(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ゴム組成物、加硫ゴム及び成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 11/00 20060101AFI20240311BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C08L11/00
C08L83/04
(21)【出願番号】P 2021518384
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(86)【国際出願番号】 JP2020018416
(87)【国際公開番号】W WO2020226135
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2019088381
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519161078
【氏名又は名称】インディアン インスティチュート オブ テクノロジー パトナ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【氏名又は名称】中塚 岳
(72)【発明者】
【氏名】砂田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】コトニース ディネシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】ボウミック アニル ケイ
(72)【発明者】
【氏名】アール スリーナシュ ピー
【審査官】櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104262724(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102911413(CN,A)
【文献】特開平8-311249(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102911465(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103589024(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部と、アクリルゴム1~30質量部と、を含み、
前記クロロプレンゴムと前記シリコーンゴムとの質量比(クロロプレンゴム:シリコーンゴム)が60:40~95:5である、ゴム組成物。
【請求項2】
前記シリコーンゴムがビニル基を含有する、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記アクリルゴムがカルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有する、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム。
【請求項5】
請求項4に記載の加硫ゴムを用いた成形品。
【請求項6】
自動車用部品である、請求項5に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロロプレンゴムを用いたゴム組成物、該ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム及び該加硫ゴムを用いた成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
クロロプレンゴムを含有するゴム組成物は、機械的強度、耐候性、難燃性などの物性に優れている加硫ゴムを得ることができることから、ゴム製品の材料として使用されている。これらのゴム製品の中には屋外で使用されるゴム製品も多くあり、特に寒冷地の屋外で使用されるゴム製品には耐寒性が要求される。
【0003】
例えば、特許文献1には、寒冷地で使用される車両用空気バネに好適なゴム組成物として、ブタジエンゴム、天然ゴム及びクロロプレンゴムを含有する耐寒性ゴム組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
屋外で使用されるゴム製品の中には、-40℃を下回るような極めて気温の低い極寒地で使用されるゴム製品がある。このようなゴム製品に使用されるクロロプレン系ゴム組成物について、従来よりも高い耐寒性を有する加硫ゴムを得ることができることが要求されている。また、当該クロロプレン系ゴム組成物は、耐寒性に加えて、ゴム製品としての機能を維持するために良好な引張強度を兼ね備える加硫ゴムを得ることができる必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、耐寒性及び引張強度に優れた加硫ゴムが得られるゴム組成物を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、クロロプレンゴム、シリコーンゴム及びアクリルゴムを特定量配合したゴム組成物が、十分な耐寒性と引張強度とを兼ね備えた加硫ゴムを製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明の一側面は、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部と、アクリルゴム1~30質量部とを含み、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比(クロロプレンゴム:シリコーンゴム)が60:40~95:5である、ゴム組成物を提供する。
【0009】
シリコーンゴムは、ビニル基を含有していてもよい。アクリルゴムは、カルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有していてもよい。すなわち、アクリルゴムは、カルボキシ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有していてもよい。
【0010】
本発明の別の側面は、前記ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム及び該加硫ゴムを用いた成形品を提供する。成形品は、自動車用部品であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一側面によれば、耐寒性及び引張強度に優れた加硫ゴムが得られるゴム組成物を提供することができる。本発明の別の側面によれば、耐寒性及び引張強度に優れた加硫ゴム並びに成形品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。数値範囲の「A以上」とは、A、及び、Aを超える範囲を意味する。数値範囲の「A以下」とは、A、及び、A未満の範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「アルキル基」は、特に断らない限り、直鎖状、分岐又は環状のいずれであってもよい。
【0013】
<1.ゴム組成物>
本発明の一実施形態に係るゴム組成物は、クロロプレンゴム、シリコーンゴム及びアクリルゴムを含む。
【0014】
(クロロプレンゴム)
本実施形態のゴム組成物に含まれるクロロプレンゴム(「クロロプレン系ゴム」ともいう)は、ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムに優れた引張強度を付与することができる。クロロプレンゴムは、クロロプレン(2-クロロ-1,3-ブタジエン)に由来する構造単位を有するクロロプレン重合体である。クロロプレン重合体は、クロロプレンの単独重合体(ポリクロロプレン)、クロロプレンと他の単量体との共重合体(クロロプレンの共重合体)、又は、これらの重合体の混合物であってもよい。
【0015】
クロロプレンと共重合体を形成することができる単量体としては、例えば、2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン、1-クロロ-1,3-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類、並びに、メタクリル酸及びそのエステル類が挙げられる。これらのクロロプレンと共重合体を形成することができる単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
クロロプレンゴムにおけるクロロプレンに由来する構造単位の含有量は、耐寒性及び引張強度により優れた加硫ゴムが得られる観点から、クロロプレンゴムを構成する全構造単位の全量を基準として、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上又は99質量%以上であってもよい。
【0017】
クロロプレンゴムは、重合工程の際に使用される分子量調節剤に由来する構造を含んでいてもよい。クロロプレンゴムは、用いられる分子量調節剤の種類により、例えば、メルカプタン変性タイプ、キサントゲン変性タイプ及び硫黄変性タイプに分類されてもよい。メルカプタン変性タイプのクロロプレンゴムは、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルオクチルメルカプタン、オクチルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン類を分子量調節剤として使用して得られうる。キサントゲン変性タイプのクロロプレンゴムは、アルキルキサントゲン化合物を分子量調節剤として使用して得られうる。硫黄変性タイプのクロロプレンゴムは、硫黄の存在下でクロロプレンを含む単量体混合物を重合して得られた重合体を、チウラムジスルフィドで可塑化し、所定のムーニー粘度に調整したものであってもよい。本実施形態のゴム組成物においては、いずれのタイプのクロロプレンゴムも使用可能である。クロロプレンゴムは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
クロロプレンゴムの製造方法は、特に限定されない。クロロプレンゴムは、クロロプレンを含む単量体混合物を重合させる重合工程を備える方法により製造することができる。クロロプレンゴムは、例えば、乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などの存在下で、上記クロロプレンを含む単量体混合物を乳化重合法により共重合させることで得られうる。
【0019】
(シリコーンゴム)
本実施形態のゴム組成物に含まれるシリコーンゴムは、ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムに優れた耐寒性を付与することができる。シリコーンゴムは、シリコーン樹脂をゴム状に形成する方法により得ることができる。シリコーン樹脂は、過酸化物架橋、縮合反応架橋、付加反応架橋、紫外線架橋などによる硬化反応によって硬化し得る成分であってもよい。シリコーンゴムは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
シリコーンゴムは、下記式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンであってもよい。
【0021】
【0022】
式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基又はアリール基を示す。R1とR2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。炭素数1~5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられ、炭素数2~5のアルケニル基としては、例えば、ビニル基及びプロペニル基が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基が挙げられる。耐寒性及び引張強度により優れた加硫ゴムが得られる観点から、R1及びR2は、それぞれ独立にメチル基及びビニル基から選ばれる少なくとも1種を示すことが好ましく、R1及びR2の少なくとも一方がビニル基を示すことがより好ましい。
【0023】
シリコーンゴムは、耐寒性及び引張強度により優れた加硫ゴムが得られる観点から、ビニル基を含有するシリコーンゴム(以下、「ビニル基含有シリコーンゴム」ともいう)を含むことが好ましい。本実施形態のゴム組成物は、クロロプレンゴム及びシリコーンゴム以外にアクリルゴムを含有する。後述するように、アクリルゴムは、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとを相溶させる相溶化剤として機能することができる。ビニル基含有シリコーンゴムは、ビニル基非含有シリコーンゴム(すなわち、「ビニル基を含有していないシリコーンゴム」)と比べ、アクリルゴムとの反応性がより高いと考えられる。ビニル基含有シリコーンゴムを用いることで、ゴム組成物中のクロロプレンゴムとシリコーンゴムとの相溶性がより良好となり、ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの耐寒性と引張強度がより向上すると考えられる。シリコーンゴムがビニル基含有シリコーンゴムを含む場合、ビニル基含有シリコーンゴムの含有量は、シリコーンゴム100質量部を基準として、1質量部以上、10質量部以上、30質量部以上、50質量部以上、70質量部以上、90質量部以上又は95質量部以上であってもよい。ビニル基含有シリコーンゴムの含有量は、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部を基準として、5質量部以上、10質量部以上、15質量部以上又は20質量部以上であってもよく、40質量部以下、35質量部以下又は30質量部以下であってもよい。
【0024】
ビニル基含有シリコーンゴムとしては、例えば、末端にビニル基を含有するシリコーンゴム、側鎖にビニル基を含有するシリコーンゴム、末端及び側鎖にビニル基を含有するシリコーンゴムが挙げられる。
【0025】
(アクリルゴム)
本実施形態のゴム組成物に含まれるアクリルゴム(「アクリル系ゴム」ともいう)は、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとを相溶させる相溶化剤として機能することができる。クロロプレンゴムとシリコーンゴムとは、極性が異なるため、良好に相溶させることが困難である。しかしながら、本発明者は、アクリルゴムを配合することでクロロプレンゴムとシリコーンゴムとが均一に混ざり合うことを見出した。すなわち、本実施形態のゴム組成物においてアクリルゴムは相溶性の向上に寄与することができ、ゴム組成物の相溶性を向上させることにより、耐寒性と引張強度に優れた加硫ゴムを得ることができる。
【0026】
アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有する(メタ)アクリレート重合体である。アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体混合物を重合させて得ることができる。アクリルゴムは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体混合物の主成分とし、これに後述する架橋席モノマーを共重合させて得られた共重合体であってもよい。アクリルゴムにおける(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量は、アクリルゴムを構成する全構造単位の全量を基準として、40質量%以上、45質量%以上又は50質量%以上であってもよく、99質量%以下、95質量%以下又は90質量%以下であってもよい。
【0027】
なお、本明細書において(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、メタクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念である。(メタ)アクリレート等の他の類似の表現においても同様である。
【0028】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例えば、下記式(2)で表される化合物を含んでもよい。
CH2=CR3-COOR4 (2)
式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R4は炭素数1~20のアルキル基を示す。耐寒性及び引張強度により優れた加硫ゴムが得られる観点から、R3は水素原子であることが好ましい。同様の観点から、R4は炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2~5のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数2~4のアルキル基であることが特に好ましい。
【0029】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルペンチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、及びn-オクタデシル(メタ)アクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。耐寒性及び引張強度により優れた加硫ゴムが得られる観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステルを含むことが好ましい。
【0030】
アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合体を形成することができる架橋席モノマーに由来する構造単位を更に有してもよい。架橋席モノマーとは、架橋席(架橋点ともいう)を形成する官能基を有する単量体のことである。架橋席モノマーは、官能基としてカルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有する架橋席モノマー(すなわちカルボキシ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する架橋席モノマー)が好ましく、カルボキシ基を含有する架橋席モノマーがより好ましい。本実施形態で用いられるアクリルゴムは、カルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有するアクリルゴム(すなわち、カルボキシ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するアクリルゴム)が好ましく、カルボキシ基を含有するアクリルゴムがより好ましい。つまり、本実施形態で用いられるアクリルゴムは、カルボキシ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する架橋席モノマーに由来する構造単位を有することが好ましく、カルボキシ基を含有する架橋席モノマーに由来する構造単位を有することがより好ましい。このようなアクリルゴムは、相溶化剤としてより優れた性能を有する。
【0031】
カルボキシ基を含有する架橋席モノマーは、カルボキシ基を1つ含有する架橋席モノマー、カルボキシ基を2つ以上含有する架橋席モノマー、又はこれらの混合物であってもよい。カルボキシ基を含有する架橋席モノマーとしては、例えば、脂肪族不飽和カルボン酸、芳香族不飽和カルボン酸、カルボキシ基を含有する脂肪族不飽和カルボン酸エステル、及び、カルボキシ基を含有する芳香族不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。脂肪族不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2-ペンテン酸等のカルボキシ基を1つ含有する脂肪族不飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシ基を2つ含有する脂肪族不飽和カルボン酸が挙げられる。カルボキシ基を含有する脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル等の二価の脂肪族不飽和カルボン酸のモノアルキルエステル;マレイン酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキシル等の二価の脂肪族不飽和カルボン酸のモノシクロアルキルエステルが挙げられる。芳香族不飽和カルボン酸としては、例えば桂皮酸が挙げられる。
【0032】
エポキシ基を含有する架橋席モノマーは、エポキシ基を1つ含有する架橋席モノマー、エポキシ基を2つ以上含有する架橋席モノマー、又はこれらの混合物であってもよい。エポキシ基を含有する架橋席モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有する(メタ)アクリレート;アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基及びエチレン性不飽和二重結合を含有するエーテルが挙げられる。
【0033】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合体を形成することができる架橋席モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
アクリルゴムは、本発明の目的を損なわない範囲で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマーに由来する構造単位を更に有してもよい。このような他のモノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和化合物が挙げられ、エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸アルコキシエステル)、アルキルビニルケトン、ビニルエーテル、アリルエーテル、ビニル芳香族化合物、ビニルニトリル、マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステル、メサコン酸ジアルキルエステル、2-ペンテン二酸ジアルキルエステル、及び、アセチレンジカルボン酸ジアルキルエステルが挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、エチレン、アクリル酸メトキシエチル、酢酸ビニル、メチルビニルケトン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテル、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、プロピオン酸ビニル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジメチル、メサコン酸ジメチル、2-ペンテン二酸ジメチル、及び、アセチレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。
【0035】
本実施形態で用いられるアクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルとカルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有する架橋席モノマーとの共重合体を含むことが好ましく、アクリル酸アルキルエステルとカルボキシ基を含有する架橋席モノマーとの共重合体を含むことがより好ましい。すなわち、アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位と、カルボキシ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する架橋席モノマーに由来する構造単位とを有する共重合体を含むことが好ましく、アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位と、カルボキシ基を含有する架橋席モノマーに由来する構造単位とを有する共重合体を含むことがより好ましい。本実施形態のゴム組成物は、このようなアクリルゴムを用いることで、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの相溶性をより向上させることができ、引張強度と耐寒性がより高い加硫ゴムを得ることができる。
【0036】
アクリルゴムは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋席モノマーとを含有する単量体混合物を、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公知の方法によって共重合させて得ることができる。アクリルゴムの製造方法は、当業者により適宜選択することができる。
【0037】
本実施形態のゴム組成物は、クロロプレンゴムが主成分である。本実施形態のゴム組成物におけるクロロプレンゴムの含有量は、ゴム組成物の全量を基準として、40質量%以上、45質量%以上又は50質量%以上であってもよく、90質量%以下、85質量%以下又は80質量%以下であってもよい。本実施形態のゴム組成物において、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比(クロロプレンゴム:シリコーンゴム)は、60:40~95:5である。クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比が60:40以上であると、ゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの引張強度を向上させることができる。クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比が95:5以下であると、極寒地の使用に耐えうる耐寒性を得ることができる。クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比は、好ましくは65:35~95:5、より好ましくは65:35~90:10、さらに好ましくは70:30~90:10、さらにより好ましくは70:30~85:15、特に好ましくは70:30~80:20である。
【0038】
本実施形態のゴム組成物は、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して、アクリルゴムを1~30質量部含む。アクリルゴムの含有量がこの範囲内であると、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの相溶性を向上させることができ、引張強度と耐寒性に優れた加硫ゴムを得ることができる。アクリルゴムの含有量の下限は、好ましくは3質量部、より好ましくは5質量部、さらに好ましくは7質量部、特に好ましくは9質量部である。アクリルゴムの含有量の上限は、好ましくは25質量部、より好ましくは20質量部、さらに好ましくは15質量部、特に好ましくは12質量部である。
【0039】
(その他の成分)
本実施形態のゴム組成物において、クロロプレンゴム、シリコーンゴム及びアクリルゴム以外の原料は、特に限定されず、目的及び用途に応じて適宜選択されうる。ゴム組成物に含まれうる原料としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤、滑剤又は加工助剤、充填剤、可塑剤などの公知の添加剤が挙げられる。
【0040】
加硫剤としては、例えば、硫黄;ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、バリウム、ゲルマニウム、チタニウム、錫、ジルコニウム、アンチモン、バナジウム、ビスマス、モリブデン、タングステン、テルル、セレン、鉄、ニッケル、コバルト、オスミウム等の金属単体;これら金属の酸化物及び水酸化物が挙げられる。加硫剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの加硫剤の中でも、加硫効果が高い観点から、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましく、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛を併用することがより好ましい。ゴム組成物中の加硫剤の含有量は、例えば、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で0.1~20質量部とすることができ、1質量部以上、3質量部以上又は5質量部以上であってもよく、15質量部以下又は10質量部以下であってもよい。
【0041】
加硫促進剤としては、例えば、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、及びチアゾール系加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの加硫促進剤の中でも、チオウレア系加硫促進剤を使用することが好ましく、エチレンチオウレア等の環状チオウレア系加硫促進剤を使用することがより好ましい。ゴム組成物中の加硫促進剤の含有量は、例えば、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で0.1~5質量部とすることができ、0.2質量部以上又は0.3質量部以上であってもよく、3質量部以下又は1質量部以下であってもよい。
【0042】
滑剤又は加工助剤は、ゴム組成物の加工性及び表面滑性を向上させるために添加されうる。滑剤又は加工助剤を添加することにより、ゴム組成物を混練したり加硫成形したりする際に、ロール、成形金型、押出機のスクリューなどからゴム組成物が剥離し易くなる傾向がある。滑剤又は加工助剤としては、例えば、ステアリン酸等の脂肪酸、ポリエチレン等のパラフィン系加工助剤、脂肪酸アミドなどが挙げられる。滑剤及び加工助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しもよい。これらの中でも、ステアリン酸等の脂肪酸を使用することが好ましい。ゴム組成物中の滑剤及び加工助剤の含有量は、例えば、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で0.1~5質量部とすることができ、0.2質量部以上又は0.3質量部以上であってもよく、3質量部以下又は1質量部以下であってもよい。
【0043】
充填剤は、ゴムの硬さを調整したり機械的強度を向上させたりするために添加されうる。充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、タルク、及び炭酸カルシウムが挙げられる。充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ゴム組成物中の充填剤の含有量は、例えば、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で10~100質量部とすることができ、20質量部以上、25質量部以上、又は30質量部以上であってもよく、80質量部以下、60質量部以下又は50質量部以下であってもよい。
【0044】
可塑剤は、ゴム組成物の加工性を向上させるために添加されうる。可塑剤としては、例えば、菜種油、アマニ油、ヒマシ油、ヤシ油等の植物油、フタレート系可塑剤、DUP(フタル酸ジウンデシル)等の芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステル、DOS(セバシン酸ジオクチル)、DOA(アジピン酸ジオクチル)等の脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエスエル、エステル系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、チオエーテル系可塑剤、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、潤滑油、プロセスオイル、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン、石油アスファルト等の石油系可塑剤などが挙げられる。可塑剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの可塑剤の中でも、耐寒性により優れた加硫ゴムが得られる観点から、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルを使用することが好ましく、DOSを使用することがより好ましい。ゴム組成物中の可塑剤の含有量は、例えば、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で1~50質量部とすることができ、5質量部以上、10質量部以上又は15質量部以上であってもよく、40質量部以下、30質量部以下又は25質量部以下であってもよい。可塑剤として脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルを含む場合、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルの含有量は、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して合計で1質量部以上、3質量部以上、5質量部以上、7質量部以上又は10質量部以上であってもよく、50質量部以下、40質量部以下、30質量部以下、25質量部以下又は20質量部以下であってもよい。
【0045】
<2.加硫ゴム>
本発明の一実施形態に係る加硫ゴムは、上記ゴム組成物の加硫ゴムであり、上記ゴム組成物を加硫することにより得ることができる。このため、本実施形態の加硫ゴムは耐寒性及び引張強度に優れている。加硫温度は、ゴム組成物の組成、加硫剤の種類などによって適宜調整でき、通常は140℃~200℃であり、好ましくは150℃~190℃である。加硫時間も、ゴム組成物の組成、加硫剤の種類、加硫方法などによって適宜調整することができる。加硫方法としては、プレス加硫、インジェクション加硫、直接釜加硫、間接釜加硫、直接蒸気連続加硫、常圧連続加硫、連続加硫プレスなどの公知の方法を用いることができる。加硫ゴムの製造において、ゴム組成物を所望の形状に成形した後に加硫してもよく、ゴム組成物の成形中に加硫してもよく、ゴム組成物を加硫した後に成形してもよい。
【0046】
<3.成形品>
本発明の一実施形態に係る成形品は、上記加硫ゴムを用いてなる成形品(例えば上記加硫ゴムを含む成形品)であり、上記加硫ゴムを用いて得ることができる。本実施形態の成形品は、例えば、上記ゴム組成物の加硫前又は加硫後に所望の形状に成形する方法、及び、上記ゴム組成物の成形中に加硫する方法により得ることができる。成形方法は特に限定されず、プレス成型、射出成型、押出成形などの公知の方法を用いることができる。
【0047】
本実施形態の成形品は、耐寒性及び引張強度に優れていることから、寒冷地の屋外で使用され且つ強度が要求されるゴム製品として好適に用いられる。具体的には、防寒ゴム、ワイパー、ホースなどの自動車用部品、鉄道又は橋梁に用いられるゴム支承、屋外のパッキンなどに好適である。
【実施例】
【0048】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
[試験例1]
<加硫ゴムの作製>
ミキサー(Haake rheocode internal mixer)を用いて、冷却水温度80℃、ロータ回転数100rpmの条件でクロロプレンゴム、シリコーンゴム及びアクリルゴムを混練りし、その後、ステアリン酸、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及びエチレンチオウレアを順に添加して混練りした。各原料の配合量は下記表1に記載した。10分間混練りした後にミキサー(Haake rheocode internal mixer)よりコンパウンドを排出し、排出したコンパウンドをロールに通して、シート化した。得られたシートを用いて、JIS K 6250に基づいて170℃30分間の加硫条件で加硫ゴム(テストピース)を作製した。
【0050】
<引張強度の測定>
テストピースを用いて、JIS K 6251に基づいて引張試験を行い、引張強度を測定した。加硫ゴムの引張強度は7MPa以上を合格とした。
【0051】
<耐寒性の測定>
テストピースを用いて、動的粘弾性試験機(Modular compact rheometer(MCR))により、試験温度-100℃~100℃、昇温速度2℃/分、周波数1Hz、歪み0.1%(歪みモード:引張り)の条件で測定を行い、損失正接tanδのピーク温度を計測した。加硫ゴムのピーク温度は-30℃以下を合格とした。
【0052】
試験例1の結果を下記表1に示す。
【0053】
【0054】
表1中の各原料の詳細は下記のとおりである。
(クロロプレンゴム)
M-40:商品名、メルカプタン変性クロロプレン単独重合体、デンカ株式会社製
(シリコーンゴム)
Cenusil R-150R:商品名、ビニル基含有シリコーンゴム、WACKER社製
TSE200:商品名、ビニル基非含有シリコーンゴム、Momentive社製
(アクリルゴム)
ER A413:商品名、カルボキシ基を含有するアクリルゴム、デンカ株式会社製
Nipol AR32:商品名、エポキシ基を含有するアクリルゴム、日本ゼオン株式会社製
(滑剤・加工助剤)
ステアリン酸:商品名ルナックS-70V、花王株式会社製
(加硫剤)
酸化マグネシウム:商品名キョーワマグ(登録商標)150、協和化学工業株式会社製
酸化亜鉛2種:堺化学工業株式会社製
(加硫促進剤)
アクセル22-S:商品名、エチレンチオウレア、川口化学工業株式会社製
【0055】
表1の結果が示すように、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比が99:1である比較例1は、引張強度は良好であったが、耐寒性がやや劣っていた。クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比が55:45である比較例2は、耐寒性は良好であったが、引張強度が劣っていた。また、アクリルゴムを含有しない比較例3は、耐寒性がやや悪く、アクリルゴムをクロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して35質量部含有する比較例4は、引張強度がやや悪かった。一方、クロロプレンゴムとシリコーンゴムとの質量比が60:40~95:5であり、アクリルゴムの含有量がクロロプレンゴムとシリコーンゴムとの合計100質量部に対して1~30質量部である実施例は、引張強度と耐寒性が共に良好であった。これらの結果から、各種ゴムの含有量を本発明の範囲内とすることで、引張強度と耐寒性とを両立させた加硫ゴムが得られることが確認された。
【0056】
実施例2ではビニル基含有シリコーンゴムを配合し、実施例9ではビニル基非含有シリコーンゴムを配合し、実施例10ではビニル基含有シリコーンゴムとビニル基非含有シリコーンゴムとを1:1の質量比で配合した。引張強度が最も高いのは実施例2であり、その次に高いのは実施例10であった。また、実施例2及び実施例10は実施例9を上回る耐寒性を示した。これらの結果から、ビニル基含有シリコーンゴムを用いることで、引張強度と耐寒性がより向上することが確認された。
【0057】
カルボキシ基を含有するアクリルゴムを配合した実施例1~10、及び、エポキシ基を含有するアクリルゴムを配合した実施例11は、いずれも引張強度及び耐寒性に優れていた。また、アクリルゴムの種類以外は組成が同一の実施例2と実施例11とを比較すると、実施例2の方が引張強度と耐寒性がより良好であった。これらの結果から、カルボキシ基及び/又はエポキシ基を含有するアクリルゴムが好ましく、カルボキシ基を含有するアクリルゴムがより好ましいことが示唆された。
【0058】
[試験例2]
下記表2に示す配合で加硫ゴムを作製した。作製手順は、クロロプレンゴム、シリコーンゴム及びアクリルゴムの混練り後に充填剤及び可塑剤を更に添加すること以外は試験例1と同様であった。その後、試験例1と同様の手順で引張強度と耐寒性を測定した。試験例2の結果を下記表2に示す。
【0059】
【0060】
表2中の充填剤及び可塑剤の詳細は以下のとおりである。なお、表2中の他の原料は表1と同様である。
(充填剤)
カーボンブラック:SRFカーボンブラック、旭#50、旭カーボン株式会社製
(可塑剤)
ナフテン系オイル:ダイアナプロセスオイル NP―24、出光興産株式会社製
DOS:セバシン酸ジオクチル、サンソサイザー DOS、新日本理化株式会社製
【0061】
表2の結果から、本発明のゴム組成物を用いることで、優れた引張強度を有しつつ極めて優れた耐寒性をも兼ね備える加硫ゴムが得られることが確認された。
【0062】
表2に記載されている実施例13は、実施例12のDOSを15質量部に変更し、それ以外は実施例12と同様の手順で加硫ゴムを製造した。実施例13で得られた加硫ゴムは、耐寒性により優れたことが示唆された。