(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】電動駆動車両のための変速機装置、電動駆動車両のための駆動装置及び車両
(51)【国際特許分類】
F16H 61/00 20060101AFI20240308BHJP
F16H 63/34 20060101ALI20240308BHJP
F16H 57/027 20120101ALI20240308BHJP
【FI】
F16H61/00
F16H63/34
F16H57/027
(21)【出願番号】P 2022531549
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2020083125
(87)【国際公開番号】W WO2021105082
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】102019132499.8
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522447473
【氏名又は名称】ヴァレオ、イーオートモーティブ、ジャーマニー、ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VALEO EAUTOMOTIVE GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ゲーアハルト、フュルステンへーファー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン、パウル
(72)【発明者】
【氏名】ベルント、ハース
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-222902(JP,A)
【文献】特開2016-19436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/00
F16H 63/34
F16H 57/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-変速機要素(9)と、
-前記変速機要素(9)をブロックすることができるとともに、パーキングロックアクチュエータ(14)を有するパーキングロック(12)と、
-前記変速機要素(9)及び前記パーキングロック(12)を収容する変速機ハウジング(7)と、
-前記変速機ハウジング(7)内で延在するケーブル構成(16)と、前記ケーブル構成(16)の第1の端部を前記変速機ハウジング(7)の外部から接触させることができるプラグコネクタ(17)とを伴う接続器具(15)であって、前記ケーブル構成(16)の第2の端部が前記パーキングロックアクチュエータ(14)に電気的に接続される、接続器具(15)と、
-前記接続器具(15)の前記プラグコネクタ(17)を貫通して延びるとともに前記パーキングロックアクチュエータ(14)の内部と前記変速機ハウジング(7)の外部との間にガス透過性接続を形成する均圧器具と、
を備える、電動駆動車両(38)のための変速機装置(2)。
【請求項2】
前記均圧器具は、前記プラグコネクタ(17)を前記パーキングロックアクチュエータ(14)の内部に接続する
第1の流体案内要素(27)を有する、請求項1に記載の変速機装置。
【請求項3】
前記
第1の流体案内要素(27)は、前記ケーブル構成(16)と共に前記パーキングロックアクチュエータ(14)から前記プラグコネクタ(17)へ案内される、請求項2に記載の変速機装置。
【請求項4】
前記プラグコネクタ(17)は、プラグコネクタハウジング(25)と、
前記ケーブル構成(16)を構成する複数のケーブル(24)のうちの1つに接続された接触要素と、前記プラグコネクタハウジングに形成される
複数の貫通開口(26)と、を有し、前記貫通開口のうちの1つに、前記第1の流体案内要素(27)が挿入され、他の前記貫通開口のそれぞれが
、前記接触要素のうちの1つを受け
る、請求項2又は3に記載の変速機装置。
【請求項5】
前記ケーブル構成(16)の前記第2の端部は、前記接続器具(15)の第2のプラグコネクタ(18)によって前記パーキングロックアクチュエータ(14)に電気的に接続され、前記均圧器具が前記第2のプラグコネクタ(18)内へ延びる、請求項1から4のいずれか一項に記載の変速機装置。
【請求項6】
ケーブル構成(21)と、前記ケーブル構成(21)の一端部に配置されるとともに前記第1の接続器具(15)の前記プラグコネクタ(17)と共に電気プラグ接続部を形成する又は電気プラグ接続部を形成できるプラグコネクタ(22)とを伴う第2の接続器具(20)を更に備え、前記均圧器具が
第2の流体案内要素(32)を有し、前記
第2の流体案内要素(32)の一端部が前記第2の接続器具(20)の前記プラグコネクタ(22)内へ延在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の変速機装置。
【請求項7】
前記第2の接続器具(20)は、前記ケーブル構成(
21)の他端部に第2のプラグコネクタ(23)を有する、請求項6に記載の変速機装置。
【請求項8】
前記均圧器具は、前記
第2の流体案内要素(32)の他端部に均圧アダプタ(35)を有する、請求項6又は7に記載の変速機装置。
【請求項9】
前記均圧器具は、前記第2の流体案内要素(32)の他端部に均圧アダプタ(35)を有し、
前記第2の接続器具(20)の前記均圧アダプタ(35)及び前記第2のプラグコネクタ(23)は、別個の構成要素として設計される、請求項
7に記載の変速機装置。
【請求項10】
前記均圧アダプタ(35)は、
前記均圧器具内に異物が侵入することを防止するための膜(36)、及び/又は前記均圧アダプタ(35)を締結するため
の締結手段(37)を有する、請求項8又は9に記載の変速機装置。
【請求項11】
-電気機械(3)と、
-請求項1から10のいずれか一項に記載の変速機装置(2)と、
-前記電気機械(3)の回転動作を前記変速機装置(2)に伝達するシャフト(4)と、
を備える、電動駆動車両(38)のための駆動装置(1)。
【請求項12】
前記変速機ハウジング(7)は、前記電気機械(3)、前記変速機装置(2)、及び、前記シャフト(4)を収容するハウジング(6)の一部である、請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記均圧アダプタ(35)は、前記締結手段(37)によって前記ハウジング(6)に締結される、請求項10に従属する場合の請求項12に記載の駆動装置。
【請求項14】
インバータ(5)であって、前記第2の接続器具(20)の前記第2のプラグコネクタ(23)が前記インバータ(5)に電気的に接続される、インバータ(5)を更に備える、請求項7に従属する場合の請求項11から13のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記車両(38)を駆動するように構成される請求項11から14のいずれか一項に記載の駆動装置(1)を備える車両(38)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動駆動車両のための変速機装置、電動駆動車両のための駆動装置及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102015217875号明細書は、自動車両用の電気機械及び変速機を伴う駆動システムを開示する。変速機は、変速機出力シャフト及び変速機ハウジング、並びに、パーキングロックも有する。
【0003】
パーキングロックを変速機ハウジングに組み込むことによって、特に車両の電気駆動装置における変速機装置の使用に関して不十分な構造空間を節約することができる。しかしながら、これは、潤滑剤の存在及び変速機ハウジング内のより高い温度に起因して特別な課題をもたらす。特に、パーキングロックのパーキングロックアクチュエータは、機能的な不具合の範囲でさえ、潤滑剤に敏感に反応し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102015217875号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、変速機ハウジング内にパーキングロックを配置するための構造空間節約及び堅牢に動作可能なオプションを定めるという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明によれば、変速機要素と、変速機要素をブロックすることができるとともにパーキングロックアクチュエータを有するパーキングロックと、変速機要素及びパーキングロックを収容する変速機ハウジングと、変速機ハウジング内で延在するケーブル構成とケーブル構成の第1の端部を変速機ハウジングの外部から接触させることができるプラグコネクタとを伴う接続器具であって、ケーブル構成の第2の端部がパーキングロックアクチュエータに電気的に接続される、接続器具と、接続器具のプラグコネクタを貫通して延びるとともにパーキングロックアクチュエータの内部と変速機ハウジングの外部との間にガス透過性接続を形成する均圧器具とを備える電動駆動車両のための変速機装置によって達成される。
【0007】
本発明は、パーキングロックアクチュエータの機能的不具合がパーキングロックアクチュエータへの潤滑剤の侵入に起因することが多いという知見に基づいている。この侵入は、パーキングロックアクチュエータの内部とその周囲との間の圧力差に起因する。本発明に係る変速機装置に設けられる均圧器具は、パーキングロックアクチュエータの内部と変速機ハウジングの外部との間の圧力を等しくすることにより、潤滑剤の侵入を防止する。これは、好適には、変速機装置のより堅牢な動作を可能にする。均圧器具がプラグコネクタを通過して延びるという事実に起因して、好適には、均圧器具の通過のために更なる構造空間は必要とされない。
【0008】
変速機ハウジングは、一般に、接続器具が通過する変速機ハウジング開口を有する。好ましい実施形態では、接続器具のプラグコネクタが変速機ハウジング開口内に配置される及び/又は変速機ハウジングに締結されるようにする。パーキングロックは、接続器具を介して給電される及び/又は作動されるように構成され得る。
【0009】
本発明に係る変速機装置の場合、均圧器具は、プラグコネクタをパーキングロックアクチュエータの内部に接続する流体案内要素、特にホース又はパイプを有することが好ましい。流体案内要素は、好ましくはプラスチック、特にPTFEから形成される。
【0010】
好適には、流体案内要素がケーブル構成と共にパーキングロックアクチュエータからプラグコネクタに案内されるようにすることができる。結果として、変速機ハウジングに設けられる構造空間を接続器具と流体案内要素とによって最適に利用することができる。例えば、流体案内要素をケーブル構成の個々のケーブルと平行に案内することが可能である。好ましい実施形態では、ケーブル構成及び流体案内要素が共に被覆されるようにもする。
【0011】
プラグコネクタが、プラグコネクタハウジングと、接触要素と、プラグコネクタハウジングに形成されるとともにそれぞれが接触要素のうちの1つを受けるように設計される貫通開口とを有し、流体案内要素が貫通開口のうちの1つに挿入されることも有利である。このようにすると、例えば、市販のプラグコネクタの場合には、貫通開口に接触要素を設けることなく代わりに流体案内要素を収容することによって、プラグコネクタの領域内で殆ど労力をかけずにガス透過性接続を実施することができる。一般に、それぞれの接触要素が貫通開口の幾つかに配置されるようにする。
【0012】
パーキングロックアクチュエータ側の均圧器具の接続に関して、本発明に係る変速機装置の場合には、ケーブル構成の第2の端部が接続器具の第2のプラグコネクタによってパーキングロックアクチュエータに電気的に接続され、均圧器具が第2のプラグコネクタ内へ延びれば好ましい。
【0013】
ここでも、第2のプラグコネクタが、プラグコネクタハウジングと、接触要素と、プラグコネクタハウジングに形成されるとともにそれぞれが接触要素のうちの1つを受けるように設計される貫通開口とを有し、流体案内要素が貫通開口のうちの1つに挿入されるようにすることもできる。それぞれの接触要素が貫通開口の幾つかに配置されるようにすることができる。
【0014】
パーキングロックアクチュエータ側、特にパーキングロックアクチュエータハウジングでは、接続器具の第2のプラグコネクタと正反対にあるプラグコネクタを設けることができ、該プラグコネクタによって均圧器具がパーキングロックアクチュエータの内部へと延びる。また、パーキングロックアクチュエータ側のこのプラグコネクタは、プラグコネクタハウジングと、接触要素と、プラグコネクタハウジングに形成されるとともにそれぞれが接触要素のうちの1つを受けるように設計される貫通開口とを有することもでき、貫通開口は、均圧器具の一部としてパーキングロックアクチュエータハウジングの内部に対して隙間を与える。
【0015】
本発明に係る変速機装置の進展において、該変速機装置は、ケーブル構成と、ケーブル構成の一端部に配置されるとともに第1の接続器具のプラグコネクタと共に電気プラグイン接続部を形成する又は電気プラグイン接続部を形成できるプラグコネクタとを伴う第2の接続器具を更に備え、均圧器具が流体案内要素、特にホース又はパイプを有し、流体案内要素の一端部が第2の接続器具のプラグコネクタ内へ延在するようにすることができる。この流体案内要素は、第2の流体案内要素であると理解することもでき又は第2の流体案内要素と呼ぶこともできる。したがって、第1の接続器具の流体案内要素は、第1の流体案内要素であると理解することもでき又は第1の流体案内要素と呼ぶこともできる。
【0016】
第2の接続器具のプラグコネクタに関して、該プラグコネクタは、プラグコネクタハウジングと、接触要素と、プラグコネクタハウジングに形成されるとともにそれぞれが接触要素のうちの1つを受けるように設計される貫通開口とを有し、第2の流体案内要素が貫通開口のうちの1つに挿入されるようにすることができる。それぞれの接触要素が貫通開口の幾つかに配置されるようにすることができる。
【0017】
第2の接続器具に関しては、該接続器具がケーブル構成の他端部に第2のプラグコネクタを有するようにすることができる。
【0018】
更に、均圧器具が流体案内要素の他端部に均圧アダプタを有すると好都合である。均圧アダプタは、特に、変速機ハウジングの外側で均圧器具を閉鎖するように機能する。
【0019】
均圧アダプタは、例えば、均圧アダプタを締結するための膜及び/又は締結手段を有することができる。また、均圧アダプタは、膜を保護するための保護装置、例えば保護キャップを含むこともできる。保護キャップは、一般に、特に対応するIP保護クラスの意味の範囲内で、水に対する保護及び/又は異物に対する保護を行なう。
【0020】
有利な実施形態では、第2の接続器具の均圧アダプタ及び第2のプラグコネクタが別個の構成要素として設計されるようにもする。このようにすると、第2のプラグコネクタとは別個の適切な位置で均圧アダプタをハウジングの外側に取り付けることができる。
【0021】
冒頭で既に示したように、本発明に係る変速機装置の場合には、変速機要素を潤滑するための潤滑剤浴が変速機ハウジング内に設けられ、パーキングロックが潤滑剤浴内に少なくとも部分的に位置されることも好ましい。本発明に従って実現される均圧に起因して、潤滑剤浴内のパーキングロックの配置も有利に可能であり、その結果、変速機ハウジング内のパーキングロックの以前に未使用の配置位置が開かれる。
【0022】
また、本発明が基づく目的は、電気機械と、本発明に係る変速機装置と、電気機械の回転動作を変速機装置に伝えるシャフトとを備える電動駆動車両のための駆動装置によっても達成される。
【0023】
変速機ハウジングが、電気機械、変速機装置、及び、シャフトを収容するハウジングの一部であるようにすることができる。均圧アダプタは、好ましくは、締結手段によってハウジング、特にエンドプレートに締結される。
【0024】
また、駆動装置はインバータを含むこともでき、第2の接続器具の第2のプラグコネクタをインバータに電気的に接続することができる。インバータは、一般に、DC電圧を電気機械に供給するAC電圧に変換するように構成される。
【0025】
最後に、本発明が基づく目的は、車両を駆動するように構成される本発明に係る駆動装置を備える車両によっても達成される。
【0026】
本発明の更なる利点及び詳細は、以下に説明する典型的な実施形態から及び図面に基づいて明らかになる。これらは以下の概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係る変速機装置の典型的な実施形態を伴う本発明に係る駆動装置の典型的な実施形態の斜視図を示す。
【
図3】変速機装置の第1の接続器具の斜視図を示す。
【
図4】第1のプラグコネクタの領域における第1の接続器具の詳細図を示す。
【
図5】変速機装置の第2の接続器具の斜視図を示す。
【
図6】本発明に係る車両の典型的な実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、変速機装置2の典型的な実施形態を伴う駆動装置1の典型的な実施形態の斜視図である。
【0029】
また、駆動装置1は、電気機械3と、電気機械3の回転動作を変速機装置2に伝えるシャフト4(
図2参照)と、DC電圧を電気機械3に供給するAC電圧に変換するように設計されるインバータ5とを含む。駆動装置1のハウジング6は、変速機装置2の変速機ハウジング7であって変速機装置2に属する変速機ハウジング7と、インバータ5も収容する機械ハウジング8とを備える。或いは、変速機装置2及び電気機械3を収容するハウジングに締結される別個のハウジング内にインバータ5を配置することもできる。
【0030】
【0031】
変速機装置1は、シャフト4によって与えられる回転動作を変換するために更なる変速機要素10に結合される変速機要素9を備え、シャフト4は、該シャフトと共に回転するために変速機要素9に接続される。変速機要素9には、パーキングロック12のパーキングロックホイール11も締結され、これによって変速機要素9をブロックすることができる。この目的のため、パーキングロック12は、パーキングロック12のパーキングロックアクチュエータ14によってパーキングロックホイール11と係合するようにされ得るパーキングロック爪13も有する。
【0032】
変速機要素9,10及びパーキングロック12は変速機ハウジング7によって収容される。変速機要素9,10を潤滑するために、変速機装置1は潤滑剤浴を有し、この潤滑剤浴の動作上の従来の充填レベルが
図1中の一点鎖線Aによって示される。図示のように、パーキングロック12は潤滑剤浴内に部分的に位置される。
【0033】
更に、変速機装置2は、変速機ハウジング7内で延在するケーブル構成16を備える第1の接続器具15を備え、接続器具15は、
図2では隠された第1のプラグコネクタ17(
図3参照)と、第2のプラグコネクタ18とを含み、パーキングロックアクチュエータ14の給電及び作動に役立つ。プラグコネクタ17,18はケーブル構成16の両端部に取り付けられ、この場合、第2のプラグコネクタ18は、第2のプラグコネクタ18によってパーキングロックアクチュエータ14のプラグコネクタ-このプラグコネクタは
図1では隠されている-に接続される。ケーブル構成16は、第1のプラグコネクタ17を介して変速機ハウジング7の外部から接触され得る。
【0034】
更に、変速機装置2は第2の接続器具20を備え、この第2の接続器具20は、変速機ハウジング7の外側で延びるケーブル構成21、第1のプラグコネクタ22、及び、第2のプラグコネクタ23(
図1及び
図5参照)を備える。第2の接続器具の第1のプラグコネクタ22は、第1の接続器具20の第1のプラグコネクタ17とプラグイン接続を形成する。第2のプラグコネクタ23は、インバータ5が接続器具15,20を介してパーキングロックアクチュエータ14に給電してこれを作動させることができるように、
図1では隠されているインバータ5のプラグコネクタとの更なるプラグイン接続を形成する。
【0035】
図3及び
図4は第1の接続器具15を示し、この場合、
図3は斜視図であり、
図4は第1のプラグコネクタ17の領域内の詳細図である。
【0036】
図4から分かるように、ケーブル構成16は複数の個々のケーブル24を有する。第1のプラグコネクタ17は、複数の貫通開口26が形成されるプラグコネクタハウジング25を備える。貫通開口26の幾つかはそれぞれ、図では隠された接触要素を収容し、該接触要素は、プラグコネクタハウジング25内の個々のケーブル24のうちの1つに電気的に接続されるこの典型的な実施形態のように、貫通開口26の数が個々のケーブル24の数よりも1つ多い場合には、一部の貫通開口26を気密に封止することができる。第2のプラグコネクタ18は、個々のケーブル27がそこで対応する接触要素に電気的に接続されるように同様に構成され、この対応する接触要素も第2のプラグコネクタ18のプラグコネクタハウジング28における対応する貫通開口に収容される。
【0037】
変速機ハウジング7(
図2参照)の内部の潤滑剤は、その中で発生する負圧に起因してパーキングロックアクチュエータ14(
図2参照)に侵入して誤動作又は損傷さえも引き起こす可能性があることを意味するため、パーキングロックアクチュエータ14の内部と変速機ハウジング7の外部との間にガス透過性接続を形成する均圧器具が設けられる。
この目的のため、均圧器具は第1の流体案内要素27をまず備え、第1の流体案内要素は、第1の接続器具15の第1のプラグコネクタ17を第1の接続器具15の第2のプラグコネクタ18に対してガス透過態様で接続する。この典型的な実施形態では、流体案内要素27が例えばPTFE製のホースによって形成される。この目的のため、第1の流体案内要素27の一端部は、個々のケーブル27によって占有も閉鎖もされない貫通開口26に通じる。第1の流体案内要素27の他端部は、第2のプラグコネクタ18のプラグコネクタハウジング28における貫通開口に通じ、この貫通開口も同様に接触要素によって占有も閉鎖もされない。第1の流体案内要素27は、変速機ハウジング7内に第1の接続器具15を締結するための締結要素30(
図3参照)を更に有するケーブル構成16のシース29内でケーブル構成16の個々のケーブル24と共に案内される。
【0038】
均圧器具を介したガス透過性接続を形成するために、パーキングロックアクチュエータ14のプラグコネクタ(
図2参照)は、ガス透過態様でパーキングロックアクチュエータ14の内部に接続される。この目的のため、第1の接続器具15の第1のプラグコネクタ17と実質的に同様に設計されるパーキングロックアクチュエータ14のプラグコネクタは、パーキングロックアクチュエータ14のプラグコネクタがパーキングロックアクチュエータ側の均圧器具の端部を形成するように、パーキングロックアクチュエータの内部に対してガス透過態様で形成される。この目的のため、パーキングロックアクチュエータ14のプラグコネクタは、第1の接続器具15の第1のプラグコネクタ17と同様に貫通開口を同様に有することができ、貫通開口のうちの1つがガス透過性である。
【0039】
図5は、変速機装置2の第2の接続器具20の斜視図である。
【0040】
第1の接続器具15のケーブル構成16と同様に、第2の接続器具20のケーブル構成21は複数の個々のケーブルを有する。第1のプラグコネクタ22は、第1の接続器具15の第1のプラグコネクタ17と同様に、複数の貫通開口が形成されるプラグコネクタハウジング31を備える。貫通開口の幾つかはそれぞれ、プラグコネクタハウジング31内の個々のケーブルのうちの1つに電気的に接続される接触要素を収容する。この典型的な実施形態のように、貫通開口の数が個々のケーブルの数よりも1つ多い場合には、一部の貫通開口が気密に封止される。
【0041】
均圧器具は第2の流体案内要素32を有する。第2の流体案内要素32の一端部はプラグコネクタハウジング31の貫通開口に通じ、貫通開口は、接触要素によって占有されず、気密に封止もされない。第2の流体案内要素32は、第2の接続器具20を変速機ハウジング7に締結するための締結要素34を更に有するケーブル構成21のシース33内でケーブル構成21の個々のケーブルと共に案内される。第2の流体案内要素32は、第2のプラグコネクタ23の直前でケーブル構成21から分岐する。
【0042】
均圧器具は、第2の流体案内要素32の他端部に均圧アダプタ35を有し、均圧アダプタ35及び第2のプラグコネクタ23は、図示のように、別個の構成要素として設計される。均圧アダプタ35は、汚れ等が均圧器具内に侵入することを防止する膜36を有する。更に、均圧アダプタ35は締結手段37を備える。この締結手段によって、
図1から分かるように、均圧アダプタ35がインバータ5の領域内で変速機ハウジング7に締結される。
【0043】
第2の接続器具の第2のプラグコネクタ23は、インバータ5からパーキングロックアクチュエータ14に給電してこれを作動させるために、インバータ5のプラグコネクタに接続される。
【0044】
図6は、車両38の典型的な実施形態の概略図である。車両は、該車両38を駆動するように構成される駆動装置1を備える。