(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】車載用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20240308BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20240308BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01Q1/22 B
H01Q1/32 Z
B60R11/02 A
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2022156035
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2019570788の分割
【原出願日】2019-02-07
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2018021128
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】清水 優
(72)【発明者】
【氏名】小森 剛
(72)【発明者】
【氏名】原田 雄三
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/046972(WO,A1)
【文献】特開2017-073751(JP,A)
【文献】特開2016-116048(JP,A)
【文献】国際公開第2017/046971(WO,A1)
【文献】特開2007-208171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
H01Q 1/32
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ベースを含むアンテナベースと、
前記アンテナベースを上方から覆い、収容空間を形成するケースと、
前記収容空間に収容されるアンテナ部及びカメラ部と、
を備え、
前記カメラ部は、本体部と、前記本体部に接続されるカメラケーブルと、を有し、
前記アンテナベースは、前記カメラケーブルを車室内へ引き込む孔を有し、
前記カメラケーブルは、外部導体を有し、
前記外部導体は、
前記本体部に接続される先端部と、前記孔を通過した部分と、を有し、
前記外部導体において、前記先端部と前記孔を通過した部分との間に位置する第1部分が、前記収容空間
内において、前記アンテナベースに接地されている、
車載用アンテナ装置。
【請求項2】
前記
第1部分は、前記本体部と前記孔との間で接地されている、
請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項3】
前記アンテナベース上に設けられた回路基板を更に備え、
前記回路基板は、前記アンテナ部と電気的に接続される接続部を有し、
前記
第1部分の接地位置は、前記接続部の位置と前記接地位置との位置関係と前記孔の位置と前記接地位置との位置関係とを比較した場合に前記孔の位置に近い、
請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナベースは、車両に固定される車両連結部を有し、
前記孔は、前記車両連結部と近接する位置に設けられている、
請求項2又は3に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項5】
前記孔を通して車室内に引き込まれ、回路基板に接続されるアンテナケーブルと、
前記孔に挿通する前記アンテナケーブルと前記カメラケーブルの前記外部導体との物理的な接触を防止する非接触部と、
を更に備える請求項3又は4に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナベースは、前記金属ベースと電気的に接続される導電部を有し、
前記外部導体は、前記導電部に電気的に接続される、
請求項1~5の何れか一項に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項7】
前記アンテナベース上に設けられた回路基板を更に備え、
前記回路基板は、前記アンテナ部と電気的に接続される接続部を有し、
前記
第1部分は、前記孔の位置に対して前記アンテナベースにおける前記接続部の位置とは反対側の位置に接地されている、
請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のルーフトップに装着される低背型のアンテナ装置であって、流体抵抗を軽減したフィン形状を有する車載用アンテナ装置がある。その形状から「シャークフィンアンテナ」や「ドルフィンアンテナ」などとも呼ばれる。
【0003】
シャークフィンアンテナと呼ばれるような車載用アンテナ装置の内部には、複数のアンテナのみならず様々な電子デバイスが収容され得る。例えば特許文献1には、車体後方を撮影するカメラを内蔵する車載用アンテナ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車両のルーフトップに装着されるが故に、車載用アンテナ装置の大きさには規制がある。また、流体抵抗を軽減した形状の中にアンテナやカメラといった複数の電気電子デバイスを収容し、且つ、可能な限り相互の影響が少なくなるように収容する要望がある。従って、車載用アンテナ装置には様々な工夫が求められる。特に、アンテナの利得向上は常に求められるところである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、アンテナとカメラとを収容する車載用アンテナ装置において、アンテナの利得向上を図る技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、アンテナと、カメラと、前記アンテナ及び前記カメラを収容するケースと、を備え、前記アンテナは、前記カメラから離間した位置に設けられた容量装荷素子を有し、前記容量装荷素子は、前記カメラからの距離に基づき近距離側部位と遠距離側部位とに分けた場合に、前記近距離側部位のうち、上面視及び/又は側面視において前記カメラに重なる第1部位が、上面視及び/又は側面視において前記カメラに重ならない第2部位よりも、高さ方向の長さが短い、車載用アンテナ装置である。
【0008】
本態様によれば、容量装荷素子の第1部位が第2部位よりも高さ方向の長さが同じ又は長い場合に比べて、容量装荷素子とカメラとが電磁的に結合していることで生じる容量装荷素子がカメラから受ける電磁的な影響を低減させることが可能となり、アンテナの利得向上を図ることができる。
【0009】
前記容量装荷素子は、長手方向が前記カメラの光軸方向に沿った向きに配置され、前記容量装荷素子の長手方向の長さが前記カメラの長手方向の長さより長い、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0010】
これによれば、長手方向の長さがカメラの長手方向の長さより長い容量装荷素子を、長手方向がカメラの光軸方向に沿った向きに配置することができる。
【0011】
前記容量装荷素子は、長手方向に蛇行を繰り返したミアンダ状の配線形状を有し、蛇行する平行配線の平行方向が高さ方向に沿った向きに配置された、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0012】
これによれば、蛇行の繰り返し方向を長手方向に沿った方向とし、蛇行する平行配線の平行方向を高さ方向に沿った向きとしたミアンダ状の配線形状を有する容量装荷素子とすることができる。これにより、十分な電気長を確保しつつ、容量装荷素子をコンパクトに構成することができる。
【0013】
前記第1部位は、高さ方向の長さが、前記第2部位から離れるに従って徐々に短く形成された、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0014】
これによれば、第1部位の高さ方向の長さを、第2部位から離れるに従って徐々に短くすることができる。これにより、第1部位の高さ方向の長さが第2部位から離れるに従って徐々に短くなっていないときに比べて、容量装荷素子がカメラから受ける電磁的な影響をより低減させることが可能となり、アンテナ利得向上をより図ることができる。
【0015】
前記第1部位の第1位置と第2位置において、前記第1位置は前記第2位置に比べて相対的に前記第2部位に近く、前記第1位置の高さ方向の長さは前記第2位置の高さ方向の長さより長い、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0016】
これによれば、第1部位において、相対的に第2部位に近い第1位置の高さ方向の長さを、相対的に第2部位から遠い第2位置の高さ方向の長さより長くすることができる。これにより、第1位置の高さ方向の長さが第2位置の高さ方向の長さよりも長くないときに比べて、容量装荷素子がカメラから受ける電磁的な影響をより低減させることが可能となり、アンテナ利得向上をより図ることができる。
【0017】
前記容量装荷素子は、前記カメラよりも高い位置に設けられた、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0018】
これによれば、容量装荷素子をカメラよりも高い位置に設けることができる。これにより、容量装荷素子がカメラよりも高い位置に設けられていないときに比べて、アンテナ利得向上をより図ることができる。
【0019】
前記ケースに収容されるインナーケースを更に備え、前記容量装荷素子及び前記カメラは、前記ケースと前記インナーケースとの間の空間に配置された、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0020】
これによれば、インナーケースを備えていないときに比べてケースとインナーケースとの2重で覆われているので、インナーケース内部に配置された電子機器等に対する防水性・防塵性が高くなる。また、容量装荷素子がインナーケースの内部に設けられるときに比べて、取り付け位置の高さを稼いでアンテナ利得向上をより図ることができる。また、インナーケースを備えていないときにはケースの色が異なると異なる品番でケース内部に配置された電子機器等を管理しなければいけなかったのに対して、インナーケースを備えているとケース内部に配置された電子機器等の品番を共通化でき管理が簡単になる。また、インナーケースによってケース内の収容空間を区画することが可能となり、アンテナ、容量装荷素子及びカメラを効率的に配置することが可能となる。また、インナーケースを容量装荷素子及びカメラを支持する構造体とすることも可能である。
【0021】
前記カメラは、車両のルーフに設置されたときに車両後方を撮影するカメラであり、前記第1部位は、前記第2部位よりも前記車両後方側にある、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0022】
これによれば、車両のルーフから車両後方を撮影するようにカメラを搭載する構成とすることができる。
【0023】
前記カメラは、カメラ本体と、前記カメラ本体を収める金属筐体とを有する、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0024】
これによれば、カメラ本体から生じる電磁的影響を金属筐体で軽減できる。
【0025】
前記カメラのケーブルは、磁性体を含む、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0026】
これによれば、カメラがアンテナに与え得るノイズを低減することができる。
【0027】
前記カメラのケーブルは、外部導体がグランドに接続されている、車載用アンテナ装置としてもよい。
【0028】
これによれば、カメラがアンテナに与えるノイズを一層削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図3】車載用アンテナ装置の構成例を示す図であって、装置の左側面から見た内部構造図。
【
図4】車載用アンテナ装置の構成例を示す図であって、装置を上から見た内部構造図。
【
図5】車載用アンテナ装置の構成例を示す透視背面図。
【
図7】車載用アンテナ装置における水平面平均利得の特性を示すグラフ。
【
図8】車載用アンテナ装置の構成例を示す図であって、装置の左側面から見た内部構造図。
【
図9】カメラを起動させた状態の車載用アンテナ装置における水平面平均利得の特性を示すグラフ。
【
図10】ケーブルホルダ及びその周辺を上側から斜視した部分斜視図。
【
図11】ケーブルホルダ及びその周辺を下側から見た図。
【
図12】車載用アンテナ装置の変形例その2における構成例を説明するための図であって、装置の左側面から見た内部構造図。
【
図13】車載用アンテナ装置の変形例その3における構成例を説明するための図であって、装置の左側面から見た内部構造図。
【
図14】離間距離と水平面平均利得との関係を示す図。
【
図15】離間距離に基づく容量装荷素子の形状変更の一例を示す図。
【
図16】DAB波帯受信用の容量装荷素子とした車載用アンテナ装置の水平面平均利得を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を適用した実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0031】
以下の説明における方向の定義を次の通りとする。
車載用アンテナ装置10の前後・左右・上下は、車両への装着時における車両の前後・左右・上下の方向と同じとする。左右方向を横方向、上下方向を縦方向と呼ぶ場合がある。方向の理解を容易にするために、図中では、前後方向・左右方向・上下方向をそれぞれ矢印付き線分で表記している。各矢印付き線分の交点は、座標原点を意味するものではない。また。本実施形態の車載用アンテナ装置10の外観は、前方が先細りで、且つ車両への取付面から上方へ向かって徐々に左右の幅が細くなるようにデザインされているので、デザインの特徴を方向の理解の助けとなる。
【0032】
図1は、本実施形態における車載用アンテナ装置10の使用状態を示す図である。
図1の細線の楕円で囲った部分を、
図1の上部に拡大表記している。また、
図1中の白色の太矢印は車両の前後方向を示しており、黒色の細矢印は車載用アンテナ装置10の前後方向、左右方向、及び上下方向の向きを示している。
【0033】
車載用アンテナ装置10は、例えば、乗用車である車両3のルーフ5の後方上面に装着されるアンテナ装置である。車載用アンテナ装置10の外形は、車両走行時の走行風を整流し流体抵抗を低減するフィン形状を有している。具体的には、車載用アンテナ装置10の外観は、上から見ると前方が先細りで後方へ向かうに従って左右の幅が広くなる。また、背面視すると、車両3への取付面から上方へ向かって徐々に左右の幅が細くなるようにデザインされている。勿論、外観デザインはこれに限定されるものではない。
【0034】
図2~
図5は、車載用アンテナ装置10の構成例を示す図である。
図2は、車載用アンテナ装置10の構成例を示す分解図である。
図3は、車載用アンテナ装置10の左側面から見た内部構造図であって、理解を容易にするためにアウターケース12の左右中央における縦断面の目安を破線で示している。
図4は、アウターケース12を取り外した状態の同装置を上から見た内部構造図である。
図5は、車載用アンテナ装置10の透視背面図であって、アウターケースのアウトラインを破線で示している。
【0035】
本実施形態の車載用アンテナ装置10は、アウターケース12と、アンテナベース30と、パッド40と、を有する。
【0036】
アウターケース12は、主に下方へ向けて開口する収容空間を形成する電波透過性の合成樹脂でできたケースである。
【0037】
アンテナベース30は、樹脂ベース31と、金属ベース32とを有する。
樹脂ベース31は、装置各部を連結させる基部であって、絶縁性の合成樹脂で作られる。樹脂ベース31には、金属ベース32が組み付けられる。そして、金属ベース32の下面に設けられた車両連結部36を車両3のルーフ5に設けられた取り付け穴から車両内へ挿通して車載用アンテナ装置10をルーフ5に固定することができる。車両連結部36の内部には貫通孔が設けられており、後述するカメラケーブル18が車載用アンテナ装置10から車両内へ導かれる。勿論、樹脂ベース31には、これら以外の要素を適宜搭載することができる。例えば、車載用アンテナ装置10に複数のアンテナを搭載する場合には、各アンテナの本体やアンテナ基板を搭載することができる。
アンテナベース30全体を金属製とする構成も可能である。また、カメラケーブル18を車両連結部36の貫通孔以外の孔を通じて車両3内へ引き込むとしてもよい。アンテナベース30には、後述するケーブルホルダ21が取り付けられる(
図10参照)。
【0038】
そして、車載用アンテナ装置10は、アウターケース12と樹脂ベース31とを軟質絶縁性のパッド40を挟んで組み付けることで、一定の防水性及び防塵性を有する内部空間を形成する。
【0039】
車載用アンテナ装置10は、この内部空間に、インナーケース20と、アンテナ50と、カメラ60と、を備える。アンテナ50は、ヘリカルエレメント52と、上部ターミナル端子54と、下部ターミナル端子56と、アンテナ基板57と、容量装荷素子70とを備える。
【0040】
インナーケース20は、アウターケース12によって形成された収容空間を区画する第2のケースであって、電波透過性の合成樹脂で作られる。インナーケース20は、パッド40を挟んで樹脂ベース31の上面にビス留めされ、その内部にヘリカルエレメント52と、上部ターミナル端子54と、下部ターミナル端子56とが配置される。つまり、ヘリカルエレメント52と、上部ターミナル端子54と、下部ターミナル端子56とは、アウターケース12とインナーケース20との2重で覆われた高い防水性・防塵性を有する空間内に配置される。また、インナーケース20によってアウターケース12内の収容空間を区画することが可能となるので、アンテナ50、容量装荷素子70及びカメラ60を効率的に配置することができる。車載用アンテナ装置10がインナーケース20を備えていないときには、アウターケース12の色が異なると異なる品番でアウターケース12内部に配置された電子機器等を管理しなければいけなかったのに対して、インナーケース20を備えていると、アウターケース12内部に配置された電子機器等の品番を共通化でき管理が簡単になる。
【0041】
ヘリカルエレメント52は、導体を螺旋状に巻いたもので、一端が上部ターミナル端子54に接続され、他端が下部ターミナル端子56に接続され、電気的に導通した状態とされる。ヘリカルエレメント52は、アンテナ基板57に垂直に設置された基板に螺旋の軸方向を上下方向とした状態で取り付けられていてもよい。上部ターミナル端子54は、インナーケース20を挟んで容量装荷素子70との間でビス留めされ、電気的に導通した状態とされる。下部ターミナル端子56は、金属ベース32の上面に設けられたアンテナ基板57の基板接続端子38に挿入されて、アンテナ基板57と電気的に導通した状態とされる。本実施形態におけるアンテナ50は、AM/FM放送を受信するアンテナであるが、その他の種類のアンテナであってもよく、アンテナ構造もそれに応じて適宜変更可能である。
【0042】
カメラ60は、カメラ本体62と金属筐体64とを備え、防水パッキン15を介してインナーケース20の後部に取り付けられる。アウターケース12とインナーケース20との間の空間にカメラ60が設置される。さらに、カメラ60は、樹脂ベース31と金属ベース32の少なくとも一方の左右方向の中心に取り付けられる。カメラ60の光軸方向は、車載用アンテナ装置10が車両3のルーフ5に設置されたときに車両後方を撮影するように設定されている。カメラ60は、アウターケース12の後部に設けられた小窓13から撮影することとなる(
図1,
図3参照)。
【0043】
防水パッキン15とインナーケース20との間には、適宜、ブラケットを追加することができる。ブラケットの形状を様々に用意しておいて、車載用アンテナ装置10を装着する車両3の車種に応じて適切な種類に交換することで、カメラ60の光軸方向を調整できる。また、小窓13は、本実施形態ではアウターケース12に設けられた開口部とするが、無色透明の樹脂等によって透明部分として実現するとしてもよい。
【0044】
カメラ本体62は、イメージセンサや、レンズ等の光学素子、電子シャッタ、画像処理回路、画像信号生成回路、などを搭載し、撮影した画像信号を生成・出力する。画像信号は、カメラ本体62の前方に装着されたケーブルソケット16を介してカメラケーブル18へ伝えられる。カメラケーブル18は、車両連結部36の貫通孔を介して車両の車体内に引き込まれ、カメラ60によって撮影された画像は、車両のバックモニタの表示などに利用される。
【0045】
金属筐体64は、カメラ本体62の主に前方側(インナーケース20への取り付け側;撮影方向とは反対側)を覆う金属体であって、イメージセンサや電子シャッタ、画像処理回路などの電気電子素子から生じる電磁波のカメラ60外への放射を抑制する。金属筐体64がカメラ本体62を覆うことにより、カメラ本体62から発せられる電磁波によるアンテナ50への干渉が抑制される。
【0046】
アンテナ50の容量装荷素子70は、ヘリカルエレメント52に対地静電容量を付加する素子であって、インナーケース20の上部、アウターケース12とインナーケース20との間の空間で、カメラ60より高い位置に設けられている。具体的には、容量装荷素子70は、上面視すると容量装荷素子70の一部がカメラ60に重なるが、側面視するとカメラ60に重ならないように、カメラ60から離間した離間位置に、長手方向がカメラ60の光軸方向に沿うように設けられている。
【0047】
前後長(長手方向の長さ)を比較すれば、容量装荷素子70は、カメラ60の前後長よりも長い。容量装荷素子70をインナーケース20の上部外側に設けることで、インナーケース20の内部に設けられる場合よりも取り付け位置の高さを稼いでアンテナ利得を向上させることができる。また、容量装荷素子70がカメラ60よりも高い位置に設けられていることで、容量装荷素子70がカメラ60よりも高い位置に設けられていないときに比べて、アンテナ利得向上をより図ることができる。
【0048】
本実施形態の容量装荷素子70は、右エレメント71及び左エレメント72と、この両者を連結するエレメント連結部73とを有する。エレメント連結部73がインナーケース20の上面にビス留めされることで、容量装荷素子70がインナーケース20に固定されるとともに、ビスを介してアンテナ50の上部ターミナル端子54と電気的に導通した状態とされる。
【0049】
右エレメント71及び左エレメント72は、左右で鏡対称形状を成している。本実施形態では、右エレメント71及び左エレメント72は、カメラ60の光軸方向へ沿って蛇行するミアンダ状の配線形状を有し、蛇行する平行配線の平行方向は高さ方向に沿った向きとなっている。右エレメント71と左エレメント72は、エレメント連結部73により連結されているので、本実施形態の容量装荷素子70は、全体でミアンダ形状を有していると言える。これにより、容量装荷素子70に十分な電気長を確保しつつ、容量装荷素子70をコンパクトに構成できる。
【0050】
ミアンダ形状の蛇行の繰り返し数、配線の電気長は、適宜設定可能である。また、右エレメント71及び左エレメント72は左右で鏡対称形状をしていることが望ましいが、必ずしも鏡対称形状でなくてもよい。
【0051】
図6は、容量装荷素子70の構成例を示す左側面図である。
右エレメント71及び左エレメント72を、カメラ60からの距離に基づき近距離側部位75と遠距離側部位74とに分けた場合、近距離側部位75は、第1部位76と、第2部位77とを有する。第1部位76は、上面視するとカメラ60に重なるが側面視するとカメラ60とは重ならない部位である。第2部位77は、第1部位76よりも車両前方側にあって、上面視と側面視の何れにおいてもカメラ60に重ならない部位である。そして、第1部位76は、第2部位77よりも高さ方向の長さが短くなるように設定されている。
【0052】
具体的には、近距離側部位75のミアンダ形状のうち上下方向の配線部分に相当する平行配線の長さを比較すると、第2部位77の高さ方向の長さ(
図6中に、代表して長さH2a、H2b、H2cを示す。)よりも、第1部位76の高さ方向の長さ(
図6中に、代表してH1d、H1e、H1fを示す。)が短くなっている。更に言えば、第1部位76の中でも平行配線部毎に着目すると、第2部位77に近いほど高さ方向の長さが大きくなるように構成されている。本実施形態においては、第1部位76は、高さ方向の長さが、第2部位77から離れるに従って徐々に短くなるように形成されている(
図6中、H1d>H1e>H1f)。
【0053】
図7は、本実施形態の車載用アンテナ装置10における水平面平均利得の特性を示すグラフである。実線が、本実施形態の車載用アンテナ装置10による利得を示す。破線が、比較例である。比較例は、
図7に示すように、車載用アンテナ装置10の第1部位76に相当する部位が上面視及び側面視の何れにおいてもカメラ60と重なる構成の容量装荷素子70Xである。
【0054】
本実施形態の車載用アンテナ装置10の容量装荷素子70は、カメラ60からできるだけ離れるように、そして上面視や側面視したときにカメラ60と重なる部分ができるだけ小面積となるようにデザインされている。これにより、金属筐体64を設けてなお外部に及ぼされるカメラ本体62による電磁的影響が低減され、グラフの横軸で示される周波数の全域において水平面平均利得が比較例よりも高い。
【0055】
次に、カメラ60がアンテナ50に与え得るノイズの対策について説明する。
図8は、カメラ60のノイズ対策を説明するための図である。
図8では、
図3に示した車載用アンテナ装置10の内部構造図において、更に、インナーケース20の一部を切り欠き、ケーブルソケット16の周辺を示している。切り欠いたインナーケース20の断面は、ケース断面20dとして示す。特徴的なのは、カメラ60のノイズ対策は、カメラ60が受けるノイズを削減するための対策ではないことである。カメラ60の動作自体には、ノイズ対策は必要ない。アンテナ50のために、カメラ60が発生するノイズを、カメラ60の側に施す対策である。
【0056】
図2では図示を省略したが、
図8に示すように、カメラケーブル18は、先端部に端子18bを有する分岐線18aを備えている。カメラケーブル18は、磁性体を含む同軸ケーブルである。
【0057】
分岐線18aは、カメラケーブル18の外部導体に接続されている。また、端子18bは、金属ベース32と電気的に接続された導電性のリブ19にねじ止めされている。従って、カメラケーブル18の外部導体はグランドに接続されている。
【0058】
カメラケーブル18は、磁性体を含んでいることから、磁性体ケーブルと言うことができる。
【0059】
カメラケーブル18を上述した特徴的な構成としたことにより、アンテナ50のためのノイズ対策が実現されている。このノイズ対策の作用効果を、
図9を参照して説明する。
図9は、カメラ60を起動させた状態におけるFM波帯のノイズ改善度を示すグラフである。磁性体を含まずグランドに接続していない同軸ケーブルを使用した場合のカメラノイズに対して、各種のケーブルを使用した場合のカメラノイズの差分をノイズ改善度として示している。ノイズ改善度がプラスの場合にノイズの受信が抑制されていることを示し、値が大きいほど、カメラからのノイズがアンテナノイズ対策として優れていることを示す。
【0060】
図9において、実線が、磁性体を含まない同軸ケーブルの外部導体をグランドに接続して使用した場合のノイズ改善度を示す。点線が、分岐線18aが無いためにグランドに接続されていない磁性体ケーブルを使用した場合のノイズ改善度を示す。破線が、分岐線18aでグランドに接続した磁性体ケーブルである本実施形態のカメラケーブル18を使用した場合のノイズ改善度を示す。
【0061】
点線のグラフから分かるように、グランドに接続されていない磁性体ケーブルであっても、ノイズの受信を抑制させることができる。また、実線のグラフから分かるように、磁性体を含まない同軸ケーブルであっても、グランドに接続することによって、ノイズの受信を抑制させることができる。そして、破線のグラフから分かるように、グランドに接続した磁性体ケーブルを使用する本実施形態のカメラケーブル18が最もノイズ改善度がよく、アンテナ50の受信信号に混入し得るノイズの影響を最も低減することができる。
【0062】
また、カメラケーブル18のノイズ対策の他に、作業者による配線の便宜のためにインナーケース20の内部には、
図8に示すようなケーブルホルダ21が設けられている。
図10及び
図11に、ケーブルホルダ21の周辺を拡大した部分斜視図を示す。
図10は、ケーブルホルダ21及びその周辺を上側から斜視した部分斜視図である。
図11は、ケーブルホルダ21及びその周辺を下側から見た図であり、ケーブルを端面で示している。
図10では分岐線18aやリブ19を省略した略図としている。
【0063】
ケーブルホルダ21が無い場合には、作業者が車載用アンテナ装置10を組み立てる時に、カメラケーブル18がアンテナ各部に接触してアンテナエレメントの設置位置が変化する等の支障が生じる恐れがある。具体的には、車載用アンテナ装置10を組み立てる際、カメラケーブル18をインナーケース20に通してカメラ60に接続する。その後、カメラ60をインナーケース20に取り付ける。カメラ60をインナーケース20に取り付けた後、インナーケース20をアンテナベース30に固定するとともに、カメラケーブル18を車両連結部36のケーブル孔から引き出すことになる。ここで、カメラケーブル18をケーブル孔から引き出す際に、カメラケーブル18が各種アンテナエレメントに接触する可能性がある。接触してアンテナエレメントの設置位置がずれてしまうと、アンテナの電気特性が設計値から変化する恐れがある。そのため、組み立て途中の車載用アンテナ装置10を分解して、アンテナ各部に異常がないかを点検し、場合によっては部品の交換や、各部の設置位置の調整を行う必要が生じる。
【0064】
本実施形態では、カメラケーブル18の配線位置をアンテナ50から隔離するためのケーブルホルダ21が設けられている。例えば、ケーブルホルダ21は、アンテナケーブルやカメラケーブル18を挿通可能であり、アンテナベース30に形成されたケーブル孔を覆うように例えばアンテナベース30上に取り付けられる。また、ケーブルホルダ21には隔壁21aが設けられる。これにより、例えば、作業者がカメラケーブル18をケーブル孔から引き出す際に、カメラケーブル18がケーブルホルダ21の隔壁21aに当接してケーブル孔から引き出される。このため、カメラケーブル18がアンテナエレメントに接触することを防止できる。また、組み立て完了後も、ケーブルホルダ21によって、カメラケーブル18とアンテナエレメントとの間の距離が確保される。このため、車載用アンテナ装置10を車両3に取り付けた後も、カメラケーブル18がアンテナエレメントに接触することを防止し、アンテナ50の電気特性の低下を抑制することが可能になる。
【0065】
また、ケーブルホルダ21は、アンテナベース30上に取り付けられた際に、隔壁21aとケーブル孔とによって、アンテナケーブル26,27を挿通可能な第1領域とカメラケーブル18を挿通可能な第2領域とを形成する。
図11に示す例では、第1領域を更に分割する壁が形成されており、2本のアンテナケーブル26,27がケーブル孔を挿通している場合を示す。このように、第1領域と第2領域とを形成することにより、アンテナケーブル26,27及びカメラケーブル18それぞれの挿通空間を確保することが可能になる。この結果、例えば、アンテナケーブル26,27を挿通した後に、カメラケーブル18を挿通する場合でも、アンテナケーブル26,27に触れることなく、スムーズかつ安全にカメラケーブル18を挿通することが可能になる。
【0066】
更に、ケーブルホルダ21を設けない場合、アンテナケーブル26,27を挿通可能な第1領域とカメラケーブル18を挿通可能な第2領域とを形成するには、例えば、アンテナベース30を分割する必要がある。本実施形態では、ケーブルホルダ21に隔壁21aを設けることによって、アンテナベース30を分割することなく、第1領域と第2領域とを形成することが可能なる。また、アンテナベース30を分割する必要がないので、カメラ60の配置位置の自由度が高くなる。
【0067】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の一例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記実施形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0068】
〔変形例その1〕
例えば、上記実施形態では、アンテナ50を1つだけ搭載する例を示したが、複数のアンテナを搭載する構成も可能である。
【0069】
〔変形例その2〕
上記実施形態では、カメラ60の撮影方向が、車載用アンテナ装置10を車両に装着した状態で車両後方を向く例を示したが、例えば
図12に示す車載用アンテナ装置10Bのように、車載用アンテナ装置10を車両3に装着した状態で車両前方を向くように構成することもできる。当該構成における容量装荷素子70Bは、上記実施形態の容量装荷素子70の構成を、前後逆にした構成となる。
【0070】
〔変形例その3〕
上記実施形態では、容量装荷素子70の第1部位76が、側面視するとカメラ60と重ならないようにデザインした例を示した。しかし、カメラ60からの電磁気的な影響の度合によっては、
図13に示す車載用アンテナ装置10Cの容量装荷素子70Cのように、第1部位76が側面視するとカメラ60に一部重なる構成としてもよい。
【0071】
〔変形例その4〕
上記実施形態では、容量装荷素子70は、全体としてミアンダ形状として説明した。より具体的には、右エレメント71と左エレメント72とについて、それぞれがミアンダ形状を有しているとして説明した。しかし、右エレメント71及び左エレメント72はミアンダ形状ではなく、板状体とする構成も可能である。さらに、板状体となった右エレメント71及び左エレメント72とエレメント連結部73とが一体化した構成も可能である。
【0072】
〔変形例その5〕
上記実施形態では、容量装荷素子70は、上面視すると容量装荷素子70の一部がカメラ60に重なるが、側面視するとカメラ60に重ならないように、カメラ60から離間した離間位置に、長手方向がカメラ60の光軸方向に沿うように設けられているとして説明した。容量装荷素子70とカメラ60との離間距離は適宜定めることができる。また、容量装荷素子70の形状は離間距離に基づいて定めることができる。
【0073】
図14は、容量装荷素子70とカメラ60との離間距離dと、FM波帯のノイズに対する車載用アンテナ装置10の水平面平均利得との関係を示す図である。車載用アンテナ装置10における容量装荷素子70及びカメラ60の設置位置は固定であるため、
図14に示す離間距離dに基づいて、容量装荷素子70の形状を
図15に示すように変化させた。具体的には、離間距離dが5mm、10mm、15mm、20mm、25mmとなるように、容量装荷素子70の形状を変化させた。但し、離間距離dを25mmとした場合の容量装荷素子70の形状は図示を省略した。離間距離dは、
図15に示す通り、容量装荷素子70とカメラ60との最短距離である。容量装荷素子70とカメラ60との位置関係から3次元的に求められる最短距離である。
図14における「カメラ有り」とは、カメラ60を設置し且つカメラ60を起動させた状態のことである。「カメラ無し」とは、カメラ60を取り除いた状態のことであり、容量装荷素子70の形状は「カメラ有り」と同じである。
図14では、カメラ60のカメラケーブル18は磁性体を含まない同軸ケーブルとして説明するが、カメラケーブル18は磁性体ケーブルであってもよい。また、カメラケーブル18はグランドに接続されているものとする。
【0074】
図15に示すように、離間距離dが長くなるに従って容量装荷素子70の面積が減少するように容量装荷素子70の形状を変化させた。このため、
図14に示すように、離間距離dが増えるに従ってアンテナ感度が低下している。具体的には、離間距離dが15mmまでは同程度のアンテナ感度を示すが、離間距離dが20mm以上ではアンテナ感度が低下している。
【0075】
また、「カメラ有り」と「カメラ無し」とのアンテナ感度差は、離間距離dが15mm以上であれば-1.1dB以内に収まるが、離間距離dが10mm以下では-1.1dBを超える。すなわち、離間距離dを15mmとすることでカメラ60が有る場合にも無い場合とほぼ同等のアンテナ感度とすることができる。従って、容量装荷素子70とカメラ60との最短距離は、少なくとも15mm以上離間させることが望ましい。
【0076】
〔変形例その6〕
上記実施形態では、アンテナ50は、AM/FM波帯を受信するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。アンテナ50は、例えば、DAB(Digital Audio Broadcast)波帯を受信するアンテナとしてもよい。かかる場合、DAB波帯を受信する容量装荷素子の形状は、上記実施形態の容量装荷素子70と同様の形状を有する。DAB波帯はAM/FM波帯よりも周波数帯が高いので、DAB波帯を受信する容量装荷素子のサイズは、上記実施形態の容量装荷素子70のサイズよりも小型化することが可能である。例えば、DAB波帯を受信する容量装荷素子は、上面視すると容量装荷素子の一部がカメラ60に重なるが、側面視するとカメラ60に重ならないように、カメラ60から離間した離間位置に、長手方向がカメラ60の光軸方向に沿うように設けることができる。DAB波帯を受信する容量装荷素子は、カメラ60からの距離に基づき近距離側部位と遠距離側部位とに分けた場合、近距離側部位は、第1部位と、第2部位とを有する。第1部位は、上面視するとカメラ60に重なるが側面視するとカメラ60とは重ならない部位である。第2部位は、第1部位よりも車両前方側にあって、上面視と側面視の何れにおいてもカメラ60に重ならない部位である。そして、第1部位は、第2部位よりも高さ方向の長さが短くなるように設定される。
【0077】
図16は、上記実施形態の容量装荷素子70を、DAB波帯を受信する容量装荷素子に置き換えた車載用アンテナ装置における水平面平均利得の特性を示すグラフである。実線が、DAB波帯を受信する容量装荷素子を有する車載用アンテナ装置による利得を示す。破線が、比較例である。比較例は、DAB波帯を受信する容量装荷素子の第1部位に相当する部位が上面視及び側面視の何れにおいてもカメラ60と重なる構成の容量装荷素子である。
図16では、カメラ60のカメラケーブル18は磁性体を含まない同軸ケーブルとして説明するが、カメラケーブル18は磁性体ケーブルであってもよい。また、カメラケーブル18はグランドに接続されているものとする。
【0078】
DAB波帯を受信する容量装荷素子を有する車載用アンテナ装置は、カメラ60からできるだけ離れるように、そして上面視や側面視したときにカメラ60と重なる部分ができるだけ小面積となるようにデザインされている。これにより、金属筐体64を設けてなお外部に及ぼされるカメラ本体62による電磁的影響が低減され、グラフの横軸で示される周波数の190MHzから228MHzにおいて水平面平均利得が比較例よりも高い。
【符号の説明】
【0079】
10…車載用アンテナ装置
12…アウターケース
18…カメラケーブル
20…インナーケース
30…アンテナベース
50…アンテナ
57…アンテナ基板
60…カメラ
62…カメラ本体
64…金属筐体
70…容量装荷素子
71…右エレメント
72…左エレメント
73…エレメント連結部
74…遠距離側部位
75…近距離側部位
76…第1部位
77…第2部位