(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】化粧料放出装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20240311BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20240311BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20240311BHJP
【FI】
A45D34/04 550
A45D44/00 A
B05B12/00 Z
(21)【出願番号】P 2021503946
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006499
(87)【国際公開番号】W WO2020179448
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2019041883
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(73)【特許権者】
【識別番号】801000027
【氏名又は名称】学校法人明治大学
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【氏名又は名称】木本 大介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直輝
(72)【発明者】
【氏名】松森 孝平
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 龍太
(72)【発明者】
【氏名】大南 武尊
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 恵太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 幹
(72)【発明者】
【氏名】森 瑛美
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 明日香
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】土居 侑希子
(72)【発明者】
【氏名】相澤 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】眞野 隼輔
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183917(JP,A)
【文献】特開2012-086173(JP,A)
【文献】特開2014-121515(JP,A)
【文献】国際公開第2005/097350(WO,A1)
【文献】特開2012-71126(JP,A)
【文献】特開2014-122871(JP,A)
【文献】特開2015-16464(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112315171(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D34/00-34/06
A45D44/00-44/22
B05B 9/00
B05B12/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を収容する少なくとも1つの容器から前記化粧料を放出する化粧料放出装置であって、
前記容器に収容された化粧料を放出
可能であり、且つ、3次元方向に移動可能な放出部を備え、
ユーザの顔の3次元形状を含む顔特徴を特定する手段を備え、
前記特定された3次元形状に基づいて、前記放出部の3次元方向の移動を示す移動パラメータを決定する手段を備え、
前記移動パラメータに基づいて、前記放出部を3次元方向に移動させるための駆動信号を生成する手段を備える、
化粧料放出装置。
【請求項2】
化粧料を収容する少なくとも1つの容器から前記化粧料を放出する化粧料放出装置であって、
前記容器に収容された化粧料を放出可能であり、且つ、3次元方向に移動可能な放出部を備え、
ユーザの顔の肌の状態又は顔の筋肉の状態を含む顔特徴を特定する手段を備え、
前記特定された肌の状態又は筋肉の状態に基づいて、前記放出部の3次元方向の移動を示す移動パラメータを決定する手段を備え、
前記移動パラメータに基づいて、前記放出部を3次元方向に移動させるための駆動信号を生成する手段を備える、
化粧料放出装置。
【請求項3】
前記容器に収容された化粧料の粘度に基づいて、前記容器に収容された化粧料の送出圧力、前記放出部の開口面積、前記容器に収容された化粧料の撹拌速度、及び、前記放出部の噴霧圧力のうちの少なくとも1つを示す放出パラメータを決定する手段を備え、
前記放出パラメータに基づいて、前記容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する手段を備える、
請求項1又は請求項2に記載の化粧料放出装置。
【請求項4】
前記
放出パラメータを決定する手段は、前記粘度が高くなるほど前記送出圧力が高くなるように、前記放出パラメータを決定する、請求項
3に記載の化粧料放出装置。
【請求項5】
前記
放出パラメータを決定する手段は、前記粘度が高くなるほど前記開口面積が大きくなるように、前記放出パラメータを決定する、請求項
3又は請求項4に記載の化粧料放出装置。
【請求項6】
前記
放出パラメータを決定する手段は、前記粘度が高くなるほど前記撹拌速度が速くなるように、前記放出パラメータを決定する、請求項
3~請求項5の何れかに記載の化粧料放出装置。
【請求項7】
前記
放出パラメータを決定する手段は、前記粘度が高くなるほど前記噴霧圧力が高くなるように、前記放出パラメータを決定する、請求項
3~請求項6の何れかに記載の化粧料放出装置。
【請求項8】
化粧料を収容する少なくとも1つの容器から前記化粧料を放出する化粧料放出装置を制御するためのプログラムであって、
前記化粧料放出装置は、前記容器に収容された化粧料を放出可能であり、且つ、3次元方向に移動可能な放出部を備え、
コンピュータを、
ユーザの顔の3次元形状を含む顔特徴を特定する手段、
前記特定された3次元形状に基づいて、前記放出部の3次元方向の移動を示す移動パラメータを決定する手段、
前記移動パラメータに基づいて、前記放出部を3次元方向に移動させるための駆動信号を生成する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
化粧料を収容する少なくとも1つの容器から前記化粧料を放出する化粧料放出装置を制御するためのプログラムであって、
前記化粧料放出装置は、前記容器に収容された化粧料を放出可能であり、且つ、3次元方向に移動可能な放出部を備え、
コンピュータを、
ユーザの顔の肌の状態又は顔の筋肉の状態を含む顔特徴を特定する手段、
前記特定された肌の状態又は筋肉の状態に基づいて、前記放出部の3次元方向の移動を示す移動パラメータを決定する手段、
前記移動パラメータに基づいて、前記放出部を3次元方向に移動させるための駆動信号を生成する手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料放出装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して化粧料を放出するように構成された化粧料放出装置が知られている。この化粧料放出装置によって、ユーザは、手を使わずにメーキャップを行うことができる。
【0003】
化粧料放出装置を用いて適切なメーキャップを実現するためには、ユーザの顔の適切な位置に化粧料が塗布するように放出する必要がある。
例えば、特開2014-183917号公報には、メーキャップの対象となる顔毎に、前記メーキャップの仕方であるメークを選択するメーク選択部と、前記顔の位置を所定の位置に案内し、前記所定の位置を基準として、選択された前記メークに対応する化粧料を噴霧させるメーク提示部と、を有する、メーキャップ支援装置が記載されている。また、特開2014-183917号公報には、ユーザの肌状態に基づいて選択された基礎化粧料を噴霧することも記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、スキンケア又はメーキャップでは、化粧水及びクリームといった粘度が全く異なる複数の化粧料を使用することが多い。これらの化粧料をユーザの顔の適切な位置に塗布するためには、化粧料の粘度に応じた放出条件で放出する必要がある。
しかしながら、特開2014-183917号公報では、化粧料の粘度にかかわらず、一律の放出条件で化粧料が放出される。
【0005】
本発明の目的は、様々な化粧料をそれぞれの粘度に応じて適切に放出することができる化粧料放出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
化粧料を収容する少なくとも1つの容器から前記化粧料を放出する化粧料放出装置であって、
前記容器に収容された化粧料を放出する放出部を備え、
前記容器に収容された化粧料の粘度に基づいて、前記容器に収容された化粧料の送出圧力、前記放出部のノズルの開口面積、前記容器に収容された化粧料の撹拌速度、及び、前記放出部の噴霧圧力のうちの少なくとも1つを示す放出パラメータを決定する手段を備え、
前記放出パラメータに基づいて、前記容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する手段を備える、
化粧料放出装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、様々な化粧料をそれぞれの粘度に応じて適切に放出することができる化粧料放出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の化粧料放出装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態の化粧料放出装置の一部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の化粧料情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図5】本実施形態の塗布パターン情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の送出圧力情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の情報処理の全体フローを示す図である。
【
図8】
図7の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図9】変形例1のノズル開口面積情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】変形例2の撹拌速度情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図11】変形例3の噴霧圧力情報データベースのデータ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)化粧料放出装置の構成
本実施形態の化粧料放出装置の構成を説明する。
図1は、本実施形態の化粧料放出装置の構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態の化粧料放出装置の一部の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、化粧料放出装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、カメラ15と、放出機構Mと、を備える。
図2に示すように、放出機構Mは、ドライバ16と、収容部17と、放出部18と、を備える。
【0012】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0013】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・ドライバ16を制御するファームウェアのプログラム
【0014】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0015】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、化粧料放出装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0016】
入出力インタフェース13は、化粧料放出装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、かつ、化粧料放出装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。また、入力デバイスはカメラ15を含む。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0017】
通信インタフェース14は、化粧料放出装置10と外部装置(例えば、サーバ)との間の通信を制御するように構成される。
【0018】
カメラ15は、画像を取得するように構成される。画像は、例えば、ユーザの顔の2次元画像(例えば、ピクセルデータ)又はユーザの顔の3次元画像(例えば、点群データ)である。
【0019】
ドライバ16は、プロセッサ12の制御に従って、放出部18を駆動させるための駆動信号を生成するように構成される。
【0020】
収容部17は、2つの容器171(容器171a~171b)を保持するように構成される。各容器171は、収容部17に対して着脱可能に構成される。
【0021】
容器171aには、特定の物性(例えば、粘度A)を有する化粧料aが収容される。化粧料aは、例えば、化粧水である。容器171aは、メモリ172aを備える。メモリ172aには、化粧料aの化粧料IDが格納されている。
【0022】
容器171bには、特定の物性(例えば、粘度B(粘度B>粘度A))を有する化粧料bが収容される。化粧料bは、例えば、クリームである。容器171bは、メモリ172bを備える。メモリ172bには、化粧料bの化粧料IDが格納されている。
【0023】
放出部18は、収容部17に保持された容器171に収容された化粧料を化粧料放出装置10の外に放出するよう構成される。放出部18は、2つの送出圧力調整部181(送出圧力調整部181a~181b)と、2つのノズル182(ノズル182a~182b)と、2つの噴霧圧力調整部183(噴霧圧力調整部183a~183b)と、2つの撹拌部184(撹拌部184a~184b)と、を備える。
【0024】
送出圧力調整部181aは、化粧料を容器171aからノズル182aへ供給する際の圧力を調整するよう構成される。送出圧力調整部181aは、容器171aとノズル182aとの間を減圧する減圧機構、及び、容器171a内を加圧する加圧機構(例えば、エアコンプレッサで圧縮した空気で容器171aを加圧する機構)を含む。送出圧力とは、化粧料を容器171からノズル182へ供給する際の圧力である。
【0025】
送出圧力調整部181bは、化粧料を容器171bからノズル182bへ供給する際の圧力を調整するよう構成される。送出圧力調整部181bは、容器171bとノズル182bとの間を減圧する減圧機構、及び、容器171b内を加圧する加圧機構(例えば、エアコンプレッサで圧縮した空気で容器171bを加圧する機構)を含む。
【0026】
ノズル182aは、容器171aから容器171aの外へ送出された化粧料を化粧料放出装置10の外に噴霧(「放出」の一例)するよう構成される。ノズル182aの先端には、放出のための開口を備える。開口は、例えば電磁弁によって開閉可能であり、化粧料の噴霧時に開く仕組みとなっている。ノズル182aは、3次元方向に移動可能である。
【0027】
ノズル182bは、容器171bから容器171bの外へ送出された化粧料を化粧料放出装置10の外に噴霧するよう構成される。ノズル182bの先端には、放出のための開口を備える。開口は、例えば電磁弁によって開閉可能であり、化粧料の噴霧時に開く仕組みとなっている。ノズル182bは、3次元方向に移動可能である。
【0028】
噴霧圧力調整部183aは、ノズル182aから化粧料を噴霧する際の圧力を調整するよう構成される。
【0029】
噴霧圧力調整部183bは、ノズル182bから化粧料を噴霧する際の圧力を調整するよう構成される。
【0030】
撹拌部184aは、容器171aに収容された化粧料を撹拌するよう構成される。
【0031】
撹拌部184bは、容器171bに収容された化粧料を撹拌するよう構成される。
【0032】
なお、容器171aからの化粧料の放出経路に含まれる送出圧力調整部181a、ノズル182a、噴霧圧力調整部183a、及び、撹拌部184aをまとめて以下「放出部18a」という。
容器171bからの化粧料の放出経路に含まれる送出圧力調整部181b、ノズル182b、噴霧圧力調整部183b、及び、撹拌部184bをまとめて以下「放出部18b」という。
【0033】
ノズル182の具体例としてはエアブラシが挙げられ、放出部18は、例えば、エアブラシを作動させるための機構である。すなわち、一例において、圧縮空気用の流路と化粧料用の流路とを別々に備え、圧縮空気と化粧料とをノズル182内で混合して噴霧する。噴霧圧力調整部183は、圧縮空気の圧力を調整することによって、ノズル182から化粧料を噴霧する際の圧力を調整する。
【0034】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。
図3は、本実施形態の概要の説明図である。
【0035】
図3に示すように、化粧料放出装置10は、放出の対象となる化粧料の粘度に基づいて、放出パラメータを決定する。
化粧料放出装置10は、放出パラメータに基づいて、化粧料を放出させるための駆動信号を生成する。
化粧料放出装置10は、駆動信号に応じて、化粧料を放出する。
【0036】
化粧料は、基礎化粧料、及び、メーキャップ用化粧料の少なくとも1つを含む。
【0037】
基礎化粧料は、例えば、以下のものを含む。
・化粧水
・乳液
・美容液
・クリーム
・オイル
・洗顔料
・メーク落とし
・日焼け止め
【0038】
メーキャップ用化粧料は、例えば、以下のものを含む。
・化粧下地
・ファンデーション
・BBクリーム
・コンシーラー
・チーク
・アイシャドー
・マスカラ
・アイブロー
・口紅
【0039】
(3)データベース
本実施形態のデータベースを説明する。以下のデータベースは、記憶装置11に記憶される。
【0040】
(3-1)化粧料情報データベース
本実施形態の化粧料情報データベースを説明する。
図4は、本実施形態の化粧料情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0041】
図4の化粧料情報データベースには、化粧料に関する化粧料情報が格納されている。
化粧料情報データベースは、「化粧料ID」フィールドと、「化粧料名」フィールドと、「粘度」フィールドと、「機能」フィールドと、「優先順位」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0042】
「化粧料ID」フィールドには、化粧料を識別する化粧料IDが格納される。
【0043】
「化粧料名」フィールドには、化粧料名に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0044】
「粘度」フィールドには、化粧料の粘度に関する粘度情報が格納される。
【0045】
「機能」フィールドには、化粧料の機能に関する機能情報が格納される。
【0046】
「優先順位」フィールドには、化粧料を放出する順序に関する優先順位を表す値が格納されている。優先順位は、化粧料情報データベースに格納されている全ての化粧料IDに対応する化粧料の中での相対的な順位である。優先順位は、例えば、化粧料の機能に基づいて予め決められている。化粧料情報データベースに新たな化粧料IDが追加された場合、各化粧料IDに対応する「優先順位」フィールドの値は更新される。
【0047】
(3-2)塗布パターン情報データベース
本実施形態の塗布パターン情報データベースを説明する。
図5は、本実施形態の塗布パターン情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0048】
図5の塗布パターン情報データベースには、化粧料の塗布パターンに関する塗布パターン情報が格納されている。塗布パターン情報データベースは、「塗布パターンID」フィールドと、「塗布パターン名」フィールドと、「塗布パターン」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
塗布パターン情報データベースは、1つの化粧料ID又は1つ以上の化粧料IDの組み合わせに関連付けられている。
【0049】
「塗布パターンID」フィールドには、化粧料の塗布パターンを識別する塗布パターンIDが格納される。
【0050】
「塗布パターン名」フィールドには、化粧料の塗布パターン名に関する情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0051】
「塗布パターン」フィールドには、化粧料の塗布パターンに関する情報が格納される。「塗布パターン」フィールドは、複数のサブフィールド(「化粧料ID」フィールド、「塗布部位」フィールド、及び「塗布量」フィールド)を含む。
【0052】
「化粧料ID」フィールドには、使用される化粧料の化粧料IDが格納される。
【0053】
「塗布部位」フィールドには、化粧料の塗布部位に関する情報が格納される。
【0054】
「塗布量」フィールドには、化粧料の塗布量に関する情報が格納される。塗布量は、例えば、顔の面積あたりの化粧料の体積である。
【0055】
(3-3)送出圧力情報データベース
本実施形態の送出圧力情報データベースを説明する。
図6は、本実施形態の送出圧力情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0056】
図6の送出圧力情報データベースには、容器に収容された化粧料を当該容器からノズルの先端まで送出する際の圧力に関する送出圧力情報が格納されている。
送出圧力情報データベースは、「粘度」フィールドと、「送出圧力パターン」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0057】
「粘度」フィールドには、粘度情報が格納される。
【0058】
「送出圧力パターン」フィールドには、容器に収容された化粧料を当該容器からノズルの先端まで送出する際の圧力のパターンに関する情報が格納される。「送出圧力パターン」フィールドは、複数のサブフィールド(「減圧」フィールド及び「加圧」フィールド)を含む。
【0059】
「減圧」フィールドには、容器171とノズル182との間における減圧時の圧力に関する情報が格納される。
【0060】
「加圧」フィールドには、容器171内の加圧時の圧力に関する情報が格納される。
【0061】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理を説明する。本実施形態では、化粧料の粘度に基づいて、容器に収容された化粧料の送出圧力を示す放出パラメータ(以下「送出圧力パラメータ」という)を決定する。
図7は、本実施形態の情報処理の全体フローを示す図である。
図8は、
図7の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0062】
図7に示すように、化粧料放出装置10は、使用化粧料の受付(S100)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、容器171aに備えられたメモリ172aにアクセスして、容器171aに収容された化粧料aの化粧料IDを特定する。プロセッサ12は、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、特定された化粧料IDに関連付けられた化粧料名を特定する。
プロセッサ12は、容器171bに備えられたメモリ172bにアクセスして、容器171bに収容された化粧料bの化粧料IDを特定する。プロセッサ12は、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、特定された化粧料IDに関連付けられた化粧料名を特定する。
プロセッサ12は、画面P100(
図8)をディスプレイに表示する。
【0063】
画面P100は、表示オブジェクトA100a~A100bと、操作オブジェクトB100a~B100cと、を含む。
表示オブジェクトA100a~A100bは、特定された化粧料名を含む。
操作オブジェクトB100a~B100bは、それぞれ、表示オブジェクトA100a~A100bに提示される化粧料を使用するか否かを指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB100a~B100bには、それぞれ、表示オブジェクトA100a~A100bに提示される化粧料の化粧料IDが割り当てられている。
操作オブジェクトB100cは、操作オブジェクトB100a~B100bに与えられた入力されたユーザ指示を確定させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0064】
ユーザが、操作オブジェクトB100a~B100bの少なくとも1つを操作し、かつ、操作オブジェクトB100cを操作すると、プロセッサ12は、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、操作された操作オブジェクトB100a~B100bに割り当てられた化粧料IDに関連付けられた優先順位を特定する。
プロセッサ12は、操作された操作オブジェクトB100a~B100bに割り当てられた化粧料IDの組み合わせに関連付けられた塗布パターン情報データベース(
図5)を参照して、「塗布パターン名」フィールドに格納されている全ての塗布パターン名を特定する。
なお、ここでは、化粧料a及び化粧料bの両方を使用する場合で説明する。
【0065】
ステップS100の後、化粧料放出装置10は、塗布パターンの受付(S101)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P101(
図8)をディスプレイに表示する。
【0066】
画面P101は、複数の操作オブジェクトB101(B101a,B101b,・・・)を含む。操作オブジェクトB101は、化粧料の塗布パターンを指定するためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。操作オブジェクトB101の数は、ステップS100で特定された塗布パターン名の数と同じである。複数の操作オブジェクトB101には、それぞれ、塗布パターン名に対応する塗布パターンIDが割り当てられている。
【0067】
ユーザが、複数の操作オブジェクトB101のうちの1つを操作すると、プロセッサ12は、塗布パターン情報データベース(
図5)を参照して、操作された操作オブジェクトB101に割り当てられた塗布パターンIDに関連付けられた塗布パターンを特定する。
【0068】
ステップS101の後、化粧料放出装置10は、顔特徴の特定(S102)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P102(
図8)をディスプレイに表示する。
【0069】
画面P102は、表示オブジェクトA102と、操作オブジェクトB102と、を含む。
表示オブジェクトA102は、カメラ15が撮影する画像を含む。
操作オブジェクトB102は、カメラ15に画像の撮影を実行させるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0070】
ユーザが、カメラ15を自身の顔に向けながら操作オブジェクトB102を操作すると、カメラ15が、ユーザの顔の画像を撮像する。
プロセッサ12は、カメラ15によって撮像された画像(つまり、表示オブジェクトA102に含まれる画像)の画像データを生成する。
プロセッサ12は、画像データに特徴量解析を適用することにより、画像データに含まれる顔特徴量情報を抽出する。
記憶装置11には、3次元形状モデルが記憶されている。3次元形状モデルでは、顔の特徴量と顔の3次元形状との間の相関関係が規定される。プロセッサ12は、抽出した特徴量を3次元形状モデルに入力することにより、顔の3次元形状を特定する。
【0071】
ステップS102の後、化粧料放出装置10は、ノズル移動パラメータの決定(S103)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS101で特定された塗布パターン、及び、ステップS102で特定された顔の3次元形状を参照して、ノズル182a~182bの3次元方向の移動を示すノズル移動パラメータを決定する。一例として、プロセッサ12は、ユーザの顔からノズル182a~182bの先端までの距離が一定になるように、ノズル移動パラメータを決定する。また、一例として、プロセッサ12は、塗布パターンにおける塗布量が達成される移動速度になるよう、ノズル移動パラメータを決定する。
【0072】
ステップS103の後、化粧料放出装置10は、粘度情報の特定(S104)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、容器171aに備えられたメモリ172aにアクセスして、容器171aに収容された化粧料aの化粧料IDを特定する。プロセッサ12は、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、特定された化粧料IDに関連付けられた粘度情報(つまり、化粧料aの粘度情報)を特定する。
プロセッサ12は、容器171bに備えられたメモリ172bにアクセスして、容器171bに収容された化粧料bの化粧料IDを特定する。プロセッサ12は、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、特定された化粧料IDに関連付けられた粘度情報(つまり、化粧料bの粘度情報)を特定する。
【0073】
ステップS104の後、化粧料放出装置10は、放出パラメータの決定(S105)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料の粘度情報に基づき、送出圧力情報データベース(
図6)を参照して、送出圧力パラメータを決定する。つまり、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料a及び化粧料bの粘度情報を参照して、それぞれ、化粧料a及び化粧料bの送出圧力を示す送出圧力パラメータを決定する。例えば、プロセッサ12は、粘度が高くなるほど送出圧力が高くなるように、送出圧力パラメータを決定する。
プロセッサ12は、ステップS100で特定された優先順位を比較して、順位が高いものから放出するように、化粧料の放出順序を示す放出パラメータ(以下「順序パラメータ」という)を決定する。プロセッサ12は、例えば、化粧料aを1番目に放出し、化粧料bを2番目に放出するように、順序パラメータを決定する。
【0074】
ステップS105の後、化粧料放出装置10は、駆動信号の生成(S106)を実行する。
具体的には、ドライバ16は、容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する。
より具体的には、ドライバ16は、ステップS103で決定されたノズル182aのノズル移動パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、ノズル182aを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS103で決定されたノズル182bのノズル移動パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、ノズル182bを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された化粧料aの送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171aに収容された化粧料aを容器171aの外へ送出させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された化粧料bの送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171bに収容された化粧料bを容器171bの外へ送出させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた放出部18の噴霧圧力を示す放出パラメータ(以下「噴霧圧力パラメータ」という)及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料aをノズル182aから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料bをノズル182bから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第3駆動信号を生成する。
【0075】
ステップS106の後、化粧料放出装置10は、化粧料の放出(S107)を実行する。
具体的には、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171aとノズル182aとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171a内を加圧する。これにより、化粧料aがノズル182aに送出される。ノズル182aは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171aから送出された化粧料aを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて化粧料aをノズル182aから噴霧する際の圧力を調整する。
送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171bとノズル182bとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171b内を加圧する。これにより、化粧料bがノズル182bに送出される。ノズル182bは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171bから送出された化粧料bを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて化粧料bをノズル182bから噴霧する際の圧力を調整する。
なお、化粧料の放出時には、例えば、ユーザは所定の位置に自身の顔を配しておく。
【0076】
本実施形態によれば、化粧料の粘度に応じて、容器からの化粧料の送出圧力を示す送出圧力パラメータを決定し、当該送出圧力パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
【0077】
また、本実施形態によれば、粘度が高くなるほど送出圧力が高くなるように送出圧力パラメータを決定する。これにより、化粧料の粘度にかかわらず、容器からノズルの先端まで化粧料を適切に送出することができる。
【0078】
(5)変形例
本実施形態の変形例を説明する。
【0079】
(5-1)変形例1
変形例1を説明する。変形例1では、化粧料の粘度に基づいて、ノズルの開口面積を示す放出パラメータ(以下「ノズル開口面積パラメータ」という)を決定する。変形例1では、ノズル182の開口面積が可変である。
【0080】
(5-1-1)ノズル開口面積情報データベース
変形例1のノズル開口面積情報データベースを説明する。
図9は、変形例1のノズル開口面積情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0081】
図9のノズル開口面積情報データベースには、化粧料の放出時のノズルの開口面積に関するノズル開口面積情報が格納されている。
ノズル開口面積情報データベースは、「粘度」フィールドと、「開口面積」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0082】
「粘度」フィールドには、化粧料の粘度情報が格納される。
【0083】
「開口面積」フィールドには、容器に収容された化粧料の放出時のノズルの開口面積を制御するためのノズル開口面積パラメータが格納される。
【0084】
(5-1-2)情報処理
変形例1の情報処理を説明する。
【0085】
図7に示すように、化粧料放出装置10は、本実施形態と同様に、ステップS100~S104を実行する。
【0086】
ステップS104の後、化粧料放出装置10は、放出パラメータの決定(S105)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料の粘度情報に基づき、ノズル開口面積情報データベース(
図9)を参照して、ノズル開口面積パラメータを決定する。つまり、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料a及び化粧料bの粘度情報を参照して、それぞれ、ノズル182a及びノズル182bの開口面積を示すノズル開口面積パラメータを決定する。例えば、プロセッサ12は、粘度が高くなるほど開口面積が大きくなるように、開口面積パラメータを決定する。
プロセッサ12は、本実施形態と同様に、順序パラメータを決定する。
【0087】
ステップS105の後、化粧料放出装置10は、駆動信号の生成(S106)を実行する。
具体的には、ドライバ16は、容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する。
より具体的には、ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182aを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182bを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定されたノズル182aのノズル開口面積パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、ノズル182aの開口面積を調整させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定されたノズル182bのノズル開口面積パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、ノズル182bの開口面積を調整させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171aに収容された化粧料aを容器171aの外へ送出させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171bに収容された化粧料bを容器171bの外へ送出させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料aをノズル182aから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第4駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料bをノズル182bから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第4駆動信号を生成する。
【0088】
ステップS106の後、化粧料放出装置10は、化粧料の放出(S107)を実行する。
具体的には、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171aとノズル182aとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171a内を加圧する。これにより、化粧料aがノズル182aに送出される。ノズル182aは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171aから送出された化粧料aを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、ノズル182aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、開口面積を調節する。また、噴霧圧力調整部183aは、ステップS106で生成された第4駆動信号に応じて化粧料aをノズル182aから噴霧する際の圧力を調整する。
ノズル182bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、開口の絞りを調節する。送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171bとノズル182bとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171b内を加圧する。これにより、化粧料bがノズル182bに送出される。ノズル182bは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171bから送出された化粧料bを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183bは、ステップS106で生成された第4駆動信号に応じて化粧料bをノズル182bから噴霧する際の圧力を調整する。
【0089】
変形例1によれば、化粧料の粘度に応じて、ノズルの開口面積を示すノズル開口面積パラメータを決定し、当該ノズル開口面積パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、一定の圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
【0090】
また、変形例1によれば、粘度が高くなるほど開口面積が大きくなるようにノズル開口面積パラメータを決定する。これにより、化粧料の粘度にかかわらず、化粧料をノズルの先から適切に放出することができる。
【0091】
(5-2)変形例2
変形例2を説明する。変形例2では、化粧料の粘度に基づいて、容器に収容された化粧料の撹拌速度を示す放出パラメータ(以下「撹拌速度パラメータ」という)を決定する。
【0092】
(5-2-1)撹拌速度情報データベース
変形例2の撹拌速度情報データベースを説明する。
図10は、変形例2の撹拌速度情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0093】
図10の撹拌速度情報データベースには、化粧料の送出時における撹拌速度に関する撹拌速度情報が格納されている。
撹拌速度情報データベースは、「粘度」フィールドと、「撹拌速度」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0094】
「粘度」フィールドには、化粧料の粘度情報が格納される。
【0095】
「撹拌速度」フィールドには、容器に収容された化粧料の撹拌速度に関する撹拌速度パラメータが格納される。
【0096】
(5-2-2)情報処理
変形例2の情報処理を説明する。
【0097】
図7に示すように、化粧料放出装置10は、本実施形態と同様に、ステップS100~S104を実行する。
【0098】
ステップS104の後、化粧料放出装置10は、放出パラメータの決定(S105)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料の粘度情報に基づき、撹拌速度情報データベース(
図10)を参照して、撹拌速度パラメータを決定する。つまり、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料a及び化粧料bの粘度情報を参照して、それぞれ、容器171aに収容された化粧料a及び容器171bに収容された化粧料bの撹拌速度を示す撹拌速度パラメータを決定する。例えば、プロセッサ12は、粘度が高くなるほど撹拌速度が速くなるように、撹拌速度パラメータを決定する。
プロセッサ12は、本実施形態と同様に、順序パラメータを決定する。
【0099】
ステップS105の後、化粧料放出装置10は、駆動信号の生成(S106)を実行する。
具体的には、ドライバ16は、容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する。
より具体的には、ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182aを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182bを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された容器171aに収容された化粧料aの撹拌速度パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171aに収容された化粧料aを撹拌させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された容器171bに収容された化粧料bの撹拌速度パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171bに収容された化粧料bを撹拌させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171aに収容された化粧料aを容器171aの外へ送出させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171bに収容された化粧料bを容器171bの外へ送出させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料aをノズル182aから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第4駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料bをノズル182bから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第4駆動信号を生成する。
【0100】
ステップS106の後、化粧料放出装置10は、化粧料の放出(S107)を実行する。
具体的には、撹拌部184aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171aに収容された化粧料aを撹拌する。送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171aとノズル182aとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171a内を加圧する。これにより、化粧料aがノズル182aに送出される。ノズル182aは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に駆動しながら、容器171aから送出された化粧料aを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183aは、ステップS106で生成された第4駆動信号に応じて化粧料aをノズル182aから噴霧する際の圧力を調整する。
撹拌部184bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171bに収容された化粧料bを撹拌する。送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171bとノズル182bとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて、容器171b内を加圧する。これにより、化粧料bがノズル182bに送出される。ノズル182bは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に駆動しながら、容器171bから送出された化粧料bを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183bは、ステップS106で生成された第4駆動信号に応じて化粧料bをノズル182bから噴霧する際の圧力を調整する。
【0101】
変形例2によれば、化粧料の粘度に基づいて、容器に収容された化粧料の撹拌速度を示す撹拌速度パラメータを決定し、当該撹拌速度パラメータに基づいて、容器に収容された化粧料を撹拌する。化粧料は、撹拌されることによって粘度が低下するため、容器からノズルへの流動性が向上する。したがって、一定の送出圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
【0102】
また、変形例2によれば、粘度が高くなるほど撹拌速度が速くなるように放出パラメータを決定する。これにより、化粧料の粘度にかかわらず、容器からノズルの先端まで化粧料を適切に送出することができる。
【0103】
(5-3)変形例3
変形例3を説明する。変形例3では、化粧料の粘度に基づいて、噴霧圧力パラメータを決定する。
【0104】
(5-3-1)噴霧圧力情報データベース
変形例3の噴霧圧力情報データベースを説明する。
図11は、変形例3の噴霧圧力情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0105】
図11の噴霧圧力情報データベースには、ノズルから化粧料を噴霧する際の圧力に関する噴霧圧力情報が格納されている。
噴霧圧力情報データベースは、「粘度」フィールドと、「噴霧圧力」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0106】
「粘度」フィールドには、化粧料の粘度情報が格納される。
【0107】
「噴霧圧力」フィールドには、ノズルから化粧料を噴霧する際の圧力を制御するための噴霧圧力パラメータが格納される。
【0108】
(5-3-2)情報処理
変形例3の情報処理を説明する。
【0109】
図7に示すように、化粧料放出装置10は、本実施形態と同様に、ステップS100~S104を実行する。
【0110】
ステップS104の後、化粧料放出装置10は、放出パラメータの決定(S105)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料の粘度情報に基づき、噴霧圧力情報データベース(
図11)を参照して、噴霧圧力パラメータを決定する。つまり、プロセッサ12は、ステップS104で特定された化粧料a及び化粧料bの粘度情報を参照して、それぞれ、化粧料a及び化粧料bについての噴霧圧力を示す噴霧圧力パラメータを決定する。例えば、プロセッサ12は、粘度が高くなるほど噴霧圧力が高くなるように、噴霧圧力パラメータを決定する。
プロセッサ12は、本実施形態と同様に、順序パラメータを決定する。
【0111】
ステップS105の後、化粧料放出装置10は、駆動信号の生成(S106)を実行する。
具体的には、ドライバ16は、容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する。
より具体的には、ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182aを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、本実施形態と同様に、ノズル182bを移動させるための第1駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171aに収容された化粧料aを容器171aの外へ送出させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、予め決められた送出圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、容器171bに収容された化粧料bを容器171bの外へ送出させるための第2駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された化粧料aについての噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料aをノズル182aから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第3駆動信号を生成する。
ドライバ16は、ステップS105で決定された化粧料bについての噴霧圧力パラメータ及びステップS105で決定された順序パラメータに基づいて、化粧料bをノズル182bから化粧料放出装置10の外に噴霧させるための第3駆動信号を生成する。
【0112】
ステップS106の後、化粧料放出装置10は、化粧料の放出(S107)を実行する。
具体的には、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171aとノズル182aとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181aは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171a内を加圧する。これにより、化粧料aがノズル182aに送出される。ノズル182aは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171aから送出された化粧料aを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183aは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて化粧料aをノズル182aから噴霧する際の圧力を調整する。
送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171bとノズル182bとの間を減圧する。同時に、送出圧力調整部181bは、ステップS106で生成された第2駆動信号に応じて、容器171b内を加圧する。これにより、化粧料bがノズル182bに送出される。ノズル182bは、ステップS106で生成された第1駆動信号に応じて3次元方向に移動しながら、容器171bから送出された化粧料bを化粧料放出装置10の外に噴霧する。この際、噴霧圧力調整部183bは、ステップS106で生成された第3駆動信号に応じて化粧料bをノズル182bから噴霧する際の圧力を調整する。
【0113】
変形例3によれば、化粧料の粘度に応じて、放出部の噴霧圧力を示す噴霧圧力パラメータを決定し、当該噴霧圧力パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、一定の圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
【0114】
また、変形例3によれば、粘度が高くなるほど噴霧圧力が高くなるように噴霧圧力パラメータを決定する。これにより、化粧料の粘度にかかわらず、化粧料をノズルの先から適切に放出することができる。
【0115】
(6)本実施形態の小括
本実施形態について小括する。
【0116】
本実施形態の第1態様は、
化粧料を収容する少なくとも1つの容器(例えば、容器171)から化粧料を放出する化粧料放出装置であって、
容器に収容された化粧料を放出する放出部(例えば、放出部18)を備え、
容器に収容された化粧料の粘度に基づいて、容器に収容された化粧料の送出圧力、放出部のノズルの開口面積、容器に収容された化粧料の撹拌速度、及び、放出部の噴霧圧力のうちの少なくとも1つを示す放出パラメータを決定する手段(例えば、ステップS105の処理を実行するプロセッサ12)を備え、
放出パラメータに基づいて、容器に収容された化粧料を放出させるための駆動信号を生成する手段(例えば、ステップS106の処理を実行するプロセッサ12)を備える、
化粧料放出装置(例えば、化粧料放出装置10)である。
【0117】
第1態様によれば、化粧料の粘度に応じて、容器からの化粧料の送出圧力を示す送出圧力パラメータを決定し、当該送出圧力パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
あるいは、化粧料の粘度に応じて、ノズルの開口面積を示すノズル開口面積パラメータを決定し、当該ノズル開口面積パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、一定の圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
あるいは、化粧料の粘度に基づいて、容器に収容された化粧料の撹拌速度を示す撹拌速度パラメータを決定し、当該撹拌速度パラメータに基づいて、容器に収容された化粧料を撹拌する。化粧料は、撹拌されることによって粘度が低下するため、容器からノズルへの流動性が向上する。したがって、一定の送出圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
あるいは、化粧料の粘度に応じて、放出部の噴霧圧力を示す噴霧圧力パラメータを決定し、当該噴霧圧力パラメータに基づいて、化粧料を放出する。これにより、一定の圧力で、粘度が異なる様々な化粧料を適切に放出することができる。
【0118】
本実施形態の第2態様は、
決定する手段が、粘度が高くなるほど送出圧力が高くなるように、放出パラメータを決定する、
化粧料放出装置である。
【0119】
第2態様によれば、化粧料の粘度にかかわらず、容器からノズルの先端まで化粧料を適切に送出することができる。
【0120】
本実施形態の第3態様は、
決定する手段が、粘度が高くなるほど開口面積が大きくなるように、放出パラメータを決定する、
化粧料放出装置である。
【0121】
第3態様によれば、化粧料の粘度にかかわらず、化粧料をノズルの先から適切に放出することができる。
【0122】
本実施形態の第4態様は、
決定する手段が、粘度が高くなるほど撹拌速度が速くなるように、放出パラメータを決定する、
化粧料放出装置である。
【0123】
第4態様によれば、化粧料の粘度にかかわらず、容器からノズルの先端まで化粧料を適切に送出することができる。
【0124】
本実施形態の第5態様は、
決定する手段が、粘度が高くなるほど噴霧圧力が高くなるように、放出パラメータを決定する、
化粧料放出装置である。
【0125】
第5態様によれば、化粧料の粘度にかかわらず、化粧料をノズルの先から適切に放出することができる。
【0126】
本実施形態の第6態様は、
ユーザの顔の3次元形状を含む顔特徴を特定する手段(例えば、ステップS102の処理を実行するプロセッサ12)を備え、
特定された3次元形状に基づいて、放出部のノズルの移動を示すノズル移動パラメータを決定する手段(例えば、ステップS103の処理を実行するプロセッサ12)を備え、
ノズル移動パラメータに基づいて、ノズルを移動させるための駆動信号を生成する手段(例えば、ステップS106の処理を実行するプロセッサ12)を備える、
化粧料放出装置である。
【0127】
本実施形態の第7態様は、
ユーザの顔の肌の状態又は顔の筋肉の状態を含む顔特徴を特定する手段(例えば、ステップS102の処理を実行するプロセッサ12)を備え、
特定された肌の状態又は筋肉の状態に基づいて、放出部のノズルの移動を示すノズル移動パラメータを決定する手段(例えば、ステップS103の処理を実行するプロセッサ12)を備え、
ノズル移動パラメータに基づいて、ノズルを移動させるための駆動信号を生成する手段(例えば、ステップS106の処理を実行するプロセッサ12)を備える、
化粧料放出装置である。
【0128】
本実施形態の第8態様は、
コンピュータ(例えば、プロセッサ12)を、上記の各手段として機能させるためのプログラムである。
【0129】
(7)その他の変形例
その他の変形例を説明する。
【0130】
記憶装置11は、ネットワークを介して、化粧料放出装置10と接続されてもよい。
【0131】
本実施形態では、容器171a~171bが化粧料放出装置10の構成要素の一部である例を示したが、これに限られない。容器171a~171bは、化粧料放出装置10の構成要素ではなくてもよく、例えば、化粧料放出装置10に対して着脱可能なディスポーザブル容器であってもよい。
【0132】
本実施形態では、ステップS102(顔特徴の特定)において、顔の3次元形状を特定する例を示したが、これに限られない。顔特徴として、顔の肌の状態を特定してもよい。顔の肌の状態としては、例えば、以下が挙げられる。
・シミの位置及び濃さ
・シワの位置及び深さ
・乾燥度合い
・ニキビの位置
・肌の色の違い
・肌の明るさの違い
・皮脂の分泌量の多さ
・キメの整い度合い
・血流の状態
・肌の表面粗さの違い
・肌の摩擦の違い
・肌の粘弾性の違い
・肌の粘着性の違い
・肌の敏感さの違い
・肌の筋肉の動きの違い
これにより、例えば、シミを薄くする効果を有する化粧料を、シミがある部分のみに適切な量を塗布することができる。
あるいは、顔特徴として、顔の筋肉の状態を特定してもよい。これにより、例えば、筋肉を引き締める効果を有する化粧料を、筋肉の部分のみに適切な量を塗布することができる。
【0133】
本実施形態では、化粧料情報データベース(
図4)を参照して、容器171a~171bに備えられたメモリ172a~172bに格納された化粧料IDに関連付けられた粘度情報を特定する例を示したが、これに限られない。例えば、メモリ172a~172bに化粧料の粘度情報が格納されていてもよい。
あるいは、化粧料放出装置10は、容器171a~171bに収容された化粧料の粘度を検出する粘度センサを備えてもよい。この場合、プロセッサ12は、当該粘度センサの検出結果を粘度情報として特定してもよい。あるいは、化粧料放出装置10は、最後の使用時刻からの経過時間に基づいて粘度を推定してもよい。これにより、化粧料の粘度の経年変化に応じた放出パラメータを決定することができる。
【0134】
本実施形態では、化粧料の放出順序が化粧料情報データベース(
図4)の「優先順位」フィールドの値に基づいて決定される例を示したが、これに限られない。例えば、化粧料放出装置10は、ユーザから化粧料の放出順序を指定するための指示を受け付け、当該指示に基づいて化粧料の放出順序を決定してもよい。また、塗布パターンとして化粧料の放出順序が含まれてもよく、化粧料放出装置10は、ユーザから化粧料の放出順序を含む塗布パターンを指定するための指示を受け付けてもよい。
【0135】
本実施形態では、ユーザが、使用する化粧料を指定し、当該指定された化粧料に関連付けられた塗布パターン情報データベース(
図5)に基づき塗布パターンを指定する例を示したが、これに限られない。例えば、ユーザが、使用する化粧料を塗布パターンの一部として指定してもよい。
【0136】
本実施形態では、ノズル182a~182bの3次元方向の移動を示すノズル移動パラメータを決定する例を示したが、これに限られない。例えば、化粧料放出装置10は、ステップS102で特定された顔の3次元形状を2次元形状に変換し、且つ、当該変換の結果に応じてノズル182a~182bの2次元方向の移動を示すノズル移動パラメータを決定してもよい。あるいは、ノズル182a~182bは、6自由度(6DoF)の動きが可能であってもよく、化粧料放出装置10は、6自由度(6DoF)での移動を示すノズル移動パラメータを決定してもよい。
【0137】
本実施形態では、収容部17が2つの容器171を保持するよう構成される例を示したが、これに限られない。保持される容器171の数は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。放出部18における各部材の数は、2つに限られず、また、容器171の数と同じでなくてもよい。放出部18は、例えば、1つの容器171につき複数のノズル182を備える(例えば、複数のノズル182の組がアレイ状に配置される)構成であってもよく、ヨー・ピッチ・ロールの動きが可能であってもよい。この場合、化粧料放出装置10は、ヨー・ピッチ・ロールについての移動を示すノズル移動パラメータを決定してもよい。
【0138】
本実施形態では、送出圧力調整部181は、容器171とノズル182との間を減圧し、且つ、容器171内を加圧する例を示したが、これに限られない。送出圧力調整部181は、例えば、容器171とノズル182との間の減圧と、容器171内の加圧との何れか一方のみを行う構成であってもよい。
【0139】
本実施形態では、ノズル182a~182bの開口面積は調整されない例を示したが、これに限られない。例えば、ノズル182a~182bの移動速度を一定にして、塗布量に応じて開口面積を調整することにより、所望の塗布量が達成されるよう構成されてもよい。
【0140】
本実施形態では、ノズル182a~182bの開口の開閉機構として電磁弁を例示したが、これに限られない。例えば、ノズル182a~182bがエアブラシである場合に、エアブラシのニードルをサーボモータで動かす機構であってもよい。
【0141】
本実施形態では、塗布パターンとして、例えば、重ね塗りの回数又は塗布速度に関する情報を含んでいてもよい。また、塗布パターンは、塗布パターン名の候補から選択されるものに限らず、例えば、ユーザが具体的な塗布部位及び塗布量の少なくとも1つを指定するものであってもよい。
【0142】
本実施形態では、化粧料放出装置10は、化粧料を人の顔に放出する例を示したが、これに限られない。例えば、化粧料放出装置10は、人の顔以外の身体部分(例えば、手又は脚)に放出するものであってもよい。また、化粧料放出装置10は、ユーザの顔以外の身体部分の3次元形状を含む身体特徴を特定してもよい。あるいは、化粧料放出装置10は、ユーザの顔以外の身体部分の肌の状態又は顔以外の身体部分の筋肉の状態を含む身体特徴を特定してもよい。
【0143】
変形例2では、撹拌部184a~184bが化粧料の粘度を低下させるために用いられる例を示したが、これに限られない。例えば、本実施形態では、化粧料中の成分の比重の違い等によって静置すると沈殿が発生する場合(例えば、日焼け止め等)に、化粧料中の成分及び粘度を均一化する目的で撹拌部184a~184bが用いられてもよい。
【0144】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0145】
10 :化粧料放出装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :カメラ
16 :ドライバ
17 :収容部
171a :容器
171b :容器
172a :メモリ
172b :メモリ
18 :放出部
181a :送出圧力調整部
181b :送出圧力調整部
182a :ノズル
182b :ノズル
183a :噴霧圧力調整部
183b :噴霧圧力調整部
184a :撹拌部
184b :撹拌部