(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】通信接続を確立する方法と装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20240308BHJP
H04W 12/04 20210101ALI20240308BHJP
H04W 12/06 20210101ALI20240308BHJP
H04W 8/20 20090101ALI20240308BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W12/04
H04W12/06
H04W8/20
(21)【出願番号】P 2023525080
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2021123684
(87)【国際公開番号】W WO2022116696
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】202011391949.0
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518240587
【氏名又は名称】上海途鴿数拠科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI TUGE DATA TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 316, No.302, Lane 838, Laolu Road, Shuyuan Town, Pudong New Area Shanghai 201304, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 宜煌
(72)【発明者】
【氏名】王 凱航
(72)【発明者】
【氏名】周 好
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-512209(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110401942(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー識別モジュールSIMカードに故障が生じた場合に、第一鍵を取得してKIカード情報を標識し、そのうち、ローカルに記録されているローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に使用可能である場合に、第一KIカード情報が前記ローミングでないKIカード情報とされ、ローカルに記録されているローミングKIカード情報が利用可能であるがローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、前記第一KIカード情報が前記ローミングKIカード情報とされること、
前記第一KIカード情報を用いてクラウドSIMカードマネジメントプラットフォームとの第一通信接続を確立すること、
前記第一通信接続により、前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからクラウドSIMカード情報を取得すること、及び、
前記クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立する、ことを含む、ことを特徴とする通信接続を確立する方法。
【請求項2】
前記第一KIカード情報がローミングKIカード情報とされる場合は、前記方法に、
前記第一通信接続により、前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームから第二KIカード情報を取得し、前記第二KIカード情報がローミングでないKIカード情報とされること、
前記第一通信接続を切断すること、及び、
前記第二KIカード情報により、前記第一通信接続を確立すること、をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の通信接続を確立する方法。
【請求項3】
前記ローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に利用可能であることは、
前記ローミングKIカード情報と前記ローミングでないKIカード情報とが共に、前記第一通信接続を確立することに利用可能であることを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信接続を確立する方法。
【請求項4】
前記ローミングKIカード情報が使用可能であるがローミングでないKIカード情報が使用可能でないことは、
前記ローミングKIカードが前記第一通信接続を確立することに利用可能でありながら、前記ローミングでないカードが前記第一通信接続を確立することに利用可能でない、ことを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信接続を確立する方法。
【請求項5】
前記第一KIカード情報が仮想KIカード情報である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の通信接続を確立する方法。
【請求項6】
処理手段と通信手段を含み、
前記処理手段は、
ユーザー識別モジュールSIMカードに故障が生じた場合に、第一鍵を取得してKIカード情報を標識し、そのうち、ローカルに記録されているローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に利用可能である場合に、第一KIカード情報が前記ローミングでないKIカード情報とされ、ローカル記録的ローミングKIカード情報が利用可能であるがローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、前記第一KIカード情報が前記ローミングKIカード情報とされる、ことを実行するためのものであり、
前記処理手段は、さらに、前記通信手段が、
前記第一KIカード情報を用いてクラウドSIMカードマネジメントプラットフォームとの第一通信接続を確立すること、
前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからクラウドSIMカード情報を取得すること、及び
前記クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立することを実行するように制御するためのものである、ことを特徴とする通信接続を確立する装置。
【請求項7】
前記処理手段は、さらに、前記通信手段が
前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームから第二KIカード情報を取得し、前記第二KIカード情報がローミングでないKIカード情報とされること、
前記第一通信接続を切断すること、及び、
前記第二KIカード情報により前記第一通信接続を確立すること、を実行するように制御するためのものである、ことを特徴とする請求項6に記載の通信接続を確立する装置。
【請求項8】
前記ローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に利用可能であることは、
前記ローミングKIカード情報と前記ローミングでないKIカード情報とが共に前記第一通信接続を確立することに利用可能である、ことを含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の通信接続を確立する装置。
【請求項9】
前記ローミングKIカード情報が利用可能であるがローミングでないKIカード情報が利用可能でないことは、
前記ローミングKIカードが前記第一通信接続を確立することに利用可能でありながら、前記ローミングでないカードが前記第一通信接続を確立することに利用可能でない、ことを含む、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の通信接続を確立する装置。
【請求項10】
前記第一KIカード情報が仮想KIカード情報である、ことを特徴とする請求項6~9のいずれか一項に記載の通信接続を確立する装置。
【請求項11】
コンピュータープログラムが記録されており、前記コンピュータープログラムがプロセッサーにより実行されると、前記プロセッサーが請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行する、ことを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信分野に関し、特に、通信接続を確立する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウド通信は、実体ユーザー識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カードを利用しなくても通信接続を確立することができる方法である。端末ディバイスは、実体又は仮想SIMカードを用いて第一通信接続を確立し、同通信接続によりクラウド端からクラウドSIMカード情報を取得し、クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立することができ、端末ディバイスに二つのカードスロットを設置することが必要にならず、端末ディバイスのコストが省かれる。
【0003】
上記方法は、実体又は仮想SIMカードが正常に稼働状態にあるということが要求される。実体又は仮想SIMカードに故障が生じた場合に、第二通信接続が確立できない。例えば、実体SIMカードのカードスロットに故障が生じたことにより実体SIMカードの情報が読み取れず、或いは、実体又は仮想SIMカードがローミング状態にあることにより第一通信接続が確立できない場合には、端末ディバイスが第一通信接続によりクラウドSIMカード情報を取得できないと、第二通信接続をも確立できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、実体又は仮想SIMカードに故障が生じた場合でも、クラウドSIMカードに対応する通信接続を確立することができる、通信接続を確立する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一局面は、SIMカードに故障が生じた場合に、第一鍵標識(key identifier、KI)カード情報を取得し、そのうち、ローカルに記録されているローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に利用可能である場合に、前記第一KIカード情報がローミングでないKIカード情報とされ、ローカルに記録されているローミングKIカード情報が利用可能であるがローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、前記第一KIカード情報がローミングKIカード情報とされること、前記第一KIカード情報を用いてクラウドSIMカードマネジメントプラットフォームとの第一通信接続を確立すること、前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからクラウドSIMカード情報を取得すること、及び、前記クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立することを含む、通信接続を確立する方法を提供する。
【0006】
ユーザーが第一通信接続を確立する成功率を保証するためには、複数のカード付き端末ディバイスに複数のKIカード情報を記録することが一般的である。複数のKIカード情報におけるローミングでないKIカード情報が利用可能である場合に、複数のカード付き端末ディバイスがローミングでないカード情報を用いて第一通信接続を確立することができる。複数のKIカード情報におけるローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、複数のカード付き端末ディバイスがローミングKIカードを用いて第一通信接続を確立することができる。そして、ユーザーの資源・費用が省かれると共に、第一通信接続を確立する成功率が保証される。
【0007】
第二局面は、第一局面におけるいずれか一つの方法を実行するための手段を含む、通信接続を確立する装置を提供する。
【0008】
第三局面は、プロセッサーとメモリーを含み、同メモリーがコンピュータープログラムを記憶するためのものであり、同プロセッサーがメモリーから同コンピュータープログラムを呼び出して実行し、同ディバイスが第一局面におけるいずれか一つの方法を実行するための、通信接続を確立するディバイスを提供する。
【0009】
第四局面は、コンピュータープログラムコードを含み、前記コンピュータープログラムコードが通信接続を確立する装置により実行されると、同装置が第一局面におけるいずれか一つの方法を実行する、コンピュータープログラム製品を提供する。
【0010】
第五局面は、第一局面におけるいずれか一つの方法を実行するための命令を含む、プログラムコードが記憶されている、コンピューター読み取れ可能な媒体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願が提供する通信システムの模式図である。
【
図2】本願が提供する仮想SIMカードに認証を行う方法である。
【
図3】本願が提供する通信接続を確立する方法の模式図である。
【
図4】本願が提供する他の通信接続を確立する方法の模式図である。
【
図5】本願が提供する通信接続を確立する装置の模式図である。
【
図6】本願が提供する通信接続を確立するディバイスの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下には、図面を参照しながら、本願における技術手段を説明する。
【0013】
まず、本願を適用する場面を紹介する。
図1は、本願に係る通信システムに適用される模式図である。
【0014】
通信システム100は、ネットワークディバイス110と端末ディバイス120を含む。端末ディバイス120は、電磁波によりネットワークディバイス110と通信する。
【0015】
本願では、端末ディバイス120に、無線通信機能を有した各種の手持ちディバイス、車載ディバイス又はウェアラブルディバイス、例えば、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project、3GPP(登録商標))に定義されているユーザーディバイス(user equipment、UE)やモバイルステーション(mobile station、MS)などを含めてもよい。
【0016】
ネットワークディバイス110は、3GPP(登録商標)に定義されている基地局、例えば、第五世代(the fifth generation、5G)通信システムにおける基地局(gNB)であってもよい。ネットワークディバイス110は、さらに、中継局、アクセスポイント、車載ディバイス、ウェアラブルディバイス及び他の種類の通信ディバイスであってもよい。
【0017】
通信システム100は、例に過ぎず、本願に適用される通信システムがその限りでなく、例えば、より多いネットワークディバイスを含めてもよい。
【0018】
端末ディバイス120は、複数のSIMカードを用いて、ネットワークディバイスと通信接続をそれぞれ確立することができる。この時、端末ディバイス120が複数のカード付き端末ディバイスと呼ばれてもよい。使用のコストを削減するためには、複数のカード付き端末ディバイスが一つの実体SIMカードと複数の仮想SIMカードを用いて通信接続を確立してもよい。そのうち、仮想SIMカードとは、ソフトウェア又は代理技術により模擬されたSIMカードを指す。複数のカード付き端末ディバイスにとっては、仮想SIMカードと実体SIMカードが同じ機能を有しており、例えば、認証のリクエストという、複数のカード付き端末ディバイスにおけるモデム(modem)のカード読み書きリクエストを応答することができる。
【0019】
認証とは、相互認証のメカニズムであり、電気通信事業者のネットワークにアクセスすると、ユーザーの身分と基地局の合法性を鑑別するためのものである。仮想SIMカードは、基地局に実体SIMカードの大部分のデータとアルゴリズム(認証アルゴリズムを含み)を提供できる一方、KIコードを提供できず、つまり、認証をすることができない。解決方法は、その一つが電気通信事業者から提供するKIカードによりローカルに認証を行うということであり、もう一つがクラウド端に記録されているSIMカード情報によりクラウド端に認証を行うということである。
【0020】
故に、認証方法によって、
図2に示すように、仮想SIMカード技術を、KI仮想SIMカード技術とクラウド仮想SIMカード技術に分けてもよい。
【0021】
複数のカード付き端末ディバイスは、クラウド仮想SIMカード技術を用いる場合に、複数のカード付き端末ディバイスがまず実体SIMカードによりクラウド端と通信接続を確立してから、クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームから仮想SIMカード情報を取得し、次に、実体SIMカードにより確立された通信接続により仮想SIMカード情報を認証し、認証が済むと、クラウドSIMカードプールシステムが複数のカード付き端末ディバイスに、認証が通過した旨の認証応答を送信する。そして、複数のカード付き端末ディバイスは、仮想SIMカードにより、クラウド端とデータを交換することができる。
【0022】
複数のカード付き端末ディバイスがKI仮想SIMカード技術を用いる場合に、複数のカード付き端末ディバイスがまず、実体SIMカードを用いてクラウド端と通信接続を確立してから、クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからKIコードを取得する。複数のカード付き端末ディバイスは、認証アルゴリズムとKIコードによりローカルに認証を行い、認証が通過すると、仮想SIMカードを用いてクラウド端とデータを交換するこいとができる。
【0023】
図2から分かるように、上記の二つの解決方法は、いずれも、実体SIMカードにより確立された通信接続に基づいて実現されるものである。実体SIMカードに故障が生じた場合に、仮想SIMカードがネットワークディバイスとの通信接続を確立できず、ユーザーも仮想SIMカードを用いてネットワークにアクセスすることができない。
【0024】
次に、
図3を参照しながら本願が提供する通信接続を確立する方法300を紹介する。方法300は、複数のカード付き端末ディバイスにより実行されてもよい。この複数のカード付き端末ディバイスは、携帯であってもよいし、無線通信機能を有した他の携帯式端末であってもよい。本願は、複数のカード付き端末ディバイスについてその詳細な形態を限定しない。
【0025】
図3に示すように、方法300は、以下のステップを含む。
S310は、SIMカードに故障が生じた場合に、第一KIカード情報を取得する。そのうち、ローカルに記録されているローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が共に、利用可能である場合に、前記第一KIカード情報がローミングでないKIカード情報とされ、ローカルに記録されているローミングKIカード情報が利用可能であるがローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、前記第一KIカード情報がローミングKIカード情報とされる。
【0026】
上記SIMカードは、実体SIMカードであってもよいし、仮想SIMカードであってもよい。
【0027】
上記故障は、複数のカード付き端末ディバイスを製造する製造者によりなされたものであってもよい。例えば、複数のカード付き端末ディバイスにおけるカードスロットは、製造の過程に不具合が生じたので、実体SIMカードにおける情報が読み取れず、ユーザーが実体SIMカードと仮想SIMカードを用いて通信できなくなる。
【0028】
上記故障は、ユーザーの要素によりなされたものであってもよい。例えば、複数のカード付き端末ディバイスは、使用の際に、水に下落したり地に下落したりすることにより実体SIMカードにおける情報が読み取れず、或いは、カードスロットが汚れになり又は錆びになることから実体SIMカードにおける情報が読み取れず、ひいては、ユーザーが実体SIMカードと仮想SIMカードを用いて通信を行うことができなくなる。
【0029】
上記故障は、さらに、ローミング先の電気通信事業者が実体SIMカードに係るネットワークモードをサポートしないということであってもよい。そして、SIMカードが通信接続を確立できず、ひいては、ユーザーが実体SIMカードと仮想SIMカードを用いて通信を行うことができなくなる。
【0030】
本願は、実体SIMカードに係る故障の具体的な形態について限定しない。
【0031】
複数のカード付き端末ディバイスは、実体SIMカードに故障が生じたと特定すると、第一KIカード情報を取得する。第一KIカード情報は、複数のカード付き端末ディバイスが実体KIカードから読み取れた情報であってもよいし、複数のカード付き端末ディバイスがメモリーから読み取れた仮想KIカードの情報であってもよい。複数のカード付き端末ディバイスは、仮想KIカード情報を用いると、実体KIカードを数多く設置することが必要にならず、コストが省かれる。
【0032】
複数のカード付き端末ディバイスは、複数のKIカード情報が利用可能であると、利用可能なKIカード情報を第一KIカード情報としてランダムに選んでもよい。
【0033】
第一KIカード情報はローミングKIカード情報であってもよいし、ローミングでないKIカード(領域KIカード)情報であってもよい。例えば、第一通信接続を成功に確立するように確保するためには、複数のカード付き端末ディバイスがローミングでないKIカード情報を記録しないと、複数のローミングKIカード情報からその一つを第一KIカード情報として選んでもよい。
【0034】
また、例えば、複数のカード付き端末ディバイスにローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が記録されていると共にローミングでないKIカード情報を用いて第一通信接続を確立する場合に、複数のカード付き端末ディバイスが、ローミングでないKIカード情報からその一つを第一KIカード情報として選ぶことが可能であることから、ユーザー的資源・費用が省かれる。
【0035】
次に、複数のカード付き端末ディバイスは、下記のステップを実行する。
S320は、前記第一KIカード情報を用いてクラウドSIMカードマネジメントプラットフォームとの第一通信接続を確立する。
【0036】
好適には、複数のカード付き端末ディバイスがローミングKIカード情報を第一KIカード情報として選ぶ場合に、第一通信接続によりクラウド端から第二KIカード情報を取得してもよい。第二KIカード情報がローカル電気通信事業者により配れたKIカード情報であることから、第二KIカード情報がローカルネットワークをサポートする。次に、複数のカード付き端末ディバイスが第一通信接続を切断し、第二KIカード情報により第一通信接続を再度確立する。実施例では、ローミングでないKIカード情報(第二KIカード情報)を用いて第一通信接続を確立することから、ユーザーの資源・費用が省かれる。
【0037】
また、複数のカード付き端末ディバイスは、複数の通信接続にKIカード情報を提供することが必要である場合に、第一KIカード情報が複数の通信接続により同時使用される可能性がある。つまり、一つのカードが多重化して使用される場合が出る。第二KIカード情報がクラウド端により配れたものであることから、一つのカードが多重化して使用される場合がない。故に第二KIカード情報を用いて第一通信接続を確立することは、第一通信接続の安定性が高まる。
【0038】
S330は、前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからクラウドSIMカード情報を取得する。
【0039】
S340は、前記クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立する。
【0040】
ユーザーが第一通信接続を確立する成功率を保証するためには、複数のカード付き端末ディバイスに、複数のKIカード情報を記録することが一般的である。複数のKIカード情報におけるローミングでないKIカード情報が利用可能である場合に、複数のカード付き端末ディバイスがローミングでないカード情報を用いて第一通信接続を確立することができる。複数のKIカード情報におけるローミングでないKIカード情報が利用可能でない場合に、複数のカード付き端末ディバイスがローミングKIカードを用いて第一通信接続を確立することができる。そして、ユーザーの資源・費用が省かれると共に第一通信接続を確立する成功率が保証される。
【0041】
次に、
図4を参照しながら本願が提供する通信接続を確立する方法をさらに紹介する。
【0042】
複数のカード付き端末ディバイスは、予めローミングKIカード情報を保存しておく。複数のカード付き端末ディバイスは、通電するとSIMカードに故障が生じたかどうかを検測する。SIMカードに故障が生じた場合には、領域KIカード情報が存在しているかどうかを検査する。
【0043】
領域KIカード情報が存在している場合には、複数のカード付き端末ディバイスが同領域KIカード情報を用いて第一通信接続、つまり、SIMカードに対応する通信接続を確立する。次に、複数のカード付き端末ディバイスは、第一通信接続により、クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームにリクエストメッセージを送信し、クラウドSIMカードを取得するようにリクエストする。クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームは、クラウドSIMカードのカード配りアルゴリズムに基づいて、複数のカード付き端末ディバイスに配るクラウドSIMカードを特定しながら、同クラウドSIMカードと第二通信接続との関連関係をバインディングし、次に、クラウドSIMカード情報を複数のカード付き端末ディバイスに送信する。複数のカード付き端末ディバイスは、同クラウドSIMカード情報を用いて、第二通信接続を確立する。複数のカード付き端末ディバイスは、ホットスポットが開くと、WiFiのユーザーが第二通信接続を用いて、クラウドSIMカードとトランザクションを交換することができる。クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームは、第二通信接続に基づいてディバイス状態を監視し、複数のカード付き端末ディバイスから報告されたトラフィックの使用状況を取得することもできる。
【0044】
領域KIカード情報が存在しない場合には、複数のカード付き端末ディバイスが、内蔵されているローミングKIカードから一つのローミングKIカードをランダムに選び、同ローミングKIカードにより第一通信接続を確立することができる。次に、複数のカード付き端末ディバイスは、第一通信接続により、クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームにリクエストメッセージを送信し、領域KIカードとクラウドSIMカードを取得するようにリクエストする。クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームは、カード配りアルゴリズムに基づいて複数のカード付き端末ディバイスに配るクラウドSIMカードと領域KIカードを特定しながら、クラウドSIMカードと第二通信接続との関連関係及び領域KIカードと第一通信接続との関連関係をバインディングし、次に、クラウドSIMカードの情報と領域KIカード情報を複数のカード付き端末ディバイスに送信する。複数のカード付き端末ディバイスは、インターフェースを呼び出して第一通信接続を切断し、領域KIカード情報をモデムに下し、領域KIカードを用いて第一通信接続を再度確立し、第一通信接続により、クラウドSIMカード情報と認証リクエストをクラウドSIMカードプールシステムに送信する。クラウドSIMカードプールシステムは、クラウドSIMカード認証アルゴリズムにより認証が済むと、認証応答を複数のカード付き端末ディバイスに送信する。複数のカード付き端末ディバイスは、クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立する。複数のカード付き端末ディバイスは、ホットスポットが開くと、WiFiのユーザーが第二通信接続によりクラウドSIMカードとトランザクションを交換することができる。クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームは、第二通信接続により、ディバイス状態を監視し、複数のカード付き端末ディバイスから報告されたトラフィックの使用状況を取得することができる。
【0045】
上記は、本願が提供する通信接続を確立する方法の例を詳しく説明した。理解可能なことは、上記の機能を図るために、通信接続を確立する装置に、各機能を実行することに対応するハードウェア及び/又はソフトウェアのモジュールを含んでいる。当業者にとって容易に想到可能なことは、本文に開示された実施例に記載されている各例の手段やアルゴリズムのステップを組み合わせると、本願がハードウェアやコンピューターソフトウェアの組み合わせ形態により実現される。ある機能は、ハードウェアにより実行されるとか、コンピューターソフトウェアによりハードウェアを駆動して実行されるとかということは、技術手段についての特定適用や設計における制限条件による。専門技術者は、各特定の適用について異なる方法を用いて係る機能を図ることができるが、この形態は、本願の範囲を超えたものではない。
【0046】
本願は、上記方法の例によって、通信接続を確立する装置を機能手段について分けてもよい。例えば、各機能を各機能手段にわけてもよいし、二つ又は二つ以上の機能を一つの処理手段に集積してもよい。集積される上記手段は、ハードウェアという形態により実現されてもよいし、ソフトウェア機能手段という形態により実現されてもよい。説明すべきことは、本願において、手段の分けが例示的なものであり、機能を論理的分けたものであり、実際に実現される場合に他の分け形態があってもよい。
【0047】
図5は、本願が提供する通信接続を確立する装置の構成の模式図である。
【0048】
装置500は、処理手段510と通信手段520を含む。
【0049】
処理手段510は、SIMカードに故障が生じた場合に、第一KIカード情報を取得するように実行するためのものである。
【0050】
処理手段510は、さらに、通信手段520が、前記第一KIカード情報を用いてクラウドSIMカードマネジメントプラットフォームとの第一通信接続を確立すること、前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームからクラウドSIMカード情報を取得すること、及び、前記クラウドSIMカード情報を用いて第二通信接続を確立すること、を実行するように制御するためのものである。
【0051】
好適には、前記第一KIカード情報がローミングKIカード情報とされる。前記処理手段510は、具体的に、ローカルにローミングでないKIカード情報が記録されない場合に、ローカルに記録されている前記第一KIカード情報を取得することを実行するためのものである。
【0052】
好適には、前記処理手段510は、さらに、前記通信手段520が、前記第一通信接続により前記クラウドSIMカードマネジメントプラットフォームから第二KIカード情報を取得し、前記第二KIカード情報がローミングでないKIカード情報であること、前記第一通信接続を切断すること、及び、前記第二KIカード情報により前記第一通信接続を確立することを実行する、ように制御するためのものである。
【0053】
好適には、前記第一KIカード情報がローミングでないKIカード情報とされる。前記処理手段510は、具体的に、ローカルにローミングKIカード情報とローミングでないKIカード情報が記録されている場合に、ローカルに記録されている前記第一KIカード情報を取得することを実行するためのものである。
【0054】
好適には、前記第一KIカード情報が仮想KIカード情報とされる。
【0055】
装置500の実行方法300に係る具体的な形態及び生じる有益な効果については、上記方法に係る実施例における関連説明を参照してもよい。
【0056】
図6は、本願が提供する通信接続を確立するディバイスの構成の模式図である。ディバイス600は、上記方法に係る実施例に記載された方法を実現するためのものであり、チップ又は端末ディバイスとされてもよい。
【0057】
ディバイス600は、一つ又は複数のプロセッサー601を含み、この一つ又は複数のプロセッサー601は、ディバイス600が
図2に対応する方法の実施例における方法を実現するようにサポートする。プロセッサー601は、汎用プロセッサー又は専用のプロセッサーとされてもよい。例えば、プロセッサー601は、中央処理装置(central processing unit、CPU)或ベースバンドプロセッサーとされてもよい。ベースバンドプロセッサーは、通信データ(例えば、リクエストメッセージ)を処理するためのものであり、CPUは、ディバイス600を制御して、ソフトウェアプログラムを実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理するためのものである。
【0058】
ディバイス600は、受送信手段605とアンテナ606をさらに含み、信号の受信(受け)と送信(送り)を実現するためのものである。
【0059】
例えば、ディバイス600は、チップとされてもよい。受送信手段605は、このチップの入力及び/又は出力の回路であってもよいし、このチップにおける通信インターフェースであってもよい。このチップは、端末ディバイス又は他の無線通信ディバイスの構成部分とされてもよい。
【0060】
ディバイス600は、一つ又は複数のメモリー602を含み、その中にプログラム604を記憶する。プログラム604は、プロセッサー601により実行され、命令603を生成する。そして、プロセッサー601は、命令603に従って上記方法に係る実施例に記載された方法を実行する。好適には、メモリー602には、さらに、データを記録する。好適には、プロセッサー601は、さらに、メモリー602に記録されているデータを読み出す。同データは、プログラム604と同一の記録アドレスで記録してもよいし、プログラム604と異なる記録アドレスで記録してもよい。
【0061】
プロセッサー601とメモリー602は、個別に設置されてもよいし、集積されてもよい。例えば、システム・オン・チップ(system on chip、SOC)に集積されてもよい。
【0062】
理解すべきことは、上記方法に係る実施例に、各ステップがプロセッサー601におけるハードウェア形態となる論理回路又はソフトウェア形態による命令により実現される。プロセッサー601は、CPU、デジタルシグナルプロセッサー(digital signal processor、DSP)、専用集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、現場で書き換え可能な論理回路の多数配列(field programmable gate array、FPGA)又は他の論理プログラミング機器、例えば、分離ゲート、トランジスター論理機器又は分離ハードウェア部品とされてもよい。
【0063】
ディバイス600の実行方法200の具体的な形態及び生じる有益な効果は、上記の方法に係る実施例における関連記載を参照してもよい。
【0064】
本願は、コンピュータープログラム製品をさらに提供しており、このコンピュータープログラム製品がプロセッサー601により実行されると、本願のいずれか一つの方法に係る実施例に記載された通信方法が実現される。
【0065】
同コンピュータープログラム製品は、メモリー602に記憶されてもよく、例えば、プログラム604とされる。プログラム604は、初期処理、コンパイル、アセンブリやリンクなどの処理を経て最終的にプロセッサー601により実行可能となる実行可能な目標ファイルに変わる。
【0066】
本願は、コンピューター読み取り可能な記録媒体をさらに提供しており、その中にコンピュータープログラムを記録し、同コンピュータープログラムがコンピューターにより実行されると本願のいずれか一つの方法に係る実施例に記載されている通信方法を実現する。同コンピュータープログラムは、ハイレベルな言語プログラムであってもよいし、実行可能な目標プログラムであってもよい。
【0067】
同コンピューター読み取り可能な記録媒体は、例えば、メモリー602とされる。メモリー602は、揮発性メモリー又は不発揮性メモリーであってもよいし、揮発性メモリーと不揮発性メモリーを同時に含んでもよい。そのうち、不揮発性メモリーは、リードオンリーメモリー(read-only memory、ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリー(programmable ROM、PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリー(erasable PROM、EPROM)、電気消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリー(electrically EPROM、EEPROM)又はフラッシュメモリーとされてもよい。揮発性メモリーは、ランダムアクセスメモリー(random access memory、RAM)とされてもよく、外部にキャッシュメモリーとされる。制限性でなく例示的に説明するように、例えば、スタティックなランダムアクセスメモリー(static RAM、SRAM)、ダイナミックなランダムアクセスメモリー(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナスダイナミックアクセスメモリー(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレートダイナミックなランダムアクセスメモリー(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、強化式シンクロナスダイナミックアクセスメモリー(enhanced SDRAM、ESDRAM)、シンクロナスコネクションダイナミックなランダムアクセスメモリー(synchlink DRAM、SLDRAM)又はダイレクトメモリバスランダムアクセスメモリー(direct rambus RAM、DR RAM)という多くの形態となるRAMが利用可能である。
【0068】
当業者が明らかに想到することは、記載を便宜と簡潔にするために、上記に記載されたシステム、装置又は手段について具体的な稼働過程について、前記の方法に係る実施例における対応する過程を参照してもよいことから、ここで重複して説明しない。
【0069】
本願が提供する幾つかの実施例では、係るシステム、装置及び方法が他の形態により実現されてもよい。例えば、上記に記載された方法に係る実施例における幾つか特徴は、無視されてもよいし、実行されなくてもよい。上記に記載された装置に係る実施例は、例示的なものに過ぎず、手段の分けも、機能について論理的な分けに過ぎず、実際に実現される時に他の分け方があってもよい。複数の手段又は部品は、組み合わせられてもよいし、他のシステムに集積されてもよい。また、各手段間のカップリング又は各部品間のカップリングは、直接的なものであってもよいし、間接的なものであってもよい。上記のカップリングは、電気、機械又は他の形態による接続であってもよい。
【0070】
理解すべきことは、本願に係る各種類の実施例に、各ステップの番号は、実行に前後という順番があるということを意味しておらず、各ステップを実行する順番は、その機能や内部の論理により特定されるが、本願の実施例を実施することに如何なる制限を与えるものではない。
【0071】
また、「システム」や「ネットワーク」という本文にいう技術用語は、本文に、互いに代わって使用してもよい。「及び/又は」という本文にいう用語は、関連対象を説明する関連関係に過ぎず、三つの関係が存在するということを示す。例えば、A及び/又はBは、Aだけが存在し、AとBとの両者が同時に存在し、Bだけが存在するという三つの場合を示す。また、「/」という本文にいう文字は、前後に関連する対象が「又は」という関係にあるように示すことが一般的である。
【0072】
以上に記載されたものは、本願に係る技術手段における好ましい実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定するものでない。本願における趣旨と原則に限定される如何なる補正、均等置換や改良は、いずれも、本願の保護範囲に含まれるべきである。