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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20240308BHJP
   E06B 3/82 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
E06B5/00 B
E06B3/82
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023036072
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2021064256の分割
【原出願日】2016-09-07
(65)【公開番号】P2023065679
(43)【公開日】2023-05-12
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100156018
【弁理士】
【氏名又は名称】若田 充史
(74)【代理人】
【識別番号】100081569
【弁理士】
【氏名又は名称】若田 勝一
(72)【発明者】
【氏名】宮 孝明
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-41086(JP,U)
【文献】登録実用新案第3197883(JP,U)
【文献】特開2016-138380(JP,A)
【文献】特開2000-104459(JP,A)
【文献】実開昭52-25366(JP,U)
【文献】特開2001-73642(JP,A)
【文献】特開昭52-72759(JP,A)
【文献】特開2005-105771(JP,A)
【文献】特開2016-75107(JP,A)
【文献】特開2015-178714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E06B 3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体の開口部に取付けられる枠体と、その枠体に開閉可能に取付けられるドア本体とを備え、
前記ドア本体が、その室内外方向において、室外側表面材と室内側表面材との間に、四周の端部材を設けて構成されたドアであって、
ドアが閉じた状態において、前記ドア本体の見込み面と、前記枠体のドア本体側の見込み面が対向するように位置し、
前記端部材は、樹脂製材料からなり、
前記四周の端部材のうち、少なくとも一部の端部材の内部に、断熱材及び金属製の芯材を備え、前記金属製の芯材は、断面形状が略L字形をなし、前記断熱材は前記金属製の芯材の内側に設けられ、
ドアが閉じた状態で、前記枠体と前記ドア本体の見付け面の間を塞ぐために設けられる気密材と、前記枠体とドア本体の見込み面の間を塞ぐために設けられる塞ぎ材が設けられ、前記気密材と前記塞ぎ材と前記ドア本体とにより、領域が形成される
ことを特徴とするドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアに係わり、特にドア本体の断熱性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱性が求められるドアには、例えば特許文献1に開示されているように、ドア本体として、室内側表面材と室外側表面材との間に、四周の端部材(枠材)と、断熱材とを挟んで構成される。端部材は断面形状がコ字形をなし、端部材の間に断熱材が配置され、端部材内に空間層が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-297784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のドアは、ドア本体の四周に枠材として設けられる端部材内に空気層が形成されているため、室内外温度差により、端部材の内部に対流が生じ、断熱性を低下させるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、断熱性をより向上させたドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のドアは、躯体の開口部に取付けられる枠体と、その枠体に開閉可能に取付けられるドア本体とを備え、
前記ドア本体が、その室内外方向において、室外側表面材と室内側表面材との間に、四周の端部材を設けて構成されたドアであって、
ドアが閉じた状態において、前記ドア本体の見込み面と、前記枠体のドア本体側の見込み面が対向するように位置し、
前記端部材は、樹脂製材料からなり、
前記四周の端部材のうち、少なくとも一部の端部材の内部に、断熱材及び金属製の芯材を備え、前記金属製の芯材は、断面形状が略L字形をなし、前記断熱材は前記金属製の芯材の内側に設けられ、
ドアが閉じた状態で、前記枠体と前記ドア本体の見付け面の間を塞ぐために設けられる気密材と、前記枠体とドア本体の見込み面の間を塞ぐために設けられる塞ぎ材が設けられ、前記気密材と前記塞ぎ材と前記ドア本体とにより、領域が形成される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、ドア本体の四周の端部材のうち、少なくとも一部の内部に断熱材を設けたので、端部材内での室内外温度差による対流が防止され、断熱性の高いドアが提供できる。また、端部材内の金属製の芯材の断面形状を略L字形としたので、芯材による伝熱を抑えることができる。また、塞ぎ材によって外気が遮断されるので、気密材による気密性の向上に加え、外気による熱的影響が軽減され、ドアの断熱性が向上する。
【0008】
また、本発明において、端部材を樹脂製材料によって構成することにより、ドア本体の断熱性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態のドアを室内側から見た図である。
図2図1のA-A拡大断面図である。
図3図1のB-B拡大断面図である。
図4図1のC-C拡大断面図である。
図5図1のD-D拡大断面図である。
図6】本発明の他の実施の形態を示す図2相当断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の一実施の形態のドアを室内側から見た図である。図1において、1は躯体の開口部に取付けられるドアの枠体である。2は枠体1内に蝶番3により開閉可能に取付けられるドア本体である。枠体1は、吊元側縦枠4と戸先側縦枠5と上側の横枠(上枠)6と下側の横枠(下枠)7とをタッピングねじ(図示せず)により組み合わせて矩形に構成する。
【0011】
図2図3図4図5はそれぞれ図1のA-A、B-B、C-C、D-D拡大断面図である。ドア本体2の説明に先立ち、まず枠体1を構成する縦枠4,5、上枠6および下枠7の構造の説明を行なう。図2図3図4に示すように、縦枠4,5および上枠6は、いずれも例えばPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)等の樹脂製材料の押出形材でなり、これらの縦枠4,5および上枠6の室外側をアルミニウム合金等の金属製のカバー37,38,39で覆ってねじやリベット等の固定具41,42,43により固定している。金属製のカバー37,38,39は、樹脂製の枠材の直射日光による劣化による外観の低下を防止するために設けられる。
【0012】
図2に示すように、吊元側の縦枠4のドア本体2側の部位は、見込み方向(室内外方向)に複数(図示例は4個)の中空部4a~4dに区画されている。また、縦枠4の室外側部位は、ドア本体2から離反する側に見付け方向に延びる延出部4eを有し、その延出部4eにも、中空部4dに隣接する中空部4fが区画されている。
【0013】
17a,17b,17cはそれぞれ縦枠4のドア本体2に隣接する中空部4b,4c,4d内に嵌め込まれた断熱材であり、例えばEPS(発泡ポリスチレン樹脂)等の発泡材でなる。4kはコ字形の鋼板等の金属製芯材であり、この芯材4kは室外側の中空部4d内に嵌め込まれ、不図示の固定具、両面テープまたは接着剤等で中空部4dに固定される。中空部4d内の断熱材17cは、この金属製芯材4k内に嵌合、固定して設けられる。
【0014】
18は樹脂製またはゴム製の気密材であり、この気密材18は、枠体1とドア本体2の室内側の面との間に介在し、ドア本体2が閉じられた状態において、両者間の隙間を塞ぐ。この気密材18は、縦枠4においては、ドア本体2側の面に突出させて形成された気密材取付け部4gに基部を嵌合して取付けられている。断熱材17a~17cは、縦枠4における気密材18の取付け部よりも室外側にあり、かつドア本体2に隣接する中空部4b~4d内にそれぞれ配置されている。一方、気密材18の取付け部よりも室内側の中空部4a内、および室外側にあって、ドア本体2に隣接していない中空部4f内には断熱材は配置されていない。50は枠体1を取付ける開口部を構成する躯体の一部となる柱である。
【0015】
図3に示すように、戸先側の縦枠5も吊元側の縦枠4と同様に、ドア本体2側の部位は、見込み方向に複数(図示例は4個)の中空部5a~5dに区画されている。また、縦枠5の室外側部位は、ドア本体2から離反する側に見付け方向に延びる延出部5eを有し、その延出部5eにも中空部5dに隣接する中空部5fが区画されている。
【0016】
17d,17e,17fはそれぞれドア本体2側の中空部5b,5c,5d内に嵌め込まれた断熱材であり、例えばEPS等の発泡材でなる。5kは断面形状がコ字形の鋼板等の金属製芯材であり、この芯材5kは室外側の中空部5d内に嵌め込まれ、不図示の固定具、両面テープまたは接着剤等で中空部5dに固定されている。中空部5d内の断熱材17fは、この金属製芯材5k内に嵌合、固定して設けられる。
【0017】
図3において、気密材18は、縦枠5のドア本体2側の面に突出させて形成された気密材取付け部5gに基部を嵌合して取付けられている。断熱材17d~17fは、縦枠5における気密材18の取付け部よりも室外側にあり、かつドア本体2に隣接する中空部5b~5d内にそれぞれ配置されている。一方、気密材18の取付け部よりも室内側の中空部5a内、および室外側にあって、ドア本体2に隣接していない中空部5f内には断熱材は配置されていない。51はドアの枠体1を取付ける開口部を構成する躯体の一部となる柱である。
【0018】
図4に示すように、上枠6も縦枠4,5と同様に、ドア本体2側の部位は、室内外方向に複数(図示例は3個)の中空部6a~6cに区画されている。また、上枠6の室外側部位は、ドア本体2から離反する側に見付け方向に延びる延出部6dを有し、その延出部6dにも中空部6cに隣接する中空部6eが区画されている。
【0019】
17g,17hはそれぞれ上枠6のドア本体2側の中空部6b,6c内に嵌め込まれた断熱材であり、例えばEPS等の発泡材でなる。
【0020】
図4において、気密材18は、上枠6のドア本体2側の面に突出させて形成された気密材取付け部6fに基部を嵌合して取付けられている。断熱材17g,17hは、上枠6における、気密材18の取付け部よりも室外側にあり、かつドア本体2に隣接する中空部6b,6c内にそれぞれ配置されている。一方、気密材18の取付け部よりも室内側の中空部6a内、および室外側にあって、ドア本体2に隣接していない中空部6e内には断熱材は配置されていない。52はドアの枠体1を取付ける開口部を構成する躯体の一部となる横架材である。
【0021】
図5に示すように、本実施の形態の下枠7は、ドア本体2の下面に対向する室外側枠7aと、室内側枠7bとをアルミニウム合金等の金属製材料の押出形材により構成し、これらの室外側枠7aと室内側枠7bとの間をゴムまたは樹脂製の断熱材7cにより結合して構成している。L1はこのドアの室外側の地面のレベルを示す。この地面のレベルL1は、ドア本体2の下面に対面する下枠7の上面と同一レベルまたはそのレベルよりやや低い位置に設定される。L2はこのドアが設置される室内側の土間のレベルを示す。このレベルL2は、下枠7の室内側部分の上面に設けられるゴム製の保護材24の上面とほぼ同一レベルに設定される。保護材24は、下枠7の上面が砂等の付着により損傷することと、結露を防止するために設けられる。
【0022】
下枠7の室外側枠7aはステンレス鋼板等でなる金属製のカバー40で覆い、リベットやねじ等の固定具44で下枠7に固定している。室内側枠7bには、ドア本体2の室内側に対向する立上部7b1を有し、その立上部7b1にドア本体2の室内側の面を当てる気密材18を取付けている。
【0023】
本実施の形態の下枠7においては、室外側枠7aは、断面形状が略矩形に形成される。金属製のカバー40は、室外側枠7aの下面部7a1の下の室外側部分を覆う下面部40aと、室外側枠7aの室外側の垂直面である見付け面部7a2を覆う見付け面部40bと、室外側枠7aの上面部7a3を覆う上面部40cとで構成している。金属製のカバー40の室内側の端部40dは、断熱材7c上に位置させている。
【0024】
なお、本実施の形態において、下枠7の材質として金属製材料でなる押出形材を用いているのは、下枠7に人の荷重がかかる場合に、変形等を生じにくくするためである。また、金属製のカバー40として押出形材でなる室外側枠7aおよび室内側枠7bより硬度の高いステンレス鋼を用いることにより、砂などの付着による下枠7の損傷を防止し、外観の低下を防止することができる。しかしながら、この下枠7にも樹脂製の押出形材を用いてもよい。
【0025】
次にドア本体2の構成およびその枠体1への取付け構造について説明する。ドア本体2は、鋼板等でなる金属製の室外側表面材8および室内側表面材9と、ドア本体2の吊元側端部(図2)、戸先側端部(図3)、上端部(図4)、下端部(図5)にそれぞれ設けられた端部材10,11,12,13とを有する。
【0026】
これらの端部材10~13のうち、端部材10,12,13は樹脂製材料でなる。また、これらの端部材のうち、吊元側の端部材10は矩形の中空形状をなし、上端部、下端部の各端部材12,13は、断面形状がコ字形をなす。
【0027】
一方、図3に示す戸先側の端部材11は、戸先側カバー14を取付けるため、断面形状がL字形をなして室内外コーナー部にそれぞれ配置される2つの樹脂製のプレート材15,15と、その間に設けられた鋼材等の金属製の室外側芯材19、およびこの芯材19の室内側に両面テープ等により固定された樹脂製の室内側芯材20により構成される。そして、この端部材11を戸先側カバー14で覆い、不図示のリベットやねじ等の固定具で芯材19に戸先側カバー14を固定することによって戸先側カバー14をドア本体2に取付ける。22は戸先側カバー14の室外側に取付けられた樹脂製またはゴム製の塞ぎ材であり、戸先側縦枠5の金属製のカバー38の室外側見付け面38aに当接させて外気の侵入を補助的に抑えるものである。
【0028】
図2に示すように、ドア本体2の吊元側の端部材10は、その一部分として、ドア本体2の見付け方向について外側へ突出した露出部10aを有する。ドア本体2の吊元側の端部材10に対して、室外側表面材8および室内側表面材9は、露出部10aを覆わず、見付け面部8a,9aの端部から見込み面部8b,9bをL字形に短く折り曲げて形成した形状を有する。表面材8,9は、見込み面部8b,9bにおいて不図示のリベットにより固定され、かつ接着剤により接着されて端部材10に固定される。
【0029】
図4図5に示すように、ドア本体2の上端部、下端部においては、表面材8,9の見込み面部8b,9bは、ドア本体2の見込み方向の中央部近傍まで、すなわち図2に示す吊元側の見込み面部8b,9bに比べて長く延出させて形成され、不図示のリベットや接着剤により端部材12,13に固定される。
【0030】
図2図4図5において、17k,17m,17nはそれぞれ端部材10,12,13内に配置し固定した断熱材であり、ドア本体2の端部における断熱性を向上させるために設けられたものである。これらの断熱材17k,17m,17nの材質は特に限定されないが、好ましくは、前記枠体1内に収容した断熱材17a~17hと同様の材質のブロック状の断熱材が用いられる。
【0031】
17pは端部材10~13や表面材8,9と共にドア本体2を構成するパネル状の断熱材(断熱パネル)であり、この断熱材17pは、室外側表面材8、室内側表面材9、端部材10~13とでボックス状に組まれた枠内に収容され、接着して固定される。断熱材17pには断熱材17a~17nと同様の材質のものかあるいはこれらよりも断熱性が高い例えばフェノールホーム保温板(旭化成建材(株)社製、商品名:ネオマフォーム(ネオマは登録商標))を用いる。
【0032】
次にドア本体2の吊元側の取付け構造について、図2により説明する。25はドア本体2の吊元側を補強する鋼材等の金属でなる芯材である。この芯材25は断面形状がL字形をなし、中空状の端部材10の内部であって、室内外方向において、室外側コーナー部10cと室内側コーナー部10dとの間に配置される。32は後述の蝶番3の取付け板3bに結合するための裏板であり、芯材25の端部材10への取付けは、この裏板32を芯材25に固定した状態で、端部材10の見込み面部10bに対し、不図示の取付けねじ等により結合して行なう。
【0033】
この芯材25の断面形状を見込み面部25bと見付け面部25cを備えた略L字形とし、これを端部材10の室外側コーナー部10c内に固定している理由は、この芯材25によるその断面形状の略L字形におけるLの字の角がなく端部が向いている側への伝熱を抑えるためである。すなわち金属製の芯材25を端部材10の室外側の内部に位置させ、芯材25の見込み面部25bの狭幅の端部25aを室内側に位置させることにより、芯材25の室内側への伝熱面積を狭くして芯材25による伝熱を抑制している。また、芯材25の室内側端部25aを、室内側表面材9の見込み面部9bの室外側端部9b1よりも室外側に位置させることにより、芯材25と室内側表面材9との間の伝熱を抑制し、断熱性を高めている。
【0034】
蝶番3は枠体側取付け板3aとドア本体側取付け板3bとを有する。28は枠体側取付け板3aを縦枠4に取付ける蝶番取付け用のねじである。この蝶番取付け用のねじ28を、ドア本体側取付け板3aと、縦枠4のドア本体側見込み面部4mに設けた貫通孔に通し、中空部4d内に固定した芯材4k内に固定した裏板29のねじ孔に螺合し締結することにより、枠体側取付け板3aを縦枠4に固定する。
【0035】
31はドア本体側取付け板3bをドア本体2に固定する蝶番取付け用のねじである。この蝶番取付け用のねじ31を、ドア本体側取付け板3bと、端部材10の見込み面部10bおよび芯材25に設けた貫通孔に通し、一部のねじ31についてはドア本体2の室外側表面材8の見込み面部8bにも通し、芯材25の裏側に当てた裏板32のねじ孔に螺合し締結することにより、ドア本体側取付け板3bをドア本体2に固定する。
【0036】
35は枠体1の縦枠4とドア本体2との間の隙間を閉塞して外気の侵入を補助的に抑える塞ぎ材である。この塞ぎ材35はゴムまたは樹脂製のものであり、本実施の形態においては、この塞ぎ材35のドア本体2に当接して撓む当接部35aがヒレによって構成されている。この塞ぎ材35は、縦枠4のドア本体側見込み面部4mにリベット36等の固定具により固定して取付ける。ドアを閉めた状態においては、図示のように、塞ぎ材35の当接部35aが端部材10の見込み面の露出部10aに当接して縦枠4とドア本体2との間の隙間を塞ぐ。このように、端部材10の露出部10aに塞ぎ材35の当接部35aを当接させることにより、ドア本体2の室内側表面材9は塞ぎ材35によって遮断されるので、気密材18による気密性の向上に加え、室内側表面材9の外気による熱的影響が軽減され、断熱性が向上する。また、図2及び図6のとおり、気密材18、塞ぎ材35及びドア本体2によって、これらに囲まれて室外及び室内と遮断された領域60が形成される。
【0037】
上述したように、本実施の形態においては、図2図4図5に示したように、端部材10,12,13内にそれぞれ断熱材17k,17m,17nを設けたので、各端部材10,12,13内における室内外温度差による対流が防止され、端部材10,12,13における断熱性が向上し、ドア本体2の断熱性が向上する。
【0038】
また、本実施の形態においては、端部材10,12,13に断熱性の高い樹脂製材料を用いているので、さらに断熱性を向上させることができる。
【0039】
端部材10,12,13内に断熱材を設ける場合、表面材8,9内に配置するパネル状の断熱材17pの端部を端部材10,12,13内に嵌め込んだ形で配置したり、流動性を有する断熱材を注入することによって端部材10,12,13内に充填してもよい。しかしながら、本実施の形態で示したように、端部材10,12,13内にパネル状の断熱材17とは別体をなすブロック状の断熱材17k,17m,17nをそれぞれ嵌め込むことによって配置することにより、端部材10,12,13と断熱材17pをそれぞれ別工程で組み立てることができ、製作が容易となる。
【0040】
上記実施の形態においては、端部材10を中空状に形成したので、強度を高めることができる。しかしながら、図6に示すように、吊元側の端部材10Xは、コ字形の断面形状としても良い。図6において、端部材10Xは室外側コーナー部10X1と、室内側コーナー部10X2を備える。
【0041】
以上本発明を実施の形態により説明したが、本発明を実施する場合、枠体1としては上記実施の形態で示したもの以外の素材、構成のものを用いることができる。その他、本発明を実施する場合、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成部材やその組み合わせについて、種々の変更、付加が可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 枠体
2 ドア本体
10,10X、11~13 端部材
17a~17h,17k,17m,17n,17p 断熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6