送信部と、を備え、前記動作パターンとは、複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するか、又は複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかの送信を行わないことである、端末、が提供される。
【発明の効果】
【0008】
実施例によれば、複数のPSFCH送信がoverlapした場合の端末動作を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】複数のHARQ-ACKビットを同じPSFCHに多重して送信する例を示す図である。
【
図3】ユニキャスト送信に対するHARQフィードバックを行い、グループキャスト送信に対するHARQフィードバックを行わない場合の例を示す図である。
【
図4】PSFCH送信の最大数に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択する例を示す図である。
【
図5】送信側の端末の数、優先順位、及びPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択する例を示す図である。
【
図6】送信側の端末の数、優先順位、及びPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択する例を示す図である。
【
図7】実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態に係る基地局及び端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0011】
本実施の形態における端末間の直接通信の方式はLTEあるいはNRのサイドリンク(SL(Sidelink))であることを想定しているが、直接通信の方式は当該方式に限られない。また、「サイドリンク」という名称は一例であり、「サイドリンク」という名称が使用されずに、UL(Uplink)が、SLの機能を含むこととしてもよい。SLは、DL(Downlink)又はULと周波数又は時間リソースの違いによって区別されてもよく、他の名称であってもよい。
【0012】
また、ULとSLとが、時間リソース、周波数リソース、時間・周波数リソース、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号、同期するために使用する参照信号(PSS/SSS/PSSS/SSSS)のいずれか1つ又はいずれか複数の組み合わせの違いによって区別されてもよい。
【0013】
例えば、ULでは、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号として、アンテナポートX_ANTの参照信号を使用し、SL(SLとして使用するULを含む)では、送信電力制御においてPathlossを決定するために参照する参照信号として、アンテナポートY_ANTの参照信号を使用する。
【0014】
また、本実施の形態では、端末(ユーザ装置(UE)と呼ばれてもよい)が車両に搭載される形態を主に想定しているが、本発明の実施形態は、この形態に限定されない。例えば、端末は人が保持する端末であってもよいし、端末がドローンあるいは航空機に搭載される装置であってもよいし、端末が基地局、RSU、中継局(リレーノード)、スケジューリング能力を有するユーザ装置等であってもよい。
【0015】
(システム構成)
図1は、本実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムは、基地局10、端末20A、及び端末20Bを有する。なお、実際には多数の端末が存在し得るが、
図1は例として端末20A、及び端末20Bを示している。
【0016】
図1において、端末20Aは送信側、端末20Bは受信側を意図しているが、端末20Aと端末20Bはいずれも送信機能と受信機能の両方を備える。以下、端末20A、20B等を特に区別しない場合、単に「端末20」あるいは「端末」と記述する。
図1では、一例として端末20Aと端末20Bがともにカバレッジ内にある場合を示しているが、本実施の形態における動作は、全部の端末20がカバレッジ内にある場合と、一部の端末20がカバレッジ内にあり、他方の端末20がカバレッジ外にある場合と、全部の端末20がカバレッジ外にある場合のいずれにも適用できる。
【0017】
本実施の形態において、端末20は、例えば、自動車等の車両に搭載された装置であり、LTEあるいはNRにおけるUEとしてのセルラ通信の機能、及び、サイドリンク機能を有している。更に、端末20は、GPS装置、カメラ、各種センサ等、報告情報(位置、イベント情報等)を取得する機能を含む。また、端末20が、一般的な携帯端末(スマートフォン等)であってもよい。また、端末20が、RSUであってもよい。当該RSUは、UEの機能を有するUEタイプRSUであってもよいし、基地局の機能を有するBSタイプRSU(gNBタイプUEと呼ばれてもよい)、又は中継局であってもよい。
【0018】
なお、端末20は1つの筐体の装置である必要はなく、例えば、各種センサが車両内に分散して配置される場合でも、当該各種センサを含めた装置が端末20である。また、端末20は各種センサを含まずに、各種センサとデータを送受信する機能を備えることとしてもよい。
【0019】
また、端末20のサイドリンクの送信の処理内容は基本的には、LTEあるいはNRでのUL送信の処理内容と同様である。例えば、端末20は、送信データのコードワードをスクランブルし、変調してcomplex-valued symbolsを生成し、当該complex-valued symbols(送信信号)を1又は2レイヤにマッピングし、プリコーディングを行う。そして、precoded complex-valued symbolsをリソースエレメントにマッピングして、送信信号(例:CP-OFDM、DFT-s-OFDM)を生成し、各アンテナポートから送信する。
【0020】
また、基地局10については、LTEあるいはNRにおける基地局10としてのセルラ通信の機能、及び、本実施の形態における端末20の通信を可能ならしめるための機能(例:リソースプール設定、リソース割り当て等)を有している。また、基地局10は、RSU(gNBタイプRSU)、中継局、又はスケジューリング機能を有する端末であってもよい。
【0021】
また、本実施の形態に係る無線通信システムにおいて、端末20がSLあるいはULに使用する信号波形は、OFDMAであってもよいし、SC-FDMAであってもよいし、その他の信号波形であってもよい。また、本実施の形態に係る無線通信システムにおいては、一例として、時間方向には、複数のサブフレーム(例:10個のサブフレーム)からなるフレームが形成され、周波数方向は複数のサブキャリアからなる。1サブフレームは1送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)の一例である。ただし、TTIは、サブフレームであるとは限らない。例えば、TTIは、slot又はmini-slot、その他の時間領域の単位であってもよい。また、サブキャリア間隔に応じて、1サブフレームあたりのスロット数が定まることとしてもよい。また、1スロットあたりのシンボル数が14シンボルであってもよい。
【0022】
3GPPのリリース16のNRのサイドリンク通信には、Hybrid Automatic Repeat Request(HARQ)が導入されることが想定されている。サイドリンク通信において、HARQ-Acknowledgement(HARQ-ACK)は、Physical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)を使用して送信される。
【0023】
送信側の端末20Aから受信側の端末20BにPhysical Sidelink Control Channel(PSCCH)/Physical Sidelink Shared Channel(PSSCH)でトランスポートブロックが送信され、これに応答して、端末20Bは端末20AにPSFCHでHARQ-ACKを送信する。
【0024】
(NRのV2Xの概要)
NRのV2Xで規定されるSL transmission mode 1では、基地局10が送信リソースをスケジューリングして、送信側の端末20Aに送信リソースを割り当てる。端末20Aは、割り当てられた送信リソースにより、信号を受信側の端末20Bに送信する。
【0025】
SL transmission mode 2aでは、例えば、送信側の端末20Aは、自律的に送信リソースを選択して、選択した送信リソースにより、信号を受信側の端末20Bに送信する。
【0026】
SL transmission mode 2cでは、例えば、基地局10が一定周期/パターンの送信リソースを、端末20Aに対して(例えば、上位レイヤのパラメータにより)事前に設定して、端末20Aは、事前に設定された一定周期/パターンの送信リソースにより、信号を受信側の端末20Bに送信する。ここで、基地局10が端末20Aに対して一定周期/パターンの送信リソースを事前に設定することに代えて、例えば、仕様により、一定周期/パターンの送信リソースが端末20Aに対して事前に設定されていてもよい。
【0027】
SL transmission mode 2dでは、例えば、端末20が基地局10と同様の動作を行う。具体的には、端末20は、送信リソースをスケジューリングして、送信側の端末20Aに送信リソースを割り当てる。端末20Aは、割り当てられた通信リソースにより、受信側の端末20Bに送信してもよい。すなわち、端末20は、他の端末20(例えば、端末20A及び/又は端末20B)の送信を制御してもよい。
【0028】
また、NRのV2Xでは、キャスト種別として、ユニキャスト、グループキャスト、及びブロードキャストの3種類のキャスト種別が検討されている。
【0029】
ユニキャストとは、例えば、送信側の端末20Aから受信側の端末20Bへの1対1の送信のことをいう。
【0030】
グループキャストとは、例えば、送信側の端末20Aから受信側の端末20のグループである、端末20B及び端末20B'への送信のことをいう。
【0031】
ブロードキャストとは、例えば、送信側の端末20Aから所定範囲内の受信側の全端末20である、端末20B、端末20B'、及び端末20B''への送信のことをいう。
【0032】
現在、3GPPの会合では、Physical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)のoverlapに関する議論が行われている。PSFCHのoverlapとして、以下のようなoverlapのケースが想定されている。
【0033】
(ケース1)
PSFCHでの送信と受信が重複するケース。
【0034】
(ケース2)
複数の端末20へのPSFCH送信が重複するケース。このケースにおいて、例えば、優先順位に基づいて、N個のPSFCH送信を選択することが検討されている。PSFCHの優先順位は、少なくとも、当該PSFCHと関連付けられているPhysical Sidelink Control Channel(PSCCH)/Physical Sidelink Shared Channel(PSSCH)により示される優先順位に基づくものであってもよい。その他の優先順位(例えば、キャスト種別、HARQ状態、HARQフィードバックのオプション、PSCCH/PSSCHの送信数、衝突状態、等)、については、端末20の実装に依存してもよい。
【0035】
(ケース3)
同一の端末20に対する複数のHARQフィードバックを伴うPSFCH送信。複数のHARQ-ACKビットを単一のPSFCHに多重するか否かについて、及び上述のケース2の優先順位に基づいて、N個のPSFCHを選択する方法を適用するか否かについての議論が行われている。
【0036】
サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットをどのような条件下で多重するかについて、現時点では不明となっている。
【0037】
例えば、ユニキャスト送信に対するHARQ-ACKビット及びグループキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを単一のPSFCHに多重すべきか否かについて、現時点では不明となっている。グループキャストのHARQフィードバックのオプション1では、NACKの場合だけ、受信側の端末20は、送信側の端末20に対して、フィードバックを行う。これに対して、グループキャストのHARQフィードバックのオプション2では、ACKの場合及びNACKの場合に、受信側の端末20は、送信側の端末20に対して、フィードバックを行う。このように、フィードバックの仕組みが異なるグループキャストのHARQフィードバックのオプション1及びオプション2に対して、同じような多重の仕組みを適用するのか否かについて、現時点では不明となっている。
【0038】
さらに、複数のPSFCHの同時送信について、同時送信の最大数を考慮した上で、複数のPSFCHそれぞれを介しての複数のHARQフィードバックの同時送信とするか、又は複数のHARQフィードバックのうちのいくつかのHARQフィードバックを1つのPSFCHリソースに多重して送信するかを選択することも考えられる。
【0039】
複数の端末20に対するPSFCH送信が重複するケースにおいて、複数の端末20に対して複数のHARQ-ACKビットを送信する際に、ある端末20に複数のHARQ-ACKビットを送信する場合の処理についても明確化する必要がある。
【0040】
(提案)
受信側の端末20Bは、特定の条件に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するのか、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないか、を選択してもよい。
【0041】
(提案A)
受信側の端末20Bは、サイドリンク通信のキャスト種別(例えば、HARQ-ACKがグループキャストのHARQ-ACKであるか、又はユニキャストのHARQ-ACKであるか)に基づいて、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するのか、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないかを選択してもよい。なお、本発明において、グループキャストのHARQ-ACKはグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを意味してもよく、ユニキャストのHARQ-ACKはユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを意味してもよい。
【0042】
(A-1)
例えば、端末20Aからのサイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKと端末20Aからのサイドリンクの別のユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKとが同じタイミングにおいて送信される場合、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットを同じPSFCHに多重して送信してもよい。つまり、これらの複数のHARQ-ACKビットは、いずれも端末20Aに対して送信されるので、複数のHARQ-ACKを多重して送信することが可能である。なお、各実施例において、「同じタイミング」とは、2つのHARQ-ACKビットのうち、一方のHARQ-ACKビットを送信するための時間リソースと他方のHARQ-ACKビットを送信するための時間リソースとが、完全に同一である場合を意味してもよく、少なくとも一部が重複する場合を意味してもよく、同一の時間単位(例えば、スロット)に含まれる場合を意味してもよい。すなわち、一方のHARQ-ACKビットを送信するための時間リソースと他方のHARQ-ACKビットを送信するための時間リソースとが完全に同一である場合には限定されない。
【0043】
(A-2)
例えば、端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクの別のグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであった場合、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットを同じPSFCHに多重して送信してもよい(A-2-1)。代替的に、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、いずれかのHARQ-ACKビットを送信しなくてもよい(A-2-2)。
【0044】
図2は、A-2-1の例を示す図である。
図2に示されるように、端末20Aはあるタイミングでグループ#1に対して、PSCCH/PSSCHを介してグループキャストの送信を行い、別のタイミングでPSCCH/PSSCHを介してグループキャストの送信を行う。グループ#1の中には、端末20Bが含まれているとする。端末20Bは、端末20Aに2つのHARQ-ACKビットを送信することになる。この場合において、端末20Bが2つのHARQ-ACKビットを送信するための2つのPSFCHリソースのタイミングが同じであったとする。この場合、端末20Bは、2つのPSFCHリソースのうちの1つのPSFCHリソースにおいて、2つのHARQ-ACKビットを多重して、多重した2つのHARQ-ACKビットを当該1つのPSFCHで送信してもよい。ここで、「多重(multiplexing)」とは、単一のチャネルで複数のビットを送信できるようにすることを意味してもよい。例えば、複数のビットを多重するとは、複数のビットを単一のチャネルで送信できるようにチャネル符号化することであってもよい。
【0045】
(A-3)
例えば、端末20Aからのサイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであったと仮定する。
【0046】
(A-3-1)
(オプションx)
この場合、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットをサイドリンクのユニキャストの送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースにおいて多重してもよい。
【0047】
(オプションy)
代替的に、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットをサイドリンクのグループキャストの送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースにおいて多重してもよい。
【0048】
(オプションz)
代替的に、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットを、専用のPSFCHリソースにおいて多重してもよい。
【0049】
(A-3-2)
上述の(A-3)の場合と同様に、例えば、端末20Aからのサイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであったと仮定する。
【0050】
(オプションi)
この場合、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、サイドリンクのユニキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、サイドリンクのグループキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを、サイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースを用いて送信してもよい。
【0051】
(オプションii)
代替的に、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、サイドリンクのグループキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、サイドリンクのユニキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを、サイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースを用いて送信してもよい。
【0052】
図3は、A-3-2のオプションiiの例を示す図である。
図3に示されるように、端末20Aはあるタイミングでグループ#1に対して、PSCCH/PSSCHを介してグループキャストの送信を行い、別のタイミングでPSCCH/PSSCHを介して端末20Bに対してユニキャストの送信を行う。グループ#1の中には、端末20Bが含まれているとする。この場合において、端末20Bが、グループキャストの送信に対するHARQ-ACKビットを送信すべきタイミングがユニキャストの送信に対するHARQ-ACKビットを送信すべきタイミングと同じであったと仮定する。端末20Bは、ユニキャストの送信に対するHARQ-ACKビットを、ユニキャストの送信に対するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースで送信し、グループキャストの送信に対するHARQ-ACKビットについては、送信しなくてもよい。
【0053】
(オプションiii)
代替的に、例えば、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、グループキャスト及びユニキャストのうちの優先順位の低い送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、優先順位の高い送信に対するHARQ-ACKビットを、優先順位の高い送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースを用いて送信してもよい。
【0054】
提案Aの構成によれば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットをHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースにおいて多重することにより、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを同時に送信することが可能となる。このため、サイドリンク通信の信頼性及びリソース利用効率を高めることが可能になる。さらに、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうち、優先順位の低いサイドリンクのキャスト種別の送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、優先順位の高いサイドリンクのキャスト種別の送信に対するHARQ-ACKビットを送信する場合には、優先順位の高いサイドリンクのキャスト種別の送信に対するHARQフィードバックをより確実に行うことが可能となる。
【0055】
(提案A')
受信側の端末20Bは、サイドリンク通信におけるグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプション(オプション1:NACKのみを送信、オプション2:ACK及びNACKを送信)に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0056】
(A'-1)
例えば、サイドリンク通信におけるグループキャストのHARQフィードバックのオプションがオプション1である場合と、オプション2である場合とで、グループキャスト及びユニキャストに関するHARQフィードバックの動作パターンは、異なっていてもよい。
【0057】
例えば、端末20Aからのサイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと、端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであった場合において、グループキャストのHARQフィードバックのオプションがオプション2である場合には、端末20Bは、複数のHARQ-ACKビットを1つのPSFCHリソースにおいて多重して送信してもよい。
【0058】
例えば、端末20Aからのサイドリンクのユニキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであった場合において、グループキャストのHARQフィードバックのオプションがオプション1である場合には、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、グループキャスト及びユニキャストのうちのいずれか一方のキャスト種別の送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、他方のキャスト種別の送信に対するHARQ-ACKビットを、例えば他方のキャスト種別の送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースを用いて送信してもよい。
【0059】
(A'-2)
例えば、サイドリンク通信におけるグループキャストのHARQフィードバックのオプションに応じて、複数のグループキャストに関するHARQフィードバックの動作パターンが異なっていてもよい。
【0060】
例えば、端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクの別のグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであった場合において、2つのグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプションが同じ(オプション1又はオプション2)である場合には、端末20Bは、複数のHARQ-ACKビットを1つのPSFCHリソースにおいて多重して送信してもよい。
【0061】
例えば、端末20Aからのサイドリンクのグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングと端末20Aからのサイドリンクの別のグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するタイミングとが同じタイミングであった場合において、一方のグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプションが他方のグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプションと異なる場合には、端末20Bは、これらの複数のHARQ-ACKビットのうち、2つのグループキャスト送信のうちの一方のグループキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、他方のグループキャスト送信に対するHARQ-ACKビットを、例えば他方のグループキャスト送信に対応するHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースを用いて送信してもよい。
【0062】
提案A'の構成によれば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットをHARQ-ACKを送信するためのPSFCHリソースにおいて多重することにより、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを同時に送信することが可能となる。このため、サイドリンク通信の信頼性及びリソース利用効率を高めることが可能になる。さらに、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうち、優先順位の低いサイドリンクの送信に対するHARQ-ACKビットを送信せずに、優先順位の高いサイドリンクの送信に対するHARQ-ACKビットを送信する場合には、優先順位の高いサイドリンクの送信に対するHARQフィードバックをより確実に行うことが可能となる。
【0063】
(提案B)
受信側の端末20Bは、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信するのか、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないか、を選択してもよい。
【0064】
(B-1)
例えば、端末20Bが、同じタイミングに、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを端末20Aに対して送信することが想定される場合において、想定されるPSFCH送信の数が同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数よりも大きい場合には、端末20Bは、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンとして、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0065】
図4は、PSFCH送信の最大数に基づいて、端末20Bが、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択する例を示す図である。
図4の例では、同一タイミングにおいて行われることが想定される、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信の数は3である。ここで、例えば、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数(Nmax)が3以上の場合には、端末20Bは、multiplexing/dropping等を特に行わずに、同一タイミングにおいて、3つのPSFCH送信を行ってもよい。また、例えば、Nmaxが3未満である場合には、端末20は、例えば、サイドリンクの3つのHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの3つのHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0066】
(B-2)
例えば、端末20Bが同じタイミングで、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを端末20Aに対して送信する場合において、端末20Bは、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数にかかわらず、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択した結果、端末20Bが、同じタイミングに、サイドリンクの複数のPSFCHを送信することが想定される場合において、端末20Bは、同一タイミングに行うPSFCH送信の最大数に基づいて、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、をさらに選択してもよい。
【0067】
提案Bの構成によれば、ある端末に対して複数のPSFCH送信を同時に行う場合において、手順を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0068】
(提案C)
受信側の端末20Bは、送信側の端末20A、PSFCH送信の優先順位、及びPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0069】
(C-1)
例えば、端末20Bが、複数のHARQ-ACKビットを複数の送信側の端末20Aに対して同じタイミングに送信すると仮定する。
【0070】
第一段階として、例えば、端末20Bは、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、の選択を、複数の送信側の端末20Aのうちの各端末20Aについて行ってもよい。
【0071】
第二段階として、例えば、第一段階の結果としての、想定される複数のPSFCH送信について、複数のPSFCH送信の間の優先順位、及び/又は当該PSFCH送信の数に基づいて、端末20Bは、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、の選択を行ってもよい。なお、複数のHARQ-ACKビットが多重されて1つのPSFCHで送信される場合には、多重化されている複数のHARQ-ACKビットのうち、最も高い優先順位のHARQ-ACKビットの優先順位を当該PSFCH送信の優先順位として適用してもよいし、多重されたHARQ-ACKビット用の優先順位を適用してもよい。当該多重されたHARQ-ACKビット用の優先順位は、(予め)設定されていてもよい。
【0072】
図5及び
図6は、送信側の端末の数、優先順位、及びPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択する例を示す図である。
【0073】
図5の例に示されるように、受信側の端末20Bは、送信側の端末20AからPSCCH/PSSCHで送信される2つのトランスポートブロックを受信し、かつ送信側の端末20A'から、PSCCH/PSSCHで送信される1つのトランスポートブロックを受信する。この場合において、
図5に示されるように、送信側の端末20Aに対する2つのPSFCH送信及び送信側の端末20A'に対する1つのPSFCH送信を端末20Bが同じタイミングに行うことが想定されていると仮定する。第一段階として、
図5において、端末20Bから端末20Aへの2つのPSFCH送信が同時に行われることが想定されているため、端末20Bは、これらの2つのPSFCH送信で送信されることが想定される2つのHARQ-ACKビットを1つのPSFCHリソースにおいて多重する。
【0074】
図6は、第一段階後の、2つのHARQ-ACKビットが1つのPSFCHにおいて多重化される例を示す図である。
図6の例では、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信及び端末20Bから端末20A'へのPSFCH送信が同時に行われることが想定されている。この場合、例えば、端末20Bは、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数(Nmax)に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。例えば、Nmaxが2以上である場合には、端末20Bは、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信及び端末20Bから端末20A'へのPSFCH送信を同時に行ってもよい。例えば、Nmaxが1である場合には、端末20Bは、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信及び端末20Bから端末20A'へのPSFCH送信のうち、優先順位の高いPSFCH送信を行い、優先順位の低いPSFCH送信を行わなくてもよい。なお、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信では、端末20Aに送信される2つのHARQ-ACKビットが多重されている。従って、端末20Bは、当該2つのHARQ-ACKビットのうちの、優先順位の高い方のHARQ-ACKビットの優先順位を、端末20Bから端末20AへのPSFCH送信の優先順位として適用してもよい。
【0075】
(C-2)
例えば、端末20Bが、複数のHARQ-ACKビットを複数の送信側の端末20Aに対して同じタイミングに送信すると仮定する。
【0076】
第一段階として、例えば、端末20Bは、複数のHARQ-ACKビットの送信先の複数の端末20Aを考慮せずに、同時に行われることが想定されている複数のPSFCH送信の優先順位に基づいて、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数(Nmax)と以下となるように、同時に行われることが想定されるPSFCH送信の数を削減する。
【0077】
第二段階として、例えば、端末20Bは、第一段階の結果として残されている複数のPSFCH送信の中に、送信先が同じ端末20Aとなる複数のPSFCH送信が存在する場合には、当該端末20Aに送信されるサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又は当該端末20Aに送信されることが想定されるサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、の選択を行ってもよい。
【0078】
提案Cの構成によれば、複数の端末に対してPSFCH送信を同時に行う場合において、手順を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0079】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理動作を実行する基地局10及び端末20の機能構成例を説明する。
【0080】
<基地局10>
図7は、基地局10の機能構成の一例を示す図である。
図7に示されるように、基地局10は、送信部101と、受信部102と、制御部103とを有する。
図7に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部101を送信機と称し、受信部102を受信機と称してもよい。
【0081】
送信部101は、端末20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部102は、端末20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えば、より上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、受信部102は受信する信号の測定を行って、品質値を取得する機能を含む。
【0082】
制御部103は、基地局10の制御を行う。なお、送信に関わる制御部103の機能が送信部101に含まれ、受信に関わる制御部103の機能が受信部102に含まれてもよい。
【0083】
<端末20>
図8は、端末20の機能構成の一例を示す図である。
図8に示されるように、端末20は、送信部201と、受信部202と、制御部203を有する。
図8に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。なお、送信部201を送信機と称し、受信部202を受信機と称してもよい。また、端末20は、送信側の端末20Aであってもよいし、受信側の端末20Bであってもよい。
【0084】
送信部201は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部202は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部202は受信する信号の測定を行って、品質値を取得する機能を含む。
【0085】
制御部203は、端末20の制御を行う。なお、送信に関わる制御部203の機能が送信部201に含まれ、受信に関わる制御部203の機能が受信部202に含まれてもよい。
【0086】
例えば、端末20の制御部203は、特定の条件に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0087】
例えば、端末20の制御部203は、サイドリンク通信のキャスト種別に基づいて、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないことを選択してもよい。
【0088】
例えば、端末20の制御部203は、サイドリンク通信におけるグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプション(オプション1:NACKのみを送信、オプション2:ACK及びNACKを送信)に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0089】
例えば、端末20の制御部203は、同一タイミングに行うことが可能なPSFCH送信の最大数に基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0090】
例えば、受信側の端末20Bの制御部203は、送信側の端末20Aの数、優先順位、及びPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、サイドリンクのHARQフィードバックの動作パターン、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないこと、を選択してもよい。
【0091】
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(
図7~
図8)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0092】
また、例えば、本発明の一実施の形態における端末20と基地局10はいずれも、本実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、本実施の形態に係る端末20と基地局10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の端末20と基地局10はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0093】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。端末20と基地局10のハードウェア構成は、図に示した1001~1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0094】
端末20と基地局10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0095】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0096】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、端末20の制御部203は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0097】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0098】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0099】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0100】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0101】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0102】
また、端末20と基地局10はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0103】
(実施の形態のまとめ)
本明細書には、少なくとも下記の端末及び通信方法が開示されている。
【0104】
サイドリンクで送信される複数の無線信号を受信する受信部と、特定の条件に基づいて、前記複数の無線信号に対するHybrid Automatic Repeat Request(HARQ)フィードバックの動作パターンを選択する制御部と、前記選択されたHARQフィードバックの動作パターンに従って、サイドリンクのHARQフィードバック情報を送信する送信部と、を備える端末。
【0105】
上記の構成によれば、複数のPSFCH送信がoverlapした場合の端末動作を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0106】
前記制御部は、前記サイドリンクで送信される複数の無線信号のうちの各無線信号のキャスト種別に基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0107】
上記の構成によれば、各無線信号のキャスト種別に基づいて、複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを定めることが可能となり、送受信の動作が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0108】
前記制御部は、サイドリンクのグループキャスト送信に適用するHARQフィードバックのオプションに基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0109】
上記の構成によれば、サイドリンク通信におけるグループキャスト送信に対するHARQフィードバックのオプションがオプション1(NACKのみを送信)であるか、又はオプション2(ACK及びNACKを送信)であるかに応じて、複数の無線信号に対する適切なHARQフィードバックの動作パターンを選択することが可能となる。
【0110】
前記制御部は、同一タイミングに行うことが可能なPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信の最大数に基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0111】
上記の構成によれば、同時に行うことが想定されるPSFCH送信の数が最大数より大きい場合には、例えば、サイドリンクの複数のHARQ-ACKビットを多重して送信すること、又はサイドリンクの複数のHARQ-ACKビットのうちのいくつかのHARQ-ACKビットの送信を行わないことを選択することで、同時に行うPSFCH送信の数が最大数以下に削減することが可能となる。
【0112】
前記制御部は、送信側の端末、複数のPhysical Sidelink Feedback Channel(PSFCH)送信のうちの各PSFCH送信の優先順位、及び前記複数のPSFCH送信の数のうちの少なくとも1つに基づいて、前記複数の無線信号に対するHARQフィードバックの動作パターンを選択してもよい。
【0113】
上記の構成によれば、複数のPSFCH送信がoverlapした場合の端末動作を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0114】
サイドリンクで送信される複数の無線信号を受信するステップと、特定の条件に基づいて、前記複数の無線信号に対するHybrid Automatic Repeat Request(HARQ)フィードバックの動作パターンを選択するステップと、前記選択されたHARQフィードバックの動作パターンに従って、サイドリンクのHARQフィードバック情報を送信するステップと、を備える、端末による通信方法。
【0115】
上記の構成によれば、複数のPSFCH送信がoverlapした場合の端末動作を明確化し、送受信が適切に行われるようにすることが可能となる。
【0116】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、端末20と基地局10は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って端末20が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従って基地局10が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0117】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0118】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0119】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0120】
本開示において基地局10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局10及び基地局10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0121】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0122】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0123】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0124】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0125】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0126】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0127】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
【0128】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0129】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0130】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0131】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0132】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0133】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0134】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、端末などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0135】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0136】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0137】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0138】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0139】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0140】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0141】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。
時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。
サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0142】
ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0143】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0144】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0145】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0146】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0147】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0148】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0149】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0150】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0151】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0152】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0153】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0154】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0155】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0156】
本開示にいて、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0157】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0158】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0159】
10 基地局
20 端末
101 送信部
102 受信部
103 制御部
201 送信部
202 受信部
203 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置