(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】情報表示装置及び情報表示方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/2869 20220101AFI20240308BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240308BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H04L67/2869
A61B5/16 120
A61B5/00 G
(21)【出願番号】P 2022556355
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(86)【国際出願番号】 JP2020039934
(87)【国際公開番号】W WO2022085186
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿庭 耕治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 保
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-094848(JP,A)
【文献】特開2019-185768(JP,A)
【文献】特開2019-164591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/2869
A61B 5/16
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続する通信器と、ディスプレイと、前記通信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置であって、
前記プロセッサは、
前記通信ネットワークを介して前記通信器が受信し前記ディスプレイに表示される表示情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を、前記表示情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出し、
前記情報表示装置を操作するユーザが前記表示情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を、前記ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出し、
前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出し、
前記ディスプレイに前記ユーザ個別フェイク度を表示する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記プロセッサは、前記指標としての前記ユーザの騙され易さを含む性格情報に基づいて前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記プロセッサは、前記指標としての前記ユーザの身体情報に基づいて前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報表示装置において、
外部身体計測機器に無線通信接続する近距離無線通信器を更に備え、
前記プロセッサは、
前記近距離無線通信器に接続され、
前記外部身体計測機器が計測した前記ユーザの身体情報に基づいて前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報表示装置において、
前記外部身体計測機器が過去に計測した前記ユーザの身体情報を記憶するストレージを更に備え、
前記プロセッサは、
前記ストレージに接続され、
前記外部身体計測機器が過去に計測した前記ユーザの身体情報の平均値と、前記外部身体計測機器が現在計測した前記ユーザの身体情報との比較結果に基づいて、前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報表示装置において、
前記プロセッサは、
前記外部身体計測機器が計測した前記ユーザの身体情報と前記ユーザの騙され易さを含む性格情報との両方に基づいて前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項3に記載の情報表示装置において、
前記プロセッサは、
前記ユーザの身体情報として、前記ユーザの血圧、体温、呼吸数、心拍数、発汗量の少なくとも一つ又は任意の組み合わせを用いて前記ユーザの興奮状態を推定し、推定した結果に基づいて前記ユーザ個別フェイク度係数を算出する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記プロセッサは、
前記ディスプレイの同一の画面に、前記表示情報と前記ユーザ個別フェイク度とを表示する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記プロセッサは、前記表示情報に由来する信憑性に関する特性として、前記表示情報が公開されたサイトの種類、前記表示情報の筆者、前記表示情報の公開者を示す情報、前記表示情報の信憑性を評価され付与された評価情報、前記表示情報が公衆回線を介して拡散された時期、前記表示情報が公衆回線を介して拡散された速度、前記表示情報に含まれる文章表現、の少なくとも一つ又は任意の組み合わせを用いる、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項10】
通信ネットワークに接続する通信器と、ディスプレイと、前記通信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置であって、
前記プロセッサは、
前記通信ネットワークを介して前記通信器が受信し前記ディスプレイに表示される表示情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を取得し、
前記情報表示装置を操作するユーザが前記表示情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を、前記ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出し、
前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出し、
前記ディスプレイに前記ユーザ個別フェイク度を表示する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項11】
音声情報を含む放送信号を受信する放送受信器と、ディスプレイと、前記放送受信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置であって、
前記プロセッサは、
前記放送受信器が受信した前記放送信号に含まれる音声情報を文字情報に変換し、
前記文字情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を、前記音声情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出し、
前記情報表示装置を操作するユーザが前記文字情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を算出し、
前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出し、
前記ディスプレイに前記ユーザ個別フェイク度を表示する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項12】
請求項11に記載の情報表示装置であって、
前記プロセッサは、前記音声情報に由来する信憑性に関する特性として、前記音声情報を放送した放送局、前記音声情報の信憑性を評価され付与された評価情報、前記音声情報が公衆回線を介して拡散された時期、前記音声情報が公衆回線を介して拡散された速度、前記音声情報に含まれる文章表現、の少なくとも一つ又は任意の組み合わせを用いる、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項13】
通信ネットワークに接続する通信器と、ディスプレイと、前記通信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置で実行される情報表示方法あって、
前記プロセッサが、
前記通信ネットワークを介して前記通信器が受信し前記ディスプレイに表示される表示情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を、前記表示情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出するステップと、
前記情報表示装置を操作するユーザが前記表示情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を、前記ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出するステップと、
前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出するステップと、
前記ディスプレイに前記ユーザ個別フェイク度を表示するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする情報表示方法。
【請求項14】
音声情報を含む放送信号を受信する放送受信器と、ディスプレイと、前記放送受信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置で実行される情報表示方法であって、
前記プロセッサが、
前記放送受信器が受信した前記放送信号に含まれる音声情報を文字情報に変換するステップと、
前記文字情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を、前記音声情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出するステップと、
前記情報表示装置を操作するユーザが前記文字情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を、前記ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出するステップと、
前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出するステップと、
前記ディスプレイに前記ユーザ個別フェイク度を表示するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置及び情報表示方法に関し、特にユーザに対して情報の信憑性を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンに代表される携帯用情報端末(情報表示装置)が一般化している。スマートフォンでは、電話回線やLAN(Local Area Network)を介して、インターネットに接続し、外部のサーバから種々の情報を入手することができる。また、個人情報端末であるスマートフォンでは、アプリケーションソフトウェアや、各種センサ等により、スマートフォンを操作するユーザ個人に関する情報を取得することが可能となっている。
【0003】
インターネットを介して取得できるニュースの信憑性を特定するシステムとして、特許文献1は、「受信されたニュースコンテンツは評価され、関連メディア発信源、関連ジャーナリスト、及び少なくとも1つの関連所定トピックが識別され得る。関連メディア発信源、関連ジャーナリスト、及び少なくとも1つの関連所定トピックのそれぞれの現行スコアは、記憶されている情報に基づいて特定され得る。関連メディア発信源、関連ジャーナリスト、及び少なくとも1つの関連所定トピックの特定された現行スコアに基づいて、信憑性スコアが採点され得る。受信されたニュースコンテンツに対応付けられた表示は、生成された信憑性スコアに基づいて修正され得る。(要約抜粋)」システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インターネットを介して取得する情報は、ニュースコンテンツに限らず、SNSを介して個人発信のコンテンツもある。それらを含めたインターネットを介して取得する情報についての信憑性が不確かであることもあり得るので、取得した情報に接した読者が騙されるリスクがある。更に、善意の受信者が、SNSを通じて信憑性が低い情報を拡散してしまうリスクもあり得る。
【0006】
一方、同一の情報に接した場合に騙される読者とそうではない読者とがいるように、あるコンテンツにより読者が騙されるか否かは、コンテンツそのものの信憑性だけではなく、読者がコンテンツの信憑性に対してどの程度注意を向けられるかによっても異なる。
【0007】
特許文献1では、ニュースコンテンツそのものの信憑性を特定することはできるが、そのニュースコンテンツに接した個々の読者がニュースコンテンツを信じ込んでしまうリスクの程度については配慮がされていない。更に、特許文献1では、発信源のメディアやジャーナリストが特定できるニュースコンテンツの信憑性は特定できるものの、例えばSNSを介したコンテンツのように、一般の個人や匿名で発信される情報の信憑性は特定できないという課題が残る。
【0008】
そこで本発明は、ニュースコンテンツに限らず、インターネットや放送網などの公衆回線を介して取得した情報(この取得する情報は、情報表示装置の表示画面に表示されるので、以下「表示情報」と称する。)の信憑性に関する情報を読者の状態を加味して提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は請求の範囲に記載の構成を備える。その一例をあげるならば、本発明は、通信ネットワークに接続する通信器と、ディスプレイと、前記通信器及び前記ディスプレイのそれぞれに接続されたプロセッサと、を備える情報表示装置であって、前記プロセッサは、前記通信ネットワークを介して前記通信器が受信し前記ディスプレイに表示される表示情報の信憑性の程度を示す情報フェイク度を前記表示情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出し、前記情報表示装置を操作するユーザが前記表示情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数を、前記ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出し、前記ユーザ個別フェイク度係数を用いて前記情報フェイク度を補正してユーザ個別フェイク度を算出し、前記ディスプレイにユーザ個別フェイク度を表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ニュースコンテンツに限らず、インターネットや放送網などの公衆回線を介して取得する情報の信憑性に関する情報を読者の状態を加味して提供することができる。なお、上記した以外の本発明の目的、構成、効果については以下の実施形態において明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報表示装置の概要を説明するための模式図。
【
図2】スマートフォンの内部構成の一例を示すハードウェア構成図。
【
図3】第1実施形態における機能ブロック構成例を示す機能ブロック図。
【
図4】第1実施形態におけるフェイク度表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図5】第1実施形態における表示情報の表示例を示す図。
【
図6】第1実施形態におけるユーザ個別フェイク度算出中表示処理による表示例を示す図。
【
図7】第1実施形態における情報フェイク度算出処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図8】第1実施形態における性格情報取得処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図9】第1実施形態におけるユーザ個別フェイク度係数テーブル。
【
図10】第1実施形態におけるユーザ個別フェイク度表示処理による表示例を示す図。
【
図11】第2実施形態の概要を説明するための模式図。
【
図12】第2実施形態における機能ブロック構成例を示す機能ブロック図。
【
図13】第2実施形態におけるフェイク度表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図14】第2実施形態における身体情報取得処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図15】第2実施形態におけるユーザ個別フェイク度係数テーブル。
【
図16】第3実施形態における機能ブロック構成例を示す機能ブロック図。
【
図17】第3実施形態におけるフェイク度表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【
図18】第3実施形態におけるユーザ個別フェイク度係数テーブル。
【
図19】第4実施形態の概要を説明するための模式図。
【
図20】第4実施形態における機能ブロック構成例を示す機能ブロック図。
【
図21】第4実施形態におけるフェイク度表示処理の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して説明する。全図を通じて同一の図面には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る情報表示装置の概要を説明するための模式図である。
【0014】
図1は、情報表示装置としてのスマートフォン1を操作するユーザ10が、インターネット612を介して、WEB(World Wide Webを意味する。)ページ613からの表示情報や、SNS(Social Netwarking Service)614からの表示情報等を取得し、スマートフォン1の表示画面711に表示している状態を示している。本実施形態では、情報表示装置としてスマートフォン1を例に挙げて説明するが、インターネット612やSNS613から表示情報を受信して表示する機能を有する装置であれば、タブレットなどの携帯情報端末や、PCなどの情報処理装置でもよい。
【0015】
スマートフォン1がインターネット612に接続する手法には、携帯電話回線網である携帯電話基地局621を介して行う手法と、無線LANルータ(Wi-Fi(登録商標)ルータ)611を介して行う手法等があるが、何れにしても、インターネット612に接続するという意味で、本実施形態の背景としては同一である。
【0016】
なお、インターネット612には、フェイク関連情報を発信する外部サーバ615が接続されている。そしてスマートフォン1は、外部サーバ615から、本実施形態を実施する上で必要なフェイク関連情報を取得できる構成となっている。この外部サーバ615は、フェイク情報発信の管理サイトとつながるものであっても良いし、フェイク関連情報を発信する独立したサーバであっても良い。
【0017】
スマートフォン1を操作するユーザ10が、インターネット612を介して取得している表示情報(WEBページ613からの表示情報や、SNS614からの表示情報等)の中には、信憑性が疑わしい表示情報が混在している可能性がある。(
図1では、「フェイク情報?」と記載している。)
【0018】
本実施形態では、信憑性の確度を「フェイク度」と称している。フェイク度は、信憑性の確度(0%~100%)の反対を意味し、信憑性の確度100%がフェイク度0%、信憑性の確度0%がフェイク度100%に対応する。すなわち、フェイク度(%)は、100%から信憑性の確度(%)を減じた値となっている。
【0019】
本実施形態では、スマートフォン1はフェイク関連情報を発信する外部サーバ615からフェイク関連情報を入手し、スマートフォン1の内部処理によりフェイク度を算出している。勿論、表示情報自体に、その表示情報に関するフェイク関連情報が付随している場合は、そのまま利用している。
【0020】
インターネット612やSNS613から得た表示情報にユーザ10が接した場合に、同一の表示情報であっても、ユーザ10の個人に関する性格や知識によって、騙され易さが異なる。すなわち、表示情報のフェイク度の捉え方がユーザによって異なるので、同一の表示情報に接しても、それにより騙されるユーザと騙されないユーザとが存在する。
【0021】
そこで、本実施形態では、スマートフォン1を操作するユーザ10が表示情報の信憑性の真偽を判断できる程度を示すユーザ個別フェイク度係数をユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標に基づいて算出し、これを用いて表示情報に固有なフェイク度(情報フェイク度)を補正して、ユーザ関する性格情報(騙され易さ)を加味したフェイク度の最適化を行う。最適化されたフェイク度が本明細書におけるユーザ個別フェイク度に相当し、表示されるフェイク度である。
【0022】
情報フェイク度は、表示情報に由来する信憑性に関する特性を用いて算出する。「表示情報に由来する信憑性に関する特性」の具体例として、表示情報が公開されたサイトの種類、表示情報の筆者、表示情報の公開者を示す情報、表示情報の公開者が表示情報の信憑性を評価され付与された評価情報、表示情報が公衆回線網を介して拡散された時期、表示情報が公衆回線網を介して拡散された速度、表示情報に含まれる文章表現の少なくとも一つ又は任意の組み合わせを用いてよい。情報フェイク度は、表示情報に由来する信憑性に関する特性に基づいてスマートフォン1が算出する場合と、既に算出された情報フェイク度をスマートフォン1が取得(受信は取得の一態様である)する場合とがある。取得する場合は、後述する説明において、情報フェイク度算出処理を省略し、表示情報を受信する際に同時に、又は異なるタイミングで表示情報の情報フェイク度を取得すればよい。
【0023】
ユーザ個別フェイク度係数の算出に用いる「ユーザに由来する信憑性の判断傾向を表す指標」とは、ユーザの騙され易さに応じて変化する値である。ユーザの性格が慎重である場合は、そうでない場合に比べて騙され易いと考えられる。また、同じユーザであっても、例えば興奮していたり焦っていたり、緊急事象に面していて気が動転しているときはより騙され易くなると考えられる。そこで、予めユーザに騙されやすさについての診断を行い、その診断結果を指標として用いてもよい。また、興奮や焦っている場合には、血圧の上昇、心拍数の増加、呼吸数の増加、体温上昇といった身体状態の変化が現れやすいので、身体情報を指標として用いてもよい。なお、この身体情報を指標として用いる場合の実施形態は、後述の<第2実施形態>にてより詳細に説明する。
【0024】
図1では、表示画面711のフェイク度領域713に、前記決定したフェイク度を棒グラフで表示している。なお、フェイク度の表示形態については、後述する。
【0025】
図2は、スマートフォン1の内部構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0026】
スマートフォン1は、メインプロセッサ2、ストレージ4、GPS受信器51、地磁気センサ群52、加速度センサ群53、ジャイロセンサ群54、LAN通信器61、電話網通信器62、近距離無線通信器63、放送受信器64、ディスプレイ71、インカメラ72、アウトカメラ73、マイク81、スピーカ82、タッチセンサ91、及び操作キー92を含み、各構成要素がそれぞれシステムバス3を介して互いに通信接続されて構成される。
【0027】
メインプロセッサ2は、所定の動作プログラムに従ってスマートフォン1全体を制御するマイクロプロセッサユニットである。
【0028】
システムバス3は、メインプロセッサ2とスマートフォン1内の各構成ブロックとの間で各種コマンドやデータなどの送受信を行うためのデータ通信路である。
【0029】
ストレージ4は、スマートフォン1の動作を制御するためのプログラムなどを記憶するROM41、動作設定値や各センサからの検出値やコンテンツを含むオブジェクトやライブラリからダウンロードしたライブラリ情報などの各種データを記憶する不揮発性メモリ42、各種プログラム動作で使用するワークエリアなどの書き替え可能なRAM43を含む。
【0030】
また、ストレージ4は、ネットワーク上からダウンロードした動作プログラムや動作プログラムで作成した各種データ等を記憶可能である。また、ネットワーク上からダウンロードした動画や静止画や音声等のコンテンツを記憶可能である。また、インカメラ72やアウトカメラ73による撮影機能を使用して撮影した動画や静止画等のデータを記憶可能である。更に、ストレージ4は、スマートフォン1に外部から電源が供給されていない状態であっても記憶している情報を保持する必要がある。従って、例えば、フラッシュROMやSSD(Solid State Drive)などの半導体素子メモリ、HDD(Hard Disc Drive)などの磁気ディスクドライブ、等のデバイスが用いられる。なお、ストレージ4に記憶された各動作プログラムは、外部サーバ615からのダウンロードにより更新及び機能拡張することが可能である。
【0031】
スマートフォン1は、GPS(Global Positioning System)受信器51、地磁気センサ群52、加速度センサ群53、ジャイロセンサ群54を備える。これらのセンサにより、スマートフォン1の位置、傾き、方角、動き、等を検出することが可能となる。また、スマートフォン1が、照度センサ、高度センサ、近接センサ等、他のセンサを更に備えていても良い。
【0032】
LAN通信器61は、アクセスポイント等を介してインターネット612と接続され、インターネット612上の外部サーバ615とデータの送受信を行う。アクセスポイント等との接続は、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信接続で行われて良い。(本実施形態では無線LANルータ611を想定している。)
【0033】
電話網通信器62は、移動体電話通信網の携帯電話基地局621等との無線通信により、電話通信(通話)及びデータの送受信を行う。携帯電話基地局621等との通信はW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)(登録商標)方式やGSM(Global System for Mobile communications)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、或いはその他の通信方式によって行われて良い。
【0034】
近距離無線通信器63は、Bluetooth(登録商標)通信や、NFC規格通信などにより、外部のBluetooth(登録商標)機器や、外部のNFC対応機器に対して、情報のやり取りを行う。
【0035】
放送受信器64では、TV放送やラジオ放送等の放送信号を受信する。
【0036】
LAN通信器61、電話網通信器62、近距離無線通信器63、放送受信器64は、それぞれ符号化回路や復号回路やアンテナ等を備える。また、上記通信器の他、更に赤外線通信器など、他の通信器を備えていても良い。
【0037】
ディスプレイ71は、例えばバックライト型液晶ディスプレイや、自己発光型である有機ELディスプレイなどの表示デバイスであり、インターネット612を介して入手した画像データや映像データ、ニュースコンテンツや文字情報といった表示情報、あるいはインカメラ72やアウトカメラ73で撮影した画像情報や映像情報等を表示し、ユーザ10に提供する。
【0038】
インカメラ72は、スマートフォン1におけるディスプレイ71が備えられた面と同一の表面に設けられる。そしてユーザ10を特定するためにユーザ10の顔画像を撮像する際に用いられる。
【0039】
アウトカメラ73は、スマートフォン1における裏面に設けられる。そして風景等を撮像する際に用いられる。
【0040】
インカメラ72、アウトカメラ73のそれぞれは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の電子デバイスを用いてレンズから入力した光を電気信号に変換することにより、周囲や対象物の画像情報を入力するカメラである。
【0041】
マイク81は、実空間の音やユーザの音声などを音声情報に変換して入力する。
【0042】
スピーカ82は、ユーザに必要な音声情報等を出力する。勿論、イヤホンや、ヘッドホンも接続可能であり、用途により使い分けることができることは言うまでない。
【0043】
タッチセンサ91は、ディスプレイ71の表示画面711上に積層して配置される。
【0044】
操作キー92は、ボタンスイッチ等を並べて構成される。
【0045】
タッチセンサ91及び操作キー92は、スマートフォン1に対する操作指示の入力を行う操作入力装置の一例であり、その他の操作入力装置でも良い。また、LAN通信器61や近距離無線通信器63を利用し、有線通信又は無線通信により接続された別体の携帯端末機器を用いてスマートフォン1の操作を行っても良い。
【0046】
また、インカメラ72の撮影映像を解析し、ジェスチャなどの動作で、スマートフォン1の操作を行なっても良い。
【0047】
なお、
図2に示したスマートフォン1のハードウェア構成例は、本実施形態に必須ではない構成も多数含んでいるが、これらが備えられていない構成であっても本実施形態の効果を損なうことはない。また、電子マネー決済機能等、図示していない構成が更に加えられていても良い。
【0048】
(本実施形態の機能ブロック)
図3は、第1実施形態における機能ブロック構成例を示す機能ブロック図である。
【0049】
制御部11は、スマートフォン1の全体を制御する機能であり、主に、メインプロセッサ2がストレージ4のROM41に格納されたプログラムを読み出してRAM43にロードすることにより構成される。
【0050】
通信処理部12は、LAN通信器61や、電話網通信器62により、インターネット612に接続するための通信処理を行う機能である。
【0051】
表示情報取得部13は、通信処理部12により、インターネット612を介して、WEBページ613からの表示情報や、SNS614からの表示情報等を取得する機能である。
【0052】
表示情報保存部14は、表示情報取得部13で得られた表示情報を、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する機能である。
【0053】
フェイク関連情報取得部15は、通信処理部12により、フェイク関連情報を発信する外部サーバ615から、フェイクに関連する情報を取得する機能である。外部サーバ615は、WEBページ613やSNSからの表示情報についての検証(ファクトチェック)を行い、検証結果を含むフェイク関連情報を発信する。外部サーバ615として、例えば、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)のメディアパートナー等を利用することもできる。
【0054】
情報フェイク度算出部16は、フェイク関連情報取得部15により取得したフェイク関連情報を、AI(人工知能:Arificial Intelligence)処理により推論させ、推論した表示情報に対するフェイク度を、算出する機能である。AI処理では、データの規則性やルール等を学習し推論を導き出すことなどの、処理を行っている。フェイク度はAI処理により、フェイクに関連する情報や、過去の表示情報とその信憑性の確度等から算出している。
【0055】
また情報フェイク度算出部16は、フェイク関連情報取得部15で、フェイク情報が取得できなかった場合は、過去のフェイク情報を活用し、AI処理によりフェイク度を推論している。情報フェイク度算出部16は、AI処理を用いず、従来のルールベースの算出処理でフェイク度を算出してもよい。
【0056】
情報フェイク度データ保存部17は、情報フェイク度算出部16で得られた表示情報に対するフェイク度(表示情報に関するフェイク度であるので、以下「情報フェイク度」と称する。)を、該当する表示情報と共に、ストレージ4の不揮発性メモリ42又はRAM43に保存する機能である。
【0057】
性格情報取得部18は、スマートフォン1を操作するユーザ10の性格に関する情報(騙され易さ)を、取得する機能である。性格情報取得部18は、スマートフォン1を操作するユーザ10に対して種々の質問を提示し、その質問に対する回答により、ユーザ10の騙され易さを含む性格判断を行う。性格情報取得部18は、性格判断を行った結果を、例えば騙されやすさを示すスコアに変換して性格情報を生成する。
【0058】
性格情報保存部19は、性格情報取得部18により取得したユーザ10の性格に関する情報(騙され易さ)を、ユーザ10を固有に示す情報(ユーザ識別情報)と関連付けて、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する機能である。ユーザ識別情報は、インカメラ72で撮像したユーザ10の顔画像や、虹彩情報、また不図示の指紋センサから読み取った指紋情報、マイク81から集音したユーザ10の声紋情報、などの身体特徴情報でもよいし、単純にユーザ10の名前でもよい。
【0059】
ユーザ個別フェイク度係数算出部20は、性格情報保存部19により保存された性格情報を判別し、情報フェイク度算出部16で得られた情報フェイク度に対する係数(重みづけ)を算出する処理である。このユーザ個別フェイク度係数算出部20により、表示すべきフェイク度が決定される。情報フェイク度に対する係数(重みづけ)については、後述する。
【0060】
表示データ出力部21は、表示情報保存部14によりストレージ4の不揮発性メモリ42に保存されている表示情報や、ユーザの性格情報を加味したフェイク度(ユーザ個別の情報であるので、以下「ユーザ個別フェイク度」と称する。)等を、スマートフォン1の表示画面711に表示する機能である。スマートフォン1の表示画面711に表示する、最終的なユーザ個別フェイク度については、後述する。
【0061】
(フェイク度表示の処理手順)
図4は、本実施形態におけるフェイク度表示処理(情報表示方法に相当する)の処理手順を示すフローチャートである。
図4の処理手順の説明には、
図3の機能ブロック図を参照して説明する。
【0062】
メインプロセッサ2がフェイク度表示の処理を開始(S411)すると、表示情報取得部13により、スマートフォン1に表示する表示情報を取得する(S412)。
【0063】
次に、メインプロセッサ2は、表示情報取得処理(S412)で取得した表示情報を、表示情報保存部14により、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する(S413)。
【0064】
次に、メインプロセッサ2は、表示情報保存処理(S413)で保存した表示情報を、表示データ出力部21により、スマートフォン1の表示画面711に出力し(S414)、表示する。この表示情報画面出力処理(S414)による表示情報の表示は、一般的なスマートフォン1における表示情報そのものである。
【0065】
図5に、表示情報画面出力処理(S414)による表示情報の表示例を示す。
【0066】
図5では、スマートフォン1の表示画面711に、インターネット612を介して取得したWEBページの表示情報を、表示情報領域712に表示している。なお、
図5の表示情報領域712に表示する表示情報は、通常、スマートフォン1を操作するユーザ10が取得する表示情報そのものである。
【0067】
ここで、
図4のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0068】
表示情報画面出力処理(S414)の次に、メインプロセッサ2は、表示情報に関する情報フェイク度が算出中であることを明示する処理(ユーザ個別フェイク度算出中表示処理)を行う(S415)。
【0069】
図6に、ユーザ個別フェイク度算出中表示処理(S415)による表示例を示す。
【0070】
図6では、表示画面711のフェイク度領域713に、フェイク度算出中であることを示すテキスト文(文字列「フェイク度算出中」)を表示している。
【0071】
スマートフォン1を操作するユーザ10は、このフェイク度領域713に表示するテキスト文により、表示情報に関する情報フェイク度が、算出中であることを知ることができる。なお、本実施形態では、コンテンツに固有なフェイク度である情報フェイク度と、その情報に接した時のユーザ毎に応じたフェイク度であるユーザ個別フェイク度とがあるが、
図6に示すように、画面表示例ではそれらを区別せずに単に「フェイク度」と記載してもよい。
【0072】
ここで、
図4のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0073】
ユーザ個別フェイク度算出中表示処理(S415)の次に、メインプロセッサ2は、定義済み処理(サブルーチン)である情報フェイク度算出処理(S430)を行う。
【0074】
サブルーチンである情報フェイク度算出処理(S430)は、表示情報に関する情報フェイク度を算出する処理であり、表示情報に関する情報フェイク度が得られる。
【0075】
ここで、サブルーチンである情報フェイク度算出処理(S430)について、説明する。
図7は、サブルーチンである情報フェイク度算出処理(S430)の処理手順を示すフローチャートである。
図7の処理手順の説明には、
図3の機能ブロック図を参照して説明する。
【0076】
メインプロセッサ2は、情報フェイク度算出処理(S430)を開始(S431)すると、表示情報保存部14により保存されている表示情報を読み出してRAM43にロードする(S432)。勿論、再度、表示情報取得部13により、表示すべき表示情報を取得することもできる。
【0077】
次に、メインプロセッサ2は、通信処理部12により、フェイク関連情報を発信する外部サーバ615に対して、フェイク関連情報を要求する(S433)。
【0078】
次に、メインプロセッサ2は、フェイク関連情報を発信する外部サーバ615からのフェイク関連情報が、受信されたかどうかの判断を行う(S434)。
【0079】
メインプロセッサ2は、フェイク関連情報受信判断処理(S434)で、フェイク関連情報が受信できなかったと判断した場合は(S434/No)、所定時間経過したかどうかを判断する(S435)。ここでの「所定時間」とは、フェイク関連情報の受信を待機するために設けられた時間である。
【0080】
メインプロセッサ2は、所定時間経過判断処理(S435)で、所定時間経過していないと判断した場合は(S435/No)、フェイク関連情報受信判断処理(S434)に戻る。この所定時間経過判断処理(S435)により、情報フェイク度算出処理(S430)が、デッドロックに陥ることを防止することができる。
【0081】
一方、メインプロセッサ2は、所定時間経過判断処理(S435)で、所定時間以上経過したと判断した場合は(S435/Yes)、情報フェイク度算出処理(S436)に移行する。
【0082】
メインプロセッサ2は、フェイク関連情報受信判断処理(S434)で、フェイク関連情報が受信できたと判断した場合(S434/Yes)、又はS435で所定時間以上となった場合(S435/Yes)、情報フェイク度算出処理(S436)に移行する。
【0083】
S436の情報フェイク度算出処理では、メインプロセッサ2は、AI処理又は従来のルールベースによる演算処理により、情報フェイク度を算出する(S436)。
【0084】
メインプロセッサ2は、情報フェイク度算出処理(S436)において、フェイク関連情報取得部15により取得した、外部サーバ615からのフェイク関連情報や、過去の表示情報や、その表示情報に関する付帯情報(過去のフェイク度等)等を総合的に判断して、情報フェイク度を推論・算出する。
【0085】
また、表示情報そのものに、フェイク度に関する情報が附帯されている場合がある。例えば、Twitter社(米国)のSNS(ツイート)では、ツイートのコンテンツにラベル付けを行い、ツイートに誤解を招く情報や真偽が問われている情報が含まれていることを知らしめている。情報フェイク度算出処理(S436)では、このラベル付けが行われたSNS(ツイート)は、情報フェイクが高いと推論する。
【0086】
なお、所定時間経過判断処理(S435)で、所定時間経過したと判断されて、S436に処理(情報フェイク度算出処理)に移行した場合は、メインプロセッサ2は、過去のフェイク情報を活用し、情報フェイク度を推論・算出する。過去のフェイク情報が無かった場合は、メインプロセッサ2は、所定のフェイク度を設定してもよい。ここで設定する所定のフェイク度について特に規定していないが、フェイク関連情報が取得できていないので、中くらいのフェイク度(フェイク度50%)とすることもできる。
【0087】
次に、メインプロセッサ2は、情報フェイク度算出処理(S436)により得られた情報フェイク度、もしくは情報フェイク度設定処理(S436)により設定された情報フェイク度を、情報フェイク度データ保存部17により、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する(S437)。
【0088】
以上で、情報フェイク度算出処理(S430)の処理手順を終了する(S438)。
【0089】
ここで、
図4のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0090】
情報フェイク度算出処理(S430)の次に、定義済み処理(サブルーチン)である性格情報取得処理(S450)に移行する。性格情報取得処理(S450)は、スマートフォン1を操作するユーザ10個人に係わる性格等の個人情報を取得する処理である。ここで、サブルーチンである性格情報取得処理(S450)について説明する。
【0091】
図8は、性格情報取得処理(S450)の処理手順を示すフローチャートである。
図8の処理手順の説明には、
図3の機能ブロック図を参照して説明する。
図8における性格情報は、騙され易さに関するユーザの性格を対象としている。
【0092】
メインプロセッサ2は、性格情報取得処理(S450)を開始(S451)すると、性格情報保存部19により、ユーザの性格情報が保存されているかどうかを判断する(S452)。
【0093】
メインプロセッサ2は、性格情報保存済判断処理(S452)で、ユーザの性格情報が、既に保存されていると判断した場合は(S452/Yes)、ユーザの性格情報が得られているので、この性格情報取得処理(S450)を終了する(S455)。勿論、この性格情報を再度取得することもできることは言うまでもない。
【0094】
メインプロセッサ2は、ユーザの性格情報が、保存されていないと判断した場合は(S452/No)、次の性格情報調査処理(S453)に移行する。
【0095】
性格情報調査処理(S453)は、メインプロセッサ2が性格情報取得部18によりユーザの性格(騙され易さ)を調査する処理である。ここでは、種々の質問とその質問に対する回答により、騙され易さに対するユーザの性格を調査している。
【0096】
また、騙され易さを調査する手法は、世の中に種々存在しており、それらの性格診断専用サイトも数多くあるので、それらを利用しても良い。例えば、消費者庁では、「おだてに乗り易いか?」等の15項目の質問に対して、「ほとんど当てはまらない。」(1点)から「とても当てはまる。」(5点)までの5段階で回答し、その合計点により、契約を受けたときに契約してしまう確率を、5段階(約25%、約30%、約40%、約50%、約70%)で算出している。本実施形態では、簡略化を図るため、騙され易さの調査結果を3パターン(騙され難い、普通、騙され易い)に分類している。
【0097】
次に、メインプロセッサ2は、性格情報調査処理(S453)で得られたユーザの性格情報を、性格情報保存部19により、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存(S454)し、この性格情報取得処理(S450)を終了する(S455)。
【0098】
ここで、
図4のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0099】
性格情報取得処理(S450)の次に、ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)を行う。
【0100】
ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)は、性格情報保存処理(S454)により保存されているユーザの性格情報(騙され易さに対する3分類)に基づいて、ユーザ個別フェイク度係数(フェイク度性格係数)を算出する処理である。
【0101】
ここで、ユーザの性格情報に基づくユーザ個別フェイク度係数(フェイク度性格係数)について説明する。
【0102】
図9は、騙され易さ(3分類)に対するユーザ個別フェイク度係数(フェイク度性格係数)を示すテーブル(800)である。
【0103】
項目(列801)は、性格分類(行802)と、フェイク度性格係数(行803)から構成されている。
【0104】
性格分類(行802)は、騙され易さに対する3分類(騙され難い(列831)、普通(列832)、騙され易い(列833))を示している。また、フェイク度性格係数(行802)は、性格分類(行802)の3分類に対するユーザ個別フェイク度係数(フェイク度性格係数)を示している。例えば、ユーザの性格分類が、騙され易さに対して普通の場合、ユーザ個別フェイク度係数(フェイク度性格係数)が、1.0であることを意味している。
【0105】
ここで、
図4のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0106】
メインプロセッサ2は、ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)の次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)を行う。
【0107】
ユーザ個別フェイク度は、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示する最終的なフェイク度であり、ユーザの性格情報(騙され易さ)を反映したフェイク度である。
【0108】
ユーザ個別フェイク度は、下式(1)に示すように、情報フェイク度と、フェイク度性格係数の積により、算出する。
yn=xA*w1n・・・(1)
但し、
yn:ユーザnの情報Aに対するユーザ個別フェイク度
xA:情報Aの情報フェイク度
w1n:ユーザnのフェイク度性格係数(ユーザ個別フェイク度係数)
【0109】
例えば、情報フェイク度が50%で、性格分類(騙され易さ)が普通の場合は、ユーザ個別フェイク度は、情報フェイク度(50%)と、フェイク度性格係数(1.0)との積であるので、50%(50%×1.0)となる。また、情報フェイク度が50%で、性格分類(騙され易さ)が騙され易い場合は、ユーザ個別フェイク度は、情報フェイク度(50%)と、フェイク度性格係数(1.5)との積であるので、75%(50%×1.5)となる。
【0110】
本実施形態では、情報フェイク度とフェイク度性格係数の積であるユーザ個別フェイク度が、100%を超える場合は、全て最大値の100%としている。なお、フェイク度が、100%であるという意味は、客観的に完全にフェイクである(=信憑性が0である)という意味ではなく、あくまでも個別のユーザに対する注意喚起の意味でフェイク度が最大値であると判定したものである。
【0111】
次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)で算出したユーザ個別フェイク度を、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示(S418)し、
図4のフェイク度表示処理の処理手順を終了する(S419)。
【0112】
図10に、S418の処理(ユーザ個別フェイク度表示処理)による表示例を示す。
【0113】
図10では、表示画面711のフェイク度領域713に、ユーザ個別フェイク度714を、棒グラフで表示している。
図10の表示例は、ユーザ個別フェイク度が50%程度の場合の表示例である。
【0114】
スマートフォン1を操作するユーザ10は、このフェイク度領域713に表示する棒グラフ(約50%)により、ユーザ個別フェイク度を知ることができる。
【0115】
図10では、表示情報領域712の表示情報全体に対するフェイク度(ユーザ個別フェイク度)を表示しているが、フェイク度(ユーザ個別フェイク度)を判定した対象となる文章のみを、ハイライトやブリンク等で表示し、識別することもできる。
【0116】
本実施形態では、棒グラフにより、ユーザ個別フェイク度を表示しているが、ユーザ個別フェイク度を数値化し、テキスト情報(例えば、文字列「50%」)として表示することもできる。
【0117】
また、フェイク度が高い場合は、注意を喚起する意味で、表示画面711上に警告文を新たに表示することや、警告音を発生することもできる。
【0118】
また警告文の表示に関しては、フェイク情報は短時間のうちに拡散する傾向があるので、得られた情報の情報フェイク度が高い場合、具体的には、情報フェイク度が予め定められた第1警告閾値以上となった場合には、その情報を転送や拡散しようとすることを契機として警告文を表示するようにしても良い。この場合の警告文は、例えば「フェイク情報の可能性が高いです。本当に転送しても良いですか?」である。また、別例として、情報フェイク度は第1警告閾値未満であったとしても、ユーザ個別フェイク度係数を情報フェイク度が第1警告閾値以上となった場合には、上記警告文よりは警告度合いが低い別の警告文、例えば「フェイク情報の可能性があります。本当に転送してもよいですか?」と表示するようにしてもよい。
【0119】
本実施形態では、表示するフェイク度(ユーザ個別フェイク度)を、棒グラフにて表示しているが、大まかな3段階程度のフェイク度(例えば、「確からしい。」、「注意が必要。」、「疑わしい。」等の3段階)で、良い場合もある。その場合、フェイク度(ユーザ個別フェイク度)の識別は、3段階であるので、種々の識別手段を採用することができる。
【0120】
例えば、表示情報領域もしくは対象となる文章に枠線を設けて、その枠線による識別(枠線の太さ、枠線の線種(点線・実線・破線等)、枠線の色、等)で実現できる。また、表示情報領域もしくは対象となる文章に背景を設けて、その背景による識別(背景色、テクスチャパターンの種類、等)で実現することもできる。
【0121】
本実施形態では、ネットワーク網を介して取得する表示情報(WEBページからの表示情報や、SNSからの表示情報)に対する信憑性に関する情報は、ネットワーク網を介して外部サーバ615から入手し、フェイク度(情報フェイク度)を算出しているが、外部サーバ615に頼らず、スマートフォン1の内部のAI処理により、過去の表示情報や、その表示情報に関する付帯情報(過去のフェイク度等)等を総合的に判断して、フェイク度(情報フェイク度)を、推論・算出することもできる。
【0122】
本実施形態により、表示情報に関するフェイク度を表示する際、そのフェイク度(情報フェイク度)に対して、表示情報を取り扱うユーザの個人に関する性格情報(騙され易さ)を加味するので、表示情報を閲覧するユーザに最適なフェイク度(ユーザ個別フェイク度)を表示することできる。
【0123】
なお、本実施形態では
図9に示したようにユーザの性格を3分類(「騙され難い」、「普通」、「騙され易い」の3分類)にしているが、分類数は3つに限定されるものではなく分類数を増減しても良い。
【0124】
また、ユーザ個別フェイク度を算出する際に、
図9に示したフェイク度性格係数との乗算にて算出しているが、必ずしも乗算演算である必要はなく、統計的な演算等を用いた重みづけを行っても良い。
【0125】
<第2実施形態>
以下では、本発明の第2実施形態に関して説明する。なお、第2実施形態の基本的なハードウェア構成は前述の第1実施形態と同様であり、以下では、本実施形態(第2実施形態)と前述の実施形態(第1実施形態)との相違点に関して主に説明し、共通する部分は重複を避けるため極力説明を省略する。
【0126】
前述の実施形態では、ユーザに関する情報として、騙され易さに対するユーザの性格情報を対象としていたが、本実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザの身体的情報を対象としている。
【0127】
図11は、本実施形態(第2実施形態)概要を説明するための模式図である。
【0128】
図11は、
図1の模式図とほぼ同じであるが、スマートフォン1と近距離無線通信で接続された、身体計測機器721が追加されている。身体計測機器721は、ユーザ10の身体状態を計測する機器であって、スマートフォン1とは別体に構成されるので外部身体計測機器に相当する。
【0129】
一般的に、興奮状態になると、正常な判断が阻害されると言われている。本実施形態では、ユーザの興奮状態を、身体計測機器721から取得する身体情報により推定し、その興奮状態の程度を、フェイク度に反映して表示している。
【0130】
(本実施形態の機能ブロック)
図12は、本実施形態の機能ブロック構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0131】
図12の機能ブロック図は、第1実施形態における機能ブロック図(
図3)の機能と重複している機能があり、その機能に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で新規に追加された機能や、追加説明が必要な機能についてのみ説明する。
【0132】
本実施形態における通信処理部12は、近距離無線通信器63(
図2参照)により、近距離無線通信を行う外部機器と、情報の送受信を行うことができる機能である。本実施形態では、主に、身体計測機器721からの身体情報を受信している。
【0133】
近年、Bluetooth(登録商標)通信や、NFC規格通信などの近距離無線通信を行う身体計測機器721が普及しており、種々の身体情報(血圧、体温、呼吸数、心拍数、発汗量等)を取得することができる。本実施形態では、それら近距離無線通信ができる身体計測機器721を使用している。これらの身体計測機器721は、ウエアラブル機器と称され時計型や腕輪型、身体に貼り付けるタイプの機器に内蔵されるものが多い。
【0134】
身体計測機器検出部22は、近距離無線通信器63により、通信可能な身体計測機器721を検索する機能である。この身体計測機器検出部22により、通信可能な身体計測機器721の種類とその数を把握することができる。
【0135】
身体計測値取得部23は、身体計測機器検出部22により検出された身体計測機器721から、身体計測値を取得する機能である。
【0136】
平均値算出部24は、身体計測値の平均値を算出する機能である。上記の種々の身体情報は、個人によってその値は異なるので絶対的な数値との比較をもって興奮度の判定はできない。そこで、この平均値算出部24により、身体計測値取得部23により取得した身体計測値を、日頃の身体計測値に比較し、その比較結果を基にどの程度増減しているかを判断することができる。平均値算出とは、いわゆる平常時の身体情報を算出するものである。
【0137】
本実施形態では、2週間(14日間)分の身体計測値を平均(移動平均)し、その値を平均値としている。
【0138】
身体計測のタイミングは、毎日一定時刻、一定時間間隔、常時、等任意に選択することができる。
【0139】
2週間分の身体計測値が無い場合は、不足分の身体計測値を補填して、平均値を算出する。本実施形態では、補填する身体計測値として、統計的標準値(同性、同年齢、ほぼ同じ体格)を採用している。
【0140】
身体情報保存部25は、身体計測値取得部23により取得した身体計測値と、平均値算出部24により算出された前日までの平均値を、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する機能である。
【0141】
興奮状態推定部26は、身体計測値取得部23により取得した身体計測値が、平均値算出部24により算出された前日までの身体計測値の平均値と比較して、どの程度増減しているかを判断し、その結果に基づき、興奮状態を推定する機能である。本実施形態では、3段階(「平常」、「やや興奮」、「興奮」の3段階)に分類している。興奮状態情報保存部27は、興奮状態推定部26により推定された興奮状態(3段階)を示す興奮状態情報を、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する機能である。
【0142】
ユーザ個別フェイク度係数算出部20は、興奮状態情報保存部27により保存されたユーザの興奮状態情報を用いて、情報フェイク度算出部16で得られた情報フェイク度に対する係数(重みづけ)を算出する機能である。このユーザ個別フェイク度係数算出部20により、表示すべきフェイク度が決定される。
【0143】
フェイク度(情報フェイク度)に対する係数(重みづけ)については、後述する。
【0144】
表示データ出力部21は、表示情報保存部14によりストレージ4の不揮発性メモリ42に保存されている表示情報や、その表示情報に関する情報フェイク度にユーザの身体情報を加味したユーザ個別フェイク度等を、スマートフォン1の表示画面711に表示する機能である。
【0145】
(本実施形態におけるフェイク度表示の処理手順)
図13は、本実施形態におけるフェイク度表示を行う処理の、処理手順を示すフローチャートである。
【0146】
図13のフローチャートは、第1実施形態におけるフローチャート(
図4)と重複している処理があり、その処理に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で新規に追加された処理や、追加説明が必要な処理についてのみ説明する。
【0147】
図13の処理手順の説明には、
図12の機能ブロック図を参照して説明する。
【0148】
本実施形態におけるフェイク度表示のフローチャート(
図13)では、前述の第1実施形態における性格情報取得処理(S450)の代わりに、いくつかの処理(身体情報取得処理(S460)、興奮状態推定処理(S420)、興奮状態保存処理(S421))が追加されている。
【0149】
ここで、サブルーチンである身体情報取得処理(S460)について説明する。
【0150】
図14は、身体情報取得処理(S460)の処理手順を示すフローチャートである。
【0151】
図14の処理手順の説明には、
図12の機能ブロック図を参照して説明する。
【0152】
身体情報取得処理(S460)が開始(S461)されると、身体計測機器検出部22により、通信可能な身体計測機器721を検出する(S462)。
【0153】
次に、身体計測機器721が検出されたかどうかを判断する(S463)。
【0154】
身体計測機器の有無判断処理(S463)において、接続できる身体計測機器721が無いと判断した場合は(S463/No)、身体計測値が取得できないので、この身体情報取得処理(S460)を終了する(S469)。
【0155】
身体計測機器の有無判断処理(S463)において、接続できる身体計測機器721が有ると判断した場合は(S463/Yes)、接続した身体計測機器721から身体計測値取得部23により、身体計測値を取得する(S464)。
【0156】
次に、平均値算出部24により、身体情報保存部25により保存されている、前日まで身体計測値の平均値を算出する(S465)。
【0157】
平均値算出方法には、例えば、直近の規定日数における身体計測値の平均値や、直近の規定個数における身体計測値の平均値等、種々の方法があるが、本実施形態では、前日までの14日分に関して平均値を算出し、身体計測値の平均値としている。
【0158】
なお、本実施形態では、直近14日分の身体計測値が無かった場合は、不足分の身体計測値を補填して、身体計測値の平均値を算出している。
【0159】
次に、身体計測値取得処理(S464)で取得した身体計測値が、平均値算出処理(S465)で算出された身体計測値の平均値に対して、どの程度変化しているかを、平均値からの変化率として算出する(S466)。
【0160】
次に、身体計測値取得処理(S464)で取得した今回の身体計測値と、変化率算出処理(S466)で算出した身体計測値の変化率を、身体情報保存部25によりストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する(S467)。
【0161】
次に、身体計測機器検出処理(S462)で検出された全ての身体計測機器721について、それらの身体計測値を全て取得したかどうかを判断する(S468)。
【0162】
全ての身体計測機器終了判断処理(S468)において、全ての身体計測機器721が終了していないと判断した場合は(S468/No)、未接続の身体計測機器721に接続し、身体計測値取得処理(S464)に移行する。
【0163】
全ての身体計測機器終了判断処理(S468)において、全ての身体計測機器721が終了したと判断した場合は(S468/Yes)、未接続の身体計測機器721が無いので、この身体情報取得処理(S460)を終了する(S469)。
【0164】
ここで、
図13のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0165】
身体情報取得処理(S460)の次に、興奮状態推定部26により、興奮状態推定処理(S420)を行う。
【0166】
身体計測の計測項目によって、興奮状態に影響を与える程度が異なるが、本実施形態ではAI処理により、身体計測の計測項目に対する重みづけを行っている。
【0167】
興奮状態推定には、身体計測値の範囲による分類や、平均値に対する身体計測値の変化率による分類等、種々の推定方法があるが、本実施形態では、平均値に対する身体計測値の変化率による分類方法を採用している。
【0168】
ここで、身体計測が呼吸数の場合を例に説明する。本実施形態では、身体計測値が平均値の+10%未満の場合は平常状態、身体計測値が平均値の+10%以上~+30%未満の場合はやや興奮状態、身体計測値が平均値の+30%以上の場合は興奮状態としている。例えば、呼吸数の平均値が15回/分の場合、身体計測値が16.5回/分未満なら平常状態、16.5回/分以上~19.5回/分未満ならやや興奮状態、19.5回/分以上なら興奮状態と分類している。勿論、この変化率以外の分類方法でも、本実施形態の目的を達成できることは、言うまでない。例えば、平均値と身体計測値との差分値による分類方法や、平均値を算出する要素のばらつきや変動率を考慮した分類方法などがある。
【0169】
次に、興奮状態情報保存部27により、興奮状態推定処理(S420)で推定した結果に基づく興奮状態情報を、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する(S421)。
【0170】
次に、ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)に移行する。
【0171】
ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)は、興奮状態保存処理(S421)で保存されているユーザの興奮状態(3分類)に基づいて、ユーザ個別フェイク度係数(フェイク度身体係数)を算出する処理である。
【0172】
ここで、身体情報によるユーザ個別フェイク度係数(フェイク度身体係数)について説明する。
【0173】
図15は、興奮状態(3分類)に対するユーザ個別フェイク度係数(フェイク度身体係数)を示すテーブル(810)である。
【0174】
項目(列811)は、興奮状態分類(行812)と、フェイク度身体係数(行813)から構成されている。
【0175】
興奮状態分類(行812)は、興奮状態に対する3分類(平常状態(列841)、やや興奮状態(列842)、興奮状態(列843))を示している。また、フェイク度身体係数(行813)は、興奮状態分類(行812)の3分類に対するユーザ個別フェイク度係数(フェイク度身体係数)を示している。
【0176】
例えば、ユーザの興奮状態が、平常の場合、ユーザ個別フェイク度係数(フェイク度身体係数)が、1.0であることを意味している。
【0177】
ここで、
図13のフェイク度表示の処理手順に戻って、説明を継続する。
【0178】
ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)の次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)を行う。
【0179】
ユーザ個別フェイク度は、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示する最終的なフェイク度であり、身体情報(興奮状態)を反映したフェイク度である。
【0180】
ユーザ個別フェイク度は、下式(2)に示すように、情報フェイク度と、フェイク度身体係数の積により、算出する。
yn=xA*w2n・・・(2)
但し、
yn:ユーザnの情報Aに対するユーザ個別フェイク度
xA:情報Aの情報フェイク度
w2n:ユーザnのフェイク度身体係数(ユーザ個別フェイク度係数)
【0181】
例えば、情報フェイク度が50%で、興奮状態が平常の場合は、ユーザ個別フェイク度は、情報フェイク度(50%)と、フェイク度身体係数(1.0)との積であるので、50%(50%×1.0)となる。また、情報フェイク度が50%で、興奮状態がやや興奮の場合は、ユーザ個別フェイク度は、情報フェイク度(50%)と、フェイク度身体係数(1.5)との積であるので、75%(50%×1.5)となる。
【0182】
本実施形態でも、情報フェイク度とフェイク度身体係数の積であるユーザ個別フェイク度が、100%を超える場合は、全て最大値の100%としている。
【0183】
次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)で算出したユーザ個別フェイク度を、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示(S418)し、
図13のフェイク度表示処理の処理手順を終了する(S419)。
【0184】
なお、本実施形態では
図15に示したようにユーザの興奮状態を3分類(「平常」、「やや興奮」、「興奮」の3分類)にしているが、分類数は3つに限定されるものではなく分類数を増減しても良い。
【0185】
また、ユーザ個別フェイク度を算出する際に、
図15に示したフェイク度身体係数との乗算にて算出しているが、必ずしも乗算演算である必要はなく、統計的な演算等を用いた重みづけを行っても良い。
【0186】
本実施形態では、身体情報として呼吸数に着目しているが、身体情報としてはその他にも血圧、体温、心拍数、発汗量等を用いて興奮状態を検出することも可能であり、複数の身体情報を組み合わせる事により、より正確に興奮状態を検出することも可能である。
【0187】
前述の説明では、外部の身体計測機器721により、ユーザの身体計測を行っているが、スマートフォン1のみで、身体計測をすることができる場合は、その計測値を使用することもできる。
【0188】
例えば、スマートフォンの発光ダイオード(LED)光を、ユーザ指先の毛細血管に照射し、スマートフォンのカメラ機能でユーザ指先の毛細血管像を解析することにより、脈拍数や血圧等を計測することができる。
【0189】
本実施形態により、表示情報に関するフェイク度を表示する際、そのフェイク度に対して、表示情報を取り扱うユーザの個人に関する身体情報(興奮状態)を加味するので、表示情報を閲覧するユーザに最適なフェイク度(ユーザ個別フェイク度)を表示することできる。
【0190】
<第3実施形態>
以下では、本発明の第3実施形態に関して説明する。なお、第3実施形態の基本的なハードウェア構成は前述の実施形態と同様であり、以下では、本実施形態(第3実施形態)と前述の実施形態との相違点に関して主に説明し、共通する部分は重複を避けるため極力説明を省略する。
【0191】
前述の第1実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザの性格情報(騙され易さ)を対象としていた。また前述の第2実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザの身体情報(興奮状態)を対象としていた。
【0192】
本実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザの性格情報(騙され易さ)と、ユーザの身体情報(興奮状態)の両方を、フェイク度に反映して表示している。
【0193】
(本実施形態の機能ブロック)
図16は、本実施形態の機能ブロック構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0194】
図16の機能ブロック図は、第1実施形態における機能ブロック図(
図3)の機能と、第2実施形態における機能ブロック図(
図12)の機能とを、重畳した機能ブロック図である。従って、その機能に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で追加説明が必要な機能についてのみ説明する。
【0195】
ユーザ個別フェイク度係数算出部20は、性格情報保存部19により保存されたユーザの性格情報と、興奮状態情報保存部27により保存されたユーザの興奮状態情報とを用いて、情報フェイク度算出部16で得られた情報フェイク度に対する係数(重みづけ)を算出する機能である。このユーザ個別フェイク度係数算出部20により、表示すべきフェイク度が決定される。
【0196】
情報フェイク度に対する係数(重みづけ)については、後述する。
【0197】
(本実施形態におけるフェイク度表示の処理手順)
図17は、本実施形態におけるフェイク度表示を行う処理の、処理手順を示すフローチャートである。
【0198】
図17のフローチャートは、第1実施形態におけるフローチャート(
図4)と、第2実施形態におけるフローチャート(
図13)とを、重畳したフローチャートである。従って、その処理に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で追加説明が必要な機能についてのみ説明する。
【0199】
ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)は、性格情報保存処理(S454)により保存されているユーザの性格情報(騙され易さに対する3分類)と、興奮状態保存処理(S421)で保存されているユーザの興奮状態(3分類)とに基づいて、ユーザ個別フェイク度係数を算出する処理である。
【0200】
ここで、性格情報(騙され易さの3分類)と身体情報(興奮状態の3分類)によるユーザ個別フェイク度係数について説明する。
【0201】
図18は、騙され易さの3分類と、興奮状態の3分類に対する、ユーザ個別フェイク度係数を示すテーブル(820)である。
【0202】
項目は、性格分類(行850)と、興奮状態分類(列860)から構成されている。
【0203】
性格分類(行850)は、騙され易さに対する3分類(騙され難い(列851)、普通(列852)、騙され易い(列853))であり、興奮状態分類(列860)は、興奮状態に対する3分類(平常状態(行861)、やや興奮状態(行862)、興奮状態(行863))である。
【0204】
ユーザの性格情報(騙され易さ)と、ユーザの身体情報(興奮状態)の両方を加味したユーザ個別フェイク度係数は、下式(3)に示すように、フェイク度性格係数と、フェイク度興奮係数の積で算出する。
w3n=w1n*w2n・・・(3)
w3n:ユーザ個別フェイク度係数
w1n:ユーザnのフェイク度性格係数
w2n:ユーザnのフェイク度身体係数
【0205】
例えば、騙され易さが普通(フェイク度性格係数=1.0)で、興奮状態が平常(フェイク度身体係数=1.0)の場合、ユーザ個別フェイク度係数が、1.0(フェイク度性格係数=1.0とフェイク度身体係数=1.0の積)であることを意味している。
【0206】
メインプロセッサ2は、ユーザ個別フェイク度係数算出処理(S416)の次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)を行う。
【0207】
ユーザ個別フェイク度は、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示する最終的なフェイク度であり、ユーザの性格情報(騙され易さ)と、ユーザの身体情報(興奮状態)の、両方を反映したフェイク度である。
【0208】
ユーザ個別フェイク度は、下式(4)に示すように、情報フェイク度と、ユーザ個別フェイク度係数の積により、算出する。
yn=xA*w3n=xA*w1n*w2n・・・(4)
但し、
yn:ユーザnの情報Aに対するユーザ個別フェイク度
xA:情報Aの情報フェイク度
w1n:ユーザnのフェイク度性格係数
w2n:ユーザnのフェイク度身体係数
w3n:ユーザ個別フェイク度係数
【0209】
例えば、情報フェイク度が50%で、ユーザ個別フェイク度係数が1.0の場合、ユーザ個別フェイク度は、情報フェイク度(50%)と、ユーザ個別フェイク度係数(1.0)との積であるので、50%(50%×1.0)となる。
【0210】
本実施形態でも、情報フェイク度とユーザ個別フェイク度係数の積であるユーザ個別フェイク度が、100%を超える場合は、全て最大値の100%としている。
【0211】
次に、ユーザ個別フェイク度算出処理(S417)で算出したユーザ個別フェイク度を、スマートフォン1のフェイク度領域713に表示(S418)し、
図17のフェイク度表示処理の処理手順を終了する(S419)。
【0212】
なお、本実施形態では
図18に示したように、ユーザの性格を3分類(「騙され難い」、「普通」、「騙され易い」の3分類)にしているが、分類数は3つに限定されるものではなく分類数を増減しても良い。また、ユーザの興奮状態を3分類(「平常」、「やや興奮」、「興奮」の3分類)にしているが、分類数は3つに限定されるものではなく分類数を増減しても良い。
【0213】
また、ユーザ個別フェイク度を算出する際に、
図18に示したユーザ個別フェイク度係数との乗算にて算出しているが、必ずしも乗算演算である必要はなく、統計的な演算等を用いた重みづけを行っても良い。
【0214】
本実施形態により、表示情報に関するフェイク度を表示する際、そのフェイク度に対して、表示情報を取り扱うユーザの個人に関する性格情報(騙され易さ)と、身体情報(興奮状態)の両方を加味するので、表示情報を閲覧するユーザに最適なフェイク度(ユーザ個別フェイク度)を表示することできる。
【0215】
<第4実施形態>
以下では、本発明の第4実施形態に関して説明する。なお、第4実施形態の基本的なハードウェア構成は前述の実施形態と同様であり、以下では、本実施形態(第4実施形態)と前述の実施形態との相違点に関して主に説明し、共通する部分は重複を避けるため極力説明を省略する。
【0216】
前述の実施形態では、インターネットを介して取得した表示情報を対象としていたが、本実施形態では、放送を受信し、受信した放送内容を対象としている。本実施形態では、情報フェイク度を音声情報に由来する信憑性に関する特性に基づいて算出する。具体例として、音声情報を放送した放送局、音声情報の信憑性を評価され付与された評価情報、音声情報が公衆回線を介して拡散された時期、音声情報が公衆回線を介して拡散された速度、音声情報に含まれる文章表現、の少なくとも一つ又は任意の組み合わせを用いてもよい。
【0217】
図19は、本実施形態(第4実施形態)の概要を説明するための模式図である。
【0218】
図19は、携帯用情報端末(スマートフォン)1を操作するユーザ10が、テレビやラジオ等の放送信号616を受信し、スマートフォン1のスピーカ82から音声情報を取得している状態を示した模式図である。映像情報は、当然、スマートフォン1の表示画面711に表示している。
【0219】
スマートフォン1を操作するユーザ10が、放送を受信して取得している音声情報の中に信憑性が疑わしい音声情報が混在している可能性がある。(
図19では、「フェイク情報?」と記載している。)
【0220】
本実施形態では、音声情報を文字情報に変換(テキスト化)して、前述の実施形態における表示情報と等価に扱うことにより、フェイク度を算出している。
【0221】
(本実施形態の機能ブロック)
図20は、本実施形態の機能ブロック構成例を示す機能ブロック図である。
【0222】
図20の機能ブロック図は、第1実施形態における機能ブロック図(
図3)の機能と重複している機能があり、その機能に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で新規に追加された機能や、追加説明が必要な機能についてのみ説明する。
【0223】
本実施形態における通信処理部12は、放送受信器64により、テレビやラジオ等の放送を受信する機能である。
【0224】
音声情報取得部28は、通信処理部12で受信した放送の音声情報を取得する機能である。
【0225】
音声テキスト化部29は、音声情報取得部28で取得した音声情報を、文字情報に変換(テキスト化)する機能である。
【0226】
音声テキスト化データ保存部30は、音声テキスト化部29により変換した文字情報を、ストレージ4の不揮発性メモリ42や各種RAM43に保存する機能である。
【0227】
表示データ出力部21は、音声テキスト化データ保存部30により保存されている文字情報や、その文字情報に関する情報フェイク度にユーザの性格情報を加味したフェイク度等を、スマートフォン1の表示画面711に表示する機能である。
【0228】
(本実施形態におけるフェイク度表示の処理手順)
図21は、本実施形態におけるフェイク度表示を行う処理の、処理手順を示すフローチャートである。
【0229】
図21のフローチャートは、第1実施形態におけるフローチャート(
図4)と重複している処理があり、その処理に関する説明は割愛する。ここでは、本実施形態で新規に追加された処理や、追加説明が必要な処理についてのみ説明する。
【0230】
図21の処理手順の説明には、
図20の機能ブロック図を参照して説明する。
【0231】
本実施形態におけるフェイク度表示のフローチャート(
図4)では、前述の第1実施形態におけるいくつかの処理の代わりに、4個の処理(音声情報取得処理(S422)、音声テキスト化処理(S423)、音声テキスト化データ保存処理(S424)、音声テキスト化データ表示処理(S425))が追加されている。
【0232】
フェイク度表示の処理が開始(S411)されると、音声情報取得部28により、放送信号616から音声情報を取得する(S422)。
【0233】
次に、音声テキスト化部29により、音声情報取得処理(S422)で取得した音声情報を、文字情報(「音声テキスト化データ」という)に変換(テキスト化)する(S423)。
【0234】
本実施形態では、音声情報を音声テキスト化データに変換する処理を、AIの音声解析処理を利用して行っている。なお、AIによる音声解析処理については、iphone(登録商標)におけるsiriや、Google社が提供する音声入力技術、例えばホットワードの「OK,Google」を認識する技術である。
【0235】
次に、音声テキスト化処理(S423)で変換された音声テキスト化データを、音声テキスト化データ保存部30により、ストレージ4の不揮発性メモリ42に保存する(S424)。
【0236】
次に、音声テキスト化データ保存処理(S424)で保存された音声テキスト化データを表示画面711に表示する(S425)。
【0237】
テレビ放送の場合は、音声テキスト化データをテレビ放送の画面と重畳表示することや、2画面化することなどにより、表示画面711に表示する。
【0238】
文字情報に変換された音声テキスト化データは、第1実施形態における表示情報と同じ取り扱いができる。
【0239】
以下の処理は、第1実施形態におけるフェイク度表示の処理と同等であるので、説明を省略する。
【0240】
本実施形態により、テレビやラジオ等の放送受信においても、本発明の効果を得ることができる。
【0241】
本実施形態では、ユーザに関する情報として、ユーザの性格情報(騙され易さ)を採用しているが、前述の第2実施形態で説明したユーザの身体情報(興奮状態)を採用することもできる。また、前述の第3実施形態で説明したユーザの性格情報(騙され易さ)と、ユーザの身体情報(興奮状態)の両方を、採用することもできる。
【0242】
本実施形態の応用として、通信ネットワークとしてのインターネット612を介して取得するWEBページ613やSNS614などに添付された音声情報(音声情報ファイル)について、同様の処理を行うことができる。その結果、インターネット612を介して取得する音声情報についても、本発明の効果を得ることができる。
【0243】
また、静止画情報や動画情報から、文字パターンを抽出し、文字情報に変換することができれば、当然、本発明の効果を得ることができる。例えば、インターネット612に接続されていないテレビが、放送信号(放送電波)を受信して音声情報を文字情報に変換し、テレビの画面にテロップとしてユーザ個別フェイク度や警告文を表示するように構成してもよい。その場合、ユーザの性格情報はテレビで設定操作を受け付けてもよいし、過去の視聴番組から視聴者の年齢(例えば子供か大人かくらいの区別でもよい)、性別を推定してもよい。例えば子供向け番組の視聴時間が多い場合は、ユーザ(視聴者)が子供である可能性が高いので、ユーザ個別フェイク度係数を通常の1.0よりも高い値に設定してもよい。
【0244】
前述の実施形態では、スマートフォンを対象として説明したが、スマートフォン1以外の情報表示装置、例えば、タブレット、ノートパソコンを含むパソコン機器、AR(拡張現実)眼鏡やHMD(ヘッドマウントディスプレイ)においても、本発明が適用できることは言うまでもない。
【0245】
更に、本発明のフェイク度表示機能は、本来の情報を表示する機能に付加的に加えられる機能であるので、このフェイク度表示機能はユーザの選択によりその機能のオン(有効)又はオフ(無効)が選択されるべきものである。そこで、
図2のメインプロセッサ2、ストレージ4、タッチセンサ91及び操作キー92などの任意の操作入力装置により、フェイク度表示機能のオン(有効)又はオフ(無効)を設定できるように構成してもよい。更に、ユーザ個別フェイク度は、同一の表示画面711に表示情報と共に表示するだけでなく、複数の表示画面711のそれぞれに表示情報とユーザ個別フェイク度とを表示し、表示画面711を切り替えて表示させてもよい。更に、ユーザ個別フェイク度を算出しても表示画面711には表示情報のみを表示しておき、表示情報を転送するためにスマートフォン1でSNS等が起動すると、ユーザ個別フェイク度の値に対応して転送を警告するための表示(ポップアップ表示でもよい)がされてもよい。
【0246】
以上、本発明の実施形態の例を第1実施形態~4を用いて説明したが、本発明の技術を実現する構成は前記実施形態に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
【0247】
また、前述の実施形態では情報表示装置としての携帯情報端末を一人のユーザが使用する前提で説明してきたが、複数のユーザで1台の携帯情報端末を使用することもあり得る。この場合、ユーザの性格情報や身体情報等は各ユーザ固有のものであり、分離独立して扱う必要がある。
【0248】
そこで、複数ユーザで1台の携帯情報端末を使用する場合は、ユーザの認証と連動してユーザ毎の性格情報、身体情報等をストレージ4の不揮発性メモリ42に保存し、保存されたそれらの情報を用いることでユーザ毎のユーザ個別フェイク度を表示できる。ユーザの認証は、顔認証や指紋認証、パスワード認証等、一般的に普及している技術である。
【0249】
これらにより複数のユーザで1台の携帯情報端末を使用する場合にも、本発明の効果を得ることができる。
【0250】
前述した本発明の機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現するプログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現しても良い。ハードウェアとソフトウェアを併用しても良い。前記ソフトウェアは、製品出荷の時点で、予めスマートフォン1のROM41等に格納された状態であっても良い。製品出荷後に、インターネット612上の外部サーバ615等から取得するものであっても良い。また、メモリカードや光ディスク等で提供される前記ソフトウェアを取得するものであっても良い。
【0251】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
【符号の説明】
【0252】
1 :スマートフォン
2 :メインプロセッサ
3 :システムバス
4 :ストレージ
10 :ユーザ
11 :制御部
12 :通信処理部
13 :表示情報取得部
14 :表示情報保存部
15 :フェイク関連情報取得部
16 :情報フェイク度算出部
17 :情報フェイク度データ保存部
18 :性格情報取得部
19 :性格情報保存部
20 :ユーザ個別フェイク度係数算出部
21 :表示データ出力部
22 :身体計測機器検出部
23 :身体計測値取得部
24 :平均値算出部
25 :身体情報保存部
26 :興奮状態推定部
27 :興奮状態情報保存部
28 :音声情報取得部
29 :音声テキスト化部
30 :音声テキスト化データ保存部
41 :ROM
42 :不揮発性メモリ
43 :RAM
51 :GPS受信器
52 :地磁気センサ群
53 :加速度センサ群
54 :ジャイロセンサ群
61 :LAN通信器
62 :電話網通信器
63 :近距離無線通信器
64 :放送受信器
71 :ディスプレイ
72 :インカメラ
73 :アウトカメラ
81 :マイク
82 :スピーカ
91 :タッチセンサ
92 :操作キー
611 :無線LANルータ
612 :インターネット
613 :WEBページ
615 :外部サーバ
616 :放送信号
621 :携帯電話基地局
711 :表示画面
712 :表示情報領域
713 :フェイク度領域
714 :ユーザ個別フェイク度
721 :身体計測機器