(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/655 20140101AFI20240308BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20240308BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240308BHJP
【FI】
A63F13/655
A63F13/20 A
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022185379
(22)【出願日】2022-11-21
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】増田 順一
(72)【発明者】
【氏名】上井 伸
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 萌奈美
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-074361(JP,A)
【文献】特開2016-062077(JP,A)
【文献】特開2020-191968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00ー13/98、9/24
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータに、
外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動機構を有するものを除く)それぞれの個体を識別するための識別情報を受け付けるステップと、
ユーザが撮像した前記ぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、
前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データに
おいて、少なくとも前記ぬいぐるみの
表情に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと
前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記生成するステップでは、前記識別情報と、前記撮像データに含まれる情報の組み合わせに基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記生成するステップでは、前記識別情報と、前記撮像データに含まれる画像に関する情報の組み合わせに基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項
2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記生成するステップでは、前記識別情報と、前記画像において前記ぬいぐるみとともに映っている人物に関する情報の組み合わせに基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項
3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記生成するステップでは、前記識別情報と、前記画像において前記ぬいぐるみとともに映っている物に関する情報の組み合わせに基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項
3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記取得するステップでは、前記ぬいぐるみの動画データを取得する、請求項
2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記生成するステップでは、前記動画データに含まれる音声情報に基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項
6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ぬいぐるみが配置されている場所における環境情報を取得するステップをさらに備え、
前記生成するステップでは、前記識別情報と、取得した前記環境情報の組み合わせに基づいて、前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記環境情報を取得するステップでは、前記環境情報として、前記ぬいぐるみが配置されている場所の位置情報を取得する、請求項
8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記環境情報を取得するステップでは、前記環境情報として、前記ぬいぐるみが配置されている場所の気象情報を取得する、請求項
8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータに、異なるぬいぐるみに関する所定のデータを通信するステップをさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記所定のデータとして、所定のぬいぐるみと関連付けが行われた履歴を通信するステップを実行させる、請求項1
1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記生成するステップでは、所定のぬいぐるみと関連付けが行われた履歴が所定の条件を超えると前記ぬいぐるみの
表情を変化させた画像データを生成する、請求項1
2に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータは、ユーザが操作可能な端末装置である、請求項1
1に記載のプログラム。
【請求項15】
前記プログラムは、前記ぬいぐるみ内に設けられたプロセッサに、前記通信するステップを実行させる、請求項1
1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記プロセッサに、さらに、
前記ぬいぐるみの撮像データの履歴情報を前記コンピュータが備える記憶部に記憶させるステップと、
前記履歴情報に基づいて、前記撮像データにおけるぬいぐるみの個体を、前記識別情報を用いることなく識別するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項17】
プロセッサを備えるコンピュータに、
外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動機構を有するものを除く)それぞれの個体を識別するための識別情報を受け付けるステップと、
ユーザが撮像した前記ぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、
前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データに
おいて、少なくとも前記ぬいぐるみの
表情に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと
前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、
を実行させる方法。
【請求項18】
プロセッサを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動機構を有するものを除く)それぞれの個体を識別するための識別情報を受け付けるステップと、
ユーザが撮像した前記ぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、
前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データに
おいて、少なくとも前記ぬいぐるみの
表情に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと
前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項19】
プロセッサを含むコンピュータを備えたシステムであって、
前記プロセッサは、
外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動機構を有するものを除く)それぞれの個体を識別するための識別情報を受け付けるステップと、
ユーザが撮像した前記ぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、
前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データに
おいて、少なくとも前記ぬいぐるみの
表情に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと
前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、
を実行する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、さまざまな場所および状況でぬいぐるみを撮影してSNS等にアップするという、いわゆるぬい撮りが人気となっている。例えば、特許文献1には、ぬいぐるみを撮像し、撮像情報に応じてぬいぐるみを駆動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、上記技術では、ぬいぐるみに駆動部を設ける必要があるため、駆動部を有さないシンプルなぬいぐるみを用いたぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させる点で改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、ぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、プロセッサを備えるコンピュータに、外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動部を有するものを除く)それぞれの個体を識別する識別情報を受け付けるステップと、ユーザが撮像したぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データにおけるぬいぐるみの態様に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと、前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ぬいぐるみにより深い愛着を沸かせることができ、ぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは端末装置10の処理の概要を説明する図である。
図1Bは端末装置10に表示される画像の一例を示す図である。
【
図2】端末装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】端末装置10の機能構成を表すブロック図である。
【
図4】記憶部180に記憶されるデータベースの構造を示す図である。
【
図5】
図5Aはぬいぐるみ50の一例の正面図である。
図5Bはぬいぐるみ50の一例の側面図である。
【
図6】端末装置10の処理の流れの一例を説明するフロー図である。
【
図7】演出画像生成処理(S300)の処理の流れの一例を説明するフロー図である。
【
図8】イベント判定処理(S330)の処理の流れの一例を説明するフロー図である。
【
図9】
図9Aはぬいぐるみ50と食べ物を撮影する例を示す図である。
図9Bは端末装置10に表示されるぬいぐるみ50と食べ物が撮影された画像の例を示す図である。
【
図10】
図10Aはぬいぐるみ50と温度計を撮影する例を示す図である。
図10Bは端末装置10に表示されるぬいぐるみ50と温度計が撮影された画像の例を示す図である。
【
図11】
図11Aはぬいぐるみ50と建築物を撮影する例を示す図である。
図11Bは端末装置10に表示されるぬいぐるみ50と建築物が撮影された画像の例を示す図である。
【
図13】
図13Aはぬいぐるみ50Aとぬいぐるみ50Bを撮影する例を示す図である。
図13Bは端末装置10に表示されるぬいぐるみ50Aとぬいぐるみ50Bが撮影された画像の例を示す図である。
【
図14】第2実施形態におけるシステム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態におけるサーバ20の機能構成を表すブロック図である。
【
図16】第2実施形態におけるシステム1の処理の流れの一例を説明するフロー図である。
【
図17】第3実施形態におけるサーバ20の機能構成を表すブロック図である。
【
図18】第3実施形態における記憶部220に記憶されるデータベースの構造を示す図である。
【
図19】第3実施形態における演出画像生成処理(S300)の処理の流れの一例を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.端末装置10が提供するサービスの概要)
図1を参照して、端末装置10が提供する機能(以下、本機能ともいう)を説明する。
図1Aに示すように、ユーザUは、端末装置10を使用してぬいぐるみ50とともに画像(静止画および動画を含む)を撮像することができる。ぬいぐるみ50には、外観が略同一の個体を識別するための識別情報が付与されており、ユーザは画像を撮像する前にぬいぐるみ50に付与された識別情報を端末装置10に入力する。なお、「外観が略同一」とは、同じ種類のぬいぐるみ(例えば同じ商品として販売されるぬいぐるみ)であって、形状および大きさが略同一であることを意味する。
【0011】
端末装置10は、撮像した画像に対して、画像内のぬいぐるみ50の識別情報に対応した加工を施した画像データを生成してディスプレイに表示する。具体的には例えば、
図1Bに示すように、ぬいぐるみ50が手を挙げてユーザUに嬉しそうにあいさつしているような画像を生成してディスプレイに表示する。
【0012】
このように、端末装置10では、ぬいぐるみ50を撮像した場合に、ぬいぐるみの個体ごとの加工を施した画像を生成することができる。これにより、外観が略同一のぬいぐるみが複数存在する空間であっても、識別情報に対応してディスプレイ上では異なる挙動を示すため、自身が所有するぬいぐるみに対してより深い愛着を沸かせることができ、ぬいぐるみの撮像(以下、ぬい撮りともいう)におけるユーザ体験を向上させることができる。以下、各構成を詳細に説明する。
【0013】
(1-2.端末装置10のハードウェア構成)
図2は、端末装置10のハードウェア構成の例を示すブロック図である。端末装置10は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等の携帯端末により実現される。また、端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現されてもよい。
【0014】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0015】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0016】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0017】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0018】
メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0019】
ストレージ16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0020】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0021】
(1-3.端末装置10の機能構成)
図3は、端末装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
図3に示すように、端末装置10は、入力装置13と、出力装置14と、通信部150と、撮像部160と、音声処理部170と、記憶部180と、制御部200を備える。
図3において端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0022】
通信部150は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部150は、制御部200で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、他の端末装置10)へ送信する。通信部150は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部200へ出力する。
【0023】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチセンシティブデバイス131等により実現される。入力装置13は、キーボードまたはマウスを含んでいてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示、又は情報を電気信号へ変換し、電気信号を制御部200へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0024】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部200の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0025】
撮像部160はカメラを備え、受光素子により光を受光し、撮影信号として入力することで、端末装置10の周囲の撮像を行う。
【0026】
音声処理部170は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部170は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部200へ与える。また、音声処理部170は、音声信号をスピーカ172へ与える。音声処理部170は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部170へ与える。スピーカ172は、音声処理部170から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0027】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部180は、一例として、ユーザデータベース181と、ぬいぐるみデータベース182と、性格データベース183と、イベント演出データベース184と、イベント対応データベース185を記憶する。
【0028】
ユーザデータベース181は、ユーザの情報を記憶するためのデータベースである。ユーザデータベース181には、当該端末装置10を利用するユーザに関する情報が記憶される。一例として、ユーザデータベース181は、ユーザが、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザ登録の作業を行ったタイミングでレコードが生成される仕様としてもよい。ユーザデータベース181のデータ構造の詳細は後述する。
【0029】
ぬいぐるみデータベース182は、ぬいぐるみ50の情報を記憶するためのデータベースである。ぬいぐるみデータベース182には、ぬいぐるみ50の個体それぞれに設定される情報が記憶されている。一例として、ぬいぐるみデータベース182は、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザが所有するぬいぐるみ50の情報を登録する作業を行ったタイミングでレコードが生成される仕様としてもよい。ぬいぐるみデータベース182のデータ構造の詳細は後述する。
【0030】
性格データベース183は、ぬいぐるみ50に設定される性格についての情報を記憶するためのデータベースである。性格データベース183には、ユーザが所有するぬいぐるみ50それぞれに設定される性格と、当該性格に対応付けられるしぐさに関する情報が記憶される。一例として、性格データベース183は、端末装置10に本機能を提供するソフトウェアをインストールしたタイミングで、あらかじめ設定されたレコードが生成される仕様としてもよい。性格データベース183のデータ構造の詳細は後述する。
【0031】
イベント演出データベース184は、イベント演出の情報を記憶するためのデータベースである。イベント演出とは、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データにおいて、特定のイベント(以下、条件イベントともいう)が発生している場合に適用される演出のことであり、当該演出に対応した加工を撮像データに施した画像データが生成される。一例として、イベント演出データベース184は、端末装置10に本機能を提供するソフトウェアをインストールしたタイミングで、あらかじめ設定されたレコードが生成される仕様としてもよい。イベント演出データベース184のデータ構造の詳細は後述する。
【0032】
イベント対応データベース185は、ぬいぐるみ50とイベント演出の対応を記憶するためのデータベースである。イベント対応データベース185には、ぬいぐるみ50それぞれに対応づけられたイベント演出についての情報が記憶される。一例として、イベント対応データベース185は、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザが所有するぬいぐるみの情報を登録する作業を行ったタイミングでレコードが生成される仕様としてもよい。イベント対応データベース185のデータ構造の詳細は後述する。
【0033】
制御部200は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部200は、端末装置10の動作を制御する。制御部200は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部201と、送受信部202と、表示制御部203と、識別情報受付部204と、撮像データ取得部205と、撮像データ解析部206と、画像データ生成部207としての機能を発揮する。
【0034】
操作受付部201は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部201は、タッチセンシティブデバイス131等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
【0035】
送受信部202は、端末装置10が、外部の装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0036】
表示制御部203は、ユーザに対する情報の表示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部203は、画像データ生成部207が生成した画像データをディスプレイ141に表示させる。
【0037】
識別情報受付部204は、ぬいぐるみ50の個体を識別するための識別情報をユーザから受け付ける。具体的には、例えば、ユーザがディスプレイ141に表示されたタッチセンシティブデバイス131を操作することにより識別情報を入力して、識別情報受付部204が入力された識別情報を受け付ける仕様としてもよい。当該識別情報は、ぬいぐるみ50の購入時に通知される仕様としてもよい。
【0038】
例えば、ぬいぐるみ50に識別情報としての識別番号が記載された付け札が取り付けられており、当該識別番号をユーザが端末装置10に(当該付け札の撮像以外の方法で)入力する仕様としてもよい。また、ぬいぐるみ50の内部または外部にIC(Integrated Circuit)タグまたはRFID(radio frequency identifier)タグが取り付けられており、当該タグからの情報に基づいて識別情報を取得してもよい。また、ぬいぐるみ50とは別個の管理タグが購入時に渡され、当該管理タグに識別番号が記載されていてもよい。なお、後述するように、ぬいぐるみ50のそれぞれの識別情報に対応して性格が設定されているため、ぬいぐるみ50の本体と、識別情報が記載された付け札もしくはタグは、一体となっていることが好ましい。
【0039】
撮像データ取得部205は、ユーザが撮像したぬいぐるみ50の撮像データを取得する。具体的には、例えば、撮像データ取得部205は、撮像部160が備えるカメラによって撮像されたぬいぐるみ50の撮像データを取得する。または、撮像データ取得部205は、通信部150を介して送受信部202が受信したぬいぐるみ50の撮像データを取得する仕様としてもよい。または、撮像データ取得部205は、予め撮像され記憶部180に記憶されている撮像データを、ユーザによる選択をトリガーとして取得する仕様としてもよい。
【0040】
撮像データ解析部206は、撮像データ取得部205が取得した撮像データの解析を行う。具体的には、例えば、撮像データ解析部206は、撮像データに対して画像認識処理を行う。画像認識処理としては、パターン認識、差分画像演算、テンプレートマッチングなどの周知技術を利用してもよい。また、撮像データ解析部206は、これらの画像認識処理を実行するにあたり、機械学習やディープラーニングといったAI(artificial intelligence)技術を適宜活用してもよい。撮像データ解析部206は、撮像データに対して画像認識処理を行うことにより、撮像データにおいて特定のイベントが発生しているか否か(すなわち、イベント条件が満たされたか否か)の判定を行う。
【0041】
画像データ生成部207は、撮像データ解析部206の解析結果に基づいて、撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に、識別情報に対応した加工を施した画像データを生成する。画像データ生成部207は、撮像データ解析部206によってイベント条件が満たされたと判定された場合に、撮像データに対して当該イベント条件に対応するイベント演出を付加した画像を生成する。また、画像データ生成部207は、撮像データに対してぬいぐるみ50の性格に対応したしぐさ演出を付加した画像を生成する。
【0042】
画像データ生成部207は、画像を生成するにあたって、いわゆるAR(Augmented Reality/拡張現実)技術を用いてもよい。すなわち、撮像データ取得部205が取得した現実世界の画像情報に対して、新たに生成した仮想の画像情報を重ね合わせた画像を生成してもよい。画像データ生成部207は、周知のAR技術を利用して画像を生成することができる。具体的には例えば、AR技術は、画像認識または空間認識に関する技術を利用するビジョンベース型であってもよく、撮像データ内の特徴点をトラッキングして取得し、付加情報を表示するマーカーレス型であってもよい。これらを実現するにあたり、画像データ生成部207は、PTAM(Parallel Tracking And Mapping)またはSmartARといった周知の手法を用いてもよい。
【0043】
(1-4.データ構造)
図4は、記憶部180が記憶するユーザデータベース181、ぬいぐるみデータベース182、性格データベース183、イベント演出データベース184、イベント対応データベース185のデータ構造の一例を示す図である。なお、
図4はあくまでも一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0044】
図4に示すように、ユーザデータベース181のレコードは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「年齢」と、項目「性別」と、項目「登録画像」等を含む。
【0045】
項目「ユーザID」は、ユーザそれぞれを識別する識別子としての情報であり、ユーザデータベース181におけるレコードを一意に特定するための主キーである
【0046】
項目「ユーザ名」は、ユーザの名称についての情報である。ユーザ名は、ユーザの本名であってもよいし、ニックネームなどの本人を特定しない情報であってもよい。
【0047】
項目「年齢」は、ユーザの年齢についての情報である。項目「性別」は、ユーザの性別についての情報である。項目「登録画像」は、ユーザが映っている画像の情報である。ユーザは、登録画像として、1または複数の画像を登録することができる。
【0048】
ユーザは、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ユーザ情報を登録してユーザデータベース181にレコードを追加できる仕様としてもよい。
【0049】
ぬいぐるみデータベース182のレコードは、項目「ぬいぐるみID」と、項目「登録ユーザ」と、項目「性格」等を含む。
【0050】
項目「ぬいぐるみID」は、ぬいぐるみ50の個体を、外観が略同一の他の個体と識別するための識別情報であり、ぬいぐるみデータベース182におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0051】
項目「登録ユーザ」は、ぬいぐるみ50に対応付けて登録されるユーザを特定するための情報であり、ユーザデータベース181の項目「ユーザID」が外部キーとして保持される。本実施形態では、1のぬいぐるみ50に対して1のユーザが対応づけられて、ぬいぐるみデータベース182に記憶される。
【0052】
項目「性格」は、ぬいぐるみ50の性格を識別するための情報であり、性格データベース183の項目「性格ID」が外部キーとして保持される。このように、ぬいぐるみ50の個体それぞれに対して設定された性格についての情報が、ぬいぐるみデータベース182に記憶される。
【0053】
ユーザは、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ぬいぐるみに関する情報を登録してぬいぐるみデータベース182にレコードを追加できる仕様としてもよい。この場合、ユーザは、所有するぬいぐるみ50の性格を、あらかじめ用意された選択肢の中から選択して、自身が所望する性格となるように設定可能な仕様としてもよい。
【0054】
性格データベース183のレコードは、項目「性格ID」と、項目「性格内容」と、項目「しぐさ演出」等を含む。
【0055】
項目「性格ID」は、ぬいぐるみ50の性格を識別するための識別情報であり、性格データベース183におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0056】
項目「性格内容」は、ぬいぐるみ50に設定される性格の内容についての情報である。具体的には、性格の内容としては、「無邪気」、「大人しい」、「勇敢」、「冷静」、「臆病」、「陽気」などを挙げることができる。
【0057】
項目「しぐさ演出」は、ぬいぐるみ50の性格に応じて対応付けられるしぐさ(行動パターン)についての演出のことである。画像データ生成部207は、撮像データにおけるぬいぐるみ50の性格に応じて、対応づけられたしぐさ演出を付加した画像データを生成する。例えば、性格が「無邪気」な場合には、画像データ生成部207は、撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に無邪気な性格を表す動きを付加した画像データを生成する。また、性格が「大人しい」な場合には、画像データ生成部207は、撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に控えめな動きを付加した画像データを生成する。
【0058】
イベント演出データベース184のレコードは、項目「イベント演出ID」と、項目「条件イベント」と、項目「イベント演出」等を含む。
【0059】
項目「イベント演出ID」は、イベント演出を識別するための識別情報であり、イベント演出データベース184におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0060】
項目「条件イベント」は、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに対して、イベント演出が適用されるための条件となるイベントについての情報である。条件イベントとしては、例えば以下を挙げることができる。
・ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、当該ぬいぐるみ50の登録ユーザが映っている(以下、条件イベントAという)。
・ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、特定の食べ物が映っている(以下、条件イベントBという)。
・ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、環境情報を示す物が映っている(以下、条件イベントCという)。
・ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、所定の建築物または風景が映っている(以下、条件イベントDという)。
【0061】
なお、条件イベントBにおける「特定の食べ物」とは、特定の料理、食材(肉、野菜、または果物)、お菓子等であってもよい。また、条件イベントCにおける「環境情報」とは、天気、温度、湿度などの気象に関する情報でもよい。また、条件イベントDにおける「建築物」は、観光名所等における建物(例えば寺院など)であってもよい。また、条件イベントDにおける「風景」は、観光名所等を特定可能な風景であってもよい。
【0062】
項目「イベント演出」は、イベント演出の内容についての情報である。イベント演出としては、例えば以下を挙げることができる。
・条件イベントAが発生した場合に、登録ユーザに対して話しかけるような動作をする。
・条件イベントBが発生した場合に、うれしそうな動作をする。
・条件イベントCが発生した場合に、環境情報に応じた様子となる。
・条件イベントDが発生した場合に、当該建築物または風景にあった被服を着る。
【0063】
イベント対応データベース185のレコードは、項目「対応ID」と、項目「ぬいぐるみ」と、項目「イベント演出」等を含む。
【0064】
項目「対応ID」は、ぬいぐるみ50とイベント演出の対応関係を識別するための識別情報であり、イベント対応データベース185におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0065】
項目「ぬいぐるみ」は、イベント演出が対応づけられるぬいぐるみ50を識別するための識別情報であり、ぬいぐるみデータベース182の項目「ぬいぐるみID」が外部キーとして保持される。
【0066】
項目「イベント演出」は、ぬいぐるみ50に対応づけられたイベント演出を識別するための識別情報であり、イベント演出データベース184の項目「イベント演出ID」が外部キーとして保持される。
【0067】
ユーザは、端末装置10にインストールされた本機能を提供するソフトウェアを利用して、ぬいぐるみに関する情報を登録する際に、イベント対応データベース185にレコードを追加できる仕様としてもよい。また、ユーザは、所有するぬいぐるみ50に適用されるイベント演出を、あらかじめ用意された選択肢の中から選択して、自身が所望するイベント演出が適用されるように設定可能な仕様としてもよい。
【0068】
なお、本実施形態では、ぬいぐるみとイベント演出を多対多の関係で対応付けることが可能となっている。すなわち、1のぬいぐるみ50に対して複数のイベント演出を対応づけることができる。また、異なるぬいぐるみ50同士で、同一のイベント演出を対応づけることができる。
【0069】
(1-5.ぬいぐるみ50)
以下、
図5を参照して、ぬいぐるみ50の詳細を説明する。
【0070】
ぬいぐるみ50は、一例として実在または仮想の動物(人物および想像上のキャラクターを含む)を模して成形される。ぬいぐるみ50はシンプルなぬいぐるみが好ましい。ここでいうシンプルなぬいぐるみとは、裁断された布を縫合して形作られ、内部には綿またはプラスチック片などの内容物が詰め込まれて成形されていることを表す。言い換えると、ぬいぐるみ50は、構成部材(すなわち頭部51、胴部52、前肢56、下肢57、尻尾58等)を動作させるための駆動機構を有していないことが好ましい。
【0071】
図5Aおよび
図5Bに示す例では、ぬいぐるみ50は、頭部51と、胴部52と、前肢56と、下肢57と、尻尾58を備える。頭部51は、胴部52の上面に取り付けられている。前肢56は胴部52の側面に、下肢57は胴部52の底面にそれぞれ一対取り付けられている。胴部52の背面には、尻尾58が取り付けられている。
【0072】
頭部51の前面には、一対の目53および口54が形成されている。頭部51の側面には、一対の耳55が取り付けられている。これにより頭部51の前面には、所定の表情を伴う顔が形成されている。このように、ぬいぐるみ50は、目53および口54といった表情を形作る要素に加えて、耳55および尻尾58といった動きによって感情を表現可能な要素を備えることが好ましい。
【0073】
なお、
図5に示すぬいぐるみ50は一例であり、各構成部材(例えば、頭部51、胴部52、前肢56、下肢57、尻尾58)の形状は適宜変更可能である。また、頭部51は、鼻や触覚等といった他の部位を有していてもよい。また、ぬいぐるみ50は、
図5Aに示すような立位(立った姿勢)に限定されることはなく、座位(座った姿勢)または臥位(寝た姿勢)で成形されてもよく、遊泳または飛行する際の姿勢で成形されてもよい。
【0074】
ぬいぐるみ50には、それぞれの個体を識別するための識別情報(一例として、ぬいぐるみID)が付与されている。ユーザは、ぬいぐるみ50の購入時に識別情報を通知される仕様としてもよい。一例として、ぬいぐるみ50に付け札がとりつけられており、当該付け札に識別情報が記載されている仕様としてもよい。
【0075】
(1-6.処理の流れ)
以下、
図6~
図11を参照して、端末装置10の処理の流れの一例を説明する。まず、
図6を参照し、端末装置10の処理の全体像を説明する。
【0076】
ステップS100において、端末装置10の制御部200において、識別情報受付部204は、ぬいぐるみ50の識別情報を受け付ける。具体的には、例えば、ユーザが端末装置10のタッチセンシティブデバイス131を操作することにより、入力された識別情報を識別情報受付部204が受け付ける仕様としてもよい。
【0077】
ステップS200において、撮像データ取得部205は、ぬいぐるみ50の撮像データを取得する。当該撮像データは、動画および静止画を含む。具体的には、例えば、撮像データ取得部205は、ユーザの操作により撮像部160が撮像したぬいぐるみ50の撮像データを取得する。
【0078】
ステップS300において、演出画像生成処理が実行される。演出画像生成処理では、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に、当該ぬいぐるみ50の識別情報に対応した加工を施した画像データが生成される。演出画像生成処理(S300)の詳細は後述する。
【0079】
ステップS400において、表示制御部203は、演出画像生成処理(S300)で生成された画像データを、ディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示する。
【0080】
次に、
図7~
図13を参照して、演出画像生成処理(S300)について説明する。
図7に示すように、演出画像生成処理(S300)では、ステップS310~ステップS340が実行される。
【0081】
ステップS310において、撮像データ解析部206は、撮像データ取得部205が取得したぬいぐるみ50の撮像データを解析する。一例として、撮像データ解析部206は、撮像データに対して画像認識処理を行うことにより解析する。撮像データ解析部206は、ぬいぐるみ50の撮像データを解析することにより、当該撮像データにぬいぐるみ50と共に映っている人物、物、建物、風景などを特定する。
【0082】
ステップS320において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得したぬいぐるみ50に対応付けられたイベントを取得する。具体的には例えば、画像データ生成部207は、イベント対応データベース185を参照して、識別情報受付部204が受け付けた識別情報を項目「ぬいぐるみ」に含む1つまたは複数のレコードを取得する。
【0083】
画像データ生成部207は、イベント演出データベース184を参照して、取得したイベント対応データベース185のレコードにおけるイベント演出を、項目「イベント演出ID」に含む1つまたは複数のレコードを取得する。画像データ生成部207は、取得したイベント演出データベース184における項目「条件イベント」を取得する。
【0084】
ステップS330において、イベント判定処理が実行される。一例として、
図8に示すように、イベント判定処理(S330)では、ステップS331~ステップS336が実行される。なお、
図8では、ステップS320において、条件イベントA~条件イベントDの4つの条件イベントが取得された例を示すが、この態様に限定されることはない。すなわち、イベント判定処理(S330)において判定される条件イベントの数および内容は、イベント演出データベース184およびイベント対応データベース185に記憶されたレコードにより適宜変更される。
【0085】
ステップS331において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおいて条件イベントAが発生しているか否か、すなわち、ぬいぐるみ50の撮像データに当該ぬいぐるみ50の登録ユーザが映っているか否かを判定する。
【0086】
具体的な処理としては、画像データ生成部207は、ぬいぐるみデータベース182を参照して、識別情報受付部204によって取得された識別情報が項目「ぬいぐるみID」に一致するレコードを取得する。本実施形態では、ぬいぐるみデータベース182における項目「ぬいぐるみID」は主キーであるため、1つのレコードが特定されて取得される。
【0087】
画像データ生成部207は、取得したぬいぐるみデータベース182のレコードにおける項目「登録ユーザ」を取得する。画像データ生成部207は、ユーザデータベース181を参照し、取得した登録ユーザが項目「ユーザID」に一致するレコードを取得する。本実施形態では、ユーザデータベース181における項目「ユーザID」は主キーであるため、かつぬいぐるみデータベース182における外部キーであるため、1つのレコードが特定されて取得される。画像データ生成部207は、取得したユーザデータベース181のレコードにおける項目「登録画像」を取得する。
【0088】
画像データ生成部207は、取得した登録画像と、撮像データ解析部206の解析結果とに基づいて、撮像データ取得部205が取得した撮像データに、ぬいぐるみ50の登録ユーザが映っているか否かを判定する。撮像データにぬいぐるみ50の登録ユーザが映っていると判定した場合(S331においてYES)、ステップS336が行われる。一方、撮像データにぬいぐるみ50の登録ユーザが映っていないと判定した場合(S331においてNO)、ステップS332が行われる。
【0089】
ステップS332において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおいて条件イベントBが発生しているか否か、すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、特定の食べ物が映っているか否かを判定する。
【0090】
具体的な処理としては、画像データ生成部207は、撮像データ解析部206の解析結果に基づいて、撮像データ取得部205が取得した撮像データに特定の食べ物が映っているか否かを判定する。撮像データに特定の食べ物が映っていると判定した場合(S332においてYES)、ステップS336が行われる。一方、撮像データに特定の食べ物が映っていないと判定した場合(S332においてNO)、ステップS333が行われる。
【0091】
ステップS333において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおいて条件イベントCが発生しているか否か、すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、環境情報を示す物が映っているか否かを判定する。
【0092】
具体的な処理としては、画像データ生成部207は、撮像データ解析部206の解析結果に基づいて、撮像データ取得部205が取得した撮像データに環境情報を示す物が映っているか否かを判定する。撮像データに環境情報を示す物が映っていると判定した場合(S333においてYES)、ステップS336が行われる。一方、撮像データに環境情報を示す物が映っていないと判定した場合(S333においてNO)、ステップS334が行われる。
【0093】
ステップS334において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおいて条件イベントDが発生しているか否か、すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、所定の建築物または風景が映っているか否かを判定する。
【0094】
具体的な処理としては、画像データ生成部207は、撮像データ解析部206の解析結果に基づいて、撮像データ取得部205が取得した撮像データに所定の建築物または風景が映っているか否かを判定する。撮像データに所定の建築物または風景が映っていると判定した場合(S334においてYES)、ステップS336が行われる。一方、撮像データに所定の建築物または風景が映っていないと判定した場合(S334においてNO)、ステップS335が行われる。
【0095】
ステップS335において、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおいて、イベント演出データベース184に記憶されている条件イベント(上述の例では条件イベントA~条件イベントD)が発生していないため、イベント演出を適用せず、イベント判定処理(S330)を終了する。
【0096】
ステップS336において、画像データ生成部207は、イベント演出を適用した画像データを生成する。具体的には、画像データ生成部207は、ステップS331~ステップS334の結果に基づいて、条件イベントA~条件イベントDのうち、発生したと判定された条件イベントに対応するイベント演出を、撮像データ取得部205が取得した撮像データに付加した画像データを生成する。
【0097】
例えば、ステップS331において条件イベントAが発生したと判定された場合(すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、当該ぬいぐるみ50の登録ユーザが映っていると判定された場合)、画像データ生成部207は、登録ユーザとともに映っていることに基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。
【0098】
例えば、
図1Aに示す例では、ぬいぐるみ50とユーザUがともに映った撮像データが取得される。ここで、ユーザUがぬいぐるみ50の登録ユーザである場合に、画像データ生成部207は条件イベントAが発生したと判定して(S331)、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。具体的には例えば、
図1Bに示すように、ぬいぐるみ50が前肢56を挙げてユーザUに対してあいさつをしているような画像を生成してもよい。また、ぬいぐるみ50の表情に対しても加工を施して、登録ユーザが傍にいることを喜んでいるような表情の画像データを生成してもよい。
【0099】
また、例えば、ステップS332において条件イベントBが発生したと判定された場合(すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、特定の食べ物が映っていると判定された場合)、画像データ生成部207は、特定の食べ物が映っていることに基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。
【0100】
例えば、
図9Aに示す例では、ぬいぐるみ50とアイスクリームPがともに映った撮像データが取得される。ここで、条件イベントBにおける特定の食べ物がアイスクリームである場合に、画像データ生成部207は条件イベントBが発生したと判定して(S332)、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。具体的には例えば、
図9Bに示すように、ぬいぐるみ50が尻尾58を動かして喜んでいるような画像を生成してもよい。また、ぬいぐるみ50の表情に対しても加工を施して、好きな食べ物であるアイスクリーが傍にあることを喜んでいるような表情の画像データを生成してもよい。
【0101】
また、例えば、ステップS333において条件イベントCが発生したと判定された場合(すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、環境情報を示す物が映っていると判定された場合)、画像データ生成部207は、当該環境情報に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。
【0102】
例えば、
図10Aに示す例では、ぬいぐるみ50と温度計Qがともに映った撮像データが取得される。ここで、条件イベントCにおける環境情報(この例では温度)を示す物が温度計である場合に、画像データ生成部207は条件イベントCが発生したと判定して(S333)、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。具体的には例えば、
図10Bに示すように、ぬいぐるみ50が環境情報である温度が非常に高いために夏バテしているような様子の画像を生成してもよい。また、ぬいぐるみ50の表情に対しても加工を施して、辛そうな表情の画像データを生成してもよい。
【0103】
また、例えば、ステップS334において条件イベントDが発生したと判定された場合(すなわち、ぬいぐるみ50を撮像した撮像データに、所定の建築物または風景が映っていると判定された場合)、画像データ生成部207は、当該建築物または風景に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。
【0104】
例えば、
図11Aに示す例では、ぬいぐるみ50と寺院Rがともに映った撮像データが取得される。ここで、条件イベントDにおける建築物を示すものが寺院Rである場合に、画像データ生成部207は条件イベントDが発生したと判定して(S334)、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。具体的には例えば、
図11Bに示すように、ぬいぐるみ50が寺院Rに合わせて着物を着ているような画像を生成してもよい。また、ぬいぐるみ50の表情に対しても加工を施して、着物を着ていることを喜んでいるような表情の画像データを生成してもよい。
【0105】
以上のように
図8に示すイベント判定処理(S330)が終了すると、
図7におけるステップS340が実行される。ステップS340において、画像データ生成部207は、しぐさ演出を付加した画像データを生成する。画像データ生成部207は、イベント判定処理(S330)においてイベント演出を適用した画像データを生成した場合には、当該画像データに対してしぐさ演出を付加した画像データを生成する。また、画像データ生成部207は、イベント判定処理(S330)においてイベント演出を適用した画像データを生成しなかった場合には、撮像データ取得部205が取得した撮像データに対してしぐさ演出を付加した画像データを生成する。
【0106】
具体的な処理としては、画像データ生成部207は、ぬいぐるみデータベース182を参照して、識別情報受付部204によって取得された識別情報が項目「ぬいぐるみID」に一致するレコードを取得する。本実施形態では、ぬいぐるみデータベース182における項目「ぬいぐるみID」は主キーであるため、1つのレコードが特定されて取得される。
【0107】
画像データ生成部207は、取得したぬいぐるみデータベース182のレコードにおける項目「性格」を取得する。画像データ生成部207は、性格データベース183を参照し、取得した性格が項目「性格ID」に一致するレコードを取得する。本実施形態では、性格データベース183における項目「性格ID」は主キーであるため、1つのレコードが特定されて取得される。画像データ生成部207は、取得した性格データベース183のレコードにおける項目「しぐさ演出」を取得する。
【0108】
画像データ生成部207は、取得した項目「しぐさ演出」の内容に基づいて、ぬいぐるみ50のしぐさについての画像を生成する。画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データ、または、イベント演出を適用した画像データに、生成したしぐさについての画像を付加する。なお、本実施形態では、画像データ生成部207は、しぐさ演出を生成するにあたり、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおけるぬいぐるみ50に基づいて、しぐさ演出を付加した画像を生成する。このような仕様とすることにより、ぬいぐるみ50の個体差を表現することが可能となっている。
【0109】
図12を参照して、ぬいぐるみ50の個体差について説明する。
図12Aに示すぬいぐるみ50Aに対して、
図12Bに示すぬいぐるみ50Bは、目53および耳55の形状に若干の違いがある。また、ぬいぐるみ50Bは、経年劣化などによる汚れ61およびほころび62が見受けられる。このように、ぬいぐるみは手作りで成形されるケースも多く、同じ種類のぬいぐるみであっても全くの同一外観ではなくそもそもの形状などに違いがあると同時に、経年劣化なども発生するため個体差が顕著に現れる場合もある。
【0110】
図13Aに示す例では、端末装置10は、ぬいぐるみ50Aおよびぬいぐるみ50Bがともに映った撮像データを撮像している。この場合において、端末装置10の画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50Aがぬいぐるみ50Bに対して、話しかけている画像を生成する。この場合、例えば条件イベントおよびイベント演出としては、同じ種類のぬいぐるみ(外観が略同一のぬいぐるみ)が複数映っている場合に、相互にコミュニケーションをとるための行動を行うこととしてもよい。
【0111】
なお、
図13Aに示すように、端末装置10によって同じ種類のぬいぐるみが複数撮像された場合には、それぞれのぬいぐるみに対する識別情報を改めてユーザから指定させる仕様としてもよい。この場合、演出画像生成処理(S300)のステップS310において、撮像データ解析部206が撮像データを解析して、同じ種類のぬいぐるみが画像データ内に複数あるか否かを判定する。同じ種類のぬいぐるみが複数あると判定された場合に、ユーザから、画像内の複数のぬいぐるみの個体それぞれに対応する識別番号の指定を受け付ける仕様としてもよい。
【0112】
このように、本実施形態では、ぬいぐるみ50の個体ごとに性格が設定されており、画像データ生成部207は、当該性格に沿って異なる態様を示す画像データを、撮像データにおけるぬいぐるみ50の個体それぞれに基づいて生成する。このような仕様とすることで、ユーザはぬいぐるみ50それぞれの個体差から自身が所有するぬいぐるみの個性を認識することができ、ぬいぐるみに対してより深い愛着を感じることができる。
【0113】
(1-7.小括)
以上のようにして、本実施形態では、端末装置10は、ぬいぐるみ50の個体を識別するための識別情報を受け付けるステップ(S100)と、ユーザが撮像したぬいぐるみの撮像データを取得するステップ(S200)と、撮像データにおけるぬいぐるみの態様に識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップ(S300)と、画像データをユーザに提示するステップ(S400)を実行する。このような構成とすることにより、外観が略同一のぬいぐるみが複数存在する空間であっても、識別情報に対応してディスプレイ上では異なる挙動を示すため、自身が所有するぬいぐるみにより深い愛着を沸かせることができ、ぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させることができる。
【0114】
また、画像データを生成するステップ(S300)では、画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50の個体ごとに異なる態様を示す画像データを生成する。一例として、画像データを生成するステップ(S300)では、個体ごとに設定された性格に沿った態様を示す画像データを生成する。このような仕様とすることで、ユーザは、自身が所有するぬいぐるみ50の個性を認識することができ、ぬいぐるみに対してより深い愛着を感じることができ、ぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させることができる。
【0115】
また、画像を生成するステップ(S300)では、画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50の識別情報と、撮像データに含まれる画像に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成する。具体的には、画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50の識別情報と、撮像データの画像においてぬいぐるみ50とともに映っている人物に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成してもよい。
【0116】
また、画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50の識別情報と、撮像データの画像において画像においてぬいぐるみ50とともに映っている物に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。また、画像データ生成部207は、撮像データの画像にぬいぐるみ50が配置されている場所における環境情報を示す物が含まれている場合に、ぬいぐるみ50の識別情報と、当該環境情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。
【0117】
このようにすることで、様々な状況で取得される撮像データに対して、それぞれの状況に合わせてぬいぐるみ50の態様に加工を施した画像データを生成してユーザに提示することができ、ユーザ体験を向上させるとともに、自身が所有するぬいぐるみとのぬい撮りを様々な場所および状況で行おうという動機付けをユーザに与えることができる。
【0118】
<2.第2実施形態>
以下、
図14~
図16を参照し、本開示の第2実施形態におけるシステム1を説明する。以下、上記実施形態との相違点を中心に説明する。
【0119】
(2-1.システム1のハードウェア構成)
図14は、システム1のハードウェア構成の例を示すブロック図である。システム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを含む。端末装置10、及びサーバ20は、例えば、ネットワーク30を介して通信接続する。ネットワーク30は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等により実現される。なお、
図14において、システム1が端末装置10を2台含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は2台に限定されない。すなわち、端末装置10は2台未満であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0120】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0121】
端末装置10は、通信IF12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。これらの構成は上記実施形態と同様であるため、説明は繰り返さない。
【0122】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0123】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置(例えば端末装置10)と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0124】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0125】
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0126】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0127】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0128】
(2-2.サーバ20の機能構成)
図15は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図15に示すように、サーバ20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230としての機能を発揮する。
【0129】
通信部210は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0130】
記憶部220は、例えば、メモリ25、及びストレージ26等により実現され、サーバ20が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部220は、第1実施形態における端末装置10の記憶部180と同様に、ユーザデータベース221と、ぬいぐるみデータベース222と、性格データベース223と、イベント演出データベース224と、イベント対応データベース225を記憶する。これらのデータベースは第1実施形態と同様に構成できるため、説明は繰り返さない。
【0131】
制御部230は、プロセッサ29が記憶部220に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部230は、プログラムに従って動作することにより、送受信モジュール231、撮像データ解析モジュール232、画像データ生成モジュール233として示す機能を発揮する。
【0132】
送受信モジュール231は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0133】
撮像データ解析モジュール232は、第1実施形態における撮像データ解析部206と同様に、撮像データ取得部205が取得した撮像データの解析を行う。
【0134】
画像データ生成モジュール233は、第1実施形態における画像データ生成部207と同様に、撮像データ解析部206の解析結果に基づいて、撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に、識別情報に対応した加工を施した画像データを生成する。このように、第2実施形態では、第1実施形態の端末装置10が備える機能の一部をサーバ20が実行することにより、本機能を実現する。
【0135】
(2-3.処理の流れ)
図16を参照して、第2実施形態における処理の流れを説明する。なお、第1実施形態と同様の処理については説明を繰り返さない。
【0136】
ステップS100において、端末装置10の識別情報受付部204は、ぬいぐるみ50の識別情報を受け付ける。ステップS200において、撮像データ取得部205は、ぬいぐるみ50の撮像データを取得する。
【0137】
ステップS230において、端末装置10の送受信部202は、識別情報受付部204が受け付けたぬいぐるみ50の識別情報と、撮像データ取得部205が取得したぬいぐるみ50の撮像データをサーバ20へ送信する。ステップS260において、サーバ20の送受信モジュール231は、ぬいぐるみ50の識別情報と撮像データを受信する。
【0138】
ステップS300において、撮像データ解析モジュール232および画像データ生成モジュール233は、演出画像生成処理を実行する。演出画像生成処理(S300)では、第1実施形態と同様に、撮像データ取得部205が取得した撮像データにおけるぬいぐるみ50の態様に、当該ぬいぐるみ50の識別情報に対応した加工を施した画像データが生成される。
【0139】
ステップS330において、サーバ20の送受信モジュール231は、画像データ生成モジュール233が生成した画像を端末装置10へ送信する。ステップS360において、端末装置10の送受信部202は、画像データ生成モジュール233が生成した画像を受信する。
【0140】
ステップS400において、端末装置10の表示制御部203は、受信した画像データをディスプレイ141に表示することにより、ユーザに提示する。
【0141】
以上のようにして、第2実施形態では、システム1は、端末装置10とサーバ20を備える。サーバ20は、端末装置10から受信したぬいぐるみ50の識別情報と撮像データに基づいて画像データを生成し、端末装置10へ送信する。端末装置10は、受信した画像データを表示してユーザに提示する。このような仕様としても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0142】
(2-4.変形例)
第2実施形態の変形例として、複数の端末装置10間で通信を行い、当該通信の履歴に基づいて、画像データ生成モジュール233がイベント演出を付加した画像を生成する仕様としてもよい。例えば、複数の端末装置10の記憶部180におけるぬいぐるみデータベース182に、異なる個体のぬいぐるみ50をそれぞれ登録する。複数の端末装置10が通信を行うごとに、記憶部180に登録されたぬいぐるみ50に関する所定のデータを送受信させる。
【0143】
より具体的には、例えば、端末装置10Aにぬいぐるみ50Aが対応づけられて登録されており、端末装置10Bにぬいぐるみ50Bが対応付けられて登録されている場合において、端末装置10と端末装置10Bが通信を行い、ぬいぐるみ50Aとぬいぐるみ50Bに関する所定のデータの通信を行うことでぬいぐるみ50Aとぬいぐるみ50Bの関連付けを行い、当該関連付けが行われた通信の履歴をサーバ20の記憶部220に記憶させる仕様としてもよい。そして、イベント演出データベース224の項目「条件イベント」において、端末装置10Aと端末装置10Bによる当該通信の履歴に基づく条件イベントを設定してもよい。
【0144】
一例として、ぬいぐるみ50Aとぬいぐるみ50Bが所定の距離内にいる場合に端末装置10Aと端末装置10Aで相互に通信(以下、近接通信という)を行うことで関連付けを行い、近接通信の履歴をサーバ20の記憶部220に記憶させる仕様としてもよい。この場合、画像データ生成モジュール233は、条件イベントとして当該近接通信の回数が所定の回数を超えた場合に、ぬいぐるみ50Aまたはぬいぐるみ50Bのすくなくとも一方の態様を(例えば、親密度が高まったようなそぶりを見せるように)変化させる画像データを生成してもよい。また、近接記録の回数が所定の回数を超えた場合には、端末装置10Aを用いて対応づけられていないぬいぐるみ50Bを撮影した場合に、ぬいぐるみ50Bの表情を変化させる(ぬいぐるみ50が端末装置10Aのユーザを知り合いと認識して親しみのある表情になる等)といった仕様としてもよい。
【0145】
なお、上記例における端末装置10間での近接通信は、ネットワーク30を介した無線LAN等で実現してもよく、または、赤外線通信等で実現してもよい。また、上記例では、複数の端末装置10が通信を行う仕様としているが、ぬいぐるみ50が通信IF12、メモリ15、およびプロセッサ19を備え、ぬいぐるみ50同士で通信を行う仕様としてもよい。この場合、複数のぬいぐるみ50が近接通信を行うごとに、ぬいぐるみ50に対応づけられた端末装置10に対して、当該近接通信の履歴がぬいぐるみ50から送信され、端末装置10の記憶部180に記憶される仕様としてもよい。または、ぬいぐるみ50が記憶部を備え、近接通信の履歴が当該記憶部に記憶される仕様としてもよい。
【0146】
<3.第3実施形態>
以下、
図17~
図19を参照し、本開示の第3実施形態におけるシステム1を説明する。第3実施形態では、ユーザが撮像したぬいぐるみの撮像データの履歴をサーバ20の記憶部220に記憶させて処理を行う点で上記実施形態と相違する。以下、上記実施形態との相違点を中心に説明する。
【0147】
(3-1.サーバ20の機能構成)
図17に示すように、サーバ20の記憶部220は、上記実施形態で説明したデータベースに加えて、標準画像データベース226と履歴画像データベース227をさらに備える。
【0148】
標準画像データベース226は、標準画像の情報を記憶するためのデータベースである。標準画像とは、同じ種類のぬいぐるみにおける外観の標準としての画像情報である。標準画像データベース226は、ぬいぐるみの種類ごとに標準画像を記憶する。一例として、標準画像データベース226は、新たな種類のぬいぐるみが提供(例えば販売)されるタイミングで、対応するレコードが生成される仕様としてもよい。標準画像データベース226のデータ構造の詳細は後述する。
【0149】
履歴画像データベース227は、履歴画像の情報を記憶するためのデータベースである。履歴画像とは、ユーザが端末装置10で撮像(または選択)した画像であって、サーバ20へ送信された画像の履歴情報である。一例として、履歴画像データベース227は、端末装置10から撮像データを受信したタイミングで、当該撮像データに対応するレコードが生成される仕様としてもよい。履歴画像データベース227のデータ構造の詳細は後述する。
【0150】
(3-2.データ構造)
図18は、記憶部220が記憶するぬいぐるみデータベース222、標準画像データベース226、履歴画像データベース227の一例を示す図である。なお、
図18はあくまでも一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、記憶部220には、ユーザデータベース221等の他のデータベースも含まれるが、上記実施形態と同様であるため説明は繰り返さない。
【0151】
図18に示すように、ぬいぐるみデータベース222のレコードは、上記実施形態と同様の項目「ぬいぐるみID」と、項目「登録ユーザ」と、項目「性格」に加えて、さらに、項目「標準画像ID」と、項目「特徴内容」等を含む。
【0152】
項目「標準画像ID」は、当該レコードにおけるぬいぐるみの個体に対応する標準画像を識別する識別子としての情報であり、標準画像データベース226の項目「標準画像ID」が外部キーとして保持される。
【0153】
項目「特徴内容」は、当該レコードにおけるぬいぐるみの個体の撮像データにおいて、標準画像との差異として認識される特徴についての情報である。項目「特徴内容」は、ぬいぐるみの撮像データと標準画像との乖離の度合いが所定の閾値を超えたタイミングで、標準データと標準画像の差異として認識される特徴についての情報が登録される仕様としてもよい。
【0154】
標準画像データベース226のレコードは、項目「標準画像ID」と、項目「種類名称」と、項目「画像内容」等を含む。
【0155】
項目「標準画像ID」は、標準画像それぞれを識別する識別子としての情報であり、標準画像データベース226におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0156】
項目「種類名称」は、当該標準画像に対応するぬいぐるみの種類の名称について情報である。種類名称としては、例えばぬいぐるみのキャラクターの名称に、販売が開始された時期についての情報(例えば、「2022年リリース」)や、当該種類におけるコンセプトについての情報(例えば、「夏模様バージョン」)といった付加情報が付与された情報が設定され得る。
【0157】
項目「画像内容」は、当該標準画像における画像データの内容についての情報である。
【0158】
履歴画像データベース227のレコードは、項目「履歴画像ID」と、項目「ぬいぐるみID」と、項目「画像内容」と、項目「登録日時」と、項目「差分内容」等を含む。
【0159】
項目「履歴画像ID」は、履歴画像それぞれを識別する識別子としての情報であり、履歴画像データベース227におけるレコードを一意に特定するための主キーである。
【0160】
項目「ぬいぐるみID」は、当該履歴画像に対応するぬいぐるみを識別するための識別子としての情報であり、ぬいぐるみデータベース222の項目「ぬいぐるみID」が外部キーとして保持される。
【0161】
項目「画像内容」は、当該履歴画像における画像データの内容についての情報である。
【0162】
項目「登録日時」は、当該履歴画像のレコードが生成された日時についての情報である。
【0163】
項目「差分内容」は、当該レコードのぬいぐるみIDで識別されるぬいぐるみの個体について、前回取得して登録された履歴画像との画像内容の差分についての情報である。
【0164】
(3-3.処理の流れ)
図19を参照して、第3実施形態における演出画像生成処理(S300)について、上記実施形態との相違点を説明する。
【0165】
ステップS310において、撮像データ解析モジュール232によって、送受信モジュール231が受信したぬいぐるみ50の撮像データの解析が実行されると、ステップS312が実行される。
【0166】
ステップS312において、撮像データ解析モジュール232は、解析した撮像データを登録する。具体的には、撮像データ解析モジュール232は、記憶部220の履歴画像データベース227にレコードを追加して、解析した撮像データの情報を履歴画像として記憶させる。ここで、撮像データ解析モジュール232は、当該撮像データと共に端末装置10から受信したぬいぐるみ50の識別情報を、項目「ぬいぐるみID」に記憶させる。
【0167】
ステップS314において、撮像データ解析モジュール232は、撮像データの画像履歴について、今回登録分と前回登録分との差分を解析する。具体的には、撮像データ解析モジュール232は、履歴画像データベース227に登録したレコードのぬいぐるみIDについて、前回に登録されたレコードにおける項目「画像内容」と、今回登録したレコードにおける項目「画像内容」を比較して差分を解析し、解析された差分についての情報を今回登録したレコードにおける項目「差分内容」に記憶する。
【0168】
なお、今回登録したレコードのぬいぐるみIDについて、前回に登録されたレコードがない場合(すなわち、初回登録時の場合)、今回登録したレコードの項目「画像内容」に記憶されている画像(以下、撮像画像ともいう)と、当該ぬいぐるみIDに対応する標準画像との比較をして差分を解析してもよい。また、ステップS314において差分を解析する前に、撮像画像と標準画像との比較を行い、今回取得した撮像データ内のぬいぐるみが、標準画像に対応するぬいぐるみと同じ種類であるかを判定し、同じ種類のぬいぐるみでない場合にはエラー通知を行う仕様としてもよい。
【0169】
ステップS316において、撮像データ解析モジュール232は、撮像画像と標準画像の比較を行う。具体的には、撮像データ解析モジュール232は、ステップS312で履歴画像データベース227に登録したレコードにおける項目「画像内容」に記憶されている画像と、当該登録したレコードにおける項目「ぬいぐるみID」に対応する標準画像(より具体的には、標準画像データベース226における項目「画像内容」に記憶されている標準画像)との比較を行い、両者の乖離の度合いを解析する。ここで、撮像データ解析モジュール232は、ステップS314において解析した前回登録分と今回登録分との差分を考慮しながら、撮像画像と標準画像の乖離を解析することにより、ぬいぐるみ50の個体を特定した状態で乖離の度合いを確実に解析することができる。
【0170】
このようにして、撮像画像と標準画像との比較を行い、両者の乖離の度合いが所定の閾値を超えた場合には、撮像データ解析モジュール232は、撮像画像と標準画像との差異についての情報を、ぬいぐるみデータベース222の項目「特徴内容」に登録する。そして、項目「特徴内容」が登録されたぬいぐるみは、以降の処理においてユーザから受け付けた識別番号(すなわちぬいぐるみID)を用いることなく個体が識別される。
【0171】
具体的には、ステップS310において、撮像データ解析モジュール232は、ぬいぐるみデータベース222に登録された特徴が検出された場合に、当該ぬいぐるみデータベース222のレコードに対応するぬいぐるみIDを取得して、後続の処理を行う仕様としてもよい。このような仕様とすることにより、長い期間ぬいぐるみを所有して撮像データを取得することで、経年劣化などによる標準データと乖離した特徴が発生したぬいぐるみについては、識別情報を用いることなく個体が認識されることとなる。この場合、「親密度が向上したため識別番号の入力は不要です」などというメッセージをユーザに通知して、識別番号の入力を省略する仕様にしてもよい。なお、撮像画像と標準画像の乖離の度合いが所定の閾値を超えた場合に替えて(または加えて)、特定のぬいぐるみの履歴画像の情報量が所定の閾値を超えた場合に、撮像画像と標準画像との差異についての情報をぬいぐるみデータベース222の項目「特徴内容」に登録して、識別番号がなくても個体を識別する仕様としてもよい。
【0172】
以上のようにして、第3実施形態では、サーバ20の撮像データ解析モジュール232は、送受信モジュール231が受信したぬいぐるみの撮像データを、履歴情報として履歴画像データベース227に記憶する。撮像データ解析モジュール232は、当該履歴情報に基づいて、撮像データにおけるぬいぐるみの個体を、識別情報を用いることなく識別してもよい。このような構成とすることにより、ユーザは長期間所有したぬいぐるみに対して、より愛着を感じることができるようになる。
【0173】
<4 他の実施形態>
以上、本発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0174】
上記実施形態では、ぬいぐるみデータベース182において、1のぬいぐるみに対して1のユーザが対応づけられているが、この例に限定されることはなく、1のぬいぐるみに対して複数のユーザの対応づけが可能な仕様としてもよい。
【0175】
また、上記実施形態では、ぬいぐるみ50の個体を識別するための識別情報として、ぬいぐるみIDが付与されている態様について説明したが、この例に限定されることはない。例えば、識別情報として、識別番号やバーコード情報(QRコード(登録商標)のような二次元バーコードを含む)を用いてもよい。または、ぬいぐるみ50を撮影した画像データを解析して取得できる物体指紋等の個体を識別し得る情報を、ぬいぐるみ50の識別情報として取得してもよい。
【0176】
また、イベント演出データベース184に記憶される条件イベントおよび演出内容については、上記実施形態に限定されることはない。例えば、撮像データ取得部205が撮像した撮像データに映っている人の顔を認識して人物を特定し、ぬいぐるみ50と共に画像に映った履歴(以下、対面履歴という)を記憶部180に記憶してもよい。画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50とともに映る人物が初めての場合は、ぬいぐるみ50の態様に変化させる(例えば、初対面なので気にしている表情および動作の演出を付加した画像を生成する)仕様としてもよい。また、画像データ生成部207は、ぬいぐるみ50とともに映る人物が所定の回数を超えた場合に、ぬいぐるみ50の態様に変化させる(例えば、所定の回数会ったので慣れてきてリラックスしている表情および動作の演出を付加した画像を生成する)仕様としてもよい。
【0177】
また、撮像データ取得部205が取得する撮像データが動画データである場合において、条件イベントとして、撮像データ内でぬいぐるみ50と共に映る人物が変わったタイミングで、ぬいぐるみ50の態様に変化させた画像データを生成してもよい。この場合、例えば、画像データ生成部207は、記憶部180に記憶された対面履歴に基づく演出を付加した画像を生成してもよい。また、画像データ生成部207は、撮像データ内でぬいぐるみ50と共に映る人物が変わったタイミングで、ぬいぐるみ50がランダムに選択される動作による反応を行う画像データを生成してもよい。
【0178】
また、上記実施形態では、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データに含まれる画像の情報に基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成しているが、この態様に限定されることはない。一例として、画像データ生成部207は、撮像データに含まれる他の情報に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。
【0179】
例えば、撮像データ取得部205が取得した撮像データが動画データである場合に、画像データ生成部207は、当該動画データに含まれる音声情報に基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像を生成してもよい。一例として、撮像データに含まれる音声情報がアップテンポな楽曲である場合には、撮像データ取得部205は、当該楽曲に合わせて活発なぬいぐるみ50の動作を付加する画像を生成してもよい。また、撮像データに含まれる音声情報がスローテンポな楽曲である場合には、撮像データ取得部205は、当該楽曲に合わせて落ち着いたぬいぐるみ50の動作を付加する画像を生成してもよい。
【0180】
また、音声情報として、周囲の人からの呼びかけにぬいぐるみ50が反応する仕様としてもよい。具体的には、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した動画データ内に含まれる人からの呼びかけに基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させる画像を生成する仕様としてもよい。この場合、ぬいぐるみ50が特定の言葉(例えば、あらかじめ設定されたぬいぐるみ50の名前、またはぬいぐるみ50が好きな物もしくは嫌いな物)に反応する画像を生成してもよい。また、特定のユーザからの呼びかけに対しては、異なる態様で反応する画像を生成してもよい。
【0181】
また、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データ以外から取得可能な情報に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。例えば、端末装置10は位置情報センサを備えていてもよい。位置情報センサは、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールであってもよい。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置として実現される。衛星測位システムは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。画像データ生成部207は、位置情報センサが取得した端末装置10の位置に基づいて、当該位置に応じた演出を付加するような画像データを生成する仕様としてもよい。
【0182】
なお、当該位置情報センサは、ぬいぐるみ50が備えていてもよい。この場合、ぬいぐるみ50は、通信IF12、メモリ15、およびプロセッサ19などを備え、位置情報センサが取得したぬいぐるみ50の現在位置を端末装置10へ送信する仕様としてもよい。
【0183】
また、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データ以外から取得可能な環境情報に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。この場合、端末装置10は、環境情報として、ぬいぐるみ50が配置されている場所の気象情報を取得してもよい。すなわち、上記実施形態においては、撮像データ取得部205が取得した撮像データに含まれる画像から環境情報を取得していたが、この例に限定されることはなく、ネットワーク等を通して気象情報を取得して、当該気象情報に基づいて、ぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。
【0184】
また、画像データ生成部207は、撮像データ取得部205が取得した撮像データに含まれる画像以外の情報として、日付情報に基づいてぬいぐるみ50の態様を変化させた画像データを生成してもよい。例えば、ユーザがぬいぐるみ50を購入した日付(以下、購入日ともいう)等をぬいぐるみデータベース182等に記憶させておく。画像データ生成部207は、当該購入日を起算日として所定の日数(例えば100日)を経過した日には、特別な演出を付加する画像データを生成してもよい。また、一例として、購入日から1年後、2年後、3年後などの周年を経過する日においては、周年経過を祝福するような演出を付加した画像データを生成してもよい。このような仕様とすることで、ユーザはぬいぐるみ50を所有し続けることに応じて、より深い愛着を感じることができる。
【0185】
また、画像データ生成部207は、画像データの生成にあたり、新たに音声情報を付加する仕様としてもよい。すなわち、条件イベントを満たした場合のイベント演出において、画像の生成に合わせて所定の音声情報を付加する仕様としてもよい。
【0186】
また、上記実施形態では、演出条件判定処理(S320)では、条件イベントが発生したか否かの複数の判定処理(S321~S324)が直列的に実行されているが、この例に限定することはない。例えば、条件イベントが発生したか否かの複数の判定処理を並列的に行い、発生した条件イベントの組み合わせに応じた演出を適用する仕様としてもよい。
【0187】
また、上記実施形態では、端末装置10は、スマートフォンなどで実現される端末として説明したが、この例に限定されることはない。家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、端末装置10を実現し、マウスなどの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0188】
また、通信回線を介した所定情報の共有は、主にインターネットなどのWANを介して行われるが、情報処理装置間では、WANを介さずにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等のみを介して行われてもよい。
【0189】
また、上記実施形態では、各機能を端末装置10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様で端末装置10、サーバ20、又は端末装置10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0190】
さらに、本発明は、上述した端末装置10またはサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0191】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサを備えるコンピュータに、
外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動機構を有するものを除く)それぞれの個体を識別するための識別情報を受け付けるステップ(S100)と、ユーザが撮像したぬいぐるみの撮像データを取得するステップ(S200)と、識別情報を受け付けた後に取得した撮像データにおけるぬいぐるみの態様に、識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップ(S300)と、画像データをユーザに提示するステップ(S400)と、を実行させるプログラム。
(付記2)
生成するステップでは、ぬいぐるみの個体ごとに異なる態様を示す画像データを生成する、付記1に記載のプログラム。
(付記3)
生成するステップでは、個体ごとに設定された性格に沿った態様を示す画像データを生成する、付記1または2に記載のプログラム。
(付記4)
生成するステップでは、識別情報と、撮像データに含まれる情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記2に記載のプログラム。
(付記5)
生成するステップでは、識別情報と、撮像データに含まれる画像に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記4に記載のプログラム。
(付記6)
生成するステップでは、識別情報と、画像においてぬいぐるみとともに映っている人物に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記5に記載のプログラム。
(付記7)
生成するステップでは、識別情報と、画像においてぬいぐるみとともに映っている物に関する情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記5に記載のプログラム。
(付記8)
取得するステップでは、ぬいぐるみの動画データを取得する、付記4に記載のプログラム。
(付記9)
生成するステップでは、動画データに含まれる音声情報に基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記8に記載のプログラム。
(付記10)
ぬいぐるみが配置されている場所における環境情報を取得するステップをさらに備え、生成するステップでは、識別情報と、取得した環境情報の組み合わせに基づいて、ぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記1に記載のプログラム。
(付記11)
環境情報を取得するステップでは、環境情報として、ぬいぐるみが配置されている場所の位置情報を取得する、付記10に記載のプログラム。
(付記12)
環境情報を取得するステップでは、環境情報として、ぬいぐるみが配置されている場所の気象情報を取得する、付記10に記載のプログラム。
(付記13)
コンピュータに、異なるぬいぐるみに関する所定のデータを通信するステップをさらに実行させる、付記1に記載のプログラム。
(付記14)
所定のデータとして、所定のぬいぐるみと関連付けが行われた履歴を通信するステップを実行させる、付記13に記載のプログラム。
(付記15)
生成するステップでは、所定のぬいぐるみと関連付けが行われた履歴が所定の条件を超えるとぬいぐるみの態様を変化させた画像データを生成する、付記14に記載のプログラム。
(付記16)
コンピュータは、ユーザが操作可能な端末装置である、付記13に記載のプログラム。
(付記17)
プログラムは、ぬいぐるみ内に設けられたプロセッサに、通信するステップを実行させる、付記13に記載のプログラム。
(付記18)
プロセッサに、さらに、ぬいぐるみの撮像データの履歴情報をコンピュータが備える記憶部に記憶させるステップと、履歴情報に基づいて、撮像データにおけるぬいぐるみの個体を、識別情報を用いることなく識別するステップと、を実行させる、付記1~付記17に記載のプログラム。
【0192】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0193】
1:システム、10:端末装置、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:ストレージ、19:プロセッサ、20:サーバ、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:ネットワーク、51:頭部、52:胴部、53:目、54:口、55:耳、56:前肢、57:下肢、58:尻尾、131:タッチセンシティブデバイス、141:ディスプレイ、150:通信部、160:撮像部、170:音声処理部、171:マイク、172:スピーカ、180:記憶部、181:ユーザデータベース、182:データベース、183:性格データベース、184:イベント演出データベース、185:イベント対応データベース、200:制御部、201:操作受付部、202:送受信部、203:表示制御部、204:識別情報受付部、205:撮像データ取得部、206:撮像データ解析部、207:画像データ生成部、210:通信部、220:記憶部、221:ユーザデータベース、222:データベース、223:性格データベース、224:イベント演出データベース、225:イベント対応データベース、226:標準画像データベース、227:履歴画像データベース、230:制御部、231:送受信モジュール、232:撮像データ解析モジュール、233:画像データ生成モジュール。
【要約】
【課題】ぬい撮りにおけるユーザ体験を向上させる。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータに、外観が略同一の複数のぬいぐるみ(ただし、構成部材を動作させるための駆動部を有するものを除く)それぞれの個体を識別する識別情報を受け付けるステップと、ユーザが撮像したぬいぐるみの撮像データを取得するステップと、前記識別情報を受け付けた後に取得した前記撮像データにおけるぬいぐるみの態様に、前記識別情報に対応した加工を施した画像データを生成するステップと、前記画像データを前記ユーザに提示するステップと、を実行させるプログラムが提供される。
【選択図】
図1