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特許7450723ビーム調整アセンブリおよびアンテナシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ビーム調整アセンブリおよびアンテナシステム
(51)【国際特許分類】
   H01P 1/18 20060101AFI20240308BHJP
   H01Q 3/32 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01P1/18
H01Q3/32
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022537279
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2020137982
(87)【国際公開番号】W WO2021121421
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】201911329504.7
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲華▼冰
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 雷
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲潤▼孝
(72)【発明者】
【氏名】曾 奕星
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 凡
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ 平
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-182580(JP,A)
【文献】特開2008-301201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/18
H01Q 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移相器および接続プレートを備えるビーム調整アセンブリであって、
前記移相器は、回路板および主誘電体スラブを備え、前記回路板は、離隔されている第1のストリップおよび第2のストリップを備え、前記第1のストリップおよび前記第2のストリップは、アンテナの放射要素にそれぞれ接続するように構成され、前記接続プレートは、前記回路板上に摺動可能に組み立てられ、前記第1のストリップと前記第2のストリップとの間の電気接続を制御するように構成され、
前記接続プレートは、前記第1のストリップを前記第2のストリップに接続するように構成された接続回路を備えた回路接続プレートを含み、前記主誘電体スラブは、前記回路板に対して摺動し、前記摺動中、前記回路接続プレートを摺動するように押すことが可能であり、
第1の方向で第1の指定された位置に摺動するとき、前記主誘電体スラブは、前記第1のストリップを前記第2のストリップに接続するように前記接続プレートを押し、第2の方向で第2の指定された位置に摺動するとき、前記主誘電体スラブは、前記第1のストリップを前記第2のストリップから切り離すように前記回路接続プレートを押し、前記第1の方向は、前記第2の方向の反対である、ビーム調整アセンブリ。
【請求項2】
前記回路板は、第1の摺動スロットを備え、前記接続プレートは、前記第1の摺動スロット内に摺動可能に組み立てられ、前記第1の方向および前記第2の方向に往復して摺動することが可能である請求項1に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の摺動スロットは、直線部分および傾斜部分を備え、前記第2のストリップに近接する前記第1の摺動スロットの端部は、前記直線部分であり、前記第1のストリップに近接する前記第1の摺動スロットの端部は、前記傾斜部分であり、
前記接続プレートが前記第1の摺動スロットの前記傾斜部分から端部部分に摺動するとき、前記接続プレートは、前記第1のストリップを前記第2のストリップに接続し、
前記接続プレートが前記第1の摺動スロットの前記直線部分から端部部分に摺動するとき、前記接続プレートは、前記第2のストリップだけに接続され、前記第1のストリップから切り離される請求項2に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項4】
前記傾斜部分は、直線構造であり、前記傾斜部分と前記直線部分との間のきょう角は、鈍角であり、または、
前記傾斜部分は、円弧傾斜部分である請求項3に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項5】
前記接続プレートは、互いに反対である第1の端部部分および第2の端部部分と、前記第1の端部部分と前記第2の端部部分との間の当接側壁とを有し、
前記主誘電体スラブが前記第1の方向に摺動するとき、前記主誘電体スラブは、前記第1の端部部分に当接することが可能であり、
前記主誘電体スラブが前記第1の方向で前記第1の指定された位置に摺動するとき、前記接続プレートは、前記傾斜部分内に位置し、前記主誘電体スラブは、前記当接側壁に当接し、
前記主誘電体スラブが前記第2の方向に摺動するとき、前記主誘電体スラブは、前記第2の端部部分に当接することが可能である請求項3または4に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項6】
前記接続プレートは、さらに、前記回路接続プレートに取外し可能に固定接続されたロッキングプレートを備え、前記回路接続プレートおよび前記ロッキングプレートは、前記回路板の両側に配置され、
前記第1の端部部分および前記第2の端部部分は、前記回路接続プレートの両端部部分であり、前記当接側壁は、前記回路接続プレートの側壁である請求項5に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項7】
前記主誘電体スラブは、反対に配置された第1の押し部分および第2の押し部分と、前記当接側壁との当接接触に達するように構成された押し側壁とを備え、
前記主誘電体スラブが前記第1の方向に摺動するとき、前記第1の押し部分は、前記第1の端部部分との当接接触に達し、前記接続プレートを押し、
前記主誘電体スラブが前記第1の方向で前記第1の指定された位置に摺動するとき、前記第1の押し部分は、前記第1の端部部分との当接接触から解放され、前記押し側壁は、前記当接側壁との当接接触に達し、前記接続プレートにロックされ、
前記主誘電体スラブが前記第2の方向に摺動するとき、前記第2の押し部分は、前記第2の端部部分との当接接触に達し、前記接続プレートを前記第2の方向に摺動するように押す請求項5または6に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項8】
前記第1の端部部分は、第1の斜面案内表面を有し、前記第1の押し部分は、前記第1の斜面案内表面と協働する第2の斜面案内表面を有する請求項7に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項9】
前記主誘電体スラブは、前記接続プレートと協働するように構成された回避切欠きを備え、前記第1の押し部分および前記第2の押し部分は、前記回避切欠きの両側に配置され、
前記接続プレートが前記直線部分内で摺動するとき、前記接続プレートは、前記回避切欠き内に部分的に位置し、
前記接続プレートが前記第1のストリップを前記第2のストリップに接続するとき、前記接続プレートは、前記回避切欠きの外側に位置する請求項7または8に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項10】
前記第2の押し部分の高さは、前記第1の押し部分の高さより大きく、前記第2の押し部分は、前記主誘電体スラブから突出する請求項7乃至9のいずれか一項に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項11】
前記回路板は、第2の摺動スロットを備え、前記主誘電体スラブは、前記第2の摺動スロット内に摺動可能に組み立てられる請求項1乃至10のいずれか一項に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項12】
前記主誘電体スラブは、第1の主誘電体スラブおよび第2の主誘電体スラブを含み、前記第1の主誘電体スラブおよび前記第2の主誘電体スラブは、前記回路板の両側に配置される請求項11に記載のビーム調整アセンブリ。
【請求項13】
給電ユニットと、アレイで配置された複数の放射要素と、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の前記ビーム調整アセンブリとを備えるアンテナシステムであって、
前記第1のストリップは、前記給電ユニットに接続され、前記第1のストリップおよび前記第2のストリップは、前記複数の放射要素のうちの少なくとも1つにそれぞれ接続され、
前記接続プレートが前記第1のストリップを前記第2のストリップに接続するとき、前記第2のストリップに接続された前記放射要素は、前記給電ユニットに接続され、
前記接続プレートが前記第1のストリップを前記第2のストリップから切り離すとき、前記第2のストリップに接続された前記放射要素は、前記給電ユニットから切り離される、アンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関し、詳細には、ビーム調整アセンブリおよびアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル通信では、セル信号は基地局アンテナのビームカバレッジを使用することによって実装される。セルは、異なる地理的特性およびユーザ特性を有する。したがって、基地局のアンテナビームの放射方向は、最適なセルカバレッジを達成するために設定および調整されることを必要とする。
【0004】
アンテナのカバレッジ領域を表すために、アンテナのビーム幅が使用され、アンテナのビーム幅は、水平ビーム幅および垂直ビーム幅を含む。実際の適用では、カバレッジ最適化は、通常、アンテナビームの放射方向およびビーム幅を制御することによって実装される。アンテナの通信効果が最適化されることを必要とするとき、アンテナのビームが調整されることを必要とする。従来の技術では、一方の調整方式がビーム角を調整しており、他方の方式がビーム幅を調整している。これらの2つの方式は、カバレッジ最適化効果を改善するために、互いに補完する。しかし、従来の技術では、ビーム幅を調整するための調整機構が比較的複雑であり、比較的大きな空間を占有し、調整時に比較的大きな抵抗に遭遇する。調整効果は不十分である。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、アンテナの調整効果を改善しセルカバレッジを最適化するためのビーム調整アセンブリおよびアンテナシステムを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、本出願の一実施形態は、ビーム調整アセンブリを提供する。ビーム調整アセンブリは、アンテナシステムのビーム幅を調整するように構成される。本出願において提供されるビーム調整アセンブリは、2つの部分、すなわち移相器および接続プレートを含む。移相器は、移相するように構成された回路板および主誘電体スラブを含む。回路板は、離隔されている第1のストリップおよび第2のストリップを備える。アンテナと協働するとき、第1のストリップおよび第2のストリップは、アンテナの放射要素にそれぞれ接続するように構成される。主誘電体スラブは、回路板に対して摺動し、摺動するとき位相偏移効果を実装することが可能である。組み立て中、接続プレートは、回路板上に摺動可能に組み立てられ、第1のストリップと第2のストリップとの間の電気接続を制御するように構成される。本出願では、摺動するとき、主誘電体スラブは、接続プレートを摺動するように押すことができる。さらに、第1の方向で第1の指定された位置に摺動するとき、主誘電体スラブは、第1のストリップを第2のストリップに接続するように接続プレートを押す。第2の方向で第2の指定された位置に摺動するとき、主誘電体スラブは、第1のストリップを第2のストリップから切り離すように接続プレートを押す。第1の方向は、第2の方向の反対である。アンテナシステムに適用されるとき、第1のストリップは、アンテナの給電ユニットに接続される。したがって、第1のストリップに接続された放射要素は、給電ユニットに直接接続され得る。第2のストリップは、アンテナの給電ユニットに直接接続されず、接続プレートを使用することによって第1のストリップに接続される。接続プレートが第1のストリップを第2のストリップに接続するとき、アンテナシステム全体内で機能する放射要素は増大し、ビームは比較的集中され、ビームカバレッジエリアは比較的小さい。第1のストリップが第2のストリップから切り離されるとき、アンテナシステム内で機能する放射要素は減少し、ビームは散乱され、ビームカバレッジエリアは比較的大きい。前述の説明から、本出願の本実施形態において提供されるビーム調整アセンブリでは、移相器における主誘電体スラブの摺動が接続プレートの駆動機構として使用されることがわかる。主誘電体スラブは、アンテナシステムにおける放射要素の機能を制御し、さらにビーム調整を実装するために、第1のストリップと第2のストリップとの間の接続および切り離しを制御するように接続プレートを駆動することができる。従来の技術におけるビーム調整アセンブリに比べて、本出願では、接続プレートは、移相器内で一体化される。接続プレートは、比較的小さい空間を占有し、操作するのが容易であり、制御されるとき比較的小さい抵抗に遭遇するだけである。
【0007】
特定の実現可能な実装解決策では、回路板は、第1の摺動スロットを備え、接続プレートは、第1の摺動スロット内に摺動可能に組み立てられ、第1の方向および第2の方向に往復して摺動することが可能である。接続プレートと回路板との間の摺動接続は、摺動スロットを使用することによって実装される。
【0008】
特定の実現可能な実装解決策では、第1の摺動スロットは、直線部分および傾斜部分を含み、第1のストリップに近接する第1の摺動スロットの端部は、傾斜部分であり、第2のストリップに近接する第1の摺動スロットの端部は、直線部分であり、
接続プレートが傾斜部分から第1の摺動スロットの端部部分に摺動するとき、接続プレートは、第1のストリップを第2のストリップに接続し、
接続プレートが直線部分から第1の摺動スロットの端部部分に摺動するとき、接続プレートは、第2のストリップだけに接続され、第1のストリップから切り離される。これは、接続信頼性を確保する。
【0009】
特定の実現可能な実装解決策では、傾斜部分は、直線構造であり、傾斜部分と直線部分との間のきょう角は、鈍角であり、または、傾斜部分は、円弧傾斜部分である。異なる摺動スロット形態は、すべて本出願に適用され得る。
【0010】
特定の実現可能な実装解決策では、第1の摺動スロットは、直線摺動スロットであり、第1の摺動スロットの長さ方向は、回路板の長さ方向に対して鋭角にある。接続プレートの摺動方向は、異なる摺動スロット形態を使用することによって制御される。
【0011】
特定の実現可能な実装解決策では、接続プレートは、互いに反対である第1の端部部分および第2の端部部分と、第1の端部部分と第2の端部部分との間の当接側壁とを有し、
主誘電体スラブが第1の方向に摺動するとき、主誘電体スラブは、第1の端部部分に当接することが可能であり、
主誘電体スラブが第1の方向で第1の指定された位置に摺動するとき、接続プレートは、傾斜部分内に位置し、主誘電体スラブは、当接側壁に当接し、
主誘電体スラブが第2の方向に摺動するとき、主誘電体スラブは、第2の端部部分に当接することが可能である。主誘電体スラブとの協働は、接続プレートの前述の構造を使用することによって実装される。
【0012】
特定の実現可能な実装解決策では、接続プレートは、第1のストリップを第2のストリップに接続するように構成された回路接続プレートと、回路接続プレートに取外し可能に固定接続されたロッキングプレートとを含み、回路接続プレートおよびロッキングプレートは、回路板の両側に配置され、
第1の端部部分および第2の端部部分は、回路接続プレートの両端部部分であり、当接側壁は、回路接続プレートの側壁である。これは、接続プレートと回路板との間の協働の安定性を改善する。
【0013】
特定の実現可能な実装解決策では、主誘電体スラブは、反対に配置された第1の押し部分および第2の押し部分と、当接側壁との当接接触に達するように構成された押し側壁とを備え、主誘電体スラブが第1の方向に摺動するとき、第1の押し部分は、第1の端部部分との当接接触に達し、接続プレートを押し、主誘電体スラブが第1の方向で第1の指定された位置に摺動するとき、第1の押し部分は、第1の端部部分との当接接触から解放され、押し側壁は、当接側壁との当接接触に達し、接続プレートにロックされ、主誘電体スラブが第2の方向に摺動するとき、第2の押し部分は、第2の端部部分との当接接触に達し、接続プレートを第2の方向に摺動するように押す。主誘電体スラブと接続プレートとの間の協働は、前述の構造を使用することによって実装される。
【0014】
特定の実現可能な実装解決策では、第1の端部部分は、第1の斜面案内表面を有し、第1の押し部分は、第1の斜面案内表面と協働する第2の斜面案内表面を有する。これは、接続プレートと主誘電体スラブとの間の協働を容易にする。
【0015】
特定の実現可能な実装解決策では、主誘電体スラブは、接続プレートと協働するように構成された回避切欠きを備え、第1の押し部分および第2の押し部分は、回避切欠きの両側に配置され、
接続プレートが直線部分内で摺動するとき、接続プレートは、回避切欠き内に部分的に位置し、
接続プレートが第1のストリップを第2のストリップに接続するとき、接続プレートは、回避切欠きの外側に位置する。これは、信頼性を改善する。
【0016】
特定の実現可能な実装解決策では、傾斜部分の延在方向において、第2の押し部分の高さは、第1の押し部分の高さより大きく、第2の押し部分は、主誘電体スラブから突出する。これは、信頼性を改善する。
【0017】
特定の実現可能な実装解決策では、回路板は、第2の摺動スロットを備え、主誘電体スラブは、第2の摺動スロット内に摺動可能に組み立てられる。それは、接続プレートと回路板との間の接続を実装する。
【0018】
特定の実現可能な実装解決策では、主誘電体スラブは、第1の主誘電体スラブおよび第2の主誘電体スラブを含み、第1の主誘電体スラブおよび第2の主誘電体スラブは、回路板の両側に配置される。これは、信頼性を改善する。
【0019】
第2の態様によれば、アンテナシステムが提供され、アンテナシステムは、給電ユニットと、アレイで配置された複数の放射要素と、前述の実装解決策のいずれか1つによるビーム調整アセンブリとを含む。第1のストリップは、給電ユニットに接続され、第1のストリップおよび第2のストリップは、複数の放射要素のうちの少なくとも1つにそれぞれ接続され、接続プレートが第1のストリップを第2のストリップに接続するとき、第2のストリップに接続された放射要素は、給電ユニットに接続され、接続プレートが第1のストリップを第2のストリップから切り離すとき、第2のストリップに接続された放射要素は、給電ユニットから切り離される。本出願の実施形態において提供されるビーム調整アセンブリでは、移相器における主誘電体スラブの摺動は、接続プレートの駆動機構として使用される。主誘電体スラブは、アンテナシステムにおける放射要素の機能を制御し、さらにビーム調整を実装するために、第1のストリップと第2のストリップとの間の接続および切り離しを制御するように接続プレートを駆動することができる。従来の技術におけるビーム調整アセンブリに比べて、本出願では、接続プレートは、移相器内で一体化される。接続プレートは、比較的小さい空間を占有し、操作するのが容易であり、制御されるとき比較的小さい抵抗に遭遇するだけである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本出願の一実施形態によるビーム調整アセンブリの概略分解図である。
図2】本出願の一実施形態による回路板の構造の概略図である。
図3】本出願の一実施形態による接続プレートの概略分解図である。
図4】本出願の一実施形態による回路接続プレートの構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態による回路接続プレートと回路板との間の協働の概略図である。
図6】本出願の一実施形態による回路接続プレートと回路板との間の協働の概略図である。
図7】本出願の一実施形態による主誘電体スラブの概略分解図である。
図8】本出願の一実施形態による第1の主誘電体スラブの駆動機構の概略図である。
図9】本出願の一実施形態による、位置Aに摺動する第1の主誘電体スラブと回路接続プレートとの間の協働の概略図である。
図10】本出願の一実施形態による、第1の主誘電体スラブが位置Aに摺動するとき生成されるアンテナシステムにおけるビームの図である。
図11】本出願の一実施形態による、位置Bに摺動する第1の主誘電体スラブと回路接続プレートとの間の協働の概略図である。
図12】本出願の一実施形態による、位置Cに摺動する第1の主誘電体スラブと回路接続プレートとの間の協働の概略図である。
図13】本出願の一実施形態による、位置Dに摺動する第1の主誘電体スラブと回路接続プレートとの間の協働の概略図である。
図14】本出願の一実施形態による、第1の主誘電体スラブが位置Dに摺動するとき生成されるアンテナシステムにおけるビームの図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
理解を容易にするために、本出願の実施形態において提供されるビーム調整アセンブリの適用シナリオが最初に記載されている。本出願の実施形態において提供されるビーム調整アセンブリは、アンテナシステムに適用され、アンテナシステムにおけるアンテナのビームを調整するように特に構成される。従来の技術では、アンテナのビームが調整されるとき、アンテナのビーム角が一方の方式で調整され、ビーム幅が他方の方式で調整される。しかし、従来の技術では、ビーム幅を調整するための調整機構が比較的複雑であり、比較的大きな空間を占有し、調整時に比較的大きな抵抗に遭遇する。調整効果は不十分である。したがって、本出願の一実施形態は、ビーム調整アセンブリを提供する。以下は、特定の図面および実施形態を参照してビーム調整アセンブリを詳述する。
【0022】
たとえば、図1は、本出願の一実施形態によるビーム調整アセンブリの概略分解図である。図1から、本出願の本実施形態において提供されるビーム調整アセンブリは、回路板10、主誘電体スラブ30、および接続プレート20を含むことがわかる。2つの主誘電体スラブ30がある。これらの2つの主誘電体スラブ30は、回路板10の両側に配置され、図1に示されている破線に沿って回路板10上に組み立てられ得る。接続プレート20は、構造の2つの部分を含む。構造のこれらの2つの部分は、回路板10の両側に配置され、やはり図1に示されている破線に沿って回路板10に組み立てられ得る。
【0023】
図2は、本出願の一実施形態による回路板10の構造の概略図である。本出願の本実施形態において提供される回路板10は、長い帯状の回路板10である。回路板10は、離隔されている2つのストリップを備える。説明を容易にするために、これらのストリップは、それぞれ第1のストリップ11および第2のストリップ12と称される。図2に示されているように第1のストリップ11および第2のストリップ12は、回路板10の長さ方向に配置される。回路板10の第1の端部aおよび第2の端部bが参照として使用される。第2のストリップ12は、両端部を有する。回路板10の第1の端部aに近接する端部部分は、第1の接続端部であり、回路板10の中央部分に近接する端部部分は、第2の接続端部121である。第2のストリップ12の第1の接続端部は、アンテナの放射要素に接続する、たとえば、1つの放射要素に接続する、または2つもしくは3つの放射要素など少なくとも2つの放射要素に接続するように構成され得る。特定の場合は、要件に従って決定され得る。第2のストリップ12の第2の接続端部121は、図1に示されている接続プレート20と協働するように構成される。さらに図2を参照すると、第1のストリップ11は、両端部、すなわち、回路板10の第2の端部bに近接する第1の接続端部と、回路板10の中央部分に近接する第2の接続端部111とを有する。第1のストリップ11の第1の接続端部は、アンテナの放射要素に接続する、たとえば、1つの放射要素に接続する、または2つもしくは3つの放射要素など少なくとも2つの放射要素に接続するように構成され得る。特定の場合は、要件に従って決定され得る。第1のストリップ11の第2の接続端部111は、図1に示されている接続プレート20と協働するように構成される。
【0024】
さらに図2を参照すると、回路板10は、接続プレートおよび主誘電体スラブと協働するように構成された摺動スロットを備える。説明を容易にするために、接続プレートと協働する摺動スロットは、第1の摺動スロット13と称され、主誘電体スラブと協働する摺動スロットは、第2の摺動スロットと称される。
【0025】
第1の摺動スロット13が最初に記載されている。2つの第1の摺動スロット13は、図2において例として使用される。しかし、第1の摺動スロット13の数量は、本出願の本実施形態において限定されない。たとえば、1つの第1の摺動スロット、3つの第1の摺動スロット、または第1の摺動スロットの別の異なる数量が本出願に適用され得る。図2に示されている2つの第1の摺動スロット13は、説明のための例として使用されるにすぎない。これらの2つの第1の摺動スロット13は、回路板10の長さ方向に離隔されており、これらの2つの第1の摺動スロット13は、第2のストリップ12と第1のストリップ11との間の領域内に位置する。本出願の本実施形態では、2つの第1の摺動スロット13の構造は同じである。以下は、1つの第1の摺動スロット13を説明のための例として使用する。図2に示されているように、第1の摺動スロット13は、2つの部分、すなわち直線部分132および傾斜部分131を含む。第2のストリップ12に近接する第1の摺動スロット13の端部は、直線部分132であり、第1のストリップ11に近接する第1の摺動スロット13の端部は、傾斜部分131である。回路板10の第1の端部aおよび第2の端部bを参照として使用することによって、第1の端部aに近接する第1の摺動スロット13の側は、直線部分132であり、第2の端部bに近接する第1の摺動スロット13の側は、傾斜部分131である。第1の摺動スロット13の構造を説明することを容易にするために、回路板10の長辺縁部が画定されており、この長辺縁部は、第1の摺動スロット13に近接する長辺縁部である。さらに図2を参照すると、直線部分132および傾斜部分131は共に直線構造である。直線部分132は、回路板10の長辺縁部に対して平行であってもなくてもよく、傾斜部分131は、長辺縁部の方向に向かって曲げられている。図2に示されているように、傾斜部分131と直線部分132との間のきょう角は、鈍角である。たとえば、きょう角は、120°、150°、160°、または別の異なる角度である。直線部分132および傾斜部分131と協働する接続プレートが傾斜部分131から直線部分132に滑らかに摺動することができるように、円弧移行部が直線部分132と傾斜部分131との間の接合部において使用されてよい。接続プレートが回路板10と協働するとき、接続プレートは、第1の摺動スロット13内に摺動可能に組み立てられ、第1の方向および第2の方向に往復して摺動することができる。図2に示されているように、第1の方向および第2の方向は共に、回路板10の長さ方向に対して平行であり、第1の方向および第2の方向は、互いに反対である。
【0026】
本出願の本実施形態において提供される第1の摺動スロット13の構造は、図2に示されている方式に限定されないことを理解されたい。傾斜部分131は、代替として円弧構造を使用してよい。傾斜部分131が円弧構造であるとき、傾斜部分131の内側凹形側は、その板の長辺縁部に面するか、または逸れている。
【0027】
図2に示されている方式に加えて、第1の摺動スロット13の構造は、別の構造形態を含み得る。たとえば、第1の摺動スロット13は直線スロットであり、第1の摺動スロット13は、第1の摺動スロット13が長辺縁部に対して傾斜される方式で配置される。たとえば、第1の摺動スロット13の長さ方向は、回路板10の長さ方向に対して鋭角にある。代替として、第1の摺動スロット13は全体として円弧摺動スロットであってよく、第1の摺動スロット13の内側凹形表面または外側凸形表面が、回路板10の長辺縁部に面する。
【0028】
さらに図2を参照すると、2つの第2の摺動スロットが図2において例として使用される。しかし、第2の摺動スロットの数量は、本出願の本実施形態において限定されない。たとえば、1つの第2の摺動スロット、3つの第2の摺動スロット、または第2の摺動スロットの別の異なる数量が本出願に適用され得る。図2に示されている2つの第2の摺動スロット14aおよび14bは、説明のための例として使用されるにすぎない。これらの2つの第2の摺動スロット14aおよび14bは、回路板10の長さ方向に配置され、各第2の摺動スロットの長さ方向は、回路板10の長さ方向に従う。さらに図2を参照すると、第1のストリップ11の第1の接続端部および第2の接続端部111は曲げられており、第2の摺動スロット14aは、第1のストリップ11によって囲まれた領域内に配置される。第2のストリップ12の第1の接続端部は曲げられており、第2の摺動スロット14bは、第2のストリップ12によって囲まれた領域内に配置される。前述は第2の摺動スロット14aおよび14bの特定の例にすぎず、第2の摺動スロット14aおよび14bを配置するための特定の位置は、本出願において特に限定されないことを理解されたい。主誘電体スラブは、第2の摺動スロット14aおよび14b内に摺動可能に組み立てられ得、第1の方向および第2の方向に往復して摺動することができる。
【0029】
本出願の本実施形態において提供される回路板10は、プリント回路板または別の共通の回路板であり得ることを理解されたい。これは、本明細書において特に限定されない。プリント回路板が使用されるとき、第2のストリップ12および第1のストリップ11は、プリント回路板の金属層または金属ルートであり得る。
【0030】
たとえば、図3は、本出願の一実施形態による接続プレート20の特定の構造の概略図である。図3に示されているように、接続プレート20の2つの部分は、それぞれ回路接続プレート21およびロッキングプレート22である。回路接続プレート21は、第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続するように構成された接続回路211を備える。回路接続プレート21は、2つのロッキング穴212を備え、ロッキングプレート22は、2つのバックル221を備える。組み立て中、バックル221は、図3における破線の方向でロッキング穴212内に挿入され得る。回路接続プレート21は、ロッキングプレート22に固定接続され、接続プレート20を形成する。図1図2、および図3に示されている回路板10および接続プレート20の構造を参照すると、接続プレート20が組み立てられるとき、回路接続プレート21およびロッキングプレート22の長さ方向は、回路板10の長さ方向と同じである。回路接続プレート21およびロッキングプレート22は、回路板10の両面に配置される。ロッキングプレート22の2つのバックル221は、2つの第1の摺動スロット内に一対一対応で挿入される。ロッキング穴212内に留められるように構成された端部部分が回路板10から突出する。バックル221のバックリング端部は、回路接続プレート21のロッキング穴212内に留められる。接続プレート20は、回路板10と組み立てられる。回路接続プレート21の接続回路211は、第2のストリップ12および第1のストリップ11を備える回路板10の表面と合致する。接続プレート20は、バックル221を使用することによって第1の摺動スロット内で摺動することができ、接続プレート20と回路板10との間の摺動接続を実装する。
【0031】
図3に示されている回路接続プレート21とロッキングプレート22との間の協働は、特定の例にすぎず、回路接続プレート21は、別の接続方式でロッキングプレート22に接続されてよい。たとえば、バックル221は、回路接続プレート21上に配置され、ロッキング穴212は、ロッキングプレート22上に配置される。その原理は、前述の原理と同じである。代替として回路接続プレート21は、ボルトまたはねじを使用することによってロッキングプレート22に固定接続されてよい。
【0032】
たとえば、図4は、回路接続プレート21の特定の構造の概略図である。回路接続プレート21上の接続回路211は、第2の協働端部2111と、第1の協働端部2113と、第2の協働端部2111を第1の協働端部2113に接続する接続ライン2112とを含む。図4に示されているように、回路接続プレート21は、互いに反対である第1の端部部分213および第2の端部部分214と、第1の端部部分213と第2の端部部分214との間の当接側壁215とを有する。接続回路211は、回路接続プレート21の長さ方向に配置され、第2の協働端部2111は、第1の端部部分214に近接し、第1の協働端部2113は、第2の端部部分213に近接する。さらに図4を参照すると、第2の協働端部2111は、矩形の金属層もしくは金属板、または楕円、円、もしくは不規則な形状の金属層もしくは金属板である。第1の協働端部2113は、矩形の金属層または金属板であり、第1の協働端部2113の長さ方向は、回路接続プレート21の長さ方向と同じである。第1の協働端部2113の形状は、図4に示されている矩形の形状に限定されず、代替として楕円形状または特定の長さを有する別の形状であってよい。
【0033】
図5は、接続プレートが第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続することを示す。図6は、接続プレートが第2のストリップ12を第1のストリップ11から切り離すことを示す。最初に、図5を参照すると、接続プレートが第1の摺動スロットの傾斜部分から端部部分に摺動するとき、第1の協働端部2113は、第2のストリップ12の第2の接続端部121に電気接続され、第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111に電気接続され、接続プレートは、第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続する。図6に示されているように、接続プレートが直線部分内で第1の摺動スロットの端部部分に摺動するとき、第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111から切り離される。第1の協働端部2113は特定の長さを有するので、第1の協働端部2113は、依然として第2のストリップ12の第2の接続端部121に電気接続されており、接続プレートは、第2のストリップ12だけに接続され、第1のストリップ11から切り離される。
【0034】
本出願の本実施形態において提供される接続プレートは、図3および図4に示されている構造に限定されないことを理解されたい。接続プレートは、代替として回路接続プレート21だけを含んでよく、回路接続プレート21は、回路板上に摺動可能に組み立てられる。しかし、どの方式が使用されるにかかわらず、本出願の本実施形態において提供される接続プレートは、第1の端部部分213、第2の端部部分214、および当接側壁215などの構造を含む。第1の端部部分213、第2の端部部分214、および当接側壁215は、主誘電体スラブが前述の構造を使用することによって接続プレートを第1の方向および第2の方向に摺動するように押すように、主誘電体スラブと協働するように構成される。たとえば、主誘電体スラブが第1の方向に摺動するとき、主誘電体スラブは、第1の端部部分213に当接し得る。主誘電体スラブが第1の方向で第1の指定された位置に摺動するとき、接続プレートは、傾斜部分内に位置し、主誘電体スラブは、当接側壁215に当接する。主誘電体スラブが第2の方向に摺動するとき、主誘電体スラブは、第2の端部部分214に当接し得る。主誘電体スラブとの協働は、接続プレートの前述の構造を使用することによって実装される。以下は、図7を参照して主誘電体スラブの特定の構造を詳述する。
【0035】
たとえば、図7は、本出願の本実施形態において提供される主誘電体スラブの構造を示す。主誘電体スラブは、第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32を含む。第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32は、直方体構造である。第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32の長さ方向は、回路板の長さ方向と同じである。長さ方向における第1の主誘電体スラブ31の両端部部分は、それぞれロッキング穴311を備える。長さ方向における第2の主誘電体スラブ32の両端部部分は、それぞれ、ロッキング穴311と協働する2つのバックル321を備える。第1の主誘電体スラブ31の中央部分は、クランプ溝312を備え、第2の主誘電体スラブ32の中央部分は、それに対応してバックル322を備える。第2の主誘電体スラブ32に面する第1の主誘電体スラブ31の表面は、第1の駆動構造(図示せず)を備え、第1の主誘電体スラブ31に面する第2の主誘電体スラブ32の表面は、第2の駆動構造323を備える。第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32が回路板上に組み立てられるとき、図1図2、および図7に示されている回路板および主誘電体スラブを参照されたい。第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32は、回路板10の両側に配置される。第2の主誘電体スラブ32の2つのバックル321は、回路板10の2つの第2の摺動スロット14aおよび14b内に一対一対応で挿入される。ロッキング穴311と協働するためのバックル321のバックリング端部部分は、回路板10から突出する。第1の主誘電体スラブ31を覆い、留めるために、バックル321は、第1の主誘電体スラブ31のロッキング穴311内に留められ、その結果、第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32は、回路板10に接続される。さらに、第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32は、バックル321を使用することによって第2の摺動スロット14aおよび14b内で摺動し、第1の方向および第2の方向に往復移動する。第1の主誘電体スラブ31および第2の主誘電体スラブ32が回路板10上に組み立てられた後、接続プレート20は、第1の誘電体スラブ31および第2の誘電体スラブ32を使用することによって回路板10に押し付けられる。
【0036】
図7に示されている第1の主誘電体スラブ31と第2の主誘電体スラブ32との間の協働は、特定の例にすぎない。代替として、第1の主誘電体スラブ31は、別の接続方式で第2の主誘電体スラブ32に接続されてよい。たとえば、バックルが第1の主誘電体スラブ31上に配置され、ロッキング穴が第2の主誘電体スラブ32上に配置される。その原理は、前述の原理と同じである。代替として、第1の主誘電体スラブ31は、ボルトまたはねじを使用することによって第2の主誘電体スラブ32に固定接続されてよい。
【0037】
図8は、回路板に面する第1の主誘電体スラブ31の側の構造の概略図である。第2の主誘電体スラブ32に面する第1の主誘電体スラブ31の表面は、反対に配置された第1の押し部分3132および第2の押し部分3131を含む第1の駆動構造313を備える。第1の押し部分3132および第2の押し部分3131は、第1の主誘電体スラブ31の長さ方向に配置される。第1の主誘電体スラブ31が回路板上に組み立てられるとき、第1の押し部分3132は、回路板の第1の端部部分に近接し、第2の押し部分3131は、回路板の第2の端部部分に近接する。図4および図8を参照すると、回路接続プレート21の第1の端部部分213は、第1の斜面案内表面を有し、第1の押し部分3132は、第1の斜面案内表面と協働する第2の斜面案内表面を有する。回路接続プレート21が回避切欠き3134内に位置するとき、第1の斜面案内表面は、第2の斜面案内表面との当接接触に達する。さらに図8を参照すると、第2の押し部分3131の高さは、第1の押し部分3132の高さより大きく、第2の押し部分3131は、第1の主誘電体スラブ31から突出する。さらに図8を参照すると、第1の主誘電体スラブ31は、回路接続プレート21と協働するように構成された回避切欠き3134を備える。第1の押し部分3132および第2の押し部分3131は、配置中、回避切欠き3134の両側に配置される。第1の押し部分3132の一方の側は、回避切欠き3134を有し、その他方の側は、押し側壁3133を有する。押し側壁3133は、回路接続プレート21の当接側壁215と協働するように構成される。回路接続プレート21と第1の主誘電体スラブ31との間の協働を例示するのを容易にするために、以下は、図9から図13に示されている構造を例として使用することによって説明を提供する。たとえば、図9から図13は、第2のストリップ12を第1のストリップ11から切り離す過程を示す。
【0038】
最初に、図9を参照すると、第1の主誘電体スラブ31が位置Aに摺動するとき、第1の主誘電体スラブ31の押し側壁3133は、回路接続プレート21の当接側壁215との当接接触に達する。回路接続プレート21は、第1の摺動スロットの傾斜部分の端部部分に位置する。第1の協働端部2113は、第2のストリップ12の第2の接続端部121に電気接続される。第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111に電気接続される。回路接続プレート21は、第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続する。たとえば、図10は、対応するアンテナシステムにおけるビームの概略図である。図10から、ビーム調整アセンブリがアンテナシステムに適用されるとき、第1のストリップ11は、アンテナの給電ユニット100に接続されることがわかる。したがって、第1のストリップ11に接続された放射要素202は、給電ユニット100に直接接続され得る。第2のストリップ12は、接続プレート20を使用することによって第1のストリップ11に接続される。接続プレート20が第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続するとき、第2のストリップ12に接続された放射要素201は、給電ユニット100に接続される。アンテナシステム全体内で機能する放射要素は増大し、ビームは集中され、ビームカバレッジエリアは小さい。
【0039】
図11に示されているように、第1の主誘電体スラブ31が位置Bに摺動するとき、第1の主誘電体スラブ31の第2の押し部分3131は、回路接続プレート21の第2の端部部分との当接接触に達する。この場合、回路接続プレート21は、第1の主誘電体スラブ31の回避切欠きの上方に位置する。
【0040】
図12に示されているように、第1の主誘電体スラブ31は、第2の方向に押され続ける。第1の主誘電体スラブ31が位置Cに移動するとき、第2の押し部分3131は、第1の摺動スロットの傾斜部分と直線部分との間の接合部に摺動するように回路接続プレート21を押す。回路接続プレート21は、回避切欠き内に入る。第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111との接触から解放され始める。第1の協働端部2113は、依然として第2のストリップ12の第2の接続端部121に接続されている。
【0041】
図13に示されているように、第1の主誘電体スラブ31は、第2の方向に押され続ける。第1の主誘電体スラブ31が位置D(第2の指定された位置)に摺動するとき、第1の主誘電体スラブ31の第2の押し部分3131は、第1の摺動スロットの直線部分から、傾斜部分から離れた端部部分に摺動するように回路接続プレート21を押す。第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111から切り離され、第1の協働端部2113は、依然として第2のストリップ12の第2の接続端部121に接続されている。アンテナシステムにおける対応する効果が図14に示されている。第2のストリップ12が第1のストリップ11から切り離されるとき、第2のストリップ12に接続された放射要素201は、給電ユニット100から切り離される。第1のストリップ11に接続された放射要素202だけがアンテナシステムにおいて機能する。放射要素201および放射要素202が同時に機能する場合に比べて、機能する放射要素は削減され、ビームは比較的散乱され、ビームカバレッジエリアは比較的大きい。
【0042】
第2のストリップ12が第1のストリップ11と協働するとき、それは前述の移動の逆の移動に等しい。具体的には、第1の主誘電体スラブ31は、位置Dから位置Aに移動する(第1の方向に摺動する)。摺動過程では、第1の押し部分3132は、回路接続プレート21の第1の端部部分213と協働し、第1の摺動スロット内の直線部分から傾斜部分の端部部分に摺動するように回路接続プレート21を押す。このようにして、第2の協働端部2111は、第1のストリップ11の第2の接続端部111に電気接続される。第1の方向での摺動中、第1の主誘電体スラブ31が図12に示されている位置Cに摺動するとき、第1の押し部分3132は、第1の端部部分213との当接接触に達し、接続プレートを押すことを理解されたい。回路接続プレート21の第1の端部部分213は第1の斜面案内表面を有し、対応する第1の押し部分3132も第2の斜面案内表面を有するので、第1の主誘電体スラブ31が摺動し続けるとき、第1の押し部分3132は、第1の端部部分213との当接接触から解放され始める。回路接続プレート21は、第1の摺動スロットの傾斜部分に摺動し、回路接続プレート21は、回避切欠きから出て摺動し始める。第1の主誘電体スラブ31が第1の方向で位置Bに摺動するとき、回路接続プレート21は、第1の摺動スロットの傾斜部分の端部部分に摺動する。第1の主誘電体スラブ31が摺動し続けるとき、第1の主誘電体スラブ31の押し側壁3133は、当接側壁215との当接接触に達し、接続プレートにロックされる。図9に示されているように、回路接続プレート21が第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続するとき、回路接続プレート21は、回避切欠きの外側に位置し、押し側壁3133と当接側壁215との間の当接接触を通じてこの位置にロックされる。回路接続プレート21が図9に示されている位置に位置するとき、第1の主誘電体スラブ31は、依然として引き続き第1の方向に摺動し得、移相効果を実装する。
【0043】
前述の説明から、本出願の本実施形態において提供されるビーム調整アセンブリでは、移相器の主誘電体スラブは、接続プレートと協働し、その結果、主誘電体スラブおよび接続プレートは、リンクされた構成部品になり、主誘電体スラブを摺動するように駆動するための移相器における駆動装置が電力出力装置として使用されることがわかる。このようにして、移相およびビーム調整が共に一体化される。主誘電体スラブおよび接続プレートの摺動は、1つの駆動装置(移相器における主誘電体スラブの駆動装置)を使用することによって実装され、移相およびビーム調整は、移相器に一体化され、追加のビーム調整アセンブリは必要とされない。さらに、本出願の本実施形態におけるビーム調整中、接続プレートと回路板との間の摩擦だけが克服されることを必要とし、抵抗は低い。ビーム調整アセンブリは、単一のモータが複数の移相器を同時に駆動するシナリオに適用可能であり、疲労抵抗および良好な安定性を特徴とし、駆動のための追加の伝動を必要とせず、コストが低い。
【0044】
本出願の一実施形態は、アンテナシステムを提供する。図10および図14に示されているように、アンテナシステムは、給電ユニット100と、アレイで配置された複数の放射要素201および202と、前述の実施形態のいずれか1つによるビーム調整アセンブリとを含む。第1のストリップ11は、給電ユニット100に直接接続される。さらに、第1のストリップ11は、複数の放射要素202に接続され、第2のストリップ12は、複数の放射要素201に接続される。接続プレート20が第2のストリップ12を第1のストリップ11に接続するとき、第2のストリップ12に接続された放射要素201は、給電ユニット100に接続される。接続プレートが第2のストリップ12を第1のストリップ11から切り離すとき、第2のストリップ12に接続された放射要素201は、給電ユニット100から切り離される。本出願の本実施形態において提供されるビーム調整アセンブリでは、移相器における主誘電体スラブの摺動が、接続プレートの駆動機構として使用される。主誘電体スラブは、アンテナシステムにおける放射要素の機能を制御し、さらにビーム調整を実装するために、第1のストリップ11と第2のストリップ12との間の接続および切り離しを制御するように接続プレートを駆動することができる。本出願では、接続プレートは、移相器内で一体化される。接続プレートは、比較的小さい空間を占有し、操作するのが容易であり、制御されるとき比較的小さい抵抗に遭遇するだけである。
【0045】
前述の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されていない。本出願に開示されている技術範囲内で当業者には容易にわかる変形または置換は、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲の対象となるものとする。
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14