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特許7450869セラミック繊維補強ケイ質ダイブロック及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】セラミック繊維補強ケイ質ダイブロック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/14 20060101AFI20240311BHJP
   C04B 35/80 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C04B35/14
C04B35/80 300
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022558325
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2022114519
(87)【国際公開番号】W WO2023109174
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】202111534891.5
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522377066
【氏名又は名称】洛陽邁楽耐火材料有限公司
【氏名又は名称原語表記】LUOYANG MAILE REFRACTORY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.33 Longhua Avenue, Mengjin, Luoyang, Henan 471100, China
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】王 鴻妹
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-101232(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101550018(CN,A)
【文献】米国特許第04506025(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/14,35/66,35/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法であって、
製造原料は、質量百分率で、82~92部の石英骨材、1~2部の耐火セメント、7~15部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の成分を含む主要原料を含み、
補助原料を更に含み、前記補助原料は、主要原料の総重量の0.1%~0.3%の分散剤と、主要原料の総重量の0.06%~0.1%の防爆繊維と、主要原料の総重量の0.1~1%の補強繊維と、主要原料の総重量の2%~4%の水と、主要原料の総重量の7%~12%のケイ酸ゾルとを含み、
前記石英骨材は、溶融石英であり、前記石英骨材の粒径が90μm以下であり、前記耐火セメントは、アルミナセメント又はポルトランドセメントであり、前記耐火セメントの粒径が5μm以下であり、ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の純度は、97%以上であり、ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の粒径が1μm以下であり、
前記ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末におけるSiO+ZrOの質量百分率含有量は、99%超であり、ここで、ZrOの質量百分率含有量は、2%~3%である、
ことを特徴とする、セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法
【請求項2】
前記分散剤は、トリポリリン酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムの1種又は2種の組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法
【請求項3】
前記補強繊維は、石英繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法
【請求項4】
ダイブロックは、鋳込み成形されることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉用の耐火性ケイ石煉瓦材料の製造領域に属し、特にセラミック繊維補強ケイ質ダイブロック及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コークス炉で生産する場合、燃焼室の壁面の平均温度は、約1300℃であり、炭化室の平均温度は、約1100℃であり、局所的領域はより高い。この温度下で、壁体は、炉頂の機械及び上部煉瓦体の重力を受け、その壁面は、乾留ガスと灰残渣の侵食、炉材の膨張圧力及びコークス押出側の圧力を受ける。従って、耐火壁は、良好な気密性、良好な熱伝導率、高い荷重軟化温度、優れた高温耐食性、高い構造全体強度が必要である。
【0003】
しかし、5.5m高のコークス炉を一例として、一般的に、120mm厚の通常のケイ石煉瓦で炉筒を建築する場合、46層が必要であり、煉瓦間、層間にも目地があり、これらの目地は、コークス炉使用過程において、最初に侵食のため損傷する部分である。通常の製品は、プレス成形プロセスを使用し、ケイ石煉瓦の高さ及び幅の寸法は制限されるため、ケイ石煉瓦建築によるコークス炉の目地の面積を向上させる。ケイ質製品の寸法が大きい場合、ケイ石煉瓦建築によるコークス炉の目地の面積を低下させ、しかし、1.焼成過程において亀裂発生の恐れがあり、2.ケイ石煉瓦の寸法公差を制御し、3.耐圧強度が低くなり、4.製造可能な形状が制限されるという4つの問題がある。また、コークス炉建築プロセスが複雑であり、施工期間が長く、コークス炉建築が完了した後、長時間の乾燥が必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、上記問題に対して、目地の面積が小さく、高温耐食性が高く、構造全体強度が高く、耐火性に優れ、迅速に建築でき、迅速にコークス炉を乾燥できるセラミック繊維補強ケイ質ダイブロックを提供することである。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を用いる。
【0006】
セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックは、その成分が、94~98.9wt%のSiO、合計0.1~3.0wt%のNaOとKO、0~2wt%のAl、及び0~1.0wt%のFeを含む。
【0007】
セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造原料は、質量百分率で、82~92部の石英骨材、1~2部の耐火セメント、7~15部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の成分を含む主要原料を含む。
【0008】
更に、前記石英骨材は、溶融石英であり、その粒径が90μm以下であり、前記耐火セメントは、アルミナセメント又はポルトランドセメントであり、その粒径が5μm以下であり、ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の純度は、97%以上であり、その粒径が1μm以下である。
【0009】
更に、前記ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末におけるSiO+ZrOの質量百分率含有量は、99%超であり、ここで、ZrOの質量百分率含有量は、2%~3%である。
【0010】
更に、製造原料は、補助原料を更に含み、前記補助原料は、主要原料の総重量の0.1%~0.3%の分散剤と、主要原料の総重量の0.06%~0.1%の防爆繊維と、主要原料の総重量の0~1%の補強繊維と、主要原料の総重量の2%~4%の水と、主要原料の総重量の7%~12%のケイ酸ゾルとを含む。
【0011】
更に、前記分散剤は、トリポリリン酸ナトリウム及びヘキサメタリン酸ナトリウムの1種又は2種の組み合わせである。前記補強繊維は、石英繊維である。
【0012】
本発明は、セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法を更に提供し、ダイブロックは、鋳込み成形される。
【0013】
本発明は、セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法を更に提供し、養生工程を含む。
更に、前記養生工程の温度は、22~26℃である。
【0014】
上記技術的解決手段を用い、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0015】
1.ダイブロック鋳込みの一体成形プロセスを用い、コークス炉部分を一定の形状、寸法のある耐火性鋳込みダイブロックに設計し、ダイを設計、加工し、ダイブロックを鋳込み成形し、乾燥させ、最後に、建築が完了する。従来のケイ石煉瓦建築に比べて、その利点は以下のとおりである。
【0016】
(1)ダイブロックは、寸法と形状が異なる製品を製造し、プレス成形で実現できない大型部材、異形部材を製造するように構成され、ダイの製造コストを大幅に低減し、
【0017】
(2)寸法と形状に応じてダイブロックを事前に製造し、現地で、図面に応じて建築、又は吊り上げて組み立てることができ、メンテナンス時間を大幅に短縮させ、また、大量の専門の左官が必要とせず、人件費を削減し、建設期間を半分以上短縮できることが期待され、顧客により良好な経済的利益をもたらす。
【0018】
(3)1つのダイブロックで通常のケイ石煉瓦100個以上を代替でき、建築過程における目地と溝の面積を低下させる。ケイ石煉瓦建築によるコークス炉の目地を大幅に低減し、体積安定性、熱衝撃抵抗性及び耐衝撃性を向上させ、コークス炉の耐用年数を伸ばす。迅速にコークス炉を乾燥させ、メンテナンス効率を高める。
【0019】
2.本発明は、好ましい配合比に応じて、防爆繊維と補強繊維の組み合わせを加え、強度試験の結果から分かるように、製品は、亀裂を防止するだけでなく、ダイブロックの強度も向上する。温度及び湿度の養生システムの最適化により、離型しやすく、表面が滑らかな製品が得られる。
【0020】
3.本発明は、原料の配合比を最適化させ、走査型電子顕微鏡図の結果から分かるように、好ましい条件で、高温耐食性に優れた大型ケイ質ダイブロックが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】耐食性試験後の実施例1の製品の微視的構造図である。
図2】耐食性試験後の実施例2の製品の微視的構造図である。
図3】耐食性試験後の実施例3の製品の微視的構造図である。
図4】耐食性試験後の実施例4の製品の微視的構造図である。
図5】異なる倍率下での実施例7の製品の微視的構造図である。
図6】異なる倍率下での実施例7の製品の微視的構造図である。
図7】異なる倍率下での実施例8の製品の微視的構造図である。
図8】異なる倍率下での実施例8の製品の微視的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に記載の具体的な実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
(実施例1)
【0023】
セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックは、ダイブロック鋳込みの一体成形プロセスを用い、コークス炉の形状に基づいて、ダイを設計、加工し、次にダイブロックを鋳込み成形し、乾燥させ、最後に、建築が完了する。本発明のセラミック繊維補強ケイ質ダイブロック製品の高さは、6~10層の従来のケイ石煉瓦の高さで、1.3m以下であり、その長さは、2~5個の煙道の長さで、2.2m以下であり、その幅は、1つの煙道の長さで、1m以下である。
【0024】
説明すべきものとして、本発明は、コークス炉をダイブロックとして一体成形するが、代表的なものではなく、本発明の成分は、独立してケイ石煉瓦を製造し、次にケイ石煉瓦をコークス炉に建築することができない。本発明は、コークス炉のダイブロックによって直接一体化して鋳込み成形し、より良好な効果を持っている。
【0025】
本発明のセラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの製造方法は、具体的な工程が以下のとおりである。
【0026】
S1、主要原料を量る(主要原料は、質量百分率に応じて計算される)。82部の石英骨材、2部のアルミナセメント、15部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末を量る。
【0027】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、水が4%、ケイ酸ゾルが7%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
【0028】
S3、鋳込み成形する。スラリを振動プラットフォームに入れて2~3分間振動し、気泡を除去した後、上記調製済みのスラリを設計済みのダイブロック化ダイ内に鋳込み成形し、層ごとに鋳込み成形し、同時に、振動棒を使用して4分間振動成形すれば、鋳込み成形が完了する。
【0029】
S4、養生する。養生方法は、温度制御の高湿度養生であり、養生環境温度は、25℃であり、湿度は、35%であり、養生時間は、100時間である。
【0030】
S5、離型する。養生後、離型し、乾燥温度は、120℃であり、乾燥時間は、100時間である。
【0031】
S6、焼結する。上記鋳込み成形した大型ケイ質ダイブロックを1400℃のマッフル炉内に入れて焼結し、炉で加熱し、加熱速度は、10℃/分間であり、10時間保温すれば、セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックが得られる。
【0032】
上記工程S1では、石英骨材は、溶融石英であり、その粒径が90μm以下であり、前記アルミナセメントは、その粒径が5μm以下であり、ジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末の純度は、97%以上であり、その粒径が1μm以下である。
【0033】
上記工程S1におけるジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末におけるSiO+ZrOの含有量(質量百分率、以下同じ)は、99%超であり、ここで、ZrOの含有量は、2%であ。
【0034】
上記工程S2における低融点防爆繊維の融点は、110~120℃であり、高融点防爆繊維の融点は、140~160℃である。
(実施例2)
【0035】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0036】
S1、主要原料を量る(主要原料は、質量百分率に応じて計算される)。87部の石英骨材、2部のポルトランドセメント、10部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末を量る。
【0037】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.2%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、水が3%、ケイ酸ゾルが8%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例3)
【0038】
S1、主要原料を量る(主要原料は、質量百分率に応じて計算される)。92部の石英骨材、1部のアルミナセメント、7部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末を量る。
【0039】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.1%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.2%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、水が2%、ケイ酸ゾルが10%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例4)
【0040】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0041】
S1、主要原料を量る(主要原料は、質量百分率に応じて計算される)。84部の石英骨材、2部のアルミナセメント、14部のジルコニウム含有二酸化ケイ素の微細粉末を量る。
【0042】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.2%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、水が2%、ケイ酸ゾルが12%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例5)
【0043】
その試験の工程は、実施例4と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0044】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.2%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、石英繊維が0.1%、水が2%、ケイ酸ゾルが12%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
【0045】
S6、焼結する。上記鋳込み成形した大型ケイ質ダイブロックを1300℃のマッフル炉内に入れて焼結し、炉で加熱し、加熱速度は、10℃/分間であり、10時間保温すれば、セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックが得られる。
【0046】
前記工程S2における石英繊維の直径は、0.5~8μmである。当然ながら、実際のニーズに応じて、高シリカ繊維、セラミックス繊維又はジルコニウム含有繊維綿などの他の無機繊維を選択することができる。
【0047】
その試験の工程は、実施例5と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0048】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.2%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、石英繊維が0.2%、水が2%、ケイ酸ゾルが12%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例7)
【0049】
その試験の工程は、実施例5と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0050】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.2%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、石英繊維が0.5%、水が2%、ケイ酸ゾルが12%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例8)
【0051】
その試験の工程は、実施例5と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0052】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.2%、ヘキサメタリン酸ナトリウムが0.1%、低融点防爆繊維が0.02%、高融点防爆繊維が0.04%、石英繊維が1%、水が2%、ケイ酸ゾルが12%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
(実施例9)
【0053】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0054】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.1%、高融点防爆繊維が0.1%、水が4%、ケイ酸ゾルが7%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
【0055】
S4、養生する。養生方法は、温度制御の高湿度養生であり、養生環境温度は8℃である。
(実施例10)
【0056】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0057】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.1%、高融点防爆繊維が0.03%、低融点防爆繊維が0.03%、水が4%、ケイ酸ゾルが7%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
【0058】
S4、養生する。養生方法は、温度制御の高湿度養生であり、養生環境温度は22℃である。
(実施例11)
【0059】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0060】
S4、養生する。養生方法は、温度制御の高湿度養生であり、養生環境温度は38℃である。
(実施例12)
【0061】
その試験の工程は、実施例1と一致し、その違いは、以下のとおりである。
【0062】
S2、スラリを調製する。三次元混合機によって量った主要原料を20分間混合し、次に補助原料を加え、前記補助原料は、以下の比に応じて加えられ、この比は、主要原料の総重量に対する百分率であり、ここで、トリポリリン酸ナトリウムが0.1%、高融点防爆繊維が0.02%、低融点防爆繊維が0.04%、水が4%、ケイ酸ゾルが7%であり、高速混合ミルを使用して10分間混合すると、スラリが得られる。
【0063】
S4、養生する。養生方法は、温度制御の高湿度養生であり、養生環境温度は26℃である。

【0064】
各実施例の原料及び工程の条件の比較は、表1に示される。
表1
【0065】
耐食性試験及びその界面のトポグラフィー解析は以下のとおりである。耐食性試験は、「耐火材料の耐アルカリ性試験方法(GB/T14983-2008)」の要件を参照し、アルカリ溶融坩堝法で行われる。侵食媒体は、NaCOであり、一定の量のアルカリ塩の炭酸カリウムを試料内部に入れ、高温下で、NaCOは、対象材料と反応して体積が膨張し、耐アルカリ性試験を行った後、肉眼で試料の侵食破壊程度を観察し、それにより、耐火材料のアルカリ侵食耐性の良否を判定する。(4~6)℃/分間の加熱速度に応じて1500℃まで加熱し、この温度で5時間保温する。冷却後、試料を取り出し、その亀裂程度をチェックする。図1は、耐食性試験後の実施例1の製品の微視的構造図であり、図2は、耐食性試験後の実施例2の製品の微視的構造図であり、図3は、耐食性試験後の実施例3の製品の微視的構造図であり、図4は、耐食性試験後の実施例4の製品の微視的構造図である。
【0066】
図1から分かるように、該試料は軟らかく、その構造が緻密ではなく、アルカリ侵食環境で、一部の物質は、ガラス状態になった。図3から分かるように、該試料もひどく侵食され、ガラス化程度は一般である。図2及び図4から分かるように、図2の試料構造は緻密であるが、図4の試料よりも低く、従って、図4の微視的構造は、該試料が高い耐食性を有する。
【0067】
実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4の試料の化学成分の特性分析結果は、図2に示される。
表2
【0068】
実施例4の関連試験性能と通常のコークス炉のケイ石煉瓦の性能との比較データは、表3に示される。
表3
【0069】
実施例4の試料の屈曲強度に比べて、実施例5、実施例6、実施例7及び実施例8の屈曲強度の増加百分率は、表4に示される。表4から分かるように、加えられた石英繊維の質量百分率は、0.5wt%に達する場合、大型セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックのサンプルの屈曲強度は最も高い。
表4
【0070】
図5及び図6は、異なる倍率下での実施例7の製品の微視的構造図であり、図7及び図8は、異なる倍率下での実施例8の製品の微視的構造図である。図5及び図7には石英繊維があり、実施例7及び実施例8における石英繊維は、大型ケイ質ダイブロックの異なる部分に分布し、同時に、実施例7及び実施例8における石英繊維の直径と長さも異なる。図6及び図8に示すように、実施例7及び実施例8の大型セラミック繊維補強ケイ質ダイブロックの構造の緻密性は異なり、試験結果から分かるように、図8の局所的構造の緻密性は図6より高い。
【0071】
実施例9、実施例10、実施例11、実施例12の離型の難易度、製品表面の滑らかさ及びサンプル(寸法が500*500*500mm)中心の含水量(wt%)は、表5に示される。
表5
【0072】
当業者にとって、明らかに、本発明は、上記の例示的な実施例の詳細に限定されず、本発明の精神又は基本的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実現することができる。従って、どちらの面でも、実施例は例示的かつ非制限的であると見なされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の請求の範囲によって限定され、従って、請求の範囲の同等要件の意味及び同等の範囲内にある全ての変更は、本発明に含まれることが意図される。
【0073】
なお、理解すべきものとして、本明細書は、実施形態を説明するが、全ての実施形態に独立した技術的解決手段のみが含まれることではなく、明細書のこの説明は、分かりやすくするためのものであり、当業者は、明細書を全体として理解する必要があり、各実施例の技術的解決手段を適切に組み合わせ、当業者が理解できる他の実施形態を形成することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8