(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】無線制御システムの効率的なコミッショニング
(51)【国際特許分類】
H04W 40/32 20090101AFI20240308BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20240308BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240308BHJP
【FI】
H04W40/32
H04W84/10 110
H04W84/18
(21)【出願番号】P 2022567332
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2021061134
(87)【国際公開番号】W WO2021224089
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-28
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ハーヴェルラーグ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンダール レーンダート テウニス
(72)【発明者】
【氏名】エルドマン ボゼナ
(72)【発明者】
【氏名】ドリーセン バス
(72)【発明者】
【氏名】ザンデル パウルス ヤコブス
【審査官】米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0019604(US,A1)
【文献】特開2019-122032(JP,A)
【文献】特開2007-067891(JP,A)
【文献】国際公開第2011/083389(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/228883(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信プロトコルに従って動作する無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする方法であって、当該方法は、
a) 複数のノード間の1つ以上の近隣関係を確立するステップであって、前記複数のノードの各々は、前記1つ以上の近隣関係のうちの少なくとも1つに存在する、ステップと、
b) 前記複数のノードのうちのノードのサブセットを、前記無線ネットワークにおいてメッセージを中継するためのマルチホップルーティングケイパビリティを有効にすることによってルータノードとして動作するように構成するステップと、
C) 前記ルータノード以外の、前記複数のノードの残りを、存在する場合にはマルチホップルーティングケイパビリティを無効にすることによって、メッセージを中継しない、非ルータノードとして動作するように構成するステップと、
を含み、
前記ルータノード及び前記非ルータノードは、非ルータノードの直接通信範囲内に少なくとも1つのルータノードがあるように、前記1つ以上の近隣関係に基づいて構成され、
前記ステップa)は、
前記複数のノードのうちの第1のサブセットを一時的ルータノードとして事前選択することと、
各一時的ルータノード周囲の少なくとも1つの近隣関係について各一時的ルータノードにクエリすることと、
を含み、
前記一時的ルータノードは、前記複数のノードの各々が、前記一時的ルータノードからクエリされる前記近隣関係のうちの1つで少なくとも1回見つかるように事前選択される、方法。
【請求項2】
当該方法は、
d) 前記非ルータノードの各々を直接通信範囲内のルータノードに関連付けるステップを含み、非ルータノードにユニキャストメッセージを送信することが、対応するルータノードを介して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コミッショニング後にネットワーク保守を行うために、当該方法の前記ステップは、定期的に又はトリガイベント時に繰り返され、前記トリガイベントは、ノードの位置の変化、ノードの給電状態の変化、トラフィックパターンの変化、システムセットアップの変化、及び前記複数のノードのうちの2つのノード間のリンク品質の変化のうちの少なくとも1つであることができる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記一時的ルータノードは、第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント無線接続を介して、又は前記無線ネットワークを介してコミッショニングデバイスによって手動で1つずつ事前選択され、前記第2の通信プロトコルは、前記第1の通信プロトコルとは異なる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一時的ルータノードは、前記複数のノード自身によって、又は第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント無線接続を介してコミッショニングデバイスによって、又は前記無線ネットワーク上の中央コントローラによって、予め定められたルールに従って自動的に事前選択され、前記第2の通信プロトコルは、前記第1の通信プロトコルとは異なる、請求
項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ポイントツーポイント無線接続は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルに従って動作される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記近隣関係は、直接通信範囲内の前記複数のノードのうちのネイバノードのリストを含む近隣テーブルであり、前記リスト上の各ノードは、当該ノードの予め定められた固有の識別子で識別される、請求
項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
近隣テーブルは、リスト上の各ノードの信号特性を含み、前記信号特性は、それぞれのネイバノードへの近接性を定量化する、請求
項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線ネットワークは、Zigbeeプロトコルに従って動作される、請求
項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ルータノード及び非ルータノードの選択は、
前記複数のノードの各々に前記無線ネットワーク上で動作するためのネットワークアドレスを割り当て、前記ネットワークアドレスは、第1のサブフィールド及び第2のサブフィールドを含む、
アドレス割当スキームを含み、
前記第1のサブフィールドは、ルータノードを別のルータノードと一意に区別するために第1の値に設定され、前記第1の値は、該ルータノード及び該ルータノードに関連付けられる1つ以上の非ルータノードによって共有され、前記第2のサブフィールドは、該ルータノード及び前記関連付けられる1つ以上の非ルータノードを互いに一意に区別するために第2の値に設定され、
前記ネットワークアドレスの前記第1のサブフィールドは、ユニキャストメッセージが、ルータノード又は該ルータノードに関連付けられる非ルータノードのいずれかの意図された宛先を有する場合、該ユニキャストメッセージが、マルチホップ中継を介して該ルータノードに到達するためにアドレス指定されるために用いられ、前記ネットワークアドレスの前記第2のサブフィールドは、該ルータノード及び該ルータノードに関連付けられる1つ以上の非ルータノードのうちの意図された宛先を識別するためのものである、請求
項2乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記無線ネットワークは、照明制御のための、並びに/又はセンサを制御する及びセンシングデータを集めるためのものである、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
複数のノードと、
無線ネットワークを開く、及び、請求項1に記載の方法に従って前記無線ネットワークに前記複数のノードをコミッショニングする、中央コントローラと、
を含む、無線システム。
【請求項13】
複数のノードと、
無線ネットワークを開く、中央コントローラと、
請求項1に記載の方法に従って前記無線ネットワークに前記複数のノードをコミッショニングする、コミッショニングデバイスと、
を含む、無線システム。
【請求項14】
分散コンピューティングプログラムであって、当該分散コンピューティングプログラムが処理手段を各々が含む複数のノードによって実行された場合、前記複数のノードに含まれる前記処理手段に請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を集団的に実行させるコード手段を含む、分散コンピューティングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線制御システムの分野に関する。とりわけ、無線ネットワークに複数のノードを含む無線制御システムをコミッショニングするための方法に関連するさまざまな方法、装置、システム及びコンピュータ可読媒体が本明細書で開示される。
【背景技術】
【0002】
業務用照明市場(professional lighting market)では、(リモート)スケジューリング、エネルギモニタリング、センサベースの照明制御、アセットマネジメント等のあらゆる種類の新しい機能を可能にする、コネクテッドライティングシステム(connected lighting system)への移行が進んでいる。多くの場合、これらのシステムは既存の建物に設置され、この場合、天井を介して(照明制御のための)新しいケーブルを敷設する必要がないように、無線ネットワークが好まれる。現在広く使用されているこのような無線ネットワークプロトコルの例としては、IEEE 802.15.4、IEEE 802.15.1又はIEEE 802.11規格の上に構築された様々な独自のネットワーク実装、及びZigbee(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標) LE(BLE)、BLEメッシュ、Wi-Fi(登録商標)、Wi-Fiダイレクト(Wi-Fi direct)等のオープン規格がある。
【0003】
多くの場合、ネットワークは、中央コントローラから直接リンクですべてのノードに到達できず、斯くして、これらのリモートノードは、1つ又は複数の中継ノードからの助けを必要とし得るほど大きくなる可能性がある。フラッディングベースのルーティングアプローチ(flooding-based routing approach)は、多数のノードに制御メッセージを配信するために広く使用される。メッセージはブロードキャストされ、多くのノードによって同時に受信され、各ノードがメッセージを1回又は数回繰り返す場合、メッセージを見逃す可能性は、許容可能なレベルに低減され得る。ネットワークのサイズ及び密度に依存して、ブロードキャスト中に発生する「ネットワークストーム」を抑制するために、繰り返しの回数は(一部のネットワークにおいて)構成されることができる。このような制約がないと、各ノードは、典型的には、数回メッセージを再送し、斯くして、200ノードのネットワークにおける単一のブロードキャストメッセージが、数千の再送信に簡単につながる可能性がある。
【0004】
しかしながら、高密度で配備される多数のノードを含む制御システムでは、多くのノードが直接通信範囲(direct communication range)にあるため、衝突が頻繁に発生する可能性がある。このようなフラッディングベースのルーティングは、あまり効率的でない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に鑑み、本開示は、1つ以上の近隣関係(neighbouring relationship)に基づいて、大量のノードを、より効率的にメッシュ及びスターハイブリッド無線ネットワークにコミッショニングすることに関連するメカニズムを提供する方法、装置、システム、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読媒体に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
とりわけ、本発明の目的は、請求項1に記載のコミッショニング方法、請求項13及び14に記載の無線システム、及び請求項15に記載の複数のノードの分散コンピュータプログラムによって達成される。
【0007】
したがって、大きく密な無線システムをメッシュ及びツリー/スタートポロジの組み合わせを有するハイブリッドネットワークトポロジに効率的に構成する(configure)ために、システム内の複数のノード間の収集された近隣関係が、純粋に(purely)マルチホップルーティングのためのルータノードを含むコアメッシュネットワーク(core mesh network)を特定するために使用され、他のノードは、直接通信範囲内のルータノードを介してデータを送信及び受信する非ルータノードとして動作する。斯くして、大きく密な無線システムは、疎なコアメッシュネットワーク(sparse core mesh network)と、個々のルータノード周囲の多くの小さなスターネットワークとの組み合わせに変わる(turn into)。さらに、半自動的に又は全自動的に全体の近隣関係を確立するためのさまざまなオプションが開示され、コミッショニングエンジニアの関与がさらに低減されることができる。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、方法が提供される。第1の通信プロトコルに従って動作する無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする方法であって、当該方法は、
a) 複数のノード間の1つ以上の近隣関係(neighboring relationship)を確立するステップであって、複数のノードの各々(each one)は、1つ以上の近隣関係のうちの少なくとも1つに存在する、ステップと、
b) 複数のノードのうちのノードのサブセットを、無線ネットワークにおいてメッセージを中継するためのマルチホップルーティングケイパビリティ(multi-hop routing capability)を有効にすることによってルータノードとして動作するように構成するステップと、
c) ルータノード以外の、複数のノードの残りを、存在する場合にはマルチホップルーティングケイパビリティを無効にすることによって、メッセージを中継しない、非ルータノードとして動作するように構成するステップと、
を含み、
ルータノード及び非ルータノードは、非ルータノードの直接通信範囲(direct communication range)内に少なくとも1つのルータノードがあるように、1つ以上の近隣関係に基づいて構成される。
【0009】
一例では、無線ネットワークは、中央コントローラ又はゲートウェイデバイス及び制御されるべき複数のノードを含む1対多制御ネットワークとして使用されてもよい。ネットワーク上で配信される制御コマンドは、実行されるべき特定のタイプの制御機能に応じて、ブロードキャスティングメッセージ又はユニキャスト/マルチキャストメッセージとして、中央コントローラから、又はクラウドからゲートウェイデバイスを介して、システム内の1つ以上のノードに来てもよい。中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、大きな分散ネットワークに対して集中的に(in a centralized manner)制御コマンドを送出する。反対に、大きな分散ネットワーク内の複数のノードは、中央コントローラ又はクラウドにフィードバックを提供し、斯くして、中央コントローラ又はクラウドによって制御される機能デバイス又はアクチュエータに関連するステータス情報を、定期的に又は特定のイベント時に提供してもよい。イベントは、機能デバイス若しくはアクチュエータの機能不良(malfunction)若しくは動作の変化、機能デバイス若しくはアクチュエータによって検出されるイベント、又は受信されるクエリ(query)であることができる。アクチュエータ以外、他のセンサが、複数のノードと同じエリアにコロケート(co-locate)されてもよい。斯くして、ステータス情報はまた、温度、湿度等に関連するデータ等、他のセンサからのセンシングデータを含んでもよい。それゆえ、好ましい一例では、システムにおける通信は、一対多又は多対一であり、複数のノードは、システム内の唯一の中央コントローラ又はゲートウェイデバイスと双方向通信を実施するための多数のノードであることができる。
【0010】
このような大きく密な無線システムでは、より効率的で信頼性高く通信を行うためにメッシュとツリー/スターの混合ネットワークを採用することが有益である。ルータノードは、システム全体の接続性を提供するコアネットワークを構築するために選択される。さらに、各ルータノード周囲の1ホップ直接リンク(one-hop direct link)を有するスターネットワークは、主として、干渉を低減し、システムの性能を向上させるために構築される。大規模な場合、無線システムは、特にネットワークの端にあるノードにとって、複数のノードにメッセージを配信する及び複数のノードからデータを収集するために疎なマルチホップネットワークに依存する。
【0011】
ノードに異なる役割を割り当てることは有益であるが、このような構成(configuration)を実施するためのコミッショニングプロシージャは非常に複雑で時間がかかり得る。例えば、効率性のためにコアネットワークをできる限り疎に保つためにルータノードの数を減らすことが望ましい。しかしながら一方で、コミッショニングされたシステムが一部のノードを孤立させることなくすべてのノードへのフルアクセスを可能にすることを保証するために、あるレベルの冗長性が必要であり得る。効率及び信頼性のトレードオフを考慮し、本発明では、最適にルータノードの選択を行うために、ノードから収集される1つ以上の近隣関係を利用することが開示される。複数のノードのうちの各ノードが非ルータノードとして動作するように優先的に(preferentially)構成され、コミッショニング方法は、いずれの非ルータノードの直接通信範囲内にも、少なくとも1つのルータノードがあることを確実にするように、ルータノードの数を減らすことが有利であり得る。また、ノードが第1のルータノードの直接通信範囲内にあるが、該ノードが、該ノードの近傍にあるが第1のルータノードの1ホップ範囲(one-hop range)外にあるさらなるノードに接続性を提供するために依然としてルータノードとして構成されることが起きてもよい。また、メッシュネットワークの容量又はロバスト性等のために、少し多くのルータが採用される状況があってもよい。場合によっては、あまりに多くの非ルータノードと接続することは、処理能力、ストレージ、及び通信帯域幅の観点で、個々のルータノードに過度の負担をかける可能性がある。それゆえ、コアネットワークのより効率的なセットアップを導出するために集中的なアプローチで(in a centralized approach)個々のノード間の近隣関係を組み合わせることが好ましい。
【0012】
場合によっては、システム内のノードの総数、ノードの平均密度、ノードの平均直接通信範囲等、システムのある事前知識が利用可能であり得る。したがって、システムのフルカバレッジ(full coverage)を提供するために必要とされるルータノードの数の概算(rough estimation)が導出されてもよい。このような推定(estimation)は、ノードが比較的均一に配備されている場合、極めて正確であり得る。ノードの総数に対するルータノードの数の比率を設計することはさらに有益であり得る。このような比率は、2つのノード間の平均距離、平均1ホップ通信範囲、電力供給条件、アプリケーション要件、及び効率と信頼性の間の設計上の選択のうちの少なくとも1つに従って決定されてもよい。このような比率は、あるノードがルータノードであるべきか否かを判断する際のガイドラインを提供し得る。
【0013】
また、大規模なシステムを考えると、コミッショニングプロシージャは、コミッショニングエンジニアの関与が少なく、半自動又は自動で実施され得ることが望ましい。
【0014】
別の実施形態において、方法はさらに、d) 非ルータノードの各々(each one)を直接通信範囲内のルータノードに関連付けるステップを含み、非ルータノードにユニキャストメッセージを送信することが、対応するルータノードを介して行われる。
【0015】
生成されたブロードキャストメッセージがある場合、各ルータノードは、ネットワーク上の複数のノードに情報を配信するために同じメッセージを再ブロードキャスト又は中継する。非ルータノードは、該非ルータノードの直接通信範囲に位置する2つ以上のルータノードから同じブロードキャストメッセージを受信してもよい。このような冗長性は、ある場面では最も効率的でないかもしれないが、他の場面では信頼性を向上させるのに役立ち得る。例えば、周辺における散発的な干渉(sporadic interference)に起因して、あるルータノードによって中継されるメッセージが破損する、又は低信号品質になる可能性がある。この場合、直接通信範囲にある別のルータノードから重複したメッセージ(duplicated message)を受信することが有益である。
【0016】
しかしながら、ある非ルータノードに対して生成されたユニキャストメッセージがある場合、ルーティングのためにコアメッシュネットワーク上で非ルータノードを代表する1つのルータノードを割り当てることが有益である。ブロードキャストメッセージとは異なり、ユニキャストメッセージは、ソースノード(source node)と宛先ノード(destination node)との間のルートに沿って送出される。この例では、宛先ノードは非ルータノードであり、ソースノードは中央コントローラ、ゲートウェイ、又はネットワーク内の他のノードであってもよい。意図された非ルータノードの直接通信範囲に2つ以上のルータノードがあってもよいが、ユニキャスト経路を構築する及びメッセージを配信する場合、混乱又は資源の浪費を避けるためにメッシュネットワーク上の非ルータノードを代表するルータノードを1つだけ任命することが有益である。好ましくは、非ルータノードは、どの他の候補ルータノードよりも該非ルータノードとの良好な接続を有する、自身の近傍のルータノードに関連付けられる。
【0017】
非ルータノードによって生成されるメッセージを送信するために、該非ルータノードは、関連するルータノードを介して送信することができるが、必ずしもそうする必要はない。ある例では、非ルータノードは、以前に受信したブロードキャストメッセージを理由に、関連するルータノード以外の、近傍の別のルータノードについて知っている可能性がある。特に、非ルータノードは、当該ルータノードから最近受信したメッセージで良好なリンク品質が検出される場合、当該ルータノードを介してメッセージを単に送信してもよい。
【0018】
好ましい実施形態において、コミッショニング後にネットワーク保守(network maintenance)を行うために、当該方法のステップは、定期的に又はトリガイベント時に繰り返され、トリガイベントは、ノードの位置の変化、ノードの給電状態(powering status)の変化、トラフィックパターンの変化、システムセットアップの変化、及び複数のノードのうちの2つのノード間のリンク品質の変化のうちの少なくとも1つであることができる。
【0019】
前述の方法は、主に、大きく密な無線システムをハイブリッドネットワークトポロジに構成するためにコミッショニング段階での効率を向上させるためのものである。しかしながら、同じ方法は、定期的に又はトリガイベントに基づいてステップを繰り返すことによりネットワーク保守のためにも使用されてもよい。なぜなら、1つ以上の近隣関係は経時的に変化することもあり、コミッショニング段階での初期の近隣関係に基づいて決定された元の構成(original configuration)がもはや最適ではない可能性があるからである。例えば、ルータノードとなるように構成されるノードが、機能障害を有することがある。古いノードがシステムから削除されることがあり、新しいノードがシステムに追加されることもある。オフィスエリア又は工場でレイアウト変更があることがあり、ノード間の接続の一部がブロックされる可能性があり、又は家庭/オフィス環境において、ドアの閉め又は家具の移動があることがあり、また、ポータブルノード(Hue Go等)が移動されることがあり、ノードが主電源を外される(主電源スイッチ)こともある。また、中央コントローラ又はゲートウェイの新たな配備が起こることもある。スマート照明のコンテキストにおいて、近隣関係の更新につながる1つの例は、OTA(over-the air)プログラミングを行うため又は新しい照明シーン若しくは照明コンテキストを展開するための異なるレイアウトへの変更があり得、これにより、例えば、特定のエリアにおける照明デバイスと異なるスイッチ又はセンサとを関連付ける等、異なるノード間の相互関係が再構成される必要がある。したがって、システムの変更に対応するために、同じプロシージャを実行して、ハイブリッドトポロジの構成をリフレッシュすることは非常に有益であり得る。
【0020】
別の実施形態において、方法のステップa)はさらに、
複数のノードのうちの第1のサブセットを一時的ルータノード(temporary router node)として事前選択することと、
各一時的ルータノード周囲の少なくとも1つの近隣関係について各一時的ルータノードにクエリする(query)ことと、
を含み、
一時的ルータノードは、複数のノードの各々(each one)が、一時的ルータノードからクエリされる(queried)近隣関係のうちの1つで少なくとも1回見つかるように事前選択される。
【0021】
1つ以上の近隣関係を確立するために、システム内の各ノードがその認識されたネイバ(perceived neighbour)に関する情報を提供するようにクエリし、これにより、クエリされたノード(queried node)と報告されたネイバ(reported neighbour)の各々との関係を確立することが可能である。しかしながら、大きく密なネットワークにおいて、すべてのノードに1つずつクエリすることは、かなり長いプロシージャを要し得る。さらに、各ノードが直接通信範囲に多くの近隣ノード(neighboring node)を有する可能性があり、これらのノードによって類似の近隣関係が特定されることを考慮すると、これは、多くの冗長な情報ももたらし得る。それゆえ、近隣関係を収集するために、複数のノードのうちのサブセットを一時的ルータノードとして事前選択することはより有益であり得る。
【0022】
一時的ルータノードは、疑似ランダム的に事前選択されてもよい。好ましくは、一旦コミッショニングされたシステム内のルータノードの数よりも多くの一時的ルータノードが選択される。上記で開示されるように、システムのある事前知識を用いて、システムのフルカバレッジを提供するために必要とされるルータノードの数の概算が、良好な精度で導出されることができる。このような情報に基づいて、一時的ルータノードは、一時的ルータノードのミッションが、効率的なコアメッシュネットワークを構築することよりむしろ、システム内の近隣関係のオーバービューを作成することであるので、意図的に(purposely)、最終的な数、すなわち計画されたルータノードよりも高い密度で事前選択されてもよい。
【0023】
一例において、一時的ルータノードは、第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント無線接続を介して、又は無線ネットワークを介してコミッショニングデバイスによって手動で1つずつ事前選択され、第2の通信プロトコルは、第1の通信プロトコルとは異なる。
【0024】
一つのオプションとして、一時的ルータノードは、コミッショニングエンジニアによって制御されてもよい、コミッショニングデバイスによって手動で事前選択される。コミッショニングエンジニアは、複数のノードが配備されるエリアを歩き回る際にシンプルなルールに従ってノードのサブセットを一時的ルータノードとして手動で選択してもよい。例えば、コミッショニングエンジニアは、各部屋について、入口に近いノードを一時的ルータノードとして選択してもよい。また、コミッショニングエンジニアは、ノードの配備密度に依存して、ある数のノードごとに1つを選択してもよい。
【0025】
コミッショニングデバイスは、第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント接続を介してノードに接続してもよい。ここで、ポイントツーポイント接続は、ポイントツーマルチポイント接続も含むと見なされる。このようなポイントツーポイント又はポイントツーマルチポイント接続は、1ホップ直接リンクによって特徴付けられ、セットアップが容易であるという利点がある。一時的ルータノードを選択するために、コミッショニングエンジニアは、ビーコンメッセージ等、ポイントツーポイント接続を介して当該ノードを招待するためのメッセージを送信するようにコミッショニングデバイスを制御してもよい。コミッショニングデバイスは選択されたノードに近いので、予め定められたRSSI閾値等、近接性(proximity)に関する追加の要件が、招待を誤ってピックアップする別の近くのノードを除外するために使用されてもよい。
【0026】
代替的に、コミッショニングデバイスは、第1の通信プロトコルに従って無線ネットワークを介してノードに接続してもよい。したがって、このアプローチでは、複数のノード又は複数のノードの一部とコミッショニングデバイスとが同じ無線ネットワークに接続されることを必要としてもよい。ネットワークに新しいノードを追加する1つのやり方は、1つの無線デバイス(多くの場合、中央コントローラ、ゲートウェイ又はブリッジデバイス)が無線ネットワークを開き、新しい無線ノードを自動的にこのネットワークに参加させることによって達成され、これは、自動参加プロセス(auto-joining process)と呼ばれる。このようにしてネットワークが形成された後、ノードは典型的にはランダムに現れ、これは、デバイスを位置特定する(locate)のにかなりの時間が必要とされることを意味する。スマート照明アプリケーションにおいて、これはまた、コミッショニングエンジニアが、各デバイスにブリンクコマンドを送信することによって各器具(fixture)を1つずつ識別し、各デバイスをグループのその位置に登録することを意味する。この例では、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)に基づく等、追加の近接性基準が、コミッショニングデバイスによって、一時的ルータノードとして動作させるために近傍のノードをピックアップするために使用されてもよい。
【0027】
別の例において、一時的ルータノードは、複数のノード自身によって、又は第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント無線接続を介してコミッショニングデバイスによって、又は無線ネットワーク上の中央コントローラによって、予め定められたルールに従って自動的に事前選択され、第2の通信プロトコルは、第1の通信プロトコルとは異なる。
【0028】
一つの好ましいオプションでは、一時的ルータノードは、予め定められたルールに従って自動的に事前選択される。このような自動的プロシージャは、複数のノード自身によって実行されてもよい。例えば、各ノードは、固有の識別子を有してもよく、固有の識別子の特徴に従って、各ノードは、自身が一時的ルータノードであるべきであるか否かを独立して判断してもよい。このような固有の識別子は、IEEE802規格によるメディアアクセス制御(MAC:media access control)アドレス等、長いアドレスであってもよい。予め定められたルールに依存して、予め定められたルールを満たすMACアドレスを有するあるノードは、一時的ルータノードとして自身を選択することになる。一例として、予め定められたルールは、1つ、又は2つ、又はそれ以上のゼロビットで終わるMACアドレスを有するノードが一時的ルータノードになる、又はMACアドレスが数Lによって分割可能であることを指定してもよい。あらかじめ定義されたルールを変更することにより、一時的ルータノードの数とそれ以外のノードの数との比率が相応に調整されることができる。
【0029】
また、一時的ルータノードは、ポイントツーポイント無線接続を介してコミッショニングデバイスによって自動的に事前選択されてもよい。一例として、コミッショニングデバイスは、一時的ルータノードになるように近傍のノードを招待するために一定の間隔で定期的にポイントツーポイント接続を介してビーコンを自動的に送出してもよい。ビーコンメッセージと共に、厳密なRSSI閾値を設定することによる等、近接性要件が上げられてもよい。したがって、近接性要件を満たし、一時的ルータノードとして登録されることができる近傍のノードは、毎回唯一つであってもよい。コミッショニングエンジニアがコミッショニングデバイスを持ってエリアを歩き回る際、一時的ルータノードは、コミッショニングエンジニアのさらなる管理(administration)なく選択される。
【0030】
代替的に、一時的ルータノードは、無線ネットワーク上の中央コントローラ又はゲートウェイデバイスによって自動的に事前選択されてもよい。この場合、複数のノード又は複数のノードの一部は、まず、上述したような自動参加プロシージャに従ってネットワークに接続してもよい。その後、中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、ノードが接続される順序又は順番に従って、又はノードに割り当てられる一時的ネットワークアドレスに従って、ノードを一時的ルータノード(temporary network address)とするように割り当ててもよい。一例として、中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、10個のノードがネットワークに接続されるごとに一時的ルータノードを割り当ててもよい。別の例では、中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、上述のMACアドレスに適用されるアプローチと同様に、当該ノードの一時的ネットワークアドレスがある予め定められた基準を満たす場合に一時的ルータノードを割り当ててもよい。
【0031】
有利には、ポイントツーポイント無線接続は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルに従って動作される。
【0032】
一例では、第2の通信プロトコルに従うポイントツーポイント接続は、ポイントツーマルチポイント接続であってもよい。好ましいセットアップにおいて、第2の無線通信プロトコルは、Bluetooth Low Energy(BLE)規格に準拠する。コミッショニングデバイスが、近傍のノードとのリンクをセットアップするために、BLEビーコン等、ポイントツーポイント又はポイントツーマルチポイント接続の容易なセットアップを利用することは有益である。
【0033】
好ましくは、近隣関係は、直接通信範囲内の複数のノードのうちのネイバノードのリストを含む近隣テーブル(neighboring table)であり、リスト上の各ノードは、当該ノードの予め定められた固有の識別子で識別される。
【0034】
近隣関係は、第1の無線通信プロトコルに従って無線ネットワークを介して、又は第2の無線通信プロトコルに従ってポイントツーポイント接続を介して得られてもよい。
【0035】
近隣関係が無線ネットワークを介して得られる一つのオプションとして、複数のノードは、まず、上述の自動参加プロシージャに従って中央コントローラ又はゲートウェイデバイスによって開かれる無線ネットワークに参加してもよい。その後、各ノードは、直接通信範囲又は単一ホップ距離(single-hop distance)にあるノードのアドレス情報を要求するブロードキャストメッセージを送出し、近隣関係が、これらの近傍のノードから受信される応答に基づいて策定(formulate)されてもよい。
【0036】
第2のオプションとして、近隣関係は、無線ネットワークに参加することなくポイントツーポイント接続を介して直接得られてもよい。第2の通信プロトコルをサポートすることが可能な各ノードは、1ホップ直接通信範囲にある自身の近隣ノードに、BLEビーコン等、メッセージを送出することができる。その後、近隣テーブルが、近隣ノードからの応答を記録することによりノードによって作成されることができる。ポイントツーポイント接続を介して近隣テーブルを確立する一つの有益な点は、プロシージャが、無線ネットワークとは独立して、ましては無線ネットワークが作成される前に実行されることができるため、フレキシビリティがあることである。
【0037】
また、両方のオプションは、一時的ルータノードの事前選択を介してより効率的に実施されてもよい。複数のノードの各々にローカルの近隣テーブルを構築させる代わりに、一時的ルータノードのみが、一時的ルータノードとなる事前選択の際、又はコミッショニングデバイス、若しくは中央コントローラ/ゲートウェイデバイスへの近隣関係を提供するためのクエリの際等に、かかる情報を収集するように指示される。
【0038】
有利には、近隣テーブルはさらに、リスト上の各ノードの信号特性を含み、信号特性は、それぞれのネイバノードへの近接性を定量化する。
【0039】
近隣テーブルは、各近隣ノードの固有の識別子以外の情報を含んでもよい。例えば、信号特性によって反映される近接性情報は、極めて有用であり得る。信号特性は、RSSI、又は近隣ノードから受信される応答の他のリンク品質インジケータであってもよい。このような近接性情報は、各ノードが直接通信範囲にかなりの数の近隣ノードを有する可能性がある、密なネットワークに特に有益であり得る。ルータノードは、さらなる近接性情報に基づいてよりインテリジェントに選択されることができる。例えば、より多くのネイバを有するノードが、ネイバは少ないがネイバとのより良好なリンク品質を有する別のノードと比較して、ルータノードになるためのより良い候補であるとは必ずしも限らないことがある。
【0040】
好ましいセットアップにおいて、無線ネットワークは、Zigbeeプロトコルに従って動作される。
【0041】
Zigbee規格は、ホームオートメーション及び照明制御アプリケーションに広く採用されている。Zigbeeネットワーク層は、スター型及びツリー型の両方のネットワークと、ジェネリックなメッシュネットワーキングをネイティブにサポートしている。強力なトポロジ制御は、特に直接リンクのないソースノードから遠く離れた宛先ノードに到達するために、制御システムにおける非常に高いフレキシビリティを提供する。
【0042】
しかしながら、大きく密なネットワークにおいて、各ノードがメッセージを中継するためにルータノードとして動作することを可能にすることは、頻繁なパケット衝突及び過度の冗長性に起因して、著しい性能低下をもたらす可能性がある。大きく密なネットワークの、Zigbeeプロトコルに従うマルチホップケイパビリティを有するルータノードを含む疎なコアネットワークと、各ルータノード周囲の非ルータノードを含む多くの小さなローカルスターネットワークとへの分割(split)は、より多くの使用可能帯域幅、より少ない干渉、及び低減されたレイテンシの観点で、無線システムの効率を大きく向上させることができる。
【0043】
有益には、ルータノード及び非ルータノードの選択はさらに、
複数のノードの各々(each one)に無線ネットワーク上で動作するためのネットワークアドレスを割り当て、ネットワークアドレスは、第1のサブフィールド及び第2のサブフィールドを含む、
アドレス割当スキーム(address assignment scheme)を含み、
第1のサブフィールドは、ルータノードを別のルータノードと一意に区別するために第1の値に設定され、第1の値は、該ルータノード及び該ルータノードに関連付けられる1つ以上の非ルータノードによって共有され、第2のサブフィールドは、該ルータノード及び関連付けられる1つ以上の非ルータノードを互いに一意に区別するために第2の値に設定され、
ネットワークアドレスの第1のサブフィールドは、ユニキャストメッセージが、ルータノード又は該ルータノードに関連付けられる非ルータノードのいずれかの意図された宛先を有する場合、該ユニキャストメッセージが、マルチホップ中継を介して該ルータノードに到達するためにアドレス指定されるために用いられ、ネットワークアドレスの第2のサブフィールドは、該ルータノード及び該ルータノードに関連付けられる1つ以上の非ルータノードのうちの意図された宛先を識別するためのものである。
【0044】
大規模ネットワークにおけるルーティングは非常に難しい(quite challenging)ことを考慮すると、開示されるアドレススキームは、非ルータノードに対するルータノードの割り当てと組み合わせて、非ルータノードへの効率的なルーティングを促進するために使用されてもよい。複数のノードの各々に割り当てられるネットワークアドレスは、第1のサブフィールド及び第2のサブフィールドを含む。第1のサブフィールドは、ルータノード及びルータノードに関連付けられる1つ以上の非ルータノードをシステム内の他のすべてのノードから一意に識別するために第1の固有値に設定される。第2のサブフィールドは、ルータノードと、ルータノードに関連付けられる、1つ以上の非ルータノードとを互いにさらに一意に識別するために第2の固有値に設定される。このようなアドレス指定スキーム(addressing scheme)を使用することにより、ルーティングがより簡単且つ効率的になる。ルーティングテーブルは、すべてのノードに到達するためのルーティング情報ではなく、ルータノードに到達するためのルーティング情報を格納することしか必要ないので、中央コントローラ若しくはゲートウェイデバイスによって、又はシステム内のルータノードによって非常に大きなルーティングテーブルを格納する必要はない。また、ソースルーティングベースのアプローチ(source routing-based approach)によって課されるユニキャストメッセージのオーバーヘッドを減らすのにも役立つことができる。
【0045】
好ましいシステムセットアップにおいて、無線システムは、照明制御のための、並びに/又はセンサを制御する及びセンシングデータを集めるためのものである。
【0046】
好ましいセットアップにおいて、無線システムは、照明制御のために使用され、ライトとコロケートされる又はライトの近くに位置するアクチュエータ及びセンサからステータス情報及びセンシングデータを集めるために使用されることもできる。別の例では、無線システムは、オフィス若しくは家庭におけるビルオートメーションのための、又は工場における産業用制御のための制御システムであることも可能である。
【0047】
本発明の第2の態様によれば、無線システムが提供される。無線システムは、
複数のノードと、
無線ネットワークを開く、及び、本発明に従って無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする、中央コントローラと、
を含む。
【0048】
無線システムは、第1の通信プロトコルに従って動作する無線ネットワークを開く中央コントローラを含む。上記に開示されるように、中央コントローラは、無線ネットワークを介して複数のノードと通信する、及び、複数のノードと外部ネットワークとの間の接続をセットアップするゲートウェイデバイスであることも可能である。中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、複数のノードが、自動参加を介してランダムにネットワークに参加することを可能にする。複数のノードは、ポイントツーポイント接続を介して又は第1の通信プロトコルに従って無線ネットワークを介して分散的に近隣情報(neighboring information)を検出してもよい。好ましくは、一時的ルータノードが、1つ以上の近隣関係を収集するプロシージャをスピードアップするために予め定められたルールに従って自動的に事前選択されてもよい。近隣関係を確立することにより、中央コントローラ又はゲートウェイデバイスは、近隣関係に従って疎なコアメッシュネットワークを構築するためにノードのサブセットをルータノードとして選択し、他のノードを、存在する場合にはルーティングケイパビリティを無効にすることにより非ルータノードとして割り当ててもよい。斯くして、ルータノード及び非ルータノードへの複数のノードの構成は、中央コントローラ又はゲートウェイデバイスの制御下にある。
【0049】
本発明のさらなる態様によれば、別の無線システムが提供される。無線システムは、
複数のノードと、
無線ネットワークを開く、中央コントローラと、
本発明に従って無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする、コミッショニングデバイスと、
を含む。
【0050】
別のセットアップにおいて、無線システムはまた、構成をより効率的にすることができる、コミッショニングデバイスを含む。コミッショニングデバイスは、ポイントツーポイント接続を介して又はネットワークを介してシステム内のノードに接続してもよい。ポイントツーポイント接続の容易なセットアップは、システムによりフレキシビリティを与える。コミッショニングデバイスは、ノードがより選択的にネットワークに参加することを可能にするために、ポイントツーポイント接続を使用して、近接するあるノードにネットワーククレデンシャル(network credential)を提供してもよい。また、コミッショニングデバイスは、あるノードから近隣情報を読み出し、斯くして、手動又は自動で近隣関係を収集するためにポイントツーポイント接続を使用してもよい。ルータノードのサブセットを導出するための近隣関係に基づく計算(computation)も、コミッショニングデバイスによって実行されてもよい。斯くして、ルータノード及び非ルータノードへの複数のノードの構成は、コミッショニングデバイスの制御下にある。
【0051】
本発明は、分散コンピュータプログラムであって、当該分散コンピュータプログラムが処理手段を各々が含む複数のノードによって実行された場合、複数のノードに含まれる処理手段に本発明による方法を集団的に(in a collective manner)実行させるコード手段を含む、分散コンピュータプログラムに具現されてもよい。
【0052】
本発明はさらに、コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが処理手段を含むノードによって実行された場合、処理手段に本発明による方法を実行させるコード手段を含む、コンピュータプログラムに具現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図にわたって同じ部分を指す。また、これらの図面は、必ずしも正しい縮尺ではなく、その代わりに、全般的に、本発明の原理を例示することに重点が置かれている。
【
図1】高密度で分布する複数のノードを含む無線システムを示す。
【
図2】第1の通信プロトコルに従う疎なネットワークにおけるマルチホップ通信を有する無線システムを示す。
【
図3】複数のノードのうち一時的ルータノードが割り当てられている無線システムを示す。
【
図4】無線システムにおける複数のノードのうちのノードの基本構成要素を概略的に示す。
【
図5】無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
ここで、本発明の様々な実施形態が、
図1に示されるように、複数のノード500を含む無線ネットワーク100に基づいて述べられる。ネットワークは、ある制御目的を果たすためのローカルコーディネータ600の制御下にあるローカルネットワークであることができる。また、ネットワークは、ゲートウェイ、ブリッジ、又はルータデバイス600を介して、クラウド又はバックボーンネットワークに接続されることができる。照明のコンテキストにおいて、ノード500は、照明デバイス、照明器具、センサ、又はスイッチの通信機能を果たすために照明デバイス、照明器具、センサ、又はスイッチに含まれてもよい。ノード500はまた、より広いビル/ホームオートメーションのコンテキストにおけるHVACシステム、スマート冷蔵庫、スマートオーブン、他のスマート白物家電、又はリモートコントローラに含まれてもよい。
【0055】
システムが多数のノードを含み得ることを考慮すると、特にこれらのノードが高密度で配備される場合、これらのノードからの送信は互いに競合する可能性がある。ここで高密度ネットワークは、ネットワーク内のノードのかなりの部分が2つ以上のネイバノードを見ていて、場合によってはネットワーク内の個々のノードの1ホップ直接通信範囲に2つ以上のノードがあることを示すことに留意されたい。本発明は、このような大規模で密なネットワークを、疎なメッシュネットワークと、メッシュネットワーク内の各ルータノード周囲の多数のローカルスターネットワークとの組み合わせへとコミッショニングする効率を向上させることを目的とする。
【0056】
この目的を達成するために、本発明は、
図2に示されるように、複数のノードのうちのサブセットをルータノードとして選択し、残りは非ルータノードのままであることを提案する。ルータノード200になるように構成されることで、ノードは、ルーティングケイパビリティが有効にされて第1の通信プロトコルに従って動作する。ルータノード200は、マルチホップルーティングを介して、複数のノード500に制御コマンドを配信する及び複数のノード500からのステータス情報を転送するように動作可能である。斯くして、ルータノードは、無線システムのコアネットワークの一種として機能する、第1の通信プロトコルに従う疎なマルチホップネットワーク(sparse multi-hop network)を構築する。1ホップ直接リンクを有する各ルータノード200の周囲には、
図2に破線の円で示されるように、ローカルスターネットワーク(local star network)が構築される。ローカルスターネットワークは、1つ以上の非ルータノード300を含む。極端な場合、ネットワークが局所的に低密度である特定のエリア等では、一部のルータノード200は、関連付けられる非ルータノードがゼロであってもよい。非ルータノード300は、ルーティングケイパビリティが無効にされて第1の通信プロトコルに従って動作するように構成されてもよい。ブロードキャストメッセージの場合、非ルータノードは、近傍の少なくとも1つのルータノードから直接該ブロードキャストメッセージを受信することができる。任意選択的に、非ルータノードは、無線ネットワークによって実行されるメインアプリケーションに加えて第2のアプリケーションをサポートする等、主に第2の通信プロトコルに従って動作するように構成されてもよい。当該シナリオでは、このような非ルータノードにメッセージを配信するために、ルータノードが、オンデマンドで第2の通信プロトコルに従った動作に切り替わるための余分な労力を要する、又は非ルータノードが、第1の通信プロトコルを使用して無線ネットワークからメッセージを得ることができるように2つの動作モード間を定期的にローテーションすることを必要とすることがあってもよい。
【0057】
図2は、第1の通信プロトコルに従う疎なネットワークにおける双方向マルチホップ通信を示している。疎なマルチホップネットワークはルータノードを含み、無線システムのコアネットワークとして機能する。斯くして、ルータノードは、特に中央コントローラ又はゲートウェイから遠く離れたノードに対して、システム全体の接続性を保証する責務を負う。第1の通信プロトコルに従うマルチホップルーティングの観点で無線ネットワークを疎にすることにより、近隣ノード間の相互干渉が大幅に抑制される。また、低減されたパケット衝突及び再送は、消費電力、レイテンシ、及び利用可能な(使用可能な)ネットワーク帯域幅の両方の観点で、システムの効率を向上させる。
【0058】
各ルータノード周囲のローカルスターネットワークは、マルチホップルーティングケイパビリティを無効にすることによって第1の通信プロトコルに従って動作してもよく、又は上記に開示したようにポイントツーポイント接続を介して第2の通信プロトコルに従って動作してもよい。
【0059】
第1の無線通信プロトコルは、主として、複数のノードを含む無線制御システムにおいて大規模な情報配信及び収集を実施するためのものであり、一方、制御システムは、照明制御及び/又はビルオートメーションに使用されることができる。第1の無線通信プロトコルは、Zigbee(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標) Mesh、Wi-Fi(登録商標)メッシュ、WirelessHART、SmartRF、CityTouch、IP500、Z-wave、又は他の任意のメッシュ若しくはツリーベースの技術であることができる、マルチホップルーティングをサポートすることが重要である。
【0060】
第2の通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標) low energy(BLE)規格に準拠することが好ましい。また、第2の無線通信プロトコルは、Wi-Fi(登録商標) direct、Zigbee(登録商標) Inter-PAN、Zigbee(登録商標) Touchlink、又はポイントツーポイント接続のための容易なセットアップに都合のよい他の無線通信規格であることもできる。
【0061】
第1及び第2の通信プロトコルに従う2つの通信システムは、異なる周波数計画及びタイムスケジューリングを使用し得ることを考えると、各ルータノード周囲のローカルスターネットワークが第2の通信プロトコルに従って動作する1つの潜在的な利点は、均質なネットワークと比較して、相互干渉が大幅に低減され得ることである。
【0062】
ルータノードの選択は、確立された1つ以上の近隣関係に基づく。最も基本的なセットアップにおいて、1つ以上の近隣関係は、システム100内の複数のノード500の各々から収集される。このようなプロシージャは、システムの規模を考慮すると、かなり時間がかかる可能性がある。また、ネットワークの高密度は、多くの冗長な情報が収集され処理されることにつながり、プロシージャの効率をさらに低下させる可能性がある。それゆえ、本発明者らは、より効率的に近隣関係を収集するために一時的ルータノードのグループを事前選択する利点を認識している。
【0063】
図3は、複数のノードのうち一時的ルータノードが事前選択されている無線システムを示している。一つのオプションとして、一時的ルータノードは、コミッショニングエンジニアによって制御されてもよい、コミッショニングデバイス650によって手動で事前選択される。コミッショニングエンジニアは、複数のノード500が配備されるエリアを歩き回る際にシンプルなルールに従ってノード500のサブセットを一時的ルータノード400として手動で選択してもよい。例えば、コミッショニングエンジニアは、各部屋について、入口に近いノードを一時的ルータノードとして選択してもよい。また、コミッショニングエンジニアは、ノードの配備密度に依存して、ある数のノードごとに1つを選択してもよい。
【0064】
コミッショニングデバイス650は、第2の通信プロトコルに従って近傍の個々のノード500とのポイントツーポイント接続をセットアップしてもよい。また、コミッショニングデバイス650は、ポイントツーポイント接続を介して個々のノード500に無線ネットワークに関連するネットワーククレデンシャルを提供してもよい。斯くして、第2の通信プロトコルは第1の通信プロトコルと異なるため、参加方法は、帯域外参加(out-of-band joining)に基づく。一例では、Zigbeeチャネル(Zigbee channel)、ZigbeeショートpanID(Zigbee short panID)、Zigbee拡張panID(Zigbee extended panID)、ネットワークキー、リンクキー、Zigbeeショートアドレス(Zigbee short address)等、ネットワーククレデンシャル及び識別子が、コミッショニングデバイス650によってBLE接続を介して個々のノード500にアップロードされる。
【0065】
また、コミッショニングデバイス650は、第1の通信プロトコルに従って無線ネットワークに参加し、近傍の個々のノードと通信してもよい。これは、個々のノードが最初に自動参加プロシージャに従ってネットワークに参加することも意味する。
【0066】
別のオプションにおいて、一時的ルータノードは、複数のノード500自身によって、又は第2の通信プロトコルに従ってポイントツーポイント無線接続を介してコミッショニングデバイス650によって、又は無線ネットワーク100上の中央コントローラ600によって、予め定められたルールに従って自動的に選択される。予め定められたルールは、ノード500の固有の識別子、ノード500のショートネットワークアドレス、無線ネットワークに参加する順序/順番、又はノード500の1つの属性若しくはアクティビティに基づく別のランダムに生成される値に従って定義されてもよい。
【0067】
開示される発明は、コミッショニングデバイス650の関与、第2の通信プロトコルをサポートするか否か等のノード500のケイパビリティに依存して、いくつかの異なるシナリオで実施されてもよい。説明を容易にするために、異なるシナリオは、第1の通信プロトコルの一例としてZigbee及び第2の通信プロトコルの一例としてBLEを取り上げて説明される。
【0068】
シナリオ1.Zigbeeのみ(ルータノード200の手動選択、非ルータノード300の自動ネットワーク参加)
コミッショニングの第1の段階において、中央コントローラがZigbeeネットワークを開いた後、すべてのノード500又は一時的ルータノード400のみがZigbeeネットワークに加えられる。一時的ルータノードは個別に選択され、これは、トリガベースの参加によって行われてもよく、すなわち、インストーラ又はコミッショニングエンジニアが、ルータとして機能する必要があるノード/デバイス500のみをトリガしてもよい。この参加のためのトリガは、コミッショニングデバイス650によって支援される、ボタンプレス、特定のパワーサイクリング(power cycling)、赤外線(IR)ポインティング、レーザーポインティング、ボタンプレス、又は無線信号を介した近接検出(proximity detection)等の異なる方法によって行われてもよい。
【0069】
好ましくは、このトリガベースの参加プロセスの後、一時的ルータノード400は、乱数であってもよく、又は整数Nの倍数等、あるルールに従った数であってもよい、ネットワークショートアドレスADRiが割り当てられる。追加のルール(extra rule)は、1つ以上の非ルータデバイス300を特定のルータショートアドレスに論理的にリンクさせ、(ADRi+j(ここで、1≦j≦N-1)のショートアドレスが割り当てられる)非ルータノード300の各ショートアドレスの一意性を保証する上で有利であり得る。Nは、N*M<65535であるように選択されるべきであり、ここで、Mは、システムで予想されるルータノードの最大数であり、Nは、各ルータノードに関連付けられるべき非ルータノード300の総数よりも大きいべきである。
【0070】
コミッショニングの第1の段階中、各非ルータノード300が、好ましくは複数であるが、少なくとも1つの、近隣の一時的ルータノード400を有するように、一時的ルータノード400が選択される必要がある。したがって、ネットワークに十分な量の冗長性がある。一時的ルータノード400がネットワークに加えられた後、ネットワークは、中央コントローラによって閉じられる。
【0071】
コミッショニングプロセスの第2の段階において、一時的ルータノード400は、InterPANメッセージを送出するように(ユニキャストメッセージ又はブロードキャストによって)指示される。InterPANメッセージは、各非ルータノード300がZigbee MACアドレス等のその固有の識別子を含む応答InterPANメッセージを送信するための指示を含む。一時的ルータノード400は、これらの応答メッセージを収集し、これらのメッセージから導出されるRSSI情報を使用して、近くのデバイスの近隣テーブルを構築する。近隣テーブルは、近隣ノードの識別子情報を含み、また、RSSI、LQI、又は距離インジケータ等、各近隣ノードの信号特性又は近接性情報も含んでもよい。中央コントローラでの最適化プロセスを適切にサポートするために、一時的ルータノード400は、そのネイバ/子テーブルに適合するものよりも多くの非ルータノード300に関する情報を格納し、信号が弱い又はすべての一時的ルータノード400から少し遠くに位置する非ルータノード300も表されるようにしてもよい。
【0072】
予め決められた期間の後、中央コントローラ又はゲートウェイデバイス600は、各一時的ルータノード400にその近隣関係又は近隣ノードのリストをクエリする。異なる一時的ルータノード400から収集された近隣関係を用いて、中央コントローラ又はゲートウェイデバイス600は、最適化アルゴリズムを使用して、どのデバイス500がルータデバイス200として構成されるべきか、及び各ルータデバイス200について、どの非ルータデバイス300が関連付けられるべきかを決定してもよい。Zigbeeロングアドレス又はZigbee MACアドレスによって識別される非ルータデバイスのリスト等、この非ルータデバイスの割り当ては、中央コントローラによって、決定されたルータノード200の各々に送信される。中央コントローラからこの情報を受信すると、ルータノード200は、指定された非ルータノード300に第3のInterPANメッセージを送信し、これは、これらのデバイスが当該ルータノード200を介してネットワークに参加し、当該ルータノード200に関連付けられるようになることをトリガする。その後、ルータノード200は、Zigbeeユニキャストコマンド又は代替的に第4のInterPANメッセージによってこれらのノードに個々のZigbeeショートアドレスを送信する。
【0073】
近隣関係に基づいて、最適化アルゴリズムが、ネットワーク全体の接続性に影響を与えない限り、ルーティングノードの数ができる限り減らされるべきであるように、ルータノードのセットを選択するトポロジ最適化のために使用される。ここでは、異なるアルゴリズムが採用されてもよく、例えば、グラフ理論に基づき、無線センサネットワークにおいて頂点カバー(vertex cover)を構築するためにアルゴリズム群が開発されてもよい。
【0074】
非ルータノードのネットワークショートアドレスADNRjは、好ましくは、以下によって与えられるべきである。
ADNRj=ADRi+j、1≦j≦N-1 (1)
ここで、ADRiは、関連付けられるルータノードのショートアドレスであり、好ましくは、以下によって与えられる。
ADRi=i・N (2)
N-1は、各ルータノードに関連付けられるべき非ルータノードの最大数である。
【0075】
このようにして、各非ルータノード300は、その関連付けられるルータノード200のショートアドレスに直接結びつけられる(tied)予測可能なショートアドレスを有する。これは、非ルータノード300にユニキャストメッセージを送信するノード又は中央コントローラ600が、当該ノードへのルートを知る必要がなく、その関連付けられるルータノード200へのルートしか知る必要がないので、ルーティングを著しく単純化する。これは、ルーティングテーブルのサイズを(最大で)約Nのファクタで低減させることができる。
【0076】
シナリオ2.Zigbee+BLE(ルータノード200の手動選択、非ルータノード300の自動ネットワーク参加)
複数のノード500がBLE通信もサポートする場合、上記の半自動コミッショニングプロセスは、代替的なやり方で行われることもできる。この場合、ノード500は、自身の存在を示すために、及び近隣関係を構築するために、接続可能又は非接続可能BLEアドバタイズメントを送出することから始める。一時的ルータノード400は、コミッショニングデバイス650(例えば、モバイルフォン)によりネットワークに1つずつ加えられてもよい。コミッショニングデバイス650は、ネットワーククレデンシャル又は識別子(リンクキー、ネットワークキー、Zigbeeチャネル、ZigbeeショートpanID、Zigbee拡張panID、Zigbeeショートアドレス)を各一時的ルータノード400に送信し、Zigbeeロングアドレス、Zigbee MACアドレス、又は別の固有の識別子を各一時的ルータノード400からポイントツーポイントBLE接続で読み出す。現段階で、各一時的ルータノード400は、(2)に従ってZigbeeショートアドレスが割り当てられる。
【0077】
一時的ルータノード400の選択後、中央コントローラは、すべての一時的ルータノード400に、近隣ノードからのBLEアドバタイズメントのスキャンを開始する、又は、以前のスキャンの結果を使用するようコマンドを送信する。その後、一時的ルータノード400は、自身のBLEアドバタイズメントを停止し、近隣ノードからのアドバタイズメントをリッスンしてもよい。予め決定された時間の後、一時的ルータノード400は、(まだアドバタイズしている)近隣デバイスからのアドバタイズメントのRSSI値、又は別の信号/リンク品質インジケータに基づいて(BLE)近隣テーブルを作成してもよい。各一時的ルータノード400のこの(BLE)近隣テーブルは、その後、Zigbeeネットワークを介して中央コントローラによってクエリされる。中央コントローラ600は、ルータノード200を割り当てる最適な組み合わせを計算し、これらのルータノード200に、関連付けられるべき非ルータノード300のリストを通知してもよい。
【0078】
非ルータノード300のリストを受けると、ルータデバイス200は、非ルータノード300の各々とBLE接続をセットアップし、これらの非ルータノード300にネットワーククレデンシャルを送信し、これらのZigbeeショートネットワークアドレスを(1)で指定されるアドレスに適合させる。
【0079】
代替的に、Zigbee自動参加が使用され、各ルータノード200が、他のノードからの参加要求を拒否することによって、その意図する非ルータノードのみが参加することを可能にしてもよい。このようなアプローチにおいて、すべてのノード500は、デフォルトでパワーオン後に(好ましくは低頻度で)自動参加モードになるべきであり、又は自動参加モードは、意図する非ルータデバイスのいくつかのネットワーククレデンシャルをさらに含む、各ルータノードから送信される非接続可能BLEビーコン(non-connectable BLE beacon)によってトリガされる必要がある。各デバイス500がZigbeeネットワーク100に加えられた後、これらは、割り当てられた役割、ルータノード又は非ルータノードに従って直ちに自身を構成すべきである。
【0080】
シナリオ3.BLE+Zigbee(ルータノードの自動選択)
シナリオ2の半自動コミッショニングプロセスから始めて、一時的ルータノード400の指定も自動的に行われることができる。この場合、ノード500は再び、自身の存在を示すために、接続可能又は非接続可能BLEアドバタイズメントを送出することを始める。パワーアップ後、各ノード500は、近傍の他のノードのBLEアドバタイズメントをスキャンすることによって、そのRSSI順の(BLE)近隣テーブルも構築する。
【0081】
その後、コミッショニングデバイス650は、各ノードへのBLE接続を1つずつ自動的にセットアップする。BLE接続を介して、コミッショニングデバイス650は、各デバイス500にZigbeeネットワーククレデンシャルを送信し、各デバイス500のBLEネイバテーブルを読み出す。この後、コミッショニングデバイスは、ノード500に一時的なZigbeeショートアドレスを割り当てる。現段階でネットワークに過負荷がかかるのを避けるために、N個のノードごとに1つのみ、新しいノードが一時的ルータノード400であるように選択され、残りのN-1個のノードは非ルータノード300であるように設計されてもよい。一時的ルータノード400の事前選択後、コミッショニングデバイス又はネットワークコントローラは、すべての一時的ルータデバイス400にそのBLEネイバテーブルについてクエリし(代替的に、これはネットワークパラメータを提供する時にコミッショニングデバイス650によって行われることができる)、すべてのルータ及び非ルータデバイスが中央コントローラに向かう又はネットワークの他のノードに向かうルートをセットアップできるように十分な近隣ルータデバイスを有するような、ルータデバイス200及び非ルータデバイス300の最適化されたセットを計算する。コミッショニングデバイス650がこのステップに使用される場合、コミッショニングデバイスはその後、ノードの1つへのBLE接続をセットアップしてもよく、このノードは、ネットワーク全体へZigbeeコマンドを送信するためのプロキシとして使用される。そうでない場合、コミッショニングデバイスもZigbeeネットワークに参加する必要があり得る。中央コントローラが使用される場合、中央コントローラはネットワークに接続され、Zigbeeコマンドを直接送信する。
【0082】
各ノード500の一時的なZigbeeショートアドレスを使用して、コミッショニングデバイス650はここでは、BLE-Zigbeeトンネルを使用するか、又は代替的に、中央コントローラから各デバイス500に直接送信して、ネットワーク内の各デバイス500の役割を展開し、(1)及び(2)に従う等、各デバイスに最終的なZigbeeショートアドレスを割り当てる。シナリオ2と同様に、RSSI/ネイバ情報は、ネットワークの後の更新のために等、Zigbeeネットワークが既に形成されている場合、Zigbeeネットワークを介して(例えば、Link Statusメッセージから)得られてもよい。
【0083】
シナリオ4.BLE+Zigbee(ルータノードの自動選択、手動での参加は一切なし)
このシナリオにおいて、中央コントローラ600はZigbeeネットワーク100を開き、すべてのノード500はこのZigbeeネットワークに1つずつ自動参加する。ネットワークに参加する各新規のノードは、デバイスアナウンスメントを送信する。中央コントローラ600がこのアナウンスを受信した後、中央コントローラ600は、ノードを一時的にルータ400又は非ルータデバイス300に指定するZigbeeコマンドを新規のノードに送信する。コントローラは、カウンタを維持し、最初のデバイスとn'番目毎のデバイスを一時的ルータ400に指定し、その間の他の(n-1)デバイスを非ルータ300に指定してもよい。
【0084】
このようにしてネットワーク全体を形成した後、ネットワークコントローラ600は、すべてのデバイス500又は一時的ルータデバイス400のみに、そのBLE(及び/又はZigbee)近隣テーブルについてクエリし、すべてのルータ及び非ルータデバイスが中央コントローラ600に向かうルートをセットアップできるように十分な近隣ルータデバイスを有するような、ルータデバイス200及び非ルータデバイス300の最適化されたセットを計算する。各ノード500の一時的なZigbeeショートアドレスを使用して、コントローラは、各ノード500にZigbeeユニキャストメッセージを送信して、各デバイス500の最終的な役割を展開し、各デバイス500に最終的なZigbeeショートアドレスを割り当てる(再び、(1)及び(2)によるルールを反映してもよい)。
【0085】
また、上記のシナリオは、第1のノードをプロキシデバイスとして使用し、BLE-Zigbeeトンネルを介してすべてのZigbeeコマンドを送信するコミッショニングデバイス650を使用して行われてもよい。さらに、上記のシナリオは、BLE近隣テーブルを作成するためにBLEアドバタイズメントの代わりにInterPANメッセージを使用して行われてもよい。
【0086】
一部の上述したシナリオにおいて、ネットワークの一部又はサブセットに選択的に給電し、これらの部分をネットワーク全体に1つずつ加えることが有益であり得る。このようにして、コミッショニングプロセス全体中にルータノードとなるノードが100~200個以上あるような状況に陥らずに済む。また、100~200個のデバイスが同時にビーコンリクエストを送信し始める状況も避けられる。これは、自動参加が使用される場合に特に有用であり得、ネットワークを確立する際に費やされる全体的な時間を減らすことになる。
【0087】
すべてのシナリオに対する拡張
ネットワークトポロジ/論理的グルーピングとアラインされる場合、上述の(ショート)アドレス指定スキーム及びルータ/非ルータ関係は、中央コントローラ600がネットワーク内のあるデバイス200、300のステータスをクエリする必要がある場合に、非常に有益となり得る。各デバイスに1つずつクエリする代わりに、ルータデバイス200だけにクエリすることも可能である。ルータデバイス200は、その子/関連付けられる非ルータデバイス300に(ワンホップユニキャストを介して)定期的にクエリすることによってステータス情報を既にプリロードしてもよく、又はこれをオンデマンドで行ってもよい。どちらの場合も、ルータデバイス200は、自身及びそのすべての子/関連付けられる非ルータデバイスに代わってステータス情報を送信し、これにより、複数のホップにわたって送信されるメッセージの数が大幅に削減される。
【0088】
さらに、ルータノード200は、このようにして、子ノードが何らかの理由でブロードキャストメッセージを見逃したことを検出し、影響を受けた子ノードにユニキャストメッセージを送信することによってこれを「修復(repair)」してもよい。
【0089】
さらに、ルータノード及びその関連付けられる非ルータノードが同じZigbeeグループにある場合、Zigbeeグループの割り当ては、上述の半自動コミッショニングプロセスから利益を享受することができる。このようなシナリオにおいて、Zigbeeグループの割り当ては、ネットワークに参加した直後にルータを割り当てることによって行われ、ルータデバイス200が、その子をネットワークに参加した後に同じZigbeeグループ番号に割り当てるようにしてもよい。また、同じアプローチは、選択的パワリングスキーム(selective powering scheme)に適用されてもよい。
【0090】
図4は、無線システム100における複数のノード200、300、400、500のうちのノードの基本構成要素を概略的に示している。ノード200、300、400、500は、マルチホップルーティングを有するメッシュ又はツリーネットワークをサポートすることが可能である第1の通信プロトコル、及びポイントツーポイント接続をサポートすることが可能である第2の通信プロトコルの少なくとも一方又は両方に従って動作することが可能である、ラジオユニット510を含む。ラジオユニット510は、第1及び第2の通信プロトコルの両方をサポートし、タイムインターリーブ方式で2つの通信プロトコルのどちらかに従って動作するコンボデバイスであってもよい。ラジオユニット510は、2つの別個のシングルモードトランシーバ520、530を含み、各々が1つの通信プロトコルをサポートしてもよい。ノード200、300、400、500はさらに、構成に従ってルータノード又は非ルータノードとして動作するようにノードを制御するように構成される、コントローラ540を含む。
【0091】
オプションとして、ノード200、300、400、500はさらに、
図4において550で示されるように、アプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータを含んでもよい。アプリケーションコントローラ又はアクチュエータは、照明のコンテキスト又はより広いビルオートメーションのコンテキストにおけるノードの制御機能性に関連してもよい。アプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータは、ノードによって受信される制御コマンドを実行してもよい。ステータス情報が、制御システムへのフィードバックとしてアプリケーションコントローラ及び/又はアクチュエータによって提供される。
【0092】
別のオプションでは、ノード200、300、400、500はさらに、
図4において560で示されるように、センサを含んでもよい。センサ560は、存在及び/又は温度、湿度等の環境情報を検出するように構成されてもよい。センシングデータは、ノード、又はアプリケーションコントローラ及び/若しくはアクチュエータのステータス情報に加えて、又は該ステータス情報とは独立して収集されてもよい。
【0093】
図5は、無線ネットワークに複数のノードをコミッショニングする方法700のフロー図を示している。ステップS703において、1つ以上の近隣関係が、複数のノード500間で確立され、複数のノード500の各々は、1つ以上の近隣関係のうちの1つによって少なくとも一回見つかる。ステップS704において、複数のノード500のうちのノードのサブセットが、無線ネットワークにおいてメッセージを中継するためのマルチホップルーティングケイパビリティを有効にすることによってルータノード200として動作するように構成され、ルータノード以外の、複数のノードの残りは、ステップS705において、存在する場合にはマルチホップルーティングケイパビリティを無効にすることによって、メッセージを中継しない、非ルータノード300として動作するように構成され、ルータノード200及び非ルータノード300は、非ルータノード300の直接通信範囲内に少なくとも1つのルータノード200があるように、1つ以上の近隣関係に基づいて構成される。
【0094】
任意選択的に、方法700は、非ルータノードの各々が、直接通信範囲内のルータノードに関連付けられる、さらなるステップS706を含み、非ルータノードにユニキャストメッセージを送信することが、対応するルータノードを介して行われる。
【0095】
別の例において、開示される方法700は、2つのさらなるステップを含み、ステップS701において、複数のノードのうちの第1のサブセットが、一時的ルータノード400として事前選択され、各一時的ルータノード400は、ステップS702において、その近隣関係についてクエリされる。
【0096】
本発明による方法は、コンピュータ実施方法(computer implemented method)としてコンピュータで、又は専用のハードウェアで、又は両方の組み合わせで実施されてもよい。
【0097】
本発明による方法のための実行可能コードは、コンピュータ/機械可読記憶手段に記憶されてもよい。コンピュータ/機械可読記憶手段の例としては、不揮発性メモリデバイス、光学記憶媒体/デバイス、固体媒体、集積回路、サーバ等が挙げられる。好ましくは、コンピュータプログラムプロダクトは、当該プログラムプロダクトが、上述した実施形態で開示されるノード又はネットワーク又はコミッショニングデバイスに含まれるコンピュータ又は処理手段で実行された場合、本発明による方法を実行するためのコンピュータ可読媒体に記憶される非一時的プログラムコード手段を含む。
【0098】
方法、システム及びコンピュータ可読媒体(一時的及び非一時的)は、上述の実施形態の選択された態様を実施するために提供されてもよい。
【0099】
用語「コントローラ」は、本明細書では、一般に、数ある機能の中でもとりわけ、1つ以上のネットワークデバイス又はコーディネータの動作に関連する様々な装置を述べるために使用される。コントローラは、本明細書で論じられる様々な機能を実行するように、数多くのやり方で(例えば、専用ハードウェアを用いて)実装されることができる。「プロセッサ」は、本明細書で論じられる様々な機能を実行するように、ソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされてもよい、1つ以上のマイクロプロセッサを採用する、コントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを用いて、又はプロセッサを用いずに実装されてもよく、また、一部の機能を実行するための専用ハードウェアと、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実装されてもよい。本開示の様々な実施形態で採用されてもよいコントローラ構成要素の例としては、限定するものではないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)が挙げられる。
【0100】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称され、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、コンパクトディスク、光ディスク等)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる本発明の様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0101】
本明細書で使用される用語「ネットワーク」は、任意の2つ以上のデバイス間での、及び/又はネットワークに結合された複数のデバイスの間での、(例えば、デバイス制御、データ記憶、データ交換等のための)情報の転送を容易にする、(コントローラ又はプロセッサを含む)2つ以上のデバイスの任意の相互接続を指す。
【0102】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0103】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。「~から本質的に成る」は、請求項で使用される場合、特許法の分野で使用される際の、その通常の意味を有するものとする。
【0104】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定されている要素に関連していても関連していなくても、任意選択的に存在してもよいことを許容する。
【0105】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。また、特許請求の範囲において括弧内に登場する参照符号は、便宜上、提供されているに過ぎず、当該請求項をいかようにも限定するものと解釈されるべきではない。
【0106】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、制限又は半制限移行句である。