(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】回転操作子及び音響装置
(51)【国際特許分類】
H01H 19/02 20060101AFI20240308BHJP
【FI】
H01H19/02 J
(21)【出願番号】P 2023504931
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 JP2021009389
(87)【国際公開番号】W WO2022190222
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】315017409
【氏名又は名称】AlphaTheta株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼城 七生
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-156368(JP,A)
【文献】特開2005-100856(JP,A)
【文献】特開昭63-232225(JP,A)
【文献】特開2008-293952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/00 - 21/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転操作子であって、
回動軸を中心とする周方向に対して傾斜した移動経路が外周面に設けられ、前記回動軸を中心として回動される回動体と、
前記回動体と接触し、前記回動体の回動に伴って、前記移動経路に沿って前記回動軸に沿う方向に移動する接触子と、を備え、
前記回動軸を中心とする第1回動方向への前記回動体の回動は、前記回動体が前記第1回動方向に回動されて所定の位置に到達したときに前記接触子が第1位置にあることによって規制され、
前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が規制された状態にて前記回動体に対する前記第1回動方向への回動力が低減されると、前記接触子が第2位置に復帰することによって、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が許容される回転操作子。
【請求項2】
請求項1に記載の回転操作子において、
前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に前記接触子を付勢する第1付勢部材を備える、回転操作子。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の回転操作子において、
前記回動体は、前記回動体が前記第1回動方向に回動されて前記接触子が前記第1位置に到達したときに、前記接触子と接触して、前記回動体に対する前記第1回動方向とは反対方向への前記接触子の前記回動体に対する相対的な移動を規制する規制部を有する、回転操作子。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回転操作子において、
前記移動経路は、
前記所定の位置から前記回動体が前記第1回動方向に回動されたときに、前記第2位置から前記第1回動方向とは反対方向に前記接触子が前記回動体に対して相対的に移動する第1経路と、
前記所定の位置から前記第1回動方向に回動された前記回動体が前記第1回動方向とは反対方向に回動されたときに、前記接触子を前記第1位置に導く第2経路と、を含む、回転操作子。
【請求項5】
請求項4に記載の回転操作子において、
前記第1回動方向における前記第1経路の長さは、前記第1回動方向における前記第2経路の長さよりも短い、回転操作子。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の回転操作子において、
前記接触子を前記回動軸に向かって付勢する第2付勢部材を備え、
前記第2経路は、前記第1経路よりも前記回動軸に近い位置に設けられている、回転操作子。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の回転操作子において、
前記所定の位置は、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動限界までの長さと、前記所定の位置から前記第1回動方向とは反対方向への前記回動体の回動限界までの長さとが等しくなる位置である、回転操作子。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の回転操作子を備える音響装置。
【請求項9】
請求項8に記載の音響装置において、
前記回転操作子は、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動角に応じて第1エフェクトのエフェクト量を調整し、前記所定の位置から前記第1回動方向とは反対方向への前記回動体の回動角に応じて第2エフェクトのエフェクト量を調整するエフェクト調節部を構成する、音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転操作子及び音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャフトを回動させることによって抵抗値が変化する可変抵抗器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、オン操作位置まで回動された操作ハンドルをロックするスイッチの器体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の器体は、操作ハンドルの他、ストッパー片を備える。ストッパー片は、操作ハンドルがオン位置まで回動された時に、操作ハンドルの回転を規制してオン位置でロックする。そして、ストッパー片は、操作ハンドルの状態がロック状態であるときに、操作ハンドルが押し込まれると、操作ハンドルのロック状態を解除する。
これにより、操作ハンドルをオン操作するときに、操作ハンドルがオン位置を通り過ぎてオフ方向に回し続けられることが防止され、操作ハンドルがオフ位置まで回動されることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-38378号公報
【文献】特開2005-100856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音響装置において、例えばシャフトを基準位置に対して時計回りに回動されると、第1エフェクトのエフェクト量を調整し、反時計回りに回動されると、第1エフェクトとは異なる第2エフェクトのエフェクト量を調節する回転操作子として、特許文献1に記載の可変抵抗器を利用することができる。
しかしながら、特許文献1に記載の可変抵抗器では、シャフトは基準位置を抵抗なく通過してしまう。このため、シャフトを時計回り又は反時計回りに回動させて、例えば第1エフェクトのエフェクト量を調節する際に、シャフトが基準位置を誤って通過してしまう場合が想定される。
一方、特許文献2に記載の器体を参考にして、基準位置にてシャフトがロックされるように、可変抵抗器を構成した場合、ロックを解除するために操作ハンドルを押し込む必要があり、使い勝手が悪いという問題がある。
これらのことから、操作性を高められる回転操作子が要望されてきた。
【0005】
本開示は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、操作性を高められる回転操作子を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係る回転操作子は、回動軸を中心とする周方向に対して傾斜した移動経路が外周面に設けられ、前記回動軸を中心として回動される回動体と、前記回動体と接触し、前記回動体の回動に伴って、前記移動経路に沿って前記回動軸に沿う方向に移動する接触子と、を備え、前記回動軸を中心とする第1回動方向への前記回動体の回動は、前記回動体が前記第1回動方向に回動されて所定の位置に到達したときに前記接触子が第1位置にあることによって規制され、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が規制された状態にて前記回動体に対する前記第1回動方向への回動力が低減されると、前記接触子が第2位置に復帰することによって、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が許容される。
【0007】
本開示の第2態様に係る音響装置は、上記回転操作子を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態におけるミキサーを示す平面図。
【
図2】第1実施形態における回転操作子及び状態切替機構を示す平面図。
【
図3】第1実施形態における回転操作子を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態におけるカバー部材及び固定部材を離間させた回転操作子を示す斜視図。
【
図5】第1実施形態におけるカバー部材及び固定部材を取り外した回転操作子を示す平面図。
【
図7】第1実施形態における操作子本体を示す斜視図。
【
図9】第1実施形態における規制切替機構を示す斜視図。
【
図10】第1実施形態における規制切替機構を示す平面図。
【
図11】第1実施形態における規制切替機構を示す分解斜視図。
【
図12】第1実施形態における規制切替機構を示す分解斜視図。
【
図13】第1実施形態における回動体及び規制切替機構を示す断面図。
【
図14】第1実施形態における回動体が反時計回り側範囲にて回動された場合の接触部の位置を示す模式図。
【
図15】第1実施形態における回転操作子を示す断面図。
【
図16】第1実施形態における操作子本体及び操作感切替機構を示す分解斜視図。
【
図17】第1実施形態における操作子本体及び操作感切替機構を示す分解斜視図。
【
図18】第1実施形態における状態切替機構の一部と1つの回転操作子とを示す斜視図。
【
図19】第1実施形態における状態切替機構の一部を示す分解斜視図。
【
図20】第1実施形態におけるスライド操作子が第1切替位置に配置された状態の状態切替機構を示す平面図。
【
図21】第1実施形態におけるスライド操作子が第2切替位置に配置された状態の状態切替機構を示す平面図。
【
図22】第1実施形態におけるスライド操作子が第3切替位置に配置された状態の状態切替機構を示す平面図。
【
図23】第2実施形態におけるミキサーが備える回転操作子の操作子本体が有する円筒部を示す模式図。
【
図24】操作子及び第1付勢部材の変形を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
[音響装置の全体構成]
図1は、本実施形態に係る音響装置1を示す平面図である。
本実施形態に係る音響装置1は、アナログプレーヤー、CDプレーヤー、及び、楽曲再生ソフトを実行するコンピューター等の楽曲再生装置から供給される楽曲をミックスし、ミックスした楽曲に応じた音声信号を出力するミキサーである。音響装置1は、入力された楽曲に対して所定のエフェクトを付加する。
音響装置1は、
図1に示すように、筐体11、マイク調節部12、エフェクト処理部13、マスター調節部14及びイコライザー調節部15を備える。
【0010】
[筐体の構成]
筐体11は、略直方体形状に形成されており、音響装置1の動作を制御する制御部(図示省略)を内部に収容する。筐体11は、天面11A、上面11B、下面11C、左側面11D、右側面11E、及び、図示しない底面を有する。
天面11Aには、マイク調節部12、エフェクト処理部13、マスター調節部14及びイコライザー調節部15が露出されている。
上面11Bには、楽曲再生装置、及び、DJプレーヤー等の楽曲操作装置が接続可能な端子が設けられている。
【0011】
以下の説明では、互いに直交する三方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Z方向を、底面から天面11Aに向かう方向とする。すなわち、+Z方向は、天面11Aに対して垂直な方向である。+X方向を、上面11Bから下面11Cに向かう方向とし、+Y方向を、左側面11Dから右側面11Eに向かう方向とする。
図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。
【0012】
[マイク調節部の構成]
マイク調節部12は、ヘッドホン端子121、音量調節部122、ミキシング調節部123、マスターエフェクト切替部124、マスターエフェクト量調節部125、マイク切替部126、マイクイコライザー調節部127及びマイク音量調節部128を有する。マイク調節部12には、スライド操作子711が露出している。
ヘッドホン端子121には、図示しないヘッドホンが接続される。
音量調節部122は、ヘッドホンから出力される音量の調節を行う。
ミキシング調節部123は、ヘッドホンから出力される音量のバランスであって、CUEボタンが押されているチャンネルの出力音量とマスターチャンネルの出力音量とのバランスを調節する。
【0013】
マスターエフェクト切替部124は、6つのボタンを有する。マスターエフェクト切替部124は、イコライザー調節部15に設けられた全てのチャンネルの楽曲に付与するエフェクトを、押下されたボタンに予め設定されたエフェクトに切り替える。マスターエフェクト切替部124にて切り替えられるエフェクトは、例えばSOUND COLOR EFFECTに分類されるエフェクトである。
マスターエフェクト量調節部125は、マスターエフェクト切替部124にて切り替えられたエフェクトの付与量であるエフェクト量を調節する。
【0014】
マイク切替部126は、音響装置1に接続されたマイクのオン/オフを切り替える。
マイクイコライザー調節部127は、マイクから入力される音声の音量を、周波数に応じて調整する。
マイク音量調節部128は、マイクから出力される音声の音量を調節する。
スライド操作子711は、後述する状態切替機構7を構成する。スライド操作子711は、±Y方向にスライド可能に設けられ、スライド操作子711の位置に応じてエフェクト調節部157の動作モード、及び、エフェクト調節部157の操作感を切り替える。スライド操作子711を有する状態切替機構7の構成、及び、エフェクト調節部157の構成については、後に詳述する。
【0015】
[エフェクト処理部の構成]
エフェクト処理部13は、入力された楽曲に対してエフェクトを付加する。エフェクト処理部13によって付加されるエフェクトは、例えばBEAT EFFECTに分類されるエフェクトである。
エフェクト処理部13は、エフェクト切替部131、チャンネル切替部132、エフェクト時間設定部133、エフェクト量調節部134、倍率設定部135及び表示部136を有する。
【0016】
エフェクト切替部131は、楽曲に付加するエフェクトを選択するスイッチである。
チャンネル切替部132は、イコライザー調節部15に設けられた全てのチャンネルのうち、楽曲にエフェクトを付加するチャンネルを選択する。
エフェクト時間設定部133は、選択されたエフェクトを付加する時間を設定する。
エフェクト量調節部134は、選択されたエフェクトのエフェクト量を調節する。
【0017】
倍率設定部135は、入力された楽曲のBPMに基づいて、エフェクトを付加するタイミングを同期させる拍の倍率を設定する。設定可能な拍の倍率としては、楽曲のBPMの1拍、2拍、1/2拍、1/4拍が例示される。
表示部136は、選択されたエフェクト、或いは、入力された楽曲のBPMを表示する。本実施形態では、表示部136には、エフェクト切替部131にて選択されたエフェクトの名称、楽曲のBPM又は倍率設定部135にて設定された拍の倍率が表示される。
【0018】
[マスター調節部の構成]
マスター調節部14は、音響装置1から出力される楽曲全体を調節する。マスター調節部14は、マスター音量調節部141、レベルインジケーター142、音量バランス調節部143、イコライザー切替部144、第1特性切替部145及び第2特性切替部146を有する。
マスター音量調節部141は、音響装置1から出力される楽曲全体の音量を調節する。
レベルインジケーター142は、音響装置1から出力される楽曲の左右の出力音量を表示する。
音量バランス調節部143は、音響装置1から出力される楽曲の左右の出力音量のバランスを調節する。
イコライザー切替部144は、イコライザーカーブを切り替える。
第1特性切替部145は、イコライザー調節部15のボリュームフェーダー158のカーブ特性を切り替える。
第2特性切替部146は、後述するクロスフェーダー15Eによる切り替えを行った際のカーブ特性を切り替える。
【0019】
[イコライザー調節部の構成]
イコライザー調節部15は、音響装置1に入力される楽曲に対してチャンネル毎にイコライザー調節処理を行う。イコライザー調節部15は、第1チャンネルを調節する第1チャンネル調節部15Aと、第2チャンネルを調節する第2チャンネル調節部15Bと、第3チャンネルを調節する第3チャンネル調節部15Cと、第4チャンネルを調節する第4チャンネル調節部15Dと、クロスフェーダー15Eと、を有する。
各チャンネル調節部15A~15Dには、上記した楽曲再生装置、及び、DJプレーヤー等の楽曲操作装置が接続され、各チャンネル調節部15A~15Dは、入力される楽曲に対してイコライザー調節を実施可能である。各チャンネル調節部15A~15Dは、入力切替部151、レベル調節部152、レベルインジケーター153、高周波帯域調節部154、中周波帯域調節部155、低周波帯域調節部156、エフェクト調節部157、ボリュームフェーダー158及びクロスフェーダー切替部159を有する。
【0020】
入力切替部151は、入力ソースを切り替える。具体的に、入力切替部151は、音響装置1のフォノ端子に接続されたアナログプレーヤー、ライン端子に接続されたCDプレーヤー、及び、USB端子に接続されたコンピューター等の楽曲再生装置のうち、入力ソースとなる楽曲再生装置を切り替える。
レベル調節部152は、入力切替部151によって選択された楽曲再生装置から入力される楽曲の入力レベルを調節する。
レベルインジケーター153は、レベル調節部152にて調節された入力レベルを表示する。
【0021】
高周波帯域調節部154は、入力される楽曲の高周波帯域の音量を調節する。高周波帯域は、例えば4649Hz以上の周波数帯域である。
中周波帯域調節部155は、入力される楽曲の中周波帯域の音量を調整する。中周波帯域は、例えば284Hzを超え、4649Hz未満の周波数帯域である。
低周波帯域調節部156は、入力される楽曲の低周波帯域の音量を調整する。低周波帯域は、例えば284Hz以下の周波数帯域である。
【0022】
エフェクト調節部157は、チャンネル調節部15A~15Dのそれぞれに設定されたエフェクトのエフェクト量を調節する。すなわち、音響装置1は、第1チャンネル調節部15Aのエフェクト調節部157であるエフェクト調節部157A、第2チャンネル調節部15Bのエフェクト調節部157であるエフェクト調節部157B、第3チャンネル調節部15Cのエフェクト調節部157であるエフェクト調節部157C、及び、第4チャンネル調節部15Dのエフェクト調節部157であるエフェクト調節部157Dを有する。エフェクト調節部157は、後述する回転操作子2(
図2参照)を備えて構成されている。
【0023】
ボリュームフェーダー158は、チャンネル調節部15A~15Dのうち、対応するチャンネル調節部から出力される音量を調整する。
クロスフェーダー切替部159は、調節部15A~15Dのうち、対応するチャンネル調節部の出力先を、クロスフェーダー15EのA側(左側)及びB側(右側)のうちの一方に切り替える。
クロスフェーダー15Eは、左右に移動可能な操作子を有する。操作子が左方に移動されるに従って、音響装置1から出力される音量においてA側に切り替えられたチャンネルの音量の割合が大きくなる。また、操作子が右方に移動されるに従って、音響装置1から出力される音量においてB側に切り替えられたチャンネルの音量の割合が大きくなる。
【0024】
[音響装置の内部構成]
図2は、筐体11に設けられる回転操作子2及び状態切替機構7を示す平面図である。
音響装置1は、
図2に示すように、つまみ43が天面11A(
図1参照)から筐体11の外部に露出する回転操作子2と、筐体11の内部に設けられる操作感切替機構6及び状態切替機構7と、を備える。
回転操作子2は、ユーザーによって回転操作される操作子である。回転操作子2は、エフェクト調節部157A~157Dのそれぞれを構成する。すなわち、音響装置1は、+Y方向に沿って配列された4つの回転操作子2を有する。
操作感切替機構6は、複数の回転操作子2のそれぞれに応じて設けられる。操作感切替機構6は、回転操作子2を操作したときの操作感を切り替える。
状態切替機構7は、回転操作子2の状態を切り替えるものであり、詳しくは回転操作子2の動作モードを切り替える。回転操作子2の動作モードは、回転操作子2を有する音響装置1の動作モードということもできる。詳しくは後述するが、状態切替機構7は、状態切替機構7に対するユーザーの切替操作に応じて、各回転操作子2の動作モードを切り替えるとともに、各操作感切替機構6を動作させる。
以下、回転操作子2、操作感切替機構6及び状態切替機構7について説明する。
【0025】
[回転操作子の構成]
図3は、回転操作子2を示す斜視図である。
図4は、筐体部3のカバー部材38及び固定部材39を離間させた回転操作子2を示す斜視図である。
図5は、カバー部材38及び固定部材39を取り外した回転操作子2を+Z方向から見た平面図である。
回転操作子2は、
図3~
図5に示すように、筐体部3、操作子本体4及び規制切替機構5を備える。
【0026】
[筐体部の構成]
図6は、+Z方向から見た筐体部3を示す平面図である。なお、
図6では、回転操作子2を構成する部材のうち、筐体部3と係合する一部の部材について、筐体部3と合わせて図示している。
筐体部3は、略直方体形状に形成されており、操作子本体4、規制切替機構5及び操作感切替機構6を支持する。筐体部3は、
図3~
図6に示すように、操作子本体4が配置される筐体本体31を備える他、
図3及び
図4に示すように、カバー部材38及び固定部材39を備える。
【0027】
筐体本体31は、
図5及び
図6に示すように、第1配置部32及び第2配置部33を有する。
第1配置部32は、筐体部3に+Z方向から見て略矩形状に形成され、操作子本体4と操作感切替機構6の一部とが内部に配置される部位である。第1配置部32は、+Z方向に開口している。第1配置部32は、ガイド部321,322,323と、固定部324,325と、を有する。
【0028】
ガイド部321~323は、第1配置部32における+Z方向の周縁に設けられて、+Z方向に開口する凹部である。第1配置部32における+Z方向の周縁において、ガイド部321は、-X方向の位置に設けられ、ガイド部322は、+X方向の位置に設けられ、ガイド部323は、-Y方向の位置に設けられている。
ガイド部321~323には、操作感切替機構6の後述するクリックプレート61が有する被ガイド部612が配置される。ガイド部321~323は、操作感切替機構6の後述する移動ベース62が+Z方向から見て時計回り又は反時計回りに回動されたときに、移動ベース62と係合するクリックプレート61が、移動ベース62とともに回動することを抑制しつつ、クリックプレート61の±Z方向への移動をガイドする。
固定部324,325は、筐体本体31にカバー部材38を固定する固定部材39を固定する部位である。本実施形態では、固定部324,325は、ねじである固定部材39が螺合するねじ孔である。
【0029】
第2配置部33は、第1配置部32に対して+Y方向に設けられ、規制切替機構5が配置される部位である。第2配置部33は、支持部34、レバー支持部35、係止部36及び範囲規定部37を有する。
支持部34は、規制切替機構5の接触子51及び保持部材54等を支持する。支持部34は、+Z方向に沿って筐体部3を貫通している。支持部34は、保持部341、ガイド部342,344及びガイド孔343を有する。
【0030】
保持部341は、支持部34における-X方向の内面に設けられている。保持部341は、後述する第2付勢部材53における+Y方向の端部を保持する。詳しくは後述するが、保持部341及び第2付勢部材53は、支持部34内に配置される保持部材54の内部に配置される。
ガイド部342は、保持部341に対して+Y方向に設けられている他、保持部341に対して+Y方向に保持部341と連続して設けられている。各ガイド部342は、保持部材54の±Y方向への移動を案内する。
ガイド孔343は、第1配置部32と第2配置部33とを連通する開口である。ガイド孔343は、+Z方向に長く形成されており、ガイド孔343には、支持部34内に配置される接触子51の接触部515が第1配置部32に向かって挿通される。なお、+X方向におけるガイド孔343の内径は、+X方向における接触部515の寸法と略一致する。
ガイド部344は、第2配置部33の周縁における+Y方向の位置に設けられ、+Y方向及び+Z方向に開口する凹部である。ガイド部344は、接触子51を±Y方向に移動可能で、±Z方向に移動可能に支持する。
【0031】
レバー支持部35は、規制切替機構5の切替部材55を回動可能に支持する。詳述すると、レバー支持部35は、+Z方向から見て、切替部材55を時計回り及び反時計回りに回動可能に支持する。
係止部36は、レバー支持部35に設けられて、切替部材55を反時計回りに付勢するねじりコイルばねである第3付勢部材56の一端を係止する。第3付勢部材56の他端は、切替部材55に係止されている。
範囲規定部37は、レバー支持部35に対して+X方向の位置に2つ設けられている。範囲規定部37は、+Y方向において互いに離間して設けられている。範囲規定部37は、レバー支持部35に支持された切替部材55を+Y方向において挟み、これにより切替部材55の回動範囲を規定している。
【0032】
カバー部材38は、
図4に示すように、2つの固定部材39によって筐体本体31に、+Z方向から固定される。カバー部材38は、後述する操作感切替機構6の一部を+Z方向にて覆い、操作感切替機構6の一部を第1配置部32内に留める部材である。カバー部材38は、回動体本体44の一部が挿通する円形状の開口部381を有する他、固定部材39が挿通する2つの孔部382を有する。
【0033】
[操作子本体の構成]
図7は、操作子本体4を示す斜視図である。
操作子本体4は、ユーザーによって操作され、基準位置に対する回動角を出力するロータリーボリュームである。操作子本体4は、台座部41及び回動体42を備える。
台座部41は、+Z方向に沿う回動軸Rxを中心として回動体42を回動可能に支持し、基板PLに固定される。台座部41は、回動体42の回動角を検出する検出部(図示省略)を有する。なお、回動角を検出する検出部の構成は、公知の技術を採用できるので、説明を省略する。また、基板PLは、音響装置1を構成する制御部の一部、又は、制御部と電気的に接続される基板である。
【0034】
回動体42は、回動軸Rxを中心としてユーザーによって回動される。回動体42は、ユーザーが摘まむつまみ43と、つまみ43が取り付けられ、つまみ43と一体的に回動される回動体本体44と、を有する。
つまみ43は、回動体42の回動位置を示す指示線431を有する。
図5に示すように、指示線431が-X方向と平行で、かつ、-X方向を向くときの回動体42の位置を基準位置とした場合、回動体42は、例えば基準位置から時計回りに略150°回動可能に構成され、例えば基準位置から反時計回りに略150°回動可能に構成されている。すなわち、基準位置は、+Z方向から見て基準位置から回動軸Rxを中心とする時計回りへの回動体42の回動が許容される位置までの範囲と、+Z方向から見て基準位置から回動軸Rxを中心とする反時計回りへの回動体42の回動が許容される位置までの範囲とが等しい長さとなる位置である。換言すると、基準位置は、基準位置から時計回りの回動限界までの回動範囲と、基準位置から反時計回りの回動限界までの回動範囲とが等しい長さとなる位置である。基準位置は、本開示における所定の位置である。
なお、以下の説明では、+Z方向から見て時計回りを+D方向とし、反時計回りを-D方向とする。
【0035】
回動体本体44は、回動軸Rxを中心とする円筒状に形成された円筒部45を有する。
円筒部45は、+Z方向の面に嵌合部451を有する。嵌合部451には、後述するクリックプレート61に設けられた突出部614(
図17参照)が、回動体42の回動に伴って嵌り込む。
円筒部45は、回動軸Rxを中心とする外周面45Aに、外周面45Aから回動軸Rxに近接する方向に凹む凹部46と、外周面45Aから回動軸Rxを中心とする径方向外側に突出する経路形成部47,48と、を有する。
【0036】
図8は、回動体42を+Y方向から見た側面図である。
凹部46は、回動体42が基準位置に位置している場合に、接触子51が嵌り込む。凹部46は、円筒部45における+Z方向の中央に設けられている。凹部46は、底部461及び傾斜部462,463を有する。
底部461は、凹部46において最も回動軸Rx側に位置する部位であり、平坦に形成されている。底部461には、接触子51において外周面45Aと接触する接触部515(
図9及び
図10参照)が配置され得る。
【0037】
傾斜部462は、底部461に対して+D方向に配置されている。傾斜部462は、+D方向に向かうに従って回動軸Rxから離間する方向に傾斜している。すなわち、傾斜部462は、+D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように傾斜している。傾斜部462は、回動体42が-D方向に回動されたときに、回動体42に対して+D方向に相対的に移動する接触部515を経路形成部47の第1経路RT11に導く。
傾斜部463は、底部461に対して-D方向に配置されている。傾斜部463は、-D方向に向かうに従って回動軸Rxから離間する方向に傾斜している。すなわち、傾斜部463は、-D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように傾斜している。傾斜部463は、回動体42が+D方向に回動されたときに、回動体42に対して-D方向に相対的に移動する接触部515を経路形成部48の第1経路RT21に導く。
【0038】
経路形成部47,48は、外周面45Aから径方向外側に突出して、回動体42が回動されたときに、接触部515(
図9及び
図10参照)の移動経路RT1,RT2を形成する。すなわち、回動体42は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜して、回動体42の回動に応じて接触子51を回動軸Rxに沿って移動させる移動経路RT1,RT2が設けられた円筒カム構造を有する。
経路形成部47,48は、
図7及び
図8に示すように、凹部46を中心として点対称に形成されている。
【0039】
経路形成部47は、基準位置から-D方向の回動限界までの回動範囲において回動体42が回動されたときの接触部515の移動経路RT1を形成する。経路形成部47は、傾斜部462と連続して形成されている。経路形成部47は、接触部515における-Z方向の部分と接触する。
以下、基準位置から-D方向の回動限界までの回動範囲を、回動体42の反時計回り側範囲という。また、基準位置から+D方向の回動限界までの回動範囲を、回動体42の時計回り側範囲という。
【0040】
移動経路RT1は、第1経路RT11及び第2経路RT12を含む。
第1経路RT11は、凹部46の傾斜部462と連続して形成されている。第1経路RT11は、+D方向に向かうに従って+Z方向に位置するように傾斜している。すなわち、第1経路RT11は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。第1経路RT11における+D方向の端部は、第2経路RT12と接続されている。このため、回動体42が-D方向に回動されたときに、接触部515は、第1経路RT11に沿って+D方向に移動して第2経路RT12に到達する。
【0041】
第2経路RT12は、+D方向に向かうに従って-Z方向に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した経路であり、第1経路RT11よりも+D方向に長く形成されている。すなわち、第2経路RT12は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。回動体42が-D方向に最も回動されたときに、接触部515は、第2経路RT12よりも更に+D方向に移動する。このときの+Z方向における接触子51の位置は、後述する第1付勢部材52の付勢力によって接触部515が底部461に配置された場合の+Z方向における接触子51の位置と同じとなる。
また、経路形成部47における+D方向の端部は、回動軸Rxを中心とし、かつ、接触子51が第2位置に配置されたときの接触部515における-Z方向の端部よりも-Z方向に配置されている。このため、回動体42が-D方向に最も回動された後に+D方向に回動された場合には、接触部515は、経路形成部47における+Z方向の面に接触し、第2経路RT12に沿って移動される。しかしながら、これに限らず、回動体42が-D方向に最も回動されたときには、接触部515は、第2経路RT12における所定の部位に配置されてもよい。
【0042】
なお、第2経路RT12は、第1経路RT11よりも回動軸Rxを中心とする径方向内側に設けられている。すなわち、第2経路RT12は、第1経路RT11よりも回動軸Rxに近い位置に設けられている。
第2経路RT12は、反時計回り側範囲において回動体42が+D方向に回動されたときに、-D方向に移動する接触部515を経路形成部48の規制部481に導く。
【0043】
経路形成部48は、基準位置から+D方向の回動限界までの回動範囲において回動体42が回動されたときの接触部515の移動経路RT2を形成する。経路形成部48は、傾斜部463と連続して形成されている。経路形成部48は、接触部515における+Z方向の部分と接触する。
以下、基準位置から+D方向の回動体42の回動限界までの範囲を、回動体42の時計回り側範囲という。
【0044】
移動経路RT2は、第1経路RT21及び第2経路RT22を含む。
第1経路RT21は、凹部46の傾斜部463と連続して形成されている。第1経路RT21は、-D方向に向かうに従って-Z方向に位置するように傾斜している。すなわち、第1経路RT21は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。第1経路RT21における-D方向の端部は、第2経路RT22と連続している。このため、回動体42が+D方向に回動されたときに、接触部515は、第1経路RT21に沿って-D方向に移動して第2経路RT22に到達する。なお、第1経路RT21は、第2経路RT22よりも回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置している。
【0045】
第2経路RT22は、-D方向に向かうに従って+Z方向に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した経路であり、第1経路RT21よりも-D方向に長く形成されている。回動体42が+D方向に最も回動されたときに、接触部515は、第2経路RT22よりも更に-D方向に移動する。このときの+Z方向における接触子51の位置は、後述する第1付勢部材52の付勢力によって第2位置に配置された場合の位置と同じとなる。また、経路形成部48における-D方向の端部は、回動軸Rxを中心とし、かつ、第2位置に配置された接触部515における+Z方向の端部よりも-Z方向に配置されている。このため、回動体42が+D方向に最も回動された後に-D方向に回動された場合には、接触部515は、経路形成部48における-Z方向の面に接触し、第2経路RT22に沿って移動される。しかしながら、これに限らず、回動体42が+D方向に最も回動されたときには、接触部515は、第2経路RT22における所定の部位に配置されてもよい。
第2経路RT22は、時計回り側範囲において回動体42が-D方向に回動されたときに、+D方向に移動する接触部515を経路形成部47の規制部471に導く。
【0046】
経路形成部47は、経路形成部47における-D方向の端部に設けられた規制部471を更に有する。規制部471は、凹部46に対して-Z方向に設けられている。
規制部471は、規制面472及びガイド面473を有する。
規制面472は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して略直交する。規制面472には、回動体42の時計回り側範囲において回動体42が-D方向に回動されて基準位置に到達した場合に、回動体42に対して+D方向に相対的に移動した接触子51が接触する。これにより、規制部471は、接触子51が更に+D方向に移動することを規制し、回動体42が基準位置から-D方向に回動することを規制する。接触部515が規制部471に接触したときの接触子51の位置を、回動体42の時計回り側範囲における第1位置とする。時計回り側範囲における第1位置は、接触部515が底部461に配置されたときの接触子51の位置よりも-Z方向である。なお、接触部515が底部461に配置されたときの接触子51の位置を第2位置とする。
【0047】
ガイド面473は、経路形成部48によって形成される移動経路RT2及び外周面45Aに沿って移動した接触子51を規制面472にガイドする。ガイド面473は、第1ガイド面474及び第2ガイド面475を含む。
第1ガイド面474は、第2経路RT22及び外周面45Aと連続している。第1ガイド面474は、+D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に交差している。
第2ガイド面475は、第1ガイド面474と規制面472との間に設けられ、第1ガイド面474及び規制面472と連続している。第2ガイド面475は、+D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に交差している。回動軸Rxを中心とする周方向に対する第2ガイド面475の傾斜角は、当該周方向に対する第1ガイド面474の傾斜角よりも大きい。
【0048】
第2経路RT22からガイド面473に到達した接触子51は、回動体42に対して+D方向に相対的に更に移動することによって、ガイド面473に沿って回動体42から離間する+Y方向に移動しつつ、規制面472と接触する位置に到達する。この状態で、回動体42に対する-D方向への回動力を低減させると、後述する第1付勢部材52の付勢力によって接触部515は、第2経路RT22を形成する経路形成部48を+Z方向に乗り越えて底部461に到達する。すなわち、接触子51は、第2位置に到達する。
【0049】
経路形成部48は、経路形成部47と同様に、経路形成部48における+D方向の端部に設けられた規制部481を更に有する。規制部481は、凹部46に対して+Z方向に設けられている。
規制部481は、規制面482及びガイド面483を有する。
規制面482は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して略直交する。規制面482には、回動体42の反時計回り側範囲において回動体42が+D方向に回動されて基準位置に到達した場合に、回動体42に対して-D方向に相対的に移動した接触子51が接触する。これにより、規制部481は、接触子51が更に-D方向に移動することを規制し、回動体42が基準位置から+D方向に回動することを規制する。接触部515が規制部481に接触したときの接触子51の位置を、回動体42の反時計回り側範囲における第1位置とする。反時計回り側範囲における第1位置は、第2位置に対して+Z方向である。
【0050】
ガイド面483は、ガイド面473と同様に、経路形成部47によって形成される移動経路RT1及び外周面45Aに沿って移動した接触子51を規制面482にガイドする。ガイド面483は、第1ガイド面484及び第2ガイド面485を含む。
第1ガイド面484は、第2経路RT22及び外周面45Aと連続している。第1ガイド面484は、-D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に交差している。
第2ガイド面485は、第1ガイド面484と規制面482との間に設けられ、第1ガイド面484及び規制面482と連続している。第2ガイド面485は、+D方向に向かうに従って回動軸Rxを中心とする径方向外側に位置するように、回動軸Rxを中心とする周方向に交差している。回動軸Rxを中心とする周方向に対する第2ガイド面485の傾斜角は、当該周方向に対する第1ガイド面484の傾斜角よりも大きい。
【0051】
第2経路RT12からガイド面483に到達した接触子51は、回動体42に対して-D方向に相対的に更に移動することによって、ガイド面483に沿って回動体42から離間する+Y方向に移動しつつ、規制面482と接触する位置に到達する。この状態で、回動体42に対する+D方向への回動力を低減させると、後述する第1付勢部材52の付勢力によって接触部515は、第2経路RT12を形成する経路形成部47を-Z方向に乗り越えて底部461に到達する。すなわち、接触子51は、第2位置に到達する。
このように、回動体42の外周面45Aには、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した移動経路RT1,RT2が設けられており、回動体42は、回動軸Rxを中心として回動される。なお、移動経路RT1,RT2に沿って移動する接触部515については、後に詳述する。
【0052】
[規制切替機構の構成]
図9は、規制切替機構5を示す斜視図であり、
図10は、+Z方向から見た規制切替機構5を示す平面図である。なお、
図9及び
図10は、操作子本体4と係合した状態の規制切替機構5を示す図である。
規制切替機構5は、状態切替機構7に対する切替操作に応じて、回動体42の回動が規制部471,481によって規制される規制状態と、回動体42の回動が規制されない非規制状態とを切り替える。すなわち、規制切替機構5は、回動体42の回動が基準位置にて規制される規制状態と、回動体42の回動が基準位置にて規制されない非規制状態とを切り替える。
規制切替機構5は、
図9及び
図10に示すように、接触子51、第1付勢部材52、第2付勢部材53、保持部材54、切替部材55及び第3付勢部材56を備える。
【0053】
[接触子の構成]
図11は、規制切替機構5を+X方向かつ-Y方向から見た分解斜視図である。
図12は、規制切替機構5を-X方向かつ+Y方向から見た分解斜視図である。
図11及び
図12においては、切替部材55及び第3付勢部材56の図示を省略している。
接触子51は、回動体42と接触可能に設けられ、規制部471,481と接触して、回動体42の回動を規制する。接触子51は、回動体42の回動に伴って、回動体42に対して移動経路RT1,RT2沿って±D方向に相対的に移動する。また、接触子51は、回動体42の回動に伴って、移動経路RT1,RT2に沿って±Z方向に移動する。+Z方向及び-Z方向は、回動軸Rxに沿う方向である。
接触子51は、
図11及び
図12に示すように、+X方向から見て略十字状に形成されている。接触子51は、接触子本体511、接触部515及び突出部516を有する。
【0054】
接触子本体511は、+X方向又は-X方向から見て略矩形状に形成されている。接触子本体511は、
図12に示すように、+Y方向に長い略矩形状の配置部512と、配置部512と連続して形成された被挿入部513,514と、を有する。
配置部512は、-X方向に開口した凹部である。接触子51と保持部材54とが組み合わされたときに、配置部512の内部には、保持部材54に設けられた第1付勢部材52が配置される。
被挿入部513は、配置部512に対して+Z方向に設けられている。被挿入部513は、-X方向に開口している他、+Z方向に開口しており、配置部512と連続して形成されている。被挿入部513には、保持部材54の第1係止部5432が挿入される。
被挿入部514は、配置部512に対して-Z方向に設けられている。被挿入部514は、-X方向に開口している他、-Z方向に開口しており、配置部512と連続して形成されている。被挿入部514には、保持部材54の第2係止部5434が挿入される。
【0055】
接触部515は、接触子本体511から-Y方向に突出した略四角柱状部分である。接触部515は、筐体部3に設けられたガイド孔343(
図5参照)を挿通して、回動体42の外周面45Aと接触する。すなわち、接触部515における-Y方向の端面は、接触子51において外周面45Aと接触可能な接触面である。
突出部516は、接触子本体511から+Y方向に突出した略四角柱状部分である。突出部516は、筐体部3に設けられたガイド部344(
図5参照)を+Y方向に沿って挿通する。接触部515がガイド孔343を挿通し、突出部516がガイド部344を挿通することによって、接触子51は、回動体42とともに回動することが規制され、回動体42の回動に伴って+Z方向又は-Z方向に移動される。
【0056】
[第1付勢部材の構成]
第1付勢部材52は、
図11に示すように、保持部材54に設けられる。第1付勢部材52は、接触子51を+Z方向及び-Z方向に付勢して、接触子51が+Z方向において第2位置と同じ位置に配置されるように維持する。詳述すると、接触部515が凹部46よりも+Z方向に位置する場合には、第1付勢部材52は、-Z方向に接触子51を付勢する。接触部515が凹部46よりも-Z方向に位置する場合には、第1付勢部材52は、+Z方向に接触子51を付勢する。すなわち、第1付勢部材52は、反時計回り側範囲における第1位置から第2位置に向かう-Z方向に接触子51を付勢するとともに、時計回り側範囲における第1位置から第2位置に向かう+Z方向に接触子51を付勢する。
本実施形態では、第1付勢部材52は、圧縮コイルばねによって構成されている。
【0057】
[第2付勢部材の構成]
第2付勢部材53は、
図12に示すように、保持部材54に設けられる。第2付勢部材53は、保持部材54を介して-Y方向に接触子51を付勢する。すなわち、第2付勢部材53は、保持部材54を介して、回動体42の回動軸Rxに向かう方向に接触子51を付勢する。
本実施形態では、第2付勢部材53は、圧縮コイルばねによって構成されている。第2付勢部材53における+Y方向の端部は、筐体部3の保持部341(
図6参照)に保持され、-Y方向の端部は、保持部材54の第2保持部544に保持される。
【0058】
[保持部材の構成]
保持部材54は、第1付勢部材52及び第2付勢部材53を保持し、第1付勢部材52による付勢力、及び、第2付勢部材53の付勢力を接触子51に作用させる。具体的に、保持部材54は、第1付勢部材52の付勢力によって、接触部515が+Z方向において凹部46と同じ位置に配置されるように、接触子51の位置を維持する。また、保持部材54は、第2付勢部材53の付勢力によって、接触部515が外周面45Aと接触した状態を維持する。
【0059】
保持部材54は、
図11及び
図12に示すように、第1突出部541、第2突出部542、第1保持部543、第2保持部544及び被押圧部545を有する。
第1突出部541は、保持部材54の+Z方向の端部から+X方向に突出している。第1突出部541における+X方向の端面には、-X方向に凹む凹部5411が設けられている。凹部5411には、筐体部3の図示しない凸部が挿入され、これにより、保持部材54の±Y方向へのスライドがガイドされるとともに、保持部材54が±Z方向に移動することが抑制される。
第2突出部542は、保持部材54の+Z方向の端部から-Y方向に突出している。第2突出部542は、筐体部3の図示しない凹部に挿入される。
【0060】
第1保持部543は、第1付勢部材52を保持する。第1保持部543は、
図11に示すように、第1保持片5431、第1係止部5432、第2保持片5433及び第2係止部5434を有する。
第1保持片5431と第2保持片5433とは、保持部材54における+X方向の部位に、+Z方向において互いに離間して設けられている。第1保持片5431は、第2保持片5433に対して+Z方向に離間して設けられている。
第1保持片5431は、第1付勢部材52における+Z方向の端部に挿入され、第2保持片5433は、第1付勢部材52における-Z方向の端部に挿入される。
【0061】
図13は、回動体42及び規制切替機構5のYZ平面に沿う断面を示す図である。
第1係止部5432は、
図11に示すように、第1保持片5431における+Z方向の部位から+X方向に突出している。第2係止部5434は、第2保持片5433における-Z方向の部位から+X方向に突出している。
図13に示すように、接触子51が+Z方向に移動されると、第1係止部5432における-Z方向の面には、第1付勢部材52における+Z方向の端部が当接し、第1係止部5432は、第1付勢部材52を係止する。これにより、第1付勢部材52が接触子51とともに+Z方向に移動することが規制されて、第1付勢部材52によって、接触子51を-Z方向に付勢する付勢力が発生する。すなわち、接触子51が+Z方向に移動すると、第1付勢部材52は、接触子51を-Z方向に付勢する。
【0062】
接触子51が-Z方向に移動されると、第2係止部5434における+Z方向の面には、第1付勢部材52における-Z方向の端部が当接し、第2係止部5434は、第1付勢部材52を係止する。これにより、第1付勢部材52が接触子51とともに-Z方向に移動することが規制されて、第1付勢部材52によって、接触子51を+Z方向に付勢する付勢力が発生する。すなわち、接触子51が-Z方向に移動すると、第1付勢部材52は、接触子51を+Z方向に付勢する。
【0063】
第2保持部544は、
図12に示すように、第2付勢部材53を保持する。第2保持部544は、+Y方向において互いに対向する第1壁部5441及び第2壁部5443を有する。
第1壁部5441は、+Y方向に沿って配置される第2付勢部材53における-Y方向の端部に挿入される挿入部5442を有する。
第2壁部5443は、第1壁部5441に対して+Y方向に設けられている。+Y方向において第1壁部5441と第2壁部5443との間には、筐体部3の保持部341(
図6参照)が配置される。上記のように、保持部341における-Y方向の端部は、第2付勢部材53における+Y方向の端部を係止する。
このように、第2付勢部材53における+Y方向の端部が筐体部3に接触した状態で、第2付勢部材53における-Y方向の端部は、第1壁部5441に係止されている。このため、保持部材54及び接触子51は、第2付勢部材53によって-Y方向に付勢される。すなわち、保持部材54及び接触子51は、第2付勢部材53によって、回動体42の回動軸Rxに近接する方向に付勢される。
【0064】
被押圧部545は、
図10~
図12に示すように、第2壁部5443における-Y方向の面に設けられている。被押圧部545は、+Z方向から見て反時計回りに回動された切替部材55によって+Y方向に押圧される。このとき、保持部材54は、第2付勢部材53の付勢力に抗して+Y方向に移動され、ひいては、接触子51は、+Y方向に移動される。これにより、接触子51は、接触部515が回動体42に接触しない程度に回動体42から離間して、回動体42の回動が基準位置にて規制されない非規制状態に回動体42の状態を切り替えることができる。
【0065】
[切替部材の構成]
切替部材55は、後述するスライド部材72のスライドに伴って、接触子51が回転操作子2の回動体42と接触可能な位置と、接触子51が回動体42と接触可能でない位置とに、接触子51の位置を切り替える。切替部材55は、
図9及び
図10に示すように、+Z方向から見て時計回り及び反時計回りに回動可能に筐体部3のレバー支持部35(
図5及び
図6参照)に支持されたレバー部材であり、スライド部材72のスライドに伴って回動して、接触子51の位置を切り替える。切替部材55は、押圧部551、係合部552及び係止部553を有する。
押圧部551は、+Z方向から見て切替部材55が反時計回りに回動した場合に、被押圧部545を+Y方向に押圧して、接触子51を回動体42から離間させる。
係合部552は、後述する状態切替機構7のスライド部材72と係合する。係合部552は、切替部材55において押圧部551が設けられた端部とは反対側の端部に設けられ、-Z方向に突出する円柱状のボスである。
係止部553は、第3付勢部材56の端部を係止する。
【0066】
[第3付勢部材の構成]
第3付勢部材56は、レバー支持部35(
図5及び
図6参照)に設けられた捻りコイルばねである。第3付勢部材56の一端は、係止部36(
図5及び
図6参照)によって係止され、第3付勢部材56の他端は、切替部材55の係止部553に係止される。
第3付勢部材56は、切替部材55を+Z方向から見て反時計回りに付勢する。反時計回りに回動された切替部材55は、上記のように、+Y方向に保持部材54を押圧し、ひいては、接触子51を回動体42から+Y方向に離間させる。すなわち、第3付勢部材56は、回動体42から離間する+Y方向に接触子51を付勢する。
一方、状態切替機構7の後述するスライド部材72が+Y方向にスライドした場合には、スライド部材72によって、切替部材55は、第3付勢部材56の付勢力に抗して+Z方向から見て時計回りに回動する。このため、押圧部551は、被押圧部545から離間して、保持部材54及び接触子51は、第2付勢部材53の付勢力によって-Y方向に移動可能となり、接触部515は、回動体42の円筒部45と接触する。
【0067】
[接触子による回動体の回動規制]
図14は、回動体42が反時計回り側範囲にて回動された場合の接触部515の位置を示す模式図である。
回動体42が基準位置に位置する場合、接触子51は、接触部515が底部461に配置される第2位置に配置される。回動体42が基準位置に配置された状態から、回動体42が-D方向に回動されると、接触部515は、
図14における位置PS1に示すように、底部461から傾斜部462を介して第1経路RT11に到達する。
接触部515が傾斜部462又は第1経路RT11に位置する場合に、回動体42が+D方向に回動されて接触部515が-D方向に相対的に移動する場合には、接触部515は、底部461に戻る。
【0068】
接触部515が第1経路RT11に配置された状態にて回動体42が更に-D方向に回動されると、接触部515は、例えば
図14における位置PS2に示すように、第1経路RT11から第2経路RT12に到達する。このとき、接触子51には、第1付勢部材52による-Z方向への付勢力が作用し、接触部515は、経路形成部47に対して-Z方向に押し付けられる。
接触部515が第2経路RT12に配置された状態にて回動体42が-D方向に回動されると、接触部515は、例えば
図14における位置PS3に示すように、第2経路RT12に沿って回動体42に対して相対的に+D方向に移動する。同様に、接触部515が第2経路RT12に配置された状態にて回動体42が+D方向に回動されると、接触部515は、第2経路RT12に沿って回動体42に対して相対的に-D方向に移動される。
【0069】
このとき、接触部515が底部461よりも+Z方向に配置されていれば、第1付勢部材52によって、接触部515には-Z方向への付勢力が作用する。すなわち、接触子51が第2基準位置よりも+Z方向に配置されていれば、第1付勢部材52によって、接触子51には-Z方向への付勢力が作用する。
一方、接触部515が底部461よりも-Z方向に位置していれば、第1付勢部材52によって、接触部515には+Z方向への付勢力が作用する。すなわち、接触子51が第2基準位置よりも-Z方向に配置されていれば、第1付勢部材52によって、接触子51には+Z方向への付勢力が作用する。
【0070】
なお、図示を省略するが、+D方向の回動限界に接触部515が到達した場合には、接触部515は、経路形成部47に対して+D方向に配置される。このときの+Z方向における接触子51の位置は、第2位置と同じである。詳述すると、第2経路RT12に沿って+D方向に接触部515が移動されて、+Z方向における接触部515の位置が第2位置での接触部515と同じ位置に到達すると、-D方向への回動体42の回動に伴って、接触部515は、経路形成部47から離間したまま+D方向に移動される。すなわち、第2経路RT12において、接触部515が経路形成部47から離間する位置と接触部515の+D方向の回動限界との間の経路は、回動軸Rxを中心とする周方向に沿う。
【0071】
ここで、第2経路RT12は、第1経路RT11よりも回動軸Rxに近い位置に設けられている。このため、第1経路RT11から第2経路RT12に到達したときに、接触子51は、第2付勢部材53の付勢力によって僅かに回動軸Rx側である-Y方向に移動する。これにより、接触部515が第2経路RT12に配置された状態にて、回動体42が+D方向に回動された場合には、第2経路RT12から第1経路RT11への接触子51の移動が規制され、第2経路RT12での接触子51の移動が許容される。従って、回動体42が+D方向に回動されると、接触部515は、例えば
図14における位置PS4に到達する。
【0072】
接触部515が第2経路RT12に配置されている状態にて、回動体42が+D方向に回動されて、ガイド面483に到達すると、接触子51は、ガイド面483によって、回動体42から離間する+Y方向に移動される。
更に回動体42が+D方向に回動されて基準位置に到達すると、
図14における位置PS5に示すように、接触部515は、規制面482と接触する。規制部481と接触する位置PS5は、上記した反時計回り
側範囲における第1位置である。これにより、回動体42に対する接触部515の相対的な-D方向への移動が規制され、+D方向への回動体42の回動が規制される。
【0073】
接触子51が第1位置に配置された状態では、接触部515における-Y方向の端面は、経路形成部47よりも+Y方向に配置される。このため、接触子51は、第1位置から第2位置に向かう方向、すなわち、-Z方向に経路形成部47を乗り越えて移動可能である。このため、ユーザーがつまみ43から手を離す等して、回動体42に対する+D方向への回動力を低減させると、接触部515は、第1付勢部材52の付勢力によって-Z方向に移動して、底部461に復帰する。すなわち、接触子51は、第2位置に復帰する。
これにより、接触部515は、回動体42に対して±D方向に相対的に移動可能となり、回動体42は、±D方向に回動可能となる。
【0074】
なお、接触部515が底部461に位置する第2位置に接触子51が配置された状態にて、回動体42が+D方向に回動された場合には、接触部515は、傾斜部463に沿って回動体42に対して-D方向に相対的に移動し、第1経路RT21及び第2経路RT22に沿って回動体42に対して相対的に移動する。そして、回動体42が-D方向に回動されて、第2経路RT22及びガイド面473に沿って移動した接触部515が規制部471に到達すると、規制部471によって、回動体42の-D方向への回動が規制される。接触部515が規制部471に接触するときの接触子51の位置が、上記した時計回り側範囲における第1位置である。
この状態にて、回動体42に対する-D方向への回動力を低減させると、接触部515は、第1付勢部材52の付勢力によって+Z方向に移動して、接触子51は、第2位置に復帰する。
これにより、接触部515は、回動体42に対して±D方向に相対的に移動可能となり、回動体42は、±D方向に回動可能となる。
【0075】
ここで、接触子51は、ガイド面473に沿って+D方向に進むに従って+Y方向に移動されるので、規制部471と接触する第1位置に接触子51が配置されている場合には、接触子51は、経路形成部47を乗り越えて第1位置から第2位置に移動可能となる。
同様に、接触子51は、ガイド面483に沿って-D方向に進むに従って+Y方向に移動されるので、規制部481と接触する第1位置に接触子51が配置されている場合には、接触子51は、経路形成部48を乗り越えて第1位置から第2位置に移動可能となる。
【0076】
図15は、ガイド孔343を-Y方向に挿通する接触部515の位置における回転操作子2のXZ平面に沿う断面を示す図である。換言すると、
図15は、
図5に示すXV-XV線における回転操作子2の断面を示す図である。なお、
図15では、接触子51は、第2位置に配置されている。
しかしながら、反時計回り側範囲における回動体42の+D方向への回動時では、接触子51は、ガイド面473によって+Y方向に押し出されると同時に、
図15に示すように、ガイド孔343における+X方向の内面343Aに押し付けられる。また、時計回り側範囲における回動体42の-D方向への回動時では、接触子51は、ガイド面483によって+Y方向に押し出されると同時に、ガイド孔343における-X方向の内面343Bに押し付けられる。このため、接触部515は、ガイド面473と内面343Bとに挟まったような状態、或いは、ガイド面483と内面343Aとに挟まったような状態となる。この場合、接触子51は、第1位置から第2位置へ移動しづらい。
【0077】
接触子51が、ガイド面473又はガイド面483によって+Y方向に押し出されている間に第2位置へ移動するか否かは、第1付勢部材52の付勢力と第2付勢部材53の付勢力とのバランスによって決まる。
例えば、第1付勢部材52の付勢力を第1閾値よりも低くし、第2付勢部材53の付勢力を第2閾値よりも高くすることによって、回動体42の回転中、すなわち、回動体42が回転可能なトルクがつまみ43に加わっている時には第2位置への移動が生じないように、回転操作子2を構成できる。
また例えば、第1付勢部材52の付勢力を第1閾値よりも高くし、第2付勢部材53の付勢力を第2閾値よりも低くすることによって、回動体42を所定の回転速度以上で回転させないと、接触子51が規制面472又は規制面482に到達する前に第2位置に到達するように、回転操作子2を構成できる。この場合、規制面472による+D方向への接触子51の移動、すなわち、-D方向への回動体42の回動が規制されないように、また、規制面482による-D方向への接触子51の移動、すなわち、+D方向への回動体42の回動が規制されないように、回転操作子2を構成できる。
【0078】
[操作感切替機構の構成]
図16及び
図17は、操作子本体4及び操作感切替機構6を示す分解斜視図である。詳述すると、
図16は、操作子本体4及び操作感切替機構6を+Z方向から見た分解斜視図であり、
図17は、操作子本体4及び操作感切替機構6を-Z方向から見た分解斜視図である。
操作感切替機構6は、後述する状態切替機構7に対する切替操作に応じて、状態切替機構7による動作モードの切り替えとともに、回転操作子2の操作感を切り替える。本実施形態では、操作感はクリック感であり、操作感切替機構6は、回動体42を回転させたときにクリック感が生じる状態と、クリック感が生じない状態とを切り替える。
操作感切替機構6は、筐体部3の第1配置部32においてカバー部材38と回動体42の円筒部45との間に設けられる。操作感切替機構6は、
図16及び
図17に示すように、クリックプレート61、移動ベース62及び付勢部材63を有する。
【0079】
[クリックプレートの構成]
クリックプレート61は、円筒部45に対する+Z方向に設けられ、移動ベース62によって、回動体42の円筒部45に近接する-Z方向、又は、円筒部45から離間する+Z方向に移動する。クリックプレート61は、係合部材に相当し、-Z方向に移動されたときに円筒部45と係合可能である。クリックプレート61は、プレート本体611、被ガイド部612、係合部613及び突出部614を有する。
プレート本体611は、リング状に形成されている。プレート本体611には、回動体本体44における+Z方向の一部が挿入される円形状の開口部6111が設けられている。プレート本体611における+Z方向の面には、-Z方向に凹む凹状の2つの配置部6112が設けられている。
2つの配置部6112は、+Z方向から見てクリックプレート61の中心を挟む位置に設けられている。各配置部6112の内部には、付勢部材63が設けられる。
【0080】
被ガイド部612は、プレート本体611の外周縁から径方向外側に突出した部位であり、プレート本体611に3つ設けられている。各被ガイド部612は、筐体部3に設けられたガイド部321~323内に配置され、これにより、クリックプレート61の回動軸Rxを中心とする回動が規制されるとともに、±Z方向への移動がガイドされる。
係合部613は、被ガイド部612と同様に、プレート本体611の外周縁から径方向外側に突出した部位であり、プレート本体611に3つ設けられている。各係合部613は、移動ベース62の傾斜部624と係合する。
【0081】
突出部614は、
図17に示すように、3つの被ガイド部612のうち、+X方向におけるプレート本体611の両端に設けられた2つの被ガイド部612に設けられている。各突出部614は、被ガイド部612における-Z方向の面から-Z方向に略四角錐台形状に突出している。すなわち、突出部614は、+Y方向を向く傾斜面と、-Y方向を向く傾斜面と、を有する。換言すると、各突出部614は、+D方向を向く傾斜面と、-D方向を向く傾斜面と、を有する。
突出部614は、回動体42の回動時に嵌合部451に嵌り込み、クリック感を生じさせる。なお、クリック感は、例えば、回動体42が第1基準位置に配置されたときに生じるように、回動体42における嵌合部451の位置、及び、クリックプレート61における突出部614の位置が規定されている。
クリックプレート61は、±Z方向に移動可能であるので、突出部614が嵌合部451に嵌り込んだ状態にて回動体42が更に回動されると、突出部614は嵌合部451から離間する。
【0082】
[移動ベースの構成]
移動ベース62は、回動体42の回動軸Rxを中心として回動可能に設けられる。移動ベース62は、後述する状態切替機構7のスライド部材72と係合して、スライド部材72の±Y方向への移動に伴って、クリックプレート61を±Z方向に移動させる。すなわち、移動ベース62は、スライド部材72のスライドに伴って、回動体42の嵌合部451に対してクリックプレート61を近接又は離間させる移動部材である。移動ベース62は、
図16及び
図17に示すように、ベース本体621、2つの延出部622、接続部623及び傾斜部624を有する。
【0083】
ベース本体621は、リング状に形成されている。ベース本体621には、回動体本体44における+Z方向の一部が挿入される円形状の開口部6211が設けられている。
2つの延出部622は、+Z方向から見てベース本体621の周縁から径方向外側で、かつ、互いに反対方向に延出している。具体的に、2つの延出部622のうち一方の延出部622は、+Y方向に延出し、他方の延出部622は、-Y方向に延出している。
接続部623は、各延出部622における-X方向の端部間を接続する。接続部623は、-X方向の端部に設けられて、スライド部材72と係合する係合部6231を有する。すなわち、操作感切替機構6は、スライド部材72と係合する係合部6231を有する。係合部6231は、接続部623から-Z方向に突出する円柱状に形成されている。
【0084】
傾斜部624は、
図16に示すように、各延出部622における+X方向の端部及び-X方向の端部に設けられている。すなわち、移動ベース62は、4つの傾斜部624を有する。各傾斜部624は、移動ベース62の回動軸を中心とする周方向に対して傾斜している。詳述すると、傾斜部624は、+Z方向と、+Z方向から見て回動軸Rxを中心とする反時計回りの方向とを向くように傾斜している。傾斜部624は、+Z方向から見て移動ベース62の反時計回りの回動に伴って、係合部613と-X方向の被ガイド部612とを+Z方向に押し上げ、ひいては、クリックプレート61を円筒部45から離間させる。これにより、回動体42を回動させても、突出部614が嵌合部451に嵌合せず、クリック感が生じなくなる。
【0085】
[付勢部材の構成]
付勢部材63は、クリックプレート61を-Z方向に付勢する。付勢部材63は、
図16に示すように、対応する配置部6112に設けられて、カバー部材38とクリックプレート61との間に配置される。すなわち、操作感切替機構6は、2つの付勢部材63を有する。各付勢部材63における+Z方向の端部は、カバー部材38における-Z方向の面と接触し、-Z方向の端部は、クリックプレート61と接触する。
【0086】
[操作感切替機構の作用]
移動ベース62によってクリックプレート61が+Z方向に移動されていない場合には、クリックプレート61は、付勢部材63によって回動体本体44の円筒部45に近接する方向に付勢され、+Z方向において突出部614が嵌合部451に嵌合可能な位置に配置される。すなわち、クリックプレート61は、クリック感を発生可能な位置に配置される。
一方、移動ベース62が+Z方向から見て反時計回りに回動されて、クリックプレート61が付勢部材63の付勢力に抗して+Z方向に移動されると、+Z方向において突出部614が嵌合部451から離間する。これにより、突出部614は、+Z方向において嵌合部451と嵌合できない位置に配置される。すなわち、クリックプレート61は、クリック感を発生できない位置に配置される。
このような移動ベース62の回動は、移動ベース62が係合するスライド部材72のスライドによって実施される。
【0087】
[状態切替機構の構成]
図18は、状態切替機構7の一部と、1つの回転操作子2とを示す斜視図である。詳述すると、
図18は、状態切替機構7の一部と、エフェクト調節部157Aを構成する回転操作子2とを示す斜視図である。
図19は、状態切替機構7の一部を示す分解斜視図である。
状態切替機構7は、上記のように、回転操作子2の動作モード及び操作感を切り替える。状態切替機構7は、
図2、
図18及び
図19に示すように、スライドスイッチ71及びスライド部材72を備える。
【0088】
[スライドスイッチの構成]
スライドスイッチ71は、
図18及び
図19に示すように、スライド操作子711と、スライド操作子711を保持するホルダー712と、を有する。スライドスイッチ71は、スライド操作子711の位置に応じて回転操作子2の動作モードを切り替える。
スライド操作子711は、筐体11の天面11Aにおけるマイク調節部12(
図1参照)に露出される。スライド操作子711は、+Y方向にスライド可能にホルダー712に設けられている。スライド操作子711は、+Y方向に沿う3つの位置に配置可能である。すなわち、スライド操作子711は、第1切替位置と、第1切替位置に対して+Y方向の位置である第2切替位置と、第2切替位置に対して+Y方向の位置である第3切替位置とのうち、1つの切替位置に配置可能である。
【0089】
ホルダー712は、筐体11内に固定されている。ホルダー712は、スライド操作子711の位置に応じた操作信号を、音響装置1を制御する制御部(図示省略)に出力し、回転操作子2の動作モードを切り替える。
なお、スライド操作子711の配置位置に応じた動作モードの設定については、後に詳述する。
【0090】
[スライド部材の構成]
スライド部材72は、スライド操作子711に対するスライド操作に応じてスライド可能に筐体11内に設けられる。すなわち、スライド部材72は、スライド操作子711とともに、スライド操作子711と同方向にスライドする。スライド部材72は、第1スライド部材73、弾性部材74、付勢部材75及び第2スライド部材76を有する。
第1スライド部材73は、スライド操作子711と係合して、スライド操作子711とともに±Y方向にスライドする。第1スライド部材73は、
図2、
図18及び
図19に示すように、1つの開口部731を有する他、
図2に示すように、保持部732を有する。
【0091】
開口部731には、スライド操作子711が-Z方向から挿入される。開口部731の内径は、スライド操作子711の外径と略一致している。このため、スライド操作子711は、開口部731から+Z方向に露出する。筐体11の天面11Aに露出するスライド操作子711を±Y方向にスライドさせることによって、第1スライド部材73は、スライド操作子711のスライド方向と同方向にスライドする。
【0092】
保持部732は、弾性部材74、付勢部材75及び第2スライド部材76を保持する。保持部732、弾性部材74,付勢部材75及び第2スライド部材76は、回転操作子2の数に応じて設けられる。保持部732は、
図2に示すように、エフェクト調節部157Aを構成する回転操作子2に応じた保持部732Aと、エフェクト調節部157Bを構成する回転操作子2に応じた保持部732Bと、エフェクト調節部157Cを構成する回転操作子2に応じた保持部732Cと、エフェクト調節部157Dを構成する回転操作子2に応じた保持部732Dと、を含む。
【0093】
保持部732Aは、
図18及び
図19に示すように、配置部733、2つの挟持片734、2つの係合片735及び開口部736を有する。
配置部733は、XY平面に沿う壁である。配置部733には、弾性部材74が固定される他、付勢部材75及び第2スライド部材76が配置される。
2つの挟持片734は、配置部733と+Z方向に対向する位置に設けられている。2つの挟持片734は、配置部733に配置された付勢部材75及び第2スライド部材76を配置部733との間に挟持する。
【0094】
2つの係合片735は、配置部733における+X方向の端部から+Z方向に突出している。2つの係合片735は、配置部733に配置された付勢部材75及び第2スライド部材76が+X方向にスライドすることを規制する。2つの係合片735の間には、移動ベース62の係合部6231が配置される。これにより、スライド部材72が-Y方向にスライドされた場合には、スライド部材72は、移動ベース62を+Z方向から見て反時計回りに回動させ、スライド部材72が+Y方向にスライドされた場合には、スライド部材72は、移動ベース62を+Z方向から見て時計回りに回動させる。
開口部736は、+Y方向に長い矩形状の開口部である。開口部736には、切替部材55の係合部552が挿入される。
なお、保持部732B,732C,732Dは、保持部732Aと同じ構成であるので、保持部732B,732C,732Dについての説明を省略する。
【0095】
[弾性部材及び付勢部材の構成]
弾性部材74は、
図19に示すように配置部733における+Z方向の面に設けられ、配置部733と、配置部733に設けられた第2スライド部材76との間の隙間を埋める部材である。弾性部材74は、第2スライド部材76が意図せずにXY平面に沿ってスライドすることを抑制する。
付勢部材75は、第2スライド部材76を第1スライド部材73に向かって付勢する部材であり、本実施形態では付勢部材75として板ばねが採用されている。付勢部材75は、挟持片734と配置部733との間に配置され、第2スライド部材76を配置部733に向かって付勢する。+Z方向から見て付勢部材75の中央には、+Y方向に沿う開口部751が設けられており、開口部751には、第2スライド部材76の挿入部761が挿入される。
【0096】
[第2スライド部材の構成]
第2スライド部材76は、第1スライド部材73のスライド方向である±Y方向にスライド可能に第1スライド部材73の配置部733に設けられる。第2スライド部材76は、対応する回転操作子2の切替部材55を回動させる。第2スライド部材76は、規制切替機構5及び第1スライド部材73等の部材の公差を吸収するために設けられている。第2スライド部材76は、挿入部761、規制片762、凹部763及び貫通口764を有する。
挿入部761は、+Z方向から見て第2スライド部材76の略中央から+Z方向に突出している。挿入部761は、付勢部材75の開口部751に挿入される。
規制片762は、第2スライド部材76における+Z方向の面に2つ設けられており、2つの規制片762は、+Y方向に離間している。2つの規制片762の間には、付勢部材75が配置される他、2つの挟持片734を+Y方向において挟む。これにより、第2スライド部材76の+Y方向のスライド可能範囲が規定される。
【0097】
凹部763は、第2スライド部材76における+X方向の端面に設けられている。凹部763は、-X方向に凹む凹部であり、2つの係合片735と係合する移動ベース62の係合部6231を避けるための部位である。
貫通口764は、第2スライド部材76における+Y方向の部位に設けられた開口部である。貫通口764は、+Z方向に沿って第2スライド部材76を貫通している。貫通口764には、切替部材55の係合部552が挿入される。スライド部材72が-Y方向にスライドした場合には、貫通口764の内面のうち-Y方向の内面が、係合部552を+Y方向に押圧して、切替部材55を+Z方向から見て時計回りに回動させる。
【0098】
[状態切替機構の作用]
上記のように、スライド操作子711は、±Y方向にスライドされることによって、第1切替位置、第2切替位置及び第3切替位置のうちの1つに配置される。また、スライド部材72は、スライド操作子711と係合していることから、スライド部材72は、スライド操作子711とともに±Y方向にスライドする。
【0099】
図20は、スライド操作子711が第1切替位置に配置された状態の状態切替機構7を示す平面図である。
図20において、一点鎖線L1は、第1切替位置に配置されたスライド操作子711における-Y方向の端部の位置を示す。一点鎖線L2は、第2切替位置に配置されたスライド操作子711における-Y方向の端部の位置を示し、一点鎖線L3は、第3切替位置に配置されたスライド操作子711における-Y方向の端部の位置を示す。
図20に示すように、スライド操作子711を第1切替位置に配置する操作が行われた場合には、ホルダー712は、回転操作子2の動作モード、ひいては、音響装置1の動作モードを第1モードに切り替える操作信号を制御部に出力する。第1モードへの切替信号が入力された制御部は、回転操作子2の動作モードを第1モードに切り替える。
【0100】
スライド操作子711が第1切替位置に配置されている場合には、スライド部材72は、スライド部材72の移動可能範囲において最も-Y方向に配置される。
この場合には、操作感切替機構6のクリックプレート61は、スライド部材72と係合する移動ベース62によって、回動体42が回動された場合でも突出部614が嵌合部451に嵌合しない位置に配置される。換言すると、移動ベース62は、回動体42が回動された場合でもクリック感が生じない位置にクリックプレート61を配置する。
また、保持部材54及び接触子51は、第3付勢部材56によって付勢され、かつ、スライド部材72と係合する切替部材55によって、回動体42から+Y方向に離間した位置に配置される。この状態では、接触部515は、回動体42から離間することから、基準位置を跨ぐ回動体42の回動の規制は、接触子51によって行われない。
本実施形態では、第1モードは、基準位置を含む回動体42の回動可能範囲の全てによって、1つのエフェクトのエフェクト量を設定する動作モードである。すなわち、第1モードは、回動体42の-D方向への回動限界を最小値とし、回動体42の+D方向への回動限界を最大値とし、回動体42の回動角に基づいて1つのエフェクトのエフェクト量を設定するモードである。第1モードでは、回動体42の回動操作時にクリック感は生じない。
【0101】
図21は、スライド操作子711が第2切替位置に配置された状態の状態切替機構7を示す平面図である。
図21における一点鎖線L1~L3は、
図20に示した一点鎖線L1~L3と同じである。
図21に示すように、スライド操作子711を第2切替位置に配置する操作が行われた場合には、ホルダー712は、回転操作子2の動作モード、ひいては、音響装置1の動作モードを第2モードに切り替える操作信号を制御部に出力する。第2モードへの切替信号が入力された制御部は、回転操作子2の動作モードを第2モードに切り替える。
【0102】
スライド操作子711が第2切替位置に配置されている場合には、スライド部材72は、スライド部材72の移動可能範囲における略中央に配置される。
この場合には、操作感切替機構6のクリックプレート61は、移動ベース62によって、突出部614が嵌合部451に嵌合可能な位置に配置される。すなわち、クリックプレート61は、回動体42が回動された場合にクリック感が生じる位置に、移動ベース62によって配置される。
一方、保持部材54及び接触子51は、スライド操作子711が第1切替位置に配置された場合と同様に、切替部材55によって、回動体42から+Y方向に離間した位置に配置される。このため、接触部515は、回動体42から離間することから、基準位置を跨ぐ回動体42の回動は、接触子51によって規制されない。
本実施形態では、第2モードは、基準位置から+D方向に回動体42が回動されたときには、基準位置から+D方向への回動体42の回動角に応じて第1エフェクトのエフェクト量を設定し、基準位置から-D方向に回動体42が回動されたときには、基準位置から-D方向への回動体42の回動角に応じて第2エフェクトのエフェクト量を設定する動作モードである。第2モードでは、回動体42の回動操作時にクリック感が生じる。
【0103】
図22は、スライド操作子711が第3切替位置に配置された状態の状態切替機構7を示す平面図である。
図22における一点鎖線L1~L3は、
図20に示した一点鎖線L1~L3と同じである。
図22に示すように、スライド操作子711を第3切替位置に配置する操作が行われた場合には、ホルダー712は、回転操作子2の動作モード、ひいては、音響装置1の動作モード
を第3モードに切り替える操作信号を制御部に出力する。
【0104】
スライド操作子711が第3切替位置に配置されている場合には、スライド部材72は、スライド部材72の移動可能範囲において最も+Y方向に配置される。
この場合には、操作感切替機構6のクリックプレート61は、スライド操作子711が第2切替位置に配置された場合と同様に、移動ベース62によって、突出部614が嵌合部451に嵌合可能な位置に配置される。すなわち、クリックプレート61は、回動体42が回動された場合にクリック感が生じる位置に、移動ベース62によって配置される。
また、スライド部材72が第3切替位置に配置されると、スライド部材72によって+Z方向から見て時計回りに回動された切替部材55による+Y方向への保持部材54の付勢が解除される。このため、保持部材54は、第2付勢部材53によって-Y方向に付勢され、ひいては、接触子51は、回動軸Rxに近接する方向に付勢される。これにより、接触部515は、回動体42に接触する。そして、接触部515は、回動体42の回動に伴って移動経路RT1,RT2に沿って移動することから、基準位置を跨ぐ回動体42の回動の規制が行われる。
【0105】
このように、第3モードでは、回動体42の回動操作時にクリック感が生じる。一方、第2モードでの場合と異なり、第3モードでは、基準位置を跨ぐ回動体42の回動は規制される。
なお、本実施形態では、第3モードは、第2モードと同様に、基準位置から+D方向への回動体42の回動角に応じて第1エフェクトのエフェクト量を設定し、基準位置から-D方向への回動体42の回動角に応じて第2エフェクトのエフェクト量を設定する動作モードである。このため、第1エフェクト及び第2エフェクトのうち一方のエフェクト量の調節時に、他方のエフェクト量が誤って調節されてしまうことが抑制される。
【0106】
以上のように、筐体11の天面11Aに露出する操作つまみであるスライド操作子711を±Y方向にスライド移動させることによって、エフェクト調節部157A~157Dを構成する各回転操作子2の動作モードを切り替えることができるだけでなく、各回転操作子2の操作感、及び、各回転操作子2の規制状態を同時に切り替えることができる。
【0107】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る音響装置1は、以下の効果を奏することができる。
音響装置1は、回転操作子2を備える。
回転操作子2は、回動体42及び接触子51を備える。回動体42の外周面45Aには、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した移動経路RT1,RT2が設けられている。回動体42は、回動軸Rxを中心として回動される。接触子51は、回動体42と接触し、回動体42の回動に伴って、移動経路RT1,RT2に沿って回動軸Rxに沿う方向に移動する。
反時計回り側範囲において、回動軸Rxを中心とする+D方向(第1回動方向)への回動体42の回動は、回動体42が+D方向に回動されて基準位置に到達したときに、接触子51が反時計回り側範囲における第1位置に位置することによって規制される。+D方向は、+Z方向から見て時計回りの方向である。
基準位置から+D方向への回動体42の回動が規制された状態にて、回動体42に対する+D方向への回動力が低減されると、接触子51が第1位置から第2位置に復帰することによって、基準位置から+D方向への回動体42の回動が許容される。
【0108】
また、時計回り側範囲において、回動軸Rxを中心とする-D方向(第1回動方向)への回動体42の回動は、回動体42が-D方向に回動されて基準位置に到達したときに、接触子51が時計回り側範囲における第1位置に位置することによって規制される。-D方向は、+Z方向から見て反時計回りの方向である。
基準位置から-D方向への回動体42の回動が規制された状態にて、回動体42に対する-D方向への回動力が低減されると、接触子51が第1位置から第2位置に復帰することによって、基準位置から-D方向への回動体42の回動が許容される。
【0109】
このような構成によれば、+D方向に回動された回動体42が基準位置を超えて+D方向に誤って回動されてしまうことを規制できる。このため、基準位置から-D方向の回動限界までの回動範囲(反時計回り側範囲)にて、回動体42を±D方向に回動させやすくすることができる。そして、+D方向に回動された回動体42が基準位置に到達した場合には、回動体42に対する+D方向への回動力を低減させることによって、接触子51が第1位置から第2位置に復帰し、基準位置から回動体42を+D方向に回動させることができる。これにより、基準位置から+D方向の回動体42の回動を規制できるだけでなく、基準位置から+D方向の回動体42の回動を許容させることもできる。
同様に、-D方向に回動された回動体42が基準位置を超えて-D方向に誤って回動されてしまうことを規制できる。このため、基準位置から+D方向の回動限界までの回動範囲(時計回り側範囲)にて、回動体42を±D方向に回動させやすくすることができる。そして、-D方向に回動された回動体42が基準位置に到達した場合には、回動体42に対する-D方向への回動力を低減させることによって、接触子51が第1位置から第2位置に復帰し、基準位置から回動体42を-D方向に回動させることができる。これにより、基準位置から-D方向の回動体42の回動を規制できるだけでなく、基準位置から-D方向の回動体42の回動を許容させることもできる。
従って、回転操作子2の操作性を高めることができる。
【0110】
回転操作子2は、第1位置から第2位置に向かう方向に接触子51を付勢する第1付勢部材52を備える。
このような構成によれば、反時計回り側範囲において基準位置から+D方向(第1回動方向)への回動体42の回動が規制された状態にて回動体42に対する+D方向への回動力を低減させた場合に、接触子51を反時計回り側範囲における第1位置から第2位置に復帰させやすくすることができる。同様に、時計回り側範囲において基準位置から-D方向(第1回動方向)への回動体42の回動が規制された状態にて回動体42に対する-D方向への回動力を低減させた場合に、接触子51を時計回り側範囲における第1位置から第2位置に復帰させやすくすることができる。従って、基準位置から±D方向への回動体42の回動を実施しやすくすることができ、回転操作子2の操作性を高めることができる。
【0111】
回転操作子2では、回動体42は、規制部471,481を有する。
規制部471は、時計回り側範囲において回動体42が-D方向(第1回動方向)に回動されて基準位置に到達したときに接触子51の接触部515と接触して、回動体42に対する+D方向(第1回動方向とは反対方向)への接触子51の相対的な移動を規制する。すなわち、規制部471は、時計回り側範囲において回動体42が基準位置から-D方向に回動することを規制する。
規制部481は、反時計回り側範囲において回動体42が+D方向(第1回動方向)に回動されて基準位置に到達したときに接触子51の接触部515と接触して、回動体42に対する-D方向(第1回動方向とは反対方向)への接触子51の相対的な移動を規制する。すなわち、規制部481は、反時計回り側範囲において回動体42が基準位置から+D方向に回動することを規制する。
このような構成によれば、接触子51が規制部471に接触することによって、時計回り側範囲において回動体42が基準位置から-D方向に回動することを規制できる。また、接触子51が規制部481に接触することによって、反時計回り側範囲において回動体42が基準位置から+D方向に回動することを規制できる。
従って、回転操作子2の操作性を高めることができる。
【0112】
回転操作子2では、移動経路RT1は、第1経路RT11及び第2経路RT12を含む。第1経路RT11は、基準位置から回動体42が-D方向(第1回動方向)に回動されたときに、第2位置から+D方向(第1回動方向とは反対方向)に接触子51が回動体42に対して相対的に移動する経路である。第2経路RT12は、反時計回り側範囲において基準位置から-D方向に回動された回動体42が+D方向に回動されたときに、接触子51を規制部481に導く経路である。すなわち、第2経路RT12は、反時計回り側範囲において基準位置から-D方向に回動された回動体42が+D方向に回動されたときに、反時計回り側範囲における第1位置に接触子51を導く経路である。
このような構成によれば、第2経路RT12に接触子51が到達した状態にて、+D方向に回動された回動体42が基準位置に到達した場合に、接触子51を第1位置に導くことができる。従って、+D方向に回動された回動体42が基準位置を超えて+D方向に回動されることを規制できる。
第1経路RT21及び第2経路RT22を含む移動経路RT2についても同様であり、これにより、-D方向に回動された回動体42が基準位置を超えて-D方向に回動されることを規制できる。
【0113】
回転操作子2では、-D方向(第1回動方向)における第1経路RT11の長さは、-D方向における第2経路RT12の長さよりも短い。+D方向(第1回動方向)における第1経路RT21の長さは、+D方向における第2経路RT22の長さよりも短い。
このような構成によれば、基準位置から回動体42の小さい回転量で、第2位置に配置された接触部515を第2経路RT12に到達させることができる。そして、第2経路RT12は、反時計回り側範囲に回動体42が位置する場合に、接触部515の+D方向への移動限界と、反時計回り側範囲における第1位置との間の経路である。このため、反時計回り側範囲において、回動体42が+D方向に回動されて基準位置に到達したときに、反時計回り側範囲における第1位置に接触部515を到達させることができる。これにより、基準位置を跨ぐ回動体42の+D方向への回動を規制できる。
同様に、基準位置から回動体42の小さい回転量で、第2位置に配置された接触部515を第2経路RT22に到達させることができるので、基準位置を跨ぐ回動体42の-D方向への回動を規制できる。
【0114】
回転操作子2では、接触子51を回動軸Rxに向かって付勢する第2付勢部材53を備える。第2経路RT12は、第1経路RT11よりも回動軸Rxに近い位置に設けられ、第2経路RT22は、第1経路RT21よりも回動軸Rxに近い位置に設けられている。
このような構成によれば、第1経路RT11から第2経路RT12に移動した接触子51が第1経路RT11に戻ることを抑制できる。また、第1経路RT21から第2経路RT22に移動した接触子51が第1経路RT21に戻ることを抑制できる。従って、基準位置を跨ぐ±D方向への回動体42の回動を規制できる。
【0115】
所定の位置である基準位置は、基準位置から-D方向への回動体42の回動限界までの長さと、基準位置から+D方向への回動体42の回動限界までの長さとが等しくなる位置である。
このような構成によれば、基準位置は、回動体42の全体の回動可能範囲における中間位置となる。これによれば、基準位置から+D方向への回動可能範囲と、基準位置から-D方向への回動可能範囲とを等しくすることができる。従って、回転操作子2の使い勝手を高めることができる。
【0116】
音響装置1では、音響装置1及び回転操作子2の動作モードが、基準位置を跨ぐ回動体42の回動が規制される第3モードである場合、回転操作子2は、基準位置から+D方向(第1回動方向)への回動体42の回動角に応じて第1エフェクトのエフェクト量を調整し、基準位置から-D方向への回動体42の回動角に応じて第2エフェクトのエフェクト量を調整するエフェクト調節部157を構成する。
このような構成によれば、例えば基準位置を跨ぐ+D方向への回動体42の回動が規制されるので、第2エフェクトのエフェクト量の調節時に、第1エフェクトのエフェクト量が誤って調節されてしまうことを抑制できる。また例えば基準位置を跨ぐ-D方向への回動体42の回動が規制されるので、第1エフェクトのエフェクト量の調節時に、第2エフェクトのエフェクト量が誤って調節されてしまうことを抑制できる。従って、音響装置1の使い勝手を高めることができる。
【0117】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る音響装置は、第1実施形態に係る音響装置1と同様の構成を備えるが、回転操作子の回動体に設けられた経路形成部の構成が異なる点で、第1実施形態に係る音響装置1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0118】
[回転操作子の構成]
図23は、本実施形態に係る音響装置が備える回転操作子2Aの操作子本体4Aが有する円筒部49を示す模式図である。
図23には、円筒部49に沿って操作子本体4Aに対して相対的に移動する接触子51の接触部515を図示している他、接触部515が配置され得る位置PT1~PT8を図示している。
本実施形態に係る音響装置は、回転操作子2に代えて、
図23に示す回転操作子2Aを備える他は、第1実施形態に係る音響装置1と同様の構成及び機能を有する。
回転操作子2Aは、回転操作子2と同様に、ユーザーによって回動軸Rxを中心として回転操作される操作子である。回転操作子2Aは、例えばエフェクト調節部157A~157Dを構成する。回転操作子2Aは、操作子本体4に代えて操作子本体4Aを備える他は、回転操作子2と同様の構成及び機能を有する。
【0119】
[操作子本体の構成]
操作子本体4Aは、第1実施形態に係る操作子本体4と同様に、ユーザーによって回動されて、基準位置に対する回動角を出力するロータリーボリュームである。操作子本体4Aは、上記した台座部41と、回動体42Aと、を備える。
回動体42Aは、上記したつまみ43と、回動体本体44Aと、を有する。
回動体本体44Aは、円筒部45に代えて円筒部49を有する他は、回動体本体44と同様の構成を有する。
【0120】
円筒部49は、回動体本体44Aにおいて回動体42Aの回動軸Rxを中心とする円筒状に形成されている。円筒部49における外周面49Aには、経路形成部491,493及び規制部492,494が設けられている。すなわち、円筒部49は、外周面49Aから回動軸Rxを中心とする径方向外側に突出する経路形成部491,493及び規制部492,494を有する。
経路形成部491,493は、上記した経路形成部47,48と同様に、回動軸Rxを中心として回動体42Aが回動されたときに、接触子51の接触部515が回動体42Aに対して相対的に移動する移動経路RT3,RT4を形成する。
【0121】
経路形成部491は、経路形成部47と同様に、反時計回り側範囲にて回動体42Aが回動されたときの接触部515の移動経路RT3を形成する。移動経路RT3は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。すなわち、回動体42Aの外周面49Aには、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した移動経路RT3が設けられている。
規制部492は、規制部481と同様に、反時計回り側範囲に配置された回動体42Aが時計回りである+D方向に回動されて基準位置に到達したときに、-D方向に移動する接触部515が接触し、接触部515の-D方向への移動、ひいては、回動体42Aの+D方向への回動を規制する。
【0122】
経路形成部493は、経路形成部48と同様に、時計回り側範囲に配置された回動体42Aが回動されたときの接触部515の移動経路RT4を形成する。移動経路RT4は、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。すなわち、回動体42Aの外周面49Aには、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した移動経路RT4が設けられている。
規制部494は、規制部471と同様に、時計回り側範囲に配置された回動体42Aが-D方向に回動されて基準位置に到達したときに、+D方向に移動する接触部515が接触し、接触部515の+D方向への移動、ひいては、回動体42Aの-D方向への回動を規制する。
【0123】
経路形成部493は、経路形成部48と同様に、時計回り側範囲にて回動体42Aが回動されたときの接触部515の移動経路RT4を形成する。経路形成部491と経路形成部493とは、位置PT1を中心とする点対称に、外周面49Aに設けられている。同様に、規制部492と規制部494とは、位置PT1を中心とする点対称に、外周面49Aに設けられている。
【0124】
[接触部の移動経路]
経路形成部491は、+D方向に向かうに従って+Z方向に位置するように、+D方向及び+Z方向に対して傾斜している。経路形成部491における+Z方向の面は、移動経路RT3のうち、反時計回り側範囲において位置PT1に配置された接触部515が+D方向に移動して第2経路RT32に到達するまで第1経路RT31を形成する。経路形成部491における-Z方向の面は、移動経路RT3のうち、反時計回り側範囲において+D方向の移動限界に到達した接触部515が規制部492に到達するまでの第2経路RT32の一部を形成する。第1経路RT31の+D方向における長さは、第2経路RT32における+D方向の長さと略同じである。なお、経路形成部491において第1経路RT31を形成する+Z方向の面と、経路形成部491において第2経路RT32の一部を形成する-Z方向の面とのそれぞれは、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。
【0125】
基準位置に位置する回動体42Aが-D方向に回動されると、接触部515は、第1経路RT31に沿って移動して、例えば位置PT2に到達する。第1経路RT31上に接触部515が位置する状態では、回動体42Aが+D方向に回動された場合には、接触部515は第1経路RT31に沿って-D方向に相対的に移動する。この場合には、接触部515は、規制部492に接触しないため、基準位置を跨ぐ回動体42Aの回動は規制されない。
【0126】
回動体42Aが更に-D方向に回動されて、接触部515が反時計回り側範囲における+D方向の移動限界に到達したとき、接触部515と経路形成部491とは、互いに離間し、接触部515は、+D方向の移動限界と位置PT5(反時計回り側範囲における第1位置)とを結ぶ第2経路RT32に到達する。このとき、第1付勢部材52の付勢力によって、+Z方向における接触部515の位置は、接触子51が位置PT1に配置されたときの+Z方向における接触部515の位置と一致する。このため、接触部515が経路形成部491から離間した状態にて、回動体42Aが-D方向への回動限界まで回動された場合には、接触部515は、+Z方向における位置が変化せずに、第2経路RT32に沿って+D方向の移動限界まで移動される。
ここで、経路形成部491における+D方向の端部は、接触子51が位置PT1に配置されたときの接触部515における+Z方向の端部よりも+Z方向に位置する。これにより、回動体42Aが-D方向への回動限界から+D方向に回動された場合には、位置PT3に示すように、接触部515は、経路形成部491における-Z方向の面と接触する。そして、回動体42Aが更に+D方向に回動された場合には、接触部515は、位置PT4に到達する。
【0127】
接触部515が第2経路RT32上に配置された状態で、回動体42Aが+D方向に回動されて基準位置に到達した場合には、接触部515は、第2経路RT32の延長線上に設けられた規制部492と接触する位置PT5に到達する。接触部515が位置PT5に配置されたときの接触子51の位置は、反時計回り側範囲における第1位置に相当する。位置PT5に到達した接触部515の-D方向への移動は、規制部492によって規制されるため、回動体42Aの+D方向への回動が規制される。すなわち、基準位置から+D方向への回動体42Aの回動は、接触子51が反時計回り側範囲における第1位置にあることによって規制される。
接触子51が第1位置に位置する状態にて、ユーザーがつまみ43から指を離す等して、回動体42Aの+D方向への回動力を低減させると、第1付勢部材52の+Z方向への付勢力によって、接触部515は位置PT1に復帰する。接触部515が位置PT1に配置されたときの接触子51の位置は、第2位置に相当する。これにより、接触部515の-D方向への相対的な移動、ひいては、基準位置を跨ぐ回動体42Aの+D方向への回動が許容される。
【0128】
経路形成部493は、-D方向に向かうに従って-Z方向に位置するように、-D方向及び-Z方向に対して傾斜している。経路形成部493における-Z方向の面は、移動経路RT4のうち、時計回り側範囲において位置PT1に配置された接触部515が-D方向に移動して第2経路RT42に到達するまでの第1経路RT41を形成する。経路形成部491における+Z方向の面は、移動経路RT4のうち、時計回り側範囲において-D方向の移動限界に到達した接触部515が規制部494に到達するまでの第2経路RT42の一部を形成する。第1経路RT41の+D方向における長さは、第2経路RT42における-D方向の長さと略同じである。なお、経路形成部493において第1経路RT41を形成する-Z方向の面と、経路形成部493において第2経路RT42の一部を形成する+Z方向の面とのそれぞれは、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜している。
【0129】
基準位置に位置する回動体42Aが+D方向に回動されると、接触部515は、位置PT1から第1経路RT41に沿って移動し、例えば位置PT6に到達する。第1経路RT41上に接触部515が位置する状態では、回動体42Aが-D方向に回動された場合には、接触部515は第1経路RT41に沿って+D方向に相対的に移動する。この場合には、接触部515は、規制部494に接触しないため、基準位置を跨ぐ回動体42Aの回動は規制されない。
【0130】
回動体42Aが更に+D方向に回動されて、接触部515が時計回り側範囲における-D方向の移動限界に到達したとき、接触部515と経路形成部493とは、互いに離間し、接触部515は、-D方向の移動限界と位置PT9(時計回り側範囲における第1位置)とを結ぶ第2経路RT42に到達する。このとき、第1付勢部材52の付勢力によって、+Z方向における接触部515の位置は、接触子51が位置PT1に配置されたときの+Z方向における接触部515の位置と一致する。このため、接触部515が経路形成部493から離間した状態にて、回動体42Aが+D方向への回動限界まで回動された場合には、接触部515は、+Z方向における位置が変化せずに、第2経路RT42に沿って-D方向の移動限界まで移動される。
ここで、経路形成部493における-D方向の端部は、接触子51が位置PT1に配置されたときの接触部515における-Z方向の端部よりも-Z方向に位置する。これにより、回動体42Aが-D方向に回動されることによって、接触部515が+D方向に移動した場合には、位置PT7に示すように、接触部515は、経路形成部493における+Z方向の面と接触する。そして、回動体42Aが更に-D方向に回動された場合には、接触部515は、位置PT8に到達する。
【0131】
接触部515が第2経路RT42上に配置された状態で、回動体42Aが-D方向に回動されて基準位置に到達した場合には、接触部515は、第2経路RT42の延長線上に設けられた規制部494と接触する位置PT9に到達する。接触部515が位置PT9に配置されたときの接触子51の位置は、時計回り側範囲における第1位置に相当する。位置PT9に到達した接触部515の+D方向への移動は、規制部494によって規制されるため、回動体42Aの-D方向への回動が規制される。すなわち、基準位置から-D方向への回動体42Aの回動は、接触子51が時計回り側範囲における第1位置にあることによって規制される。
接触子51が第1位置に位置する状態にて、ユーザーがつまみ43から指を離す等して、回動体42Aの-D方向への回動力を低減させると、第1付勢部材52の-Z方向への付勢力によって、接触部515は位置PT1に復帰する。上記のように、接触部515が位置PT1に配置されたときの接触子51の位置は、第2位置に相当する。これにより、接触部515の+D方向への相対的な移動、ひいては、基準位置を跨ぐ回動体42Aの-D方向への回動が許容される。
このように、回動体42Aは、回動軸Rxを中心として回動体42Aが回動されたときに、回動軸Rxに沿う方向に接触子51を移動させる移動経路RT3,RT4が設けられた円筒カム構造を有する。
【0132】
なお、本実施形態では、第2経路RT32を構成する経路形成部491、及び、第2経路RT42を構成する経路形成部493は、第1位置の近傍に存在しないため、第1位置に接触子51が到達した時点で、接触子51は第2位置へ移動可能となる。本実施形態に係る回転操作子2Aにおいても、第1実施形態に係る回転操作子2と同様に、第1位置から第2位置への接触子51の移動しやすさのバランスをとることは可能である。
例えば、第1位置と第2位置との間の距離を長くとることにより、接触子51が第2位置に復帰しづらくすることができる。
また例えば、粘性のある潤滑材等によって接触子51の±Z方向の移動速度を制御することにより、接触子51が第2位置に復帰しづらくすることができる。
【0133】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係る音響装置は、第1実施形態に係る音響装置1と同様の効果を奏する。
すなわち、本実施形態に係る音響装置は、回転操作子2Aを備える。
回転操作子2Aは、回動体42A及び接触子51を備える。回動体42Aの外周面49Aには、回動軸Rxを中心とする周方向に対して傾斜した移動経路RT3,RT4が設けられている。回動体42Aは、回動軸Rxを中心として回動される。接触子51は、回動体42Aと接触し、回動体42Aの回動に伴って、移動経路RT3,RT4に沿って回動軸Rxに沿う方向に移動する。
反時計回り側範囲において、回動軸Rxを中心とする+D方向(第1回動方向)への回動体42Aの回動は、回動体42Aが+D方向に回動されて基準位置に到達したときに接触子51が反時計回り側範囲における第1位置にあることによって規制される。+D方向は、時計回りの方向である。
基準位置から+D方向への回動体42Aの回動が規制された状態にて、回動体42Aに対する+D方向への回動力が低減されると、接触子51が第2位置に復帰することによって、基準位置から+D方向への回動体42Aの回動が許容される。
【0134】
また、時計回り側範囲において、回動軸Rxを中心とする-D方向(第1回動方向)への回動体42Aの回動は、回動体42Aが-D方向に回動されて基準位置に到達したときに接触子51が時計回り側範囲における第1位置にあることによって規制される。-D方向は、反時計回りの方向である。
基準位置から-D方向への回動体42Aの回動が規制された状態にて、回動体42Aに対する-D方向への回動力が低減されると、接触子51が第2位置に復帰することによって、基準位置から-D方向への回動体42Aの回動が許容される。
【0135】
このような構成によれば、+D方向に回動された回動体42Aが基準位置を超えて+D方向に誤って回動されてしまうことを規制できる。このため、基準位置から-D方向の回動限界までの回動範囲(反時計回り側範囲)にて、回動体42Aを±D方向に回動させやすくすることができる。そして、+D方向に回動された回動体42Aが基準位置に到達した場合には、回動体42Aに対する+D方向への回動力を低減させることによって、接触子51が第2位置に復帰し、基準位置から回動体42Aを+D方向に回動させることができる。これにより、基準位置から+D方向の回動体42Aの回動を規制できるだけでなく、基準位置から+D方向の回動体42Aの回動を許容させることもできる。
同様に、-D方向に回動された回動体42Aが基準位置を超えて-D方向に誤って回動されてしまうことを規制できる。このため、基準位置から+D方向の回動限界までの回動範囲(時計回り側範囲)にて、回動体42Aを±D方向に回動させやすくすることができる。そして、-D方向に回動された回動体42Aが基準位置に到達した場合には、回動体42Aに対する-D方向への回動力を低減させることによって、接触子51が第2位置に復帰し、基準位置から回動体42Aを-D方向に回動させることができる。これにより、基準位置から-D方向の回動体42Aの回動を規制できるだけでなく、基準位置から-D方向の回動体42Aの回動を許容させることもできる。
従って、回転操作子2の操作性を高めることができる。
【0136】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
【0137】
図24は、接触子51及び第1付勢部材52の変形である接触子51A及び第1付勢部材52Aを示す斜視図である。
上記各実施形態では、第1付勢部材52は、1つの圧縮コイルばねであり、接触子51は、第1付勢部材52によって付勢されるとした。しかしながら、これに限らず、第1付勢部材52は、例えば
図24に示すように、+Z方向に設けられた圧縮コイルばね52A1と、-Z方向に設けられた圧縮コイルばね52A2とを有する構成としてもよい。
また、接触子51に代えて、例えば
図24に示す接触子51Aが採用されてもよい。接触子51Aは、接触子本体511Aと、接触子本体
511Aから-Y方向に突出して回動体42と接触する接触部515Aと、接触子本体
511Aから+Y方向に突出してガイド部344に挿通される突出部516Aとを有する。接触子本体511Aは、+Z方向に突出して圧縮コイルばね52A1に挿入される突出部512Aと、-Z方向に突出して圧縮コイルばね52A2に挿入される突出部513Aと、を有する。
このような接触子51A及び第1付勢部材52Aを+Z方向において挟む挟持部が、筐体部3に設けられていれば、第1付勢部材52Aの付勢力によって、接触部515Aが凹部46の底部461又は位置PT1に配置されるように付勢できる。
【0138】
上記第1実施形態では、回動体42は、経路形成部47,48を有するとした。上記第2実施形態では、回動体42Aは、経路形成部491,493及び規制部492,494を有するとした。しかしながら、これに限らず、回動体42は、経路形成部47,48のうち一方の経路形成部を有する構成としてもよい。この場合には、規制部481が別途設けられていればよい。同様に、回動体42Aは、経路形成部491及び規制部492と、経路形成部493及び規制部494とのうち、一方を有する構成としてもよい。
上記第1実施形態では、規制部471は、ガイド面473を有し、規制部481は、ガイド面483を有するとした。しかしながら、これに限らず、経路形成部47,48の構成によっては、規制部471,481は、ガイド面473,483を備えていなくてもよい。
【0139】
上記各実施形態では、回転操作子2,2Aは、第1位置から第2位置に向かう方向に接触子51を付勢する第1付勢部材52を備えるとした。しかしながら、これに限らず、回動体42,42Aに対する回動力を低減させたときに、規制部471,481,492,494に接触した接触子51を第2位置に位置させることができれば、第1付勢部材52,52Aは、無くてもよい。また、第1付勢部材52,52Aは、圧縮コイルばねによって構成されていなくてもよく、例えば磁石等の他の部材によって構成されていてもよい。
【0140】
上記第1実施形態では、移動経路RT1を形成する経路形成部47、及び、移動経路RT2を形成する経路形成部48は、回動軸Rxを中心とする径方向外側に外周面45Aから突出しているとした。上記第2実施形態では、移動経路RT3を形成する経路形成部491、移動経路RT4を形成する経路形成部493、及び、規制部492,494は、回動軸Rxを中心とする径方向外側に外周面49Aから突出しているとした。しかしながら、これに限らず、接触子51が移動する移動経路は、回動体の外周面に設けられた溝によって形成されていてもよい。
【0141】
上記各実施形態では、第1付勢部材52は、回動軸Rxに沿う+Z方向及び-Z方向に接触子51を付勢するとした。しかしながら、これに限らず、第1付勢部材52による付勢方向は、必ずしも回動軸Rxに沿う方向でなくてもよい。すなわち、規制部471,481,492,494と接触している接触子51を第2位置に復帰させることができれば、第1付勢部材52,52Aによる接触子51の付勢方向は、他の方向であってもよい。
【0142】
上記第1実施形態では、第2経路RT12は、第1経路RT11よりも+D方向に長く形成され、第2経路RT22は、第1経路RT21よりも-D方向に長く形成されているとした。しかしながら、これに限らず、第1経路RT11が、第2経路RT12よりも+D方向に長く形成され、第1経路RT21が、第2経路RT22よりも-D方向に長く形成されていてもよい。或いは、第2実施形態に係る第1経路RT31,RT41及び第2経路RT32,RT42と同様に、第1経路RT11における+D方向の長さは、第2経路RT12における+D方向の長さと略同じであってもよく、第1経路RT21における-D方向の長さは、第2経路RT22における-D方向の長さと略同じであってもよい。
【0143】
上記各実施形態では、回転操作子2,2Aは、接触子51を回動体42の回動軸Rxに近接する方向に付勢する第2付勢部材53を備えるとした。しかしながら、これに限らず、回転操作子2,2Aが状態切替機構7を備えず、回動体42,42Aの基準位置を跨ぐ回動が規制される構成であるならば、第2付勢部材53は無くてもよい。
また、接触子51は、必ずしも回動体42,42Aの外周面45A,49Aに接触していなくてもよい。
【0144】
上記各実施形態では、所定の位置としての回動体42,42Aの基準位置は、基準位置から+D方向への回動体42,42Aの回動限界までの長さと、基準位置から-D方向への回動体42,42Aの回動限界までの長さとが等しくなる位置であるとした。換言すると、指示線431が-X方向と平行で、かつ、-X方向を向くときの回動体42の位置を基準位置とした。しかしながら、これに限らず、基準位置は、-D方向への回動限界から+D方向への回動限界までの範囲において適宜設定可能である。
【0145】
上記各実施形態では、音響装置1は、操作感切替機構6及び状態切替機構7を備えるとした。しかしながら、これに限らず、操作感切替機構6及び状態切替機構7のうち、少なくとも一方は無くてもよい。この他、回動体42,42Aと接触子51との位置関係を適切に維持できれば、回転操作子2,2Aは、筐体部3を備えていなくてもよい。
【0146】
上記各実施形態では、回転操作子2,2Aは、ミキサーである音響装置1に採用されていた。しかしながら、これに限らず、本開示の回転操作子が採用される音響装置は、DJコントローラー等の他の音響装置であってもよく、他の電子機器であってもよい。
また、回転操作子2,2Aは、エフェクト調節部157を構成する回転操作子に限らず、他の調節部にも、本開示の回転操作子を適用可能である。
【0147】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[1]回転操作子は、回動軸を中心とする周方向に対して傾斜した移動経路が外周面に設けられ、前記回動軸を中心として回動される回動体と、前記回動体と接触し、前記回動体の回動に伴って、前記移動経路に沿って前記回動軸に沿う方向に移動する接触子と、を備え、前記回動軸を中心とする第1回動方向への前記回動体の回動は、前記回動体が前記第1回動方向に回動されて所定の位置に到達したときに前記接触子が第1位置にあることによって規制され、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が規制された状態にて前記回動体に対する前記第1回動方向への回動力が低減されると、前記接触子が第2位置に復帰することによって、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動が許容される。
【0148】
このような構成によれば、第1回動方向に回動された回動体が所定の位置に到達した場合には、第1回動方向への回動体の回動は、所定の位置にて規制される。これによれば、回動体が所定の位置を超えて第1回動方向に誤って回動されてしまうことを規制できる。このため、所定の位置から第1回動方向とは反対方向の回動限界までの回動範囲にて、回動体を第1回動方向及び第1回動方向とは反対方向のそれぞれに回動させやすくすることができる。
そして、第1回動方向に回動された回動体が所定の位置に到達した場合には、回動体に対する第1回動方向への回動力を低減させることによって、接触子が第2位置に復帰する。これによれば、所定の位置から回動体を第1回動方向に回動させることができる。
従って、所定の位置から第1回動方向への回動を規制できるだけでなく、所定の位置から第1回動方向への回動体の回動を許容させることもできるので、回転操作子の操作性を高めることができる。
【0149】
[2][1]に記載の回転操作子において、前記第1位置から前記第2位置に向かう方向に前記接触子を付勢する第1付勢部材を備えてもよい。
このような構成によれば、所定の位置から第1回動方向への回動体の回動が規制された状態にて回動体に対する第1回動方向への回動力を低減させた場合に、接触子を第1位置から第2位置に復帰させやすくすることができる。従って、所定の位置から第1回動方向への回動体の回動を実施しやすくすることができ、回転操作子の操作性を高めることができる。
【0150】
[3][1]又は[2]に記載の回転操作子において、前記回動体は、前記回動体が前記第1回動方向に回動されて前記接触子が前記第1位置に到達したときに、前記接触子と接触して、前記回動体に対する前記第1回動方向とは反対方向への前記接触子の前記回動体に対する相対的な移動を規制する規制部を有してもよい。
このような構成によれば、接触子が規制部に接触することによって、第1回動方向に回動されて所定の位置に到達した回動体が、第1回動方向に更に回動することを規制できる。第1付勢部材は、第1位置から第2位置に向かう方向に接触子を付勢するので、上記した回動力を低減させた場合に、第1付勢部材の付勢力によって、接触子を第2位置に復帰させやすくすることができる。従って、回転操作子の操作性を高めることができる。
【0151】
[4][1]から[3]のいずれか1つに記載の回転操作子において、前記移動経路は、前記所定の位置から前記回動体が前記第1回動方向に回動されたときに、前記第2位置から前記第1回動方向とは反対方向に前記接触子が前記回動体に対して相対的に移動する第1経路と、前記所定の位置から前記第1回動方向に回動された前記回動体が前記第1回動方向とは反対方向に回動されたときに、前記接触子を前記第1位置に導く第2経路と、を含んでもよい。
このような構成によれば、第2経路に接触子が到達した状態にて、第1回動方向に回動された回動体が所定の位置に到達した場合に、接触子を第1位置に導くことができる。従って、第1回動方向に回動された回動体が所定の位置を超えて回動されることを規制できる。
【0152】
[5][4]に記載の回転操作子において、前記第1回動方向における前記第1経路の長さは、前記第1回動方向における前記第2経路の長さよりも短くてもよい。
このような構成によれば、所定の位置から回動体の小さい回転量で、接触子を第1経路から第2経路に到達させることができる。そして、第2経路は、第1位置に導く経路であるので、回動体が所定の位置に到達したときに、接触子を第1位置に位置させることができる。従って、所定の位置を跨ぐ回動体の回動を規制できる。
【0153】
[6][4]又は[5]に記載の回転操作子において、前記接触子を前記回動軸に向かって付勢する第2付勢部材を備え、前記第2経路は、前記第1経路よりも前記回動軸に近い位置に設けられていてもよい。
このような構成によれば、第1経路から第2経路に移動した接触子が第1経路に戻ることを抑制できる。従って、第1基準位置を跨ぐ第1回動方向への回動体の回動を規制できる。
【0154】
[7][1]から[6]のいずれか1つに記載の回転操作子において、前記所定の位置は、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動限界までの長さと、前記所定の位置から前記第1回動方向とは反対方向への前記回動体の回動限界までの長さとが等しくなる位置であってもよい。
このような構成によれば、所定の位置は、回動体の回動可能範囲における中間位置となる。これによれば、所定の位置から第1回動方向への回動可能範囲と、所定の位置から第1回動方向とは反対方向への回動可能範囲とを等しくすることができる。従って、回転操作子の使い勝手を高めることができる。
【0155】
[8]音響装置は、[1]から[7]のいずれか1つに記載の回転操作子を備える。
このような構成によれば、上記した回転操作子と同様の効果を奏することができる。
【0156】
[9][8]に記載の音響装置において、前記回転操作子は、前記所定の位置から前記第1回動方向への前記回動体の回動角に応じて第1エフェクトのエフェクト量を調整し、前記所定の位置から前記第1回動方向とは反対方向への前記回動体の回動角に応じて第2エフェクトのエフェクト量を調整するエフェクト調節部を構成してもよい。
このような構成によれば、例えば第1基準位置を跨ぐ第1回動方向への回動体の回動が規制されるので、第2エフェクトのエフェクト量の調節時に、第1エフェクトのエフェクト量が誤って調節されてしまうことを抑制できる。従って、音響装置の使い勝手を高めることができる。
【符号の説明】
【0157】
1…ミキサー(音響装置)、157(157A,157B,157C,157D)…エフェクト調節部、2,2A…回転操作子、3…筐体部、4,4A…操作子本体、42,42A…回動体、45,49…円筒部、45A,49A…外周面、46…凹部、461…底部、462,463…傾斜部、47,48,491,493…経路形成部、471,481…規制部、51,51A…接触子、RT1,RT2,RT3,RT4…移動経路、RT11,RT21,RT31,RT41…第1経路、RT12,RT22,RT32,RT42…第2経路、Rx…回動軸。